表示コントローラ、表示装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
【課題】複数視点に向けて夫々異なる画像を表示可能である表示装置において、遮光部に起因する問題を解決するとともに、表示部に表示する画像を合成する手段を提供する。
【解決手段】表示コントローラ100は、視点画像データを複数の視点に対して記憶する画像メモリ120と、外部から入力した前記視点画像データを画像メモリ120に書き込む書き込み制御手段110と、画像分離手段と表示部50との位置関係、サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出し合成画像データとして表示モジュールへ出力する読み出し制御手段130と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】表示コントローラ100は、視点画像データを複数の視点に対して記憶する画像メモリ120と、外部から入力した前記視点画像データを画像メモリ120に書き込む書き込み制御手段110と、画像分離手段と表示部50との位置関係、サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序に従って、画像メモリ120から前記視点画像データを読み出し合成画像データとして表示モジュールへ出力する読み出し制御手段130と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の視点に向けて夫々異なる画像を表示する装置、その表示コントローラ、及び、表示する画像データの信号処理方法に関し、特に表示画像を高画質化するための表示部の構成と、各視点用の画像データを表示部に送るための画像データの処理手段、画像データの処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(personal digital assistant)の発展にともない、表示装置の小型化、高精細化が進んでいる。一方、新たな付加価値を有する表示装置として、観察者が表示装置を観察する位置に応じて異なる画像を観察する表示装置、すなわち複数の視点に向けて夫々異なる画像を提供する表示装置や、その夫々異なる画像を視差画像とし観察者へ立体表示を提供する表示装置が注目されている。
【0003】
複数の視点に向け夫々異なる画像を提供する方式としては、夫々の視点用の画像データを合成して表示部に表示し、表示された合成画像をレンズやスリットを持つバリア(遮光板)からなる光学的な分離手段により分離し、夫々の視点へ画像を提供する方式が知られている。画像分離の原理は、スリットを有するバリア、あるいは、レンズといった光学手段を用いて、視点方向ごとに見える画素を限定することによる。画像分離手段としては、縞状の多数のスリットを有するバリアからなるパララックスバリアや、一方向にレンズ効果を有するシリンドリカルレンズを配列したレンチキュラレンズが一般に用いられる。
【0004】
上記のような光学的な画像分離手段と、夫々の視点用の画像データから表示する合成画像を合成する手段を備えた多視点表示装置、又は立体表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、液晶パネルとパララックスバリアとを用いて立体表示を行う表示装置、及び立体表示を行うときに表示部(液晶パネル)に表示する合成画像の合成方法が開示されている。この液晶パネルは、表示部に複数のサブ画素を構成する画素電極が水平方向及び垂直方向のマトリックス状に配設されたものである。そして、各画素電極の境界部には、水平方向に走査線が設けられ、垂直方向にデータ線が設けられ、走査線とデータ線との交点付近に画素スイッチング素子としてのTFT(thin film transistor)が設けられている。
【0005】
光学的な画像分離手段を用いた立体表示装置は、特殊な眼鏡を装着する必要がなく、眼鏡を装着する煩わしさがない点で携帯機器への搭載に適している。実際に液晶パネルとパララックスバリアとからなる立体表示装置を搭載した携帯機器が製品化されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
ところで、上記の方式、すなわち、光学的な分離手段を用いて複数の視点に向けて夫々異なる画像を提供する表示装置では、観察者の視点位置が移動し視認する画像が切り換わるとき、画像と画像との境界が暗く見える場合がある。この現象は、各視点用の画素と画素との間の非表示領域(液晶パネルで一般にブラックマトリックスと呼ばれる遮光部)が視認されることに起因する。観察者の視点移動に伴う上記の現象は、光学的な分離手段を持たない一般の表示装置では発生しない。このため、観察者は、光学的な分離手段を備えた多視点表示装置、又は立体表示装置で発生する上記の現象に、違和感、あるいは、表示品質の低下を感じることになる。
【0007】
上記の光学的な分離手段と遮光部に起因する問題を改善するために、表示部の画素電極および遮光部の形状と配列を工夫し、表示品質の低下を抑制する表示装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0008】
図72は、特許文献2に記載の表示装置における表示部を示す平面図である。図72に示す開口部75は、画像表示の最小単位となるサブ画素の開口部である。開口部75の縦横の配列方向は、図72に示すように、夫々、縦方向11、横方向12と定義される。各々の開口部75の形状は、後述する特徴を備えた略台形形状である。また、画像分離手段は、縦方向11を長手方向とするシリンドリカルレンズ30aを、横方向12に配列したレンチキュラレンズである。シリンドリカルレンズ30aは長手方向にはレンズ効果を持たず、短手方向にのみレンズ効果を有する。すなわち、横方向12にレンズ効果が発揮される。したがって、横方向12に隣接するサブ画素41とサブ画素42との開口部75から出た光は、夫々別々の方向へ向けられる。
【0009】
開口部75は、縦方向11に対して相互に反対の方向に傾斜すると共に、その延びる方向と縦方向11とのなす角度の大きさが同一である1対の辺が配置されている。この結果、横方向12においては、表示パネルの開口部75の端部の位置と、シリンドリカルレンズ30aの光軸の位置とが、縦方向11において相対的に異なっている。更に、縦方向11に相互に隣接する開口部75は、横方向12に延びる線分に対して線対称になるように配置されている。また、横方向12に相互に隣接する開口部75は、その縦方向11における両端部の中点を結んだ線分と、横方向12における両端部の中点を結んだ線分との交点に対して、点対称になるように配置されている。
【0010】
更に、縦方向11の開口幅は、傾斜部ではサブ画素41とサブ画素42との開口部75を合算すると、横方向12の位置に拘わらず、略一定となっている。
【0011】
このため、特許文献2に記載の表示装置は、横方向12の任意の点において、シリンドリカルレンズ30aの配列方向に対して垂直となる縦方向11に、表示パネル切断面を想定すると、遮光部(配線70及び遮光部76)と開口部との割合が略一定となっている。したがって、観察者が画像の分離方向である横方向12に視点を移動し、観察方向が変わった場合でも、視認する遮光部の割合は略一定である。すなわち、観察者が特定方向から遮光部のみを観察することはなく、表示が暗く見えることもない。つまり、遮光領域に起因する表示品質の低下を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−109607号公報
【特許文献2】特開2005−208567号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス,2003年1月6日,No.838号,p.26−27
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記関連技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献1の表示装置では、前述したように、遮光部に起因する表示品質の低下が問題となる。
【0015】
遮光部に起因する問題を解決した特許文献2の表示装置は、サブ画素の画素電極の開口形状と遮光部の形状との複雑な関係を維持する必要がある。そのため、遮光部となるスイッチング手段(TFT)は、特許文献1と異なり、走査線とデータ線との交点付近といった画素電極単位で一律の位置には配置できない。また、表示装置の表示部は、精細度の向上のため画素ピッチを細かくすることや、表示輝度の向上のため、表示輝度に寄与する開口部と遮光部との面積比で決まる所謂開口率を高めることが求められる。特許文献2に示される表示部の開口形状及び遮光形状を維持しつつ、高開口率化を実現するためには、スイッチング手段の配置位置のみならず、スイッチング手段と走査線及びデータ線との接続関係も、特許文献1と異なり、画素電極単位で一律とすることはできない。画素電極のスイッチング手段と走査線及びデータ線との接続関係が画素電極単位で一律ではなくなることは、特許文献1に示されるような、一般的な合成画像の合成方法が適用できないことを意味する。
【0016】
[発明の目的]
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の視点に向けて夫々画像を表示可能な表示装置において、上述の遮光部に起因する問題を抑制するサブ画素の形状と配列を維持し、かつ、高開口率が実現するように画素電極、スイッチング手段、走査線、データ線等の配置及び接続を行った表示部を備えた表示装置を提供すること、また、その表示装置の表示コントローラを提供すること、更に、上述の表示部に表示する合成画像を合成する手段、及び合成画像を合成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る表示コントローラは、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを出力する表示コントローラであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを記憶する画像メモリと、
外部から入力した前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出して前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る画像処理方法は、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成する画像処理方法であって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込み、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する、
ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る画像処理プログラムは、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成するための画像処理プログラムであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込む手順と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す手順と、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順と、
をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、サブ画素から出る光をデータ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段を備え、遮光部等に起因する問題を抑えた表示モジュールに対して、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができる。このため、本発明を利用する表示装置へ画像データを出力する例えば演算器等においては、画像データの並び換え処理や、転送に伴う特別な処理を行う必要がなく負担をかけない。更に、合成画像データの生成に必要な条件をパラメータ化し、そのパラメータを記憶することにより、表示モジュールの変更に対して、パラメータ変更で対応できる。このため、映像信号処理手段を変更する必要がなく、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】第1実施形態を示す概略構成図である。
【図3】第1実施形態における表示部の1部分(2行2列)を構成するサブ画素4個の構造の第1例を示す平面図である。
【図4】第1実施形態における表示部のデータ線配置方向を示す説明図である。
【図5】第1実施形態における上下サブ画素対P2Rの構造の第1例を示す平面図及び等価回路1を示す回路図である。
【図6】第1実施形態における上下サブ画素対P2Lの構造の第1例を示す平面図及び等価回路1を示す回路図である。
【図7】第1実施形態における入力画像データを示す図表である。
【図8】第1実施形態における画像分離手段配置及び配色関係の第1例を示す概略平面図である。
【図9】第1実施形態における表示部の配列パターン1を示す概略平面図である。
【図10】第1実施形態における表示部の配列パターン2を示す概略平面図である。
【図11】第1実施形態における表示部の配列パターン3を示す概略平面図である。
【図12】第1実施形態における表示部(配列パターン2)にゲートライン反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図13】第1実施形態における表示部(配列パターン2)にドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図14】第1実施形態における表示部(配列パターン3)にドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図15】第1実施形態における表示部の配列パターン4を示す概略平面図である。
【図16】第1実施形態における配列パターン1の表示部に出力する合成画像データ1を示す図表である。
【図17】第1実施形態における配列パターン2の表示部に出力する合成画像データ2を示す図表である。
【図18】第1実施形態における配列パターン3の表示部に出力する合成画像データ3を示す図表である。
【図19】第1実施形態における配列パターン4の表示部に出力する合成画像データ4を示す図表である。
【図20】第1実施形態における画像分離手段配置及び配色関係の第2例を示す概略平面図である。
【図21】第1実施形態における表示部のデータ線の偶奇と入力画像データの視点との関係を示す図表である。
【図22】第1実施形態における表示部のデータ線と入力画像データとの関係を示す図表である。
【図23】第1実施形態における表示部の走査線と入力画像データとの関係を示す図表である。
【図24】第1実施形態における表示部の走査線と入力画像データの列番号との関係を示す図表である。
【図25】第1実施形態における配列パターン3の上下サブ画素対P2R,P2Lの接続情報を示す図表である。
【図26】第1実施形態における配列パターンを記憶するルックアップテーブル例を示す図表である。
【図27】第1実施形態におけるLUT(Dy,Gx)と走査線及びデータ線の偶奇とサブ画素の向きとの関係を示す図表である。
【図28】第1実施形態における表示部のデータ線と走査線の偶奇と入力画像データとの関係を示す図表である。
【図29】第1実施形態における合成画像データ生成に必要な保存パラメータを示す図表である。
【図30】第1実施形態における表示装置の1フレーム毎の動作概要を示すフローチャートである。
【図31】第1実施形態における合成画像出力処理の概要を示し、主に走査線単位の計数処理を示すフローチャートである。
【図32】第1実施形態におけるラインデータ出力処理の概要を示し、主にデータ線単位の計数処理を示すフローチャートである。
【図33】第1実施形態における読み出し並び換え処理の概要を示すフローチャートである。
【図34】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=1の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図35】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=2の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図36】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=3の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図37】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=4の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図38】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=5の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図39】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=6の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図40】第1実施形態における表示装置を適用した端末装置を示すブロック図である。
【図41】第1実施形態における上下サブ画素対P2Rの構造の第2例を示す平面図及び等価回路2を示す回路図である。
【図42】第1実施形態における上下サブ画素対P2Lの構造の第2例を示す平面図及び等価回路2を示す回路図である。
【図43】第1実施形態における表示部(配列パターン2)に2ドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図44】第1実施形態における表示部の配列パターン6を示す概略平面図である。
【図45】第1実施形態における表示部(配列パターン6)に2ドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図46】第2実施形態を示す機能ブロック図である。
【図47】第2実施形態における画像分離手段配置例及び配色例を示す概略平面図である。
【図48】第2実施形態における光学モデルを示す説明図である。
【図49】第2実施形態における表示部の配列パターン5を示す概略平面図である。
【図50】第2実施形態における表示部(配列パターン5)にドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図51】第2実施形態における入力画像データを示す図表である。
【図52】第2実施形態における配列パターン5の表示部に出力する合成画像データ5を示す図表である。
【図53】第2実施形態における配列パターン5を記憶するルックアップテーブル例を示す図表である。
【図54】第2実施形態における入力データ並び換えの1例を示す図表である。
【図55】第2実施形態における画像分離手段と表示部の列番号との対応関係の第1例を示す概略平面図である。
【図56】第2実施形態における画像分離手段と表示部の列番号との対応関係の第2例を示す概略平面図である。
【図57】第2実施形態における表示部の列番号に対する視点番号kの値を示すテーブルTMの1例を示す図表である。
【図58】第2実施形態におけるデータ線の偶奇と入力合成データとの関係を示す図表である。
【図59】第2実施形態における表示装置の動作概要を示すフローチャートである。
【図60】第2実施形態における表示装置の入力データ並び換え処理の1例を示すフローチャートである。
【図61】第3実施形態を示す機能ブロック図である。
【図62】第3実施形態における入力画像データの転送形式の1例を示す説明図である。
【図63】第3実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図64】第3実施形態における入力画像データの転送形式の他の例を示す説明図である。
【図65】第4実施形態における入力画像データの転送形式の1例を示す説明図である。
【図66】第4実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図67】図7に示す第2視点用画像データM2の1列目及び2列目と、図9に示す配列パターンをもつ表示パネルのサブ画素と、の対応関係を示す概略平面図である。
【図68】第5実施形態におけるデータ線駆動回路の第1例及び表示部を示す概略平面図である。
【図69】第5実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図70】第5実施形態におけるデータ線駆動回路の第2例及び表示部を示す概略平面図である。
【図71】第5実施形態におけるデータ線駆動回路の第3例及び表示部を示す概略平面図である。
【図72】関連技術の表示装置における表示部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の表示コントローラが用いられる表示装置における表示モジュールは、サブ画素から出る光をデータ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段を備える表示モジュールにおいて、走査線及びデータ線と、各サブ画素のスイッチング手段との特徴的な接続関係により、高開口率化及び高画質化を実現する。本発明者は、後述するように、このような表示モジュールにおける特徴的なサブ画素と走査線及びデータ線との接続関係に規則性を見出した。更に、見出した規則性と、画像分離手段の設置条件、サブ画素の配色順、上下サブ画素対の配列パターンから、合成画像データを生成する表示コントローラを発明した。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において、表示パネルの水平方向における画素電極の配列を「行」と呼び、垂直方向における画素電極の配列を「列」と呼ぶ。また、本発明における表示パネルでは、水平方向に走査線が並び、垂直方向にデータ線が並び、画像分離手段による画像の振り分け方向は水平方向である。
【0024】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の概要について説明する。表示モジュール(200)は、表示部(50)と画像分離手段(30)とを備えている。表示部(50)では、走査線(G1,…)により制御されるスイッチング手段(46)を介してデータ線(D1,…)と接続するサブ画素(40)が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本のデータ線(D1,…)及びm+1本の走査線(G1,…)により駆動される。画像分離手段(30)は、サブ画素(40)から出る光を、サブ画素(40)単位でデータ線(D1,…)の延伸方向に複数の視点に向ける。
【0025】
表示コントローラ(100)は、画像メモリ(120)と書き込み制御手段(110)と読み出し制御手段(130)とを備え、表示モジュール(200)ヘ合成画像データ(CM)を出力する。画像メモリ(120)は、複数の視点に対して視点画像データを記憶する。書き込み制御手段(110)は、外部から入力した視点画像データを画像メモリ(120)に書き込む。読み出し制御手段(130)は、表示モジュール(200)に対応する読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出して合成画像データ(CM)として表示モジュール(200)へ出力する。
【0026】
表示モジュール(200)に対応する読み出し順序は、画像分離手段(30)と表示部(50)との位置関係並びにサブ画素(40)の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序としてもよい。
【0027】
表示コントローラ(100)は、画像分離手段(30)と表示部(50)との位置関係並びにサブ画素(40)の配列、色数及び色配置を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段(140)を、更に備えてもよい。
【0028】
表示部(50)は、1本のデータ線(D1,…)を挟み配置された2つのサブ画素(40)からなる上下サブ画素対(P2R,P2L)を、基本単位として構成されてもよい。この場合、2つのサブ画素(40)がそれぞれ有するスイッチング手段(46)は、2つのサブ画素(40)に挟まれたデータ線(D1,…)に共通に接続され、かつ異なる走査線(G1,…)に制御される。データ線(D1,…)の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対(P2R,P2L)は、それぞれ異なるデータ線(D1,…)に接続されるように配置される。
【0029】
サブ画素(40)の色数は、例えば、第1色、第2色及び第3色の3色である。ここで、第1色、第2色及び第3色は、それぞれ例えばR(赤)、G(緑)及びB(青)のいずれか一つであり、かつ互いに異なる。この場合、表示部(50)は次のように構成してもよい。yを自然数としたとき、y本目のデータ線(Dy)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第1色であり他方が第2色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+1本目のデータ線(Dy+1)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第2色であり他方が第3色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方を形成する。y+2本目のデータ線(Dy+2)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第3色であり他方が第1色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+3本目のデータ線(Dy+3)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第1色であり他方が第2色であり、表示部50の偶数列及び奇数列の他方を形成する。y+4本目のデータ線(Dy+4)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第2色であり他方が第3色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+5本目のデータ線(Dy+5)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第3色であり他方が第1色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方を形成する。
【0030】
このとき、読み出し制御手段(130)は、次のような読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出してもよい。y本目のデータ線(Dy)に対応して、読み出す色が第1色及び第2色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像である。y+1本目のデータ線(Dy+1)に対応して、読み出す色が第2色及び第3色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である。y+2本目のデータ線(Dy+2)に対応して、読み出す色が第3色及び第1色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像である。y+3本目のデータ線(Dy+3)に対応して、読み出す色が第1色及び第2色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である。y+4本目のデータ線(Dy+4)に対応して、読み出す色が第2色及び第3色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像である。y+5本目の前記データ線(Dy+5)に対応して、読み出す色が第3色及び第1色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である。
【0031】
本実施形態の画像処理方法は、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作によって実現されている。すなわち、本実施形態の画像処理方法は、表示モジュール(200)へ合成画像データ(CM)を生成する画像処理方法であって、次の1〜3のステップを含む。1.複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリ(120)に書き込むステップ。2.表示モジュール(200)に対応する読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出すステップ。3.読み出した視点画像データを合成画像データ(CM)として表示モジュール(200)へ出力するステップ。本実施形態の画像処理方法の詳細は、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作に準ずる。なお、他の実施形態における画像処理方法は、本実施形態と同様に他の実施形態における表示コントローラの動作によって実現されているので、その説明を省略する。
【0032】
本実施形態の画像処理プログラムは、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作をコンピュータに実行させるためものである。表示コントローラ(100)がメモリ、CPU等からなるコンピュータを含む場合に、そのメモリに本実施形態の画像処理プログラムが格納され、そのCPUが本実施形態の画像処理プログラムを読み出し、解釈し、実行する。すなわち、本実施形態の画像処理プログラムは、表示モジュール(200)へ出力する合成画像データ(CM)を生成するための画像処理プログラムであって、次の1〜3の手順をコンピュータに実行させるためのものである。1.複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリ(120)に書き込む手順。2.表示モジュール(200)に対応する読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出す手順。3.読み出した視点画像データを合成画像データ(CM)として表示モジュール(200)へ出力する手順。本実施形態の画像処理プログラムの詳細は、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作に準ずる。なお、他の実施形態における画像処理プログラムは、本実施形態と同様に他の実施形態における表示コントローラの動作をコンピュータに実行させるためものであるので、その説明を省略する。
【0033】
本実施形態を用いることにより、前記のサブ画素から出る光をデータ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段を備える表示モジュールに対して、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができる。このため、前記表示コントローラを備える本発明の表示装置へ画像データを出力する例えば演算器等においては、画像データの並び換え処理や、転送に伴う特別な処理を行う必要がなく負担をかけない。更に、合成画像データの生成に必要な条件をパラメータ化し、パラメータを記憶する手段を備えたことにより、表示モジュールの変更に対して、パラメータ変更で対応できる。このため、映像信号処理手段を変更する必要がなく、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。以下、第1実施形態について更に詳しく説明する。
【0034】
[構成の説明]
本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図2は、本実施形態の立体表示装置の概略構成図であり、観察者の頭上からみた光学モデルである。図2を参照し、本実施形態の概略を説明する。本実施形態の表示装置は、表示コントローラ100と表示モジュール200とを備えている。表示コントローラ100は、外部より入力される第1視点用画像データ(左目用画像データ)M1と第2視点用画像データ(右目用画像データ)M2とから、合成画像データCMを生成する機能を備える。表示モジュール200は、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20に、表示された合成画像の光学的な画像分離手段であるレンチキュラレンズ30と、バックライト15とを備える。
【0035】
図2を参照し、本実施形態の光学系について説明する。表示パネル20は、液晶パネルであり、レンチキュラレンズ30とバックライト15を備える。表示パネル20は、表示最小単位となるサブ画素41,42が複数形成されるガラス基板25と、カラーフィルタ(図示なし)及び対向電極(図示なし)を有する対向基板27とが、液晶層26を挟む構造である。ガラス基板25の液晶層26側と反対側の面及び対向基板27の液晶層26側と反対側の面には、夫々偏光板(図示なし)が取り付けられている。サブ画素41,42は、夫々透明な画素電極(図示なし)を有する。夫々の画素電極と対向基板27に設けられた対向電極との間の液晶層26に電圧を印加することにより、透過光の偏光状態を制御する。バックライト15から出た光線16は、ガラス基板25の偏光板、液晶層26、対向基板27のカラーフィルタ、偏光板を通過することにより、強度変調及び着色がなされる。
【0036】
レンチキュラレンズ30は、一方向にレンズ効果を有するシリンドリカルレンズ30aが水平方向Xに複数配列されて構成される。レンチキュラレンズ30は、ガラス基板25上の複数のサブ画素を、第1視点用(左目用)サブ画素41及び第2視点用(右目用)サブ画素42として交互に用いて、レンズから距離OD離れた観察面17において、全てサブ画素41からの投影像が重なり、また、全てのサブ画素42からの投影像が重なるように配置される。以上の構成により、距離ODにいる観察者の左目には、サブ画素41からなる左目用画像が、右目にはサブ画素42からなる右目用画像がそれぞれ提供される。
【0037】
次に、図2に示す表示コントローラ100及び表示パネル20についての詳細を説明する。図1は、画像入力から画像表示に至る機能構成を示す本実施形態のプロック図である。
【0038】
外部から入力される入力画像データは視点画像M1,M2を有し、視点画像M1/M2は、夫々i行j列の画素データから構成される。夫々の画素データはR(赤)輝度、G(緑)輝度、B(青)輝度についての3色輝度情報を有する。画像データは、複数の同期信号を伴い入力され、同期信号に基づいて各画素データの画像内の位置、すなわち行番号及び列番号を特定する。以降、入力画像データの任意の行及び列を構成する画素をMk(行,列)RGBと表す(kは視点番号(左右)を表す)。つまり、M1は、M1(1,1)RGB、M1(1,2)RGB、…からM1(i,j)RGBに至る画素データの集合体である。M2は、M2(1,1)RGB、M2(1,2)RGB、…からM2(i,j)RGBに至る画素データの集合体である。例えば、「R」が第1色、「G」が第2色、「B」が第3色に相当する。
【0039】
表示コントローラ100は、書き込み制御手段110と、画像メモリ120と、読み出し制御手段130と、パラメータ記憶手段140と、タイミング制御手段150とを備える。
【0040】
書き込み制御手段110は、入力画像データに伴い入力される同期信号に応じて、入力される画素データ{Mk(行,列)RGB}に与える書き込みアドレスを生成する機能を有する。また、書き込み制御手段110は、書き込みアドレスをアドレスバス95に与え、画素データから構成される入力画像データをデータバス90を介して画像メモリ120に書き込む機能を有する。なお、外部から入力される同期信号は、図1では便宜上1本の太線矢印で示しているが、例えば、垂直水平の同期信号、データクロック、データイネーブル等の複数信号からなるものである。
【0041】
読み出し制御手段130は、パラメータ記憶手段140から与えられる表示部50のパラメータ情報51、タイミング制御手段150からの走査線駆動回路60の制御信号61及びデータ線駆動回路80の制御信号81に応じて、所定のパターンに従い読み出しアドレスを生成する機能と、読み出しアドレスをアドレスバス95に与えデータバス90を介して画素データを読み出す機能と、読み出したデータを合成画像データCMとしてデータ線駆動回路80へ出力する機能とを有する。
【0042】
パラメータ記憶手段140は、後で詳しく説明する表示部50の配列に応じたデータ並び換えを行うために必要となる、パラメータを記憶する機能を有する。
【0043】
タイミング制御手段150は、表示パネル20の走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路80に与える制御信号61,81を生成し、これらを読み出し制御手段130、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路80へ出力する機能を有する。なお、制御信号61,81は、図1では便宜上1本の太線矢印で示しているが、スタート信号、クロック信号、イネーブル信号等の複数信号を含む。
【0044】
表示パネル20は、複数の走査線G1,G2・・・Gm,Gm+1及び走査線駆動回路60と、複数のデータ線D1,D2・・・Dn,Dn+1及びデータ線駆動回路80と、複数のサブ画素40がn行かつm列に配置されてなる表示部50とを備える。
【0045】
