説明

血漿用オンデマンドチューブ

真空二次採集室に多孔質フィルターを介して流体連通可能な真空一次採集室を有し、全血が供給される血漿分離装置。凝集物質が、全血試料内の血球を凝集させるように一次採集室内に設けられる。その多孔質フィルターは、その中の凝集された血球を捕獲するために十分小さく、しかも、従来の真空血液採集管に関連付けられる圧力下で血漿がその中を移送できるように十分大きい間隙径を有する。一次および二次採集室は、別個の容器即ち管内に設けられてもよく、多孔質フィルターを含む移送装置によりその相互間に移送が生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全血からの血漿の分離に関する。特に、本発明は、多孔質フィルター膜を介して凝集された血球から血漿を分離することができる医療装置に関する。
【0002】
この出願は、2003年12月24日に出願された米国の仮出願(60/532509号)の利益を請求する。
【背景技術】
【0003】
血漿は、主に水からなる血液の液体部分である。その血漿における水部分は、身体の細胞および他の細胞外液と自由に移動可能である。また、血漿は、塩、グルコース、アミノ酸、ビタミン、ホルモンおよび代謝廃棄生産物からなる。全体として、血漿は、白血球、赤血球、および人間または動物の中を移動するための他の細胞成分を浮遊させるための手段をもたらす。血漿試料が要望される場合、血液の他の細胞成分からの分離が血液の凝固の以前に良好に行わなければならない。血液が凝固したならば、血清が採集された血液試料の残部の液体部分であり、血液におけるいくらかのたんぱく質成分もない。
【0004】
血漿は診断解析に利用される成分の豊富な泉を含んでいるので複数の医療装置が、全血から血漿を分離することにおいて使用に供されている。幾つかの従来技術の例が、採集された血液試料から除かれた血漿をもたらすように使用されるフィルターを内蔵した真空の複数の部屋の装置をもたらす。従来技術のいくつかの例において、その装置は、取り外し可能な部屋を使用し、使用者が分離された血漿の検体を利用できる。加えて、従来技術の装置は、典型的には、小さく微細な孔の大きさを有するフィルター膜を使用し、細胞成分がその中を通り抜けることを妨げ、採集された血液試料から血漿を取り出すために不十分な真空の装置により生じる真空の力を提供するものである。
【0005】
Ishimoto等は、「血液採集管」と題される米国特許第6506167号において、血液分離用管を開示しており、血液分離用管は、フィルターにより下流管と分離される上流管を含み、その二つの管が取り付けられ、互いに取り外し可能とされ、真空にされている。採血中、血液は、静脈内の穿刺により患者から移動され、血圧および管内の負圧により上流管内に移送される。その開示によれば、差圧は、血液が二つの管の間のフィルターに接触したとき、上流管と下流管との間に作り出されるように想定されている。幾つかの示唆されているフィルターは、膜、グラスファイバー、付着の抗血球細胞抗体を有する大きな細孔のろ紙、血球を凝集させるためのカチオン高分子物質が含浸されたフィルター、および、積層多分子層フィルターなどを含む。この開示についてある問題は、フィルターを目詰まりさせる血球と、採血中における上流管と下流間との間の不十分な真空の力とである。この開示についてあるさらなる問題は、下流管に採集されたどんな血漿も、上流管から取り外される下流管なので汚染物質にさらされることである。
【0006】
「分離装置」と題されるKonradの米国特許出願(2003/0013205号)は、液体透過可能な分離要素を介して全血から核酸、RNA,DNAの抽出製剤を作る好ましい方法を説明している。開示されるその分離要素は、フィルター、ケイ酸塩膜、イオン交換膜およびイオン交換カラム、または、分離用カラムなどを含む。その発明は、溶解により、血液の細胞成分から核酸分子の解放を引き起こすことができることが開示されている。その溶解された血球を含む採集された試料が、分離要素を通過され、その結果、核酸成分を吸収できる。その分離要素は、後で分子診断解析のために取り外し可能とされる。Konradは、全血からの血漿の分離を開示していない。
【0007】
Murto等の血液試料を処理するための方法および装置と題されるWIPO国際公開公報(WO/02/29406)において、全血試料から血漿を分離するための方法および関連する装置と、試薬とを説明している。その開示される発明は、結合された凝集剤を有する磁気的に引き付けられる粒子を含む試薬と全血試料とを混合させることにより、全血の細胞成分から血漿を分離する方法を説明している。磁気的な試薬の目的は、全血試料の細胞成分を結合させることである。それから、磁力が混合物に加えられ、結合された血球を伴う磁気的な試薬と血漿とを分離する。その血漿は、ピペットで分注し、傾しゃし、吸い上げ、ウィキング(wicking)により、その混合物から分離される。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6506167号の明細書
【特許文献2】米国特許出願第2003/0013205号の明細書
【特許文献3】国際公開公報第WO/02/29406号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
フィルターの目詰まりなしに凝集された血球を血漿から分離するために管の内部の真空力による十分な力をもたらすことができ、汚染されることがない血漿検体をもたらしながら、臨床および研究用途で使用することが容易である装置を現在必要としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概ね、本発明は、その中に配される血液凝集剤および抗凝固剤を有する一次採集室と、一次採集室と二次採集室とを分ける多孔質フィルターとを含み、全血から血漿を分離する装置について述べられる。少なくとも一つの注射針を有する移送装置は、その一次採集室から二次採集室まで血漿を移送させるように設けられ得る。本発明は、凝集された血球で目詰まりしにくい大きな細孔のフィルターにより、凝集され、しかし、凝固されない血球から血漿を分離するに足りる力を真空の管内の真空度によりもたらすことができるので従来技術の改良である。大きな細孔の大きさを有するフィルターと組み合わせて、血球を凝集させるための凝集剤を使用することにより、この組み合わせのためにフィルターを介して血漿を取り出すための十分な真空度を有している従来の真空の管を用いて凝集された血球からの血漿の分離が可能である。本発明は、臨床および研究用途で使用することが容易なので従来技術のさらなる改良である。本発明は、全血試料から分離された汚染されない血漿の検体を供給できるので従来技術のもっとさらなる改良である。本発明の一つの形態においては、凝集剤だけが使用され、試料にある血漿が一緒に凝集する。この実施例において、その血球自体は、付加的な血球がくっつき、即ち、凝集する「開始の粒子」と考慮され得る。
