説明

血清アルブミンおよびGLP−1またはPYYを標的とする二重特異性抗体

血清アルブミンに結合する抗体の抗原結合断片と融合体または複合体を形成しているインクレチン治療薬または診断薬を含有する薬剤の融合体および複合体。本複合体および融合体は、複合体または融合体を形成していない治療薬または診断薬よりも長いin vivoにおける半減期を有する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
a−(X)n1−b−(Y)n2−c−(Z)n3−dまたはa−(Z)n3−b−(Y)n2−c−(X)n1−d
(式中、
Xは、インスリン分泌促進性の薬剤またはその類似体であり;
Yは、血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(V)、または血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)であり;
Zは、標的に対して結合特異性を有するポリペプチド薬剤であり;
a、b、cおよびdは、独立に、1個から約100個のアミノ酸残基を含むポリペプチドであるか、または存在せず;
n1は、1から約10であり;
n2は、1から約10であり;かつ
n3は、0から約10である)
を有する薬剤融合体。
【請求項2】
Xまたは各Xが、GLP−1(7−37)、GLP−1(7−36)アミド、[Ser]GLP−1(7−36)アミド[Pro]GLP(7−37)、またはそれらの類似体である、請求項1に記載の融合体。
【請求項3】
n1およびn3が共に1であり、かつn2が2から約10である、前記請求項のいずれかに記載の融合体。
【請求項4】
Yまたは各Yが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号24、配列番号25および配列番号26からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれかに記載の融合体。
【請求項5】
Yまたは各Yが、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22および配列番号23からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の融合体。
【請求項6】
部分X’およびY’を含み、X’が、GLP−1またはその類似体であり;かつY’が、血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(V)、または血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)である、薬剤融合体。
【請求項7】
X’は、Y’のアミノ末端側に位置する、請求項6に記載の薬剤融合体。
【請求項8】
Y’は、X’のアミノ末端側に位置する、請求項6に記載の薬剤融合体。
【請求項9】
前記VおよびVが、ヒトの血清アルブミンに対して結合特異性を有する、請求項6、7、または8に記載の薬剤融合体。
【請求項10】
Y’が、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号24、配列番号25および配列番号26からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の薬剤融合体。
【請求項11】
Y’が、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22および配列番号23からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の薬剤融合体。
【請求項12】
血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(V)、または血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)と;前記VまたはVに共有結合しているGLP−1またはその類似体とを含む、薬剤複合体。
【請求項13】
単一のVを含む、請求項12に記載の薬剤複合体。
【請求項14】
単一のVを含む、請求項12に記載の薬剤複合体。
【請求項15】
前記GLP−1または類似体が、前記VまたはVに、リンカー部分を介して共有結合している、請求項12、13または14に記載の薬剤複合体。
【請求項16】
1種または複数の異なる薬剤が、前記VまたはVに共有結合している、請求項12から15のいずれか一項に記載の薬剤複合体。
【請求項17】
前記血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(V)、または前記血清アルブミンに対して結合特異性を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)が、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22および配列番号23からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項12から16のいずれか一項に記載の薬剤複合体。
【請求項18】
請求項1または請求項6に記載の薬剤融合体をコードする組換え核酸。
【請求項19】
請求項18に記載の組換え核酸を含む核酸構築物。
【請求項20】
請求項18に記載の組換え核酸を含む宿主細胞。
【請求項21】
請求項20に記載の宿主細胞を、前記組換え核酸の発現に適した条件下で維持し、それによって、薬剤融合体を生成することを含む、薬剤融合体を生成する方法。
【請求項22】
請求項1もしくは請求項6に記載の薬剤融合体、または請求項12に記載の薬剤複合体と、生理学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項23】
インスリン分泌促進性の薬剤と、抗原に結合する抗体の断片とを含む薬剤の複合体または融合体であって、抗原が作用して、薬剤の複合体または融合体のin vivoにおける半減期を向上させる、薬剤の複合体または融合体。
