説明

表示装置、表示制御方法及びプログラム

【課題】ユーザの操作と、立体的に表示されたオブジェクトを表す画像の動きとの間に体感的な共通性を持たせる。
【解決手段】表示面200には、日付、チャンネル、及び放送時間帯をそれぞれ軸方向に持ち、各々が個別の番組を表す直方体形状のオブジェクトが3次元的に表示される。ユーザが、表示装置100の前面において指300aをX軸負方向にドラッグし、表示装置100の背面において指300bをX軸正方向にドラッグする、X軸方向へのスライド操作を行うと、制御部10は、オブジェクト群400の重心を通るY軸に平行な軸である回転軸500を中心としてオブジェクト群400の全体を時計回りに回転させることで、奥行き方向の情報と幅方向の情報とを入れ替えて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に表示されている内容を操作に応じて制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置において、テレビ放送やラジオ放送の番組表を表す画像を立体的に見えるように表示させる技術が提案されている。特許文献1には、表示面にタッチセンサを備えた表示装置において、ユーザがその表示面をタッチすると、番組表の画像を、放送局別に表示させたり、日付別に表示させたり、指定された時間帯別に表示させたりする仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−45860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、放送局別、日付別、あるいは指定された時間帯別、といった、それぞれ異なる属性に注目して番組表の画像を表示させるべく、その画像全体が回転する仕組みとなっている。このように番組表の画像を回転させることをユーザが表示装置に指示するときに、その番組表が立体的に表示されているということを生かして、ユーザの操作と、番組表の画像が変更されるときの画像の動きとの間に体感的な共通性があると、ユーザにとっては使いやすい。さらに、このようなユーザの操作との間の体感的な共通性を、番組表の画像が変更されるときの画像の動きに限らず、立体的に表示されたオブジェクトを表す画像が変更されるときの画像の動きにも適用すると、より幅広い場面でユーザにとって使いやすいインターフェースを提供することが可能となる。
【0005】
本発明は上述の背景に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作と、立体的に表示されたオブジェクトを表す画像の動きとの間に体感的な共通性を持たせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、筐体と、前記筐体の前面に設けられた表示面に画像を表示する表示手段と、前記表示面に対する第1の操作及び前記筐体の背面に対する第2の操作を検出する検出手段と、幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、前記表示手段に立体的に表示させる表示制御手段と、前記第1の操作の向かう方向及び前記第2の操作の向かう方向を特定する方向特定手段とを備え、前記表示制御手段は、前記方向特定手段により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定手段により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、前記オブジェクトの前記奥行き方向における手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの前記奥行き方向の奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させることを特徴とする表示装置を提供する。
【0007】
好ましい態様において、前記オブジェクトは、幅方向、高さ方向及び奥行き方向にそれぞれ情報が配列された表であることを特徴とする。
【0008】
また、別の好ましい態様において、前記表に含まれる複数の情報のうち、前記検出手段により検出された第1の操作に対応する前記表示面の領域に表示されている情報を特定する情報特定手段を備え、前記表示制御手段は、前記情報特定手段によって情報が特定された場合において、前記方向特定手段により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定手段により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きであるときに、前記情報特定手段によって特定された情報及び当該情報と関連し且つ当該情報とは異なる内容の情報が、立体的な図形の各面に配置されているものとして表示させ、さらに、当該図形の前記手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該図形の前記奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該図形を回転させて表示させることを特徴とする。
【0009】
また、別の好ましい態様において、前記表示制御手段は、前記第1の操作の操作量及び前記第2の操作の操作量に応じた回転量で、前記情報特定手段により特定された情報を回転させて表示させることを特徴とする。
【0010】
また、別の好ましい態様において、前記表に含まれる複数の情報のうち、前記第1の操作又は前記第2の操作に対応する前記表示面の領域に表示されている情報を含んで前記高さ方向及び前記幅方向に配列された情報群を特定する情報群特定手段を備え、前記表示制御手段は、前記検出手段により前記第1の操作が検出された場合には、前記情報群特定手段により特定された情報群を、前記表において前記奥行き方向の奥側に移動させて表示させ、前記検出手段により前記第2の操作が検出された場合には、前記情報群特定手段により特定された情報群を、前記表において前記奥行き方向の手前側に移動させて表示させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、筐体の前面に表示面が設けられた表示装置が行う表示制御方法であって、幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、前記表示面に立体的に表示させる第1の表示制御工程と、前記表示面に対する第1の操作及び前記筐体の背面に対する第2の操作を検出する検出工程と、前記第1の操作の向かう方向及び前記第2の操作の向かう方向をそれぞれ特定する方向特定工程と、前記方向特定工程により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定工程により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、前記オブジェクトの前記奥行き方向における手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの前記奥行き方向の奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させる第2の表示制御工程とを備えることを特徴とする表示制御方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、筐体、当該筐体の前面に設けられた表示面に画像を表示する表示手段及び前記表示面に対する第1の操作及び前記筐体の背面に対する第2の操作を検出する検出手段を備えたコンピュータに、幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、前記表示面に立体的に表示させる第1の表示制御工程と、前記第1の操作の向かう方向及び前記第2の操作の向かう方向を特定する方向特定工程と、前記方向特定工程により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定工程により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、前記オブジェクトの前記奥行き方向における手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの前記奥行き方向の奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させる第2の表示制御工程とを実行させるためのプログラムとしても提供し得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザの操作と、立体的に表示されたオブジェクトを表す画像の動きとの間に体感的な共通性を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】表示装置の外観を表す正面図
【図2】表示装置のハードウェア構成を表すブロック図
【図3】番組表データの内容を表す図
【図4】快適立体視範囲を説明する模式図
【図5】表示面において3D表示される番組表を表す図
【図6】表示装置の前面へのタッチ操作によって表示内容が変更される様子を表す図
【図7】表示装置の背面へのタッチ操作によって表示内容が変更される様子を表す図
【図8】表示装置に対するスライド操作を説明するための図
【図9】X軸方向へのスライド操作によって表示内容が変更される様子を表す図