【0011】
本発明の付加的な形態においては、凝集剤で被覆された構造が使用され得る。その被覆された構造は、血球がくっつき、即ち、凝集する開始の粒子である。
【0012】
本発明の一つの実施例において、その一次採集室は、突き抜け可能なゴム栓で密閉封止される真空の採集管内に設けられる。気体が通り抜け可能な通気孔用注射針は、随意に、その突き抜け可能なゴム栓の中に挿入されて設けられてもよい。凝集剤は、その一次採集室内にあり、一次採集室内に採集された全血試料内の血球を凝集させる。さらに、抗凝固剤が、一次採集室の内壁面を覆い、一次採集室内に採集された全血の凝固を妨げる。
【0013】
移送装置は、さらに、その装置内に内側に取り付けられた中空の仕切りを備える円筒形で設けられる。その円筒の内壁および仕切りが、上流室および下流室を画定する。血漿を凝集された血球から分離できる多孔質フィルターは、中空の仕切り内に保持される。二つの注射針は、その仕切りの表面に取り付けられ、それにより、複数の注射針は、そのフィルターにおける対向する面に位置付けられる。その二つの注射針は、そのフィルターを介して中空の仕切りにおける出入りに対し流体連通をもたらす。従ってそのように、血液は、その移送装置の上流端で中空の仕切りに入ることができ、その結果、血漿は、多孔質フィルターを通過し、その下流端を介して、移送装置から二次室に入る。その二次室は、望ましくは、突き抜け可能なゴム栓で密閉封止された真空の採集管を有する二次管である。
【0014】
さらに実施例において、その一次採集室は、突き抜け可能なゴム栓で両端で密閉封止される真空の両口採集管として設けられる。円柱状の多孔質フィルターは、一次採集室内に取り付けられ、それにより、その多孔質フィルターは、突き抜け可能なゴム栓における環状のショルダーに対して隣接して置かれ、当接する。気体が通過可能な通気孔用注射針は、随意に、一次採集室の上流端で封止される突き抜け可能なゴム栓の中に挿入されて設けられる。
【0015】
またさらなる実施例において、その一次採集室は、突き抜け可能なゴム栓で密閉封止される真空の採集管内に設けられる。そのフィルターの縦方向に貫通する中央の孔を有する円筒状の多孔質フィルターは、採集管における突き抜け可能なゴム栓の端部に隣接した位置で一次採集室内に固定される。ゴム製の一方向弁は、その中央の孔の一方の端部でその多孔質フィルターに取り付けられ、それにより、孔を封止する。その一方向弁により、採集された全血が一次採集室内に流れ込むことができる。気体が通過可能な通気孔用注射針は、随意に、その突き抜け可能なゴム栓の中に挿入され設けられる。
【0016】
代替的な移送装置は、その採集管のそのような実施例の使用に備えており、その中に取り付けられる内部の固体の仕切りを含むシリンダーを含む。その仕切りが、シリンダーをそのシリンダーの内壁内に画定される上流室と下流室とに分ける。両頭の注射針は、その仕切りの中に取り付けられ、それにより、その注射針は、その仕切りの表面に対し垂直に延在し、上流室と下流室との間で移送装置の仕切りを介して流体連通をもたらす。従ってそのように、上述したように一次管は、一次採集管の栓における注射針が突き抜ける上流端で上流室に挿入される。それから、ゴム栓で封止される真空の二次管のような二次室は、その下流室内に挿入され、注射針の下流端により突き抜けられ得る。その結果、血漿がフィルターおよび移送装置を介して真空の二次管の二次室内に流れ込む。
【0017】
代替的な実施例において、突き抜け可能なゴム栓により両端で密閉封止される両口の採集管が、もたらされる。円柱状の多孔質フィルターが、その管の二つの端部相互間に固定され、望ましくは、両口の採集管の各端部から等距離の位置に固定される。その多孔質フィルターは、単一の管内に一次採集容器と二次採集室とを画定する仕切りをもたらす。凝集剤および抗凝固剤が、その管の一次採集室内にある。従ってそのように、一次採集室内に採集された血液が、これらの薬剤に接触し、血球が凝集することを引き起こす。それから、二次室内の負圧は、血漿をフィルターを介して二次室に引き込み、その後、その管における二次室の下流端で栓を突き抜ける付加的な採集管に取り付けられる個別の移送装置のような個別の容器に移す。気体が通過可能な通気孔用注射針は、随意に、使用中、その一次採集室に通じるようにその管の上流端で突き抜け可能なゴム栓の中に挿入され設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
その幾つかの図全体にわたって同一の図形が同一の部品を指す図面を参照するに、図1〜図3は、全血から血漿を分離するためのアッセンブリーを示す。本発明は、血液採集および血漿分離装置10に関し概ね説明され、その装置は、一次採集室38を包囲する一次管24と、二次採集室138を包囲する二次管124と、多孔質フィルター72を収容する移送装置54とにより概ね画定されている。
【0019】
本発明の目的は、一次管のような一次採集室内の血液を凝縮物質に触れさせ、血球の大きな凝集物を作ることにより、血液の細胞成分から血漿を分離することである。それから、圧力差が、血球の凝集物と血漿との混合物を多孔質フィルターに引き込むために使用される。それにより、血球の凝集物は、抽出されることになり、二次管のような二次採集室と一次採集室との間の圧力差が、多孔質フィルターを介して血漿をその二次採集室に引き込み続ける。その一次管は、突き刺し要素を含みまたはカテーテルに取付け可能ないずれかの血液採集装置ような、患者から直接的に、あるいは、予め採集された血液試料から間接的に血液を採集可能ないずれの医療装置により使用可能とされる。
【0020】