【請求項24】
請求項23に記載の薬剤の複合体または融合体であって、前記薬剤が、抗体の断片に結合しているインスリン分泌促進剤ペプチドを含む薬剤融合体タンパク質である薬剤の複合体または融合体。
【請求項25】
インスリン分泌促進性の薬剤が、抗体の断片に、ペプチドリンカー部分を介して融合されている、請求項24に記載の薬剤。
【請求項26】
抗原が血清アルブミンである、請求項23から25のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項27】
インスリン分泌促進性の薬剤が、グルカゴン様ペプチドである、請求項23から26のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項28】
インスリン分泌促進性の薬剤が、GLP−1、GLP−1類似体、エキセンディン−3、エキセンディン−3類似体、エキセンディン−4およびエキセンディン−4類似体からなる群から選択される、請求項23から27のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項29】
GLP−1またはGLP−1類似体が、配列番号157または159からなる群から選択された配列と、少なくとも80%相同であるアミノ酸配列を含む、請求項1、6、12および28のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項30】
GLP−1類似体が、Gly10、Thr12、Asp14、Phe27およびIle29を含む、請求項1、6、12および28のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項31】
GLP−1類似体が、配列番号157または配列番号159と、アミノ酸が6個以下異なる、請求項29および30のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項32】
表面プラズモン共鳴法で測定した場合、血清アルブミン(SA)に対して、1nMから500μMの解離定数(K)を有する、SAに対して特異的である単一の可変領域を含む、請求項1、6、12および28のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項33】
SA特異的領域がSAに、標準的なリガンド結合アッセイにおいて、1nMから500μMのIC50で結合する、請求項32に記載の薬剤。
【請求項34】
2個、3個または4個のインスリン分泌促進性の薬剤(IA)の部分を含む、請求項23に記載の薬剤。
【請求項35】
IA−IA’−AFまたはIA−(AF)−IA’を含み、IAおよびIA’は、同一または異なるインスリン分泌促進性の薬剤であり、AFは、請求項23で詳述した抗体の断片であり、nは、1、2、3、4または5に等しい、請求項34に記載の薬剤。
【請求項36】
[GLP−1]−[AF]−[GLP−1]または[GLP−1]−[GLP−1]−[AF]を含む、請求項35に記載の薬剤。
【請求項37】
抗満腹感剤を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項38】
抗満腹感剤が、PYY、PYY類似体、PYY(3−36)からなる群から選択された、請求項37に記載の薬剤。
【請求項39】
IA−(AF)−(IA’)−[抗満腹感剤]、または[抗満腹感剤]−(IA’)−(AF)_IAを含み、nは、1、2、3、4または5に等しく、xは、0、1、2、3、4または5に等しい、請求項37または38に記載の薬剤。
【請求項40】
1時間から6時間の間のt1/2αを有する、前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項41】
12時間から60時間の間のt1/2βを有する、前記請求項のいずれかに記載の薬剤。
【請求項42】
インスリン、エキセンディン−4、エキセンディン−3、PYY(3−36)、レジスチン、レプチン、MC3R/MC4Rアンタゴニスト、AgRPアンタゴニスト、アポリポタンパク質A−IV、エンテロスタチン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、IGF1、BMP−9、IL−22、RegIV、インターフェロンα、INGAPペプチド、ソマトスタチン、アミリン、ニュールリン(neurulin)、インターフェロンβ、インターフェロンハイブリッド、アディポネクチン、内在性カンナビノイド、Cペプチド、WNT10b、オレキシン−A、副腎皮質刺激ホルモン、エンテロスタチン、コレシストキニン、オキシントモジュリン、メラニン細胞刺激ホルモン、メラノコルチン、メラニン凝集ホルモン、BB−2、NPY Y2アゴニスト、NPY Y5/Y1アンタゴニスト、OXM、Gal−1Rアンタゴニスト、MCH−1Rアンタゴニスト、MC−3/4アゴニスト、BRS−3アゴニスト、膵臓ポリペプチド、抗グレリン抗体断片、脳由来の向神経因子、ヒト成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン、胃酸分泌抑制ペプチド、またはそれらの類似体からなる群から選択された薬剤をさらに含む、請求項1、6、12および23のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項43】
GLP−1またはその類似体と、抗原結合部位を含むタンパク質の部分とを含み、タンパク質の部分が、10個から30個のアミノ酸を有するペプチドでない場合には、抗原結合部位は、in vivoにおける薬剤複合体の半減期を向上させるように作用する抗原に結合する、薬剤。
【請求項44】
GLP−1またはその類似体と、抗原結合部位を含むタンパク質の部分とを含み、抗原結合部位は、in vivoにおける薬剤複合体の半減期を向上させるように作用する抗原に結合する、薬剤。
【請求項45】
GLPまたはその類似体が、GLP−1(7−37)、GLP−1(7−36)アミド、[Ser]GLP−1(7−36)アミド、[Pro]GLP−1(7−36)、[Pro]GLP−1(7−37)、またはそれらの類似体である、請求項43または44に記載の薬剤。
