説明

表示制御装置、画像形成装置、及び表示制御プログラム

【課題】画像形成装置等の表示部に表示されているウェブページの文字記号入力領域に対して文字記号を入力する際におけるユーザにとっての操作性を向上させる。
【解決手段】画像を表示する表示部と、ウェブブラウザ機能部5221とを備え、ウェブブラウザ機能部5221は、表示中のウェブページに文字記号入力領域を示す画像が表示されている場合に、ユーザから文字記号の入力を受け付けるための文字記号受付画像を表示させる表示指示を受け付ける表示指示受付部5224と、表示指示受付部5224に表示指示が受け付けられたときに、文字記号受付画像を表示部の表示画面においてウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させる画像表示制御部5225と、ユーザによる当該文字記号受付画像に基づく操作で、文字記号の入力を受け付ける入力受付部5226とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、画像形成装置、及び表示制御プログラムに関し、特に、ウェブページを表示部に表示する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コピー機や、複合機(コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能を兼ね備えた機器)等の画像形成装置には、ユーザに対して操作案内等を表示するために、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部が設けられている。また、下記特許文献1に示されるように、インターネット上のウェブページを表示するウェブブラウザを組み込み、画像形成装置の表示部にウェブコンテンツを表示したり、表示したウェブコンテンツの印刷を可能にする画像形成装置が提案されている。
【特許文献1】特開2006−146315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に示されている画像形成装置のように表示部にウェブページを表示させる場合、当該ウェブページで提供されるキーワード検索機能等を利用するために、文字記号を入力する必要が生じることがあるが、画像形成装置はパーソナルコンピュータのようなキーボードを備えておらず、また、画像形成装置に設けられる表示部はパーソナルコンピュータのような大型でない場合も多いため、文字記号入力時にユーザに対して面倒な操作が要求されることがあり、文字記号入力時の操作性を向上させるための改善が望まれる。上記特許文献1に示されている画像形成装置は、パスワード認証により、装置内のキャッシュに蓄積されているコンテンツデータの表示部への表示を許可するものであるが、文字記号入力時の操作性を改善するものではない。
【0004】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、画像形成装置等の表示部に表示されているウェブページの文字記号入力領域に対して文字記号を入力する際におけるユーザにとっての操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の発明は、画像を表示する表示部と、
前記表示部にウェブページを表示させるウェブブラウザ機能部とを備え、
前記ウェブブラウザ機能部は、表示中のウェブページに文字記号入力領域を示す画像が表示されている場合に、ユーザによる予め定められた操作に基づいて、文字記号の入力を受け付けるための文字記号受付画像を前記表示部に表示させる表示指示をタッチパネル機能により受け付ける表示指示受付部と、当該表示指示受付部に前記表示指示が受け付けられたときに、前記文字記号受付画像を、前記表示部の表示画面において前記ウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させる画像表示制御部と、ユーザによる当該文字記号受付画像に基づく操作で、文字記号の入力をタッチパネル機能により受け付ける入力受付部とを備える表示制御装置である。
【0006】
また、請求項6に記載の発明は、表示制御装置に内蔵されるコンピュータを、
前記表示制御装置の表示部にウェブページを表示させるウェブブラウザ機能部として機能させ、
さらに、前記ウェブブラウザ機能部を、画像を表示する表示部と、
前記表示部にウェブページを表示させるウェブブラウザ機能部とを備え、
前記ウェブブラウザ機能部は、表示中のウェブページに文字記号入力領域を示す画像が表示されている場合に、ユーザによる予め定められた操作に基づいて、文字記号の入力を受け付けるための文字記号受付画像を前記表示部に表示させる表示指示をタッチパネル機能により受け付ける表示指示受付部と、当該表示指示受付部に前記表示指示が受け付けられたときに、前記文字記号受付画像を、前記表示部の表示画面において前記ウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させる画像表示制御部と、ユーザによる当該文字記号受付画像に基づく操作で、文字記号の入力をタッチパネル機能により受け付ける入力受付部として機能させる表示制御プログラムである。
【0007】