幾つかの用語が、明細書全体を通して全般的に使用されている。「上流」および「下流」という用語は、使用時、本発明のアッセンブリーに関して使用されるものであり、一次管および二次管が血漿移動中、移送装置に接続される場合である。構造上、「上流」および「下流」という用語は、使用中、一次採集室内の上流から二次採集室内の下流までの血漿流れに関して使用される相対的な用語である。「抗凝固剤」という用語は、血液の凝固を防止できるヘパリンのようなその技術分野で知られたいずれかの化合物を述べるために使用される。
【0021】
図1〜図3に詳細に示されるように、一次管24は、ゴム栓42で密閉されている管26を含んでいる。管26は、密閉端30および開口端32との間に延在する略円筒状の管状壁28を含んでいる。管26は、内面34および外面36を有している。管26は、気体および液体に対し不浸透性の適切な物質からなり、望ましくは、ガラスまたは成形プラスチックで作られる。
【0022】
ゴム栓42は、エラストマー閉塞物であり、管26の開口端32に気密かつ液密の封止をもたらすことができ、また、管26内への血液の移送のための注射針のような適切な医療装置により、穿孔即ち貫通できる適切な物質からなる。ゴム栓42は、下垂部分50とともに中央に成形される主要部46を含んでいる。下垂部分50は、主要部46から延在しており、管26の開口端32に進入できる。下垂部分50は、空洞52を有する環状であってもよい。ゴム栓42は、中央に成形または二次加工される下垂凹部48を有する上面44を含み得る。
【0023】
管26の内面34、および、ゴム栓42の下垂部分50の空洞52における内面51の内側の空間が、管26における一次採集室38を画定している。管26は、管26内の内部空間が一次採集室38を画定し負圧、即ち、血圧または大気圧と比較されるような各雰囲気圧に対して減圧されている点で真空の管である。この方法において、ある形式の真空は、その技術分野でよく知られるように、外部環境からその中に流体を引き込むように管26内に設定され得る。
【0024】
管26を真空にし密閉するようにゴム栓42の下垂部分50の円周面を管26の内面34に対し封止する以前に、管26の内面34が、抗凝固剤14で被覆され得る。それから、凝集剤12が管26の内側に入れられる。そのような凝集剤12は、血球の大きな凝集物を作るように全血内に浮遊される血球を結合できるどんな化合物でも良い。特定の凝集剤の一例は、じゃがいも、または小麦のレクチンのようなレクチンなどを含む。代替的な凝集剤は、マイクロビーズに付着した血球のための親和力を有する抗体を含んでもよい。その凝集剤は、溶液、錠剤、丸薬、または、顆粒のような凍結乾燥標本の形式であってもよい。「凝集剤」という用語は、細胞集合体を形成するように凝集剤だけの使用、または、望ましい性質を細胞集合体に与えることができる構造と組み合わせた凝集剤の使用を指すために使用される。この実施例において、その構造は、特定の望ましい性質を有する特別に設計可能とされる。例えば、その構造は、凝集剤で被覆され、特定の密度のマイクロビーズであってもよい。試料の上部で凝集細胞を浮遊させることが要望されるならば、ビーズにおいて凝集される場合、凝集細胞が試料の上部で浮遊し、それにより、フィルターの目詰まりを防止し、血漿が通過できるように、血漿の密度よりも小なる密度を有するビーズが使用可能とされる。他の限定されない例においては、その構造は、その構造なしに凝集細胞よりもより密度が低く詰め込まれ、血漿が凝集物を貫通できる形状のような所望される形状を凝集物に与えるために糸または円柱のような特定の形状寸法を有することができる。また、その構造における特定の形状寸法および形状は、フィルターから離れている凝集微粒子を保持するように設計可能とされ、それにより、血漿がより容易く目詰まりなくその中を通過できる。これらの例は、制限することを意味するものではなく、その分野における当業者により了解されるように、寸法および他の要求に合うという条件で所望される性質を有する如何なる構造も、開始微粒子として使用可能とされる。この中で説明されるすべての実施例において、「凝集剤」という用語は、凝集剤だけの使用、または凝集剤で被覆された上述したような構造と組み合わせて使用することを意味するだろう。凝集剤12は、管26が真空にされ、密閉封止されるならば、一次管24の一次採集室38に収容される。さらに、二次管124は、一次管24と同様に密閉端130および開口端132との間を延在する円筒状管状壁128を含んで設けられている。二次管124は、真空にされ、栓42と同様な従来のゴム栓142により、開口端132で密閉封止される。二次管124は、その分野で知られ、ガラスまたはプラスチック母材からなるいずれかの血液採集管であってもよい。ゴム栓で密閉封止される二次管124の内面134は、二次採集室138を画定する。
【0025】
さらに、装置10は、この中でより詳細に説明されるように、一次管24から二次管124まで血漿を移送するための移送装置54を含む。移送装置54は、その中の内方にシリンダー56の対向する端部から等距離で離隔された中空の仕切り62を有する管状のプラスチック製シリンダー56からなる。シリンダー56は、外面58、および、一次管24および二次管124の直径よりも大なる内径を有する内面60を有している。仕切り62は、上流の凸状板64および下流の凸状板66からなり、双方、望ましくは、シリンダー56の内面34に対し製造中に成形される。仕切り62の外面およびプラスチック製シリンダー56の内面60は、移送装置54の上流室74および下流室76を画定する。凸状板64、66の内面は、多孔質フィルター72を収容する空間70を画定する。
【0026】
多孔質フィルター72は、ろ過基質であり、従来の真空血液採集管の標準真空度のもとで通り抜け引き込む程度に十分に大きなしかし、十分小さい細孔を含み、血球凝集物を捕捉し保持するように長いろ過通路を含む。望ましくは、多孔質フィルター72は、高密度ポリエステルまたはポリプロピレン、焼結プラスチック、ガラスファイバーまたは、10ミクロン以上の穿孔の大きさを作ることができる他の物質からなる。多孔質フィルターにおける構造形状のバリエーションは、好ましい実施例の中で考えられる。
【0027】