図1は、機能構成を模式的に示す図であり、走査線G1,…、データ線D1,…、サブ画素40の形状及び接続関係は後述する。サブ画素40は、図示してないが、スイッチング手段となる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)と、画素電極とを有する。TFTのゲート電極は走査線G1,…と接続し、ソース電極は画素電極と接続し、ドレイン電極はデータ線D1,…と接続している。TFTが接続する任意の走査線Gxには走査線駆動回路60から順次電圧が与えられ、この電圧に応じてTFTがON/OFFする。TFTがONすると、データ線D1,…から画素電極に電圧が書き込まれる。データ線駆動回路80及び走査線駆動回路60は、TFTが形成されるガラス基板上に形成してもよいし、駆動ICを用いてガラス基板上、あるいはガラス基板とは別体に搭載してもよい。
【0046】
本実施形態の表示パネル20は、表示部50において、データ線D1,…の延伸方向を水平方向に設置し、走査線G1,…の延伸方向を垂直方向に設置する。この配置関係は、表示部50がランドスケープ(例えば、16:9の横長)の場合、画像表示に寄与する表示部50以外の領域、所謂「額縁」と呼ばれる領域を小さくする効果、更には、表示部50のサブ画素数を増やし高解像度化を可能とする効果、高解像度化を行った場合の低コスト化を可能とする効果がある。以下に、図4を参照し理由を説明する。
【0047】
図4は、ランドスケープ(横長)の表示部50を備える表示パネルの1例であり、データ線駆動回路80(図1)としての駆動IC80a,80bと、走査線駆動回路60(図1)としての走査回路60a,60bを、表示パネルのガラス基板上(図示なし)に備える。走査回路60a,60bは、スイッチング手段として用いるTFTと同じプロセスによって形成したTFTを用いて構成した。
【0048】
図4(a)は、本実施形態と同様に、データ線を水平方向(X方向)に配置した例である。図4(b)は、データ線を垂直方向(Y方向)に配置した例である。画像分離手段であるレンチキュラレンズ30は、図4(a),(b)ともに、画像分離方向が水平方向(X方向)となるように配置される。また、走査線とデータ線に囲まれた領域には、サブ画素(図示なし)が配置されている。サブ画素から出る光線は、カラーフィルタ(図示なし)によって、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに着色される。
【0049】
第1実施形態における表示装置においては、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブ画素から第1視点用(左目用)の表示単位が形成され、同様に、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブ画素から第2視点用(右目用)の表示単位が形成される。したがって、図4に示すように、計6個のサブ画素によって立体表示単位35が構成され、立体表示単位の水平方向(X方向)及び垂直方向(Y方向)のピッチは等しい。
【0050】
駆動IC80a,80bの出力ピンは、夫々、表示部50のデータ線と接続する。一般にデータ線駆動回路として用いる駆動ICの出力ピンのピッチは、データ線のピッチより狭い。このため、駆動ICの出力ピンから各データ線までの配線は広がりを持つことになるので、表示部50から駆動IC80a,80bまでの距離LDa,LDbが配線のために必要となる。表示部から駆動ICまでの距離は、駆動ICの出力ピンのピッチが同じであれば、接続先のデータ線の数が少ないほど短くできる。ここで、表示部がランドスケープ(横長)の場合には、データ線を水平方向に配置する図4(a)の方が、垂直方向に配置する図4(b)よりも、データ線の本数が少ない。したがって、表示部から駆動ICまでの距離は、距離LDaが距離LDbよりも短くなる。つまり、データ線を水平方向に配置することにより、額縁を小さくすることが可能となる。
【0051】
また、走査線のピッチに着目すると、前述のように図4に示す立体表示単位35は略正方形となるため、図4(a)に示す走査線のピッチPGaの方が、図4(b)に示す走査線のピッチPGbよりも大きい。ガラス基板上のTFTを用いて構成する走査線駆動回路60a,60bにおいて、1本の走査線を駆動する回路を同じTFT数で構成する場合、図4(b)は走査線ピッチの狭い分、水平方向XにTFTを配置しなくてはならない。更に、1本の走査線と接続するサブ画素の数が、図4(a)より図4(b)の方が多いため、図4(b)は駆動能力を高めなくてはならない。これらの理由により、図4に示すように走査線駆動回路60a,60bを模式的に長方形で表現すると、走査線駆動回路60aを示す長方形の短辺は、走査線駆動回路60bの短辺より短くなる。つまり、データ線を水平方向に配置することにより、額縁を小さくすることが可能となる。
【0052】
更に、ランドスケープ(横長)の表示部においては、図4(a)のように走査線が垂直方向(Y方向)に配置される方が、図4(b)に比べて走査線が短くて済む。このため、図4(a)及び図4(b)に同じ幅の金属膜で走査線を形成した場合、走査線駆動回路60a,60bからの配線抵抗による信号伝達の遅延時間は、図4(a)の方が図4(b)よりも少ない。したがって、図4(a)の方が、走査線の幅を狭くすることができ、単位面積あたりの走査線を増やすこと、すなわち、高解像度化が可能となる。
【0053】
更にまた、表示部50を形成する立体表示単位35の水平方向と垂直方向との比率が3:2以上である場合(例えば16:9の横長)は、走査線が駆動するサブ画素の数は、図4(a)の方が図4(b)よりも少なくなる。このため、図4(a)の方が、図4(b)と比べ、容量負荷が少なくなるので高解像度化が可能となる。また、この場合、データ線の本数も、データ線を水平方向に配置する図4(a)の方が少なくなる。このため、例えば、立体表示単位で1920×1080の表示部を構成する場合、データ線を水平に配置する図4(a)では、1080×3+1=3241[本]のデータ線が必要となるのに対し、データ線を垂直に配置する図4(b)では、1920×2+1=3841[本]のデータ線が必要となる。
【0054】
ここで、データ線駆動回路80に720出力の駆動ICを用いるとすると、図4(a)では5個で済むが、図4(b)では6個の駆動ICが必要となる。すなわち、データ線を水平方向に配置する図4(a)の方が、駆動IC数を減らすことが可能となり、低コスト化を可能とする効果がある。
【0055】
次に、表示部50を構成するサブ画素40の構造について、図を参照し説明する。図3は、本実施形態のサブ画素40の構造の第1例であり、観察者からみた上面図である。各構成要素の大きさや縮尺は、図の視認性を確保するため、適宜変更して記載してある。図3において、サブ画素40は形状の向きに応じて2種類のサブ画素40a,40bとして示している。
【0056】
図3は、図1に示す表示部50の2行2列分を構成するサブ画素4個を例示している。図3中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。また、画像分離手段の配置方向を説明するため、図3に、レンチキュラレンズを構成するシリンドリカルレンズ30aを例示する。シリンドリカルレンズ30aは、かまぼこ状の凸部を有する一次元レンズであり、長手方向にはレンズ効果を持たず、短手方向にのみレンズ効果を有する。本実施形態では、シリンドリカルレンズ30aの長手方向をY軸方向に沿って配置し、X軸方向にレンズ効果を得る。つまり、画像分離方向は水平方向Xである。
【0057】
図3に示すサブ画素40a,40bの計4個のサブ画素の開口部は、水平方向Xに平行に並ぶ3つのデータ線Dy−1、Dy、Dy+1と、画像分離方向である水平方向に屈曲を繰り返す3つ走査線線Gx、Gx+1、Gx+2と、蓄積容量線CSに囲まれた略台形形状となっている。以後、前記の略台形形状を台形と見なし、データ線Dy−1、…、Dy+1に沿う平行な2辺のうち短辺側を上底Eと呼び、長辺側を下底Fと呼ぶ。つまり、サブ画素40aとサブ画素40bとは、垂直方向Yに対して、台形の向きが互いに逆、すなわち上底Eから下底Fへの向きが互いに逆の関係となっている。
【0058】
サブ画素40a,40bは、夫々、画素電極45、TFT46、蓄積容量44を有する。TFT46は、図3中に太線で形状を示す半導体層43と、走査線Gx、…、Gx+2との交差部分に形成され、図示しないがドレイン電極、ゲート電極及びソース電極を有する。TFT46のゲート電極は、走査線Gx、…、Gx+2と半導体層43との交差部に形成され、走査線Gx、…、Gx+2と接続されている。ドレイン電極は、コンタクトホール47を介してデータ線Dy−1、…、Dy+1と接続されている。ソース電極は、コンタクトホール49を介して、図3中に点線で形状を示す画素電極45と接続されている。
【0059】
半導体層43のソース電極側は、絶縁膜を介して、走査線と同層の金属膜を配置することにより蓄積容量44を形成する。つまり、蓄積容量44を形成する一方の電極は半導体層43であり、他方の電極は、走査線と同層の金属膜である。蓄積容量44の他方の電極は、コンタクトホール48を介して、データ線と同層の金属膜で形成する蓄積容量線CSと接続する。蓄積容量線CSは、走査線に沿って配置され、水平方向(X方向)に隣接する各サブ画素の蓄積容量44とコンタクトホール48を介して接続する。
【0060】
また、図3、図5及び図6に示すサブ画素40の第1の構造例においては、共通のデータ線に接続し垂直方向(Y方向)に隣接するサブ画素の前記蓄積容量44の他方の電極は繋がっている。したがって、サブ画素40の第1の構造例において、蓄積容量線CSは、図5及び図6の等価回路に示すように、水平垂直の両方向に並ぶサブ画素の蓄積容量44と電気的に接続されている。
【0061】
図3に示すように、サブ画素40aとサブ画素40bとは、それぞれの構成要素である画素電極45、TFT46、コンタクトホール47、48、49、蓄積容量44の形状、配置、接続関係が、互いに点対称の関係にある。すなわち、XY平面において、各構成要素を含みサブ画素40aを180度回転すると、サブ画素40bと構成形状が一致する。
【0062】
更に、以上のように配置されたサブ画素40a,40bの開口部は、画像分離方向と直交するY軸方向における開口部と遮光部との割合が、画像分離方向であるX軸方向に対して略一定となっていることが望ましい。開口部とは、走査線、データ線、蓄積容量線CS及び半導体層43に囲まれた表示に寄与する領域である。開口部以外の領域を、遮光部とする。すると、Y軸方向における開口部と遮光部との割合とは、Y軸方向にサブ画素40aあるいはサブ画素40bを切断したときの開口部の長さを、Y軸方向の画素ピッチで割った、1次元の開口率である。以後、前述の画像分離方向と直交する方向における1次元の開口率を、縦開口率と呼ぶ。
【0063】
したがって、前述のY軸方向における開口部と遮光部との割合がX方向に対して略一定になっているとは、具体的に言い換えると、図3に示すB−B’線に沿った縦開口率と、A−A’線に沿った縦開口率が、ほぼ等しくなるように設計されているということである。ここで、B−B’線に沿った縦開口率とは、B−B’線に沿ったサブ画素40aの開口部の長さを、データ線Dy−1とデータ線Dyとの距離で割った値である。A−A’線に沿った縦開口率とは、A−A’線に沿ったサブ画素40bの開口部の長さとサブ画素40aの開口部の長さとの和を、データ線Dy−1とデータ線Dyとの距離で割った値である。
【0064】
表示部は、上述の特徴を備えたサブ画素40a,40bから構成される。本発明においては、向きの異なるサブ画素40a,40bの2つのサブ画素を1構成単位として扱い、共通のデータ線に接続し垂直方向に並ぶサブ画素40a,40bを「上下サブ画素対」と呼ぶ。具体的には、図3に示すデータ線Dyに接続し垂直方向に並ぶ、走査線Gx+1と接続するサブ画素40aと、走査線Gxと接続するサブ画素40bとを「上下サブ画素対」として、表示部の構成単位として扱う。
【0065】
図5の(1)は、上下サブ画素対を示す平面図であり、図3から抜粋した上下サブ画素対の構造図である。図5の(2)は、図5の(1)を示す上下サブ画素対の等価回路であり、走査線Gx,…、データ線Dy,…、画素電極45、TFT46を同じ符号で示している。なお、図5に示す上下サブ画素対を、上下サブ画素対P2Rと称す。図5の(3)は、図3を上下サブ画素対P2Rの等価回路によって示す図であり、点線で囲まれた4個のサブ画素が図3と対応する。図5の(3)に示すように、図3の隣接する4個のサブ画素は、3つの上下サブ画素対から構成される。データ線Dy,…の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対は、夫々異なるデータ線Dy,…に接続されるためである。
【0066】
上記の上下サブ画素対から構成される表示部を有する本実施形態が、立体表示装置において高開口率化及び高画質化を実現する理由について説明する。高開口率化及び高画質化を達成するためには、画素の縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にしつつ、縦開口率を高くする必要がある。
【0067】
走査線及びデータ線は、各画素電極の周囲に配置されることが好ましい。走査線間又はデータ線間に画素電極のない走査線又はデータ線の配置を仮定すると、配線間に表示に寄与しないデッドスペースが生じ、開口率が低下するからである。本実施形態においては、図3に示すように、夫々の画素電極45の周辺部に、走査線Gx,…、データ線Dy,…が配置されている。
【0068】
また、前述の上下サブ画素対の有する夫々のTFT46は、夫々異なる走査線Gx,…と接続する。更に、上下サブ画素対の水平方向、すなわちデータ線Dy,…の延伸方向の配置は、垂直方向に1サブ画素分ずれて隣り合う。したがって、データ線Dy,…の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対は、夫々異なるデータ線Dy,…と接続する。
【0069】
以上の配置及び接続関係により、必要な配線数を抑えることができ、開口率の向上が可能となる。更に、走査線は縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にするため、画像分離方向へ屈曲させている。
【0070】
以上のように、図3に示す本実施形態のサブ画素の配置は、図5に示す上下サブ画素対を構成単位とする。複数の上下サブ画素対からなる本実施形態の表示部は、立体表示装置の高開口率化と高画質化を実現する。
【0071】
ここまで、本実施形態の表示部の構成を図1乃至図5を用いて説明したが、図5に示す上下サブ画素対P2Rと鏡像対称となる上下サブ画素対P2Lを用いた表示部の構成も可能である。図6の(1)に上下サブ画素対P2Lの構造示す平面図を示し、図6の(2)に上下サブ画素対P2Lの等価回路を示す。図6の(1)に示すように、上下サブ画素対P2Lを構成するサブ画素40a’,40b’は、図5の(1)に示すサブ画素40a,40bに対して、構成要素である画素電極45、TFT46、コンタクトホール47,48,49、半導体層43、蓄積容量44の形状、配置、接続関係がY軸に線対称となっている。つまり、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素P2Lとは、Y軸に線対称であり、更に、X軸にも線対称であり、互いに鏡像対称の関係にある。したがって、図6に示す上下サブ画素対P2Lが表示部を構成するときも、上下サブ画素対P2Rと同等に高開口率化及び高画質化を実現する。
【0072】
ここで、上下サブ画素対を構成する共通のデータ線と接続するサブ画素を、台形の底辺Fの向きに従い「上向きサブ画素」、「下向きサブ画素」と呼び、以後の説明に用いる。つまり、図5の上下サブ画素対P2Rでは、サブ画素40aが「上向きサブ画素」であり、サブ画素40bが「下向きサブ画素」である。同様に、図6の上下サブ画素対P2Lでは、サブ画素40a’が「上向きサブ画素」であり、サブ画素40b’が「下向きサブ画素」である。前述のように、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとは、構造から得られる光学的な効果は同じであるが、夫々の上向きサブ画素及び下向きサブ画素と走査線Gx,Gx+1との接続関係は逆になる。つまり、サブ画素40aが走査線Gx+1に接続し、サブ画素40bが走査線Gxに接続するのに対して、サブ画素40a’が走査線Gxに接続し、サブ画素40b’が走査線Gx+1に接続する
【0073】
本実施形態の表示部は、上下サブ画素対P2R、上下サブ画素対P2Lのどちらで構成してもよい。また、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを組み合わせて構成してもよい。以下、図1に示す本実施形態の表示部50の構成例を、4行6列の画素からなる第1視点用画像(左目用画像)、及び、第2視点用画像(右目用画像)を表示する例を用いて具体的に説明する。始めに図7により入力画像データを説明し、図8により本実施形態の表示部の画像分離手段と配色関係とを説明する。表示部の具体例は、図7及び図8の説明の後に示す。
【0074】
図7は、4行6列の画素からなる第1視点用画像(左目用画像)及び第2視点用画像(右目用画像)の画像データを示す図である。前述のように、M1は、M1(1,1)RGB、M1(1,2)RGB、…からM1(i,j)RGBに至る画素データの集合体であり、M2は、M2(1,1)RGB、M2(1,2)RGB、…からM2(i,j)RGBに至る画素データの集合体である。「1〜i」は画像内の行番号、「1〜j」は画像内の列番号を示し、図7の例では、i=4、j=6である。RGBは、R:赤、G:緑、B:青の色情報を持つことを意味する。
【0075】
図8は、図7に示す2つの画像データを表示する表示部50において、画像分離手段の配置及びサブ画素の配色の1例を示す図である。図中のXY軸は、Xは水平方向を示し、Yは垂直方向を示す。
【0076】
図8において、サブ画素を台形で示し、網掛けにより配色の1例を示している。具体的には、1行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、R:赤色のカラーフィルタが配置されており、1行目は赤色を表示するサブ画素として機能する。2行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、G:緑色のカラーフィルタが配置されており、2行目は緑色を表示するサブ画素として機能する。3行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、B:青色のカラーフィルタが配置されており、3行目は青色を表示するサブ画素として機能する。同様に4行目以降、サブ画素は、行単位で赤、緑、青の順に機能する。なお、本実施形態では、任意の順番が適応可能であり、例えば、1行目から3行目までが青、緑、赤の順となり、以降の行がこれらの繰り返しであってもよい。
【0077】
画像分離手段は、レンチキュラレンズ30を構成するシリンドリカルレンズ30aがサブ画素2列単位に対応し、レンズ効果を持たない長手方向が垂直方向と平行、すなわち列と平行に配置される。このため、シリンドリカルレンズ30aのX方向のレンズ効果により、偶数列及び奇数列のサブ画素から出る光線は別々の方向に分離される。すなわち、図2により説明したように、レンズ面から離れた位置では、偶数列からなる画像と、奇数列からなる画像とに分離される。本実施形態では1例として、図8及び図2の配置により、偶数列のサブ画素が、左目用(第1視点用)として機能し、奇数列のサブ画素が右目用のサブ画素として機能する。
【0078】
上述のように、カラーフィルタ及び画像分離手段が配置されるため、図7に示す入力画像データの1画素データは、図8に1列に並ぶ赤、緑、青の3つのサブ画素により表示される。具体的には、2列目の1,2,3行の3つのサブ画素が、左目用(第1視点用)画像の左上隅画素データ:M1(1,1)RGBの表示を行い、・・・、11列目の10,11,12行の3つのサブ画素が、右目用(第2視点用)画像の右下隅画素データ:M2(4,6)RGBの表示を行う。なお、サブ画素2列毎のピッチ及びサブ画素3行毎のピッチはそれぞれ等しいことが望ましい。前記のピッチ条件においては、入力する左右画像を視差画像とした立体表示時の解像度と、入力する左右画像を同じ画像とした平面表示時の解像度とが等しいことから、解像度変化に伴う画質劣化がないという特徴を有するためである。また、レンズ効果の方向、すなわち画像分離の方向に同じ色が配置されるため、画像分離手段による色分離が発生せず高画質化が可能となる。
【0079】
以降、図8に示した行列に並ぶ複数のサブ画素と、走査線及びデータ線との接続関係、すなわち、先述した図5及び図6に示す上下サブ画素対から表示部を構成する具体例を、図9〜図11に示し説明する。
【0080】
図9は、図5に示す上下サブ画素対P2Rから表示部を構成する配列パターン1である。配列パターン1では、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点として、上下サブ画素対P2Rを配置している。このとき、偶数列の1行目は、上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素が配置され、その上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素は表示部を構成しない。同様に、偶数列の12行目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が配置され、その上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素は表示部を構成しない。図9に示すNPは、上記の表示部を構成しないサブ画素は配置しないことを示している。また、図9は、図8と対応し、各サブ画素の網掛けは表示色を示し、画像分離手段であるレンチキュラレンズ30によって、偶数列のサブ画素が、左目用(第1視点用)として機能し、奇数列のサブ画素が右目用のサブ画素として機能する。
【0081】
図10は、図6に示す上下サブ画素対P2Lから表示部を構成する配列パターン2である。図10に示す配列パターン2は、上下サブ画素対P2Rを上下サブ画素対P2Lに変えたこと以外は図9に示す配列パターン1と同じであるので、その説明を省略する。
【0082】
図11は、図5に示す上下サブ画素対P2Rと、図6に示す上下サブ画素対P2Lとの組み合わせから、表示部を構成する配列パターン3の1例である。図11に示すように、1列目は、上下サブ画素対P2Lの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rとを繰り返し配置する。2列目は、上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素が1行2列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを繰り返し配置する。3列目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行3列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを繰り返し配置する。4列目は、上下サブ画素対P2Lの下向きサブ画素が1行4列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rとを繰り返し配置する。5列目以降は、1列目から4列目の配列パターンが繰り返される。この配列パターン3は、極性反転駆動方式にドット反転駆動法を適用した場合に高画質化を可能とする効果がある。詳細は後述する。
【0083】
図9〜図11に示すように、12行12列のサブ画素からなる表示部は、上下サブ画素対を構成単位とするため、データ線をD1からD13までの13本、走査線をG1からG13までの13本必要とする。すなわち、本実施形態のn行m列のサブ画素からなる表示部は、n+1本のデータ線及びm+1本の走査線により駆動されるという特徴がある。なお、本実施形態の表示部は、図5及び図6に示した上下サブ画素対を構成単位として構成されるものであり、図9〜図11に例示した以外にも多彩な配列パターンによる構成が可能である。
【0084】
配列パターンの違いは、液晶パネルを極性反転駆動する際、表示部の極性分布に影響を及ぼす。したがって、配列パターンの選択により、極性分布に起因する画質の向上(例えばフリッカ抑制)を図ることが可能となる。ただし、本発明における表示部は、図9〜図11の例のように、水平方向に1行に並ぶサブ画素は2本のデータ線と交互に接続され、垂直方向に1列に並ぶサブ画素は2本の走査線と配列パターンに応じた規則性で接続される。このため、本発明における表示部は、サブ画素1行が1本の走査線、1列が1本のデータ線と接続する一般の液晶パネルとは、極性反転駆動方式に応じて得られる極性分布が異なり、効果も異なるものとなる。以下に、一般の液晶パネルの極性反転駆動方式を適用した際に、本実施形態の配列パターン毎に得られる効果の違いについて説明する。
【0085】
図12は、図10に示す配列パターン2にゲートライン反転駆動(1H反転駆動)を適用した場合における、表示部の極性分布と走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は任意のフレーム(全て走査線の走査が一巡する期間)における画素電極及びデータ線の正負の極性を表しており、次のフレームではその正負が逆転する。ゲートライン反転駆動は、走査線の選択期間を単位として、データ線の極性を反転させる駆動方法である。ゲートライン反転駆動は、対向基板側にある共通電極を交流駆動する所謂コモン反転駆動と組み合わせることにより、データ線駆動回路(データ線駆動用ドライバIC)の耐圧を下げることが可能であり、消費電力を少なくできるという利点がある。
【0086】
また、本実施形態の配列パターン2にゲートライン反転駆動(1H反転駆動)を適用した場合の極性分布は、図12に示すように、任意の1行を形成するサブ画素の極性は同一であり、その前後の行では極性が反転する。すなわち、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同様の極性分布である。このため、極性に応じて生じる輝度差によって表示画像がちらついて見える所謂フリッカに対しても、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同様のフリッカ抑制効果を得ることができる。
【0087】
図13は、図10に示す配列パターン2にドット反転駆動を適用した場合における、表示部の極性分布と走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。ドット反転駆動は、図13に示すように、データ線毎に極性を反転させ、更に1走査線の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法であり、一般の液晶パネルにおいてはフリッカを抑制し高画質化する方法として知られている。
【0088】
本実施形態の配列パターン2にドット反転駆動を適用した場合の極性分布は、図13に示すように、奇数列のみに着目すると行単位で極性は同じであり(すなわち一行における全ての奇数列の極性は同じであり)、偶数列のみ着目した場合も同様であるが、同一行における奇数列と偶数列との極性は反転する。このため、分離された左目画像及び右目画像夫々については、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。更に、画像分離手段によって投影される左目画像及び右目画像が、分離されず重なる領域からの観察においては、一般のパネルをドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。
【0089】
図14は、図11に示す配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合における、表示部の極性分布と走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。
【0090】
本実施形態の配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合の極性分布は、図14に示すように、奇数列のみに着目すると、各行において1列目と3列目、3列目と5列目、・・・と奇数列単位に極性反転が繰り返される。同様に偶数列のみに着目した場合も、各行において偶数列単位に極性反転が繰り返される。また、任意の1列内の極性分布に着目すると、上下サブ画素対P2L及び上下サブ画素対P2Rの垂直方向に隣り合う画素電極は同極性となり、2行毎に極性が反転する。このため、台形で表す画素電極の長辺同士が同極性となり、隣接する長辺近傍における液晶分子の異常配向を抑制できるので、高画質化が可能である。また、分離された左目画像及び右目画像の夫々については、垂直方向にサブ画素2行毎に極性反転する列が列単位に極性反転する。すなわち、一般のパネルを縦2ドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。
【0091】
以上、説明したように表示部の配列パターンと極性反転駆動方法との組み合わせは、目的とする表示画質や消費電力等に応じて適宜選択すればよい。また、本実施形態の表示部は、例示した以外の配列パターン及び例示した以外の極性反転駆動方式の適用も可能である。例えば、図15に示す配列パターン4の適用も可能である。配列パターン4は、図5に示す上下サブ画素対P2Rから表示部を構成し、かつ上向きサブ画素が1行2列目となる配置を起点とし構成する。図15に示す配列パターン4と、同じ上下サブ画素対P2Rから構成される図9に示す配列パターン1とは、1列分水平方向に移動した関係にある。
【0092】
しかしながら、配列パターン変化に応じて、図1に示すデータ線駆動回路80に出力する合成画像データCMは変えなくはならない。合成画像データCMは、入力画像M1,M2から合成される画像データであり、n行m列のサブ画素からなる表示部50の各画素電極に電圧を書き込むために、データ線駆動回路80に入力するデータである。つまり、合成画像データCMは、入力画像データM1,M2を構成する各画素データを、走査線G1から走査線Gm+1まで走査線毎に、データ線D1からデータ線Dn+1に対応するように並び換えたものであり、Dn+1行かつGm+1列のデータ構成によって表現する。
【0093】
したがって、図9乃至図11及び図15に示す配列パターン1〜4よりわかるように、同じ行列で指定されるサブ画素であっても、配列パターンによって接続するデータ線、あるいは、走査線が異なるため、合成画像データCMも異なることになる。
【0094】
具体例として、画像分離手段としてレンチキュラレンズ30を備えた配列パターン1〜4の表示部へ、図7に示す複数の画素データからなる入力画像データを表示する際に、出力すべき合成画像データCMを図16〜図19に示す。図16〜図19は、任意の走査線Gxが選択されたとき、任意のデータ線Dyに与える入力画像データの視点、位置及び色を示している。M1/M2は視点画像、(行番号,列番号)は位置、R/G/Bは色を示す。また、×印は画素電極がないことを示す。なお、当然×印に対応すべき入力画像データM1,M2はなく、与えるデータが反映される画素電極もないため、×印へ与えるデータは任意である。
【0095】
合成画像データCMは、図8に示すカラーフィルタの色配列、図9乃至図11及び図15に示す配列パターン、後述する画像分離手段の設定、といった設計により決定されるパラメータと、上下サブ画素対のデータ線単位の接続の規則性、及び、走査線単位の規則性に基づいて生成する。
【0096】
データ線単位の規則性について説明する。本実施形態において、データ線単位の偶奇が表示すべき視点画像M1/M2を指定する。これは、表示部の構成する上下サブ画素対の配置において、同じデータ線で2列に並ぶことはできず、同じデータ線を共有する上下サブ画素対は、必ず1列置きに配置されるためである。すなわち、データ線の偶奇は、サブ画素がY方向に並ぶ列の偶奇と対応する。更に、X方向に画像分離の方向を有する画像分離手段の設置に応じて、視点画像M1/M2の指定がサブ画素の列単位に決定される。
【0097】
つまり、データ線の偶奇と視点画像M1/M2を決める要素は、配列パターンと画像分離手段の配置とである。例えば、サブ画素の列番号に対して同じように画像分離手段が配置される、配列パターン1(図9)及び配列パターン4(図15)においては、データ線の偶奇と視点画像M1/M2との対応関係が、合成画像データ1,4(図16及び図19)からもわかるように互いに逆になる。更に、画像分離手段の設置は、図8に示す例に限らず、例えば図20に示す例も可能である。図8では、1列目がM2であり、2列目がM1であり、奇数列のサブ画素がM2、偶数列のサブ画素がM1となる。逆に、図20の場合は、1列目がM1であり、2列目がM2であり、奇数列のサブ画素がM1、偶数列のサブ画素がM2となる。このように、視点画像M1/M2が表示される列の偶奇は、画像分離手段の配置により決定される。
【0098】
ここで、データ線の偶奇と視点画像M1/M2との関係を、図21にまとめる。図21において、奇数のデータ線が対応する入力画像の視点をv1、偶数のデータ線が対応する入力画像の視点をv2と表す。前述した配列パターン1(図9)及び配列パターン4(図15)を例に説明したデータ線の偶奇と視点画像M1/M2との対応関係は、表示部の1行1列目に配置されるサブ画素が、上向きサブ画素か下向きサブ画素かによって決定される。そこで、1行1列目に配置されるサブ画素の上下を変数「u」とし、u=0のとき1行1列目は上向きサブ画素であり、u=1のとき1行1列目は下向きサブ画素であるとする。図21は、例えば、表示部の奇数列をM1とし偶数列をM2とするように画像分離手段を設置し、かつ、表示部の1行1列のサブ画素が上向き(u=0)であるとき、v1=2、v2=1、すなわち、データ線奇数番目の視点画像がM2となり、データ線偶数番目の視点画像がM1となることを表す。
【0099】
1行目の色となるR/G/Bは、カラーフィルタによって決定される。1本のデータ線は2行のサブ画素と接続するため、カラーフィルタによる1行目の色及び配色順が決定されると、任意のデータ線が対応する色の規則性が決定する。例えば、前述した配列パターン1〜3(図9〜図11)及び配列パターン4(図15)に示すように、1行目から続くR(赤)、G(緑)、B(青)の配色順においては、データ線D3が接続するサブ画素はG及びBであり、データ線D4が接続するサブ画素はB及びRである。つまり、配色順が決定されると、任意のデータ線に対応する2色が決定される。RGBの3色で構成されるカラーフィルタによる繰り返しに、先に述べたデータ線の偶奇による視点画像対応の繰り返しを加味すると、入力画像データの指定規則には、データ線単位で6本毎の周期性がある。
【0100】
また、任意のデータ線Dyは、表示部のy−1行目及びy行目のサブ画素と接続する(ただし、n行m列のサブ画素からなる表示部において、0行目及びn+1行目は存在しない。)。データ線とサブ画素との接続は、データ線を挟み上下サブ画素対が接続されるため、Dyに接続する上下サブ画素対の上向き画素は表示部のy−1行目、下向き画素はy行目となる。したがって、上記のように、任意のデータ線に対して、図7に例示する入力画像データ「Mk(行,列)RGB」における視点番号k及び色(R/G/B)が指定されるのに加え、行番号も指定される。以後、入力画像データの任意の画素データについて、行番号をIy、列番号をIxと表す。
【0101】
上述した任意のデータ線Dyと入力画像データとの関係を、図22にまとめる。データ線の番号を任意の自然数pを用いて表現すると、図22に示すようにデータ線Dy(p)と対応する入力画像データの行番号Iyもpによって決定する。更に、図21によって決まるv1,v2を用いて、データ線Dy(p)に対応する入力画像データの視点番号を示している。また、データ線Dy(p)に対応する入力画像データの色は、表示部の1行目の色をC1、2行目をC2、3行目をC3、4行目をC1・・・とパラメータ化して示しており、1行目からRGBの順であれば、C1=R、C2=G、C3=Bである。
【0102】
次に、走査線単位の規則性について説明する。図9乃至図11及び図15に示す配列パターン1〜4よりわかるように、任意の走査線Gxは、x−1列目とx列目との2列のサブ画素と接続する(ただし、n行m列のサブ画素からなる表示部において、0列目及びm+1列目は存在しない。)。画像分離手段により、サブ画素は1列ごとに視点画像M1/M2と対応するため、走査線Gxが接続するx−1列目の視点画像とx列目の視点画像は、画像分離手段の設置と走査線の偶奇とによって決定される。例えば、画像分離手段が図8のように設置される図9乃至図11及び図15の場合は、走査線Gxが奇数のとき、x−1列目は視点画像M1に、x列目は視点画像M2に対応し、走査線Gxが偶数のとき、x−1列目は視点画像M2に、x列目は視点画像M1に対応する。また、例えば、画像分離手段の設置が図20の場合は、走査線Gxが奇数のとき、x−1列目は視点画像M2に、x列目は視点画像M1に対応し、走査線Gxが偶数のとき、x−1列目は視点画像M1に、x列目は視点画像M2に対応する。
【0103】
前述のように、任意の走査線Gxは、図7に例示する入力画像データ「Mk(行,列)RGB」の視点番号kを指定し、更に列番号を指定する。図23に、図9乃至図11及び図15に示す配列パターン1〜4における走査線と入力画像データの視点画像及び列番号とを示す。ここで、図23に示す視点画像M1/M2は、画像分離手段の設置とデータ線の偶奇とによっても決定される。つまり、データ線の偶奇がわかれば、図21より視点画像は決定する。したがって、任意の走査線Gxに対して、データ線の偶奇おける入力画像データの列番号との関係を導けばよい。図23より、表示部x−1列目に対応する入力画像データの列番号と、表示部x列目に対応する入力画像データの列番号とは、走査線2本毎の周期性がある。そこで、走査線の番号を任意の自然数qを用いて表現し、走査線Gx(q)と対応する入力画像データの列番号Ixをqで表す。
【0104】