これらの発明では、表示指示受付部が、表示中のウェブページに文字記号入力領域を示す画像が表示されている場合に、ユーザによる予め定められた操作に基づいて文字記号受付画像を表示させる表示指示を受け付けるので、ユーザは、当該予め定められた操作を行うことで、表示中のウェブページに文字記号を入力する機会がある場合に限り、表示部に文字記号受付画像を表示させることができ、文字記号の入力が不要なときに不用意に文字記号受付画像が表示されてしまう煩わしさを回避できる。また、画像表示制御部は、文字記号受付画像を、ウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させ、当該表示状態において、ユーザが文字記号受付画像に基づく操作を行うと、文字記号の入力が入力受付部に受け付けられるので、ユーザは、ウェブページの文字記号入力領域を視認しながら文字記号を入力できる。これにより、画像形成装置等の表示部に表示されているウェブページの文字記号入力領域に文字記号を入力する際の操作性が向上される。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示制御装置であって、前記表示指示受付部は、前記表示部の表示画面における前記文字記号入力領域を示す画像の表示部分に対するユーザによる操作を、前記予め定められた操作として、前記文字記号受付画像の表示指示を受け付けるものである。
【0009】
この発明によれば、ユーザが、表示部の表示画面において、表示中のウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示部分を指等で触る等の操作を行うと、表示指示受付部により文字記号受付画像の表示指示が受け付けられ、画像表示制御部により文字記号受付画像が表示部に表示されるので、ユーザは、文字記号受付画像の表示指示の入力に必要な操作を直感的に把握し、簡単な操作で文字記号受付画像を表示部に表示させることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置であって、前記画像表示制御部は、前記ウェブページにおいて文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外の領域を算出し、予め定められた前記文字記号受付画像を、当該算出した領域内で表示可能な最大の大きさに拡縮して表示させるものである。
【0011】
この発明によれば、画像表示制御部により、ウェブページの文字記号入力領域を示す画像を避けた領域に最大の大きさで文字記号受付画像が表示されるので、ウェブページの文字記号入力領域に、文字記号を入力する際におけるユーザにとっての操作性が更に向上される。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示制御装置であって、前記ウェブブラウザ機能部は、前記入力受付部に受け付けられた文字記号を、前記文字記号入力領域に表示させるウェブ表示制御部を更に備えるものである。
【0013】
この発明によれば、画像表示制御部が、文字記号受付画像を、ウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させると共に、ウェブ表示制御部が、入力受付部に受け付けられた文字記号を文字記号入力領域に表示させるので、ユーザは、ウェブページの文字記号入力領域において、自らの操作で入力済みの文字記号を視認しながら文字記号を入力する操作を行うことができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、プリント対象データに基づいて記録紙に画像を記録する記録部と、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表示制御装置とを備えた画像形成装置である。
【0015】
この発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明が奏する作用を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置等の表示部に表示されているウェブページの文字記号入力領域に対して文字記号を入力する際におけるユーザにとっての操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る表示制御装置を備える画像形成装置の実施形態を説明する。図1は、本発明に係る表示制御装置を備える画像形成装置の一実施形態である複合機の構成を示す側面概略図である。
【0018】
複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、ユーザ操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部と、原稿読み取り部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0019】
操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、ユーザから操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、スタートキー及びテンキー等を備える。
【0020】
原稿給送部600は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0021】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0022】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像データに応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0023】
