説明

表示モジュール、当該表示モジュールを用いる電子デバイス、および、表示方法

【課題】 本発明は、表示モジュール、当該表示モジュールを用いる電子デバイス、表示方法を提供する。
【解決手段】 当該表示モジュールは、電子デバイスにおいて電子デバイスの電子素子の状態を表示するべく利用される。当該表示モジュールは、光誘導部と、複数の発光部と、制御部とを備える。光誘導部は、光入射面および光射出面を有する。複数の発光部は、光入射面に隣接して配設されている。制御部は、複数の発光部に結合されており、且つ、複数の電流の組み合わせのうち1つを選択的に用いて複数の発光部を制御する。複数の発光部から照射された光は、光入射面から光誘導部に入射して、光射出面を通過して、継続的に表示効果を実現する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この非仮出願は、2009年9月29日に中華民国台湾で出願された特許出願第098132871号から米国特許法第119条(a)に基づき優先権を主張する。当該台湾特許出願の内容は全て参照により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、表示モジュール、当該表示モジュールを用いた電子デバイス、および表示方法に関する。特に、発光部を制御するための電流の組み合わせを生成して、電子デバイスの電子素子の状態に応じて継続的に表示効果を実現する表示モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
今日において、普通のパーソナルコンピュータまたはノート型コンピュータ等、さまざまな新世代の電子デバイスにおいて、コンピュータソフトウェアによって電子デバイスの電子素子(例えば、ハードディスクまたはメモリ)の使用空間容量または残存空間容量を表示することが可能となっている。このような電子デバイスはさらに、ハードウェアによって現在の空間容量の状態を表示することもできる。例えば、電子デバイスの表示モジュールは、複数の発光ダイオードの発光状態を制御することによって、セクション化モードにおける電子素子の使用/残存空間容量を表示することができる。
【0004】
図1Aは、セクション化モードにおいて電子素子の現在の使用/残存空間容量を表示する従来の表示モジュールを示す概略図である。図1Aにおいて、表示領域10Aから10Cは明るく、表示領域10Dおよび10Eは明るくなっていない。このため、表示モジュールの表示状態によると、電子素子の使用空間容量は60%に達しており、残存空間容量は約40%であることが分かる。
【0005】
図1Bは、図1Aに示した表示領域に対応する発光ダイオードの発光状態を示す概略図である。図1Bを参照しつつ説明すると、発光ダイオード12Aから12Eはそれぞれ、表示領域10Aから10Eに対応する。電子素子の使用空間容量が60%に達している場合、発光ダイオード12Aから12Cが発光し、発光ダイオード12Dおよび12Eは発光しない。
【0006】
上述した従来のセクション化方式の表示モードでは、電子素子の現在の使用/残存空間容量を大まかに表示することができる。しかし、多くの欠点がある。
【0007】
第一に、従来の表示モジュールでは、複数の発光ダイオードがそれぞれ、複数の表示領域と一対一で対応するように配設されているので、表示モジュールが複数のセクションを正確に表示する必要がある場合には、同数の発光ダイオードが必要となる。しかし、このような構成とすると、表示モジュールの製造コストが大幅に増加してしまう。例えば、表示モジュールが10個のセクションを用いて電子素子の残存/使用容量を表示する場合、つまり、表示モジュールの表示領域が10個ある場合、セクション毎に表示するためには、表示モジュールに10個の発光ダイオードを設ける必要がある。より詳細な表示が求められると、表示モジュールに設ける発光ダイオードの数も増やす必要がある。このため、製造コストが増加してしまう。
【0008】
また、上述したような方法では、隣接した明るい表示領域同士の間に暗い領域が形成されることがある。例えば、図1Aに示すように、明るい表示領域10Aと10Bとの間に、暗い領域D1が形成されており、明るい表示領域10Bと10Cとの間に、暗い領域D2が形成されている。明るくなっている表示領域全体を見ると不連続に見えてしまう。これは、明るい領域と暗い領域との間の相違が非常に明確であるためであり、このためデザイン全体の美観およびユーザの使用感を損ねてしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、先行技術と比較して改善された表示モジュール、当該表示モジュールを用いた電子デバイス、および表示方法を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態によると、表示モジュールが提供される。