説明

表示装置、バリア装置、バリア駆動回路、およびバリア装置の駆動方法

【課題】画質の低下を抑えることができる表示装置を得る。
【解決手段】表示部と、それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むバリア部と、複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、立体視表示が可能なパララックスバリア方式の表示装置、およびそのような表示装置に用いられるバリア装置、バリア駆動回路、ならびにバリア装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視表示を実現できる表示装置が注目を集めている。立体視表示は、互いに視差のある(視点の異なる)左眼映像と右眼映像を表示するものであり、観察者が左右の目でそれぞれを見ることにより奥行きのある立体的な映像として認識することができる。また、互いに視差がある3つ以上の映像を表示することにより、観察者に対してより自然な立体映像を提供することが可能な表示装置も開発されている。
【0003】
このような表示装置は、専用の眼鏡が必要なものと、不要なものとに大別されるが、観察者にとっては専用の眼鏡は煩わしく感じるものであり、専用の眼鏡が不要なものが望まれている。専用の眼鏡が不要な表示装置としては、例えば、レンチキュラーレンズ方式や、視差バリア(パララックスバリア)方式などがある。これらの方式では、互いに視差がある複数の映像(視点映像)を同時に表示し、表示装置と観察者の視点との相対的な位置関係(角度)によって見える映像が異なるようになっている。
【0004】
このような表示装置で複数の視点の映像を表示した場合には、映像の実質的な解像度が、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などの表示装置自体の解像度を視点の数で割ったものとなり、画質が低下してしまうという問題があった。この問題を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、表示面内に並設された複数の液晶バリアのそれぞれの透過状態(開状態)および遮断状態(閉状態)を時分割的に切り替えて表示することにより等価的に解像度を改善する、パララックスバリア方式の表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−276965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、並設された複数の液晶バリアは、それぞれ駆動信号が供給され駆動される。よって、液晶バリア間の領域は、所望の状態になっていないおそれがあり、この場合には画質が低下するおそれがある。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、画質の低下を抑えることができる、表示装置、バリア装置、バリア駆動回路、およびバリア装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示装置は、表示部と、バリア部と、バリア駆動部とを備えている。バリア部は、それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むものである。バリア駆動部は、複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給ものである。
【0009】
本開示のバリア装置は、バリア部と、バリア駆動部とを備えている。バリア部は、それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むものである。バリア駆動部は、複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給ものである。
【0010】
本開示のバリア駆動回路は、バリア駆動部を備えている。バリア駆動部は、それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するものである。
【0011】
本開示のバリア装置の駆動方法は、それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するように駆動するものである。
【0012】
本開示の表示装置、バリア装置、バリア駆動回路、およびバリア装置の駆動方法では、複数の液晶バリアを開状態にすることにより、表示部に表示された映像が観察者に視認される。複数の液晶バリアは、駆動信号に基づいて開状態と閉状態との間で切り換え制御される。その際、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアには、同じ極性の駆動信号が印加される。
【発明の効果】
【0013】
本開示の表示装置、バリア装置、バリア駆動回路、およびバリア装置の駆動方法によれば、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するようにしたので、画質の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の実施の形態に係る立体表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した立体表示装置の一構成例を表す説明図である。
【図3】図1に示した表示駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図4】図1に示した表示部の一構成例を表す回路図である。
【図5】図1に示した液晶バリア部の一構成例を表す説明図である。
【図6】図1に示した液晶バリア部のグループ構成例を表す説明図である。
【図7】図1に示した表示部および液晶バリア部の一動作例を表す模式図である。
【図8】図1に示したバリア駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図9】図8に示したバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図10】図8に示したバリア駆動部の他の動作例を表すタイミング波形図である。
【図11】図1に示した立体表示装置の立体視表示動作の一動作例を表す模式図である。
【図12】第1の実施の形態に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図13】第1の実施の形態に係る各開閉部へ印加される電圧を説明するための模式図である。
【図14】第1の実施の形態に係る開閉部間の境界領域の状態を説明するための説明図である。
【図15】比較例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図16】比較例に係る各開閉部へ印加される電圧を説明するための模式図である。
【図17】比較例に係る開閉部間の境界領域の状態を説明するための説明図である。
【図18】第1の実施の形態の変形例に係るバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図19】第1の実施の形態の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図20】第1の実施の形態の他の変形例に係るバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図21】第1の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図22】第1の実施の形態の他の変形例に係る液晶バリア部のグループ構成例を表す説明図である。
【図23】第1の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図24】第1の実施の形態の他の変形例に係る液晶バリア部のグループ構成例を表す説明図である。
【図25】第1の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図26】第1の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図27】第2の実施の形態に係るバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図28】第2の実施の形態に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図29】第2の実施の形態の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図30】第2の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図31】第3の実施の形態に係るバリア駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図32】図31に示したバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図33】図31に示したバリア駆動部の他の動作例を表すタイミング波形図である。
【図34】第3の実施の形態に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図35】第4の実施の形態に係る液晶バリア部の一構成例を表す平面図である。
【図36】第4の実施の形態に係る表示部および液晶バリア部の一動作例を表す模式図である。
【図37】第4の実施の形態に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図38】第5の実施の形態に係るバリア駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図39】第5の実施の形態に係るバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図40】第5の実施の形態に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図41】第5の実施の形態に係る立体表示装置の輝度分布特性の一例を表す特性図である。
【図42】第5の実施の形態に係る立体表示装置のコントラスト特性の一例を表す特性図である。
【図43】第6の実施の形態に係るバリア駆動部の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図44】第6の実施の形態に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図45】第6の実施の形態に係るバリア駆動信号の一例を表す波形図である。
【図46】第6の実施の形態に係る開閉部の透過率を表す特性図である。
【図47】第6の実施の形態の変形例に係るバリア駆動信号の一例を表す波形図である。
【図48】第6の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図49】第6の実施の形態の他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図50】変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図51】他の変形例に係る立体表示装置の一構成例を表す説明図である。
【図52】他の変形例に係る立体表示装置における立体視表示動作の一動作例を表す模式図である。
【図53】他の変形例に係る立体表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.第5の実施の形態
6.第6の実施の形態
【0016】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、第1の実施の形態に係る立体表示装置1の一構成例を表すものである。立体表示装置1は、液晶バリアを用いた、パララックスバリア方式の表示装置である。なお、本開示の実施の形態に係るバリア装置、バリア駆動回路、およびバリア装置の駆動方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。立体表示装置1は、制御部41と、バックライト駆動部42と、バックライト30と、表示駆動部50と、表示部20と、バリア駆動部60と、液晶バリア部10とを備えている。
【0017】
制御部41は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、およびバリア駆動部60に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。具体的には、制御部41は、バックライト駆動部42に対してバックライト制御信号CBLを供給し、表示駆動部50に対して映像信号Sdispに基づく映像信号Sを供給し、バリア駆動部60に対してバリア制御信号CBRを供給するようになっている。ここで、映像信号Sは、立体表示装置1が立体視表示を行う場合に、後述するように、それぞれが複数(この例では8つ)の視点映像を含む映像信号SA〜SDから構成されるものである。
【0018】
バックライト駆動部42は、制御部41から供給されるバックライト制御信号CBLに基づいてバックライト30を駆動するものである。バックライト30は、表示部20に対して面発光した光を射出する機能を有している。バックライト30は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)などを用いて構成されるものである。
【0019】
表示駆動部50は、制御部41から供給される映像信号Sに基づいて表示部20を駆動するものである。表示部20は、この例では液晶表示部であり、液晶表示素子を駆動して、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行うようになっている。
【0020】
バリア駆動部60は、制御部41から供給されるバリア制御信号CBRに基づいて、バリア駆動信号DRV(後述するバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVD)および共通信号Vcomを生成し、液晶バリア部10に供給するものである。液晶バリア部10は、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を透過(開動作)または遮断(閉動作)するものであり、液晶を用いて構成された複数の開閉部11,12(後述)を有している。
【0021】
図2は、立体表示装置1の要部の一構成例を表すものであり、(A)は立体表示装置1の分解斜視構成を示し、(B)は立体表示装置1の側面図を示す。図2に示したように、立体表示装置1では、これらの各部品は、バックライト30、表示部20、および液晶バリア部10の順に配置されている。つまり、バックライト30から射出した光は、表示部20および液晶バリア部10を介して、観察者に届くようになっている。
【0022】
(表示駆動部50および表示部20)
図3は、表示駆動部50のブロック図の一例を表すものである。表示駆動部50は、タイミング制御部51と、ゲートドライバ52と、データドライバ53とを備えている。タイミング制御部51は、ゲートドライバ52およびデータドライバ53の駆動タイミングを制御するとともに、制御部41から供給された映像信号Sを映像信号S1としてデータドライバ53へ供給するものである。ゲートドライバ52は、タイミング制御部51によるタイミング制御に従って、表示部20内の画素Pixを行ごとに順次選択して、線順次走査するものである。データドライバ53は、表示部20の各画素Pixへ、映像信号S1に基づく画素信号を供給するものである。具体的には、データドライバ53は、映像信号S1に基づいてD/A(デジタル/アナログ)変換を行うことにより、アナログ信号である画素信号を生成し、各画素Pixへ供給するようになっている。
【0023】
