薬剤管理装置
【課題】薬品の重量計測に誤差が生じず、薬剤の在庫量管理を正確に把握できる薬剤管理装置を提供する。
【解決手段】筐体の前面部において、複数個の薬剤ケースが複数段かつ複数列に配置されており、筐体の内部に各薬剤ケース2A、2Bの重量を計測する計測部30が配置されており、計測部30は、左右両端位置で立設された2本の昇降ガイド31と、昇降ガイド31に案内されて昇降する横行ビーム32と、横行ビーム32上を横行する計測台33とからなり、計測台33に電子秤35とスライダ42と電動キャッチ44を取付けている。電子秤35の移動構造がシンプルで空間も大きいので移動時に接触する事故もなく、振動も発生しない。このような、外乱がないことから計測が正確に行え、薬剤の在庫管理を正確に行える。
【解決手段】筐体の前面部において、複数個の薬剤ケースが複数段かつ複数列に配置されており、筐体の内部に各薬剤ケース2A、2Bの重量を計測する計測部30が配置されており、計測部30は、左右両端位置で立設された2本の昇降ガイド31と、昇降ガイド31に案内されて昇降する横行ビーム32と、横行ビーム32上を横行する計測台33とからなり、計測台33に電子秤35とスライダ42と電動キャッチ44を取付けている。電子秤35の移動構造がシンプルで空間も大きいので移動時に接触する事故もなく、振動も発生しない。このような、外乱がないことから計測が正確に行え、薬剤の在庫管理を正確に行える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤管理装置に関する。さらに詳しくは、調剤薬局、病院等での調剤作業において、安全であり簡単かつ確実に医薬品を管理できるようにする薬剤管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
調剤薬局、病院での麻薬・向精神薬、覚せい剤原料などに関しては、盗難や詐取の恐れがあり、また、誤調剤という事故も起きやすい。したがって、麻薬・向精神薬、覚せい剤原料に関しては出し入れの管理を厳しくする必要性が高い。
【0003】
上記の観点から、薬剤管理の具体的な要望として、つぎが挙げられている。
1A)管理レベルの向上
・医薬品毎に、取り出せる人を制限したい。
・帳簿上の使用量でなく、実際の使用量を知りたい。
・基幹装置と連携した管理を行いたい。
・誤調剤、入力ミスなど、人的なミスを軽減したい。
2A)管理負荷の軽減
・管理帳簿作成の負荷を下げたい。
・棚卸作業回数を減らしたい。
【0004】
しかるに、これまではつぎのような問題があった。
1B)専用の管理装置が存在しない。
・麻薬は市販の耐火金庫を利用している。
・向精神薬は、施錠機能のない調剤棚で保管している。
2B)管理装置と連動していない。
・調剤作業は紙の処方せんを見ながら調剤している。
・手書きで帳簿による管理している。
・実際の医薬品の在庫量は、棚卸だけで確認している。
【0005】
上記の要望に応えるものとして、特許文献1に示すような、専用の薬品管理機能を有する管理装置が開発された。
この装置は、薬品棚に多数配設した薬品収納箱の重量を自動的に測定し、この測定値をコンピュータに入力して各薬品収納箱中の薬品の数量を算出し、これらの値を処理して在庫管理するものである。
具体的な構成は、薬品自動計量棚は、略直方体形状の筐体の下部に複数の引出しを配設し、同筐体内部の上部左右側に上下方向に伸延した左右一対の縦枠を立設し、各縦枠間に、後述する薬品収納箱の高さよりもやや大きい上下間隔を保持して複数の桁を架設し、各桁5上に左右移動機構と昇降機構とに連動連結した秤量器を載設したものである。
【0006】
しかるに、この装置では複数段の各段に秤量器があり、その秤量器が左右に移動し上下に昇降するときに、他の段の秤量器の移動により生ずる振動等によって計量中の秤量器の計測精度に精度不良が生じていた。
また、各段の秤量器は上下複数段の桁内の狭い空間を移動するとき、桁や他の秤量器と接触する事故が生じやすく、接触時の振動を受けて薬品の重量計測に誤差が生じ、薬剤の在庫量管理が不正確になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−272717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、薬品の重量計測に誤差が生じず、薬剤の在庫量管理を正確に把握できる薬剤管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の薬剤管理装置は、薬剤ケースを個別に計量し、取り出し前の重量と取り出し後の重量から使用量を割り出し、実際の使用量を管理する薬剤管理装置であって、筐体の前面部において、複数個の薬剤ケースが複数段かつ複数列に配置されており、前記筐体の内部に前記各薬剤ケースの重量を計測する計測部が配置されており、該計測部は、各薬剤ケースを載せて重量を計測する電子秤と、該電子秤を各薬剤ケースの背面に移動させる昇降・横行機構と、各薬剤ケースを収納位置と電子秤上の計量位置との間で前後移動させる移送機構とからなることを特徴とする。
第2発明の薬剤管理装置は、第1発明において、前記昇降・横行機構は、左右両端位置で立設された2本の昇降ガイドと、該昇降ガイドに案内されて昇降する横行ビームと、該横行ビーム上を横行する計測台とからなり、該計測台に前記電子秤と前記移送機構を取付けていることを特徴とする。
