説明

表示装置、表示方法及び移動体

【課題】移動体を操縦する観視者の判断を容易化したHUD型の表示装置、表示方法及び移動体を提供する。
【解決手段】映像データを生成する映像データ生成部と、映像データに基づいた映像を含む光束を移動体のフロントガラス部に反射させて移動体に搭乗する観視者に向けて投影する映像投影部と、を備えた表示装置が提供される。進行経路に基づいて移動体の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点と、移動体と、の間の距離が第1距離のときに、進行方向変更地点における移動体の進行方向を示す第1表示オブジェクトが表示される。進行方向変更地点と移動体との間の距離が第1距離よりも短い第2距離のときに、進行方向変更地点における移動体の進行方向を示し、第1表示オブジェクトとは異なる形状を有し、進行方向変更地点の位置に対応させて表示される第2表示オブジェクトが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)においては、ナビゲーション情報等の表示情報をフロントガラスに投影して、外界情報と表示情報とを同時に視認する。
【0003】
特に、片目で表示を観視することで、背景にマッチした奥行き位置に映像を知覚させ、また、奥行き感や立体感が増強された表示を提供できる。この時、観視者の位置から遠方方向に順次変化するように、表示される図形の大きさを変化させた複数の画像を用いることも開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、車両の運転は瞬間的に行われるのではなく、運転者が運転操作を行うまでに運転者による判断が行われる。判断を有効に行わせることで、より使い易くなり、より安全な運転を実現できる。
【0005】
HUDで観視者に呈示される映像の1つとして、例えば、車両の進行方向を変えることを促す矢印等がある。この矢印等を車両の運転者である観視者に呈示する場合において、観視者に判断動作を有効に行わせるための特別の表示技術が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−244355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、移動体を操縦する観視者の判断を容易化したHUD型の表示装置、表示方法及び移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、映像データを生成する映像データ生成部と、前記映像データ生成部によって生成された前記映像データに基づいた映像を含む光束を移動体のフロントガラス部に反射させて前記移動体に搭乗する観視者に向けて投影する映像投影部と、を備え、前記映像データ生成部は、前記移動体に関して定められた進行経路に基づいて前記移動体の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が第1距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示す第1表示オブジェクトを含む前記映像に関する前記映像データを生成し、前記進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が前記第1距離よりも短い第2距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示し、前記第1表示オブジェクトとは異なる形状を有し、前記進行方向変更地点の位置に対応させて表示される第2表示オブジェクトを含む前記映像に関する前記映像データを生成することを特徴とする表示装置が提供される。
【0009】
本発明の別の一態様によれば、映像を含む光束を移動体のフロントガラス部に反射させて前記移動体に搭乗する観視者に向けて投影する表示方法であって、前記移動体に関して定められた進行経路に基づいて前記移動体の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が第1距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示す第1表示オブジェクトを表示し、前記進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が前記第1距離よりも短い第2距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示し、前記第1表示オブジェクトとは異なる形状を有する第2表示オブジェクトを前記進行方向変更地点の位置に対応させて表示することを特徴とする表示方法が提供される。
【0010】
本発明の別の一態様によれば、上記の表示装置と、前記表示装置から出射される前記光束を前記観視者に向けて反射させるフロントガラス部と、を備えたことを特徴とする移動体が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動体を操縦する観視者の判断を容易化したHUD型の表示装置、表示方法及び移動体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
【図4】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
【図7】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図8】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図12】第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
【図13】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
【図14】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
【図15】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
