説明

血液分析のための装置及び方法

本発明は、血管上での血液分析のための、特には分光分析装置のような分析装置に関するものである。目標領域を励起するために、励起システム(exs)が励起ビームを放出する。該目標領域からの散乱放射を検出及び分析するために、検出システム(dsy)が設けられている。所定血球量より少ない赤血球の量を含む、及び/又は所定直径値より小さな直径を有するような毛細管内の血液からの散乱放射のみが分析される如くに領域が選択又は予め決定される。この様にして、全血液又は大量の血球に対する分析とは対照的に、赤血球によるラマン光の再吸収及び散乱が少なくなる。更に、赤血球の妨害無しに血漿内で直接測定する可能性が得られ、これにより一層高い信号対雑音比が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液分析のための特には分光分析装置のような分析装置、及び対応する分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、分光分析装置のような分析装置は、検査されるべき物体の組成を調査するために使用される。特に、分析装置は、物体の物質と可視光又は赤外若しくは紫外線のような入射電磁放射との間の相互作用に基づく分光分解の如き分析法を利用する。
【0003】
励起システム及び観察システムを有する分光分析装置は国際特許出願公開第WO02/057759号から既知であり、該文献は参照により本明細書に組み込まれるものとする。上記励起システムは励起期間の間に目標領域を励起するために励起ビームを放出する。上記観察システムは、観察期間の間に上記目標領域を画像化するために観察ビームを放出する。上記励起期間及び観察期間は、略重なり合う。従って、目標領域は励起と一緒に画像化され、目標領域及び励起領域の両者を表示する画像が形成される。このような画像に基づけば、励起ビームは目標領域に非常に正確に狙いを定めることができる。
【0004】
国際特許出願公開第WO96/29925号は、診断を補助するために、ラマン分光法を用いて血液及び組織内の選択された分析対象を測定する装置及び方法を開示している。更に詳細には、血液中の溶解ガスの濃度及び他の関心分析対象を測定するためにラマンスペクトルが収集され分析される。測定は、生体内経皮吸収(in vivo transdermal)及び連続観察並びに生体外(in vitro)血液分析を含む。更に、検出されたラマン信号の量を増加させるための複合放物面集光器(compound parabolic concentrator)が開示されている。
【0005】
全血液のラマンスペクトルの分析で遭遇する問題点は、当該信号がヘモグロビンの量に殆ど完全に依存する点にある。他の分析対象の信号貢献度は、数パーセント又はそれ以下に限られ、従って非常に大きな背景信号に対して測定されることになり、これもヘモグロビンの酸素化に伴い大きく変化する。更に、通常、血漿における分析対象の濃度値も関心のあるパラメータであるが、ラマン分光法は細胞内に局所化される分析対象と細胞外に局所化される分析対象とを区別することがない。通常の生理学的状況下では、血液体積の約35〜50%が赤血球により占められる。更に、塊状試料のラマンスペクトルを測定する場合、信号収集効率は赤血球による多重の光散乱により(結果として、測定体積が余り良好に規定されなくなる)、並びに励起及びラマン散乱光の吸収により影響されるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、検査されるべき物体に含まれる目標を一層高信頼度で分析する分析装置及び対応する分析方法であって、特に上述した問題点を防止し、より良好な信号対背景比(signal-to-background ratio)を有し、既知の分析装置により提供されるものよりも、ヘモグロビンとは別の他の分析対象の一層高い信号貢献度を有するような信号を提供するような装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば請求項1に記載したような分析装置であって、
− 励起ビームを放出して目標領域を励起する励起システムと、
− 前記励起ビームにより発生される前記目標領域からの散乱放射を検出すると共に、該散乱放射を分析する検出システムと、
を有し、所定の血球量より少ない赤血球の量を含む及び/又は所定の直径値より小さな直径を有する毛細管内の血液からの散乱放射のみが分析されるような分析装置により達成される。
【0008】
更に、上記目的は請求項18に記載したような対応する分析方法によっても解決される。
【0009】
本発明は、表皮接合部の直下の皮膚内の毛細血管のような小さな血管に対する、及び/又は少量の赤血球を有する血管に対する分光分析が、全血液に対する、大きな血管内の又は大量の血球に対する分析よりも特有の利点を有するという考えに基づくものである。1つの分析オプションは、小さな毛細血管又は少量の赤血球を有する血管のみが存在するような選択された血管領域からの散乱放射のみが検出され分析されるというものである。追加的に又は代替的に使用することができる他の分析オプションは、上部真皮(upper dermis)のような、小さな毛細血管又は少ない赤血球の量を有する血管のみが存在するような選択された血管領域又は他の予め決定された領域のみを励起するというものである。