当該表示モジュールは、電子デバイスの電子素子の状態、例えば、電子素子の現在の残存容量または使用容量を表示するべく利用される。当該表示モジュールは、光誘導部と、複数の発光部と、制御部とを備える。光誘導部は、光入射面および光射出面を有する。複数の発光部は、光誘導部の光入射面に隣接して配設されている。制御部は、複数の発光部に結合されており、且つ、複数の電流の組み合わせのうち1つを選択的に用いて複数の発光部を制御する。複数の発光部から照射された光は、光入射面から光誘導部に入射して、光射出面を通過して、継続的に表示効果を実現する。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、電子素子および表示モジュールを備える電子デバイスが提供される。当該表示モジュールは、電子素子の状態を表示するために利用される。当該表示モジュールは、光誘導部と、複数の発光部と、制御部とを備える。光誘導部は、光入射面および光射出面を有する。複数の発光部は、光誘導部の光入射面に隣接して配設されている。制御部は、複数の発光部に結合されており、且つ、複数の電流の組み合わせのうち1つを選択的に用いて複数の発光部を制御する。複数の発光部から照射された光は、光入射面から光誘導部に入射して、光射出面を通過して、継続的に表示効果を実現する。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、電子デバイスの電子素子の状態を表示するための表示方法が提供される。当該表示方法は、以下の段階を備える。最初に、光誘導部、複数の発光部、および制御部を有する表示モジュールを用意する。そして、光学的シミュレーション結果を生成する。そして、制御部は、複数の電流の組み合わせのうち1つを用いて、光学的シミュレーション結果に応じて発光部を制御する。最後に、発光部から照射された光は、光誘導部に入射して、継続的に表示効果を実現する。
【0013】
本発明は、電子デバイスの電子素子の状態に応じて複数の発光ダイオードを制御するための電流の組み合わせを生成して、継続的に表示効果を実現する表示モジュール、当該表示モジュールを用いた電子デバイス、および表示方法を提供する。当該表示モジュールは、光学的シミュレーションソフトウェアによって、電流の組み合わせと表示効果との間の対応関係をシミュレーションするので、さまざまな異なる電流量の組み合わせを用いて、電子素子の現在の使用/残存空間容量を表示する際に制御する発光ダイオードの数を減らすことができる。このため、表示モジュールの製造コストを大幅に削減することができ、表示モジュールの明るい表示領域が連続して見えないという先行技術における欠点を改善するという効果が得られる。
【0014】
本発明の上記およびその他の特徴、側面、および利点は、以下に記載する説明、請求項、および添付図面を参照することによって理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】セクション化モードにおいて電子素子の現在の使用/残存空間容量を表示する従来の表示モジュールを示す概略図である。
【0016】
【図1B】図1Aに示した表示領域に対応する発光ダイオードの発光状態を示す概略図である。
【0017】
【図2】本発明の第1の実施形態に係る表示モジュールを示す概略図である。
【0018】
【図3】図2に示す表示モジュールが、電子素子から状態信号を受信して、各発光ダイオードに電流の組み合わせを出力する様子を示す概略図である。
【0019】
【図4A】図3に示す制御部を示す機能ブロック図である。
【0020】
【図4B】図4Aに示すルックアップテーブルを示す図である。
【0021】
【図4C】図4Aに示す、パルス幅が異なるパルス幅変調信号を示す図である。
【0022】
【図5A】本発明の別の実施形態に係る、図3に示す制御部を示す機能ブロック図である。
【0023】
【図5B】図5Aに示す論理回路を示す機能ブロック図である。
【0024】
【図6】本発明の第3の実施形態に係る表示方法を示すフローチャートである。
【0025】
【図7】本発明の第4の実施形態に係る表示方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の第1の実施形態によると、表示モジュールが提供される。当該表示モジュールは、実際には、電子デバイス(例えば、パーソナルコンピュータまたは産業用コンピュータ)において、電子デバイスの電子素子(例えば、ハードディスクまたは電源デバイス)の状態を表示するべく利用される。例えば、電子素子の現在の残存容量または使用容量を表示するべく利用される。しかし、本発明はこれに限定されない。また、当該表示モジュールは、電子デバイスに配設されて電子素子と結合されるとしてもよいし、または、電子デバイスの電子素子に外部から結合されるとしてもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示モジュールを示す概略図である。