説明

薬物カートリッジを取付けすることにより調整可能な機械的ディスプレイを有する薬物送達デバイス

薬物送達デバイス(1)は、薬物を含むカートリッジ(21、21a、21b)を受け入れるように構成される。薬物送達デバイス(1)は、カートリッジ(21、21a、21b)の1つ及びそのカートリッジ(21、21a、21b)に含まれる薬物に関連する情報を表示するための内容表示部(3)を含んでなる。内容表示部(3)は、少なくとも2つの異なる情報の部分(30a、30b)を選択的に表示するように構成され、そして機械的に調整されて、情報の部分(30a、30b)の1つを表示するように構成される。更に、薬物送達デバイス(1)及び複数の取付け可能エレメント(2)のセットが提供され、ここでそれらの取付け可能エレメント(2)はそれらの形状の点で異なり、そして表示された情報の部分(30a、30b)は取付け可能エレメント(2、2a、2b)の形状に対して特異的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬物を含むカートリッジで用いるための薬物送達デバイスに関する。特に、それは種々のタイプのカートリッジ又は種々の薬物若しくは種々の薬物組成物を含むカートリッジで使用可能な薬物送達デバイスに関する。かかるデバイスでは、使用者がデバイスに取付けされた特定のカートリッジについて間違った思い込みをし、従って使用者が不注意に誤った薬物の投与をしてしまうという潜在的リスクが存在し得る。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2、3、4及び5は、デバイスに取付けされたカートリッジに提供された情報を読むための手段を含む薬物送達デバイスを開示している。情報はLCDディスプレイなどの電子デバイスによって表示される。
【0003】
特許文献6は、種々の濃度の薬物を含むカートリッジで使用可能な薬物送達デバイスを開示している。薬物送達デバイスは、送達機構を特定の薬物濃度に調整するための手段を含む。事前設定濃度はLCDディスプレイによって表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO02/092153A2
【特許文献2】WO03/028790A1
【特許文献3】WO2005/075010A1
【特許文献4】WO2006/084464
【特許文献5】EP0362484A2
【特許文献6】WO2005/004954A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、デバイスに取付け可能なカートリッジ又はかかるカートリッジに含まれる薬物に関する情報が、使用者に容易にかつ確実に提供される、薬物送達デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によると、薬物を含んでいるカートリッジを受け入れるように構成された薬物送達デバイスが提供される。薬物送達デバイスは、カートリッジの1つ及びカートリッジ中に含まれる薬物に関連している情報を表示するための内容表示部を含む。内容表示部は、少なくとも2つの異なる情報を選択的に表示するように構成され、そして情報の部分の1つを表示するために機械的に調整されるように構成される。
【0007】
本開示薬物送達デバイスは、2つ又はそれ以上の種々のタイプのカートリッジ又はその中に含まれる薬物又は薬物組成物の点において異なるカートリッジで使用可能となってよい。それにより、種々の薬物を投与する使用者は単一の薬物送達デバイスだけを必要としてよい。
【0008】
1つの実施態様では、薬物送達デバイスは、デバイスに取付けされたカートリッジを交換することができるような再使用可能なデバイスである。例として、デバイスは薬物の自己投与のために患者により使用されてよい。異なる薬物を投与するために同一デバイスが用いられてよい。ここでは、各送達動作のために、適切なカートリッジをデバイスに挿入することができる。デバイスはまた、1つの薬物だけを投与するのに用いられてよい。ここでは、使用済みカートリッジが空になっている場合又はカートリッジ中に含まれる薬剤が終了している場合、新しいカートリッジをデバイスに挿入することができる。
【0009】
第2の実施態様では、薬物送達デバイスは、単一カートリッジだけで使用するように構成される使い捨てデバイスである。ここでは、カートリッジ中に含まれる薬物が投与されている場合には、デバイスは廃棄するようになっている。
【0010】
薬物送達デバイスに内容表示部を備え付けることにより、使用者は、カートリッジのタイプ又はカートリッジ中に含まれる薬物若しくは薬物組成物について知ることができる。
【0011】
例として、情報の部分の少なくとも1つは薬物の名称を含む。
【0012】
特に、情報の第1の部分は第1の薬物の名称を含んでよく、そして情報の第2の部分は第2の薬物の情報を含んでよい。あるいは又は加えて、情報の部分は、カートリッジのタイプ又はカートリッジ中に含まれる薬物を示すマーキング又はカラリング(coloring)を含んでよい。
【0013】
1つの実施態様では、内容表示部は、カートリッジが薬物送達デバイスに取付けされる前にある特定の情報を表示するために調整される。それにより、使用者は、薬物送達デバイスが、特定のタイプのカートリッジ又はカートリッジに含まれる特定の薬物専用であり、そして対応のカートリッジを取り付けるようにガイドされることを知らされる。
【0014】
第2の実施態様では、カートリッジの取付け中に、又はカートリッジが既に薬物送達デバイスに取付けされている場合には、内容表示部は調整される。ここでは、使用者は、カートリッジのタイプについて又は実際にデバイスに取付けされているカートリッジ中に含まれる薬物について知ることができる。好ましくは、特定のカートリッジがデバイスに取り付けられている限りは、内容表示部は適切な情報を恒久的に表示する。
【0015】
機械的に調整可能な内容表示部を備え付けることにより、薬物送達デバイス中の電子パーツの数は減少させることができ、又は薬物送達デバイスは電子パーツが全くないようにしてもよい。それにより、薬物送達デバイスは低コストで製作することができ、確実に機能する。それに加えて、機械的ディスプレイでは、情報はいずれの力も消費することなく恒久的に表示することができる。更に、デバイスは電子デバイスに不慣れで又は消極的な患者に対して特に好適といってよい。
【0016】
例として、内容表示部は、表示可能な情報を伝える表示部材を含んでよい。情報は印刷されるか又は別の方法で表示部材に恒久的に適用される。表示部材は、ある特定の情報だけが使用者に見えるように、例えばデバイスのハウジングにより部分的に覆われてよい。更に、内容表示部は、使用者にある特定の情報を表示するための表示窓を含んでもよい。例として、表示窓は、それを通してある特定の情報を伝える表示部材の基本的部分が見える、デバイスのハウジングの開口部であってよい。
【0017】
ある特定の情報を表示する内容表示部を調整するために、表示部材は可動性で、例えば表示窓に対して回転可能であってよい。内容表示部を調整するために、所望の情報の部分が表示窓を通して見えるまで、表示部材は一定の回転量で回転してよい。
【0018】