第3発明の薬剤管理装置は、第1発明において、前記薬剤ケースは、外ケースと内ケースとからなり、前記外ケースは前記筐体から前方に引き出し可能であり、前記内ケースは、前記外ケース内に後方から押し込んだり後方に引き出し可能に挿入されており、前記内ケースには、前記外ケースに対して係合離脱可能な係脱機構を備えていることを特徴とする。
第4発明の薬剤管理装置は、第3発明において、前記移送機構は、前記薬剤ケースの前記係脱機構を係合・離脱させると共に前記内ケースと係合可能なキャッチと、該キャッチを前後方向に移動させる往復手段とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、薬剤ケースの重量を計測する電子秤は1個でよいので、充分大きな移動空間を確保でき、この電子秤を昇降・横行機構を用いて個々の薬剤ケースに対応付けるように移動させ、移送機構を用いて薬剤ケースを電子秤に載せれば薬品重量を計測できる。このように電子秤の移動構造がシンプルで空間も大きいので移動時に接触する事故もなく、振動も発生しない。このような、外乱がないことから計測が正確に行え、薬剤の在庫管理を正確に行える。
第2発明によれば、電子秤を取付けている横行ビームは左右2本の昇降ガイドで両持ちされているので、振動や揺れが発生しにくく、このため重量計測上の外乱が生じないので、薬剤重量を正確に計測することができる。
第3発明によれば、薬剤ケースの計測は外ケースを筐体に置いた状態で内ケースのみを移動させて電子秤で計測するので、薬剤に外部からの塵や埃が付着せず、薬剤の品質保持ができ、しかも重量計測も正確に行える。
第4発明によれば、移送機構のキャッチを用いて、内ケースの係合を外し、電子秤に載せるように移動させることができる。このため、常時は内ケースを外ケース内に挿入した状態に保持できるので、内ケース内の薬剤に不純物が付着するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の薬剤管理装置1を用いた管理システムの基本構成図である。
【図2】薬剤管理装置1の縦断面図である。
【図3】計量部30を示す図2のIII-III線矢視正面図である。
【図4】計量部30を示す図2のIV-IV線矢視平面図である。
【図5】図3におけるV-V線矢視断面図である。
【図6】(A)は薬剤ケース2Aの平面図、(B)は薬剤ケース2Aの縦断面図である。
【図7】(C)は薬剤ケース2Aの底面図、(D)は薬剤ケース2Aの正面図である。
【図8】(A)は電子秤による計量動作の説明図、(B)は移送機構の動作説明図である。
【図9】電動キャッチによる薬剤ケース2Aの移動操作の説明図である。
【図10】薬剤管理装置の使用方法説明図である。
【図11】薬品取出しフローの説明図である。
【図12】薬品補充フローの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態を図1および図2に基づき説明する。
本発明の薬剤管理装置1を用いた管理システムは、病院内の調剤部および調剤薬局における高価医薬品や盗難等のおそれの高い医薬品の管理を強化し、また誤調剤の防止を目的とするものであり、図1に示す基本構成を特徴とする。
【0013】
管理システムの中枢となるのは、個々の調剤が収納された複数の薬剤ケースを個別に施錠する薬剤管理装置1である。
薬剤管理装置1は、略直方体の筐体であり、その前面部が薬剤ケース2、3の収納部となっている。また、前面部の上部が鍵付きケース部2であり、下部が鍵無しケース部3であり、両者の間に棚状の調剤スペース4が設けられている。
鍵付きケース部2には、複数列複数段に薬剤ケース2A、2Bが出し入れ可能に設けられている。そして、各薬剤ケース2A、2Bは鍵を有している。なお、薬剤ケース2Aと薬剤ケース2Bとは、ケースの寸法が異なるだけで機能は同一である。
鍵無しケース部3には、複数列複数段に引出し3Aが出し入れ可能に設けられている。この引出し3Aは鍵を備えておらず、自由に出し入れできるものである。
【0014】
この薬剤管理装置1は、内部に制御コンピュータを備えており、外部の管理コンピュータ(レセプトコンピュータ10など)に接続されており、処方せんを電子レセプト11を用いて電子入力するか、手動入力することにより、調剤に必要な薬剤ケース2A、2Bからのみ薬剤を取り出すことが可能である。
また、薬剤管理装置1は、開錠する薬剤ケース2A、2Bの医薬品情報を表示する表示部と、非接触カードを読み取るカードリーダー部と、複数の施錠可能な医薬品ケースと各医薬品ケースの開錠中を表示するLEDランプを備えている。
【0015】
この薬剤管理装置1はつぎの機能を有している。
a)タッチパネル5と非接触カードリーダー6を備えており、利用者番号、暗証番号入力、非接触カードによる個人認証により調剤者および取り出し日時を管理することが可能である。
b)補充する医薬品のJANコード12をバーコード入力することにより、補充する医薬品のケースのみ開錠することにより、補充時のミスをなくすことができる。
c)薬剤管理装置1の管理コンピュータは、調剤医薬品、使用者、調剤日付から管理帳簿13を自動作成することができる。
【0016】
図2に基づき、更に詳細に説明する。
鍵付きケース部2の背面、つまり薬剤管理装置1の内部は計測部30の配置スペースとなっている。
