説明

表示制御装置及びその制御方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】画像内に既に描画された図形の消去を容易にする。または図形の重複を回避しつつ、所望の位置に図形が描画された画像を生成する。
【解決手段】連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する場合、当該連続的な入力の開始位置を基準とした、描画する図形に予め設定された領域が、既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する。このとき、所定以上の重なりを有さないと判定された場合には入力がなされた位置の軌跡に応じて図形の描画を行い、所定以上の重なりを有すると判定された場合には入力がなされた位置の軌跡に応じて既に描画された図形を消去するように制御を切り替える。また位置の軌跡に応じて図形を描画する場合、入力がなされている位置を基準とした、描画する図形に予め設定された領域が、既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する。そして、重なりを有すると判定された場合は図形の描画を行わないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上の入力された位置に図形を描画する、または当該位置に描画された図形を消去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラやカメラ機能を備える携帯電話等の携帯機器では、ユーザは撮影して得られた画像や動画像に対して様々な効果を追加することが可能である。例えば、携帯電話では撮影して得られた画像に対して、図形等のアイコンや手書き文字等を配置し、生成された画像をメール等に添付することにより他のユーザに送信することができる。最近では上述したような携帯機器の中には、表示装置としてタッチパネル式ディスプレイを採用しているものもあり、ユーザはより直感的に図形や文字等を画像に配置することができる。
【0003】
上述した機器の中には、画像内や動画像内に図形を配置する場合、ユーザが所望しない場所に誤って図形を配置してしまうことがあるため、既に配置された図形を消去する機能を有するものもある。また特に上述したような携帯機器では小型の表示装置が備えられているものが多く、画像の描画領域を大きくするために、最近使用した機能等の限定数のメニューのみを表示するものもある。このような携帯機器の場合、図形を消去するメニューを選択して実際に図形を削除するまでに、ユーザは煩雑な操作を行う必要があった。
【0004】
特許文献1には、ペン型ユーザインタフェースを用いる入力装置において、ペン先の形状が太いか細いかにより入力モードと消去モードを切り替える入力装置が開示されている。
【0005】
また一方で、画像内や動画像内に配置された図形が重複することがある。図形同士が重複した場合、当該図形は識別可能に閲覧することが難しい。特に配置される図形にアニメーションが設定されている場合は、当該図形を識別することが難しいため、付帯的な効果を与えるどころかユーザに不快感を与えてしまうことがある。
【0006】
特許文献2には、画像内に配置する画像のうちの重複することを禁止する画像の形状に基づいて設定された領域に、重複するように新たに画像の配置位置が指示された場合に、当該領域以外の空白領域に配置するように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−200133号公報
【特許文献2】特開2001−188525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1のようにペン先形状により入力モードと消去モードを切り替える場合、特殊な入力ユーザインタフェースを必要とするため汎用的ではない。
【0009】
また、特許文献2のように、重複することを禁止する画像の形状に基づいて設定された領域以外の空白領域に画像が配置される場合、ユーザが所望する位置とは異なる位置に画像が配置されるため、ユーザに使いづらいという印象を与えてしまう可能性がある。
【0010】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、画像内に既に描画された図形の消去を容易にすることを目的とする。また、図形の重複を回避しつつ、所望の位置に図形が描画された画像を生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る表示制御装置は、以下の構成を備える。
表示装置の画面中の位置を入力する位置入力手段と、位置入力手段による1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画手段と、連続的な入力の開始位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第1の判定手段と、第1の判定手段により所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、連続的な入力がなされた位置の軌跡に応じて描画手段により図形の描画を行うように制御し、第1の判定手段により所定以上の重なりを有すると判定された場合に、連続的な入力がなされた位置の軌跡に応じて描画手段により既に描画された図形を消去するように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第2の側面に係る表示制御装置は、以下の構成を備える。