【図10】Y軸方向へのスライド操作によって表示内容が変更される様子を表す図
【図11】表示内容を変更する処理の流れを示すフローチャート
【図12】ドラッグ操作の方向が逆向きであるか否かの判定を説明するための模式図
【図13】制御部の機能的構成を表すブロック図
【図14】変形例1に係るオブジェクトの部分的な回転表示を表す図
【図15】変形例1に係る表示内容を変更する処理の流れを示すフローチャート
【図16】変形例2に係る回転量テーブルの内容を表す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<実施形態>
<構成>
図1は、表示装置100の外観を表す正面図である。図1(a)は、表示装置100を前面から見た様子を表しており、図1(b)は、表示装置100を背面からみた様子を表している。表示装置100は例えば板状の六面体である筐体を備えており、表示装置100の前面とは、筐体を構成する複数の面のうち、ユーザによって表示装置100が使われるときにそのユーザに対向する面のことであり、表示装置100の背面とは、筐体において前面の反対側にある面のことである。表示装置100は、その前面に、長方形の表示面200と、表示面200の周囲に設けられた操作子31とを有するコンピュータであり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、無線LAN(Local Area Network)機能を有する情報端末、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、及び通信機能を有するリモコンなどの電子機器である。ユーザは、表示面200及び操作子31を指や操作具で触れたり押したりすることで、表示装置100を操作することができるようになっている。また、表示装置100の背面には、背面タッチセンサ52が設けられている。
【0016】
図2は、表示装置100のハードウェア構成を表すブロック図である。表示装置100は、制御部10、記憶部20、操作部30、表示部40、検出部50、及び通信部60を有し、これらの各部はバス70を介して接続されている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリを有している。制御部10において、CPUが、ROMや記憶部20に記憶されているコンピュータプログラムを読み出しRAMにロードして実行することにより、表示装置100の各部を制御する。操作部30は、操作子31を備えており、ユーザによる操作内容を表す操作信号を制御部10に出力する。
【0017】
表示部40は、3D(Dimension)ディスプレイ41を備え、制御部10による制御の下で、ユーザの操作に応じた画像やメニュー画像等の各種画像を3Dディスプレイ41に表示する。3Dディスプレイ41は、2次元の画像を表示するほか、3次元の画像をも表示し得るディスプレイである。以下、3次元の画像を表示することを3D表示という。3D表示の方式としては、単に2次元の斜視図に陰影をつけて立体的に見せる方法のほか、視差バリア方式や、レンチキュラーレンズ方式、スリット状の偏光フィルターと偏光メガネを用いた方式や液晶シャッターによる時分割方式などが知られている。この3Dディスプレイ41においては、上述の方式うち、どれを用いてもよいが、ここでは、視差バリア方式、つまり、スリットを利用して、左右の眼に対し、視差を持つ映像を入射させることでユーザがあたかも立体的な画像を見ていると感じられるような仕組みを用いている。つまり、ユーザは、3Dディスプレイ41に表示される画像が3Dディスプレイ41から飛び出しているかのように見えたり、反対に、3Dディスプレイ41の奥のほうに引っ込んでいるかのように見えたりする。以降において、3Dディスプレイ41に表示される画像について、飛び出しているかのように見えたり、反対に、奥に引っ込んでいるかのように見えたりする、その飛び出しているまたは引っ込んでいる度合いのことを、画像の立体視度合い量という。この立体視度合い量において、特に画像の飛び出しに関する度合いのことを、画像の飛び出し量といい、画像の引っ込みに関する度合いのことを、画像の奥行き量という。
【0018】
この3Dディスプレイ41は、長方形の形状であり、XY直交座標系が設定されている。このXY直交座標系の原点Oは、3Dディスプレイ41の四隅のうちのいずれか(図1(a)においては左上隅)に位置している。この原点Oを含む、3Dディスプレイ41の2辺のうち、一方の辺(ここでは3Dディスプレイ41の短手方向の辺)がX軸に対応し、他方の辺(ここでは3Dディスプレイ41の長手方向の辺)がY軸に対応している。これらX軸及びY軸と直交する直線をZ軸とする。つまり、X軸及びY軸で表される平面に対して、Z軸は飛び出し方向及び奥行き方向の座標軸に相当する。図1に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。つまり、Z軸は、手前側が正方向であり、奥側が負方向である。表示部40は、筐体の前面に設けられた表示面200に画像を表示する表示手段に相当する。
【0019】
検出部50は、前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52を備えており、各センサが検出した結果を表す検出信号を制御部10に出力する。タッチセンサには、主に抵抗皮膜型と静電容量型があり、他にも光センサを用いたものなどがある。前面タッチセンサ51には、これらのうちいずれを用いてもよいが、本実施形態では、抵抗皮膜型を用いる例を示す。前面タッチセンサ51は、図1(a)における表示面200において、3Dディスプレイ41の上(Z軸正方向側)に積層され、且つ、3Dディスプレイ41の全体を覆うように重ねられた状態で配置されており、その大きさ及び形状は、前述した3Dディスプレイ41の大きさ及び形状とほぼ同じである。この前面タッチセンサ51は、光を透過する材料で構成されており、3Dディスプレイ41に表示された画像は前面タッチセンサ51を透過してユーザに視認されるようになっている。背面タッチセンサ52は、図1(b)における表示装置100の背面において、3Dディスプレイ41のちょうど裏側に位置するように配置されており、その大きさ及び形状は、前述した3Dディスプレイ41の大きさ及び形状とほぼ同じである。なお、前面タッチセンサに静電容量型のタッチセンサを用いる場合は、3Dディスプレイ41の下(Z軸負方向側)に前面タッチセンサが積層されることになる。
【0020】
前述した3Dディスプレイ41と同様に、この前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52にも、XY直交座標系が設定されている。つまり、XY直交座標系の原点Oは、前面タッチセンサ51の四隅のうちのいずれか(ここでは図1(a)の左上隅)及び背面タッチセンサ52の四隅のうちのいずれか(ここでは図1(b)の右上隅)に位置している。この原点Oを含む、前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52の2辺のうち、一方の辺(ここでは前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52の短手方向の辺)がX軸に対応し、他方の辺(ここでは前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52の長手方向の辺)がY軸に対応している。前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52は、指が接触したか否かを所定のサンプリング周期で検出し、その接触位置(操作点という)を示す座標を検出結果として制御部10へ出力する。以下、ユーザが表示面200(より正確にはユーザから見て最も手前側に設けられている前面タッチセンサ51)及び表示装置100の背面(より正確にはユーザから見て最も奥側に設けられている背面タッチセンサ52)に触れて行う操作のことを、タッチ操作という。このタッチ操作は、ユーザが表示面200上または背面タッチセンサ52上の任意の位置を指定する操作である。なお、タッチセンサは、指のほかスタイラスペンなどの操作具などのあらゆる操作手段の接触を検出するものもあるが、以下では指によるタッチ操作を例に上げて説明を行う。前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52は、表示面200に対する第1の操作(ここではタッチ操作)及び筐体の背面に対する第2の操作(ここではタッチ操作)を検出する検出手段に相当する。つまり、第1の操作とは、表示面200に対するタッチ操作に相当し、第2の操作とは、筐体の背面に対するタッチ操作に相当する。
【0021】
このように、3Dディスプレイ41、前面タッチセンサ51、及び背面タッチセンサ52には、共通のXY直交座標系が設定されており、前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52によって出力される操作点の位置と、3Dディスプレイ41によって表示される画像の位置はいずれも、共通のXY直交座標系で規定されるようになっている。これらのうち、3Dディスプレイ41及び前面タッチセンサ51によって表示面200が構成されている。なお、3Dディスプレイ自体にタッチセンサの機能が組み込まれて構成される態様もあり、本発明はこれらの態様も含むものであるが、本実施形態では上述したように3Dディスプレイ及びタッチセンサが、それぞれ分離している構成を例に挙げて説明を行う。