一方、給紙ローラ202は、印刷用紙が収納された給紙カセット201から印刷用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0024】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0025】
図2は、複合機1の制御ブロック図である。複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、記録部31、操作部400、制御ユニット50、ネットワークインタフェイス(インターフェース)部71、及びHDD(ハードディスクドライブ)74を備える。
【0026】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部21へ出力する。
【0027】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像データを必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理し、処理された画像データを画像メモリ24に記憶したり、記録部31へ出力する。補正部22は、読み取られた画像データに対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0028】
記録部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部35を含む。記録部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0029】
ネットワークインタフェイス部71は、ネットワークインタフェイス等を用い、イーサネット(登録商標)等によりLAN(Local Area Network)を介して、外部装置との間での種々のデータの送受信を制御すると共に、インターネットへの接続を行う。HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像データ及び当該画像データに設定されている出力形式等を記憶する。
【0030】
操作部400は、図1に示す表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネルとLCDとを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。表示部410は、種々の操作画面を表示すると共に、ユーザが表示面(表示されている操作キー部)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能である。操作キー部430は、上述のようにスタートキー、テンキー等を有する。
【0031】
制御ユニット50は、制御部52と、表示画像データ記憶部53とを備える。
【0032】
制御部52は、メインコントローラユニット521と、表示制御ユニット522とを備える。メインコントローラユニット521は、複合機1の動作制御を司る。表示制御ユニット522は、ユーザに対する複合機1の操作案内情報及びウェブページ等を表示部410に表示させるための表示制御を行う。表示画像データ記憶部53は、表示部410に表示させる各種の画像データを記憶している。表示画像データ記憶部53に記憶されている当該各種画像データは、ユーザに対する複合機1の各操作案内情報の表示等を示す画像からなるものである。
【0033】
図3は複合機1の制御ユニット50の構成を抽出して示す図である。制御ユニット50は、上述したように、メインコントローラユニット521と、表示制御ユニット522とを備える。当該メインコントローラユニット521は、例えばCPUからなり、表示制御ユニット522は例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)からなり、これらを構成する各ボードは、例えばUSB(Universal Serial Bus)で接続される。
【0034】
メインコントローラユニット521は、動作制御部5211と、プロキシサーバ5213とを備える。
【0035】
動作制御部5211は、複合機1の各部(スキャナ部11,画像処理部21、記録部31等)の動作制御を司る。
【0036】
プロキシサーバ5213は、ウェブブラウザ機能部5221とインターネット網の間に介在してインターネットとの接続を行なう。プロキシサーバ5213は、イーサネット等を介してインターネットに接続する。
【0037】
表示制御ユニット522は、ウェブブラウザ機能部5221と、パネルアプリケーション5222とを備える。
【0038】
ウェブブラウザ機能部5221は、表示部410にインターネット上のウェブページを表示させるために必要な処理等を実行する。
【0039】
パネルアプリケーション5222は、複合機1の各操作案内等を表示部410に表示させるために必要な処理を実行する。パネルアプリケーション5222は、複合機1の各操作案内に対応する画像データを、上記表示画像データ記憶部53から読み出して、表示部410に表示させる。
【0040】
また、ウェブブラウザ機能部5221は、ウェブ表示制御部5223と、表示指示受付部5224と、画像表示制御部5225と、入力受付部5226とを有している。
【0041】
ウェブ表示制御部5223は、表示部410にウェブページを表示させるために必要な処理を行う。
【0042】