図2に示すように、表示モジュール2は、光誘導部21と、筐体22とを備える。光誘導部21は、光入射面214と、光射出面211と、表面処理層210とを有しており、表面処理層210は、光射出面211を覆っている。実際に応用する場合には、表面処理層210は、光射出面211を覆う構成に限定されず、霧化処理またはテクスチャ処理等のさまざまな表面処理方法によって、光射出面211上に形成されるとしてもよい。また、表面処理層210は、光入射面214を覆うように構成されるか、または、さまざまな表面処理方法によって光入射面214上に形成されるとしてもよい。表面処理層210は、光誘導部21の材料から形成されるとしてもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0028】
発光ダイオード220Aから220Dは、筐体22に配設されており、光誘導部21の光入射面214に隣接している。このため、発光ダイオード220Aから220Dから照射される光は、光誘導部21の光入射面214へと向かい、光入射面214から光誘導部21へと入射する。制御部222は、筐体22内に配設されており、発光ダイオード220Aから220Dと結合されて、発光ダイオード220Aから220Dを発光させるか否か、および、光の強度または明度を制御する。また、光誘導部21にはさらに、孔212Aから212Cが設けられており、孔212Aから212Cの位置はそれぞれ、2つの隣接する発光ダイオードの間の位置に対応する。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0029】
表示モジュール2に設けられる発光ダイオードおよび孔の数および位置は、実際には、必要に応じて決めることができる。しかし、本発明はこれに限定されない。また、発光ダイオード220Aから220Dは、表面実装型デバイス(SMD)の発光ダイオード、デュアル・イン・ライン・パッケージ(DIP)発光ダイオード、またはその他の種類の発光ダイオードであってよい。光誘導部21は、光パイプ、または、光誘導機能を持つその他の光学素子であってよく、光誘導部21は、透明であって、プラスチックから形成されているとしてよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0030】
図3は、図2に示す表示モジュール2が、電子デバイス3の電子素子30の状態を検出して、電子素子30から状態信号Sを受信して、状態信号Sに応じて対応する電流の組み合わせIからIを発光ダイオード220Aから220Dに出力する様子を示す概略図である。図3に示すように、表示モジュール2の制御部222は、電子デバイス3の電子素子30に結合されている。制御部222は、電子素子30から状態信号Sを受信した後、状態信号Sに応じて、発光ダイオード220Aから220Dのそれぞれに対応する電流の組み合わせIからIを生成することができる。そして、制御部222は、発光ダイオード220Aから220Dのそれぞれに対して電流の組み合わせIからIを出力して、発光ダイオード220Aから220Dを制御する。発光ダイオード220Aから220Dから照射される光は、光誘導部21に入射して、継続して表示効果を実現する。つまり、光誘導部21の光入射面214、光射出面211、および表面処理層210を通過した光によって実現される表示領域は連続しているので、先行技術に係る課題が効果的に解決される。
【0031】
実際に実現される表示効果は、発光ダイオード220Aから220Dから照射されて、且つ、光射出面211および表面処理層210を通過する光の表示領域のサイズに対応する。表示効果はさらに、光の表示明度の強度に対応し、表示明度の強度は、発光ダイオード220Aから220Dを制御する電流の組み合わせに対応する。このため、本発明によると、表示明度の強度および明度は、発光ダイオード220Aから220Dに対する電流の組み合わせを調整することによって制御することができる。また、状態信号Sは、電子素子30の状態情報、例えば、電子素子30の現在の残存容量情報または使用容量情報等を含み得る。電子素子30は、ハードディスク、メモリ、または充電器等の電子デバイスであってよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0032】
本明細書の以下の部分では、状態信号Sに応じて表示モジュール2の制御部222が発光ダイオード220Aから220Dを制御する電流の組み合わせIからIを生成するさまざまなモードを説明する。
【0033】
図4Aは、制御部222を示す機能ブロック図である。図4Aに示すように、制御部222は、制御素子2220、および、積分回路2222Aから2222Dを有する。制御素子2220には、ルックアップテーブル22200が含まれており、ルックアップテーブル22200は光学的シミュレーション結果を格納している。積分回路2222Aから2222Dは、積分機能を持つ回路であって、種類は限定されない。
【0034】