【0022】
通信部60は、ネットワークを介して通信ノード(図示せず)とデータ通信を行う。記憶部20は、例えばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性の記憶手段であり、各種のデータを記憶している。記憶部20に記憶されているデータには、制御部10が実行するプログラムに加え、番組表データ21、及び各種の閾値が含まれる。番組表データ21は、例えばテレビ放送の番組表を表すデータであり、各番組の放送チャンネル、放送日時、番組名など、番組に関する各種情報を含んでいる。制御部10は、通信部60を用いて図示せぬサーバ装置から番組表データ21を取得すると、これを記憶部20に記憶させる。
【0023】
図3は、番組表データ21の内容を表す図である。図に示すように、番組表データ21は、「日付」、「ch(チャンネル)」、「開始時刻」、「終了時刻」、及び「番組名」といった複数の項目を含んでいる。「日付」は、番組が放送される予定の日付を表した情報である。「ch」は、テレビ番組を放送する各放送局に割り当てられたチャンネルを表した情報である。「開始時刻」は、番組の放送が開始される予定の時刻を表した情報である。「終了時刻」は、番組の放送が終了する予定の時刻を表した情報である。「番組名」は、放送される番組に割り当てられた名称を表した情報である。図は、例えば、「2012/4/1」の「1ch」では「9:00」から「9:58」の時間帯に、「ニュース・気象情報」という番組が放送される予定であることを表している。このように、「日付」、「ch」、「開始時刻」、及び「終了時刻」といった情報の組み合わせごとに、放送される予定の番組が一意に特定される。
【0024】
次に、ユーザが3D画像を快適に視認できるとされている快適立体視範囲について説明する。図4は、快適立体視範囲を説明する模式図であり、表示装置100を表示面200に平行な方向から見たときの様子を表している。ここで、ユーザの視点から見たときの表示面200の水平方向のサイズをs[cm]、ディスプレイの水平方向の解像度をr[pixel]、左右の目の間隔(眼間距離)をe[cm]、表示面200から左右の目を結んだ線分までの距離(視距離)をd[cm]、左右の目でそれぞれ知覚される映像間の水平方向のズレ(視差)における最大視差をDmax[Pixel]、最小視差をDmin[Pixel]とする。そして、仮想的な3次元空間において、最も大きい飛び出し量を持つ点と、最も大きい奥行き量を持つ点と、表示面200上の点とに対する、左右の目の輻輳角をそれぞれα、β、γとする。
【0025】
快適立体視範囲の定義は様々であるが、一般的に最もよく用いられる定義としては、3DC安全ガイドラインで述べられている、「視差角|α―γ|及び|β−γ|が1度以内であること」が挙げられる。従って、この定義に則ると、眼間距離e及び視距離dが決まれば、最大飛び出し量p及び最大奥行き量qが求まる。具体的な求め方は、以下のようなものである。まず、図4からも明らかなように、以下の数式(a)及び(b)が成り立つ。
(a)γ=2tan-1(e/2d)
(b)α=2tan-1(e/(2d−2p))
従って、α=γ+1を快適立体視範囲の飛び出し上限として、これを上記の数式に代入することで最大飛び出し量pが求まる。最大奥行き量qも同様に求めることができる。このときの最大飛び出し量p〜最大奥行き量qの範囲が、快適立体視範囲であるから、表示装置100においては、制御部10が、この快適立体視範囲の範囲内で、画像の立体視度合い量を制御することとなる。なお、この最大飛び出し量p及び最大奥行き量qは、一般的には記憶部20に記憶されているプログラムに記述されているが、ユーザの眼間距離eや視距離dをリアルタイムで取得できる場合は、上記数式に則って、制御部10が動的に変化させてもよい。
【0026】
<動作>
次に、以下の動作説明において、まず、表示面200に表示される画像がユーザの操作に応じてどのように変化するかということについて述べる。図5は、表示面200において3D表示される番組表を表す図である。図5は、図3に示される番組表データ21の内容に基づいて表示面200に3D表示される内容を表している。このとき表示面200に3D表示されるのは番組表の内容の一部に過ぎず、図5の例では、4/1から4/3の午前8時から午前11時までの放送チャンネル1,2,4,5,6の番組表が表示されている。図5に示されるように、表示面200のX軸方向にはチャンネルが割り当てられ、Y軸方向には時刻が割り当てられ、Z軸方向には日付が割り当てられる。なお、図示の便宜上、日付は「年」を省略した「月日」のみを表示している。
【0027】
これらの3軸で表される3次元の座標系において、図3に示される番組表データ21に含まれる番組に関する情報が、直方体を構成する面に表記された状態で表示される。このとき、これらの各直方体は、X,Y,Z座標系において、番組表データ21に記述された日付、チャンネル、開始時刻、及び終了時刻に対応した位置に配置されている。このように番組に関する情報が表記された直方体を、以降においてオブジェクトと呼ぶ。
【0028】
各オブジェクトは番組表データ21の内容に基づいているから、以下では、例えば或るオブジェクトによって表される番組が放送される日付のことを「オブジェクトが持つ日付」といったり、或る日付に放送される番組を表すオブジェクトのことを「日付がXXのオブジェクト」といったりすることがある。これは、オブジェクトと、チャンネル、開始時刻及び終了時刻との関係を言うときも同様である。
【0029】
最前面に表示されるオブジェクトの表示面200と平行な面のうち、前面に位置する面が表す領域には、この領域に含まれるXY座標系に基づく座標値が割り当てられている。同様に、最背面に表示されるオブジェクトの表示面200と平行な面のうち、背面に位置する面が表す領域には、この領域に含まれるXY座標系に基づく座標値が割り当てられている。つまり、最前面に表示されるオブジェクトごと及び最背面に表示されるオブジェクトごとに、XY座標系に基づく座標値が複数割り当てられていることとなる。
【0030】
図5において、制御部10は、日付が「4/1」のオブジェクト群を最前面に表示している。ここでいう最前面に表示されるオブジェクト群とは、制御部10が表示面200にオブジェクト群を3D表示するときに、画像の飛出し量が最も大きいオブジェクト群のことである。日付が「4/1」のオブジェクト群の背面には、次の日付「4/2」のオブジェクト群が表示されている。ここでいう或るオブジェクト群の背面に表示されるオブジェクト群とは、或るオブジェクト群よりもオブジェクト1つ分だけ画像の飛出し量が小さいオブジェクト群、換言すれば、或るオブジェクト群よりもオブジェクト1つ分だけ画像の奥行き量が大きいオブジェクト群のことである。そして日付が「4/2」のオブジェクト群の背面には、次の日付「4/3」のオブジェクト群が表示されている。また、最背面に表示されるオブジェクト群とは、制御部10が表示面200にオブジェクト群を3D表示するときに、画像の飛出し量が最も小さいオブジェクト群、換言すれば画像の奥行き量が最も大きいオブジェクト群のことである。
【0031】
一度に表示面200に3D表示されるZ軸方向におけるオブジェクトの数は、同時表示数というパラメータとして予め記憶部20に記憶されている。この同時表示数は、ユーザによって、操作部30を用いて所定の範囲内で任意に変更可能としてもよい。図5の場合では、この同時表示数に「3」の値が設定されている。また、図5においては、「4/1」を基準として(基準日という)、基準日のオブジェクト群が最前面に表示され、その背面に、基準日より後の日付のオブジェクト群が表示されている。このように、基準日は、オブジェクト群全体において最前面に表示されるオブジェクト群の日付であり、パラメータとしてRAMに記憶されている。ここで、ユーザはタッチ操作により基準日を変更することで、最前面に表示されるオブジェクト群の日付を変更させることが可能である。次に、このタッチ操作について詳細を説明する。
【0032】
図6は、表示装置100の前面へのタッチ操作によって表示内容が変更される様子を表す図である。図6において、図5に示される表示面200の表示内容の一部を拡大して表している。図6(a)において、「4/1」が基準日としてRAMに記憶されている。また、図6(a)において、ユーザは、指300を用いて、表示装置100の前面、すなわち、表示面200上をタッチしている。このように、ユーザが、表示面200上で、最前面に表示されているオブジェクトのいずれかを指定してタッチ操作を行うと、操作点の座標値とオブジェクトに割り当てられた座標値とに基づいて、前面タッチセンサ51によりタッチが検出される。この検出に応じた制御部10は、基準日を過去の日付に変更する。ここで、基準日の変更量、換言すると、Z軸方向におけるオブジェクトの移動量は、例えば「1個/タッチ」というようなパラメータとして記憶部20に記憶されている。図6(a)では、ユーザにより表示面200上において一回タッチ操作が行われたものとする。そして制御部10は、上記パラメータに設定された値に応じて、基準日を過去の日付に変更する。つまり、この場合、制御部10は、基準日を「4/1」から「3/31」に変更してRAMに記憶させる。制御部10は、基準日のオブジェクト群が最前面に表示されるように、オブジェクト群を移動させて表示させる。この結果、図6(b)に示されるように、制御部10は、日付が「3/31」のオブジェクト群を最前面に表示させ、日付が「4/1」のオブジェクト群をその背面に表示させることとなる。