【0010】
毛細血管においては大きな血管におけるよりもヘマトクリット(赤血球容積率:haematocrit)が著しく低いことがわかっているので、本発明により上述した問題が改善される。血漿対赤血球量の比は改善され、血球は小さな毛細血管内を1つずつ通過するので多重散乱効果は出現せず、赤血球が通過する際には血漿信号が得られないので自己吸収も出現しない。更に、より少ない赤血球により相対的に一層多くの血漿が存在する(これが比を増加させる)ので、信号対背景比の増加が達成され得る。
【0011】
更なる利点は、本発明を毛細管内の血液の組成を生体内で及び生体外(試験管内)で検査するために有利に使用することができる点にある。当該分析は血漿に対して赤血球からの妨害無しに直接実行することができ、かくして、信号対雑音比が向上する。これは、基本的に、当該検出体積が血漿により占められる期間において信号を検出する可能性を可能にし、赤血球が検出体積内にある期間の間においては検出又は励起は停止又は阻止することができる可能性を可能にする。更に、血漿に対する該分析は、血液に対する生体外分析(これも赤血球無しの血漿に対して実行される)に良く匹敵する。
【0012】
小さな血管内の血球自体からの光散乱(これは全血液分析において問題となる)は限られたものとなる。更に又、再吸収は全血液分析において問題となるが、小さな寸法故に、誘起されたラマン光からの再吸収も限られたものとなる。本発明によれば、異なるヘマトクリットに対して分析を補正する必要はなく、これは分析を一層高速且つ容易にさせる。例えば、1.46mm−1の吸収係数に対して920nmにおける吸収長は約700μmである。これは、10〜15μm径の毛細管においては、毛細管内で測定する場合再吸収は無視することができることを意味する。
【0013】
他の利点は、当該分析が赤血球におけるヘモグロビンの異なる酸素化に対して補正する必要がない点にあり、これは分析を一層高速に且つ容易にさせる。血漿内に溶解した酸素は極僅かな割合(血液内全酸素の〜4%)に過ぎない。
【0014】
本発明によれば、励起ビームの共焦点体積を、大開口数対物レンズ及び近赤外線(NIR)範囲内の波長を用いて小さな毛細血管の寸法に容易に適合させることができる。
【0015】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項に記載されている。生体内分析のための好ましい実施例が請求項2に記載され、該実施例は、
− 観察ビームを放出して目標領域を画像化する観察システムと、
− 上記目標領域の画像を処理すると共に、該画像内の所定血球量より少ない赤血球の量を含む、及び/又は所定直径値より小さな直径を持つ毛細血管又は血管部分を示すような血管領域を選択する画像処理ユニットと、
− 上記の選択された血管領域からの散乱放射のみを分析するように前記検出システムを制御し、及び/又は上記選択された血管領域又は予め決定された領域のみを励起するように前記励起システムを制御する制御ユニットと、
を更に有する。
【0016】
上記画像処理ユニットの好ましい実施例は、請求項6ないし8に記載されている。上記画像における小さな血管を示す血管領域のみを選択するために、光学血管追跡手段が設けられる。
【0017】
少ない赤血球量を有する血管又は血管部分の選択のために、当該画像内のコントラストを、例えばOPSI(直交偏光スペクトル画像化)画像から利用することができる。血液が存在する場合、血液により吸収される光の使用により、当該画像における血管を囲む皮膚を表すような明るい部分に対して暗いコントラストが得られる。赤血球が存在しない場合は、コントラストが存在しない。赤血球が存在する場合は、これら血球はコントラストが存在するので視覚化することができる。個々の血球を見ることができるように、画像は短時間内に収集することが好ましい。しかしながら、収集されたデータを或る時間にわたり積分し、該積分されたデータから画像を発生することも可能である。
【0018】
好ましくは、例えば血漿においてのみ分析するために、血漿信号の貢献度を向上させる手段及び/又は血漿成分を選択的に分析するための選択手段が設けられる。
【0019】
他の実施例によれば、例えば膨張可能なクッションのような、特には圧力絞りにより血流を停止又は低速化する手段が、血管に対する外部圧力を制御するために設けられる。これは、毛細管中の血球の量を制御し、血管を部分的に血球が存在せず且つ部分的に血球が存在するようにするのを可能にする。
【0020】
前記制御ユニットの好ましい実施例が請求項9に記載されている。この様にして、前記励起システムは所定の領域のみを励起するように制御される。例えば、上側真皮において、当該画像化技術の侵入深度(penetration depth)は300μm未満である。