表示指示受付部5224は、ウェブ表示制御部5223によって表示部410に表示されているウェブページに、文字記号入力領域を示す画像(例えば、後述する図6のウェブページ表示画面4103内に表示されている検索キーワードの入力を受け付けるための画像B3等)が表示されている場合に、ユーザによる予め定められた操作に基づいて、文字記号受付画面4105(図7,図8)を表示部410に表示させる表示指示をタッチパネル機能によりユーザから受け付ける。当該予め定められた操作とは、例えば、表示部410の表示画面におけるウェブページ内の文字記号入力領域の画像が表示されている部分にユーザが指等で接触する等の操作である。但し、特許請求の範囲でいう当該予め定められた操作を、文字記号入力領域の表示部分にユーザが指で接触する操作に限定する趣旨ではない。例えば、ウェブ表示制御部5223が表示部410に画像表示受付画像B5をウェブページ表示画面外などに表示させ、ユーザが当該画像表示受付画像B5に触れる等の操作を行ったときに、タッチパネル機能により表示指示受付部5224が文字記号受付画面4105の表示指示を受け付けるようにしてもよい。
【0043】
画像表示制御部5225は、表示指示受付部5224に上記表示指示が受け付けられたときに、上記文字記号受付画像を、表示部410の表示画面においてウェブページ内の文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外の領域に表示させる。
【0044】
入力受付部5226は、ユーザによる上記文字記号受付画像に基づく操作(例えば、ユーザが指等で当該文字記号受付画像に触れる又は押圧する等の操作)により、文字記号の入力をタッチパネル機能により受け付ける入力受付部とを備える。
【0045】
なお、上記ウェブ表示制御部5223は、ユーザの操作で入力受付部5226に受け付けられた文字記号を、表示部410に表示中のウェブページ内の文字記号入力領域に表示させると共に、表示部410に表示中のウェブページのサイトに送信する。
【0046】
本発明の一実施形態に係る表示制御装置は、例えば、制御ユニット50及び表示部410を備えてなる。
【0047】
なお、上記には、制御部52が、CPUからなるメインコントローラユニット521と、ASICからなる表示制御ユニット522とで構成されている例を示したが、これに限られず、例えば、HDD74に本発明の一実施形態に係る表示制御プログラムが記憶されており、CPU等からなる制御部52が、当該表示制御プログラムに従って動作することで、上記ウェブブラウザ機能部5221として機能してもよいし、これに加えて更に、制御部52が、パネルアプリケーション5222、動作制御部5211及びプロキシサーバ5213としても機能するものであってもよい。
【0048】
次に、複合機1における表示部410の表示制御の第1実施形態を説明する。図4は複合機1における表示部410の表示制御の第1実施形を示すフローチャートである。図5は初期操作画面の例を示す図である。図6はウェブページ表示画面の例を示す図である。図7及び図8は文字記号受付画像(キーボード画面)の表示例を示す図である。図9は、ウェブページ上に文字記号入力受付画面を表示した例を示す図である。
【0049】
ユーザが、複合機1の使用開始時に当該複合機1の主電源をONにすると(S1でYES)、パネルアプリケーション5222は、表示画像データ記憶部53から、初期操作画面に対応する画像データを読み出して、図5に示すような初期画面4101を表示部410に表示させる(S2)。このとき、操作部400は、ユーザから各種動作実行指示(コピー動作実行指示やウェブページ表示指示等)が受付可能な状態となる(S3,S11)。この初期画面4101は、図5に示すように、例えばコピー動作時の各種設定を受け付けるキー101乃至104等が表示されると共に、ウェブブラウザを起動させるウェブブラウザ起動指示(ウェブブラウザの起動により予め設定されているウェブページを表示部410に表示させる指示)をユーザから受け付けるブラウザキー105が表示される。当該初期画面4101及び以下に示す各画面に表示されるキーは、タッチパネル機能によりユーザからの指示の入力がウェブブラウザ機能部5221や動作制御部5211等に受け付けられる。
【0050】
ここで、ユーザによる操作部400の操作で、ウェブページ表示指示以外のいずれかの動作実行指示、例えば、コピー動作実行指示が入力され、当該指示が操作部400に受け付けられた場合(S3でNO,S11でYES)、動作制御部5211は、指示された動作、例えばコピー動作を実行する(S12)。なお、操作部400がユーザからいずれの動作実行指示も受け付けない場合は(S11でNO)、処理はS2に戻り、パネルアプリケーション5222が初期画面4101を表示部410に表示させ、操作部400がユーザからの各種動作実行指示の入力を待機する状態が継続する。
【0051】
一方、ユーザにより、初期画面4101において、ブラウザキー105が押下され、タッチパネル機能によりウェブ表示制御部5223にウェブページ表示指示が受け付けられた場合は(S3でYES)、ウェブ表示制御部5223は、プロキシサーバ5213を介して、ウェブブラウザ表示時の第1ページとして予め設定されているウェブページのウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイトから、第1ページとなるウェブページの画像データを取得して、例えば図6に示すようなウェブページ表示画面4103を表示部410に表示する(S4)。すなわち、ウェブ表示制御部5223は、パネルアプリケーション5222によって表示部410に表示されている初期画面4101を、上記ウェブページ表示画面4103に切り換える。