表示装置の画面中の位置を入力する位置入力手段と、位置入力手段による1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画手段と、1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段により所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、入力がなされている位置に応じて描画手段による図形の描画を行うように制御し、第2の判定手段により所定以上の重なりを有すると判定された場合に、描画手段による図形の描画を行わないように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第3の側面に係る表示制御装置は、以下の構成を備える。
表示装置の画面中の位置を入力する位置入力手段と、位置入力手段による1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画手段と、1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定手段と、第2の判定手段により所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、入力がなされている位置に応じて描画手段による図形の描画を行うように制御し、第2の判定手段により所定以上の重なりを有すると判定された場合に、既に描画された図形を消去し、さらに入力がなされている位置に応じて描画手段による図形の描画を行うように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このような構成により本発明によれば、画像内に既に描画された図形の消去を容易にすること、または図形の重複を回避しつつ、所望の位置に図形が描画された画像を生成することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルビデオカメラ100の機能構成を示したブロック図
【図2】実施形態に係る描画ツールを説明するためのGUIを示した図
【図3】実施形態に係る描画制御処理のフローチャート
【図4】実施形態に係る入力開始位置の重なり判定を説明するための図
【図5】実施形態に係る重なり判定の条件式を説明するための図
【図6】実施形態に係る描画モード処理及び消去モード処理のフローチャート
【図7】実施形態に係る描画モード及び消去モードの動作を説明するための図
【図8】実施形態に係る入力がなされている位置の重なり判定を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、表示制御装置の一例としての、画面中の入力がなされた位置に応じて図形の描画または消去することが可能なデジタルビデオカメラに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、画面中の入力がなされた位置に応じて図形の描画または消去することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルビデオカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
システム制御部101は、例えばCPUであり、デジタルビデオカメラ100が備える各ブロックの動作を制御する。具体的にはシステム制御部101は、例えば不揮発性メモリ114に記憶されているデジタルビデオカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムを読み出し、システムメモリ113に展開して実行することにより、各ブロックの動作を制御する。不揮発性メモリ114は、例えばEEPROM等の電気的に消去・記録可能なメモリであり、デジタルビデオカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要なパラメータ等が記憶される。システムメモリ113は、例えばRAMであり、デジタルビデオカメラ100が備える各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけではなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等が一時的に記憶される領域としても用いられる。
【0018】
なお、本実施形態ではデジタルビデオカメラ100が備える各ブロックの動作を当該ブロックの動作プログラムにより制御するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限らず、各ブロックは当該動作プログラムと同様の処理を行う回路で構成されてもよい。
【0019】
撮影レンズ104は、フォーカスレンズを含むデジタルビデオカメラ100が備える撮影レンズ郡であり、絞り、NDフィルタ機能を備えるシャッタ105を介して光学像を撮像部106に結像する。撮像部106は、例えばCCDやCMOSセンサ等の撮像素子であり、撮影レンズ104を介して結像された光学像をアナログ画像信号に変換してA/D変換部107に出力する。A/D変換部107は、撮像部106から入力されたアナログ画像信号に対してA/D変換処理を適用することにより、デジタル画像信号(画像)に変換する。バリア103は、撮影レンズ104、シャッタ105、撮像部106を含む撮像系を覆うことにより、当該撮像系の汚れや破損を防止する。
【0020】
画像処理部102は、A/D変換部107から出力された画像、または後述するメモリ制御部108によりメモリ109から読み出された画像に対し、所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を実行するブロックである。また、画像処理部102は、撮像によりA/D変換部107より入力された画像を用いて露光制御、測距制御に係る演算処理を実行し、演算結果をシステム制御部101に出力する。システム制御部101は、当該演算結果に基づき、不図示の駆動系により撮影レンズ104及びシャッタ105を動作させて露光制御及び測距制御を行う。
【0021】
