血管拡張作用を欠く水利尿およびナトリウム利尿ポリペプチド
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドを提供する。例えば、本明細書は、水利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有し得るが、その一方で、血圧を低下させる能力を欠いている。本明細書はまた、哺乳動物体内における水利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を誘発するための方法および材料を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月8日に出願した米国仮出願第60/825,028号の恩典を主張する。
【0002】
1.技術分野
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本明細書は、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有する一方で、血管組織を拡張する能力を欠いているポリペプチドに関する。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
ナトリウム利尿ポリペプチドファミリーのメンバーは、体液の恒常性を調節するホルモンである。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、増加した血管内の容量に応答して、心房性細胞から分泌される。一旦ANPが循環血液中に入ると、主に腎臓、血管組織、および副腎に影響が及び、その作用は腎臓によるナトリウムおよび水の排出と、血管内の容量および血圧の低下をもたらす。BNPもまた心筋細胞由来であり、ANP同様、ヒト血漿において循環する。BNPは、ナトリウム利尿性、レンニン阻害性、血管拡張性、および拡張機能性を有する。BNPの主な循環型および貯蔵型は、リング構造を有するアミノ酸32個のポリペプチドである。BNPの生理作用は、グアニル酸シクラーゼ結合の受容体であるナトリウム利尿ペプチド受容体A(NPR−A)によって媒介される。BNPのクリアランスは、BPNを循環から取り除くNPR−C受容体によって促進される。BNPはまた、中性エンドペプチダーゼによる酵素的切断によって分解される。C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、内皮細胞由来であり、血管拡張および増殖阻害ポリペプチドとして機能する。マンバ(Dendroaspis)ナトリウム利尿ペプチド(DNP)は、構造上、ANP、BNP、およびCNPと類似しており、ヒガシグリーンマンバ(Dendoaspis angusticeps)やグリーンマンバ蛇の毒液から単離される。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本明細書は、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有し得るが、その一方で、血管組織を拡張する能力を欠いている。
【0005】
概して、本明細書の一局面は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0006】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする単離された核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0007】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含むか、または本質的にこれから成るベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0008】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。宿主細胞は、真核生物宿主細胞であり得る。
【0009】
別の態様において、本明細書は、薬学的に許容される担体と、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドとを含む、薬学的組成物を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0010】
別の態様において、本明細書は、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法を特徴とし、該方法は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含み、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0011】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含むステントを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0012】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含む透析チューブを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0013】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含む微粒子またはナノ粒子を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0014】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0015】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする単離された核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0016】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含むか、または本質的にこれから成るベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0017】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0018】
別の態様において、本明細書は、薬学的に許容される担体と、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドとを含む、薬学的組成物を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0019】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含むステントを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0020】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含む透析チューブを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0021】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含む微粒子またはナノ粒子を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0022】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0023】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする単離された核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0024】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含むか、または本質的にこれから成るベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0025】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0026】
別の態様において、本明細書は、薬学的に許容される担体と、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドとを含む、薬学的組成物を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0027】
別の態様において、本明細書は、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法を特徴とし、該方法は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含み、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0028】
別の態様において、本明細書は、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法を特徴とし、該方法は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含み、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0029】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含むステントを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0030】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含む透析チューブを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0031】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含む微粒子またはナノ粒子を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0032】
別の態様において、本明細書は、心血管または腎臓の症状を有する哺乳動物を処置するための方法を特徴とする。前記方法は、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含み得る。哺乳動物は、心血管疾患を有し得る。哺乳動物は、うっ血性心不全を有し得る。哺乳動物は、心筋梗塞、冠動脈疾患、動脈疾患、腎不全、癌、またはナトリウムおよび水貯留状態を有し得る。
【0033】
いくつかの場合において、ポリペプチドは、アミノ酸残基45個未満の長さであることが可能であり、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0034】
いくつかの場合において、ポリペプチドは、アミノ酸残基45個未満の長さであることが可能であり、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0035】
いくつかの場合において、ポリペプチドは、アミノ酸残基45個未満の長さであることが可能であり、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0036】
別途定義されない限り、本明細書中において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって広く理解されているものと同一の意味を有する。本発明の実施においては、本明細書中に記載の方法および材料に類似のまたは同等のものを使用することができるが、適切な方法および材料を下記に記載する。本明細書中において言及される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。不一致が生じた場合、定義を含む本願明細書が優先する。また、材料、方法、および実施例は説明のみを目的とし、限定を意図するものではない。
【0037】
本発明の一つまたは複数の態様の詳細が、添付の図面および下記の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および有利な点は、本発明の明細書および図面、ならびに特許請求の範囲により明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】アミノ酸残基33個の長さである、ABC−NPポリペプチドの概略図である(配列番号4)。配列番号4の最初の5個のアミノ酸残基は、ヒト成熟ANPのアミノ酸残基11から15位に対応し、配列番号1と表される。配列番号4のアミノ酸残基6から27位は、15、16、および17位におけるアミノ酸残基が、アルギニン、グルタミン酸、およびアラニンに変化していることを除いて、ヒト成熟CNPのアミノ酸残基1から22位に対応する。配列番号4のアミノ酸残基6から27位は、配列番号2と表される。配列番号4のアミノ酸残基28から33位は、ヒト成熟BNPのアミノ酸残基27から32位に対応し、配列番号3と表される。
【図2】アミノ酸残基33個の長さである、ABC−NP1ポリペプチドの概略図である(配列番号6)。配列番号6の最初の5個のアミノ酸残基は、ヒト成熟ANPのアミノ酸残基11から15位に対応し、配列番号1と表される。配列番号6のアミノ酸残基6から27位は、ヒト成熟CNPのアミノ酸残基1から22位に対応し、配列番号7と表される。配列番号6のアミノ酸残基28から33位は、ヒト成熟BNPのアミノ酸残基27から32位に対応し、配列番号3と表される。
【図3】アミノ酸残基28個の長さである、BC−NP2ポリペプチドの概略図である(配列番号8)。配列番号8のアミノ酸残基1から22位は、15、16、および17位におけるアミノ酸残基が、アルギニン、グルタミン酸、およびアラニンに変化していることを除いて、ヒト成熟CNPのアミノ酸残基1から22位に対応する。配列番号8のアミノ酸残基1から22位は、配列番号2と表される。配列番号8のアミノ酸残基23から28位は、ヒト成熟BNPのアミノ酸残基27から32位に対応し、配列番号3と表される。
【図4】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する尿中ナトリウム排泄率を表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図5】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する尿流率を表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図6】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する平均動脈圧レベルを表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図7】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する血漿バソプレシンレベルを表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図8】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する腎血流量を表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図9】未処置のヒト心臓線維芽細胞、およびANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、ABC−NP(10−11M、10−8M、または10−6M)、またはABC−NP+BNP(各10−6M)により10分間処置されたヒト心臓線維芽細胞における、cGMPレベル(pmol/mL)を表示する、棒グラフである。
【図10】未処置のヒト心臓線維芽細胞、およびANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、ABC−NP1(10−11M、10−8M、または10−6M)、ABC−NP1+BNP(各10−6M)により10分間処置されたヒト心臓線維芽細胞における、cGMPレベル(pmol/mL)を表示する、棒グラフである。
【図11】未処置のヒト心臓線維芽細胞、およびANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、またはBC−NP2(10−11M、10−8M、または10−6M)により10分間処置されたヒト心臓線維芽細胞における、cGMPレベル(pmol/mL)を表示する、棒グラフである。
【図12】配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するABC−NPポリペプチドをコードし得る核酸配列(配列番号5)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本明細書は、水利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、 水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有し得る一方で、血圧を低下させる能力を欠いている。本明細書はまた、哺乳動物体内における水利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を誘発するための方法および材料を提供する。
【0040】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、いかなる配列をも有することができ、かついかなる長さをも有することができる。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1、配列番号2、および配列番号3に記載の配列を含み得る。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列と、(b)10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列と、(c)5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列とに対して整列する、アミノ酸配列を含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1の最初のアルギニン残基または最後のイソロイシン残基が欠失しているか、または異なるアミノ酸残基によって置換されていることを除いて、配列番号1に記載の配列を含み得る。
