説明

表示制御用半導体集積回路

【課題】 RAMを内蔵した液晶表示制御用半導体集積回路において、占有面積をそれほど増大させることなくRAMに含まれる欠陥ビットを救済し、歩留まりを向上させることができるようにする。
【解決手段】 チップ内部に表示データを記憶するRAMを内蔵し、該内蔵RAMの記憶容量が駆動する液晶パネルの表示画面の大きさに応じて決定されている液晶コントローラドライバにおいて、欠陥アドレスを設定するヒューズ回路(232)と、ヒューズ回路に設定された欠陥アドレスと入力アドレスとを比較する比較回路(231)とを設ける。そして、アドレスが一致した場合には、入力アドレスを前記予備メモリ領域を指示するアドレスに置き替えてアドレスデコーダに供給する冗長回路(230)を設けるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示データを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)を内蔵し表示装置を駆動制御する表示駆動制御装置さらには半導体集積回路化された表示駆動制御装置に適用して有効な技術に関し、例えば液晶表示パネルを駆動する液晶表示制御用半導体集積回路に利用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話器やPDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)などの携帯用電子機器の表示装置としては、一般に複数の表示画素がマトリックス状に2次元配列されたドットマトリックス型液晶パネルが用いられている。機器内部には、この液晶パネルの表示制御を行なう半導体集積回路化された液晶表示制御装置(液晶コントローラ)や該制御装置の制御下で液晶パネルを駆動する液晶ドライバもしくは液晶コントローラと液晶ドライバを内蔵した液晶表示駆動制御装置(液晶コントローラドライバ)が搭載されている。
【0003】
従来、液晶コントローラドライバ(液晶コントローラを含む)は、チップ内部に表示データを記憶するRAMを内蔵しており、この内蔵RAMの記憶容量は一般に、駆動する液晶パネルの表示画面の大きさに応じて決定されており、汎用メモリに比べると小さくかつ欠陥ビットを救済するいわゆる冗長回路も備えていなかった。
【0004】
内蔵RAMの記憶容量が液晶パネルの画面の大きさに規定されている理由は、液晶コントローラドライバは、内蔵RAMの容量を液晶パネルの一画面分の表示データを記憶する大きさに設定したとしても、チップ面積に占めるRAMの割合が比較的大きいため、記憶容量を増大させることはチップコストを増加させることに直接繋がるからである。また、一画面分の表示データを記憶する容量を持つ内蔵RAMであれば、RAMの有する欠陥による歩留まり低下はそれほど問題にならないので冗長回路を設ける必要性が低く、かつ冗長回路を設けることによるチップサイズの増大も回避できるためである。
【0005】
なお、液晶コントローラドライバにおいて、内蔵RAMの記憶容量が、液晶パネルの一画面分の表示データを記憶する大きさに設定されていることは、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2000−347646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、液晶コントローラドライバのチップサイズを低減しチップコストを下げるため、微細化プロセスを採用して内蔵RAMを高密度化することとした。しかしながら、内蔵RAMを高密度化すると、欠陥が発生し易くなってRAMの欠陥による歩留まりの低下が問題になることが分かった。
【0007】
そこで、汎用RAMで採用されている冗長回路によるメモリの欠陥救済技術を適用して歩留まりの向上を図ることを検討した。しかしながら、汎用RAMで採用されている冗長回路は、図10に示すように、正規のメモリ行もしくは列を選択する制御回路と、欠陥ビットと置き換えられる予備のメモリ行もしくは列(冗長メモリ)を選択する制御回路とが別個に設けられている。そのため、正規のメモリ行もしくは列をアクセスするときと、予備のメモリ行もしくは列をアクセスするときとで、読出し速度などの動作特性が異なるため、メモリの周辺回路のタイミング設計が難しいという課題がある。
【0008】
また、汎用RAMで採用されているメモリ欠陥救済技術では、ヒューズなどのプログラム可能な素子を有し被救済メモリ行もしくは列のアドレスを記憶させる回路(以下、ヒューズ回路と称する)の他に、救済をするかしないかつまり予備のメモリ行もしくは列を使用するかしないかを記憶させるヒューズ回路が必要である。そして、このヒューズ回路の状態に基づいて、予備のメモリ行もしくは列を有効または無効にするための制御信号を生成して供給するようにしている(図10の符号ENが付されている信号)。
【0009】
さらに、汎用RAMの冗長回路では、予備のメモリ行もしくは列が複数設けられている場合には、いずれのメモリ行もしくは列を使用するか指定する選択信号を供給する必要がある(図10の符号SSが付されている信号)。そのため、汎用RAMのメモリ欠陥救済技術をそのまま液晶コントローラドライバに適用したのでは、冗長回路および配線の占有面積が大きくなってチップサイズの低減の妨げの要因になるという課題がある。
【0010】
この発明の目的は、表示データを記憶するRAMを内蔵した液晶コントローラドライバのような表示制御用半導体集積回路において、占有面積をそれほど増大させることなくRAMに含まれる欠陥ビットを救済し、歩留まりを向上させることができるようにすることにある。
【0011】