【0033】
また、このとき、制御部10は、前述した同時表示数と同じ数だけのオブジェクトを一度に表示面200に表示させるため、上記オブジェクト群の移動に伴い、同時表示数からはみ出したオブジェクト群が表示面200に表示されないようにする。図6下段の例では、オブジェクトの移動量が「1」であるため、制御部10は、オブジェクト群のうち、最背面に表示されていた、日付が「4/3」のオブジェクト群を消去して表示面200に表示させないようにする。
【0034】
図7は、表示装置100の背面へのタッチ操作によって表示内容が変更される様子を表す図である。図7において、図5に示される表示面200への表示内容の一部を拡大して表している。図7(a)において「4/1」が基準日としてRAMに記憶されている。図7(a)では、ユーザが、指300を用いて、表示装置100の背面にタッチしている。このように、ユーザが、表示装置100の背面にタッチ操作を行うと、操作点の座標値とオブジェクトに割り当てられた座標値とに基づいて、背面タッチセンサ52によりタッチが検出される。この検出に応じた制御部10は、基準日を未来の日付に変更する。ここで、基準日の変更量のパラメータは上述したとおりである。図7(a)では、ユーザにより表示装置100の背面に対して一回タッチ操作が行われたものとする。そして制御部10は、上記パラメータに設定された値に応じて、基準日を未来の日付に変更する。つまり、この場合、制御部10は、基準日を「4/1」から「4/2」に変更してRAMに記憶させる。制御部10は、基準日のオブジェクト群が最前面に表示されるように、オブジェクト群を移動させて表示させる。この結果、図7(b)に示されるように、制御部10は、日付が「4/2」のオブジェクト群を最前面に表示させるとともに、日付が「4/1」のオブジェクト群を消去して表示させないようにすることとなる。
【0035】
次に、ユーザによる表示内容を変更するための操作のうち、タッチ操作とは異なるスライド操作なるものについて説明する。図8は、表示装置100に対するスライド操作を説明するための図である。ここで、スライド操作とは、ユーザが、表示装置100の前面、すなわち表示面200上をタッチした指300aと、表示装置100の背面にタッチした指300bとを、それぞれタッチした状態を維持しながら移動させる動作(いわゆるドラッグ操作)を逆向きに行う操作のことである。スライド操作には、大別して、表示装置100を正面から見たときに、横方向(X軸方向)において互いに逆向きとなるドラッグ操作を表示装置100の前面及び背面で行うものと、縦方向(Y軸方向)において互いに逆向きとなるドラッグ操作を表示装置100の前面及び背面で行うものとがある。
【0036】
図8(a)において、X軸方向において互いに逆向きとなるドラッグ操作からなるスライド操作の様子が表されており、図8(b)において、Y軸方向において互いに逆向きとなるドラッグ操作からなるスライド操作の様子が表されている。また、図8(a)において、ユーザは、表示面200上をタッチした指300aをX軸負方向にドラッグするとともに、表示装置100の背面にタッチした指300bをX軸正方向にドラッグしている。このような操作をするときの指の動きは、ユーザが、三次元のオブジェクト、すなわちここでは番組表の画像をつまんで、正面から見て横方向に回転させるときの動きに似ている。以降、このような操作のことを、X軸方向へのスライド操作と呼ぶ。また、図8(a)とは逆に、ユーザが、表示面200上をタッチした指300aをX軸正方向にドラッグするとともに、表示装置100の背面にタッチした指300bをX軸負方向にドラッグする操作も、X軸方向へのスライド操作に含まれる。
【0037】
図8(b)において、ユーザは、表示面200上をタッチした指300aをY軸正方向にドラッグするとともに、表示装置100の背面にタッチした指300bをY軸負方向にドラッグしている。このような操作をするときの指の動きは、ユーザが、三次元のオブジェクト、すなわちここでは番組表の画像をつまんで、正面から見て縦方向に回転させるときの動きに似ている。以降、このような操作のことを、Y軸方向へのスライド操作と呼ぶ。図8(b)とは逆に、ユーザが、表示面200上をタッチした指300aをY軸負方向にドラッグするとともに、表示装置100の背面にタッチした指300bをY軸正方向にドラッグする操作も、Y軸方向へのスライド操作に含まれる。
【0038】
図9は、X軸方向へのスライド操作によって表示内容が変更される様子を表す図である。図9において、図5に示される表示面200の表示内容の一部を拡大して表している。図9(a)におけるオブジェクト群において、幅方向にはチャンネルが表示され、高さ方向には放送時間帯が表示され、奥行き方向には日付が表示されている。図9(a)に示された状態から、ユーザが、指300aをX軸負方向にドラッグし、指300bをX軸正方向にドラッグすることで、X軸方向へのスライド操作を行った結果、表示面200の表示内容は、図9(b)に示す状態へと変化する。図9(b)におけるオブジェクト群において、高さ方向に放送時間帯が表示されていることは図9(a)と同様であるが、幅方向に日付が表示され、奥行き方向にチャンネルが表示されていることが、図9(a)と異なっている。ここで、図9(c)は、表示面200に表示されるオブジェクト群400をY軸正方向からY軸負方向に向かって仮想的に見たときの様子を表している。制御部10は、図9(a)に示すようなX軸方向へのスライド操作を受け付けると、図9(c)に示すように、オブジェクト群400の重心を通るY軸に平行な軸である回転軸500を中心としてオブジェクト群400の全体を時計回りに回転させることで、奥行き方向の情報と幅方向の情報とを入れ替えて表示させる。つまり、図9(a)に示すようなX軸方向へのスライド操作が行われると、制御部10は、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群が表示面200上のドラッグ操作の方向(X軸負方向)に動き、且つ、番組表の奥行き方向における奥側のオブジェクト群が表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向(X軸正方向)に動くように、番組表を回転させて表示させる。この結果、番組表の表示内容は図9(b)のようなものとなる。
【0039】
回転に伴う、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群が動く方向を、表示装置100の前面にタッチしている指300aのドラッグ操作の方向と同じ方向としているのは、以下のような理由による。ユーザは、表示装置100の前面に触れている指であれば、表示面200に表示される画面の内容と指の動きとを同時に目視で確認可能である。従って、表示装置100の前面にタッチしている指300aのドラッグ操作の方向と、操作結果として表示装置100の前面においてオブジェクト群が動く方向とが視覚的に一致すると、操作がより体感的なものとなり、ユーザは直感的に操作が行いやすくなる。以上の理由により、回転に伴って、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群が動く方向を、表示装置100の前面にタッチしている指300aのドラッグ操作の方向と同じ方向としているわけである。
【0040】
このように、制御部10は、X軸方向へのスライド操作を受け付けると、日付別に番組表を表示していた図9(a)の状態から、チャンネル別に番組表を表示する図9(b)の状態に、表示内容を変更する。つまり、図9(b)においては、最前面に「5チャンネル」の番組表が日付ごとに表示されており、その背面に「4チャンネル」の番組表が日付ごとに表示されている。このようにチャンネル別に番組表が表示されることで、ユーザは、同一のチャンネルについて異なる日付の放送内容を一度に確認することが可能となる。
【0041】
ここで、ユーザは、前述したタッチ操作により、最前面に表示させるチャンネルを変更することが可能である。制御部10は、基準日と同様にして、最前面に表示させるチャンネルを「基準チャンネル」というパラメータとしてRAMに記憶させている。図9(b)において基準チャンネルは「5」である。図9(b)の状態から、ユーザが、表示装置100の前面に対してタッチ操作を行うと、前面タッチセンサ51によりタッチが検出される。この検出に応じて、制御部10は、基準チャンネルを、並び順で次の番号のチャンネルに変更する。ここで、基準チャンネルの変更量、換言すると、Z軸方向におけるオブジェクトの移動量は、上述したように、例えば「1個/タッチ」というようなパラメータとして記憶部20に記憶されている。ここで、図9(b)において、ユーザにより表示面200上において一回タッチ操作が行われたものとする。このタッチ操作に応じて、制御部10は、上記パラメータに設定された値に応じて、基準チャンネルを並び順で次の番号のチャンネルに変更する。つまり、この場合、制御部10は、基準チャンネルを「5」から「6」に変更してRAMに記憶させる。制御部10は、基準チャンネル「6」のオブジェクト群が最前面に表示されるように、オブジェクト群を移動させて表示させる。
【0042】
