説明

薬物動態が改善された化合物

改善された非特異的結合特性及び医薬性質を有する式Aで表される化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
環状グアノシン3',5'-モノホスフェート特異的ホスホジエステラーゼ(cGMP-特異的PDE)の阻害剤の生理的及び臨床的効果は、このような阻害剤が、平滑筋の調節、腎臓機能、止血機能、炎症機能、及び/又は内分泌機能の調節が所望される様々な疾患状態において有用性を有するということを示唆する。5型cGMP-特異的ホスホジエステラーゼ(PDE5)は、血管平滑筋における主要なcGMP加水分解酵素である。こうして、PDE5の阻害剤は、内皮及び心臓血管の健康の維持又は回復、そして非限定的に、高血圧、脳血管障害、及び泌尿生殖器系の障害、特に勃起不全を含む心臓血管障害の治療に適用されてもよい。
【0002】
PDE5の選択的阻害を提供する医薬品が現在利用できる。Levitra(登録商標)の商標名で販売されているバルデナフィルは、PDE5の強力かつ選択的な阻害剤であり、そして勃起不全の治療に現在適用されている。PDE5阻害剤の薬物動態性質を改善するための要求が現在存在する。
【0003】
新規医薬品の開発は、リード化合物の化学及び生物学的性質を注意深く最適化することを必要とする。例えば、成功した薬剤候補は、その意図した用途について効果的でありかつ安全でなければならない。さらに、当該化合物は、所望の薬物動態及び薬物力学プロファイルを有さなければならない。この難儀な開発プロセスが通常大規模な実験を必要とする。多くの場合、最適化合物を決定するためのプロセスは、構造的に同様な数千もの化合物を製造することを必要とすることがありうる。
【0004】
潜在的な医薬品の有用性を制限することがある性質の中には、当該化合物がin vivoでタンパク質と錯体を形成する程度がある。In vivoに存在する化合物の大部分が、例えば血液及びその成分に結合する場合、これにより組織にとってかなり少量の遊離化合物しか利用できず、治療機能を発揮しない。こうして、様々なタンパク質及び他の血漿成分に対する化合物の結合性は、所望の治療効果を達成するために許容できない高用量の化合物を要求することになる。
【0005】
従来のアプローチは、薬物動態性質を変更することを追求した。
【0006】
生体分子及び薬剤デリバリーシステム、例えばリポソーム、タンパク質、酵素、薬剤、ナノ粒子を、ポリエチレングリコールと共役するか又は結合する方法は、タンパク質及びリポソーム医薬品の循環半減期を改善することにより、薬物動態を変化させる既知の方法である(Bhadra et al. Pharmazie 2002 Jan; 5791): 5-29を参照のこと)。ペグ化された薬剤は、薬剤の周囲に、酵素による分解から薬剤を保護し、そして薬剤が腸を通過することを可能にする、つまり経口利用能を提供し、そして免疫系の細胞によるペグ化された薬剤の認識を妨げるシールドとして作用し、そして薬剤を腎クリアランスから保護する高分子量のポリエチレングリコール(PEG)シェルを有する(Molineux, Cancer Treat Rev. 2002 Apr, 28 Suppl A: 13-16を参照のこと)。結果として、ペグ化タンパク質は、例えば、低い加水分解性及び長い循環半減期のため改善された薬物動態を有する。抗癌剤は、当該薬剤の長期間の又は繰り返しの投与を必要とする次善の薬物動態プロファイルを有する。ペグ化された抗癌剤、例えばペグフィルグラスチム(ペグ化されたフィルグラスチム)は、化学療法サイクルにつきたった1回で、未改変のフィグラスチムの投与に少なくとも匹敵する薬剤効力及び患者耐容性を維持することが示された(Crawford, Cancer Treat Rev. 2002 Apr; 28 Suppl A: 7-11を参照のこと)。別の化学療法剤であるペグ化されたリポソームドキソルビシンは、非ペグ化又はリポソーム封入型ドキソルビシンよりも効果的であり、かつ心臓毒性が低いということが発見された(Crawford, 2002を参照のこと)。改善された薬物動態に加えて、ペグ化された薬剤は、投与回数を低減すること、例えば重量ベースの用量よりも固定用量を可能にする。(Yowell and Blackwell, Cancer Treat Rev. 2002 Apr; 28 Suppl A:3-6を参照のこと)。PEG化治療薬剤、例えばタンパク質、のPEGサイズ、その位置、及び結合部位は、薬物動態を決定するので、治療薬は、タンパク質ごとにタンパク質ベースで設計されなければならない(Harris et al. Clin. Pharmacokinet. 2001, 40(7):539-551を参照のこと)。ペグ化薬の欠点は、大きいPEG分子の立体障害のため標的部位で潜在的に低い薬剤活性であることである。PEG分子サイズは、タンパク質より、小分子においてより関心が高い。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、改善された非特異的結合特性及び薬理性質を有するサルコシン官能基を有する2-フェニル置換インミダゾトリアジノン化合物に関する。サルコシンユニットは、タンパク質結合を低下させるのに寄与し、それにより化合物の遊離形態の量を増加させる。化合物に結合される機能残基は、PEG技術において使用される基とはその化学構造の点で異なっており、例えば当該機能残基はエチレングリコール誘導体であってもよく、当該機能残基は、標準的ペグ化において使用される5000ダルトン以上のものに比べてかなり小さい分子量、例えば約100ダルトンから構成される。したがって、本発明の機能残基を含む化学的又は生物学的に活性な化合物は、低い立体障害性、並びに当該化合物の標的部位に対する高い薬剤の近接可能性のため変更されることはない。
【0008】
改善された非特異的結合特性及び薬物動態性質を有する式A:
【化1】

{式中、
1が、低級アルキルであり;
2が、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
3が、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで、当低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により、1または複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
Aが、N又はC-Hであり;
Bが、N、C-H、C-(SO2-R4)、又はC-CO-R4であり;
Dが、N、C-H、C-(SO2-R4)又はC-CO-R4であり;
Eが、N又はC-Hであり;
ここで、A、B又はEのうちの1つのみがNであってもよく、そしてB又はDのうちの1つのみがC-(SO2-R4)又はC-CO-R4であり;
4が、以下の式:
-NH-R41
-N(R42)(R43)、
【化2】

-N(R46)2
を有する基であり;
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
ここでR51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基からえらばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜7員環であって、環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして場合によりさらなるヘテロ原子を含み、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されうる環を形成し;
aが1〜6であり;
42が、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43が、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
44が、-(CH2)qN(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合により、ハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
各R14が、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qが、1〜6であり;
rが、0〜6であり;
sが、0〜6であり;
45が、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)W-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、問う概観は場合により、さらにヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく、
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該間は、場合により、更なるヘテロ原子を含み、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換され;
tは0〜6であり;
vは1〜6であり;
wは0〜6であり;
xは1又は2であり;
yは1又は2であり;そして
46は、共に、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルからえらばれる}
で表される化合物、又は医薬として許容される塩、立体異性体、又はその水和物が提供される。
【0009】
本発明は、本発明の化合物及び医薬として許容される担体及び/又は希釈剤を含む医薬組成物を含む。
【0010】
本発明は、本発明の実質的に純粋な化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、若しくは水和物、並びに医薬といて許容される賦形剤及び/又は希釈剤を含む医薬組成物を含む。
【0011】
本発明は、ヒト又は動物に本発明の有効量の化合物を投与することを含む、勃起不全の治療法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の化合物は、本化合物のin vivoにおいて非特異的なタンパク質結合性を調節することにより、従来の2-フェニル置換イミダゾロアトリアジノン(2-phenyl substituted imidazoloatriazinone)化合物を超える改善された薬物動態性質を提供する。薬物動態的に改善された本発明の化合物は、好ましくは本化合物の最小有効量を投与して、未結合の化合物の所望の治療効果を達成し、それにより投与量を低減することを可能にする(そして患者のコンプライアンスを改善しうる)。
【0013】
1の実施態様では、本発明は、以下の式A:
【化3】

{式中、
1が低級アルキルであり;
2が低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
3は、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
AがN又はC-Hであり;
Bが、N、C-H、C-(SO2-R4)、又はC-CO-R4であり;
Dが、N、C-H、C-(SO2-R4)又はC-CO-R4であり;
Eが、N又はC-Hであり;
ここで、A、B又はEのうちの1のみがNであってもよく、そしてB又はDのうちの1がC-(SO2-R4)又はC-CO-R4であり;
4が、以下の式:
-NH-R41
-N(R42)(R43)、
【化4】

-N(R46)2を有する基であり;
41が、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)n-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53が、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環が、環炭素で1又は2のオキソ基で置換され、そして場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合により、ハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく、
aが1〜6であり;
42が、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43が、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)a-N(R52)(R53)から選ばれ;
44が、-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ;
各R11が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13が、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環が場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14が、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qが1〜6であり:
rが0〜6であり;
sが0〜6であり;
45が、-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)WOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)W-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環が場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく
各R24が、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により、更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
tが0〜6であり;
vが1〜6であり;
wが0〜6であり;
xが1又は2であり;
yが1又は2であり;そして
46が共にC2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
で表される化合物、又は医薬として許容される塩、立体異性体、又はその水和物を提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施態様では、以下の式A1
【化5】

{式中、
1が低級アルキルであり;
2及びR3が独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルが、場合により、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されもよく;
4が、以下の式:
-NH-R41
-N(R42)(R43)、
【化6】

-N(R46)2を有する基であり;
41が、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53が、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環が環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよくかつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく、
aが1〜6であり;
42が、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43が、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
44が、-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11が、独立してH、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13が独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環から選ばれるか;又はR12及びR13はそれらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環が場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
各R14が独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qが1〜6であり;
rが0〜6であり;
sが0〜6であり;
45が、-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)w-OR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23が、それらが結合する窒素原子と一緒になってそれらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環が場合により更なるヘテロ原子を含んでもよいし、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく、
各R24が、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26が、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環が場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
tが0〜6であり;
vが1〜6であり;
wが0〜6であり;
xが1又は2であり;
yが1又は2であり;そして
46が、共にC2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
で表される化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体若しくは水和物が提供される。
【0015】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式B:
【化7】

{式中、
4が、以下の式:
-NH-R41
-N(R42)(R43)、
【化8】

-N(R46)2
を有する基であり;
41が、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53が、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環が環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく、
aが1〜6であり;
42が、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43が、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)n-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
44が、-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)SOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11は独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
各R14は、独立してH、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qが1〜6であり;
rが0〜6であり;
sが0〜6であり;
45が、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)W-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく、
各R24が、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基であり;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は、場合により、更なるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合により、ハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
tは0〜6であり;
vは1〜6であり;
wは0〜6であり;
xは1又は2であり;
yは1又は2であり;
46は、ともにC2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
であらわされる化合物、又は医薬として許容される塩、立体異性体、又はその水和物が提供される。
【0016】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化9】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで場合により置換されてもよく;
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は、環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
aは1〜6であり;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該間は、場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;そして
vは、1〜6である}
を有する化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0017】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化10】

[式中、
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は、1又は2のオキソ基を有する環炭素で置換され、そして場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよい、
aは1〜6であり;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は、場合により更なるヘテロ原子を含んでもよいし、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;そして
vは1〜6である}
を有する化合物が提供される。
【0018】
式B2の代表的な化合物は以下に提供される:
【化11】

【化12】

【0019】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化13】

{式中、
1は、低級アルキルであり;
2及びR3は独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよい;
42は、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43は、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合により、ハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;そして
vは1〜6である}
を有する化合物又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0020】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化14】

