説明

血流亢進抑制剤及び該血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物

【課題】 長時間血流亢進抑制効果が継続する血流亢進抑制剤及び浴用剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる3種の混合物を有効成分として含有する血流亢進抑制剤、及び、該血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物。該混合物は、トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウからなる群より選ばれる3種の植物の混合物の抽出物であってもよく、トウキ抽出液、シャクヤク抽出液、センキュウ抽出液及びジオウ抽出液からなる群より選ばれる3種の抽出液の混合物であってもよい。該混合物は、長時間血流亢進を抑制する効果を有し、高齢者や循環器病患者に対しては、入浴しても血流を上昇させることなく入浴中の身体的負担を軽減し、健常者に対しては、入浴による血流促進を抑制し、湯上り時の発汗による不快感を抑制し、さっぱり感、爽快感を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流亢進抑制剤及び該血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、温いお湯に全身浴すると体表が熱刺激を受けて血液循環や血行が良くなる。また、温水中では腹部に受ける圧力で、横隔膜が上に押し上げられ、肺の容量が少なくなり空気の量が減少する。これを補おうとして呼吸数が増える一方、静脈の血液やリンパ液が一斉に心臓に戻されてくるので、心臓の働きが活発になり全身の血行が亢進する。
最近では、各種素材の血流促進作用に着目し、かかる素材を浴用剤に配合して、入浴効果を高める製品開発が行われてきている。しかし、入浴による急激な血行促進は、高齢者や心臓、血管に持病を抱える循環器病患者にとって身体的負担になることもある。さら湯は、カルシウム、マグネシウムなど水質の成分が熱の伝播を高めたり、浸透圧の関係で皮膚を刺激するので、高齢者など皮膚のバリア機能が落ちた人には不快さを与えてしまう。この不快感を除去するためには、浴用剤を使用してさら湯をより軟水化させて入浴することなどが有効である。
また、健常人向けにも、夏季などの入浴後の汗などによる不快感を防止するために、さっぱり感や清涼感を付与した浴用剤の製品開発も行われている。
【0003】
従来、トウキ、シャクヤク、センキュウ及び/又はジオウのそれぞれの抽出物を有効成分とする血流促進剤(特許文献1)、トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウの混合物の抽出物を有効成分とする血流促進剤(特許文献2)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−206513号公報
【特許文献2】特開2006−347898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、血流の亢進を抑制する製剤及びこのような製剤を含有する浴用剤は存在せず、高齢者や心臓、血管に持病を抱える人は入浴に制限をかけられる場合があり、健常人でも夏季にはシャワーを浴びるとしても、入浴を敬遠する者もいた。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するものであって、血流亢進抑制剤を提供することによって、例えば、入浴時における血流の上昇を抑制できるようにし、高齢者や循環器病患者に対しては、入浴中の身体的負担を軽減し、健康にも良い浴用剤を提供し、健常人に対しては、夏季の入浴後における汗などによる不快感を抑制し、湯上りにさっぱり感、爽快感が得られる浴用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の植物抽出物及びそれらの混合物を検討した結果、トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる3種の混合物が優れた血流亢進抑制作用を示すことを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる3種の混合物からなる血流亢進抑制剤である。
また、本発明の一実施形態によれば、トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウからなる群より選ばれる3種の植物の混合物の抽出物からなる血流亢進抑制剤が提供される。
また、本発明の他の実施形態によれば、前記選ばれた3種の混合物は、トウキ抽出液、シャクヤク抽出液、センキュウ抽出液及びジオウ抽出液からなる群より選ばれる3種の抽出液の混合物からなる。
また、本発明のさらに他の実施形態によれば、前記選ばれた3種の混合物は、トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウからなる群より選ばれる3種の植物の混合物の抽出液からなる。
また、本発明は、上記血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物、とりわけ、高齢者用浴用剤組成物、病院用浴用剤組成物、および夏季用浴用剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の血流亢進抑制剤は、長時間血流亢進抑制効果が継続するので、該血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物は、高齢者や循環器病患者に対しては、入浴しても血流を上昇させることなく、入浴中の身体的負担を軽減するので、高齢者の健康や病院用途に好適な浴用剤を提供することができる。また、健常人に対しては、夏季などの入浴による血流亢進を抑制するので、湯上り時に発汗による不快感が少なく、さっぱり感、爽快感が得られる夏季用の浴用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の血流亢進抑制剤は、トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる3種からなる混合物を有効成分として含有する。
トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物は、それぞれ、下記(1)〜(4)の植物から抽出することによって得られる。
(1)トウキAngelica acutiloba Kitagawa(セリ科)
(2)シャクヤクPaeonia lactiflora Pallas(ボタン科)
(3)センキュウCnidium officinale Makino(セリ科)
(4)ジオウRehmannia glutinosa Liboschitz var. purpurea Makino又は Rehmannia glutinosa Liboschitz(ゴマノハグサ科)
上記(1)〜(4)の植物には、それぞれの変種、同属種、その他近縁類も包含される。
【0010】
本発明で使用する抽出物は、上記(1)〜(4)の各植物の葉、茎、根、花、種子及び全草の何れから得られたものであってもよいが、上記(1)〜(4)の各植物を起源とする生薬を用いるのが好ましい。
【0011】
トウキ、センキュウは、生薬抽出エキス単品の効果として血流促進作用が報告されている。〔保田圭子、矢澤彩、池田寛子、中根孝久、會川義寛、佐竹元吉:日本薬学会第124年会要旨集−2、117(2004年)〕。
シャクヤクに含有される成分のひとつであるペオニフロリンは、犬の末梢血管を拡張し、血流量の増加を促進するとある。〔改訂版 汎用生薬便覧、637頁(緒方一義編、日本大衆薬工業協会発行、平成16年9月)〕。
ジオウは、ラットの皮膚血流量を増加し、収縮期及び拡張期血圧を降下させたと報告されている。〔松田秀秋:和漢医薬学雑誌、12巻250頁(1995年)〕。
これらの報告に基づけば、本発明により、トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる3種からなる混合物が血流亢進抑制作用を示したことは、全く予測できなかったことである。
【0012】
本発明で使用するトウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物は、上記(1)〜(4)の植物から適当な抽出溶媒を使用して抽出して濾過した抽出液であっても、該抽出液を適当な溶媒で希釈又は濃縮した溶液状であってもよく、また、該抽出液を乾燥したペースト状、ゲル状、粉末状の形態であってもよい。ここで使用する抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノールなどの低級アルコール、または1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール)などが挙げられ、これらの溶媒は、単独でまたは2種類以上の任意の混液として使用することができる。抽出に用いる溶媒の量は特に制限はないが、抽出対象の各植物又はその混合物に対し質量比で10〜100倍量が好ましい。
【0013】
抽出方法は特に制限されるものはないが、通常、上記(1)〜(4)の各植物を抽出溶媒に浸し、常温から、常圧下での溶媒の沸点までの温度範囲で保持すればよく、または、マイクロウェーブ抽出法、超臨界抽出法を用いてもよい。そして、抽出後、濾過すれば、抽出物を抽出液の形態で取得することができ、この抽出液はそのまま本発明の血流亢進抑制剤の原料として使用できる。また、この抽出液を、適当な濃度に希釈又は濃縮した溶液状の形態で本発明の血流亢進抑制剤の原料として使用してもよい。また、この抽出液を、必要に応じて、イオン交換樹脂等を用いて吸着精製してもよい。また、この抽出液を乾燥して、ペースト状、ゲル状、または粉末状の形態で本発明の血流亢進抑制剤の原料としてもよい。更に必要ならば、その効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色などの精製処理を加えてもよく、脱臭・脱色などの精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いることができ、抽出物質に一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えばよい。
【0014】
本発明で使用する3種の抽出物からなる混合物は、例えば、上記(1)〜(4)の植物の各々から個別に抽出した抽出液、すなわち、トウキ抽出液、シャクヤク抽出液、センキュウ抽出液及びジオウ抽出液からなる群より選ばれる3種の抽出液を混合して調製するか、または、上記(1)〜(4)の植物、すなわち、トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウからなる群より選ばれる3種の植物の混合物の抽出液として調製すると好都合である。
本発明で使用する3種の抽出物からなる混合物は、トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる2種の抽出物からなる混合物よりも血流亢進抑制効果がある。さらに、トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物の4種の抽出物からなる混合物は、血流促進作用を発揮するため、本発明と同様の効果は得られない。
【0015】