【0021】
当該分析装置の生体外分析用の実施例は請求項11に記載され、該実施例は分析されるべき血液を格納する毛細管キャリアを有するような試料保持システムを更に有している。該分析装置の好ましい実施例は請求項12及び請求項13に記載されている。この生体外分析装置は、少量の血液しか必要とせず、全血液における散乱問題を低減し、再吸収問題を低減し、高いスループットを有する。
【0022】
好ましくは、本発明によれば、15μm未満の、特には10μm未満の直径値を持つ毛細管が使用される。小さな血管の典型的な直径は、5ないし10μmの範囲内にある。赤血球の通常の寸法は、直径が7μmであり、厚さが2〜3μmである。
【0023】
更に、好ましい実施例によれば、血液は0.4より低いヘマトクリット値を持つような赤血球量で分析される。ヘマトクリット値は、総血液体積に対する赤血球により占められる体積と定義される。毛細管におけるヘマトクリットは、大きな血管(0.35〜0.5の範囲のヘマトクリットを有する)におけるよりも著しく低い(特に、0.35より低い)ので、これは、血管領域の選択のための適切な規準となる。ヘマトクリット0.35の場合の赤血球の量は、リットル当たり約3.5・1012の赤血球となることに注意すべきである。
【0024】
ラマン信号分析を起動するための幾つかの方法がある。一実施例によれば、小さな(毛細管)血管の少なくとも一部を含む関心領域において、流れる血球の速度及び方向を分析することができる。斯かる血球の速度及び距離から、斯かる血球がラマン測定点(これは、例えば、当該赤血球の長さの中間であり得る)に無い場合には信号を収集する一方、そこに赤血球が存在する場合は信号を収集しないように当該ラマン検出システムに対してトリガ(起動信号)を供給することができる。このようにして、該検出システムは効率的に制御することができる。
【0025】
制御ユニットによる起動を使用することにより生体内及び血漿内で測定することによって、更なる利点を達成することができる。例えば、全血液からコレステロールを決定することには問題がある。コレステロールの40%は細胞膜内に留まるので、全血液内で又は血漿内で測定すると、異なる濃度が結果として得られる。更に、当該測定は、血球(cells)が1つずつ流れない限り全血液に対して実行することができないような生体外基準測定に直接匹敵され得るものである。
【0026】
他の実施例によれば、(弾性的に)散乱される放射の強度を利用することができる。この強度は、測定位置に血球が存在する場合には高く、血球がラマン測定位置に無い場合には低い。このようにして、ここでも、当該検出システムは上記強度情報の使用により効率的に制御することができる。
【0027】
目標領域が励起される励起期間及び目標領域が観察ビームにより画像化される観察期間は、国際特許出願公開第WO02/057759号に記載されているように、特に前記検出システムの制御のために散乱放射から取り出された強度情報を用いる実施例においては略重なり合うのが更に有利である。
【0028】
本発明による分析装置は、2レーザ型の又は1レーザ型の装置とすることができる。2レーザ型装置においては、一方のレーザが励起ビームを生成するために使用され、別のレーザは観察ビームを放出するために使用される。1レーザ型の実施例においては、放射源(即ち、レーザ)により発生されたオリジナルの出力ビームは、好ましくは、適切な光学分離手段により観察ビームと励起ビームとに分割される。更に、好ましくは1つ又は2つの光源(例えば、異なる色の2つのLED、又は1つの白色光源)を有するOPSI(直交偏光スペクトル画像化)装置を、国際特許出願公開第WO02/057759号に記載されているように観察システムに使用することができる。
【0029】
観察システムに対する他の好適なオプションは、例えば、光学コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)装置、光学ドプラ・トモグラフィ(ODT)装置、光音響画像化(PAI)装置、又は多光子顕微鏡(MPM)装置である。特に、OCT、ODT及びPAI装置は、皮膚表面下数ミリメートルまで深く位置する血管又は他の目標領域を観察する場合に良好な結果を提供する。共焦点画像化と一緒のMPM装置は、高解像度を提供し、3〜5μmの細部を良好に見えるようにさせる。MPM装置は、0.25mmまでの深さにおける細部を画像化するのに更に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明による分析システムの概念図である。該分析システムは、検査されるべき物体(obj)の光学画像を形成するための光学画像化システム(lso)を備える光源(ls)を組み込んだ観察システムを含んでいる。該光学画像化システム(lso)は、共焦点ビデオ顕微鏡を形成している。本例において、上記物体は検査されるべき患者の前腕の皮膚の一部である。当該分析システムは、多光子又は非線形光学過程により上記物体に発生される光の分光分析のための多光子、非線形又は弾性若しくは非弾性散乱光学検出システム(ods)も含んでいる。図1に示す例は、特に、ラマン分光装置の形態の非弾性ラマン散乱検出システム(dsy)を利用する。光学なる用語は、可視光のみならず、紫外放射及び赤外(特には近赤外)放射も含むものである。
