説明

薄膜回路基板と薄膜回路基板に用いられる発光キーボード

【課題】光使用効率の向上が可能な薄膜回路基板と、前記薄膜回路基板の応用が可能な発光キーボードを提供する。
【解決手段】薄膜回路基板は上層板と下層板を含み、上層板は第1薄膜と第1薄膜の下表面に形成された第1回路パターンを備え、下層板は第2薄膜、第2回路パターン、及び第2薄膜と第2回路パターンの間にある光反射部材を備え、第1回路パターンにおける複数の上接点と第2回路パターンにおける複数の下接点が共に複数の薄膜スイッチを形成し、光反射部材の屈折率が第2薄膜の屈折率より小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜回路基板に関し、より詳しくは、発光キーボードに応用される薄膜回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年来、情報産業の急速な発展により、多くのユーザーが異なる環境で、ノート型パソコン、携帯電話、PDA等といったポータブルタイプの情報装置を使用できるようになった。しかし、光線が弱い環境では、ユーザーはキーボードキーに標示された数字や文字がはっきり見えない可能性があるため、作業が困難となり、最悪な場合には、無理にキー標示を識別しようとして視力を損なうことすらある。このため、発光キーボードを発表することで、光線不足な場所でのキーボードを使用するユーザーの不便さを改善することができる。更には、異なる発光配置により、発光キーボード使用の情報装置の見栄えを一層美しくして、販路拡張を可能とする。
【0003】
図1は公知の発光キーボードの構造断面の概略図である。発光キーボード1は光反射板11、導光板12、金属底板13、薄膜回路基板14、複数のキー15、及び発光素子16を含み、薄膜回路基板14は下層板141、上層板142、及び下層板141と上層板142の間にある中層板143を含み、下層板141、中層板143、及び上層板142は何れも透明な導光材質で製造され、透明な導光材質はポリカーボネート(PC)、又はポリエチレン・テレフタレート(PET)等でよい。
【0004】
図2は図1に示された発光キーボードの薄膜回路基板の傾斜分解図で、上層板142は複数の銀ペースト回路14211と複数の上接点14212で構成された第1回路パターン1421を備え、下層板141は複数の銀ペースト回路14111と複数の下接点14112で構成された第2回路パターン1411を備え、また、中層板143は複数の上接点14212と複数の下接点14122に対応する接点開孔1431を備え、各上接点14212とこれに対応する下接点14112は共に薄膜スイッチ144を形成する。また、各キー15はキーキャップ151と弾性体152を備え、弾性体152はキーキャップ151と薄膜回路基板141の間に設けられる。
【0005】
キー15の何れかが押下されて下に移動すると、キーキャップ151は弾性体152を圧迫して、これに対応する上接点14212に当接させ、さらにこれに対応する上接点14212が、対応する接点開孔1431から、対応する下接点14122に接触し、こうして対応する薄膜スイッチ144を電気的に導通して、発光キーボード1が対応するキー信号を生じる。また、ユーザーがこれ以上キーキャップ151を押下しなくなると、キーキャップ151は弾性体152の弾性力に対応して、上向きに作動して元の位置に戻る。
【0006】
また、発光素子16は導光板12の側辺に設けられ、導光板12に入射する光線を供給し、導光板12は光反射板11上に設けられ、金属底板13上に複数の貫通孔131が有り、前記複数の貫通孔131は前記複数のキー15の位置に対応して設けられる。光線が導光板12に入射すると、光線は導光板12全体に拡散され、導光板12の一部の光線が、上向きに乱反射するのに対し、別の一部の光線は下向きに乱反射し、上向きに乱反射する光線は複数の貫通孔131から薄膜回路基板14と複数のキー15に投射され、下向きに乱反射する光線はさらに光反射板11のサポートにより光線を上向きに反射して、発光素子16が供給する光線を十分に利用できる。以上のとおり、複数のキー15が発光効果を生じることができる。ただ、公知の発光キーボード1に応用される薄膜回路基板14は以下に述べる欠点がある。
【0007】
図3は図2に示された薄膜回路基板における下層板の光路の概略図である。第1回路パターン1411は下層板141の上表面に設けられ、第1回路パターン1411は複数の銀ペースト回路14211で構成され、前記銀ペースト回路14211は光線を集中し乱反射させる性質を持つことから、図中の光線L2のように、発光素子16が供給する光線L1は金属底板13の複数の貫通孔131から下層板141に進入した後、第1回路パターン1411の銀ペースト回路14211が発光した状態となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