この発明の他の目的は、表示データを記憶するRAMを内蔵した液晶コントローラドライバのような表示制御用半導体集積回路において、正規の記憶領域をアクセスするときと、予備の記憶領域をアクセスするときとで、読出し速度などの動作特性が異ならないようにして、メモリの周辺回路のタイミング設計を容易に行なえるようにすることにある。
【0012】
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
【0014】
すなわち、チップ内部に表示データを記憶するRAMを内蔵し、該内蔵RAMの記憶容量が駆動する液晶パネルの表示画面の大きさに応じて決定されている表示制御用半導体集積回路において、欠陥アドレスを設定するヒューズ回路と、ヒューズ回路に設定された欠陥アドレスと入力アドレスとを比較する比較回路とを設ける。そして、アドレスが一致した場合には、入力アドレスを前記予備メモリ領域を指示するアドレスに置き替えてアドレスデコーダに供給する冗長回路を設けるようにしたものである。
【0015】
一般に、液晶コントローラドライバのような表示制御用半導体集積回路に内蔵されているRAMの容量は、液晶パネルの一画面分の表示データを記憶する大きさに設定されており、液晶パネルの一画面の大きさは汎用メモリの大きさを規定するアドレスやデータのビット数とは異なる基準に従って決定されており、2のn乗(nは整数)になっていない。つまり、液晶コントローラドライバにおいては、内蔵RAMのアドレスのビット数で規定される有効アドレス空間よりも内蔵RAMの使用アドレス領域の方が小さい。
【0016】
本発明は、このことに着目して、内蔵RAMのアドレスのビット数で規定される有効アドレス空間内の未活用アドレス領域に救済用の予備メモリ領域を割り当てるようにした。これとともに、ヒューズ回路のデフォルト値として、有効アドレス空間内の未活用アドレス領域であって救済用メモリ領域にも割り当てられていない領域を指示するアドレスを割り当てるようにした。
【0017】
ここで、表示画面にウィンドウ表示を行なう領域を設定するためのアドレス設定用のレジスタを備える場合には、予備の記憶領域のアドレスは前記レジスタで設定可能なアドレス範囲の外側に設定する。ウィンドウ表示領域は、一般に、最大で表示画面全体まで設定可能にされるため、前記レジスタで設定可能なアドレス範囲の外側は有効アドレス空間内の未活用アドレス領域に相当するからである。仮に、液晶コントローラドライバが内蔵RAMの有効記憶領域を設定するレジスタを備える場合には、該レジスタで設定可能なアドレス範囲の外側を未活用アドレス領域として認識できることはいうまでもない。
【0018】
上記した手段によれば、正規のメモリ行もしくは列を選択する制御回路と、欠陥ビットと置き換えられる予備のメモリ行もしくは列を選択する制御回路とを別個の回路として構成する必要がなく、それによってメモリの周辺回路のタイミング設計が容易となる。
【0019】
また、ヒューズ回路のデフォルト値が有効アドレス空間内であって予備メモリ領域にも割り当てられていない未活用アドレス領域を指示するアドレスであるため、予備メモリ行もしくは列を有効または無効にするための制御信号を生成する必要がない。
【0020】
さらに、予備メモリ領域が有効アドレス空間内の未活用アドレス領域に割り当てられ、欠陥アドレスと入力アドレスとを比較して一致した場合には、入力アドレスを前記予備メモリ領域を指示するアドレスに置き替えてアドレスデコーダに供給される。そのため、予備のメモリ行もしくは列を複数設けた場合に、いずれのメモリ行もしくは列を使用するか指定する選択信号を別途生成して供給する必要がない。
【発明の効果】
【0021】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0022】
すなわち、本発明に従うと、表示データを記憶するRAMを内蔵した液晶コントローラドライバのような表示制御用半導体集積回路において、占有面積をそれほど増大させることなくRAMに含まれる欠陥ビットを救済し、歩留まりを向上させることができる。
【0023】
また、表示データを記憶するRAMを内蔵した液晶コントローラドライバのような表示制御用半導体集積回路において、正規の記憶領域をアクセスするときと、予備の記憶領域をアクセスするときとで、読出し速度などの動作特性が異ならないようにして、メモリの周辺回路のタイミング設計を容易に行なえるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、RAMおよび救済回路を内蔵した液晶コントローラドライバ200の一実施例を示すブロック図である。この実施例の液晶コントローラドライバ200は、ドットマトリックス型の液晶表示パネルにグラフィック表示されるデータを記憶するメモリとしてRAM(以下、表示メモリと称する)を内蔵し、その書込み回路や読出し回路および液晶表示パネルの駆動信号を出力するドライバとともに1個の半導体基板上に半導体集積回路として構成される。
【0026】
この実施例の液晶コントローラドライバ200は、外部のマイクロプロセッサもしくはマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)等からの指令に基づいてチップ内部全体を制御する制御部201を備える。また、外部からの発振信号もしくは外部端子に接続された振動子からの発振信号に基づいてチップ内部の基準クロックパルスを生成するパルスジェネレータ202、このクロックパルスに基づいてチップ内部の種々の回路の動作タイミングを与えるタイミング信号を発生するタイミング制御回路203を備える。
【0027】
