説明

衣類を通過する紫外線量を減少させる粉末洗浄剤組成物

【課題】繊維製品を通過する紫外線量を減少させると共に、粉体白度を向上させた粉末洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)界面活性剤;(B)スチルベン型紫外線吸収剤;及び(C)ビフェニル型蛍光増白剤を含有し、(B)成分と(C)成分との合計量が、組成物の全量を基準にして0.2〜0.7質量%であり、(B)成分の配合量と(C)成分の配合量の比が、質量比にして、0.5≦(B)/(C)≦8.0であり、ハンター白度が75以上である粉末洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の繊維製品に使用できる粉末洗浄剤組成物に関する。詳しくは、衣類を通過する紫外線量を減少させる粉末洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤の処方において蛍光増白剤を使用することは一般的に広く知られており、これら蛍光剤は洗濯中に衣類に吸着し、特定の光の吸収/発光性によって、黄色に変化した色調の消去を行うものである。また、一般的な蛍光剤では、前述の効果と同時に紫外線の透過を減少することもできるが、その効果は人の皮膚に赤い日焼け(紅班)をほぼ引き起こすことのないUV-A照射線(波長320−400nm)に対してであり、皮膚における紅斑またはやけどを起こさせる特に有害なUV-B照射線(波長280−320nm)に対しては殆ど減少させることができない。家庭洗濯を通じて衣類を通過する紫外線を減少させる取り組みとして、特許文献1〜5が知られている。
他方、紫外線吸収剤を洗剤粒子に配合する場合、特許文献5でも報告されているように噴霧乾燥工程で添加すると紫外線吸収剤の均一分散性は良好であるものの粉体白度が劣る。
【0003】
【特許文献1】特開平7-310094号公報
【特許文献2】特開平9−3052号公報
【特許文献3】特開平10-81672号公報
【特許文献4】特開平10−87638号公報
【特許文献5】特開2004−43663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、繊維製品を通過する紫外線量を減少させると共に、粉体白度を向上させた粉末洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、驚くべきことにスチルベン型紫外線吸収剤とビフェニル型蛍光増白剤を併用することで、粉体白度が改善され、かつ、相乗的に紫外線防止効果を高めることができることを見出し、衣類を通過する紫外線を減少させる粉末洗浄剤組成物を提供するものである。すなわち、本発明は、
(A)界面活性剤;
(B)スチルベン型紫外線吸収剤;及び
(C)ビフェニル型蛍光増白剤;
を含有し、
(B)成分と(C)成分との合計量が、組成物の全量を基準にして0.2〜0.7質量%であり、
(B)成分の配合量と(C)成分の配合量の比が、質量比にして、0.5≦(B)/(C)≦8.0であり、
ハンター白度が75以上である粉末洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、粉体白度を向上させ且つ高い紫外線カット能を付与することのできる粉末洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(A)界面活性剤
本発明において用いることのできる界面活性剤としては、通常、衣類等の繊維製品用洗浄剤組成物に使用されている界面活性剤であれば、特に制限なく使用することができる。アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤が好ましい。
<アニオン界面活性剤>
アニオン界面活性剤としては、従来洗剤に使用されているものであれば、特に限定されるものではなく、各種のアニオン界面活性剤を使用することができる。例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩
(2)炭素数10〜20のアルキル硫酸(AS)塩又はアルケニル硫酸塩
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸(AOS)塩
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテル硫酸(AES)塩又はアルケニルエーテル硫酸塩
(6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩
(7)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩
(8)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)、
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル等。
【0008】
アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、AS、AOS、α−SF、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)が好ましい。これらのアニオン界面活性剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
このうち、炭素数10〜14のアルキル基を有するLASのナトリウム塩(LAS−Na)、LASのカリウム塩(LAS−K)、炭素数10〜20のアルキル基を有するAS塩、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩及び炭素数12〜18のα−SFのナトリウム塩(α-SF−Na)が好ましい。これらの2種以上の混合物がより好ましい。