【0032】
光源(ls)は834nmのAlGaAs半導体レーザにより形成され、該レーザの検査されるべき物体(即ち、皮膚)上の出力パワーは15mWに達する。該834nm半導体レーザの赤外線観察ビーム(irb)は、出口焦点(exit focus)において、上記光学画像化システムにより上記物体(obj)内の又は上の焦点面に収束される。当該光学画像化システムは、偏光ビームスプリッタ(bps)、回転反射多面体(pgn)、レンズ(11,12)、走査ミラー(sm)及び顕微鏡対物レンズ(mo)を含んでいる。収束された観測ビーム(irb)は、上記多面体(pgn)を回転させると共に上記走査ミラー(sm)をずらすことにより上記焦点面を横切って移動される。半導体レーザ(ls)の出口ファセットは、入口焦点(entrance focus)に位置する。該半導体レーザ(ls)は、上記入口焦点における入射ピンホールを照明することもできる。当該光学画像化システムは、上記焦点面から戻りビームとして反射された光を、偏光ビームスプリッタ(pbs)を介してアバランシェ・フォトダイオード(apd)に導く。更に、前記顕微鏡対物レンズ(mo)はλ/4プレートにより先行され、かくして、上記戻りビームの偏光は観察ビームの偏光とは垂直になる。このように、偏光ビームスプリッタ(pbs)は上記戻りビームを観察ビームから分離する。
【0033】
光学表示ユニット(opd)は上記アバランシェ・フォトダイオード(apd)の出力信号を使用して、検査されるべき物体内の又は上の焦点面の画像(img)を形成し、該画像はモニタ上に表示される。実際には、上記光学表示ユニットはワークステーションであり、上記画像は該ワークステーションのプロセッサにより上記アバランシェ・フォトダイオード(apd)の出力信号から電子ビデオ信号を導出することにより実現される。この画像は、分光検査を監視するために、特には目標領域を、励起領域が目標領域に入り且つ該目標領域から散乱放射を入力するように励起するために使用される。
【0034】
ラマン分光装置は励起システム(exs)を含み、該励起システムは、この場合、850nm(又は785nm又は810nm)の赤外線ビーム(exb)の形態の励起ビームを生成するアルゴンイオン(Ar-ion)/チタンサファイヤ(Ti-sapphire)レーザとして構成される。チタンサファイヤレーザはアルゴンイオンレーザにより光学的にポンピングされる。アルゴンイオンレーザの光は、光学フィルタ(of)により抑圧される。ミラー系が上記励起ビームを光学結合ユニット(oc)に導く一方、該光学結合ユニットは上記励起ビームを前記観察ビーム(irb)に沿って導き、その後、前記顕微鏡対物レンズが該ビームを前記観察ビームの焦点の領域において焦点面に収束させる。上記光学結合ユニット(oc)はビーム合成ユニットを形成する。該光学結合ユニットは上記励起ビームを上記顕微鏡対物レンズの光学的主軸に沿って、即ち前記観察ビームと同一の光学経路に沿って導く。
【0035】
ラマン散乱光は、光学結合ユニット(oc)によりファイバ(fbr)の入口部に反射される。該ラマン散乱赤外光は、顕微鏡対物レンズ(mo)及びファイバ入口部(fbr−i)の前のレンズ(13)により上記ファイバ入口部上で検出ピンホールに収束される。上記ファイバ入口部自身が、検出ピンホールとして作用する。当該光学画像化システムは、半導体レーザ(ls)が存在する入口焦点と、検査されるべき物体(obj)の細部の領域における出口焦点と、ファイバ入口部(fbr−i)における検出焦点との間の共焦点的関係を確立する。ファイバ(fbr)は、CCD検出器(CCD)を備える分光計(spm)の入力部に接続される。CCD検出器を備える該分光計は検出器システム(dsy)内に組み込まれており、該検出器システムが約1050nmより短い波長に関してラマンスペクトルを記録する。CCD検出器を備える該分光計の出力信号は、前記ラマン散乱赤外光のラマンスペクトルを表す。実際には、このラマンスペクトルは860nmを超える波長範囲において発生する。上記CCD検出器の信号出力部は例えばワークステーション等のスペクトル表示ユニット(spd)に接続され、該ワークステーションは記録されたラマンスペクトル(spct)をモニタ上に表示する。
【0036】
実際には、上記光学表示ユニット及びスペクトル表示ユニットの機能は、同一のワークステーションにより実行することができる。例えば、光学画像及びラマンスペクトルの同時的表示のために、当該モニタにおける表示スクリーンの別の部分(ウインドウ)が使用される。斯かる分析装置一般の更なる詳細及び斯かる装置の機能に関しては、前述した国際特許出願公開第WO02/057759号を参照されたい。
【0037】