【0041】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号1に記載されているか、または4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第1のアミノ酸配列と、(b)配列番号2に記載されているか、または10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第2のアミノ酸配列と、(a)配列番号3に記載されているか、または5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第3のアミノ酸配列とを含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号4に記載の配列を含み得るか、またはこれから成り得る。
【0042】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1、配列番号7、および配列番号3に記載の配列を含み得る。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列と、(b)10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号7に記載の配列と、(c)5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列とに対して整列する、アミノ酸配列を含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1の最初のアルギニン残基または最後のイソロイシン残基が欠失しているか、または異なるアミノ酸残基によって置換されていることを除いて、配列番号1に記載の配列を含み得る。
【0043】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号1に記載されているか、または4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第1のアミノ酸配列と、(b)配列番号7に記載されているか、または10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号7に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第2のアミノ酸配列と、(a)配列番号3に記載されているか、または5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第3のアミノ酸配列とを含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号6に記載の配列を含み得るか、またはこれから成り得る。
【0044】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号2および配列番号3に記載の配列を含み得る。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列と、(b)5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列とに対して整列する、アミノ酸配列を含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号2の最初のグリシン残基が欠失しているか、または異なるアミノ酸残基によって置換されていることを除いて、配列番号2に記載の配列を含み得る。
【0045】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号2に記載されているか、または10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第1のアミノ酸配列と、(b)配列番号3に記載されているか、または5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第2のアミノ酸配列とを含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号8に記載の配列を含み得るか、またはこれから成り得る。
【0046】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、いかなる長さであってもよい。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、アミノ酸残基25〜45個(例えば、26〜44個、27〜43個、28〜42個、29〜41個、30〜40個、31〜39個、または32〜38個)の長さであり得る。アミノ酸残基25個または45個の長さのポリペプチドは、アミノ酸残基25〜45個の長さのポリペプチドであると理解されるものとする。
【0047】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。本明細書中においてポリペプチドに関して使用される「実質的に純粋」という用語は、ポリペプチドは、自然においては、それに関連する他のポリペプチド、脂質、炭水化物、および核酸を実質的に含まないことを意味する。それゆえ、実質的に純粋なポリペプチドとは、その自然環境から離された、少なくとも60%純粋な、あらゆるポリペプチドであるか、またはあらゆる化学的に合成したポリペプチドである。実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも約60、65、70、75、80、85、90、95、または99%純粋であり得る。通常、実質的に純粋なポリペプチドは、非還元性ポリアクリルアミドゲル上に単一の主要なバンドを生じる。
【0048】
いくつかの態様において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、血管作用を欠き得る。血管作用は、血管(例えば、臓器房(organ chamber)内の頸動脈)のポリペプチドに対する応答性を測定することによって分析することができる。
【0049】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、ポリペプチドをコードする組換え核酸の発現によって、または化学合成によって取得することができる。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドをコードする発現ベクターを使用する、標準的な組換え技術を使用することができる。得られたポリペプチドは、次に、例えば、親和性クロマトグラフ法およびHPLCを使用して精製することができる。精製の程度は、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、または高速液体クロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない、いかなる適切な方法によっても測定することができる。本明細書中において提供されるポリペプチドは、ポリペプチド精製することを可能とする(例えば、親和性マトリクス上に捕捉される)タグ配列を含むように設計、または操作することができる。例えば、c−myc、血球凝集素、ポリヒスチジン、またはFlag(商標)タグ(Kodak)等のタグを、ポリペプチドの精製を補助するために使用することができる。このようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含むポリペプチド内のあらゆる場所に挿入することができる。使用することのできる他の融合には、ポリペプチドの検出を補助する、アルカリ性ホスファターゼ等の酵素が含まれる。
【0050】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、N末端(例えば、ANPポリペプチドからのN末端配列)を含む第1の領域と、CNPポリペプチド等の成熟ナトリウム利尿ポリペプチドのリング構造を含む第2の領域と、C末端(例えば、BNPポリペプチドからのC末端配列)を含む第3の領域との、3つの領域を含むように産生され得る。BNP、DNP、ANP、およびCNPのN末端、リング構造、およびC末端は、他の文献で論じられている。例えば、米国特許出願第10/561,014号を参照されたい。
【0051】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、心血管疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、冠動脈疾患、腎疾患、非虚血性腎疾患、非炎症性腎疾患、非線維性腎疾患、肝疾患、癌(例えば、腺癌、扁平上皮癌、小細胞肺癌、または乳癌)、肺高血圧症、血管系疾患、拡張機能障害、心機能異常、腎不全(例えば、造影剤起因性または虚血起因性腎不全)、またはこれらの組み合わせを処置するために使用することができる。例えば、ABC−NPポリペプチドは、ヒトの冠動脈疾患の症候の重症度が軽減される条件下で、冠動脈疾患を有するヒトに投与することができる。
【0052】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、薬学的に許容される毒性のない賦形剤または担体と混合することによって、薬学的組成物として製剤することができる。このような組成物は、例えば、心臓、肝臓、血管、腎臓、または他のナトリウム貯留状態を処置するのに有効な量で、その必要がある対象に投与することができる。薬学的組成物は、 特に溶液または生理的緩衝水溶液中の懸濁の形態で、非経口投与のために、 特にタブレットまたはカプセルの形態で、経口投与のために、または、特に粉末、点鼻薬、またはエアロゾルの形態で、鼻腔内投与のために、調製することができる。他の投与経路のための組成物は、標準的な方法を使用して、要望に応じて調製することができる。
【0053】
非経口投与のための製剤は、一般的な賦形剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、植物由来の油脂、水素化ナフタレン等を含み得る。具体的には、生体適合性のある、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーは、インビボにおけるポリペプチドの放出を制御するための賦形剤の例である。他の適切な非経口送達システムには、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み式注入システム、およびリポソームが挙げられる。吸入投与のための製剤には、必要に応じて乳糖等の賦形剤が含まれてもよい。吸入製剤は、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸およびデオキシコール酸を含む水溶液であってもよく、または吸入製剤は、例えば、点鼻薬の形態での投与用に油性溶液であってもよい。必要に応じて、組成物は鼻腔内に塗布されるゲルとして製剤化され得る。また、非経口投与用の製剤は、口腔内投与のためのグリココール酸を含み得る。
【0054】
経口投与のために、結合剤(例えば、あらかじめゼラチン化したトウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤(例えば、乳糖、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモでんぷんまたはナトリウムスターチグリコール酸塩)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の薬学的に許容される賦形剤を使用する従来の手段によって、錠剤またはカプセルを調製することができる。錠剤は、当技術分野で既知の方法によってコーティングすることができる。また、経口投与のための調製は、組成物の制御された放出を可能にするように製剤化することができる。
【0055】
点鼻剤は、液状または乾燥製品の形態とすることができる。噴霧される水性懸濁液または溶液は、pHおよび/または張性を調節するために、担体または賦形剤を含むことができる。
【0056】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、持続放出製剤として製剤化することができる。例えば、ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2ポリペプチドは、制御放出製剤に製剤化することができる。いくつかの場合において、コーティング、外皮、または保護マトリックスは、本明細書中において提供されるポリペプチドの1つまたは複数を含むように製剤することができる。このようなコーティング、外皮、または保護マトリックスは、ステント、カテーテル、および腹膜透析チューブ等の留置器具をコーティングするために、使用することができる。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、高分子物質、リポソーム、マイクロエマルジョン、微粒子、ナノ粒子、またはワックスに組み込むことができる。
【0057】
ポリペプチドをコードする核酸
本明細書はまた、本明細書中において提供されるポリペプチドの1つまたは複数をコードする単離された核酸を提供する。核酸に関して本明細書中で使用される「単離された」という用語は、これが由来する生物体の天然のゲノムにおいて直接隣接(5’末端におけるものと、3’末端におけるもの)する双方の配列と直接隣接しない天然の核酸を指す。例えば、単離された核酸は、天然のゲノムにおいて通常組換えDNA分子と直接隣接して見られる核酸配列のうちの1つが、除去されたか欠如している、任意の長さの組換えDNA分子であり得るがこれに限定されない。それゆえ、単離された核酸は、他の配列から独立した別個の分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されたcDNAまたはゲノムDNA断片)として存在する組換えDNA、ならびにベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)に組み込まれた、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれた組換えDNAを含むがこれらに限定されない。また、単離された核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である組換えDNA分子を含み得る。
【0058】
また、核酸に関して本明細書中で使用される「単離された」という用語は、非天然の核酸配列は自然界では見られず、かつ天然のゲノムにおいて直接隣接する配列を有していないため、あらゆる非天然の核酸を含む。例えば、人工的に作られた核酸等の非天然の核酸は、単離された核酸と見なされる。人工的に作られた核酸(例えば、配列番号4、6、または8に記載のアミノ酸配列を含むかそれから成るポリペプチドをコードする核酸)は、一般的な分子クローニング技術や化学核酸合成技術を使用して作製することができる。単離された非天然の核酸は、他の配列から独立していてもよく、またはベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれてもよい。また、非天然の核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である核酸分子を含むことができる。cDNAライブラリやゲノムライブラリ、またはゲノムDNA制限消化物を含むゲルスライスなどにおける他の数百〜数百万の核酸の中に存在する核酸は、単離された核酸とは見なされない。
【0059】
本明細書中において使用される「核酸」という用語は、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、合成(例えば、化学的に合成した)DNA、および核酸類似体を含むRNAとDNAの双方を指す。核酸は、二本鎖または一本鎖であってもよく、一本鎖の場合、センス鎖またはアンチセンス鎖であってもよい。また、核酸は、円形または線形であってもよい。核酸類似体は、例えば、核酸の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改善するために、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格の箇所において改変することができる。塩基部分における改変は、デオキシチミジンのデオキシウリジンへの、および5−メチル−2’−デオキシシチジンおよび5−ブロモ−2’−デオキシシチジンのデオキシシチジンへの改変を含む。糖部分における改変は、リボース糖の2’ヒドロキシルから、2’−O−メチルまたは2’−O−アリル糖形態への改変を含み得る。デオキシリボースリン酸骨格は、モルホリノ核酸を産するように改変することができ、各塩基部分はそこで六員環のモルホリノ環、またはペプチド核酸に結合し、そこでデオキシリン酸骨格は擬ペプチド骨格によって置換され、4つの塩基は保持される。例えば、SummertonおよびWeller、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.,7:187−195(1997)、およびHyrupら、Bioorgan.Med.Chem.,4:5−23(1996)を参照されたい。また、デオキシリン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイト、またはアルキルホスホトリエステル骨格と置換することができる。
【0060】
本明細書中において提供される核酸は、配列番号5に記載の配列を含むか、それから成ることができる。
【0061】
