説明

蛍光像取得装置、蛍光像取得方法及び蛍光像取得プログラム

【課題】データ容量を削減しつつもある一定の蛍光マーカの計数精度を保ち得る蛍光像取得装置、蛍光像取得方法及び蛍光像取得プログラムを提案する。
【解決手段】ステージ移動制御部42は可動ステージ11をZ軸方向(対物レンズ12Aの光軸方向)に移動させて、サンプル部位に対する焦点を厚み方向に移動させる。蛍光像取得部43は、Z軸方向(光軸方向)への可動ステージ11の移動が開始された時点から終了する時点まで撮像素子30を露光させ、当該終了時点でその露光により得られるサンプル部位の蛍光像を撮像素子30から取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光像取得装置、蛍光像取得方法及び蛍光像取得プログラムに関し、例えば蛍光染色された組織切片を観察する分野に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
生体サンプルは、組織切片等をスライドガラスに固定し、必要に応じて染色を施した後に保管される。一般に、保管期間が長期間となると、組織切片の劣化や退色等により生体サンプルに対する顕微鏡での視認性が悪くなる。また、生体サンプルは、作成された病院等の施設以外の施設で診断されることもあるが、該生体サンプルの受け渡しは一般に郵送であり、一定の時間を要する。
【0003】
このような実情等に鑑み、生体サンプルを画像データとして保存する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−222801公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蛍光染色された組織切片の蛍光像を取得する場合、該組織切片の厚み方向に所定間隔ごとに焦点を移動させ、これら焦点での蛍光像それぞれを画像データとして生成すれば、標的とされる分子を標識する蛍光マーカを取りこぼすことなく取得できる。しかしながらこの場合、1つの生体サンプルに対する蛍光像の枚数が膨大となり、生体サンプルあたりの処理負荷及びデータ容量が増大してしまう。
【0006】
一方、厚み方向に対する焦点の間隔を広げれば1つの生体サンプルに対する蛍光像の枚数が減るため、生体サンプルあたりの処理負荷及びデータ容量を低減させることができる。しかしながら、厚み方向に対する焦点の間隔を広げると、焦点深度の浅い対物レンズを用いた場合等では蛍光マーカを取りこぼす可能性があり、該蛍光マーカの測定精度が悪くなる。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、処理負荷及びデータ容量を低減させつつも蛍光マーカに対する一定の測定精度を保ち得る蛍光像取得装置、蛍光像取得方法及び蛍光像取得プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明は、蛍光像取得装置であって、蛍光標識に対する励起光を照射する光源と、暗視野照明系と、生体サンプルの部位を拡大する対物レンズと、対物レンズにより拡大される部位が結像される撮像素子と、生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点を移動させる焦点移動制御手段と、対物レンズの焦点が生体サンプルの厚み方向に移動される間、撮像素子を露光させて、対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を撮像素子から取得する撮像制御手段とを有する。
【0009】
また本発明は、蛍光像取得方法であって、蛍光標識が付される生体サンプルを暗視野照明する照明ステップと、蛍光標識が付される生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点を移動させる焦点移動ステップと、焦点移動ステップで焦点が移動される間、対物レンズにより拡大される生体サンプルの部位が結像される撮像素子を露光させる露光ステップと、焦点移動ステップでの焦点の移動終了時点を契機として、対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を撮像素子から取得する取得ステップとを有する。
【0010】
また本発明は、蛍光像取得プログラムであって、コンピュータに対して、蛍光標識が付される生体サンプルを暗視野照明すること、蛍光標識が付される生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点を移動すること、該厚み方向に対する対物レンズの焦点が移動される間、対物レンズにより拡大される生体サンプルの部位が結像される撮像素子を露光すること、厚み方向に対する対物レンズの焦点の移動終了時点を契機として、対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を撮像素子から取得することを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点が移動される期間が露光期間とされるため、厚み方向に所定間隔ごとに焦点を合わせそれら焦点での蛍光像を取得する場合に比べて蛍光像の取得数が減る。したがって、生体サンプルあたりの処理負荷及びデータ容量を低減することができる。
