説明

薬学的製剤

式Iの化合物及び重合体、例えばHPMCAS及び/又はPVPの分散物を記載し、更に分散物を含む組成物、分散物を作成する方法及び分散物を使用する方法も包含される。1つの態様において、本発明は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びHPMCASを含む固体分散物を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
この出願は、2007年2月23日に出願された、米国仮出願第60/891,272号(この全体の内容は、参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの形態及びこれらを作成及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
水不溶性薬物は経口投与のための適当な剤型の開発において製剤技術者に多くの難点を提示する。化合物の溶解度、溶解性、及び透過性は全て薬剤の生体利用性に寄与する。透過性増強のために製剤に特定の賦形剤を配合することが研究されているが、結果は決定的なものではなく、そして水不溶性薬剤候補の生体利用性を向上させるための手段としては広範に許容されていない。薬剤物質の微小化は粒径の低減及びそれに伴う表面積の増大を介して溶解性、そしてその結果としての潜在的な生体利用性を向上させる確立された技術プラットホームである。処理加工及び物理的な安定性、例えば過剰な羊毛状凝集性又は集塊性は微小化のプラットホームに関して存在している難点である。他の手法、例えばシクロデキストリンとの複合体形成及び脂質系の製剤は典型的にはより低値の薬剤負荷量に限定される。重合体担体中に溶解された不溶性薬剤の固体分散物は経口生体利用性を向上させる手段を提供する。薬剤物質は典型的にはその非晶質の形態で存在し、そして分子レベルにおいて分散すれば、最終的に粒径の低減及び向上した溶解性及び溶解度をもたらし、即ち、表面積が自身で最大値となり、克服すべき結晶充填エネルギーがもはや無くなる。固体分散物を形成するための方法は幾つか存在し、例えば噴霧乾燥及びホットメルト押し出しがあげられるが、これらは共に一部の製造上の難点を有する。水不溶性薬剤候補の送達のための固体分散物の使用における一部の難点は固体分散物を処理加工して適当な薬剤製品にすることの困難さ、及び、室温及び湿度下で少なくとも2年間である薬剤製品となるために必要とされる非晶質薬剤に伴う適当な物理的安定性の欠如である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、進歩した物理的安定性及び処理加工性を有する水不溶性薬剤の別の固体分散物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
出願人は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの特定の固体形態、例えば固体分散物が溶解度、生体利用性、及び安定性(例えば物理的及び化学的安定性)を包含する望ましい特性を与えることを発見した。
【0006】
1つの態様において、本発明は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びHPMCASを含む固体分散物を特徴とする。
【0007】
一部の実施形態においては、活性な代謝産物は(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド又は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである。
【0008】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのHPMCASに対する比は約1:5〜約5:1、例えば、約1:3〜約3:1であり、例示される比は約1:1又は約3:1を包含する。
【0009】
一部の実施形態においては、分散物は実質的に均一である。一部の実施形態においては、分散物は単一のTを有する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間、25℃、60%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間、40℃、75%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間、25℃、90%相対湿度において単一のTを維持する。
【0010】
一部の実施形態においては、Tは約50%〜約90%相対湿度において25℃よりも少なくとも約50K高値である。一部の実施形態においては、Tは約60%〜約75%相対湿度において25℃よりも少なくとも約50K高値である。一部の実施形態においては、Tは25℃、60%相対湿度において約98℃〜約102℃である。
【0011】
一部の実施形態においては、分散物は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質な領域少なくとも1つを含む。
【0012】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質な領域少なくとも1つを含む。
【0013】
一部の実施形態においては、固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約50%は非晶質であり、例えば、固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約75%は非晶質であるか、又は固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの実質的に全てが非晶質である。
【0014】
一部の実施形態においては、HPMCASはpH≧5.5において、例えばpH≧6.0において、又はpH≧6.5において溶解する。一部の実施形態においては、HPMCASはHPMCAS−LFである。
【0015】
一部の実施形態においては、分散物は更に界面活性剤を含む。一部の実施形態においては、界面活性剤はアニオン系界面活性剤である。一部の実施形態においては、界面活性剤は分散物中、約0.1%〜約20%、例えば約1%〜約10%の量で存在する。一部の実施形態においては、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム及びドキュセートナトリウムから選択される。
【0016】
一部の実施形態においては、分散物は更に複数の界面活性剤を含む。
【0017】
一部の実施形態においては、分散物は追加的な重合体、例えばPVPのような水溶性重合体を含む。一部の実施形態においては、HPMCASのPVPに対する比は約5:1〜約1:5、例えば約3:1〜1:3、又は1:1である。
【0018】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む。
【0019】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの活性な代謝産物を実質的に含まない。
【0020】
一部の実施形態においては、対象に投与した場合の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCは、未分散調製物での式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCの少なくとも約1.25倍、例えば少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、又は少なくとも約10倍である。
【0021】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間40℃/75%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間25℃/90%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。
【0022】
1つの態様において、本発明は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPを含む固体分散物を特徴としており、ここで固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの重量パーセントは少なくとも約50重量%、例えば少なくとも約55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、又は90重量%である。
【0023】
一部の実施形態においては、活性な代謝産物は、(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド又は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである。
【0024】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのPVPに対する比は約1:1〜約5:1、例えば約2:1〜約4:1であり、例示される比は約1:1又は約3.5:1を包含する。
【0025】
一部の実施形態においては、分散物は実質的に均質である。
【0026】
一部の実施形態においては、Tは約50%〜約90%相対湿度において25℃より少なくとも約50K高値であり、例えばTは約60%〜約75%相対湿度において25℃より少なくとも約50K高値である。
【0027】
一部の実施形態においては、Tは25℃及び60%相対湿度で少なくとも約100℃であり、例えばTは約115℃〜約155℃である。
【0028】
一部の実施形態においては、分散物は単一のTを有する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間25℃、60%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間40℃、75%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間25℃、90%相対湿度において単一のTを維持する。
【0029】
一部の実施形態においては、分散物は、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質の領域少なくとも1つを含む。
【0030】
一部の実施形態においては、分散物は、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質の領域少なくとも1つを含む。
【0031】
一部の実施形態においては、固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約50%が非晶質であり、例えば、固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約75%が非晶質であるか、又は固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの実質的に全てが非晶質である。
【0032】
一部の実施形態においては、PVPはK29/32である。一部の実施形態においては、PVPは約30,000〜約100,000ダルトンの分子量を有する。
【0033】
一部の実施形態においては、分散物は更に界面活性剤、例えばアニオン系界面活性剤を含む。一部の実施形態においては、界面活性剤は約0.1〜約20重量%、例えば約1〜約10重量%の量で分散物中に存在する。一部の実施形態においては、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム及びドキュセートナトリウムから選択される。一部の実施形態においては、分散物は複数の界面活性剤を含む。
【0034】
一部の実施形態においては、分散物は更に追加的重合体、例えばHPMCASのような水溶性重合体を含む。
【0035】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む。
【0036】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの活性な代謝産物を実質的に含まない。
【0037】
一部の実施形態においては、対象に投与した場合の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCは、未分散調製物での式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCの少なくとも約1.25倍、例えば少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、又は少なくとも約10倍である。
【0038】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間40℃/75%相対湿度において実質的に非晶質のままである。一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間25℃/90%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。
【0039】
1つの態様において、本発明は、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド又は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体の固体分散物を特徴とする。
【0040】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む。一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む。
【0041】
一部の実施形態においては、重合体は水溶性重合体、例えばHPMCAS又はPVPである。
【0042】
一部の実施形態においては、分散物は実質的に均質である。
【0043】
一部の実施形態においては、Tは約50%〜約90%相対湿度において25℃よりも少なくとも約50K高値である。一部の実施形態においては、Tは約60%〜約75%相対湿度において25℃よりも少なくとも約50K高値である。
【0044】
一部の実施形態においては、分散物は単一のTを有する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間、25℃、60%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間、40℃、75%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は少なくとも2週間、25℃、90%相対湿度において単一のTを維持する。
【0045】
一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質な領域少なくとも1つを含む。一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質な領域少なくとも1つを含む。
【0046】
一部の実施形態においては、固体分散物中の(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約50%が非晶質であり、例えば、固体分散物中の(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は実質的に全てが非晶質である。
【0047】
一部の実施形態においては、固体分散物中の(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約50%が非晶質であり、例えば、固体分散物中の(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は実質的に全てが非晶質である。
【0048】
一部の実施形態においては、分散物は更に界面活性剤、例えばアニオン系界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム又はドキュセートナトリウムを含む。一部の実施形態においては、界面活性剤は分散物中約0.1%〜約20%、例えば約1%〜約10%の量で存在する。
【0049】
一部の実施形態においては、分散物は複数の界面活性剤を含む。
【0050】
一部の実施形態においては、分散物は更に追加的重合体、例えば水溶性重合体を含む。
【0051】
一部の実施形態においては、対象に投与した場合の(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCは、未分散調製物における(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCの少なくとも約1.25倍、例えば少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、又は少なくとも約10倍である。
【0052】
一部の実施形態においては、対象に投与した場合の(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCは、未分散調製物における(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCの少なくとも約1.25倍、例えば少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、又は少なくとも約10倍である。
【0053】
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間40℃/75%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。一部の実施形態においては、(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間40℃/75%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。
【0054】
1つの態様において、本発明は本明細書に記載する分散物、例えば式Iの化合物の分散物の固体剤型を特徴とする。
【0055】
1つの態様において、本発明は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体でコーティングした粒子を特徴とする。
【0056】
一部の実施形態においては、粒子はノンパレイユ(non−pariel)、ラクトースプリル、微結晶セルロース、又は澱粉である。
【0057】
一部の実施形態においては、活性な代謝産物は(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである。一部の実施形態においては、活性な代謝産物は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである。
【0058】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物の少なくとも一部分は重合体中に分散される。一部の実施形態においては、分散物は実質的に均質である。一部の実施形態においては、分散物のTは約60%〜約75%の相対湿度においてRTよりも少なくとも約40K高値である。一部の実施形態においては、分散物のTは約65℃〜約155℃である。一部の実施形態においては、分散物は単一のTを有する。一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物は実質的に非晶質であり、そして分散物は少なくとも15か月25℃、60%相対湿度において単一のTを維持する。一部の実施形態においては、分散物は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質な領域少なくとも1つを含む。一部の実施形態においては、分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドで富化された非均質な領域少なくとも1つを含む。一部の実施形態においては、分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約50%が非晶質であり、例えば、分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は実質的に全てが非晶質である。一部の実施形態においては、分散物は更に界面活性剤、例えばアニオン系界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム又はドキュセートナトリウムを含む。一部の実施形態においては、界面活性剤は分散物中約0.1%〜約20%、例えば約1%〜約10%の量で存在する。一部の実施形態においては、分散物は複数の界面活性剤を含む。