1つの実施態様では、薬物送達デバイスは、情報の部分の1つを表示するために恒久的に内容表示部をロックするためのロック手段を含む。
【0019】
内容表示部をロックすることにより、内容表示部の更なる調整、そして特に、偶発的な誤調整は防止される。1つの実施態様では、ロッキングが非可逆なように、ロック手段は内容表示部を解除不可能なようにロックする。更なる実施態様では、ロッキングは可逆でよい。ここでは、ロック手段は、内容表示部をロック解除するために特殊器具又は特殊機能が必要なように構成されてよい。
【0020】
更に、薬物送達デバイスは使用者によって操作可能な調整ダイヤルを含んでよい。調整ダイヤルを操作時に、内容表示部は情報の部分の1つを表示するように調整可能である。
【0021】
この場合に、使用者は表示される情報を決定してよい。例として、カートリッジが取付けされる前に、内容表示部はある特定の情報を表示するために調整されてよい。それにより、薬物送達デバイスは、使用者が特定のタイプのカートリッジ又はデバイス中に特定の薬物を含むカートリッジを挿入するために明確にガイドされるように、特定のカートリッジ専用にできる。内容表示部は調整後恒久的にロックされてよい。例として、医療専門家は内容表示部を調整し、そして、患者に対してそれを操作する前に表示をロックしてよい。
【0022】
更なる調整を防止するために、内容表示部は、一度だけ又は医療専門家に提供された特殊器具でだけ調整可能であってよい。例として、ロック手段は、内容表示部を調整するために動かさされるべく、内容表示部の一部に取り付けられた脆弱タブ(tab)を含んでよい。ここでは、タブを有する内容表示部を機械的に調整することにより、内容表示部が特定の情報を表示するために調整された後に、脆弱タブは取り除かれる。更なる実施態様では、表示が構成されていると、ロック手段は一方向固定へと押し込まれているクリップを含んでよい。
【0023】
薬物送達デバイスは本体及び取付け可能エレメントを含み得る。ここでは、薬物送達デバイスは取付け可能エレメントが本体に取付けされていない取り外し状態、及び取付け可能エレメントが薬物送達デバイスの本体に取付けされた取付け状態を有している。特に、取付け可能エレメントはカートリッジ及びカートリッジ保持部材の1つである。
【0024】
好ましくは、本体及び取付け可能エレメントは取付け可能エレメントの少なくとも1つを本体に固定するための固定手段を含む。
【0025】
1つの実施態様では、固定手段は、取付け可能エレメントが本体に取付けすることができ、その後取付けされていないように、取り外し可能な固定を可能にする。他の実施態様では、固定手段は本体に取付け可能エレメントを取り外し不能になるに固定するために構成されてよい。
【0026】
固定手段は、取付け可能エレメント及び本体のねじ式連結のために構成されてよい。ここでは、取付け可能エレメントは、本体の内側ねじとねじ込みされて係合することができる外側ねじを含んでよい。この場合、取付け可能エレメントを本体にねじ込みする場合には、取付け可能エレメントは本体に対して並進及び回転運動の連携をする。
【0027】
更なる実施態様では、固定手段は、取付け可能エレメント及び本体のバヨネット(bayonet)式連結のために構成されてよい。この場合、取付け可能エレメントを本体に連結する場合には、取付け可能エレメントは、本体に対して先ず並進運動を次いで回転運動を行う。
【0028】
更なる実施態様では、固定手段は、取付け可能エレメントが本体上に押されて、本体で一方向固定へと押し込まれるように、クリップ式連結のために構成されてよい。
【0029】
取付け可能エレメントがカートリッジ保持部材である場合には、それは少なくとも部分的にはカートリッジを含み得る。再使用可能デバイスでは、カートリッジを交換することができ、そしてカートリッジ保持部材を新しいカートリッジにより再使用することができるように、カートリッジはカートリッジ保持部材に取り外し可能なように構成されてよい。再使用可能なデバイスの異なる実施態様では、カートリッジは、カートリッジがカートリッジ保持部材とともに交換されるように、カートリッジ保持部材に取り外し不能なように構成される。
【0030】
1つの実施態様では、デバイスの本体は、特定のタイプのカートリッジ又は特定の薬物を含むカートリッジの取付けを可能にするように構成された第1のコード化手段を含み、そしてマッチしないカートリッジの取付けを防止してよい。取付け可能エレメントは、第1のコード化手段との相互作用のために構成された第2のコード化手段を含んでよい。
【0031】
好ましくは、コード化手段は、取付け可能エレメントの取付けが機械的相互作用により可能になるか又は防止されるように、機械的相互作用のために構成される。例として、第1及び第2のコード化手段少なくとも1つは突起を含む。カートリッジにぴったりと取付け可能エレメントを取付けする場合には、突起はもう1つのコード化手段で備え付けられた凹部に沿って進んでもよい。本体に対してマッチしない取付け可能エレメントを取り付けることを試みる場合には、突起は取付け可能エレメントの一部に隣接してよく、それにより取付けはブロックされる。
【0032】
内容表示部のロック状態で、ぴったりとあう第2のコード化手段を有する取付け可能エレメントだけが本体に取付けできるように、第1のコード化手段は内容表示部と相互作用してよい。ぴったりとしない第2のコード化手段を有する取付け可能エレメントでは、取付けは防止される。従って、内容表示部を調整しその後ロックすることにより、本デバイスは特定のタイプのカートリッジ専用とすることができる。
【0033】
取付け可能エレメントは作動部材を含んでよく、表示内容は作動部材によって操作可能な調整部材を含んでよい。調整部材は、内容表示部が作動部材により調整部材を操作することにより、情報の部分の1つを表示するために調整可能なように構成される。
【0034】
好ましくは、作動部材は調整部材との機械的相互作用のために構成される。好ましくは、作動部材は、調整部材の動作、及びそれにより内容表示部の調整をもたらす調整部材に力を及ぼすために構成される。特に、調整部材の動作は、表示可能な区切りの情報を伝える表示部材の動作をもたらしてよい。ここでは、調整部材は表示部材の一体部分であってよい。
【0035】
調整部材は、本体に取付け可能エレメントを取付けする際に作動部材によって操作されてよい。この場合、内容表示部は、取付け可能エレメント、例えばカートリッジのタイプ及びカートリッジに含まれる薬物に関連したある特定の情報を表示するために自動的に調整されてよい。
【0036】
表示された情報は、取付け可能エレメント上の作動部材の位置及び作動部材の形状の1つに対して特異的であってよい。
【0037】
例として、複数の異なるカートリッジ又は異なる薬物を含む複数のカートリッジに好適なように、薬物送達デバイスが構成されてよい。ここでは、取付け可能エレメント上の作動部材の位置又は形状は、表示された情報がカートリッジのタイプ又はカートリッジに含まれる薬物に対して特異的であるように、カートリッジのタイプ又はカートリッジに含まれる薬物に対して特異的であってよい。
【0038】