図4は、表示部20の画素Pixの回路図の一例を表すものである。画素Pixは、TFT(Thin Film Transistor)素子Trと、液晶素子LCと、保持容量素子Capとを備えている。TFT素子Trは、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor-Field Effect Transistor)により構成されるものであり、ゲートがゲート線GCLに接続され、ソースがデータ線SGLに接続され、ドレインが液晶素子LCの一端と保持容量素子Capの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は接地されている。保持容量素子Capは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端は保持容量線Csに接続されている。ゲート線GCLはゲートドライバ52に接続され、データ線SGLはデータドライバ53に接続されている。
【0024】
(液晶バリア部10およびバリア駆動部60)
図5は、液晶バリア部10の一構成例を表すものであり、(A)は液晶バリア部10の平面図を示し、(B)は(A)の液晶バリア部10のV−V矢視方向の断面構成を示す。なお、この例では、液晶バリア部10はノーマリーホワイト動作を行うものとする。つまり、液晶バリア部10は、駆動されていない状態では光を透過するものとする。
【0025】
液晶バリア部10は、いわゆるパララックスバリアであり、図5(A)に示したように、光を透過または遮断する、交互に配置された複数の開閉部(液晶バリア)11,12を有している。これらの開閉部11,12は、立体表示装置1が通常表示(2次元表示)および立体視表示のどちらを行うかにより、異なる動作を行うものである。具体的には、開閉部11は、後述するように、通常表示の際には開状態(透過状態)になり、立体視表示を行う際には、閉状態(遮断状態)となるものである。また、開閉部12は、後述するように、通常表示の際には開状態(透過状態)、立体視表示の際には、時分割的に開閉動作を行うものである。
【0026】
これらの開閉部11,12は、XY平面における一方向(ここでは、例えば垂直方向Yから所定の角度θをなす方向)に延在して設けられている。角度θは、例えば18度に設定可能である。このように、開閉部11,12を斜め方向に延伸するように形成することにより、立体表示装置1のモアレを低減することができる。開閉部11の幅E1と、開閉部12の幅E2とは、互いに異なっており、ここでは例えばE1>E2となっている。但し、開閉部11,12の幅の大小関係はこれに限定されず、E1<E2であってもよく、また、E1=E2であってもよい。このような開閉部11,12は、液晶層(後述する液晶層19)を含んで構成されており、この液晶層19への駆動電圧によって、開閉が切り替わるようになっている。
【0027】
液晶バリア部10は、図5(B)に示したように、例えばガラス等からなる透明基板13と透明基板16との間に液晶層19を備えたものである。この例では、透明基板13が光入射側、透明基板16が光出射側に配置されている。透明基板13の液晶層19側の面、および透明基板16の液晶層19側の面には、例えばITOなどからなる透明電極層15,17がそれぞれ形成されている。これらの透明電極層15,17の液晶層19側の面には、図示しない配向膜が形成されている。液晶層19は、この例では、TN(Twisted Nematic)の液晶により構成されるものである。すなわち、液晶層19は、ノーマリーホワイト動作を行うTN液晶である。なお、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばノーマリーホワイト動作を行うSTN(Super-Twisted Nematic)の液晶を用いても良い。液晶層19は、透明基板13の光入射側および透明基板16の光出射側には、偏光板14,18が貼り合わせられている。偏光板14,18は、液晶層19への入射光および出射光の各偏光方向を制御するものである。偏光板14の透過軸は、例えば水平方向Xの方向に配置され、偏光板18の透過軸は、例えば垂直方向Yの方向に配置される。すなわち、偏光板14,18の各透過軸は、互いに直交するように配置される。
【0028】
透明電極層15は、複数の透明電極110,120を有している。透明電極110には、バリア駆動部60により、バリア駆動信号DRVSが印加され、透明電極120には、バリア駆動部60により、バリア駆動信号DRVA〜DRVDが印加される。また、透明電極層17は、各透明電極110,120に共通の電極として設けられている。この例では、透明電極層17には、バリア駆動部60により、共通信号Vcom(この例では0Vの直流電圧)が印加される。透明電極層15の透明電極110と、液晶層19および透明電極層17におけるその透明電極110に対応する部分とは、開閉部11を構成している。同様に、透明電極層15の透明電極120と、液晶層19および透明電極層157におけるその透明電極120に対応する部分とは、開閉部12を構成している。
【0029】
この構成により、透明電極層15(透明電極110,120)および透明電極層17に電圧を印加してその電位差が大きくなると、液晶層19における光の透過率が減少し、開閉部11,12は遮断状態(閉状態)になる。一方、その電位差が小さくなると、液晶層19における光の透過率が増大し、開閉部11,12は透過状態(開状態)となる。
【0030】
液晶バリア部10では、開閉部12は複数のグループにグループ分けされており、立体視表示を行う際、同じグループに属する複数の開閉部12が、同じタイミングで開動作および閉動作を行うようになっている。以下に、開閉部12のグループについて説明する。
【0031】
図6は、開閉部12のグループ構成例を表すものである。開閉部12は、この例では4つのグループA〜Dにグループ分けされている。具体的には、図6に示したように、グループAを構成する開閉部12と、グループBを構成する開閉部12と、グループCを構成する開閉部12と、グループDを構成する開閉部12とが、この順で巡回するように配置されている。なお、以下では、グループAに属する開閉部12の総称として開閉部12Aを適宜用い、グループBに属する開閉部12の総称として開閉部12Bを適宜用い、グループCに属する開閉部12の総称として開閉部12Cを適宜用い、グループDに属する開閉部12の総称として開閉部12Dを適宜用いるものとする。
【0032】
バリア駆動部60は、立体視表示を行う際、同じグループに属する複数の開閉部12が同じタイミングで開閉動作を行うように駆動する。具体的には、バリア駆動部60は、後述するように、グループAに属する複数の開閉部12Aに対してバリア駆動信号DRVAを供給し、グループBに属する複数の開閉部12Bに対してバリア駆動信号DRVBを供給し、グループCに属する複数の開閉部12Cに対してバリア駆動信号DRVCを供給し、グループDに属する複数の開閉部12Dに対してバリア駆動信号DRVDを供給することにより、開閉部12A〜12Dを時分割的に巡回して開閉動作するように駆動する。
【0033】
図7は、液晶バリア部10および表示部20の一動作例を、断面構造を用いて模式的に表すものであり、(A)〜(D)は立体視表示を行う場合の4つの状態をそれぞれ示す。この例では、開閉部12Aは、表示部20の8つの画素Pixに1つの割合で設けられている。同様に、開閉部12B,12C,12Dは、それぞれ、表示部20の8つの画素Pixに1つの割合で設けられている。以下の説明では、画素Pixは、3つのサブピクセル(RGB)から構成されたピクセルとするが、これに限定されるものではなく、例えば、画素Pixがサブピクセルであってもよい。図7では、液晶バリア部10の開閉部11,12(12A〜12D)のうち、光が遮断される開閉部を斜線で示している。
【0034】
立体表示装置1では、立体視表示を行う場合には、表示駆動部50に映像信号SA〜SDが時分割的に供給され、表示部20はそれらに基づいて表示を行う。そして、液晶バリア部10では、開閉部11が閉状態(遮断状態)を維持するとともに、表示部20の表示に同期して開閉部12(開閉部12A〜12D)が時分割的に開閉動作を行う。具体的には、映像信号SAが供給された場合には、図7(A)に示したように、開閉部12Aが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になる。表示部20では、後述するように、この開閉部12Aに対応した位置に配置された互いに隣接する8つの画素Pixが、映像信号SAに含まれる8つの視点映像に対応する表示(画素情報P1〜P8)を行う。同様に、映像信号SBが供給された場合には、図7(B)に示したように、開閉部12Bが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になり、この開閉部12Bに対応した位置に配置された互いに隣接する8つの画素Pixが、映像信号SBに含まれる8つの視点映像に対応する表示を行う。また、映像信号SCが供給された場合には、図7(C)に示したように、開閉部12Cが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になり、この開閉部12Cに対応した位置に配置された互いに隣接する8つの画素Pixが、映像信号SCに含まれる8つの視点映像に対応する表示を行う。また、映像信号SDが供給された場合には、図7(D)に示したように、開閉部12Dが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になり、この開閉部12Dに対応した位置に配置された互いに隣接する8つの画素Pixが、映像信号SDに含まれる8つの視点映像に対応する表示を行う。これにより、観察者は、後述するように、例えば左眼と右眼とで異なる視点映像を見ることができ、表示された映像を立体的な映像として感じるようになっている。立体表示装置1では、このように、開閉部12A〜12Dを時分割的に切り換えて開放し映像を表示することにより、後述するように、表示装置の解像度を高めることができるようになっている。
【0035】
なお、通常表示(2次元表示)を行う場合には、表示部20は、映像信号Sに基づいて通常の2次元映像を表示し、液晶バリア部10では、開閉部11および開閉部12(開閉部12A〜12D)は全て開状態(透過状態)を維持するようになっている。これにより、観察者は、表示部20に表示された通常の2次元映像をそのまま見ることができる。
【0036】
図8は、バリア駆動部60の一構成例を表すものである。バリア駆動部60は、タイミング制御部61と、共通信号生成部62と、バリア駆動信号生成部63と、セレクタ回路64S,64A〜64Dとを備えている。
【0037】
タイミング制御部61は、バリア制御信号CBRに基づいて、開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDを生成するものである。開閉制御信号CTLSは、液晶バリア11を開閉制御するための論理信号であり、開閉制御信号CTLA〜CTLDは、開閉部12A〜12Dをそれぞれ開閉制御するための論理信号である。開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDは、この例では、後述するように、低レベルが閉状態に対応し、高いレベルが開状態に対応している。
【0038】
共通信号生成部62は、共通信号Vcom(ここでは0Vの直流電圧)を生成するものである。この共通信号Vcomは、液晶バリア部10の共通電極(透明電極層17)に供給されるものである。バリア駆動信号生成部63は、バリア制御信号CBRに基づいて、バリア駆動信号DRV0を生成するものである。バリア駆動信号DRV0は、具体的には、共通信号Vcomを中心レベルとし、所定の周期で高レベル電圧VHと低レベル電圧VLとの間を遷移する矩形波形を有するものである。
【0039】
セレクタ回路64Sは、開閉制御信号CTLSに基づいて、バリア駆動信号DRVSを生成するものであり、セレクタ回路64A〜64Dは、開閉制御信号CTLA〜CTLDに基づいて、バリア駆動信号DRVA〜DRVDをそれぞれ生成するものである。バリア駆動信号DRVSは、開閉部11の透明電極110に印加されるものであり、バリア駆動信号DRVA〜DRVDは、開閉部12A〜12Dの透明電極120にそれぞれ印加されるものである。
【0040】
セレクタ回路64S,64A〜64Dは、それぞれ、インバータIV1,IV2と、スイッチSW1,SW2とを有している。インバータIV1は、入力された開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDを論理反転して出力するものである。インバータIV2は、インバータIV1の出力信号を論理反転して出力するものである。スイッチSW1は、一端にバリア駆動信号DRV0が供給され、他端はセレクタ回路64S,64A〜64Dの出力端子に接続されている。スイッチSW2は、一端に共通信号Vcomが供給され、他端はセレクタ回路64S,64A〜64Dの出力端子に接続されている。
【0041】
この構成により、例えば、セレクタ回路64Sは、開閉制御信号CTLSがLレベルの場合には、スイッチSW1がオン状態になるとともにスイッチSW2がオフ状態になり、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVSとして出力する。また、セレクタ回路64Sは、開閉制御信号CTLSがHレベルの場合には、スイッチSW1がオフ状態になるとともにスイッチSW2がオン状態になり、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVSとして出力する。セレクタ回路64A〜64Dについても同様である。
【0042】
図9は、立体視表示を行う場合における、バリア駆動部60の一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0の波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。立体視表示を行う場合には、タイミング制御部61は、常に低レベルの開閉制御信号CTLSを生成するとともに(図9(B))、時分割的に順次高レベルになる開閉制御信号CTLA〜CTLDを生成する(図9(C)〜(F))。この例では、開閉制御信号CTLA〜CTLDは、バリア駆動信号DRV0の遷移タイミングと同じタイミングで遷移し、開閉制御信号CTLA〜CTLDのパルス幅は、バリア駆動信号DRV0の半周期の期間と同じになっている。そして、セレクタ回路64S,64A〜64Dは、これらの開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDに基づいて、図9(G)〜(H)に示したように、開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDが低レベルのときには、バリア駆動信号DRV0を、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDとしてそれぞれ出力し、開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDが高レベルのときには、共通信号Vcomを、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDとしてそれぞれ出力するようになっている。
【0043】
具体的には、まず、タイミングt2において、バリア駆動信号生成部63が、バリア駆動信号DRV0を反転させるとともに(図9(A))、タイミング制御部61が、開閉制御信号CTLAを、低レベルから高レベルへ変化させる(図9(C))。これにより、セレクタ回路64Aでは、スイッチSW1がオフ状態になるとともにスイッチSW2がオン状態になり、共通信号Vcomがバリア駆動信号DRVAとして出力される(図9(H))。一方、セレクタ回路64S,64B〜64Dでは、開閉制御信号CTLS,CTLB〜CTLDが低レベルであるため、スイッチSW1がオン状態になるとともにスイッチSW2がオフ状態になり、バリア駆動信号DRV0がバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDとしてそれぞれ出力される(図9(G),(I)〜(K))。これにより、後述するように、液晶バリア部10では、開閉部12Aが開状態になるとともに、開閉部11,12B〜12Dが閉状態になる。