【0059】
一部の実施形態においては、対象に投与した場合の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCは、未分散調製物での式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCの少なくとも約1.25倍、例えば少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、又は少なくとも約10倍である。
【0060】
一部の実施形態においては、重合体は水溶性重合体である。
【0061】
一部の実施形態においては、重合体はHPMCASである。一部の実施形態においては、分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物のHPMCASに対する比は約1:5〜約5:1、例えば、約1:3〜約3:1であり、例示される比は約1:1又は約3:1を包含する。一部の実施形態においては、HPMCASはpH≧5.5において、例えばpH≧6.0において、又はpH≧6.5において溶解する。一部の実施形態においては、HPMCASはHPMCAS−LFである。
【0062】
一部の実施形態においては、粒子は更に、追加的重合体、例えば水溶性重合体でコーティングされる。
【0063】
一部の実施形態においては、重合体はPVPである。一部の実施形態においては、分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのPVPに対する比は約1:5〜約5:1、例えば、約1:3〜約3:1であり、例示される比は約1:1又は約3:1を包含する。一部の実施形態においては、固体分散物中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの重量パーセントは少なくとも50%、例えば少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、又は少なくとも約75%である。一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのPVPに対する比は約1:1〜約5:1、例えば、約2:1〜約4:1であり、例示される比は約1:1又は約3.5:1を包含する。一部の実施形態においては、PVPはK29/32である。
【0064】
一部の実施形態においては、粒子は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む。
【0065】
一部の実施形態においては、粒子は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの活性な代謝産物を実質的に含まない。
【0066】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間40℃/75%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質であり、そして2週間25℃/90%相対湿度において2週間実質的に非晶質のままである。
【0067】
1つの態様において、本発明は本明細書に記載する粒子、本明細書に記載する分散物を含む固体投薬製剤を特徴とする。
【0068】
一部の実施形態においては、製剤は更に賦形剤、希釈剤、結合剤、錠剤崩壊剤、滑剤、潤滑剤、及び/又は界面活性剤の1つ以上を含む。
【0069】
一部の実施形態においては、投薬製剤は錠剤である。一部の実施形態においては、投薬製剤はカプセルである。
【0070】
一部の実施形態においては、投薬製剤は更にコーティング、例えば腸溶性重合体、例えばセルロース系重合体を含む。
【0071】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約20mgを含む。一部の実施形態においては、固体投薬製剤は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約40mgを含む。一部の実施形態においては、固体投薬製剤は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約160mgを含む。一部の実施形態においては、固体投薬製剤は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約320mgを含む。
【0072】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
PVP;
DOSS;
微結晶セルロース;
クロスカルメロース;
SLS;及び、
ステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0073】
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPが固体分散物を形成する。
【0074】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約20〜約30重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約20〜約30重量%のPVP;
約0.2〜約1.0重量%のDOSS;
約30〜約50重量%の微結晶セルロース;
約5〜約10重量%のクロスカルメロース;
約0.5〜約3重量%のSLS;及び、
約1〜約2重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む。
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約25重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約25重量%のPVP;
約0.6重量%のDOSS;
約40重量%の微結晶セルロース;
約7.5重量%のクロスカルメロース;
約1重量%のSLS;及び、
約1.5重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0075】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
HPMCAS;
微結晶セルロース;
リン酸二カルシウム;
クロスカルメロース;
SLS;
二酸化ケイ素;及び、
ステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0076】
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びHPMCASが固体分散物を形成する。
【0077】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約20〜約30重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約20〜約30重量%のHPMCAS;
約15〜約25重量%の微結晶セルロース;
約15〜約25重量%リン酸二カルシウム;
約2〜約8重量%のクロスカルメロース;
約0.2〜約0.8重量%のSLS;
約0.2〜約0.8重量%の二酸化ケイ素;及び、
約1〜約2重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0078】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約25重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約25重量%のHPMCAS;
約21重量%の微結晶セルロース;
約21重量%のリン酸二カルシウム;
約5重量%のクロスカルメロース;
約0.5重量%のSLS;
約0.5重量%の二酸化ケイ素;及び、
約1.5重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0079】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
PVP;
DOSS;
微結晶セルロース;及び、
SLS;
を含む
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPは微結晶セルロース上にコーティングされる。
【0080】
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPが固体分散物を形成する。
【0081】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約20%〜約30重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約7%〜約10重量%のPVP;
約0.1%〜約0.5重量%のDOSS;
約60%〜約70重量%の微結晶セルロース;及び、
約0.2%〜約0,8重量%のSLS;
を含む。
【0082】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約27重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約8重量%のPVP;
約0.3重量%のDOSS;
約64重量%の微結晶セルロース;及び、
約0.5重量%のSLS;
を含む
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
DOSS;
SLS;
PVP;
クロスカルメロース;
乳糖;
クロスポビドン;及び、
ステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0083】
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPは乳糖にコーティングされる。
【0084】
一部の実施形態においては、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPが固体分散物を形成する。
【0085】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約25%〜約35重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約3%〜約5重量%のDOSS;
約1%〜約3重量%のSLS;
約7%〜約11重量%のPVP;
約8%〜約12重量%のクロスカルメロース;
約25%〜約45重量%の乳糖;
約5%〜約9重量%のクロスポビドン;及び、
約0.2%〜約0.8重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0086】
一部の実施形態においては、固体投薬製剤は下記成分:
約29重量%の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;
約4重量%のDOSS;
約2重量%のSLS;
約9重量%のPVP;
約10重量%のクロスカルメロース;
約38重量%の乳糖;
約7重量%のクロスポビドン;及び、
約0.5重量%のステアリン酸マグネシウム;
を含む。
【0087】
1つの態様において、本発明は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドでコーティングされた担体を作成する方法を特徴とし、方法は下記工程:
式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む粒子を準備すること;
水溶性重合体を含む水溶液中に粒子を懸濁すること;及び、
粒子を担体上に噴霧することにより式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び水溶性重合体でコーティングされた担体を得ること;
を含む。
【0088】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドは実質的に非晶質である。
【0089】
一部の実施形態においては、溶媒はメタノールである。
【0090】
一部の実施形態においては、水溶性重合体はPVPである。一部の実施形態においては、水溶性重合体はHPMCASである。
【0091】
一部の実施形態においては、担体は乳糖粒子を含む。一部の実施形態においては、担体は微結晶セルロースを含む。
【0092】
1つの態様において、本発明は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを含む粒子を作成する方法を特徴とし、方法は下記工程:
式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを溶媒及び重合体中に溶解することにより式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体の溶液を得ること;
溶液を噴霧乾燥することにより式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体を含む分散物を得ること;
を含む。
【0093】
一部の実施形態においては、分散物中の重合体はPVPである。一部の実施形態においては、分散物中の重合体はHPMCASである。
【0094】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体を溶解している溶媒は酢酸エチル、メタノール、アセトン、及びエタノールよりなる群から選択される。
【0095】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体を溶解している溶媒はメタノール又はエタノールである。
【0096】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体を溶解している溶媒は有機溶媒の混合物である。
【0097】
一部の実施形態においては、得られた粒子は約0.20g/ml〜約0.30g/mlの嵩密度を有する。
【0098】
一部の実施形態においては、得られた粒子は約1μm未満のD50を有する。
【0099】
一部の実施形態においては、噴霧乾燥器のToutは約70℃〜約150℃である。
【0100】
一部の実施形態においては、溶液中の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体の固体負荷量は約1%〜約20重量%、例えば約5重量%である。
【0101】
1つの態様において、本発明はNK−1関連障害を治療する方法を特徴とし、方法は本明細書に記載する粒子又は分散物を対象に投与することを含む。
【0102】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを、食事をした対象に投与する。
【0103】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを少なくとも投与前1時間又は投与後2時間に食事をしていない対象に投与する。
【0104】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを投与前60分以内に食事をした、又は投与後120分以内に食事をする対象に投与する。
【0105】
一部の実施形態においては、方法は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約1〜約1000mgを含む用量を投与することを含む。
【0106】
一部の実施形態においては、方法は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約40mgを含む用量を投与することを含む。
【0107】
一部の実施形態においては、方法は式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド約320mgを含む用量を投与することを含む。
【0108】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを1日1回投与する。
【0109】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを1日2回投与する。
【0110】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを1日3回投与する。
【0111】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを追加的な治療薬と共に投与する。
【0112】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び追加的治療薬は複合剤型において投与する。
【0113】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを経口投与する。
【0114】
一部の実施形態においては、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを局所投与する。
【0115】
薬剤の非晶質の形態は結晶形態とは異なる特性を呈する場合がある。非晶質固体(一般的に結晶形態より安定性が低い)の安定性を向上させるためには、重合体又は重合体混合物を使用することにより薬剤と共に非晶質の固体分散物系を形成することができる。一部の実施形態においては、経時的に相分離しない系である「固溶液」、又は固体分散物は、周囲温度において薬学的に有意な長期間(例えば2年間)薬剤の再結晶が制限されるか緩徐化されるように製剤できる。
【0116】
式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの固体分散物は、未分散の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、例えば結晶性の式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの投与と比較して向上した経口投与時の生体利用性をもたらすことができる。一部の実施形態においては、これらの固体分散物は好都合に保存及び投与することができる固体状態にある。固体分散物の製造は有機溶媒又は溶媒混合物(例えばメタノール、アセトン等)を選択することにより良好に実施及びスケールアップすることができる。一部の実施形態においては、固体分散物は向上した化学的及び物理的安定性を有することができる。例えば、一部の場合において、固体分散物は従来の保存条件(室温)において少なくとも1年、例えば少なくとも15か月、18か月、2年、又はより長い期間、化学的及び/又は物理的に安定であることができる。
【0117】
本発明の実施形態の1つ以上の詳細を以下の関連する説明において記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は説明から、そして特許請求の範囲から、明らかになるものである。
【発明を実施するための形態】
【0118】
発明の詳細な説明
種々の要因及び成分が医薬組成物、特に水不溶性薬剤の固体分散物を含む製剤の安定性及び生体利用性のために重要であるということが本発明の発見である。従って、本発明は固体分散物の製剤及びそれらの製剤を作成する方法を提供する。
【0119】
式Iの化合物
本明細書の固体分散物は下記式I:
【0120】
【化1】