通常、本明細書中において提供される単離された核酸は、少なくとも10ヌクレオチドの長さ(例えば、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、200、300、350、400、またはそれ以上のヌクレオチドの長さ)である。全長未満の核酸分子は、例えば、診断目的のプライマーまたはプローブとして有用である。単離された核酸分子は、一般的な分子クローン技術および化学核酸合成技術を含むがこれらに限定されない標準的な技術によって産生することができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を使用することができる。PCRとは、標的核酸が酵素的に増幅される手順または技術を指す。関心領域末端またはそれを越える部位からの配列情報は、通常、増幅されるテンプレートの逆鎖の配列と同一のオリゴヌクレオチドプライマーを設計するために採用される。PCRは、DNAならびにRNAから特定の配列を増幅するために使用することができ、配列には、総ゲノムDNAまたは総細胞RNAからの配列が含まれる。プライマーは通常、15〜50ヌクレオチドの長さであるが、10ヌクレオチドから、数百ヌクレオチドの長さに至る範囲であってもよい。例えば、プライマーは、12、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、または45ヌクレオチドの長さであり得る。プライマーは、制限消化物から、従来の方法によって精製するか、または化学的に合成することができる。プライマーは、通常、増幅における効率を最大とするために一本鎖であるが、プライマーは、二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、増幅で使用される前に、鎖を分離するためにまず変性される(例えば、熱で処理される)。一般的なPCR法については、例えばPCR Primer:A Laboratory Manual,DieffenbachおよびDveksler編、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995に記載されている。RNAをテンプレートの供給源として使用する場合、相補DNA(cDNA)鎖を合成するために逆転写酵素を使用することができる。他の文献において記載されるように単離された核酸を取得するために、リガーゼ連鎖反応法、鎖置換増幅法、自立配列複製法、または核酸配列に基づく増幅法もまた使用することができる(Lewis,Genetic Engineering News,12(9):1(1992)、Guatelliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:1874―1878(1990)、およびWeiss,Science,254:1292(1991))。
【0062】
単離された核酸はまた、単一の核酸分子(例えば、ホスホルアミダイト技術を使用した3’〜5’方向の自動DNA合成を使用して)として、または一連のオリゴヌクレオチドとして、化学的に合成することができる。例えば、長いオリゴヌクレオチド(例えば、>100ヌクレオチド)の1つまたは複数の対は、オリゴヌクレオチド対がアニールする時に二本鎖が形成されるように、各対が相補性の短いセグメント(例えば、約15ヌクレオチド)を有する所望の配列を含むように合成することができる。オリゴヌクレオチドを伸長するために、DNAポリメラーゼが用いられ、結果としてオリゴヌクレオチド対毎に、単一の二本鎖の核酸分子が生じ、これらは次にベクターに連結される。
【0063】
単離された核酸はまた、突然変異誘発によって取得することができる。例えば、配列番号1、2、3、4、6、7、または8に記載の配列を有する、ポリペプチドをコードする核酸配列は、例えば、オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発および/またはPCRによる部位特異的突然変異誘発等の標準的な方法を使用して突然変異させることができる。Short Protocols in Molecular Biology、第8章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubelら編、1992を参照されたい。このような突然変異には、付加、欠失、置換、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0064】
ベクターおよび宿主細胞
本明細書はまた、本明細書中において提供される核酸を含むベクターを提供する。本明細書中において使用される場合、「ベクター」は、プラスミド、ファージ、またはコスミド等のレプリコンであり、挿入されたセグメントの複製をもたらすために、そこに別のDNAセグメントを挿入することができる。ベクターは、発現ベクターであり得る。「発現ベクター」とは、1つまたは複数の発現制御配列を含むベクターであり、また「発現制御配列」とは、別のDNA配列の転写および/または翻訳を制御および調節するDNA配列である。
【0065】
本明細書中において提供される発現ベクターにおいて、核酸は、1つまたは複数の発現制御配列に機能的に連結することができる。本明細書中において使用される場合、「機能的に連結する」とは、発現制御配列が、対象となるコード配列の発現を効果的に制御することができるように、遺伝子構造に組み込まれることを意味する。発現制御配列の例としては、プロモーター、エンハンサー、転写終結領域が含まれる。プロモーターとは、転写開始点(概してRNAポリメラーゼIIの開始部位の近傍)の通常100ヌクレオチド上流内のDNA分子領域で構成される発現制御配列である。コード配列をプロモーターの制御下に置くため、ポリペプチドの翻訳の読み枠の翻訳開始部位を、プロモーターの1〜約50ヌクレオチド下流に位置づけることが必要である場合がある。エンハンサーは、時間、部位、およびレベルに関する発現特異性を提供する。プロモーターと異なり、エンハンサーは、転写部位から種々の距離にあっても機能する。エンハンサーはまた、転写開始部位より下流に位置することができる。RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写することができ、それが次にコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳され得る場合、細胞内においてコード配列は発現制御配列に「機能的に連結され」、発現制御配列の「制御下に」あるとされる。
【0066】
適切な発現ベクターには、プラスミド、および例えば、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス由来のウイルスベクターが含まれるがこれらに限定されない。多数のベクターおよび発現システムは、Novagen(ウィスコンシン州、Madison)、Clonetech(カリフォルニア州、Palo Alto)、Stratagene(カリフォルニア州、La Jolla)、およびInvitrogen/Life Technologies(カリフォルニア州、Carlsbad)などの企業から市販されている。
【0067】
発現ベクターは、発現核酸配列のその後の操作(例えば、精製または局在化)を容易にするように設計されたタグ配列を含むことができる。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、ポリヒスチジン、c−myc、血球凝集素、またはFlag(商標)タグ(Kodak、コネチカット州、New Haven)配列等のタグ配列は、通常、コードされたポリペプチドとの融合物として発現する。このようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含むポリペプチド内の、いかなる場所にも挿入することができる。
【0068】
本明細書はまた、本明細書中において提供される核酸分子および/または核酸ベクターを含む宿主細胞を提供する。「宿主細胞」という用語は、核酸分子またはベクターがその中に導入され得る、原核細胞および真核細胞を含むことを意図する。核酸を細胞に導入するために、いかなる方法も使用することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス媒介の核酸転写を、核酸を細胞に導入するために使用することができる。また、裸のDNAは、他の文献で記載されるように、インビボにおいて細胞に直接送達することができる(米国特許第5,580,859号および第5,589,466号)。
【0069】
ポリペプチドの検出
本明細書は、本明細書中において提供されるポリペプチドを検出するための方法および材料を提供する。このような方法および材料は、ポリペプチドを治療薬として受けている哺乳動物の体内のポリペプチドのレベルを監視するために使用することができる。本明細書中において提供されるポリペプチド(例えば、ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2ポリペプチド)は、例えば、1つまたは複数の抗体を使用して免疫学的に検出することができる。本明細書中において使用される「抗体」という用語は、本明細書中において提供されるポリペプチドのエピトープ決定基に結合することができる無傷分子ならびにその断片を含む。「エピトープ」という用語は、抗原上の抗原決定基を指し、そこに抗体のパラトープが結合する。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖等の分子の化学的に活性な表面群(grouping)から成り、通常、特異的な三次元構造の特性ならびに特異的な電荷特性を有する。エピトープは、概して少なくとも5つの隣接アミノ酸(連続エピトープ)を有するか、または代替的に、特定の構造(例えば、立体構造エピトープ)を規定する一組の非隣接アミノ酸であり得る。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖Fv抗体断片、Fab断片、およびF(ab)2断片を含む。ポリクローナル抗体とは、免疫動物の血清中に含まれる、抗体分子の異種集団である。モノクローナル抗体とは、抗体の特定のエピトープに対する同種集団である。
【0070】
本明細書中において提供されるポリペプチド(例えば、ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2)に対して特異的な結合親和力を有する抗体断片は、既知の技術によって生成することができる。例えば、F(ab’)2断片は、抗体分子のペプシン消化によって産生することができ、Fab断片は、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成することができる。あるいは、Fab発現ライブラリを構築してもよい。例えば、Huseら、Science、246:1275(1989)を参照されたい。一旦産生されると、抗体またはその断片は、ELISA法、放射免疫測定法、およびウエスタンブロット法を含む標準的な免疫測定法によって、本明細書中において提供されるポリペプチドの識別について試験される。Short Protocols in Molecular Biology、第11章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubel,F.M.ら編、1992を参照されたい。
【0071】
免疫アッセイにおいては、本明細書中において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体、またはこのような抗体に結合する二次抗体を、直接的または間接的に標識することができる。適切な標識化には、放射性核種(例えば、125I、131I、35S、3H、32P、33P、または14C)、蛍光部分(例えば、フルオレセイン、FITC、PerCP、ローダミン、またはPE)、発光部分(例えば、カリフォルニア州Palo Altoの、Quantum Dot Corporationによって供給されるQdot(商標)ナノ粒子)、規定の波長の光を吸収する化合物、または酵素(例えば、アルカリ性ホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼ)が含まれるがこれらに限定されない。抗体は、ビオチンとの結合によって間接的に標識することができ、次に上述の分子によって標識したアビジンまたはストレプトアビジンを用いて検出することができる。標識を検出または定量化する方法は、標識の性質によって異なり、当技術分野において既知である。検出器の例として、X線フィルム、放射能測定器、シンチレーションカウンター、分光光度計、比色計、蛍光光度計、照度計、および濃度計が挙げられるが、これらに限定されない。当業者に既知のこれらのアプローチの組み合わせ(「多層」アッセイを含む)を、アッセイの感度を強化するために使用することができる。
【0072】
本明細書中において提供されるポリペプチドを検出する免疫アッセイは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ(競合RIA)、または架橋免疫アッセイを含む、種々の既知の形式で行われ得る。例えば、米国特許第5,296,347号、第4,233,402号、第4,098,876号、および第4,034,074号を参照されたい。本明細書中において提供されるポリペプチドを検出する方法は概して、生体試料と、本明細書中において提供されるポリペプチドに結合する抗体とを接触させるステップ、およびポリペプチドの抗体への結合を検出するステップを含む。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体は、当技術分野で既知のあらゆる種類の方法によって、固体基板に固定化することができ、次に生体試料に曝すことができる。ポリペプチドの固体基板上の抗体への結合は、表面プラズモン共鳴現象を活用することによって検出することができ、これは例えば、Biacore装置(Biacore International AB、スウェーデン、Rapsgatan)などの適切な機器によって、定性的または定量的に検出することができる、結合時の表面プラズモン共鳴の強度の変化をもたらす。あるいは、抗体は、上述のように標識し、検出することができる。本明細書中において提供されるポリペプチドの既知量の使用による標準曲線を、ポリペプチドのレベルの定量化を助けるために生成することができる。
【0073】
他の態様において、捕捉抗体が固体基板上に固定化される「サンドイッチ」アッセイは、本明細書中において提供されるポリペプチドの存在の有無、またはレベルを検出するために使用される。固体基板は、試料中の関心対象の任意のポリペプチドが固定化抗体に結合するように、生体試料と接触させることができる。抗体に結合したポリペプチドの存在の有無、またはレベルは、ポリペプチドに特異的な結合親和力を有する「検出」抗体を使用することによって測定することができる。いくつかの態様において、本明細書中において提供されるポリペプチドに加え、BNPに結合親和力を有する捕捉抗体を使用することができる。本態様においては、本明細書中において提供される特定のポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する検出抗体を使用することができる。サンドイッチアッセイにおいて、捕捉抗体は、検出抗体が結合するのと同一のエピトープ(または、ポリクローナル抗体の場合、エピトープの範囲)に結合してはならないということが理解される。それゆえ、モノクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープとは完全に物理的に別個であるか、もしくは該エピトープに部分的にのみ重複するかのいずれかであるエピトープに結合する、別のモノクローナル抗体であってもよく、または検出抗体は、捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープ以外のエピトープ、もしくは捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープに追加的なエピトープに結合する、ポリクローナル抗体であってもよい。ポリクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープとは完全に物理的に別個であるか、もしくは該エピトープに部分的にのみ重複するかのいずれかであるエピトープに結合する、モノクローナル抗体であってもよく、または検出抗体は、捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープ以外のエピトープ、もしくは捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープに追加的なエピトープに結合する、ポリクローナル抗体であってもよい。サンドイッチアッセイは、サンドイッチELISAアッセイ、サンドイッチウエスタンブロットアッセイ、サンドイッチ免疫磁気検出アッセイとして実施することができる。
【0074】
抗体(例えば、捕捉抗体)が結合することができる適切な固体基板としては、マイクロタイタープレート、試験管、ナイロンまたはニトロセルロース膜等の膜、およびビーズまたは粒子(例えば、アガロース、セルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、磁気または磁化ビーズまたは粒子)が含まれるがこれらに限定されない。磁気または磁化粒子は、自動免疫測定システムが使用される場合に特に有用である。
【0075】
本明細書中において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体は、標準的な方法を通じて産生することができる。概して、ポリペプチドは、上述のとおり、組換え技術によって産生するか、生体試料(例えば、異種発現システム)から精製することができ、ウサギ、ニワトリ、マウス、モルモット、またはラットを含む宿主動物を免疫化するために使用することができる。例えば、配列番号4、6、または8に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド(または少なくともアミノ酸6個の長さであるその断片)を、動物を免疫化するために使用することができる。免疫反応を改善するために使用することができる種々のアジュバントは、宿主動物種によって異なり、フロイントアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウム等の鉱物ゲル、リゾレシチン、プルロニックポリオール、多価陰イオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノールなどの界面活性物質を含む。モノクローナル抗体は、本明細書中において提供されるポリペプチドおよび標準的なハイブリドーマ技術を使用して調製することができる。具体的には、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)によって記載されるような、培養下における連続継代細胞系、ヒトB−cellハイブリドーマ技術(Kosborら、Immunology Today,4:72(1983)、Coleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:2026(1983))、および、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、“Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,”Alan R.Liss,Inc.,77〜96ページ(1983))によって抗体分子の産生を提供する、あらゆる技術によって取得することができる。こうした抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD、およびそのあらゆるサブクラスを含むあらゆる免疫グロブリンクラスであり得る。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、インビトロおよびインビボにおいて培養することができる。