本発明で使用する3種の抽出物の配合量は、質量比で0.4〜10.0:0.4〜10.0:0.4〜10.0の割合とすることが好ましいが、その目的応じて適宜調整することができる。この配合量は、例えば、本発明の血流亢進抑制剤をトウキ、シャクヤクおよびセンキュウの混合物の抽出液として得る場合、トウキ:シャクヤク:センキュウを4:4:4の質量比で使用することによって達成できる。したがって、本発明においては、通常の配合量としてトウキ0.4〜10.0質量部(以下、「部」は「質量部」を意味する)、シャクヤク0.4〜10.0部、センキュウ0.4〜10.0部及びジオウ0.4〜10.0部が考えられ、さらに好ましくはトウキ1.6〜8.0部、シャクヤク1.6〜8.0部、センキュウ1.6〜8.0部及びジオウ1.6〜8.0部であり、最も好ましい配合量は、トウキ2.8〜6.0部、シャクヤク2.8〜6.0部、センキュウ2.8〜6.0部及びジオウ2.8〜6.0部である。
【0016】
本発明の血流亢進抑制剤は、浴用剤として浴湯に添加して使用するなど、外用剤として好適に使用することができる。したがって、本発明の血流亢進抑制剤は入浴剤として好適である。
本発明による浴用剤組成物は、本発明の血流亢進抑制剤の他に、例えば、下記に示すような化粧品類などで通常使用される基剤、添加剤等を併用して製造することができる。
【0017】
(1)各種油脂類:アボカド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、牛脂、豚脂又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)など。
【0018】
(2)ロウ類:ミツロウ、モクロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス、スクワレン、スクワラン、プリスタンなど。
【0019】
(3)鉱物油:流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなど。
【0020】
(4)脂肪酸類:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸などの合成脂肪酸。
【0021】
(5)アルコール類:エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの天然アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール。
【0022】
(6)多価アルコール類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトールなど。
【0023】
(7)エステル類:ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなど。
【0024】
(8)金属セッケン類:ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛など。
【0025】
(9)ガム質、糖類又は水溶性高分子化合物:アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイドなどのアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミンなど。
【0026】
(10)界面活性剤:アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤〔カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤〕、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)など。
【0027】
(11)各種ビタミン類 ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンUなど。
【0028】
(12)各種アミノ酸類:バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジンなどや、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体など。
【0029】
(13)植物又は動物系原料由来の種々の添加物:これらは、添加しようとする製品種別、形態に応じて常法的に行われる加工(例えば、粉砕、製粉、洗浄、加水分解、醗酵、精製、圧搾、抽出、分画、ろ過、乾燥、粉末化、造粒、溶解、滅菌、pH調整、脱臭、脱色などを任意に選択、組合わせた処理)を行い、各種の素材から任意に選択して供すればよい。
【0030】
なお、上記植物又は動物系原料の抽出を行う場合に用いる溶媒については、供する製品の使用目的、種類、或いは後に行う加工処理等を考慮した上で選択すればよいが、通常では、水、水溶性有機溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなど)の中から選ばれる1種もしくは2種以上の混液を用いるのが望ましい。但し、用途により有機溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用したり、あるいは抽出後に除去しやすいエタノールを採用し、単独又は水との任意の混液で用いたりすれば良く、又、搾取抽出したものでも良い。
【0031】
なお、前記植物又は動物系原料由来の添加物を使用する場合、皮膚や頭髪の保護をはじめ、保湿、感触・風合いの改善、柔軟性の付与、刺激の緩和、芳香によるストレスの緩和、細胞賦活(細胞老化防止)、炎症の抑制、肌質・髪質の改善、肌荒れ防止及びその改善、発毛、育毛、脱毛防止、光沢の付与、清浄効果、疲労の緩和、温浴効果などの美容的効果のほか、香付け、消臭、増粘、防腐、緩衝などの効果も期待できる。
【0032】