また、生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点が移動される期間が露光期間とされるため、厚み方向におけるいずれの位置に蛍光マーカが存在したとしても、該蛍光マーカが同等の輝点として捉えられる。したがって、使用される対物レンズの焦点深度にかかわらず、蛍光マーカの取りこぼしを防止することができる。
かくしてデータ容量を削減しつつもある一定の蛍光マーカの計数精度を保ち得る蛍光像取得装置、蛍光像取得方法及び蛍光像取得プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】生体サンプル像取得装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】蛍光像を概略的に示す図である。
【図3】データ処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】サンプル像を取得する場合におけるCPUの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】生体サンプルに対する領域ごとに取得の説明に供する略線図である。
【図6】遺伝子計数処理手順を示すフローチャートである。
【図7】厚み方向への焦点の移動と、蛍光マーカの輝点との関係を概略的に示す図である。
【図8】蛍光マーカの一部が厚み方向で重なる場合における厚み方向への焦点の移動と、蛍光マーカの輝点との関係を概略的に示す図である。
【図9】対照マーカが規定数よりも増減する場合の説明に供する略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序とする。
<1.実施の形態>
[1−1.生体サンプル像取得装置の構成]
[1−2.データ処理部の構成]
[1−3.サンプル像取得処理の具体的内容]
[1−4.効果等]
<2.他の実施の形態>
【0014】
<1.実施の形態>
[1−1.生体サンプル像取得装置の構成]
図1において、本一実施の形態による生体サンプル像取得装置1を示す。この生体サンプル像取得装置1は、顕微鏡10、データ処理部20及び撮像素子30を含む構成とされる。
【0015】
顕微鏡10は、生体サンプルSPLを配置可能な面をもち、その面に対して平行方向及び直交方向(xyz軸方向)に移動可能なステージ(以下、これを可動ステージとも呼ぶ)11を有する。
【0016】
生体サンプルSPLは、血液等の結合組織、上皮組織又はそれらの双方の組織などの組織切片又は塗抹細胞を、所定の固定手法によりスライドガラスSGに固定したものであり、該組織切片又は塗抹細胞には必要に応じて染色が施される。この染色には、HE(ヘマトキシリン・エオジン)染色、ギムザ染色又はパパニコロウ染色等に代表される一般染色のみならず、FISH(Fluorescence In-Situ Hybridization)や酵素抗体法等の蛍光染色が含まれる。
【0017】
可動ステージ11の一方の面側には光学系12が配され、該可動ステージ11の他方の面側には照明系13が配される。この照明系13は、明視野照射と、暗視野照射とに切換可能である。
【0018】
明視野検鏡モードの場合、照明系13から明視野照射される光は、可動ステージ11に穿設される開口から、該可動ステージ11の一方の面に配される生体サンプルSPLに到達する。
【0019】
顕微鏡10は、この照明光から反射又は散乱により得られる生体サンプル部位の像を、光学系12の第1の対物レンズ12A及び第2の対物レンズ12Bによって所定の倍率に拡大する。そして顕微鏡10は、これら対物レンズ12A、12Bにより拡大される像を、撮像素子30の撮像面に結像するようになされている。
【0020】
一方、暗視野検鏡モードの場合、照明系13から暗視野照射される光は、可動ステージ11に穿設される開口から、該可動ステージ11の一方の面に配される生体サンプルSPLの背景光をカットアウトする照明光として到達する。
【0021】
また暗視野検鏡の場合、励起光源14から、蛍光染色で用いられる蛍光マーカに対する励起波長を有する光(以下、これを励起光とも呼ぶ)が照射される。顕微鏡10は、この励起光を、第1の対物レンズ12A及び第2の対物レンズ12B間に設けられるダイクロイックミラー12Cで反射させて第1の対物レンズ12Aに導き、該第1の対物レンズ12Aによって可動ステージ11上の生体サンプルSPLに集光する。
【0022】
生体サンプルSPLに蛍光染色が施されていた場合、該生体サンプルSPLのターゲット部位に付される蛍光マーカが励起光により発光し、該発光によって得られる光(以下、これをマーカ光とも呼ぶ)は第1の対物レンズ12Aに到達する。