好ましくは、作動部材の位置又は作動部材の形状は、取付け可能エレメント及び本体の連結のタイプに適合される。特に、作動部材の位置又はタイプは、取付け方法における取付け可能エレメント及び本体の相対運動に適合される。
【0039】
第1の例として、固定手段が取付け可能エレメント及び本体のねじ式連結のために構成される場合には、調整部材は取付け可能エレメント及び本体の相対的回転運動によって駆動するように構成されてよい。それにより、本体に対する取付け可能エレメントの回転は内容表示部を駆動するために使用される。
【0040】
ここでは、取付け可能エレメントは縦軸を有してよく、そして表示された情報は縦軸に従って作動部材の角度位置に対して特異的であってよい。
【0041】
特に、取付け可能エレメントを薬物送達デバイスの本体に取付けする場合に、角度位置は調整部材の回転量を決定してよい。調整部材の動作は情報の部分を伝える表示部材の動作に直接伝達されてよい。異なる実施態様では、表示部材の回転量が調整部材の回転量と異なるように、調整部材はギア機構を経て表示部材に連結されてよい。適用されるギア機構は、必要なコード化選択肢の数と表示窓におけるフォントサイズによって決まってよい。
【0042】
第2の例として、固定手段は取付け可能エレメント及び本体のバヨネット式連結のために構成されてよい。ここでは、調整部材は取付け可能エレメント及び本体の相対的回転運動によって駆動するように構成されてよい。
【0043】
このタイプの調整機構は、取付け可能エレメントが本体上に押され、そして一方向クリップ、又はデバイスの本体に対して取付け可能エレメントの並進運動を含む他のタイプの連結によって固定される、クリップ式連結にとっても有用であってよい。この場合に、並進運動の量は内容表示部を駆動するのに用いることができる。
【0044】
取付け可能エレメントは縦軸を有してよく、そして作動部材は取付け可能エレメントの縦軸に沿って伸びてよい。表示された情報が縦軸に沿った作動部材の長さに対して特異的であるように、調整機構が構成されてよい。
【0045】
ここでは、作動部材の長さは、調整部材の並進運動の量を決定してよい。調整部材の並進運動は表示部材の並進運動に伝達されてよい。
【0046】
調整部材は、マッチする第2のコード化手段を有する取付け可能エレメントの取付けを可能にし、そしてマッチしない第2のコード化手段を有する取付け可能エレメントの取付けを防止するための第1のコード化手段として同時に機能してよい。更なる実施態様では、調整部材の動作がコード化手段の動作をもたらし、又は逆もまた同様であるように、調整部材は第1のコード化手段と相互作用してよい。
【0047】
薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスの取り外し状態におけるニュートラル表示へと表示を付勢させる(bias)ための弾性手段を含んでよい。
【0048】
特に、表示部材は、十分な対向する力が表示部材に対して発揮されない場合に、それがニュートラル表示に調整されるようにばね荷重されてよい。1例として、ニュートラル表示は、ブランク表示又は特異的カートリッジ若しくは特異的薬物に関連していない情報であってよい。例えば、ニュートラル表示は、薬物送達デバイスがカートリッジを受け入れる状態になっていることを示してよい。
【0049】
更に、上記薬物送達デバイス及び複数の取付け可能エレメントのセットが提供される。複数の取付け可能エレメントは、複数のカートリッジ又は薬物送達デバイスに取付け可能な複数のカートリッジ保持部材の1つであってよい。取付け可能エレメントはそれらの形状において異なってよい。内容表示部によって表示される情報の一部は、取付け可能エレメントの形状に対して特異的である。
【0050】
本実施態様は、異なる薬物を投与する使用者にとって特に有用となる。使用者は、本体及びデバイスの本体に取付けすることができる、異なる薬物又は異なる薬物組成物を含む2つ以上のカートリッジを有する、単一薬物送達デバイスが提供される。ここでは、使用者は、1つの薬物送達デバイスと異なる薬物を投与することができる。例として、使用者は、同一の薬物送達デバイスを用いることによって異なるカートリッジに含まれる長時間作用型及び短時間作用型インスリンを投与してよい。内容表示部は、取り付けたカートリッジのタイプについて、又は取り付けたカートリッジに含まれる薬物について使用者に情報を与えてよい。
【0051】
他の特徴は、添付図面と関連して検討する場合に以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】使用者によって操作可能な内容表示部を含む薬物送達デバイスの第1実施態様を示す。
【図2A】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図2B】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図2C】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図2D】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図2E】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図2F】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図2G】内容表示部を手動調整し、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを図1によって薬物送達デバイスに取付けする工程を示す。
【図3A】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図3B】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図3C】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図3D】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図3E】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図3F】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図3G】薬物送達デバイスの第2の実施態様、及び内容表示部を手動調整してロックし、そしてマッチする及びマッチしないカートリッジを取付けすることを試みる工程を示す。
【図4A】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4B】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4C】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4D】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4E】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4F】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4G】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図4H】薬物送達デバイスの第2実施態様、及び異なる薬物を含むカートリッジを取付けする工程を示す。