【0052】
また、ウェブ表示制御部5223は、ウェブページ表示画面4103に、スクロールバーB1及び画面クローズボタンB2等を表示させる。スクロールバーB1及び画面クローズボタンB2等は、タッチパネル機能を利用してユーザがウェブページのスクロール指示、ウェブページを閉じる指示等を入力する操作を容易にするため、ユーザが指で触れやすい程度の大きさに設定されている。
【0053】
なお、図4には図示していないが、ウェブ表示制御部5223が、ウェブページ表示画面4103を表示部410に表示させているときに、ユーザにより画面クローズボタンB2が押下され、タッチパネル機能により画面クローズ指示がウェブ表示制御部5223に受け付けられると、ウェブ表示制御部5223は当該ウェブページ表示画面4103の表示を中止し、パネルアプリケーション5222による上記初期操作画面4101の表示処理(S2)に移行する。
【0054】
このようにウェブページ表示画面4103が表示部410に表示されているとき、表示指示受付部5224は、当該表示中のウェブページ表示画面4103内に、例えば図6に示すような文字記号入力領域を示す画像B3(以下、文字記号入力欄B3と表記する)が表示されているか否かを判断する(S5)。ウェブページ内における文字記号入力欄B3の認識方法は、例えば公知の技術を採用する。
【0055】
ここで、表示指示受付部5224が、当該表示中のウェブページ表示画面4103内に文字記号入力欄B3が表示されていると判断した場合(S5でYES)、表示指示受付部5224は、表示部410の表示画面におけるウェブページ内の文字記号入力欄B3の表示部分にユーザが指等で接触したか否かを判断する(S6)。当該ユーザによる文字記号入力欄B3への接触操作の有無の判断方法は、文字記号入力欄B3の表示領域を示す座標範囲内へのユーザの接触がタッチパネル機能により検出されるか否かを判断する等の手法で行われる。
【0056】
そして、表示指示受付部5224が、表示部410の表示画面におけるウェブページ内の文字記号入力欄B3の表示部分にユーザが指等で接触したと判断した場合(S6でYES)、画像表示制御部5225は、図7又は図8に示す文字記号受付画面4105を表示させる領域を算出する(S7)。すなわち、画像表示制御部5225は、表示部410に表示中のウェブページ内における文字記号入力欄B3の表示領域以外の領域からなる受付画像表示候補領域を示す座標情報を取得し、当該座標情報が示す受付画像表示候補領域を、文字記号受付画面4105を表示可能な領域として算出する。
【0057】
画像表示制御部5225は、予め定められた大きさの画像データからなる文字記号受付画面4105を、表示部410に表示されているウェブページ上であって、上記算出された座標が示す受付画像表示候補領域に表示させる(S8)。当該予め定められた大きさとは、例えば、文字記号受付画面4105を表示部410に表示させたときに、図7に示すように、ウェブページ表示画面4103の判断以下の高さに文字記号受付画面4105が収まる程度に表示部410に表示される大きさである。
【0058】
なお、ユーザによるスクロールバーB1の操作により文字記号入力欄B3がウェブページ表示画面4103の中心付近に位置する表示状態となっているとき等であって、画像表示制御部5225が、S7で算出した受付画像表示候補領域内に、文字記号受付画面4105が収まらないと判断した場合、画像表示制御部5225は、表示部410に、ユーザに対してスクロールバーB1の操作により文字記号入力欄B3をウェブページ表示画面4103内の上端又は下端付近に移動させる旨のメッセージを表示させるようにしてもよい。なお、文字記号受付画面4105は、文字記号受付画像の一例であり、図7及び図8に示すように、キーボードを示す画像からなるキーボード画面である。
【0059】
画像表示制御部5225が、表示部410に当該文字記号受付画面4105を表示させているときに、ユーザが当該文字記号受付画面4105に表示されている各文字キー表示部分を押下すると、タッチパネル機能により、押下された箇所の文字キーに対応付けられた文字又は記号の入力を、文字記号入力欄B3に入力させる文字記号列として、入力受付部5226が受け付ける(S9でYES)。画像表示制御部5225は、当該入力を受け付けた文字記号列を、表示部410に表示中の文字記号入力欄B3内に順次表示させる(S10)。
【0060】
なお、文字記号受付画面4105は、例えば、図7に示す大文字入力画面G40と図8に示す小文字入力画面G40’とを有している。例えば、画像表示制御部5225は、文字記号受付画面4105の表示時に、初期画面として大文字入力画面G40を最初に表示部410に表示する。この大文字入力画面G40において「小文字」ボタンG44がユーザにより押下され、タッチパネル機能により画像表示制御部5225に画面切替指示が受け付けられると、画像表示制御部5225は、表示部410の表示画面を小文字入力画面G40’に切り替える。また、この小文字入力画面G40’において「大文字」ボタンG43がユーザにより押下され、タッチパネル機能により画像表示制御部5225に画面切替指示が受け付けられると、画像表示制御部5225は、表示部410の表示画面を大文字入力画面G40に切り替える。
【0061】