【図16】第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
【図17】第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
【図18】第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る表示方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態に係る表示装置は、車載用のHUDの他、ドライビングシミュレータやフライトシミュレータなどのシミュレータ、さらには、ゲームなどのアミューズメント用途にも適用でき、移動体を操縦する観視者の判断を容易化した表示を提供できる。以下では、例として本実施形態に係る表示装置が、車載用の表示装置であるHUDとして応用される場合として説明する。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式図である。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式図である。
まず、図2により、本実施形態に係る表示装置10の構成の概要について説明する。
【0016】
図2に表したように、本実施形態に係る表示装置10は、車両730(移動体)に搭載される。表示装置10は、映像データ生成部130と、映像投影部115と、を備える。
【0017】
映像データ生成部130は、映像データを生成する。
映像投影部115は、映像データ生成部130によって生成された映像データに基づいた映像を含む光束112を車両730のフロントガラス部710に反射させて車両730に搭乗する観視者100に向けて投影する。
【0018】
フロントガラス部710は、車両730のフロントガラスを含む。また、フロントガラス部710は、例えば、車両730のフロントガラスに設けられる反射部711(例えばコンバイナ)を含んでも良い。この場合には、光束112は、車両730のフロントガラスに設けられる反射部711によって反射されて、観視者100に向けて反射される。なお、反射部711は、フロントガラスよりも車両730の室内側に、フロントガラスから離間して設けられても良い。反射部711がフロントガラスから離間して設けられる場合も、反射部711は、フロントガラス部710の一部と見なされる。
【0019】
光束112に含まれる映像は、表示内容180を含む。表示内容180は、表示装置10が観視者100に呈示する映像に設けられるものであり、例えば、表示装置10が搭載される車両730の運行情報に関する、進行方向を示す「矢印」や速度など、種々の内容を含む。表示内容180については後述する。
【0020】
図2に例示したように、表示装置10の映像投影部115は、例えば車両730の中、すなわち、例えば、操縦者である観視者100から見て車両730のダッシュボード720の奥に設けられることができる。
【0021】
なお、映像データ生成部130は、必ずしも映像投影部115と一体的に設けられなくても良く、例えば、ダッシュボード720の内部ではなく、車両730の任意の場所に設置しても良い。映像データ生成部130からの映像データは、電気信号や光信号などの有線または無線の方式により、映像投影部115に供給される。
【0022】
映像投影部115から出射された光束112は、フロントガラス部710で反射され、観視者100の頭部105に入射する。
【0023】
このとき、光束112の発散角が制御されており、光束112が、観視者100の目101に入射するように設計できる。これにより、観視者100は、光束112に含まれる映像を片方の目101で観視することができる。これにより、フロントガラス部710で反射する表示内容180の像181を両眼で観察したときに、両眼視差による見難さが解消される。
【0024】
なお、フロントガラス部710は、観視者100からの距離が21.7cm以上の位置に配置される。これにより、観視者100が知覚する奥行き感が増強され、また、表示内容180を所望の奥行き位置に知覚させ易くできる。
【0025】
ただし、本発明の実施形態は、これに限らず、場合によっては、映像投影部115から出射された光束112が、観視者100の両目に入射されても良い。
【0026】
光束112は、表示装置10から出射した後、車両730のフロントガラス部710で反射して、観視者100の目に到る。観視者100は、フロントガラス部710を介して、像形成位置181pの位置に形成された表示内容180の像181(虚像)を知覚する。このように、表示装置10は、HUDとして使用できる。
【0027】
表示内容180について説明する。
表示内容180である映像は、車両730に関して定められた進行経路に基づいて車両730の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点における車両730の進行方向を示す表示オブジェクトを含む。なお、表示内容180である映像は、例えば、車両730の速度、燃料などの量、目的地までの到達予想時刻、走行時間、現在の時刻、種々の警告、車両730の運行状況(例えば燃費の良好な運行状況か否かなど)、車両730の外部との通信状態など、任意の内容をさらに含んでも良い。
【0028】
なお、上記の車両730に関して定められた進行経路は、例えば、ナビゲーションシステム等によって定められる。後述するように、表示装置10は、進行経路を定めるナビゲーションシステム(経路生成部)をさらに含んでも良い。また、表示装置10とは別に設けられるナビゲーションシステムによって定められた進行経路を用いて、表示装置10において、進行方向変更地点における車両730の進行方向を示す表示オブジェクトが求められても良い。
【0029】
なお、進行方向変更地点における車両730の進行方向を示す表示オブジェクトには、「矢印」などの図形や、文字など任意の形状を有する映像パターンを用いることができる。
【0030】
本実施形態に係る表示装置10においては、車両730から見て、進行方向変更地点が遠い場合と、近い場合と、で、表示オブジェクトを変化させる。
【0031】