{式中、
42は、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43は、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;そして
vは1〜6である}
を有する化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0021】
式C2の代表的な化合物は以下に提供される:
【化15】

【化16】

【化17】

【0022】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化18】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
44は、以下の;
-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
ここで各R11は、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは1〜6であり
rは0〜6であり;
sは0〜6であり;そして
xは1又は2である}
を有する化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0023】
本発明の好ましい別の実施態様では、以下の式:
【化19】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは倍により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
44は、以下の:
-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)-R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ;
各R11が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜7員環を形成してもよく、当該環場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつ場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で置換されてもよく;
各R14は、独立してH、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは1〜6であり;
rは0〜6であり;
sは0〜6である}
を有する化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0024】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化20】

{式中、
44は、以下の:-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)sC(O)R14からなる群から選ばれ、
ここで各R11が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは1〜6であり;
rは0〜6であり;
sは0〜6である}
を有する化合物又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0025】
式D3の代表的な化合物は以下に提供される:
【化21】

【0026】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化22】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよい;
45は、以下の-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)W-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)W-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21は、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、かつハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
tは0〜6であり;
vは1〜6であり;
wは0〜6である}
を有する化合物、又は医薬として許容される塩、立体異性体又はその水和物が提供される。
【0027】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化23】

{式中、
45は、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w,-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21は、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から独立して選ばれ;
各R22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23はそれらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよい;
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよい;
tは0〜6であり;
vは1〜6であり;
wは0〜6である}
を有する化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0028】
式E2の代表的な化合物が以下に提供される。
【化24】

【化25】

【0029】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化26】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで場合により置換されてもよく;
46は、ともに、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
を有する化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0030】
本発明の別の好ましい実施態様では、以下の式:
【化27】

{式中、R46はともに、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
を有するその化合物、又は医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物が提供される。
【0031】
置換基R4が化合物の薬物動態及び/又は薬力学プロファイルを調節し、そして未改変(つまり特許)化合物に比べて、改良された薬物動態性質をもたらしうるということが信じられている。ある実施態様では、活性物質は、改良された物理化学性質、薬物動態、代謝又は毒性プロファイルを有する。好ましい実施態様では、活性物質は、優れた水溶性、低いIC5Oを有し、及び/又は少なくとも1の機能性残基を欠く化合物に比べると、in vivoで実質的に低いタンパク質結合性である。
【0032】
本発明の化合物は、タンパク質及び酵素(例えば、ホスホジエステラーゼ、例えばPDE5、PDE1、PDE3及びPDE6、キナーゼ、成長因子受容体、及びプロテアーゼ)の阻害剤及び活性剤を非限定的に含む。
【0033】
本明細書に使用される「ヘテロ原子」という語句は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄、及びセレンである。もっとも好ましいヘテロ原子は、窒素又は酸素である。
【0034】
「アルキル」という語句は、飽和脂肪族基のラジカルを指し、例えば、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂肪族)基、アルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基を含み、各々最大で20の炭素原子を有する。好ましい実施態様では、直鎖又は分岐鎖アルキルが、10以下の炭素原子をその骨格に持ち(例えば直鎖ではC1-C10、分岐鎖ではC3-C10)、そしてより好ましくは6以下の炭素原子を骨格に持つ。同様に、好ましいシクロアルキルは、3〜10の炭素原子、より好ましくは5、6、又は7個の炭素を環構造に持つ。
【0035】
炭素原子の数が他に特定されない限り、本明細書に使用される「低級」アルキルは、上に定義されるアルキル基であるが、1〜6個の炭素を有し、そしてより好ましくはその骨格構造に1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。同様に、「低級アルキル」及び「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。好ましくは、アルキル基は低級アルキルである。好ましい実施態様では、本明細書でアルキルと呼ばれる置換基は低級アルキルである。
【0036】
本明細書中で使用される「アラルキル」という語句は、アリール基で置換されたアルキル基を指す(例えば、芳香族又はヘテロ芳香族基)。
【0037】
「アルケニル」及び「アルキニル」という語句は、上に記載されるアルキルと長さ及び置換可能性の点で類似しているが、それぞれ少なくとも1の二重結合又は三重結合を含む、不飽和脂肪族基を指す。
【0038】
本明細書に使用される「アリール」という語句は、0〜5のヘテロ原子を含みうる5〜6員単環、例えば、ベンゼン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジンを含む。環構造にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリール複素環」又は「ヘテロ芳香族」と呼ばれることもある。芳香族環は、1又は複数の環の位置で、上に記載されるような置換基、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族又はへテロ芳香族部分、-CF3、-CNなどで置換されうる。「アリール」という語句は、2以上の炭素が隣接する2個の環で共有される2以上の環を有する多環(当該環は融合環である)であって、少なくとも1の環が芳香族であり、例えば残りの環がシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及び/又は複素環基でありうる多環をも含む。
【0039】
「複素環」又は「複素環基」という語句は、その環構造が1〜4個のヘテロ原子を含む3〜10員環構造、より好ましくは5又は6員環構造を指す。複素環は、多環であってもよい。複素環基は、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフタリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えばアゼチジノン及びピロリジノン、スルタム、スルトンなどが挙げられる。複素環は、上に記載される置換基、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環部分、芳香族部分又はへテロ芳香族部分、-CF3、-CNなどで置換されることができる。
【0040】
「多環」又は「多環基」という語句は、ここで2又は複数の炭素は、2個の隣接する環で共有される2又は複数の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール及び/又は複素環)、例えば「融合環」を指す。隣接しない原子を介して結合される環は、架橋環と呼ばれる。多環基の各環は、上に記載される置換基、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、アルデヒド、エステル、複素環部分、芳香族部分又はへテロ芳香族部分、-CF3、-CNなどで置換することができる。
【0041】
本明細書に使用される場合、「ニトロ」という語句は、-NO2を意味し;「ハロゲン」という語句は、-F、-Cl、-Br又は-Iを指し;「スルフヒドリル」という語句は、-SHを意味し;語句「ヒドロキシル」は、-OHを意味し;そして「スルホニル」という語句は、-SO2-を意味する。
【0042】
「アミン」及び「アミノ」という語句は、当該技術分野において認識されており、そして非置換及び置換アミンの両方を指し、例えば以下の一般式:
【化28】

[式中、
R、R'及びR''の各々は独立して原子価のルールにより許容される基を表し、好ましくはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基を表す。]
により表すことができる部分を指す。
【0043】
「アシルアミノ」という語句は、当該技術分野において認識されており、そして以下の一般式:
【化29】

[式中、R及びR'は上に定義されるとおりである]
により表すことができる部分を指す。
【0044】
「アミド」という語句は、当該技術分野において、アミノ置換カルボニルと認識されており、そして以下の一般式:
【化30】

[式中、
R、R'は、上に定義されるとおりである]
により表すことができる部分を含む。当該アミドの好ましい実施態様は、不安定でありうるイミドを含まない。
【0045】
「アルキルチオ」という語句は、上に定義されるアルキル基であって、当該アルキル基に結合された硫黄ラジカルを有するアルキル基をさす。好ましい実施態様では、「アルキルチオ」部分は、-S-アルキル、-S-アルケニル、-S-アルキニル、及び-S-(CH2)m-R'8[ここで、R'8は、上に定義されるとおりである]により表される。代表的なアルキルチオ基は、メチルチオ、エチルチオなどを含む。
【0046】
「カルボニル」という語句は、当該技術分野において認識されており、そして以下の一般式:
【化31】

[式中、Xは結合であるか、又は酸素又は硫黄を表し、そしてR及びR'は上に定義されるとおりである]
により表すことができる部分を含む。
【0047】
「アルコキシル」又は「アルコキシ」という語句は本明細書に使用される場合、上に定義されるアルキル基であって、それらに結合された酸素ラジカルを有するアルキル基を指す。代表的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシなどを含む。
【0048】
「スルホナート」という語句は、当該技術分野に認識されており、以下の一般式:
【化32】

[式中、R41は電子対、水素、アルキル、シクロアルキル、又はアリールである]
により表すことができる部分を含む。
【0049】
Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、Msの略語は、それぞれメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p-トルエンスルホニル及びメタンスルホニルを表す。当該技術分野の通常の知識を有する有機化学者により用いられる略語のより広範囲のリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の最初の議題において見ることができる;このリストは、典型的に略語の標準リストと名づけられた表に示されている。当該リストに含まれる略語、及び当該技術分野における通常の知識を有する有機化学者により使用されるすべての略語は援用される。
【0050】
「サルフェート」という語句は、当該技術において認識されており、そして以下の一般式:
【化33】

[式中、R41は上に定義されるとおりである]
により表すことができる部分を含む。
【0051】
「スルホニルアミノ」という語句は、当該技術分野に認識されており、そして以下の一般式:
【化34】

により表すことができる部分を含む。
【0052】
「スルファモイル」という語句は、当該技術分野に認識されており、そして以下の一般式:
【化35】

により表すことができる部分を含む。
【0053】
「スルホニル」という語句は、本明細書に使用される場合、以下の一般式:
【化36】

[式中、R44が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール,又はヘテロアリールからなる群から選ばれる]
で表すことができる部分を指す。
【0054】
本明細書に使用される「スルホキシド」という語句は、以下の一般式:
【化37】