【0044】
同様にして、タイミングt5〜タイミングt8の期間において、バリア駆動部60は、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVBとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVC,DRVDとして出力する(図9(G)〜(K))。これにより、後述するように、液晶バリア部10では、開閉部12Bが開状態になるとともに、開閉部11,12A,12C,12Dが閉状態になる。そして、タイミングt8〜タイミングt11の期間において、バリア駆動部60は、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVCとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVB,DRVDとして出力する(図9(G)〜(K))。これにより、後述するように、液晶バリア部10では、開閉部12Cが開状態になるとともに、開閉部11,12A,12B,12Dが閉状態になる。そして、タイミングt11〜タイミングt14の期間において、バリア駆動部60は、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVDとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCとして出力する(図9(G)〜(K))。これにより、後述するように、液晶バリア部10では、開閉部12Dが開状態になるとともに、開閉部11,12A〜12Cが閉状態になる。バリア駆動部60は、このタイミングt2〜t14の期間における動作を繰り返すようになっている。
【0045】
図10は、通常表示(2次元表示)を行う場合における、バリア駆動部60の一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0の波形を示し、(B)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(C)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。通常表示を行う場合には、タイミング制御部61は、常に高レベルの開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDを生成する(図10(B))。セレクタ回路64S,64A〜64Dでは、開閉制御信号CTLS,CTLB〜CTLDが高レベルであるため、スイッチSW1がオフ状態になるとともにスイッチSW2がオン状態になり、共通信号Vcomが、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDとしてそれぞれ出力される(図10(C))。これにより、後述するように、液晶バリア10では、開閉部11,12A〜12Dが全て開状態になる。
【0046】
ここで、開閉部11,12は、本開示における「液晶バリア」の一具体例に対応する。開閉部12は、本開示における「第1の液晶バリア」の一具体例に対応し、開閉部11は、本開示における「第2の液晶バリア」の一具体例に対応する。液晶バリア部10は、本開示における「液晶バリア部」の一具体例に対応する。
【0047】
バリア駆動信号DRVは、本開示における「駆動信号」の一具体例に対応する。バリア駆動信号DRVA〜DRVDは、本開示における「複数の第1の駆動信号」の一具体例に対応する。バリア駆動信号DRVSは、本開示における「第2の駆動信号」の一具体例に対応する。
【0048】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の立体表示装置1の動作および作用について説明する。
【0049】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、立体表示装置1の全体動作概要を説明する。制御部41は、外部より供給される映像信号Sdispに基づいて、バックライト駆動部42、表示駆動部50、バリア駆動部60に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。バックライト駆動部42は、バックライト30を駆動する。バックライト30は、面発光した光を表示部20に対して射出する。表示駆動部50は、制御部41から供給される映像信号Sに基づいて表示部20を駆動する。表示部20は、バックライト30から射出した光を変調することにより表示を行う。バリア駆動部60は、バリア駆動信号DRV(DRVS,DRVA〜DRVD)を用いて液晶バリア部10を駆動する。液晶バリア部10の開閉部11,12(12A〜12D)は、バリア駆動信号DRV(DRVS,DRVA〜DRVD)に基づいてそれぞれ開閉動作を行い、バックライト30から射出し表示部20を透過した光を透過または遮断する。
【0050】
(立体視表示の詳細動作)
次に、いくつかの図を参照して、立体視表示を行う場合の詳細動作を説明する。
【0051】
図11は、映像信号SAが供給された場合の、表示部20および液晶バリア部10の動作例を表すものである。映像信号SAが供給された場合には、表示部20は、映像信号SAに含まれる8つの視点映像のそれぞれに対応する画素情報P1〜P8を、開閉部12A付近に配置された画素Pixにそれぞれ表示する。そして、液晶バリア部10では、開閉部12Aが開状態(透過状態)になるとともに、開閉部12B〜12Dが閉状態になる。これにより、表示部20の各画素Pixから出た光は、開閉部12Aによりそれぞれ角度が制限されて出力される。観察者は、例えば左眼で画素情報P4を、右眼で画素情報P5を見ることにより、立体的な映像を見ることができる。なお、ここでは、映像信号SAが供給された場合について説明したが、映像信号SB〜SDが供給された場合についても同様である。
【0052】
このように、観察者は、左眼と右眼とで、画素情報P1〜P8のうちの異なる画素情報を見ることとなり、観察者は立体的な映像として感じることができる。また、開閉部12A〜12Dを時分割的に順次開放して映像を表示することにより、観察者は、互いにずれた位置に表示される映像を平均化して見ることとなる。よって、立体表示装置1は、開閉部12Aのみをもつ場合に比べ、4倍の解像度を実現することが可能となる。言い換えれば、立体表示装置1の解像度は、2次元表示の場合に比べ1/2(=1/8×4)で済むこととなる。
【0053】
図12は、立体表示装置1における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。
【0054】
図12(A)の縦軸は、表示部20の線順次走査方向(Y方向)の位置を示している。つまり、図12(A)は、ある時刻の、Y方向における各位置での表示部20の動作状態を示している。図12(A)において、“SA”は表示部20が映像信号SAに基づく表示を行っている状態を示し、“SB”は表示部20が映像信号SBに基づく表示を行っている状態を示し、“SC”は表示部20が映像信号SCに基づく表示を行っている状態を示し、“SD”は表示部20が映像信号SDに基づく表示を行っている状態を示している。また、図12(B)において、“ON”は、バックライト30が点灯している状態を示し、“OFF”は、バックライト30が消灯している状態を示している。なお、図12に示したタイミングt2等は、図9に示したタイミングt2等に対応するものである。
【0055】
立体表示装置1では、走査周期T1で行われる線順次走査により、開閉部12A〜12Dにおける表示(映像信号SA〜SDに基づく表示)を順次、時分割的に行う。そして、表示周期T0ごとにこれらの表示を繰り返す。ここで、表示周期T0は、例えば、16.7[msec](=1/60[Hz])にすることが可能である。この場合、走査周期T1は、2.1[msec](=T0/8)である。以下に、その詳細を説明する。
【0056】
まず、立体表示装置1は、タイミングt1〜t4の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt1〜t3の期間において、表示部20では、表示駆動部50から供給される駆動信号に基づき、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SAに基づく表示が行われるとともに(図12(A))、バックライト30が消灯する(図12(B))。そして、タイミングt2において、バリア駆動部60は、バリア駆動信号DRVAを0V(共通信号Vcom)に変化させるとともに(図12(D))、その他のバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDを低レベル電圧VLに変化させる(図12(C),(E)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図12(H))。そして、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20では、最上部から最下部に向かって線順次走査が行われ、映像信号SAに基づく表示が再度行われる(図12(A))。すなわち、表示部20では、映像信号SAに基づく同じフレーム画像が2回繰り返して表示される。そして、このタイミングt3〜t4の期間において、バックライト30は点灯する(図12(B))。これにより、観察者は、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0057】
次に、立体表示装置1は、タイミングt4〜t7の期間において、タイミングt1〜t3の期間における映像信号SAに基づく表示と同様に、映像信号SBに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt4〜t6の期間において、バックライト30が消灯し(図12(B))、表示部20は、映像信号SBに基づく表示を行う(図12(A))。そして、タイミングt5において、バリア駆動部60は、バリア駆動信号DRVBを0V(共通信号Vcom)に変化させるとともに、その他のバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVC,DRVDを高レベル電圧VHに変化させる(図12(C)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが低下するとともに(図12(H))、開閉部12Bの光の透過率Tが上昇する(図12(I))。そして、タイミングt6〜t7の期間において、表示部20は、映像信号SBに基づく表示を再度行うとともに(図12(A))、バックライト30が点灯する(図12(B))。これにより、観察者は、タイミングt6〜t7の期間において、表示部20の映像信号SBに基づく表示を見ることができる。また、タイミングt4〜t6の期間において、バックライト30が消灯するようにしたので、観察者は、表示部20における、映像信号SAに基づく表示から映像信号SBに基づく表示への過渡的な変化、および開閉部12A,12Bの光の透過率Tの過渡的な変化を見ることがないので、画質劣化を低減することができる。
【0058】
次に、立体表示装置1は、タイミングt7〜t10の期間において、同様に、映像信号SCに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt7〜t9の期間において、バックライト30が消灯し(図12(B))、表示部20は、映像信号SCに基づく表示を行う(図12(A))。そして、タイミングt8において、バリア駆動部60は、バリア駆動信号DRVCを0V(共通信号Vcom)に変化させるとともに、その他のバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVB,DRVDを低レベル電圧VLに変化させる(図12(C)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Bの光の透過率Tが低下するとともに(図12(I))、開閉部12Cの光の透過率Tが上昇する(図12(J))。そして、タイミングt9〜t10の期間において、表示部20は、映像信号SCに基づく表示を再度行うとともに(図12(A))、バックライト30が点灯する(図12(B))。これにより、観察者は、タイミングt9〜t10の期間において、表示部20の映像信号SCに基づく表示を見ることができる。また、タイミングt7〜t9の期間において、バックライト30が消灯するようにしたので、観察者は、表示部20における、映像信号SBに基づく表示から映像信号SCに基づく表示への過渡的な変化、および開閉部12B,12Cの光の透過率Tの過渡的な変化を見ることがないので、画質劣化を低減することができる。
【0059】
次に、立体表示装置1は、タイミングt10〜t13の期間において、同様に、映像信号SDに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt10〜t12の期間において、バックライト30が消灯し(図12(B))、表示部20は、映像信号SDに基づく表示を行う(図12(A))。そして、タイミングt11において、バリア駆動部60は、バリア駆動信号DRVDを0V(共通信号Vcom)に変化させるとともに、その他のバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCを高レベル電圧VHに変化させる(図12(C)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Cの光の透過率Tが低下するとともに(図12(J))、開閉部12Dの光の透過率Tが上昇する(図12(K))。そして、タイミングt12〜t13の期間において、表示部20は、映像信号SDに基づく表示を再度行うとともに(図12(A))、バックライト30が点灯する(図12(B))。これにより、観察者は、タイミングt12〜t13の期間において、表示部20の映像信号SDに基づく表示を見ることができる。また、タイミングt10〜t12の期間において、バックライト30が消灯するようにしたので、観察者は、表示部20における、映像信号SCに基づく表示から映像信号SDに基づく表示への過渡的な変化、および開閉部12C,12Dの光の透過率Tの過渡的な変化を見ることがないので、画質劣化を低減することができる。
【0060】
以後、上述したタイミングt1〜t13の期間の動作を繰り返すことにより、立体表示装置1は、映像信号SA〜SDに基づく表示(開閉部12A〜12Dにおける表示)を時分割的に順次行う。
【0061】
図13は、図12のタイミングt2〜t5の期間における、各開閉部11,12(12A〜12D)に印加されたバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの電圧を表すものである。図13において、(0)は、その開閉部に0Vが印加されていることを示し、(H)は、その開閉部に高レベル電圧VHが印加されていることを示し、(L)は、その開閉部に低レベル電圧VLが印加されていることを示す。また、開閉部11,12(12A〜12D)のうち、光が遮断される開閉部を斜線で示している。
【0062】
立体表示装置1では、バリア駆動部60は、閉状態にする開閉部に対して互いに同じ電圧を印加する。具体的には、バリア駆動部60は、図12のタイミングt2〜t5の期間では、図13に示したように、開閉部12A以外の開閉部11,12B〜12Dに対して低レベル電圧VLを印加する。同様に、バリア駆動部60は、図12のタイミングt5〜t8の期間において、開閉部12B以外の開閉部11,12A,12C,12Dに対して高レベル電圧VHを印加し、図12のタイミングt8〜t11の期間において、開閉部12C以外の開閉部に対して低レベル電圧VLを印加し、図12のタイミングt11〜t14の期間において、開閉部12D以外の開閉部11,12A〜12Cに対して高レベル電圧VHを印加する。このように、立体表示装置1では、閉状態にする開閉部に対して互いに同じ電圧を印加している。