【0076】
本明細書中において提供されるポリペプチドを検出するための代替的な技術としては、エレクトロスプレーイオン化(ESI)およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)等の質量分析技術が含まれる。例えば、Gevaertら、Electrophoresis,22(9):1645−51(2001)、Chaurandら、J.Am.Soc.Mass Spectrom.,10(2):91−103(1999)を参照されたい。このような用途に有用な質量分析計は、Applied Biosystems(カリフォルニア州、Foster City)、Bruker Daltronics(マサチューセッツ州、Billerica)、およびAmersham Pharmacia(カリフォルニア州、Sunnyvale)から入手が可能である。
【0077】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に説明されるが、これは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0078】
実施例
実施例1:ABC−NP、ABC−NP1、およびBC−NP2ポリペプチドの生物学的作用
図1〜3に記載の配列を有するポリペプチドを設計および合成した。図1に記載のポリペプチドは、ABC−NPポリペプチドと呼び、図2に記載のポリペプチドは、ABC−NP1ポリペプチドと呼び、図3に記載のポリペプチドは、BC−NP2ポリペプチドと呼ぶ。ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2の静脈内注入の生物学的作用を、健常なイヌで試験した。簡単に述べると、5頭の健常なイヌに、体重1kgあたり25μgのABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2を、静脈内ボーラス投与により注入した。尿ナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、血漿バソプレシンレベル、および腎血流量を、他の文献に記載のとおりに測定した(Chenら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.,288:R1093−R1097(2005)、および、Haberら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,29:1349−1355(2005))。結果を、静脈内ボーラス投与により体重1kgあたり25μgのBNPで処置されたイヌから得られた結果と比較した。
【0079】
ABC−NPポリペプチドの全身投与により、水利尿作用およびナトリウム利尿作用(図4および図5)が生じた。ABC−NPポリペプチドの全身投与は、平均動脈圧に影響しなかった(図6)。ABC−NPポリペプチドの全身投与は、血漿バソプレシンレベルを増加させなかった(図7)。血漿バソプレシンレベルは、BNPの投与後に増加した(図7)。ABC−NPとBNPの双方は、心充満圧における同様の減少をもたらした。
【0080】
これらの結果は、ABC−NPポリペプチドが、BNPと比較して、腎臓に対する明確な作用を有し、かつ全身の血圧に作用する能力に欠くということを実証している。
【0081】
ABC−NP1による処置は、平均動脈圧の減少、および腎血流量の増加を引き起こした(図6および8)。持続する水利尿および利尿腎臓作用は、ABC−NP1で処置されたイヌでは認められなかったが、ABC−NPで処置されたイヌでは認められた(図4および5)。また、ABC−NP1による処置は、血漿バソプレシンレベルを増加させる強い傾向を示した(図7)。これらの結果は、CNPのリングにおけるREAアミノ酸配列(図1)が、ABC−NPでは認められる血管拡張作用の欠如に関与することを実証している。
【0082】
BC−NP2による処置は、平均動脈圧の減少、または腎血流量の増加を引き起こさなかった(図6および8)。それゆえ、ABC−NPと同様に、BC−NP2は、血管拡張作用を有しない。ABC−NPと比較して、BC−NP2は、約50%の腎臓に対する作用しか有しなかった(図4および5)。これらの結果は、ABC−NPのN末端に存在するANPのアミノ酸残基5個が、ABC−NPの持続する水利尿作用および利尿作用に関係していることを実証している。
【0083】
心臓線維芽細胞へのABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2の生物学的作用をインビトロにおいて試験した。簡単に述べると、80〜90%コンフルエントの心臓線維芽細胞を、20mmol/LのN−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’[2−エタンスルホン酸]、0.1%ウシ血清アルブミン、および0.5mmol/Lの3−イソブチル−1−メチルザンチン(Sigma)を含むハンクス液(InVitrogen)内で培養した。処置された細胞は、10分間、ANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、ABC−NP(10−11M、10−8M、または10−6M)、ABC−NP1(10−11M、10−8M、または10−6M)、またはBC−NP2(10−11M、10−8M、または10−6M)を受けた。細胞を、6%TCAに溶解し、10分間超音波処理した。試料は、4容量のエーテルで4回エーテル抽出し、乾燥させ、300μLのcGMPアッセイ緩衝液中で再構成した。試料は、競合RIA cGMPキット(Perkin−Elmer、マサチューセッツ州、Boston)を使用して分析した。簡単に述べると、試料および標準試料を、100μLの非ヒトcGMPポリクローナル抗体およびI125抗原と共に18時間培養した。cGMPアッセイ緩衝液を試料に添加し、それらを、2500rpmで20分間遠心分離器にかけた。遊離画分を吸引除去し、結合画分を計数し、濃度を決定した。試料は、希釈係数に対して補正し、値は、pmol/mLとして表した。ANP、BNP、またはCNPとの交差反応はなく、cAMP、GMP、GDP、ATP、およびGTPとの反応性は<0.001%である。
【0084】
ABC−NP1による処置が、ヒト心臓線維芽細胞におけるcGMPを活性化した一方で、ABC−NPおよびBC−NP2による処置は、活性化しなかった(図9〜11)。これらの結果は、ABC−NP1が、ヒト心臓線維芽細胞における生物学的作用を有する一方で、ABC−NPとBC−NP2の双方が、ヒト心臓線維芽細胞においていかなる生物学的作用も有しないと考えられることを実証している。それゆえ、ABC−NP1は、抗線維化作用を誘発する能力を有し得る一方で、ABC−NPまたはABC−NP2では、その能力が存在しない可能性がある。
【0085】
実施例2:動物モデルを使用した、ABC−NP、ABC−NP1、およびBC−NP2ポリペプチドの生物学的作用
ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2注入の作用を、ナトリウム貯留の2つの大型動物モデル、すなわち、CHFのペーシングされたイヌモデル、ならびに肝硬変およびネフローゼを模倣しているナトリウム貯留のイヌモデルにおいて、さらに評価する。第1のモデルは、他の文献に記載される、CHFの高頻度ペーシングモデルである(Chenら、Circulation,100:2443−2448(1999))。簡単に述べると、重症CHFのモデルを生成するために、イヌを10日間240bpmでペーシングする。24頭のイヌをペーシングし、6頭がABC−NPポリペプチドを受け、6頭がABC−NP1ポリペプチドを受け、6頭がBC−NP2ポリペプチドを受け、6頭が(利尿の対照として)ラシックスを受ける。注入時に、急性の血行動態の試験を実施し、ベースライン時および注入時における群間およびイヌ間の比較を行う。第2のモデルは、他の文献に記載されている(Weiら、Am.J.Physiol.,273:R838−844(1997))、心充満圧の同時増加なしのナトリウム貯留および腹水のTIVCCモデルである。ABC−NP、ABC−NP1、およびBC−NP2ポリペプチドは、静脈内投与される100pmol.kg/分を上限とする漸増用量を使用して、ナトリウム貯留の各イヌモデルで試験した。
【0086】
実施例3:左室リモデリングのリスクを有する患者の処置
左室リモデリングのリスクを有する患者(例えば、心筋梗塞患者)を、ABC−NP1ポリペプチドの静脈内注入で処置する。注入前に、バイタルサインを測定し、神経ホルモンおよび腎機能を測定するために臨床試験を実施する。左室の大きさ、および機能を測定するために、MRIを行う。ABC−NP1ポリペプチドの静脈内注入は、0.001μg/kg/分から1μg/kg/分の用量で開始する。バイタルサインは、注入中2時間毎に評価する。注入は、72時間継続し得る。72時間後、注入が停止する前に採血し、神経ホルモンおよび腎機能を測定する。患者は、左室の大きさ、および機能を評価するための反復MRIのために、1ヶ月および6ヶ月後に再検査を受ける。
【0087】
実施例4:心腎疾患の処置
急性非代償性心不全の状況において、利尿抵抗を伴う腎機能の悪化を発現している患者を、ABC−NPまたはBC−NPポリペプチドの静脈内注入によって、予防的に処置する。注入前に、バイタルサインを測定し、電解質、血清中クレアチニン、シスタチン、およびBNPポリペプチドレベルを測定するために臨床検査を実施する。ベースライン尿排出量を測定し、尿電解質を評価する。ABC−NPまたはBC−NPポリペプチドの静脈内注射を開始する。バイタルサインおよび尿排出量を、注入中2時間毎、12時間〜72時間の注入期間にわたって評価する。注入の間、薬物レベル(例えば、ABC−NPまたはBC−NPポリペプチドレベル)、BNPポリペプチドレベル、血清中クレアチニン、シスタチン、および血漿および尿電解質を毎日評価する。
【0088】
他の態様
本発明は、本発明を実施するための形態とあわせて記載されているが、上記の記述は、説明を意図するものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の局面、利点、および変更は、添付の特許請求の範囲内にあるものとする。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年9月8日に出願した米国仮出願第60/825,028号の恩典を主張する。
【0002】
1.技術分野
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本明細書は、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有する一方で、血管組織を拡張する能力を欠いているポリペプチドに関する。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
ナトリウム利尿ポリペプチドファミリーのメンバーは、体液の恒常性を調節するホルモンである。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、増加した血管内の容量に応答して、心房性細胞から分泌される。一旦ANPが循環血液中に入ると、主に腎臓、血管組織、および副腎に影響が及び、その作用は腎臓によるナトリウムおよび水の排出と、血管内の容量および血圧の低下をもたらす。BNPもまた心筋細胞由来であり、ANP同様、ヒト血漿において循環する。BNPは、ナトリウム利尿性、レンニン阻害性、血管拡張性、および拡張機能性を有する。BNPの主な循環型および貯蔵型は、リング構造を有するアミノ酸32個のポリペプチドである。BNPの生理作用は、グアニル酸シクラーゼ結合の受容体であるナトリウム利尿ペプチド受容体A(NPR−A)によって媒介される。BNPのクリアランスは、BPNを循環から取り除くNPR−C受容体によって促進される。BNPはまた、中性エンドペプチダーゼによる酵素的切断によって分解される。C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、内皮細胞由来であり、血管拡張および増殖阻害ポリペプチドとして機能する。マンバ(Dendroaspis)ナトリウム利尿ペプチド(DNP)は、構造上、ANP、BNP、およびCNPと類似しており、ヒガシグリーンマンバ(Dendoaspis angusticeps)やグリーンマンバ蛇の毒液から単離される。
【発明の概要】
【0004】
概要
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本明細書は、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有し得るが、その一方で、血管組織を拡張する能力を欠いている。
【0005】
概して、本明細書の一局面は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0006】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする単離された核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0007】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含むか、または本質的にこれから成るベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0008】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。宿主細胞は、真核生物宿主細胞であり得る。
【0009】
別の態様において、本明細書は、薬学的に許容される担体と、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドとを含む、薬学的組成物を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0010】
別の態様において、本明細書は、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法を特徴とし、該方法は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含み、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0011】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含むステントを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0012】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含む透析チューブを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0013】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含む微粒子またはナノ粒子を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0014】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0015】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする単離された核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0016】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含むか、または本質的にこれから成るベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0017】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0018】
別の態様において、本明細書は、薬学的に許容される担体と、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドとを含む、薬学的組成物を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0019】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含むステントを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0020】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含む透析チューブを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0021】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含む微粒子またはナノ粒子を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0022】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0023】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする単離された核酸を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0024】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含むか、または本質的にこれから成るベクターを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0025】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0026】