本発明によれば制御ユニット(ctrl)が設けられ、該制御ユニットは検出システム(dsy)及び/又は励起システム(exs)を、選択された血管領域からの散乱放射のみが分析され、及び/又は選択された血管領域若しくは予め決定された領域のみが励起されるように制御する。制御ユニット(ctrl)は、好ましくは、当該画像(画像化)において、選択された血管領域のみが選ばれるような画像処理ユニット(opd)により起動される。上記の選択された血管領域は、これらが、例えば15μmより小さな(10μmよりさえも小さな)直径を持つような、所定の直径値より小さな直径を持つ血管又は血管部分のみを制するように選ばれる。血管領域を選択する他の評価規準は赤血球の量であり、該赤血球の量は、例えばヘマトクリット値0.35より小さい(大きな血管は0.35より大きなヘマトクリット値を有するからである)等のように、所定の血球量より少なくなければならない。これらの選択規準は、入力ユニット(ip)により設定することができ、例えばメモリに記憶するか又はユーザにより入力することができる。
【0038】
上記制御ユニットによる起動を用いることにより生体内で且つ血漿内で測定することによって、更なる利点を達成することができる。例えば、全血液からのコレステロールの決定には問題がある。コレステロールの40%は細胞膜中に残存するので、全血液内で又は血漿内で測定すると異なった濃度が結果として得られる。このように、全血液におけるコレステロールの決定は、40%が細胞内に留まると共に、斯かる測定が、細胞が1つずつ流れない限り全血液に対しては実行することができないような生体外基準測定に直接匹敵され得るようなものであるという事実により、問題となる。
【0039】
好ましくは、当該生体内分析は、血漿信号の貢献度を改善するのを、及び/又は血漿成分を選択的に(即ち、血漿内でのみ)分析するのを更に可能とされる。更に、トリガユニット(tr)により、時間分解(time-resolved)励起又は検出を予見することもできる。更に又、血球の無いスポットの選択部分を測定するのを可能にすべく、例えば圧力絞り等により、血流を停止又は低速化する手段を設けることもできる。
【0040】
更に、付加的に又は代替的に、励起システム(exs)により励起されるべき領域は、例えば入力ユニット(ip)において入力される又はそこに記憶されることにより、予め決定することもできる。毛細血管は一般的に人体の全皮膚上の種々の位置で見付けることができ、これら位置において毛細血管は異なる寸法、形状及び皮膚内の深さ位置を有する。良好な候補位置は、舌の下、口内の内側唇、頬の内側、鼻、耳たぶ、こめかみの近傍、目の下、上腕の内側、前腕の手のひら側(volar aspect)、足首の下の足、手、指の爪の下(nail bed)、指先又は手の背側である。これらの領域の1以上は予め決定することができるので、制御ユニット(ctrl)は前記励起システムを、斯かる予め決められた領域のみが励起されるように制御する。
【0041】
本発明により、組成の局部的分析、特には非侵襲的血液分析を採用することができるが、小さな毛細管を介しての試験管内、即ち生体外血液分析も可能である。
【0042】
血流を停止又は低速化するために、患者の前腕を圧力で絞るための膨張可能なスリーブ(sl)が設けられ、圧力計(pm)及び圧力制御ユニット(pcm)に接続される。これは、毛細血管内の血球の量を制御することを可能にすると共に、部分的に血球が存在せず及び部分的に血球が存在するような血管を提供することを可能にする。
【0043】
図1は2つのレーザを有する分析装置の一実施例を示すが、図2は光分離システムを含むような本発明による分析装置の実施例を概念的に示している。λのレーザは、共焦点画像化に使用されると同時にラマン励起にも使用される放射源を形成する。当該ビームは、(例えば20/80%)ビームスプリッタ(BS1)によって形成される光分離システム(sep)により、2つに分割される。一部は共焦点画像化に使用され、他方の部分はラマン励起に使用される。観察ビームは偏光ビームスプリッタ(PBS)により直線偏光される。共焦点ビデオ顕微鏡における走査ビーム経路は、画像を形成するためにΘ-φミラーによりx−y面内で偏向される。レンズL1及びL2はビーム拡張のために使用され、L2はΘ-φミラーの中心部を顕微鏡対物レンズ(mo)の入射瞳上に結像させるために使用される。このようにして、Θ-φミラーから反射されたレーザ光は、当該Θ-φミラーの実際のΘ-φ位置に関係なく常に同じ位置で上記対物レンズに入射する。
【0044】
直線偏光された観察(λ)ビームは、四分の一波長板λ/4により円偏光された光に変換される。ラマン励起ビームはハイパスフィルタ(HPF)において反射され、ミラー(M1,M2)及び反射ビームスプリッタ(BS2)を介して前記対物レンズに向けられる。戻り経路上では、上記対物レンズからの反射光は再び直線偏光光に変換されるが、入射ビームの偏向方向に対して90度の向きだけずらされる。反射ビームスプリッタ(BS2)を介して透過された光(部分的に観察ビームであり、部分的に弾性的に散乱されたラマン光である)は、次いで、当該画像及び該画像内のラマンスポットを形成するために偏向ビームスプリッタ(PBS)によりAPD検出器に向かって偏向される。前記対物レンズからの弾性的に又は非弾性的に散乱されたラマン光はBS2において反射される。非弾性的に散乱されたラマン光(λ)は、ハイパスフィルタHPFを介して透過され、ラマン検出経路に向けられる。ビームスプリッタ(BS2)は、スポット反射器により置換することができる。