さらに、図示しないシステムバスを介してマイコン等との間で主としてインストラクションや静止表示データなどのデータの送受信を行なうシステム・インタフェース204、図示しない表示データバスを介して主としてアプリケーションプロセッサなどからの動画データや水平・垂直同期信号HSYNC,VSYNCを受ける外部表示インタフェース205を備える。
【0028】
さらに、液晶コントローラドライバ200には、表示データをビットマップ方式で記憶する表示メモリ206、マイコンからのRGBの書込みデータのビットの並び替えなどのビット処理を行なうビット変換回路207を備える。また、ビット変換回路207で変換された表示データまたは外部表示インタフェース205を介して入力された表示データを取り込んで保持するライトデータラッチ回路208、表示メモリ206から読み出された表示データを保持するリードデータラッチ回路209、上記表示メモリ206に対する選択アドレスを生成するアドレス生成回路210を備える。
【0029】
表示メモリ206は、複数のメモリセルおよびワード線、ビット線(データ線)を含むメモリアレイと、アドレス生成回路210から供給されるアドレスをデコードしてメモリアレイ内のワード線やビット線を選択する信号を生成するアドレスデコーダを有する読出し書込み可能なRAMにより構成されている。また、表示メモリ206は、メモリセルから読み出された信号を増幅するセンスアンプや書込みデータに応じてメモリアレイ内のビット線に所定の電圧を印加したりするライトドライバなどを有する。特に制限されるものでないが、この実施例では、メモリアレイは172800バイトの記憶容量を有するように構成され、17ビットのアドレス信号によってカラム(18ビット)単位でデータのリード・ライトが可能にされている。
【0030】
さらに、表示メモリ206から読み出された表示データを順次ラッチする第1および第2のラッチ回路211、212、ラッチされた表示データから液晶の劣化を防止する交流駆動のためのデータに変換する交流化回路213、該回路で変換されたデータを保持するラッチ回路214を備える。また、液晶パネルの駆動に必要な複数レベルの電圧を発生する液晶駆動レベル発生回路216、該液晶駆動レベル発生回路216で生成された電圧に基づいてカラー表示や階調表示に適した波形信号を生成するのに必要な階調電圧を生成する階調電圧生成回路217、液晶パネルのγ特性を補正するための階調電圧を設定するγ調整回路218を備える。
【0031】
上記ラッチ回路214の後段には、上記階調電圧生成回路217から供給される階調電圧の中からラッチ回路214にラッチされている表示データに応じた電圧を選択して液晶パネルの信号線としてのソース線に印加される電圧(ソース線駆動信号)S1〜S720を出力するソース線駆動回路215が設けられている。一方、液晶パネルの選択線としてのゲート線(コモン線とも呼ばれる)に印加される電圧(ゲート線駆動信号)G1〜G320を出力するゲート線駆動回路219、液晶パネルのゲート線を1本ずつ順番に選択レベルに駆動するためのスキャンデータを生成するシフトレジスタなどからなるスキャンデータ発生回路220等が設けられている。
【0032】
さらに、内部基準電圧を生成する内部基準電圧生成回路221、外部から供給される3.3Vや2.5Vのような電圧Vccを降圧して1.5Vのような内部ロジック回路の電源電圧Vddを生成する電圧レギュレータ222が設けられている。なお、図1において、SEL1,SEL2はデータセレクタで、それぞれタイミング制御回路203から出力される切替え信号によって制御され、複数の入力信号のいずれかを選択的に通過させる。
【0033】
制御部201には、液晶コントローラドライバ200の動作モードなどチップ全体の動作状態を制御するためのコントロールレジスタCTRや、該コントロールレジスタCTRや前記表示メモリ206の参照のためのインデックス情報を記憶するインデックスIXRなどのレジスタが設けられている。外部のマイコン等がインデックスレジスタIXRに書込みを行なうことで実行するインストラクションを指定すると、制御部201が指定されたインストラクションに対応した制御信号を生成し出力する。
【0034】
このように構成された制御部201による制御によって、液晶コントローラドライバ200は、マイコン等からの指令およびデータに基づいて図外の液晶パネルに表示を行なう際に、表示データを表示メモリ206に順次書き込んで行く描画処理を行なう。また、表示メモリ206から周期的に表示データを読み出す読出し処理を行なって液晶パネルのソース線に印加する信号を生成して出力するとともに、ゲート線に順次印加する信号を生成して出力する。
【0035】
システム・インタフェース204は、マイコン等のシステム制御装置との間で表示メモリ206への描画の際などに必要とされるレジスタへの設定データや表示データ等の信号の送受信を行なう。この実施例では、IM3−1およびIM0/ID端子の状態に応じて80系インタフェースとして18ビット、16ビット、9ビット、8ビットのパラレル入出力またはシリアル入出力のいずれかが選択可能に構成されている。
【0036】
この実施例の液晶コントローラドライバ200においては、上記表示メモリ206に対応して、その内部の欠陥ビットを救済する救済回路230と、欠陥ビットを含む被救済メモリ行のアドレスを救済情報として保持する救済情報設定回路240とが設けられている。また、表示メモリ206には、表示データを記憶する正規のメモリ領域とは別個に設けられた救済用メモリ領域206aが設けられている。
【0037】