【図5A】スクリュー型連結のために構成される取付け可能エレメントの第1実施態様を示す。
【図5B】スクリュー型連結のために構成される取付け可能エレメントの第1実施態様を示す。
【図5C】スクリュー型連結のために構成される表示部材の第1実施態様を示す。
【図5D】図5A又は図5Bによる取付け可能エレメント、及び図5Cによる表示部材の機械的相互作用を示す。
【図6A】バヨネット式連結のために構成された取付け可能エレメントの第2実施態様を示す。
【図6B】バヨネット式連結のために構成された取付け可能エレメントの第2実施態様を示す。
【図6C】バヨネット式連結のために構成された表示部材の第2実施態様を示す。
【図6D】図6A又は図6Bによる取付け可能エレメント、及び図6Cによる表示部材の機械的相互作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、縦軸15に沿って伸びる本体11を有する薬物送達デバイス1を示す。薬物送達デバイス1は、液剤、例えばインスリン薬が含まれるカートリッジを含む。
【0054】
カートリッジは、本体11の遠位端110で本体11に固定される。カートリッジ21は本体11に取り付けられたキャップ12によって覆われている。その近位端111で、本体11は薬物の用量をダイヤルしそして投与するための用量エレメント13を含む。用量をダイヤルするために、用量エレメント13は本体11に対して回される。ダイヤルした用量サイズは用量表示部14から見える。用量を注射するために、用量エレメント13は本体11の方へ押される。それにより、駆動機構は、ピストンロッドを順方向に駆動する。ピストンロッドはカートリッジ中の栓上で作動し、それにより液剤はニードルユニットを通して押し出される。
【0055】
薬物送達デバイス1は、カートリッジ21に含まれる薬物のタイプについて使用者に情報を与えるための内容表示部3を含む。内容表示部3は表示窓32を含み、それを通してカートリッジに含まれる薬物の名称を含む情報の部分30aが見える。表示窓32は本体11のハウジング16における開口部であり、透明材料により覆われてよい。表示窓32は薬物送達デバイス1の本体11に位置することから、薬物名はカートリッジがキャップ12によって覆われている場合でも見える。
【0056】
表示可能な情報の部分30a、30bは、表示部材33上に提供される。表示部材33は、表示窓32を通して見える情報の部分30aが位置する部分を除いて、薬物送達デバイス1のハウジング16によって覆われている。表示部材33は、薬物送達デバイス1で用いるのに好適なすべての薬物の名称を伝えるシリンダーである。ここでは、薬物送達デバイス1は2つの異なる薬物に好適である。この目的及び以下の実施例では、薬物名は、「薬物A」及び「薬物B」で表わされ、ここで、例えば「薬物A」は短時間作用型インスリンで、そして「薬物B」は長時間作用型インスリンであってよい。
【0057】
自明なこととして、他の薬物又は薬物組成物を代わりに使用することができる。同様に、薬物送達デバイス1は2つ以上の可能な薬物にも適するように構成することができる。
【0058】
視覚的に読み取り可能な情報の部分に代えて又は加えて、内容表示部は視覚障害患者を補助するために触知して読み取り可能な情報の部分を含んでよい。特に、表示部材は、カートリッジのタイプ又はカートリッジに含まれる薬物のタイプを表す昇降機構(raised and lowered features)を含んでよい。これらの昇降機構は、カートリッジ又はカートリッジに含まれる薬物を特定するための点字又は簡易システムであってよい。ここでは、表示窓を通して、使用者は、特定の情報が位置する表示部材の部分に触れてよい。それにより、触知して読み取り可能な内容表示部が提供される。
【0059】
また、可聴情報が、内容表示部、例えば薬物名が窓に現れていることを示すクリック機構と連結して提供されてよい。特に、表示部材は遠位角度位置にぴったりと収まってよい。
【0060】
薬物名は、薬物送達デバイス1の縦軸15の周りの表示部材33において異なる角度位置で提供される。表示部材33を一定量の回転で回転させることにより、特定の薬物名を含む特定の情報30aが表示窓32を通して見え、そして他の情報の部分30bはハウジング16により覆われている。
【0061】
内容表示部3は、調整部材34を操作することによりある特定の情報30aを表示するように機械的に調整される。ここでは、調整部材34は本体11の遠位端110に位置する調整ダイヤル37である。調整ダイヤル37は、調整ダイヤル37を回転させることにより表示すべき情報の部分30aが選択できるように、使用者により操作可能な可動のリングである。調整ダイヤル37は、調整ダイヤル37の回転が表示部材33の回転をもたらすように、表示部材33と機械的に相互作用する。
【0062】
図2A〜図2Gは、図1によって薬物送達デバイス1において内容表示部3を手動で調整し、その後マッチする及びマッチしないカートリッジ21a、21bを取付けする工程を示す。
【0063】
図2Aは製作業者によって供給される薬物送達デバイス1を示す。薬物送達デバイス1は、カートリッジが全く取付けされていないその取り外し状態1bにある。内容表示部3はニュートラル表示31を示す。特に、表示窓32を通して、表示部材33のブランク部分が見える。
【0064】
図2Bは、取り除いたキャップ12を有する薬物送達デバイス1を示す。調整ダイヤル37を回すことにより、使用者は、薬物名を含む選択情報30aを表示するために内容表示部3を調整することができる。特に、薬物送達デバイス1の本体11に対する調整ダイヤル37の回転は、薬物送達デバイス1の縦軸15周囲に表示部材33の回転をもたらす。表示部材33を回転させる際に、薬物送達デバイス1に適合する薬物の名称は表示窓32にうまく現れる。使用者は調整ダイヤル37の規定量の回転によって薬物の名称を選択する。
【0065】
図2Cは、カートリッジ保持部材22aに保持されるカートリッジ21aを、薬物送達デバイス1の本体11に取付けする工程を示す。カートリッジ21a上に備え付けられたマーキング23aが見えるように、カートリッジ保持部材22aは透明である。マーキング23aはカートリッジ21aに含まれる薬物の名称を含む。薬物名は表示窓32によって表示される薬物名に一致することで、カートリッジ21aは使用者の選択と一致する。カートリッジ21aの充填状態を示す栓27が見えるように、カートリッジ21aは透明である。
【0066】
カートリッジ保持部材22aは本体11とのねじ式連結のために構成される。その近位端201で、カートリッジ保持部材22aは、本体11の遠位端110において内側ねじと係合可能な外側ねじを含んでよい。本体11にカートリッジ保持部材22aを固定するために、カートリッジ保持部材22aは本体11上でねじ込まれ、それにより本体11に対して複合並進及び回転運動を行う。