図24に、前述の自然数qを用い、走査線と入力画像データの列番号との関係をまとめる。ここで、先に説明した任意の走査線Gxが接続する表示部のx−1列目及びx列目は、視点画像との関係を介して、走査線Gxの偶奇と、1行1列目に配置されるサブ画素の上下を示す変数「u」と、データ線の偶奇とによって表現することができる。例えば、図9〜図11に示す配列パターン1〜3においては「u=0」であり、偶数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続し、偶数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続する。更に、「u=0」である図9〜図11において、奇数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続し、奇数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続する。また、例えば、図15に示す配列パターン4においては「u=1」であり、偶数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続し、偶数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続する。更に、「u=1」である図15において、奇数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続し、奇数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続する。上述の関係を図23に用いて、任意の自然数qを用いると、走査線Gx(q)と対応する入力画像データの列番号は図24に示すようにqによって決定する。
【0105】
これまでに、図21及び図22により、任意のデータ線と接続する上向き/下向きサブ画素に対応する入力画像データの視点、行番号及び色との関係が示され、図24によって任意の走査線と入力画像データの列番号との関係が示された。したがって、任意のデータ線Dy及び走査線Gxと接続するサブ画素が、上向きサブ画素及び下向きサブ画素のどちらかであるかわかれば、合成画像データCMを生成できる。つまり、配列パターンの情報が必要となる。
【0106】
先に述べたように、本実施形態の表示部は、上下サブ画素対を構成単位とし、図5に示す上下サブ画素対P2R、図6に示す上下サブ画素対P2L、又は、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとの組み合わせによって構成される。したがって、配列パターンの情報としては、任意のデータ線Dy及び任意の走査線Gxに接続する上下サブ画素対がP2R/P2Lのどちらであるかを記憶すればよい。
【0107】
図25は、図11に示す配列パターン3におけるデータ線Dy及び走査線Gxに接続する上下サブ画素対P2R/P2Lを示したものである。図25において、上下サブ画素対P2Rを「0」、上下サブ画素対P2Lを「1」とし、×印は接続する上下サブ画素対がないことを示す。このため、×印で示す箇所の値、例えば(D1,G1)の値は、「0」/「1」どちらでもよい。すると、図25は、データ線4本単位かつゲート線4本単位の繰り返しパターンとなる。
【0108】
図26に、前述の繰り返しに着目し、配列パターン3における上下サブ画素対P2R/P2Lのパターンを示す。図26では、Dy及びGxを2進数としたときの下位ビットを用いて表現し、同じく下位2ビットを用いて表現した、配列パターン1,4及び配列パターン2の上下サブ画素対P2R/P2Lのパターンを示す。図26に示す、配列パターンに応じたデータ線Dy及び走査線Gxと上下サブ画素対の接続関係を、Dy、Gxを変数とし、「0」/「1」の値を返すルックアップテーブルLUTとして記憶する。これより、任意のデータ線Dy及び任意の走査線Gxに対して、LUT(Dy,Gx)より接続する上下サブ画素対がP2RであるかP2Lであるかを判別できる。
【0109】
図26に例示するLUT(Dy,Gx)と、走査線及びデータ線の偶奇と合わせると、図27に示すように、任意の走査線及びデータ線と接続するサブ画素の向きが決定される。図27に示す関係を図22に用いて、図22に示す上向き画素及び下向き画素をLUT(Dy,Gx)と走査線の偶奇とで置き換えると、図28に示す関係になる。
【0110】
以上のように、図21及び図26に例示する情報と、図24及び図28に示す規則性とから、合成画像データCMを生成することができる。
【0111】
図29に、合成画像データの生成に必要なパラメータ変数及び変数内容の具体例(配列パターン3)をまとめる。図29に例示するパラメータセットを、少なくとも1セットを図1に示すパラメータ記憶手段140に保存し、合成画像データの生成に用いる。このように、合成画像データの生成に必要なパラメータを保存することにより、表示部の設計変更に対して、パラメータ変更により対応できる。なお、複数のパラメータを保存しておけば、駆動する表示モジュールの変更に応じてパラメータを切換えて用いることができ、パラメータ変更の工数を削減できる。
【0112】
[動作の説明]
本実施形態の動作について、図を参照し説明する。図30〜図39は、本実施形態の表示装置における表示動作の1例を示すフローチャートである。
【0113】
[ステップS1000]
図30に示すように、本実施形態の表示装置の動作が開始されると、図1に示すパラメータ記憶手段140から合成画像を生成するために必要となる各種パラメータが読み込まれる。奇数のデータ線が対応する入力画像データの視点v1、偶数のデータ線が対応する入力画像データの視点v2、カラーフィルタによる行単位の配色順を示すC1,C2,C3、表示部50のサブ画素を単位とする行数n、及び列数m、表示部50の1行1列目に配置されるサブ画素の向きを示すu、表示部50を構成する上下サブ画素対の配列パターンを示すLUTが、読み出し制御手段130にセットされる。
【0114】
[ステップS2000]
外部から、i行j列の画素データからなる視点画像M1,M2を有する入力画像データと、同期信号とが、書き込み制御手段110に入力される。書き込み制御手段110では、同期信号を利用し、入力されるM1(1,1)RGBからM1(i,j)RGBまで及びM2(1,1)RGBからM2(i,j)RGBまでの画素データに順次アドレスを発生し、画像メモリ120に格納する。したがって、画像メモリ120に格納された入力画像データから、アドレス指定により、任意の視点画像M1/M2、位置(行Iy,列Ix)、各色(R/G/B)輝度データを選択することができる。つまり、データ読み出しは、書き込み制御手段110により付与されたアドレスを介して行うが、入力画像データの視点画像、位置、各色輝度データが識別できればよいため、具体的なメモリ内部のアドレスマップについては説明を省く。なお、画像メモリ120は、少なくとも出力する合成画像データ2画面分のデータ保存領域を持ち、読み出し画面領域と書き込み画面領域とを交互に用いる。
【0115】
[ステップS3000]
図1に示す画像メモリ120に格納した入力画像データ(視点画像M1,M2)を、読み出し制御手段130により所定のパターンに従い読み出し、並び換え処理を行い、合成画像データCMを生成して表示パネル20のデータ線駆動回路80へ出力する。合成画像出力処理の動作については、図31に示すフローチャートにより別途説明する。
【0116】
[ステップS8000]
読み出し並び換え処理が完了すると1フレームの表示動作が完了する。ステップS2000に戻り、上記の動作が繰り返される。
【0117】
なお、図30においては、動作説明の便宜上、入力画像データの書き込み処理(ステップS2000)と読み出し並び換え処理(ステップS3000)とを順次に記載している。ステップS1100で説明したように、画像メモリ120は2画面分の領域を有しており、実際には、あるフレームFnの書き込み処理と、既に画像メモリに書き込まれたフレームFn−1の読み出し並び換え処理とが、並列に処理される。
【0118】
次に、図31を参照し、合成画像出力処理の動作について説明する。図31は、図30のステップS3000の処理内容を示すフローチャートあり、主として、走査線を単位とした1フレーム分の計数処理を示す。
【0119】
[ステップS3100]
変数Gx,q,tに初期値として1を与える。Gxは走査線を計数する変数であり、その計数値は表示パネルにおいて選択する走査線に対応する。tは、走査線の偶奇、すなわち走査線の2本周期を計数するための変数である。qは、図24に示すように入力画像データの列番号Ixを指定するために用いる変数であり、tが2カウントするたびに1加算される。
【0120】
[ステップS4000]
表示パネルの走査線Gxに対応する1ライン分の合成画像データを出力する。ラインデータ出力処理の動作については、図32に示すフローチャートにより別途説明する。
【0121】
[ステップS7100]
Gxの計数値が、表示部の最後の走査線Gm+1に達していないかを判定する。判定は、図30に示すステップS1000でセットした表示部の列数mを用い、m+1に達していなければ、判定YesでステップS7200に進む。m+1であれば、判定Noで図31の処理を終了し、図30のステップS8000に進む。
【0122】
[ステップS7200]
図1に示すタイミング制御手段150からの水平同期信号に応じて、t及びGxの計数値にそれぞれ1を加算する。
【0123】
[ステップS7300]
tの計数値による判定を行う。tが2より大きければ、判定YesでステップS7400に進む。tが2以下であれば、判定NoでステップS4000に進む。
【0124】
[ステップS7400]
tの計数値を1に戻し、qの計数値に1を加算し、ステップS4000に進む。
【0125】
次に、図32を参照し、ラインデータ出力処理の動作について説明する。図32は、図31のステップS4000の処理内容を示すフローチャートあり、主として、データ線を単位とした走査線1ライン分の計数処理を示す。
【0126】
[ステップS4100]
変数Dy,p,sに初期値として1を与える。Dyは、データ線を計数する変数である。sは、図22に示すデータ線6本周期を計数するための変数である。pは、図22及び図28に示すように入力画像データの行番号Iyを指定するために用いる変数であり、sが6カウントするたびに1加算される。
【0127】
[ステップS5000]
走査線Gx及びデータ線Dyに対応する入力画像データを画像メモリ120から読み出し、入力画像データを表示パネルに応じたデータ順に並び換え、Dyの計数値順にラインメモリLに格納する。読み出し並び換え処理の動作については、図33に示すフローチャートにより別途説明する。
【0128】
[ステップS6000]
Dyの計数値が、表示部の全データ線数Dn+1に達していないかを判定する。判定は、図30に示すステップS1000でセットした表示部の行数nを用い、n+1に達していなければ、判定YesでステップS6100に進む。Dyの計数値がn+1であれば、判定NoでステップS7000に進む。
【0129】
[ステップS6100]
図1に示すタイミング制御手段150から信号に応じて、s及びDyの計数値にそれぞれ1を加算する。
【0130】
[ステップS6200]
sの計数値による判定を行う。sが6より大きければ、判定YesでステップS6300に進む。sが6以下であれば、判定NoでステップS5000に進む。
【0131】
[ステップS6300]
sの計数値を1に戻し、pの計数値に1を加算し、ステップS5000に進む。
【0132】
[ステップS7000]
ラインメモリに格納Lに格納された走査線Gxの1ライン分の合成画像データCM(Gx)を、図1に示すデータ線駆動回路80に、タイミング制御手段150により生成されるデータ線駆動回路用の制御信号81に同期して出力する。ステップS7000により、ラインデータ出力処理は終了し、図31に示すステップ7100に進む。なお、ステップS7000の処理後に終了し、図31にステップ7100に進むと動作を説明したが、これは説明の便宜上であり、ステップS7000による合成画像データCM(GX)の出力処理と、図31のステップ7100以降の処理とが並列に行われもよい。
【0133】
次に、図33を参照し、読み出し並び換え処理の動作について説明する。図33は、図32のステップS5000の処理内容を示すフローチャートあり、主として、データ線6本周期の計数値sに対しての分岐処理を示す。
【0134】
[ステップS5010〜S5050]
計数値sに応じての分岐処理であり、s=1であればステップS5100へ、s=2であればステップS5200へ、s=3であればステップS5300へ、s=4であればステップS5400へ、s=5であればステップS5500へ、sが前記以外の値(s=6)であればステップS5600へそれぞれ進む。
【0135】
[ステップS5100〜S5600]
計数値sに応じて、画像メモリ内の入力画像データから、表示パネル(Dy,Gx)に接続するサブ画素に対応する画素データを指定する。入力データ指定処理の動作については、夫々図34〜図39に別途フローチャートを示す。入力データ指定処理によって、データ線Dy及び走査線Gxに対応する入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLが決定する。
【0136】
[ステップS5700]
指定された入力画像データの行番号Iy及び列番号Ixが、表示部に存在しないサブ画素であるか否か、を判定する。判定には、図30に示すステップS1000でセットした表示部の行数n及び列数mを用いる。条件Ix=0、Ix=m/2+1、Iy=0、又は、Iy=n/3+1は、いずれも表示部に対応するサブ画素が存在しない。したがって、前記の条件いずれかに該当した場合は、判定YesでステップS5710に進む。前記の条件いずれにも該当しない場合は、判定NoでステップS5720に進む。
【0137】
[ステップS5710]
指定された入力画像データの行番号Iy及び列番号Ixにおいて、表示部に対応するサブ画素が存在しない場合の処理である。したがって、表示には反映されないが、走査線Gxにおけるデータ線DyのデータPDとして、zを出力する。zは1例として0とする。
【0138】
[ステップS5720]
指定された入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLに基づき、画像メモリの該当アドレスを指定する。アドレス指定により、画像メモリから走査線Gxにおけるデータ線DyのデータPD=M(k)(Iy,Ix)(CL)を読み出す。
【0139】
[ステップS5800]
走査線1ライン分のデータを蓄えるラインバッファLに、走査線Gxにおけるデータ線DyのデータPDを格納する。ラインバッファへデータPDを格納すると、読み出し並び換え処理を終了し、図32に示すステップS6000に進み、走査線Gxに接続する全てのデータ線(n+1本)に対して、ラインバッファLへのデータ格納処理が終了したか否かを判定する。
【0140】
次に、図34から図39を参照し、入力データ指定処理の動作について説明する。図34は、図32に計数処理を示す計数値sが1のとき、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定する処理を示す。前記の指定には、図30に示すステップS1000で読み込んだパラメータv1、v2、C1、C2、C3、u、LUT、及び、図31に計数処理を示す変数Gx、q、t、及び、図32に計数処理を示す変数Dy、pを用いる。
【0141】
[ステップS5110]
走査線Gx及びデータ線Dyに接続する上下サブ画素対がP2LであるかP2Rであるかを判定する。判定条件には、1例としてLUT(Dy,Gx)=0を用い、判定Yes(上下サブ画素対はP2R)でステップS5111に進み、判定No(上下サブ画素対はP2L)でステップS5112に進む。
【0142】
[ステップS5111,S5112]
走査線Gxの偶奇を判定する。判定条件には、1例として、走査線Gxが奇数となるt=1を用いる。走査線の偶数奇数は、図24に示すように列番号Ixの指定と関係し、図28に示すように行番号Iy及び色CLの指定と関係する。判定Yes(走査線は奇数)で、ステップS5111からはステップS5121へ進み、ステップS5112からはステップS5122へ進み、列番号Ixを指定するためにuの判定処理を行う。一方、判定Noでは、走査線は偶数であり、この場合、図24に示すように、列番号Ixは、uに依存しない。したがって、判定Noで、ステップS5111からはステップS5133へ進み、ステップS5112からはステップS5132へ進み、列番号Ixの指定処理を行う。ここで、図28に示すように、LUTの値による行番号Iy及び色CLの指定が走査線の偶奇により入れ替わる関係にあるため、図34に示すように、処理フローが交差する。
【0143】
[ステップS5121,S5122]
図24に従い列番号Ixを指定するために、表示部の1行1列目のサブ画素が上向き画素であるか下向き画素であるかを判定する。判定条件には、u=0を用いる。判定Yes(上向き画素)で、ステップS5121からはステップS5131へ進み、ステップS5122からはステップS5133へ進む。一方、判定Noで、ステップS5121からはステップS5132へ進み、ステップS5122からはステップS5134へ進む。
【0144】
[ステップS5131,S5134]
各々、qを用いて入力画像データの列番号Iyを指定する。なお、s=1であるため、データ線は奇数であり、前記の条件分岐と、図24により列番号Iyが確定する。ステップS5131,S5132からステップS5141へ進み、ステップS5133,S5134からステップS5142へ進む。
【0145】
[ステップS5141,S5142]
図28に示す関係により、入力画像データの視点番号k、行番号Ix及び色CLを指定する。なお、s=1は、図28におけるデータ線6p−5と対応する。行番号Ixは、pを用いて指定する。視点番号k及び色CLは、図30に示すステップS1000で読み込んだパラメータから、ステップS5141,S5142に示す通り選択されたパラメータにより指定する。以上、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLが指定され、入力データ指定処理は終了し、図33に示すステップS5770に進む。
【0146】
図35は、図32に計数処理を示す計数値sが2のとき、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定する処理を示す。図35に示すように、図34と比較し、視点番号k及び色CLとして選択するパラメータ並びに行番号Ixの指定は異なるが、処理フローはs=1の場合と同じである。ただし、sが2のときは、データ線は偶数であるため、図24に示すように列番号Iyの指定が図34と異なる。このため、表示部の1行1列目のサブ画素が上向き画素であるか下向き画素であるかの判定条件には、図34と異なり、u=1を用いている。
【0147】
同様に、図36は計数値sが3のとき、図37は計数値sが4のとき、図38は計数値sが5のとき、図39は計数値sが6のとき、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定する処理を示すフローチャートである。処理フローは、s=1の場合と同じであるため、その動作の説明は省略する。
【0148】
以上、図30〜図39を用いて説明した処理により、本実施形態の表示装置に、外部より入力される入力画像データから、表示モジュールに応じた合成画像データを生成し、表示動作を行うことが可能となる。なお、説明した処理は本実施形態の1例であり、これに限定されるものではない。例えば、画像メモリに書き込まれた入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定するために行う分岐処理の順序は、図34から図39に示す通りでなくとも、入力データ指定処理の指定結果が図24及び図28と合えばよい。また、例えば、図33において、表示部に存在しないサブ画素を判定し、データPDとしてz=0を与えている。しかし、zとして与えたデータは、表示部にサブ画素が存在しないため表示に寄与しないため無効である。したがって、画像メモリの容量に余裕がある場合は、判定処理自体を省略し、無効のデータのアドレスを設定し、メモリ読み出し処理を行ってもよい。この場合、図33におけるステップS5700,S5710を省略し、ステップS5720のメモリ読み出し処理とすることができるため、画像メモリは増えるが処理が少なくて済む。
【0149】
以上、本発明の第1実施形態の構成、動作について説明した。
【0150】
図40(A)は、本実施形態の表示装置を適用した1例の端末装置のブロック図である。図40(A)に示す端末装置300Aは、入力装置301、記憶装置302、演算器303、外部インターフェイス304、及び本実施形態の表示装置305Aなどから構成されている。前述のように、表示装置305Aは、表示コントローラ100を備えるため、演算器303から一般の表示装置に画像データを送る形式で、2画像分のデータを送ればよい。なお、2つの画像データは、一般の表示パネルで平面表示を行う画像データでよい。すなわち、本実施形態の表示装置305Aは、表示コントローラ100を備えるため、演算器303においては、出力する2つの画像データに対して転送に伴う特別な処理を行う必要がなく、演算器303に負担をかけないという効果がある。また、本実施形態の表示コントローラ100は、画像メモリ120(図1)を備えるため、演算器303が出力する2つの画像データは、図40にイメージを示す水平方向に並んだ形式、所謂サイドバイサイド形式に限らず、垂直方向に並ぶ形式でも、フレーム時分割の形式であっても構わない。
【0151】
なお、本発明を適用した端末装置においては、図40(A)の例のように、表示コントローラは表示装置に搭載される構成に限定されるものではなく、例えば、表示装置ではなく、演算器303が搭載される回路基板上に搭載されていてもよい。
【0152】
また、図40(B)に示す端末装置300Bのように、表示コントローラの処理手順をプログラム化し、表示コントローラ100を演算器303に備える構成としてもよい。
【0153】
更に、図40(A)(B)に例示する本発明を適用した端末装置においては、表示モジュールAが表示モジュールB(図示せず)に変更された場合においても、表示コントローラ100を変更することなく対応可能である。表示モジュール200B(図示せず)とは、例えば、画像分離手段の設置、カラーフィルタの順番、上下サブ画素対の配列パターン等が表示モジュール200Aと異なる。これらの表示モジュールの仕様は、搭載される端末装置から要求される様々な要素、例えば、画質や、コスト、サイズ、解像度等によって決定される。本発明に係る表示コントローラ100はパラメータ記憶手段140(図1)を備えるため、表示モジュールの変更に対して、パラメータの書き換え、あるいは、パラメータの選択により対応でき、同じ表示コントローラ100が使用できる。このため、表示装置及び端末装置の設計工数の低減及び低コスト化が可能となる。
【0154】
なお、本実施形態では、画像分離手段により、観察者の両目に別々の画像を提供する立体表示装置を例に示したが、観察する位置に応じて異なる画像を提供する2視点表示装置としてもよい。
【0155】
また、本実施形態において、光学的な画像分離手段にレンチキュラレンズを用い、レンチキュラレンズを表示パネルの観察者側に配置し説明したが、レンチキュラレンズを観察者と反対側に配置してもよい。更に、光学的な画像分離手段としては、例えばパララックスバリアを適用してもよい。更にまた、サブ画素から出る光が、視点画像毎に異なる偏光状態となるように、視点画像M1,M2を表示するサブ画素夫々に対応する偏光素子が配列された基板を表示パネルに配置し、眼鏡式の立体表示装置に適用してもよい。
【0156】
また、サブ画素40(図1)の構造は、図3乃至図6に示す第1例(以下「第1のサブ画素」及び「第1の上下サブ画素対」という。)に限らず、例えば図41及び図42に示す第2例(以下「第2のサブ画素」及び「第2の上下サブ画素対」という。)の適用も可能である。図41は、第2の上下サブ画素対P2Rの構造及び等価回路を示す図であり、図42は、第2の上下サブ画素対P2Lの構造及び等価回路を示す図である。なお、構造図において、各構成要素の大きさや縮尺は、図の視認性を確保するため、適宜変更して記載してある。
【0157】
図41及び図42に示す第2のサブ画素おいて、第1のサブ画素との違いは、蓄積容量線CSの配置である。第2のサブ画素においては、蓄積容量線CSxを走査線と同層の金属膜に形成する。このため、蓄積容量44を形成する電極のうち半導体層43と反対側にある電極と、蓄積容量線CSxとを同層の金属膜で形成することができる。更に、蓄積容量線CSxを走査線と走査線との間に、データ線と垂直に配置することで、第1のサブ画素で必要であったコンタクトホール48(図5等)をなくすことができる。第2のサブ画素においては、コンタクトホールの削減により、サブ画素の微細化が可能となり、表示部の高解像度化を可能とする効果がある。
【0158】
第1のサブ画素では、図5等に示すように、水平方向に並ぶサブ画素の蓄積容量44を蓄積容量線CSが接続する。一方、第2のサブ画素では、図41及び図42に示すように、垂直方向に並ぶサブ画素の蓄積容量44を蓄積容量線CSxが接続する。このため、第2のサブ画素では、液晶パネルを極性反転駆動する際に、列単位に接続される蓄積容量線とサブ画素に書き込まれる電圧の極性とには注意が必要となる。
【0159】
例えば、図14に示す配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合には、任意の走査線(例えばGx+1(図41(3)、図42(3)))が選択されたときに、列単位、すなわち蓄積容量線単位(例えばCSx、CSx+1夫々)で、サブ画素に書き込まれる極性が揃う。このように、ゲート選択のタイミングで蓄積容量線と接続するサブ画素の書き込み極性が揃ってしまうと、書き込み電圧により生じる蓄積容量線の電位変動も揃うことになる。このため、蓄積容量線の延伸方向にクロストークが発生し表示画質を悪化させる。
【0160】
したがって、図41及び図42に示す第2のサブ画素を用いる場合には、極性反転駆動方式に2ドット反転駆動を適用することが好ましい。図43は、図20に示す配列パターン2に2ドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布と、2ドット反転の走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。2ドット反転駆動は、図43に示すように、データ線2本毎に極性を反転させ、更に1走査線の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法である。この場合、任意の走査線Gx+1が選択されたとき、書き込みが行われるサブ画素の極性は、列x及び列x+1単位で夫々異なる。すなわち、ゲート選択のタイミングで蓄積容量線と接続するサブ画素の書き込み極性は正負両方が存在する。このため、書き込み電圧により生じる蓄積容量線の電位変動は相殺され均一化するため、蓄積容量線の延伸方向にクロストークの発生を抑制する効果がある。
【0161】
また、図43の極性分布においては、行単位で極性が揃っている。このため、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同様のフリッカ抑制効果を得ることができる。更に、図41及び図42に示す第2のサブ画素構造を用いる場合には、図44に示す配列パターン6を用いて、2ドット反転駆動を適用することにより、一般のパネルをドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。図45に、図44に示す配列パターン6に2ドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布を示す。
【0162】
なお、図41及び図42に示す第2のサブ画素を用いる場合の極性反転駆動方式は、前述の2ドット反転駆動に限定されるものではなく、3ドット反転駆動(ピクセル反転駆動)等の適用も可能である。
【0163】
また、本実施形態における表示パネルは、液晶分子を利用した液晶表示パネルであるものとして説明した。液晶表示パネルとしては、透過型液晶表示パネルだけでなく、反射型液晶表示パネル、半透過型液晶表示パネル、反射領域よりも透過領域の比率が大きい微反射型液晶表示パネル、透過領域よりも反射領域の比率が大きい微透過型液晶表示パネル等にも適用することができる。また、表示パネルの駆動方法は、TFT方式に好適に適用できる。
【0164】
TFT方式におけるTFTは、アモルファスシリコンや低温ポリシリコン、高温ポリシリコン、単結晶シリコンを使用したものだけでなく、ペンタセンなどの有機物や酸化亜鉛などの酸化金属、カーボンナノチューブを使用したものにも好適に適用できる。また、本発明はTFTの構造には依存しない。ボトムゲート型やトップゲート型、スタガ型、逆スタガ型等を好適に使用することができる。
【0165】
また、本実施形態において、上下サブ画素対をサブ画素の形状を略台形形状として説明した。上下サブ画素対の光学的特性、走査線、データ線との接続関係を維持するものであれば、台形に限るものではない。他の多角形形状であっても適用可能である。例えば、本実施形態によって説明した台形の上辺が短くなれば三角形の形状となる。更に、上向きサブ画素と下向きサブ画素が180度の回転対称であれば、走査線を屈曲させた六角形、八角形の形状等の適用も可能である。
【0166】
更に、表示パネルには、液晶方式以外の適用も可能である。例えば有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、無機エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル、フィールドエミッション表示パネル、又はPALC(Plasma Address Liquid Crystal:プラズマ・アドレス液晶)を適用することも可能である。
【0167】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成について説明する。複数のN視点に向け夫々異なる画像を提供する表示装置であり、第1実施形態がN=2の表示装置であったのに対して、Nが3以上であることを特徴とする。以下、N=4である4視点に向け夫々異なる画像を提供する立体表示装置を例として第2実施形態について説明する。
【0168】
始めに、図46を用いて、第2実施形態の概要について説明する。本実施形態の表示コントローラ101は、外部から入力される3視点以上の視点画像データを2つの画像データに並び換える入力データ並び換え手段160を、更に備えたものである。以下、入力データ並び換え手段160により並び換えられた2つの画像データを、2つの入力合成データと呼ぶ。
【0169】
書き込み制御手段110は、外部から入力した視点画像に代えて、入力データ並び換え手段160で並び換えられた2つの入力合成データを画像メモリ120に書き込む機能を有する。なお、前記の2つの入力合成データとは、第1実施形態における入力画像データの視点画像M1,M2に相当する。以下、第2実施形態について詳細に説明する。
【0170】
第2実施形態おける表示部は、図5及び図6に構造及び等価回路を示す上下サブ画素対から構成される。したがって、上下サブ画素対についての説明は、第1実施形態と同じであるため省略する。
【0171】
図47は、第2実施形態における画像分離手段と表示部との関係を示す1例である。図中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。垂直方向に12行かつ水平方向に12列に配置された台形がサブ画素を表し、網掛は色を示し、1行目から1行毎にR、G、Bの順で繰り返す配色パターンとなっている。画像分離手段は、レンチキュラレンズ30を構成するシリンドリカルレンズ30aがサブ画素4列単位に対応し、水平方向にレンズ効果を持つように長手方向が垂直方向と平行に配置される。シリンドリカルレンズ30aのレンズ効果により、サブ画素から出た光線は列単位で4列周期に別々の方向に分離され、レンズ面から離れた位置に4つの視点画像を形成する。この4つの視点画像の各々の構成単位となる画素は、列単位で垂直方向に並ぶRGBのサブ画素3個からなる。第1視点画像の画素をM1P、第2視点画像の画素をM2P、第3視点画像の画素をMP3、第4視点の画素をMP4として、各1例を図47に示す。
【0172】
図48は、各視点画像用の画素M1P〜MP4から出た光線が各視点画像を形成する光学モデルである。図48に示すように、レンチキュラレンズ30は、表示パネルの観察者側に配置され、更に、レンズ面から距離OD離れた平面において、表示部全てのM1Pからの投影像が重なり、同様にM2P、M3P、M4Pからの投影象が重なり、X方向において投影象の重なりの幅が最大になるように配置されている。この配置により、観察者から見て水平方向に左から順に、第1視点画像、第2視点画像、第3視点画像、第4視点画像の領域が形成される。
【0173】
次に、図47に示すサブ画素と、走査線及びデータ線との、接続関係について説明する。図49は、図47に示す第2実施形態の表示部を上下サブ画素対P2R,P2Lから構成する1例であり、配列パターン5とする。図49に示すように、配列パターン5の上下サブ画素対P2L/P2Rの組み合わせは、表示部の1列目から4列目までは、図11に示す配列パターン3と同じであり、表示部の5列目から8列目は、配列パターン3に対して上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとが入れ替わる。更に、表示部の9列目から12列目までは、配列パターン3と同じである。つまり、配列パターン5は、配列パターン3と、配列パターン3に対して上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとが入れ替わるパターンとが、4列毎に繰り返される配列パターンである。配列パターン5は、極性反転駆動方式にドット反転駆動法を適用した場合に、フリッカ抑制効果と液晶分子の異常配向を抑制する効果がある。
【0174】
図50は、図49に示す配列パターン5にドット反転駆動を適用した場合における、表示部の極性分布とドット反転の走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図47で説明したように、第2実施形態では4列周期で各視点画像が提供される。そこで、図49に示すように、視点画像の周期性に対応させて、配列パターン3(図11)における上下サブ画素対P2R,P2Lを4列周期で入れ替え、ドット反転駆動を適用する。すると、分離された第1視点用画像〜第4視点画像の夫々の視点画像においては、水平方向に隣り合うサブ画素の極性は反転し、垂直方向にはサブ画素2行毎に極性が反転する。つまり、一般のパネルを縦2ドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。更に、配列パターン5の極性分布は、台形で表す画素電極の長辺同士が同極性となり、隣接する長辺近傍における液晶分子の異常配向を抑制でき、高画質化が可能である。
【0175】
次に、第2実施形態の表示部に与える合成画像データについて、表示部が配列パターン5(図49)である例を用いて説明する。図51に、表示コントローラ101に外部より入力される4視点分の画像データを示す。入力画像データである第1視点用画像データから第4視点画像データは、夫々、i行j列(i=4,j=3)に並ぶ画素データで構成され、画素データMk(Iy,Ix)RGBの各符号は、kは視点番号を表し、Iyは画像内の行番号、Ixは画像内の列番号、RGBは、R:赤、G:緑、B:青の各色の輝度情報を持つことを意味する。
【0176】
図51に示す入力画像データを図49に示す配列パターン5に表示する場合、表示モジュールに与える合成画像データ5を図52に示す。合成画像データ5は、図46に示す入力データ並び換え手段160を用い、以下に説明するように、第1実施形態と同様に画像分離手段及びカラーフィルタの色配列の設定パラメータ、配列パターンの設定パラメータ、上下サブ画素対の配列(LUT)をもとに、データ線単位及び走査線単位の規則性から生成可能である。図53に、配列パターン5の任意のデータ線Dyと任意の走査線Gxとを接続する上下サブ画素対P2R/P2LのパターンであるLUT(Dy,Gx)を示す。
【0177】
入力データ並び換え手段160は、外部から入力されるN視点分の画像データを、列単位で表示部の奇数列及び偶数列に対応した2つの入力合成データM1’,M2’に並び換える。図47及び図48に示す表示部への画像分離手段の配置において、図51に示す4視点分(N=4)の入力画像データから生成する入力合成データM1’,M2’を、図54に示す。図54に示すように、列単位の並び換えを行うため、入力画像データの任意の行番号Iyと、生成する入力合成データの行番号とは、同じ行番号Iyが対応する。しかし、入力合成データの列番号は、入力画像データの任意の列番号Ixと異なるため、入力合成画像データの列番号をIx’と表す。
【0178】
第1実施形態において、入力画像データの2つの視点画像M1,M2は、表示部の偶数列及び奇数列に分かれて表示される。したがって、上記のように、表示部の偶数列及び奇数列に応じた並び換え処理により生成した入力合成データM1’,M2’を、書き込み制御手段110に送ることにより、第1実施形態で説明した処理と同様の処理によって合成画像データを生成することができる。ただし、外部から入力されるN視点分の画像データを、表示部の偶数列及び奇数列に対応させ入力合成データを生成するためには、表示部の列番号と入力される画像データの視点番号との情報が必要である。
【0179】
図55は、図47に示す画像分離手段と表示部との関係において、表示部の列番号xと、入力画像データの視点画像M1〜M2と、入力合成データM1’,M2’との関係を示す1例である。列番号及び視点画像Mkは、画像分離手段の配置及び視点数と関係し、表示モジュールの設計によって決定される。例えば、図48のように表示パネルの観察者側に配置する画像分離手段を、図56に示す表示部との関係で配置することも可能である。この場合、図48と同様に観察者から見て水平方向に左から順に、第1視点画像、第2視点画像、第3視点画像、第4視点画像の領域を形成するためには、図56に示すように、表示部の1列目(x=1)のサブ画素はM2と対応することになり、x=2はM1と、x=3はM4と、x=4はM3と、x=5はM2と、・・・それぞれ対応する関係となる。
【0180】