薬剤ケース2A、2Bは同一機能を果たすので、以下では薬剤ケース2Aで代表させて説明する。薬剤ケース2Aは、施錠すると前面から取り出せない状態となるが、その薬剤ケース2Aの後方で上下左右に移動する電子秤35により使用量を自動計量し、使用量を算出することができる。この使用量と、開錠時に入力した調剤量を比較することにより、調剤量の確認が行える。
【0017】
また、薬剤ケース2Aは、前面から取り出しが行えない格納状態で医薬品を電子秤へ移動させて自動計量を行い、医薬品を取り出す場合は、ケースが前面へ引き出せ医薬品を取り出すことができる。
【0018】
つぎに、図3〜図9に基づき、本実施形態の薬剤管理装置1を詳細に説明する。
図4および図5に示すように、既述の薬剤ケース2Aは筺体の前面部に配置されている。この薬剤ケース2Aの基本構成は、つぎのとおりである。
【0019】
薬剤ケース2Aは、筐体から前面へ引き出す動作を行う外ケース21と、計量時に後方へ移動し計測部30の電子秤35上へ移動する内ケース22の2重構造となっている。
外ケース21と内ケース22は、計量時以外は一体化した状態となる。
外ケース21は、施錠された状態で薬剤管理装置1に格納され、開錠した状態で前方へ引き出され、医薬品を取り出したり、新たに挿入することが行える。
内ケース22は、計量時に、外ケース21と一体となった状態から、筐体内後方へ移動とされている。
【0020】
図6および図7に基づき、上記した薬剤ケース2Aの詳細を説明する。
薬剤ケース2Aは、既述のごとく外ケース21と内ケース22からなるが、外ケース21は固定枠23に挿入されており、固定枠23は筺体に固定されている。
固定枠23の底面には、ソレイド24が固定されており、ソレノイド24のアクチュエータピンは外ケース21に形成された係合板25に係合したり、離脱するようになっている。ソレノイド24のアクチュエータピンが係合板25に係合しているときは、ロック状態であって、薬剤ケース2Aを前方に引き出すことはできないが、ソレノイド24をアンロック状態にすると、薬剤ケース2Aを前方に引き出すことができる。
以上のように、薬剤ケース2Aは内部に医薬品を収納し、各薬剤ケース2A毎にソレノイドによる電子施錠を行うことができる。
【0021】
薬剤ケース2Aの外ケース21は、底面21aと、前面21bおよび両側面21cを囲み、背面と上面を開放した形状の箱体であり、前面には取っ手21eが取付けられている。
内ケース22は、底面22aと前面22bと前後左右の側面22cと後面22dを囲み上面を開放した形状の箱体であり、直接薬剤を収納するものである。
この内ケース22は、外ケース21の後面が開放されていることから、後方には引出し可能である。
【0022】
内ケース22の後端には、ロック部26が取付けられている。後面から後方に突出したブラケット26aが2個設けられ、2本のピン27がそれぞれ横向きに取付けられ、バネ28で外向きに突出するよう付勢されている。バネ28はブラケット26a内の段差とピン27に形成した鍔27aとの間に圧縮状態で装入されている。ピン27はバネ28で付勢された状態で、外ケース21の後端部に形成した孔21fに挿入され、内ケース22と外ケース21とが一体的に動くように拘束されている。逆にいうと、ピン27を引き込めると外ケース21との係合が外れ、内ケース22を自在に後方に引き抜くことができる。
【0023】
つぎに、計測部30を説明する。
図3〜図5に示すように、計測部30は、2軸スライダを用いた昇降・横行機構と電子秤35から構成されている。電子秤35は1台が設置されている。2軸スライダを用いた昇降・横行機構は垂直軸と水平軸を有するもので、適宜の駆動源を用いて電子秤35を垂直方向と水平方向に移動させ、全ての薬剤ケース2Aの背面に位置させることができる。
【0024】
上記した計測部30の詳細を、更に説明する。
前記昇降・横行機構を構成する2本の昇降ガイド31、31は左右位置で立設されており、この昇降ガイド31、31に案内されて横行ビーム32が昇降するようになっている。
横行ビーム32上では計測台33が左右方向に横行するようになっている。
【0025】
計測台33には、図8に示すように電子秤35と移送機構41が取付けられている。
電子秤35は、本体35a上に皿35bを置いたものであり、この皿35b上に内ケース22を引き込むと、その重量を正確に計測することができる。
移送機構41は、スライダ42とそこからステー43を介して支持されている電動キャッチ44とからなる。図9に示すように、電動キャッチ44は2本の開閉アーム45を有しており、この開閉アーム45を内ケース22の2本のピン27に嵌めて、2本のピン27を引き込めたり、離すことができる。
【0026】
図9に基づき、電動キャッチの動作を説明する。なお、かっこ内の記載は図8の状態である。
(1)内ケース22の引出し前
内ケース22は外ケース21内に入っており、ピン27で一体的に係合されている。
電動キャッチ44は内ケース22から後方に離れている(図8(B)の状態I)。
(2)電動キャッチの接近
電動キャッチ44が内ケース22に接近してきて、開閉アーム45が2本のピンに嵌まる(図8(B)の状態III)。
【0027】
(3)ロックを外す
電動キャッチ44の開閉アーム45が閉じて、ピン27を引き込め外ケース21との係合を外す。つまり、電動キャッチ44を閉じることにより、外ケース21と内ケース22を一体化しているロック部26を解除する。この状態で、内ケース22は外ケース21から後方に引き出し可能となる(図8(B)の状態II)。