本実施形態のデジタルビデオカメラ100は、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理を採用しているものとする。なお、AE処理はシャッタスピード、絞り、NDフィルタの制御、及び画像処理部102においてデジタル画像信号に適用されるゲインの制御を行われる。また画像処理部102は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も実行する。
【0022】
なお、デジタルビデオカメラ100では通常の動画像を撮影するモードでの使用においてAF処理、AE処理、AWB処理はリアルタイムに実行されるものとする。しかしながら、各処理のオート実行設定を解除した場合には、マニュアルで各処理のパラメータを設定することができるものとする。
【0023】
メモリ制御部108は、メモリ109からの情報の読み出し、及びメモリ109への情報の書き込みを制御するブロックである。メモリ制御部108は、A/D変換部107より入力されたデジタル画像信号、または画像処理部102により各種処理が適用されて出力された画像信号を、メモリ109に書き込む。メモリ109は、動画像の撮影中の動画像のフレームに係る画像群に加え、撮影中の音声の情報も書き込まれるため、当該情報を格納するために十分な記憶容量を有するように設計されているものとする。
【0024】
なお、メモリ109には撮像により得られた画像に加え、後述する表示部111に表示される表示画像も書き込まれる。当該表示画像を表示部111に表示する場合は、メモリ109により当該表示画像が読み出され、表示部111に表示するために後述するD/A変換部110に出力されるものとする。
【0025】
D/A変換部110は、入力されたデジタル画像信号に対してD/A変換処理を適用することにより、得られたアナログ画像信号を表示部111に出力して表示させる。表示部111は、例えば小型LCD等の表示装置であり、D/A変換部110より出力されたアナログ画像信号が表示される。なお、表示部111は、撮像によりA/D変換部107が逐次出力したデジタル画像信号がD/A変換部110に入力され、再びアナログ画像信号に変換されて表示部111に表示(スルー表示)されることにより、電子ビューファインダとして機能する。
【0026】
システムタイマ112は、デジタルビデオカメラ100に内蔵されるタイマであり、システム制御部101により実行される各プログラムや処理における経過時間の計測やタイムスタンプ等に用いられる。
【0027】
操作入力部115は、デジタルビデオカメラ100が備える、電源ボタン、モード切り替えSW、撮影ボタン等のユーザインタフェースであり、ユーザが各操作部材を操作することにより入力された操作を解析し、入力された操作をシステム制御部101に伝送する。
【0028】
なお、本実施形態の表示部111はタッチパネル式ディスプレイであり、操作入力部115は、例えば表示部111に表示されたGUIボタンへの入力等、当該タッチパネルに対してなされた接触入力も検出するものとする。表示部111は表示装置とタッチパネルとから構成される。タッチパネルは、表示部111の表示が視認可能なように透過素材で形成されるものであり、表示装置の表示面の上層に取り付けられる。操作入力部115により検出される表示装置上のタッチパネルにおける接触入力の位置は、表示装置の画面上の位置と対応付けられており、操作入力部115は接触入力がなされた場合に画面上の座標として検出する。なお、操作入力部115は入力された接触入力を、継続状態及び入力位置の移動速度により、次のような状態(操作)に割り当てて検出可能であるものとする。
【0029】
タッチダウン:接触入力を認識した瞬間の状態
タッチオン :接触入力を認識している状態が、所定時間以上継続している状態
ムーブ :タッチオンされ、かつ入力点が所定距離以上または所定速度以上で移動
している状態(ドラッグ等)
タッチアップ:入力されていた入力点が所定時間以上認識されず、入力が中断されたと
判断された瞬間の状態
フリック :所定速度以上のムーブ直後にタッチアップされた状態(指ではじく等)
タッチオフ :接触入力がなされていない状態
タップ :タッチダウン後にムーブが検出されることなく、タッチアップが検出さ
れた状態(シングルタッチ)
【0030】
なお、本実施形態では上述の7つの状態を用いて、デジタルビデオカメラ100で実行される各処理について説明するものとするが、状態の名称、及び各処理のトリガーとなる状態の指定は一例を示すものであり、以下に限定されない。
【0031】
また、本実施形態では操作入力部115はタッチパネルになされた接触入力を検出するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限らない。即ち、タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルであってよく、検出される入力は当該方式に依存する。つまり、タッチパネルの方式により、直接タッチパネルに接触することなく入力が検出される場合は、操作入力部115は当該入力を検出してシステム制御部101に伝送するものとする。
【0032】
記録媒体I/F116は、例えばメモリカードやHDD等の、デジタルビデオカメラ100に着脱可能に接続される記録装置である記録媒体117とデジタルビデオカメラ100とを接続するためのインタフェースである。記録媒体117には、例えば記録媒体I/F116を介して、所定の符号化形式に従って画像処理部102により符号化された動画像の画像及び音声が記録される。
【0033】
(描画ツールGUI)
ここで、本実施形態のデジタルビデオカメラ100において、表示部111に表示される描画ツールについて、図2を用いて説明する。当該描画ツールは、表示部111にスルー表示されている撮像画像に対して、重畳する線および図形をユーザが描画するためのツールであり、当該描画ツールを用いて描画された図形等は、動画像の記録を行った場合に反映された状態で記録することができる。