然しながら、前述した公知の技術では、大部分の銀ペースト回路14211が複数のキー15に対応する位置に設けられていないことから、元々複数のキー15の発光に使用されるべき光量が、銀ペースト回路14211の特性で消耗し、つまり、元々光線L1の光量の大部分はキー15が得るべきであるが、銀ペースト回路14211の特性で光線L2の光量が消耗することから、発光キーボード1は光線L3の光量だけしか利用できず、発光キーボード1上の複数のキー1に光量が不足する状況が起きるといった問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、光使用効率の向上が可能な薄膜回路基板と、前記薄膜回路基板の応用が可能な発光キーボードを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決し、目的を達成するために、好ましい実施形態では、本発明に係る発光キーボードは、発光キーボードに光線を供給するための少なくとも1つの発光素子と、薄膜回路基板と、前記複数の薄膜スイッチを導通するための複数のキーとを含み、薄膜回路基板はさらに、第1薄膜と前記第1薄膜の下表面に形成された第1回路パターンを備え、前記第1回路パターン上に複数の上接点を設けた上層板と、第2薄膜、第2回路パターン、及び前記第2薄膜と前記第2回路パターンの間にある光反射部材とを備え、前記第2回路パターン上に前記複数の上接点に対応する複数の下接点を設け、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に間隔を設け、前記対応する上接点と共に薄膜スイッチを形成し、前記光反射部材の屈折率が前記第2薄膜の屈折率より小さい下層板とを含む。
【0011】
好ましい実施形態では、前記第2回路パターンは複数の金属回路を含むことを特徴とする。
【0012】
好ましい実施形態では、前記複数の金属回路は銀ペースト回路であることを特徴とする。
【0013】
好ましい実施形態では、前記光反射部材は単一の薄膜で、前記複数の金属回路は前記単一の薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0014】
好ましい実施形態では、前記光反射部材は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0015】
好ましい実施形態では、前記光反射部材は複数のブロック状薄膜を含み、前記複数の金属回路はそれぞれ前記複数のブロック状薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0016】
好ましい実施形態では、前記複数のブロック状薄膜は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0017】
好ましい実施形態では、前記第2薄膜は導光薄膜であることを特徴とする。
【0018】
好ましい実施形態では、前記導光薄膜はポリカーボネート(PC)材質、ポリエチレン・テレフタレート(PET)材質、又はポリメチル・メタクリレート(PMMA)材質で製造されることを特徴とする。
【0019】
好ましい実施形態では、前記発光素子は前記薄膜回路基板の側辺に設けられて前記薄膜回路基板の方向に照射される発光ダイオードであることを特徴とする。
【0020】
好ましい実施形態では、前記薄膜回路基板の下方に設けられ、前記複数のキー、前記薄膜回路基板、及び前記発光素子を載置するための台座を更に含むことを特徴とする。
【0021】
好ましい実施形態では、前記各キーはキーキャップと弾性体を備え、前記弾性体は前記キーキャップと前記薄膜回路基板の間に設けられ、前記キーキャップが押下されると、前記弾性体が圧縮されて対応する前記薄膜スイッチに当接するのに対し、前記キーキャップがそれ以上押下されなくなると、前記弾性体が前記キーキャップに弾性力を提供して前記キーキャップを元の位置に戻すことを特徴とする。
【0022】
好ましい実施形態では、前記薄膜回路基板は更に前記上層板と前記下層板の間に設けられ、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に前記間隔を設けた中層板を含み、前記中層板は前記複数の下接点と前記複数の上接点に対応する複数の開孔を有することを特徴とする。
【0023】
好ましい実施形態では、本発明はまた、第1薄膜と前記第1薄膜の下表面に形成された第1回路パターンを備え、前記第1回路パターン上に複数の上接点を設けた上層板と、第2薄膜、第2回路パターン、及び前記第2薄膜と前記第2回路パターンの間にある光反射部材を備え、前記第2回路パターン上に前記複数の上接点に対応する複数の下接点を設け、前記光反射部材の屈折率が前記第2薄膜の屈折率より小さい下層板とを含み、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に間隔を設け、前記対応する上接点と共に薄膜スイッチを形成することを特徴とする薄膜回路基板を提供する。