(4)内ケース22の引き込み
筐体内の電子秤35を計量する内ケース22の後方に移動させる。このとき電子秤35の皿35bの上面位置と、内ケース22の底面位置とを一致させる。
ピン27を引き込めたまま、スライダ42を駆動して電子秤35の皿35bまで内ケース22を移動させる。電動キャッチ44がスライダ42によって後方に移動すると、内ケース22が後方に移動されて、電子秤35の皿上にのせられる(図8(B)の状態IIIおよび(A)の状態)。
この状態で、内ケース22の重量が計測される。このとき内ケース22は電子秤35以外には触れていない状態となる。このため、非常に高精度に薬品量を計測できる。
【0028】
そして、電子秤35で計量後、スライダ42で内ケース22を外ケース21内まで移動させ、電動キャッチ44の開閉アーム45を開いて、ピン27を横向きに動かす。これにより、内ケース22と外側ケース21のロックを行う。このようにして、図9の(1)〜(4)の動作を逆順に行えば、内ケース22を外ケース21内に戻すことができる。
【0029】
本実施形態によると、以下の効果を奏する。
a)電子秤35の移動構造がシンプルで空間も大きいので移動時に接触する事故もなく、振動も発生しない。このような、外乱がないことから計測が正確に行え、薬剤の在庫管理を正確に行える。
b)電子秤35を取付けている横行ビーム32は左右2本の昇降ガイド31で両持ちされているので、振動や揺れが発生しにくく、このため重量計測上の外乱が生じないので、薬剤重量を正確に計測することができる。
c)薬剤ケース2Aの計測は外ケース21を筐体に置いた状態で内ケース22のみを移動させて電子秤で計測するので、薬剤に外部からの塵や埃が付着せず、薬剤の品質保持ができ、しかも重量計測も正確に行える。
d)内ケース22は電子秤35に載せるときのみ移動させるので、常時は内ケース22を外ケース21内に挿入した状態に保持できる。このため、内ケース22内の薬剤に不純物が付着するのを防止できる。
【0030】
つぎに、図10〜図12に基づき、管理システム全体の使い方を説明する。
図10に示すように、管理コンピュータは、病院および調剤薬局内のネットワークに接続し、レセプトコンピュータあるいは電子カルテ装置と通信が行え、処方せん情報あるいは処方する医薬品情報を取得する。
また、調剤者は、管理コンピュータ上に調剤する患者の調剤情報を、レセプトコンピュータあるいは電子カルテあるいは手動入力により薬品情報を入力し、医薬品管理棚へ情報を送信する。
図11は薬品取出しフローの詳細を示し、図12は薬品補充の詳細を示している。
【0031】
薬品管理装置1は受信した医薬品情報を表示部に表示し、調剤者は、医薬品管理棚の非接触カードに本人のカードをかざすことにより、指定された医薬品が格納される薬剤ケースのみが開錠され、調剤が終了したら、開錠していた薬剤ケースを全て施錠する。
そして、医薬品、パソコンからの医薬品使用量、調剤者、日付の履歴を保存し、施錠後、使用した薬剤ケースを自動計量し、使用量を算出する。
【0032】
薬剤ケース2A、2B毎にロック機構があるので、毎日の使用量計測により、実際の使用量に基づく医薬品管理が可能である。
【0033】
さらに以下のような特徴がある。
1)計量部を装置内に内蔵
2)使用量の一括計測(夜間等)
3)100mgオーダーで使用量を計測
4)操作者の認証方法
5)非接触カード(Felica/Mifare)
6)バーコード/QRコード
7)ケース単位で施錠
8)開錠中ケースをランプで通知
9)格納/払出の履歴
10)電子レセプトより開錠ケースの自動判断
11)医薬品JANコードにより開錠可能
【符号の説明】
【0034】
1 薬剤管理装置
2A 薬剤ケース
21 外ケース
22 内ケース
24 ソレノイド
26 ロック部
27 ピン
30 計測部
31 昇降ガイド
32 横行ビーム
42 スライダ
44 電動キャッチ
45 開閉アーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤管理装置に関する。さらに詳しくは、調剤薬局、病院等での調剤作業において、安全であり簡単かつ確実に医薬品を管理できるようにする薬剤管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
調剤薬局、病院での麻薬・向精神薬、覚せい剤原料などに関しては、盗難や詐取の恐れがあり、また、誤調剤という事故も起きやすい。したがって、麻薬・向精神薬、覚せい剤原料に関しては出し入れの管理を厳しくする必要性が高い。
【0003】
上記の観点から、薬剤管理の具体的な要望として、つぎが挙げられている。
1A)管理レベルの向上
・医薬品毎に、取り出せる人を制限したい。
・帳簿上の使用量でなく、実際の使用量を知りたい。
・基幹装置と連携した管理を行いたい。
・誤調剤、入力ミスなど、人的なミスを軽減したい。
2A)管理負荷の軽減
・管理帳簿作成の負荷を下げたい。
・棚卸作業回数を減らしたい。
【0004】
しかるに、これまではつぎのような問題があった。
1B)専用の管理装置が存在しない。
・麻薬は市販の耐火金庫を利用している。
・向精神薬は、施錠機能のない調剤棚で保管している。
2B)管理装置と連動していない。
・調剤作業は紙の処方せんを見ながら調剤している。
・手書きで帳簿による管理している。
・実際の医薬品の在庫量は、棚卸だけで確認している。
【0005】