【0067】
図2Dは、カートリッジ21aを含むカートリッジ保持部材22aが本体11に取り付けられている、その取付け状態1aにおける薬物送達デバイス1を示す。
【0068】
図2Eは、再びその取り外し状態1bにおける薬物送達デバイス1を示す。ここでは、使用者は、カートリッジ21b上のマーキング23bによって示され異なる薬物名「薬物B」及び表示窓32によって示される薬物名「薬物A」により見ることができる、マッチしないカートリッジ21bを本体11に取付けする。
【0069】
図2Fは、マッチしないカートリッジ21bが本体11に取付けされる薬物送達デバイス1を示す。本実施態様では、マッチしないカートリッジ21bの取付けは防止されない。図2Dに示されるマッチする薬物を有するカートリッジ21aを含むカートリッジ保持部材22aは、マッチしない薬物を有するカートリッジ21bを含むカートリッジ保持部材22bと異ならない。
【0070】
図2Gは、所定の位置にキャップ12を有するその取付け状態1aにおける薬物送達デバイス1を示す。薬物名「薬物A」は表示窓32を通して見える。この最も単純な実施態様では、表示窓32bを通して見える薬物名がカートリッジ21bに含まれる薬物に対応していることは確実ではない。
【0071】
図3A〜図3Gは、マッチしないカートリッジ21bの取付けを防止することができない、薬物送達デバイス1の第2実施態様を示す。薬物送達デバイス1は使用者により又は製作業者により操作可能な調整ダイヤル37を含む。
【0072】
図3Aは、カートリッジが薬物送達デバイス1の本体11に取付けされていない、その取り外し状態1bにおける薬物送達デバイス1を示す。表示窓32はニュートラル表示31を示す。
【0073】
薬物送達デバイス1は内容表示部3をロックするためのロック手段35を含む。例として、ロック手段35は、薬物送達デバイス1を送達する前に使用者により又は製作業者により操作することができる。後者の場合には、製作工場は同じデバイスアセンブリを使用してよく、しかし異なる製品を表示するように構成される。
【0074】
ロック手段35は、本体11のハウジング16中で一方向固定へ押し込めることができる、一方向クリップに連結されたボタン350を含む。表示部材33の更なる動作が防止されるように、ロック手段35は内容表示部3をブロックする。それにより、内容表示部3は、特定の情報30a、30b又はニュートラル表示31を恒久的に表示するようにロックされる。
【0075】
図3B及び3Cは、取り外されたキャップ12を有する薬物送達デバイス1を示す。調整ダイヤル37を回すことにより、内容表示部3は、選択情報30a、30bを表示するために調整することができる。特に、表示部材33の回転量に応じて、薬物名「薬物A」、「薬物B」のうち1つが表示窓32に現れる。
【0076】
図3Cは、使用者によって選択される薬物である、薬物名「薬物A」を表示する内容表示部3を示す。選択を確認するために、使用者はロック手段35のボタン350をハウジング16へと押して、それにより内容表示部3をロックする。
【0077】
薬物送達デバイス1は、マッチするカートリッジ21aの取付けを可能にし、そしてマッチしないカートリッジ21bの取付けを防止するコード化手段を含む。内容表示部3を調整する際には、調整された第1のコード化手段をぴったりあわせる第2のコード化手段を有する取付け可能エレメント2aが取付け可能で、一方でマッチしない第2のコード化手段を有する取付け可能エレメント2bは薬物送達デバイス1に取付け可能でないように、表示部材33での第1のコード化手段が調整される。
【0078】
図3Dは、カートリッジ21bに含まれる薬物、「薬物B」が、表示窓32を通して見える薬物名、「薬物A」に一致しない、カートリッジ保持部材22bに保持されたカートリッジ21bの計画的取付けを示す。従って、第2のコード化手段は調整した第1のコード化手段とマッチしない。従って、第1のコード化手段及び第2のコード化手段の機械的相互作用により、マッチしない取付け可能エレメント2bの取付けはブロックされる。
【0079】
図3Eは、カートリッジに含まれる薬物、「薬物A」が表示窓32を通して見える名称、「薬物A」に対応する、カートリッジ保持部材22a中に含まれるカートリッジ21aの取付けを示す。この場合に、取付け可能エレメントは調整第1のコード化手段とマッチする第2のコード化手段を含む。それにより、取付け可能エレメント2aの取付けが可能である。
【0080】
図3Fは、マッチするカートリッジ21aが本体11に取付けされる、その取付け状態1aにおける薬物送達デバイス1を示す。
【0081】
図3Gは、取り付けられたキャップ12を有する図3Fによる薬物送達デバイス1を示す。カートリッジ21aに含まれる薬物の名称は表示窓32を通して見える。本実施態様では、第1及び第2のコード化手段の機械的相互作用は、正しいカートリッジ21aが取付けされていることを保証する。
【0082】
図4A〜4Hは、内容表示部3が取付け可能エレメント2a、2bにおいて作動部材により機械的に調整可能である、薬物送達デバイス1の第3実施態様を示す。
【0083】
図4Aは、カートリッジが取付けされていない、その取り外し状態1bにおける薬物送達デバイス1を示す。表示窓32はニュートラル表示31を示す。デバイスの本体11は、その取り外し状態1bにおけるニュートラル表示31を示すために、内容表示部3を付勢させる付勢手段を含む。
【0084】
本体11の遠位端10において、内容表示部3は、取付け可能エレメント2a、2bにおいて作動部材によって操作可能な調整部材を含む。
【0085】
図4Bは、カートリッジ保持部材22aに含まれるカートリッジ21aを薬物送達デバイス1の本体11に取付けする工程を示す。薬物送達デバイス1はねじ式連結のために構成される。その近位端201では、カートリッジ保持部材22aは、本体11の遠位端110に位置する内側ねじと係合する外側ねじを含む。更に、その近位端201では、カートリッジ保持部材22aは、内容表示部3の調整部材を操作する作動部材を含む。取付け可能エレメント2a上の作動部材の位置はカートリッジ21aに含まれる薬物に対して特異的である。作動部材及び調整部材の機械的相互作用により、内容表示部3はカートリッジ21aに含まれる薬物に対応する情報の部分30aを表示するように調整される。
【0086】
図4Cは、カートリッジ21aが本体11に取り付けられているその取付け状態1aにおける薬物送達デバイス1を示す。表示窓32を通して見える情報の部分30aは、カートリッジ21a上のマーキング23aによって示される、薬物名「薬物A」と一致する薬物名「薬物A」を含む。従って、カートリッジ21aを薬物送達デバイス1に取付けすることにより、カートリッジ21aに含まれる薬物の名称は表示窓32に自動的に表示される。
【0087】
図4Dは、取り付けられたキャップ12を有するその取付け状態1aにおける薬物送達デバイス1を示す。カートリッジ21aに備え付けられるマーキング23aが外から見えないように、キャップ12はカートリッジ21aを覆う。カートリッジ21aに含まれる薬物の名称は表示窓32を通して見える。
【0088】