また、図9(b)に示す状態において、ユーザが、表示装置100の背面に対してタッチ操作を行うと、背面タッチセンサ52によりタッチが検出される。この検出に応じて、制御部10は、基準チャンネルを、並び順で前の番号のチャンネルに変更する。基準チャンネルの変更量、換言すると、Z軸方向におけるオブジェクトの移動量は、上述したとおりである。ここで、図9(b)において、ユーザにより表示装置100の背面に対して一回タッチ操作が行われたものとする。このタッチ操作に応じて、制御部10は、上記パラメータに設定された値に応じて、基準チャンネルを並び順で前の番号のチャンネルに変更する。つまり、この場合、制御部10は、基準チャンネルを「5」から「4」に変更してRAMに記憶させる。制御部10は、基準チャンネル「4」のオブジェクト群が最前面に表示されるように、オブジェクト群を移動させて表示させる。
【0043】
図10は、Y軸方向へのスライド操作によって表示内容が変更される様子を表す図である。図10において、図5に示される表示面200の表示内容の一部を拡大して表している。図10(a)におけるオブジェクト群において、幅方向にはチャンネルが表示され、高さ方向には放送時間帯が表示され、奥行き方向には日付が表示されている。図10(a)に示された状態から、ユーザが、指300aをY軸正方向にドラッグし、指300bをY軸負方向にドラッグすることで、Y軸方向へのスライド操作を行った結果、表示面200の表示内容は、図10(b)に示す状態へと変化する。図10(b)におけるオブジェクト群において、幅方向にチャンネルが表示されていることは図10(a)と同様であるが、高さ方向に日付が表示され、奥行き方向に放送時間帯が表示されていることが、図10(a)と異なっている。ここで、図10(c)は、表示面200に表示されるオブジェクト群400をX軸負方向からX軸正方向に向かって仮想的に見たときの様子を表している。制御部10は、図10(a)に示すようなY軸方向へのスライド操作を受け付けると、図10(c)に示すように、オブジェクト群400の重心を通るX軸に平行な軸である回転軸600を中心としてオブジェクト群400の全体を時計回りに回転させることで、奥行き方向の情報と高さ方向の情報とを入れ替えて表示させる。つまり、図10(a)に示すようなY軸方向へのスライド操作が行われると、制御部10は、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群が表示面200上のドラッグ操作の方向(Y軸正方向)に動き、且つ、番組表の奥行き方向における奥側のオブジェクト群が表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向(Y軸負方向)に動くように、番組表を回転させて表示させる。この結果、番組表の表示内容は図10(b)のようなものとなる。
【0044】
このように、制御部10は、Y軸方向へのスライド操作を受け付けると、日付別に番組表を表示していた図10(a)の状態から、放送時間帯別に番組表を表示する図10(b)の状態に表示内容を変更する。つまり、図10(b)においては、最前面に開始時刻が「9:00」の番組表がチャンネルごと及び日付ごとに表示されており、その背面に開始時刻が「10:00」の番組表がチャンネルごと及び日付ごとに表示されている状態である。このように放送時間帯別に番組表が表示されることで、ユーザは、同一の放送時間帯ついて異なる日付及び異なるチャンネルの組み合わせの放送内容を一度に確認することが可能となる。
【0045】
ここで、ユーザは、前述したタッチ操作により、最前面に表示させる放送時間帯を変更することが可能である。制御部10は、基準日及び基準チャンネルと同様にして、最前面に表示させる放送時間帯を「基準放送時間帯」というパラメータとしてRAMに記憶させている。図10(b)において基準放送時間帯は「9:00」である。図10(b)の状態において、ユーザが、表示装置100の前面に対してタッチ操作を行うと、前面タッチセンサ51によりタッチが検出される。この検出に応じて、制御部10は、基準放送時間帯を、過去の時間帯に変更する。ここで、基準放送時間帯の変更量、換言すると、Z軸方向におけるオブジェクトの移動量は、上述したように、例えば「1個/タッチ」というようなパラメータとして記憶部20に記憶されている。ここで、図10(b)において、ユーザにより表示面200上において一回タッチ操作が行われたものとする。このタッチ操作に応じて、制御部10は、上記パラメータに設定された値に応じて、基準放送時間帯を過去の時間帯に変更する。つまり、この場合、制御部10は、基準チャンネルを「9:00」から「8:00」に変更してRAMに記憶させる。制御部10は、基準放送時間帯「8:00」のオブジェクト群が最前面に表示されるように、オブジェクト群を移動させて表示させる。
【0046】
また、図10(b)に示す状態において、ユーザが、表示装置100の背面に対してタッチ操作を行うと、背面タッチセンサ52によりタッチが検出される。この検出に応じて、制御部10は、基準放送時間帯を、未来の時間帯に変更する。基準放送時間帯の変更量、換言すると、Z軸方向におけるオブジェクトの移動量は、上述したとおりである。ここで、図10(b)において、ユーザにより表示装置100の背面に対して一回タッチ操作が行われたものとする。このタッチ操作に応じて、制御部10は、上記パラメータに設定された値に応じて、基準放送時間帯を未来の時間帯に変更する。つまり、この場合、制御部10は、基準放送時間帯を「9:00」から「10:00」に変更してRAMに記憶させる。制御部10は、基準放送時間帯「10:00」のオブジェクト群が最前面に表示されるように、オブジェクト群を移動させて表示させる。
【0047】
図11は、制御部10が表示内容を変更する処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部10は、前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52からの検出信号に基づいて、ユーザによる操作がスライド操作であったか否かを判断する(ステップS100)。制御部10は、ユーザによる操作がスライド操作であったと判断すると(ステップS100;YES)、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向及び表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向を特定する(ステップS110)。具体的にステップS110において、制御部10は、前面タッチセンサ51の検出する操作点の始点の表す座標から操作点の終点の表す座標へ向かう方向を、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と特定する。同様に、ステップS110において、制御部10は、背面タッチセンサ52の検出する操作点の始点の表す座標から操作点の終点の表す座標へ向かう方向を、表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向と特定する。ここにおいて、制御部10は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とを、同一期間を含む期間において特定する。
【0048】
ステップS110の次に、制御部10は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とが、逆向きであるかを判定する(ステップS120)。具体的には、ステップS120において、制御部10は、ステップS110で特定した表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向に対して、表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向が正反対の方向成分を持ち、且つ、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の大きさに対して、上記正反対の方向成分の大きさが占める割合が予め決められた閾値以上である場合、両者の方向が逆向きであると判定する。ここで上記閾値とは、例えば「70%」といった値であって、パラメータとして予め記憶部20に記憶されている。
【0049】
図12は、ドラッグ操作の方向が逆向きであるか否かの判定を説明するための模式図である。太枠で描かれた矢印は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向710を表す。前面に対するドラッグ操作の方向710と反対側に向かって延びる実線の矢印は、表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向720を表す。そして破線で描かれた矢印のうち、前面に対するドラッグ操作の方向710と逆向きに延びる矢印は、ドラッグ操作の方向720の方向成分のうち、前面に対するドラッグ操作の方向710と正反対の方向成分730を表す。ここで、前面に対するドラッグ操作の大きさ(図では前面に対するドラッグ操作の方向710の示す長さ)に対して、正反対の方向成分730の大きさが占める割合が予め決められた閾値以上である場合、制御部10は、前面に対するドラッグ操作の方向710と背面に対するドラッグ操作の方向720とが逆向きであると判定する。
【0050】