【0034】
図2(a)は、描画ツールの各種設定のツールバーが表示部111に表示された状態を示している。ツールバーには、描画ツール選択アイコン201、線種選択アイコン202、色選択アイコン203、スタンプ選択アイコン204、及びアニメーションスタンプ選択アイコン205の5種類のアイコンで構成されている。ユーザは各アイコンをタップすることにより、それぞれの項目に対応した設定あるいは選択GUIに遷移することができる。
【0035】
図2(b)は描画ツール選択アイコン201がタップされた場合に表示される、描画ツールの選択GUIであり、ユーザは鉛筆211、クレヨン212、筆213、ブラシ214、及びスプレー215の中から1つを選択することにより、線分を描画することできる。なお、描画ツールの選択GUIにおいて線分を描画する項目が選択された場合、ユーザは線種選択アイコン202及び色選択アイコン203をタップすることにより、図2(c)及び図2(d)のGUIに遷移して、該当の設定を行うことができる。また、描画ツールの選択GUIには、描画されたオブジェクト(線分、図形等)を消去する消しゴム216も含まれている。
【0036】
図2(e)及び図2(f)は、それぞれスタンプ選択アイコン204、アニメーションスタンプ選択アイコン205がタップされた場合に遷移する選択GUIを示している。スタンプ及びアニメーションスタンプは上述した線分を描画するツールとは異なり、予め設定された図形、あるいは撮影時刻等の文字列図形を配置することを可能にする。なお、アニメーションスタンプとは、時間経過により描画される図形が変化するスタンプである。
【0037】
このように、GUIを用いてユーザにより描画ツールあるいはスタンプが選択されると、ユーザはスルー表示されている撮像画像に対して描画を行うことができる。具体的には、1回の入力、即ちタッチダウンが検出されてからタッチアップが検出されるまでに、タッチダウンが検出されたポインティング位置を開始位置として、当該開始位置から連続的に入力された軌跡(ムーブの軌跡)に応じて線分や図形の描画が行われる。
【0038】
(描画制御処理)
このような構成をもつ本実施形態のデジタルビデオカメラ100の描画制御処理について、図3のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。当該フローチャートに対応する処理は、システム制御部101が、例えば不揮発性メモリ114に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、システムメモリ113に展開して実行することにより実現することができる。なお、本描画制御処理は、例えばユーザが操作入力部115のモード切り替えSWを操作することにより、フレーム内にオブジェクトを配置した動画像を撮影する特殊撮影モードに設定された際に開始されるものとして説明する。
【0039】
S301で、システム制御部101はユーザにより表示部111へのオブジェクトを描画または消去するための接触入力がなされたか否かを判断する。具体的にはシステム制御部101は、描画ツールの選択が完了し、操作入力部115によりスルー画像表示領域内の位置へのタッチダウン操作が検出されたか否かを判断する。システム制御部101は、接触入力がなされた場合は処理をS302に移し、接触入力がなされていない場合は接触入力がなされるまでS301の処理を繰り返す。なお、本描画制御処理の説明では、描画ツールとしてアニメーションスタンプが選択されているものとして、以下は説明する。
【0040】
S302で、システム制御部101は、S301でタッチダウンが検出されたポインティング開始位置に既に描画された図形が存在するか否かを判定する(第1の判定)。具体的にはシステム制御部101は、ポインティング開始位置を中心とした、描画する図形に予め設定された大きさの領域(ポインティング領域)と、既に描画された図形に予め設定された領域(描画済み領域)とが重なるか否かを判定する。
【0041】
システム制御部101は、例えば図4(a)のようにスルー画像表示領域内に既に図形が描画されており、当該図形に係る描画済み領域402とポインティング領域401とが重なりを有さないと判定した場合は処理をS303に移す。またシステム制御部101は、例えば図4(b)のように描画済み領域402とポインティング領域401とが重なりを有すると判定した場合は処理をS306に移す。
【0042】
重なりを有するか否かの判定は、ポインティング領域及び描画済み領域が矩形領域である場合は、それぞれの領域の左上、右下に位置する対角頂点の座標を用いて判定することが可能である。例えば図5に示すように2つの領域AとBとが重なっている場合、次の4つの条件式が同時に真となる。
(1)XAleft<XBright
(2)XBleft<XAright
(3)YBbottom<YAtop
(4)YAbottom<YBtop
【0043】
即ち、システム制御部101は当該4つの条件が全て真である場合に重なりを有すると判定すればよい。本実施形態においても、スルー画像表示領域内に描画される図形のそれぞれに予め設定された矩形領域と、ポインティングの開始位置を中心とした、描画する図形に予め設定された領域とが重なりを有するか否かは、上述の条件式により判断するものとして説明する。この場合、システム制御部101は例えば既に描画されている図形に予め設定された領域の情報を、当該図形が描画された際に取得してシステムメモリ113に記憶させておけばよい。しかしながら、本発明の実施はこれに限らず、描画済み領域及びポインティング領域は矩形である必要はなく、任意の形状であってもよい。
【0044】
また、ポインティング領域として割り当てられる、描画する図形に予め設定された領域は、タッチダウンが検出された位置を中心とした領域でなくてもよく、当該位置を左上座標とするような、タッチダウンが検出された位置を基準とする領域であってもよい。さらに、ポインディング領域あるいは描画済み領域の大きさは、常に同一の大きさであってもよいし、描画される、あるいは既に描画されている図形の透過色領域等の、描画対象図形それぞれの大きさに依存して設定された大きさであってもよい。