[式中、
44が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アラルキル,又はアリールからなる群から選ばれる]
により表すことができる部分を指す。
【0055】
「セレノアルキル」は、アルキル基であって、当該アルキル基に結合されたセレノ基を有するアルキル基を指す。アルキル上で置換されうる代表的な「セレノエーテル」は、-Se-アルキル、-Se-アルケニル、-Se-アルキニル、及び-Se-(CH2)m-R7{式中、m及びR7は上に定義されるとおりである}のうちの1から選ばれる。
【0056】
アナログ置換は、アルケニル及びアルキニル基にされて、例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル-置換アルケニル又はアルキニルを生成する。
【0057】
本明細書に使用される場合、各表現の定義、例えば、アルキル、m、n、Rなどは、任意の構造に1回以上置換が生じた場合、同じ構造において他の場所の定義からは独立していることを意図する。
【0058】
「置換」又は「で置換される」は、このような置換が、置換される原子及び置換基の許容される原子価に従っているということ、並びに置換が安定化合物をもたらすということ、例えば当該安定化合物が、転位、環化、脱離などにより自然発生的な変換を受けないという黙示的条件を含む。
【0059】
本明細書に使用される場合、「置換」という語句は、有機化合物の許容される全ての置換基を含むことが意図される。広い態様では、許容される置換基は、有機化合物の非環及び環状、分岐及び未分岐、炭素環及び複素環、芳香族及び非芳香族の置換基を含む。代表的な置換基は、例えば本明細書の上に記載された置換基を含む。許容される置換基は、適切な有機化合物について1又は複数の同一又は異なる置換基であってもよい。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基及び/又は本明細書に記載される有機化合物の任意の許容される置換基であって、ヘテロ原子の原子価を満たす置換基を有してもよい。本発明は、有機化合物の許容される置換基による任意の様式に制限されることを意図しない。
【0060】
本明細書で使用される「保護基」というフレーズは、不所望の化学的変換から、潜在的に反応性の官能基を保護する一時的な置換基を意味する。このような保護基の例として、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエステル、並びにアルデヒド及びケトンのそれぞれアセタール及びケタールが挙げられる。保護基化学の分野が参照される(Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis 第二版; Wiley: New York, 1991)。
【0061】
表1〜3は、Aの上記改変された化合物の生物学的及び薬理学的性質を要約する。表3は、それぞれのPDEに対する選択的な指数を含む。上記化合物のタンパク質結合性、浸透性、及び溶解性は、表2に記載される。
【0062】
本発明のある化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態で存在してもよい。本発明は、シス及びトランス異性体、R及びSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらのほかの混合物を含む、すべてのかかる化合物が本発明の範囲に含まれるということを意図する。さらなる不斉炭素がアルキル基などの置換基中に存在してもよい。かかる異性体、ならびにそれらの混合物の全ては本発明に含まれる。
【0063】
さらに、例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが所望される場合、不斉合成により、又はキラル補助基を導入し、ここで得られたジアステレオマー混合物を分離し、そして補助基を切断して純粋な所望のエナンチオマーを提供するすることにより、調製されうる。あるいは、当該分子が塩基性官能基、例えばアミノ基、又は酸性官能基、例えばカルボキシル基を含む場合、ジアステレオマー塩を適切な光学活性酸又は塩基と形成させ、続いてこうして形成されたジアステレオマーを、当該技術分野に周知の分画再結晶又はクロマトグラフィー手段により形成されたジアステレオマーを分離し、そして続いて純粋なエナンチオマーを回収した。
【0064】
本発明の化合物は、例えばPDE1、PDE2、及びPDE5を含む1又は複数のホスホジエステラーゼの阻害剤として作用することもある。本発明の化合物は、内皮の健康、及び心血管の健康の維持又は回復用、及びホスホジエステラーゼ、特にPDE5の阻害に関する条件を治療するための医薬において使用することができる。例えば、本発明の化合物は、心臓血管障害、例えば非限定的に、高血圧、脳血管障害、及び泌尿生殖器系の障害、特に勃起不全の治療に使用されてもよい。こうして、本発明は、心血管障害、高血圧、収縮期高血圧(ISH)、肺高血圧症、急性心不全、慢性心不全、虚血性心臓疾患(例えば、非限定的に慢性アンギナ)、末梢性 動脈疾患、妊娠中毒症、レイノー病、内皮不全/高血圧前症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、メニエール病、糖尿病における神経因性疼痛、脳血管障害、泌尿生殖器系の障害、前立腺肥大、勃起不全、及び雌性性機能不全を治療する方法であって、上記化合物のいずれかの有効量をヒト又は動物に投与することを含む、方法を含む。
【0065】
本発明の目的では、化学元素は、the Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 第67版, 1986-87,の内表紙において同定される。
【0066】
式Cの少なくとも1の残基を結合することにより改変された本発明の化合物は、改善された非特異的in vivoタンパク質結合性を含む改変された薬理学的性質を提供する。かかる最適薬理的性質は、改変された化合物の選択性又は効力のいずれにおいても妥協できない。
【0067】
タンパク質結合性の改変は、表面技術、つまり溶液からタンパク質の吸収に抵抗する能力について表面を調製及びスクリーニングすることに基づく。溶液からのタンパク質の吸収に抵抗性である表面は、「タンパク質抵抗性」表面として当業者に知られている。例えば、「Chapmanら、. Surveying for Surfaces that Resist the Adsorption of Proteins, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122:8303-8304; Ostuniら、A Survey of Structure-Property Relationships of Surfaces that Resist the Adsorption of Protein, Langmuir 2001, 17:5605-5620; Holmlinら、Zwitterionic SAMs that Resist Nonspecific Adsorption of Protein from Aqueous Buffer, Langmuir 2001, 17:2841-2850; 及びOstuniら、Self-Assembled Monolayers that Resist the Adsorption of Proteins and the Adhesion of Bacterial and Mammalian Cells, Langmuir 2001, 17:6336-6343に記載されているように、タンパク質抵抗性表面に存在する基を同定するために官能基をスクリーニングすることができる。
【0068】
一般的に、タンパク質結合性は、本発明の分子が、1又は複数のヒト血清成分又はその模倣物に結合する能力を計測することにより評価される。1の実施態様では、適切な機能残基は、そのような残基を含む表面を、血清成分、例えば非限定的に血清蛋白質、及び好ましくはヒト血清タンパク質の吸着に対して抵抗する能力についてスクリーニングすることによって同定されてもよい。候補残基は、候補残基を固体支持体に結合させ、そしてタンパク質抵抗性について支持体を試験することにより直接スクリーニングすることができる。あるいは、候補残基は、目的の医薬分子に取り込まれるか、又は結合される。このような化合物は、固体支持体上で合成されてもよいし、又は合成後に固体支持体に結合されてもよい。直接結合アッセイの非限定的な例では、固定された候補機能残基又はかかる残基を包含する分子が、血清成分に結合する能力について試験される。血清成分は、検出用のシグナル部分で標識することができるか、又はかかる血清成分に結合する標識された二次試薬を使用することができる。
【0069】
溶液からのタンパク質の吸着に抵抗性である表面は「タンパク質抵抗性」表面として知られる。例えば、Chapman et al. Surveying for Surfaces that Resist the Adsorption of Proteins, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122:8303-8304; Ostuni et al. A Survey of Structure-Property Relationships of Surfaces that Resist the Adsorption of Protein, Langmuir 2001, 17:5605-5620; Holmlin, et al. Zwitterionic SAMs that Resist Nonspecific Adsorption of Protein from Aqueous Buffer, Langmuir 2001, 17:2841-2850;及びOstuni et al. Self-Assembled Monolayers that Resist the Adsorption of Proteins and the Adhesion of Bacterial and Mammalian Cells, Langmuir 2001, 17:6336-6343中に記載されるように、官能基はタンパク質抵抗性表面に存在する基(単数又は複数)を同定するためにスクリーニングされうる。
【0070】
上記タンパク質抵抗性を提供する機能残基の同定に際して、当業者は、上記機能残基が活性化合物の官能基の置換により又は活性化合物の重要でない官能基の置換により結合されうる、既知の生物学的又は化学的活性化合物の好適な化学骨組又は骨格を容易に決定するであろう。例えば、上記に議論されるように、化合物上のピペラジン基の存在は、上記基が機能残基で置き換えられ又は置換されうることを示すであろう。当業者、例えば、医薬化学者は少なくとも1の機能残基で置き換えられ又は置換されうる既知の活性化合物上の他の好適な基を認識するであろう。したがって、化合物のコンビナトリアルライブラリーは以下に示されるように作出されることができ、その中で、化合物は化合物の活性部位(特定の所望される活性を有する化合物の重要な骨格)例えば、化合物A及びそれに結合する少なくとも1の機能残基の結合物を含む改変された化合物であり、ここで、それぞれの結合物はそれに結合される異なる機能残基、例えば、式Cを有する残基を有し、ここで、それぞれのR基は本明細書中に示されるさまざまな基から選ばれる。したがって、ライブラリーは改善された化合物の非特異的タンパク質結合を含む改善された薬物動態学及び/又は薬力学特性について多数の異なる機能残基をスクリーニングするために使用することができる。
【0071】
好ましい実施態様では、固体支持体自体は、その血清成分との相互作用を最小限にするよう選択され又は改変される。上記支持体及びアッセイ系の例は、本明細書中に援用する、国際出願WO 02/48676、WO 03/12392、WO 03/18854、WO 03/54515中に示される。あるいは、本発明に係る分子は液相中で1又は複数の血清成分と混合され、そして結合していない分子の量を決定することができる。
【0072】
直接結合分析は液相中でも行うことができる。例えば、試験化合物は液相中で1又は複数の血清成分と混合され、そして結合していない分子を決定することができる。
【0073】
好ましい実施態様の例において、減少されたタンパク質結合を有する分子は以下のように同定される:無水物基が末端であるチオール分子の自己集合単層が金表面に形成される。1の末端にアミン基を有し、そして他の末端に、例えばアルブミンへの結合に抵抗するよう設計される基を有する1セットの小分子は、その後アミンと無水物の間の反応を介して上記表面に結合される。上記分子のセットは、上記金表面上の空間的に明確な領域上にスポットされ、タンパク質結合に抵抗しうる分子の配列を作出する。この配列はその後蛍光標識されたアルブミンを含む溶液に暴露される。適切なインキュベート期間後、上記金表面は洗浄され、そして蛍光スキャナーでスキャンされる。アルブミンに結合される固定化化学基は蛍光シグナルの存在により同定されるであろう;アルブミン結合に抵抗する基は上記配列のその部分において低い蛍光を有するであろう。蛍光タンパク質が使用可能でない場合、蛍光二次抗体と併用される目的のタンパク質に対する抗体が上記化学基へのタンパク質結合を検出するために使用されうる。抗体が使用可能でない場合、表面プラズモン共鳴(SPR)又はMALDIマススペクトロメトリーなどの無標識検出方法が、上記配列中の個々のエレメントでタンパク質の存在を同定するために使用されうる。SPRはまた上記化学基へのタンパク質結合についての速度論情報を提供する利点も有する。
【0074】
この系の使用はアルブミンに限定されない;薬物動態的関心のある任意のタンパク質が結合可能性について試験することができる。例えば、α-酸糖タンパク質(AAG、AGP)及びリポタンパク質などの小分子に結合する血液タンパク質は上記配列に暴露され、及びタンパク質結合性が検出されうる。
【0075】
本発明の実施態様では、P-糖タンパク質(PGP)への結合に抵抗し、それゆえ小分子治療に付け加えられた場合に流出を減少させる可能性を有する化学基が同定されうる。これは多剤抵抗性(MDR)が発達した場合に有効な治療を提供する抗癌剤の開発のために特に重要である。
【0076】
上記方法はまた、トロンビン、抗-トロンビン、及び血液凝固第Xa因子などのタンパク質への結合に抵抗し、それゆえ凝集を制御する可能性を有する化学基を同定するためにも使用することができる。
【0077】
この方法はまた、タンパク質結合性及びPK特性が非常に重要である補充又は置換治療として設計される治療、例えば、ホルモン及びそれらの結合タンパク質、及びテストステロン及び性ホルモン結合グロブリン(SHBG)などのステロイド及びそれらの結合タンパク質を改善する基を同定するためにも有用であろう。
【0078】