【0009】
<ノニオン界面活性剤>
本発明において用いることのできるノニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル
3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート
1CO(OA)nOR2 (I)
(式中、R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R2は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。)
4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
8)グリセリン脂肪酸エステル
【0010】
上記のノニオン界面活性剤の中でも、上述した1)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。融点が50℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、本発明における融点とは、JISK0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
【0011】
(B)スチルベン型紫外線吸収剤
本発明において、「スチルベン型紫外線吸収剤」とは、スチルベン構造を有する化合物がもつUV吸収能を測定した際、波長320−400nmの領域(UV-A照射線の領域:主に蛍光増白剤でみられる最も大きい吸収)での最も高い吸光度をPとし、波長280−320nmの領域(UV-B照射線の領域)での最も高い吸光度をQとしたときに、P<Qであるものをいう。
本発明において用いることのできるスチルベン型紫外線吸収剤の具体例としては、特開平9-3052号公報、特開平10-81672号公報、特開平10-87638号公報の実施例中に記載の化合物が挙げられる。具体的には、以下の構造式の化合物があげられる。チバスペシャリティケミカルズ社製の商品名Tinosorb FD, TinosorbFRが好ましい。特に好ましくはTinosorb FDである。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンから形成される陽イオンであり、R1は水素又はヒドロキシ基であり、R2はC1-4アルキル基又はフェニル基であり、Yは−C(=O)−NR34(R3及びR4は、互いに独立に水素又はC1-4アルキルである)、−SO2−NR34、−C(=O)−R2又は−C(=O)−OMであり、XはNH,Oであるか又はR2と一緒になってモルホリノ基を示す。)
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウムまたはアミンから形成された陽イオンであり、R1は置換されたアリール基、R2は水素、場合によっては置換されたアリール基、モルホリン基、アルキルアミン基、ハイドロキシ基、n1とn2は互いに独立的に0または1である。)
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンから形成される陽イオンであり、R1は下記式で表される基である。
【0018】
【化4】

【0019】
(式中、R2はNH2、N(CH2CH2OH)2など、R3はNR45など、R45は水素、アルキルなどを示す。))
【0020】
(C)ビフェニル型蛍光増白剤
本発明において、「ビフェニル型蛍光増白剤」とは、ビフェニル構造を有する化合物がもつUV吸収能を測定した際、波長320−400nmの領域(UV-A照射線の領域:主に蛍光増白剤でみられる最も大きい吸収)での最も高い吸光度をPとし、波長280−320nmの領域(UV-B照射線の領域)での最も高い吸光度をQとしたときに、P>Qであるものをいう。(B)成分と(C)成分とを併用すると、衣類等の繊維製品を通過する紫外線量を相乗的に減少させることができる。
本発明において用いることのできるビフェニル型蛍光増白剤としては、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩型蛍光増白剤等があげられる。チバスペシャリティケミカルズ社製の商品名Tinopal CBS-Xが好ましい。
【0021】
本発明の組成物において、界面活性剤は、界面活性剤を含有する粒子(以後、「界面活性剤含有粒子」と称することもある)の形態で含まれるのが好ましい。界面活性剤含有粒子は、(A)界面活性剤に加え、(B)及び(C)成分を含有するのが好ましい。(B)及び(C)成分が、(A)とともに界面活性剤含有粒子中に含まれると、(B)及び(C)成分が均一に配合され、洗浄剤組成物の水への溶解性が向上するので好ましい。該界面活性剤含有粒子はまた、後述する任意成分を含有することもできる。
本発明の組成物中の界面活性剤の配合量は、組成物の全質量を基準として、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%が更に好ましい。本発明の組成物が、界面活性剤含有粒子の形態をとる場合、界面活性剤含有粒子中の界面活性剤の配合量は、製造時の溶解性や流動性の観点から、界面活性剤含有粒子中に好ましくは5〜45質量%、より好ましくは15〜40質量%である。45質量%を超えて配合すると洗浄剤組成物粒子の流動性が劣化する場合があり、5質量%未満であると水への溶解性が低くなる場合がある。
【0022】
界面活性剤としてLAS塩を配合する場合、洗浄剤組成物中のLAS塩の配合量は好ましくは5質量%以下であることが望ましい。LAS塩の配合量がこのような範囲にあると、(B)及び(C)成分の併用による相乗的なUPF向上効果をより得やすくする点で好ましい。