上流の注射針78および下流の注射針82は、それぞれ、中空の仕切り63における上流の凸状板64および下流の凸状板66に取り付けられ、互いに対して反対方向に向いている。上流の注射針78は、移送装置54の上流室74内に位置付けられ、下流の注射針82は、移送装置54の下流室76内に位置付けられており、その双方は、シリンダー56の内面60内の中央に置かれている。上流の注射針78は、多孔質フィルター72に対し上流の凸状板64を流体連通させ、下流の注射針82は、下流の凸状板66を流体連通させる。
【0028】
エラストマー製のニードルシース86および88は、それぞれ、その技術分野で知られるように、上流の注射針78および下流の注射針82を覆うために設けられている。エラストマー製のニードルシース86および88は、注射針78、82に沿って柔軟に摺動可能である。エラストマー製のニードルシース86および88は、それぞれ、弁として作用し、一次管24および二次管124に密閉し封止されるゴム栓42、142への注射針78、82のいずれかの挿入の間、両方の注射針78、82相互間の気密シールのための手段をもたらす。
【0029】
シリンダー56の長さが安全対策をもたらし、それにより、ニードルシース86により覆われる上流の注射針78の先端80は完全に移送装置54の上流室74内に収容され、ニードルシース88により覆われる下流の注射針82の先端84は、移送装置54の下流室76内に完全に収容されることが好ましい。
【0030】
使用中、一次管24は、標準的な瀉血処置において使用され、標準的な静脈内の採集行為により一次採集室38内に血液を採集する。真空の一次採集室38内に設定される減圧は、一次採集室38における血液の容積が増大するにつれて低下する。一次採集室38に入れるとき、その血液は、その中に配される凝集剤12と、管26の内面34に被覆された抗凝固剤14とに接触する。抗凝固剤14は、血液が血餅を形成しないようにし、凝集剤12が血球を凝集粒子と結合させ、あるいは、凝集剤で被覆された構造に血球を結合凝集させる。それにより、採集された血液試料の血漿から浮遊血球を分離する。
【0031】
血液試料が一次管24内に採集された後、全血試料に作用する凝集剤12により凝集粒子形成が生じることが可能とされる。これは、例えば、その凝集剤と全血試料とを十分に混合させるようにその管を振ることにより、促進され得る。一次管24内に試料の採集後、どの時点であっても、一次管24の下流端は、移送装置54の上流室74に挿入される。従ってそのように、上流の注射針78の先端80がゴム栓42を突き刺し、上流の注射針78が、ゴム栓42を介して一次管24の一次採集室38内に挿入される。任意に、一次管24を移送装置54の上流室74に挿入する前、通気孔用注射針16がゴム栓42に挿入されてもよい。通気孔用注射針16は、望ましくは、注射針の先端20に対向する端部に取り付けられる空気を透過するベントフィルター付きの小さな標準規格注射針を含む。通気孔用注射針16は、一次採集室38内の空気圧と大気圧とを平衡に保つことにより、一次採集室38内の圧力を逃がすために備えたものである。
【0032】
一次管24が移送装置54の上流室74内に挿入された後、二次管124が移送装置54の下流室76内に挿入される。従ってそのように、下流の注射針82の先端84がゴム栓124を突き刺し、下流の注射針82がゴム栓142を介して二次管124の二次採集室138に挿入される。下流の注射針82を覆うゴム製のニードルシース88は、二次管124のゴム栓142の上面144により押される。それにより、気密シールが、ニードルシース88とゴム栓142の上面144との間に存在する。
【0033】
下流の注射針82の先端84がゴム栓142を突き抜けたならば、二次採集室124内の減圧が差圧、即ち、移送装置54の上流の注射針78を通じて一次採集室38内の凝集された血液を多孔質フィルター72内に引き込む力をもたらす。凝集された血球は、血漿が多孔質フィルター72を通過でき、下流の注射針82および二次管124の採集室138内に入りながら多孔質フィルター72内に捕捉される。一次採集室38における血液の容積が減少するにつれて、随意に使用されるならば、通気孔用注射針16が、一次採集室38内の圧力と通気孔用注射針16を通じて一次採集室38に入る大気圧とを平衡状態に保つ。大気と平衡が保たれた一次採集室38内の空気圧が、二次管124の減圧により、多孔質フィルター72を通じた二次採集室138への血漿の移動を促進させる。その結果、二次採集室138内の血漿の検体は、汚染することなく、いつでも引き続き診断解析へ移送できる状態になる。
【0034】
図4乃至図13は、本発明のさらなる実施例を示し、図1乃至図3における部品と実質的に同一である多くの部品を含む。従って、同様の機能を行なう同様な部品は、接尾文字「a」が、図4乃至図6におけるそれらの同様な部品と識別するために使用され、接尾文字「b」が、図7乃至図9におけるそれらの同様な部品と識別するために使用され、また、接尾文字「c」が、図10乃至図13におけるそれらの同様な部品と識別するために使用されることを除き、図1乃至図3におけるそれらの部品と同一の番号が付されるだろう。
【0035】
図4乃至図6に詳細に示されるように、本発明の第2実施例において、採集管90は、第1の開口端94と第2の開口端95との間に延在する略円筒状管状壁92を含む中空の円筒状管を含む。第1の開口端94および第2の開口端95は、それぞれ、本明細書中で前述したようなゴム栓42のようなゴム栓42aおよび42a’で密閉封止されている。
管状壁92は、内面96および外面98を有している。採集管90は、気体および液体を通さない適切な物質で作られ、望ましくは、ガラスまたは成形プラスチックで作られる。
随意に、採集管90のゴム栓42aと一緒に使用するための通気孔用注射針16aが設けられる。
【0036】
一次管24における先の第1実施例と同様に、ゴム栓42a,42a’は、採集管90における第1の開口上流端94および第2の開口下流端95で内面96に対し垂下部50a,50a’の円周面49a,49a’で密閉封止される。
【0037】
円柱状の多孔質フィルター100は、採集管90内に位置付けられ、採集管90の内面96に対しフィルター100の円周面102に沿って取り付けられる。多孔質フィルター100は、フィルター100における下流側面104が、下流ゴム栓42a’における垂下部50a’に突き当たるように位置付けられる。下流ゴム栓42a’に突き当たる多孔質フィルター100は、ゴム栓42a’の垂下部50a’における空洞52a’を密閉する。上流ゴム栓42aの垂下部50aの空洞52aにおける内面51aと多孔質フィルター100の上流面106との間における採集管90の内面96は、一次採集管90の一次採集室38aを画定する。管90の真空引き、および、管90の内面96に対するゴム栓42a,42a’における垂下部50a,50a’の円周面49a,49a’を密閉封止する以前に、抗凝固剤14aが管92の内面96に被覆され、凝集剤12aが一次管90の一次採集室38a内に配される。