【0063】
次に、開閉部11,12の境界付近の振る舞いについて説明する。
【0064】
図14は、立体表示装置1に係る開閉部11,12の境界付近における液晶分子の振る舞いを模式的に表すものである。この例では、共通電極(透明電極層17)には0Vが印加され、開閉部11に係る透明電極110、および開閉部12に係る透明電極120に高レベル電圧VHが印加されている。
【0065】
開閉部11における液晶層19では、共通電極と透明電極110との間に電場が形成され、基板に対して平行(水平)な等電位面SCVが形成される。液晶層19の液晶分子Mは、その長軸が、等電位面SCVに垂直になるように配向するため、開閉部11では、その長軸が、基板面に垂直な方向に配向する。これにより、開閉部11では、光の透過率Tが低下し、遮断状態(閉状態)になっている。同様に、開閉部12における液晶層19でも、共通電極と透明電極120との間に電場が形成され、液晶層19の液晶分子Mの長軸が、基板面に垂直な方向に配向する。これにより、開閉部12もまた、遮断状態(閉状態)になっている。
【0066】
また、開閉部11と開閉部12の境界付近では、透明電極110の電圧と透明電極120の電圧が互いに等しいため、図14に示したように、その境界領域においても基板に対してほぼ平行な等電位面SCVが形成される。これにより、この境界領域でも、液晶層19の液晶分子Mの長軸が、基板面に垂直な方向に配向し、光の透過率Tを低くすることができる。
【0067】
(比較例)
次に、比較例と対比して、本実施の形態の作用を説明する。本比較例に係る立体表示装置1Rは、開閉部11を駆動するバリア駆動信号(バリア駆動信号DRVSR)が、本実施の形態に係るバリア駆動信号DRVSと比べて反転しているものである。すなわち、立体表示装置1Rは、そのようなバリア駆動信号DRVSRを生成するバリア駆動部60Rを用いて構成されたものである。その他の構成は、本実施の形態(図1)と同様である。以下に、その詳細を説明する。
【0068】
図15は、本比較例に係る立体表示装置1Rにおける、立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)は、バリア駆動信号DRVSR,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。図15(C)に示したように、バリア駆動信号DRVSRは、本実施の形態のバリア駆動信号DRVS(図12(C))を反転した波形になっている。
【0069】
図16は、図15のタイミングt2〜t5における、各開閉部11,12(12A〜12D)に印加されたバリア駆動信号DRVSR,DRVA〜DRVDの電圧を表すものである。立体表示装置1Rでは、バリア駆動部60Rは、互いに隣接する開閉部をともに閉状態にする際に、各開閉部に対して異なる電圧を印加する。具体的には、バリア駆動部60Rは、例えば、図16に示したように、開閉部11に対して高レベル電圧VHを印加するとともに、開閉部12B〜12Dに対して低レベル電圧VLを印加する。
【0070】
次に、開閉部11,12の境界付近の振る舞いについて説明する。
【0071】
図17は、立体表示装置1Rに係る開閉部11,12の境界付近における液晶分子の振る舞いを模式的に表すものである。この例では、共通電極(透明電極層17)には0Vが印加され、開閉部11に係る透明電極110には高レベル電圧VHが印加され、開閉部12に係る透明電極120には低レベル電圧VLが印加されている。すなわち、図17では、互いに隣接する、閉状態にすべき開閉部11,12に対して、異なる電圧VH,VLが印加されている。
【0072】
立体表示装置1Rでは、開閉部11,12における液晶層19の液晶分子Mは、本実施の形態に係る立体表示装置1の場合と同様に、その長軸が基板面に垂直な方向に配向することにより、開閉部11が遮断状態(閉状態)になっている。一方、開閉部11と開閉部12の境界付近では、透明電極110の電圧と透明電極120の電圧が互いに異なるため、図17に示したように、等電位面SCが基板に対してほぼ垂直になる。これにより、この境界領域では、液晶層19の液晶分子Mは、基板面に平行な方向に配向する。すなわち、この境界領域では、光の透過率Tが高くなるおそれがある。
【0073】
このように、隣接する開閉部の境界付近において光が漏れる場合には、観察者は、画質が低下したように感じるおそれがある。例えば、立体表示装置1Rが、図11に示したように映像を表示し、観察者がその表示画面の正面からその映像を見る場合には、観察者は、開状態になっている開閉部12Aを介して、左眼で画素情報P4を観察し、右眼で画素情報P5を観察する。このとき、開閉部11,12B〜12Dは閉状態になっているが、これらの境界付近では、光をやや透過するため、観察者は、画像情報P4,P5以外の画像情報をも若干観察してしまうおそれがある。すなわち、立体表示装置1Rでは、観察者は、本来観察したい視点映像とは異なる視点映像をも観察してしまうため、画質が低下したように感じるおそれがある。
【0074】
このように、本比較例に係る立体表示装置1Rでは、隣接する開閉部をともに閉状態にする際に、各開閉部に対して異なる電圧を印加したので、その境界領域において光が漏れ、観察者は、画質が低下したように感じるおそれがある。
【0075】
一方、本実施の形態に係る立体表示装置1では、隣接する開閉部をともに閉状態にする際に、各開閉部に対して同じ電圧を印加したので、その境界領域においても基板に対して、上記比較例と比べてほぼ平行な等電位面SCVが形成されるため、その境界領域における光の透過率Tを低くすることができ、画質の低下を低減することができる。
【0076】
[効果]
以上のように本実施の形態では、隣接する開閉部をともに閉状態にする際に、各開閉部に対して同じ電圧を印加したので、画質の低下を抑えることができる。
【0077】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、立体視表示を行う場合において、開閉制御信号CTLA〜CTLDは、バリア駆動信号DRV0の遷移タイミングと同じタイミングで遷移したが、これに限定されるものではなく、異なるタイミングで遷移してもよい。以下に、一例を詳細に説明する。
【0078】
図18は、本変形例に係る立体表示装置1Aにおけるバリア駆動部60Aの一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0の波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。本変形例では、開閉制御信号CTLA〜CTLDは、バリア駆動信号DRV0の遷移タイミングと異なるタイミングで遷移する(図18(A)〜(F))。
【0079】
具体的には、まず、タイミングt22において、タイミング制御部61が、開閉制御信号CTLAを、低レベルから高レベルへ変化させ(図18(C))、セレクタ回路64Aが共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVAとして出力する(図18(H))。また、セレクタ回路64S,64B〜64Dは、低レベルの開閉制御信号CTLS,CTLB〜CTLDに基づいて、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDとしてそれぞれ出力する(図18(G),(I)〜(K))。そして、タイミングt24において、バリア駆動信号生成部63が、バリア駆動信号DRV0を反転させる(図18(A))。これにより、バリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDもまた反転する(図18(G),(I)〜(K))。
【0080】
同様にして、タイミングt26〜タイミングt30の期間において、バリア駆動部60Aは、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVBとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVC,DRVDとして出力する(図18(G)〜(K))。そして、タイミングt30〜タイミングt34の期間において、バリア駆動部60Aは、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVCとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVB,DRVDとして出力する(図18(G)〜(K))。そして、タイミングt34〜タイミングt38の期間において、バリア駆動部60Aは、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVDとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDとして出力する(図18(G)〜(K))。
【0081】
図19は、立体表示装置1Aにおける立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。なお、図19に示したタイミングt22等は、図18に示したタイミングt22等に対応するものである。
【0082】
まず、立体表示装置1Aは、タイミングt21〜t25の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt21〜t23の期間において、表示部20が映像信号SAを表示するとともに(図19(A))、バックライト30が消灯する(図19(B))。そして、タイミングt22において、バリア駆動部60Aは、バリア駆動信号DRVAを0V(共通信号Vcom)に変化させる(図19(D))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図19(H))。そして、タイミングt23〜t25の期間において、表示部20は、映像信号SAに基づく表示を再度行うとともに(図19(A))、バックライト30が点灯する(図19(B))。その際、タイミングt24において、バリア駆動部60Aは、バリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDを高レベル電圧VHに変化させる(図19(C),(E)〜(G))。これにより、観察者は、タイミングt23〜t25の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0083】
同様にして、立体表示装置1Aは、タイミングt25〜t29の期間において、映像信号SBに基づく表示を行い、タイミングt29〜t33の期間において、映像信号SCに基づく表示を行い、タイミングt33〜t37の期間において、映像信号SDに基づく表示を行う。
【0084】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、立体視表示を行う場合において、開閉制御信号CTLA〜CTLDのパルス幅は、バリア駆動信号DRV0の半周期の期間と同じとしたが、これに限定されるものではない。以下に、一例を詳細に説明する。
【0085】
図20は、本変形例に係る立体表示装置1Bにおけるバリア駆動部60Bの一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0の波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。本変形例では、開閉制御信号CTLA〜CTLDのパルス幅は、バリア駆動信号DRV0の半周期の期間よりも長くしている(図20(A)〜(F))。具体的には、開閉制御信号CTLA〜CTLDの各パルスは、バリア駆動信号DRV0の遷移タイミングよりも前に開始し、バリア駆動信号DRV0の次の遷移タイミングよりも後に終了する。言い換えれば、バリア駆動部60Bは、開閉制御信号CTLA〜CTLDを、そのパルスが互いに重なるように生成している。
【0086】
図21は、立体表示装置1Bにおける立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。なお、図21に示したタイミングt42等は、図20に示したタイミングt42等に対応するものである。
【0087】
まず、立体表示装置1Bは、タイミングt41〜t46の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt41〜t45の期間において、表示部20は映像信号SAを表示するとともに(図21(A))、バックライト30が消灯する(図21(B))。そして、タイミングt42において、バリア駆動部60Bは、バリア駆動信号DRVAを0V(共通信号Vcom)に変化させる(図21(D))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図21(H))。そして、タイミングt43において、バリア駆動部60Bは、バリア駆動信号DRVS,DRVB,DRVCを低レベル電圧VLに変化させる(図21(C),(E),(F))。そして、タイミングt44において、バリア駆動部60Bは、バリア駆動信号DRVDを低レベル電圧VLに変化させる(図21(G))。次に、タイミングt45〜t46の期間において、表示部20は、映像信号SAに基づく表示を再度行うとともに(図21(A))、バックライト30が点灯する(図21(B))。これにより、観察者は、タイミングt45〜t46の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0088】
同様にして、立体表示装置1Bは、タイミングt46〜t51の期間において、映像信号SBに基づく表示を行い、タイミングt51〜t56の期間において、映像信号SCに基づく表示を行い、タイミングt56〜t61の期間において、映像信号SDに基づく表示を行う。
【0089】
本変形例では、開閉制御信号CTLA〜CTLDのパルス幅を調整することにより、開閉部12A〜12Dが開閉するタイミングおよび開状態になる時間の長さを調整することができる。
【0090】
[変形例1−3]
上記実施の形態では、開閉部12を4つのグループにグループ分けしたが、これに限定されるものではない。以下に、一例として、開閉部12を3つのグループにグループ分けした場合(立体表示装置1C)と、2つのグループにグループ分けした場合(立体表示装置1D)について説明する。
【0091】
図22は、立体表示装置1Cにおける開閉部12のグループ構成例を表すものである。この例では、開閉部12Aと、開閉部12Bと、開閉部12Cとが、この順で巡回するように配置されている。
【0092】
図23は、立体表示装置1Cにおける立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(F)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCの波形をそれぞれ示し、(G)〜(I)は開閉部12A〜12Cの光の透過率Tをそれぞれ示す。立体表示装置1Cでは、走査周期T1で行われる線順次走査により、開閉部12A〜12Cにおける表示(映像信号SA〜SCに基づく表示)を順次、時分割的に行う。そして、表示周期T0ごとにこれらの表示を繰り返す。ここで、表示周期T0は、例えば、16.7[msec](=1/60[Hz])にすることが可能である。この場合、走査周期T1は、2.8[msec](=T0/6)である。
【0093】
図24は、立体表示装置1Dにおける開閉部12のグループ構成例を表すものである。この例では、開閉部12Aおよび開閉部12Bが交互に配置されている。
【0094】
図25は、立体表示装置1Dにおける立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(E)はバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVBの波形をそれぞれ示し、(F),(G)は開閉部12A,12Bの光の透過率Tをそれぞれ示す。立体表示装置1Dでは、走査周期T1で行われる線順次走査により、開閉部12A,12Bにおける表示(映像信号SA,SBに基づく表示)を交互に行う。そして、表示周期T0ごとにこれらの表示を繰り返す。ここで、表示周期T0は、例えば、16.7[msec](=1/60[Hz])にすることが可能である。この場合、走査周期T1は、4.2[msec](=T0/4)である。