図1(a)〜(d)は、表示装置10の表示状態を例示している。図1(a)及び(b)は、車両730から見て進行方向変更地点が遠い場合(進行方向変更地点と車両730との間の距離が長い場合L1C)に対応しており、図1(c)及び(d)は、車両730から見て進行方向変更地点が近い場合(進行方向変更地点と車両730との間の距離が短い場合L2C)に対応している。そして、図1(a)及び(c)は、観視者100が観視する映像330を例示しており、図1(b)及び(d)は、観視者100が、映像330の背景となる車両730の前方の像340と、映像330と、を同時に観視したときの像を模式的に表している。
【0032】
図1(a)及び(b)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が第1距離のときに、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示す第1表示オブジェクト301を表示する。進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cである第1距離は、例えば40mよりも長い距離である。
【0033】
図1(b)に表したように、例えば、観視者100の前方には、車両730が進行している道341がある。その道341に交差点があり、その交差点において車両730が進行している道341に分岐道342が接続されている。観視者100は、前方の像340として、道341の像と、道341と分岐道342とが交わる交差点の像を観視する。
【0034】
定められた進行経路に基づいて、車両730はこの交差点において、進行方向を変更すると予想される。この交差点が、進行方向変更地点351となる。
このように、交差点である進行方向変更地点351が車両730(観視者100)から見て遠いときに、第1表示オブジェクト301が表示される。
【0035】
本具体例では、第1表示オブジェクト301は、進行方向変更地点351において車両730が進行する(進行方向を変更する)と予想される方向を示す「矢印」が用いられている。しかし、本実施形態においては、第1表示オブジェクト301の形状は任意であり、第1表示オブジェクト301は、多角形などの任意の図形や文字などを用いることができる。すなわち、第1表示オブジェクト301は、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示すことができれば良い。
【0036】
本具体例では、第1表示オブジェクト301には、交通標識に類似した2次元パターンが用いられている。これにより、車両730が進行する道341に設けられる交通標識との一貫性があり、観視者100は、第1表示オブジェクト301の示す内容を理解し易くなる。
【0037】
このように、第1表示オブジェクト301は、交通標識(規制標識、警告標識、案内標識及び情報標識等を含む)に用いられるパターン形状、及び、その変形した形状を有することができる。また、第1表示オブジェクト301は、図形と文字とを組み合わせた形状を有することができる。これにより、より見易く、判断し易くできる。また、図1(a)及び(b)に例示したように、車両730が進行している道341が複数のレーン(通行区分)を有している場合は、そのレーンを図形等によってさらに表示することで、より見易く、判断し易くなる。
【0038】
そして、図1(c)及び(d)に表したように、進行方向変更地点351と、車両730と、の間の距離が第1距離よりも短い第2距離のときに、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示し、第1表示オブジェクト301とは異なる形状を有し、進行方向変更地点351の位置に対応させて表示される第2表示オブジェクト302を表示する。進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cである第2距離は、例えば40m以下の距離である。
【0039】
本具体例では、第2表示オブジェクト302は、進行方向変更地点351において車両730が進行する(進行方向を変更する)と予想される方向を示す「複数の三角形パターン」である。そして、「複数の三角形パターン」のうちの上部の「三角形パターン」は、「三角形パターン」の軸が、進行方向を変える方向である左方向に配置されている。
【0040】
そして、図1(d)に例示したように、第2表示オブジェクト302は、進行方向変更地点351の位置に対応させて表示される。すなわち、「複数の三角形パターン」のうちの下部は、車両730が進行している道341の像と重畳される。そして、「複数の三角形パターン」の上部は、車両730が進行方向を変更して分岐する分岐道342の延びる方向と重畳される。
【0041】
このように、第2表示オブジェクト302は、第1表示オブジェクト301とは異なる形状を有しつつ、進行方向変更地点351の位置に対応させて表示される。
【0042】
このように、進行方向変更地点351に近いときに、進行方向変更地点351の位置に対応させて第2表示オブジェクト302を表示することで、観視者100は、進行方向変更地点351をより認識し易くなり、また、進行方向変更地点351における進行方向をより認識し易くなる。これにより、観視者100である操縦者は、車両730の操縦をより実行し易くなる。
【0043】
そして、進行方向変更地点351に近づいて第2表示オブジェクト302が表示されるよりも前に、進行方向変更地点351から遠いときに予め第1表示オブジェクト301を表示することで、観視者100である操縦者は、進行方向を変更する操縦動作の前に、予め判断を十分に行うことができる。判断を有効に行わせることで、より使い易くなり、より安全な操縦を実現できる。
【0044】
このとき、進行方向変更地点351から遠いときに、交通標識(規制標識、警告標識、案内標識及び情報標識等を含む)に用いられる形状などを用いた第1表示オブジェクト301がまず表示され、その後、進行方向変更地点351に近づいたときに、第1表示オブジェクト301とは異なる形状の第2表示オブジェクト302が表示されることで、観視者100は進行方向変更地点351が近づいたことをより認識し易くできる。
【0045】