また、画像分離手段と表示部との位置関係が図55と同様であっても、図48と異なり表示パネルの観察者とは反対側に画像分離手段が配置された場合には、列番号x=1はM1と,x=2はM2と、x=3はM3と、x=4はM4と、・・・それぞれ対応する関係となる。更に、表示モジュールの視点数が変われば、列番号xと視点番号との対応は図55と異なるものとなる。
【0181】
上記のように、入力並び換え処理を行うためには、表示部の列番号xと視点番号kの関係を表示コントローラに記憶させる必要がある。1例として、表示部の列番号xに応じて視点番号kの値を示すテーブルTM(N,op,x)を、図57に示す。図57に例示するテーブルTMは、複数の表示モジュールに対応するため、パラメータN,opを用いている。Nは視点数を表し、opは図55及び図56のように画像分離手段の配置の違いに対応させている。テーブルTMは、図57に示すように、表示部を構成するm列全てについて視点kを記憶せずとも、列番号に対する視点番号の繰り返しパターンに応じて記憶することにより、情報量を圧縮することが可能である。また、パラメータN,opについても、表示コントローラの設計に応じて適宜定めればよく、種類を限定することでテーブルTMの情報量を圧縮することが可能である。テーブルTMは、図46に示すパラメータ記憶手段141に記憶すればよい。
【0182】
表示部の任意の列xに対応する入力画像データの視点番号kがテーブルTMによって得られるため、表示部の列の偶奇に対応させて入力画像データを並び換えることにより、入力合成データM1’,M2’を生成することができる。なお、図55の例では、入力合成データM1’を表示部の偶数列に対応させ、入力合成データM2’を表示部の奇数列に対応させている。しかし、その逆に、入力合成データM2’を表示部の偶数列に対応させ、入力合成データM1’を表示部の奇数列に対応させてもよい。ただし、入力合成データM1’,M2’と表示部の列の偶奇との対応関係は、読み出し制御手段131で用いる奇数データ線の視点v1及び偶数データ線の視点v2と関連する。つまり、第1実施形態の図21で説明したように、表示部の1行1列目のサブ画素の向き「u」とともに視点v1,v2の値を決定する。図58に、入力合成データM1’,M2’とデータ線の偶奇との関係をまとめる。
【0183】
なお、第2実施形態においても、合成画像データの生成には、テーブルTMに加え、第1実施形態と同様に図29に示すパラメータ変数が必要である。視点数(N)を含むテーブルTM及び図29に示すパラメータを、パラメータ記憶手段141に保存し、合成画像データの生成に用いる。
【0184】
[動作の説明]
第2実施形態の動作の1例について、フローチャートを参照し説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については、同じ図面、符号を用いて説明する。図59は、第2実施形態の動作の概要を示すフローチャートである。
【0185】
[ステップS21000]
図59に示すように、動作が開始されると、図46に示すパラメータ記憶手段141から、入力合成データの生成に必要なテーブルTMと、合成画像を生成するために必要となる各種パラメータとが読み込まれる。なお、視点v1は奇数のデータ線が対応する入力合成データを示し、視点v2は偶数のデータ線が対応する入力合成データ示すことになる。他のパラメータについては、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0186】
[ステップS22000]
外部から、各i行j列の画素データからなる画像データN視点分、及び同期信号が、図46に示す入力データ並び換え手段160に入力される。入力されたN視点分の画像データを、列単位で表示部の奇数列及び偶数列に対応する2つの入力合成データM1’,M2’に並び換え、書き込み制御手段110に出力する。入力データ並び換え処理の動作については、図60に示すフローチャートにより別途説明する。
【0187】
[ステップS2000,S3000,S8000]
画像入力書き込み処理及び合成画像出力処理については、第1実施形態のフローチャートに示す符号の中で、入力画像データの視点画像M1,M2を入力合成データM1’,M2’に置き換え、入力画像データの列Ixを入力合成データの列Ix’に置き換えた処理である。フローチャート及び動作説明は、第1実施形態を参照とする。
【0188】
次に、図60を参照し、入力データ並び換え処理の動作について説明する。並び換え処理は、表示部の列番号xを計数し、テーブルTMを用い、計数値xを基準とした処理により、入力バッファから対応する画素データを読み出す。入力合成データ1行分の並び換え処理が終了すると、計数値xを1に戻す。同じ処理を入力画像データi行にわたり行う。
【0189】
[ステップS22100]
外部から入力されるN視点分の画像データを、外部から入力される同期信号を用いて入力バッファに格納する。入力バッファに格納されたデータは、画素データ単位で任意視点番号k、位置(行Iy,列Ix)、各色(R/G/B)輝度データを選択することができる。なお、入力バッファは、入力されるN視点分の画像データ全てを格納できるデータ容量を備えれば、N視点分の入力画像データの転送形式に依存しない。言い換えると、N視点の画像データが入力される形式(例えばサイドバイサイド形式など)の特徴に応じて、入力バッファのデータ容量は圧縮することも可能である。
【0190】
[ステップS22200]
変数x,Iy,Ix’,Nk,Nqに初期値としてそれぞれ1を与える。xは表示部の列番号を示す。Iyは入力画像データの行番号及び入力合成データの行番号を示し、Ix’は生成する入力合成データの列番号を示す。Nkは1からNまでの視点数を計数する計数値であり、Nqは入力画素データの列番号を指定するために用いる変数である。
【0191】
[ステップS22300]
列の計数値xの偶奇を判定する。判定条件はxが奇数か否かであり、判定YesでステップS22400に進み、判定NoでステップS22500に進む。
【0192】
[ステップS22400]
入力バッファから、テーブルTMと計数値x,Iy,Nqを用いて、画素データM{TM(N,op,x)}(Iy,Nq)RGBを読み出し、入力合成データM2’(Iy,Ix’)RGBに代入する。ここで、入力合成データへの代入処理は、入力合成データM2’を表示部の奇数列に対応させた場合を前提としている。入力合成データM1’を表示部の奇数列と対応させる場合には、本ステップにおける入力合成データM2’を入力合成データM1’とすればよい。
【0193】
[ステップS22500]
入力バッファから、テーブルTMと計数値x,Iy,Nqを用いて、画素データM{TM(N,op,x)}(Iy,Nq)RGBを読み出し、入力合成データM1’(Iy,Ix’)RGBに代入する。ここで、入力合成データへの代入処理は、入力合成データM1’を表示部の偶数列に対応させた場合を前提としている。入力合成データM2’を表示部の偶数列と対応させる場合には、本ステップにおける入力合成データM1’を入力合成データM2’とすればよい。
【0194】
[ステップS22600]
入力合成データの列番号を示す計数値Ix’に1を加算する。
【0195】
[ステップS23000]
視点数を計数する計数値NkがNに達していないかを判定する。判定は、図59に示すステップS21000においてTMとして読み込まれる入力画像データの視点数(種類)Nと、計数値Nkと、を比較することにより行う。計数値Nkが視点数Nに達していなければ判定YesとなってステップS23100に進み、計数値Nkが視点数Nに達していれば判定NoとなってステップS23200に進む。
【0196】
[ステップS23100]
計数値Nkに1を加算し、ステップS23400に進む。
【0197】
[ステップS23200]
計数値Nkを1に戻し、入力画素データの列番号を指定する計数値Nqに1を加算する。
【0198】
[ステップS23300]
表示部の列の計数値xが、1行分の列数mに達していないかを判定する。判定は、計数値xと、図59に示すステップS21000において読み込まれる表示部の列数mと、を比較することにより行う。計数値xが列数mに達していなければ判定YesとなってステップS23400に進み、計数値xが列数mに達していれば判定NoとなってステップS24000に進む。
【0199】
[ステップS23400]
計数値xに1を加算し、ステップS22300に進む。
【0200】
[ステップS24000]
1行分の並び換え処理が終了したため、計数値x,Ix’,Nqを1に戻す。
【0201】
[ステップS24100]
行の計数値Iyが、図59に示すステップS21000において読み込まれる表示部のサブ画素の行数nから算出される入力画像データの行数n/3に達していないかを判定する。判定は、計数値Iyとn/3とを比較することにより行う。計数値Iyがn/3に達していなければ判定YesとなってステップS24200に進み、計数値Iyがn/3に達していれば判定NoとなってステップS24300に進む。
【0202】
[ステップS24200]
計数値Iyに1を加算し、ステップS22300に進む。
【0203】
[ステップS24300]
上記のステップにより並び換えられた入力合成データM1’,M2’を、図46に示す書き込み制御手段110に出力する。本ステップにより、入力データ並び換え処理は終了し、図59に示すステップS2000へ進む。
【0204】
以上、第2実施形態の動作について説明したが、この説明は1例を示したものであり、これに限定されるものではない。例えば、図60に示す入力データ並び換え処理においては、表示部の列を計数する計数値xを基準に処理を行い、入力された画素データから交互にM2’,M1’への代入処理としているが、M2’への代入処理を全て行った後に、M1’への代入処理を行うように処理フローを変更してもよい。
【0205】
更に、第2実施形態の構成において、図46では、入力データ並び換え手段160と書き込み制御手段110とを分けて図示している。本実施形態の構成はこれに限定されず、例えば、書き込み制御手段110に図54に示す入力データ並び換え機能を含めてもよい。書き込み制御手段110において、発生するアドレスを、各視点画像の列単位にコントロールすることにより、図54に示す入力データの並び換え処理と同じ処理が実行できる。
【0206】
[効果]
図48に示すように、第2実施形態においては、視点数が増えることにより観察者は観察位置を変化させることで、異なる角度からの立体画像を楽しむことができる、また、同時に運動視差も付与されるため、より立体感を与える効果がある。
【0207】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に係る表示装置において、表示コントローラに備えた画像メモリの領域を縮小したものである。
【0208】
図61に、第3実施形態の機能ブロック図を示す。第3実施形態の表示装置は、第1実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ102と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20とを備えている。表示パネル20は、第1実施形態と同じように、表示部50を備える。表示部50において、データ線は延伸方向が水平方向(X方向)となるように配置され、走査線は延伸方向が垂直方向(Y方向)となるように配置される。
【0209】
表示コントローラ102の構成は、画像メモリの領域を削減し、ラインメモリ122を備える点で第1実施形態と異なる。ラインメモリ122は、表示部50のサブ画素40の複数列分のメモリ領域を有する。表示コントローラ102は、ラインメモリ122に入力画像データを書き込む機能を有する書き込み制御手段112、ラインメモリ122からデータを読み出す機能を有する読み出し制御手段132とを備える。表示コントローラ102の他の構成は、第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と同じ符号を用いることによりその説明を省略する。
【0210】
第3実施形態は、図62(c)に示す入力画像データの転送形式を用いることにより、入力画像データを全て書き込み保存できる画像メモリを不要とし、メモリ領域の削減を可能としている。第3実施形態における入力画像データの転送形式について、図62を用いて説明する。
【0211】
図62(a)は、左目用及び右目用の画像である視点画像M1,M2である。視点画像M1/M2は、夫々i行j列の画素データから構成され、画素データはR(赤)輝度、G(緑)輝度、B(青)輝度の3色輝度情報を有する。図62(b)は、図62(a)に示す視点画像M1/M2が表示部50に表示されたとき、適正な観察位置からの立体視イメージである。図62(c)は、第3実施形態における図62(a)に示す視点画像M1/M2の転送イメージである。
【0212】
ここで、図8に示すように、画像分離手段(レンチキュラレンズ30)は、表示部50の奇数列のサブ画素がM2(右目用)、偶数列のサブ画素がM1(左目用)となっている。第3実施形態においては、ラインメモリ122による処理を可能とするために、図62(a)に示す視点画像データを列毎に転送する。更に、視点画像M1/M2の転送順は、表示部50の開始列に対応させる。したがって、図8に示す画像分離手段の設置においては、M2(1,1)RGBからデータ転送を開始する。続いて、M2(2,1)RGB、M2(3,1)RGB、・・・とデータ転送を行いM2(i,1)RGBに至ると、次は、M1(1,1)RGB、M1(2,1)RGB、M1(3,1)RGB、・・・M1(i,1)RGBと転送する。M2及びM1の1列目のデータ転送が終了すると1列目と同様に2列目、3列目・・・と転送を繰り返しj列目までのデータ転送を行う。
【0213】
次に、図62を用いて説明した転送方式とラインメモリを用いた第3実施形態の動作とについて、図63を用いて説明する。図63は、図7に示す4行6列の画素からなる視点画像M1/M2の画像データが、前述の転送方式に従い入力されたときの走査線単位の出力タイミングを示す。Tは表示パネルの1走査期間を示し、入力データは図7に示す視点画像M1/M2の列単位の転送を示す。L1からL3は、入力される各視点用画像データの1列分を格納できるラインメモリである。
【0214】
M2の1列目のデータは、T=1の期間(以後T1と略す)でL1に格納される。続いて、T2において、L1に格納されたデータを用いて、第1実施形態で説明したラインデータ出力処理(図32〜図39)が行われ、走査線G1の合成画像データが出力される。また、T2においては並列にM1の1列目のデータがL2に格納される。次にT3では、L1及びL2に格納されたデータを用いて、第1実施形態で説明したラインデータ出力処理(図32〜図39)が行われ、走査線G2の合成画像データが出力される。また、T3においては並列にM2の2列目のデータがL3に格納される。次にT4では、L2及びL3に格納されたデータを用いて、T2及びT3同様にラインデータ出力処理が行われ走査線G3の合成画像データが出力される。ここで、L1に格納されたM2の1列目のデータは、T2及びT3で出力が完了している。したがって、T4において、M1の2列目のデータはL1に格納し、次のT5では、L3及びL1に格納されたデータを用いて、ラインデータ処理が行われ走査線G5の合成データが出力される。以上の処理を繰り返し、図63に示すように走査線G13までの合成データが出力される。
【0215】
したがって、第3実施形態において必要となる画像データのメモリ領域は、各視点画像データの3列分であり、表示部のサブ画素単位では、走査線3本分に接続されるサブ画素数分(ただし、G1及びGm+1を除く。)のデータ記憶領域が必要となる。つまり、図63に示した4行6列の2つの入力視点画像データを表示する例では、4×3(色)×3(走査線)=36のサブ画素数分のデータ領域を必要とし、表示部がn行かつm列のサブ画素で構成される例では、n×3個のサブ画素数分のデータ領域を必要とする。
【0216】
以上、第3実施形態について、画像分離手段が、図8に示すように、表示部50の奇数列のサブ画素がM2(右目用)、偶数列のサブ画素がM1(左目用)となっている例を用いて説明した。しかし、画像分離手段は、図20に示すように、表示部50の奇数列のサブ画素がM1(左目用)、偶数列のサブ画素がM2(右目用)となっている場合でも、本実施形態を適用可能である。ただし、画像分離手段が図20の場合には、視点画像M1/M2の転送順を変更し、M1の1列目からデータ転送を行う必要がある。
【0217】
また、第3実施形態において、画像メモリの領域を削減するために、図62に示す入力画像データの転送形式を用いたが、入力画像データの転送形式はこれに限るものではなく、例えば図64に示す転送形式であってもよい。図64に示す転送形式は、視点画像M1/M2を画素データ単位で交互に転送する方式である。ただし、図64に示す転送方式の場合、図62に示す転送形式と比較して、メモリ容量を増やす必要がある。
【0218】
更にまた、第3実施形態について、第1実施形態と同じN=2の表示装置で説明したが、Nが3以上の第2実施形態の表示装置への適用も可能である。Nが3以上の場合においては、画像分離手段の配置よって決定される表示部の視点画像の対応順に応じて、視点画像を列毎に転送すればよい。
【0219】
[効果]
第3実施形態においては、画像メモリを走査線3本分のサブ画素データ相当のラインメモリにまで削減することができるため、表示コントローラの回路規模を大幅に削減でき、低コスト化を可能とする。更に、大きさも小さくすることが可能となり、例えば、表示コントローラをデータ線駆動回路に内蔵する等、表示コントローラを搭載する場所の選択肢が増えるという効果がある。
【0220】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る表示装置について説明する。第4実施形態の構成は、第3実施形態と同様にラインメモリを用いた図61に示す構成と同じであるが、第3実施形態に対して、入力画像データの転送形式、画像データの並び換え処理、駆動方法が異なる。
【0221】
第4実施形態に用いる入力画像データの転送形式について、図65を用いて説明する。図65(a)は、図62(a)と同様に、夫々i行j列の画素データから構成される視点画像M1,M2であり、画素データは、3色の輝度情報を有する。図65(b)は、図62(b)同様に立体視イメージであり、図65(c)は、図65(a)に示す視点画像M1/M2の転送イメージである。
【0222】
図65(c)に示すように、第4実施形態の入力画像データの転送形式は、視点画像単位でデータ転送を行う、所謂フレーム時分割の転送形式である。図65(c)は、視点画像M2に続いて、視点画像M1の画素データを転送する例である。第3実施形態で説明したように、第4実施形態においても、ラインメモリによる処理を可能とするために、視点画像データを列毎に転送する。図65(c)に示すように、M2(1,1)RGBから転送を開始した場合、続いて、M2(2,1)RGB、M2(3,1)RGB、・・・、とデータ転送を行いM2(i,1)RGBに至ると、次は、M2(1,2)RGB、M2(2,2)RGB、M2(3,2)RGB、・・・M2(i,2)RGBと転送する。同様に転送を繰り返し、視点画像M2のj列目、M2(i,j)RGBまでのデータ転送が終了すると、次に視点画像M1のデータ転送をM1(1,1)RGBから開始する。続いて、M1(2,1)RGB、M1(3,1)RGB、・・・M1(i,1)RGBと1列目のデータ転送を行い、同様に2列目、3列目・・・と転送を行い、視点画像M1のj列目、M1(i,j)RGBまでのデータ転送が終了する。
【0223】
次に、図66を用いて第4実施形態における画像データの並び換え処理、駆動方法について説明する。なお、第4実施形態の1動作例として、図8のように画像分離手段(30)が表示部50(図61)に設置され、図9に示す配列パターンをもつ表示パネル20(図61)を駆動する例を用いる。図66は、図7に示す4行6列の画素からなる視点画像M1/M2の画像データが、前述(図65(c))の転送方式に従い入力されたとき、前述の表示パネルへ、走査線単位で合成画像データを出力するタイミングチャートである。図66のTは、表示パネルの1走査期間を示し、入力データは図7に示す視点画像M1/M2の列単位の転送を示す。L1、L2は、入力される各視点用画像データの1列分を格納できるラインメモリである。
【0224】
第4実施形態においては、入力画像データを全て書き込み保存できる画像メモリを持たないため、図66に示すように、1視点の入力画像データの転送期間毎に、表示パネルの全ての走査線を走査する。走査時には、選択される走査線に接続されるサブ画素のうち、ラインメモリにデータが格納されている視点用のサブ画素には、ラインメモリからデータを読み出し、ラインメモリにデータがない視点用のサブ画素は、その視点画像表示が黒表示(最低輝度表示)となるデータを出力する。図66のBlackは、前述の黒表示となるデータを示している。
【0225】
図66を詳細に説明する。T=1、T=2の期間(以後T1、T2と略す)で、M2の1列目のデータをL1に格納する。続いて、T3、T4で、L1に格納されたデータを用いて、第1実施形態で説明したラインデータ出力処理(図32〜図39)を行う。このとき、図33に示すステップS5720において、kがM1を指定する値の場合は、PDに先の黒データを与える。また、T3、T4で、走査線G1、G2の合成画像データの出力動作と並列に、M2の2列目のデータをL2に格納する。次に、T5、T6で、L2に格納されたデータを用いて、先の説明と同様の処理で、走査線G3、G4の合成画像データを出力する。また、L1に格納されたM2の1列目のデータは、T4で読み出しが完了しているため、T5、T6では、M2の3列目のデータをL1に格納する。以後、同様の処理を繰り返し、T15において、走査線G13までの合成画像データの出力が完了する。なお、T13からT15における入力データは、無効データとして斜線で示しており、所謂ブランキング期間である。次に、T16、T17で、M1の1列目のデータをL1に格納する。また、T17から走査線G1へのラインデータ出力処理(図32〜図39)を開始する。このとき、先に説明した様に、図33に示すステップS5720において、kがM2を指定する値の場合は、PDに先の黒データを与える。続いて、T18、T19で、L1に格納されたデータを用いて、走査線G2、G3の合成画像データを出力する。また、この出力動作と並列に、M1の2列目のデータをL2に格納する。以後、上記の説明と同様の処理を繰り返し、T29において、走査線G13までの合成画像データの出力が完了する。
【0226】
以上のように動作する第4実施形態においては、必要となる画像データのメモリ領域は、図66のラインメモリL1、L2分、すなわち、入力される視点画像データの2列分である。図67に、図7に示す第2視点用画像データM2の1列目と2列目と、図9に示す配列パターンをもつ表示パネルのサブ画素との対応関係を示す。図67より、第4実施形態で必要となる画像データのメモリ領域を、表示パネルのサブ画素単位で表すと、走査線2本分(ただし、G1及びGm+1を除く)に接続されるサブ画素の個数分となる。言い換えると、表示部がn行かつm列のサブ画素で構成されるとき、必要となるメモリ領域は、サブ画素n×2個分である。
【0227】
以上、第4実施形態について、画像分離手段が、図8に示すように、表示部50(図61)の奇数列のサブ画素がM2(右目用)、偶数列のサブ画素がM1(左目用)となっている例を用いて説明した。しかし、画像分離手段は、図20に示すように、表示部50(図61)の奇数列のサブ画素がM1(左目用)、偶数列のサブ画素がM2(右目用)となっている場合でも、本実施形態を適用可能である。また、図9に示す配列パターンから構成される表示部を例に説明したが、本実施形態はこれに限らず、第1実施形態において説明したように、サブ画素配列の規則性と、パラメータ設定により、多様な配列パターンへの適用もできる。
【0228】
[効果]
第4実施形態においては、画像メモリを走査線2本分のサブ画素データ相当のラインメモリにまで削減することができるため、表示コントローラの回路規模を大幅に削減でき、低コスト化を可能とする。更に、大きさも小さくすることが可能となり、例えば、表示コントローラをデータ線駆動回路に内蔵する等、表示コントローラを搭載する場所の選択肢が増えるという効果がある。
【0229】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る表示装置について説明する。第5実施形態は、第4実施形態と同じ入力画像データの転送形式(所謂フレーム時分割の転送形式)を用い、第4実施形態と同様に、画像メモリとして走査線2本分のサブ画素データ相当のラインメモリラインメモリを用いる。第4実施形態に対しては、データ線を駆動するデータ線駆動回路の構成が異なる。第5実施形態に用いるデータ線駆動回路は、表示部の偶数番目のデータ線と奇数番目のデータ線とを、交互にハイインピーダンス状態にする。
【0230】
第5実施形態の構成について、図68を用いて説明する。図68は、本実施形態において、第4実施形態と異なるデータ線駆動回路85を用いた表示パネル20(図61)である。ここで、図62に示す第3、第4実施形態の構成と同じ部分についは、同符号を用い説明を略す。図68に示す第5実施形態に用いるデータ線駆動回路の1例は、他の実施形態で用いたデータ線駆動回路80(以下、単に「回路80」という。)の出力側に選択回路87を加えた構成である。選択回路87は、信号SEL88に応じて、奇数番出力/偶数番出力毎に接続/切断を切り替えるスイッチ機能を備える。なお、図68では、奇数番出力が接続され、偶数番出力が切断されている状態を示している。選択回路87によって、回路80の出力から切断されるデータ線は、ハイインピーダンス状態となる。
【0231】
次に、第5実施形態の動作について、図69を用いて説明する。図69は、第4実施形態で用いた図66と同様に、図7に示す4行6列の画素からなる視点画像M1/M2の画像データが、図65(c)の転送方式に従い入力されたとき、図68に示す表示パネルへ、走査線単位で合成画像データを出力するタイミングチャートである。なお、表示部50は、図9に示す配列パターンからなり、図8に示すように画像分離手段が設置されているものとする。
【0232】
図69のT、入力データ、ラインメモリL1及びL2、出力については、第4実施形態で説明した図66と同じであるため、同じ符号を用いて詳細説明は略す。図69のSELは、図68に示す選択回路87を制御する信号であり、SEL=Hのとき回路80の出力と偶数番目のデータ線とが接続され、奇数番目のデータ線がハイインピーダンス状態となり、SEL=Lのときは、データ線の偶数奇数の関係が入れ替わる。
【0233】
T2において、SEL=Hとなると、奇数のデータ線がハイインピーダンス状態となる。次に、T3、T4では、第4実施形態で説明したように、ラインメモリL1に格納された入力M2(1列)のデータから、走査線G1、G2の合成画像データが出力される。この期間、合成画像データの生成にあたり、M1の入力画像データはない。しかし、本動作例において、M1視点用のサブ画素が奇数のデータ線と接続しており、SEL=Hによりハイインピーダンス状態となっている奇数データ線と接続するサブ画素では、走査線が選択されても書き込みは行われない。したがって、合成画像データの生成において、kがM1を指定する場合のPDは無効であり、例えば第4実施形態と同様に黒データを与えればよい。つまり、T2からT16に至る期間において行われる処理動作は、第4実施形態と同じで済むため、説明を略する。
【0234】
T16において、SEL=Lとなると、偶数のデータ線がハイインピーダンス状態となる。本動作例において、偶数のデータ線と接続されるサブ画素はM2視点用である。ハイインピーダンス状態のデータ線と接続しているサブ画素では、走査線が選択された場合でも書き込みが行われない。このため、先のT3からT14の期間において書き込まれた状態を保持する。また、先に説明したように、合成画像データの生成に関わる処理動作は、第4実施形態と同じで済むため、説明を略す。
【0235】
上記のように第5実施形態においては、入力画像データの視点に対応して、奇数/偶数のデータ線のハイインピーダンス状態を、全走査線の走査期間毎に繰り返す。これより、各視点用のサブ画素単位で、全走査線の走査期間毎に、データの書き込みと、書き込まれた状態の保持とが繰り返される。なお、必要となる画像データのメモリ領域は、第4実施形態と同様に、ラインメモリL1、L2、すなわち、入力される視点画像データの2列分であり、サブ画素単位で表すと、走査線2本分(ただし、G1及びGm+1を除く)に接続されるサブ画素の個数分となる。
【0236】
以上、第5実施形態を構成するデータ線駆動回路について、図68を用いて説明したが、表示部の偶数番目のデータ線と奇数番目のデータ線とを、交互にハイインピーダンス状態にできる機能を備えれば、これに限るものではない。例えば、図70に示すデータ線駆動回路の構成も可能である。図70では、先の選択回路87の構成を、選択回路89のように変えたものである。この場合、図68の回路80の出力数を、図70に示す回路86のように半分に削減することが可能であり、回路規模の縮小が可能となる。さらには、図68と、図70を組み合わせた図71に示すデータ線駆動回路の構成も可能である。
【0237】
また、第5実施形態の説明において、図68では、12行12列のサブ画素からなる1例を用いたが、表示部は、これに限るものではなく、n行かつm列のサブ画素で構成される。また、画像分離手段が、図8に示すように表示部に設置される例を用いて説明したが、画像分離手段は、図20に示すように設置されてもよい。また、図9に示す配列パターンから構成される表示部を例に説明したが、本実施形態はこれに限らず、第1実施形態において説明したように、サブ画素配列の規則性と、パラメータ設定により、多様な配列パターンへの適用もできる。
【0238】
[効果]
第5実施形態においては、第4実施形態と同様の画像メモリをラインメモリに削減する効果に加え、第4実施形態と比較すると、黒表示を行わないため、明るい表示画面の提供が可能となる。
【0239】
以上、上記各実施形態を参照し本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解しえる様々な変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0240】
本発明は、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯端末、その他表示装置一般(ノートパソコン等)などに適用できる。
【符号の説明】
【0241】
11;縦方向
12;横方向
15;バックライト
16;光線
17;観察面
20;表示パネル
25;ガラス基板
26;液晶層
27;対向基板
30;レンチキュラレンズ(画像分離手段)
30a;シリンドリカルレンズ
40、40a、40a’、40b、40b’、41、42;サブ画素
43;半導体層
44;蓄積容量
45;画素電極
46;TFT(スイッチング手段)
47、48、49;コンタクトホール
50;表示部
51;パラメータ情報
60;走査線駆動回路
61、81;制御信号
70;配線
75;開口部
76;遮光部
80、85、85A;データ線駆動回路
90;データバス
95;アドレスバス
100、101、102;表示コントローラ
110、112;書き込み制御手段
120;画像メモリ
122;ラインメモリ
130、131、132;読み出し制御手段
140、141;パラメータ記憶手段
150;タイミング制御手段
160;入力データ並び換え手段
200;表示モジュール
P2R、P2L;上下サブ画素対
G1、Gx、Gm、Gm+1;走査線
D1、Dy、Dn、Dn+1;データ線
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の視点に向けて夫々異なる画像を表示する装置、その表示コントローラ、及び、表示する画像データの信号処理方法に関し、特に表示画像を高画質化するための表示部の構成と、各視点用の画像データを表示部に送るための画像データの処理手段、画像データの処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(personal digital assistant)の発展にともない、表示装置の小型化、高精細化が進んでいる。一方、新たな付加価値を有する表示装置として、観察者が表示装置を観察する位置に応じて異なる画像を観察する表示装置、すなわち複数の視点に向けて夫々異なる画像を提供する表示装置や、その夫々異なる画像を視差画像とし観察者へ立体表示を提供する表示装置が注目されている。
【0003】
複数の視点に向け夫々異なる画像を提供する方式としては、夫々の視点用の画像データを合成して表示部に表示し、表示された合成画像をレンズやスリットを持つバリア(遮光板)からなる光学的な分離手段により分離し、夫々の視点へ画像を提供する方式が知られている。画像分離の原理は、スリットを有するバリア、あるいは、レンズといった光学手段を用いて、視点方向ごとに見える画素を限定することによる。画像分離手段としては、縞状の多数のスリットを有するバリアからなるパララックスバリアや、一方向にレンズ効果を有するシリンドリカルレンズを配列したレンチキュラレンズが一般に用いられる。
【0004】
上記のような光学的な画像分離手段と、夫々の視点用の画像データから表示する合成画像を合成する手段を備えた多視点表示装置、又は立体表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、液晶パネルとパララックスバリアとを用いて立体表示を行う表示装置、及び立体表示を行うときに表示部(液晶パネル)に表示する合成画像の合成方法が開示されている。この液晶パネルは、表示部に複数のサブ画素を構成する画素電極が水平方向及び垂直方向のマトリックス状に配設されたものである。そして、各画素電極の境界部には、水平方向に走査線が設けられ、垂直方向にデータ線が設けられ、走査線とデータ線との交点付近に画素スイッチング素子としてのTFT(thin film transistor)が設けられている。
【0005】
光学的な画像分離手段を用いた立体表示装置は、特殊な眼鏡を装着する必要がなく、眼鏡を装着する煩わしさがない点で携帯機器への搭載に適している。実際に液晶パネルとパララックスバリアとからなる立体表示装置を搭載した携帯機器が製品化されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
ところで、上記の方式、すなわち、光学的な分離手段を用いて複数の視点に向けて夫々異なる画像を提供する表示装置では、観察者の視点位置が移動し視認する画像が切り換わるとき、画像と画像との境界が暗く見える場合がある。この現象は、各視点用の画素と画素との間の非表示領域(液晶パネルで一般にブラックマトリックスと呼ばれる遮光部)が視認されることに起因する。観察者の視点移動に伴う上記の現象は、光学的な分離手段を持たない一般の表示装置では発生しない。このため、観察者は、光学的な分離手段を備えた多視点表示装置、又は立体表示装置で発生する上記の現象に、違和感、あるいは、表示品質の低下を感じることになる。
【0007】
上記の光学的な分離手段と遮光部に起因する問題を改善するために、表示部の画素電極および遮光部の形状と配列を工夫し、表示品質の低下を抑制する表示装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0008】
図72は、特許文献2に記載の表示装置における表示部を示す平面図である。図72に示す開口部75は、画像表示の最小単位となるサブ画素の開口部である。開口部75の縦横の配列方向は、図72に示すように、夫々、縦方向11、横方向12と定義される。各々の開口部75の形状は、後述する特徴を備えた略台形形状である。また、画像分離手段は、縦方向11を長手方向とするシリンドリカルレンズ30aを、横方向12に配列したレンチキュラレンズである。シリンドリカルレンズ30aは長手方向にはレンズ効果を持たず、短手方向にのみレンズ効果を有する。すなわち、横方向12にレンズ効果が発揮される。したがって、横方向12に隣接するサブ画素41とサブ画素42との開口部75から出た光は、夫々別々の方向へ向けられる。
【0009】
開口部75は、縦方向11に対して相互に反対の方向に傾斜すると共に、その延びる方向と縦方向11とのなす角度の大きさが同一である1対の辺が配置されている。この結果、横方向12においては、表示パネルの開口部75の端部の位置と、シリンドリカルレンズ30aの光軸の位置とが、縦方向11において相対的に異なっている。更に、縦方向11に相互に隣接する開口部75は、横方向12に延びる線分に対して線対称になるように配置されている。また、横方向12に相互に隣接する開口部75は、その縦方向11における両端部の中点を結んだ線分と、横方向12における両端部の中点を結んだ線分との交点に対して、点対称になるように配置されている。
【0010】
更に、縦方向11の開口幅は、傾斜部ではサブ画素41とサブ画素42との開口部75を合算すると、横方向12の位置に拘わらず、略一定となっている。
【0011】
このため、特許文献2に記載の表示装置は、横方向12の任意の点において、シリンドリカルレンズ30aの配列方向に対して垂直となる縦方向11に、表示パネル切断面を想定すると、遮光部(配線70及び遮光部76)と開口部との割合が略一定となっている。したがって、観察者が画像の分離方向である横方向12に視点を移動し、観察方向が変わった場合でも、視認する遮光部の割合は略一定である。すなわち、観察者が特定方向から遮光部のみを観察することはなく、表示が暗く見えることもない。つまり、遮光領域に起因する表示品質の低下を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−109607号公報
【特許文献2】特開2005−208567号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】日経エレクトロニクス,2003年1月6日,No.838号,p.26−27
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記関連技術には、以下に示すような問題点がある。特許文献1の表示装置では、前述したように、遮光部に起因する表示品質の低下が問題となる。
【0015】