【0038】
図4に示される採集管90の代替的な実施例は、上述の移送装置54から変更される移送装置と一緒の使用を対象としたものである。特に、図5および図6に示されるように、移送装置54aは、シリンダー56aの両端から等距離の位置でシリンダー56a内に位置付けられる固体仕切り(solid partition)57を含むプラスチック製シリンダー56aを含む。シリンダー56aは、外面58aおよび内面60aを有している。シリンダー56aは、一次採集管90および二次管124aの直径よりも大なる内径を有している。固体仕切り57は、固体の両凸円板のように形作られ、シリンダー56a製造中、その仕切りの円周面に沿って内面60aに対し密着される。仕切り57における上流面59および下流面61と、シリンダー56aの内面60aとがそれぞれ、移送装置54aの上流室74aおよび下流室76aを画定する。
【0039】
両頭注射針85が固体仕切り57に取り付けられる。両頭注射針85は、上流先端部80a付きの上流部79と、下流先端部84a付きの下流部83とを有する。両頭注射針85は、上流部79および下流部83が移送装置54a内の中央に位置するように仕切り57に取り付けられる。両頭注射針85は、固体仕切り57を介して流体連通をもたらす。
【0040】
ゴム製のニードルシース86a,88aは、それぞれ、上述のように、下流先端部80aおよび下流先端部84aを覆うように設けられる。
【0041】
図4乃至図6における実施例の使い方においては、上述したように、同様な方法で血液が、標準的な静脈の採血行為により、一次採集管90の一次採集室38a内に採集される。真空一次採集室38a内の減圧は、一次採集室38a内の血液の容積が増大するにつれて減少する。一次採集室38a内に入るとき、その血液は、その中に配される凝集剤12aおよび、一次採集室38aの内面34aに被覆された抗凝固剤14aにさらされる。抗凝固剤14aにより手助けされる凝集剤12aは、凝集粒子を作り、それにより、浮遊血球を血液試料の血漿成分から分離する。
【0042】
凝集粒子形成させるために数分後、一次採集管90の下流端が移送装置54aの上流室74a内に挿入され、それにより、両頭注射針85の上流部79における上流先端部80aが、一次採集管90の下流ゴム栓42a’を突き刺し、両頭注射針85の上流部83が、ゴム栓42a’とフィルター100との間で垂下部50a’内の空洞52a’内に挿入する。随意に、移送装置54aの上流室74aへの一次採集管90の下流端の挿入以前、または挿入中、通気孔用注射針16aが、一次採集管90の上流ゴム栓42aに挿入され、一次採集室38a内の空気圧を大気圧と平衡状態を保つ。一次採集管90が移送装置54aに挿入されると同時に、両頭注射針85の上流部79におけるゴム製のニードルシース86aが、注射針85の上流部79に沿って仕切り57に向けて摺動せしめられる。シース86aの先端部は、下流ゴム栓42a’の上面44a’との接触を維持し、ゴム製のニードルシース86aとゴム栓42a’の上面44a’との間でほぼ気密シールを作る。
【0043】
両頭注射針85の上流部79aが十分に挿入されたならば、両頭注射針85の上流部79の先端部80aが、多孔質フィルター100に埋め込まれることなく、ゴム栓42a’の垂下部50a’における空洞52a’内に位置付けられる。その後、二次管124aの上流端が、移送装置54aの下流室76a内に挿入され、それにより、両頭注射針85の下流部83の先端部84aが、二次管124aのゴム栓142aを突き刺し、両頭注射針85の下流部83が二次採集室138a内に挿入される。両頭注射針85の下流部83が二次管124aのゴム栓142aの中に挿入されるとき、ゴム製ニードルシース88aは、ゴム栓142aにより注射針85の下流部83に沿って仕切り57に向けて摺動せしめられる。それにより、ほぼ気密シールが、ニードルシース88aの先端部と二次管124aのゴム栓142aにおける上面144aとの間に形成される。
【0044】
両頭注射針85の下流部83の先端部がゴム栓142aを突き抜き、二次採集室138a内の減圧が、一次採集室38a内の凝集された血液を、一次採集管90内で多孔質フィルター100に近づけ引き込む差圧を作る。多孔質フィルター100は、凝集粒子の通過を妨げるが、血漿は両頭注射針85内を通過し、それから、二次管124aの二次採集室138a内に入ることができる。一次採集室38a内の血液の容積が減少するにつれて、
随意に使用されるならば、通気孔用注射針16aが、一次採集室38a内の圧力を大気と平衡状態とする。その結果、二次採集室138aに引き込まれた血漿試料は、汚染することなく、いつでも引き続き診断解析へ移送できる状態になる。
【0045】
図7乃至図9は、ゴム栓42bで密閉封止される一次管24bを含む本発明のさらなる実施例を示す。管24bは、閉塞端30bと開口端32bとの間に延在する略円筒状管状壁28bを含む。管24bは、内面34bおよび外面36bを有している。管24bは、上述した管24と同様に構成され、気体および液体を透さない適切な物質からなり得るものであり、望ましくは、ガラスまたは成形プラスチックで作られる。
【0046】
多孔質フィルター200は、管24b内に設けられる。多孔質フィルター200は、環形状であり、上流端202と下流端204との間で延在し、フィルター200の全長にわたって貫通する中央孔206を有している。多孔質フィルター200の外円周面208は、一次管24bの内面34bに固定される。ゴム製一方向弁210は、中央孔206の上流開口で多孔質フィルター200の上流端202と封止されて設けられる。一方向弁210により、血液が、中央孔206を通じて一方向だけに流れ、一次管24bの一次採集室38bから中央孔206への血液の逆流を防止しながら、一次管24bの一次採集室38bに入ることができる。例えば、一方向弁210は、一方向にだけ流体が流れることができる「ダックビル型」の弁であってもよく、または、刺して孔をそれを貫通して開けることができる自己密封膜であってもよい。