【0095】
[変形例1−4]
上記実施の形態では、バリア駆動信号DRV0(立体視表示時におけるバリア駆動信号DRVS)は、所定の周期を有する矩形波形としたが、これに限定されるものではない。以下に、その一例について説明する。
【0096】
図26は、本変形例に係る立体表示装置1Eのタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。
【0097】
本変形例に係る立体表示装置1Eでは、バリア駆動信号DRVSは、図26(C)に示したように、2つの波形部分W1,W2を交互に配置したものである。波形部分W1,W2は、高レベル電圧VHと低レベル電圧VLとの間を遷移する矩形波形であり、波形部分W2は、波形部分W1を反転したものである。このバリア駆動信号DRVSは、上記実施の形態と同様に、バリア駆動信号生成部63によりバリア駆動信号DRV0として生成されるものである。すなわち、このバリア駆動信号DRV0もまた、この2つの波形部分W1,W2を有している。そして、立体視表示を行う場合には、セレクタ回路64Sが、このバリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVSとして出力する。また、セレクタ回路64A〜64Dは、上記実施の形態と同様に、このバリア駆動信号DRV0および共通信号Vcomに基づいて、バリア駆動信号DRVA〜DRVDをそれぞれ生成し出力する(図26(D)〜(G))。
【0098】
本変形例に係る立体表示装置1Eでは、上記実施の形態に係る立体表示装置1の場合と同様に、開閉部12A〜12Dにおける表示(映像信号SA〜SDに基づく表示)を順次、時分割的に行う。その際、立体表示装置1Eでは、バリア駆動信号DRVSの波形部分W1に基づく時分割表示(タイミングt91〜t92)と、バリア駆動信号DRVSの波形部分W2に基づく時分割表示(タイミングt92〜t93)とを、交互に行う。
【0099】
このように、2つの波形部分W1,W2を交互に配置したバリア駆動信号DRV0を用いることにより、液晶層19におけるいわゆる“焼き付き”を低減することができる。すなわち、例えば、開閉部12Aに印加されるバリア駆動信号DRVA(図26(D))では、タイミングt91〜t93の期間において、高レベル電圧VHが印加される時間と低レベル電圧VLが印加される時間は、互いに等しくなっている。このように、各開閉部11,12(12A〜12D)において、透明電極120に印加される電圧と共通電極(透明電極層17)に印加される電圧との電位差の平均値が0Vになるため、液晶層19における“焼き付き”を低減することができる。
【0100】
なお、上記実施の形態に係る立体表示装置1では、例えば、開閉部12Aに印加されるバリア駆動信号DRVA(図12(D))において、高レベル電圧VHが印加される時間が、低レベル電圧VLが印加される時間に比べ長いため、液晶層19における“焼き付き”が生じるおそれがある。よって、立体表示装置1は、この“焼き付き”が画質などに大きな影響を与えないようなアプリケーションにおいて使用することができる。また、上記変形例に係る立体表示装置1Cのように、開閉部12が奇数(立体表示装置1Cでは3つ)のグループを構成する場合には、図23に示したように、高レベル電圧VHが印加される時間と低レベル電圧VLが印加される時間は、互いに等しくなるため、液晶層19における“焼き付き”を低減することができる。
【0101】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る立体表示装置2について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態の場合よりも長い周期のバリア駆動信号DRV0に基づいて、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDを生成するものである。すなわち、本実施の形態では、そのようなバリア駆動信号DRV0を生成するバリア駆動信号生成部73を備えたバリア駆動部70を用いて、立体表示装置2を構成している。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1等)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0102】
図27は、立体視表示を行う場合における、バリア駆動部70の一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0の波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。
【0103】
バリア駆動部70のバリア駆動信号生成部73は、上記第1の実施の形態に係るバリア駆動信号生成部63が生成するバリア駆動信号DRV0(例えば図9(A))よりも長い周期のバリア駆動信号DRV0を生成する(図27(A))。そして、タイミング制御部61は、バリア駆動信号DRV0の半周期に対応する期間において、パルスを開閉制御信号CTLA〜CTLDとして順次出力する。
【0104】
具体的には、まず、タイミングt102において、バリア駆動信号生成部73が、バリア駆動信号DRV0を反転させる(図27(A))。そして、それと同時に、タイミング制御部61が、開閉制御信号CTLAを低レベルから高レベルへ変化させる(図27(C))。これにより、セレクタ回路64Aは、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVAとして出力するとともに(図27(H))、セレクタ回路64S,64B〜64Dは、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDとして出力する(図27(G),(I)〜(K))。
【0105】
その後、バリア駆動部70では、バリア駆動信号DRV0の電圧レベルを維持したままで、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDを生成する。具体的には、タイミングt105〜タイミングt108の期間において、バリア駆動部70は、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVBとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVC,DRVDとして出力する(図27(G)〜(K))。そして、タイミングt108〜タイミングt111の期間において、バリア駆動部70は、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVCとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVB,DRVDとして出力する(図27(G)〜(K))。そして、タイミングt111〜タイミングt114の期間において、バリア駆動部70は、共通信号Vcomをバリア駆動信号DRVDとして出力するとともに、バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCとして出力する(図27(G)〜(K))。
【0106】
次に、タイミングt114において、バリア駆動信号生成部73が、バリア駆動信号DRV0を反転させる(図27(A))。そして、タイミングt114〜t126の期間において、バリア駆動部70は、タイミングt102〜t114の期間と同様に、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDを生成する。バリア駆動部70は、このタイミングt102〜t126の期間における動作を繰り返す。
【0107】
図28は、立体表示装置2における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。なお、図28に示したタイミングt102等は、図27に示したタイミングt102等に対応するものである。
【0108】
まず、立体表示装置2は、タイミングt101〜t104の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt101〜t103の期間において、表示部20は、映像信号SAに基づく表示を行うとともに(図28(A))、バックライト30が消灯する(図28(B))。そして、タイミングt102において、バリア駆動部70は、バリア駆動信号DRVAを0V(共通信号Vcom)に変化させるとともに(図28(D))、その他のバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDを高レベル電圧VHに変化させる(図28(C),(E)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図28(H))。そして、タイミングt103〜t104の期間において、表示部20が、映像信号SAに基づく表示を再度行うとともに(図28(A))、バックライト30が点灯する(図28(B))。これにより、観察者は、タイミングt103〜t104の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0109】
その後、立体表示装置2では、バリア駆動信号DRV0の電圧レベルを維持したままで、タイミングt104〜t113の期間において、映像信号SB〜SDに基づく表示(開閉部12B〜12Dにおける表示)が時分割的に順次行われる。
【0110】
そして、立体表示装置2では、タイミングt114において、バリア駆動信号DRV0が反転し、タイミングt114〜t125の期間において、映像信号SA〜SDに基づく表示(開閉部12A〜12Dにおける表示)が時分割的に順次行われる。立体表示装置2は、このタイミングt101〜t125の期間における動作を繰り返す。
【0111】
このように、長い周期のバリア駆動信号DRV0を用い、バリア駆動信号DRV0の半周期の期間のそれぞれにおいて、開閉部12A〜12Dにおける表示を行うことにより、液晶層19におけるいわゆる“焼き付き”を低減することができる。すなわち、例えば、開閉部12Aに印加されるバリア駆動信号DRVA(図28(D))では、タイミングt102〜t126の期間において、高レベル電圧VHが印加される時間と低レベル電圧VLが印加される時間は、互いに等しくなっている。このように、立体表示装置2では、各開閉部11,12(12A〜12D)において、透明電極120に印加される電圧と共通電極(透明電極層17)に印加される電圧との電位差の平均値が0Vになるため、液晶層19における“焼き付き”を低減することができる。
【0112】
以上のように本実施の形態では、長い周期のバリア駆動信号DRV0を用い、バリア駆動信号DRV0の半周期の期間のそれぞれにおいて、開閉部12A〜12Dにおける表示を行うようにしたので、“焼き付き”を低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0113】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、開閉部12を4つのグループにグループ分けしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、上記第1の実施の形態の変形例1−3と同様に、例えば、開閉部12を3つのグループにグループ分けしてもよいし、2つのグループにグループ分けしてもよい。これらの場合における、立体視表示動作のタイミング図を、それぞれ図29,30に示す。
【0114】
[その他の変形例]
また、上記実施の形態では、例えば、上記第1の実施の形態の変形例1−1,1−2を適用することができる。
【0115】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る立体表示装置3について説明する。本実施の形態は、交流信号の共通信号VcomACを用いるものである。すなわち、本実施の形態では、そのような共通信号VcomACを生成するバリア駆動部80を用いて、立体表示装置3を構成している。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。なお、上記第1の実施の形態等に係る立体表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0116】
図31は、バリア駆動部80の一構成例を表すものである。バリア駆動部80は、直流駆動信号生成部83と、共通信号生成部82とを備えている。直流駆動信号生成部83は、直流駆動信号Vdc(この例では0V)を生成するものである。共通信号生成部82は、交流信号の共通信号VcomACを生成するものである。共通信号VcomACは、具体的には、直流駆動信号Vdcを中心レベルとし、所定の周期で高レベル電圧VHと低レベル電圧VLとの間を遷移する矩形波形を有している。この共通信号VcomACは、上記第1および第2の実施の形態と同様に、液晶バリア部10の共通電極(透明電極層17)に供給されるものである。
【0117】
図32は、立体視表示を行う場合における、バリア駆動部80の一動作例を表すものであり、(A)は共通信号VcomACの波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。
【0118】
バリア駆動部80では、まず、タイミングt202において、共通信号生成部82が、共通信号VcomACを反転させるとともに(図32(A))、タイミング制御部61が、開閉制御信号CTLAを、低レベルから高レベルへ変化させる(図32(C))。これにより、セレクタ回路64Aでは、スイッチSW1がオフ状態になるとともにスイッチSW2がオン状態になり、共通信号VcomACがバリア駆動信号DRVAとして出力される(図32(H))。一方、セレクタ回路64S,64B〜64Dでは、開閉制御信号CTLS,CTLB〜CTLDが低レベルであるため、スイッチSW1がオン状態になるとともにスイッチSW2がオフ状態になり、直流駆動信号Vdcがバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDとしてそれぞれ出力される(図32(G),(I)〜(K))。
【0119】
同様にして、タイミングt205〜タイミングt208の期間において、バリア駆動部80は、共通信号VcomACをバリア駆動信号DRVBとして出力するとともに、直流駆動信号Vdcをバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVC,DRVDとして出力する(図32(G)〜(K))。そして、タイミングt208〜タイミングt211の期間において、バリア駆動部80は、共通信号VcomACをバリア駆動信号DRVCとして出力するとともに、直流駆動信号Vdcをバリア駆動信号DRVS,DRVA,DRVB,DRVDとして出力する(図32(G)〜(K))。そして、タイミングt211〜タイミングt214の期間において、バリア駆動部80は、共通信号VcomACをバリア駆動信号DRVDとして出力するとともに、直流駆動信号Vdcをバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCとして出力する(図32(G)〜(K))。
【0120】
図33は、通常表示(2次元表示)を行う場合における、バリア駆動部80の一動作例を表すものであり、(A)は共通信号VcomACの波形を示し、(B)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(C)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。セレクタ回路64S,64A〜64Dでは、開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDが高レベルであるため(図33(B))、スイッチSW1がオフ状態になるとともにスイッチSW2がオン状態になり、共通信号VcomACを、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDとしてそれぞれ出力する(図33(C))。