光学的シミュレーション結果は、光学的シミュレーションソフトウェアによるシミュレーションによって得られるものであり、電子素子30の状態と、発光ダイオードを制御する電流の組み合わせと、表示効果との対応関係を表す。光学的シミュレーションソフトウェアは、Lighttools、TracePro、または光学的シミュレーション機能を持つその他のソフトウェアであってよい。しかし、本発明はこれに限定されない。光学的シミュレーション結果に影響を及ぼす要因は多数存在する。光学的シミュレーション結果は、発光ダイオード220Aから220Dおよび光誘導部21の数および位置に加えて、孔212Aから212Cの数および位置、または、表面処理層210が光入射面214または光射出面211のいずれを被覆しているか等のその他の要因にも影響される。
【0035】
制御素子2220は、電子素子30から状態信号Sを受信すると、ルックアップテーブル22200を参照して、電子素子30の現在の状態に対応する電流の組み合わせIからIを検索することができる。
【0036】
一例を挙げると、図4Bは、光学的シミュレーションによって得られた電流の組み合わせIからIと電子素子30の使用空間容量との対応関係を示すルックアップテーブルを示す図である。制御素子2220は、状態信号Sに応じて電子素子30の使用空間容量が40%であると検出した場合、ルックアップテーブル22200を参照して、対応する電流の組み合わせIからIはそれぞれ、3mA、5mA、3mA、および、0であるとする。
【0037】
図4Aに戻って説明を続けると、制御素子2220は、ルックアップテーブルを参照して電流の組み合わせIからIの値を取得すると、積分回路2222Aから2222Dに対して、電流の組み合わせIからIに対応するパルス幅変調信号PWMからPWMを出力することができる。そして、積分回路2222Aから2222Dによる積分によって、電流の組み合わせIからIを生成して、発光ダイオード220Aから220Dを制御する。
【0038】
制御素子2220から出力されるパルス幅変調信号PWMからPWMのパルス幅WからWが大きくなるほど、対応する等価電圧VからVも大きくなる。等価抵抗を一定とすると、電流の組み合わせIからIは大きくなる。このため、パルス幅WからWと、電流の組み合わせIからIとの対応関係もさらにルックアップテーブルに記録して、制御部222が読み出して利用できるようにすることも可能である。図4Cでは、電流の組み合わせIからIの関係がI<I<I<Iの場合、制御素子2220から出力されたパルス幅変調信号PWMからPWMのパルス幅WからWの関係は、W<W<W<Wとなる。このため、制御素子2220は、パルス幅が異なるパルス幅変調信号を出力することによって発光ダイオード220Aから220Dの制御電流を調節して、発光ダイオード220Aから220Dの明度(例えば、発光ダイオード220Aから220Dを発光させるか否か、または、発光ダイオード220Aから220Dの強度および明度)を変更させて、さまざまな表示効果を継続して実現することができる。
【0039】
電流の組み合わせIからIを生成するモードは上述のモード以外にもあり、図5Aは、本発明の別の実施形態に係る図3の制御部222を示す、つまり、電流の組み合わせIからIを生成する別のモードを示す機能ブロック図である。図5Aに示すように、制御部222は、制御素子2220と、論理回路2224Aから2224Dとを有する。制御素子2220は、電子素子30から状態信号Sを受信すると、状態信号Sに含まれている電子素子30の現在状態情報に応じて、ルックアップテーブル22200から、電子素子30の現在の状態に対応する電流の組み合わせIからIの値を検索することができる。
【0040】
制御素子2220は、電流の組み合わせIからIに応じて、論理回路2224Aから2224Dに対して、汎用入出力信号GPIOからGPIOを出力する。そして、論理回路2224Aから2224Dは、発光ダイオード220Aから220Dに対して電流の組み合わせIからIを出力して、発光ダイオード220Aから220Dを制御する。
【0041】
論理回路の詳細な回路構成は、図5Bに示す。図5Bは、図5Aに示す論理回路を示す機能ブロック図、つまり、本発明の一実施形態に係る論理回路2224Aを示す回路図である。図5Bに示すように、論理回路2224Aは、スイッチ素子SW1からSW3、および、抵抗器R1からR3から構成されている。実際には、論理回路2224Aを構成するスイッチ素子および抵抗器の種類および数は、必要に応じて決めることができる。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0042】
本実施形態によると、制御素子2220から論理回路2224Aに対して出力される汎用入出力信号GPIOは、スイッチ素子SW1からSW3をオンまたはオフに制御して、特定の動作電圧Vの場合の等価抵抗を変更して、論理回路2224Aから最終的に出力される制御電流Iを調整することができる。