図4Eは、薬物送達デバイス1の本体11から空のカートリッジ21aを除く工程を示す。カートリッジ21a内側の栓27は取付け可能エレメント2aの遠位端200に位置する。これは薬物がカートリッジ21aから外へ完全に押し出されていることを示す。カートリッジ21aの取付けを外す場合には、付勢手段は内容表示部3がニュートラル表示31に戻るように始動させる。特に、カートリッジ21aが取付けされる場合に、表示部材33はばね荷重される。
【0089】
図4Fは、図4Fにより空のカートリッジ21aに含まれていた薬物と異なる薬物を含むカートリッジ21bを取付けする工程を含む。カートリッジ保持部材22bは、カートリッジ21bに含まれる薬物に対して特異的な作動部材を備え付けられている。
【0090】
図4Gは、新しいカートリッジ21bが本体に取付けされている、その取付け状態1aにおける薬物送達デバイス1を示す。カートリッジ21bを取付けする際に、内容表示部3は、カートリッジ21bに含まれる薬物に対応する適切な情報30bを示すために自動的に調整される。特定の薬物を含むカートリッジ21bが薬物送達デバイス1に意図的に取付けされた場合には、内容表示部32はカートリッジ21bの使用者選択を確認する。誤ったカートリッジ21bが不注意に取付けされた場合には、使用者はその誤りの内容表示部3によって警告される。
【0091】
図4Hは、キャップ12がデバイスの本体11に取り付けられている薬物送達デバイス1を示す。所定の位置にあるキャップ12では、薬物の名称、「薬物B」は表示窓32を通して外から見える。
【0092】
図5A及び5Bは、図4A〜4Hに示される薬物送達デバイス1で使用可能な取付け可能エレメント2a、2bの第1の実施態様を示す。取付け可能エレメント2a、2bの各々は、液剤を含むカートリッジ21a、21bが含まれる、カートリッジ保持部材22a、22bを含む。カートリッジ保持部材22a、22bは、ねじ式連結のために構成され、そして取付け可能エレメント2a、2bの近位端201に位置する外側ねじ山61の形態において固定手段6を含む。
【0093】
図5Aに示されるカートリッジ21aに含まれる薬物は、図5Bに示されるカートリッジ21bに含まれる薬物と異なっており、これはカートリッジ21a、21b上の異なるマーキング23a、23b、「薬物A」及び「薬物B」から見ることができる。
【0094】
近位端201では、各カートリッジ保持部材22a、22bは、薬物送達デバイス1の本体11における内容表示部3を調整するために、作動部材26a、26bを含む。縦軸周りの作動部材26a、26bの角度位置261a、261bは、カートリッジ21aに含まれる薬物に対して特異的である。
【0095】
図5Cは、薬物送達デバイス1のハウジング16に位置する表示部材33の第1の実施態様を示す。明快理由のために、薬物送達デバイス1の本体はここには示されていない。本体11の遠位端110の近くに、表示窓33が調整部材34とともに備え付けられている。調整部材34は表示部材33の一体部分であり、そして図5A及び5Bに示されるように取付け可能エレメント2a、2bの作動部材26a、26bとの機械的相互作用のための接触面36を含む。表示部材33は、薬物送達デバイス1と適合する薬物の名称、「薬物A、「薬物B」を含む異なる情報30a、30bを伝えるシリンダーである。薬物名は表示部材33の外面に印刷される。異なる実施態様では、薬物名は表示部材33に適用されるラベル上に提供されてよい。
【0096】
図5Dは、図5A及び5B図に記載の取付け可能エレメント2a、2bの1つ、及び図5Cによると表示部材33の機械的相互作用を示す。薬物送達デバイス1の本体11及び表示窓32は点線によって示される。
【0097】
薬物送達デバイス1の本体11は、取付け可能エレメント2a、2bの外側ねじ山61と係合う内側ねじ山を含む。取付け可能エレメント2a、2bを本体11に取り付ける際には、取付け可能エレメント2a、2bは本体11に対して回転運動を行う。事前に定義された回転量の後に、作動部材26a、26bの角度位置261a、261bに応じて、作動部材26a、26bは調整部材34の接触面36に隣接する。本体11に対する取付け可能エレメント2a、2bの更なる回転の際には、作動部材26a、26bは調整部材34を駆動し、それにより調整部材34及び表示部材33は本体11に対して回転運動を行う。
【0098】
取付け可能エレメント2a、2bが本体11上に完全にねじ込みされている場合には、回転が停止し、表示部材33の事前に定義された部分が表示窓32を通して見える。取付け可能エレメント2a、2b上の作動部材26a、26bの角度位置261a、261bは、カートリッジ21a、21bに含まれる薬物に一致する薬物名が表示窓32に現れる場合に、回転が端に来るように選択される。
【0099】
従って、取付け可能エレメント2a、2bの回転は表示部材33の回転を駆動するために用いられ、それによりそれは内容表示部3の調整のために用いられる。
【0100】
更なる実施態様では、薬物送達デバイス1は、カートリッジ保持部材22a、22bの挿入によって負荷されたばねを含んでよく、表示部材33が角度端停止まで回転するようにさせる。その負荷量、及びそれにより、回転量は取付け可能エレメント2a、2b上の作動部材26a、26bの位置によって決定される。
【0101】
図6A及び6Bは、作動部材26a、26bを含む取付け可能エレメント2a、2bの第2の実施態様を示す。ここでは、薬物送達デバイス1は取付け可能エレメント2a、2b及び本体11のバヨネット式連結のために構成される。
【0102】
取付け可能エレメント2a、2bの各々は、液剤を含むカートリッジ21a、21bが含まれるカートリッジ保持部材22a、22bを含む。
【0103】
図6Aに示されるカートリッジ21aに含まれる薬物は、カートリッジ21a、21b上の異なるマーキング23a、23bから見ることができる、図6Bに示されるカートリッジ21bに含まれる薬物と異なっている。
【0104】
それらの近位端201において、カートリッジ保持部材22a、22bはラグ(lugs)62の形での固定手段6を含む。溝63は薬物送達デバイス1のハウジング16の内側部に備え付けられ、そこでラグ62が取付け可能エレメント2a、2bを本体11に取付けする際にガイドされる。
【0105】
近位端201では、カートリッジ保持部材22a、22bは、薬物送達デバイス1の本体11で内容表示部3を調整するために作動部材26a、26bを含む。取付け可能エレメント2a、2bの縦軸25に沿ったそれらの伸長部分260a、260bを意味する、作動部材26a、26bの長さ260a、260bは、カートリッジ21a、21bに含まれる薬物に対して特異的である。特に、図6Bに示されるカートリッジ保持部材22bでの作動部材26bの長さ260bは、図6Aに示されるカートリッジ保持部材22aでの作動部材26aの長さ260aよりも大きい。従って、異なる薬物は、作動部材26a、26bの異なる長さ260a、260bによってコード化される。
【0106】
図6Cは、図6A及び6Bに示される取付け可能エレメント2a、2bで使用可能な表示部材33を示す。表示部材33は薬物送達デバイス1の本体11の一部である。明快理由のために、本体はここに示されていない。
【0107】