【0045】
図1に示した実施例に関して前述したように、検出システム(dsy)及び/又は励起システム(exs)を画像化システム(opd)及び/又は入力ユニット(ip)から入力される情報に基づいて前述したような態様で制御するために、制御ユニット(ctrl)及び入力ユニット(ip)が設けられる。
【0046】
以下においては、図3ないし6に示された本発明による生体外分析装置を説明する。この装置は、特には血液等の、小容積の液体及び懸濁液(以下、試料と呼ぶ)におけるラマンスペクトルを測定するように設計されている。該装置は、高吸収度及び/又は濁度を持つ試料に特に適している。特にラマン散乱光等の散乱光の自己吸収及び入射レーザ光の吸収の影響は、ラマン信号が収集される体積を当該試料の表面において数立方マイクロメートルに低減することにより最少化される。一方、全試料体積は、当該試料をラマン信号が収集される体積を経て移動させることにより増加される。このように、自己吸収は散乱光の短い光学経路長により最少化される一方、試料体積は当該試料を走査することにより増加される。エネルギは大きな試料体積に投入され、これにより、入射レーザ光の吸収による当該試料の起こり得る加熱を最少化する。斯かる加熱は当該試料の光散乱特性の不所望な変化を発生させ得る。また、大きな試料体積は、例えば血液等の不均一な試料から代表的ラマン信号が得られるのを保証する。
【0047】
当該装置が図3にブロック図として示されている。該装置は、試料ハンドリング装置(100)と、ラマン励起源(200)と、分光分析器(400)と、レーザビームを整形し並びに/又は該ビームのスペクトル特性を調整し並びに/又は該ビームの偏光パラメータ及びラマン散乱光を調整する光学系(300)とを有する。
【0048】
好ましくはレーザ、そして血液分析の場合には好ましくは600nmより長い波長で光を発するレーザ(典型的にはアルゴンイオンレーザ(コヒーレント)によりポンピングされるチタン・サファイヤレーザ(コヒーレント)が使用され、785nmの波長で連続レーザ光を発する)であるようなラマン励起源(200)からの出力は、誘電体帯域通過フィルタ(340)によりフィルタ処理される。該フィルタは、当該レーザ光の波長の周辺の狭い波長領域内の光のみを透過し、当該レーザ波長より長い波長(好ましくは、当該レーザ波長より5nmを超えて長い波長)を効果的に阻止する。レーザ(200)からの直線偏光されたレーザビームは、波長板(330)を使用して円偏光されたビームに変化される。直線偏光光の代わりに円偏光光を使用することは、ラマン構成の通常は偏光に依存する信号検出効率の測定信号に対する影響が最少化されるという利点を有している。
【0049】
レーザ(200)からのレーザビームは、ミラー(390)及び誘電体フィルタ(310)により顕微鏡対物レンズ(380)に向けられる。上記誘電体フィルタは、当該レーザ光は効率的に反射するが、当該レーザ波長より長い波長において、好ましくは該レーザ光より5nm長い波長から始まる波長において効率的に光を透過する。顕微鏡対物レンズ(380)は上記レーザ光を、調査されるべき試料を含む試料保持装置(100)の毛細管に収束させる。該顕微鏡対物レンズ(380)を該対物レンズの光軸に沿って平行移動させることにより、毛細管内の焦点の位置を変化させることができる。
【0050】
戻り散乱光は顕微鏡対物レンズ(380)により収集され、コリメートされる。該コリメートされた光はローパスフィルタ(310)に入射する。戻り散乱レーザ光及びレイリー散乱光が主に反射され、赤側にずらされた(赤方偏移された)ラマン散乱光は透過される。該ラマン光は、レーザ及びレイリー散乱光を更に抑圧するために、高反射性ミラー(320)により、好ましくは約6の光学濃度を持つホログラフィックノッチフィルタ(350)に向かって偏向(ステアリング)される。該ノッチフィルタ(350)を通過したラマン光は、レンズ(360)により光ファイバ(370)のコア上に収束される。このファイバは上記ラマン光を、分光分析のために、特にはマルチチャンネル光学分光計のような分光分析計(400)に導入する。該光ファイバのコアは、測定体積を制限する手段として用いられる。同様のことは、上記ラマン散乱光を当該分光計の入口部を形成する小さな開口に収束させることによっても達成することができる。
【0051】