このように、映像データ生成部130は、車両730に関して定められた進行経路に基づいて車両730の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点351と、車両730と、の間の距離が第1距離のときに、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示す第1表示オブジェクト301を含む映像に関する映像データを生成する。
【0046】
そして、映像データ生成部130は、進行方向変更地点351と、車両730と、の間の距離が第1距離よりも短い第2距離のときに、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示し、第1表示オブジェクト301とは異なる形状を有し、進行方向変更地点351の位置に対応させて表示される第2表示オブジェクト302を含む映像に関する映像データを生成する。
これにより、移動体(車両730)を操縦する観視者100の判断を容易化したHUD型の表示装置を提供できる。
【0047】
このとき、表示装置10の映像投影部115は、第2表示オブジェクト302を有する映像を含む光束112を観視者100の片方の目101に投影することができる。これにより、両眼で観察したときの両眼視差による見難さが解消され、また、第2表示オブジェクト302を所望の奥行き位置に知覚させ易くできる。これにより、第2表示オブジェクト302を進行方向変更地点351の位置に対応させて表示したときに、第2表示オブジェクト302は進行方向変更地点351の奥行き位置に知覚され、進行方向変更地点351及びそこでの進行方向の変更方向をより認識し易くなる。
【0048】
第2表示オブジェクト302は遠近感(奥行き)を観視者100に認識させる形状を有していることが望ましい。これにより、観視者100は、進行方向変更地点351及びそこでの進行方向の変更方向をより認識し易くできる。
【0049】
例えば、図1(c)及び(d)に表したように、第2表示オブジェクト302の形状は、映像330の下側(観視者100から見て下側)では大きく、映像330の上側(観視者100から見て上側)では小さい形状を有している。
【0050】
本具体例では、観視者100から見て、映像330は下側に表示され、すなわち、観視者100が搭乗する車両730が進行する道の側に表示されている。このため、映像330の下側は観視者100に近い側に相当し、映像330の上側は観視者100から遠い側に相当する。
【0051】
なお、観視者100から見て、映像330が上側に表示され、すなわち、観視者100が搭乗する車両730が進行する道の上側(例えばトンネルなどの天井など)に表示される場合は、この関係は逆転する。以下では、観視者100から見て映像330が下側に表示され、映像330の下側が観視者100に近い側に相当し、映像330の上側は観視者100から遠い側に相当する場合として説明する。
【0052】
図1(c)及び(d)に例示したように、進行方向変更地点351に対応する映像330内の位置を第1映像内位置361とする。そして、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の位置を第2映像内位置362とする。映像330内において、第1映像内位置361は、第2映像内位置362よりも上側である。このとき、映像330内において、第1映像内位置361の側における第2表示オブジェクト302は小さく、映像330内の第2映像内位置362の側における第2表示オブジェクト302は大きい。
【0053】
このように、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361の側における2表示オブジェクト302の大きさを、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362の側における2表示オブジェクト302よりも小さくすることで、第2表示オブジェクト302は遠近感を観視者100に与える。これにより、進行方向変更地点351及びそこでの進行方向の変更方向をより認識し易くできる。
【0054】
さらに、第2表示オブジェクト302を時間の経過と共に変化させることができる。
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(e)は、表示装置10における第2表示オブジェクト302の表示状態を例示している。同図(b)は、同図(a)よりも後の時間に対応し、同図(c)は、同図(b)よりも後の時間に対応し、同図(d)は、同図(c)よりも後の時間に対応し、同図(e)は、同図(d)よりも後の時間に対応する。
【0055】
図3(a)〜(e)に表したように、本具体例では、第2表示オブジェクト302は、時間的に変化する。これにより、観視者100は、変化する映像を観視することができ、観視者100は、第2表示オブジェクト302をより認識し易くなる。
【0056】
さらに、本具体例では、第2表示オブジェクト302は、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362から、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361に到り、断続的に配列した複数の表示オブジェクト要素302a〜302eを有している。表示オブジェクト要素302a〜302eは、車両730に近い側(観視者100に近い側)から車両730から遠い側(観視者100から遠い側であり、進行方向変更地点351に近い側)に、この順で、配列されている。
【0057】
本具体例では、図3(a)〜(e)に表したように、最初、表示オブジェクト要素302a、302b及び302cが表示され、その後、表示オブジェクト要素302b、302c及び302dが表示され、その後、表示オブジェクト要素302c、302d及び302eが表示され、その後、表示オブジェクト要素302d、302e及び302aが表示され、その後、表示オブジェクト要素302e、302a及び302bが表示される。そして、図3(e)の状態から再び、図3(a)の状態に戻り、これらの状態が繰り返される。
【0058】