(14)香料:ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精油、アンゲリカ精油、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カナンガ精油、カラウェー精油、カルダモン精油、グアヤクウッド精油、クミン精油、黒文字精油、ケイ皮精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、コリアンダー精油、シソ精油、シダーウッド精油、シトロネラ精油、ジャスミン精油、ジンジャーグラス精油、杉精油、スペアミント精油、西洋ハッカ精油、大茴香精油、チュベローズ精油、丁字精油、橙花精油、冬緑精油、トルーバルサム精油、パチュリー精油、バラ精油、パルマローザ精油、桧精油、ヒバ精油、白檀精油、プチグレン精油、ベイ精油、ベチバー精油、ベルガモット精油、ペルーバルサム精油、ボアドローズ精油、芳樟精油、マンダリン精油、ユーカリ精油、ライム精油、ラベンダー精油、リナロエ精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油、和種ハッカ精油などの植物性香料など。合成香料成分としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系のカルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物など。合成香料のより具体的としては、例えば1996年化学工業日報社刊,印藤元一著(合成香料化学と商品知識)、1969年,ステファンアークタンダー(STEFFENARCTAMDER)著(パフューム アンド フレバー ケミカルス<Perfume and Flavor Chemicals>)等に記載された香料等が好適に使用できる。以下に主な香料等を示す。アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、ベータダマスコン、デルタダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オーランチオール、アセチルユゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオレフィン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セリストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、デルタC6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、ユゲノール、フルイテート、フェンキルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラキソリッド、ガンマC6〜C13ラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルルサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソユゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート等。
【0033】
更にこの他にも、これまでに知られている各原料素材、例えば、α−ヒドロキシ酸類、無機顔料、紫外線吸収剤、美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、メラニン色素分解物質、細胞賦活物質、収れん剤、活性酸素消去剤、抗酸化剤、過酸化脂質生成抑制剤、抗炎症剤、抗菌剤、保湿剤、エラスターゼ活性阻害剤、抗アンドロゲン剤、温感剤、冷感剤、色素、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質又はその分解物、動・植物性多糖類又はその分解物、動・植物性糖蛋白質又はその分解物、消炎剤・抗アレルギー剤、創傷治療剤、気泡・増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、酵素などと併用することができる。
【0034】
本発明の浴用剤組成物は、入浴時、浴湯に投じて使用するもので、液状、乳液状、ペースト状、ゲル状、パウダー状(粉末状)、顆粒状、ペレット状、スティック状、固形状等の何れの形態として提供されてもよい。
【0035】
本発明の浴用剤組成物が粉末、顆粒又は固形状である場合は、本発明の上記植物抽出液を乾燥せず、液状のままで吹きつけて乾燥することにより製造することも可能である。
【0036】
その他、本発明の浴用剤組成物は、衛生用品、ウエットタイプのティシュペーパー、不織布、紙タオル、コットンなどに含浸させた剤型とすることもできる。
【0037】
本発明の浴用剤組成物においては、血流亢進抑制剤の有効成分である上記3種の抽出物からなる混合物を、乾燥重量で通常0.001〜5質量%程度、好ましくは0.01〜1質量%程度含有していると使用性が良く、良好な効果が得られる。また本発明の浴用剤組成物は、本発明の血流亢進抑制剤を0.001〜99質量%含有することができ、好ましくは0.1〜30質量%含有していると使用性が良く、良好な結果が得られる。本発明の浴用剤組成物は、実際に使用するときの浴湯中における上記有効成分の濃度が0.00001〜0.01質量%、好ましくは0.0005〜0.005質量%程度となるように1回分使用量を設定するとよい。
【実施例】
【0038】
以下に製造例、試験例、処方例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
[実施例1](製造例1)
トウキ4g、シャクヤク4g、センキュウ4gを混合したものに対して、30%エタノール水溶液375mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、冷後これを濾過して抽出液を得、さらに30%エタノール水溶液で375mLとし茶褐色の抽出液を得た。