別の態様において、本明細書は、薬学的に許容される担体と、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドとを含む、薬学的組成物を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0027】
別の態様において、本明細書は、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法を特徴とし、該方法は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含み、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0028】
別の態様において、本明細書は、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法を特徴とし、該方法は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含み、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0029】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含むステントを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0030】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含むコーティングを含む透析チューブを特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0031】
別の態様において、本明細書は、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチドを含む微粒子またはナノ粒子を特徴とし、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0032】
別の態様において、本明細書は、心血管または腎臓の症状を有する哺乳動物を処置するための方法を特徴とする。前記方法は、哺乳動物にポリペプチドを投与するステップを含み得る。哺乳動物は、心血管疾患を有し得る。哺乳動物は、うっ血性心不全を有し得る。哺乳動物は、心筋梗塞、冠動脈疾患、動脈疾患、腎不全、癌、またはナトリウムおよび水貯留状態を有し得る。
【0033】
いくつかの場合において、ポリペプチドは、アミノ酸残基45個未満の長さであることが可能であり、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号2に記載の配列、もしくは8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、もしくは3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含むか、または本質的にこれらから成る。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0034】
いくつかの場合において、ポリペプチドは、アミノ酸残基45個未満の長さであることが可能であり、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号7に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0035】
いくつかの場合において、ポリペプチドは、アミノ酸残基45個未満の長さであることが可能であり、該ポリペプチドは、アミノ末端からカルボキシ末端の順で、(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列とを含む。前記ポリペプチドは、ナトリウム利尿作用を含み得る。前記ポリペプチドは、血管拡張作用を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号1に記載の配列を欠き得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号3に記載の配列を含み得る。前記ポリペプチドは、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含み得る。前記ポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。
【0036】
別途定義されない限り、本明細書中において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者によって広く理解されているものと同一の意味を有する。本発明の実施においては、本明細書中に記載の方法および材料に類似のまたは同等のものを使用することができるが、適切な方法および材料を下記に記載する。本明細書中において言及される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。不一致が生じた場合、定義を含む本願明細書が優先する。また、材料、方法、および実施例は説明のみを目的とし、限定を意図するものではない。
【0037】
本発明の一つまたは複数の態様の詳細が、添付の図面および下記の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および有利な点は、本発明の明細書および図面、ならびに特許請求の範囲により明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】アミノ酸残基33個の長さである、ABC−NPポリペプチドの概略図である(配列番号4)。配列番号4の最初の5個のアミノ酸残基は、ヒト成熟ANPのアミノ酸残基11から15位に対応し、配列番号1と表される。配列番号4のアミノ酸残基6から27位は、15、16、および17位におけるアミノ酸残基が、アルギニン、グルタミン酸、およびアラニンに変化していることを除いて、ヒト成熟CNPのアミノ酸残基1から22位に対応する。配列番号4のアミノ酸残基6から27位は、配列番号2と表される。配列番号4のアミノ酸残基28から33位は、ヒト成熟BNPのアミノ酸残基27から32位に対応し、配列番号3と表される。
【図2】アミノ酸残基33個の長さである、ABC−NP1ポリペプチドの概略図である(配列番号6)。配列番号6の最初の5個のアミノ酸残基は、ヒト成熟ANPのアミノ酸残基11から15位に対応し、配列番号1と表される。配列番号6のアミノ酸残基6から27位は、ヒト成熟CNPのアミノ酸残基1から22位に対応し、配列番号7と表される。配列番号6のアミノ酸残基28から33位は、ヒト成熟BNPのアミノ酸残基27から32位に対応し、配列番号3と表される。
【図3】アミノ酸残基28個の長さである、BC−NP2ポリペプチドの概略図である(配列番号8)。配列番号8のアミノ酸残基1から22位は、15、16、および17位におけるアミノ酸残基が、アルギニン、グルタミン酸、およびアラニンに変化していることを除いて、ヒト成熟CNPのアミノ酸残基1から22位に対応する。配列番号8のアミノ酸残基1から22位は、配列番号2と表される。配列番号8のアミノ酸残基23から28位は、ヒト成熟BNPのアミノ酸残基27から32位に対応し、配列番号3と表される。
【図4】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する尿中ナトリウム排泄率を表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図5】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する尿流率を表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図6】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する平均動脈圧レベルを表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図7】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する血漿バソプレシンレベルを表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図8】ABC−NP、BNP、ABC−NP、またはBC−NP2(静脈内ボーラスとして25μg/kg投与される)により処置されるイヌに対する腎血流量を表示する、4つの棒グラフを含む。ベースラインは投与前であり、一方、示される時間は投与後である。
【図9】未処置のヒト心臓線維芽細胞、およびANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、ABC−NP(10−11M、10−8M、または10−6M)、またはABC−NP+BNP(各10−6M)により10分間処置されたヒト心臓線維芽細胞における、cGMPレベル(pmol/mL)を表示する、棒グラフである。
【図10】未処置のヒト心臓線維芽細胞、およびANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、ABC−NP1(10−11M、10−8M、または10−6M)、ABC−NP1+BNP(各10−6M)により10分間処置されたヒト心臓線維芽細胞における、cGMPレベル(pmol/mL)を表示する、棒グラフである。
【図11】未処置のヒト心臓線維芽細胞、およびANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、またはBC−NP2(10−11M、10−8M、または10−6M)により10分間処置されたヒト心臓線維芽細胞における、cGMPレベル(pmol/mL)を表示する、棒グラフである。
【図12】配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するABC−NPポリペプチドをコードし得る核酸配列(配列番号5)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
本明細書は、水利尿ポリペプチドおよびナトリウム利尿ポリペプチドに関する。例えば、本明細書は、水利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を有するポリペプチドを提供する。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、 水利尿作用およびナトリウム利尿作用を有し得る一方で、血圧を低下させる能力を欠いている。本明細書はまた、哺乳動物体内における水利尿作用および/またはナトリウム利尿作用を誘発するための方法および材料を提供する。
【0040】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、いかなる配列をも有することができ、かついかなる長さをも有することができる。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1、配列番号2、および配列番号3に記載の配列を含み得る。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列と、(b)10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列と、(c)5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列とに対して整列する、アミノ酸配列を含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1の最初のアルギニン残基または最後のイソロイシン残基が欠失しているか、または異なるアミノ酸残基によって置換されていることを除いて、配列番号1に記載の配列を含み得る。
【0041】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号1に記載されているか、または4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第1のアミノ酸配列と、(b)配列番号2に記載されているか、または10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第2のアミノ酸配列と、(a)配列番号3に記載されているか、または5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第3のアミノ酸配列とを含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号4に記載の配列を含み得るか、またはこれから成り得る。
【0042】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1、配列番号7、および配列番号3に記載の配列を含み得る。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列と、(b)10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号7に記載の配列と、(c)5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列とに対して整列する、アミノ酸配列を含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号1の最初のアルギニン残基または最後のイソロイシン残基が欠失しているか、または異なるアミノ酸残基によって置換されていることを除いて、配列番号1に記載の配列を含み得る。
【0043】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号1に記載されているか、または4個以下(例えば、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号1に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第1のアミノ酸配列と、(b)配列番号7に記載されているか、または10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号7に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第2のアミノ酸配列と、(a)配列番号3に記載されているか、または5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第3のアミノ酸配列とを含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号6に記載の配列を含み得るか、またはこれから成り得る。
【0044】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号2および配列番号3に記載の配列を含み得る。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列と、(b)5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列とに対して整列する、アミノ酸配列を含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号2の最初のグリシン残基が欠失しているか、または異なるアミノ酸残基によって置換されていることを除いて、配列番号2に記載の配列を含み得る。
【0045】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、(a)配列番号2に記載されているか、または10個以下(例えば、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸付加、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号2に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第1のアミノ酸配列と、(b)配列番号3に記載されているか、または5個以下(例えば、4個以下、3個以下、2個以下、1個、または0個)のアミノ酸欠失、置換、またはそれらの組み合わせを有する配列番号3に記載の配列に対して整列するかのいずれかである、第2のアミノ酸配列とを含み得る。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、配列番号8に記載の配列を含み得るか、またはこれから成り得る。
【0046】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、いかなる長さであってもよい。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドは、アミノ酸残基25〜45個(例えば、26〜44個、27〜43個、28〜42個、29〜41個、30〜40個、31〜39個、または32〜38個)の長さであり得る。アミノ酸残基25個または45個の長さのポリペプチドは、アミノ酸残基25〜45個の長さのポリペプチドであると理解されるものとする。
【0047】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。本明細書中においてポリペプチドに関して使用される「実質的に純粋」という用語は、ポリペプチドは、自然においては、それに関連する他のポリペプチド、脂質、炭水化物、および核酸を実質的に含まないことを意味する。それゆえ、実質的に純粋なポリペプチドとは、その自然環境から離された、少なくとも60%純粋な、あらゆるポリペプチドであるか、またはあらゆる化学的に合成したポリペプチドである。実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも約60、65、70、75、80、85、90、95、または99%純粋であり得る。通常、実質的に純粋なポリペプチドは、非還元性ポリアクリルアミドゲル上に単一の主要なバンドを生じる。
【0048】
いくつかの態様において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、血管作用を欠き得る。血管作用は、血管(例えば、臓器房(organ chamber)内の頸動脈)のポリペプチドに対する応答性を測定することによって分析することができる。