【0043】
一例を挙げると、論理回路2224Aにおいて、汎用入出力信号GPIOに応じてスイッチ素子SW1およびSW3をオンに、且つ、スイッチ素子SW2をオフにすると、抵抗器R2のみがノードNと接続され、抵抗器R1およびR3はノードNに接続されていない。このため、発光ダイオード220Aから220Dが接地されていて、スイッチ素子SW2の抵抗が無視される場合には、論理回路2224Aから最終的に出力される制御電流Iは、(V/R2)となる。
【0044】
一方、論理回路2224Aにおいて、汎用入出力信号GPIOに応じて全てのスイッチ素子SW1からSW3がオフに制御されていると、抵抗器R1からR3がノードNに接続される。このため、論理回路2224Aから最終的に出力される制御電流Iは、(V/R1)+(V/R2)+(V/R3)となる。この場合、論理回路2224Aから出力される制御電流(V/R1)+(V/R2)+(V/R3)は、制御電流(V/R2)よりも大きい。このため、この場合、発光ダイオード220Aの明度はより高くなる。したがって、発光ダイオード220Aから220Dの明度を変えて、表面処理層210における明度を変化させつつ継続して表示効果を実現することができる。
【0045】
本発明の第2の実施形態によると、電子デバイスが提供される。当該実施形態に係る電子デバイスは、電子素子および表示モジュールを備える。表示モジュールは、電子素子の状態、例えば、電子素子(例えば、メモリまたは電池)の残存容量または使用容量を表示するべく、電子素子に結合されている。しかし、本発明はこれに限定されない。表示モジュールは、光誘導部と、複数の発光部と、制御部とを有する。光誘導部には、光入射面および光射出面が設けられている。発光部は、光誘導部の光入射面に隣接して配設されている。制御部は、複数の電流の組み合わせのうち1つを選択的に利用して、発光部を制御する。発光部から照射される光は、光入射面から光誘導部に入射して、光射出面を通過して、継続的に表示効果を実現する。本実施形態に係る電子デバイスおよび表示モジュールの動作の詳細は、第1の実施形態と同じである。このため、明細書を簡潔に記載するべく、詳細な説明は省略する。
【0046】
本発明の第3の実施形態によると、表示方法が提供される。実際に応用する場合には、当該表示方法は、電子デバイスの電子素子の状態、例えば、電子素子の残存容量または使用容量を表示する際に利用される。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0047】
図6は、表示方法を示すフローチャートである。図6に示すように、最初にステップS12が実行される。光誘導部と、複数の発光部と、制御部とを備える表示モジュールが用意される。
【0048】
その後、ステップS14が実行される。光学的シミュレーション結果に応じて、パルス幅が異なる複数のパルス幅変調信号を出力する。光学的シミュレーション結果は、電子素子の状態と、電流の組み合わせと、表示効果との対応関係を含み得る。光学的シミュレーション結果は、光学的シミュレーションソフトウェアによるシミュレーションによって得ることができる。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0049】
ステップS16において、パルス幅変調信号はそれぞれ、積分回路の積分によって電流の組み合わせを生成する。ステップS14およびステップS16の動作の詳細は、図4Aから図4Cおよびその説明を参照されたい。このため、明細書を簡潔に記載するべく、詳細な説明は省略する。
【0050】
この後、ステップS18が実行される。電流の組み合わせを出力して、発光部を制御して発光させる。ステップS19において、発光部から照射された光は、光誘導部に入射して、継続して表示効果を実現する。実際には、光誘導部は、光入射面と、光射出面と、表面処理層とを有する。発光部から照射された光は、光入射面から光誘導部に入射して、光射出面および表面処理層を通過して、継続して表示効果を実現する。また、表示効果は、光の表示領域のサイズおよび表示明度の強度に関連するとしてよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0051】
本発明の第4の実施形態によっても、表示方法が提供される。実際に応用する場合には、当該表示方法は、電子デバイスの電子素子の状態、例えば、電子素子の残存容量または使用容量を表示する際に利用される。しかし、本発明はこれに限定されない。図7は、当該表示方法を示すフローチャートである。図7に示すように、最初に、ステップS22が実行される。光誘導部と、複数の発光部と、制御部とを備える表示モジュールが用意される。
【0052】