なお、UPFとはUltraviolet Protection Factorの略称で、繊維を通して通過する紫外線からどの程度肌を守るかの指標である。例えばUPFの値がXの時は、肌が完全に露出した状態時と比べ、同じ時間で受ける紫外線による肌への影響をその衣料を着用することでX分の1に軽減できることを表す。
界面活性剤としてノニオン界面活性剤を配合する場合、洗浄剤組成物中のノニオン界面活性剤の配合量は好ましくは0〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%であるのが望ましい。ノニオン界面活性剤の配合量がこのような範囲にあると、洗浄性能と洗剤の流動性が良好である。
【0023】
(B)成分は、本発明の組成物の全量を基準として、好ましくは0.05〜1.00質量%、より好ましくは0.10〜0.60質量%の量で含まれるのが好ましい。さらに好ましくは0.15〜0.25質量%である。0.05質量%未満では、洗濯物へ十分な紫外線防止効果が付与できない場合が生じる。1.00質量%を超えた場合には紫外線防止効果が飽和に達するので経済的でない。
本発明の組成物において、(B)成分と(C)成分との合計量は、組成物の全量を基準にして0.2〜0.7質量%であり、0.2〜0,5質量%であるのが好ましく、0.2〜0.3質量%であるのがより好ましい。(B)と(C)との合計量が0.2未満の場合、十分な紫外線防止効果が得にくくなる場合がある。また(B)と(C)との合計量が0.7を超える場合は性能が飽和に達し経済性の面でよくない場合がある。
(B)成分の配合量と(C)成分の配合量の比は、質量比にして、0.5≦(B)/(C)≦8.0であり、好ましくは1.5≦(B)/(C)≦7.5、より好ましくは1.5≦(B)/(C)≦6.0である。(B)成分と(C)成分との配合量の比がこのような範囲にあると、好適な白度及び十分な紫外線防止効果が得られるので好ましい。
【0024】
本発明の組成物のハンター白度は、75以上、好ましくは80以上である。本発明における白度は、日本電色工業(株)の分光式色差計SE−2000を用いて測定される。
白度の測定には篩を用いて355〜500μmの粒子径に分別したサンプルを試験に供する。
【0025】
本発明の界面活性剤含有粒子の平均粒子径は、特開2004−331816号公報実施例記載の方法に準じて測定することができ、その値は特に制限されるものではないが、粉体のハンドリング及び溶解性の点から、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは250〜1000μm、さらに好ましくは280〜700μm、更に特に好ましくは300〜700μmである。また、嵩密度は、JIS K 3362に準じて測定することができ、計量性、使用性の点から、通常0.3g/cm3以上、好ましくは0.4〜1.2g/cm3、より好ましくは0.5〜1.2g/cm3、さらに好ましくは0.5〜1.1g/cm3、更に特に好ましくは0.6〜1.0g/cm3である。安息角は、JIS Z2502に準じて測定することができ、流動性の点から、好ましくは60°以下、特に好ましくは50°以下である。界面活性剤含有粒子の水分含有量は、JIS K 3362−1998に規定された加熱減量法に準じて測定することができ、溶解性と保存安定性の点から好ましくは3〜10質量%、より好ましくは4〜9質量%、さらに好ましくは5〜8質量%である。
【0026】
<任意成分>
本発明の組成物は、衣料等の繊維製品用洗浄剤組成物に通常使用される成分を含有することができる。
・無機ビルダー
無機ビルダーとしては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウム等のアルカリ性塩、硫酸ナトリウム等の中性塩、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、下記一般式(II)
1(M2O)・Al23・y1(SiO2)・w1(H2O) (II)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x1、y1及びw1は各成分のモル数を示し、一般的には、x1は0.7〜1.5、y1は0.8〜6の数、w1は任意の正数を示す。)
で表される結晶性アルミノ珪酸塩、下記一般式(III)、(IV)
2(M2O)・Al23・y2(SiO2)・w2(H2O) (III)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x2、y2及びw2は各成分のモル数を示し、一般的には、x2は0.7〜1.2、y2は1.6〜2.8、w2は0又は任意の正数を示す。)
3(M2O)・Al23・y3(SiO2)・z3(P25)・w3(H2O)
(IV)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x3、y3、z3及びw3は各成分のモル数を示し、一般的には、x3は0.2〜1.1、y3は0.2〜4.0、z3は0.001〜0.8、w3は0又は任意の正数を示す。)
で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。無機ビルダーの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウムが好ましい。
界面活性剤含有粒子中の無機ビルダーの配合量は、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%である。無機ビルダーの配合量が少なすぎると流動性が劣化する場合があり、多すぎると粉の発塵が起こる場合がある。
【0027】
・有機ビルダー