表示部材33では、薬物送達デバイス1に適合する薬物名を含む情報の部分が提供される。本体11の遠位端110では、表示部材33は、取付け可能エレメント2a、2bの作動部材26a、26bとの機械的相互作用のために構成された調整部材34を含む。特に、調整部材34はカミング(camming)接触面36を含む。
【0108】
図6Dは、図6A及び6Bによると取付け可能エレメント2a、2b、及び図6Cによると表示部材33の機械的相互作用を示す。
【0109】
薬物送達デバイス1は、取付け可能エレメント2a、2bを本体11に取付けする際に、取付け可能エレメント2a、2bが本体11上に押し込まれ、次いで本体11に対して回されるように、バヨネット結合のために構成される。従って、取付けは、取付け可能エレメント2a、2b及び本体11の相対的並進運動及びそれに続く回転運動を含む。取付け可能エレメント2a、2bの近位端201におけるラグ62は、本体11のハウジング6の内部に備え付けられる溝63にガイドされる。
【0110】
取付け可能エレメント2a、2bの並進運動は、内容表示部3の表示部材33を駆動するために用いられる。特に、取付け可能エレメント2a、2b及び本体11の確定した相対軸位置では、作動部材26a、26bは調整部材34において接触面36に隣接する。作動部材26a、26bの長さ260a、260bは、調整部材34と作動部材26a、26b間の接触面が生じる、相対軸位置を決める。作動部材26a、26b及びカム接触面36の隣接により、取付け可能エレメント2の並進運動は表示部材33の回転運動をもたらす。
【0111】
作動部材26a、26bの長さ260a、260bは、作動部材26a、26bと接触面36との接触に先立って、取付け可能エレメント2a、2bの並進運動量を決定することから、それは取付け可能エレメント2a、2bが完全に取付けされるまで残る並進運動量をも決定する。それにより、長さ260a、260bは、表示部材33の回転量を規定する。長さ260a、260bは、カートリッジ21a、21bに含まれる薬物の名称が表示窓32に現れるまで表示部材33が回転するように、選択される。
【0112】
更なる実施態様では、表示部材は作動部材では直接駆動されず、ギア式連結を通して駆動する。これはディスプレイ解像度を改善し、取付け可能エレメント及び内容表示部の相互作用の選択肢量を増加させるのに有用である。
【0113】
図5A、5B、6A及び6Bに示される作動部材26a、26bは、薬物送達デバイス1の本体11で第1のコード化手段38と相互作用する第2のコード化手段28a、28bとして代りに又は加えて機能する可能性がある。それにより、特定のカートリッジ21a、21bだけが、特に内容表示部3によって選択される薬物を含むカートリッジ21a、21bが塔載できることを保証されてよい。ここでは、調整部材34が第1のコード化手段38として機能してよい。内容表示部3を調整する場合には、調整部材34は薬物送達デバイス1の縦軸15に対して特定の角度位置に動かされる。内容表示部3をロックする場合には、調整部材34の更なる回転運動は防止される。作動部材26a、26b及び調整部材34の機械的相互作用は次いでマッチしない取付け可能エレメント2bの完全塔載を防止し、そしてマッチする取付け可能エレメント2aの塔載を可能にする。本実施態様では、内容表示部3は、手動調整のため又は取付け可能エレメント2a、2bとの機械的相互作用による調整のために構成されてよい。
【0114】
更なる実施態様では、少なくとも1つの作動部材、調整部材、第1及び第2のコード化手段は、リブ(ribs)、溝、角形切欠き(cut-out)、胸壁(castellation)、又は機械的相互作用に好適な他の機構を含んでよい。更に、異なる作動部材及び第2のコード化手段は、異なる長さ、異なる外径又は異なる内径の取付け可能エレメント、又は取付け可能エレメントに加えられた部品で提供されてよい。ここでは、特定の長さ又は直径は、特定の薬物又は特定のタイプのカートリッジに対して特異的であってよい。同様に、異なる調整部材及び第1のコード化手段は、異なる長さ、異なる外径又は異なる内径の本体でエレメント、又は本体に加えられた部品で提供されてよい。
【0115】
ねじ式連結の場合には、異なる作動部材及び第2のコード化手段は、異なるスクリューねじ山ピッチで提供されてよい。バヨネット式連結の場合には、異なる作動部材及び第2のコード化手段は異なるバヨネット取付け機構で提供されてよい。
【0116】
更なる実施態様では、取付け可能エレメントはカートリッジ保持部材を含まなくてよい。ここでは、カートリッジは本体に直接取り付けるように構成されてよい。作動部材及び第2のコード化手段は、カートリッジに恒久的に取り付けられた好適な材料で作製されたリングによって提供されてよい。
【0117】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0118】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0119】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0120】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0121】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0122】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0123】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0124】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0125】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0126】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0127】
参照数字
1 薬物送達デバイス
1a 取付け状態
1b 取り外し状態
11 本体
110 本体の遠位端
111 本体の近位端
12 キャップ
13 用量エレメント
14 用量表示部
15 薬物送達デバイスの縦軸
16 ハウジング
2、2a、2b 取付け可能エレメント
200 取付け可能エレメントの遠位端
201 取付け可能エレメントの近位端
21、21a、21b カートリッジ
22、22a、22b カートリッジ保持部材
23a、23b マーキング
25 取付け可能エレメントの縦軸
26a、26b 作動部材
260a、260b 作動部材の長さ
261a、261b 作動部材の角度位置
27 栓
28a、28b 第2のコード化手段
3 内容表示部
30a、30b 情報の部分
31 ニュートラル表示
32 表示窓
33 表示部材
34 調整部材
35 ロック手段
350 ボタン
36 接触面
37 調整ダイヤル
38 第1のコード化手段
6 固定手段
61 ねじ山
62 ラグ