【0040】
[実施例2](製造例2)
トウキ4g、シャクヤク4g、ジオウ4gを混合したものに対して、30%エタノール水溶液375mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、冷後これを濾過して抽出液を得、さらに30%エタノール水溶液で375mLとし茶褐色の抽出液を得た。
【0041】
[実施例3](製造例3)
トウキ4g、センキュウ4g、ジオウ4gを混合したものに対して、30%エタノール水溶液375mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、冷後これを濾過して抽出液を得、さらに30%エタノール水溶液で375mLとし茶褐色の抽出液を得た。
【0042】
[実施例4](製造例4)
シャクヤク4g、センキュウ4g、ジオウ4gを混合したものに対して、30%エタノール水溶液375mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、冷後これを濾過して抽出液を得、さらに30%エタノール水溶液で375mLとし茶褐色の抽出液を得た。
【0043】
(製造例5)
トウキ4kg、シャクヤク3kg、センキュウ3kg、ジオウ4kgに対し、エタノール500Lを添加し、1晩浸漬抽出した。次いで、これを濾過して抽出液を得、さらに乾燥することにより、淡褐色の粉末状抽出物2.0kgを得た。
【0044】
(製造例6)
トウキ16gに対して、30%エタノール水溶液500mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、これを濾過して抽出液450mLを得た。
【0045】
(製造例7)
シャクヤク16gに対して、30%エタノール水溶液500mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、これを濾過して抽出液450mLを得た。
【0046】
(製造例8)
センキュウ16gに対して、30%エタノール水溶液500mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、これを濾過して抽出液450mLを得た。
【0047】
(製造例9)
ジオウ16gに対して、30%エタノール水溶液500mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、これを濾過して抽出液450mLを得た。
【0048】
(製造例10)
製造例6のトウキ抽出液、製造例7のシャクヤク抽出液、製造例8のセンキュウ抽出液をそれぞれ125mLずつ混合し、抽出液混合液375mLを得た。
【0049】
[比較例1](製造例11)
トウキ4g、シャクヤク4g、センキュウ4g、ジオウ4gを混合したものに対して、30%エタノール水溶液500mLを添加し、1時間還流抽出した。次いで、冷後これを濾過して抽出液を得、さらに30%エタノール水溶液で500mLとし茶褐色の抽出液を得た。
【0050】
本発明の血流亢進抑制剤である製造例1、製造例2、製造例3、製造例4を各々用いて、皮下血流量の変化を測定し血流亢進抑制効果を評価した。比較対照としては、比較例1の4種混合抽出液を用いた場合およびさら湯で同条件で測定した結果を用いた。
[試験例1]皮下血流量の測定
被験者は女性(20代)11名(いづれも健康体)を測定対象とした。被験者は室温25℃に保った部屋にて30分間安静にした後、センサー部を不織布テープ(幅12mm)で右前腕に固定し室温にて20分間皮下血流量を連続測定した。皮下血流量の測定にはレーザードップラー血流計(ALF21,ADVANCE,TOKYO)を用いた。測定データはPower Lab及びChart v5.0.1(AD Instrument,NAGOYA)を用いてデジタル化してパソコンに自動入力した。湯温は恒温攪拌機(TR−1 ,AS ONE,OSAKA)(吐出量10 L/min)を用いて38℃一定に保った。湯中に右前腕部を湯浴し、さら湯にて10分間皮下血流量を連続測定した。その後、製造例1、製造例2、製造例3又は製造例4の血流亢進抑制剤0.50mLを湯中に投入溶解し、さらに30分間そのまま湯浴を続けた。出浴後室温にて30分間安静を保った後実験を終了した。皮下血流量は入室30分後から実験終了時まで連続測定した。血流亢進抑制剤投入後30分間の測定結果を図1に示す。
【0051】
図1から明らかな様に、皮下血流量は、本発明の血流亢進抑制剤を添加した場合と、比較例1の4種混合抽出液を添加した場合及びさら湯での測定結果を比較すると、投入直後から、徐々に差が見え始め、10分後、20分後、30分後には明らかな差となって現れている。以上の結果より、本発明の血流亢進抑制剤は優れた血流亢進抑制効果を持つことが判った。
【0052】
各種浴用剤組成物の製造
本発明による各種浴用剤組成物を製造した。以下にその処方例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。処方例は全て質量部で示した。本発明の血流亢進抑制剤は全て製造例1で製造したものを用いた。
【0053】
[実施例5]
処方例1にしたがい、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムに、香料などを添加し混合した浴用剤基剤を用意し、本発明の血流亢進抑制剤を2.0%配合し、本発明の浴用剤組成物aとした。
【0054】
処方例1(浴用剤組成物a)
硫酸ナトリウム 48.0
炭酸水素ナトリウム 48.0
香料 2.0
本発明の血流亢進抑制剤 2.0
合計 100.0
【0055】
[実施例6]