すなわち、複数の表示オブジェクト要素302a〜302eのうちの第1表示オブジェクト要素(例えば表示オブジェクト要素302a)は、第1表示オブジェクト要素(例えば表示オブジェクト要素302a)よりも第1映像内位置361の側に配置された第2表示オブジェクト要素(例えば表示オブジェクト要素302b)よりも時間的に先に消える。
【0059】
これにより、複数の表示オブジェクト要素302a〜302eが流れて移動するように、知覚される。このような第2表示オブジェクト302を用いることで、観視者100は第2表示オブジェクト302をより認識し易くなる。
【0060】
なお、本具体例では、表示オブジェクト要素302aの軸は、車両730の現在の進行方向に沿っており、表示オブジェクト要素302eの軸は、車両730の進行すると予想される方向に沿っており、表示オブジェクト要素302b、302c及び302dのそれぞれ軸は、表示オブジェクト要素302aの軸と表示オブジェクト要素302eの軸との中間の方向に沿っており、表示オブジェクト要素302a〜302eの軸は連続的に変化している。
【0061】
そして、表示オブジェクト要素302a〜302eの軸が、表示オブジェクト要素302aから表示オブジェクト要素302eに向かうに従って、車両730の現在の進行方向から、進行方向を変更した後の進行方向までに沿った軸を中心に、連続的に回転している。これにより、観視者100は、第2表示オブジェクト302によって示される車両730の進行すると予想される進行方向をより認識し易くなる。
【0062】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(e)は、本実施形態に係る別の表示装置10aにおける第2表示オブジェクト302の表示状態を例示している。同図(b)は、同図(a)よりも後の時間に対応し、同図(c)は、同図(b)よりも後の時間に対応し、同図(d)は、同図(c)よりも後の時間に対応し、同図(e)は、同図(d)よりも後の時間に対応する。表示装置10aの構成は、表示装置10と同様であり、表示装置10aにおいては、第2表示オブジェクト302の表示が表示装置10とは異なる。
【0063】
図4(a)〜(e)に表したように、表示装置10aにおいては、第2表示オブジェクト302が映像330内を移動する。すなわち、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362から、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361に向けて、第2表示オブジェクト302が移動する。この時、第2表示オブジェクト302の大きさが変化しつつ、第2表示オブジェクト302が移動する。
【0064】
このように、第2表示オブジェクト302が映像330内で移動して変化することで、観視者100は、第2表示オブジェクト302をより認識し易くできる。なお、第2表示オブジェクト302の移動速度は任意に設定でき、また、例えば、進行方向変更地点351と車両730との間の距離の変化に応じて移動速度を変えても良い。
【0065】
また、本具体例では、第2表示オブジェクト302の全体が映像330内を移動しているが、第2表示オブジェクト302の一部が、映像330内を移動しても良い。この場合は、第2表示オブジェクト302の形状が変形されることに対応する。
【0066】
このように、第2表示オブジェクト302の少なくとも一部が、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362と、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361と、の間を移動することができる。
【0067】
図5は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(d)は、本実施形態に係る別の表示装置11の表示状態を例示している。同図(a)及び(b)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに対応し、同図(c)及び(d)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cに対応している。そして、同図(a)及び(c)は、観視者100が観視する映像330を例示し、同図(b)及び(d)は、観視者100が、車両730の前方の像340と、映像330と、を同時に観視したときの像を模式的に表している。
【0068】
図5(a)及び(b)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに表示される第1表示オブジェクト301は、表示装置10と同じである。
【0069】
一方、図5(c)及び(d)に表したように、本実施形態に係る表示装置11においては、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに表示される第2表示オブジェクト302として、「矢印」が用いられている。
【0070】
このときも、第2表示オブジェクト302は遠近感を観視者100に認識させる形状を有している。すなわち、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361の側における第2表示オブジェクト302の大きさは、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362の側における第2表示オブジェクト302よりも小さい。
【0071】
また、本具体例では、第2表示オブジェクト302は、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362から、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361に到る連続的な形状を有している。
これにより、進行方向変更地点351及びそこでの進行方向の変更方向をより認識し易くできる。
【0072】
さらに、本具体例では、第2表示オブジェクト302は、時間的に変化することができる。