ここで、本実施例の液晶コントローラドライバ200における表示メモリ206の記憶領域とアドレス空間との関係について、図2を用いて説明する。前述したように、本実施例では、表示メモリ206は17ビットのアドレス信号によってカラム(18ビット)単位でデータのリード・ライトが可能にされている。一方、本実施例の液晶コントローラドライバ200が駆動対象としているのは、水平方向240×垂直方向320の画素を有するカラーQVGA液晶パネルであり、1画素は赤、青、緑の3ドットで構成されている。
【0038】
各ドットを6ビットのデータで64階調表現すると、1画素当たり18ビットのデータが必要であり、QVGA液晶パネルの1画面分の表示データは、240×320×18=3110400ビット=172800バイトである。18ビットのデータを1カラムとおくと、図2に示すように、QVGA液晶パネルの1画面分の表示データの記憶領域MARの大きさは、320ワード×240カラムである。なお、本実施例において、1ワードとは16ビットのことではなく、メモリアレイの1ワード線に接続されたメモリセル群(実施例では540バイト)を指す。
【0039】
従って、320ワードをそれぞれ選択するのに必要なワードアドレスは9ビット、240カラムをそれぞれ選択するのに必要なカラムアドレスは8ビットである。一方、9ビットのワードアドレスと8ビットのカラムアドレスで表現できるアドレス空間ADSは、512ワード×256カラムである。そのため、表示メモリ206の記憶容量を、QVGA液晶パネルの1画面分の表示データを記憶する大きさに設定した場合、図2に示すように、未活用アドレス空間が存在することになる。
【0040】
本実施例の液晶コントローラドライバ200では、この未活用アドレス空間のうちワード方向の領域を、予備のメモリ行を有する救済用メモリ領域206aとして利用するように、表示メモリ206と救済回路230が構成されている。さらに、本実施例では、救済情報設定回路(ヒューズ回路)のデフォルト値として、アドレス空間内の未活用アドレス領域であって予備メモリ領域にも割り当てられていない領域を指示するアドレスを割り当てるようにしている。
【0041】
これにより、正規のメモリ行を選択する制御回路と、欠陥ビットと置き換えられる救済用メモリ領域206aの予備のメモリ行(以下、冗長ワードと称する)を選択する制御回路とを別個の回路として構成する必要がなくなるとともに、冗長ワードを有効または無効にするための制御信号を生成する必要がなくなる。以下、その理由を、図4および図5を用いて説明する。
【0042】
なお、以下の説明では、特に限定されるものでないが、救済用メモリ領域206aに冗長ワードを4ワード備え、2ワード単位で正規のメモリ行との置き換えを可能にするものとする。2ワード単位で置き換えを行なうのは、異物の付着等によってメモリアレイ内に欠陥が発生する場合、2つのワードにまたがっている場合が多く、小規模の救済回路で効率よく置き換えが行なえるためである。
【0043】
図4は、汎用RAMにおけるのと同様に、データ記憶領域をアドレス空間いっぱいにとって未活用アドレス空間がないようにしたメモリにおけるワード選択アドレスと救済情報との関係を示す。また、図5は、本実施例の液晶コントローラドライバの表示メモリにおけるワード選択アドレスと救済情報との関係を示す。
【0044】
なお、図4および図5において、ワード選択アドレスの欄のAD8〜AD0はワード選択アドレスの各ビットを表わしている。また、ワード選択アドレスの欄の「9'h」は9ビットのバイナリコードの16進表記であることを、救済アドレス(欠陥アドレス)の欄の「8'b」は8ビットのバイナリコード表記であることを意味している。救済アドレスの方が1ビット少ないのは、前述したように、2ワード単位で置き換えを行なうためであり、1ワード単位で置き換えを行なう場合には9ビットとされる。図4の右から2番目の欄の「8'bXXXXXXXX」は任意のバイナリコードでよいことを意味している。
【0045】
図4より、データ記憶領域をアドレス空間いっぱいにとったとすると、いずれかのワードに欠陥が含まれていたときに対応する救済アドレスをヒューズ回路に設定する必要があるため、救済アドレスにまったく空きがない。そのため、救済アドレスを設定するヒューズ回路の他に救済アドレスを有効にするか無効にするかを設定するヒューズ回路が必要となることが分かる。
【0046】
一方、メモリに未活用アドレス空間がある場合には、図5のように、未活用アドレス空間に冗長ワードを割り当てることによって、正規のワードと同じ動作で選択できる。これとともに、救済を行なわない場合には、アドレス空間内の未活用アドレス領域であって予備メモリ領域にも割り当てられていない領域があるので、ここを指示するアドレスをヒューズ回路に設定する。
【0047】
このアドレスはアドレス空間内にあるにもかかわらず対応するメモリがないので、このアドレスがメモリに入力されたとしてもメモリは動作することがない。そのため、これによって、冗長ワードを有効または無効にするかを設定するヒューズ回路や制御信号(イネーブル信号)が不要になることが分かる。しかも、救済を行なわない場合に設定するアドレスをヒューズ回路のデフォルト値とし、そのデフォルト値を例えば初期状態である「8'b11111111」にしておけば、救済を行なわない場合にはヒューズ回路への設定そのものが不要になるという利点がある。
【0048】
図6には救済回路230の構成例が、図7にはその動作タイミングが示されている。
【0049】