試料保持装置(100)の一実施例が図4に示され、該装置において使用される毛細管ホルダ(140)の一実施例が図5に示されている。毛細管(145)は光学面と直交する垂直位置合わせ(141)及び水平位置合わせ(142)のための設定ネジ(141,142)を備える毛細管ホルダ(140)内に配置される。この場合、上記毛細管が顕微鏡対物レンズの光軸に対し水平及び垂直に移動された場合に、レーザ焦点は当該毛細管内に留まるようになっている。上記毛細管(145)は、交換可能に又は永久的に取り付けることができる。
【0052】
毛細管ホルダ(140)は、圧電摩擦モータ(112)により駆動される平行移動段(110)上に配置される。この段(110)は、端部スイッチ(122)により設定される2つの端点間で前後に移動する。端部スイッチ(122)からの信号は、制御電子回路(120)によりモータの方向に変換される。モータの速度も、該制御電子回路(120)により設定される。
【0053】
毛細管(145)は、顕微鏡対物レンズ(380)の光軸が毛細管(145)の側面(side)に垂直となるように配置される。毛細管(145)は毛細管ホルダ(140)に取り付けられて、顕微鏡対物レンズ(380)の焦点が毛細管(145)内に入るような最適な位置決めを可能にし、且つ、該顕微鏡対物レンズ(380)の焦点を当該毛細管(145)内に維持しながら該毛細管(145)の長軸に沿った前後の連続的平行移動を可能にする。
【0054】
小さな血液試料(<200μl;現在のところチューブ径により制限されて、毛細管容積=12.5μl;50μmの毛細管の直径は、12.5nlの毛細管容積になる)を測定する特別な目的のため、毛細管(145)には、図6に示すように両側にチューブ(154)を有するような試料供給手段(150)が装備される。一方の側はルアー型注射器に適合する試料注入口(156)に接続され、他方の側は廃棄物容器(158)及び真空ポンプ(152)に接続される。真空ポンプ(152)は注入口(156)に吸引力を供給して、測定のための毛細管(145)への試料の注入を容易にすることができる。
【0055】
上述した実施例は、試料内の散乱光の光学経路を制限することにより、高度に吸収性の液体/懸濁液及び強く散乱させる液体/懸濁液の生体外測定を可能にする。該実施例は、これにより、例えば血液のヘマトクリット及び/又は酸素飽和の相違により、試料毎に異なり得るような試料内の時には波長依存性の自己吸収又は散乱を補正するために適用されるべき困難な信号補正の必要性を低減する。
【0056】
図7は、本発明による分析装置の他の実施例を概念的に示し、該実施例において観察システムは直交偏光スペクトル画像化装置である。この実施例はOPSIによる画像化及びラマン分光法を組み合わせる。直交偏光スペクトル画像化(OPSI)のために、光源は特定の波長帯域で使用される。これを達成するために、白色光源は帯域通過フィルタ(λ−Ftr)によりフィルタ処理される。該光は偏光子(P)により直線偏光される。当該光は、次いで、対物レンズ(Obj)により物体中に収束される。反射された光は、分析器を介して直交偏光の向きで検出される。これは、濁った物体(組織)内の深くで多重に(拡散的に)散乱された光が元となる偏光解除された光のみが検出されることを意味する。これら光子の戻り散乱は一種の“バックライト照明”を形成し、これがCCD検出器(図1のCCD参照)における画像に概ね一様な輝度を与える。浅い物体(皮膚内の毛細血管のような)における(部分的)吸収に対応する波長(λ−Ftr)の適切な選択により、これらの物体は対照的に明るい背景上に暗く(吸収により)現れる。ラマン励起ビームは、フィルタ又は他のビーム組合せユニットを用いて共焦点画像化におけるのと同様の態様でOPSI画像に結合することができる。OPSIの利点は、特に、小型さ及び低い価格である。他の実施例を参照して説明したように、励起システム(ls)及び/又は検出システム(dsy)の制御のための制御ユニットが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明による生体内分析装置の概念図を示す。
【図2】図2は、本発明による生体内分析システムの他の実施例の概念図を示す。
【図3】図3は、本発明による生体外分析装置の概念図を示す。
【図4】図4は、図3に示す実施例の試料保持装置の概念図を示す。
【図5】図5は、図3に示す実施例の毛細管ホルダの一例を示す。
【図6】図6は、図3に示す実施例の毛細管ホルダの概念図を示す。
【図7】図7は、本発明による生体内分析のためのOPSI装置の概念図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液分析用の特には分光分析装置のような分析装置であって、
− 目標領域を励起するための励起ビームを放出する励起システムと、
− 前記励起ビームにより発生された前記目標領域からの散乱放射を検出すると共に、該散乱放射を分析する検出システムと、
を有し、所定の直径値より小さい直径を持つ及び/又は所定の血球量より少ない赤血球の量を含む毛細管内の血液からの散乱放射のみが分析されることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分析装置において、