【0121】
図34は、立体表示装置3における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)は共通信号VcomACの波形を示し、(D)〜(H)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(I)〜(L)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。なお、図34に示したタイミングt202等は、図32に示したタイミングt202等に対応するものである。
【0122】
まず、立体表示装置3は、タイミングt201〜t204の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt201〜t203の期間において、表示部20は、映像信号SAに基づく表示を行う(図34(A))。そして、タイミングt202において、バリア駆動部80は、共通信号VcomACを反転させるとともに(図34(C))、バリア駆動信号DRVAを高レベル電圧VHに変化させる(図34(E))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図34(I))。そして、タイミングt203〜t204の期間において、表示部20が、映像信号SAに基づく表示を再度行うとともに(図34(A))、バックライト30が点灯する(図34(B))。これにより、観察者は、タイミングt203〜t204の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0123】
同様にして、立体表示装置3は、タイミングt204〜t207の期間において、映像信号SBに基づく表示を行い、タイミングt207〜t210の期間において、映像信号SCに基づく表示を行い、タイミングt210〜t213の期間において、映像信号SDに基づく表示を行う。
【0124】
立体表示装置3では、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置1の場合と同様に、隣接する開閉部をともに閉状態にする際に、各開閉部に対して同じ電圧(直流駆動電圧Vdc)を印加している。言い換えれば、これらの開閉部では、透明電極110,120に印加された電圧と、共通電極(透明電極層17)に印加された電圧との電位差が、互いに等しくなっている。これにより、これらの隣接する開閉部間の境界領域における光の透過率Tを低くすることができ、上記第1の実施の形態の場合と同様に、画質の低下を低減することができる。
【0125】
以上のように本実施の形態では、交流信号の共通信号VcomACを用いた場合でも、画質の低下を低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0126】
[変形例3−1]
上記実施の形態でも、上記第2の実施の形態に係る立体表示装置2において長い周期のバリア駆動信号DRV0を用いたのと同様に、共通信号VcomACの周期を長くしてもよい。
【0127】
[その他の変形例]
また、上記実施の形態でも、例えば、上記第1の実施の形態の各変形例1−1〜1−4を適用することができる。
【0128】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係る立体表示装置4について説明する。本実施の形態は、開閉部11を用いずに、開閉部12のみを用いて液晶バリア部を構成したものである。すなわち、本実施の形態では、そのような液晶バリア部100と、その液晶バリア部100に対して、バリア駆動信号DRVA〜DRVDおよび共通信号Vcomを供給するバリア駆動部90を用いて、立体表示装置4を構成している。また、この例では、説明の便宜上、映像信号Sは、立体表示装置4が立体視表示を行う場合に、それぞれが4つの視点映像を含む映像信号SA〜SDから構成されるものとする。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1)と同様である。なお、上記第1の実施の形態等に係る立体表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0129】
図35は、液晶バリア部100の一構成例を表すものである。液晶バリア部100は、開閉部12を有している。すなわち、上記第1の実施の形態等では、液晶バリア部10は開閉部11および開閉部12を有していたが、本実施の形態では、この開閉部11を省いている。この例では、開閉部12Aと、開閉部12Bと、開閉部12Cと、開閉部12Dとが、この順で巡回するように配置されている。
【0130】
図36は、液晶バリア部100および表示部20の一動作例を、断面構造を用いて模式的に表すものであり、(A)〜(D)は立体視表示を行う場合の4つの状態をそれぞれ示す。この例では、開閉部12Aは、表示部20の4つの画素Pixに1つの割合で設けられている。同様に、開閉部12B,12C,12Dは、それぞれ、表示部20の4つの画素Pixに1つの割合で設けられている。
【0131】
立体表示装置4では、立体視表示を行う場合には、表示駆動部50に映像信号SA〜SDが時分割的に供給され、表示部20はそれらに基づいて表示を行う。そして、液晶バリア部100では、その表示に同期して開閉部12(開閉部12A〜12D)が時分割的に開閉動作を行う。具体的には、映像信号SAが供給された場合には、図36(A)に示したように、開閉部12Aが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になる。表示部20では、後述するように、この開閉部12Aに対応した位置に配置された互いに隣接する4つの画素Pixが、映像信号SAに含まれる4つの視点映像に対応する表示(画素情報P1〜P4)を行う。同様に、映像信号SBが供給された場合には、図36(B)に示したように、開閉部12Bが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になり、この開閉部12Bに対応した位置に配置された互いに隣接する4つの画素Pixが、映像信号SBに含まれる4つの視点映像に対応する表示を行う。また、映像信号SCが供給された場合には、図36(C)に示したように、開閉部12Cが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になり、この開閉部12Cに対応した位置に配置された互いに隣接する4つの画素Pixが、映像信号SCに含まれる4つの視点映像に対応する表示を行う。また、映像信号SDが供給された場合には、図36(D)に示したように、開閉部12Dが開状態になるとともに、それ以外の開閉部12が閉状態になり、この開閉部12Dに対応した位置に配置された互いに隣接する4つの画素Pixが、映像信号SDに含まれる4つの視点映像に対応する表示を行う。
【0132】
なお、通常表示(2次元表示)を行う場合には、液晶バリア部100では、全ての開閉部12(開閉部12A〜12D)がともに開状態(透過状態)を維持する。
【0133】
図37は、立体表示装置4における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(F)はバリア駆動信号DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(G)〜(J)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。図37は、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置1のタイミング図(図12)と同様であり、図12からバリア駆動信号DRVSの波形を省いたものである。すなわち、立体表示装置4の開閉部12A〜12Dは、第1の実施の形態に係る立体表示装置1の開閉部12A〜12Dと全く同様に動作するものである。
【0134】
以上のように本実施の形態では、開閉部11が無い構成であっても、画質の低下を低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0135】
[変形例4−1]
上記実施の形態では、第1の実施の形態に係る立体表示装置1に、液晶バリア部100を適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、第1の実施の形態の各変形例、第2の実施の形態に係る立体表示装置2、第3の実施の形態に係る立体表示装置3に、この液晶バリア部100を適用してもよい。
【0136】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態に係る立体表示装置5について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態において立体視表示を行う際、常に遮断状態(閉状態)になる開閉部11に対して供給するバリア駆動信号DRVSの振幅を、時分割的に開放状態(開状態)にするバリア駆動信号DRVA〜DRVDの振幅よりも大きく設定したものである。すなわち、本実施の形態では、そのようなバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDを生成するバリア駆動部130を用いて、立体表示装置5を構成している。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1等)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0137】
図38は、バリア駆動部130の一構成例を表すものである。バリア駆動部130は、バリア駆動信号生成部133と、セレクタ回路134Sとを備えている。バリア駆動信号生成部133は、バリア制御信号CBRに基づいて、バリア駆動信号DRV0に加え、バリア駆動信号DRV1をも生成する機能を有している。バリア駆動信号DRV1は、バリア駆動信号DRV0と同様の波形形状を有し、その振幅がバリア駆動信号DRV0よりも大きいものである。具体的には、バリア駆動信号DRV1は、共通信号Vcomを中心レベルとし、所定の周期で、バリア駆動信号DRV0の高レベル電圧VHよりも高い高レベル電圧VH1と、バリア駆動信号DRV0の低レベル電圧VLよりも低い低レベル電圧VL1との間を遷移するものである。セレクタ回路134Sは、開閉制御信号CTLSに基づいて、バリア駆動信号DRVSを生成するものである。セレクタ回路134Sでは、スイッチSW1は、一端にバリア駆動信号DRV1が供給され、他端はセレクタ回路134Sの出力端子に接続されている。この構成により、セレクタ回路134Sは、開閉制御信号CTLSがLレベルの場合には、スイッチSW1がオン状態になるとともにスイッチSW2がオフ状態になり、バリア駆動信号DRV1をバリア駆動信号DRVSとして出力する。
【0138】
図39は、立体視表示を行う場合における、バリア駆動部130の一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0,DRV1の波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。なお、図39に示したタイミングt2等は、図9,12等に示したタイミングt2等に対応するものである。
【0139】
図39(A)に示したように、バリア駆動信号生成部133は、バリア駆動信号DRV0に加え、バリア駆動信号DRV0よりも振幅が大きいバリア駆動信号DRV1を生成する。そして、セレクタ回路134Sでは、開閉制御信号CTLSが低レベルであるため、スイッチSW1がオン状態になるとともにスイッチSW2がオフ状態になり、バリア駆動信号DRV1がバリア駆動信号DRVSとして出力される(図39(G))。
【0140】
図40は、立体表示装置5における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。なお、図40に示したタイミングt2等は、図39等に示したタイミングt2等に対応するものである。
【0141】
まず、立体表示装置5は、タイミングt1〜t4の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt1〜t3の期間において、表示部20は、映像信号SAに基づく表示を行う(図40(A))。そして、タイミングt2において、バリア駆動部130は、バリア駆動信号DRVSを低レベル電圧VL1に変化させ、バリア駆動信号DRVAを0V(共通信号Vcom)に変化させ、その他のバリア駆動信号DRVB〜DRVDを低レベル電圧VLに変化させる(図40(C)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図40(H))。そして、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20が、映像信号SAに基づく表示を再度行うとともに(図40(A))、バックライト30が点灯する(図40(B))。これにより、観察者は、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0142】
同様にして、立体表示装置5は、タイミングt4〜t7の期間において、映像信号SBに基づく表示を行い、タイミングt7〜t10の期間において、映像信号SCに基づく表示を行い、タイミングt10〜t13の期間において、映像信号SDに基づく表示を行う。
【0143】
これにより、立体表示装置5では、立体視表示の際、常に遮断状態(閉状態)になる開閉部11に対して、より大きい振幅のバリア駆動信号DRV1を供給する。これにより、以下に説明するように、互いに異なる視点映像が混ざり合って観測される、いわゆるクロストークや、表示のコントラストを改善することができる。
【0144】
図41は、開閉部11,12をともに遮断状態にした場合における、立体表示装置1,5の表示面での輝度分布を表すものである。この図41は、表示部20が白色表示を行い、液晶バリア部10の全ての開閉部11,12が遮断状態(閉状態)になる条件において、表示面の水平方向に沿った様々な位置(水平方向位置)において輝度を測定したものである。実線は、本実施の形態に係る立体表示装置5における輝度分布を示し、破線は、第1の実施の形態に係る立体表示装置1における輝度分布を示す。なお、この例では、開閉部11の幅E1の幅を、開閉部12の幅E2の幅よりも小さくしている。
【0145】
本実施の形態に係る立体表示装置5では、開閉部11を遮断状態にする際、より大きい振幅のバリア駆動信号DRV1を供給している。これにより、開閉部11における輝度は、図41に示したように、第1の実施の形態に係る立体表示装置1の場合(破線)に比べて低くなり、より光が遮断される(部分W1)。そしてさらに、開閉部11,12の境界領域における輝度も、立体表示装置1の場合(破線)に比べて低くなり、より光が遮断される(部分W2)。
【0146】
これにより、立体表示装置5では、図7に示したように、開閉部12A〜12Dを時分割的に切り換えて開放し映像を表示する際、互いに遮断状態になる開閉部11,12の境界領域等から光が漏れるおそれを低減することができるため、クロストークを低減することができ、画質を高めることができる。
【0147】
図42(A)は、立体表示装置1のコントラストを表すものであり、図42(B)は、立体表示装置5のコントラストを表すものである。この図42は、液晶バリア部10の全ての開閉部11,12を開放状態(開状態)にしたときの輝度と、全ての開閉部11,12を遮断状態(閉状態)にしたときの輝度との比(コントラスト)を、視野角特性として表すものである。すなわち、図42において、左右方向は立体表示装置1,5の表示面の水平方向に対応し、上下方向は表示画面の垂直方向に対応している。この図42(A),(B)において、実線はコントラストを表す等高線であり、中心に近づくほどコントラストが高くなっていることを示している。