【0049】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、ポリペプチドをコードする組換え核酸の発現によって、または化学合成によって取得することができる。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドをコードする発現ベクターを使用する、標準的な組換え技術を使用することができる。得られたポリペプチドは、次に、例えば、親和性クロマトグラフ法およびHPLCを使用して精製することができる。精製の程度は、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、または高速液体クロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない、いかなる適切な方法によっても測定することができる。本明細書中において提供されるポリペプチドは、ポリペプチド精製することを可能とする(例えば、親和性マトリクス上に捕捉される)タグ配列を含むように設計、または操作することができる。例えば、c−myc、血球凝集素、ポリヒスチジン、またはFlag(商標)タグ(Kodak)等のタグを、ポリペプチドの精製を補助するために使用することができる。このようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含むポリペプチド内のあらゆる場所に挿入することができる。使用することのできる他の融合には、ポリペプチドの検出を補助する、アルカリ性ホスファターゼ等の酵素が含まれる。
【0050】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、N末端(例えば、ANPポリペプチドからのN末端配列)を含む第1の領域と、CNPポリペプチド等の成熟ナトリウム利尿ポリペプチドのリング構造を含む第2の領域と、C末端(例えば、BNPポリペプチドからのC末端配列)を含む第3の領域との、3つの領域を含むように産生され得る。BNP、DNP、ANP、およびCNPのN末端、リング構造、およびC末端は、他の文献で論じられている。例えば、米国特許出願第10/561,014号を参照されたい。
【0051】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、心血管疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、冠動脈疾患、腎疾患、非虚血性腎疾患、非炎症性腎疾患、非線維性腎疾患、肝疾患、癌(例えば、腺癌、扁平上皮癌、小細胞肺癌、または乳癌)、肺高血圧症、血管系疾患、拡張機能障害、心機能異常、腎不全(例えば、造影剤起因性または虚血起因性腎不全)、またはこれらの組み合わせを処置するために使用することができる。例えば、ABC−NPポリペプチドは、ヒトの冠動脈疾患の症候の重症度が軽減される条件下で、冠動脈疾患を有するヒトに投与することができる。
【0052】
本明細書中において提供されるポリペプチドは、薬学的に許容される毒性のない賦形剤または担体と混合することによって、薬学的組成物として製剤することができる。このような組成物は、例えば、心臓、肝臓、血管、腎臓、または他のナトリウム貯留状態を処置するのに有効な量で、その必要がある対象に投与することができる。薬学的組成物は、 特に溶液または生理的緩衝水溶液中の懸濁の形態で、非経口投与のために、 特にタブレットまたはカプセルの形態で、経口投与のために、または、特に粉末、点鼻薬、またはエアロゾルの形態で、鼻腔内投与のために、調製することができる。他の投与経路のための組成物は、標準的な方法を使用して、要望に応じて調製することができる。
【0053】
非経口投与のための製剤は、一般的な賦形剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、植物由来の油脂、水素化ナフタレン等を含み得る。具体的には、生体適合性のある、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーは、インビボにおけるポリペプチドの放出を制御するための賦形剤の例である。他の適切な非経口送達システムには、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み式注入システム、およびリポソームが挙げられる。吸入投与のための製剤には、必要に応じて乳糖等の賦形剤が含まれてもよい。吸入製剤は、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸およびデオキシコール酸を含む水溶液であってもよく、または吸入製剤は、例えば、点鼻薬の形態での投与用に油性溶液であってもよい。必要に応じて、組成物は鼻腔内に塗布されるゲルとして製剤化され得る。また、非経口投与用の製剤は、口腔内投与のためのグリココール酸を含み得る。
【0054】
経口投与のために、結合剤(例えば、あらかじめゼラチン化したトウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤(例えば、乳糖、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモでんぷんまたはナトリウムスターチグリコール酸塩)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の薬学的に許容される賦形剤を使用する従来の手段によって、錠剤またはカプセルを調製することができる。錠剤は、当技術分野で既知の方法によってコーティングすることができる。また、経口投与のための調製は、組成物の制御された放出を可能にするように製剤化することができる。
【0055】
点鼻剤は、液状または乾燥製品の形態とすることができる。噴霧される水性懸濁液または溶液は、pHおよび/または張性を調節するために、担体または賦形剤を含むことができる。
【0056】
いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、持続放出製剤として製剤化することができる。例えば、ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2ポリペプチドは、制御放出製剤に製剤化することができる。いくつかの場合において、コーティング、外皮、または保護マトリックスは、本明細書中において提供されるポリペプチドの1つまたは複数を含むように製剤することができる。このようなコーティング、外皮、または保護マトリックスは、ステント、カテーテル、および腹膜透析チューブ等の留置器具をコーティングするために、使用することができる。いくつかの場合において、本明細書中において提供されるポリペプチドは、高分子物質、リポソーム、マイクロエマルジョン、微粒子、ナノ粒子、またはワックスに組み込むことができる。
【0057】
ポリペプチドをコードする核酸
本明細書はまた、本明細書中において提供されるポリペプチドの1つまたは複数をコードする単離された核酸を提供する。核酸に関して本明細書中で使用される「単離された」という用語は、これが由来する生物体の天然のゲノムにおいて直接隣接(5’末端におけるものと、3’末端におけるもの)する双方の配列と直接隣接しない天然の核酸を指す。例えば、単離された核酸は、天然のゲノムにおいて通常組換えDNA分子と直接隣接して見られる核酸配列のうちの1つが、除去されたか欠如している、任意の長さの組換えDNA分子であり得るがこれに限定されない。それゆえ、単離された核酸は、他の配列から独立した別個の分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されたcDNAまたはゲノムDNA断片)として存在する組換えDNA、ならびにベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)に組み込まれた、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれた組換えDNAを含むがこれらに限定されない。また、単離された核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である組換えDNA分子を含み得る。
【0058】
また、核酸に関して本明細書中で使用される「単離された」という用語は、非天然の核酸配列は自然界では見られず、かつ天然のゲノムにおいて直接隣接する配列を有していないため、あらゆる非天然の核酸を含む。例えば、人工的に作られた核酸等の非天然の核酸は、単離された核酸と見なされる。人工的に作られた核酸(例えば、配列番号4、6、または8に記載のアミノ酸配列を含むかそれから成るポリペプチドをコードする核酸)は、一般的な分子クローニング技術や化学核酸合成技術を使用して作製することができる。単離された非天然の核酸は、他の配列から独立していてもよく、またはベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)、または原核生物または真核生物のゲノムDNAに組み込まれてもよい。また、非天然の核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である核酸分子を含むことができる。cDNAライブラリやゲノムライブラリ、またはゲノムDNA制限消化物を含むゲルスライスなどにおける他の数百〜数百万の核酸の中に存在する核酸は、単離された核酸とは見なされない。
【0059】
本明細書中において使用される「核酸」という用語は、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、合成(例えば、化学的に合成した)DNA、および核酸類似体を含むRNAとDNAの双方を指す。核酸は、二本鎖または一本鎖であってもよく、一本鎖の場合、センス鎖またはアンチセンス鎖であってもよい。また、核酸は、円形または線形であってもよい。核酸類似体は、例えば、核酸の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改善するために、塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格の箇所において改変することができる。塩基部分における改変は、デオキシチミジンのデオキシウリジンへの、および5−メチル−2’−デオキシシチジンおよび5−ブロモ−2’−デオキシシチジンのデオキシシチジンへの改変を含む。糖部分における改変は、リボース糖の2’ヒドロキシルから、2’−O−メチルまたは2’−O−アリル糖形態への改変を含み得る。デオキシリボースリン酸骨格は、モルホリノ核酸を産するように改変することができ、各塩基部分はそこで六員環のモルホリノ環、またはペプチド核酸に結合し、そこでデオキシリン酸骨格は擬ペプチド骨格によって置換され、4つの塩基は保持される。例えば、SummertonおよびWeller、Antisense Nucleic Acid Drug Dev.,7:187−195(1997)、およびHyrupら、Bioorgan.Med.Chem.,4:5−23(1996)を参照されたい。また、デオキシリン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイト、またはアルキルホスホトリエステル骨格と置換することができる。
【0060】
本明細書中において提供される核酸は、配列番号5に記載の配列を含むか、それから成ることができる。
【0061】
通常、本明細書中において提供される単離された核酸は、少なくとも10ヌクレオチドの長さ(例えば、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、200、300、350、400、またはそれ以上のヌクレオチドの長さ)である。全長未満の核酸分子は、例えば、診断目的のプライマーまたはプローブとして有用である。単離された核酸分子は、一般的な分子クローン技術および化学核酸合成技術を含むがこれらに限定されない標準的な技術によって産生することができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を使用することができる。PCRとは、標的核酸が酵素的に増幅される手順または技術を指す。関心領域末端またはそれを越える部位からの配列情報は、通常、増幅されるテンプレートの逆鎖の配列と同一のオリゴヌクレオチドプライマーを設計するために採用される。PCRは、DNAならびにRNAから特定の配列を増幅するために使用することができ、配列には、総ゲノムDNAまたは総細胞RNAからの配列が含まれる。プライマーは通常、15〜50ヌクレオチドの長さであるが、10ヌクレオチドから、数百ヌクレオチドの長さに至る範囲であってもよい。例えば、プライマーは、12、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、または45ヌクレオチドの長さであり得る。プライマーは、制限消化物から、従来の方法によって精製するか、または化学的に合成することができる。プライマーは、通常、増幅における効率を最大とするために一本鎖であるが、プライマーは、二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、増幅で使用される前に、鎖を分離するためにまず変性される(例えば、熱で処理される)。一般的なPCR法については、例えばPCR Primer:A Laboratory Manual,DieffenbachおよびDveksler編、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995に記載されている。RNAをテンプレートの供給源として使用する場合、相補DNA(cDNA)鎖を合成するために逆転写酵素を使用することができる。他の文献において記載されるように単離された核酸を取得するために、リガーゼ連鎖反応法、鎖置換増幅法、自立配列複製法、または核酸配列に基づく増幅法もまた使用することができる(Lewis,Genetic Engineering News,12(9):1(1992)、Guatelliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:1874―1878(1990)、およびWeiss,Science,254:1292(1991))。
【0062】
単離された核酸はまた、単一の核酸分子(例えば、ホスホルアミダイト技術を使用した3’〜5’方向の自動DNA合成を使用して)として、または一連のオリゴヌクレオチドとして、化学的に合成することができる。例えば、長いオリゴヌクレオチド(例えば、>100ヌクレオチド)の1つまたは複数の対は、オリゴヌクレオチド対がアニールする時に二本鎖が形成されるように、各対が相補性の短いセグメント(例えば、約15ヌクレオチド)を有する所望の配列を含むように合成することができる。オリゴヌクレオチドを伸長するために、DNAポリメラーゼが用いられ、結果としてオリゴヌクレオチド対毎に、単一の二本鎖の核酸分子が生じ、これらは次にベクターに連結される。
【0063】
単離された核酸はまた、突然変異誘発によって取得することができる。例えば、配列番号1、2、3、4、6、7、または8に記載の配列を有する、ポリペプチドをコードする核酸配列は、例えば、オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発および/またはPCRによる部位特異的突然変異誘発等の標準的な方法を使用して突然変異させることができる。Short Protocols in Molecular Biology、第8章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubelら編、1992を参照されたい。このような突然変異には、付加、欠失、置換、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0064】
ベクターおよび宿主細胞
本明細書はまた、本明細書中において提供される核酸を含むベクターを提供する。本明細書中において使用される場合、「ベクター」は、プラスミド、ファージ、またはコスミド等のレプリコンであり、挿入されたセグメントの複製をもたらすために、そこに別のDNAセグメントを挿入することができる。ベクターは、発現ベクターであり得る。「発現ベクター」とは、1つまたは複数の発現制御配列を含むベクターであり、また「発現制御配列」とは、別のDNA配列の転写および/または翻訳を制御および調節するDNA配列である。
【0065】
本明細書中において提供される発現ベクターにおいて、核酸は、1つまたは複数の発現制御配列に機能的に連結することができる。本明細書中において使用される場合、「機能的に連結する」とは、発現制御配列が、対象となるコード配列の発現を効果的に制御することができるように、遺伝子構造に組み込まれることを意味する。発現制御配列の例としては、プロモーター、エンハンサー、転写終結領域が含まれる。プロモーターとは、転写開始点(概してRNAポリメラーゼIIの開始部位の近傍)の通常100ヌクレオチド上流内のDNA分子領域で構成される発現制御配列である。コード配列をプロモーターの制御下に置くため、ポリペプチドの翻訳の読み枠の翻訳開始部位を、プロモーターの1〜約50ヌクレオチド下流に位置づけることが必要である場合がある。エンハンサーは、時間、部位、およびレベルに関する発現特異性を提供する。プロモーターと異なり、エンハンサーは、転写部位から種々の距離にあっても機能する。エンハンサーはまた、転写開始部位より下流に位置することができる。RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写することができ、それが次にコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳され得る場合、細胞内においてコード配列は発現制御配列に「機能的に連結され」、発現制御配列の「制御下に」あるとされる。
【0066】
適切な発現ベクターには、プラスミド、および例えば、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ポックスウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス由来のウイルスベクターが含まれるがこれらに限定されない。多数のベクターおよび発現システムは、Novagen(ウィスコンシン州、Madison)、Clonetech(カリフォルニア州、Palo Alto)、Stratagene(カリフォルニア州、La Jolla)、およびInvitrogen/Life Technologies(カリフォルニア州、Carlsbad)などの企業から市販されている。
【0067】