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(e)は、表示装置11における第2表示オブジェクト302の表示状態を例示している。同図(b)は、同図(a)よりも後の時間に対応し、同図(c)は、同図(b)よりも後の時間に対応し、同図(d)は、同図(c)よりも後の時間に対応し、同図(e)は、同図(d)よりも後の時間に対応する。
【0073】
図6(a)〜(e)に表したように、第2表示オブジェクト302の形状は、時間の経過と共に変化する。すなわち、図3(a)における第2表示オブジェクト302の「矢印」の長さ(「矢印」の根元と先端との間の長さ)は短く、図3(b)から図3(e)に移行するに従って、「矢印」の長さが連続的に増大している。そして、「矢印」の先端の方向によって、進行方向が示されている。
【0074】
このように、第2表示オブジェクト302の一部である「矢印」の先端が、映像330内を移動して、第2表示オブジェクト302の形状が変形されても良い。
【0075】
すなわち、第2表示オブジェクト302の少なくとも一部が、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362と、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361と、の間を移動することができる。
【0076】
図7は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、本実施形態に係る別の表示装置20の表示状態を例示している。同図(a)及び(b)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに対応し、同図(c)及び(d)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cに対応し、同図(e)及び(f)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cに対応している。そして、同図(a)、(c)及び(e)は、観視者100が観視する映像330を例示し、同図(b)(d)及び(f)は、観視者100が、車両730の前方の像340と、映像330と、を同時に観視したときの像を模式的に表している。
【0077】
図7(a)、(b)、(e)及び(f)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに表示される第1表示オブジェクト301、並びに、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cに表示される第2表示オブジェクト302は、表示装置10と同じである。
【0078】
一方、図7(c)及び(d)に表したように、本実施形態に係る表示装置20においては、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cには、第3表示オブジェクト303が表示される。
【0079】
すなわち、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が第1距離と第2距離との間の第3距離のときに、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示し、第1表示オブジェクト301及び第2表示オブジェクト302とは異なる形状を有する第3表示オブジェクト303が表示される。第3距離は、第1距離と第2距離との間の任意の距離とすることができる。
【0080】
本具体例では、第3表示オブジェクト303は、第1表示オブジェクト301が変形された形状を有している。すなわち、第1表示オブジェクト301の形状を、下部よりも上部が相対的に小さくなるように変形され形状が第3表示オブジェクト303として用いられている。これにより、第3表示オブジェクト303は遠近感を観視者100に与えることができる。
【0081】
すなわち、本具体例では、第1表示オブジェクト301が遠近感の無い2次元的な図形であるのに対して、第3表示オブジェクト303は、遠近感のある3次元的な図形である。観視者100は、第3表示オブジェクト303を観視したときに、第1表示オブジェクト301の上部が観視者100から遠ざかり、第1表示オブジェクト301の下部が観視者100に近づくように、第1表示オブジェクト301が回転したように知覚する。
【0082】
このように、第3表示オブジェクト303の形状を、第1表示オブジェクト301の形状が変形された形状にすることで、観視者100は、進行方向変更地点351が近づいたことを認識できる。
【0083】
そして、第3表示オブジェクト303の形状を、第1表示オブジェクト301とは全く類似性の無い形状にせず、第1表示オブジェクト301の形状が変形された形状にすることで、観視者100は、違和感無く、進行方向変更地点351が近づいたことを認識できる。すなわち、第1表示オブジェクト301から第3表示オブジェクト303へ、映像300の内容をシームレスに変化させることで、観視者100は、より違和感無く、進行方向変更地点351を認識でき、車両730を操縦する観視者100の判断がより容易化できる。
【0084】
そして、第1表示オブジェクト301の後に、第3表示オブジェクト303を表示して、その後、第2表示オブジェクト302を表示することで、第1表示オブジェクト301から直接第2表示オブジェクト302を表示するときよりも、違和感がより低減され、車両730を操縦する観視者100の判断がより容易化できる。
【0085】
このように、映像データ生成部130は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が第1距離と第2距離との間の第3距離のときに、進行方向変更地点351における車両730の進行方向を示し、第1表示オブジェクト301及び第2表示オブジェクト302とは異なる形状を有する第3表示オブジェクト303を含む映像330に関する映像データをさらに生成することができる。
【0086】