[式中、XはCH、N、又はN−Oであり;YはCH、N、又はN−Oであり;Zはハロゲン、好ましくはクロロであり;そしてRはH又はOHである]の化合物、又は製薬上許容しうるその塩又は溶媒和物を包含する。一部の好ましい実施形態においては、XはCH又はN(例えばCH)であり;YはN又はN−Oであり、そしてRはHである。一部の好ましい実施形態においては、XはCH、Nであり;YはCH、N又はN−Oであり;Zはハロゲン;好ましくはクロロそしてROHである。式Iは代謝経路を介して身体内で形成され得る、そして更に本明細書に記載する固体分散物の成分として本明細書に包含される化合物を包含する。例示される活性な代謝産物は(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを包含する。
【0121】
式Iの好ましい化合物は以下のもの、即ち:(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド;又は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその塩又は溶媒和物を包含する。下記式:
【0122】
【化2】

を有する(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドが式Iの化合物の高度に好ましい実施形態である。
【0123】
本明細書に記載した化合物はその種々の固体形態を包含し、例えばその多形型、溶媒和物及び塩が挙げられる。本明細書に記載した化合物は又その互変異体も包含する。
【0124】
式Iの化合物の分散物
式Iの化合物、又はその活性な代謝産物、及び重合体、例えば水溶性重合体を包含する分散物を本明細書に記載する。好ましい重合体はHPMCAS及びPVPを包含する。
【0125】
本明細書においては、「分散物」とは1物質、分散相が第2の物質(連続相又はベヒクル)全体に渡って別個の単位中に分配されている分散系を指す。分散相の別個の単位の大きさは大きく変動できる(例えば単分子〜ナノメートル寸法のコロイド粒子、〜多ミクロン値の大きさ)。一般的に分散相は固体、液体、又は気体であることができる。固体分散物の場合、分散及び連続相は両方とも固体である。医薬品用途においては、固体分散物は非晶質重合体(連続相)中の結晶性の薬剤(分散相)、或いは、非晶質重合体(連続相)中の非晶質の薬剤(分散相)を包含できる。一部の実施形態においては、非晶質の固体分散物は分散相を構成する重合体を包含し、そして薬剤が連続相を構成する。
【0126】
「非晶質固体分散物」という用語は一般的に2つ以上の成分、通常は薬剤及び重合体、又は重合体の組み合わせの固体分散物を指すが、可能性としては他の成分、例えば界面活性剤又は他の製薬用賦形剤も含有し、その場合、薬剤は非晶質の相にあり(例えば薬剤の実質的に全てが非晶質の相にあり)、そして非晶質の薬剤の物理的安定性及び/又は溶解性及び/又は溶解度は他の成分により増強される。
【0127】
例示される固体分散物は(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドとHPMCAS又はPVPとの共沈殿物又は共溶融物である。「共沈殿物」とは薬剤及び重合体を溶媒又は溶媒混合物に溶解し、その後溶媒又は溶媒混合物を除去した後の生成物である。場合により重合体は溶媒又は溶媒混合物中に懸濁される。溶媒又は溶媒混合物は有機溶媒及び超臨界流体を包含する。一部の場合においては、固体分散物は薬剤の溶液及び固体重合体を添加し、その後混合し、そして溶媒を除去することにより製造される。溶媒を除去するためには、真空乾燥、噴霧乾燥、箱型乾燥、凍結乾燥、及び他の乾燥の操作法を適用してよい。本発明に従って適切な処理加工パラメーターを用いながらこれらの方法を適用することにより、最終固体分散物生成物における非晶質の状態の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドが提供される。
【0128】
HPMCAS及び/又はPVPを包含する分散物
固体分散物は医薬品用途に適する何れの形態も有することができる。例えば固体分散物は粉末、又は基板上のコーティングの形態であることができる(例えば固体分散物は乳糖又は微結晶セルロースのような粒子の上に噴霧コーティングできる)。
【0129】
重合体の式Iの化合物に対する比は固体分散物の特性に影響する。例えば重合体の式Iの化合物に対する比が相対的に高値であれば、式Iの化合物は分子分散物、又は水溶性重合体相中に分散した水不溶性薬剤の極めて少量の分域を有する分散物を形成する傾向がある。しかしながら、重合体の式Iの化合物に対する比が高値であれば、固体分散物中の水不溶性薬剤の濃度は低値となり、これにより固体分散物を含む医薬組成物中に大量の固体分散物が必要となる。更に又、低濃度の式Iの化合物は患者における式Iの化合物の吸収速度を低減することができる。
【0130】
重合体の式Iの化合物に対する比が相対的に低値であれば、式Iの化合物は、重合体中の式Iの化合物の分子分散物ではなく重合体相中の式Iの化合物の分域の分散物を形成する傾向がある。しかしながら重合体の式Iの化合物に対する比が低すぎる場合、式Iの化合物の分散した分域が大きすぎるため、患者における薬剤の溶解及び吸収が低減され、これにより式Iの化合物の生体利用性が低減されることになる。重合体の式Iの化合物に対する適切な比は化合物、重合体、意図する用途に応じたものとなる。
【0131】
例示される固体分散物は式Iの化合物、例えば(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、及びHPMCASを包含する。
【0132】
式Iの化合物のHPMCASに対する量は変動することができる。例えば分散物は主に式Iの化合物、主にHPMCAS、又は式Iの化合物とHPMCASの相対的均等物であることができる。式Iの化合物の重合体に対する比は固体分散物の特性を改編するために変動させることができる。例えば、一部の実施形態においては、均質な分散物を得るような式Iの化合物の重合体に対する比を有することが好ましいのに対し、一部の実施形態においては、式Iの化合物が富化された領域を得るような式Iの化合物の重合体に対する比となる。例示される式Iの化合物のHPMCASに対する比は約1:20〜約5:1、例えば約1:4〜約4:1、約1:2〜約3:1、例えば約1:1を包含する。
【0133】
別の実施形態においては、固体分散物の組成は式Iの化合物及びHPMCAS及びPVPのような重合体の組み合わせを包含してよい。HPMCAS:PVPの例示される比は約5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1、1:1、1:1.5、1:2、1:3、1:4、又は1:5を包含する。重合体の比は固体分散物の物理的安定性及び/又は製造性(即ち流動、圧縮等)を最適化するために調節してよい。
【0134】
別の例示される固体分散物は、式Iの化合物、好ましくは(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、又はその活性な代謝産物、又は(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド、及びPVPを包含し、この場合、分散物中の式Iの化合物の量は少なくとも約25%、例えば少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又はこれより高値である。式Iの化合物のPVPに対する例示される比は約1:2〜約5:1、例えば約1:1〜約4:1を包含する。一部の好ましい実施形態においては、式Iの化合物及びPVPは約1:1又は約3.5:1の比で存在する。
【0135】
式Iの化合物及び重合体の分散物
式Iの化合物及び重合体、例えば水溶性重合体を包含する分散物は本発明に包含される。例えば(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体の分散物又は(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び重合体の分散物を本明細書に記載する。
【0136】
例示される重合体は水溶性重合体を包含する。「水溶性重合体」という用語は天然又は合成の何れかの重合体を指し、これは20℃において水溶性重合体の2%水溶液に関して計測した場合に100mPs・s未満の見かけの粘度を有する。適当な水溶性重合体の非限定的な例は、セルロースエーテル、例えばメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びカルボキシメチルエチルセルロース;セルロースエステル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート(HPCAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、及びメチルセルロースアセテートフタレート(MCAP);澱粉;ペクチン類、例えばカルボキシメチルアミロペクチンナトリウム;キチン誘導体、例えばキトサン;多糖類、例えばアルギン酸、及びそのアルカリ金属及びアンモニウム塩;カラギーナン;ガラクトマンナン;トラガカント;寒天;アラビアゴム;グアガム;キサンタンガム;ポリアクリル及びポリメタクリル酸及びその塩;アクリレート及びメタクリレート共重合体;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体;及びポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体を包含する。
【0137】
式Iの化合物と重合体の比は例えばHPMCAS及び/又はPVPを包含する上記分散物のような上記した比を包含する。
【0138】
追加的成分
他の製薬上許容しうる成分も又本明細書に記載する分散物中に包含することができ、例えば界面活性剤又は追加的重合体、例えば水溶性重合体が挙げられる。
界面活性剤
界面活性剤は一般的に分散物中約0.1〜約20重量%、例えば約1〜約15重量%(例えば約9%)、例えば約0.5〜約10%、約0.5〜約5%、又は約1〜約2%の量で存在する。式Iの化合物の界面活性剤に対する重量比は約300:1〜約1:1、例えば約50:1〜約20:1、例えば約25:1又は約4:1の範囲となる。
【0139】