63 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス(1)が、カートリッジ(21、21a、21b)の1つ及びそのカートリッジ(21、21a、21b)中に含まれる薬物に関連する情報を表示するための内容表示部(3)を含んでなる、薬物を含むカートリッジを受け入れるように構成される薬物送達デバイスであって、
内容表示部(3)が少なくとも2つの異なる情報の部分(30a、30b)を選択的に表示するように構成され、そして内容表示部(3)が機械的に調整されて、情報の部分(30a、30b)の1つを表示するように構成される、上記薬物送達デバイス。
【請求項2】
情報の部分(30a、30b)の少なくとも1つが、薬物の名称を含んでなる、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
内容表示部(3)を恒久的にロックして、情報の部分(30a、30b)の1つを表示するためのロック手段(35)を含んでなる、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
内容表示部(3)が調整ダイヤル(37)を操作することにより情報の部分(30a、30b)の1つを表示するように調整できる、使用者によって操作可能な調整ダイヤル(37)を含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
本体(11)及び取付け可能エレメント(2、2a、2b)を含んでなり、取付け可能エレメント(2、2a、2b)が本体(11)に取付けされていない取り外し状態(1b)を有し、そして取付け可能エレメント(2、2a、2b)が本体(11)に取付けされている取付け状態(1a)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(1)であって、取付け可能エレメント(2、2a、2b)が、カートリッジ(21、21a、21b)及びカートリッジ保持部分(22)の1つである、上記薬物送達デバイス。
【請求項6】
取付け可能エレメント(2、2a、2b)が、作動部材(26a、26b)を含んでなり、
内容表示部(3)が、作動部材(26a、26b)により操作可能な調整部材(34)を含んでなり、そして
内容表示部(3)が、作動部材(26a、26b)で調整部材(34)を操作することにより、情報の部分(30a、30b)の1つを表示するように調整できる、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
表示された情報の部分(30a、30b)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)上の作動部材(26a、26b)の位置の1つ及び作動部材(26a、26b)の形状に対して特異的である、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの本体(11)及び取付け可能エレメント(2、2a、2b)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)を本体(11)に固定するための固定手段(6)を含んでなる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
固定手段(6)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)及び本体(11)のねじ式連結のために構成され、そして調整部材(34)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)及び本体(11)の相対回転運動によって駆動されるように構成される、請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
取付け可能エレメント(2、2a、2b)が、縦軸(25)を有し、そして
表示された情報の部分(30a、30b)が、縦軸(25)に従う作動部材(26a、26b)の角度位置(261a、261b)に対して特異的である、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
固定手段(6)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)及び本体(11)のバヨネット式連結のために構成され、そして
調整部材(34)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)及び本体(11)の相対回転運動によって駆動されるように構成される、請求項8に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
取付け可能エレメント(2、2a、2b)が、縦軸(25)を有し、
作動部材(26a、26b)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)の縦軸(22)に沿って伸び、そして
表示された情報の部分(30a、30b)が、縦軸(25)に沿った作動部材(26a、26b)の長さ(260a、260b)に対して特異的である、請求項11に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
薬物送達デバイス(1)の取り外し状態(1b)において内容表示部(3)をニュートラル表示(31)に付勢するための弾性手段を含んでなる、請求項5〜12のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
特定のタイプのカートリッジ(21、21a、21b)又は特定の薬物を含むカートリッジ(21、21a、21b)の取付けを可能にするように構成され、そしてマッチしないカートリッジ(21、21a、21b)の取付けを防止するように構成される、コード化手段(38)を含んでなる、請求項項1〜13のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
複数の取付け可能エレメント(2)が、薬物送達デバイス(1)に取付け可能な複数のカートリッジ(21)及び複数のカートリッジ保持部材(22、22a、22b)の1つであり、
取付け可能エレメント(2)が、それらの形状の点で異なり、そして
表示された情報の部分(30a、30b)が、取付け可能エレメント(2、2a、2b)の形状に対して特異的である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス及び複数の取付け可能エレメントのセット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公表番号】特表2012−532634(P2012−532634A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518917(P2012−518917)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059425
【国際公開番号】WO2011/003817
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】