図1には示されていないが、アドレス生成回路210には、マイコンにより表示メモリ206への表示データのリード・ライトを行なう際のアドレスを発生するアドレスカウンタ210aと、液晶パネルへの表示のために表示メモリ206から表示データを読み出す際のアドレスを発生するアドレスカウンタ210bとが設けられている。救済回路230には、上記2つのアドレスカウンタ210a,210bに対応して、2つの比較回路231a,231bが設けられ、各カウンタで発生されたアドレスAC[16~8]P,CGAD[16~8]Pが入力されている。
【0050】
また、救済回路230には、救済情報設定回路240に設定されている欠陥アドレスFRADA[16~9]N,FRADB[16~9]Nを取り込んで保持するラッチ回路232が設けられている。救済設定回路240は、ヒューズや不揮発性記憶素子など、製造後においてプログラム可能で一旦設定すると電源電圧を遮断しても設定状態を保持可能な素子で構成されており、この実施例では、9ビットのワード選択アドレスの上位8ビットを2つ設定可能にされている。上位8ビットを設定することで2ワード単位での置き換えが容易となる。
【0051】
上記ラッチ回路232に取り込まれ反転された欠陥アドレスFRADA[16~9]P,FRADB[16~9]Pは上記比較回路231a,231bへ供給され、アドレスカウンタ210a,210bで発生されたアドレスAC[16~8]P,CGAD[16~8]Pのうち上位8ビットAC[16~9]P,CGAD[16~9]Pと比較される。
【0052】
比較回路231a,231bの後段には、比較の結果が不一致の場合にはAC[16~9]P,CGAD[16~9]Pをそのまま通過させ、比較の結果が一致した場合には、アドレスAC[16~9]P,CGAD[16~9]Pの代わりに冗長ワードY320,Y321又はY322,Y323を選択する上位8ビットの冗長アドレスを出力する入替え回路233が設けられている。
【0053】
入替え回路233より出力された8ビットのアドレスに、比較回路に入力されなかった1ビットAC[8]PまたはCGAD[8]Pが付加されて9ビットとなったアドレスが、ラッチ回路234aまたは234bにラッチされる。そして、後段のセレクタ235によって、ラッチ回路234aまたは234bいずれかにラッチされているアドレスが選択されて、ラッチ回路236にラッチされた後、表示メモリ206のデコーダドライバDECに供給されてデコードされる。その結果、表示メモリ206内のワード線Y0〜Y323のうち、デコードされたアドレスに対応した1本のワード線が選択される。
【0054】
この実施例の液晶コントローラドライバ200においては、プロセスの最終工程で行なわれるプローブ検査等で表示メモリ206内に欠陥ビットが発見されると、その欠陥ビットを含むメモリ行のアドレスが欠陥アドレスとして救済情報設定回路240に設定される。そして、システムに実装された後、電源が投入されると、救済情報設定回路240から欠陥アドレスが読み出され、救済回路230内のラッチ回路232に取り込まれ、電源が遮断されるまで保持される。救済情報設定回路240が電源投入中ずっと出力を出し続けるような形式の回路であれば、ラッチ回路232は省略することができる。
【0055】
救済情報設定回路240は、欠陥アドレスが設定されていない状態が「00000000」であるため、ラッチ回路232で反転することで出力されるデフォルト値が「8'b11111111」となるようにされている。救済情報設定回路240の欠陥アドレスが設定されていない初期状態が「11111111」であれば、ラッチ回路232で反転せずにそのままデフォルト値「8'b11111111」として比較回路へ供給させることができる。この実施例の救済情報設定回路240には、救済を行なうか行なわないか示す情報は設定されない。従って、そのような情報に基づいて正規のワードや予備のワード(冗長ワード)を有効にするか無効にするかの制御信号も不要である。
【0056】
図6と従来の冗長回路を示す図10とを比較すると明らかなように、図10では正規のメモリ行もしくは列を選択する制御回路およびデコーダと、欠陥ビットと置き換えられる予備のメモリ行もしくは列(冗長メモリ)を選択する制御回路およびデコーダとは別個である。そのため、正規のメモリ行もしくは列をアクセスするときと、予備のメモリ行もしくは列をアクセスするときとで、読出し速度などの動作特性が異なるため、メモリの周辺回路のタイミング設計が難しかった。一方、図6の冗長回路では、正規のワードを選択するデコーダドライバと冗長ワードを選択するデコーダドライバとが共通化されるため、いずれのワードを選択するときも読出し速度などの動作特性が同じになり、メモリの周辺回路のタイミング設計が容易となる。
【0057】
図7には、救済回路230の動作タイミングが示されている。書込みアドレスを発生するアドレスカウンタ210aからのアドレスによる救済回路230の動作と、読出しアドレスを発生するアドレスカウンタ210bからのアドレスによる救済回路230の動作は同じであるので、アドレスカウンタ210aからのアドレスによる救済回路230の動作タイミングのみ示されている。
【0058】
図7に示されているように、アドレスカウンタ210aからのアドレスAC[16~8]Pが救済情報設定回路240に設定されている2つの欠陥アドレスA,BのうちAと一致すると、比較回路231aの出力がハイレベルに変化する(タイミングt1)。これにより、入替え回路233から出力されるアドレスは冗長ワードAを選択するものとなる(タイミングt2)。
【0059】
そのため、この冗長ワードAのアドレスが、ラッチタイミング信号ACLATPの立ち上がりに同期して後段のラッチ回路234にラッチされる(タイミングt3)。図7より、この実施例においては、入替え回路233で冗長ワードAに切り替わるタイミングt2と、ラッチタイミング信号ACLATPの立ち上がりタイミングt3との間に所定のマージンを持たせるように、回路の設計を行なえば誤動作を防止することができるので、タイミング設計が容易になることが分かる。