【0045】
S303で、システム制御部101は、スルー画像表示領域内への操作入力が図形の描画に係る入力であると判断し、タッチダウンが検出された位置にアニメーションスタンプ選択GUIで選択された図形を描画する。このときシステム制御部101はシステムタイマ112に新たな描画タイマを設定して開始させるとともに、描画した図形に予め設定された、当該描画した図形を自動的に消去するまでの時間をカウントする消去タイマを新たに設定して開始させる。またシステム制御部101は、描画した図形について設定された描画済み領域の座標情報をシステムメモリ113に格納する。
【0046】
本実施形態のデジタルビデオカメラ100では、スルー画像表示領域内に描画された図形のそれぞれについて、当該図形を自動的に消去するまでの時間が予め設定されているものとする。これは、動画像の撮影中に撮影アングルや被写体の状態が変化することがあるため、図形の描画が不要となることを想定しているからである。図形を自動的に消去するまでの時間は、例えばスタンプの種類や大きさによって異なる時間であってもよいし、固定の時間であってもよい。本実施形態では、説明を簡単にするため図形を自動的に消去するまでの時間として10秒が固定値として設定されるものとする。
【0047】
その後システム制御部101は、S304で描画モードの処理を実行する。なお、当該描画モードの処理はS305でタッチアップが検出されたとシステム制御部101が判断するまで繰り返し実行されるものとする。
【0048】
(描画モード処理)
ここで、スルー画像表示領域内への操作入力が図形の描画に係る入力であると判断された場合に実行される、本実施形態の描画モード処理について、図6(a)のフローチャートを用いてさらに説明する。
【0049】
S601で、システム制御部101は、システムタイマ112に設定した描画タイマが250msを経過したか否かを判断する。本実施形態では、図7(a)に示すように1回の入力が継続している間、連続的に入力された位置の軌跡に応じて一定の時間間隔(250ms間隔)で図形が描画されるものとする。即ちシステム制御部101は、本ステップにおいて、次の図形を描画するか否かを判断する。システム制御部101は、描画タイマが250msを経過した場合は処理をS602に移し、経過していない場合は処理をS605に移す。
【0050】
S602で、システム制御部101は、システムメモリ113に設定されている描画タイマのカウントをリセットし、再度開始させる。
【0051】
S603で、システム制御部101は、現在表示部111に入力がなされている位置を中心としたポインティング領域と、既に描画されている図形に係る描画済み領域とが重なっているか否かを判定する(第2の判定)。システム制御部101は、ポインティング領域と描画済み領域とが重なっていないと判定した場合は処理をS604に移し、重なっていると判定された場合は処理をS605に移す。
【0052】
本実施形態では図8(c)に示すように、入力がなされている位置を中心とするポインティング領域811と描画済み領域812とが重なっていない場合は、システム制御部101は新たな図形を描画可能と判断する。また、図8(d)に示すようにポインティング領域811と描画済み領域812とが重なっている場合は、システム制御部101は新たな図形を描画すると既に描画された図形と重複してしまうため、図形を描画しないと判断する。
【0053】
S604で、システム制御部101は、入力がなされている位置にアニメーションスタンプ選択GUIで選択された図形を描画し、当該図形の消去タイマを新たにシステムタイマ112に設定して開始させる。
【0054】
S605で、システム制御部101は、既に描画されている図形のうち、システムタイマ112に設定されている消去タイマが10秒を経過している図形が存在しているか否かを判断する。システム制御部101は、自動的に消去する図形が存在している場合は処理をS606に移して当該図形の描画を停止して描画モード処理を完了し、存在していない場合はそのまま描画モード処理を完了する。
【0055】
このようにすることで、本実施形態の描画モード処理では、既に描画されている図形に対し、新たな図形を重複して描画しないように制御しながら、スルー画像表示領域に図形を配置することができる。即ち、例えば移動速度が遅いムーブ操作であっても、一定の時間間隔で強制的に図形を描画せずに、既に描画されている図形に新たな図形が重ならないように描画を制御することができる。
【0056】
また描画制御処理のS302でポインティング領域と描画済み領域とが重なりを有すると判断した場合、システム制御部101は次のように処理する。システム制御部101はS306でスルー画像表示領域内への操作入力が、既に描画されている図形の消去に係る入力であると判断し、消去モードの処理を実行する。なお、当該消去モードの処理はS307でタップが検出されたとシステム制御部101が判断するまで繰り返し実行されるものとする。
【0057】
(消去モード処理)
ここで、スルー画像表示領域内への操作入力が既に描画されている図形の消去に係る入力であると判断された場合に実行される、本実施形態の消去モード処理について、図6(b)のフローチャートを用いてさらに説明する。
【0058】
S611で、システム制御部101は、現在表示部111に入力がなされている位置を中心としたポインティング領域内に、既に描画されている図形に係る描画済み領域とが重なっているか否かを判定する。システム制御部101は、ポインティング領域と描画済み領域とが重なっていると判定した場合は処理をS612に移し、重なっていないと判定された場合は消去モード処理を完了する。
【0059】