そして、この場合において、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361の側における第3表示オブジェクト303の大きさは、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362の側における第3表示オブジェクト303よりも小さくすることができる。
【0087】
これにより、第3表示オブジェクト303は遠近感を観視者100に知覚させ、例えば2次元的な形状で表示される第1表示オブジェクト301と、3次元的な形状で表示される第2表示オブジェクト302と、の間の知覚がより滑らかになり、車両730を操縦する観視者100の判断がより容易化できる。
【0088】
また、映像330の内容を、第1表示オブジェクト301から第3表示オブジェクト303へ連続的に移行させることができる。
図8は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(d)は、表示装置20における第1表示オブジェクト301及び第3表示オブジェクト303の表示状態を例示している。同図(b)は、同図(a)よりも後の時間に対応し、同図(c)は、同図(b)よりも後の時間に対応し、同図(d)は、同図(c)よりも後の時間に対応する。
【0089】
図8(a)に表したように、最初は第1表示オブジェクト301が表示される。
その後、図8(b)に表したように、第1表示オブジェクト301の上部が奥側に倒れるように、すなわち、第1表示オブジェクト301の上部が下部よりも相対的に小さくなるように、第1表示オブジェクトが変形され、中間状態の第1中間表示オブジェクト303aが表示される。
【0090】
その後、図8(c)に表したように、第1中間表示オブジェクト303aの上部が下部よりも相対的に小さくなるように第1中間表示オブジェクト303aが変形され、第2中間表示オブジェクト303bが表示される。
【0091】
その後、図8(d)に表したように、第2中間表示オブジェクト303bの上部が下部よりも相対的に小さくなるように第2中間表示オブジェクト303bが変形され、最終表示オブジェクト303cが表示される。
【0092】
第1中間表示オブジェクト303a、第2中間表示オブジェクト303b及び最終表示オブジェクト303cは、第3表示オブジェクト303の一部と見なすことができる。すなわち、第1中間表示オブジェクト303a、第2中間表示オブジェクト303b及び最終表示オブジェクト303cは、第3表示オブジェクト303の形状が時間的に変化した状態と見なすことができる。すなわち、第3表示オブジェクト303は、時間的に変化することができる。
【0093】
このように、第1表示オブジェクト301から第3表示オブジェクト303への移行を連続的に行うことで、違和感がより低減でき、車両730を操縦する観視者100の判断がより容易化できる。
【0094】
図9は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、本実施形態に係る別の表示装置21の表示状態を例示している。同図(a)及び(b)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに対応し、同図(c)及び(d)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cに対応し、同図(e)及び(f)は、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cに対応している。そして、同図(a)、(c)及び(e)は、観視者100が観視する映像330を例示し、同図(b)(d)及び(f)は、観視者100が、車両730の前方の像340と、映像330と、を同時に観視したときの像を模式的に表している。
【0095】
図9(a)、(b)、(e)及び(f)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに表示される第1表示オブジェクト301、並びに、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cに表示される第2表示オブジェクト302は、表示装置20と同じである。
【0096】
一方、図9(c)及び(d)に表したように、表示装置21においては、第3表示オブジェクト303として「矢印」が用いられている。
そして、本具体例では、第3表示オブジェクト303は、進行方向変更地点351の位置に対応させて表示される例である。
【0097】
そして、この場合も、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361の側における第3表示オブジェクト303の大きさは、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362の側における第3表示オブジェクト303よりも小さい。
【0098】
この場合も、映像330の内容を、第1表示オブジェクト301から第3表示オブジェクト303へ連続的に移行させることができる。
図10は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、表示装置21における第1表示オブジェクト301及び第3表示オブジェクト303の表示状態を例示している。同図(b)は、同図(a)よりも後の時間に対応し、同図(c)は、同図(b)よりも後の時間に対応し、同図(d)は、同図(c)よりも後の時間に対応し、同図(e)は、同図(d)よりも後の時間に対応し、同図(f)は、同図(e)よりも後の時間に対応する。
【0099】
図10(a)に表したように、最初は第1表示オブジェクト301が表示されている。 その後、図10(b)に表したように、第1表示オブジェクト301の上部が奥側に倒れるように、すなわち、第1表示オブジェクト301の上部が下部よりも相対的に小さくなるように、第1表示オブジェクト301が変形され、中間表示オブジェクト301aが表示される。
【0100】
さらに、その後、図10(c)に表したように、進路区分を示す表示等が消え、第1表示オブジェクト301の矢印の部分だけの形状を有する2次元中間表示オブジェクト303oが表示される。例えば、2次元中間表示オブジェクト303oは、2次元的な形状を有し、交通標識に類似している形状を有する。