有機ビルダーとしては、有機高分子系ビルダーと有機低分子系ビルダーが挙げられる。有機高分子系ビルダーとしては、アクリル酸系高分子化合物、ポリアセタールカルボン酸塩、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン−1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体が挙げられる。アクリル酸系高分子化合物としては、アクリル酸重合体、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体が好ましく、特に、重量平均分子量が1000〜80000のアクリル酸/無水マレイン酸共重合体の塩、アクリル酸重合体の塩が好適である。特にアクリル酸/無水マレイン酸共重合体のナトリウム又はカリウム塩が好ましい。ポリアセタールカルボン酸塩としては、特開昭54−52196号公報に記載の重量平均分子量が800〜1000000、好ましくは5000〜200000のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩が好適である。水溶性高分子化合物の重量平均分子量は1000〜1000000が好ましく、1000〜100000がより好ましい。有機高分子系ビルダーは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0028】
有機低分子系ビルダーとしては、例えばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。
これらの有機低分子系ビルダーの中では、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩が好ましい。
界面活性剤含有粒子中の有機ビルダーの配合量は、0.1〜20質量%、好ましくは0.5%〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。有機ビルダーの配合量が少なすぎると、洗浄性能の向上効果が得られない場合があり、多すぎると界面活性剤含有粒子そのものの溶解性が劣化してしまう場合がある。
また、洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性を改善する目的から、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリアセタールカルボン酸塩等の有機ビルダーとゼオライト等の無機ビルダーとを併用するのが好ましい。
【0029】
・溶解促進剤
界面活性剤含有粒子中に配合される溶解促進剤としては、例えば、炭酸カリウムや、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キュメンスルホン酸ナトリウム等の炭素数1〜5の短鎖アルキルを有するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、D−グルコース、尿素、蔗糖等の水溶性物質が挙げられる。このうち、炭酸カリウム、塩化ナトリウムが好ましく、溶解性向上効果とコストのバランスから、特に炭酸カリウムが好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、その配合量は溶解性向上効果の点から、界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%である。塩化ナトリウムを配合する場合、その配合量は溶解性向上効果の点から、界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%である。
【0030】
・膨潤性水不溶性物質、例えばベントナイト等、
・帯電防止剤:ジアルキル型4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤等、
・増量剤:硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等、
・還元剤:亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等、
・漂白剤:過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム・3水和物などが挙げられる。
・漂白活性化剤:テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等が挙げられる。
・漂白活性化触媒、特に、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロム、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、タングステン、モリブデン等の遷移金属原子と配位子とが、窒素原子や酸素原子等を介して錯体を形成するものであって、含まれる遷移金属としては、銅、コバルト、マンガン等が好ましく、特に銅、マンガンが好ましい。
・酵素:リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等があげられる。
・表面処理水溶性無機化合物粒子(以下、表面処理無機粒子と記載):表面処理水溶性無機化合物粒子としては、例えば、国際公開第2004/094313号パンフレットの3頁〜25頁に記載の表面処理水溶性無機化合物粒子が好適に用いられる。
・香料
・色素
【0031】
<製造方法>
本発明の組成物は、以下の工程を含む方法により製造することができる。
(i)(A) 界面活性剤の一部、(B) スチルベン型紫外線吸収剤、(C) ビフェニル型蛍光増白剤及び水からスラリーを調製する工程;
(ii) 工程(i)で得られたスラリーから噴霧乾燥粒子を得る工程;
(iii) 工程(ii)で得られた噴霧乾燥粒子に、(A)成分のさらに一部を添加し、捏和して混練物を得る工程;及び
(iv) 工程(iii)で得られた混練物を粉砕し、次いで造粒する工程。
【0032】
工程(i)