【請求項46】
GLP類似体が、PSS、PSSGAPまたはPSSGAPPPSからなるリストから選択されたC末端のペプチドを有する、請求項45に記載の薬剤。
【請求項47】
前記抗原が、血清アルブミンである、請求項43、44、45または46に記載の薬剤。
【請求項48】
単一のタンパク質の部分を含む、請求項43から47のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項49】
請求項43から48のいずれか一項に記載の薬剤をコードする組換え核酸。
【請求項50】
請求項49に記載の組換え核酸を含む核酸構築物。
【請求項51】
請求項49に記載の組換え核酸を含む宿主細胞。
【請求項52】
請求項51に記載の宿主細胞を、前記組換え核酸の発現に適した条件下で維持し、それによって、薬剤融合体を生成することを含む、薬剤融合体を生成する方法。
【請求項53】
請求項43から48のいずれか一項に記載の薬剤と、生理学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【請求項54】
患者の状態を治療および/または予防する方法であって、請求項1から17および23から48に記載のいずれか一項に記載の薬剤を患者に投与することを含み、状態が、高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、シンドロームX、脂質代謝異常、認知障害、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠状心疾患およびその他の心血管障害、脳卒中、炎症性腸疾患、消化不良、ならびに胃潰瘍からなる群から選択される方法。
【請求項55】
患者の2型糖尿病において、疾患の進行を遅らせる、または予防する方法であって、請求項1から17および23から48に記載のいずれか一項に記載の薬剤を投与することを含む方法。
【請求項56】
患者による食物摂取を減少させる、患者のβ細胞アポトーシスを減少させる、患者のβ細胞の機能を改善しβ細胞の質量を増加させる、および/または患者のβ細胞のグルコース感受性を修復する方法であって、請求項1から17および23から48のいずれか一項に記載の薬剤を投与することを含む方法。
【請求項57】
患者による食物摂取を減少させる、患者のβ細胞アポトーシスを減少させる、患者のβ細胞の機能を改善しβ細胞の質量を増加させる、および/または患者のβ細胞のグルコース感受性を修復する方法であって、請求項1から17および23から48のいずれか一項に記載の薬剤を投与することを含む方法。
【請求項58】
患者において、高血糖、1型糖尿病、2型糖尿病またはβ細胞欠損症を治療および/または予防する方法であって、請求項1から17および23から48のいずれか一項に記載の薬剤を投与することを含む方法。
【請求項59】
糖尿病の治療および/または予防のための、請求項1から17および23から48のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項60】
肥満の治療および/または予防のための、請求項1から17および23から48のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項61】
患者による食物摂取を減少させるための、請求項1から17および23から48のいずれか一項に記載の薬剤。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A−B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−1】
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【図6A−2】
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【図6B−1】
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【図6B−2】
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【図6C−1】
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【図6C−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A−1】
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【図11A−2】
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【図11A−3】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14A−B】
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【図14C−D】
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【図14E−F】
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【図14G】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2008−521869(P2008−521869A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543909(P2007−543909)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004599
【国際公開番号】WO2006/059106
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(502197046)ドマンティス リミテッド (47)
【Fターム(参考)】