【0148】
本実施の形態に係る立体表示装置5(図42(B))では、同じコントラストを示す範囲(例えばコントラストが100の範囲等)を、第1の実施の形態に係る立体表示装置1の場合(図42(A))に比べてやや大きくすることができる。すなわち、立体表示装置5では、図41に示したように、開閉部11,12を遮断状態にしたときの輝度を下げることができるため、コントラストを大きくすることができる。このように、立体表示装置5では、コントラストを改善することができ、画質を高めることができる。
【0149】
以上のように本実施の形態では、立体視表示を行う際、常に遮断状態にする開閉部12に供給するバリア駆動信号DRVSの振幅を大きくしたので、クロストークやコントラストを改善することができ、画質を高めることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0150】
[変形例5−1]
上記実施の形態では、第1の実施の形態に係る立体表示装置1において、バリア駆動信号DRVSの振幅を大きくしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、第1の実施の形態の各変形例、および第2の実施の形態に係る立体表示装置2において、バリア駆動信号DRVSの振幅を大きくしてもよい。
【0151】
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態に係る立体表示装置6について説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態において立体視表示を行う際、開閉部11,12に供給するバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの振幅を、より大きく設定したものである。すなわち、本実施の形態では、そのようなバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDを生成するバリア駆動部140を用いて、立体表示装置6を構成している。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図1等)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0152】
本実施の形態に係るバリア駆動部140は、図8に示したように、バリア駆動信号生成部143を備えている。バリア駆動信号生成部143は、後述するように、上記第1の実施の形態の場合に比べて、振幅が大きいバリア駆動信号DRV0を生成する。
【0153】
図43は、立体視表示を行う場合における、バリア駆動部140の一動作例を表すものであり、(A)はバリア駆動信号DRV0の波形を示し、(B)〜(F)は開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDの波形を示し、(G)〜(K)はバリア制御信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形を示す。なお、図43に示したタイミングt2等は、図9,12等に示したタイミングt2等に対応するものである。
【0154】
本実施の形態に係るバリア駆動信号DRV0は、図43(A)に示したように、上記第1の実施の形態の場合よりも大きな振幅を有し、所定の周期で極性反転する(図43(A))。その際、バリア駆動信号DRV0は、極性反転する直前において、振幅が減少する。具体的には、バリア駆動信号DRV0は、例えば、高レベル電圧VH1から低レベル電圧VL1に極性反転する際(例えばタイミングt8)、そのタイミングの直前において、電圧レベルが高レベル電圧VH1から一段階低下する。同様に、低レベル電圧VL1から高レベル電圧VH1に極性反転する際(例えばタイミングt11)、そのタイミングの直前において、電圧レベルが低レベル電圧VL1から一段階上昇する。このように、バリア駆動信号DRV0は、極性反転する際、電圧レベルが2段階で遷移する。
【0155】
バリア駆動部140では、上記第1の実施の形態の場合と同様に、セレクタ回路64S,64A〜64Dが、開閉制御信号CTLS,CTLA〜CTLDに基づいて、このバリア駆動信号DRV0および共通信号Vcomのうちの一方を選択し、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDとして出力する(図43(G)〜(K))。
【0156】
図44は、立体表示装置6における立体視表示動作のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。なお、図44に示したタイミングt2等は、図43等に示したタイミングt2等に対応するものである。
【0157】
まず、立体表示装置6は、タイミングt1〜t4の期間において、映像信号SAに基づく表示を行う。具体的には、まず、タイミングt1〜t3の期間において、表示部20は、映像信号SAに基づく表示を行う(図44(A))。そして、タイミングt2付近において、バリア駆動部140は、バリア駆動信号DRVAを0V(共通信号Vcom)に2段階で変化させ、その他のバリア駆動信号DRVS,DRVB〜DRVDを低レベル電圧VL1に変化させる(図44(C)〜(G))。これにより、液晶バリア部10では、開閉部12Aの光の透過率Tが上昇する(図44(H))。そして、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20が、映像信号SAに基づく表示を再度行うとともに(図44(A))、バックライト30が点灯する(図44(B))。これにより、観察者は、タイミングt3〜t4の期間において、表示部20の映像信号SAに基づく表示を見ることができる。
【0158】
同様にして、立体表示装置5は、タイミングt4〜t7の期間において、映像信号SBに基づく表示を行い、タイミングt7〜t10の期間において、映像信号SCに基づく表示を行い、タイミングt10〜t13の期間において、映像信号SDに基づく表示を行う。
【0159】
立体表示装置6では、開閉部11,12に供給するバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの振幅を大きくしたので、上記第5の実施の形態の場合と全く同様に、クロストークおよびコントラストを改善することができる。
【0160】
また、立体表示装置6では、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDが、2段階で遷移するようにしたので、クロストークをさらに低減することができる。以下に、その詳細を説明する。
【0161】
図45は、バリア駆動信号DRVの波形例を表すものである。図46は、図45のバリア駆動信号DRVが供給された開閉部11における透過率Tの時間変化の一例を表すものである。図45,46は、開閉部11が、遮断状態(閉状態)から開放状態(開状態)に変化する際の動作を示している。
【0162】
この例では、図45に示したように、バリア駆動信号DRV(DRVS,DRVA〜DRVD)は、高レベル電圧VH1から0Vに変化している。すなわち、このバリア駆動信号DRVが印加された開閉部11は、遮断状態から開放状態に変化する。ケースC1の波形は、高レベル電圧VH1から、電圧VH1よりも低い電圧VH2を経て、0Vに変化するものである。すなわち、このケースC1の波形は、本実施の形態に係るバリア駆動信号DRV(DRVS,DRVA〜DRVD)に対応するものである。また、ケースC2の波形は、ケースC1とは異なり、高レベル電圧VH1から0Vに直接変化するものである。
【0163】
ケースC2のようなバリア駆動信号DRVが印加された場合、開閉部11の透過率Tは、図46に示したように、単調に変化せず、一度透過率Tが上昇し始めた後、一端低下し(部分W3)、その後再度上昇する場合がある。この透過率Tの過渡的な変化は、遮断状態において、高レベル電圧VH1が高いため液晶分子Mの配向方向がねじれてしまい、バリア駆動信号DRVが急激に0Vに変化する際に、液晶分子Mの応答が乱れることを示している。このように、透過率Tが一時的に上昇する場合には、観察者は、この期間における表示部20の表示内容を観察するおそれがあり、その場合にはクロストークが生じ、画質が低下するおそれがある。
【0164】
一方、ケースC1では、バリア駆動信号DRVを2段階で変化するようにしたので、遮断状態(閉状態)から開放状態(開状態)に変化する際に、液晶分子Mの応答の乱れを低減することができ、図46に示したように、透過率Tが単調に変化することができる。これにより、ケースC2で生じるクロストークを低減することができ、画質が低下するおそれを低減することができる。
【0165】
以上のように本実施の形態では、立体視表示を行う際、バリア駆動信号が2段階で変化するようにしたので、クロストークやコントラストを低減することができ、画質を高めることができる。
【0166】
また、本実施の形態では、バリア駆動信号生成部143が、電圧レベルが2段階で遷移するバリア駆動信号DRV0を生成するようにしたので、回路構成をシンプルにすることができる。
【0167】
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0168】
[変形例6−1]
上記実施の形態では、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVD0が2段階で遷移するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態のケース(図47(A))の他、例えば3段階で変化するようにしてもよいし(図47(B))、同様に4段階以上で変化するようにしてもよい。また、例えば、高レベル電圧VH1から急激にではなくややなだらかに変化するようにしてもよいし(図47(C))、高レベル電圧VH1から一次関数的に0Vに向かって変化するようにしてもよい(図47(D))。なお、図47では、高レベル電圧VH1から0Vへの変化を例に説明したが、低レベル電圧VL1から0Vへの変化も同様である。
【0169】
[変形例6−2]
上記実施の形態では、第1の実施の形態に係る立体表示装置1において、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCの振幅を大きくするとともに、電圧レベルが2段階で遷移するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、第1〜第4の実施の形態および各変形例において、同様にバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVCの振幅を大きくするとともに、電圧レベルが2段階で遷移するようにしてもよい。一例として、図48に、第4の実施の形態に係る立体表示装置4に本変形例を適用した場合のタイミング波形図を示す。
【0170】
[変形例6−3]
上記実施の形態では、図44(G)〜(K)に示したように、バリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDは、高レベル電圧VH1から0Vや低レベル電圧VL1に変化する際、および低レベル電圧VL1から0Vや高レベル電圧VH1に変化する際に、2段階で遷移したが、これに限定されるものではなく、図49(C)〜(G)に示したように、高レベル電圧VH1から0Vに変化する際、および低レベル電圧VL1から0Vに変化する際においてのみ、2段階で遷移してもよい。これにより、遮断状態(閉状態)から開放状態(開状態)に変化する際に、液晶分子Mの応答の乱れを低減することができ、クロストークを低減することができ、画質を高めることができる。
【0171】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0172】
例えば、上記第1、第2、第4の実施の形態等では、バリア駆動信号生成部63等は、交流信号のバリア駆動信号DRV0を生成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、直流信号のバリア駆動信号DRV0を生成してもよい。
【0173】
図50は、本変形例に係る立体表示装置のタイミング図を表すものであり、(A)は表示部20の動作を示し、(B)はバックライト30の動作を示し、(C)〜(G)はバリア駆動信号DRVS,DRVA〜DRVDの波形をそれぞれ示し、(H)〜(K)は開閉部12A〜12Dの光の透過率Tをそれぞれ示す。
【0174】
本変形例に係る立体表示装置では、バリア駆動信号生成部63は、直流信号(この例では高レベル電圧VH)のバリア駆動信号DRV0を生成する。そして、立体視表示を行う場合には、セレクタ回路64Sが、この直流バリア駆動信号DRV0をバリア駆動信号DRVSとして出力する(図50(C))。また、セレクタ回路64A〜64Dは、上記実施の形態と同様に、このバリア駆動信号DRV0および共通信号Vcomに基づいて、バリア駆動信号DRVA〜DRVDをそれぞれ生成し出力する(図50(D)〜(G))。
【0175】
また、例えば、上記実施の形態等では、立体表示装置1等のバックライト30、表示部20、液晶バリア部10は、この順に配置したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、図51に示したように、バックライト30、液晶バリア部10、表示部20の順に配置してもよい。
【0176】
図52は、本変形例に係る表示部20および液晶バリア部10の動作例を表すものであり、(A)は、映像信号SAが供給された場合を示し、(B)は映像信号SBが供給された場合を示す。なお、この例では、開閉部12が3つのグループを構成、表示部20が、6つの視点映像を表示する場合について示している。本変形例では、バックライト30から射出した光は、まず液晶バリア部10に入射する。そして、その光のうち、開閉部12A,12Bを透過した光が表示部20において変調されるとともに、6つの視点映像を出力するようになっている。
【0177】
また、例えば、上記実施の形態等では、面発光を行うバックライト30を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、垂直方向Yに並設された複数のサブ発光部を有するバックライトを用い、表示部20における表示走査に同期して各サブ発光部を時分割的に発光させるようにしてもよい。図53に、上記第1の実施の形態に係る立体表示装置1に対して本変形例を適用した場合の立体視表示動作のタイミング図を示す。この例では、バックライト30Fは、2つのサブ発光部を有している。このようなバックライトを用いることにより、例えば表示部20における液晶表示素子の応答が遅い場合において、画質を向上することができる。
【0178】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0179】
(1)表示部と、
それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むバリア部と、
前記複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部と
を備えた表示装置。
【0180】
(2)前記複数の液晶バリアは、第1の方向に延在するとともに、その第1の方向に交差する方向に交互に形成された複数の第1の液晶バリアおよび複数の第2の液晶バリアを有する
前記(1)に記載の表示装置。
【0181】
(3)前記複数の第1の液晶バリアは、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記バリア駆動部は、
前記複数の第1の液晶バリアを、第1の期間内においてバリアグループ間で巡回するように開閉駆動するとともに、
前記複数の第2の液晶バリアを閉状態にするように駆動する
前記(2)に記載の表示装置。
【0182】