以下は小分子の溶解性を改善しうる基を同定するための表面に基づく方法を示す。マレイミド基で終わるチオール分子の自己集合単層が金表面で形成される。1の末端にチオール基、及び他の末端に親水性である基を有する1セットの小分子は、その後チオール及びマレイミドの間の反応を介して上記表面に結合される。上記分子のセットは上記金表面上の空間的に明確な領域上にスポットされ、小分子の溶解性を増大しうる分子の配列を作出する。極性(例えば、水)及び疎水性(例えば、オクタノール)液体の両方の液滴がその後上記配列のそれぞれのエレメント上に置かれる。それぞれのエレメント上の上記2の液体の接触角はその後角計測器を用いて上記配列のそれぞれのエレメントで計測される。あるいは、化学基を提示する表面での特定の液体の湿潤性は上から見たときに滴により覆われる表面の領域を計測することにより決定されうる(高い接触角は小領域の滴を生成するであろう;低い接触角はより広い領域を覆う)。化学基を提示する表面上の液体の接触角はその化学基のその液体(溶媒)との混和性に反比例する。例えば、メチル(CH3)などのそれが表面に提示された場合に水が高い接触角を有する化学基は、水との低い混和性を有する。つまり、当該化学基は小分子の溶解性を減少させる傾向があるであろう。逆に、カルボキシル(COOH)などのそれが表面に提示される場合に水が低い接触角を有する化学基は、水との高い混和性を有する、すなわち、それは小分子の溶解性を増大させる傾向があるであろう。化学基のセットはそれゆえ溶解性を改善する又は親水性を減少させる基を同定するために表面上の接触角を用いて速くスクリーニングされうる。このアプローチは本発明にしたがって使用される化学基の溶解性に対する効果を評価するために使用されうる。
【0079】
細胞の脂質膜を通る小分子の能力についての共通のパラメーターはlogPであり、Pはオクタノール及び水の間の上記化合物の分配係数である。オクタノール及び水についての、化学基を提示する表面の相対的接触角はそれゆえ多くのセットの化学基を化合物のlogPに対するそれらの潜在的な効果について格付けするための、迅速な経験的な方法を提供する。
【0080】
小分子の溶解性のpH依存性は、異なるpHで溶液の接触角を計測することによるこの方法において取り扱うことができる。この場合におけるlogPに同等のパラメーターはlogDであり、DはさまざまなpHでのオクタノール中の全種類の上記化合物の濃度の合計対水中の全種類の上記化合物の濃度の合計の割合として定義される、分布係数である。異なるpHで計測される接触角はそれゆえlogDに同等の計測の可能性を提供する。
【0081】
候補化合物を、細胞膜及び細胞を能動的に輸送されるそれらの能力について又は上記輸送に対するそれらの抵抗性について、スクリーニングすることもまた有用であろう。例えば、医薬として有用な抗癌分子は標的腫瘍細胞からの能動輸送のためにそれらの有効性において制限されうることは周知である。同様に、脳毛細血管内皮細胞の単層は基底側から頂上側へヴィンクリスチンを一方向性に輸送し、上記抗癌剤が中枢神経系に入ることを効果的に妨げることが観察されている。いくつかの場合、価値がある化学基は、非特異的タンパク質結合性を減少させることに加えて、それらの活性部位への受動的又は能動的輸送を高めること、及び/又は活性部位からの輸送を阻害することにより薬物動態を改善するであろう。
【0082】
脳は小分子が通るのに最も困難な組織のひとつである。神経血管接合部は狭く、及び主に脳から小分子を取り除く役割をはたす活性トランスポーターをほとんど含まない。(細胞接合部の間の)細胞間ルートは小分子にとって使用可能でないが、(細胞膜を通る)細胞を通り抜けるルートのみは使用可能である。古典的に、ベンゾジアゼピンなどの脳を標的にする分子はそれらが細胞膜を通ることを許容するために疎水性である。本発明はタンパク質抵抗性を与える、及びベンゾヂアゼピンなどの分子に関連する過剰なタンパク質結合のよくある問題(これは大きな割合の血清タンパク質への結合の分となる高い用量を要求する)を緩和する化学基についてのサーチと両立できる。PGPの結合剤の同定について以前に示されるアプローチは脳内での改善された滞在期間のために分子を最適化するための助けとなるであろう。
【0083】
医薬として活性な物質の能動輸送の評価のために、さまざまな細胞型の単層を用いるいくつかのモデル系は使用可能である。例えば、Caco-2小腸上皮細胞の単層は小腸及び血流の間の物質の能動輸送を評価するために使用することができる。表面上にまかれたとき、これは頂上から基底外側への及びその反対の物質の流動を許容し、上記細胞は生理的吸収及びバイオアベイラビリティを刺激するために使用されうる生物膜を形成する。別の例では、マウスの脳毛細血管内皮細胞(MBEC)系は中枢神経系の中及び外への能動輸送を評価するために確立されている。上記細胞の他の例はHT29ヒト結腸癌腫細胞である。さらに、特定のトランスポータータンパク質を発現する単層は形質導入された細胞を用いて確立することができる。例えば、Sasakiら、(2002) J. Biol. Chem. 8:6497は有機陰イオンの輸送を研究するために二重形質導入されたMadin-Darbyイヌ腎臓細胞単層を使用した。
【0084】
もちろん細胞単層の代替物が、透過性を調べるために利用されてもよい。代替物は典型的に能動輸送することができる生物構造を含み、そして非限定的に、研究室動物から得られる消化腔の器官及び人工マトリックス中にまかれた細胞からin vitroで作出される再構成された器官又は膜を含む。
【0085】
別の態様では、本発明は、医薬として有効な量の本発明の1又は複数の化合物、例えば非限定的に、上記の化合物及び図面において示される化合物を含み、本発明は1又は複数の医薬として許容される担体(添加物)及び/又は希釈剤と共に調合される医薬として許容される組成物が提供される。以下に詳細に示されるように、本発明に係る医薬組成物は以下の:(1)経口投与、例えば、水薬(水性又は非水性溶液又は懸濁物)、錠剤、例えば、頬、舌下、及び体系吸収のために標的化されるもの、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト;(2)例えば、滅菌溶液若しくは懸濁物又は維持される放出製剤としての例えば、皮下、筋内、静脈内又は硬膜外注入による非経口投与;(3)例えば、皮膚に適用されるクリーム、軟膏又は制御される放出パッチ又はスプレイとしての局所適用;(4)例えば、ペッサリー、クリーム又は泡として膣内に又は直腸内投与;(5)舌下投与;(6)点眼投与;(7)経皮で;又は(8)経鼻投与のために適合されるものを含む固体又は液体形で、投与のために特別に調合されうる。
【0086】
「治療的に有効な量」という語句は、本明細書中で使用されるとき、どんな医薬治療にも適用可能な合理的な利益/危険性の割合、例えば、どんな医薬治療にも適用可能な合理的な副作用で、動物における細胞の少なくとも1の部分母集団においていくつかの所望の治療効果を作出するために有効である、化合物、物質又は本発明に係る化合物を含む組成物の量を意味する。
【0087】
「医薬として許容される」という語句は、正常な医療の判断の範囲内で、合理的な利益/危険性の割合につりあった、毒性、刺激、アレルギー応答又は他の問題若しくは合併症で、ヒト及び動物の組織との接触における使用のために好適である、化合物、物質、組成物、及び/又は投与形態をいうために本明細書中で使用される。
【0088】
本明細書中で使用される「医薬として許容される担体」という語句は、1の器官又は体の部分から他の器官又は体の部分へ主題の化合物を運ぶ又は輸送することに関連する、液体又は固体充填剤、希釈剤、賦形剤、製造補助剤(例えば、潤滑剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウム若しくは亜鉛又はステアリン酸)又は物質を封じ込める溶媒などの、医薬として許容される物質、組成物又は媒体を意味する。それぞれの担体は製剤の他の成分と反応性でなく、及び患者に有害でないという意味で「許容され」なければならない。医薬として許容される担体としてはたらきうる物質のいくつかの例は:(1)ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖;(2)トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)セルロース、及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;(4)粉末化トラガカント;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び坐剤蝋などの賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)アガー;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液;(21)ポリエステル、ポリカーボネート及び/又はポリ無水物;及び(22)医薬製剤において使用される他の非毒性親和性物質を含む。
【0089】
上記に示されるように、本発明に係る化合物のいくつかの態様はアミノ又はアルキルアミノなどの塩基性官能基を含みうる、及びそれゆえ、医薬として許容される酸と共に医薬として許容される塩を形成することができる。この点における用語「医薬として許容される塩」は本発明に係る化合物の比較的非毒性の、無機及び有機酸添加塩をいう。これらの塩は投与媒体又は投与形態製造プロセス中にin situで又は別々に本発明に係る精製された化合物をその遊離塩基形で好適な有機又は無機酸と反応させ、及び続く精製中にそのようにして形成された塩を単離することにより調製されうる。代表的な塩は臭化水素酸、塩酸、硫酸、重硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、吉草酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、安息香酸、乳酸、リン酸、トシル酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、酒石酸、ナプチル酸(napthylate)、メシル酸、グルコヘプトン酸、ラクトビオン酸、及びラウリルスルフォン酸の塩等を含む(例えば、Berge et al.(1977) “Pharmaceutical Salts”, J Pharm. Sci. 66:1-19を参照のこと)。
【0090】
主題の化合物の医薬として許容される塩は、例えば、非毒性有機又は無機酸からの、上記化合物の慣例の非毒性塩又は第四アンモニウム塩を含む。例えば、上記慣例の非毒性塩は塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等などの無機酸に由来するもの;及び酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル乳酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、エタンジスルフォン酸、シュウ酸、イソチオン酸等などの有機酸から調製される塩を含む。
【0091】
他の場合、本発明に係る化合物は1以上の酸性官能基を含みうる、そうして、医薬として許容される塩基と共に医薬として許容される塩を形成することができる。この場合における用語「医薬として許容される塩」は本発明に係る化合物の比較的非毒性の無機及び有機塩基添加塩をいう。これらの塩は同様に投与媒体又は投与形態製造プロセス中にin situで又は別々に精製された化合物をその遊離酸形で医薬として許容される金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩などの好適な塩基と、アンモニアと又は医薬として許容される有機第一、第二若しくは第三アミンと反応させることにより調製されうる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類塩はリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウムの塩等を含む。塩基添加塩の形成のために有用な代表的な有機アミンはエチルアミン、ヂエチルアミン、エチレンヂアミン、エタノールアミン、ヂエタノールアミン、ピペラジン等を含む(例えば、Bergeら、上記を参照のこと)。
【0092】
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの浸潤剤、乳化剤及び潤滑剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味、香味及び香剤、保存剤及び抗酸化剤もまた上記組成物中に存在しうる。
【0093】
医薬として許容される抗酸化剤の例は:(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等などの、水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロール等などの、油溶性抗酸化剤;及び(3)クエン酸、エチレンヂアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等などの、金属キレート剤を含む。
【0094】
本発明に係る製剤は、経口、鼻、(頬及び舌下を含む)局所、直腸、膣及び/又は非経口投与に好適なものを含む。上記製剤は単位投与形態で便利に提示されうる、及び医薬分野で周知の任意の方法によっても調製されうる。単一の投与形態を作出するために担体材料と混合されうる活性成分の量は治療される宿主、特定の投与様式により変化するであろう。単一の投与形態を作出するために担体材料と混合されうる活性成分の量は一般的に治療効果を作出する化合物の量であろう。一般的に、100%のうち、この量は約0.1%から約99%の活性成分、好ましくは約5%から約70%、最も好ましくは約10%から約30%の範囲であろう。
【0095】
ある態様では、本発明に係る製剤はシクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、及び重合担体、例えば、ポリエステル及びポリ無水物から成る群から選ばれる賦形剤;及び本発明に係る化合物を含む。ある態様では、上記に挙げられる製剤は本発明に係る化合物を経口で生体適合性にする。
【0096】
これらの製剤又は組成物の調製方法は、本発明に係る化合物を、担体及び場合により、1以上の副成分と会合させる段階を含む。一般的に、上記製剤は本発明に係る化合物を液体担体又は細かく分散された固体担体又は両方と均一に及び親密に会合させ、及びその後、必要に応じて生成物を形作ることにより調製される。
【0097】