(A)成分の一部と、(B)及び(C)の全部とから、水分量40%程度のスラリーを調製する。本工程において(A)成分の全部を使用せずに一部を使用するが、本発明の組成物中に最終的に含まれる量の20〜90%程度を本工程において使用するのが好ましい。(A)成分の残部は、後述する工程(iii)において使用するが、このように(A)成分を分けて組成物を調製することが製造性の面で好ましい。
工程(ii)
本工程においてスラリーから噴霧乾燥粒子を得る際の温度、風量等の条件は、当業者であれば適宜設定することができる。
【0033】
工程(iii)
噴霧乾燥粒子に、(A)成分の残部を添加する際、(A)成分は水性スラリーの状態で添加してもよいし、それから水分を除去して濃縮物の状態で添加してもよい。
捏和して混練物を得るには、混練機を用い、温度50〜70℃の条件下で捏和するのが好ましい。このような条件で捏和することにより、均一に捏和し易い点で好ましい。
工程(iv)
本工程において混練物を粉砕する際の温度等の条件は、当業者であれば適宜設定することができる。
本発明の製造方法において、(B)及び(C)成分を(A)成分と共に噴霧乾燥粒子中に導入し、捏和・粉砕工程を経て造粒すると、得られる洗浄剤組成物の粉体白度が向上するので好ましい。
噴霧乾燥粒子を捏和後、粉砕工程に供する際、噴霧乾燥粒子が粉砕機に付着するのを抑制する観点及び粉体白度向上の観点から、ゼオライトを添加するのが好ましい。
【実施例】
【0034】
<実施例及び比較例組成物の製造方法>
下記製造方法により、界面活性剤含有粒子及び表面処理無機粒子を製造し、表1に記載の実施例及び比較例の組成物を得た。下記において特に明記のない場合の「%」は質量%である。なお、表1-2中の数値は組成物の全質量を基準とする質量%を示す。また、表1中の各成分の量はTINOSORB FD,TINOSORB FRは原体として、その他は純分としての配合量を示した。
<界面活性剤含有粒子の調製方法>
下記に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤含有粒子を調製した。
まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Naとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤(アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液))と蛍光増白剤剤[チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)及びチノソーブFD(チバスペシャルティケミカルズ)またはチノソーブFR(チバスペシャルティケミカルズ)]とを添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0%相当量(対各粒子、以下同じ)の捏和時添加用、3.2%相当量の粉砕助剤用、1.5%相当量の表面被覆用の各A型ゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び亜硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で風量などを調節し、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたα−SF−Naの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)及びPEG(洗剤組成Oのみ)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
【0035】
上述の噴霧乾燥粒子、この混合濃縮物、2.0%相当量のA型ゼオライト、0.5%相当量の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を3.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5%相当量の微粉A型ゼオライトを加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して界面活性剤含有粒子を得た。
【0036】
<粒状洗剤混合物の調製>
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で表面処理無機粒子、界面活性剤含有粒子、及び漂白剤、漂白活性化剤粒子、酵素等の成分を5分間混合し、粒状洗剤混合物を得た。
<表面処理無機粒子の調製>
炭酸ナトリウム85%、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩3%、ラウリン酸7%、水その他残部、となるような表面処理無機粒子を以下の工程で調製した。
第1工程
炭酸ナトリウムを鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工(株))に投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始後10秒後にアクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液(濃度は後記の原料欄に記載のMA剤参照)を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。また、第1工程で調製された粒子全量に対する水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、水分量を10質量%以下に調整した。
第2工程
引き続きプローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、ラウリン酸を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒噴霧添加し、被覆操作を行った。30秒間撹拌を続け粒子を得た。
第3工程