【0023】
顕微鏡10は、このマーカ光により得られる生体サンプル部位の像を、光学系12の第1の対物レンズ12A及び第2の対物レンズ12Bによって所定の倍率に拡大する。そして顕微鏡10は、これら対物レンズ12A、12Bにより拡大される像を、撮像素子30の撮像面に結像するようになされている。
【0024】
ここで、生体サンプルSPLの蛍光像を一例として図2に示す。この図2は、乳腺組織におけるHER2(Human Epithelial growth factor Receptor type 2)遺伝子と、プローブ(abbott社のHER−2DNAプローブキットのPathVysion)とをFISH法によりハイブリダイゼーションさせて得られたものである。図2(A)における乳腺組織は正常人から採取し、図2(B)における乳腺組織は乳癌患者から採取したものである。
【0025】
図2に示すとおり、悪性の乳腺組織では、正常の乳腺組織に比べて、標識物質の蛍光マーカ(矢印で示す部分)が増量している。この図2からも明らかなように、HER2遺伝子は乳がん、卵巣がん、子宮がん、胃がん、膀胱がん、小細胞肺がん又は前立腺がん等の悪性腫瘍では増殖するため、悪性腫瘍の進行の程度を表す指標として視認させることができる。
【0026】
データ処理部20は、明視野検鏡モードでは照明系13を明視野照明させ、撮像素子30を用いて明視野状態における生体サンプルSPLの像を取得し、これを所定形式のデータ(以下、これをサンプルデータとも呼ぶ)として保存する。
【0027】
一方、データ処理部20は、暗視野検鏡モードでは照明系13を暗視野照明させるとともに励起光源14を駆動させ、撮像素子30を用いて暗視野状態における生体サンプルSPLの像を取得し、これをサンプルデータとして保存するようになされている。
【0028】
このようにこの生体サンプル像取得装置1は、スライドガラスSGに配される生体サンプルSPLを、明視野画像又は暗視野画像のデータとして保存することができるようになされている。したがってこの生体サンプル像取得装置1は、スライドガラスSG自体を保存する場合に比して、固定や染色等の状態を劣化させることなく長期にわたって生体サンプルSPLを保存することが可能である。
【0029】
[1−2.データ処理部の構成]
次に、データ処理部20の構成について説明する。このデータ処理部20は、図3に示すように、制御を司るCPU(Central Processing Unit)21に対して各種ハードウェアを接続することにより構成される。
【0030】
具体的にはROM(Read Only Memory)22、CPU21のワークメモリとなるRAM(Random Access Memory)23、ユーザの操作に応じた命令を入力する操作入力部24、インターフェイス25、表示部26及び記憶部27がバス28を介して接続される。
【0031】
ROM22には、各種の処理を実行するためのプログラムが格納される。インターフェイス25には、可動ステージ11、照明系13、励起光源14及び撮像素子30(図1)がそれぞれ接続される。
【0032】
表示部25には、液晶ディスプレイ、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等が適用される。また記憶部26には、HD(Hard Disk)に代表される磁気ディスクもしくは半導体メモリ又は光ディスク等が適用される。USB(Universal Serial Bus)メモリやCF(Compact Flash)メモリ等のように可搬型メモリが適用されてもよい。
【0033】
CPU21は、ROM22に格納される複数のプログラムのうち、操作入力部24から与えられる命令に対応するプログラムをRAM23に展開し、該展開したプログラムにしたがって、表示部26及び記憶部27を適宜制御する。
【0034】
またCPU21は、展開したプログラムにしたがって、インターフェイス25を介して可動ステージ11、照明系13、励起光源14及び撮像素子30を適宜制御するようになされている。
【0035】
[1−3.サンプル像取得処理の具体的内容]
CPU21は、蛍光染色された生体サンプルSPLの像(以下、これをサンプル蛍光像とも呼ぶ)の取得命令を操作入力部24から受けた場合、該取得命令に対応するプログラムをRAM23に展開する。
【0036】
この場合、CPU21は、サンプル蛍光像の取得命令に対応するプログラムにしたがって、図4に示すように、光源制御部41、ステージ移動制御部42、蛍光像取得部43、遺伝子計数部44及びデータ記録部45として機能する。
【0037】
光源制御部41は、暗視野照射するよう照明系13を駆動させるとともに、励起光を照射するよう励起光源14を駆動する。
【0038】
ステージ移動制御部42は、生体サンプルSPLの対象とすべき部位(以下、これをサンプル部位とも呼ぶ)が撮像範囲に位置するよう可動ステージ11を順次移動させて、例えば図5に示すように、該撮像範囲ARに対して生体サンプルSPLを割り当てる。なお、この図5では、撮像範囲ARに割り当てるべき生体サンプルSPLの領域が重ならない態様となっているが、隣接する領域の一部が重なる態様であってもよい。