【0047】
本明細書中で前述したように、ゴム栓42bは、一次管24bの下流端の内面34bに対して円周面49bに沿って封止される垂下部50bを有して設けられる。多孔質フィルター200の下流端204は、ゴム栓42bの垂下部50bに対して当接し、空洞52bを閉塞する。一次管24bの内面34bと、固定される一方向弁210を有する多孔質フィルター200の上流端202とが、一次管24bの一次採集室38bを画定する。
【0048】
多孔質フィルター200を一次管24bの内面34bに対し固定する前、抗凝固剤14bが、管の内面34bに被覆され、凝集剤12bが一次採集室38b内に配される。
【0049】
図7乃至図9の実施例における使い方において、患者からの採血は、標準的な手順の間、ゴム栓42bの中に血液採集用注射針を挿入し、中央孔206に入れることにより、達成される。それから、血液は、中央孔206内の空間に引き込まれ、一方向弁を通過し、一次採集室38b内の減圧に基づいて一次採集室38bに入る。さらに望ましくは、血液採集注射針は、血液が患者から採集され、その中の減圧に基づいて一次採集室38b内に直接入ることができるように、一方向弁210に挿入され通過する。
【0050】
一次採集室38bに入るとき、血液は、一次採集室38bの内面34bに被覆された抗凝固剤14bおよびその中に配される凝集剤12bにさらされる。血球は、凝集粒子を形成するように凝集剤12bと結合する。一方向弁210は、一次管24bの一次採集室38b内の血液試料を保持する。
【0051】
全血が凝集剤に十分にさらされた後、凝集粒子を形成し、一次管24bの下流端は、移送装置54bの上流室74b内に挿入され、それにより、両頭注射針85bの上流部79bの先端部80bが、ゴム栓42bを突き刺す。
【0052】
注射針85bの上流先端80bは、その上流先端80bが環状の多孔質フィルター200の中央孔206内に位置付けられるように、ある位置に到達するまで挿入されるだけである。
【0053】
それから、単独の二次管124bの上流端は、移送装置54bの下流室76bに挿入され、それにより、両頭注射針85bの下流部83bの下流先端部84bは、二次管124bのゴム栓142bを突き刺し、注射針85bの下流部83bは、二次採集室138bに挿入する。注射針85bの下流部83bにおける先端84bがゴム栓142bを突き刺したならば、二次採集室138b内の減圧が、一次採集室38bから凝集された血液を多孔質フィルター200内に引き込む力、すなわち、差圧を作り、それにより、凝集粒子がフィルター200内に詰まる。その血漿は、上流面端202を通過し、フィルター200の中央孔206に入り、両頭注射針85bを通じて二次管124bの二次採集室138bに入る。その結果、二次採集室124b内の血漿試料は、汚染することなく、いつでも引き続き診断解析へ移送できる状態になる。
【0054】
これから、さらなる実施例が、図10乃至図13に詳細に示されている。この実施例において、採集管90cは、第1の開口端94cおよび第2の開口端95cの相互間に延在する略円筒管状壁92cを含む真空の中空円筒管からなる。第1の開口端94cおよび第2の開口端95cは、それぞれ、本明細書中前述したようにゴム栓42のようなゴム栓42cおよび42c’で密閉封止されている。管状壁92cは、内面96cおよび外面98cを有している。採集管90cは、上述したような適切な物質からなる。ゴム栓42c、42c’は、上述したように、垂下部50c、50c’の円周面49c、49c’で採集管90cの第1の開口上流端94c、第2の開口下流端95cにおける内面96cに対し
密閉封止されている。
【0055】
円柱状多孔質フィルター100cは、採集管90c内に位置付けられ、採集管90cの内面96cに対しフィルター100cの円周面102cに沿って固定される。多孔質フィルター100cは、採集管90c内における実質的中央に位置付けられ、望ましくは、第1の開口端94cと第2の開口端95cとの間の実質的に等距離のところに位置付けられる。多孔質フィルター100cの上流面106cと上流ゴム栓42cの垂下部50cの空洞52cの内面51cとの間の採集管90c内の内部空間は、採集管90cの一次採集室38cを画定する。多孔質フィルター100cの下流面104cと下流ゴム栓42c’の垂下部50c’の空洞52c’における内面51c’との間の採集管90c内の内部空間は、採集管90c内の副室、即ち、第2の採集室238を画定する。
【0056】
抗凝固剤14cが、採集管90cの一部における内面に被覆され、多孔質フィルター100cが一次採集室38cを画定し、凝集剤12が、一次採集室38cを画定するその空間内に配される。
【0057】
この実施例の使い方において、血液は、上流ゴム栓42cの中への標準的な血液採集用注射針の挿入による標準的な静脈の採血行為により、真空の採集管90cの一次採集室38a内に採集される。そのような全血は、抗凝固剤14cおよびその中に配される凝集剤12cにさらされる。一次採集室38cに入るとき、血球は、凝集粒子を形成し始める。血液が一次採集室38c内に引き込まれ、その中の血液の容積が増大するにつれて、一次採集室38c内の減圧は、減少し、即ち、圧力は、上昇する。多孔質フィルター100cにより採集管90c内に確定される分離により、凝集された血球の状態で血液が集合でき、多孔質フィルター100cの上流面106c上に採集し、部分的な空気の遮断を形成する。その結果として、これにより、多孔質フィルター100cの下流側における二次採集室238内の負圧が、維持され、一次採集室38cと二次採集室238との間との間の圧力勾配が作られる。従ってそのように、二次採集室238内の減圧が、血液試料を多孔質フィルター100cに引き込む力を作り、それにより、凝集された血球が、フィルター100c内に捕捉され、その血漿は、フィルター100cを介して二次採集室238へ引き込まれる。
【0058】