上記の要望に応えるものとして、特許文献1に示すような、専用の薬品管理機能を有する管理装置が開発された。
この装置は、薬品棚に多数配設した薬品収納箱の重量を自動的に測定し、この測定値をコンピュータに入力して各薬品収納箱中の薬品の数量を算出し、これらの値を処理して在庫管理するものである。
具体的な構成は、薬品自動計量棚は、略直方体形状の筐体の下部に複数の引出しを配設し、同筐体内部の上部左右側に上下方向に伸延した左右一対の縦枠を立設し、各縦枠間に、後述する薬品収納箱の高さよりもやや大きい上下間隔を保持して複数の桁を架設し、各桁5上に左右移動機構と昇降機構とに連動連結した秤量器を載設したものである。
【0006】
しかるに、この装置では複数段の各段に秤量器があり、その秤量器が左右に移動し上下に昇降するときに、他の段の秤量器の移動により生ずる振動等によって計量中の秤量器の計測精度に精度不良が生じていた。
また、各段の秤量器は上下複数段の桁内の狭い空間を移動するとき、桁や他の秤量器と接触する事故が生じやすく、接触時の振動を受けて薬品の重量計測に誤差が生じ、薬剤の在庫量管理が不正確になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−272717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、薬品の重量計測に誤差が生じず、薬剤の在庫量管理を正確に把握できる薬剤管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の薬剤管理装置は、薬剤ケースを個別に計量し、取り出し前の重量と取り出し後の重量から使用量を割り出し、実際の使用量を管理する薬剤管理装置であって、筐体の前面部において、複数個の薬剤ケースが複数段かつ複数列に配置されており、前記筐体の内部に前記各薬剤ケースの重量を計測する計測部が配置されており、該計測部は、各薬剤ケースを載せて重量を計測する電子秤と、該電子秤を各薬剤ケースの背面に移動させる昇降・横行機構と、各薬剤ケースを収納位置と電子秤上の計量位置との間で前後移動させる移送機構とからなることを特徴とする。
第2発明の薬剤管理装置は、第1発明において、前記昇降・横行機構は、左右両端位置で立設された2本の昇降ガイドと、該昇降ガイドに案内されて昇降する横行ビームと、該横行ビーム上を横行する計測台とからなり、該計測台に前記電子秤と前記移送機構を取付けていることを特徴とする。
第3発明の薬剤管理装置は、第1発明において、前記薬剤ケースは、外ケースと内ケースとからなり、前記外ケースは前記筐体から前方に引き出し可能であり、前記内ケースは、前記外ケース内に後方から押し込んだり後方に引き出し可能に挿入されており、前記内ケースには、前記外ケースに対して係合離脱可能な係脱機構を備えていることを特徴とする。
第4発明の薬剤管理装置は、第3発明において、前記移送機構は、前記薬剤ケースの前記係脱機構を係合・離脱させると共に前記内ケースと係合可能なキャッチと、該キャッチを前後方向に移動させる往復手段とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、薬剤ケースの重量を計測する電子秤は1個でよいので、充分大きな移動空間を確保でき、この電子秤を昇降・横行機構を用いて個々の薬剤ケースに対応付けるように移動させ、移送機構を用いて薬剤ケースを電子秤に載せれば薬品重量を計測できる。このように電子秤の移動構造がシンプルで空間も大きいので移動時に接触する事故もなく、振動も発生しない。このような、外乱がないことから計測が正確に行え、薬剤の在庫管理を正確に行える。
第2発明によれば、電子秤を取付けている横行ビームは左右2本の昇降ガイドで両持ちされているので、振動や揺れが発生しにくく、このため重量計測上の外乱が生じないので、薬剤重量を正確に計測することができる。
第3発明によれば、薬剤ケースの計測は外ケースを筐体に置いた状態で内ケースのみを移動させて電子秤で計測するので、薬剤に外部からの塵や埃が付着せず、薬剤の品質保持ができ、しかも重量計測も正確に行える。
第4発明によれば、移送機構のキャッチを用いて、内ケースの係合を外し、電子秤に載せるように移動させることができる。このため、常時は内ケースを外ケース内に挿入した状態に保持できるので、内ケース内の薬剤に不純物が付着するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の薬剤管理装置1を用いた管理システムの基本構成図である。
【図2】薬剤管理装置1の縦断面図である。
【図3】計量部30を示す図2のIII-III線矢視正面図である。
【図4】計量部30を示す図2のIV-IV線矢視平面図である。
【図5】図3におけるV-V線矢視断面図である。
【図6】(A)は薬剤ケース2Aの平面図、(B)は薬剤ケース2Aの縦断面図である。
【図7】(C)は薬剤ケース2Aの底面図、(D)は薬剤ケース2Aの正面図である。
【図8】(A)は電子秤による計量動作の説明図、(B)は移送機構の動作説明図である。
【図9】電動キャッチによる薬剤ケース2Aの移動操作の説明図である。
【図10】薬剤管理装置の使用方法説明図である。
【図11】薬品取出しフローの説明図である。
【図12】薬品補充フローの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態を図1および図2に基づき説明する。