【0039】
またステージ移動制御部42は、対象とすべきサンプル部位が撮像範囲ARに移動されるごとに、可動ステージ11をZ軸方向(対物レンズ12Aの光軸方向)に移動させて、サンプル部位に対する焦点を厚み方向に移動させる。
【0040】
蛍光像取得部43は、対象とすべきサンプル部位をステージ移動制御部42が撮像範囲ARに移動するごとに、Z軸方向(光軸方向)への可動ステージ11の移動が開始された時点から終了する時点まで撮像素子30を露光させる。
【0041】
そして蛍光像取得部43は、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動が終了する時点で、当該移動終了時点と移動開始時点との間の露光により得られるサンプル部位の蛍光像を、撮像素子30から取得する。
【0042】
また蛍光像取得部43は、各撮像範囲ARに割り当てられるサンプル部位の蛍光像を、所定の連結アルゴリズムを用いて連結することによってサンプル蛍光像(対物レンズ12A、12Bの倍率によって拡大された生体サンプルSPL全体の蛍光像)を生成する。
【0043】
遺伝子計数部44は、蛍光像取得部43がサンプル蛍光像を生成した場合、計数に要するとして設定される情報に基づいて、ターゲットとされる遺伝子(以下、これを標的遺伝子とも呼ぶ)を標識する蛍光マーカ(以下、これを標的マーカとも呼ぶ)を細胞核ごとに計数する。
【0044】
設定情報として、標的マーカが呈する色(以下、これを標的マーカ色とも呼ぶ)と、細胞核を標識する蛍光マーカ(以下、これを核マーカとも呼ぶ)が呈する色(以下、これを核マーカ色とも呼ぶ)とが設定される。
【0045】
対照とすべき遺伝子(以下、これを対照遺伝子とも呼ぶ)を標識する蛍光マーカ(以下、これを対照マーカとも呼ぶ)が用いられている場合、該対照遺伝子が正常の細胞核内に存在する数が設定される。またこの場合、対照遺伝子を標識する蛍光マーカ(以下、これを対照マーカとも呼ぶ)が呈する色(以下、これを対照マーカ色とも呼ぶ)も設定される。
【0046】
これら設定情報は、蛍光染色に使用すべきプローブの製造元や、蛍光マーカの種などの使用条件によって一義的に決まる。具体的には、例えば図2で使用されたabbott社のHER−2DNAプローブキットの場合、HER2遺伝子の標的マーカ色は「赤」として設定され、核マーカ色は「青」として設定される。またこの場合、染色体上のHER2遺伝子の隣に位置する遺伝子が対照遺伝子とされ、該対照遺伝子の対照マーカ色は「黄緑」として設定され、その数は「2」として設定される。
【0047】
なお、設定手法には、例えば、使用条件を入力させ、該使用条件と、マーカ色と、対照遺伝子数の対応付けを表したデータベースから、設定すべき色又は数を検出するといった手法が適用可能である。
【0048】
ちなみに使用条件の入力手法には、例えば、キーボード等からプローブの製作元又は蛍光マーカの種等を直に入力させる手法や、当該プローブの製作元又は蛍光マーカの種等をプルダウン表示し、キーボード等から選択させる手法がある。またデータベースは、インターネット等のネットワークから取得するようにしてもよく、記憶部27に記憶し、必要に応じて更新するようにしてもよい。
【0049】
ここで、遺伝子計数部44における計数手法の一例を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0050】
遺伝子計数部44は、蛍光像取得部43がサンプル蛍光像を生成した場合、この遺伝子計数処理手順を開始し、第1ステップSP1に進む。遺伝子計数部44は、第1ステップSP1では、細胞核が呈するとして設定される核マーカ色に対応する画素であり、所定閾値以上の輝度となる画素が隣接する領域を細胞核として検出し、第2ステップSP2に進む。
【0051】
遺伝子計数部44は、第2ステップSP2では、第1ステップSP1で検出した細胞核ごとに、当該細胞核内での標的マーカを計数し、第3ステップSP3に進む。
【0052】
暗視野検鏡では一般に数十[nm]程度以下の構造は輝点となるため、標的マーカ又は対照マーカは輝点として撮像される。この実施の形態では、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動が開始された時点から終了する時点まで撮像素子30が露光されているので、ぼけた輝点(以下、これを膨張輝点とも呼ぶ)となる。
【0053】
つまり、図7に示すように、対物レンズ12Aの焦点面FPが蛍光マーカFMに対して合っていない状態から徐々に合い、その後また焦点が合わなくなる(図7(A))。このため膨張輝点ESP(図7(B))は、蛍光マーカFMに焦点面FPが合った状態で撮像される輝点SP(図7(C))に比べて大きい像として得られる。
【0054】