− 前記目標領域を画像化するための観察ビームを放出する観察システムと、
− 前記目標領域の画像を処理すると共に、該画像における所定の直径値より小さい直径を持つ及び/又は所定の血球量より少ない赤血球の量を含む毛細血管又は血管部分を示すような血管領域を選択するための画像処理ユニットと、
− 前記検出システムを前記選択された血管領域からの散乱放射のみを分析するように制御し、及び/又は前記励起システムを前記選択された血管領域若しくは予め決定された領域のみを励起するように制御する制御ユニットと、
を更に有することを特徴とする分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の分析装置において、血漿信号の貢献度を向上させる手段を更に有していることを特徴とする分析装置。
【請求項4】
請求項2に記載の分析装置において、血漿成分を選択的に分析するための選択手段を更に有していることを特徴とする分析装置。
【請求項5】
請求項2に記載の分析装置において、特に圧力絞りにより血流を停止又は低速化させる手段を更に有していることを特徴とする分析装置。
【請求項6】
請求項2に記載の分析装置において、前記画像処理ユニットは前記画像における所定の直径値より小さい直径を持つ毛細血管又は血管部分を示す血管領域を、光学血管追跡手段を使用して選択するように構成されていることを特徴とする分析装置。
【請求項7】
請求項2に記載の分析装置において、前記画像処理ユニットは前記画像における所定の血球量より少ない赤血球の量を含む毛細血管又は血管部分を示す血管領域を、該画像におけるコントラストを使用して選択するように構成されていることを特徴とする分析装置。
【請求項8】
請求項2に記載の分析装置において、前記画像処理ユニットは前記画像における赤血球の速度及び距離情報を導出するように構成され、前記制御ユニットは前記検出システムを該速度及び距離情報を用いて制御するように構成されていることを特徴とする分析装置。
【請求項9】
請求項2に記載の分析装置において、前記制御ユニットは前記励起システムを、特には300μmより浅い侵入深度を用いて上部真皮における所定領域のみを励起するように制御するよう構成されていることを特徴とする分析装置。
【請求項10】
請求項2に記載の分析装置において、前記検出システムは前記散乱放射から強度情報を導出するように構成され、前記制御ユニットは前記検出システムを該強度情報を用いて制御するように構成されていることを特徴とする分析装置。
【請求項11】
請求項1に記載の分析装置において、分析されるべき血液を格納する毛細管を有するような試料保持システムを更に有することを特徴とする分析装置。
【請求項12】
請求項11に記載の分析装置において、前記毛細管は該毛細管の長軸に沿って及び/又は入射する前記励起ビームの方向に沿って移動するように構成されていることを特徴とする分析装置。
【請求項13】
請求項11に記載の分析装置において、前記毛細管を介して血液の流れを生じさせる手段を更に有していることを特徴とする分析装置。
【請求項14】
請求項1に記載の分析装置において、前記所定の直径値が15μm、特には10μmであることを特徴とする分析装置。
【請求項15】
請求項1に記載の分析装置において、前記所定の血球量がヘマトクリット0.35より少ないことを特徴とする分析装置。
【請求項16】
請求項1に記載の分析装置において、
出力ビームを放出する放射源と、
該出力ビームから観察ビームと前記励起ビームとを分離する光学分離システムと、
を更に有することを特徴とする分析装置。
【請求項17】
請求項1に記載の分析装置において、前記励起システム及び/又は前記検出システムを、前記目標領域を時間分解励起し及び/又は前記目標領域からの散乱放射を時間分解検出するように起動する起動手段を更に有していることを特徴とする分析装置。
【請求項18】
血管上での血液分析用の特には分光分析方法のような分析方法であって、
− 目標領域を励起するために励起ビームを放出するステップと、
− 前記励起ビームにより発生された前記目標領域からの散乱放射を検出するステップと、
− 前記散乱放射を分析するステップと、
を有し、所定の直径値より小さい直径を持つ及び/又は所定の血球量より少ない赤血球の量を含む毛細管内の血液からの散乱放射のみが分析されることを特徴とする分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−516920(P2006−516920A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502528(P2006−502528)
【出願日】平成16年1月19日(2004.1.19)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050034
【国際公開番号】WO2004/070368
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】