本発明の薬剤管理装置1を用いた管理システムは、病院内の調剤部および調剤薬局における高価医薬品や盗難等のおそれの高い医薬品の管理を強化し、また誤調剤の防止を目的とするものであり、図1に示す基本構成を特徴とする。
【0013】
管理システムの中枢となるのは、個々の調剤が収納された複数の薬剤ケースを個別に施錠する薬剤管理装置1である。
薬剤管理装置1は、略直方体の筐体であり、その前面部が薬剤ケース2、3の収納部となっている。また、前面部の上部が鍵付きケース部2であり、下部が鍵無しケース部3であり、両者の間に棚状の調剤スペース4が設けられている。
鍵付きケース部2には、複数列複数段に薬剤ケース2A、2Bが出し入れ可能に設けられている。そして、各薬剤ケース2A、2Bは鍵を有している。なお、薬剤ケース2Aと薬剤ケース2Bとは、ケースの寸法が異なるだけで機能は同一である。
鍵無しケース部3には、複数列複数段に引出し3Aが出し入れ可能に設けられている。この引出し3Aは鍵を備えておらず、自由に出し入れできるものである。
【0014】
この薬剤管理装置1は、内部に制御コンピュータを備えており、外部の管理コンピュータ(レセプトコンピュータ10など)に接続されており、処方せんを電子レセプト11を用いて電子入力するか、手動入力することにより、調剤に必要な薬剤ケース2A、2Bからのみ薬剤を取り出すことが可能である。
また、薬剤管理装置1は、開錠する薬剤ケース2A、2Bの医薬品情報を表示する表示部と、非接触カードを読み取るカードリーダー部と、複数の施錠可能な医薬品ケースと各医薬品ケースの開錠中を表示するLEDランプを備えている。
【0015】
この薬剤管理装置1はつぎの機能を有している。
a)タッチパネル5と非接触カードリーダー6を備えており、利用者番号、暗証番号入力、非接触カードによる個人認証により調剤者および取り出し日時を管理することが可能である。
b)補充する医薬品のJANコード12をバーコード入力することにより、補充する医薬品のケースのみ開錠することにより、補充時のミスをなくすことができる。
c)薬剤管理装置1の管理コンピュータは、調剤医薬品、使用者、調剤日付から管理帳簿13を自動作成することができる。
【0016】
図2に基づき、更に詳細に説明する。
鍵付きケース部2の背面、つまり薬剤管理装置1の内部は計測部30の配置スペースとなっている。
薬剤ケース2A、2Bは同一機能を果たすので、以下では薬剤ケース2Aで代表させて説明する。薬剤ケース2Aは、施錠すると前面から取り出せない状態となるが、その薬剤ケース2Aの後方で上下左右に移動する電子秤35により使用量を自動計量し、使用量を算出することができる。この使用量と、開錠時に入力した調剤量を比較することにより、調剤量の確認が行える。
【0017】
また、薬剤ケース2Aは、前面から取り出しが行えない格納状態で医薬品を電子秤へ移動させて自動計量を行い、医薬品を取り出す場合は、ケースが前面へ引き出せ医薬品を取り出すことができる。
【0018】
つぎに、図3〜図9に基づき、本実施形態の薬剤管理装置1を詳細に説明する。
図4および図5に示すように、既述の薬剤ケース2Aは筺体の前面部に配置されている。この薬剤ケース2Aの基本構成は、つぎのとおりである。
【0019】
薬剤ケース2Aは、筐体から前面へ引き出す動作を行う外ケース21と、計量時に後方へ移動し計測部30の電子秤35上へ移動する内ケース22の2重構造となっている。
外ケース21と内ケース22は、計量時以外は一体化した状態となる。
外ケース21は、施錠された状態で薬剤管理装置1に格納され、開錠した状態で前方へ引き出され、医薬品を取り出したり、新たに挿入することが行える。
内ケース22は、計量時に、外ケース21と一体となった状態から、筐体内後方へ移動とされている。
【0020】
図6および図7に基づき、上記した薬剤ケース2Aの詳細を説明する。
薬剤ケース2Aは、既述のごとく外ケース21と内ケース22からなるが、外ケース21は固定枠23に挿入されており、固定枠23は筺体に固定されている。
固定枠23の底面には、ソレイド24が固定されており、ソレノイド24のアクチュエータピンは外ケース21に形成された係合板25に係合したり、離脱するようになっている。ソレノイド24のアクチュエータピンが係合板25に係合しているときは、ロック状態であって、薬剤ケース2Aを前方に引き出すことはできないが、ソレノイド24をアンロック状態にすると、薬剤ケース2Aを前方に引き出すことができる。
以上のように、薬剤ケース2Aは内部に医薬品を収納し、各薬剤ケース2A毎にソレノイドによる電子施錠を行うことができる。
【0021】
薬剤ケース2Aの外ケース21は、底面21aと、前面21bおよび両側面21cを囲み、背面と上面を開放した形状の箱体であり、前面には取っ手21eが取付けられている。
内ケース22は、底面22aと前面22bと前後左右の側面22cと後面22dを囲み上面を開放した形状の箱体であり、直接薬剤を収納するものである。
この内ケース22は、外ケース21の後面が開放されていることから、後方には引出し可能である。
【0022】
内ケース22の後端には、ロック部26が取付けられている。後面から後方に突出したブラケット26aが2個設けられ、2本のピン27がそれぞれ横向きに取付けられ、バネ28で外向きに突出するよう付勢されている。バネ28はブラケット26a内の段差とピン27に形成した鍔27aとの間に圧縮状態で装入されている。ピン27はバネ28で付勢された状態で、外ケース21の後端部に形成した孔21fに挿入され、内ケース22と外ケース21とが一体的に動くように拘束されている。逆にいうと、ピン27を引き込めると外ケース21との係合が外れ、内ケース22を自在に後方に引き抜くことができる。