ただし膨張輝点ESPの形状自体は変わらず円形状となる。ところが、生体サンプルSPLを厚み方向からみたときに、2以上の蛍光マーカFMが近傍に位置する場合又は2以上の蛍光マーカFMの一部が重なる場合、輝点は円形状ではなくなる。
【0055】
なお、生体サンプルSPLを厚み方向からみたときに2つの蛍光マーカFMの一部が重なる場合を例として図7と対比の観点で図8に示す。この図8からも分かるように、2以上の蛍光マーカFMが厚み方向からみたときに近傍に位置する又はその一部が重なる場合、いくつの標的マーカに基づく輝点であるのかが判別し難くなる。
【0056】
したがってこの第2ステップSP2では、設定される標的マーカ色を呈し、かつ円形状とすべき条件を満たす輝点が、標的マーカとして計数される。なお、円形状とすべき条件は、例えば、所定閾値以上の輝度でなる画素が隣接する領域を輝点とし、該領域における長径と短径との比が閾値以上となる場合等とされる。
【0057】
遺伝子計数部44は、第3ステップSP3では、第1ステップSP1で検出した細胞核のうち、円形状とすべき条件を満たさない標的マーカの輝点が存在した細胞核を、該細胞核あたりの標的マーカの計数精度が低いとすべき類(以下、これを低精度類)として分類し、第4ステップSP4に進む。
【0058】
遺伝子計数部44は、第4ステップSP4では、対照遺伝子数及び対照マーカ色の設定の有無を判定し、当該設定があると判定した場合には第5ステップSP5に進み、当該設定がないと判定した場合には第6ステップSP6に進む。
【0059】
遺伝子計数部44は、第5ステップSP5では、第1ステップSP1で検出した細胞核ごとに、当該細胞核内での対照マーカを計数する。
【0060】
ちなみにこの対照マーカは、第2ステップSP2と同様に、設定される対照マーカ色を呈し、かつ円形状とすべき条件を満たす輝点とされる。なお円形状とすべき条件は、標的マーカの場合と、対照マーカの場合とで同一としてもよく、相違させてもよい。
【0061】
ここで、サンプル蛍光像において対照遺伝子数よりも多い数の対照マーカが計数される細胞核は、図9(A)に示すように、複数の細胞核がその厚み方向に重なることに起因する可能性がある。この場合、標的マーカの数は1つの細胞核に存在するものとして計数されたものでないことになる。
【0062】
一方、サンプル蛍光像において対照遺伝子数よりも少ない数の対照マーカが計数される細胞核は、図9(B)に示すように、がんの進行や手技に起因して細胞核が破壊されている可能性が高い。この場合も、標的マーカの数は1つの細胞核に存在するものとして計数されたものでないことになる。
【0063】
なお、この図9は、図2で使用されたabbott社のHER−2DNAプローブキットの場合を例として示している。つまり、この場合、正常である1つの細胞核では対照遺伝子が2つとなる。
【0064】
したがって遺伝子計数部44は、第1ステップSP1で検出した細胞核のうち、対照遺伝子数と相違する数の対照マーカが存在する細胞核を低精度類として分類し、第6ステップSP6に進む。
【0065】
遺伝子計数部44は、第6ステップSP6では、第4ステップSP4において対照遺伝子数及び対照マーカ色の設定がないと判定した場合、第1ステップSP1で検出した細胞核から、第3ステップSP3において低精度類として分類した細胞核を除く。そして遺伝子計数部44は、残りの細胞核あたりの標的マーカの平均を算出する。
【0066】
一方、遺伝子計数部44は、第4ステップSP4において対照遺伝子数及び対照マーカ色の設定があると判定した場合、第1ステップSP1で検出した細胞核から、第3ステップSP3と、第5ステップSP5との一方又は双方において低精度類として分類した細胞核を除く。そして遺伝子計数部44は、残りの細胞核あたりの標的マーカの平均と、該細胞核あたりの対照マーカの平均と、該細胞核あたりの標的マーカを対照マーカで除算した値の平均とを算出する。
【0067】
遺伝子計数部44は、第7ステップSP7では、低精度類として分類した細胞核を、実際に視認して確認すべき部位として、サンプル蛍光像での当該細胞核の位置を検出し、この遺伝子計数処理手順を終了する。
【0068】
データ記録部45は、蛍光像取得部43がサンプル蛍光像を生成した場合、該サンプル蛍光像の全部又はサンプル蛍光像を復元可能な一部を示す画素情報を含むサンプルデータを生成し、これを記憶部27に記録する。
【0069】
またデータ記録部45は、遺伝子計数部44が第6ステップSP6で算出した平均を示す平均情報と、該遺伝子計数部44が第7ステップSP7で検出した位置を示す位置情報と、サンプル蛍光像に関する識別情報とを示す付加データを生成し、これをサンプルデータに関連付けて記憶部27に記録する。
【0070】
この識別情報は、例えば、生体サンプルSPLの採取者名、採取者性別、採取者年齢及び採取日付等といった情報である。なお、データ記録部45は、この識別情報を入力すべきことを所定のタイミングで通知し、サンプルデータが生成されたときに識別情報が得られていない場合には、該識別情報を入力すべきことを警告するようになされている。