【0024】
好ましい実施形態では、前記第2回路パターンは複数の金属回路を含むことを特徴とする。
【0025】
好ましい実施形態では、前記光反射部材は単一の薄膜で、前記複数の金属回路は前記単一の薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0026】
好ましい実施形態では、前記光反射部材は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0027】
好ましい実施形態では、前記光反射部材は複数のブロック状薄膜を含み、前記複数の金属回路はそれぞれ前記複数のブロック状薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0028】
好ましい実施形態では、前記複数のブロック状薄膜は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする。
【0029】
好ましい実施形態では、前記第2薄膜は導光薄膜であることを特徴とする。
【0030】
好ましい実施形態では、前記導光薄膜はポリカーボネート(PC)材質、ポリエチレン・テレフタレート(PET)材質、又はポリメチル・メタクリレート(PMMA)材質で製造されることを特徴とする。
【0031】
好ましい実施形態では、前記上層板と前記下層板の間に設けられ、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に前記間隔を設けた中層板を更に含み、前記中層板が前記複数の上接点と前記複数の下接点に対応する複数の開孔を有することを特徴とする。
【0032】
好ましい実施形態では、発光キーボードに応用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、公知の発光キーボード内における薄膜回路基板の光使用効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】公知の発光キーボードの構造断面の概略図である。
【図2】本発明に係る図1に示された発光キーボードの薄膜回路基板の傾斜分解図である。
【図3】図2に示された薄膜回路基板における下層板の光路の概略図である。
【図4】本発明に係る薄膜回路基板の第1の好ましい実施形態における構造の側面図である。
【図5】第1実施形態に示された薄膜回路基板の分解斜視図である。
【図6】第1実施形態に示された薄膜回路基板における下層板の光路の概略図である。
【図7】本発明に係る薄膜回路基板於第2の好ましい実施形態における構造の側面図である。
【図8】第2実施形態に示された薄膜回路基板の分解斜視図である。
【図9】第2実施形態に示された薄膜回路基板における下層板の光路の概略図である。
【図10】本発明に係る第2の好ましい実施形態における薄膜回路基板が発光キーボードに応用される好ましい実施態様の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に図面を参照して本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0036】
まず、本発明の薄膜回路基板の第1実施形態について説明する。
【0037】
図4は本発明に係る薄膜回路基板の第1の好ましい実施形態における構造の側面図であり、図5は図4に示された薄膜回路基板の分解斜視図である。薄膜回路基板23は上層板232と下層板231を含む。上層板232は第1薄膜2322と第1回路パターン2321を備え、第1回路パターン2321は第1薄膜2322の下表面に形成され、第1回路パターン2321上には複数の上接点23211と複数の金属回路23212を含む。下層板231は第2薄膜2312、第2回路パターン2311、及び第2薄膜2312と第2回路パターン2311の間にある光反射部材2313を備え、第2回路パターン2311上に複数の金属回路23112と、複数の上接点23211に対応する複数の下接点23111を含む。
【0038】
このうち、各上接点23211とこれに対応する下接点23111の間に間隔Dを設け、これに対応する下接点23111と共に薄膜スイッチ234を形成し、上接点23211の何れかが対応する下接点23111に接触して、両者によって形成された薄膜スイッチ234が電気的に導通されると、対応する信号を出力する。また、各上接点23211とこれに対応する下接点23111の間に間隔Dを設けるために、本実施形態では、薄膜回路基板23は更に、下層板231と上層板232の間に設けられた中層板233を含み、中層板233は複数の下接点23111と複数の上接点23211に対応する複数の開孔2331を備える。
【0039】