発現ベクターは、発現核酸配列のその後の操作(例えば、精製または局在化)を容易にするように設計されたタグ配列を含むことができる。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、ポリヒスチジン、c−myc、血球凝集素、またはFlag(商標)タグ(Kodak、コネチカット州、New Haven)配列等のタグ配列は、通常、コードされたポリペプチドとの融合物として発現する。このようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含むポリペプチド内の、いかなる場所にも挿入することができる。
【0068】
本明細書はまた、本明細書中において提供される核酸分子および/または核酸ベクターを含む宿主細胞を提供する。「宿主細胞」という用語は、核酸分子またはベクターがその中に導入され得る、原核細胞および真核細胞を含むことを意図する。核酸を細胞に導入するために、いかなる方法も使用することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルス媒介の核酸転写を、核酸を細胞に導入するために使用することができる。また、裸のDNAは、他の文献で記載されるように、インビボにおいて細胞に直接送達することができる(米国特許第5,580,859号および第5,589,466号)。
【0069】
ポリペプチドの検出
本明細書は、本明細書中において提供されるポリペプチドを検出するための方法および材料を提供する。このような方法および材料は、ポリペプチドを治療薬として受けている哺乳動物の体内のポリペプチドのレベルを監視するために使用することができる。本明細書中において提供されるポリペプチド(例えば、ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2ポリペプチド)は、例えば、1つまたは複数の抗体を使用して免疫学的に検出することができる。本明細書中において使用される「抗体」という用語は、本明細書中において提供されるポリペプチドのエピトープ決定基に結合することができる無傷分子ならびにその断片を含む。「エピトープ」という用語は、抗原上の抗原決定基を指し、そこに抗体のパラトープが結合する。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖等の分子の化学的に活性な表面群(grouping)から成り、通常、特異的な三次元構造の特性ならびに特異的な電荷特性を有する。エピトープは、概して少なくとも5つの隣接アミノ酸(連続エピトープ)を有するか、または代替的に、特定の構造(例えば、立体構造エピトープ)を規定する一組の非隣接アミノ酸であり得る。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖Fv抗体断片、Fab断片、およびF(ab)2断片を含む。ポリクローナル抗体とは、免疫動物の血清中に含まれる、抗体分子の異種集団である。モノクローナル抗体とは、抗体の特定のエピトープに対する同種集団である。
【0070】
本明細書中において提供されるポリペプチド(例えば、ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2)に対して特異的な結合親和力を有する抗体断片は、既知の技術によって生成することができる。例えば、F(ab’)2断片は、抗体分子のペプシン消化によって産生することができ、Fab断片は、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成することができる。あるいは、Fab発現ライブラリを構築してもよい。例えば、Huseら、Science、246:1275(1989)を参照されたい。一旦産生されると、抗体またはその断片は、ELISA法、放射免疫測定法、およびウエスタンブロット法を含む標準的な免疫測定法によって、本明細書中において提供されるポリペプチドの識別について試験される。Short Protocols in Molecular Biology、第11章、Green Publishing Associates and John Wiley & Sons、Ausubel,F.M.ら編、1992を参照されたい。
【0071】
免疫アッセイにおいては、本明細書中において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体、またはこのような抗体に結合する二次抗体を、直接的または間接的に標識することができる。適切な標識化には、放射性核種(例えば、125I、131I、35S、3H、32P、33P、または14C)、蛍光部分(例えば、フルオレセイン、FITC、PerCP、ローダミン、またはPE)、発光部分(例えば、カリフォルニア州Palo Altoの、Quantum Dot Corporationによって供給されるQdot(商標)ナノ粒子)、規定の波長の光を吸収する化合物、または酵素(例えば、アルカリ性ホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼ)が含まれるがこれらに限定されない。抗体は、ビオチンとの結合によって間接的に標識することができ、次に上述の分子によって標識したアビジンまたはストレプトアビジンを用いて検出することができる。標識を検出または定量化する方法は、標識の性質によって異なり、当技術分野において既知である。検出器の例として、X線フィルム、放射能測定器、シンチレーションカウンター、分光光度計、比色計、蛍光光度計、照度計、および濃度計が挙げられるが、これらに限定されない。当業者に既知のこれらのアプローチの組み合わせ(「多層」アッセイを含む)を、アッセイの感度を強化するために使用することができる。
【0072】
本明細書中において提供されるポリペプチドを検出する免疫アッセイは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ(競合RIA)、または架橋免疫アッセイを含む、種々の既知の形式で行われ得る。例えば、米国特許第5,296,347号、第4,233,402号、第4,098,876号、および第4,034,074号を参照されたい。本明細書中において提供されるポリペプチドを検出する方法は概して、生体試料と、本明細書中において提供されるポリペプチドに結合する抗体とを接触させるステップ、およびポリペプチドの抗体への結合を検出するステップを含む。例えば、本明細書中において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体は、当技術分野で既知のあらゆる種類の方法によって、固体基板に固定化することができ、次に生体試料に曝すことができる。ポリペプチドの固体基板上の抗体への結合は、表面プラズモン共鳴現象を活用することによって検出することができ、これは例えば、Biacore装置(Biacore International AB、スウェーデン、Rapsgatan)などの適切な機器によって、定性的または定量的に検出することができる、結合時の表面プラズモン共鳴の強度の変化をもたらす。あるいは、抗体は、上述のように標識し、検出することができる。本明細書中において提供されるポリペプチドの既知量の使用による標準曲線を、ポリペプチドのレベルの定量化を助けるために生成することができる。
【0073】
他の態様において、捕捉抗体が固体基板上に固定化される「サンドイッチ」アッセイは、本明細書中において提供されるポリペプチドの存在の有無、またはレベルを検出するために使用される。固体基板は、試料中の関心対象の任意のポリペプチドが固定化抗体に結合するように、生体試料と接触させることができる。抗体に結合したポリペプチドの存在の有無、またはレベルは、ポリペプチドに特異的な結合親和力を有する「検出」抗体を使用することによって測定することができる。いくつかの態様において、本明細書中において提供されるポリペプチドに加え、BNPに結合親和力を有する捕捉抗体を使用することができる。本態様においては、本明細書中において提供される特定のポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する検出抗体を使用することができる。サンドイッチアッセイにおいて、捕捉抗体は、検出抗体が結合するのと同一のエピトープ(または、ポリクローナル抗体の場合、エピトープの範囲)に結合してはならないということが理解される。それゆえ、モノクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープとは完全に物理的に別個であるか、もしくは該エピトープに部分的にのみ重複するかのいずれかであるエピトープに結合する、別のモノクローナル抗体であってもよく、または検出抗体は、捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープ以外のエピトープ、もしくは捕捉モノクローナル抗体が結合するエピトープに追加的なエピトープに結合する、ポリクローナル抗体であってもよい。ポリクローナル抗体が捕捉抗体として使用される場合、検出抗体は、捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープとは完全に物理的に別個であるか、もしくは該エピトープに部分的にのみ重複するかのいずれかであるエピトープに結合する、モノクローナル抗体であってもよく、または検出抗体は、捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープ以外のエピトープ、もしくは捕捉ポリクローナル抗体が結合するエピトープに追加的なエピトープに結合する、ポリクローナル抗体であってもよい。サンドイッチアッセイは、サンドイッチELISAアッセイ、サンドイッチウエスタンブロットアッセイ、サンドイッチ免疫磁気検出アッセイとして実施することができる。
【0074】
抗体(例えば、捕捉抗体)が結合することができる適切な固体基板としては、マイクロタイタープレート、試験管、ナイロンまたはニトロセルロース膜等の膜、およびビーズまたは粒子(例えば、アガロース、セルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、磁気または磁化ビーズまたは粒子)が含まれるがこれらに限定されない。磁気または磁化粒子は、自動免疫測定システムが使用される場合に特に有用である。
【0075】
本明細書中において提供されるポリペプチドに対して特異的な結合親和力を有する抗体は、標準的な方法を通じて産生することができる。概して、ポリペプチドは、上述のとおり、組換え技術によって産生するか、生体試料(例えば、異種発現システム)から精製することができ、ウサギ、ニワトリ、マウス、モルモット、またはラットを含む宿主動物を免疫化するために使用することができる。例えば、配列番号4、6、または8に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド(または少なくともアミノ酸6個の長さであるその断片)を、動物を免疫化するために使用することができる。免疫反応を改善するために使用することができる種々のアジュバントは、宿主動物種によって異なり、フロイントアジュバント(完全および不完全)、水酸化アルミニウム等の鉱物ゲル、リゾレシチン、プルロニックポリオール、多価陰イオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノールなどの界面活性物質を含む。モノクローナル抗体は、本明細書中において提供されるポリペプチドおよび標準的なハイブリドーマ技術を使用して調製することができる。具体的には、モノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature,256:495(1975)によって記載されるような、培養下における連続継代細胞系、ヒトB−cellハイブリドーマ技術(Kosborら、Immunology Today,4:72(1983)、Coleら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80:2026(1983))、および、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、“Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,”Alan R.Liss,Inc.,77〜96ページ(1983))によって抗体分子の産生を提供する、あらゆる技術によって取得することができる。こうした抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgD、およびそのあらゆるサブクラスを含むあらゆる免疫グロブリンクラスであり得る。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、インビトロおよびインビボにおいて培養することができる。
【0076】
本明細書中において提供されるポリペプチドを検出するための代替的な技術としては、エレクトロスプレーイオン化(ESI)およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)等の質量分析技術が含まれる。例えば、Gevaertら、Electrophoresis,22(9):1645−51(2001)、Chaurandら、J.Am.Soc.Mass Spectrom.,10(2):91−103(1999)を参照されたい。このような用途に有用な質量分析計は、Applied Biosystems(カリフォルニア州、Foster City)、Bruker Daltronics(マサチューセッツ州、Billerica)、およびAmersham Pharmacia(カリフォルニア州、Sunnyvale)から入手が可能である。
【0077】
本発明は、下記の実施例においてより詳細に説明されるが、これは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【0078】
実施例
実施例1:ABC−NP、ABC−NP1、およびBC−NP2ポリペプチドの生物学的作用
図1〜3に記載の配列を有するポリペプチドを設計および合成した。図1に記載のポリペプチドは、ABC−NPポリペプチドと呼び、図2に記載のポリペプチドは、ABC−NP1ポリペプチドと呼び、図3に記載のポリペプチドは、BC−NP2ポリペプチドと呼ぶ。ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2の静脈内注入の生物学的作用を、健常なイヌで試験した。簡単に述べると、5頭の健常なイヌに、体重1kgあたり25μgのABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2を、静脈内ボーラス投与により注入した。尿ナトリウム排泄量、尿流量、平均動脈圧、血漿バソプレシンレベル、および腎血流量を、他の文献に記載のとおりに測定した(Chenら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.,288:R1093−R1097(2005)、および、Haberら、J.Clin.Endocrinol.Metab.,29:1349−1355(2005))。結果を、静脈内ボーラス投与により体重1kgあたり25μgのBNPで処置されたイヌから得られた結果と比較した。
【0079】
ABC−NPポリペプチドの全身投与により、水利尿作用およびナトリウム利尿作用(図4および図5)が生じた。ABC−NPポリペプチドの全身投与は、平均動脈圧に影響しなかった(図6)。ABC−NPポリペプチドの全身投与は、血漿バソプレシンレベルを増加させなかった(図7)。血漿バソプレシンレベルは、BNPの投与後に増加した(図7)。ABC−NPとBNPの双方は、心充満圧における同様の減少をもたらした。
【0080】
これらの結果は、ABC−NPポリペプチドが、BNPと比較して、腎臓に対する明確な作用を有し、かつ全身の血圧に作用する能力に欠くということを実証している。
【0081】
ABC−NP1による処置は、平均動脈圧の減少、および腎血流量の増加を引き起こした(図6および8)。持続する水利尿および利尿腎臓作用は、ABC−NP1で処置されたイヌでは認められなかったが、ABC−NPで処置されたイヌでは認められた(図4および5)。また、ABC−NP1による処置は、血漿バソプレシンレベルを増加させる強い傾向を示した(図7)。これらの結果は、CNPのリングにおけるREAアミノ酸配列(図1)が、ABC−NPでは認められる血管拡張作用の欠如に関与することを実証している。
【0082】
BC−NP2による処置は、平均動脈圧の減少、または腎血流量の増加を引き起こさなかった(図6および8)。それゆえ、ABC−NPと同様に、BC−NP2は、血管拡張作用を有しない。ABC−NPと比較して、BC−NP2は、約50%の腎臓に対する作用しか有しなかった(図4および5)。これらの結果は、ABC−NPのN末端に存在するANPのアミノ酸残基5個が、ABC−NPの持続する水利尿作用および利尿作用に関係していることを実証している。
【0083】
心臓線維芽細胞へのABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2の生物学的作用をインビトロにおいて試験した。簡単に述べると、80〜90%コンフルエントの心臓線維芽細胞を、20mmol/LのN−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’[2−エタンスルホン酸]、0.1%ウシ血清アルブミン、および0.5mmol/Lの3−イソブチル−1−メチルザンチン(Sigma)を含むハンクス液(InVitrogen)内で培養した。処置された細胞は、10分間、ANP(10−6M)、BNP(10−6M)、CNP(10−6M)、ABC−NP(10−11M、10−8M、または10−6M)、ABC−NP1(10−11M、10−8M、または10−6M)、またはBC−NP2(10−11M、10−8M、または10−6M)を受けた。細胞を、6%TCAに溶解し、10分間超音波処理した。試料は、4容量のエーテルで4回エーテル抽出し、乾燥させ、300μLのcGMPアッセイ緩衝液中で再構成した。試料は、競合RIA cGMPキット(Perkin−Elmer、マサチューセッツ州、Boston)を使用して分析した。簡単に述べると、試料および標準試料を、100μLの非ヒトcGMPポリクローナル抗体およびI125抗原と共に18時間培養した。cGMPアッセイ緩衝液を試料に添加し、それらを、2500rpmで20分間遠心分離器にかけた。遊離画分を吸引除去し、結合画分を計数し、濃度を決定した。試料は、希釈係数に対して補正し、値は、pmol/mLとして表した。ANP、BNP、またはCNPとの交差反応はなく、cAMP、GMP、GDP、ATP、およびGTPとの反応性は<0.001%である。