【0071】
[1−4.効果等]
以上の構成において、この生体サンプル像取得装置1は、対象とすべきサンプル部位が撮像範囲ARに移動されるごとに、可動ステージ11をZ軸方向(対物レンズ12Aの光軸方向)に移動させて、サンプル部位に対する焦点を厚み方向に移動させる。
【0072】
また生体サンプル像取得装置1は、Z軸方向(光軸方向)への可動ステージ11の移動が開始された時点から終了する時点まで撮像素子30を露光させ、当該終了時点でその露光により得られるサンプル部位の蛍光像を撮像素子30から取得する。
【0073】
この生体サンプル像取得装置1では、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動期間が蛍光像の露光期間とされるため、厚み方向に所定間隔ごとに焦点を合わせそれら焦点での蛍光像を取得する場合に比べて、蛍光像のデータ取得数が減る。したがってこの生体サンプル像取得装置1は、生体サンプルあたりの処理負荷及びデータ容量を低減することができる。
【0074】
また、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動期間が蛍光像の露光期間とされるため、厚み方向におけるいずれの位置に蛍光マーカ(標的マーカ)が存在したとしても、該蛍光マーカが同等の輝点として捉えられる。
【0075】
したがってこの生体サンプル像取得装置1は、使用される対物レンズの焦点深度にかかわらず、蛍光マーカの取りこぼしを防止することができ、該蛍光マーカに対する一定の測定精度を保つことができる。
【0076】
ところで、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動期間を露光期間として取得された蛍光像では、蛍光マーカに基づく輝点が膨張輝点となる(図7参照)。計数自体には問題ないが、2以上の蛍光マーカFMが厚み方向からみたときに近傍に位置する又はその一部が重なる場合、いくつの標的マーカに基づく輝点であるのかが判別し難くなる(図8参照)。
【0077】
しかしながらこの生体サンプル像取得装置1は、円形状とすべき条件を満たす輝点を、蛍光マーカに基づく輝点として計数し、当該条件を満たさない輝点が存在した細胞核を除いて、細胞核あたりの輝点の平均を算出する。
【0078】
したがってこの生体サンプル像取得装置1は、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動期間を露光期間として取得された蛍光像であっても、細胞核あたりの輝点の平均を正確に計数することができる。
【0079】
これに加えて、生体サンプルSPLに対して対照遺伝子を標識する蛍光マーカ(対照マーカ)が用いられた場合、生体サンプル像取得装置1では、当該対照遺伝子数と、対照マーカ色とを設定可能である。
【0080】
この場合、生体サンプル像取得装置1は、円形状とすべき条件を満たさない輝点が存在した細胞核を除くだけではなく、設定される対照遺伝子数と相違する数の対照マーカが存在する細胞核も除いて、細胞核あたりの輝点の平均を算出する。
【0081】
図9を用いて上述したように、対照遺伝子数よりも多い又は少ない数の対照マーカが計数される細胞核は、標的マーカの数は1つの細胞核に存在するものとして計数されたものでない可能性が高い。
【0082】
したがって生体サンプル像取得装置1は、円形状とすべき条件を満たさない輝点が存在した細胞核のみならず、設定される対照遺伝子数と相違する数の対照マーカが存在する細胞核も除くことで、細胞核あたりの輝点の平均をより一段と正確に算出することができる。
【0083】
さらにこの生体サンプル像取得装置1は、細胞核あたりの輝点の平均の算出に際して除かれた細胞核の位置を示す位置情報を、サンプルデータに関連付けて記憶部27に記録する。
【0084】
したがってこの生体サンプル像取得装置1は、位置情報に基づいて、細胞核あたりの輝点の平均の算出に際して除かれた細胞核を表示部25に対して即座に提示することが可能となる。このことは、ユーザに対する使い勝手及び蛍光マーカの測定精度の信頼性を高める観点では有用である。
【0085】
以上の構成によれば、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動期間を露光期間とした蛍光像を取得するようにしたことにより、処理負荷及びデータ容量を低減させつつも蛍光マーカに対する一定の測定精度を保ち得る生体サンプル像取得装置1を実現できる。
【0086】
<2.他の実施の形態>
可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動が開始された時点から終了する時点まで撮像素子30を露光させた場合、該撮像素子30の特性により、特定のポイントにノイズが発生することがある。この固定ノイズは、略円形状の輝点となるため、標的マーカに基づく輝点と区別できず、この結果、遺伝子計数部44での計数精度が悪くなる場合がある。