適当な界面活性剤はアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤を包含する。アニオン系界面活性剤は負電荷を有する両親媒性の分子である。適当なアニオン系界面活性剤の非限定的な例はアルキル、アリール、又はアリールアルキルのカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はアシル化蛋白加水分解物を包含する。適当なカルボキシル化界面活性剤は例えば石鹸(即ち脂肪酸の塩)、胆汁酸塩、ポリアルコキシカルボキシレート及びN−アシルサルコシネートを包含する。適当なスルホン化界面活性剤は例えばアルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアレンスルホネート、短鎖リグノスルフェート、ナフタレンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、石油スルホネート、及びエステル、アミド、又はエーテル連結部を有するスルホネートを包含する。適当な硫酸化界面活性剤は例えば脂肪族アルコールのスルフェートエステル、硫酸化アルキルフェノール、硫酸化された酸、アミド、及びエステル、及び硫酸化された天然の油脂及び脂肪を包含する。適当なホスホン化界面活性剤はオルトリン酸の脂肪族アルコールモノ及びジエステルを包含する。
【0140】
一部の実施形態においては、アニオン系界面活性剤が好ましい。例示されるアニオン系界面活性剤は例えば脂肪酸の塩、例えばカプロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリストレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミトレイン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、テトラデシル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等;胆汁酸塩、例えばコール酸ナトリウム、タロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、ウルソデオキシコール酸ナトリウム、ケモデオキシコール酸ナトリウム、グリコケモデオキシコール酸ナトリウム、コリルサルコシン酸ナトリウム、N−メチルタウロコール酸ナトリウム、リトコール酸ナトリウム等;リン酸エステル、例えば脂肪族アルコールのエステル化産物又はリン酸又は無水物との脂肪族アルコールエトキシレート等;カルボキシレート、例えば脂肪族アルコールエトキシレートの末端OH基の酸化により形成されるエーテルアルキルカルボキシレート、スクシニル化モノグリセリド、ナトリウムステアリルフィルマレート、コハク酸水素ステアロイルプロピレングリコール、モノ及びジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のグリセリルラクトエステル、脂肪酸のラクチン酸エステル、ステアロイル2−ラクチン酸カルシウム/ナトリウム、ステアロイルラクチン酸カルシウム/ナトリウム、アルギネート塩、アルギン酸プロピレングリコール等;スルフェート及びスルホネート、例えばエトキシル化アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アシルイセチオネート、アシルタウレート、アシルグリセリルエーテルスルホネート、オクチルスルホスクシネート2ナトリウム(即ちジオクチルナトリウムスルホスクシネート(DOSS)又はナトリウムドキュセート)、2ナトリウムウンデシレンアミド−MEA−スルホスクシネート等を包含する。
【0141】
好ましい界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム及びナトリウムドキュセートを包含し、これらは単独又は組み合わせて使用できる。例えばラウリル硫酸ナトリウム及びナトリウムドキュセートの混合物が挙げられる。
【0142】
一部の実施形態においては、2つ以上の界面活性剤を組み合わせて使用する。本発明の組成物が2つ以上の界面活性剤の混合物を包含する場合は、その2つ以上の界面活性剤は同じクラスの界面活性剤から選択することができ(例えば2つ以上の界面活性剤各々アニオン系界面活性剤であることができる)、或いは、異なるクラスの界面活性剤から選択することができる(例えば2つ以上の界面活性剤の1つは何れかのノニオン系界面活性剤であることができ、そして少なくとも1つの他の界面活性剤はアニオン系界面活性剤であることができる)。界面活性剤の混合物が本発明の組成物中に存在する場合、例えば2つの界面活性剤の場合、その2つの界面活性剤の重量比は約5:1〜約1:1の範囲であることができる。例えば、2つの界面活性剤の重量比は約5:1、4:1、3:1、2:1、又は1:1であることができる。
【0143】
追加的重合体
一部の実施形態においては、本明細書に記載した分散物は式Iの化合物及び2つ以上の重合体を包含する。例えば、分散物、例えば式Iの化合物及びHPMCASの分散物又は式Iの化合物及びPVPの分散物は、第2の重合体、例えば水溶性重合体を包含することができ、これにより、2つの重合体中、例えばHPMCASと第2の重合体中、又はPVPと第2の重合体中に分散した式Iの化合物を得ることができる。一部の場合においては、2つの重合体はそれらの補足的な特性、例えば溶解度、圧縮性、流動性、取扱の容易さ、費用等に関して選択される。第1の重合体:第2の重合体の比は変動することができ、そして一般的に約1:4〜約4:1、例えば約1:3〜約3:1、約1:2〜約2:1、例えば約1:1の範囲となる。
【0144】
分散物の特徴
上記した通り、分散物は均質であることができ、或いは、非均質であることもでき、例えば式Iの化合物がリッチである領域を有することができる。分散相内に分布した富化された領域(例えば不連続の相)の分域の粒径分布は単モード又は2モードであることができる。1つの実施形態において、重合体(即ちHPMCAS又はPVP)中に分散されている式Iの化合物の分域の90%超が10nm〜1000nm、又は100nm〜800nm、又は100nm〜500nmの範囲の粒径を有する。
【0145】
一部の実施形態においては、分散物内の式Iの化合物は実質的に非晶質である(例えば式Iの化合物の少なくとも約50%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約55%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約60%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約65%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約70%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約75%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約80%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約85%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約90%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約95%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約98%が非晶質であるか、式Iの化合物の少なくとも約99%が非晶質であるか、式Iの化合物の実質的に全てが非晶質である)。
【0146】
本明細書においては、「非晶質」という用語は自身の原子の位置において長距離秩序を有さない固体物質を指す。非晶質固体は一般的に、分子がランダムな態様において配置することにより十分明確化された配置が存在せず、長距離秩序が存在しない過冷却液体である。非晶質固体は一般的に等方性であり、即ち、全ての方向に同様の特性を示し、そして明確な融点を有さない。例えば非晶質物質はそのX線粉末回折(XRPD)パターンにおいてシャープな特徴的結晶ピークを有さない固体物質である(即ちXRPDにより測定した場合に結晶性ではない)。むしろ1つ又は数個のブロードなピーク(例えばハロー)がそのXRPDパターン中に出現する。ブロードなピークは非晶質固体に特徴的である。非晶質物質及び結晶性物質のXRPDの比較に関してはUS2004/0006237を参照できる。
【0147】
本明細書においては、「結晶性固体」とは構造単位が固定された幾何学的なパターン又は格子内に配置していることにより結晶性固体が剛性の長距離秩序を有している化合物又は組成物を指す。結晶構造を構成する単位は原子、分子、又はイオンであることができる。結晶性固体は明確な融点を示す。
【0148】
一部の実施形態においては、分散物は単一のガラス転移点(T)を有する。Tはガラス状の物質が加熱によりガラス状態からゴム状の状態への急速な物理的変化を起こす特徴的な温度である。Tは数種の一般的に許容されている手法、例えば示差走査熱量系(DSC)により、又は力学的機械分析器(DMA)により測定できる。分散物のTは一般的に室内の温度及び相対湿度条件(例えば25℃、60%RH)における保存条件よりも少なくとも約50K高値であることが好ましい。例えば、等しい比において式Iの化合物及びHPMCASを包含する固体分散物においては、室温/湿度条件における分散物のTは一般的に約98℃〜約102℃(例えば約100℃又は101℃)である。等しい比において式Iの化合物及びPVPを包含する固体分散物においては、室温/湿度条件における分散物のTは一般的に約130℃〜約135℃である。当然ながら、分散物のTは多くの要因、例えばいくつかの例を挙げると、成分(即ちその構造、相互作用等)、その分散物重量画分、及び分散物の平衡溶媒及び/又は水分含有量等に依存している。更に又、非晶質成分(即ち重合体及び化合物)の均質なブレンド物のTはGordon−Taylor式により多くの場合において推定することができ、その場合、各成分の重量画分及びそれらそれぞれの対応するTを用いて分散物のTを推定する。好ましくは、分散物中の式Iの化合物の重合体に対する比は、一般的な手法(例えばローラー圧縮、湿式顆粒化等)を用いながら式Iの治療的に十分な量が従来の大きさの従来の剤型(即ち650mgから好ましくは1300mgまで)中に製造でき、そして分散物が予測される保存条件よりも少なくとも50K高値である単一のTを有するようなものである。
【0149】