S612で、システム制御部101は、ポインティング領域内と重なっている描画済み領域に係る図形を消去し、消去モード処理を完了する。即ち、例えば図7(a)に示すように既に描画された図形が、スルー画像表示領域内に存在する場合、当該図形に対して図7(b)に示すようなムーブ操作をすることで、ユーザは図形を消去することができる。
【0060】
このようにすることで、本実施形態の消去モード処理では、既に描画されている図形を消去する場合に、図形を消去するツールを選択するための煩雑な操作をなくすことができる。また、消去する消しゴムツールを用い、既に描画されている図形の上を、線分を描画するツールのように繰り返しムーブ操作を行う必要なく、一度のムーブ操作で確実に描画されている図形を消去することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、タッチダウンが検出された際のポインティング領域と描画済み領域、及びムーブ操作において入力がなされている位置を中心としたポインティング領域と描画済み領域とが重なりを有するか否かの判定を行うものとして説明した。しかしながら、当該2つの領域の重なり判定は、重なりを有するか否かに限定するものでなくてもよい。
【0062】
例えば、本実施形態のようにポインティング領域及び描画済み領域が矩形である場合、矩形領域の頂点付近には図形が描画されないこともあるため、2つの領域が互いの矩形領域の頂点で重なりを有しても、図形は重複しないことがある。このような場合は、ユーザは意図した位置に図形を描画できない、あるいは消去モードに設定されてしまうことがあるため、重なり判定においては2つの領域が所定以上の重なりを有するか否かについて判定してもよい。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の表示制御装置は、画像内に既に描画された図形の消去を容易にすることができる。あるいは図形の重複を回避しつつ、所望の位置に図形が描画された画像を生成することができる。具体的には表示制御装置は、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する場合、当該連続的な入力の開始位置を基準とした、描画する図形に予め設定された領域が、既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する。このとき、所定以上の重なりを有さないと判定された場合には入力がなされた位置の軌跡に応じて図形の描画を行い、所定以上の重なりを有すると判定された場合には入力がなされた位置の軌跡に応じて既に描画された図形を消去するように制御を切り替える。また位置の軌跡に応じて図形を描画する場合、入力がなされている位置を基準とした、描画する図形に予め設定された領域が、既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する。そして、重なりを有すると判定された場合は図形の描画を行わないように制御する。
【0064】
このようにすることで、煩雑な操作を行うことなく、図形を描画する動作及び図形を消去する動作が状況に応じて自動的に選択されるため、ユーザは同様の動作で図形の描画及び消去を簡単に行うことができる。また、図形を描画する際に既に描画されている図形に重ならないように判定を行うため、ユーザの所望の位置に図形が描画されつつ、ユーザに見づらいという印象を与えない画像を生成することができる。
【0065】
(変形例)
上述した実施形態では描画モード処理において、入力がなされている位置を中心としたポインティング領域が、既に描画されている図形に係る描画済み領域と重なりを有すると判定された場合に、新たな図形の描画を行わないものとして説明した。この場合、例えば描画されている図形に自動的に消去する時間が設定されていると、次のようなことが生じる可能性がある。
【0066】
例えば図8(a)のように既に描画されている図形群801をまたいで図形の描画指示を行った場合、当該図形群801上では新たな図形が描画されない。その後、図形群801の図形が全て自動的に消去された場合は、図8(b)のように図形群801より後に描画された図形は、連続して描画したにも関わらず、分断されているとの印象をユーザに与える可能性がある。
【0067】
このような場合を回避するために、入力がなされている位置を中心としたポインティング領域が、既に描画されている図形に係る描画済み領域と重なりを有すると判定した場合は、システム制御部101は、次のように処理すればよい。具体的にはシステム制御部101は、重なりを有すると判定した描画済み領域に係る図形を特定し、システムタイマ112に設定されている当該図形の消去タイマを再設定して計測をリスタートすればよい。
【0068】
このようにすることで、既に描画されている図形が、入力がなされている位置を中心としたポインティング領域と重なりを有すると判定された場合であっても、当該図形の自動的に消去するまでの時間を再設定することができる。即ち、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する際に既に描画されている図形が軌跡上に存在していても、当該既に描画されている図形が、あたかも連続的に入力された位置に応じて描画された図形のように提示することができる。
【0069】
なお、動画像の撮影中に撮影アングルや被写体の状態が変化することを鑑みると、新たな連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画することをユーザが所望することも考えられる。このような場合は描画モード処理において、入力がなされている位置を中心としたポインティング領域と重なりを有していると判定される描画済み領域に係る図形が存在する場合、当該図形を消去し、入力がなされている位置に新たな図形を描画してもよい。
【0070】