【0087】
そこで、蛍光像取得部43によって生成されたサンプル蛍光像から標的マーカを計数する形態に代えて、該サンプル蛍光像に対して固定ノイズを除去したサンプル蛍光像から標的マーカを計数する形態が適用されてもよい。
【0088】
具体的には固定パターンのノイズを除去するノイズ除去部が、例えば蛍光像取得部43と、遺伝子計数部44との間に設けられる。このノイズ除去部は、蛍光像取得部43がサンプル蛍光像を生成した場合又は対象とすべきサンプル部位の蛍光像を生成した場合、該サンプル蛍光像又はサンプル部位の蛍光像と、撮像素子30における固定ノイズのパターン像とをマッチングする。ノイズ除去部は、このパターンマッチング結果に基づいて固定ノイズの位置を認識し、サンプル蛍光像又はサンプル部位の蛍光像から固定ノイズを除去する。
【0089】
パターン像は、照明系13から暗視野照射された状態において、生体サンプルSPLを可動ステージ11に配することなく、該生体サンプルSPLに対する露光時間と同一の露光時間で露光させた像である。
【0090】
なお、このパターン像の取得手法は、生体サンプルSPLに対するサンプル蛍光像の撮像を開始する前にその都度キャリブレーションを行って取得する手法や、ネットワーク又は記憶媒体から所定のタイミングで記憶部27に記憶する手法などがある。
【0091】
このようにノイズ除去部を適用した形態では、可動ステージ11におけるZ軸方向(光軸方向)への移動期間を露光期間としたことに起因する、標的マーカに基づく輝点の計数精度の劣化を回避することができる。
【0092】
また上述の実施の形態では、対照遺伝子数及び対照マーカ色の設定がない場合、円形状とすべき条件を満たさない標的マーカの輝点が存在した細胞核が、細胞核あたりの輝点の平均の算出に際して除くべき細胞核とされた。しかしながらこの場合、対照遺伝子数と相違する数の対照マーカが存在する細胞核を低精度類として分類されることはないため、図9を用いて上述したように、標的マーカの数は1つの細胞核に存在するものとして計数されたものであるか否かが分からないことになる。
【0093】
したがってこの場合は特に、正常の細胞核ではない可能性を有する細胞核を低精度類として分類するステップを、例えば第1ステップSP1と、第2ステップSP2との間に設ける。このようにすれば、遺伝子計数部44は、対照遺伝子数及び対照マーカ色の設定がない場合であっても、細胞核あたりの輝点の平均を正確に算出することができる。
【0094】
具体的には、細胞核の辺縁が滑らかであるとすべき条件もしくは細胞核が円乃至楕円であるとすべき条件を満たさない細胞核が、正常の細胞核ではない可能性を有する細胞核に相当するので、当該細胞核が低精度類として分類される。
【0095】
細胞核の辺縁が滑らかであるとすべき条件は、例えば、細胞核が呈するとして設定される核マーカ色に対応する画素であり、所定閾値以上の輝度となる画素が隣接する領域の辺縁ではコーナーが非検出である場合等とされる。また、細胞核が円乃至楕円であるとすべき条件は、例えば、細胞核が呈するとして設定される核マーカ色に対応する画素であり、所定閾値以上の輝度となる画素が隣接する領域における長径と短径との比が閾値以上となる場合等とされる。
【0096】
また上述の実施の形態では、細胞核あたりの標的マーカの平均が算出された。しかしながらこの実施の形態に加えて又は代えて、該細胞核あたりの標的マーカの最大値もしくは最小値又はサンプル像での標的マーカの総数を算出する形態が適用されてもよい。
【0097】
また上述の実施の形態では、生体サンプルSPLにおけるターゲットとして遺伝子が適用された。しかしながら生体サンプルSPLにおけるターゲットはこの実施の形態に限定されるものではない。たとえば、細胞膜チャンネルなどの蛋白、糖蛋白又は糖鎖など、種々の分子をターゲットとしてこの実施の形態を適用することができる。
【0098】
また上述の実施の形態では、サンプル蛍光像から標的マーカが計数されたが、当該計数結果からがんの進行度を判定する形態が適用されてもよい。この形態では、具体的にはがんの陽性又は陰性を判定する判定手段が、例えば遺伝子計数部44と、データ記録部45の間に設けられる。
【0099】
この判定手段では、細胞核あたりの標的マーカの平均あるいは細胞核あたりの標的マーカを対照マーカで除算した値の平均と、陽性とすべきとして設定される閾値とを比較して、生体サンプルSPLに対してがんの陽性又は陰性が判定される。なお、がんの陽性を判定した場合、細胞核あたりの標的マーカの平均あるいは細胞核あたりの標的マーカを対照マーカで除算した値の平均に基づいて、がんの進行度を判定させるようにしてもよい。
【0100】
また上述の実施の形態では、細胞核内での標的マーカが計数された後に、細胞核あたりの標的マーカの計数精度が劣る類とすべき細胞核を分類した。しかしながらこの実施の形態に代えて、当該分類後に、細胞核内での標的マーカを計数する形態が適用されてもよい。
【0101】