本明細書に記載した固体分散物は一般的に安定、例えば化学的及び物理的に安定である。例えば一部の好ましい実施形態においては、固体分散物は少なくとも2週間、40℃/75%及び/又は25℃/90%のような加速保存条件下において化学的及び物理的の両方において安定である。分散物の物理的安定性はXRPD、DSC、及び/又は顕微鏡観察を介して式Iの化合物の非晶質形態の含有量に関して評価することができる。例えば等しい比において式Iの化合物及びPVPを包含する固体分散物において、室温/湿度条件におけるTは一般的に約130℃〜約135℃であり、2週間40℃/75%保存における同じ分散物のTは約130℃〜約135℃であり、最後に少なくとも2週間25℃/90%保存における同じ分散物のTは約130℃〜約135℃である。別の実施形態においては、乳糖上にコーティングし、その後一般的な賦形剤とブレンドし、そしてゼラチンカプセル中に充てんされたPVP及び式Iの化合物の分散物は室内の温度及び相対湿度の条件(例えば25℃、60%RH)において少なくとも15か月安定である。
【0150】
本明細書に記載した固体分散物は医薬組成物の成分として、例えば経口用粉末、錠剤、カプセル等としての成分として使用できる。一般的に、本明細書に記載した固体分散物は約0.20g/ml〜約0.30g/mlの嵩密度、及び約0.34g/ml〜約0.40g/mlのタップ密度を有する。固体分散物は一般的に約1μm未満のD50を有する。
【0151】
別の実施形態においては、式Iの化合物の組成物は、動物への固体分散物を含有する組成物の投与後に、動物の血液中の式Iの化合物のレベルが、固体分散物を含有しない式Iの化合物の投与後に観察されるより少なくとも約20%高値、例えば少なくとも約25%高値、少なくとも約50%高値、少なくとも約100%高値、少なくとも約200%高値、少なくとも約300%高値又は少なくとも約400%高値となるために十分な量において存在する固体分散物よりなる。別の実施形態においては、本発明の組成物は非製剤化水不溶性薬剤の生体利用性を超過して少なくとも1.25倍、1.50倍、又は少なくとも2.0倍の増大した生体利用性をもたらす。
【0152】
式Iの化合物を包含する粒子
式Iの化合物の粒子を本明細書に記載する。例えば式Iの非晶質化合物を含む粒子を本明細書に記載し、例えば式Iの実質的に非晶質の化合物を含有する粒子を本明細書に記載する。式Iの非晶質化合物は例えば式Iの化合物を噴霧乾燥して経口投与製剤のような医薬組成物への製剤に適する式Iの化合物の粒子を形成することにより作成できる。
【0153】
上記した通り、本明細書に記載した式Iの化合物及び式Iの化合物を包含する分散物は医薬組成物における成分として使用できる。一部の実施形態においては、分散物は直接組成物に製剤する。一部の実施形態においては、式Iの化合物、例えば本明細書に記載した式Iの化合物を包含する分散物を粒子上にコーティングし、その粒子を医薬組成物上に製剤する。
【0154】
式Iの化合物、例えば式Iの非晶質化合物は例えば水溶性重合体と共に粒子上にコーティングすることができる。一部の実施形態においては、本明細書に記載した分散物は粒子の表面上にコーティングする。本明細書に記載した分散物でコーティングする場合に有用な例示される粒子は、ノンパレイユ、例えば乳糖又は微結晶セルロース又は澱粉を包含する。
【0155】
本明細書に記載した式Iの化合物又は分散物は粒子の表面上に、噴霧コーティングプロセスにおいて、例えば式Iの化合物、例えば式Iの非晶質化合物又は本明細書に記載した分散物の懸濁液又はスラリー及び粒子を準備すること、及び、懸濁液又はスラリーを噴霧して式Iの化合物でコーティングされた粒子を形成することにより、コーティングすることができる。一部の実施形態においては、粒子の表面も又、追加的な成分、例えば腸溶性コーティングでコーティングできる。
【0156】
次にコーティングされた粒子を例えばカプセル化により適当な剤型に形成することができる。或いは、コーティングされた基板を、薬品分野で知られた処理加工法、例えば湿式又は乾式の顆粒化、ミリング等を用いながら、本明細書に開示した追加的成分1つ以上と混合し、そして次に例えばカプセル化、錠剤化、又はペレット化により適当な剤型に形成することができる。
【0157】
式Iの化合物を包含する分散物の作成方法
固体分散物を得るための何れの方法も本明細書に記載した本分散物との関連において使用できる。一般的に使用できる方法は、混合物からの溶媒の急速な除去又は溶融した試料の冷却をおこなうものを包含する。そのような方法は例えば限定しないが、ロータリーエバポレーター蒸発、フリーズドライ(即ち凍結乾燥)、真空乾燥、溶融凝固、及び溶融押し出しを包含する。しかしながら本発明の好ましい実施形態では噴霧乾燥により得られた非晶質固体分散物を使用する。従って、別の実施形態においては、本発明は溶媒を除去するために噴霧乾燥により得られた生成物を乾燥することを可能にする。
【0158】
本明細書に開示された調製物、例えば医薬組成物は式Iの化合物、HPMCAS及び/又はPVP、及び適切な溶媒(例えばアセトン)を含む混合物を噴霧乾燥することにより得ることができる。噴霧乾燥は例えば固体及び溶媒を含有する液体混合物の霧状化及び溶媒の除去を行う方法である。霧状化は例えばノゾルを介して、又は回転ディスク上で行ってよい。噴霧乾燥は液体の供給物を乾燥した粒子の形態に変換する処理加工である。任意に、二次的な乾燥処理加工、例えば流動床乾燥又は真空乾燥を使用することにより残存溶媒を製薬上許容しうるレベルにまで低減してよい。典型的には、噴霧乾燥では高度に分散した液体の懸濁液又は溶液と十分な容量の高温空気を接触させて蒸発を起こさせること、及び、液体の液滴を乾燥することを行う。噴霧乾燥すべき調製物は、選択された噴霧乾燥装置を用いて霧状化できる何れかの溶液、粗放な懸濁液、スラリー、コロイド状分散物、又はペーストであることができる。標準的な操作法においては、調製物は溶媒を蒸発させ、そして乾燥した生成物を収集器(例えばサイクロン)にまで運搬する温熱濾過空気流内に噴霧する。次に使用済みの空気を溶媒と共に排気するか、又は、使用済み空気は縮合器に送り、溶媒を捕獲してリサイクル可能とする。市販の型の装置を用いて噴霧乾燥を実施してよい。例えば、市販の噴霧乾燥器はBuchi Ltd.及びNiroにより製造されている(例えばNiroにより製造されている噴霧乾燥器のPSDシリーズ)(例えばUS2004/0105820;US2003/0144257参照)。
【0159】
噴霧乾燥は典型的には約2%〜約25%の物質の固体負荷量(即ち式Iの化合物及び賦形剤)、好ましくは少なくとも約4%又は5%を使用する。一般的に、固体負荷量の上限は得られる溶液の粘度(例えば送液する能力)及び溶液中の成分の溶解度により決定される。
【0160】
噴霧乾燥のための手法及び方法はPerry’s Chemical Engineering Handbook、第6版、R.H.Perry,D.W.Green&J.O.Maloney編)、McGraw−Hill book co.,(1984);及びMarshall”Atomization and Spray−Drying”50,Chem.Eng.Prog.Monogr.Series2(1954)に記載されている。
【0161】
一般的に、噴霧乾燥は約60℃〜約200℃、例えば約130℃〜約180℃の導入口温度で実施する。噴霧乾燥は一般的に、約70℃〜約150℃、例えば約80℃〜約110℃の排出口温度で実施する。
【0162】
好ましい溶媒は式Iの化合物が少なくとも約10mg/ml(例えば少なくとも約15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、35mg/ml、40mg/ml、45mg/ml、50mg/ml、75mg/ml、100mg/ml、125mg/ml、150mg/ml、175mg/ml、200mg/ml、又はこれより高値)の溶解度を有するような溶媒である。
【0163】
適当な溶媒はエステル、ケトン、及びアルコールを包含する。使用できる例示される溶媒は酢酸エチル、メタノール、アセトン、及びエタノールを包含する。一部の好ましい実施形態は酢酸エチルを包含する。一部の実施形態においては、溶媒の混合物を使用する。好ましい実施形態においては、共溶媒が式Iの化合物と重合体(即ちHPMCAS及び/又はPVP)の両方を溶解する。
【0164】
溶媒の除去はその後の乾燥工程、例えばトレー乾燥、流動床乾燥(例えば約室温〜約100℃)、真空乾燥、マイクロウェーブ乾燥、ロータリードラム乾燥又はバイコニカル真空乾燥(例えば約室温〜約200℃)を必要とする場合がある。
【0165】
得られた分散した粒子(例えば噴霧乾燥後)は一般的に1μm未満の平均粒径、例えば約100nm〜約900nmの平均粒径、例えば約850nm、約800nm、約750nm、約700nm、約650nm、約600nm、約550nm、約500nm、約450nm、約400nm、約350nm、約300nm、約250nm、約200nm、約150nm、そしてこれらの間の全ての範囲及びサブ範囲を含む平均粒径を有する。分散した粒子の粒径分布は本質的に単モード又は2モードであることができる。粒径分布が本質的に単モードである場合、粒子の少なくとも50%が1μm未満の粒径を有する。例えば、粒子の少なくとも50%が900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、又は200nm未満、そしてこれらの間の全ての範囲及びサブ範囲を含む粒径を有する。
【0166】
粒子コーティング
一部の実施形態においては、式(I)の化合物又は式(I)の化合物及び重合体を含む分散物は担体、例えば固体粒子、例えば乳糖又は微結晶セルロース又は澱粉のような粒子上にコーティングされる。本明細書に記載した式(I)の化合物又は式(I)の化合物及び重合体の分散物は、水及び水溶性重合体(例えばPVP)の溶液中に懸濁される。懸濁液は乳糖のような固体粒子又は微結晶セルロースの小球(例えばセルスフェア(Celsphere))のような担体上に積層される。
【0167】
一部の実施形態においては、水溶性重合体は固体分散物中の重合体と同じ重合体である(又は重合体2つ以上を包含する分散物の例においては固体分散物中のある重合体)。
【0168】
一般的に、コーティング処理加工における水溶性重合体の固体負荷量は約10〜約60重量%である。
【0169】
式Iの化合物の分散物を含む組成物
本明細書に記載した固体分散物及び本明細書に記載する固体分散物でコーティングした粒子は追加的な製薬上許容しうる賦形剤と共に製剤することにより対象への投与のための剤型とすることができる。