さらに、第2薄膜2312は導光薄膜であって、光線が第2薄膜2312に進入すると、その中で拡散されるが、本実施形態では、第2薄膜2312はポリカーボネート(PC)材質、ポリエチレン・テレフタレート(PET)材質、又はポリメチル・メタクリレート(PMMA)材質で製造が可能だが、これらに限られない。また、本実施形態では、光反射部材2313は単一の薄膜で、印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により第2薄膜2312上に形成される。なお、光反射部材2313の屈折率は第2薄膜2312の屈折率より小さくなければならないことを特に説明しておく。また、第2回路パターン2311上の前記複数の金属回路23112は導電係数が好ましい銀ペースト回路を採用し、何れも前記単一の薄膜2313上に形成される。
【0040】
図6は図4に示された薄膜回路基板における下層板の光路の概略図である。光反射部材2313の屈折率が第2薄膜2312の屈折率より小さいことから、光線L4が薄膜回路基板23の下層板231の側辺から進入すると、大部分の光線L4は第2薄膜2312内で全反射するのみで、このようにして、光線L4が第2回路パターン2311の金属回路23112に吸收、集中される状況を少なくして、効果的に光量のロスを低減することができる。よって、本発明は下層板231に供給する光線を第2薄膜2312全体に均等に拡散させることができる。
【実施例2】
【0041】
次は、本発明の薄膜回路基板の第2実施形態について説明する。
【0042】
図7は本発明に係る薄膜回路基板於第2の好ましい実施形態における構造の側面図であり、図8は図7に示された薄膜回路基板の分解斜視図である。薄膜回路基板33は上層板332と下層板331を含む。上層板332は第1薄膜3322と第1回路パターン3321を備え、第1回路パターン3321は第1薄膜3322の下表面に形成され、第1回路パターン3321上に複数の上接点33211と複数の金属回路33212を含む。下層板331は第2薄膜3312、第2回路パターン3311、及び第2薄膜3312と第2回路パターン3311の間にある光反射部材3313を備え、第2回路パターン3311上に複数の金属回路33112と、複数の上接点33211に対応する複数の下接点33111を含む。
【0043】
各上接点33211とこれに対応する下接点33111の間に間隔Dを設け、対応する下接点33111と共に薄膜スイッチ334を形成し、上接点33211の何れかが対応する下接点33111に接触して、両者によって形成された薄膜スイッチ334が電気的に導通されると、対応する信号を出力する。また、各上接点33211とこれに対応する下接点33111の間に間隔Dを設けるために、本実施形態では、薄膜回路基板33は更に、下層板331と上層板332の間に設けられた中層板333を含み、中層板333は複数の下接点33111と複数の上接点33211に対応する複数の開孔3331を備える。
【0044】
さらに、第2薄膜3312は導光薄膜であって、光線が第2薄膜3312に進入すると、その中で拡散されるが、本実施形態では、第2薄膜3312はポリカーボネート(PC)材質、ポリエチレン・テレフタレート(PET)材質、又はポリメチル・メタクリレート(PMMA)材質で製造が可能だが、これらに限られない。また、本実施形態では、光反射部材3313は複数に分離したブロック状薄膜33131、33132、33133、33134を含み、印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により第2薄膜3312上に形成される。なお、複数のブロック状薄膜33131〜33134の屈折率は第2薄膜3312の屈折率より小さくなければならないことを特に説明しておく。
【0045】
また、第2回路パターン3311上の前記複数の金属回路33112は導電係数が好ましい銀ペースト回路を採用し、前記複数の金属回路33112は前記複数のブロック状薄膜33131、33132、33133、33134上にそれぞれ形成される。当然ながら、上記は好ましい実施形態であり、金属回路33112の一部が跨いで複数のブロック状薄膜33131、33132、33133、33134内の2つのブロック状薄膜に形成されるように、当業者が実際の応用ニーズに応じてどのような均等な変更設計も可能である。
【0046】
図9は図8に示された薄膜回路基板における下層板の光路の概略図である。空気の屈折率は1であるが、昨今の技術では、屈折率が空気の屈折率より小さい材料は殆どないことから、光線L5が薄膜回路基板33の下層板331の側辺から進入すると、第2薄膜3312上で光反射部材3313が設けられていない箇所は、光線L5が第2薄膜3312内で全反射する効率が最良の箇所であることをまず説明する。よって、本好ましい実施形態では、光線L5が第2薄膜3312内で全反射する効率は第1の好ましい実施形態で述べたものにさらに優る。従って、本好ましい実施形態では更に、下層板331に供給する光線を第2薄膜3312全体に均等に拡散させることができる。
【0047】