また上述の実施の形態では、固定とされる対物レンズ12Aの光軸方向に可動ステージ11を移動させた。しかしながらこの実施の形態に代えて、可動ステージ11を固定とし、その可動ステージ11に対してZ軸方向(光軸方向)に対物レンズ12Aを移動させる形態が適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、遺伝子実験、医薬の創製又は患者の経過観察などのバイオ産業上において利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1……生体サンプル像取得装置、10……顕微鏡、11……可動ステージ、12……光学系、12A,12B……対物レンズ、13……照明系、14……励起光源、20……データ処理部、21……CPU、22……ROM、23……RAM、24……操作入力部、25……インターフェイス、26……表示部、27……記憶部、30……撮像素子、41……光源制御部、42……ステージ移動制御部、43……蛍光像取得部、44……遺伝子計数部、45……データ記録部、SPL……生体サンプル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光標識に対する励起光を照射する光源と、
暗視野照明系と、
上記生体サンプルの部位を拡大する対物レンズと、
上記対物レンズにより拡大される部位が結像される撮像素子と、
上記生体サンプルの厚み方向に上記対物レンズの焦点を移動させる焦点移動制御手段と、
上記対物レンズの焦点が上記生体サンプルの厚み方向に移動される間、上記撮像素子を露光させて、上記対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を上記撮像素子から取得する撮像制御手段と
を具える蛍光像取得装置。
【請求項2】
上記撮像素子の露光により特定のポイントに生じるノイズのパターン像を用いて、上記蛍光像から上記ノイズを除去する除去手段
をさらに有する請求項1に記載の蛍光像取得装置。
【請求項3】
上記蛍光像における細胞核ごとに、円形状とすべき条件を満たす輝点を計数し、上記条件を満たさない輝点が存在した細胞核を除いて、細胞核あたりの輝点に関する値を算出する算出手段
をさらに有する請求項1に記載の蛍光像取得装置。
【請求項4】
上記蛍光像における細胞核ごとに、上記生体サンプルの標的分子を標識する蛍光マーカの輝点であって円形状とすべき条件を満たす第1の輝点と、対照とすべき分子を標識する蛍光マーカの輝点であって円形状とすべき条件を満たす第2の輝点とを計数し、上記条件を満たさない第1の輝点及び第2の輝点が存在した細胞核と、第2の輝点数が設定される数と相違する細胞核とを除いて、細胞核あたりの第1の輝点を第2の輝点で除算した値の平均を算出する算出手段
をさらに有する請求項1に記載の蛍光像取得装置。
【請求項5】
上記対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を用いて、上記生体サンプルの蛍光像を生成する生成手段と、
上記生体サンプルの蛍光像に対する、上記算出手段での算出に際して除かれた細胞核の位置を示す情報を、上記生体サンプルの蛍光像に関連付けて記録する記録手段と
をさらに有する請求項3又は請求項4に記載の蛍光像取得装置。
【請求項6】
蛍光標識が付される生体サンプルを暗視野照明する照明ステップと、
上記蛍光標識が付される生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点を移動させる焦点移動ステップと、
上記焦点移動ステップで焦点が移動される間、上記対物レンズにより拡大される生体サンプルの部位が結像される撮像素子を露光させる露光ステップと、
上記焦点移動ステップでの焦点の移動終了時点を契機として、上記対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を上記撮像素子から取得する取得ステップと
を有する蛍光像取得方法。
【請求項7】
コンピュータに対して、
蛍光標識が付される生体サンプルを暗視野照明すること、
上記蛍光標識が付される生体サンプルの厚み方向に対物レンズの焦点を移動すること、
上記焦点が上記生体サンプルの厚み方向に移動される間、上記対物レンズにより拡大される生体サンプルの部位が結像される撮像素子を露光すること、
上記生体サンプルの厚み方向に対する焦点の移動終了時点を契機として、上記対物レンズにより拡大される部位の蛍光像を上記撮像素子から取得すること
を実行させる蛍光像取得プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−17982(P2011−17982A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163775(P2009−163775)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】