【0084】
ABC−NP1による処置が、ヒト心臓線維芽細胞におけるcGMPを活性化した一方で、ABC−NPおよびBC−NP2による処置は、活性化しなかった(図9〜11)。これらの結果は、ABC−NP1が、ヒト心臓線維芽細胞における生物学的作用を有する一方で、ABC−NPとBC−NP2の双方が、ヒト心臓線維芽細胞においていかなる生物学的作用も有しないと考えられることを実証している。それゆえ、ABC−NP1は、抗線維化作用を誘発する能力を有し得る一方で、ABC−NPまたはABC−NP2では、その能力が存在しない可能性がある。
【0085】
実施例2:動物モデルを使用した、ABC−NP、ABC−NP1、およびBC−NP2ポリペプチドの生物学的作用
ABC−NP、ABC−NP1、またはBC−NP2注入の作用を、ナトリウム貯留の2つの大型動物モデル、すなわち、CHFのペーシングされたイヌモデル、ならびに肝硬変およびネフローゼを模倣しているナトリウム貯留のイヌモデルにおいて、さらに評価する。第1のモデルは、他の文献に記載される、CHFの高頻度ペーシングモデルである(Chenら、Circulation,100:2443−2448(1999))。簡単に述べると、重症CHFのモデルを生成するために、イヌを10日間240bpmでペーシングする。24頭のイヌをペーシングし、6頭がABC−NPポリペプチドを受け、6頭がABC−NP1ポリペプチドを受け、6頭がBC−NP2ポリペプチドを受け、6頭が(利尿の対照として)ラシックスを受ける。注入時に、急性の血行動態の試験を実施し、ベースライン時および注入時における群間およびイヌ間の比較を行う。第2のモデルは、他の文献に記載されている(Weiら、Am.J.Physiol.,273:R838−844(1997))、心充満圧の同時増加なしのナトリウム貯留および腹水のTIVCCモデルである。ABC−NP、ABC−NP1、およびBC−NP2ポリペプチドは、静脈内投与される100pmol.kg/分を上限とする漸増用量を使用して、ナトリウム貯留の各イヌモデルで試験した。
【0086】
実施例3:左室リモデリングのリスクを有する患者の処置
左室リモデリングのリスクを有する患者(例えば、心筋梗塞患者)を、ABC−NP1ポリペプチドの静脈内注入で処置する。注入前に、バイタルサインを測定し、神経ホルモンおよび腎機能を測定するために臨床試験を実施する。左室の大きさ、および機能を測定するために、MRIを行う。ABC−NP1ポリペプチドの静脈内注入は、0.001μg/kg/分から1μg/kg/分の用量で開始する。バイタルサインは、注入中2時間毎に評価する。注入は、72時間継続し得る。72時間後、注入が停止する前に採血し、神経ホルモンおよび腎機能を測定する。患者は、左室の大きさ、および機能を評価するための反復MRIのために、1ヶ月および6ヶ月後に再検査を受ける。
【0087】
実施例4:心腎疾患の処置
急性非代償性心不全の状況において、利尿抵抗を伴う腎機能の悪化を発現している患者を、ABC−NPまたはBC−NPポリペプチドの静脈内注入によって、予防的に処置する。注入前に、バイタルサインを測定し、電解質、血清中クレアチニン、シスタチン、およびBNPポリペプチドレベルを測定するために臨床検査を実施する。ベースライン尿排出量を測定し、尿電解質を評価する。ABC−NPまたはBC−NPポリペプチドの静脈内注射を開始する。バイタルサインおよび尿排出量を、注入中2時間毎、12時間〜72時間の注入期間にわたって評価する。注入の間、薬物レベル(例えば、ABC−NPまたはBC−NPポリペプチドレベル)、BNPポリペプチドレベル、血清中クレアチニン、シスタチン、および血漿および尿電解質を毎日評価する。
【0088】
他の態様
本発明は、本発明を実施するための形態とあわせて記載されているが、上記の記述は、説明を意図するものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の局面、利点、および変更は、添付の特許請求の範囲内にあるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ末端からカルボキシ末端の順で、
(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、
(b)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、
(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列と
を含む、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチド。
【請求項2】
ナトリウム利尿作用を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
血管拡張作用を欠いている、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1に記載の配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号2に記載の配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項6】
配列番号3に記載の配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項7】
配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項8】
実質的に純粋なポリペプチドである、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項9】
アミノ末端からカルボキシ末端の順で、
(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、
(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、
(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列と
を含む、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチド。
【請求項10】
ナトリウム利尿作用を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項11】
配列番号1に記載の配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項12】
配列番号7に記載の配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項13】
配列番号3に記載の配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項14】
配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項15】
実質的に純粋なポリペプチドである、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項16】
アミノ末端からカルボキシ末端の順で、
(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、
(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列と
を含む、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチド。
【請求項17】
ナトリウム利尿作用を含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項18】
血管拡張作用を欠いている、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項19】
配列番号1に記載の配列を欠いている、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項20】
配列番号2に記載の配列を含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項21】
配列番号3に記載の配列を含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項22】
配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項23】
実質的に純粋なポリペプチドである、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項24】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸。
【請求項25】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドをコードする核酸を含む、ベクター。
【請求項26】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドをコードする核酸を含む、宿主細胞。
【請求項27】
真核生物宿主細胞である、請求項26に記載の宿主細胞。
【請求項28】
薬学的に許容される担体と、請求項1、9、または16に記載のポリペプチドとを含む、薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1または16に記載のポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含む、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法。
【請求項30】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含む、心血管または腎臓の症状を有する哺乳動物を処置するための方法。
【請求項31】
前記哺乳動物が、心血管疾患を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記哺乳動物が、うっ血性心不全を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記哺乳動物が、心筋梗塞、冠動脈疾患、動脈疾患、腎不全、癌、またはナトリウムおよび水貯留状態を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを含むコーティングを含む、ステント。
【請求項35】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを含むコーティングを含む、透析チューブ。
【請求項36】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを含む、微粒子またはナノ粒子。
【請求項1】
アミノ末端からカルボキシ末端の順で、
(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、
(b)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、
(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列と
を含む、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチド。
【請求項2】
ナトリウム利尿作用を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
血管拡張作用を欠いている、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1に記載の配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号2に記載の配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項6】
配列番号3に記載の配列を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項7】
配列番号1に記載の配列と、配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項8】
実質的に純粋なポリペプチドである、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項9】
アミノ末端からカルボキシ末端の順で、
(a)配列番号1に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号1に記載の配列と、
(b)配列番号7に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、
(c)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列と
を含む、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチド。
【請求項10】
ナトリウム利尿作用を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項11】
配列番号1に記載の配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項12】
配列番号7に記載の配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項13】
配列番号3に記載の配列を含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項14】
配列番号1に記載の配列と、配列番号7に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項15】
実質的に純粋なポリペプチドである、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項16】
アミノ末端からカルボキシ末端の順で、
(a)配列番号2に記載の配列、または8個以下のミスマッチを有する配列番号2に記載の配列と、
(b)配列番号3に記載の配列、または3個以下のミスマッチを有する配列番号3に記載の配列と
を含む、アミノ酸残基45個未満の長さのポリペプチド。
【請求項17】
ナトリウム利尿作用を含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項18】
血管拡張作用を欠いている、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項19】
配列番号1に記載の配列を欠いている、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項20】
配列番号2に記載の配列を含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項21】
配列番号3に記載の配列を含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項22】
配列番号2に記載の配列と、配列番号3に記載の配列とを含む、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項23】
実質的に純粋なポリペプチドである、請求項16に記載のポリペプチド。
【請求項24】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸。
【請求項25】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドをコードする核酸を含む、ベクター。
【請求項26】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドをコードする核酸を含む、宿主細胞。
【請求項27】
真核生物宿主細胞である、請求項26に記載の宿主細胞。
【請求項28】
薬学的に許容される担体と、請求項1、9、または16に記載のポリペプチドとを含む、薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1または16に記載のポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含む、血圧を低下させることなく哺乳動物体内における水利尿作用およびナトリウム利尿作用を増加させるための方法。
【請求項30】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを哺乳動物に投与するステップを含む、心血管または腎臓の症状を有する哺乳動物を処置するための方法。
【請求項31】
前記哺乳動物が、心血管疾患を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記哺乳動物が、うっ血性心不全を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記哺乳動物が、心筋梗塞、冠動脈疾患、動脈疾患、腎不全、癌、またはナトリウムおよび水貯留状態を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを含むコーティングを含む、ステント。
【請求項35】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを含むコーティングを含む、透析チューブ。
【請求項36】
請求項1、9、または16に記載のポリペプチドを含む、微粒子またはナノ粒子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−502231(P2010−502231A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527587(P2009−527587)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/077900
【国際公開番号】WO2008/031045
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/077900
【国際公開番号】WO2008/031045
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【Fターム(参考)】
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