制御部10は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とが、逆向きでないと判断すると(ステップS120;NO)、対応処理を行い(ステップS130)、ステップS100の処理に戻る。ここで対応処理とは、例えば、表示面200に表示された画像をスクロールさせて表示したり、表示装置100の前面に対する操作点に位置する画像又は表示装置100の背面に対する操作点に位置する画像を選択したり、あるいは何もしない、といった処理である。
【0051】
制御部10は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とが、逆向きであると判断すると(ステップS120;YES)、ユーザによる操作がX軸方向へのスライド操作であるか否かを判定する(ステップS140)。ステップS140において、具体的に制御部10は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向及び表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とのそれぞれにおいて、Y軸方向の成分よりもX軸方向の成分の方が長い場合、ユーザによる操作をX軸方向へのスライド操作である、と判定する。一方、制御部10は、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向及び表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とのそれぞれにおいて、X軸方向の成分よりもY軸方向の成分の方が長い場合、ユーザによる操作をX軸方向へのスライド操作ではない、すなわちY軸方向へのスライド操作である、と判定する。
【0052】
制御部10は、ユーザによる操作をX軸方向へのスライド操作であると判定すると(ステップS140;YES)、オブジェクト群全体を回転させることで、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群を、表示面200上のドラッグ操作におけるX軸方向に移動させる(ステップS150)。このとき、制御部10は、番組表の奥行き方向における奥側のオブジェクト群を、表示装置100の背面に対するドラッグ操作におけるX軸方向に移動させる。また、制御部10は、ユーザによる操作をX軸方向へのスライド操作でない、すなわちY軸方向へのスライド操作であると判定すると(ステップS140;NO)、オブジェクト群全体を回転させることで、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群を、表示面200上のドラッグ操作におけるY軸方向に移動させる(ステップS160)。このとき、制御部10は、番組表の奥行き方向における奥側のオブジェクト群を、表示装置100の背面に対するドラッグ操作におけるY軸方向に移動させる。ステップS150又はステップS160の次に制御部10は、表示面200に表示する内容を変更すると(ステップS170)、処理をステップS100へ戻す。ステップS170において、制御部10は、オブジェクト群全体の回転に応じて、最前面に表示するオブジェクト群を変更して表示させる。
【0053】
図13は、制御部10の機能的構成を表すブロック図であり、制御部10は、プログラムを実行することで図に示す各機能を実現する。制御部10は、幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、表示部40に立体的に表示させる表示制御手段11として機能する。また、制御部10は、前面タッチセンサ51及び背面タッチセンサ52により検出される第1の操作(タッチ操作)及び第2の操作(タッチ操作)のそれぞれが向かう方向を特定する方向特定手段12として機能する。ここで、第1の操作及び第2の操作の向かう方向、すなわちタッチ操作の向かう方向とは、タッチ操作による操作点の始点から操作点の終点へ向かう方向を表す。さらに表示制御手段11は、方向特定手段12により特定された第1の操作の向かう方向と、方向特定手段12により特定された第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、オブジェクトの奥行き方向における手前側の部分が、第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの奥行き方向の奥側の部分が、第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させる。また、制御部10は、オブジェクトが、幅方向、高さ方向及び奥行き方向にそれぞれ情報が配列された表であるときに、表に含まれる複数の情報のうち、第1の操作又は第2の操作に対応する前記表示面200の領域に表示されている情報を含んで高さ方向及び幅方向に配列された情報群を特定する情報群特定手段13として機能する。このとき表示制御手段11は、前面タッチセンサ51により第1の操作が検出された場合には、情報群特定手段13により特定された情報群を、表において奥行き方向の奥側に移動させて表示させ、背面タッチセンサ52により第2の操作が検出された場合には、情報群特定手段13により特定された情報群を、表において前記奥行き方向の手前側に移動させて表示させる。
【0054】
このように、本実施形態によれば、ユーザはあたかも自らの手で三次元のオブジェクト(ここでは三次元の番組表)に力を与えてそのオブジェクトを回転させたかのような感覚を得られるため、ユーザの操作と、その操作に応じた三次元のオブジェクトを表す画像の動きとの間に体感的な共通性を持たせることが可能となる。
【0055】
<変形例>
以上の実施形態は次のように変形可能である。尚、以下の変形例は適宜組み合わせて実施してもよい。
【0056】
<変形例1>
実施形態においては、ユーザによるスライド操作に応じて制御部10が行う処理は、オブジェクト郡全体を回転させて表示させるというものであったが、これに加えて次のようにしてもよい。図14は、変形例1に係るオブジェクトの部分的な回転表示を表す図である。図14(a)には、図5と同内容の番組表を表すオブジェクト群が表示面200に表示されている。ユーザは、部分的に回転表示させるオブジェクトを指定する際に、単一のオブジェクトのみならず、複数のオブジェクトを一度に指定することが可能である。まず、ユーザは、表示面200にタッチした状態を維持したまま指300を移動させる、いわゆるドラッグ操作を行って、部分的に回転表示させたいオブジェクトを選択する。制御部10は、ドラッグ操作の開始位置の操作点と、ドラッグ操作の終了位置の操作点とを対角に持つ矩形を特定する。この矩形を選択範囲という。そして制御部10は、オブジェクトの表示面200に平行な面を表す矩形が上記選択範囲に含まれる場合、このオブジェクトを、表示内容を変更する対象のオブジェクトとして特定する。図14(a)では、ユーザが、ドラッグ操作を行うことにより、日付が「4/1」、開始時刻が「9:00」、終了時刻が「9:58」であって、チャンネルが「4」、「5」及び「6」の3つのオブジェクトを選択した様子を表している。制御部10は、例えば図14に示すように、選択範囲を破線の矩形として表示させる。制御部10は、このようなドラッグ操作に基づく選択範囲を、表示面200に対するタッチ操作から特定するだけでなく、表示装置100の背面に対してのタッチ操作からも特定することができる。この場合、制御部10は、背面タッチセンサ52が検出するドラッグ操作の開始位置の操作点及び終了位置の操作点とを対角に持つ矩形を、選択範囲として特定する。このように、情報特定手段として機能する制御部10は、表に含まれる複数の情報のうち、前面タッチセンサ51により検出された第1の操作に対応する表示面200の領域に表示されている情報を特定する。
【0057】
図14(b)は、図14(a)のようにオブジェクトが指定された状態から、ユーザによりスライド操作が行われた結果を表している。図14下段において、制御部10は、指定された3つのオブジェクトについて、出演者の情報を前面に表示させている。一方、制御部10は、そのほかのオブジェクトについては、番組名の情報を前面に表示させている。オブジェクトは、ブロック状の直方体で表示されているから、制御部10は、オブジェクトを回転させて表示させることで、予め前面に表示されていた面と、この面の上下左右裏面との合わせて6面のうちのいずれか1面を、表示面200の最前面に表示させる。
【0058】
変形例1では、図3の番組表データ21において、各々のデータが、「出演者」、「概要」及び「キーワード」などといった項目を追加で保持している。ここで、「出演者」とは、番組への出演者を表し、「概要」とは、番組の内容の概要を表し、「キーワード」とは、ユーザが番組を検索するときに使用される文字列を表す。例えば、ユーザが「時代劇」という文字列を指定して番組の検索を行うと、制御部10は、番組表データ21の項目「キーワード」に、「時代劇」という文字列を保持する番組を検索結果として表示させる、といった具合である。制御部10は、各オブジェクトの各面に、番組名の情報と、この番組に関連する情報であって番組名とは異なる上述した内容のような情報とが配置されているものとして表示させる。このようにして、制御部10は、ユーザによるスライド操作に応じてオブジェクトを回転させることで、番組名、番組放送日時、又は上記項目の情報のうちいずれかをオブジェクトの前面に表示させる。
【0059】