大文字入力画面G40及び小文字入力画面G40’では、ユーザにより入力文字ボタンG41が押下され、タッチパネル機能により画像表示制御部5225に入力文字切替指示が受け付けられると、画像表示制御部5225は、入力文字ボタンG41から下方に向けて、入力文字各種を示す項目が並んでなる入力文字メニューボタンP1をプルダウン表示する。また、ユーザにより文字入力方式切替ボタンG42が押下され、タッチパネル機能により画像表示制御部5225に文字入力方式切替指示が受け付けられると、画像表示制御部5225は、文字入力方式切替ボタンG42から下方に向けて、文字入力方式各種を示す項目が並んでなる入力方式メニューボタンP2をプルダウン表示する。
【0062】
さらに、入力受付部5226は、S9で受け付けられた文字記号を順次に当該ウェブページのサイトに送信しておき(S10)、上記確定時に確定信号等を当該ウェブサイトに送り、入力された文字記号が、当該ウェブページのサイトにおいて検索対象キーワードとして用いられることが可能となる状態にする。なお、入力受付部5226は、ユーザにより大文字入力画面G40又は小文字入力画面G40’の「OK」ボタンG45が操作されると、タッチパネル機能により、この時点で入力を受け付けている文字記号列を、文字記号入力欄B3に入力する文字記号列として確定させ、表示部410に表示中のウェブページのURLに基づいて、当該確定した文字記号列をメインコントローラユニット521のプロキシサーバ513を介して当該ウェブページのサイトに送信し(S10)、当該ウェブページのサイトにおいて検索対象キーワードとして用いられることが可能な状態にするようにしてもよい。
【0063】
また、上記文字記号列の確定は、ユーザにより「OK」ボタンG45が操作されることなく、画面クローズボタンG47が操作されて当該文字記号受付画面4105を閉じる指示が画像表示制御部5225に受け付けられた場合に、行われるようにしてもよい。
【0064】
この後、上記文字記号を受信したウェブサイト(表示部410に表示中のウェブページのウェブサイト)は、当該受信した文字記号を用いたウェブ検索等の処理を実行する。
【0065】
次に、複合機1における表示部410の表示制御の第2実施形態を説明する。図10は複合機1における表示部410の表示制御の第2実施形を示すフローチャートである。図11はウェブページ上に文字記号入力受付画面を表示した例を示す図である。なお、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0066】
本第2実施形態では、表示指示受付部5224が、表示部410の表示画面におけるウェブページ内の文字記号入力欄B3の表示部分にユーザが指等で接触したと判断し(S26でYES)、画像表示制御部5225が、図7又は図8に示す文字記号受付画面4105を表示させる表示候補領域を算出した後(S27)、画像表示制御部5225は、上記予め定められた大きさの画像データからなる文字記号受付画面4105を、当該算出した表示候補領域内で表示可能な最大の大きさで表示部410に表示されるように拡縮する処理(拡大又は縮小する処理)を行う(S28)。この拡縮処理は、上記算出した座標情報が示す表示候補領域内に、当該文字記号受付画面4105が収まるように、(1) 文字記号受付画面4105の高さ寸法が表示候補領域の高さ寸法に一致するように文字記号受付画面4105を拡大又は縮小させる(文字記号受付画面4105の縦横比は保持しても変更しても構わない)、(2) 文字記号受付画面4105の幅寸法が表示候補領域の幅寸法に一致するように文字記号受付画面4105を拡大又は縮小させる(文字記号受付画面4105の縦横比は保持しても変更しても構わない)、(3) 文字記号受付画面4105の高さ寸法を表示候補領域の高さ寸法に一致させると共に、文字記号受付画面4105の幅寸法を表示候補領域の幅寸法に一致させるように、文字記号受付画面4105を拡大及び縮小させる(文字記号受付画面4105の縦横比は当該拡大縮小に合わせて変更する)、のようにして行う。当該拡縮処理は、文字記号受付画面4105の画像データの画像解像度と、表示部410のモニタ解像度との関係に基づいて、文字記号受付画面4105の画像データの画像解像度を変更すること等により行われる。
【0067】
画像表示制御部5225は、例えば、図11に示すように、上記算出した表示候補領域内での最大化を行った文字記号受付画面4105を、当該表示候補領域内に表示する(S29)。
【0068】
このように文字記号受付画面4105を最大化した上で上記表示候補領域内に表示することにより、複合機1に備えることが可能な表示部410の表示画面比較的小さい場合であっても、限られた表示領域内を最大限に活用して、ユーザにとってのタッチバネル操作性に優れた文字記号受付画面4105の表示を行うことができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、上記第1又は第2実施形態では、ウェブブラウザ機能部5221が、文字記号受付画面4105(文字記号受付画像)の表示指示受付処理、文字記号受付画面4105(文字記号受付画像)の表示処理、文字記号受付画面4105での操作に基づいた文字記号受付処理、当該受け付けた文字記号の表示処理、及びウェブページ表示処理等を行うとして説明しているが、これらの処理を行うのは、所謂ウェブブラウザと呼ばれるアプリケーションに限られず、上記各処理を実行可能なアプリケーション又は回路であればよい。すなわち、本実施形態においては、ウェブブラウザ機能部5221は、上記各処理を実行可能なアプリケーション又は回路を包含する概念である。