経口投与に好適な本発明に係る製剤は、カプセル、カシェ剤、ピル、錠剤、(香味付け基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカントを用いる)ロゼンジ、粉末、顆粒の形態で、又は水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁物として、又は水中油若しくは油中水の液体エマルジョンとして、又はエリキシル剤若しくはシロップとして、又は(ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤を用いる)トローチ剤として及び/又はうがい薬としてであってもよく、その各々は活性成分として所定量の本発明に係る化合物を含む。本発明に係る化合物はまたボーラス、舐剤又はペーストとしても投与されうる。
【0098】
経口投与のための本発明に係る固体投与形態(カプセル、錠剤、ピル、ドラジェ、粉末、顆粒、トローチ等)において、上記活性成分はクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの1以上の医薬として許容される担体、及び/又は以下のもの:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸などの充填剤又は増量剤;(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリヴィニルピロリドン、スクロース及び/又はアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)アガー-アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、あるケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの、崩壊剤;(5)パラフィンなどの、溶解抑制剤;(6)第四アンモニウム化合物などの、吸収加速剤及びポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウムなどの、界面活性剤;(7)例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、及び非イオン性界面活性剤などの、浸潤剤;(8)カオリン及びベントナイトクレイなどの、吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、及びそれらの混合物などの、潤滑剤;(10)着色剤;及び(11)クロスポビドン又はエチルセルロースなどの、制御放出剤のいずれのものとも混合される。カプセル、錠剤及びピルの場合、上記医薬組成物はまた緩衝剤をも含みうる。同様の型の固体組成物はまたラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコール等などの賦形剤を用いる軟らかい及び硬い殻のゼラチンカプセル中の充填剤としても使用されうる。
【0099】
錠剤は、場合により1以上の副成分と共に、圧縮又は成形により作出されうる。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性又は分散剤を用いて調製されうる。成形錠剤は好適な機械において不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を成形することにより作出することができる。
【0100】
錠剤、及び本発明に係る医薬組成物の他の固体投与形態、例えばドラジェ、カプセル、ピル及び顆粒などは場合により、腸溶性コーティング及び医薬調合分野において周知の他のコーティングなどの、コーティング及び殻を付加され又は調製されうる。それらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを提供するよう変化する割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他の重合体マトリックス、リポソーム及び/又はミクロスフィアを用いて、その中の活性成分の遅い又は制御放出を提供するよう調合されうる。それらは速い放出のために調合され、例えば凍結乾燥されることもある。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通してろ過することにより又は使用直前に滅菌水若しくはいくつかの他の滅菌注射可能媒体中に溶解することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより滅菌されうる。これらの組成物はまた場合により不透明化剤をも含みうる、及びそれらが場合により遅延様式で、胃腸腔のある部分においてのみ又は優先的に、活性成分(単数又は複数)を放出する組成物のものでありうる。使用されうる埋め込み組成物の例は重合体物質及び蝋を含む。上記活性成分はまた、適切な場合、1以上の上記に示される賦形剤を伴う、マイクロカプセル化形態でもありうる。
【0101】
本発明に係る化合物の経口投与のための液体投与形態は、医薬として許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁物、シロップ及びエリキシル剤を含む。上記活性成分に加えて、上記液体投与形態は、例えば、水又は他の溶媒などの本分野においてよく使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、ピーナッツ、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ひまし及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリールアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物などの、可溶化剤及び乳化剤を含みうる。
【0102】
不活性希釈剤に加えて、上記経口組成物は、浸潤剤、乳化及び懸濁剤、甘味料、香味料、着色料、香料及び保存剤などの補助剤も含みうる。
【0103】
懸濁物は、上記活性化合物に加えて、懸濁剤、例えば、エトキシル化イソステアリールアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガー-アガー及びトラガカント、及びそれらの混合物、を含みうる。
【0104】
直腸又は膣の投与のための本発明に係る医薬組成物の製剤は、1以上の本発明に係る化合物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤蝋又はサリチル酸塩を含む、及び室温では固体であるが体温では液体であり、それゆえ直腸又は膣腔内で融解し及び上記活性化合物を放出するであろう、1以上の好適な非刺激性賦形剤又は担体と混合することにより調製されうる、坐剤として提示されうる。
【0105】
膣の投与のために好適な本発明に係る製剤は、本分野において適切であることが知られている担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡又はスプレイ製剤を含む。
【0106】
本発明に係る化合物の局所又は経皮投与のための投与形態は粉末、スプレイ、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、溶液、パッチ及び吸入薬を含む。上記活性化合物は医薬として許容される担体と、及び必要とされうる保存剤、緩衝液又は駆出剤と滅菌条件下で混合されうる。
【0107】
上記軟膏、ペースト、クリーム及びジェルは、本発明に係る活性化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、蝋、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、珪酸、タルク及び酸化亜鉛又はそれらの混合物などの賦形剤を含みうる。
【0108】
粉末及びスプレイは、本発明に係る化合物に加えて、ラクトース、タルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム及びポリアミド粉末又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含みうる。スプレイはクロロフルオロハイドロカーボン及び、ブタン及びプロパンなどの揮発性非置換ハイドロカーボンなどの慣例の駆出剤をさらに含みうる。
【0109】
経皮パッチは体に本発明に係る化合物の制御されたデリバリーを提供する追加の利点を有する。上記投与形態は、適切な媒体中に上記化合物を溶解する又は分散させることにより作出されうる。吸収エンハンサーはまた皮膚を通る上記化合物の流動を増大させるためにも使用することができる。上記流動速度は速度制御膜を提供すること又は重合体マトリックス又はゲル中に上記化合物を分散させることにより制御されうる。
【0110】
眼科製剤、眼の軟膏、粉末、溶液等もまた本発明の範囲内にあるものとして企図される。
【0111】
非経口投与のために好適な本発明に係る医薬組成物は、1以上の医薬として許容される滅菌等張水溶液若しくは非水性溶液、分散液、懸濁液若しくは乳濁液、又は使用直前に滅菌注射可能溶液若しくは分散物に再構成されうる滅菌粉末と共に、1以上の本発明に係る化合物を含み、当該医薬組成物は、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、上記製剤を意図される受容者の血液と等張にする溶質又は懸濁剤若しくは肥厚剤を含んでもよい。
【0112】
本発明に係る医薬組成物において使用されうる好適な水性及び非水性担体の例は水、エタノール、(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等などの)ポリオール、及びそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料を使用することにより、分散物の場合には必要とされる粒子サイズを維持することにより、及び界面活性剤を使用することにより維持されうる。
【0113】
これらの組成物はまた保存剤、浸潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤をも含みうる。主題の化合物に対する微生物の活動の防止は、様々な抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることにより確実にされうる。糖、塩化ナトリウム等などの等張剤を上記組成物に含むこともまた所望されうる。さらに、注射可能な医薬形態の長期の吸収はモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤の封入により達成されうる。
【0114】
いくつかの場合、薬物の効果を延長させるために、皮下又は筋内注入からの薬物の吸収を遅延させることが所望される。これは低い水溶性を有する結晶又は非晶質物質の液体懸濁物の使用により達成されうる。上記薬物の吸収速度はそれからその溶解速度に因り、その溶解速度は、結晶サイズ及び結晶形に因る。あるいは、非経口投与される薬物形の遅延吸収は上記薬物を油媒体中に溶解する又は懸濁することにより達成される。
【0115】
注射可能なデポー形態はポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性重合体中に主題の化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより作出される。薬物対重合体の割合、及び使用される特定の重合体の性質に因り、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性重合体の例はポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)を含む。デポー注射可能製剤はまた体の組織と適合性であるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによっても調製される。
【0116】
本発明に係る化合物がヒト及び動物に医薬として投与される場合、それらはそれ自体で又は医薬として許容される担体と共に例えば、0.1〜99%(より好ましくは、10〜30%)の活性成分を含む医薬組成物として与えられうる。
【0117】
本発明に係る調製物は経口で、非経口で、局所に又は直腸に与えられうる。それらはもちろんそれぞれの投与経路に好適な形態で与えられる。例えば、それらは錠剤又はカプセル形態で、注射、点滴又は吸入による注射液、吸入液、眼のローション、軟膏、坐剤等の投与により;ローション又は軟膏による局所;及び坐剤による直腸により投与される。経口投与は好ましい。
【0118】
「非経口投与」及び「非経口で投与される」語句は、本明細書中で使用される場合、腸及び局所投与以外の、通常注射による投与様式を意味し、そして非限定的に、静脈内、筋内、動脈内、包膜内、包内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管を介する、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内及び胸骨内注射及び点滴を含む。
【0119】
「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」及び「末梢に投与される」という語句は、本明細書中で使用される場合、それが患者の体系に入り、及びしたがって、代謝及び他のそのようなプロセスを受けやすい、例えば、皮下投与のような、中枢神経系への直接的なもの以外の化合物、薬物又は他の物質の投与を意味する。
【0120】
これらの化合物は経口、例えばスプレイによるような鼻、直腸、膣内、非経口、槽内、並びに頬及び舌下を含む粉末、軟膏又は滴によるような局所を含む任意の好適な投与経路によっても治療のためにヒト及び他の動物に投与されうる。
【0121】
選択される投与経路に関わらず、好適な水和形で使用されうる本発明に係る化合物、及び/又は本発明に係る医薬組成物は当業者に知られる慣用の方法により医薬として許容される投与形態に調合される。
【0122】
本発明に係る医薬組成物中の活性成分の実際の投与量値は、患者に毒性でなく、特定の患者、組成物、及び投与様式について所望の治療応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るために変化されうる。
【0123】
選択される投与量値は使用される本発明に係る特定の化合物又はそのエステル、塩若しくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出又は代謝速度、吸収の速度及び程度、治療の長さ、使用される特定の化合物と共に使用される他の薬物、化合物及び/又は物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康及び以前の病歴、並びに医療分野において周知のそのような因子を含むさまざまな因子に因るであろう。
【0124】