次いで、得られた粒子を、流動層(Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、(株)パウレックス製)に充填し、充填後15℃の風(空気)を流動層内に送り、粒子の冷却操作を行い、20℃まで冷却された粒子を得た。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。得られた粒子を目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する表面処理無機粒子を得た。
【0037】
実施例中で用いた原料を下記に示す。
<アニオン界面活性剤>
(A-1)LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を洗浄剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表1中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
(A-2)LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を洗浄剤組成物調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。表1中の配合量は、LAS−Naとしての質量%を示す。
(A-3)α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
(A-4)石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
<ノニオン界面活性剤>
(A-5)BRE15:ノニオン界面活性剤・ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%、融点:43℃、HLB15.4)
【0038】
<紫外線吸収剤>
(B-1)TinosorbFD:スチルベン型紫外線吸収剤チノソーブFD(チバスペシャリティケミカルズ社製)
(B-2)TinosorbFR:スチルベン型紫外線吸収剤チノソーブFR(チバスペシャリティケミカルズ社製)
<蛍光増白剤>
(C)CBS-X:ビフェニル型蛍光増白剤チノパールCBS−X(チバスペシャリティケミカルズ社製)
<無機化合物>
・ゼオライト:A型ゼオライト・シルトンB(水澤化学(株)製、純分80%)
・炭酸K:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm3
・硫酸Na:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)
・亜硫酸Na:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
・炭酸Na:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm3
<漂白剤>
・PC:過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D、有効酸素量13.2%、平均粒子径760μm)
【0039】
<漂白活性化剤>
・OBS:以下に示す方法に従い4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成・造粒したものを使用した。
上記漂白活性化剤造粒物の調製方法
はじめに漂白活性化剤4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成を、原料として4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学(株)製 試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製 試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業(株)製 試薬)、アセトン(関東化学(株)製 試薬)を用い、以下の方法で行った。
予め脱水処理した4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3000g(15.3mol)をN,N−ジメチルホルムアミド9000g中に分散させ、スターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド3347g(15.3mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を行い、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去した。アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶を行って精製し、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの結晶を得た。収率は90%であった。
【0040】
次に以下の方法で漂白活性化剤造粒物を調製した。
漂白活性化剤として合成した4−ドデカイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部、PEG(商品名:ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製))20質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(商品名:リポランPJ−400(ライオン(株)製))5質量部の割合で合計5000gになるようにホソカワミクロン社製エクストルード・オーミックスEM−6型(商品名)に投入し、混練押し出しすることにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(60℃)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型(商品名)に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒子径約700μmの漂白活性化剤造粒物を得た。