図15は、変形例1に係る表示内容を変更する処理の流れを示すフローチャートである。図11と同一の符号を付されたものは、その処理内容も図11と同一であるため、詳細な説明を省略し、図11と異なる点を中心に説明を行う。まず、制御部10は、オブジェクトを指定する操作が行われると、すなわち、ユーザによるドラッグ操作の開始位置の操作点とドラッグ操作の終了位置の操作点とを対角に持つ矩形からなる選択範囲に、オブジェクトの表示面200に平行な面を表す矩形が含まれる場合(ステップS100a;YES)、このオブジェクトを、表示内容を変更する対象のオブジェクトとして特定する(ステップS100b)。そして制御部10は、ステップS100の処理へ進む。一方、制御部10は、オブジェクトを指定する操作が行われない場合(ステップS100a;NO)、ステップS100の処理へ進む。その後、制御部10は、処理を進め、ステップS140において、ユーザによる操作がX軸方向へのスライド操作であるか否かを判定する。
【0060】
制御部10は、ユーザによる操作をX軸方向へのスライド操作であると判定し(ステップS140;YES)、さらにステップS100bにおいて表示内容を変更する対象のオブジェクトが特定されている場合(ステップS142;YES)、特定されたオブジェクトの手前側の部分が表示面200上のドラッグ操作におけるX軸方向に動くようにこのオブジェクトを回転させる(ステップS144)。このとき、特定されたオブジェクトの奥側の部分が表示装置100の背面に対するドラッグ操作におけるX軸方向に動くように、制御部10は、このオブジェクトを回転させる。一方、制御部10は、ステップS100bにおいて表示内容を変更する対象のオブジェクトが特定されていない場合(ステップS142;NO)、オブジェクト群全体を回転させることで、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群を、表示面200上のドラッグ操作におけるX軸方向に移動させる(ステップS150)。
【0061】
また、制御部10は、ユーザによる操作をX軸方向へのスライド操作でない、すなわちY軸方向へのスライド操作であると判定し(ステップS140;NO)、さらにステップS100bにおいて表示内容を変更する対象のオブジェクトが特定されている場合(ステップS152;YES)、特定されたオブジェクトの手前側の部分が表示面200上のドラッグ操作におけるY軸方向に動くようにこのオブジェクトを回転させる(ステップS154)。このとき、特定されたオブジェクトの奥側の部分が表示装置100の背面に対するドラッグ操作におけるY軸方向に動くように、制御部10は、このオブジェクトを回転させる。一方、制御部10は、ステップS100bにおいて表示内容を変更する対象のオブジェクトが特定されていない場合(ステップS152;NO)、オブジェクト群全体を回転させることで、番組表の奥行き方向における手前側のオブジェクト群を、表示面200上のドラッグ操作におけるY軸方向に移動させる(ステップS160)。ステップS144、ステップS150、ステップS154、又はステップS160の次に制御部10は、表示面200に表示させる内容を変更すると(ステップS170)、ステップS100aの処理に戻る。ステップS170において、制御部10は、特定されたオブジェクトの回転又はオブジェクト群全体の回転に応じて、最前面に表示するオブジェクト群を変更して表示させる。
【0062】
このようにすれば、ユーザは、表示面200に表示された番組表を表すオブジェクトのうち、番組名を見て内容が気になった番組などについて、オブジェクトを指定して部分的な回転操作を行うことで、この番組のより詳細な内容を知ることができるようになる。
【0063】
<変形例2>
変形例1に加えて、ユーザによるスライド操作におけるベクトルの大きさに応じて、制御部10が、指定されたオブジェクトを回転させる量を変更してもよい。変形例2において、記憶部20は、回転量テーブル22を記憶している。図16は、変形例2に係る回転量テーブル22の内容を表す図である。回転量テーブル22は、「スライド量」及び「オブジェクト回転量」といった複数の項目からなる。「スライド量」という項目には、予め区分されたスライド操作における操作量の大きさ(cm)の範囲が記述されている。スライド操作は、前述したように、お互いに方向が逆向きの、表示装置100の前面に対するドラッグ操作と表示装置100の背面に対するドラッグ操作とで成り立っているから、スライド操作における操作量の大きさは、ドラッグ操作における操作量の大きさに基づいている。具体的には、スライド操作における操作量の大きさは、表示面200上のドラッグ操作における操作点の始点の表す座標と操作点の終点の表す座標とを結ぶ軌跡の長さ及び表示装置100の背面に対するドラッグ操作における操作点の始点の表す座標と操作点の終点の表す座標とを結ぶ軌跡の長さを平均した長さで表される。「オブジェクト回転量」という項目には、一度のスライド操作においてオブジェクトの回転する量が記述されている。ここで、オブジェクトの回転する量は、「1」につき「90°の回転1回分」を表している。例えば、スライド量が「3以上」のとき、オブジェクト回転量は「2」であるから、制御部10は、選択されたオブジェクトについて、X軸方向あるいはY軸方向に、90°の回転を2回転させて表示させる。このように、制御部10は、スライド操作における操作量の大きさに応じた回転量で、特定された情報を表す画像を回転させて表示させる。
【0064】
変形例2では、図15のフローチャートにおいて、ステップS120とステップS140との間に、制御部10は、スライド操作における操作量の大きさに基づいて回転量テーブル22を参照し、オブジェクト回転量を決定する。そしてステップS144又はステップS154で制御部10は、特定されたオブジェクトを、表示装置100の前面において、前面に対するドラッグ操作の方向(X軸方向又はY軸方向)に動くように、決定したオブジェクト回転量だけ回転させる。
【0065】
このようにすれば、ユーザは、指定したオブジェクトの前面に表示される情報を変更するときに、スライド操作における操作量に応じて回転させる量を調整することが可能となる。これにより、例えば、ユーザは、スライド操作における操作量を大きくすることで、オブジェクトの回転量を多いものとして、番組に関する様々な情報を素早く確認することが可能となる。また、例えば、ユーザは、スライド操作における操作量を小さくすることで、オブジェクトを1つずつ回転させ、番組に関する様々な情報をじっくり確認することが可能となる。
【0066】
<変形例3>
制御部10が画像を立体的に表示させる方法は、視差バリア方式や、レンチキュラーレンズ方式、或いは時分割方式などを用いて3次元で表示させる方法以外に、前述したように斜視図により画像を表示させる方法であってもよい。この場合、オブジェクト群の画像が斜視図により表示されるだけであるから、画像の飛出し量及び奥行き量は生じないが、制御部10が行う処理の内容は実施形態と同様に奥行き方向のオブジェクトの位置を変えるというものになる。なお、制御部10は、画像を3次元で表示させたり、斜視図により表示させたりするのに限らず、画像が幅方向と高さ方向と奥行き方向との3軸を持ち立体的に表示させるものであれば、そのほかの方法を用いてもよい。
【0067】
<変形例4>
実施形態において、立体的に表示される表として、テレビやラジオの番組表を想定していたが、これに限ったものではない。従って、幅方向、高さ方向、及び奥行き方向における情報の属性も、実施形態のような「チャンネル」、「時間帯」、「日付」といった組み合わせに限らない。つまり、表は、3種類の異なる属性の情報で構成される表であればどのようなものでもよい。
【0068】
<変形例5>
制御部10が表示面200に立体的に表示される画像は表に限らず、幅方向、高さ方向、及び奥行き方向を持つオブジェクトの画像であれば、どのようなものであってもよい。ここで、オブジェクトが幅方向、高さ方向、及び奥行き方向を持つとは、このオブジェクトの幅方向、高さ方向、及び奥行き方向のそれぞれに大きさがあるという意味である。オブジェクトの画像は、例えば人物や犬や猫といった動物或いは植物など、或るキャラクターを立体的に表したオブジェクトの画像であってもよいし、図形を立体的に表したオブジェクトの画像であってもよい。
【0069】
<変形例6>
表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向及び表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向を特定する方法は、実施形態に述べたものに限らず、次のようにしてもよい。例えば、制御部10は、前面タッチセンサ51の検出する操作点の表す座標から、時間軸においてこの操作点の次に検出された操作点の表す座標へ向かう方向を、座標どうしを結んだ線分の数だけ求める。そして制御部10は、求めた各々の方向がX軸に対してなす角度を合計すると、この合計した値を求めた方向の数で除算した値を求める。そして制御部10は、この求めた値をX軸に対してなす角度として持つ方向を、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と特定する。また、そのほかの方法として、制御部10は、前面タッチセンサ51の検出する操作点の表す座標から、時間軸においてこの操作点の次に検出された操作点の表す座標へ向かう方向を、座標どうしを結んだ線分の数だけ求める。そして制御部10は、求めた方向の各々についてX軸に対してなす角度を求める。制御部10は、求めた角度のうち統計的に最も多い角度をX軸に対してなす方向を、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と特定する。いずれにおいても、表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向については、前面タッチセンサ51を背面タッチセンサ52に読み替えればよい。なお、X軸に対してなす角度の代わりにY軸に対してなす角度を用いてもよい。