遮光部に起因する問題を解決した特許文献2の表示装置は、サブ画素の画素電極の開口形状と遮光部の形状との複雑な関係を維持する必要がある。そのため、遮光部となるスイッチング手段(TFT)は、特許文献1と異なり、走査線とデータ線との交点付近といった画素電極単位で一律の位置には配置できない。また、表示装置の表示部は、精細度の向上のため画素ピッチを細かくすることや、表示輝度の向上のため、表示輝度に寄与する開口部と遮光部との面積比で決まる所謂開口率を高めることが求められる。特許文献2に示される表示部の開口形状及び遮光形状を維持しつつ、高開口率化を実現するためには、スイッチング手段の配置位置のみならず、スイッチング手段と走査線及びデータ線との接続関係も、特許文献1と異なり、画素電極単位で一律とすることはできない。画素電極のスイッチング手段と走査線及びデータ線との接続関係が画素電極単位で一律ではなくなることは、特許文献1に示されるような、一般的な合成画像の合成方法が適用できないことを意味する。
【0016】
[発明の目的]
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の視点に向けて夫々画像を表示可能な表示装置において、上述の遮光部に起因する問題を抑制するサブ画素の形状と配列を維持し、かつ、高開口率が実現するように画素電極、スイッチング手段、走査線、データ線等の配置及び接続を行った表示部を備えた表示装置を提供すること、また、その表示装置の表示コントローラを提供すること、更に、上述の表示部に表示する合成画像を合成する手段、及び合成画像を合成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る表示コントローラは、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを出力する表示コントローラであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを記憶する画像メモリと、
外部から入力した前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出して前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る画像処理方法は、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成する画像処理方法であって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込み、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する、
ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る画像処理プログラムは、
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成するための画像処理プログラムであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込む手順と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す手順と、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順と、
をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、サブ画素から出る光をデータ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段を備え、遮光部等に起因する問題を抑えた表示モジュールに対して、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができる。このため、本発明を利用する表示装置へ画像データを出力する例えば演算器等においては、画像データの並び換え処理や、転送に伴う特別な処理を行う必要がなく負担をかけない。更に、合成画像データの生成に必要な条件をパラメータ化し、そのパラメータを記憶することにより、表示モジュールの変更に対して、パラメータ変更で対応できる。このため、映像信号処理手段を変更する必要がなく、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】第1実施形態を示す概略構成図である。
【図3】第1実施形態における表示部の1部分(2行2列)を構成するサブ画素4個の構造の第1例を示す平面図である。
【図4】第1実施形態における表示部のデータ線配置方向を示す説明図である。
【図5】第1実施形態における上下サブ画素対P2Rの構造の第1例を示す平面図及び等価回路1を示す回路図である。
【図6】第1実施形態における上下サブ画素対P2Lの構造の第1例を示す平面図及び等価回路1を示す回路図である。
【図7】第1実施形態における入力画像データを示す図表である。
【図8】第1実施形態における画像分離手段配置及び配色関係の第1例を示す概略平面図である。
【図9】第1実施形態における表示部の配列パターン1を示す概略平面図である。
【図10】第1実施形態における表示部の配列パターン2を示す概略平面図である。
【図11】第1実施形態における表示部の配列パターン3を示す概略平面図である。
【図12】第1実施形態における表示部(配列パターン2)にゲートライン反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図13】第1実施形態における表示部(配列パターン2)にドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図14】第1実施形態における表示部(配列パターン3)にドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図15】第1実施形態における表示部の配列パターン4を示す概略平面図である。
【図16】第1実施形態における配列パターン1の表示部に出力する合成画像データ1を示す図表である。
【図17】第1実施形態における配列パターン2の表示部に出力する合成画像データ2を示す図表である。
【図18】第1実施形態における配列パターン3の表示部に出力する合成画像データ3を示す図表である。
【図19】第1実施形態における配列パターン4の表示部に出力する合成画像データ4を示す図表である。
【図20】第1実施形態における画像分離手段配置及び配色関係の第2例を示す概略平面図である。
【図21】第1実施形態における表示部のデータ線の偶奇と入力画像データの視点との関係を示す図表である。
【図22】第1実施形態における表示部のデータ線と入力画像データとの関係を示す図表である。
【図23】第1実施形態における表示部の走査線と入力画像データとの関係を示す図表である。
【図24】第1実施形態における表示部の走査線と入力画像データの列番号との関係を示す図表である。
【図25】第1実施形態における配列パターン3の上下サブ画素対P2R,P2Lの接続情報を示す図表である。
【図26】第1実施形態における配列パターンを記憶するルックアップテーブル例を示す図表である。
【図27】第1実施形態におけるLUT(Dy,Gx)と走査線及びデータ線の偶奇とサブ画素の向きとの関係を示す図表である。
【図28】第1実施形態における表示部のデータ線と走査線の偶奇と入力画像データとの関係を示す図表である。
【図29】第1実施形態における合成画像データ生成に必要な保存パラメータを示す図表である。
【図30】第1実施形態における表示装置の1フレーム毎の動作概要を示すフローチャートである。
【図31】第1実施形態における合成画像出力処理の概要を示し、主に走査線単位の計数処理を示すフローチャートである。
【図32】第1実施形態におけるラインデータ出力処理の概要を示し、主にデータ線単位の計数処理を示すフローチャートである。
【図33】第1実施形態における読み出し並び換え処理の概要を示すフローチャートである。
【図34】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=1の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図35】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=2の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図36】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=3の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図37】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=4の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図38】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=5の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図39】第1実施形態におけるデータ線単位の計数値s=6の場合における入力データ指定処理を示すフローチャートである。
【図40】第1実施形態における表示装置を適用した端末装置を示すブロック図である。
【図41】第1実施形態における上下サブ画素対P2Rの構造の第2例を示す平面図及び等価回路2を示す回路図である。
【図42】第1実施形態における上下サブ画素対P2Lの構造の第2例を示す平面図及び等価回路2を示す回路図である。
【図43】第1実施形態における表示部(配列パターン2)に2ドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図44】第1実施形態における表示部の配列パターン6を示す概略平面図である。
【図45】第1実施形態における表示部(配列パターン6)に2ドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図46】第2実施形態を示す機能ブロック図である。
【図47】第2実施形態における画像分離手段配置例及び配色例を示す概略平面図である。
【図48】第2実施形態における光学モデルを示す説明図である。
【図49】第2実施形態における表示部の配列パターン5を示す概略平面図である。
【図50】第2実施形態における表示部(配列パターン5)にドット反転駆動を適用したときの極性分布を示す図表である。
【図51】第2実施形態における入力画像データを示す図表である。
【図52】第2実施形態における配列パターン5の表示部に出力する合成画像データ5を示す図表である。
【図53】第2実施形態における配列パターン5を記憶するルックアップテーブル例を示す図表である。
【図54】第2実施形態における入力データ並び換えの1例を示す図表である。
【図55】第2実施形態における画像分離手段と表示部の列番号との対応関係の第1例を示す概略平面図である。
【図56】第2実施形態における画像分離手段と表示部の列番号との対応関係の第2例を示す概略平面図である。
【図57】第2実施形態における表示部の列番号に対する視点番号kの値を示すテーブルTMの1例を示す図表である。
【図58】第2実施形態におけるデータ線の偶奇と入力合成データとの関係を示す図表である。
【図59】第2実施形態における表示装置の動作概要を示すフローチャートである。
【図60】第2実施形態における表示装置の入力データ並び換え処理の1例を示すフローチャートである。
【図61】第3実施形態を示す機能ブロック図である。
【図62】第3実施形態における入力画像データの転送形式の1例を示す説明図である。
【図63】第3実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図64】第3実施形態における入力画像データの転送形式の他の例を示す説明図である。
【図65】第4実施形態における入力画像データの転送形式の1例を示す説明図である。
【図66】第4実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図67】図7に示す第2視点用画像データM2の1列目及び2列目と、図9に示す配列パターンをもつ表示パネルのサブ画素と、の対応関係を示す概略平面図である。
【図68】第5実施形態におけるデータ線駆動回路の第1例及び表示部を示す概略平面図である。
【図69】第5実施形態の動作例を示すタイミングチャートである。
【図70】第5実施形態におけるデータ線駆動回路の第2例及び表示部を示す概略平面図である。
【図71】第5実施形態におけるデータ線駆動回路の第3例及び表示部を示す概略平面図である。
【図72】関連技術の表示装置における表示部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の表示コントローラが用いられる表示装置における表示モジュールは、サブ画素から出る光をデータ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段を備える表示モジュールにおいて、走査線及びデータ線と、各サブ画素のスイッチング手段との特徴的な接続関係により、高開口率化及び高画質化を実現する。本発明者は、後述するように、このような表示モジュールにおける特徴的なサブ画素と走査線及びデータ線との接続関係に規則性を見出した。更に、見出した規則性と、画像分離手段の設置条件、サブ画素の配色順、上下サブ画素対の配列パターンから、合成画像データを生成する表示コントローラを発明した。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において、表示パネルの水平方向における画素電極の配列を「行」と呼び、垂直方向における画素電極の配列を「列」と呼ぶ。また、本発明における表示パネルでは、水平方向に走査線が並び、垂直方向にデータ線が並び、画像分離手段による画像の振り分け方向は水平方向である。
【0024】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の概要について説明する。表示モジュール(200)は、表示部(50)と画像分離手段(30)とを備えている。表示部(50)では、走査線(G1,…)により制御されるスイッチング手段(46)を介してデータ線(D1,…)と接続するサブ画素(40)が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本のデータ線(D1,…)及びm+1本の走査線(G1,…)により駆動される。画像分離手段(30)は、サブ画素(40)から出る光を、サブ画素(40)単位でデータ線(D1,…)の延伸方向に複数の視点に向ける。
【0025】
表示コントローラ(100)は、画像メモリ(120)と書き込み制御手段(110)と読み出し制御手段(130)とを備え、表示モジュール(200)ヘ合成画像データ(CM)を出力する。画像メモリ(120)は、複数の視点に対して視点画像データを記憶する。書き込み制御手段(110)は、外部から入力した視点画像データを画像メモリ(120)に書き込む。読み出し制御手段(130)は、表示モジュール(200)に対応する読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出して合成画像データ(CM)として表示モジュール(200)へ出力する。
【0026】
表示モジュール(200)に対応する読み出し順序は、画像分離手段(30)と表示部(50)との位置関係並びにサブ画素(40)の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序としてもよい。
【0027】
表示コントローラ(100)は、画像分離手段(30)と表示部(50)との位置関係並びにサブ画素(40)の配列、色数及び色配置を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段(140)を、更に備えてもよい。
【0028】
表示部(50)は、1本のデータ線(D1,…)を挟み配置された2つのサブ画素(40)からなる上下サブ画素対(P2R,P2L)を、基本単位として構成されてもよい。この場合、2つのサブ画素(40)がそれぞれ有するスイッチング手段(46)は、2つのサブ画素(40)に挟まれたデータ線(D1,…)に共通に接続され、かつ異なる走査線(G1,…)に制御される。データ線(D1,…)の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対(P2R,P2L)は、それぞれ異なるデータ線(D1,…)に接続されるように配置される。
【0029】
サブ画素(40)の色数は、例えば、第1色、第2色及び第3色の3色である。ここで、第1色、第2色及び第3色は、それぞれ例えばR(赤)、G(緑)及びB(青)のいずれか一つであり、かつ互いに異なる。この場合、表示部(50)は次のように構成してもよい。yを自然数としたとき、y本目のデータ線(Dy)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第1色であり他方が第2色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+1本目のデータ線(Dy+1)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第2色であり他方が第3色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方を形成する。y+2本目のデータ線(Dy+2)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第3色であり他方が第1色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+3本目のデータ線(Dy+3)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第1色であり他方が第2色であり、表示部50の偶数列及び奇数列の他方を形成する。y+4本目のデータ線(Dy+4)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第2色であり他方が第3色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方を形成する。y+5本目のデータ線(Dy+5)に接続する上下サブ画素対(P2R,P2L)の二つのサブ画素(40)は、一方が第3色であり他方が第1色であり、表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方を形成する。
【0030】
このとき、読み出し制御手段(130)は、次のような読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出してもよい。y本目のデータ線(Dy)に対応して、読み出す色が第1色及び第2色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像である。y+1本目のデータ線(Dy+1)に対応して、読み出す色が第2色及び第3色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である。y+2本目のデータ線(Dy+2)に対応して、読み出す色が第3色及び第1色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像である。y+3本目のデータ線(Dy+3)に対応して、読み出す色が第1色及び第2色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である。y+4本目のデータ線(Dy+4)に対応して、読み出す色が第2色及び第3色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像である。y+5本目の前記データ線(Dy+5)に対応して、読み出す色が第3色及び第1色であり、読み出す視点画像が表示部(50)の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である。
【0031】
本実施形態の画像処理方法は、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作によって実現されている。すなわち、本実施形態の画像処理方法は、表示モジュール(200)へ合成画像データ(CM)を生成する画像処理方法であって、次の1〜3のステップを含む。1.複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリ(120)に書き込むステップ。2.表示モジュール(200)に対応する読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出すステップ。3.読み出した視点画像データを合成画像データ(CM)として表示モジュール(200)へ出力するステップ。本実施形態の画像処理方法の詳細は、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作に準ずる。なお、他の実施形態における画像処理方法は、本実施形態と同様に他の実施形態における表示コントローラの動作によって実現されているので、その説明を省略する。
【0032】
本実施形態の画像処理プログラムは、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作をコンピュータに実行させるためものである。表示コントローラ(100)がメモリ、CPU等からなるコンピュータを含む場合に、そのメモリに本実施形態の画像処理プログラムが格納され、そのCPUが本実施形態の画像処理プログラムを読み出し、解釈し、実行する。すなわち、本実施形態の画像処理プログラムは、表示モジュール(200)へ出力する合成画像データ(CM)を生成するための画像処理プログラムであって、次の1〜3の手順をコンピュータに実行させるためのものである。1.複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリ(120)に書き込む手順。2.表示モジュール(200)に対応する読み出し順序に従って、画像メモリ(120)から視点画像データを読み出す手順。3.読み出した視点画像データを合成画像データ(CM)として表示モジュール(200)へ出力する手順。本実施形態の画像処理プログラムの詳細は、本実施形態の表示コントローラ(100)の動作に準ずる。なお、他の実施形態における画像処理プログラムは、本実施形態と同様に他の実施形態における表示コントローラの動作をコンピュータに実行させるためものであるので、その説明を省略する。
【0033】
本実施形態を用いることにより、前記のサブ画素から出る光をデータ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段を備える表示モジュールに対して、一般の平面表示装置と同じ転送形式の入力画像データを用いることができる。このため、前記表示コントローラを備える本発明の表示装置へ画像データを出力する例えば演算器等においては、画像データの並び換え処理や、転送に伴う特別な処理を行う必要がなく負担をかけない。更に、合成画像データの生成に必要な条件をパラメータ化し、パラメータを記憶する手段を備えたことにより、表示モジュールの変更に対して、パラメータ変更で対応できる。このため、映像信号処理手段を変更する必要がなく、設計工数の削減、低コスト化が可能となる。以下、第1実施形態について更に詳しく説明する。
【0034】
[構成の説明]
本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図2は、本実施形態の立体表示装置の概略構成図であり、観察者の頭上からみた光学モデルである。図2を参照し、本実施形態の概略を説明する。本実施形態の表示装置は、表示コントローラ100と表示モジュール200とを備えている。表示コントローラ100は、外部より入力される第1視点用画像データ(左目用画像データ)M1と第2視点用画像データ(右目用画像データ)M2とから、合成画像データCMを生成する機能を備える。表示モジュール200は、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20に、表示された合成画像の光学的な画像分離手段であるレンチキュラレンズ30と、バックライト15とを備える。
【0035】
図2を参照し、本実施形態の光学系について説明する。表示パネル20は、液晶パネルであり、レンチキュラレンズ30とバックライト15を備える。表示パネル20は、表示最小単位となるサブ画素41,42が複数形成されるガラス基板25と、カラーフィルタ(図示なし)及び対向電極(図示なし)を有する対向基板27とが、液晶層26を挟む構造である。ガラス基板25の液晶層26側と反対側の面及び対向基板27の液晶層26側と反対側の面には、夫々偏光板(図示なし)が取り付けられている。サブ画素41,42は、夫々透明な画素電極(図示なし)を有する。夫々の画素電極と対向基板27に設けられた対向電極との間の液晶層26に電圧を印加することにより、透過光の偏光状態を制御する。バックライト15から出た光線16は、ガラス基板25の偏光板、液晶層26、対向基板27のカラーフィルタ、偏光板を通過することにより、強度変調及び着色がなされる。
【0036】
レンチキュラレンズ30は、一方向にレンズ効果を有するシリンドリカルレンズ30aが水平方向Xに複数配列されて構成される。レンチキュラレンズ30は、ガラス基板25上の複数のサブ画素を、第1視点用(左目用)サブ画素41及び第2視点用(右目用)サブ画素42として交互に用いて、レンズから距離OD離れた観察面17において、全てサブ画素41からの投影像が重なり、また、全てのサブ画素42からの投影像が重なるように配置される。以上の構成により、距離ODにいる観察者の左目には、サブ画素41からなる左目用画像が、右目にはサブ画素42からなる右目用画像がそれぞれ提供される。
【0037】
次に、図2に示す表示コントローラ100及び表示パネル20についての詳細を説明する。図1は、画像入力から画像表示に至る機能構成を示す本実施形態のプロック図である。
【0038】
外部から入力される入力画像データは視点画像M1,M2を有し、視点画像M1/M2は、夫々i行j列の画素データから構成される。夫々の画素データはR(赤)輝度、G(緑)輝度、B(青)輝度についての3色輝度情報を有する。画像データは、複数の同期信号を伴い入力され、同期信号に基づいて各画素データの画像内の位置、すなわち行番号及び列番号を特定する。以降、入力画像データの任意の行及び列を構成する画素をMk(行,列)RGBと表す(kは視点番号(左右)を表す)。つまり、M1は、M1(1,1)RGB、M1(1,2)RGB、…からM1(i,j)RGBに至る画素データの集合体である。M2は、M2(1,1)RGB、M2(1,2)RGB、…からM2(i,j)RGBに至る画素データの集合体である。例えば、「R」が第1色、「G」が第2色、「B」が第3色に相当する。
【0039】
表示コントローラ100は、書き込み制御手段110と、画像メモリ120と、読み出し制御手段130と、パラメータ記憶手段140と、タイミング制御手段150とを備える。
【0040】
書き込み制御手段110は、入力画像データに伴い入力される同期信号に応じて、入力される画素データ{Mk(行,列)RGB}に与える書き込みアドレスを生成する機能を有する。また、書き込み制御手段110は、書き込みアドレスをアドレスバス95に与え、画素データから構成される入力画像データをデータバス90を介して画像メモリ120に書き込む機能を有する。なお、外部から入力される同期信号は、図1では便宜上1本の太線矢印で示しているが、例えば、垂直水平の同期信号、データクロック、データイネーブル等の複数信号からなるものである。
【0041】
読み出し制御手段130は、パラメータ記憶手段140から与えられる表示部50のパラメータ情報51、タイミング制御手段150からの走査線駆動回路60の制御信号61及びデータ線駆動回路80の制御信号81に応じて、所定のパターンに従い読み出しアドレスを生成する機能と、読み出しアドレスをアドレスバス95に与えデータバス90を介して画素データを読み出す機能と、読み出したデータを合成画像データCMとしてデータ線駆動回路80へ出力する機能とを有する。
【0042】
パラメータ記憶手段140は、後で詳しく説明する表示部50の配列に応じたデータ並び換えを行うために必要となる、パラメータを記憶する機能を有する。
【0043】
タイミング制御手段150は、表示パネル20の走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路80に与える制御信号61,81を生成し、これらを読み出し制御手段130、走査線駆動回路60及びデータ線駆動回路80へ出力する機能を有する。なお、制御信号61,81は、図1では便宜上1本の太線矢印で示しているが、スタート信号、クロック信号、イネーブル信号等の複数信号を含む。
【0044】
表示パネル20は、複数の走査線G1,G2・・・Gm,Gm+1及び走査線駆動回路60と、複数のデータ線D1,D2・・・Dn,Dn+1及びデータ線駆動回路80と、複数のサブ画素40がn行かつm列に配置されてなる表示部50とを備える。
【0045】
図1は、機能構成を模式的に示す図であり、走査線G1,…、データ線D1,…、サブ画素40の形状及び接続関係は後述する。サブ画素40は、図示してないが、スイッチング手段となる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)と、画素電極とを有する。TFTのゲート電極は走査線G1,…と接続し、ソース電極は画素電極と接続し、ドレイン電極はデータ線D1,…と接続している。TFTが接続する任意の走査線Gxには走査線駆動回路60から順次電圧が与えられ、この電圧に応じてTFTがON/OFFする。TFTがONすると、データ線D1,…から画素電極に電圧が書き込まれる。データ線駆動回路80及び走査線駆動回路60は、TFTが形成されるガラス基板上に形成してもよいし、駆動ICを用いてガラス基板上、あるいはガラス基板とは別体に搭載してもよい。
【0046】
本実施形態の表示パネル20は、表示部50において、データ線D1,…の延伸方向を水平方向に設置し、走査線G1,…の延伸方向を垂直方向に設置する。この配置関係は、表示部50がランドスケープ(例えば、16:9の横長)の場合、画像表示に寄与する表示部50以外の領域、所謂「額縁」と呼ばれる領域を小さくする効果、更には、表示部50のサブ画素数を増やし高解像度化を可能とする効果、高解像度化を行った場合の低コスト化を可能とする効果がある。以下に、図4を参照し理由を説明する。
【0047】
図4は、ランドスケープ(横長)の表示部50を備える表示パネルの1例であり、データ線駆動回路80(図1)としての駆動IC80a,80bと、走査線駆動回路60(図1)としての走査回路60a,60bを、表示パネルのガラス基板上(図示なし)に備える。走査回路60a,60bは、スイッチング手段として用いるTFTと同じプロセスによって形成したTFTを用いて構成した。
【0048】
図4(a)は、本実施形態と同様に、データ線を水平方向(X方向)に配置した例である。図4(b)は、データ線を垂直方向(Y方向)に配置した例である。画像分離手段であるレンチキュラレンズ30は、図4(a),(b)ともに、画像分離方向が水平方向(X方向)となるように配置される。また、走査線とデータ線に囲まれた領域には、サブ画素(図示なし)が配置されている。サブ画素から出る光線は、カラーフィルタ(図示なし)によって、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに着色される。
【0049】
第1実施形態における表示装置においては、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブ画素から第1視点用(左目用)の表示単位が形成され、同様に、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブ画素から第2視点用(右目用)の表示単位が形成される。したがって、図4に示すように、計6個のサブ画素によって立体表示単位35が構成され、立体表示単位の水平方向(X方向)及び垂直方向(Y方向)のピッチは等しい。
【0050】
駆動IC80a,80bの出力ピンは、夫々、表示部50のデータ線と接続する。一般にデータ線駆動回路として用いる駆動ICの出力ピンのピッチは、データ線のピッチより狭い。このため、駆動ICの出力ピンから各データ線までの配線は広がりを持つことになるので、表示部50から駆動IC80a,80bまでの距離LDa,LDbが配線のために必要となる。表示部から駆動ICまでの距離は、駆動ICの出力ピンのピッチが同じであれば、接続先のデータ線の数が少ないほど短くできる。ここで、表示部がランドスケープ(横長)の場合には、データ線を水平方向に配置する図4(a)の方が、垂直方向に配置する図4(b)よりも、データ線の本数が少ない。したがって、表示部から駆動ICまでの距離は、距離LDaが距離LDbよりも短くなる。つまり、データ線を水平方向に配置することにより、額縁を小さくすることが可能となる。
【0051】
また、走査線のピッチに着目すると、前述のように図4に示す立体表示単位35は略正方形となるため、図4(a)に示す走査線のピッチPGaの方が、図4(b)に示す走査線のピッチPGbよりも大きい。ガラス基板上のTFTを用いて構成する走査線駆動回路60a,60bにおいて、1本の走査線を駆動する回路を同じTFT数で構成する場合、図4(b)は走査線ピッチの狭い分、水平方向XにTFTを配置しなくてはならない。更に、1本の走査線と接続するサブ画素の数が、図4(a)より図4(b)の方が多いため、図4(b)は駆動能力を高めなくてはならない。これらの理由により、図4に示すように走査線駆動回路60a,60bを模式的に長方形で表現すると、走査線駆動回路60aを示す長方形の短辺は、走査線駆動回路60bの短辺より短くなる。つまり、データ線を水平方向に配置することにより、額縁を小さくすることが可能となる。
【0052】
更に、ランドスケープ(横長)の表示部においては、図4(a)のように走査線が垂直方向(Y方向)に配置される方が、図4(b)に比べて走査線が短くて済む。このため、図4(a)及び図4(b)に同じ幅の金属膜で走査線を形成した場合、走査線駆動回路60a,60bからの配線抵抗による信号伝達の遅延時間は、図4(a)の方が図4(b)よりも少ない。したがって、図4(a)の方が、走査線の幅を狭くすることができ、単位面積あたりの走査線を増やすこと、すなわち、高解像度化が可能となる。
【0053】
更にまた、表示部50を形成する立体表示単位35の水平方向と垂直方向との比率が3:2以上である場合(例えば16:9の横長)は、走査線が駆動するサブ画素の数は、図4(a)の方が図4(b)よりも少なくなる。このため、図4(a)の方が、図4(b)と比べ、容量負荷が少なくなるので高解像度化が可能となる。また、この場合、データ線の本数も、データ線を水平方向に配置する図4(a)の方が少なくなる。このため、例えば、立体表示単位で1920×1080の表示部を構成する場合、データ線を水平に配置する図4(a)では、1080×3+1=3241[本]のデータ線が必要となるのに対し、データ線を垂直に配置する図4(b)では、1920×2+1=3841[本]のデータ線が必要となる。
【0054】
ここで、データ線駆動回路80に720出力の駆動ICを用いるとすると、図4(a)では5個で済むが、図4(b)では6個の駆動ICが必要となる。すなわち、データ線を水平方向に配置する図4(a)の方が、駆動IC数を減らすことが可能となり、低コスト化を可能とする効果がある。
【0055】
次に、表示部50を構成するサブ画素40の構造について、図を参照し説明する。図3は、本実施形態のサブ画素40の構造の第1例であり、観察者からみた上面図である。各構成要素の大きさや縮尺は、図の視認性を確保するため、適宜変更して記載してある。図3において、サブ画素40は形状の向きに応じて2種類のサブ画素40a,40bとして示している。
【0056】
図3は、図1に示す表示部50の2行2列分を構成するサブ画素4個を例示している。図3中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。また、画像分離手段の配置方向を説明するため、図3に、レンチキュラレンズを構成するシリンドリカルレンズ30aを例示する。シリンドリカルレンズ30aは、かまぼこ状の凸部を有する一次元レンズであり、長手方向にはレンズ効果を持たず、短手方向にのみレンズ効果を有する。本実施形態では、シリンドリカルレンズ30aの長手方向をY軸方向に沿って配置し、X軸方向にレンズ効果を得る。つまり、画像分離方向は水平方向Xである。
【0057】
図3に示すサブ画素40a,40bの計4個のサブ画素の開口部は、水平方向Xに平行に並ぶ3つのデータ線Dy−1、Dy、Dy+1と、画像分離方向である水平方向に屈曲を繰り返す3つ走査線線Gx、Gx+1、Gx+2と、蓄積容量線CSに囲まれた略台形形状となっている。以後、前記の略台形形状を台形と見なし、データ線Dy−1、…、Dy+1に沿う平行な2辺のうち短辺側を上底Eと呼び、長辺側を下底Fと呼ぶ。つまり、サブ画素40aとサブ画素40bとは、垂直方向Yに対して、台形の向きが互いに逆、すなわち上底Eから下底Fへの向きが互いに逆の関係となっている。
【0058】
サブ画素40a,40bは、夫々、画素電極45、TFT46、蓄積容量44を有する。TFT46は、図3中に太線で形状を示す半導体層43と、走査線Gx、…、Gx+2との交差部分に形成され、図示しないがドレイン電極、ゲート電極及びソース電極を有する。TFT46のゲート電極は、走査線Gx、…、Gx+2と半導体層43との交差部に形成され、走査線Gx、…、Gx+2と接続されている。ドレイン電極は、コンタクトホール47を介してデータ線Dy−1、…、Dy+1と接続されている。ソース電極は、コンタクトホール49を介して、図3中に点線で形状を示す画素電極45と接続されている。
【0059】
半導体層43のソース電極側は、絶縁膜を介して、走査線と同層の金属膜を配置することにより蓄積容量44を形成する。つまり、蓄積容量44を形成する一方の電極は半導体層43であり、他方の電極は、走査線と同層の金属膜である。蓄積容量44の他方の電極は、コンタクトホール48を介して、データ線と同層の金属膜で形成する蓄積容量線CSと接続する。蓄積容量線CSは、走査線に沿って配置され、水平方向(X方向)に隣接する各サブ画素の蓄積容量44とコンタクトホール48を介して接続する。