【0170】
本明細書に記載した組成物中の式Iの化合物の重量パーセントは約99重量%〜約15重量%の範囲であることができる。例えば、水不溶性薬剤の重量パーセントは約99、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、及び約15重量%であることができる。
【0171】
使用される単位用量は患者の要件及び治療すべき状態に応じて変動してよい。簡便のためには、総一日当たり用量を分割し、必要に応じてその日の間に細分量で投与してよい。本発明の組成物中の水不溶性薬剤の量は単位用量当たり約1mg〜約500mgの範囲である。例えば、本発明の組成物の単位用量当たりの水不溶性薬剤の量は約1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、250mg、300mg、320mg、350mg、400mg、450mg、480mg、500mg、640mg、750mg、100mg等であることができる。
【0172】
本発明の組成物中の水溶性重合体の重量パーセントは約90〜約5重量%の範囲であることができる。例えば、組成物中の水不溶性重合体の重量パーセントは約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、及び約5重量%であることができる。
【0173】
存在する場合は、本発明の組成物中の追加的成分1つ以上の総量の重量パーセントは約90〜約5重量%の範囲であることができる。例えば、組成物中の追加的成分1つ以上の総量の重量パーセントは約90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、及び20重量%であることができる。
【0174】
例示される製薬上許容しうる賦形剤は希釈剤又は充填剤、薬剤複合化剤又は可溶化剤、錠剤崩壊剤、結合剤、潤滑剤、滑剤、pH調節剤、及び界面活性剤を包含する。適当な希釈剤又は充填剤の例は乳糖、マンニトール、キシリトール、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、及び澱粉を包含する。薬剤複合化剤又は可溶化剤の例は、ポリエチレングリコール、カフェイン、キサンテン、ゲンチシン酸、及びシクロデキストリンを包含する。錠剤崩壊剤の例はナトリウム澱粉グリコレート、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、及びクロスポビドン、好ましくはクロスカルメロースナトリウム及び/又はクロスポビドンを包含する。結合剤の例はメチルセルロース、ポビドン、微結晶セルロース、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、及びガム類、例えばグア及びトラガカント、好ましくはポビドンを包含する。潤滑剤の例はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウムを包含する。滑剤の例は二酸化ケイ素である。pH調節剤の例は酸、例えばクエン酸、酢酸、アスコルビン酸、乳酸、アスパラギン酸、コハク酸、リン酸、及び上記酸及びその塩の何れかの混合物を含む緩衝物質を包含する。
【0175】
界面活性剤の例は上記した通りである。好ましい界面活性剤賦形剤はDOSS及びSLSを包含する。本発明の組成物中の界面活性剤の重量パーセントは約0.1重量%〜約20重量%の範囲であることができる。例えば組成物中の界面活性剤の重量パーセントは約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5.5、約5.0、約4.5、約4.0、約3.5、約3.0、約2.5、約2.0、約1.5、約1.0、約0.9、約0.8、約0.7、約0.6、約0.5、約0.4、約0.3、約0.2、約0.1重量%であることができる。
【0176】
追加的成分は、本明細書に記載した製薬上許容しうる賦形剤のクラスの各々から選択された個々の成分1つ、又は2つ以上を独立して包含できる。即ち、本明細書に記載されている組成物は例えば1つ以上の希釈剤又は充填剤及び錠剤崩壊剤、単一の希釈剤又は充填剤及び2つ以上の錠剤崩壊剤、充填剤、錠剤崩壊剤、結合剤、潤滑剤等を包含できる。
【0177】
一部の実施形態においては、本明細書に記載した組成物は例えば式Iの化合物を第2の治療薬と同時投与するための追加的な治療薬を包含する。「治療薬」という用語は本明細書においては、その従来の意味において使用され、哺乳類、特にヒトに投与された場合に有益な予防上及び/又は治療上の特性を有する化合物又は何れかの合成又は天然に存在する実体を指す。適当な水不溶性薬剤の非限定的な例は、例えば、薬剤の種々の既知クラスに由来する薬剤、例えば蛋白、ペプチド、ヌクレオチド、抗肥満薬、ニュートラシューティカル、コルチコステロイド、エラスターゼ阻害剤、鎮痛剤、抗カビ剤、癌治療薬、抗嘔吐剤、心臓血管剤、抗炎症剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗生物質、抗凝固剤、抗欝剤、抗糖尿病剤、抗癲癇剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、抗ムスカリン剤、抗微生物剤、抗新生物剤、免疫抑制剤、抗甲状腺剤、抗ウィルス剤、不安緩解剤、鎮静剤、収斂剤、β−アドレナリン受容体ブロッキング剤、血液製剤及び代替物、強心剤、コリンエステラーゼ阻害剤、造影剤、コルチコステロイド、咳止め、診断薬、診断用画像化剤、利尿剤、ドーパミン作用性物質、止血剤、免疫学的薬剤、脂質調節剤、腸運動性調節剤、筋肉弛緩剤、副交感神経様作用剤、副甲状腺カルシトニン及びビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン、抗アレルギー剤、刺激剤及び食欲抑制剤、交感神経様作用剤、甲状腺剤、血管拡張剤、及びキサンチン類を包含する。
【0178】
次に固体分散物の粒子を例えばカプセル化により適当な剤型に成形することができる。或いは、固体分散物の粒子を、湿式又は乾式顆粒化、ミリング等の医薬品分野で既知の単位処理加工を用いながら本明細書に開示した追加的成分1つ以上と混合し、そして次に例えばカプセル化、ペレット化、又は錠剤成形により適当な剤型に成形することができる。
【0179】
本発明の組成物は患者への水不溶性薬剤の治療上有効な用量の送達に適する何れかの剤型において提供することができる。適当な剤型の非限定的な例はミニカプセル、カプセル、錠剤、及びインプラント、トローチ、ロゼンジ、懸濁液、小球剤、座薬、ウエハース、チュワブル錠剤、迅速又は急速溶解性の錠剤、発泡性の錠剤、口内又は舌下用の固体、顆粒、フィルム、ペレット、ビーズ、丸薬、粉末、細片、又は香袋剤を包含する。
【0180】
本発明の組成物は経口、舌下、口腔内、経鼻、眼内、肺内、尿道内、経粘膜、膣内、局所、又は直腸内の送達のために製剤できる。1つの実施形態において、本発明の組成物は、それが対象に経口投与され、そして例えば胃腸管を介して対象の系内に取り込まれるのに適するように製剤される。一部の好ましい実施形態においては、本明細書に記載した組成物は例えば錠剤、カプセル、又は経口用懸濁液のための粉末、好ましくは錠剤又はカプセルとして、経口投与のために製剤される。ミニカプセル又はカプセルとして製剤される場合、カプセルはハード又はソフトゼラチンカプセル、澱粉カプセル、又はセルロース系カプセルであることができる。
【0181】
本発明の組成物は又、例えば消化管内の崩壊速度を制御するために、即時放出、波状放出、制御放出、延長放出、遅延放出、ターゲティングされた放出、同調した放出、又はターゲティングされた遅延放出の特性をもたらすために、コーティング1つ以上でコーティングすることもできる。そのようなコーティングは腸溶性コーティング、フィルムコーティング、バリアコーティング、圧縮コーティング、急速崩壊コーティング、酵素分解性コーティング等を包含できる。
【0182】
式Iの化合物を包含する分散物を用いる方法
本明細書に記載した化合物及び固体分散物、固体分散物を包含する粒子、及び化合物及び固体分散物を包含する組成物は例えばNK−1関連障害を治療するための療法において使用できる。本明細書に記載した式Iの化合物を包含する固体分散物(及び/又は固体分散物を包含する粒子及び/又は固体分散物を包含する組成物)の治療有効量を対象、例えばそのような治療を必要とする対象に投与することにより、NK−1関連障害を治療できる。
【0183】
「治療有効量」という用語は臨床的に有用な作用、例えば症状の低減又は軽減、又は疾患又は状態の防止又は改善をもたらす水不溶性薬剤の量である。
【0184】
例示されるNK−1関連障害はうつ病、不安、認知及び記憶の不全、急性及び慢性の疼痛、アレルギー性障害、喘息、慢性閉塞性肺疾患、皮膚障害、失禁、炎症、吐き気、過敏性腸症候群、睡眠障害、物質禁断症状、免疫系の障害、炎症性障害、例えば骨関節炎、慢性関節リューマチ、及び他の関節炎、炎症性腸疾患、強膜炎、内臓障害、例えば骨盤炎症性障害、小嚢炎及び性交疼痛症のような障害を包含する。一部の好ましい実施形態においては、本明細書に記載した化合物又は分散物又は本明細書に記載した化合物又は分散物を包含する組成物は、社会不安障害、失禁、及び/又は過敏性腸症候群の治療のために対象に投与される。
【0185】
本明細書に記載した化合物及び分散物は食品に伴って、又は伴うことなく投与できる。一部の実施形態においては、本明細書に記載した分散物は固体分散物の投与の2時間以内に食事をしたか、又は固体分散物の投与後1時間以内に食事をすることになる対象に投与される。投薬の頻度は多くの要因、例えば治療すべき障害、剤型、投薬量、及び患者に応じて変動できる。従って、本明細書に記載した化合物又は分散物は1日1回、1日2回、1日3回、又は1日4回投与できる。
【実施例】
【0186】
以下の実施例は説明を意図しており、如何なる態様、形状、又は形態においても本発明を明示的又は暗示的に限定するものではない。それらは使用され得るものの典型であるが、当業者に周知の他の操作法、方法論、又は手法も代替的に使用してよい。
【0187】
実施例1:PVP又はHPMCASを包含する固体分散物
種々の薬剤/重合体及び薬剤/重合体/界面活性剤の組み合わせを種々の溶媒に溶解し、そして次に噴霧乾燥して固体分散物粒子を形成した。
【0188】
重合体、溶媒、界面活性剤の濃度(%ドキュセートナトリウム)、%固体及び薬剤/重合体の比を以下の表1に示す。
【0189】
【表1】