【0023】
つぎに、計測部30を説明する。
図3〜図5に示すように、計測部30は、2軸スライダを用いた昇降・横行機構と電子秤35から構成されている。電子秤35は1台が設置されている。2軸スライダを用いた昇降・横行機構は垂直軸と水平軸を有するもので、適宜の駆動源を用いて電子秤35を垂直方向と水平方向に移動させ、全ての薬剤ケース2Aの背面に位置させることができる。
【0024】
上記した計測部30の詳細を、更に説明する。
前記昇降・横行機構を構成する2本の昇降ガイド31、31は左右位置で立設されており、この昇降ガイド31、31に案内されて横行ビーム32が昇降するようになっている。
横行ビーム32上では計測台33が左右方向に横行するようになっている。
【0025】
計測台33には、図8に示すように電子秤35と移送機構41が取付けられている。
電子秤35は、本体35a上に皿35bを置いたものであり、この皿35b上に内ケース22を引き込むと、その重量を正確に計測することができる。
移送機構41は、スライダ42とそこからステー43を介して支持されている電動キャッチ44とからなる。図9に示すように、電動キャッチ44は2本の開閉アーム45を有しており、この開閉アーム45を内ケース22の2本のピン27に嵌めて、2本のピン27を引き込めたり、離すことができる。
【0026】
図9に基づき、電動キャッチの動作を説明する。なお、かっこ内の記載は図8の状態である。
(1)内ケース22の引出し前
内ケース22は外ケース21内に入っており、ピン27で一体的に係合されている。
電動キャッチ44は内ケース22から後方に離れている(図8(B)の状態I)。
(2)電動キャッチの接近
電動キャッチ44が内ケース22に接近してきて、開閉アーム45が2本のピンに嵌まる(図8(B)の状態III)。
【0027】
(3)ロックを外す
電動キャッチ44の開閉アーム45が閉じて、ピン27を引き込め外ケース21との係合を外す。つまり、電動キャッチ44を閉じることにより、外ケース21と内ケース22を一体化しているロック部26を解除する。この状態で、内ケース22は外ケース21から後方に引き出し可能となる(図8(B)の状態II)。
(4)内ケース22の引き込み
筐体内の電子秤35を計量する内ケース22の後方に移動させる。このとき電子秤35の皿35bの上面位置と、内ケース22の底面位置とを一致させる。
ピン27を引き込めたまま、スライダ42を駆動して電子秤35の皿35bまで内ケース22を移動させる。電動キャッチ44がスライダ42によって後方に移動すると、内ケース22が後方に移動されて、電子秤35の皿上にのせられる(図8(B)の状態IIIおよび(A)の状態)。
この状態で、内ケース22の重量が計測される。このとき内ケース22は電子秤35以外には触れていない状態となる。このため、非常に高精度に薬品量を計測できる。
【0028】
そして、電子秤35で計量後、スライダ42で内ケース22を外ケース21内まで移動させ、電動キャッチ44の開閉アーム45を開いて、ピン27を横向きに動かす。これにより、内ケース22と外側ケース21のロックを行う。このようにして、図9の(1)〜(4)の動作を逆順に行えば、内ケース22を外ケース21内に戻すことができる。
【0029】
本実施形態によると、以下の効果を奏する。
a)電子秤35の移動構造がシンプルで空間も大きいので移動時に接触する事故もなく、振動も発生しない。このような、外乱がないことから計測が正確に行え、薬剤の在庫管理を正確に行える。
b)電子秤35を取付けている横行ビーム32は左右2本の昇降ガイド31で両持ちされているので、振動や揺れが発生しにくく、このため重量計測上の外乱が生じないので、薬剤重量を正確に計測することができる。
c)薬剤ケース2Aの計測は外ケース21を筐体に置いた状態で内ケース22のみを移動させて電子秤で計測するので、薬剤に外部からの塵や埃が付着せず、薬剤の品質保持ができ、しかも重量計測も正確に行える。
d)内ケース22は電子秤35に載せるときのみ移動させるので、常時は内ケース22を外ケース21内に挿入した状態に保持できる。このため、内ケース22内の薬剤に不純物が付着するのを防止できる。
【0030】
つぎに、図10〜図12に基づき、管理システム全体の使い方を説明する。
図10に示すように、管理コンピュータは、病院および調剤薬局内のネットワークに接続し、レセプトコンピュータあるいは電子カルテ装置と通信が行え、処方せん情報あるいは処方する医薬品情報を取得する。
また、調剤者は、管理コンピュータ上に調剤する患者の調剤情報を、レセプトコンピュータあるいは電子カルテあるいは手動入力により薬品情報を入力し、医薬品管理棚へ情報を送信する。
図11は薬品取出しフローの詳細を示し、図12は薬品補充の詳細を示している。
【0031】
薬品管理装置1は受信した医薬品情報を表示部に表示し、調剤者は、医薬品管理棚の非接触カードに本人のカードをかざすことにより、指定された医薬品が格納される薬剤ケースのみが開錠され、調剤が終了したら、開錠していた薬剤ケースを全て施錠する。
そして、医薬品、パソコンからの医薬品使用量、調剤者、日付の履歴を保存し、施錠後、使用した薬剤ケースを自動計量し、使用量を算出する。