【0060】
また、図3、図5及び図6に示すサブ画素40の第1の構造例においては、共通のデータ線に接続し垂直方向(Y方向)に隣接するサブ画素の前記蓄積容量44の他方の電極は繋がっている。したがって、サブ画素40の第1の構造例において、蓄積容量線CSは、図5及び図6の等価回路に示すように、水平垂直の両方向に並ぶサブ画素の蓄積容量44と電気的に接続されている。
【0061】
図3に示すように、サブ画素40aとサブ画素40bとは、それぞれの構成要素である画素電極45、TFT46、コンタクトホール47、48、49、蓄積容量44の形状、配置、接続関係が、互いに点対称の関係にある。すなわち、XY平面において、各構成要素を含みサブ画素40aを180度回転すると、サブ画素40bと構成形状が一致する。
【0062】
更に、以上のように配置されたサブ画素40a,40bの開口部は、画像分離方向と直交するY軸方向における開口部と遮光部との割合が、画像分離方向であるX軸方向に対して略一定となっていることが望ましい。開口部とは、走査線、データ線、蓄積容量線CS及び半導体層43に囲まれた表示に寄与する領域である。開口部以外の領域を、遮光部とする。すると、Y軸方向における開口部と遮光部との割合とは、Y軸方向にサブ画素40aあるいはサブ画素40bを切断したときの開口部の長さを、Y軸方向の画素ピッチで割った、1次元の開口率である。以後、前述の画像分離方向と直交する方向における1次元の開口率を、縦開口率と呼ぶ。
【0063】
したがって、前述のY軸方向における開口部と遮光部との割合がX方向に対して略一定になっているとは、具体的に言い換えると、図3に示すB−B’線に沿った縦開口率と、A−A’線に沿った縦開口率が、ほぼ等しくなるように設計されているということである。ここで、B−B’線に沿った縦開口率とは、B−B’線に沿ったサブ画素40aの開口部の長さを、データ線Dy−1とデータ線Dyとの距離で割った値である。A−A’線に沿った縦開口率とは、A−A’線に沿ったサブ画素40bの開口部の長さとサブ画素40aの開口部の長さとの和を、データ線Dy−1とデータ線Dyとの距離で割った値である。
【0064】
表示部は、上述の特徴を備えたサブ画素40a,40bから構成される。本発明においては、向きの異なるサブ画素40a,40bの2つのサブ画素を1構成単位として扱い、共通のデータ線に接続し垂直方向に並ぶサブ画素40a,40bを「上下サブ画素対」と呼ぶ。具体的には、図3に示すデータ線Dyに接続し垂直方向に並ぶ、走査線Gx+1と接続するサブ画素40aと、走査線Gxと接続するサブ画素40bとを「上下サブ画素対」として、表示部の構成単位として扱う。
【0065】
図5の(1)は、上下サブ画素対を示す平面図であり、図3から抜粋した上下サブ画素対の構造図である。図5の(2)は、図5の(1)を示す上下サブ画素対の等価回路であり、走査線Gx,…、データ線Dy,…、画素電極45、TFT46を同じ符号で示している。なお、図5に示す上下サブ画素対を、上下サブ画素対P2Rと称す。図5の(3)は、図3を上下サブ画素対P2Rの等価回路によって示す図であり、点線で囲まれた4個のサブ画素が図3と対応する。図5の(3)に示すように、図3の隣接する4個のサブ画素は、3つの上下サブ画素対から構成される。データ線Dy,…の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対は、夫々異なるデータ線Dy,…に接続されるためである。
【0066】
上記の上下サブ画素対から構成される表示部を有する本実施形態が、立体表示装置において高開口率化及び高画質化を実現する理由について説明する。高開口率化及び高画質化を達成するためには、画素の縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にしつつ、縦開口率を高くする必要がある。
【0067】
走査線及びデータ線は、各画素電極の周囲に配置されることが好ましい。走査線間又はデータ線間に画素電極のない走査線又はデータ線の配置を仮定すると、配線間に表示に寄与しないデッドスペースが生じ、開口率が低下するからである。本実施形態においては、図3に示すように、夫々の画素電極45の周辺部に、走査線Gx,…、データ線Dy,…が配置されている。
【0068】
また、前述の上下サブ画素対の有する夫々のTFT46は、夫々異なる走査線Gx,…と接続する。更に、上下サブ画素対の水平方向、すなわちデータ線Dy,…の延伸方向の配置は、垂直方向に1サブ画素分ずれて隣り合う。したがって、データ線Dy,…の延伸方向に隣り合う上下サブ画素対は、夫々異なるデータ線Dy,…と接続する。
【0069】
以上の配置及び接続関係により、必要な配線数を抑えることができ、開口率の向上が可能となる。更に、走査線は縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にするため、画像分離方向へ屈曲させている。
【0070】
以上のように、図3に示す本実施形態のサブ画素の配置は、図5に示す上下サブ画素対を構成単位とする。複数の上下サブ画素対からなる本実施形態の表示部は、立体表示装置の高開口率化と高画質化を実現する。
【0071】
ここまで、本実施形態の表示部の構成を図1乃至図5を用いて説明したが、図5に示す上下サブ画素対P2Rと鏡像対称となる上下サブ画素対P2Lを用いた表示部の構成も可能である。図6の(1)に上下サブ画素対P2Lの構造示す平面図を示し、図6の(2)に上下サブ画素対P2Lの等価回路を示す。図6の(1)に示すように、上下サブ画素対P2Lを構成するサブ画素40a’,40b’は、図5の(1)に示すサブ画素40a,40bに対して、構成要素である画素電極45、TFT46、コンタクトホール47,48,49、半導体層43、蓄積容量44の形状、配置、接続関係がY軸に線対称となっている。つまり、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素P2Lとは、Y軸に線対称であり、更に、X軸にも線対称であり、互いに鏡像対称の関係にある。したがって、図6に示す上下サブ画素対P2Lが表示部を構成するときも、上下サブ画素対P2Rと同等に高開口率化及び高画質化を実現する。
【0072】
ここで、上下サブ画素対を構成する共通のデータ線と接続するサブ画素を、台形の底辺Fの向きに従い「上向きサブ画素」、「下向きサブ画素」と呼び、以後の説明に用いる。つまり、図5の上下サブ画素対P2Rでは、サブ画素40aが「上向きサブ画素」であり、サブ画素40bが「下向きサブ画素」である。同様に、図6の上下サブ画素対P2Lでは、サブ画素40a’が「上向きサブ画素」であり、サブ画素40b’が「下向きサブ画素」である。前述のように、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとは、構造から得られる光学的な効果は同じであるが、夫々の上向きサブ画素及び下向きサブ画素と走査線Gx,Gx+1との接続関係は逆になる。つまり、サブ画素40aが走査線Gx+1に接続し、サブ画素40bが走査線Gxに接続するのに対して、サブ画素40a’が走査線Gxに接続し、サブ画素40b’が走査線Gx+1に接続する
【0073】
本実施形態の表示部は、上下サブ画素対P2R、上下サブ画素対P2Lのどちらで構成してもよい。また、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを組み合わせて構成してもよい。以下、図1に示す本実施形態の表示部50の構成例を、4行6列の画素からなる第1視点用画像(左目用画像)、及び、第2視点用画像(右目用画像)を表示する例を用いて具体的に説明する。始めに図7により入力画像データを説明し、図8により本実施形態の表示部の画像分離手段と配色関係とを説明する。表示部の具体例は、図7及び図8の説明の後に示す。
【0074】
図7は、4行6列の画素からなる第1視点用画像(左目用画像)及び第2視点用画像(右目用画像)の画像データを示す図である。前述のように、M1は、M1(1,1)RGB、M1(1,2)RGB、…からM1(i,j)RGBに至る画素データの集合体であり、M2は、M2(1,1)RGB、M2(1,2)RGB、…からM2(i,j)RGBに至る画素データの集合体である。「1〜i」は画像内の行番号、「1〜j」は画像内の列番号を示し、図7の例では、i=4、j=6である。RGBは、R:赤、G:緑、B:青の色情報を持つことを意味する。
【0075】
図8は、図7に示す2つの画像データを表示する表示部50において、画像分離手段の配置及びサブ画素の配色の1例を示す図である。図中のXY軸は、Xは水平方向を示し、Yは垂直方向を示す。
【0076】
図8において、サブ画素を台形で示し、網掛けにより配色の1例を示している。具体的には、1行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、R:赤色のカラーフィルタが配置されており、1行目は赤色を表示するサブ画素として機能する。2行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、G:緑色のカラーフィルタが配置されており、2行目は緑色を表示するサブ画素として機能する。3行目に水平方向に並ぶサブ画素の対向基板には、B:青色のカラーフィルタが配置されており、3行目は青色を表示するサブ画素として機能する。同様に4行目以降、サブ画素は、行単位で赤、緑、青の順に機能する。なお、本実施形態では、任意の順番が適応可能であり、例えば、1行目から3行目までが青、緑、赤の順となり、以降の行がこれらの繰り返しであってもよい。
【0077】
画像分離手段は、レンチキュラレンズ30を構成するシリンドリカルレンズ30aがサブ画素2列単位に対応し、レンズ効果を持たない長手方向が垂直方向と平行、すなわち列と平行に配置される。このため、シリンドリカルレンズ30aのX方向のレンズ効果により、偶数列及び奇数列のサブ画素から出る光線は別々の方向に分離される。すなわち、図2により説明したように、レンズ面から離れた位置では、偶数列からなる画像と、奇数列からなる画像とに分離される。本実施形態では1例として、図8及び図2の配置により、偶数列のサブ画素が、左目用(第1視点用)として機能し、奇数列のサブ画素が右目用のサブ画素として機能する。
【0078】
上述のように、カラーフィルタ及び画像分離手段が配置されるため、図7に示す入力画像データの1画素データは、図8に1列に並ぶ赤、緑、青の3つのサブ画素により表示される。具体的には、2列目の1,2,3行の3つのサブ画素が、左目用(第1視点用)画像の左上隅画素データ:M1(1,1)RGBの表示を行い、・・・、11列目の10,11,12行の3つのサブ画素が、右目用(第2視点用)画像の右下隅画素データ:M2(4,6)RGBの表示を行う。なお、サブ画素2列毎のピッチ及びサブ画素3行毎のピッチはそれぞれ等しいことが望ましい。前記のピッチ条件においては、入力する左右画像を視差画像とした立体表示時の解像度と、入力する左右画像を同じ画像とした平面表示時の解像度とが等しいことから、解像度変化に伴う画質劣化がないという特徴を有するためである。また、レンズ効果の方向、すなわち画像分離の方向に同じ色が配置されるため、画像分離手段による色分離が発生せず高画質化が可能となる。
【0079】
以降、図8に示した行列に並ぶ複数のサブ画素と、走査線及びデータ線との接続関係、すなわち、先述した図5及び図6に示す上下サブ画素対から表示部を構成する具体例を、図9〜図11に示し説明する。
【0080】
図9は、図5に示す上下サブ画素対P2Rから表示部を構成する配列パターン1である。配列パターン1では、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点として、上下サブ画素対P2Rを配置している。このとき、偶数列の1行目は、上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素が配置され、その上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素は表示部を構成しない。同様に、偶数列の12行目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が配置され、その上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素は表示部を構成しない。図9に示すNPは、上記の表示部を構成しないサブ画素は配置しないことを示している。また、図9は、図8と対応し、各サブ画素の網掛けは表示色を示し、画像分離手段であるレンチキュラレンズ30によって、偶数列のサブ画素が、左目用(第1視点用)として機能し、奇数列のサブ画素が右目用のサブ画素として機能する。
【0081】
図10は、図6に示す上下サブ画素対P2Lから表示部を構成する配列パターン2である。図10に示す配列パターン2は、上下サブ画素対P2Rを上下サブ画素対P2Lに変えたこと以外は図9に示す配列パターン1と同じであるので、その説明を省略する。
【0082】
図11は、図5に示す上下サブ画素対P2Rと、図6に示す上下サブ画素対P2Lとの組み合わせから、表示部を構成する配列パターン3の1例である。図11に示すように、1列目は、上下サブ画素対P2Lの上向きサブ画素が1行1列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rとを繰り返し配置する。2列目は、上下サブ画素対P2Rの下向きサブ画素が1行2列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを繰り返し配置する。3列目は、上下サブ画素対P2Rの上向きサブ画素が1行3列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとを繰り返し配置する。4列目は、上下サブ画素対P2Lの下向きサブ画素が1行4列目となる配置を起点とし、垂直方向であるY軸方向に、上下サブ画素対P2Lと上下サブ画素対P2Rとを繰り返し配置する。5列目以降は、1列目から4列目の配列パターンが繰り返される。この配列パターン3は、極性反転駆動方式にドット反転駆動法を適用した場合に高画質化を可能とする効果がある。詳細は後述する。
【0083】
図9〜図11に示すように、12行12列のサブ画素からなる表示部は、上下サブ画素対を構成単位とするため、データ線をD1からD13までの13本、走査線をG1からG13までの13本必要とする。すなわち、本実施形態のn行m列のサブ画素からなる表示部は、n+1本のデータ線及びm+1本の走査線により駆動されるという特徴がある。なお、本実施形態の表示部は、図5及び図6に示した上下サブ画素対を構成単位として構成されるものであり、図9〜図11に例示した以外にも多彩な配列パターンによる構成が可能である。
【0084】
配列パターンの違いは、液晶パネルを極性反転駆動する際、表示部の極性分布に影響を及ぼす。したがって、配列パターンの選択により、極性分布に起因する画質の向上(例えばフリッカ抑制)を図ることが可能となる。ただし、本発明における表示部は、図9〜図11の例のように、水平方向に1行に並ぶサブ画素は2本のデータ線と交互に接続され、垂直方向に1列に並ぶサブ画素は2本の走査線と配列パターンに応じた規則性で接続される。このため、本発明における表示部は、サブ画素1行が1本の走査線、1列が1本のデータ線と接続する一般の液晶パネルとは、極性反転駆動方式に応じて得られる極性分布が異なり、効果も異なるものとなる。以下に、一般の液晶パネルの極性反転駆動方式を適用した際に、本実施形態の配列パターン毎に得られる効果の違いについて説明する。
【0085】
図12は、図10に示す配列パターン2にゲートライン反転駆動(1H反転駆動)を適用した場合における、表示部の極性分布と走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は任意のフレーム(全て走査線の走査が一巡する期間)における画素電極及びデータ線の正負の極性を表しており、次のフレームではその正負が逆転する。ゲートライン反転駆動は、走査線の選択期間を単位として、データ線の極性を反転させる駆動方法である。ゲートライン反転駆動は、対向基板側にある共通電極を交流駆動する所謂コモン反転駆動と組み合わせることにより、データ線駆動回路(データ線駆動用ドライバIC)の耐圧を下げることが可能であり、消費電力を少なくできるという利点がある。
【0086】
また、本実施形態の配列パターン2にゲートライン反転駆動(1H反転駆動)を適用した場合の極性分布は、図12に示すように、任意の1行を形成するサブ画素の極性は同一であり、その前後の行では極性が反転する。すなわち、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同様の極性分布である。このため、極性に応じて生じる輝度差によって表示画像がちらついて見える所謂フリッカに対しても、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同様のフリッカ抑制効果を得ることができる。
【0087】
図13は、図10に示す配列パターン2にドット反転駆動を適用した場合における、表示部の極性分布と走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。ドット反転駆動は、図13に示すように、データ線毎に極性を反転させ、更に1走査線の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法であり、一般の液晶パネルにおいてはフリッカを抑制し高画質化する方法として知られている。
【0088】
本実施形態の配列パターン2にドット反転駆動を適用した場合の極性分布は、図13に示すように、奇数列のみに着目すると行単位で極性は同じであり(すなわち一行における全ての奇数列の極性は同じであり)、偶数列のみ着目した場合も同様であるが、同一行における奇数列と偶数列との極性は反転する。このため、分離された左目画像及び右目画像夫々については、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。更に、画像分離手段によって投影される左目画像及び右目画像が、分離されず重なる領域からの観察においては、一般のパネルをドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。
【0089】
図14は、図11に示す配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合における、表示部の極性分布と走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。
【0090】
本実施形態の配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合の極性分布は、図14に示すように、奇数列のみに着目すると、各行において1列目と3列目、3列目と5列目、・・・と奇数列単位に極性反転が繰り返される。同様に偶数列のみに着目した場合も、各行において偶数列単位に極性反転が繰り返される。また、任意の1列内の極性分布に着目すると、上下サブ画素対P2L及び上下サブ画素対P2Rの垂直方向に隣り合う画素電極は同極性となり、2行毎に極性が反転する。このため、台形で表す画素電極の長辺同士が同極性となり、隣接する長辺近傍における液晶分子の異常配向を抑制できるので、高画質化が可能である。また、分離された左目画像及び右目画像の夫々については、垂直方向にサブ画素2行毎に極性反転する列が列単位に極性反転する。すなわち、一般のパネルを縦2ドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。
【0091】
以上、説明したように表示部の配列パターンと極性反転駆動方法との組み合わせは、目的とする表示画質や消費電力等に応じて適宜選択すればよい。また、本実施形態の表示部は、例示した以外の配列パターン及び例示した以外の極性反転駆動方式の適用も可能である。例えば、図15に示す配列パターン4の適用も可能である。配列パターン4は、図5に示す上下サブ画素対P2Rから表示部を構成し、かつ上向きサブ画素が1行2列目となる配置を起点とし構成する。図15に示す配列パターン4と、同じ上下サブ画素対P2Rから構成される図9に示す配列パターン1とは、1列分水平方向に移動した関係にある。
【0092】
しかしながら、配列パターン変化に応じて、図1に示すデータ線駆動回路80に出力する合成画像データCMは変えなくはならない。合成画像データCMは、入力画像M1,M2から合成される画像データであり、n行m列のサブ画素からなる表示部50の各画素電極に電圧を書き込むために、データ線駆動回路80に入力するデータである。つまり、合成画像データCMは、入力画像データM1,M2を構成する各画素データを、走査線G1から走査線Gm+1まで走査線毎に、データ線D1からデータ線Dn+1に対応するように並び換えたものであり、Dn+1行かつGm+1列のデータ構成によって表現する。
【0093】
したがって、図9乃至図11及び図15に示す配列パターン1〜4よりわかるように、同じ行列で指定されるサブ画素であっても、配列パターンによって接続するデータ線、あるいは、走査線が異なるため、合成画像データCMも異なることになる。
【0094】
具体例として、画像分離手段としてレンチキュラレンズ30を備えた配列パターン1〜4の表示部へ、図7に示す複数の画素データからなる入力画像データを表示する際に、出力すべき合成画像データCMを図16〜図19に示す。図16〜図19は、任意の走査線Gxが選択されたとき、任意のデータ線Dyに与える入力画像データの視点、位置及び色を示している。M1/M2は視点画像、(行番号,列番号)は位置、R/G/Bは色を示す。また、×印は画素電極がないことを示す。なお、当然×印に対応すべき入力画像データM1,M2はなく、与えるデータが反映される画素電極もないため、×印へ与えるデータは任意である。
【0095】
合成画像データCMは、図8に示すカラーフィルタの色配列、図9乃至図11及び図15に示す配列パターン、後述する画像分離手段の設定、といった設計により決定されるパラメータと、上下サブ画素対のデータ線単位の接続の規則性、及び、走査線単位の規則性に基づいて生成する。
【0096】
データ線単位の規則性について説明する。本実施形態において、データ線単位の偶奇が表示すべき視点画像M1/M2を指定する。これは、表示部の構成する上下サブ画素対の配置において、同じデータ線で2列に並ぶことはできず、同じデータ線を共有する上下サブ画素対は、必ず1列置きに配置されるためである。すなわち、データ線の偶奇は、サブ画素がY方向に並ぶ列の偶奇と対応する。更に、X方向に画像分離の方向を有する画像分離手段の設置に応じて、視点画像M1/M2の指定がサブ画素の列単位に決定される。
【0097】
つまり、データ線の偶奇と視点画像M1/M2を決める要素は、配列パターンと画像分離手段の配置とである。例えば、サブ画素の列番号に対して同じように画像分離手段が配置される、配列パターン1(図9)及び配列パターン4(図15)においては、データ線の偶奇と視点画像M1/M2との対応関係が、合成画像データ1,4(図16及び図19)からもわかるように互いに逆になる。更に、画像分離手段の設置は、図8に示す例に限らず、例えば図20に示す例も可能である。図8では、1列目がM2であり、2列目がM1であり、奇数列のサブ画素がM2、偶数列のサブ画素がM1となる。逆に、図20の場合は、1列目がM1であり、2列目がM2であり、奇数列のサブ画素がM1、偶数列のサブ画素がM2となる。このように、視点画像M1/M2が表示される列の偶奇は、画像分離手段の配置により決定される。
【0098】
ここで、データ線の偶奇と視点画像M1/M2との関係を、図21にまとめる。図21において、奇数のデータ線が対応する入力画像の視点をv1、偶数のデータ線が対応する入力画像の視点をv2と表す。前述した配列パターン1(図9)及び配列パターン4(図15)を例に説明したデータ線の偶奇と視点画像M1/M2との対応関係は、表示部の1行1列目に配置されるサブ画素が、上向きサブ画素か下向きサブ画素かによって決定される。そこで、1行1列目に配置されるサブ画素の上下を変数「u」とし、u=0のとき1行1列目は上向きサブ画素であり、u=1のとき1行1列目は下向きサブ画素であるとする。図21は、例えば、表示部の奇数列をM1とし偶数列をM2とするように画像分離手段を設置し、かつ、表示部の1行1列のサブ画素が上向き(u=0)であるとき、v1=2、v2=1、すなわち、データ線奇数番目の視点画像がM2となり、データ線偶数番目の視点画像がM1となることを表す。
【0099】
1行目の色となるR/G/Bは、カラーフィルタによって決定される。1本のデータ線は2行のサブ画素と接続するため、カラーフィルタによる1行目の色及び配色順が決定されると、任意のデータ線が対応する色の規則性が決定する。例えば、前述した配列パターン1〜3(図9〜図11)及び配列パターン4(図15)に示すように、1行目から続くR(赤)、G(緑)、B(青)の配色順においては、データ線D3が接続するサブ画素はG及びBであり、データ線D4が接続するサブ画素はB及びRである。つまり、配色順が決定されると、任意のデータ線に対応する2色が決定される。RGBの3色で構成されるカラーフィルタによる繰り返しに、先に述べたデータ線の偶奇による視点画像対応の繰り返しを加味すると、入力画像データの指定規則には、データ線単位で6本毎の周期性がある。
【0100】
また、任意のデータ線Dyは、表示部のy−1行目及びy行目のサブ画素と接続する(ただし、n行m列のサブ画素からなる表示部において、0行目及びn+1行目は存在しない。)。データ線とサブ画素との接続は、データ線を挟み上下サブ画素対が接続されるため、Dyに接続する上下サブ画素対の上向き画素は表示部のy−1行目、下向き画素はy行目となる。したがって、上記のように、任意のデータ線に対して、図7に例示する入力画像データ「Mk(行,列)RGB」における視点番号k及び色(R/G/B)が指定されるのに加え、行番号も指定される。以後、入力画像データの任意の画素データについて、行番号をIy、列番号をIxと表す。
【0101】
上述した任意のデータ線Dyと入力画像データとの関係を、図22にまとめる。データ線の番号を任意の自然数pを用いて表現すると、図22に示すようにデータ線Dy(p)と対応する入力画像データの行番号Iyもpによって決定する。更に、図21によって決まるv1,v2を用いて、データ線Dy(p)に対応する入力画像データの視点番号を示している。また、データ線Dy(p)に対応する入力画像データの色は、表示部の1行目の色をC1、2行目をC2、3行目をC3、4行目をC1・・・とパラメータ化して示しており、1行目からRGBの順であれば、C1=R、C2=G、C3=Bである。
【0102】
次に、走査線単位の規則性について説明する。図9乃至図11及び図15に示す配列パターン1〜4よりわかるように、任意の走査線Gxは、x−1列目とx列目との2列のサブ画素と接続する(ただし、n行m列のサブ画素からなる表示部において、0列目及びm+1列目は存在しない。)。画像分離手段により、サブ画素は1列ごとに視点画像M1/M2と対応するため、走査線Gxが接続するx−1列目の視点画像とx列目の視点画像は、画像分離手段の設置と走査線の偶奇とによって決定される。例えば、画像分離手段が図8のように設置される図9乃至図11及び図15の場合は、走査線Gxが奇数のとき、x−1列目は視点画像M1に、x列目は視点画像M2に対応し、走査線Gxが偶数のとき、x−1列目は視点画像M2に、x列目は視点画像M1に対応する。また、例えば、画像分離手段の設置が図20の場合は、走査線Gxが奇数のとき、x−1列目は視点画像M2に、x列目は視点画像M1に対応し、走査線Gxが偶数のとき、x−1列目は視点画像M1に、x列目は視点画像M2に対応する。
【0103】
前述のように、任意の走査線Gxは、図7に例示する入力画像データ「Mk(行,列)RGB」の視点番号kを指定し、更に列番号を指定する。図23に、図9乃至図11及び図15に示す配列パターン1〜4における走査線と入力画像データの視点画像及び列番号とを示す。ここで、図23に示す視点画像M1/M2は、画像分離手段の設置とデータ線の偶奇とによっても決定される。つまり、データ線の偶奇がわかれば、図21より視点画像は決定する。したがって、任意の走査線Gxに対して、データ線の偶奇おける入力画像データの列番号との関係を導けばよい。図23より、表示部x−1列目に対応する入力画像データの列番号と、表示部x列目に対応する入力画像データの列番号とは、走査線2本毎の周期性がある。そこで、走査線の番号を任意の自然数qを用いて表現し、走査線Gx(q)と対応する入力画像データの列番号Ixをqで表す。
【0104】
図24に、前述の自然数qを用い、走査線と入力画像データの列番号との関係をまとめる。ここで、先に説明した任意の走査線Gxが接続する表示部のx−1列目及びx列目は、視点画像との関係を介して、走査線Gxの偶奇と、1行1列目に配置されるサブ画素の上下を示す変数「u」と、データ線の偶奇とによって表現することができる。例えば、図9〜図11に示す配列パターン1〜3においては「u=0」であり、偶数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続し、偶数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続する。更に、「u=0」である図9〜図11において、奇数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続し、奇数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続する。また、例えば、図15に示す配列パターン4においては「u=1」であり、偶数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続し、偶数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続する。更に、「u=1」である図15において、奇数の走査線Gxがx−1列目と接続するサブ画素は偶数のデータ線と接続し、奇数の走査線Gxがx列目と接続するサブ画素は奇数のデータ線と接続する。上述の関係を図23に用いて、任意の自然数qを用いると、走査線Gx(q)と対応する入力画像データの列番号は図24に示すようにqによって決定する。
【0105】
これまでに、図21及び図22により、任意のデータ線と接続する上向き/下向きサブ画素に対応する入力画像データの視点、行番号及び色との関係が示され、図24によって任意の走査線と入力画像データの列番号との関係が示された。したがって、任意のデータ線Dy及び走査線Gxと接続するサブ画素が、上向きサブ画素及び下向きサブ画素のどちらかであるかわかれば、合成画像データCMを生成できる。つまり、配列パターンの情報が必要となる。
【0106】
先に述べたように、本実施形態の表示部は、上下サブ画素対を構成単位とし、図5に示す上下サブ画素対P2R、図6に示す上下サブ画素対P2L、又は、上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとの組み合わせによって構成される。したがって、配列パターンの情報としては、任意のデータ線Dy及び任意の走査線Gxに接続する上下サブ画素対がP2R/P2Lのどちらであるかを記憶すればよい。
【0107】
図25は、図11に示す配列パターン3におけるデータ線Dy及び走査線Gxに接続する上下サブ画素対P2R/P2Lを示したものである。図25において、上下サブ画素対P2Rを「0」、上下サブ画素対P2Lを「1」とし、×印は接続する上下サブ画素対がないことを示す。このため、×印で示す箇所の値、例えば(D1,G1)の値は、「0」/「1」どちらでもよい。すると、図25は、データ線4本単位かつゲート線4本単位の繰り返しパターンとなる。
【0108】
図26に、前述の繰り返しに着目し、配列パターン3における上下サブ画素対P2R/P2Lのパターンを示す。図26では、Dy及びGxを2進数としたときの下位ビットを用いて表現し、同じく下位2ビットを用いて表現した、配列パターン1,4及び配列パターン2の上下サブ画素対P2R/P2Lのパターンを示す。図26に示す、配列パターンに応じたデータ線Dy及び走査線Gxと上下サブ画素対の接続関係を、Dy、Gxを変数とし、「0」/「1」の値を返すルックアップテーブルLUTとして記憶する。これより、任意のデータ線Dy及び任意の走査線Gxに対して、LUT(Dy,Gx)より接続する上下サブ画素対がP2RであるかP2Lであるかを判別できる。
【0109】
図26に例示するLUT(Dy,Gx)と、走査線及びデータ線の偶奇と合わせると、図27に示すように、任意の走査線及びデータ線と接続するサブ画素の向きが決定される。図27に示す関係を図22に用いて、図22に示す上向き画素及び下向き画素をLUT(Dy,Gx)と走査線の偶奇とで置き換えると、図28に示す関係になる。
【0110】
以上のように、図21及び図26に例示する情報と、図24及び図28に示す規則性とから、合成画像データCMを生成することができる。
【0111】
図29に、合成画像データの生成に必要なパラメータ変数及び変数内容の具体例(配列パターン3)をまとめる。図29に例示するパラメータセットを、少なくとも1セットを図1に示すパラメータ記憶手段140に保存し、合成画像データの生成に用いる。このように、合成画像データの生成に必要なパラメータを保存することにより、表示部の設計変更に対して、パラメータ変更により対応できる。なお、複数のパラメータを保存しておけば、駆動する表示モジュールの変更に応じてパラメータを切換えて用いることができ、パラメータ変更の工数を削減できる。
【0112】
[動作の説明]
本実施形態の動作について、図を参照し説明する。図30〜図39は、本実施形態の表示装置における表示動作の1例を示すフローチャートである。
【0113】
[ステップS1000]
図30に示すように、本実施形態の表示装置の動作が開始されると、図1に示すパラメータ記憶手段140から合成画像を生成するために必要となる各種パラメータが読み込まれる。奇数のデータ線が対応する入力画像データの視点v1、偶数のデータ線が対応する入力画像データの視点v2、カラーフィルタによる行単位の配色順を示すC1,C2,C3、表示部50のサブ画素を単位とする行数n、及び列数m、表示部50の1行1列目に配置されるサブ画素の向きを示すu、表示部50を構成する上下サブ画素対の配列パターンを示すLUTが、読み出し制御手段130にセットされる。
【0114】
[ステップS2000]
外部から、i行j列の画素データからなる視点画像M1,M2を有する入力画像データと、同期信号とが、書き込み制御手段110に入力される。書き込み制御手段110では、同期信号を利用し、入力されるM1(1,1)RGBからM1(i,j)RGBまで及びM2(1,1)RGBからM2(i,j)RGBまでの画素データに順次アドレスを発生し、画像メモリ120に格納する。したがって、画像メモリ120に格納された入力画像データから、アドレス指定により、任意の視点画像M1/M2、位置(行Iy,列Ix)、各色(R/G/B)輝度データを選択することができる。つまり、データ読み出しは、書き込み制御手段110により付与されたアドレスを介して行うが、入力画像データの視点画像、位置、各色輝度データが識別できればよいため、具体的なメモリ内部のアドレスマップについては説明を省く。なお、画像メモリ120は、少なくとも出力する合成画像データ2画面分のデータ保存領域を持ち、読み出し画面領域と書き込み画面領域とを交互に用いる。
【0115】
[ステップS3000]
図1に示す画像メモリ120に格納した入力画像データ(視点画像M1,M2)を、読み出し制御手段130により所定のパターンに従い読み出し、並び換え処理を行い、合成画像データCMを生成して表示パネル20のデータ線駆動回路80へ出力する。合成画像出力処理の動作については、図31に示すフローチャートにより別途説明する。
【0116】
[ステップS8000]
読み出し並び換え処理が完了すると1フレームの表示動作が完了する。ステップS2000に戻り、上記の動作が繰り返される。
【0117】
なお、図30においては、動作説明の便宜上、入力画像データの書き込み処理(ステップS2000)と読み出し並び換え処理(ステップS3000)とを順次に記載している。ステップS1100で説明したように、画像メモリ120は2画面分の領域を有しており、実際には、あるフレームFnの書き込み処理と、既に画像メモリに書き込まれたフレームFn−1の読み出し並び換え処理とが、並列に処理される。
【0118】
次に、図31を参照し、合成画像出力処理の動作について説明する。図31は、図30のステップS3000の処理内容を示すフローチャートあり、主として、走査線を単位とした1フレーム分の計数処理を示す。
【0119】
[ステップS3100]
変数Gx,q,tに初期値として1を与える。Gxは走査線を計数する変数であり、その計数値は表示パネルにおいて選択する走査線に対応する。tは、走査線の偶奇、すなわち走査線の2本周期を計数するための変数である。qは、図24に示すように入力画像データの列番号Ixを指定するために用いる変数であり、tが2カウントするたびに1加算される。
【0120】
[ステップS4000]
表示パネルの走査線Gxに対応する1ライン分の合成画像データを出力する。ラインデータ出力処理の動作については、図32に示すフローチャートにより別途説明する。
【0121】
[ステップS7100]
Gxの計数値が、表示部の最後の走査線Gm+1に達していないかを判定する。判定は、図30に示すステップS1000でセットした表示部の列数mを用い、m+1に達していなければ、判定YesでステップS7200に進む。m+1であれば、判定Noで図31の処理を終了し、図30のステップS8000に進む。
【0122】
[ステップS7200]
図1に示すタイミング制御手段150からの水平同期信号に応じて、t及びGxの計数値にそれぞれ1を加算する。
【0123】
[ステップS7300]
tの計数値による判定を行う。tが2より大きければ、判定YesでステップS7400に進む。tが2以下であれば、判定NoでステップS4000に進む。
【0124】
[ステップS7400]