さらに分離、および、このような分離された血漿を二次容器へ移送することを促進させるために、移送装置54cが図13に示されるように使用され得る。従ってそのように、採集管90cの下流端が移送装置54cの上流室74c内に挿入され、それにより、注射針85cの上流部79cにおける上流先端部80cが、下流ゴム栓42c’を突き刺し、注射針85cの上流部79cが、二次室238の中に設けられる副室へ摺動する。それから、さらに管124cのような真空の容器または管が、上述したような、移送装置54cの下流室76c内に挿入可能とされる。従ってそのように、それから、二次採集室238により画定される副室内の血漿は、両頭注射器85cを通じて管124c内に引き込まれ、汚染することなく、いつでも引き続き診断解析へ移送できる状態になる。
【0059】
本発明は、容器の開口を通じた汚染の危険性がなく血漿を全血試料から分離する有効かつ簡単な方法をもたらす。本発明のアッセンブリーの一部は、部品一式として一緒に供給され得るものであり、それにより、本発明内において具現化される移送方法を容易にする。
【0060】
本発明は、多くの様々な形式による実施例により応えられるものであるが、本発明の好ましい実施例が、図面に示され、本明細書中に詳細に説明されている。その結果、現開示は本発明の原理の代表例として考慮されるべきであり、本発明を示される実施例に制限することを意図するものではないと理解しよう。様々な他の実施例が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、その分野の当業者により容易に作られることは明らかであろう。本発明の範囲は、添付の請求の範囲およびそれらの均等物により判定されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に合わせて作られその中に配されるフィルターを有する移送装置を備える真空一次および二次管を有する装置における好ましい実施例の斜視図である。
【図2】図1に示されるような装置の分解図である。
【図3】図1に示されるような装置の断面図である。
【図4】その中に配されたフィルターを備える両端が同形の真空一次管を有する本発明に合わせて作られた一次採集室の第2実施例の斜視図である。
【図5】移送装置および二次管により使用時の図4の装置の分解図である。
【図6】図5において使用時の図4に示される装置の断面図である。
【図7】一方向弁付き多孔質フィルターを備える真空一次管を有する本発明に合わせて作られた一次採集室の第3実施例の斜視図である。
【図8】移送装置および二次管により使用時の図7の装置の分解図である。
【図9】図8において使用時に示される図7の装置の断面図である。
【図10】その中に配されたフィルターを備える両端が同形の真空一次管を有する本発明に合わせて作られた一次採集室の第4実施例の斜視図である。
【図11】図10において示されるような装置の分解図である。
【図12】図10に示されるような装置の断面図である。
【図13】移送装置および真空二次管により使用時、図10の装置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に突き抜け可能な栓を含む真空の一次採集室であって、血球試料内の血球を結合させるための血液凝集剤を含む真空の一次採集室と、
真空の二次採集室と、
前記一次採集室と前記二次採集室とを分ける多孔質フィルターであって、それを通り抜け結合された血球の移動を妨げながら、それを通り抜けて血漿の移動を可能とするようにした細孔の大きさを有する多孔質フィルターと、
を含む全血から血漿を分離するための装置。
【請求項2】
前記凝集剤は、レクチンを含む請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記凝集剤は、じゃがいものレクチン、小麦麦芽のレクチン、および、それらの混合物からなる群のうちから選択される請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記凝集剤は、凝集剤で被覆された構造を含む請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記構造は、マイクロビーズである請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記一次採集室は、さらに抗凝固剤をその中に含む請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記多孔質フィルターは、高密度ポリエチレンおよび高密度ポリプロピレンからなる群のうちから選択される物質を含む請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記多孔質フィルターの細孔の大きさは、10ミクロンより大である請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記二次採集室と前記一次採集室との間に作られる差圧により、それを通り抜けて結合された血球の移動を妨げながら前記多孔質フィルターを介して血漿の移動を可能とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
さらに、前記一次採集室から前記二次採集室までの血漿の移動の間、前記一次採集室と大気圧との間の圧力平衡を作るようにした空気抜きを含む請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記空気抜きは、前記一次採集室における突き抜け可能な栓を突き刺すための注射針部材を含む請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記一次採集室および前記二次採集室は、該一次採集室と該二次採集室とを分ける多孔質フィルターをその中に含む単一の採集容器構造を含む請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記突き抜け可能な栓は、前記単一の採集室の一端に取り付けられ、それにより前記一次採集室を閉塞し、さらに該採集室の他端に取り付けられる第2の栓を含み、それにより、前記二次採集室を閉塞する請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記第2の栓は、突き抜け可能である請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記一次採集室は、一端に突き抜け可能な栓を含む一次採集容器を含み、前記二次採集室は、一端に突き抜け可能な栓を含む単独の二次採集容器を含む請