【0060】
また、図6には、救済回路230の動作と関連して書込み阻止の制御を行なう回路250が合わせて示されている。この書込み阻止の制御を行なう回路は、もともと液晶パネルの表示画面の一部に図3に示すようなウィンドウ表示を行なう場合に、ウィンドウ以外の領域へのデータ書込みを禁止するために設けられているものである。なお、図6に示されている書込み阻止制御回路250は、概念的に示したもので、このような構成に限定されるものではない。
【0061】
261はウィンドウの開始アドレス(VSA,HSA)を設定するレジスタ、262はウィンドウの終了アドレス(VEA,HEA)を設定するレジスタであり、これらのレジスタは最大で表示画面全体すなわち表示メモリ206の記憶領域全体を指定可能に構成されている。ウィンドウ設定レジスタ261,262は、図1のコントロールレジスタCTRの一部あるいは別個のレジスタとして制御部201内に設けられている。
【0062】
書込み阻止制御回路250には、ウィンドウ設定レジスタ261,262に設定されているアドレスVSA,VEAとアドレスカウンタ210aからのアドレスAC[16~8]Pとを比較する比較回路251aが設けられている。比較回路251aは書込みアドレスがウィンドウ表示の領域の内にあるのか外にあるのかを判定するもので、書込みアドレスがウィンドウ表示領域内にあるときは出力がハイレベルになり、書込みアドレスがウィンドウ表示領域の外にあるときは出力がロウレベルになる。
【0063】
また、書込み阻止制御回路250には、アドレスAC[16~8]Pのうち最上位ビットAC16と上位から3ビットAC14が"1,1"になっているか検出する比較回路251bが設けられている。比較回路251bは書込みアドレスが未活用アドレス空間内にあるのか外にあるのかを判定する。図5を参照すると、この実施例の表示メモリでは、AC16とAC14が"1,1"になっているアドレス領域は、未活用アドレス空間を意味していることが分かる。比較回路251b、書込みアドレスが未活用アドレス空間の外にあるときは出力がハイレベルになり、書込みアドレスが未活用アドレス空間内にあるときは出力がロウレベルになる。
【0064】
特に限定されないが、比較回路251aと比較回路251bの出力はORゲート252へ入力され、ORゲート252の出力信号VAE_Ptは、ANDゲート253、ラッチ回路254を介して表示メモリ206のライトドライバ(図示省略)に供給されており、VAE_Pがロウレベルに変化されると書込み動作を行なわないように構成されている。なお、ANDゲート253の他方の端子に入力されている信号HAE_Pは、カラム側に対応して設けられている同様な構成の書込み阻止制御回路(図示省略)からの信号である。
【0065】
図8には入替え回路233の構成例が示されている。なお、入替え回路233は、アドレスカウンタ210aと比較回路231aに対応した回路と、アドレスカウンタ210bと比較回路231bに対応した回路とがあるが、これらは同一の構成であるので、一方のみ図示し、他方は省略する。
【0066】
図8の入替え回路233は、セレクタSEL1〜SEL8によって構成されている。各セレクタには、アドレスカウンタ210aからのアドレスAC[16~9]Pの各ビットと、2つの冗長アドレスRA_A[16~9],RA_B[16~9]の各ビットが入力されている。そして、これらの入力のうち、比較回路231aからのアドレス一致信号ACRWAE_P,ACRWBE_Pに応じていずれか1つがセレクタSEL1〜SEL8によって選択されてACCP[16~9]として出力される。
【0067】
具体的には、アドレス一致信号ACRWAE_Pが一致を示すハイレベルにされると、冗長アドレスRA_A[16~9]が選択されて出力される。また、アドレス一致信号ACRWBE_Pが一致を示すハイレベルにされると、冗長アドレスRA_B[16~9]が選択されて出力される。ACRWAE_P,ACRWBE_Pが共に不一致を示すロウレベルにされると、アドレスカウンタ210aからのアドレスAC[16~9]Pが選択されて出力される。
【0068】
冗長アドレスRA_A[16~9],RA_B[16~9]の各ビットは、例えば入力が電源電圧Vccにプルアップされたインバータまたは入力が接地点GNDにプルダウンされたインバータによって発生させることができる。あるいは、セレクタSEL1〜SEL8の回路形式によって、入力端子を直接VccまたはGNDに接続しても良い。冗長アドレスは始めから固定されているので、救済情報設定回路240のようにプログラム可能な回路で構成する必要はない。
【0069】
さらに、この実施例の入替え回路を使用した救済回路においては、救済情報設定回路240に欠陥アドレスが設定されていない場合には、アドレス一致信号ACRWAE_PとACRWBE_Pがハイレベルにされることがないため、アドレスの入れ替えが行なわれることはない。
【0070】
図9には入替え回路233の他の構成例が示されている。なお、入替え回路233は、アドレスカウンタ210aと比較回路231aに対応した回路と、アドレスカウンタ210bと比較回路231bに対応した回路とがあるが、これらは同一の構成であるので、一方のみ図示し、他方は省略する。
【0071】