図10は本発明に係る第2の好ましい実施形態における薄膜回路基板が発光キーボードに応用される好ましい実施態様の構造の概略図である。発光キーボード3は下から上に順番に台座32、薄膜回路基板33、及び複数のキー34を含み、台座32は薄膜回路基板33と複数のキー34を載置するためのものである。
【0048】
さらに、複数のキー34は複数の薄膜スイッチ334に対応する箇所に設けられ、複数のキー34はどのキー34も全てキーキャップ341と弾性体342を備える。弾性体342はキーキャップ341と薄膜回路基板33の間に設けられる。何れかのキー34が押下されて下に移動すると、キーキャップ341は弾性体342を圧迫して対応する薄膜スイッチ334に当接させて電気的に導通する。また、ユーザーがこれ以上キーキャップ341押下しなくなると、キーキャップ341は弾性体342の弾性力に対応して、上向きに作動して元の位置に戻る。
【0049】
また、発光キーボード3は更に発光素子31を含み、本実施形態では、発光素子31は発光ダイオードで、薄膜回路基板33の側辺に設けられて薄膜回路基板33の方向に照射される。発光素子31から発射された光線が薄膜回路基板33の下層板に進入すると、光が第2薄膜全体に均等に拡散されることから、前記複数のキー下部は全て十分な光線を有し、発光キーボード3の光使用効率を向上させることができる。
【0050】
当然ながら、前記は本発明に係る薄膜回路基板の応用実施形態に過ぎない。当業者は前記応用実施形態から得たヒントで同様に本発明に係る第1の好ましい実施形態における薄膜回路基板を発光キーボードに応用することができる。さらに、当業者はまた前記応用実施形態で得たヒントで同様に本発明に係る薄膜回路基板を携帯電話のキーのバックライトモジュール、リモコンキーのバックライトモジュール等の様なその他の裝置に応用することができる。
【0051】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 発光キーボード
11 光反射板
12 導光板
13 金属底板
14 薄膜回路基板
15 キー
16 発光素子
23 薄膜回路基板
31 発光素子
32 台座
33 薄膜回路基板
34 複数キー
131 貫通孔
141 下層板
142 上層板
143 中層板
144 薄膜スイッチ
151 キーキャップ
152 弾性体
231 下層板
232 上層板
233 中層板
234 薄膜スイッチ
331 下層板
332 上層板
333 中層板
334 薄膜スイッチ
341 キーキャップ
342 弾性体
2311 第2回路パターン
2312 第2薄膜
2313 光反射部材
2321 第1回路パターン
2322 第1薄膜
2331 開孔
3311 第2回路パターン
3312 第2薄膜
3313 光反射部材
3321 第1回路パターン
3322 第1薄膜
3331 開孔
14111 銀ペースト回路
14112 下接点
14211 銀ペースト回路
14212 上接点
23111 下接点
23112 金属回路
23212 金属回路
23211 上接点
33111 下接点
33112 金属回路
33212 金属回路
33211 上接点
33131 ブロック状薄膜
33132 ブロック状薄膜
33133 ブロック状薄膜
33134 ブロック状薄膜
D 間隔
L1〜L5 光線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光キーボードに光線を供給するための少なくとも1つの発光素子と、薄膜回路基板と、前記複数の薄膜スイッチを導通するための複数のキーとを含み、薄膜回路基板はさらに、
第1薄膜と前記第1薄膜の下表面に形成された第1回路パターンを備え、前記第1回路パターン上に複数の上接点を設けた上層板と、
第2薄膜、第2回路パターン、及び前記第2薄膜と前記第2回路パターンの間にある光反射部材とを備え、前記第2回路パターン上に前記複数の上接点に対応する複数の下接点を設け、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に間隔を設け、前記対応する上接点と共に薄膜スイッチを形成し、前記光反射部材の屈折率が前記第2薄膜の屈折率より小さい下層板と、
を含むことを特徴とする発光キーボード。
【請求項2】
前記第2回路パターンは複数の金属回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項3】
前記複数の金属回路は銀ペースト回路であることを特徴とする請求項2に記載の発光キーボード。
【請求項4】
前記光反射部材は単一の薄膜で、前記複数の金属回路は前記単一の薄膜上に形成されることを特徴とする請求項2に記載の発光キーボード。
【請求項5】
前記光反射部材は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする請求項4に記載の発光キーボード。
【請求項6】
前記光反射部材は複数のブロック状薄膜を含み、前記複数の金属回路はそれぞれ前記複数のブロック状薄膜上に形成されることを特徴とする請求項2に記載の発光キーボード。