(4)前記バリア駆動部は、前記複数の第1の液晶バリアに対して、バリアグループごとに互いに異なる複数の第1の駆動信号を供給するとともに、前記複数の第2の液晶バリアに対して第2の駆動信号を供給し、
前記複数の第1の駆動信号および前記第2の駆動信号は、極性が遷移する信号である
前記(3)に記載の表示装置。
【0183】
(5)閉状態にすべき前記第1の液晶バリアに供給する前記第1の駆動信号は、閉状態にすべき前記第2の液晶バリアに供給する前記第2の駆動信号と同じ極性である
前記(4)に記載の表示装置。
【0184】
(6)閉状態にすべき前記第1の液晶バリアに供給する前記第1の駆動信号は、閉状態にすべき前記第2の液晶バリアに供給する前記第2の駆動信号と同じ電圧である
前記(5)に記載の表示装置。
【0185】
(7)閉状態にすべき前記第1の液晶バリアに供給する前記第1の駆動信号は、閉状態にすべき前記第2の液晶バリアに供給する前記第2の駆動信号よりも振幅が小さい
前記(5)に記載の表示装置。
【0186】
(8)前記第2の駆動信号は、前記第1の期間より短い第2の期間ごとに極性反転する
前記(4)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0187】
(9)前記第2の駆動信号は、前記第1の期間より短い第2の期間ごとに極性反転する部分駆動波形を有し、
前記部分駆動波形は、前記第1の期間ごとに反転する
前記(4)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0188】
(10)前記第2の駆動信号は、前記第1の期間ごとに極性反転する
前記(4)から(7)のいずれかに記載の表示装置。
【0189】
(11)一のバリアグループに属する第1の液晶バリアの開状態期間は、他の一のバリアグループに属する第1の液晶バリアの開状態期間と一部重なっている
前記(4)から(10)のいずれかに記載の表示装置。
【0190】
(12)前記第1の駆動信号は、その第1の駆動信号が供給される前記第1の液晶バリアを閉状態にするための第1の波形部分と、開状態にするための第2の波形部分と、前記第1の波形部分の後であって前記第2の波形部分の前に配置された第3の波形部分とを含む
前記(4)から(11)のいずれかに記載の表示装置。
【0191】
(13)前記第2の駆動信号は、前記第1の波形部分に対応する波形部分と、前記第3の波形部分に対応する波形部分とを含む
前記(12)に記載の表示装置。
【0192】
(14)3次元映像表示モードおよび2次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記3次元映像表示モードにおいて、前記表示部が複数の異なる視点映像を表示する
前記(3)から(13)のいずれかに記載の表示装置。
【0193】
(15)3次元映像表示モードおよび2次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記2次元映像表示モードでは、
前記表示部が1つの視点映像を表示し、
前記バリア駆動部は、前記複数の第1の液晶バリアおよび前記複数の第2の液晶バリアが開状態になるように駆動する
前記(2)に記載の表示装置。
【0194】
(16)前記複数の液晶バリアは、第1の方向に延在し、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記バリア駆動部は、前記複数の液晶バリアを、第1の期間においてバリアグループ間で巡回するように開閉駆動する
前記(1)に記載の表示装置。
【0195】
(17)前記バリア駆動部は、前記複数の液晶バリアに対して、バリアグループごとに互いに異なる複数の駆動信号を供給し、
前記複数の駆動信号は、極性が遷移する信号である
前記(16)に記載の表示装置。
【0196】
(18)閉状態にすべき前記液晶バリアに供給する前記駆動信号は、隣接する液晶バリアのうちの閉状態にすべき液晶バリアに供給する駆動信号と同じ極性である
前記(17)に記載の表示装置。
【0197】
(19)閉状態にすべき前記液晶バリアに供給する前記駆動信号は、隣接する液晶バリアのうちの閉状態にすべき液晶バリアに供給する駆動信号と同じ電圧である
前記(17)に記載の表示装置。
【0198】
(20)前記駆動信号は、前記第1の期間より短い第2の期間ごとに遷移する
前記(17)から(19)のいずれかに記載の表示装置。
【0199】
(21)前記駆動信号は、その駆動信号が供給される液晶バリアを閉状態にするための第1の波形部分と、開状態にするための第2の波形部分と、前記第1の波形部分の後であって前記第2の波形部分の前に配置された第3の波形部分とを含む
前記(17)から(20)のいずれかに記載の表示装置。
【0200】
(22)各液晶バリアは、駆動信号と共通信号との電位差に基づいて開閉する
前記(1)から(21)のいずれかに記載の表示装置。
【0201】
(23)前記共通信号は直流信号である
前記(22)に記載の表示装置。
【0202】
(24)前記共通信号は交流信号である
前記(22)に記載の表示装置。
【0203】
(25)各液晶バリアは、前記電位差が大きいほど透過率が低下するものである
前記(1)から(24)のいずれかに記載の表示装置。
【0204】
(26)前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
前記(1)から(25)のいずれかに記載の表示装置。
【0205】
(27)前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
前記(1)から(25)のいずれかに記載の表示装置。
【0206】
(28)それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むバリア部と、
前記複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部と
を備えたバリア装置。
【0207】
(29)それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部を備えた
バリア駆動回路。
【0208】
(30)それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するように駆動する
バリア装置の駆動方法。
【符号の説明】
【0209】
1〜6…立体表示装置、10,100…液晶バリア部、11,12,12A〜12D…開閉部、13,16…透明基板、14,18…偏光板、15,17…透明電極層、19…液晶層、20…表示部、30…バックライト、41…制御部、42…バックライト駆動部、50…表示駆動部、51…タイミング制御部、52…ゲートドライバ、53…データドライバ、60,70,80,90,130,140…バリア駆動部、61…タイミング制御部、62,82…共通信号生成部、63,133,143…バリア駆動信号生成部、64S,64A〜64D,134S…セレクタ回路、83…直流駆動信号生成部、110,120…透明電極、Cap…保持容量素子、CBL…バックライト制御信号、CBR…バリア制御信号、CTLA〜CTLD,CTLS…開閉制御信号、DRVA〜DRVD,DRVS,DRV0,DRV1…バリア駆動信号、GCL…ゲート線、IV1,IV2…インバータ、LC…液晶素子、Pix…画素、S,SA〜SD,S1,Sdisp…映像信号、SGL…信号線、SW1,SW2…スイッチ、T…透過率、Tr…TFT素子、T0…表示周期、T1…走査周期、Vcom,VcomAC…共通信号、Vdc…直流駆動信号、VH,VH1…高レベル電圧、VL,VL1…低レベル電圧。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むバリア部と、
前記複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部と
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記複数の液晶バリアは、第1の方向に延在するとともに、その第1の方向に交差する方向に交互に形成された複数の第1の液晶バリアおよび複数の第2の液晶バリアを有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1の液晶バリアは、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記バリア駆動部は、
前記複数の第1の液晶バリアを、第1の期間内においてバリアグループ間で巡回するように開閉駆動するとともに、
前記複数の第2の液晶バリアを閉状態にするように駆動する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記バリア駆動部は、前記複数の第1の液晶バリアに対して、バリアグループごとに互いに異なる複数の第1の駆動信号を供給するとともに、前記複数の第2の液晶バリアに対して第2の駆動信号を供給し、
前記複数の第1の駆動信号および前記第2の駆動信号は、極性が遷移する信号である
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
閉状態にすべき前記第1の液晶バリアに供給する前記第1の駆動信号は、閉状態にすべき前記第2の液晶バリアに供給する前記第2の駆動信号と同じ極性である
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
閉状態にすべき前記第1の液晶バリアに供給する前記第1の駆動信号は、閉状態にすべき前記第2の液晶バリアに供給する前記第2の駆動信号と同じ電圧である
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
閉状態にすべき前記第1の液晶バリアに供給する前記第1の駆動信号は、閉状態にすべき前記第2の液晶バリアに供給する前記第2の駆動信号よりも振幅が小さい
請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2の駆動信号は、前記第1の期間より短い第2の期間ごとに極性反転する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の駆動信号は、前記第1の期間より短い第2の期間ごとに極性反転する部分駆動波形を有し、
前記部分駆動波形は、前記第1の期間ごとに反転する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2の駆動信号は、前記第1の期間ごとに極性反転する
請求項4に記載の表示装置。
【請求項11】
一のバリアグループに属する第1の液晶バリアの開状態期間は、他の一のバリアグループに属する第1の液晶バリアの開状態期間と一部重なっている
請求項4に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1の駆動信号は、その第1の駆動信号が供給される前記第1の液晶バリアを閉状態にするための第1の波形部分と、開状態にするための第2の波形部分と、前記第1の波形部分の後であって前記第2の波形部分の前に配置された第3の波形部分とを含む
請求項4に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2の駆動信号は、前記第1の波形部分に対応する波形部分と、前記第3の波形部分に対応する波形部分とを含む
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
3次元映像表示モードおよび2次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記3次元映像表示モードにおいて、前記表示部が複数の異なる視点映像を表示する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項15】
3次元映像表示モードおよび2次元映像表示モードを含む複数の表示モードを有し、
前記2次元映像表示モードでは、
前記表示部が1つの視点映像を表示し、
前記バリア駆動部は、前記複数の第1の液晶バリアおよび前記複数の第2の液晶バリアが開状態になるように駆動する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数の液晶バリアは、第1の方向に延在し、複数のバリアグループにグループ分けされ、
前記バリア駆動部は、前記複数の液晶バリアを、第1の期間においてバリアグループ間で巡回するように開閉駆動する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記バリア駆動部は、前記複数の液晶バリアに対して、バリアグループごとに互いに異なる複数の駆動信号を供給し、
前記複数の駆動信号は、極性が遷移する信号である
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
閉状態にすべき前記液晶バリアに供給する前記駆動信号は、隣接する液晶バリアのうちの閉状態にすべき液晶バリアに供給する駆動信号と同じ極性である
請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
閉状態にすべき前記液晶バリアに供給する前記駆動信号は、隣接する液晶バリアのうちの閉状態にすべき液晶バリアに供給する駆動信号と同じ電圧である
請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記駆動信号は、前記第1の期間より短い第2の期間ごとに遷移する
請求項17に記載の表示装置。
【請求項21】
前記駆動信号は、その駆動信号が供給される液晶バリアを閉状態にするための第1の波形部分と、開状態にするための第2の波形部分と、前記第1の波形部分の後であって前記第2の波形部分の前に配置された第3の波形部分とを含む
請求項17に記載の表示装置。
【請求項22】
各液晶バリアは、駆動信号と共通信号との電位差に基づいて開閉する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項23】
前記共通信号は直流信号である
請求項22に記載の表示装置。
【請求項24】
前記共通信号は交流信号である
請求項22に記載の表示装置。
【請求項25】
各液晶バリアは、前記電位差が大きいほど透過率が低下するものである
請求項22に記載の表示装置。
【請求項26】
前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記液晶表示部は、前記バックライトと前記バリア部との間に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項27】
前記表示部は液晶表示部であり、
バックライトをさらに備え、
前記バリア部は、前記バックライトと前記液晶表示部との間に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項28】
それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアを含むバリア部と、
前記複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部と
を備えたバリア装置。
【請求項29】
それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するバリア駆動部を備えた
バリア駆動回路。
【請求項30】
それぞれが開状態と閉状態とを切り換え可能となるように並設された複数の液晶バリアのうち、閉状態にすべき互いに隣接する2以上の液晶バリアに対して、同じ極性の駆動信号を供給するように駆動する
バリア装置の駆動方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2013−11849(P2013−11849A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4928(P2012−4928)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】