図9の入替え回路233は、複数の論理ゲートからなる組合せ論理回路で構成したものである。図6に示されている救済回路では、比較回路231aで比較されるアドレスが8ビットの場合が示されており、これに対応した組合せ論理回路からなる入替え回路233を図示すると複雑になるので、理解を容易にするため、図9にはアドレスが4ビットの場合の入替え回路233を図示して説明する。なお、図9を用いた以下の説明では、救済情報設定回路240に設定された欠陥アドレスFADA3〜FADA0,FADB3〜FADB0が"0001","1010"で、冗長アドレスは"1100","1101"であるとする。
【0072】
アドレスカウンタ210aより比較回路231aへ入力されたアドレスADIN3〜ADIN0が欠陥アドレスFADA3〜FADA0と一致すると、欠陥アドレスA一致信号ACRWAE_Pが"1"にされ、ADIN3〜ADIN0がFADB3〜FADB0と一致すると、欠陥アドレスB一致信号ACRWBE_Pが"1"にされる。これらの信号ADIN3〜ADIN0,ACRWAE_P,ACRWBE_Pが、組合せ論理回路で構成された入替え回路233に入力されると、次の表1に示されているように、ACRWAE_P,ACRWBE_Pが共に"0"のときは、ADIN3〜ADIN0がそのままAD3〜AD0として出力される。
【0073】
また、ACRWAE_Pが "1"のときは冗長アドレス"1100"がAD3〜AD0として出力され、ACRWBE_Pが "1"のときは、冗長アドレス"1101"がAD3〜AD0として出力される。つまり、表1の真理値表を満足するように、入替え回路233の論理ゲート回路LG1〜LG4の論理が構成されている。なお、図9に示されている論理ゲート回路LG1〜LG4は一例であって、同様な論理を有するものであればどのようなものであっても良い。
【表1】

【0074】
表1より、欠陥アドレス一致信号ACRWAE_PまたはACRWBE_Pのいずれかが"1"のときは"1"を出力させたいビットには論理ゲート回路LG3(LG4)を使用し、欠陥アドレス一致信号ACRWAE_PまたはACRWBE_Pのいずれかが"1"のときは"0"を出力させたいビットには論理ゲート回路LG2を使用する。また、欠陥アドレス一致信号ACRWAE_Pが"1"でACRWBE_Pが"0"のときは"0"を出力させ、欠陥アドレス一致信号ACRWAE_Pが"0"でACRWBE_Pが"1"のときは"1"を出力させたいビットには、論理ゲート回路LG1を使用すればよいことが分かる。
【0075】
なお、これとは逆に、欠陥アドレス一致信号ACRWAE_Pが"0"でACRWBE_Pが"1"のときは"0"を出力させ、欠陥アドレス一致信号ACRWAE_Pが"1"でACRWBE_Pが"0"のときは"1"を出力させたいビットには、図9の論理ゲート回路LG1内のインバータの入力をACRWBE_P ではなくACRWAE_Pとしたゲートを使用すればよい。図9のような組合せ論理回路で構成された入替え回路233を使用することにより、冗長アドレスRA_A[16~9],RA_B[16~9]を発生する回路を設ける必要がなくなる。
【0076】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0077】
例えば、上記実施例では、予備メモリ領域を冗長ワードとして設け、ワード救済を行なうようにしたものを説明したが、予備メモリ領域を冗長カラムとして設け、カラム救済を行なうように構成することも可能である。また、実施例では2ワード単位の置き換えで救済を行なうようにしたものを説明したが、1ワード単位あるいは3ワード以上の単位の置き換えで救済を行なうように構成することも可能である。
【0078】
さらに、本発明は、2以上の液晶パネル用の駆動信号を生成して出力可能にする液晶コントローラドライバにおいて、表示メモリに2画面分の表示データを記憶させるようにしたもの、あるいは重ね合わせ表示のために1画面分の表示データの記憶領域よりも大きな記憶領域を有する表示メモリを内蔵したものにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるQVGA液晶パネル用の駆動信号を生成して出力する液晶コントローラドライバに適用した場合を説明した。本発明は、これに限定されるものでなく、QVGA以外の液晶パネル用の駆動信号を生成して出力する液晶コントローラドライバはもちろんのこと、有機EL表示パネルなど液晶以外の表示装置を駆動する表示制御用半導体集積回路にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】RAMおよび救済回路を内蔵した液晶コントローラドライバの一実施例を示すブロック図である。
【図2】実施例の液晶コントローラドライバにおける表示メモリの記憶領域とアドレス空間との関係を示す説明図である。
【図3】ウィンドウ表示を行なう場合の表示画面とウィンドウ領域との関係を示す説明図である。
【図4】汎用RAMにおけるのと同様に、データ記憶領域をアドレス空間いっぱいにとって未活用アドレス空間がないようにしたメモリにおけるワード選択アドレスと救済情報との関係を示す説明図である。
【図5】実施例の液晶コントローラドライバの表示メモリにおけるワード選択アドレスと救済情報との関係を示す説明図である。
【図6】実施例の液晶コントローラドライバにおける救済回路の構成例を示すブロック図である。
【図7】実施例の液晶コントローラドライバの救済回路における動作タイミングを示すタイムチャートである。
【図8】実施例の救済回路における入替え回路の構成例を示すブロック図である。
【図9】実施例の救済回路における入替え回路の他の構成例を示すブロック図である。
【図10】汎用RAMで採用されている冗長回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0081】