医学又は獣医学の当業者は必要とされる医薬組成物の有効な量を容易に決定し及び処方しうる。例えば、医師又は獣医師は所望の治療効果を達成するために必要とされる値より低い値で医薬組成物中で使用される本発明に係る化合物の用量を開始し、及び所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増大しうる。
【0125】
一般的に、本発明に係る化合物の好適な毎日の用量は治療効果を作出するのに有効な最も低い用量である化合物の量であろう。上記有効な用量は一般的に上記に示される因子に因るであろう。一般的に、示される鎮痛効果のために使用されるとき、患者のための本発明に係る化合物の経口、静脈内、脳室内及び皮下用量は1日当たり体重キログラム当たり約0.0001〜約100mgに及ぶであろう。
【0126】
所望される場合、上記活性化合物の有効な毎日の用量は、場合により単位投与形態で、一日をとおして適切な間隔で別々に投与される2、3、4、5、6以上の分けられた用量として投与されうる。好ましい投与は1日当たり1投与である。
【0127】
本発明に係る化合物が単独で投与されることは可能であるが、上記化合物を医薬製剤(組成物)として投与することは好ましい。
【0128】
本発明にしたがう化合物は、他の医薬との類推によって、ヒトの又は獣医学的医薬における使用のために任意の便利な方法で投与するために調合されうる。
【0129】
他の局面において、本発明は、治療的に有効な量の1以上の上記に示される主題の化合物を含み、1以上の医薬として許容される担体(補助剤)及び/又は希釈剤と共に調合される医薬として許容される組成物を提供する。以下に詳細に示されるように、本発明に係る医薬組成物は以下のもの:(1)経口投与、例えば、水薬(水性又は非水性溶液又は懸濁物)、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト;(2)例えば、滅菌溶液又は懸濁物としての、例えば、皮下、筋内又は静脈内注入による非経口投与;(3)例えば、皮膚、肺又は粘膜に適用されるクリーム、軟膏又はスプレイとしての局所適用;又は(4)例えば、ペッサリー、クリーム又は泡としての膣内又は直腸内;(5)舌下又は頬;(6)眼;(7)経皮;又は(8)鼻のために適合されるものを含む、固体又は液体形で投与のために特別に調合されうる。
【0130】
「治療」という語句は、予防、療法及び治療を含むと意図される。
【0131】
この治療を受ける患者は霊長類、特にヒト、及びウマ、ウシ、ブタ及びヒツジなどの他の哺乳類;及び一般的な家禽及びペットを含む、必要のある動物である。
【0132】
本発明に係る化合物はそのまま又は医薬として許容される担体との混合物で投与されうるし、そしてペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド及びグリコペプチドなどの抗菌剤と共にも投与されうる。併用治療はしたがって、第一に投与されるものの治療効果が、次のものが投与されるとき完全に消えていないような様式での、上記活性化合物の連続した、同時の及び別々の投与を含む。
【0133】
本発明に係る活性化合物を動物飼料に添加することは、好ましくは有効量で上記活性化合物を含む適切な飼料プレミックスを調製し、及び上記プレミックスを完全な食料に組み込むことにより達成される。
【0134】
あるいは、上記活性成分を含む中間濃縮物又は飼料補助物は飼料に配合されうる。上記飼料プレミックス及び完全な食料が調製され及び投与されうる方法は(“Applied Animal Nutrition”, W. H. Freedman and CO., San Francisco, U.S.A., 1969又は“Livestock Feeds and Feeding” O and B books, Corvallis, Ore., U.S.A.,1977などの)引用文献中に示される。
【0135】
近頃、医薬産業はいくつかの脂肪親和性(水不溶性)医薬剤のバイオアベイラビリティを改善するためにマイクロエマルジョン化技術を導入した。例として、Trimetrine (Dordunoo, S. K., et al., Drug Development and Industrial Pharmacy, 17(12), 1685-1713,1991)及びREV 5901(Sheen, P.C, et al., J Pharm Sci 80(7), 712-714, 1991)が挙げられる。とりわけ、マイクロエマルジョン化は循環系の代わりにリンパ系への吸収に優先的に方向付け、それにより肝臓をバイパスし、及び肝胆汁性循環中での上記化合物の破壊を妨げることにより高いバイオアベイラビリティを提供する。
【0136】
本発明の1の態様では、上記製剤は本発明に係る化合物及び少なくとも1の両親媒性担体から形成されるミセルを含み、ここで、上記ミセルは約100nm未満の平均直径を有する。より好ましい態様は約50nm未満の平均直径を有するミセルを提供し、及びさらにより好ましい態様は約30nm未満又は約20nm未満の平均直径を有するミセルを提供する。
【0137】
全ての好適な両親媒性担体が企図されるが、現在好ましい担体は一般的にGenerally-Recognized-as-Safe(GRAS)ステータスを有し、及び本発明に係る化合物を可溶化すること及び上記溶液が(ヒト胃腸腔中で見られるものなどの)複合水相と接触する後の段階でそれをマイクロエマルジョン化することの両方ができるものである。通常、これらの要求を満たす両親媒性成分は2-20のHLB(親水性対脂肪親和性バランス)値を有し、及びそれらの構造はC-6〜C-20の範囲内の直鎖脂肪族ラジカルを含む。例としてポリエチレングリコール化脂肪グリセリド及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0138】
特に好ましい両親媒性担体は、完全に又は部分的に水素添加されたさまざまな植物油から得られるものなどの、飽和及び一不飽和ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリドである。上記油は、有利にトリ-、ジ-及びモノ-脂肪酸グリセリド及び対応する脂肪酸のジ-及びモノ-ポリエチレングリコールエステルから成り、そして特に好ましい脂肪酸組成は、カプリン酸4-10、カプリン酸3-9、ラウリン酸40-50、ミリスチン酸14-24、パルミチン酸4-14及びステアリン酸5-15%を含む。他の有用なクラスの両親媒性担体は飽和又は一不飽和脂肪酸(SPAN-シリーズ)又は対応するエトキシル化アナログ(TWEEN-シリーズ)を伴う、部分的にエステル化されたソルビタン及び/又はソルビトールを含む。
【0139】
Gelucire-シリーズ、Labrafil、Labrasol又はLauroglycol(全てGattefosse Corporation, Saint Priest, Franceにより製造され及び分配される)、PEG-モノ-オレイン酸塩、PEG-ジ-オレイン酸塩、PEG-モノ-ラウリン酸塩及びヂ-ラウリン酸塩、Lecithin, Polysorbate 80等(米国及び世界のいくつかの会社により作出され及び分配される)を含む、商業的に入手可能な両親媒性担体が特に企図される。
【0140】
本発明における使用のために好適な親水性重合体は容易に水に溶解し、小胞形成脂質に共有結合されうる、及び毒性効果なしにin vivoで耐えられる(すなわち、生体適合性である)ものである。好適な重合体はポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(ポリラクチドとも呼ばれる)、ポリグリコール酸(ポリグリコリドとも呼ばれる)、ポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体、及びポリヴィニルアルコールを含む。好ましい重合体は約100又は120ダルトン〜約5,000又は10,000ダルトン、及びより好ましくは約300ダルトン〜約5,000ダルトンの分子量を有するものである。特に好ましい態様では、上記重合体は約100〜約5,000ダルトンの分子量を有する、及びより好ましくは約300〜約5,000ダルトンの分子量を有するポリエチレングリコールである。特に好ましい態様では、上記重合体は750ダルトンのポリエチレングリコール(PEG(750))である。本発明において使用される重合体は標準のPEG付加技術において使用される5000ダルトン以上の大きなMWに比較して、顕著により小さな分子量、約100ダルトンを有する。重合体はまたその中の単量体の数によっても定義されうる;本発明の好ましい態様は3の単量体から成るPEG重合体(約150ダルトン)などの、少なくとも約3の単量体の重合体を利用する。
【0141】
本発明における使用のために好適でありうる他の親水性重合体はポリビニルピロリドン、ポリメトキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、及びヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロースなどの誘導セルロースを含む。
【0142】
ある実施態様では、本発明に係る製剤はポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、アクリル及びメタクリルエステルの重合体、ポリヴィニル重合体、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタン及びそれらの共重合体、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、乳酸及びグリコール酸の重合体、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(ブト酸)(poly (butic acid))、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド-コ-カプロラクトン)、ポリサッカライド、タンパク質、ポリヒアルロン酸、ポリシアノアクリレート、及びそれらの配合物、混合物又は共重合体から成る群から選ばれる生体適合性重合体を含む。
【0143】
本発明に係る製剤の放出特性は、カプセル化材料、カプセル化される薬物の濃度、及び放出調節剤の存在に因る。例えば、放出は、例えば、胃内のように低いpH又は小腸内のようにより高いpHでのみ放出するpH感受性コーティングを用いて、pH依存性であるように操作されうる。腸溶性コーティングは胃の通過後まで放出が起こることを妨げるために使用されうる。多数のコーティング又は異なる材料中にカプセル化されたシアナミドの混合物は胃内での最初の放出、続く小腸内での後の放出を得るために使用されうる。放出は、塩又は孔形成剤の封入によっても操作することができ、これらは水の取り込み又はカプセルからの拡散による薬物の放出を増大しうる。上記薬物の溶解性を改変する賦形剤もまた放出速度を制御するために使用されうる。マトリックスの分解又はマトリックスからの放出を高める薬剤もまた組み込まれうる。それらは上記化合物に因って、上記薬物に添加され、別の相として(すなわち、粒子として)添加されうるか又は重合体相中に共溶解されうる。全ての場合において、量は0.1〜30パーセント(w/w重合体)であるべきである。分解エンハンサーの型は硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムなどの無機塩、クエン酸、安息香酸、及びアスコルビン酸などの有機酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、及び水酸化亜鉛などの無機塩基、及び硫酸プロタミン、スペルミン、コリン、エタノールアミン、ヂエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどの有機塩基及びTween.RTM.及びPluronic.RTM.などの界面活性剤を含む。マトリックスに微小構造を付加する孔形成剤(すなわち、無機塩及び糖などの水溶性化合物)は粒子として添加される。上記範囲は1〜30パーセント(w/w重合体)であるべきである。
【0144】
取り込みはまた胃内での上記粒子の滞在時間を変えることによっても操作されうる。これは、例えば、粘膜接着性重合体で上記粒子をコーティングする又は粘膜接着性重合体をカプセル化する材料として選択することにより達成されうる。例はキトサン、セルロース、及び特にポリアクリレート(本明細書中で使用されるとき、ポリアクリレートはアクリレート基及びシアノアクリレート及びメタクリレートなどの改変されたアクリレート基を含む重合体をいう)などの、遊離カルボン酸基を有するほとんどの重合体を含む。
【0145】
主題の化合物はこの節中に示されるコンビナトリアル合成の方法を用いて合成されうる。上記化合物のコンビナトリアルライブラリーは医薬、農薬又は他の生物学的若しくは医療関連活性又は物質に関連する質のスクリーニングのために使用されうる。本発明の目的のためのコンビナトリアルライブラリーは所望の特性について共にスクリーニングされうる化学的に関連する化合物の混合物である;前記ライブラリーは溶液中であり又は固体支持に共有結合されうる。単一の反応での多くの関連する化合物の調製は行われる必要があるスクリーニングプロセスの数を大いに減少させ、及び単純化する。適切な生物学的、医薬的、農薬的又は物理的特性についてのスクリーニングは慣用の方法によりなされうる。
【0146】
ライブラリーにおける多様性はさまざまな異なる値で作出されうる。例えば、コンビナトリアルアプローチにおいて使用される基質アリール基は、中心アリール部分の点で多様であり、例えば、環構造の点で多様でありうるし、及び/又は他の置換基について変化されうる。
【0147】
さまざまな技術が小有機分子のコンビナトリアルライブラリーを作出するために本分野において使用可能である。例えば、Blondelle et al. (1995) Trends Anal. Chem. 14:83;the Affymax 米国特許第5,359,115号及び第5,362,899号:the Ellman 米国特許第5,288,514号:the Still et al. PCT公開公報 WO 94/08051; Chen et al. (1994) JACS 116:2661;Kerr et al. (1993) JACS 115:252;PCT公開公報 WO 92/10092、WO 93/09668及びWO 91/07087;及びthe Lerner et al. PCT公開公報 WO 93/20242を参照のこと。したがって、約16〜1,000,000以上のダイバーソマー(diversomer)のオーダーの様々なライブラリーが特定の活性又は特性のために合成され及びスクリーニングされうる。
【0148】