【請求項7】
前記複数のブロック状薄膜は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の発光キーボード。
【請求項8】
前記第2薄膜は導光薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項9】
前記導光薄膜はポリカーボネート(PC)材質、ポリエチレン・テレフタレート(PET)材質、又はポリメチル・メタクリレート(PMMA)材質で製造されることを特徴とする請求項8に記載の発光キーボード。
【請求項10】
前記発光素子は前記薄膜回路基板の側辺に設けられて前記薄膜回路基板の方向に照射される発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項11】
前記薄膜回路基板の下方に設けられ、前記複数のキー、前記薄膜回路基板、及び前記発光素子を載置するための台座を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項12】
前記各キーはキーキャップと弾性体を備え、前記弾性体は前記キーキャップと前記薄膜回路基板の間に設けられ、前記キーキャップが押下されると、前記弾性体が圧縮されて対応する前記薄膜スイッチに当接するのに対し、前記キーキャップがそれ以上押下されなくなると、前記弾性体が前記キーキャップに弾性力を提供して前記キーキャップを元の位置に戻すことを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項13】
前記薄膜回路基板は更に前記上層板と前記下層板の間に設けられ、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に前記間隔を設けた中層板を含み、前記中層板は前記複数の下接点と前記複数の上接点に対応する複数の開孔を有することを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項14】
第1薄膜と前記第1薄膜の下表面に形成された第1回路パターンを備え、前記第1回路パターン上に複数の上接点を設けた上層板と、
第2薄膜、第2回路パターン、及び前記第2薄膜と前記第2回路パターンの間にある光反射部材を備え、前記第2回路パターン上に前記複数の上接点に対応する複数の下接点を設け、前記光反射部材の屈折率が前記第2薄膜の屈折率より小さい下層板と、
を含み、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に間隔を設け、前記対応する上接点と共に薄膜スイッチを形成することを特徴とする薄膜回路基板。
【請求項15】
前記第2回路パターンは複数の金属回路を含むことを特徴とする請求項14に記載の薄膜回路基板。
【請求項16】
前記複数の金属回路は銀ペースト回路であることを特徴とする請求項15に記載の薄膜回路基板。
【請求項17】
前記光反射部材は単一の薄膜で、前記複数の金属回路は前記単一の薄膜上に形成されることを特徴とする請求項15に記載の薄膜回路基板。
【請求項18】
前記光反射部材は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする請求項17に記載の薄膜回路基板。
【請求項19】
前記光反射部材は複数のブロック状薄膜を含み、前記複数の金属回路はそれぞれ前記複数のブロック状薄膜上に形成されることを特徴とする請求項15に記載の薄膜回路基板。
【請求項20】
前記複数のブロック状薄膜は印刷工程、スパッタリング工程、接合工程、又はホットプレス工程により前記第2薄膜上に形成されることを特徴とする請求項19に記載の薄膜回路基板。
【請求項21】
前記第2薄膜は導光薄膜であることを特徴とする請求項14に記載の薄膜回路基板。
【請求項22】
前記導光薄膜はポリカーボネート(PC)材質、ポリエチレン・テレフタレート(PET)材質、又はポリメチル・メタクリレート(PMMA)材質で製造されることを特徴とする請求項21に記載の薄膜回路基板。
【請求項23】
前記上層板と前記下層板の間に設けられ、前記各上接点とこれに対応する前記下接点の間に前記間隔を設けた中層板を更に含み、前記中層板が前記複数の上接点と前記複数の下接点に対応する複数の開孔を有することを特徴とする請求項14に記載の薄膜回路基板。
【請求項24】
発光キーボードに応用されることを特徴とする請求項14に記載の薄膜回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−4515(P2013−4515A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250598(P2011−250598)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(501280046)致伸科技股▲ふん▼有限公司 (104)
【Fターム(参考)】