【0041】
<有機物>
・MA剤:アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・PEG:ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製)
・ラウリン酸(日本油脂(株)製、NAA−122、融点43℃)
・酵素:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX100T(ノボザイムズ製)/ステインザイム12T(ノボザイムズ製)=5/1/4(質量比)の混合物
<その他>
・香料A:特開2002−146399号公報[表11]に示す香料組成物A
・香料B:特開2002−146399号公報[表11]に示す香料組成物B
【0042】
実施例1−12、比較例1−8の評価方法
<UPF値>
綿布(TestFabric#437W)10×10cm、16枚(1.88g/1枚)をターゴットメーターにて120rpmで10分洗浄した後、3分間濯ぎ洗いをし、遠心脱水後、もう一度3分間すすぎ洗いをし遠心脱水を行い、風乾した。洗浄条件:水900ml、硬度1.7°DH、洗剤濃度833ppm、水温25℃、濯ぎ条件:水900ml、硬度1.7°DH、水温25℃。これら洗浄・すすぎを10回繰り返した。
1枚から4点を風乾後の布をISO-MET社のUV Meterを用いてUPF値を測定し、平均値を算出、さらに全布の平均値から用いた綿布の初期のUPF値 3を差し引いたものを結果とした。UPF値が20.0以上(紫外線95%カットを示す)を合格とする。
<粉体白度>
粉体白度は日本電色工業(株)の分光式色差計(SE―2000)によって界面活性剤含有粒子のハンター白度を測定した。篩を用いて355〜500μmの粒子径に分別したものを測定に供した。測定評価基準は以下のとおりである。
◎:ハンター白度80以上
○:ハンター白度75以上、80未満
△:ハンター白度70以上、75未満
×:ハンター白度70未満
【0043】
実施例13−19の評価方法
<UPF値>
綿布(TestFabric#437W)10×10cm、16枚(1.88g/1枚)をターゴットメーターにて120rpmで10分洗浄した後、3分間濯ぎ洗いをし、遠心脱水後、もう一度3分間すすぎ洗いをし遠心脱水を行い、風乾した。洗浄条件:水900ml、硬度1.7°DH、表3-1に記載の洗浄剤組成物を想定し、その洗浄剤組成物750mgを水900mlに溶かした際に生じる洗浄液を調整し処理(各成分とも十分に溶解又は分散させた後に洗浄液を調整)、水温25℃、濯ぎ条件:水900ml、硬度1.7°DH、水温25℃。これら洗浄・すすぎを10回繰り返した。風乾後の布をCIBA社のUV Meter(波長範囲290−400nm、ビーム径4mm、測定時間3秒、透過率測定幅UV-B波 0-80%、UV-A波 0-80%)を用いてUPF値を測定(1枚から4点測定)。全布の平均値から用いた綿布の初期のUPF値 3を差し引いた値を結果とした。UPF値が20.0以上(紫外線95%カットを示す)を合格とする。
<粉体白度>
実施例1−12と同様にして評価した。















【0044】
【表1】

【0045】
【表2】














【0046】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)界面活性剤;
(B)スチルベン型紫外線吸収剤;及び
(C)ビフェニル型蛍光増白剤;
を含有し、
(B)成分と(C)成分との合計量が、組成物の全量を基準にして0.2〜0.7質量%であり、
(B)成分の配合量と(C)成分の配合量の比が、質量比にして、0.5≦(B)/(C)≦8.0であり、
ハンター白度が75以上である粉末洗浄剤組成物。
【請求項2】
(B)スチルベン型紫外線吸収剤が、下記式で表される化合物である請求項1記載の粉末洗浄剤組成物。
【化1】

(式中、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウム又はアミンから形成される陽イオンであり、R1は水素又はヒドロキシ基であり、R2はC1-4アルキル基又はフェニル基であり、Yは−C(=O)−NR34(R3及びR4は、互いに独立に水素又はC1-4アルキルである)、−SO2−NR34、−C(=O)−R2又は−C(=O)−OMであり、XはNH,Oであるか又はR2と一緒になってモルホリノ基を示す。)
【請求項3】
(C)ビフェニル型蛍光増白剤が、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩型蛍光増白剤である請求項1記載の粉末洗浄剤組成物。
【請求項4】
(i)(A) 界面活性剤の一部、(B) スチルベン型紫外線吸収剤、(C) ビフェニル型蛍光増白剤及び水からスラリーを調製する工程;
(ii) 工程(i)で得られたスラリーから噴霧乾燥粒子を得る工程;
(iii) 工程(ii)で得られた噴霧乾燥粒子に、(A)成分のさらに一部を添加し、捏和して混練物を得る工程;及び
(iv) 工程(iii)で得られた混練物を粉砕し、次いで造粒する工程;
を含む、請求項1記載の粉末洗浄剤組成物の製造方法。

【公開番号】特開2007−332332(P2007−332332A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169134(P2006−169134)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】