例示的な態様において、置換されるダイバーソマーのライブラリーはStill et al. PCT公開公報WO 94/08051中に示される技術に適合される主題の反応を用いて合成されうる、例えば、基質の位置のうちの1に位置される、例えば、加水分解可能な又は光分解可能な基により重合体ビーズに結合される。Still et alの技術にしたがって、上記ライブラリーは1セットのビーズ上に合成され、それぞれのビーズはそのビーズ上の特定のダイバーソマーを同定する1セットのタグを含む。酵素阻害剤を発見するために特に好適である1の態様において、上記ビーズは透過膜の表面上に分散されうる、及び上記ダイマーソマーはビーズリンカーの溶解により上記ビーズから放出される。それぞれのビーズからのダイバーソマーは上記膜を介して分析区域に拡散するであろう、そこでそれは酵素分析と相互作用するであろう。いくつかのコンビナトリアル法の詳述は以下に提供される。
【0149】
コンビナトリアルケミストリーの分野における発達中のトレンドは、例えば、フェムトモーラー以下の量の化合物を特徴付けるために使用されうる、マススペクトロメトリー(MS)などの技術の感度を活用すること、及びコンビナトリアルライブラリーから選択される化合物の化学的構成を直接的に決定することである。例えば、上記ライブラリーが不溶性支持マトリックス上に提供される場合、化合物の別々の集団ははじめに上記支持から放出され、及びMSにより特徴付けられうる。他の態様において、MSサンプル調製技術の一部として、MALDIなどのMS技術は上記マトリックスから化合物を放出するために使用されうる、特にここで、不安定な結合が上記マトリックスに化合物をつなぎとめるために元々使用される。例えば、ライブラリーから選択されるビーズは上記マトリックスからダイバーソマーを放出し、及びMS分析のために上記ダイバーソマーをイオン化するためにMALDI段階で照射されうる。
【0150】
主題の方法のライブラリーはマルチピンライブラリーフォーマットを取りうる。簡単に述べると、Geysen及び共同研究者(Geysen et al.(1984)PNAS 81:3998-4002)はマイクロタイタープレートフォーマット中に配列されるポリアクリル酸-格子ポリエチレンピン上のパラレル合成により化合物ライブラリーを作出するための方法を導入した。上記Geysen技術はマルチピン法を用いて1週間に何千もの化合物を合成し及びスクリーニングするために使用されうる、及び上記つなぎとめられた化合物は多くの分析において再使用されうる。上記化合物が純度の評価及びさらなる評価のために合成後に上記支持から切断されうるように、適切なリンカー基もまた上記ピンに付けられうる(Bray et al. (1990) Tetrahedron Lett 31:5811-5814; Valerio et al.(1991) AnalBiochem 197:168-177; Bray et al.(1991) Tetrahedron Lett 32:6163-6166)。
【0151】
また他の実施態様では、化合物の多様なライブラリーはdivide-couple-recombineの策を利用して1セットのビーズ上に提供されうる(例えば、Houghten (1985) PNAS 82:5131-5135;及び米国特許第4,631,211号;第5,440,016号;第5,480,971号を参照のこと。)簡単に述べると、名称が暗示するように、縮退が上記ライブラリーに導入されるそれぞれの合成段階で、上記ビーズは上記ライブラリーの特定の位置に添加されるべき異なる置換基の数に等しい別々の群に分けられ、上記異なる置換基は別々の反応においてカップリングされ、及び上記ビーズは次の相互作用のために1のプールに再び混合される。
【0152】
1の実施態様において、上記divide-couple-recombine策はHoughtenによりはじめに開発されたいわゆる「ティーバッグ」法に類似のアプローチを用いて行われうる、そこでは、化合物合成は多孔性ポリプロピレンバッグ中に密閉された樹脂上で起こる(Houghten et al. (1986) PNAS 82: 5131-5135)。置換基は適切な反応溶液中に上記バッグを入れることにより化合物を有する樹脂にカップリングされ、一方で、樹脂洗浄及び脱保護などの全ての共通の段階は1の反応容器中で同時に行われる。合成の終わりに、それぞれのバッグは単一の化合物を含む。
【0153】
化合物の同一性が合成基質上のその位置により与えられるコンビナトリアル合成のスキームは、spatially-addressable合成と呼ばれる。1の実施態様において、上記コンビナトリアルプロセスは、固体支持上の特定の位置への化学試薬の添加を制御することにより行われる(Dower et al. (1991) Annu Rep Med Chem 26:271-280; Fodor, S.P.A. (1991) Science 251:767; Pirrung et al. (1992) 米国特許第5,143,854号; Jacobs et al. (1994) Trends Biotechnol 12:19-26)。フォトリソグラフィーの空間分解は小型化を提供する。この技術は光不安定性保護基での保護/脱保護反応の使用をとおして行われうる。
【0154】
この技術のキーポイントはGallop et al.(1994) J Med Chem 37:1233-1251中に例示される。合成基質は光不安定性ニトロヴェラトリルオキシカルボニル(NVOC)保護されたアミノリンカー又は他の光不安定性リンカーの共有結合をとおしてカップリングのために調製される。光はカップリングのために合成支持の特定の領域を選択的に活性化するために使用される。光による上記光不安定性保護基の除去(脱保護)は選択された領域の活性化をもたらす。活性化後、それぞれアミノ末端上に光不安定性保護基を有する、第一の1セットのアミノ酸アナログは表面全体に暴露される。カップリングは前の段階において光により処理された領域においてのみ起こる。上記反応は停止され、上記プレートは洗浄され、及び上記基質は第二のマスクをとおして再び照射され、第二の保護されたビルディングブロックとの反応のために異なる領域を活性化する。マスクのパターン及び反応体の配列は生成物及びそれらの位置を定義する。このプロセスはフォトリソグラフィー技術を利用するので、合成されうる化合物の数は適切な分解で処理されうる合成部位の数によってのみ制限される。それぞれの化合物の位置は正確に知られる;それゆえ、他の分子とのその相互作用は直接的に評価されうる。
【0155】
光照射化学合成において、生成物は照射のパターン及び反応体の添加の順序に因る。リソグラフィーパターンを変化させることにより、多くの異なるセットの試験化合物が同時に合成されうる;この特徴は多くの異なるマスキング策の作出をもたらす。
【0156】
また他の態様において、主題の方法はコードされたタグ化システムで提供される化合物ライブラリーを利用する。コンビナトリアルライブラリーからの活性化合物の同定における近頃の改善は、あるビーズが経験した反応段階及び、推論によって、それが有する構造を固有に「コードするタグを用いる化学インデックス化システムを使用する。概念上、このアプローチは、活性は発現されたペプチドに由来するが、上記活性ペプチドの構造は対応するゲノムDNA配列から導き出されるファージディスプレイライブラリーを模倣する。合成コンビナトリアルライブラリーのはじめてのコード化はDNAをコードとして使用した。シークエンス可能なバイオオリゴマー(例えば、オリゴヌクレオチド及びペプチド)でのコード化、及び追加のシークエンス不可能なタグでの二元のコード化を含む、さまざまな他の形のコード化が報告されている。
【0157】
コンビナトリアル合成ライブラリーをコードするためにオリゴヌクレオチドを用いる原理は、1992(Brenner et al. (1992) PNAS 89:5381-5383)中に示され、そして上記ライブラリーの例は次の年に現れた(Needles et al. (1993) PNAS 90:10700-10704)。それぞれは特定のジヌクレオチド(それぞれ、TA、TC、CT、AT、TT、CA及びAC)によりコードされたArg、Gln、Phe、Lys、Val、D-Val及びThr(三文字アミノ酸コード)の全ての組み合わせから成る、名目上77(=823,543)個のペプチドのコンビナトリアルライブラリーは、固体支持上における一連の交互のペプチド及びオリゴヌクレオチド合成により調製された。この研究において、ビーズ上のアミン結合官能基は、上記ビーズを(ここでは、1:20の割合で)オリゴヌクレオチド合成のために保護OH基及びペプチド合成のために保護NH2基を作出する試薬と共に同時に予めインキュベートすることにより、ペプチド又はオリゴヌクレオチド合成に特に分化された。完了したとき、上記タグはそれぞれ69Merから成り、そのうちの14単位は上記コードを有した。ビーズ結合ライブラリーは蛍光標識化抗体と共にインキュベートされ、及び強く蛍光を発する結合された抗体を含むビーズは蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)により集められた。DNAタグはPCRにより増幅され及びシークエンスされ、及び予想されたペプチドが合成された。上記技術に続いて、タグのオリゴヌクレオチド配列が特定のビーズが経験した連続したコンビナトリアル反応を同定し、及びそれゆえ上記ビーズ上の化合物の同一性を提供する、化合物ライブラリーは主題の方法における使用のために導かれうる。
【0158】
オリゴヌクレオチドタグの使用は、鋭敏な感受性タグ分析を許容する。たとえそうでも、上記方法は、上記タグ及び上記ライブラリーメンバーの共合成を変化させるために必要とされる保護基の直交セット(orthogonal sets of protecting groups)の慎重な選択を必要とする。さらに、上記タグ、特にリン酸及び糖アノマー結合の化学的不安定性は非オリゴマーライブラリーの合成のために使用されうる試薬及び条件の選択を制限しうる。好ましい実施態様において、上記ライブラリーは分析のための試験化合物ライブラリーメンバーの選択的分離を許容するリンカーを使用する。
【0159】
ペプチドもまたコンビナトリアルライブラリーのためのタグ付加分子として使用されている。2の例示的なアプローチは本分野において示され、その両方はコーディング及びリガンド鎖が交互に合成された固体相への枝分かれリンカーを使用する。はじめのアプローチ(Kerr JM et al. (1993) J Am Chem Soc 115:2529-2531)において、合成における直交はコーディング鎖について酸不安定性保護及び化合物鎖について塩基不安定性保護を使用することにより達成される。
【0160】
代替のアプローチ(Nikolaiev et al. (1993) Pept Res 6:161-170)において、コーディング単位及び試験化合物が両方とも樹脂上の同じ官能基に結合されうるように、枝分かれリンカーが使用される。1の実施態様において、その切断がコード及び化合物の両方を含む分子を放出するように、切断可能なリンカーが枝分かれ点及びビーズの間に入れられうる(Ptek et al. (1991) Tetrahedron Lett 32:3891-3894)。他の態様において、上記切断可能なリンカーは、試験化合物がコードを残してビーズから選択的に分離されうるように入れられうる。この最後の構築物はコーディング基の可能性のある妨害を伴わない試験化合物のスクリーニングを許容するので、特に価値がある。ペプチドライブラリーメンバー及びそれらの対応するタグの独立切断及びシークエンスの分野における例は、上記タグがペプチド構造を正確に予測しうることを確認した。
【0161】
試験化合物ライブラリーをコードする代替の形態は二元コードとして使用される1セットのシークエンス不可能なelectrophoricタグ付加分子を使用する(Ohlmeyer et al. (1993) PNAS 90:10922-10926)。例示的なタグは電子捕捉ガスクロマトグラフィー(ECGC)によりフェムトモーラー未満のレベルでそれらのトリメチルシリルエーテルとして検出可能なハロ芳香族アルキルエーテルである。アルキル鎖の長さにおける変化並びに芳香族ハロゲン置換基の性質及び位置は、原則として240の(例えば、1012より多くの)異なる分子をコードしうる少なくとも40のそのようなタグの合成を許容する。始めの報告(Ohlmeyer et al. 上記)において、タグは光切断可能なo-ニトロベンジルリンカーを介してペプチドライブラリーの使用可能なアミン基の約1%に結合された。このアプローチはペプチド様の又は他のアミンを含む分子のコンビナトリアルライブラリーを調製するとき便利である。しかしながら、本質的にどんなコンビナトリアルライブラリーのコード化をも許容する、より用途の広いシステムが開発されている。ここでは、化合物は光切断可能なリンカーを介して固体支持に結合されうる、及びタグはビーズマトリックスへのカルベン挿入物を介してカテコールエーテルリンカーをとおして結合される(Nestler et al. (1994) J Ore Chan 59: 4723-4724)。この直交結合策は溶液中での分析のためのライブラリーメンバーの選択的分離及び続く上記タグセットの酸化分離後のECGCによる解読を許容する。
【0162】
本分野におけるいくつかのアミド結合ライブラリーはアミン基に結合されるelectrophoricタグでの二元コードを使用するが、これらのタグをビーズマトリックスに直接的に結合することはコードされるコンビナトリアルライブラリーで調製されうる構造におけるはるかに大きな汎用性を提供する。このようにして結合されると、タグ及びそれらのリンカーはビーズマトリックスそれ自体とほとんど同じくらい非反応性である。electrophoricタグが固体相に直接的に結合される、2の二元コードコンビナトリアルライブラリーが報告されており(Ohlmeyer et al. (1995) PNAS 92:6027-6031)、そして主題の化合物ライブラリーを作出するためのガイダンスを提供する。両方のライブラリーは、ライブラリーメンバーが光不安定性リンカーにより固体支持に結合される、及びタグは強い酸化によってのみ切断可能なリンカーをとおして結合される、直交結合策を用いて構築された。上記ライブラリーメンバーは固体支持から繰返し部分的に光溶離されうるので、ライブラリーメンバーは多数の分析において利用されうる。成功の光溶離はまた非常に高いスループットの反復スクリーニング策を許容する:第一に、多数のビーズを96ウェルマイクロタイタープレート中に入れる;第二に、化合物を部分的に分離し、及び分析プレートに移す;第三に、金属結合分析は活性ウェルを同定する;第四に、対応するビーズを新しいマイクロタイタープレート中に単独で再配列させる;第五に、単一の活性化合物を同定する;及び第六に、構造を解読する。
【実施例】
【0163】
本発明はここで一般的に示されているが、それは以下の実施例を参照することにより容易に理解されるであろう。当該実施例は、発明のいくつかの態様及び実施態様の例示の目的のために単に含まれており、そして本発明を限定することを意図しない。
【0164】
一般的プロセス:
【化38】