その後、ステップS24が実行される。光学的シミュレーション結果に応じて、複数のスイッチ素子をオンまたはオフに制御するべく、複数の汎用入出力信号が出力される。光学的シミュレーション結果は、電子素子の状態と、電流の組み合わせと、表示効果との対応関係を含み得る。光学的シミュレーション結果は、光学的シミュレーションソフトウェアによるシミュレーションによって得ることができる。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0053】
そして、ステップS26において、特定の動作電圧において、スイッチ素子がオン状態にあるか、または、オフ状態にあるかに応じて抵抗を変化させて、電流の組み合わせを生成する。ステップS24およびステップS26の詳細な内容は、図5Aから図5Bおよび関連する説明を参照されたい。このため、明細書を簡潔に記載するべく、詳細な説明は省略する。
【0054】
この後、ステップS28が実行される。電流の組み合わせを出力して、発光部を制御して発光させる。ステップS29において、発光部から照射された光は、光誘導部に入射して、継続して表示効果を実現する。実際には、光誘導部は、光入射面と、光射出面と、表面処理層とを有する。発光部から照射された光は、光入射面から光誘導部に入射して、光射出面および表面処理層を通過して、継続して表示効果を実現する。また、表示効果は、表示モジュールの発光部から照射された光の表示領域のサイズおよび表示明度の強度に関連するとしてよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0055】
先行技術と比較すると、本発明は、電子デバイスの電子素子の状態に応じて、発光ダイオードの強度または明度を制御するべく、または、発光ダイオードを制御して発光させるべく、電流の組み合わせを生成することができ、したがって、継続して表示効果を実現することができる表示モジュールを開示する。さらに、電流の組み合わせと、表示効果との間の対応関係は、光学的シミュレーションモードにおいてシミュレーションされており、必要な発光ダイオードの数が少なくなる。一方、当該表示モジュールは、電子素子の現在の使用/残存空間容量を表示する際に、単に電流の組み合わせを変えることによって、より少数の発光ダイオードを制御することができる。本発明に係る表示モジュールの製造コストは大幅に削減され、明るい表示領域が不連続になってしまうという先行技術における問題も効率的に改善される。したがって、全体的なデザインの美観が改善され、ユーザの使用感も改善する。
【0056】
特定の好ましい実施形態を参照しつつ非常に詳細に本発明を説明してきたが、本開示内容は本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、さまざまな点で変形および変更を行い得る。このため、請求項の範囲は、上述した好ましい実施形態の説明に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスにおいて前記電子デバイスの電子素子の状態を表示するべく利用される表示モジュールであって、
光入射面および光射出面を有する光誘導部と、
前記光誘導部の前記光入射面に隣接して配設されている複数の発光部と、
前記複数の発光部に結合されており、且つ、複数の電流の組み合わせのうち1つを選択的に用いて前記複数の発光部を制御する制御部と
を備え、
前記複数の発光部から照射された光は、前記光入射面から前記光誘導部に入射して、前記光射出面を通過して、継続的に表示効果を実現する表示モジュール。
【請求項2】
前記制御部は、前記電子素子と結合されており、前記状態を検出して前記状態に応じて前記複数の発光部を制御する請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の電流の組み合わせのうち1つを用いて、前記電子素子の前記状態と、前記複数の電流の組み合わせと、前記表示効果との間の対応関係を含む光学的シミュレーション結果に応じて前記複数の発光部を制御する請求項1または2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記状態は、前記電子素子の残存容量または使用容量に対応する請求項1から3の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記表示効果は、前記複数の発光部から照射され、且つ、前記光射出面を通過する前記光の表示領域のサイズに対応する請求項1から4の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記表示効果は、前記複数の発光部から照射され、且つ、前記光射出面を通過する前記光の表示明度の強度に対応し、前記表示明度の前記強度は、前記複数の電流の組み合わせのうち1つに対応する請求項1から5の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記制御部は、パルス幅が異なる複数のパルス幅変調信号を出力し、積分回路の積分によって前記複数の電流の組み合わせを生成する請求項1から6の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記制御部は、複数のスイッチを有しており、前記制御部は、前記複数のスイッチをオンまたはオフに制御して、特定の動作電圧において抵抗を調節して、前記複数の電流の組み合わせを生成する請求項1から7の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項9】