また、上述した実施形態ではアニメーションスタンプが図形として描画される例について説明したが、ペンツールのような手描きの線分を入力する場合は、手書き文字等、当該線分の分断が好ましくないこともある。このため、線分を描画するための入力であった場合は、既に描画されている図形や線分が存在した場合であっても、強制的に入力されている位置への線分の描画を行うように制御してもよい。
【0071】
また、本実施携帯ではタッチパネルを備えたデジタルビデオカメラ100について説明したが、本発明の実施はデジタルビデオカメラに限定されるものではなく、画面上の位置の入力を指示するUIを備え、当該入力に従い図形描画が可能な他の機器にも適用できる。即ち、タッチパネルに対してなされる接触入力に限らず、表示画面に対する位置入力を行えるポインティングデバイスをユーザが操作することにより描画できる機器であれば適用可能である。例えば、表示制御装置としてPCを用いる場合、上述したようなタッチパネル上でなされる操作を、マウスで行う操作に対応付けてもよいことは容易に理解できよう。この場合、マウスで行う操作は、例えば、
・マウスの左ボタンの押下:タッチ操作におけるタッチダウン
・マウスの左ボタンを押下した状態:タッチ操作におけるタッチオン
・マウスの左ボタンを押下した状態からリリースする操作:タッチ操作におけるタッチアップ
・マウスの左ボタンを押下していない状態:タッチ操作におけるタッチオフ
・マウスのドラッグ操作(左ボタンを押下してマウスを動かす操作):タッチ操作におけるムーブ
のように対応づければよい。
【0072】
なお、システム制御部101の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0073】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0074】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルビデオカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、ポインティングデバイスを備え、当該ポインティングデバイスにより図形を描画可能な表示制御装置であれば適用可能である。即ち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤ、ゲーム機、電子ブックリーダ等のポインティングデバイスを備える装置に適用可能である。
【0075】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の画面中の位置を入力する位置入力手段と、
前記位置入力手段による1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画手段と、
前記連続的な入力の開始位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記連続的な入力がなされた位置の軌跡に応じて前記描画手段により図形の描画を行うように制御し、前記第1の判定手段により前記所定以上の重なりを有すると判定された場合に、前記連続的な入力がなされた位置の軌跡に応じて前記描画手段により既に描画された図形を消去するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1の判定手段により前記開始位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、さらに、
前記第2の判定手段により前記入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有さないと判定された場合、前記入力がなされている位置に応じて前記描画手段による図形の描画を行うように制御し、
前記第2の判定手段により前記入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有すると判定された場合、前記描画手段による図形の描画を行わないように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1の判定手段により前記開始位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、さらに、
前記第2の判定手段により前記入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有さないと判定された場合、前記入力がなされている位置に応じて前記描画手段による図形の描画を行うように制御し、
前記第2の判定手段により前記入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有すると判定された場合、前記既に描画された図形を消去し、さらに前記入力がなされている位置に応じて前記描画手段による図形の描画を行うように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
表示装置の画面中の位置を入力する位置入力手段と、
前記位置入力手段による1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画手段と、
前記1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記入力がなされている位置に応じて前記描画手段による図形の描画を行うように制御し、前記第2の判定手段により前記所定以上の重なりを有すると判定された場合に、前記描画手段による図形の描画を行わないように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