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記一次採集室と前記二次採集室とを分ける多孔質フィルターは、単独の移送用ハウジング内に収容される請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記移送用ハウジングは、前記一次採集容器における前記突き抜け可能な栓を突き抜けるための第1の注射針部材と、前記二次採集容器の突き抜け可能な栓を突き抜けるための第2の注射針部材とを含み、該第1の注射針部材および第2の注射針部材が、前記多孔質フィルターを介して該一次採集容器と該二次採集容器との間の流体連通をもたらす請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記移送用ハウジングは、前記第1の注射針部材および前記第2の注射針部材が各突き抜け可能な栓を突き抜ける場合、前記一次採集容器および前記二次採集容器を支持する構造を含む請求項17記載の装置。
【請求項19】
さらに、前記第1の注射針部材の上方に延在する突き抜け可能な第1のシースと、前記第2の注射針部材の上方に延在する突き抜け可能な第2のシースとを含む請求項17記載の装置。
【請求項20】
前記一次採集容器は、一端に突き抜け可能な栓、および、他端に付加的な突き抜け可能な栓を含み、前記多孔質フィルターは、該一次採集容器内に保持される請求項15記載の装置。
【請求項21】
前記多孔質フィルターは、前記突き抜け可能な栓に隣接した前記一次採集容器内に保持される環状フィルターを含み、該容器は、さらに、一方向弁を含み、血液が該一方向弁を介して前記一次採集室内に流入可能である請求項15記載の装置。
【請求項22】
全血試料を採集し該全血試料から血漿を分離するための容器において、
第1の端部に突き抜け可能な第1の栓と、第2の端部に突き抜け可能な第2の栓とを含む真空の容器と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間における前記容器内に収容される多孔質フィルターであって、該容器を一次採集室と二次採集室とに分ける多孔質フィルターと、
全血試料内の血球を結合するために前記一次採集室内に収容される血液凝集剤と、を含み、
前記多孔質フィルターは、結合された血球におけるそれを通り抜ける移動を妨げながら血漿におけるそれを通り抜ける移動を可能とするようにした細孔の大きさを有する容器。
【請求項23】
前記二次採集室と前記一次採集室との間に作られる差圧により、結合された血球におけるそれを通り抜ける移動を妨げながら前記多孔質フィルターを介した血漿の移動が、可能である請求項22記載の容器。
【請求項24】
さらに、前記多孔質フィルターを介して前記一次採集室から前記二次採集室までの血漿の移動中、前記一次採集室と大気圧との間の圧力平衡を作るようにした空気抜きを含む請求項22記載の容器。
【請求項25】
前記第2の栓は、突き抜け可能である請求項22記載の容器。
【請求項26】
前記凝集剤は、凝集剤で被覆された構造を含む請求項22記載の容器。
【請求項27】
全血試料を採集し、血漿を該全血から分離するための部品一式において、
一端に突き抜け可能な栓を含む真空の一次採集容器であって、全血試料内の血球を結合させるための血液凝集剤をその中に含む真空の一次採集容器と、
一端に突き抜け可能な栓を含む真空の二次採集容器と、
前記一次採集容器の突き抜け可能な栓を突き抜くための第1の注射針部材と、前記二次採集容器の突き抜け可能な栓を突き抜くための第2の注射針部材と、該一次採集容器と該二次採集容器との間の流体連通が多孔質フィルターを介して作られるように、該第1の注射針部材と該第2の注射針部材との間に位置付けられる多孔質フィルターとを含む移送用ハウジングと、を含み、
前記多孔質フィルターは、結合された血球におけるそれを通り抜ける移動を妨げながら、それを通り抜ける血漿の移動が可能であるようにした細孔の大きさを含む部品一式。
【請求項28】
前記一次採集容器は、さらに抗凝固剤をその中に含む請求項27記載の部品一式。
【請求項29】
前記移送用ハウジングは、前記第1の注射針部材および前記第2の注射針部材が各突き抜け可能な栓を突き抜く場合、前記一次採集容器および前記二次採集容器を支持するための構造を含む請求項27記載の部品一式。
【請求項30】
さらに、前記第1の注射針部材の上方に延在する突き抜け可能な第1のシースと、前記第2の注射針部材の上方に延在する突き抜け可能な第2のシースとを含む請求項27記載の部品一式。
【請求項31】
前記二次採集容器と前記一次採集容器との間に作られる差圧により、結合された血球におけるそれを通り抜ける移動を妨げながら前記多孔質フィルターを介した血漿の移動が、可能である請求項27記載の部品一式。
【請求項32】
さらに、前記一次採集容器から前記二次採集容器までの血漿の移動中、前記一次採集容器と大気圧との間の圧力平衡を作るようにした空気抜きを含む請求項31記載の部品一式。
【請求項33】
前記空気抜きは、前記一次採集容器の突き抜き可能な栓を突き抜くための注射針部材を含む請求項32記載の部品一式。
【請求項34】
前記凝集剤は、凝集剤で被覆された構造を含む請求項27記載の容器。
【請求項35】
全血から血漿を分離する方法において、
一次採集室内の血液試料を採集し、
前記血液試料を該血液試料内の血球を結合させる凝集剤に接触させ、
多孔質フィルターは、結合された血球におけるそれを通り抜ける移動を妨げながら、血漿におけるそれを通り抜ける移動が可能となるようにした細孔の大きさを有し、前記一次採集室と前記二次採集室との間の差圧に基づいて前記血漿を多孔質フィルターを介して二次採集室へ移送することにより、結合された血球から血漿を分離する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2007−518978(P2007−518978A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547174(P2006−547174)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/042525
【国際公開番号】WO2005/066627
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】