【0070】
また、上記実施形態では、本発明に係る表示制御装置、画像形成装置、及び表示制御プログラムの実施形態を、図1乃至図11に示しているが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明の構成又は処理等をこれらに限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る表示制御装置を備える画像形成装置の一実施形態である複合機の構成を示す側面概略図である。
【図2】複合機の制御ブロック図である。
【図3】複合機の制御ユニットの構成を抽出して示す図である。
【図4】複合機における表示部の表示制御の第1実施形を示すフローチャートである。
【図5】初期操作画面の例を示す図である。
【図6】ウェブページ表示画面の例を示す図である。
【図7】文字記号受付画像(キーボード画面)の表示例を示す図である。
【図8】文字記号受付画像(キーボード画面)の表示例を示す図である。
【図9】ウェブページ上に文字記号入力受付画面を表示した例を示す図である。
【図10】複合機における表示部の表示制御の第2実施形を示すフローチャートである。
【図11】ウェブページ上に文字記号入力受付画面を表示した例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1 複合機
410 表示部
4103 ウェブページ表示画面
4105 文字記号受付画面
52 制御部
522 表示制御ユニット
5211 動作制御部
5221 ウェブブラウザ機能部
5223 ウェブ表示制御部
5224 表示指示受付部
5225 画像表示制御部
5226 入力受付部
B3 文字記号入力欄
B5 画像表示受付画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部にウェブページを表示させるウェブブラウザ機能部とを備え、
前記ウェブブラウザ機能部は、表示中のウェブページに文字記号入力領域を示す画像が表示されている場合に、ユーザによる予め定められた操作に基づいて、文字記号の入力を受け付けるための文字記号受付画像を前記表示部に表示させる表示指示をタッチパネル機能により受け付ける表示指示受付部と、当該表示指示受付部に前記表示指示が受け付けられたときに、前記文字記号受付画像を、前記表示部の表示画面において前記ウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させる画像表示制御部と、ユーザによる当該文字記号受付画像に基づく操作で、文字記号の入力をタッチパネル機能により受け付ける入力受付部とを備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示指示受付部は、前記表示部の表示画面における前記文字記号入力領域を示す画像の表示部分に対するユーザによる操作を、前記予め定められた操作として、前記文字記号受付画像の表示指示を受け付ける請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記画像表示制御部は、前記ウェブページにおいて文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外の領域を算出し、予め定められた前記文字記号受付画像を、当該算出した領域内で表示可能な最大の大きさに拡縮して表示させる請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記ウェブブラウザ機能部は、前記入力受付部に受け付けられた文字記号を、前記文字記号入力領域に表示させるウェブ表示制御部を更に備える請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項5】
プリント対象データに基づいて記録紙に画像を記録する記録部と、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表示制御装置とを備えた画像形成装置。
【請求項6】
表示制御装置に内蔵されるコンピュータを、
前記表示制御装置の表示部にウェブページを表示させるウェブブラウザ機能部として機能させ、
さらに、前記ウェブブラウザ機能部を、画像を表示する表示部と、
前記表示部にウェブページを表示させるウェブブラウザ機能部とを備え、
前記ウェブブラウザ機能部は、表示中のウェブページに文字記号入力領域を示す画像が表示されている場合に、ユーザによる予め定められた操作に基づいて、文字記号の入力を受け付けるための文字記号受付画像を前記表示部に表示させる表示指示をタッチパネル機能により受け付ける表示指示受付部と、当該表示指示受付部に前記表示指示が受け付けられたときに、前記文字記号受付画像を、前記表示部の表示画面において前記ウェブページの文字記号入力領域を示す画像の表示領域以外に表示させる画像表示制御部と、ユーザによる当該文字記号受付画像に基づく操作で、文字記号の入力をタッチパネル機能により受け付ける入力受付部として機能させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−128993(P2010−128993A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305633(P2008−305633)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】