前記描画手段により図形が描画された場合に、当該描画された図形を自動的に消去するまでの時間を設定する設定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2の判定手段により前記入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記設定手段により当該既に描画された図形に設定された自動的に消去するまでの時間を再設定させるように制御することを特徴とする請求項2または4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記設定手段により設定される前記描画された図形を自動的に消去するまでの時間は、描画される図形の種類のそれぞれについて予め設定された時間であることを特徴とする請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
表示装置の画面中の位置を入力する位置入力手段と、
前記位置入力手段による1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画手段と、
前記1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画手段により既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記入力がなされている位置に応じて前記描画手段による図形の描画を行うように制御し、前記第2の判定手段により前記所定以上の重なりを有すると判定された場合に、前記既に描画された図形を消去し、さらに前記入力がなされている位置に応じて前記描画手段による図形の描画を行うように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
前記位置入力手段による連続的な入力が線分を描画するための入力であった場合、前記第2の判定手段による判定を行わないことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された動画像を記録する記録手段と、をさらに備え、
前記記録手段は、前記撮像手段により撮像された画像に前記描画手段による図形の描画がなされている場合は、当該図形と共に前記動画像を記録することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記位置入力手段は、前記表示装置上に構成されたタッチパネルへの入力を検出することにより、前記画面中の位置を入力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
位置入力手段が、表示装置の画面中の位置を入力する位置入力工程と、
描画手段が、前記位置入力工程における1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画工程と、
第1の判定手段が、前記連続的な入力の開始位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画工程において既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第1の判定工程と、
制御手段が、前記第1の判定工程において所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記連続的な入力がなされた位置の軌跡に応じて前記描画工程において図形の描画を行うように制御し、前記第1の判定工程において前記所定以上の重なりを有すると判定された場合に、前記連続的な入力がなされた位置の軌跡に応じて前記描画工程において既に描画された図形を消去するように制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項12】
位置入力手段が、表示装置の画面中の位置を入力する位置入力工程と、
描画手段が、前記位置入力工程における1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画工程と、
第2の判定手段が、前記1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画工程において既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定工程と、
制御手段が、前記第2の判定工程において所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記入力がなされている位置に応じて前記描画工程における図形の描画を行うように制御し、前記第2の判定工程において前記所定以上の重なりを有すると判定された場合に、前記描画工程における図形の描画を行わないように制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項13】
位置入力手段が、表示装置の画面中の位置を入力する位置入力工程と、
描画手段が、前記位置入力工程における1回の入力において、連続的に入力された位置の軌跡に応じて図形を描画する描画工程と、
第2の判定手段が、前記1回の入力が継続している間、当該入力がなされている位置を基準とした位置に描画する図形に予め設定された領域が、前記描画工程において既に描画された図形に予め設定された領域と所定以上の重なりを有するか否かを判定する第2の判定工程と、
制御手段が、前記第2の判定工程において所定以上の重なりを有さないと判定された場合に、前記入力がなされている位置に応じて前記描画工程における図形の描画を行うように制御し、前記第2の判定工程において前記所定以上の重なりを有すると判定された場合に、前記既に描画された図形を消去し、さらに前記入力がなされている位置に応じて前記描画工程における図形の描画を行うように制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−133490(P2012−133490A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283733(P2010−283733)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】