【0032】
薬剤ケース2A、2B毎にロック機構があるので、毎日の使用量計測により、実際の使用量に基づく医薬品管理が可能である。
【0033】
さらに以下のような特徴がある。
1)計量部を装置内に内蔵
2)使用量の一括計測(夜間等)
3)100mgオーダーで使用量を計測
4)操作者の認証方法
5)非接触カード(Felica/Mifare)
6)バーコード/QRコード
7)ケース単位で施錠
8)開錠中ケースをランプで通知
9)格納/払出の履歴
10)電子レセプトより開錠ケースの自動判断
11)医薬品JANコードにより開錠可能
【符号の説明】
【0034】
1 薬剤管理装置
2A 薬剤ケース
21 外ケース
22 内ケース
24 ソレノイド
26 ロック部
27 ピン
30 計測部
31 昇降ガイド
32 横行ビーム
42 スライダ
44 電動キャッチ
45 開閉アーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤ケースを個別に計量し、取り出し前の重量と取り出し後の重量から使用量を割り出し、実際の使用量を管理する薬剤管理装置であって、
筐体の前面部において、複数個の薬剤ケースが複数段かつ複数列に配置されており、
前記筐体の内部に前記各薬剤ケースの重量を計測する計測部が配置されており、
該計測部は、各薬剤ケースを載せて重量を計測する電子秤と、該電子秤を各薬剤ケースの背面に移動させる昇降・横行機構と、各薬剤ケースを収納位置と電子秤上の計量位置との間で前後移動させる移送機構とからなる
ことを特徴とする薬剤管理装置。
【請求項2】
前記昇降・横行機構は、左右両端位置で立設された2本の昇降ガイドと、該昇降ガイドに案内されて昇降する横行ビームと、該横行ビーム上を横行する計測台とからなり、
該計測台に前記電子秤と前記移送機構を取付けている
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤管理装置。
【請求項3】
前記薬剤ケースは、外ケースと内ケースとからなり、
前記外ケースは前記筐体から前方に引き出し可能であり、
前記内ケースは、前記外ケース内に後方から押し込んだり後方に引き出し可能に挿入されており、
前記内ケースには、前記外ケースに対して係合離脱可能な係脱機構を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤管理装置。
【請求項4】
前記移送機構は、前記薬剤ケースの前記係脱機構を係合・離脱させると共に前記内ケースと係合可能なキャッチと、該キャッチを前後方向に移動させる往復手段とからなる
ことを特徴とする請求項3記載の薬剤管理装置。
【請求項1】
薬剤ケースを個別に計量し、取り出し前の重量と取り出し後の重量から使用量を割り出し、実際の使用量を管理する薬剤管理装置であって、
筐体の前面部において、複数個の薬剤ケースが複数段かつ複数列に配置されており、
前記筐体の内部に前記各薬剤ケースの重量を計測する計測部が配置されており、
該計測部は、各薬剤ケースを載せて重量を計測する電子秤と、該電子秤を各薬剤ケースの背面に移動させる昇降・横行機構と、各薬剤ケースを収納位置と電子秤上の計量位置との間で前後移動させる移送機構とからなる
ことを特徴とする薬剤管理装置。
【請求項2】
前記昇降・横行機構は、左右両端位置で立設された2本の昇降ガイドと、該昇降ガイドに案内されて昇降する横行ビームと、該横行ビーム上を横行する計測台とからなり、
該計測台に前記電子秤と前記移送機構を取付けている
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤管理装置。
【請求項3】
前記薬剤ケースは、外ケースと内ケースとからなり、
前記外ケースは前記筐体から前方に引き出し可能であり、
前記内ケースは、前記外ケース内に後方から押し込んだり後方に引き出し可能に挿入されており、
前記内ケースには、前記外ケースに対して係合離脱可能な係脱機構を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の薬剤管理装置。
【請求項4】
前記移送機構は、前記薬剤ケースの前記係脱機構を係合・離脱させると共に前記内ケースと係合可能なキャッチと、該キャッチを前後方向に移動させる往復手段とからなる
ことを特徴とする請求項3記載の薬剤管理装置。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図2】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1】
【図2】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−176223(P2012−176223A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134855(P2011−134855)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(396005014)宝田電産株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(396005014)宝田電産株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]