前記複数の発光部は、表面実装型デバイス(SMD)の発光ダイオード、または、デュアル・イン・ライン・パッケージ(DIP)の発光ダイオードである請求項1から8の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項10】
前記光誘導部はさらに、前記光射出面または前記光入射面に形成されている表面処理層を有する請求項1から9の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項11】
前記表面処理層は、霧化処理層またはテクスチャ処理層である請求項10に記載の表示モジュール。
【請求項12】
前記光誘導部は、光パイプである請求項1から11の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項13】
前記光誘導部は、透明であり、プラスチックから形成されている請求項1から12の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項14】
前記光誘導部は、前記複数の発光部に対応する少なくとも1つの孔を有する請求項1から13の何れか1項に記載の表示モジュール。
【請求項15】
電子素子と、
前記電子素子に結合されており、前記電子素子の状態を表示する請求項1から14の何れか1項に記載の表示モジュールと
を備える電子デバイス。
【請求項16】
前記電子素子は、格納部または電源部である請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
電子デバイスの電子素子の状態を表示するための表示方法であって、
光誘導部、複数の発光部、および制御部を有する表示モジュールを用意する段階と、
前記制御部によって、複数の電流の組み合わせのうち1つを用いて、光学的シミュレーション結果に応じて前記複数の発光部を制御する段階と、
前記複数の発光部から照射されて、前記光誘導部に入射する光によって継続的に表示効果を実現する段階と
を備える表示方法。
【請求項18】
前記光学的シミュレーション結果は、光学的シミュレーションソフトウェアを実行することによって得られる請求項17に記載の表示方法。
【請求項19】
前記光学的シミュレーション結果は、前記電子素子の前記状態と、前記複数の電流の組み合わせと、前記表示効果との間の対応関係を含む請求項17または18に記載の表示方法。
【請求項20】
前記状態は、前記電子素子の残存容量または使用容量に対応する請求項17から19の何れか1項に記載の表示方法。
【請求項21】
前記光誘導部は、光入射面および光射出面を含んでおり、前記複数の発光部から照射された前記光は、前記光入射面から前記光誘導部へと入射し、前記光射出面を通過して、前記表示効果を実現する請求項17から20の何れか1項に記載の表示方法。
【請求項22】
前記表示効果は、前記複数の発光部から照射され、且つ、前記光射出面を通過する前記光の表示領域のサイズに対応する請求項21に記載の表示方法。
【請求項23】
前記表示効果は、前記複数の発光部から照射され、且つ、前記光射出面を通過する前記光の表示明度の強度に対応し、前記表示明度の前記強度は、前記複数の電流の組み合わせのうち1つに対応する請求項21に記載の表示方法。
【請求項24】
前記光誘導部はさらに、前記光射出面または前記光入射面に形成されている表面処理層を含む請求項21に記載の表示方法。
【請求項25】
前記制御部は、パルス幅が異なる複数のパルス幅変調信号を出力し、積分回路の積分によって前記複数の電流の組み合わせを生成する請求項17から24の何れか1項に記載の表示方法。
【請求項26】
前記制御部は、複数のスイッチ素子を含んでおり、前記制御部は、前記複数のスイッチ素子をオンまたはオフに制御して、特定の動作電圧において抵抗を調節して、前記複数の電流の組み合わせを生成する請求項17から25の何れか1項に記載の表示方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−76090(P2011−76090A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219575(P2010−219575)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(508226687)和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】