【0165】
化合物IAは、塩化メチレン又は塩化メチレンとメタノール(9:1)及びトリエチルアミンの混合物中のアミン、HNR'R'' で処理される。反応混合物は室温で撹拌される。
【0166】
反応溶液に塩化メチレンと水を加え、そして相を分離する。水相を塩化メチレンで抽出する。混合された有機相を10%クエン酸、水、そして塩類溶液で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥する。炭酸水素ナトリウム溶液で飽和された塩基性置換基(アミンなど)を有する生成物は、10%クエン酸で置き換えられてもよい。乾燥された有機部分を吸引下で濃縮し、場合によりフラッシュクロマトグラフィー又は再結晶により精製する。
【0167】
実施例1
【化39】

【0168】
実施例2
【化40】

【0169】
実施例3
【化41】

【0170】
実施例4
【化42】

【0171】
実施例5
【化43】

【0172】
実施例6
【化44】

【0173】
実施例7
【化45】

【0174】
実施例8
【化46】

【0175】
実施例9
【化47】

【0176】
実施例10
【化48】

【0177】
実施例11
【化49】

【0178】
実施例12
【化50】

【0179】
実施例13
【化51】

【0180】
実施例14
【化52】

【0181】
実施例15
【化53】

【0182】
実施例16
【化54】

【0183】
実施例17
【化55】

【0184】
実施例18
【化56】

【0185】
実施例19
【化57】

【0186】
実施例20
【化58】

【0187】
実施例21
【化59】

【0188】
実施例22
【化60】

【0189】
実施例23
【化61】

【0190】
実施例24
【化62】

【0191】
【表1】

【0192】
【表2】

【0193】
【表3】

【0194】
参考文献の援用
本明細書に引用される特許及び公開は、その全てを本明細書に援用する。
【0195】
均等
当業者は、通常の経験の範囲内で本明細書に記載された本発明の特定の実施態様についての多くの均等物を認識するか、又は確認することができる。このような均等物は、添付の特許請求の範囲により包含されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式A:
【化1】

{式中、
1は、低級アルキルであり;
2は、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
3は、低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオから置換されてもよく;
Aは、N又はC-Hであり;
Bは、N、C-H、C-(SO2-R4)、又はC-CO-R4であり;
Dは、N、C-H、C-(SO2-R4)又はC-CO-R4であり;
Eは、N又はC-Hであり;
ここで、A、B又はEのうちの1つのみが、Nであってもよく、かつB又はDのうちの1つが、C-(SO2-R4)又はC-CO-R4であり;
4は、以下の式:
-NH-R41
-N(R42)(R43),
【化2】

-N(R46)2
を有する基であり;
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして当該環は場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、そして場合によりハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
αが1〜6であり;
42は、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43は、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
44は、以下の:-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11は、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは、1〜6であり;
rは、0〜6であり;
sは、0〜6であり;
45は、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で亜場合により置換されてもよく;
tは、0〜6であり;
vは、1〜6であり;
wは、0〜6であり;
xは1又は2であり;
yは1又は2であり;そして
46は、ともに、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
で表される化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項2】
以下の式A1
【化3】

{式中、
1は、低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで、当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
4は、以下の式:
-NH-R41
-N(R42)(R43)、
【化4】

-N(R46)2
を有する基であり;
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして当該環は場合によりさらなるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
αは1〜6であり;
42は、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43は、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
44は、以下の:-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ;
各R11は、独立してH、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から独立して選ばれ;
qは、1〜6であり;
rは、0〜6であり;
sは、0〜6であり;
45は、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21は、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23はそれらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
tは0〜6であり;
vは、1〜6であり;
wは0〜6であり;
xは1又は2であり;
yは1又は2であり;そして
46は、共に、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項3】
以下の式A2
【化5】

{式中、
4は、以下の式:
-NH-R41,
-N(R42)(R43),
【化6】

-N(R46)2を有する基であり;
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53);
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれる;
52及びR53は、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は、環炭素において1又は2オキソ基で置換され、そして場合によりさらなるヘテロ原子を含み、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく
aは1〜6であり;
42は、アルキル及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43は、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
44は、-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選らばれ;
各R11は、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R12及びR13は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは、1〜6であり;
rは、0〜6であり;
sは、0〜6であり;
45は、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)W-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21は、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-0-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
tは0〜6であり;
vは1〜6であり;
wは0〜6であり;
xは1又は2であり;
yは1又は2であり;そして
46が、共に、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
を有する請求項2に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項4】
以下の式B1
【化7】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルから選ばれ、ここで、当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成し、当該環は環炭素において、1又は2のオキソ機で置換され、そして当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、
aは1〜6であり;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23はそれらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;そして
vは1〜6である}
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項5】
以下の式B2
【化8】

{式中、
41は、C3-C6アルキル、C2-C3アルキル-OH、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
51は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
52及びR53は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5-〜7-員環を形成し、当該環は、環炭素において1又は2のオキソ基で置換され、そして当該環は、場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;そして
aは1〜6であり;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;そして
vは1〜6である}
を有する請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
以下の:
【化9】

から選ばれる構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
以下の式C1
【化10】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルが、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで場合により置換されてもよく;
42は、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43は、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53)から選ばれ;
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく、;そして
vが1〜6である}
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項8】
以下の式C2
【化11】

{式中、
42が、アルキル、及びC2-C6アルキル-O-アルキルから選ばれ;
43が、アルキル、C2-C6アルキル-NH-アルキル、C2-C6アルキル-O-アルキル、アルキル-CO2H、C2-C6アルキル-CH(O-アルキル)(O-アルキル)、C2-C6アルキル-CH2(O-アルキル)-アルキル-O-アルキル、-(CH2)α-N(H)(R51)及び-(CH2)α-N(R52)(R53);
22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;そして
vが1〜6である}
を有する、請求項7に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項9】
以下の:
【化12】

【化13】

から選ばれる構造を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
以下の式D1
【化14】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで場合により置換されてもよく;
44は、以下の:-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11が独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から独立して選ばれ;
各R12及びR13が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qが1〜6であり;
rが0〜6であり;
sが0〜6であり;そして
xが1又は2である}
を有する、請求項1に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項11】
以下の式D2:
【化15】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで場合により置換されてもよく;
44は、以下の:-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)rC(O)-(CH2)sOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11が、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から独立して選ばれ;
各R12及びR13が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13はそれらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは1〜6であり;
rは0〜6であり;
sは0〜6である}
を有する請求項10に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項12】
以下の式D3
【化16】

{式中、
44は、以下の:-(CH2)q-N(R12)(R13)、-(CH2)r-N(R11)-(CH2)sC(O)R14、-(CH2)q-C(O)R14、-(CH2)r-C(O)-(CH2)SOR11、-(CH2)r-C(O)-(CH2)sN(R12)(R13)、及び-(CH2)rO-(CH2)s-C(O)R14からなる群から選ばれ、
各R11が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から独立して選ばれ;
各R12及びR13が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR12及びR13が、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
各R14が、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
qは1〜6であり;
rは0〜6であり;
sは0〜6である}
を有する請求項11に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項13】
以下の構造:
【化17】

を有する、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
以下の式E1
【化18】

{式中、
1は、低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルが、1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで場合により置換されてもよく;
45は、以下の:-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)W-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)v-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21は、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、及び複素環基から選ばれるわ偉大3の置換基で場合により置換されてもよく、
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
tは0〜6であり;
vは1〜6であり;そして
wは0〜6である}
を有する請求項1に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項15】
以下の式E2
【化19】

{式中、
45は、-(CH2)v-N(R25)(R26)、-(CH2)v-N(R21)-(CH2)w-C(O)R24、-(CH2)v-C(O)R24、-(CH2)t-C(O)-(CH2)wOR21、-(CH2)t-C(O)(CH2)w-N(R22)(R23)、-(CH2)V-O-(CH2)w-C(O)R24からなる群から選ばれ;
各R21が、独立して、H、アルキル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
各R22及びR23が、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキル-O-アルキル、アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれるか;又はR22及びR23は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5〜7員環を形成してもよく、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、及びハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく
各R24は、独立して、H、アルキル、-OH、-O-アルキル、-O-アリール、-O-アラルキル、-アルキル-O-アルキル、-アルキル-O-アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール及び複素環基から選ばれ;
25及びR26は、それらが結合する窒素と一緒になって5〜7員環を形成し、当該環は場合により更なるヘテロ原子を含んでもよく、そしてハロ、CN、NO2、オキソ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、及び複素環基から選ばれる最大3の置換基で場合により置換されてもよく;
tは、0〜6であり;
vは1〜6であり;そして
wは0〜6である}
を有する、請求項14に記載の化合物、又はその医薬として許容される塩、立体異性体、又は水和物。
【請求項16】
以下の:
【化20】

【化21】

【化22】

から選ばれる構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
以下の式:
【化23】

{式中、
1は低級アルキルであり;
2及びR3は、独立して、低級アルキル、及び低級アルケニル及び低級アルキニルから選ばれ、ここで当該低級アルキル、低級アルケニル、及び低級アルキニルは、場合により1又は複数のハロゲン、低級アルコキシ、ヒドロキシ、CN、NO2、アミノ、アシルアミノ、アミド、カルボニル、及びアルキルチオで置換されてもよく;
46は、共に、C2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
以下の式:
【化24】

{式中、
46が、ともにC2-C6アルキル-OH、及びC2-C6アルキル-O-C2-C6アルキルから選ばれる}
を有する、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
勃起不全を治療するための方法であって、医薬として許容される賦形剤と併せて請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の治療有効量を、勃起不全を患う患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
心臓血管障害を治療する方法であって、医薬として許容される賦形剤と併せて請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の治療有効量を、心臓血管障害を患う患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項21】
前記心臓血管障害が高血圧である、請求項20に記載の方法。

【公表番号】特表2010−501577(P2010−501577A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525652(P2009−525652)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/018784
【国際公開番号】WO2008/024494
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(503061865)サーフェイス ロジックス,インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】