200 表示制御用半導体集積回路(液晶コントローラドライバ)
201 制御部
202 クロック信号生成回路(パルスジェネレータ)
203 タイミング制御回路
206 表示メモリ(内蔵RAM)
207 ビット処理回路
210 アドレス生成回路
230 救済回路
231 比較回路
232 ラッチ回路
233 入替え回路
234 ラッチ回路
235 セレクタ
240 救済情報設定回路(ヒューズ回路)
250 書込み阻止制御回路
251 比較回路
261,262 ウィンドウ表示領域設定用レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
nビット(nは整数)のバイナリコードからなるアドレスにより表現可能な2のn乗のアドレス空間よりも小さな記憶領域を有し、該記憶領域に表示データを記憶する読出し書込み可能な表示メモリを内蔵した表示制御用半導体集積回路であって、
前記表示メモリは、表示データを記憶する正規の記憶領域以外に予備の記憶領域を有するように構成され、
前記表示メモリの欠陥を含む領域を前記予備の記憶領域に置き換えることで欠陥救済を行なう救済回路を備え、
前記予備の記憶領域のアドレスは、前記アドレス空間内であって前記正規の記憶領域のアドレス範囲の外側に設定されていることを特徴とする表示制御用半導体集積回路。
【請求項2】
表示画面にウィンドウ表示を行なう領域を設定するためのアドレス設定用のレジスタを備え、前記予備の記憶領域のアドレスは前記レジスタで設定可能なアドレス範囲の外側に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項3】
前記表示メモリの欠陥を含む領域のアドレス情報を設定する救済情報設定手段を備え、
前記救済情報設定手段は、前記表示メモリの欠陥を含む領域のアドレス情報が設定されない場合には、前記アドレス空間内であって前記正規の記憶領域および前記予備の記憶領域のアドレス範囲以外のアドレスを示す状態にされることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項4】
前記救済情報設定手段は、前記表示メモリの欠陥を含む領域の前記予備の記憶領域への置き換えを行なうか行なわないかを示す情報を設定する手段を持たないことを特徴とする請求項3に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項5】
前記救済情報設定手段に設定されているアドレスと前記表示メモリに供給される入力アドレスとを比較するアドレス比較回路と、
前記アドレス比較回路によりアドレスの一致が検出された場合に、前記表示メモリに供給される入力アドレスを前記予備の記憶領域を指定するアドレスに置き換えるアドレス入替え回路と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項6】
前記表示メモリはアドレスデコーダを備え、前記アドレスデコーダは共通の入力アドレスに基づいて前記正規の記憶領域の選択および前記予備の記憶領域の選択を行なうように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項7】
前記アドレス入替え回路は、複数の論理ゲート回路からなり、前記アドレス比較回路に入力されるアドレスと前記アドレス比較回路の出力とを入力とし論理動作で前記予備の記憶領域を指定するアドレスを出力可能な組合せ論理回路で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項8】
前記救済回路による前記表示メモリの欠陥を含む領域の前記予備の記憶領域への置き換えは、表示装置の1表示ラインに対応した前記表示メモリの記憶領域であるワード単位で行なうように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項9】
前記表示メモリへのデータの書き込みのためのアドレスを生成する第1アドレスカウンタと、
前記表示メモリからデータの読出しのためのアドレスを生成する第2アドレスカウンタと、を備え、
前記第1アドレスカウンタにより生成されたアドレスと前記救済情報設定手段に設定されているアドレスとを比較する第1アドレス比較回路と、
前記第2アドレスカウンタにより生成されたアドレスと前記救済情報設定手段に設定されているアドレスとを比較する第2アドレス比較回路と、を備え、
前記アドレス入替え回路は、前記第1または第2アドレス比較回路によりアドレスの一致が検出された場合にアドレスの入替えを行なうように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の表示制御用半導体集積回路。
【請求項10】
前記第1アドレスカウンタにより生成されたアドレスが前記正規の記憶領域のアドレス範囲内にあるか否かを検出する第3アドレス比較回路を備え、前記第3アドレス比較回路により前記第1アドレスカウンタにより生成されたアドレスが前記正規の記憶領域のアドレス範囲内にないと判定された場合に、前記表示メモリへのデータの書込み禁止を示す信号を生成して出力する書込み阻止制御回路を有することを特徴とする請求項9に記載の表示制御用半導体集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−233880(P2007−233880A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−57105(P2006−57105)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】