tの計数値を1に戻し、qの計数値に1を加算し、ステップS4000に進む。
【0125】
次に、図32を参照し、ラインデータ出力処理の動作について説明する。図32は、図31のステップS4000の処理内容を示すフローチャートあり、主として、データ線を単位とした走査線1ライン分の計数処理を示す。
【0126】
[ステップS4100]
変数Dy,p,sに初期値として1を与える。Dyは、データ線を計数する変数である。sは、図22に示すデータ線6本周期を計数するための変数である。pは、図22及び図28に示すように入力画像データの行番号Iyを指定するために用いる変数であり、sが6カウントするたびに1加算される。
【0127】
[ステップS5000]
走査線Gx及びデータ線Dyに対応する入力画像データを画像メモリ120から読み出し、入力画像データを表示パネルに応じたデータ順に並び換え、Dyの計数値順にラインメモリLに格納する。読み出し並び換え処理の動作については、図33に示すフローチャートにより別途説明する。
【0128】
[ステップS6000]
Dyの計数値が、表示部の全データ線数Dn+1に達していないかを判定する。判定は、図30に示すステップS1000でセットした表示部の行数nを用い、n+1に達していなければ、判定YesでステップS6100に進む。Dyの計数値がn+1であれば、判定NoでステップS7000に進む。
【0129】
[ステップS6100]
図1に示すタイミング制御手段150から信号に応じて、s及びDyの計数値にそれぞれ1を加算する。
【0130】
[ステップS6200]
sの計数値による判定を行う。sが6より大きければ、判定YesでステップS6300に進む。sが6以下であれば、判定NoでステップS5000に進む。
【0131】
[ステップS6300]
sの計数値を1に戻し、pの計数値に1を加算し、ステップS5000に進む。
【0132】
[ステップS7000]
ラインメモリに格納Lに格納された走査線Gxの1ライン分の合成画像データCM(Gx)を、図1に示すデータ線駆動回路80に、タイミング制御手段150により生成されるデータ線駆動回路用の制御信号81に同期して出力する。ステップS7000により、ラインデータ出力処理は終了し、図31に示すステップ7100に進む。なお、ステップS7000の処理後に終了し、図31にステップ7100に進むと動作を説明したが、これは説明の便宜上であり、ステップS7000による合成画像データCM(GX)の出力処理と、図31のステップ7100以降の処理とが並列に行われもよい。
【0133】
次に、図33を参照し、読み出し並び換え処理の動作について説明する。図33は、図32のステップS5000の処理内容を示すフローチャートあり、主として、データ線6本周期の計数値sに対しての分岐処理を示す。
【0134】
[ステップS5010〜S5050]
計数値sに応じての分岐処理であり、s=1であればステップS5100へ、s=2であればステップS5200へ、s=3であればステップS5300へ、s=4であればステップS5400へ、s=5であればステップS5500へ、sが前記以外の値(s=6)であればステップS5600へそれぞれ進む。
【0135】
[ステップS5100〜S5600]
計数値sに応じて、画像メモリ内の入力画像データから、表示パネル(Dy,Gx)に接続するサブ画素に対応する画素データを指定する。入力データ指定処理の動作については、夫々図34〜図39に別途フローチャートを示す。入力データ指定処理によって、データ線Dy及び走査線Gxに対応する入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLが決定する。
【0136】
[ステップS5700]
指定された入力画像データの行番号Iy及び列番号Ixが、表示部に存在しないサブ画素であるか否か、を判定する。判定には、図30に示すステップS1000でセットした表示部の行数n及び列数mを用いる。条件Ix=0、Ix=m/2+1、Iy=0、又は、Iy=n/3+1は、いずれも表示部に対応するサブ画素が存在しない。したがって、前記の条件いずれかに該当した場合は、判定YesでステップS5710に進む。前記の条件いずれにも該当しない場合は、判定NoでステップS5720に進む。
【0137】
[ステップS5710]
指定された入力画像データの行番号Iy及び列番号Ixにおいて、表示部に対応するサブ画素が存在しない場合の処理である。したがって、表示には反映されないが、走査線Gxにおけるデータ線DyのデータPDとして、zを出力する。zは1例として0とする。
【0138】
[ステップS5720]
指定された入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLに基づき、画像メモリの該当アドレスを指定する。アドレス指定により、画像メモリから走査線Gxにおけるデータ線DyのデータPD=M(k)(Iy,Ix)(CL)を読み出す。
【0139】
[ステップS5800]
走査線1ライン分のデータを蓄えるラインバッファLに、走査線Gxにおけるデータ線DyのデータPDを格納する。ラインバッファへデータPDを格納すると、読み出し並び換え処理を終了し、図32に示すステップS6000に進み、走査線Gxに接続する全てのデータ線(n+1本)に対して、ラインバッファLへのデータ格納処理が終了したか否かを判定する。
【0140】
次に、図34から図39を参照し、入力データ指定処理の動作について説明する。図34は、図32に計数処理を示す計数値sが1のとき、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定する処理を示す。前記の指定には、図30に示すステップS1000で読み込んだパラメータv1、v2、C1、C2、C3、u、LUT、及び、図31に計数処理を示す変数Gx、q、t、及び、図32に計数処理を示す変数Dy、pを用いる。
【0141】
[ステップS5110]
走査線Gx及びデータ線Dyに接続する上下サブ画素対がP2LであるかP2Rであるかを判定する。判定条件には、1例としてLUT(Dy,Gx)=0を用い、判定Yes(上下サブ画素対はP2R)でステップS5111に進み、判定No(上下サブ画素対はP2L)でステップS5112に進む。
【0142】
[ステップS5111,S5112]
走査線Gxの偶奇を判定する。判定条件には、1例として、走査線Gxが奇数となるt=1を用いる。走査線の偶数奇数は、図24に示すように列番号Ixの指定と関係し、図28に示すように行番号Iy及び色CLの指定と関係する。判定Yes(走査線は奇数)で、ステップS5111からはステップS5121へ進み、ステップS5112からはステップS5122へ進み、列番号Ixを指定するためにuの判定処理を行う。一方、判定Noでは、走査線は偶数であり、この場合、図24に示すように、列番号Ixは、uに依存しない。したがって、判定Noで、ステップS5111からはステップS5133へ進み、ステップS5112からはステップS5132へ進み、列番号Ixの指定処理を行う。ここで、図28に示すように、LUTの値による行番号Iy及び色CLの指定が走査線の偶奇により入れ替わる関係にあるため、図34に示すように、処理フローが交差する。
【0143】
[ステップS5121,S5122]
図24に従い列番号Ixを指定するために、表示部の1行1列目のサブ画素が上向き画素であるか下向き画素であるかを判定する。判定条件には、u=0を用いる。判定Yes(上向き画素)で、ステップS5121からはステップS5131へ進み、ステップS5122からはステップS5133へ進む。一方、判定Noで、ステップS5121からはステップS5132へ進み、ステップS5122からはステップS5134へ進む。
【0144】
[ステップS5131,S5134]
各々、qを用いて入力画像データの列番号Iyを指定する。なお、s=1であるため、データ線は奇数であり、前記の条件分岐と、図24により列番号Iyが確定する。ステップS5131,S5132からステップS5141へ進み、ステップS5133,S5134からステップS5142へ進む。
【0145】
[ステップS5141,S5142]
図28に示す関係により、入力画像データの視点番号k、行番号Ix及び色CLを指定する。なお、s=1は、図28におけるデータ線6p−5と対応する。行番号Ixは、pを用いて指定する。視点番号k及び色CLは、図30に示すステップS1000で読み込んだパラメータから、ステップS5141,S5142に示す通り選択されたパラメータにより指定する。以上、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLが指定され、入力データ指定処理は終了し、図33に示すステップS5770に進む。
【0146】
図35は、図32に計数処理を示す計数値sが2のとき、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定する処理を示す。図35に示すように、図34と比較し、視点番号k及び色CLとして選択するパラメータ並びに行番号Ixの指定は異なるが、処理フローはs=1の場合と同じである。ただし、sが2のときは、データ線は偶数であるため、図24に示すように列番号Iyの指定が図34と異なる。このため、表示部の1行1列目のサブ画素が上向き画素であるか下向き画素であるかの判定条件には、図34と異なり、u=1を用いている。
【0147】
同様に、図36は計数値sが3のとき、図37は計数値sが4のとき、図38は計数値sが5のとき、図39は計数値sが6のとき、入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定する処理を示すフローチャートである。処理フローは、s=1の場合と同じであるため、その動作の説明は省略する。
【0148】
以上、図30〜図39を用いて説明した処理により、本実施形態の表示装置に、外部より入力される入力画像データから、表示モジュールに応じた合成画像データを生成し、表示動作を行うことが可能となる。なお、説明した処理は本実施形態の1例であり、これに限定されるものではない。例えば、画像メモリに書き込まれた入力画像データの視点番号k、行番号Iy、列番号Ix及び色CLを指定するために行う分岐処理の順序は、図34から図39に示す通りでなくとも、入力データ指定処理の指定結果が図24及び図28と合えばよい。また、例えば、図33において、表示部に存在しないサブ画素を判定し、データPDとしてz=0を与えている。しかし、zとして与えたデータは、表示部にサブ画素が存在しないため表示に寄与しないため無効である。したがって、画像メモリの容量に余裕がある場合は、判定処理自体を省略し、無効のデータのアドレスを設定し、メモリ読み出し処理を行ってもよい。この場合、図33におけるステップS5700,S5710を省略し、ステップS5720のメモリ読み出し処理とすることができるため、画像メモリは増えるが処理が少なくて済む。
【0149】
以上、本発明の第1実施形態の構成、動作について説明した。
【0150】
図40(A)は、本実施形態の表示装置を適用した1例の端末装置のブロック図である。図40(A)に示す端末装置300Aは、入力装置301、記憶装置302、演算器303、外部インターフェイス304、及び本実施形態の表示装置305Aなどから構成されている。前述のように、表示装置305Aは、表示コントローラ100を備えるため、演算器303から一般の表示装置に画像データを送る形式で、2画像分のデータを送ればよい。なお、2つの画像データは、一般の表示パネルで平面表示を行う画像データでよい。すなわち、本実施形態の表示装置305Aは、表示コントローラ100を備えるため、演算器303においては、出力する2つの画像データに対して転送に伴う特別な処理を行う必要がなく、演算器303に負担をかけないという効果がある。また、本実施形態の表示コントローラ100は、画像メモリ120(図1)を備えるため、演算器303が出力する2つの画像データは、図40にイメージを示す水平方向に並んだ形式、所謂サイドバイサイド形式に限らず、垂直方向に並ぶ形式でも、フレーム時分割の形式であっても構わない。
【0151】
なお、本発明を適用した端末装置においては、図40(A)の例のように、表示コントローラは表示装置に搭載される構成に限定されるものではなく、例えば、表示装置ではなく、演算器303が搭載される回路基板上に搭載されていてもよい。
【0152】
また、図40(B)に示す端末装置300Bのように、表示コントローラの処理手順をプログラム化し、表示コントローラ100を演算器303に備える構成としてもよい。
【0153】
更に、図40(A)(B)に例示する本発明を適用した端末装置においては、表示モジュールAが表示モジュールB(図示せず)に変更された場合においても、表示コントローラ100を変更することなく対応可能である。表示モジュール200B(図示せず)とは、例えば、画像分離手段の設置、カラーフィルタの順番、上下サブ画素対の配列パターン等が表示モジュール200Aと異なる。これらの表示モジュールの仕様は、搭載される端末装置から要求される様々な要素、例えば、画質や、コスト、サイズ、解像度等によって決定される。本発明に係る表示コントローラ100はパラメータ記憶手段140(図1)を備えるため、表示モジュールの変更に対して、パラメータの書き換え、あるいは、パラメータの選択により対応でき、同じ表示コントローラ100が使用できる。このため、表示装置及び端末装置の設計工数の低減及び低コスト化が可能となる。
【0154】
なお、本実施形態では、画像分離手段により、観察者の両目に別々の画像を提供する立体表示装置を例に示したが、観察する位置に応じて異なる画像を提供する2視点表示装置としてもよい。
【0155】
また、本実施形態において、光学的な画像分離手段にレンチキュラレンズを用い、レンチキュラレンズを表示パネルの観察者側に配置し説明したが、レンチキュラレンズを観察者と反対側に配置してもよい。更に、光学的な画像分離手段としては、例えばパララックスバリアを適用してもよい。更にまた、サブ画素から出る光が、視点画像毎に異なる偏光状態となるように、視点画像M1,M2を表示するサブ画素夫々に対応する偏光素子が配列された基板を表示パネルに配置し、眼鏡式の立体表示装置に適用してもよい。
【0156】
また、サブ画素40(図1)の構造は、図3乃至図6に示す第1例(以下「第1のサブ画素」及び「第1の上下サブ画素対」という。)に限らず、例えば図41及び図42に示す第2例(以下「第2のサブ画素」及び「第2の上下サブ画素対」という。)の適用も可能である。図41は、第2の上下サブ画素対P2Rの構造及び等価回路を示す図であり、図42は、第2の上下サブ画素対P2Lの構造及び等価回路を示す図である。なお、構造図において、各構成要素の大きさや縮尺は、図の視認性を確保するため、適宜変更して記載してある。
【0157】
図41及び図42に示す第2のサブ画素おいて、第1のサブ画素との違いは、蓄積容量線CSの配置である。第2のサブ画素においては、蓄積容量線CSxを走査線と同層の金属膜に形成する。このため、蓄積容量44を形成する電極のうち半導体層43と反対側にある電極と、蓄積容量線CSxとを同層の金属膜で形成することができる。更に、蓄積容量線CSxを走査線と走査線との間に、データ線と垂直に配置することで、第1のサブ画素で必要であったコンタクトホール48(図5等)をなくすことができる。第2のサブ画素においては、コンタクトホールの削減により、サブ画素の微細化が可能となり、表示部の高解像度化を可能とする効果がある。
【0158】
第1のサブ画素では、図5等に示すように、水平方向に並ぶサブ画素の蓄積容量44を蓄積容量線CSが接続する。一方、第2のサブ画素では、図41及び図42に示すように、垂直方向に並ぶサブ画素の蓄積容量44を蓄積容量線CSxが接続する。このため、第2のサブ画素では、液晶パネルを極性反転駆動する際に、列単位に接続される蓄積容量線とサブ画素に書き込まれる電圧の極性とには注意が必要となる。
【0159】
例えば、図14に示す配列パターン3にドット反転駆動を適用した場合には、任意の走査線(例えばGx+1(図41(3)、図42(3)))が選択されたときに、列単位、すなわち蓄積容量線単位(例えばCSx、CSx+1夫々)で、サブ画素に書き込まれる極性が揃う。このように、ゲート選択のタイミングで蓄積容量線と接続するサブ画素の書き込み極性が揃ってしまうと、書き込み電圧により生じる蓄積容量線の電位変動も揃うことになる。このため、蓄積容量線の延伸方向にクロストークが発生し表示画質を悪化させる。
【0160】
したがって、図41及び図42に示す第2のサブ画素を用いる場合には、極性反転駆動方式に2ドット反転駆動を適用することが好ましい。図43は、図20に示す配列パターン2に2ドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布と、2ドット反転の走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図中の「+」「−」は、図12と同様に極性を示す。2ドット反転駆動は、図43に示すように、データ線2本毎に極性を反転させ、更に1走査線の選択期間毎にデータ線の極性を反転させる駆動方法である。この場合、任意の走査線Gx+1が選択されたとき、書き込みが行われるサブ画素の極性は、列x及び列x+1単位で夫々異なる。すなわち、ゲート選択のタイミングで蓄積容量線と接続するサブ画素の書き込み極性は正負両方が存在する。このため、書き込み電圧により生じる蓄積容量線の電位変動は相殺され均一化するため、蓄積容量線の延伸方向にクロストークの発生を抑制する効果がある。
【0161】
また、図43の極性分布においては、行単位で極性が揃っている。このため、一般のパネルをゲートライン反転駆動(1H反転駆動)した場合と同様のフリッカ抑制効果を得ることができる。更に、図41及び図42に示す第2のサブ画素構造を用いる場合には、図44に示す配列パターン6を用いて、2ドット反転駆動を適用することにより、一般のパネルをドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。図45に、図44に示す配列パターン6に2ドット反転駆動を適用した場合における表示部の極性分布を示す。
【0162】
なお、図41及び図42に示す第2のサブ画素を用いる場合の極性反転駆動方式は、前述の2ドット反転駆動に限定されるものではなく、3ドット反転駆動(ピクセル反転駆動)等の適用も可能である。
【0163】
また、本実施形態における表示パネルは、液晶分子を利用した液晶表示パネルであるものとして説明した。液晶表示パネルとしては、透過型液晶表示パネルだけでなく、反射型液晶表示パネル、半透過型液晶表示パネル、反射領域よりも透過領域の比率が大きい微反射型液晶表示パネル、透過領域よりも反射領域の比率が大きい微透過型液晶表示パネル等にも適用することができる。また、表示パネルの駆動方法は、TFT方式に好適に適用できる。
【0164】
TFT方式におけるTFTは、アモルファスシリコンや低温ポリシリコン、高温ポリシリコン、単結晶シリコンを使用したものだけでなく、ペンタセンなどの有機物や酸化亜鉛などの酸化金属、カーボンナノチューブを使用したものにも好適に適用できる。また、本発明はTFTの構造には依存しない。ボトムゲート型やトップゲート型、スタガ型、逆スタガ型等を好適に使用することができる。
【0165】
また、本実施形態において、上下サブ画素対をサブ画素の形状を略台形形状として説明した。上下サブ画素対の光学的特性、走査線、データ線との接続関係を維持するものであれば、台形に限るものではない。他の多角形形状であっても適用可能である。例えば、本実施形態によって説明した台形の上辺が短くなれば三角形の形状となる。更に、上向きサブ画素と下向きサブ画素が180度の回転対称であれば、走査線を屈曲させた六角形、八角形の形状等の適用も可能である。
【0166】
更に、表示パネルには、液晶方式以外の適用も可能である。例えば有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、無機エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル、フィールドエミッション表示パネル、又はPALC(Plasma Address Liquid Crystal:プラズマ・アドレス液晶)を適用することも可能である。
【0167】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成について説明する。複数のN視点に向け夫々異なる画像を提供する表示装置であり、第1実施形態がN=2の表示装置であったのに対して、Nが3以上であることを特徴とする。以下、N=4である4視点に向け夫々異なる画像を提供する立体表示装置を例として第2実施形態について説明する。
【0168】
始めに、図46を用いて、第2実施形態の概要について説明する。本実施形態の表示コントローラ101は、外部から入力される3視点以上の視点画像データを2つの画像データに並び換える入力データ並び換え手段160を、更に備えたものである。以下、入力データ並び換え手段160により並び換えられた2つの画像データを、2つの入力合成データと呼ぶ。
【0169】
書き込み制御手段110は、外部から入力した視点画像に代えて、入力データ並び換え手段160で並び換えられた2つの入力合成データを画像メモリ120に書き込む機能を有する。なお、前記の2つの入力合成データとは、第1実施形態における入力画像データの視点画像M1,M2に相当する。以下、第2実施形態について詳細に説明する。
【0170】
第2実施形態おける表示部は、図5及び図6に構造及び等価回路を示す上下サブ画素対から構成される。したがって、上下サブ画素対についての説明は、第1実施形態と同じであるため省略する。
【0171】
図47は、第2実施形態における画像分離手段と表示部との関係を示す1例である。図中のXY軸は、Xが水平方向を示し、Yが垂直方向を示す。垂直方向に12行かつ水平方向に12列に配置された台形がサブ画素を表し、網掛は色を示し、1行目から1行毎にR、G、Bの順で繰り返す配色パターンとなっている。画像分離手段は、レンチキュラレンズ30を構成するシリンドリカルレンズ30aがサブ画素4列単位に対応し、水平方向にレンズ効果を持つように長手方向が垂直方向と平行に配置される。シリンドリカルレンズ30aのレンズ効果により、サブ画素から出た光線は列単位で4列周期に別々の方向に分離され、レンズ面から離れた位置に4つの視点画像を形成する。この4つの視点画像の各々の構成単位となる画素は、列単位で垂直方向に並ぶRGBのサブ画素3個からなる。第1視点画像の画素をM1P、第2視点画像の画素をM2P、第3視点画像の画素をMP3、第4視点の画素をMP4として、各1例を図47に示す。
【0172】
図48は、各視点画像用の画素M1P〜MP4から出た光線が各視点画像を形成する光学モデルである。図48に示すように、レンチキュラレンズ30は、表示パネルの観察者側に配置され、更に、レンズ面から距離OD離れた平面において、表示部全てのM1Pからの投影像が重なり、同様にM2P、M3P、M4Pからの投影象が重なり、X方向において投影象の重なりの幅が最大になるように配置されている。この配置により、観察者から見て水平方向に左から順に、第1視点画像、第2視点画像、第3視点画像、第4視点画像の領域が形成される。
【0173】
次に、図47に示すサブ画素と、走査線及びデータ線との、接続関係について説明する。図49は、図47に示す第2実施形態の表示部を上下サブ画素対P2R,P2Lから構成する1例であり、配列パターン5とする。図49に示すように、配列パターン5の上下サブ画素対P2L/P2Rの組み合わせは、表示部の1列目から4列目までは、図11に示す配列パターン3と同じであり、表示部の5列目から8列目は、配列パターン3に対して上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとが入れ替わる。更に、表示部の9列目から12列目までは、配列パターン3と同じである。つまり、配列パターン5は、配列パターン3と、配列パターン3に対して上下サブ画素対P2Rと上下サブ画素対P2Lとが入れ替わるパターンとが、4列毎に繰り返される配列パターンである。配列パターン5は、極性反転駆動方式にドット反転駆動法を適用した場合に、フリッカ抑制効果と液晶分子の異常配向を抑制する効果がある。
【0174】
図50は、図49に示す配列パターン5にドット反転駆動を適用した場合における、表示部の極性分布とドット反転の走査線毎のデータ線極性とについて示したものである。図47で説明したように、第2実施形態では4列周期で各視点画像が提供される。そこで、図49に示すように、視点画像の周期性に対応させて、配列パターン3(図11)における上下サブ画素対P2R,P2Lを4列周期で入れ替え、ドット反転駆動を適用する。すると、分離された第1視点用画像〜第4視点画像の夫々の視点画像においては、水平方向に隣り合うサブ画素の極性は反転し、垂直方向にはサブ画素2行毎に極性が反転する。つまり、一般のパネルを縦2ドット反転駆動した場合と同じフリッカ抑制効果を得ることができる。更に、配列パターン5の極性分布は、台形で表す画素電極の長辺同士が同極性となり、隣接する長辺近傍における液晶分子の異常配向を抑制でき、高画質化が可能である。
【0175】
次に、第2実施形態の表示部に与える合成画像データについて、表示部が配列パターン5(図49)である例を用いて説明する。図51に、表示コントローラ101に外部より入力される4視点分の画像データを示す。入力画像データである第1視点用画像データから第4視点画像データは、夫々、i行j列(i=4,j=3)に並ぶ画素データで構成され、画素データMk(Iy,Ix)RGBの各符号は、kは視点番号を表し、Iyは画像内の行番号、Ixは画像内の列番号、RGBは、R:赤、G:緑、B:青の各色の輝度情報を持つことを意味する。
【0176】
図51に示す入力画像データを図49に示す配列パターン5に表示する場合、表示モジュールに与える合成画像データ5を図52に示す。合成画像データ5は、図46に示す入力データ並び換え手段160を用い、以下に説明するように、第1実施形態と同様に画像分離手段及びカラーフィルタの色配列の設定パラメータ、配列パターンの設定パラメータ、上下サブ画素対の配列(LUT)をもとに、データ線単位及び走査線単位の規則性から生成可能である。図53に、配列パターン5の任意のデータ線Dyと任意の走査線Gxとを接続する上下サブ画素対P2R/P2LのパターンであるLUT(Dy,Gx)を示す。
【0177】
入力データ並び換え手段160は、外部から入力されるN視点分の画像データを、列単位で表示部の奇数列及び偶数列に対応した2つの入力合成データM1’,M2’に並び換える。図47及び図48に示す表示部への画像分離手段の配置において、図51に示す4視点分(N=4)の入力画像データから生成する入力合成データM1’,M2’を、図54に示す。図54に示すように、列単位の並び換えを行うため、入力画像データの任意の行番号Iyと、生成する入力合成データの行番号とは、同じ行番号Iyが対応する。しかし、入力合成データの列番号は、入力画像データの任意の列番号Ixと異なるため、入力合成画像データの列番号をIx’と表す。
【0178】
第1実施形態において、入力画像データの2つの視点画像M1,M2は、表示部の偶数列及び奇数列に分かれて表示される。したがって、上記のように、表示部の偶数列及び奇数列に応じた並び換え処理により生成した入力合成データM1’,M2’を、書き込み制御手段110に送ることにより、第1実施形態で説明した処理と同様の処理によって合成画像データを生成することができる。ただし、外部から入力されるN視点分の画像データを、表示部の偶数列及び奇数列に対応させ入力合成データを生成するためには、表示部の列番号と入力される画像データの視点番号との情報が必要である。
【0179】
図55は、図47に示す画像分離手段と表示部との関係において、表示部の列番号xと、入力画像データの視点画像M1〜M2と、入力合成データM1’,M2’との関係を示す1例である。列番号及び視点画像Mkは、画像分離手段の配置及び視点数と関係し、表示モジュールの設計によって決定される。例えば、図48のように表示パネルの観察者側に配置する画像分離手段を、図56に示す表示部との関係で配置することも可能である。この場合、図48と同様に観察者から見て水平方向に左から順に、第1視点画像、第2視点画像、第3視点画像、第4視点画像の領域を形成するためには、図56に示すように、表示部の1列目(x=1)のサブ画素はM2と対応することになり、x=2はM1と、x=3はM4と、x=4はM3と、x=5はM2と、・・・それぞれ対応する関係となる。
【0180】
また、画像分離手段と表示部との位置関係が図55と同様であっても、図48と異なり表示パネルの観察者とは反対側に画像分離手段が配置された場合には、列番号x=1はM1と,x=2はM2と、x=3はM3と、x=4はM4と、・・・それぞれ対応する関係となる。更に、表示モジュールの視点数が変われば、列番号xと視点番号との対応は図55と異なるものとなる。
【0181】
上記のように、入力並び換え処理を行うためには、表示部の列番号xと視点番号kの関係を表示コントローラに記憶させる必要がある。1例として、表示部の列番号xに応じて視点番号kの値を示すテーブルTM(N,op,x)を、図57に示す。図57に例示するテーブルTMは、複数の表示モジュールに対応するため、パラメータN,opを用いている。Nは視点数を表し、opは図55及び図56のように画像分離手段の配置の違いに対応させている。テーブルTMは、図57に示すように、表示部を構成するm列全てについて視点kを記憶せずとも、列番号に対する視点番号の繰り返しパターンに応じて記憶することにより、情報量を圧縮することが可能である。また、パラメータN,opについても、表示コントローラの設計に応じて適宜定めればよく、種類を限定することでテーブルTMの情報量を圧縮することが可能である。テーブルTMは、図46に示すパラメータ記憶手段141に記憶すればよい。
【0182】
表示部の任意の列xに対応する入力画像データの視点番号kがテーブルTMによって得られるため、表示部の列の偶奇に対応させて入力画像データを並び換えることにより、入力合成データM1’,M2’を生成することができる。なお、図55の例では、入力合成データM1’を表示部の偶数列に対応させ、入力合成データM2’を表示部の奇数列に対応させている。しかし、その逆に、入力合成データM2’を表示部の偶数列に対応させ、入力合成データM1’を表示部の奇数列に対応させてもよい。ただし、入力合成データM1’,M2’と表示部の列の偶奇との対応関係は、読み出し制御手段131で用いる奇数データ線の視点v1及び偶数データ線の視点v2と関連する。つまり、第1実施形態の図21で説明したように、表示部の1行1列目のサブ画素の向き「u」とともに視点v1,v2の値を決定する。図58に、入力合成データM1’,M2’とデータ線の偶奇との関係をまとめる。
【0183】
なお、第2実施形態においても、合成画像データの生成には、テーブルTMに加え、第1実施形態と同様に図29に示すパラメータ変数が必要である。視点数(N)を含むテーブルTM及び図29に示すパラメータを、パラメータ記憶手段141に保存し、合成画像データの生成に用いる。
【0184】
[動作の説明]
第2実施形態の動作の1例について、フローチャートを参照し説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については、同じ図面、符号を用いて説明する。図59は、第2実施形態の動作の概要を示すフローチャートである。
【0185】
[ステップS21000]
図59に示すように、動作が開始されると、図46に示すパラメータ記憶手段141から、入力合成データの生成に必要なテーブルTMと、合成画像を生成するために必要となる各種パラメータとが読み込まれる。なお、視点v1は奇数のデータ線が対応する入力合成データを示し、視点v2は偶数のデータ線が対応する入力合成データ示すことになる。他のパラメータについては、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0186】
[ステップS22000]
外部から、各i行j列の画素データからなる画像データN視点分、及び同期信号が、図46に示す入力データ並び換え手段160に入力される。入力されたN視点分の画像データを、列単位で表示部の奇数列及び偶数列に対応する2つの入力合成データM1’,M2’に並び換え、書き込み制御手段110に出力する。入力データ並び換え処理の動作については、図60に示すフローチャートにより別途説明する。
【0187】
[ステップS2000,S3000,S8000]
画像入力書き込み処理及び合成画像出力処理については、第1実施形態のフローチャートに示す符号の中で、入力画像データの視点画像M1,M2を入力合成データM1’,M2’に置き換え、入力画像データの列Ixを入力合成データの列Ix’に置き換えた処理である。フローチャート及び動作説明は、第1実施形態を参照とする。
【0188】
次に、図60を参照し、入力データ並び換え処理の動作について説明する。並び換え処理は、表示部の列番号xを計数し、テーブルTMを用い、計数値xを基準とした処理により、入力バッファから対応する画素データを読み出す。入力合成データ1行分の並び換え処理が終了すると、計数値xを1に戻す。同じ処理を入力画像データi行にわたり行う。
【0189】
[ステップS22100]
外部から入力されるN視点分の画像データを、外部から入力される同期信号を用いて入力バッファに格納する。入力バッファに格納されたデータは、画素データ単位で任意視点番号k、位置(行Iy,列Ix)、各色(R/G/B)輝度データを選択することができる。なお、入力バッファは、入力されるN視点分の画像データ全てを格納できるデータ容量を備えれば、N視点分の入力画像データの転送形式に依存しない。言い換えると、N視点の画像データが入力される形式(例えばサイドバイサイド形式など)の特徴に応じて、入力バッファのデータ容量は圧縮することも可能である。
【0190】
[ステップS22200]
変数x,Iy,Ix’,Nk,Nqに初期値としてそれぞれ1を与える。xは表示部の列番号を示す。Iyは入力画像データの行番号及び入力合成データの行番号を示し、Ix’は生成する入力合成データの列番号を示す。Nkは1からNまでの視点数を計数する計数値であり、Nqは入力画素データの列番号を指定するために用いる変数である。
【0191】
[ステップS22300]
列の計数値xの偶奇を判定する。判定条件はxが奇数か否かであり、判定YesでステップS22400に進み、判定NoでステップS22500に進む。
【0192】
[ステップS22400]
入力バッファから、テーブルTMと計数値x,Iy,Nqを用いて、画素データM{TM(N,op,x)}(Iy,Nq)RGBを読み出し、入力合成データM2’(Iy,Ix’)RGBに代入する。ここで、入力合成データへの代入処理は、入力合成データM2’を表示部の奇数列に対応させた場合を前提としている。入力合成データM1’を表示部の奇数列と対応させる場合には、本ステップにおける入力合成データM2’を入力合成データM1’とすればよい。
【0193】
[ステップS22500]
入力バッファから、テーブルTMと計数値x,Iy,Nqを用いて、画素データM{TM(N,op,x)}(Iy,Nq)RGBを読み出し、入力合成データM1’(Iy,Ix’)RGBに代入する。ここで、入力合成データへの代入処理は、入力合成データM1’を表示部の偶数列に対応させた場合を前提としている。入力合成データM2’を表示部の偶数列と対応させる場合には、本ステップにおける入力合成データM1’を入力合成データM2’とすればよい。
【0194】
[ステップS22600]
入力合成データの列番号を示す計数値Ix’に1を加算する。
【0195】
[ステップS23000]
視点数を計数する計数値NkがNに達していないかを判定する。判定は、図59に示すステップS21000においてTMとして読み込まれる入力画像データの視点数(種類)Nと、計数値Nkと、を比較することにより行う。計数値Nkが視点数Nに達していなければ判定YesとなってステップS23100に進み、計数値Nkが視点数Nに達していれば判定NoとなってステップS23200に進む。
【0196】
[ステップS23100]
計数値Nkに1を加算し、ステップS23400に進む。
【0197】
[ステップS23200]
計数値Nkを1に戻し、入力画素データの列番号を指定する計数値Nqに1を加算する。
【0198】
[ステップS23300]
表示部の列の計数値xが、1行分の列数mに達していないかを判定する。判定は、計数値xと、図59に示すステップS21000において読み込まれる表示部の列数mと、を比較することにより行う。計数値xが列数mに達していなければ判定YesとなってステップS23400に進み、計数値xが列数mに達していれば判定NoとなってステップS24000に進む。
【0199】
[ステップS23400]
計数値xに1を加算し、ステップS22300に進む。
【0200】
[ステップS24000]
1行分の並び換え処理が終了したため、計数値x,Ix’,Nqを1に戻す。
【0201】
[ステップS24100]
行の計数値Iyが、図59に示すステップS21000において読み込まれる表示部のサブ画素の行数nから算出される入力画像データの行数n/3に達していないかを判定する。判定は、計数値Iyとn/3とを比較することにより行う。計数値Iyがn/3に達していなければ判定YesとなってステップS24200に進み、計数値Iyがn/3に達していれば判定NoとなってステップS24300に進む。
【0202】
[ステップS24200]
計数値Iyに1を加算し、ステップS22300に進む。
【0203】
[ステップS24300]
上記のステップにより並び換えられた入力合成データM1’,M2’を、図46に示す書き込み制御手段110に出力する。本ステップにより、入力データ並び換え処理は終了し、図59に示すステップS2000へ進む。
【0204】
以上、第2実施形態の動作について説明したが、この説明は1例を示したものであり、これに限定されるものではない。例えば、図60に示す入力データ並び換え処理においては、表示部の列を計数する計数値xを基準に処理を行い、入力された画素データから交互にM2’,M1’への代入処理としているが、M2’への代入処理を全て行った後に、M1’への代入処理を行うように処理フローを変更してもよい。
【0205】