*(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
**ドキュセートナトリウム
表1の固体分散物の物理的分析を行うことにより分散物内の薬剤の形態(即ち非晶質又は結晶性)を評価し、そして固体分散物のガラス転移点を表2に示す通り測定した。形態及びTを測定するために使用した方法はそれぞれXRPD及びDSCの変法であった。
【0190】
【表2】

*(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
**ドキュセートナトリウム
実施例2:PVP又はHPMCASを包含する固体分散物のストレス下の安定性
表1に由来する例示される固体分散物を2週間25℃/90%RH及び2週間40℃/75%RHを包含する加速安定性条件に付したところ、表3に示す結果が得られた。TはmDSCで測定した。分散物中の薬剤の形態は顕微鏡試験により更に評価した。
【0191】
【表3】

*(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
**ドキュセートナトリウム
実施例3:製剤された経口剤型
本明細書に記載した分散物を製造し、そして更に錠剤又はカプセルのような経口剤型に製剤することができる。或いは、固体分散物はまず乳糖又は許容できる担体上にコーティングし、そしてその後カプセル又は錠剤に処理加工することにより、剤型に製剤してもよい。
【0192】
表4の組成物は、共通の有機溶媒中に(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び選択された重合体(PVP又はHPMCAS)を溶解することにより製造した。得られた溶液を噴霧乾燥することにより、約50%が約0.8um以下の直径を有するナノサイズの固体分散物粒子を得た。固体分散物粒子を更に希釈剤、滑剤、及びスラグ化とその後のミリングにより緻密化された潤滑剤の部分をブレンドすることにより処理加工して、錠剤の剤型とした。錠剤崩壊剤及び残りの潤滑剤をミリングされた顆粒に添加し、そしてブレンドした。潤滑化された顆粒を圧縮成形して錠剤とした。錠剤は又、機能性又は非機能性のフィルムコーティングによりコーティングすることもできる。
【0193】
【表4−1】

【0194】
【表4−2】

表5のGMP#3組成物は酢酸エチルに(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びドキュセートナトリウムを溶解することにより製造した。得られた溶液を噴霧乾燥することにより(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びドキュセートナトリウムのナノサイズの粒子を得た。ナノサイズの粒子の約50%が約0.8μm以下の直径を有していた。次にナノサイズの粒子をポビドンの水溶液に添加し、得られた懸濁液を乳糖プリル上に噴霧コーティングした。乾燥したコーティングされた乳糖プリルを次にクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、及びラウリル硫酸ナトリウムと乾燥ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを混合物に添加してブレンドし、そしてその後カプセル化した。
【0195】
他の例示される剤型においては、PVP:薬剤懸濁液をカプセル化前に微結晶セルロース(Celsphere)上に積層した以外は、GMP#3と同じ態様においてX608PFCA003を製造した。
【0196】
【表5−1】

【0197】
【表5−2】

実施例4:製剤した経口剤型のストレス下の安定性
薬剤製品に製剤した例示される固体分散物(表4及び5)を2週間25℃/90%RH、及び2週間、5週間、3か月及び6カ月40℃/75%RHを包含する加速安定性条件に付した。表6は2週時点分析に関してmDSCで測定されたTを示す。分散物中の薬剤の形態は顕微鏡試験により更に評価した。
【0198】
【表6】

*(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
表7、8及び9はそれぞれ、40℃/75%において種々の時間保存された製剤X608OCTA001、X608OCTA002、及びX608PFCA003に関する外観、試験、関連物質、及び溶解の結果を示している。試験及び不純物の結果は製剤の化学的安定性を明らかにしており、そして、初期状態から顕著に抑制されれば薬剤形態の結晶化の適当な代用となる溶解の結果は最小限の変化を示している。
【0199】
【表7】

【0200】
【表8】

【0201】
【表9】

*オフホワイトの「00」HPMCカプセル中の自由流動ペレット
実施例5:選択された固体分散物の向上した溶解
固体分散物錠剤の注目すべき難点はそれらが極めて長い崩壊及び溶解の時間を有する点である。これらの延長された時間はヒト及びイヌの両方において速度の制限された吸収をもたらす場合がある。水溶性重合体の大部分、例えばPVP、HPMC、HPC等は結合剤としても使用されているため、緩徐な崩壊及び溶解の時間は意外ではない。しかしながら、HPMCASを含む固体分散物錠剤又はPVPを含む固体分散物積層ペレットはPVPの固体分散物錠剤と比較して溶解時間の多大な向上をもたらす。これは表4及び5に示す製剤に関する表7〜9に示す溶解時間を検討すれば明白である。
【0202】
実施例6:イヌにおける選択された経口投薬用製剤の生体利用性
多くの製剤をイヌにおいて試験している。イヌ試験の結果はヒト試験において観察される曝露の傾向を予測させるものである。イヌにおける生体利用性試験に関する2つの活性な代謝産物である(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを包含する(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUCを表10に示す。活性な薬剤成分の非分散製剤と比較して、活性成分(及び2つの活性な代謝産物)の製剤に基づく固体分散物に関しては、遙かに大きいAUCの利点が存在するように観察された。結果は2匹の別個のイヌ試験から得られ、9列目以降の表分割により分けられている。
【0203】
【表10】