【0070】
<変形例7>
実施形態において、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向と表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向とが逆向きである条件は、前面に対するドラッグ操作の方向に対して、背面に対するドラッグ操作の方向が正反対の方向成分を持ち、且つ、前面に対するドラッグ操作の大きさに対して、正反対の方向成分の大きさが占める割合が予め決められた閾値以上である、というものであった。
前面に対するドラッグ操作の方向と背面に対するドラッグ操作の方向とが逆向きである条件は、上記の例に限らない。例えば、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向に対して、表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向が正反対の方向成分を持つという条件さえ満たせば、制御部10は、前面に対するドラッグ操作の方向と背面に対するドラッグ操作の方向とが逆向きであると判断するようにしてもよい。また、表示装置100の前面に対するドラッグ操作の方向に対して、表示装置100の背面に対するドラッグ操作の方向が正反対の方向成分を持ち、且つ、前面に対するドラッグ操作の方向と背面に対するドラッグ操作の方向とが成す角度のうち、広いほうの角度が、所定の範囲内である場合に、制御部10は、前面に対するドラッグ操作の方向と背面に対するドラッグ操作の方向とが逆向きであると判断するようにしてもよい。ここで上記所定の範囲内の角度とは、例えば「150°以上180°以下」というように、少なくとも180°を含む範囲であり、パラメータとして予め記憶部20に記憶されている。
【0071】
<変形例8>
本発明は、表示装置以外にも、この表示装置における表示を制御するための方法、及びコンピュータをこの表示装置として機能させるためのプログラムとしても把握される。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等を介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用させるなどの形態でも提供されたりする。
【符号の説明】
【0072】
10…制御部、20…記憶部、21…番組表データ、22…回転量テーブル、30…操作部、31…操作子、40…表示部、41…3Dディスプレイ、50…検出部、51…前面タッチセンサ、52…背面タッチセンサ、60…通信部、70…バス、100…表示装置、200…表示面、300,300a,300b…指、400…オブジェクト群、500,600…回転軸、710…前面に対するドラッグ操作の方向、720…背面に対するドラッグ操作の方向、730…正反対の方向成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の前面に設けられた表示面に画像を表示する表示手段と、
前記表示面に対する第1の操作及び前記筐体の背面に対する第2の操作を検出する検出手段と、
幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、前記表示手段に立体的に表示させる表示制御手段と、
前記第1の操作の向かう方向及び前記第2の操作の向かう方向を特定する方向特定手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記方向特定手段により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定手段により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、前記オブジェクトの前記奥行き方向における手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの前記奥行き方向の奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記オブジェクトは、幅方向、高さ方向及び奥行き方向にそれぞれ情報が配列された表である
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表に含まれる複数の情報のうち、前記検出手段により検出された第1の操作に対応する前記表示面の領域に表示されている情報を特定する情報特定手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記情報特定手段によって情報が特定された場合において、前記方向特定手段により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定手段により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きであるときに、
前記情報特定手段によって特定された情報及び当該情報と関連し且つ当該情報とは異なる内容の情報が、立体的な図形の各面に配置されているものとして表示させ、さらに、当該図形の前記手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該図形の前記奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該図形を回転させて表示させる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記第1の操作の操作量及び前記第2の操作の操作量に応じた回転量で、前記情報特定手段により特定された情報を回転させて表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表に含まれる複数の情報のうち、前記第1の操作又は前記第2の操作に対応する前記表示面の領域に表示されている情報を含んで前記高さ方向及び前記幅方向に配列された情報群を特定する情報群特定手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記検出手段により前記第1の操作が検出された場合には、前記情報群特定手段により特定された情報群を、前記表において前記奥行き方向の奥側に移動させて表示させ、前記検出手段により前記第2の操作が検出された場合には、前記情報群特定手段により特定された情報群を、前記表において前記奥行き方向の手前側に移動させて表示させる
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
筐体の前面に表示面が設けられた表示装置が行う表示制御方法であって、
幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、前記表示面に立体的に表示させる第1の表示制御工程と、
前記表示面に対する第1の操作及び前記筐体の背面に対する第2の操作を検出する検出工程と、
前記第1の操作の向かう方向及び前記第2の操作の向かう方向をそれぞれ特定する方向特定工程と、
前記方向特定工程により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定工程により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、前記オブジェクトの前記奥行き方向における手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの前記奥行き方向の奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させる第2の表示制御工程と
を備えることを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
筐体、当該筐体の前面に設けられた表示面に画像を表示する表示手段及び前記表示面に対する第1の操作及び前記筐体の背面に対する第2の操作を検出する検出手段を備えたコンピュータに、
幅方向、高さ方向及び奥行き方向を持つオブジェクトを、前記表示面に立体的に表示させる第1の表示制御工程と、
前記第1の操作の向かう方向及び前記第2の操作の向かう方向を特定する方向特定工程と、
前記方向特定工程により特定された前記第1の操作の向かう方向と、前記方向特定工程により特定された前記第2の操作の向かう方向とが逆向きである場合に、前記オブジェクトの前記奥行き方向における手前側の部分が、前記第1の操作の向かう方向に動き、且つ、当該オブジェクトの前記奥行き方向の奥側の部分が、前記第2の操作の向かう方向に動くように、当該オブジェクトを回転させて表示させる第2の表示制御工程と
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−247838(P2012−247838A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117006(P2011−117006)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】