処方例2にしたがい、界面活性剤に流動パラフィン、ホホバ油、防腐剤などの油性成分を配合し、約60℃にて溶解させたものを用意した。これに香料、精製水などを添加し、本発明の血流亢進抑制剤を2.0%配合し、本発明の浴用剤組成物bとした。
【0056】
処方例2(浴用剤組成物b)
ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル 10.0
流動パラフィン 80.0
ホホバ油 5.0
防腐剤 0.2
香料 1.8
本発明の血流亢進抑制剤 2.0
精製水 1.0
合計 100.0
【0057】
[実施例7]
処方例3にしたがい、精製水に1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの保湿剤、防腐剤、香料などを溶解したエチルアルコールとを室温にて混合した浴用剤基剤に、本発明の血流亢進抑制剤を10%配合し、本発明の浴用剤組成物を調製した。
【0058】
処方例3(浴用剤組成物c)
1,3−ブチレングリコール 3.0
グリセリン 20.0
ポリオキシエチレン硬化ひまし油 2.2
エチルアルコール 9.0
防腐剤 0.1
香料 1.0
本発明の血流亢進抑制剤 10.0
精製水 54.7
合計 100.0
【0059】
各種浴用剤組成物の使用試験
(1)実施要領
各実施例で製造した浴用剤組成物a、浴用剤組成物b、浴用剤組成物cを試験品(A)とし、男女パネラー(全16名)による使用試験を実施した。比較品(B)として各浴用剤組成物の処方中、本発明の血流亢進抑制剤を除いたものを準備し、試験開始後1カ月間は試験品(A)を、次いで翌1カ月間は比較品(B)を下記条件で使用してもらいアンケートによる回答を求めた。
【0060】
(2)使用条件
実施例5の浴用剤組成物a:浴湯約200Lに40g投じ入浴(1回/日)。
実施例6の浴用剤組成物b:浴湯約200Lに30g投じ入浴(1回/日)。
実施例7の浴用剤組成物c:浴湯約200Lに40g投じ入浴(1回/日)。
【0061】
(3)アンケート結果
アンケートによる回答結果を表1に示す。表1のアンケート項目中、「入浴直後の刺激感」、「入浴中ののぼせ感」、「出浴後のほてり感」の3項は弱い方が良好、「湯あがりの爽快感」、「保湿感の持続性」の2項は強い方が良好と感じた人が多く、全項目を通して本発明の血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物の方が好ましいという結果が得られた。
【0062】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の血流亢進抑制剤は長時間血流亢進抑制効果が継続し、該血流亢進抑制剤を含有する浴用剤組成物は、高齢者や循環器病患者に対しては、入浴しても血流を上昇させることなく入浴中の身体的負担が軽減される高齢者用浴用剤または病院用浴用剤、また、夏季の汗などによる不快感を持つ人に対しては、入浴による血流亢進を抑制するので、湯上りに発汗が少なくさっぱり感、爽快感を付与した夏季用浴用剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】試験例1で測定した本発明の血流亢進抑制剤投入後の皮下血流量の経時変化の結果を比較対照とともに示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トウキ抽出物、シャクヤク抽出物、センキュウ抽出物及びジオウ抽出物からなる群より選ばれる3種の混合物からなる血流亢進抑制剤。
【請求項2】
前記選ばれた3種の抽出物を質量比で0.4〜10.0:0.4〜10.0:0.4〜10.0の割合で含有する請求項1に記載の血流亢進抑制剤。
【請求項3】
トウキ抽出液、シャクヤク抽出液、センキュウ抽出液及びジオウ抽出液からなる群より選ばれる3種の抽出液の混合物からなる請求項1または2に記載の血流亢進抑制剤。
【請求項4】
トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウからなる群より選ばれる3種の植物の混合物の抽出物からなる血流亢進抑制剤。
【請求項5】
前記選ばれた3種の植物を質量比で0.4〜10.0:0.4〜10.0:0.4〜10.0の割合で混合した混合物の抽出物からなる請求項4に記載の血流亢進抑制剤。
【請求項6】
トウキ、シャクヤク、センキュウ及びジオウからなる群より選ばれる3種の植物の混合物の抽出液からなる請求項4または5に記載の血流亢進抑制剤。
【請求項7】
前記抽出液は、水、アルコール類又はそれらの混合物を抽出溶媒として含有する抽出液である請求項3又は6記載の血流亢進抑制剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の血流亢進抑制剤を含有することを特徴とする浴用剤組成物。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の血流亢進抑制剤を含有することを特徴とする高齢者用浴用剤組成物。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかの項に記載の血流促進抑制剤を含有することを特徴とする病院用浴用剤組成物。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれかの項に記載の血流促進抑制剤を含有することを特徴とする夏季用浴用剤組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2009−51794(P2009−51794A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222335(P2007−222335)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【Fターム(参考)】