更に、第2実施形態の構成において、図46では、入力データ並び換え手段160と書き込み制御手段110とを分けて図示している。本実施形態の構成はこれに限定されず、例えば、書き込み制御手段110に図54に示す入力データ並び換え機能を含めてもよい。書き込み制御手段110において、発生するアドレスを、各視点画像の列単位にコントロールすることにより、図54に示す入力データの並び換え処理と同じ処理が実行できる。
【0206】
[効果]
図48に示すように、第2実施形態においては、視点数が増えることにより観察者は観察位置を変化させることで、異なる角度からの立体画像を楽しむことができる、また、同時に運動視差も付与されるため、より立体感を与える効果がある。
【0207】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に係る表示装置において、表示コントローラに備えた画像メモリの領域を縮小したものである。
【0208】
図61に、第3実施形態の機能ブロック図を示す。第3実施形態の表示装置は、第1実施形態と同様に、外部より入力される各視点用画像データから合成画像データCMを生成する表示コントローラ102と、合成画像データCMの表示手段である表示パネル20とを備えている。表示パネル20は、第1実施形態と同じように、表示部50を備える。表示部50において、データ線は延伸方向が水平方向(X方向)となるように配置され、走査線は延伸方向が垂直方向(Y方向)となるように配置される。
【0209】
表示コントローラ102の構成は、画像メモリの領域を削減し、ラインメモリ122を備える点で第1実施形態と異なる。ラインメモリ122は、表示部50のサブ画素40の複数列分のメモリ領域を有する。表示コントローラ102は、ラインメモリ122に入力画像データを書き込む機能を有する書き込み制御手段112、ラインメモリ122からデータを読み出す機能を有する読み出し制御手段132とを備える。表示コントローラ102の他の構成は、第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と同じ符号を用いることによりその説明を省略する。
【0210】
第3実施形態は、図62(c)に示す入力画像データの転送形式を用いることにより、入力画像データを全て書き込み保存できる画像メモリを不要とし、メモリ領域の削減を可能としている。第3実施形態における入力画像データの転送形式について、図62を用いて説明する。
【0211】
図62(a)は、左目用及び右目用の画像である視点画像M1,M2である。視点画像M1/M2は、夫々i行j列の画素データから構成され、画素データはR(赤)輝度、G(緑)輝度、B(青)輝度の3色輝度情報を有する。図62(b)は、図62(a)に示す視点画像M1/M2が表示部50に表示されたとき、適正な観察位置からの立体視イメージである。図62(c)は、第3実施形態における図62(a)に示す視点画像M1/M2の転送イメージである。
【0212】
ここで、図8に示すように、画像分離手段(レンチキュラレンズ30)は、表示部50の奇数列のサブ画素がM2(右目用)、偶数列のサブ画素がM1(左目用)となっている。第3実施形態においては、ラインメモリ122による処理を可能とするために、図62(a)に示す視点画像データを列毎に転送する。更に、視点画像M1/M2の転送順は、表示部50の開始列に対応させる。したがって、図8に示す画像分離手段の設置においては、M2(1,1)RGBからデータ転送を開始する。続いて、M2(2,1)RGB、M2(3,1)RGB、・・・とデータ転送を行いM2(i,1)RGBに至ると、次は、M1(1,1)RGB、M1(2,1)RGB、M1(3,1)RGB、・・・M1(i,1)RGBと転送する。M2及びM1の1列目のデータ転送が終了すると1列目と同様に2列目、3列目・・・と転送を繰り返しj列目までのデータ転送を行う。
【0213】
次に、図62を用いて説明した転送方式とラインメモリを用いた第3実施形態の動作とについて、図63を用いて説明する。図63は、図7に示す4行6列の画素からなる視点画像M1/M2の画像データが、前述の転送方式に従い入力されたときの走査線単位の出力タイミングを示す。Tは表示パネルの1走査期間を示し、入力データは図7に示す視点画像M1/M2の列単位の転送を示す。L1からL3は、入力される各視点用画像データの1列分を格納できるラインメモリである。
【0214】
M2の1列目のデータは、T=1の期間(以後T1と略す)でL1に格納される。続いて、T2において、L1に格納されたデータを用いて、第1実施形態で説明したラインデータ出力処理(図32〜図39)が行われ、走査線G1の合成画像データが出力される。また、T2においては並列にM1の1列目のデータがL2に格納される。次にT3では、L1及びL2に格納されたデータを用いて、第1実施形態で説明したラインデータ出力処理(図32〜図39)が行われ、走査線G2の合成画像データが出力される。また、T3においては並列にM2の2列目のデータがL3に格納される。次にT4では、L2及びL3に格納されたデータを用いて、T2及びT3同様にラインデータ出力処理が行われ走査線G3の合成画像データが出力される。ここで、L1に格納されたM2の1列目のデータは、T2及びT3で出力が完了している。したがって、T4において、M1の2列目のデータはL1に格納し、次のT5では、L3及びL1に格納されたデータを用いて、ラインデータ処理が行われ走査線G5の合成データが出力される。以上の処理を繰り返し、図63に示すように走査線G13までの合成データが出力される。
【0215】
したがって、第3実施形態において必要となる画像データのメモリ領域は、各視点画像データの3列分であり、表示部のサブ画素単位では、走査線3本分に接続されるサブ画素数分(ただし、G1及びGm+1を除く。)のデータ記憶領域が必要となる。つまり、図63に示した4行6列の2つの入力視点画像データを表示する例では、4×3(色)×3(走査線)=36のサブ画素数分のデータ領域を必要とし、表示部がn行かつm列のサブ画素で構成される例では、n×3個のサブ画素数分のデータ領域を必要とする。
【0216】
以上、第3実施形態について、画像分離手段が、図8に示すように、表示部50の奇数列のサブ画素がM2(右目用)、偶数列のサブ画素がM1(左目用)となっている例を用いて説明した。しかし、画像分離手段は、図20に示すように、表示部50の奇数列のサブ画素がM1(左目用)、偶数列のサブ画素がM2(右目用)となっている場合でも、本実施形態を適用可能である。ただし、画像分離手段が図20の場合には、視点画像M1/M2の転送順を変更し、M1の1列目からデータ転送を行う必要がある。
【0217】
また、第3実施形態において、画像メモリの領域を削減するために、図62に示す入力画像データの転送形式を用いたが、入力画像データの転送形式はこれに限るものではなく、例えば図64に示す転送形式であってもよい。図64に示す転送形式は、視点画像M1/M2を画素データ単位で交互に転送する方式である。ただし、図64に示す転送方式の場合、図62に示す転送形式と比較して、メモリ容量を増やす必要がある。
【0218】
更にまた、第3実施形態について、第1実施形態と同じN=2の表示装置で説明したが、Nが3以上の第2実施形態の表示装置への適用も可能である。Nが3以上の場合においては、画像分離手段の配置よって決定される表示部の視点画像の対応順に応じて、視点画像を列毎に転送すればよい。
【0219】
[効果]
第3実施形態においては、画像メモリを走査線3本分のサブ画素データ相当のラインメモリにまで削減することができるため、表示コントローラの回路規模を大幅に削減でき、低コスト化を可能とする。更に、大きさも小さくすることが可能となり、例えば、表示コントローラをデータ線駆動回路に内蔵する等、表示コントローラを搭載する場所の選択肢が増えるという効果がある。
【0220】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る表示装置について説明する。第4実施形態の構成は、第3実施形態と同様にラインメモリを用いた図61に示す構成と同じであるが、第3実施形態に対して、入力画像データの転送形式、画像データの並び換え処理、駆動方法が異なる。
【0221】
第4実施形態に用いる入力画像データの転送形式について、図65を用いて説明する。図65(a)は、図62(a)と同様に、夫々i行j列の画素データから構成される視点画像M1,M2であり、画素データは、3色の輝度情報を有する。図65(b)は、図62(b)同様に立体視イメージであり、図65(c)は、図65(a)に示す視点画像M1/M2の転送イメージである。
【0222】
図65(c)に示すように、第4実施形態の入力画像データの転送形式は、視点画像単位でデータ転送を行う、所謂フレーム時分割の転送形式である。図65(c)は、視点画像M2に続いて、視点画像M1の画素データを転送する例である。第3実施形態で説明したように、第4実施形態においても、ラインメモリによる処理を可能とするために、視点画像データを列毎に転送する。図65(c)に示すように、M2(1,1)RGBから転送を開始した場合、続いて、M2(2,1)RGB、M2(3,1)RGB、・・・、とデータ転送を行いM2(i,1)RGBに至ると、次は、M2(1,2)RGB、M2(2,2)RGB、M2(3,2)RGB、・・・M2(i,2)RGBと転送する。同様に転送を繰り返し、視点画像M2のj列目、M2(i,j)RGBまでのデータ転送が終了すると、次に視点画像M1のデータ転送をM1(1,1)RGBから開始する。続いて、M1(2,1)RGB、M1(3,1)RGB、・・・M1(i,1)RGBと1列目のデータ転送を行い、同様に2列目、3列目・・・と転送を行い、視点画像M1のj列目、M1(i,j)RGBまでのデータ転送が終了する。
【0223】
次に、図66を用いて第4実施形態における画像データの並び換え処理、駆動方法について説明する。なお、第4実施形態の1動作例として、図8のように画像分離手段(30)が表示部50(図61)に設置され、図9に示す配列パターンをもつ表示パネル20(図61)を駆動する例を用いる。図66は、図7に示す4行6列の画素からなる視点画像M1/M2の画像データが、前述(図65(c))の転送方式に従い入力されたとき、前述の表示パネルへ、走査線単位で合成画像データを出力するタイミングチャートである。図66のTは、表示パネルの1走査期間を示し、入力データは図7に示す視点画像M1/M2の列単位の転送を示す。L1、L2は、入力される各視点用画像データの1列分を格納できるラインメモリである。
【0224】
第4実施形態においては、入力画像データを全て書き込み保存できる画像メモリを持たないため、図66に示すように、1視点の入力画像データの転送期間毎に、表示パネルの全ての走査線を走査する。走査時には、選択される走査線に接続されるサブ画素のうち、ラインメモリにデータが格納されている視点用のサブ画素には、ラインメモリからデータを読み出し、ラインメモリにデータがない視点用のサブ画素は、その視点画像表示が黒表示(最低輝度表示)となるデータを出力する。図66のBlackは、前述の黒表示となるデータを示している。
【0225】
図66を詳細に説明する。T=1、T=2の期間(以後T1、T2と略す)で、M2の1列目のデータをL1に格納する。続いて、T3、T4で、L1に格納されたデータを用いて、第1実施形態で説明したラインデータ出力処理(図32〜図39)を行う。このとき、図33に示すステップS5720において、kがM1を指定する値の場合は、PDに先の黒データを与える。また、T3、T4で、走査線G1、G2の合成画像データの出力動作と並列に、M2の2列目のデータをL2に格納する。次に、T5、T6で、L2に格納されたデータを用いて、先の説明と同様の処理で、走査線G3、G4の合成画像データを出力する。また、L1に格納されたM2の1列目のデータは、T4で読み出しが完了しているため、T5、T6では、M2の3列目のデータをL1に格納する。以後、同様の処理を繰り返し、T15において、走査線G13までの合成画像データの出力が完了する。なお、T13からT15における入力データは、無効データとして斜線で示しており、所謂ブランキング期間である。次に、T16、T17で、M1の1列目のデータをL1に格納する。また、T17から走査線G1へのラインデータ出力処理(図32〜図39)を開始する。このとき、先に説明した様に、図33に示すステップS5720において、kがM2を指定する値の場合は、PDに先の黒データを与える。続いて、T18、T19で、L1に格納されたデータを用いて、走査線G2、G3の合成画像データを出力する。また、この出力動作と並列に、M1の2列目のデータをL2に格納する。以後、上記の説明と同様の処理を繰り返し、T29において、走査線G13までの合成画像データの出力が完了する。
【0226】
以上のように動作する第4実施形態においては、必要となる画像データのメモリ領域は、図66のラインメモリL1、L2分、すなわち、入力される視点画像データの2列分である。図67に、図7に示す第2視点用画像データM2の1列目と2列目と、図9に示す配列パターンをもつ表示パネルのサブ画素との対応関係を示す。図67より、第4実施形態で必要となる画像データのメモリ領域を、表示パネルのサブ画素単位で表すと、走査線2本分(ただし、G1及びGm+1を除く)に接続されるサブ画素の個数分となる。言い換えると、表示部がn行かつm列のサブ画素で構成されるとき、必要となるメモリ領域は、サブ画素n×2個分である。
【0227】
以上、第4実施形態について、画像分離手段が、図8に示すように、表示部50(図61)の奇数列のサブ画素がM2(右目用)、偶数列のサブ画素がM1(左目用)となっている例を用いて説明した。しかし、画像分離手段は、図20に示すように、表示部50(図61)の奇数列のサブ画素がM1(左目用)、偶数列のサブ画素がM2(右目用)となっている場合でも、本実施形態を適用可能である。また、図9に示す配列パターンから構成される表示部を例に説明したが、本実施形態はこれに限らず、第1実施形態において説明したように、サブ画素配列の規則性と、パラメータ設定により、多様な配列パターンへの適用もできる。
【0228】
[効果]
第4実施形態においては、画像メモリを走査線2本分のサブ画素データ相当のラインメモリにまで削減することができるため、表示コントローラの回路規模を大幅に削減でき、低コスト化を可能とする。更に、大きさも小さくすることが可能となり、例えば、表示コントローラをデータ線駆動回路に内蔵する等、表示コントローラを搭載する場所の選択肢が増えるという効果がある。
【0229】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る表示装置について説明する。第5実施形態は、第4実施形態と同じ入力画像データの転送形式(所謂フレーム時分割の転送形式)を用い、第4実施形態と同様に、画像メモリとして走査線2本分のサブ画素データ相当のラインメモリラインメモリを用いる。第4実施形態に対しては、データ線を駆動するデータ線駆動回路の構成が異なる。第5実施形態に用いるデータ線駆動回路は、表示部の偶数番目のデータ線と奇数番目のデータ線とを、交互にハイインピーダンス状態にする。
【0230】
第5実施形態の構成について、図68を用いて説明する。図68は、本実施形態において、第4実施形態と異なるデータ線駆動回路85を用いた表示パネル20(図61)である。ここで、図62に示す第3、第4実施形態の構成と同じ部分についは、同符号を用い説明を略す。図68に示す第5実施形態に用いるデータ線駆動回路の1例は、他の実施形態で用いたデータ線駆動回路80(以下、単に「回路80」という。)の出力側に選択回路87を加えた構成である。選択回路87は、信号SEL88に応じて、奇数番出力/偶数番出力毎に接続/切断を切り替えるスイッチ機能を備える。なお、図68では、奇数番出力が接続され、偶数番出力が切断されている状態を示している。選択回路87によって、回路80の出力から切断されるデータ線は、ハイインピーダンス状態となる。
【0231】
次に、第5実施形態の動作について、図69を用いて説明する。図69は、第4実施形態で用いた図66と同様に、図7に示す4行6列の画素からなる視点画像M1/M2の画像データが、図65(c)の転送方式に従い入力されたとき、図68に示す表示パネルへ、走査線単位で合成画像データを出力するタイミングチャートである。なお、表示部50は、図9に示す配列パターンからなり、図8に示すように画像分離手段が設置されているものとする。
【0232】
図69のT、入力データ、ラインメモリL1及びL2、出力については、第4実施形態で説明した図66と同じであるため、同じ符号を用いて詳細説明は略す。図69のSELは、図68に示す選択回路87を制御する信号であり、SEL=Hのとき回路80の出力と偶数番目のデータ線とが接続され、奇数番目のデータ線がハイインピーダンス状態となり、SEL=Lのときは、データ線の偶数奇数の関係が入れ替わる。
【0233】
T2において、SEL=Hとなると、奇数のデータ線がハイインピーダンス状態となる。次に、T3、T4では、第4実施形態で説明したように、ラインメモリL1に格納された入力M2(1列)のデータから、走査線G1、G2の合成画像データが出力される。この期間、合成画像データの生成にあたり、M1の入力画像データはない。しかし、本動作例において、M1視点用のサブ画素が奇数のデータ線と接続しており、SEL=Hによりハイインピーダンス状態となっている奇数データ線と接続するサブ画素では、走査線が選択されても書き込みは行われない。したがって、合成画像データの生成において、kがM1を指定する場合のPDは無効であり、例えば第4実施形態と同様に黒データを与えればよい。つまり、T2からT16に至る期間において行われる処理動作は、第4実施形態と同じで済むため、説明を略する。
【0234】
T16において、SEL=Lとなると、偶数のデータ線がハイインピーダンス状態となる。本動作例において、偶数のデータ線と接続されるサブ画素はM2視点用である。ハイインピーダンス状態のデータ線と接続しているサブ画素では、走査線が選択された場合でも書き込みが行われない。このため、先のT3からT14の期間において書き込まれた状態を保持する。また、先に説明したように、合成画像データの生成に関わる処理動作は、第4実施形態と同じで済むため、説明を略す。
【0235】
上記のように第5実施形態においては、入力画像データの視点に対応して、奇数/偶数のデータ線のハイインピーダンス状態を、全走査線の走査期間毎に繰り返す。これより、各視点用のサブ画素単位で、全走査線の走査期間毎に、データの書き込みと、書き込まれた状態の保持とが繰り返される。なお、必要となる画像データのメモリ領域は、第4実施形態と同様に、ラインメモリL1、L2、すなわち、入力される視点画像データの2列分であり、サブ画素単位で表すと、走査線2本分(ただし、G1及びGm+1を除く)に接続されるサブ画素の個数分となる。
【0236】
以上、第5実施形態を構成するデータ線駆動回路について、図68を用いて説明したが、表示部の偶数番目のデータ線と奇数番目のデータ線とを、交互にハイインピーダンス状態にできる機能を備えれば、これに限るものではない。例えば、図70に示すデータ線駆動回路の構成も可能である。図70では、先の選択回路87の構成を、選択回路89のように変えたものである。この場合、図68の回路80の出力数を、図70に示す回路86のように半分に削減することが可能であり、回路規模の縮小が可能となる。さらには、図68と、図70を組み合わせた図71に示すデータ線駆動回路の構成も可能である。
【0237】
また、第5実施形態の説明において、図68では、12行12列のサブ画素からなる1例を用いたが、表示部は、これに限るものではなく、n行かつm列のサブ画素で構成される。また、画像分離手段が、図8に示すように表示部に設置される例を用いて説明したが、画像分離手段は、図20に示すように設置されてもよい。また、図9に示す配列パターンから構成される表示部を例に説明したが、本実施形態はこれに限らず、第1実施形態において説明したように、サブ画素配列の規則性と、パラメータ設定により、多様な配列パターンへの適用もできる。
【0238】
[効果]
第5実施形態においては、第4実施形態と同様の画像メモリをラインメモリに削減する効果に加え、第4実施形態と比較すると、黒表示を行わないため、明るい表示画面の提供が可能となる。
【0239】
以上、上記各実施形態を参照し本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解しえる様々な変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0240】
本発明は、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯端末、その他表示装置一般(ノートパソコン等)などに適用できる。
【符号の説明】
【0241】
11;縦方向
12;横方向
15;バックライト
16;光線
17;観察面
20;表示パネル
25;ガラス基板
26;液晶層
27;対向基板
30;レンチキュラレンズ(画像分離手段)
30a;シリンドリカルレンズ
40、40a、40a’、40b、40b’、41、42;サブ画素
43;半導体層
44;蓄積容量
45;画素電極
46;TFT(スイッチング手段)
47、48、49;コンタクトホール
50;表示部
51;パラメータ情報
60;走査線駆動回路
61、81;制御信号
70;配線
75;開口部
76;遮光部
80、85、85A;データ線駆動回路
90;データバス
95;アドレスバス
100、101、102;表示コントローラ
110、112;書き込み制御手段
120;画像メモリ
122;ラインメモリ
130、131、132;読み出し制御手段
140、141;パラメータ記憶手段
150;タイミング制御手段
160;入力データ並び換え手段
200;表示モジュール
P2R、P2L;上下サブ画素対
G1、Gx、Gm、Gm+1;走査線
D1、Dy、Dn、Dn+1;データ線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを出力する表示コントローラであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを記憶する画像メモリと、
外部から入力した前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出して前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示コントローラ。
【請求項2】
前記表示モジュールに対応する読み出し順序は、前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序である、
ことを特徴とする請求項1記載の表示コントローラ。
【請求項3】
前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段を、
更に備えたこと特徴とする請求項2記載の表示コントローラ。
【請求項4】
前記表示部は、1本の前記データ線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記データ線に共通に接続され、かつ異なる前記走査線に制御され、
前記データ線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記データ線に接続されるように配置される、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の表示コントローラ。
【請求項5】
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
前記読み出し制御手段は、
y本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項4記載の表示コントローラ。
【請求項6】
外部から入力した3視点以上の前記視点画像データを2視点の前記視点画像データに並び換える入力データ並び換え手段を、更に備え、
前記書き込み制御手段は、外部から入力した前記視点画像に代えて、前記入力データ並び換え手段で並び換えられた前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む機能を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項7】
前記画像メモリは、少なくとも前記サブ画素のn行2列分のデータ記憶領域を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示コントローラと、
前記表示モジュールと、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成する画像処理方法であって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込み、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
前記表示モジュールに対応する読み出し順序は、前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序である、
ことを特徴とする請求項9記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記表示部は、1本の前記データ線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記データ線に共通に接続し、かつ異なる前記走査線に制御され、
前記データ線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記データ線により前記スイッチング手段が接続されるように配置され、
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成するとき、
前記読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す際に、
y本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置を示すパラメータをパラメータ記憶手段に記憶し、
前記パラメータ記憶手段から読み出すパラメータによって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項10又は11記載の画像処理方法。
【請求項13】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成するための画像処理プログラムであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込む手順と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す手順と、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順と、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項14】
前記表示モジュールに対応する読み出し順序は、前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序である、
ことを特徴とする請求項13記載の画像処理プログラム。
【請求項15】
前記表示部は、1本の前記データ線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記データ線に共通に接続し、かつ異なる前記走査線に制御され、
前記データ線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記データ線により前記スイッチング手段が接続されるように配置され、
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成するとき、
前記読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す手順において、
y本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項14記載の画像処理プログラム。
【請求項1】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを出力する表示コントローラであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを記憶する画像メモリと、
外部から入力した前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む書き込み制御手段と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出して前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する読み出し制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示コントローラ。
【請求項2】
前記表示モジュールに対応する読み出し順序は、前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序である、
ことを特徴とする請求項1記載の表示コントローラ。
【請求項3】
前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段を、
更に備えたこと特徴とする請求項2記載の表示コントローラ。
【請求項4】
前記表示部は、1本の前記データ線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記データ線に共通に接続され、かつ異なる前記走査線に制御され、
前記データ線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記データ線に接続されるように配置される、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の表示コントローラ。
【請求項5】
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
前記読み出し制御手段は、
y本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項4記載の表示コントローラ。
【請求項6】
外部から入力した3視点以上の前記視点画像データを2視点の前記視点画像データに並び換える入力データ並び換え手段を、更に備え、
前記書き込み制御手段は、外部から入力した前記視点画像に代えて、前記入力データ並び換え手段で並び換えられた前記視点画像データを前記画像メモリに書き込む機能を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項7】
前記画像メモリは、少なくとも前記サブ画素のn行2列分のデータ記憶領域を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示コントローラ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示コントローラと、
前記表示モジュールと、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成する画像処理方法であって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込み、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出し、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
前記表示モジュールに対応する読み出し順序は、前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序である、
ことを特徴とする請求項9記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記表示部は、1本の前記データ線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記データ線に共通に接続し、かつ異なる前記走査線に制御され、
前記データ線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記データ線により前記スイッチング手段が接続されるように配置され、
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成するとき、
前記読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す際に、
y本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置を示すパラメータをパラメータ記憶手段に記憶し、
前記パラメータ記憶手段から読み出すパラメータによって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項10又は11記載の画像処理方法。
【請求項13】
走査線により制御されるスイッチング手段を介してデータ線と接続するサブ画素が、m,nを自然数としたときにn行かつm列に配列され、n+1本の前記データ線及びm+1本の前記走査線により駆動される表示部と、
前記サブ画素から出る光を当該サブ画素単位で前記データ線の延伸方向に複数の視点に向ける画像分離手段と、
を備えた表示モジュールへ、
合成画像データを生成するための画像処理プログラムであって、
前記複数の視点に対して視点画像データを、外部から入力して画像メモリに書き込む手順と、
前記表示モジュールに対応する読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す手順と、
読み出した前記視点画像データを前記合成画像データとして前記表示モジュールへ出力する手順と、
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項14】
前記表示モジュールに対応する読み出し順序は、前記画像分離手段と前記表示部との位置関係並びに前記サブ画素の配列、色数及び色配置によって決定される繰り返し規則で求められる読み出し順序である、
ことを特徴とする請求項13記載の画像処理プログラム。
【請求項15】
前記表示部は、1本の前記データ線を挟み配置された2つの前記サブ画素からなる上下サブ画素対を基本単位として構成され、
前記2つのサブ画素がそれぞれ有する前記スイッチング手段は、当該2つのサブ画素に挟まれた前記データ線に共通に接続し、かつ異なる前記走査線に制御され、
前記データ線の延伸方向に隣り合う前記上下サブ画素対は、それぞれ異なる前記データ線により前記スイッチング手段が接続されるように配置され、
前記サブ画素の色数が第1色、第2色及び第3色の3色であり、
yを自然数としたとき、y本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+1本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+2本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+3本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第1色であり他方が前記第2色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成し、
y+4本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第2色であり他方が前記第3色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の一方を形成し、
y+5本目の前記データ線に接続する前記上下サブ画素対の二つのサブ画素は、一方が前記第3色であり他方が前記第1色であり、前記表示部の偶数列及び奇数列の他方を形成するとき、
前記読み出し順序に従って、前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す手順において、
y本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+1本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+2本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+3本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第1色及び前記第2色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像であって、
y+4本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第2色及び前記第3色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の一方に対応する視点画像であって、
y+5本目の前記データ線に対応して、読み出す色が前記第3色及び前記第1色であり、読み出す視点画像が前記表示部の偶数列及び奇数列の他方に対応する視点画像である読み出し順序に従って、
前記画像メモリから前記視点画像データを読み出す、
ことを特徴とする請求項14記載の画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【公開番号】特開2010−266850(P2010−266850A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67645(P2010−67645)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(303018827)NEC液晶テクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(303018827)NEC液晶テクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】
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