後者4製剤の組成は表4及び5において既に示した通りである。他の3製剤の組成物(即ち「101」、WG#2及びWG#3)は表11に示す通りである。製剤WG#2及びWG#3におけるPVPは添加混合されており、そして分散物として存在していない。
【0204】
【表11−1】

【0205】
【表11−2】

*WG#2は1:3メタノール:アセトン溶媒から噴霧乾燥し;WG#3は塩化メチレンから噴霧乾燥した。
【0206】
実施例7:ヒトにおける選択された経口投与用製剤の生体利用性
数種の製剤がヒトの臨床試験において試験されている。GMP#3の組成物、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及びPVPの例示される固体分散物、並びに非固体分散物対照、GMP#2を表12に示す。2つの活性な代謝産物である(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドを包含する(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUC及びCmaxの値も表13に示す。親分子、(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUC、及び2つの代謝産物、(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのAUC値は、対照製剤、GMP#2のAUC値と比較して例示された固体分散物製剤GMP#3に関して有意に高値である。更に又、親の(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのCmax値、及び2つの代謝産物、(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド及び(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドのCmax値は対照製剤、GMP#2のCmax値と比較して例示された固体分散物製剤GMP#3に関して有意に高値である。
【0207】
【表12】

【0208】
【表13】

*(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
**(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
***(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミド
α 表11に記載した組成物の2つの単位用量のカプセルを投与した。
β AUC及びCmaxの値は24時間における第1日の投薬による。
【0209】
当業者であれば、本明細書に記載した特定の実施形態の多くの等価物は、定型的な実験の範囲内で認識することになるか、又は確認することができる。そのような等価物は以下の特許請求の範囲により包含されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化3】

[式中、XはCH、N、又はN−Oであり;
YはCH、N、又はN−Oであり;
Zはハロゲンであり;そして、
RはH又はOHである]の化合物及びPVPを含む固体分散物であって、ここで該固体分散物内の式Iの化合物の重量パーセントが少なくとも約50重量%である、固体分散物。
【請求項2】
前記式Iの化合物の重量パーセントが少なくとも約70重量%である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項3】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項4】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項5】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項6】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項7】
前記式Iの化合物のPVPに対する比が約1:1〜約5:1である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項8】
前記式Iの化合物のPVPに対する比が約3.5:1である、請求項7に記載の固体分散物。
【請求項9】
前記分散物が実質的に均質である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項10】
が約50%〜約90%の相対湿度において298Kよりも少なくとも約50K高値である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項11】
が約60%〜約75%の相対湿度において298Kよりも少なくとも約50K高値である、請求項10に記載の固体分散物。
【請求項12】
前記分散物が単一のTを有する、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項13】
前記分散物が前記式Iの化合物で富化された非均質な領域少なくとも1つを含む、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項14】
前記式Iの化合物の少なくとも約50%が非晶質である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項15】
前記式Iの化合物の実質的に全てが非晶質である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項16】
前記PVPがK29/32である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項17】
前記PVPが約30,000〜約100,000ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項18】
更に界面活性剤を含む、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項19】
前記界面活性剤が約0.1〜約20重量%の量で前記分散物中に存在する、請求項18に記載の固体分散物。
【請求項20】
前記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム及びドキュセートナトリウムから選択される、請求項18に記載の固体分散物。
【請求項21】
分散物が(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドの活性代謝産物を実質的に含有しない、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項22】
対象に投薬された場合の前記式Iの化合物のAUCが、未分散調製物での式Iの化合物のAUCの少なくとも約1.25倍である、請求項1に記載の固体分散物。
【請求項23】
対象に投薬された場合の前記式Iの化合物のAUCが、未分散調製物での式Iの化合物のAUCの少なくとも約3倍である、請求項22に記載の固体分散物。
【請求項24】
下記式I:
【化4】

[式中、XはCH、N、又はN−Oであり;
YはCH、N、又はN−Oであり;
Zはハロゲンであり;そして、
RはH又はOHである]の化合物及び重合体でコーティングされた粒子。
【請求項25】
前記粒子がノンパレイユ、ラクトースプリル、微結晶セルロース、又は澱粉である、請求項24に記載の粒子。
【請求項26】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項24に記載の粒子。
【請求項27】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−キナゾリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項24に記載の粒子。
【請求項28】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−キノリン−N−オキシド−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項24に記載の粒子。
【請求項29】
前記式Iの化合物が(2R,4S)−2−ヒドロキシ−キノリン−4−カルボン酸[1−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2−(4−クロロベンジル)−ピペリジン−4−イル]アミドである、請求項24に記載の粒子。
【請求項30】
前記式Iの化合物の少なくとも一部分が重合体中に分散されている、請求項24に記載の粒子。
【請求項31】
前記式Iの化合物の実質的に全てが重合体中に分散されている、請求項30に記載の粒子。
【請求項32】
前記分散物が実質的に均質である、請求項30に記載の粒子。
【請求項33】
前記分散物のTが約60%〜約75%の相対湿度において298Kよりも少なくとも約50K高値である、請求項30に記載の粒子。
【請求項34】
前記分散物が単一のTを有する、請求項30に記載の粒子。
【請求項35】
前記分散物が前記式Iの化合物で富化された非均質な領域少なくとも1つを含む、請求項30に記載の粒子。
【請求項36】
前記式Iの化合物の少なくとも約50%が非晶質である、請求項24に記載の粒子。
【請求項37】
前記式Iの化合物の少なくとも一部分が重合体中に分散されている、請求項36に記載の粒子。
【請求項38】
前記式Iの化合物の実質的に全てが重合体中に分散されている、請求項37に記載の粒子。
【請求項39】
前記式Iの化合物の実質的に全てが非晶質である、請求項37に記載の粒子。
【請求項40】
前記PVPがK29/32である、請求項30に記載の粒子。
【請求項41】
前記PVPが約30,000〜約100,000ダルトンの分子量を有する、請求項40に記載の粒子。
【請求項42】
更に界面活性剤を含む、請求項30に記載の粒子。
【請求項43】
前記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム及びドキュセートナトリウムから選択される、請求項42に記載の粒子。
【請求項44】
前記界面活性剤が約0.1〜約20%の量で前記分散物中に存在する、請求項42に記載の粒子。
【請求項45】
対象に投薬された場合の前記式Iの化合物のAUCが、未分散調製物での式Iの化合物のAUCの少なくとも約1.25倍である、請求項30に記載の粒子。
【請求項46】
対象に投薬された場合の前記式Iの化合物のAUCが、未分散調製物での式Iの化合物のAUCの少なくとも約3倍である、請求項45に記載の粒子。
【請求項47】
前記重合体がPVPであり、そして前記式Iの化合物のPVPに対する比が前記分散物内において約1:5〜約5:1である、請求項30に記載の粒子。
【請求項48】
前記重合体がPVPであり、そして前記式Iの化合物のPVPに対する比が前記分散物内において約3.5:1である、請求項30に記載の粒子。
【請求項49】
前記重合体がPVPであり、そして式Iの化合物の重量パーセントが少なくとも約50%である、請求項30に記載の粒子。
【請求項50】
前記重合体がPVPであり、そして式Iの化合物の重量パーセントが少なくとも約70%である、請求項30に記載の粒子。
【請求項51】
前記式Iの化合物が実質的に非晶質であり、そして40℃/75%相対湿度において少なくとも2週間実質的に非晶質のままである、請求項30に記載の粒子。
【請求項52】
前記式Iの化合物が、前記分散物を錠剤に製剤した該式Iの化合物の同じ分散物の溶解プロファイルと比較して、30分において少なくとも3倍の加速された溶解プロファイルを有する、請求項30に記載の粒子。
【請求項53】
前記式Iの化合物が、前記分散物を錠剤に製剤した該式Iの化合物の同じ分散物の溶解プロファイルと比較して、60分において少なくとも3倍の加速された溶解プロファイルを有する、請求項52に記載の粒子。
【請求項54】
前記式Iの化合物が、前記分散物を錠剤に製剤した該式Iの化合物の同じ分散物の溶解プロファイルと比較して、120分において少なくとも3倍の加速された溶解プロファイルを有する、請求項53に記載の粒子。

【公表番号】特表2010−519312(P2010−519312A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551032(P2009−551032)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/054735
【国際公開番号】WO2008/103914
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(509237309)アベラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】