【0101】
その後、図10(d)に表したように、2次元中間表示オブジェクト303oの上部が下部よりも相対的にさらに小さくなるように2次元中間表示オブジェクト303oが変形され、第1中間表示オブジェクト303aが表示される。
その後、図10(e)に表したように、第1中間表示オブジェクト303aの上部が下部よりも相対的にさらに小さくなるように第1中間表示オブジェクト303aが変形され、第2中間表示オブジェクト303bが表示される。
その後、図10(f)に表したように、第2中間表示オブジェクト303bの上部が下部よりも相対的にさらに小さくなるように第2中間表示オブジェクト303bが変形され、最終表示オブジェクト303cが表示される。
【0102】
中間表示オブジェクト301a、2次元中間表示オブジェクト303o、第1中間表示オブジェクト303a、第2中間表示オブジェクト303b及び最終表示オブジェクト303cは、第3表示オブジェクト303の一部と見なすことができ、これらは、第3表示オブジェクト303の形状が時間的に変化されたものと見なすことができる。すなわち、第3表示オブジェクト303は、時間的に変化することができる。
【0103】
また、中間表示オブジェクト301aは、第1表示オブジェクト301が変形されたものと見なすことができ、このように、第1表示オブジェクト301は、第3表示オブジェクト303へ移行する際に、変形させることができる。
このように、第1表示オブジェクト301から第3表示オブジェクト303への移行を連続的に行うことで、違和感がより低減でき、車両730を操縦する観視者100の判断がより容易化できる。
【0104】
また、第3表示オブジェクト303は、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362から、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361に到る連続的な形状(例えば「矢印」)を有することができる。
【0105】
このとき、第3表示オブジェクト303の少なくとも一部が、第2映像内位置362と第1映像内位置361との間を移動しても良い。すなわち、第3表示オブジェクト303の「矢印」などの形状が変形しても良い。
【0106】
さらに、第3表示オブジェクトは、第2映像内位置362から第1映像内位置361に到り断続的に配列した複数の表示オブジェクト要素を有しても良い。すなわち、第3表示オブジェクト303が、図1(c)及び(d)に例示した「複数の三角形パターン」の形状を有していても良い。一方、この場合には、第2表示オブジェクト302は、例えば「矢印」などの形状を有することができる。
【0107】
そして、この場合も、第3表示オブジェクト303が有する複数の表示オブジェクト要素のうちの第1表示オブジェクト要素が、第1表示オブジェクト要素よりも第1映像内位置361の側に配置された第2表示オブジェクト要素よりも時間的に先に消えるようにしても良い。
これにより、車両730を操縦する観視者100の判断がより容易化できる。
【0108】
このように、場合によっては、図9(a)〜(f)に関して説明した方法において、第2表示オブジェクト302の形状と、第3表示オブジェクト303の形状と、を互いに入れ替えても良い。
【0109】
この時、第2表示オブジェクト302及び第3表示オブジェクト303の少なくともいずれかは、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362から、進行方向変更地点351に対応する映像339内の第1映像内位置361に到る連続的な形状を有していることができる。
【0110】
また、第2表示オブジェクト302及び第3表示オブジェクト303の少なくともいずれかは、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362から、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361に到り、断続的に配列した複数の表示オブジェクト要素を有していることができる。
【0111】
また、この時、上記の複数の表示オブジェクト要素のうちの第1表示オブジェクト要素は、第1表示オブジェクト要素よりも第1映像内位置361の側に配置された第2表示オブジェクト要素よりも時間的に先に消えるようにすることができる。
【0112】
さらに、第2表示オブジェクト302及び第3表示オブジェクト303の少なくともいずれかの少なくとも一部が、進行方向変更地点351よりも車両730に近い地点に対応する映像330内の第2映像内位置362と、進行方向変更地点351に対応する映像330内の第1映像内位置361と、の間を移動するようにすることができる。
【0113】
以上のように、本実施形態に係る表示装置においては、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2C(第2距離の場合)に、第2表示オブジェクト302を進行方向変更地点351に対応させて表示する。この第2表示オブジェクト302を、遠近感のある形状(3次元的な形状)にすることで、進行方向変更地点351及びそこでの進行方向の変更方向をより認識し易くできる。
【0114】
そして、第2表示オブジェクト302を表示する前に、すなわち、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1C(第1距離の場合)に、第1表示オブジェクト301を表示する。これにより、観視者100には、十分に判断する時間が与えられる。そして、第1表示オブジェクト301を、例えば交通標識に類似するような2次元的な形状にすることで、違和感なく第1表示オブジェクト301を認識できる。
【0115】
さらに、第1表示オブジェクト301の表示と第2表示オブジェクト302の表示との間に、すなわち、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3C(第3距離の場合)に、第3表示オブジェクト303を表示する。第3表示オブジェクト303の特性を、第1表示オブジェクト301と第2表示オブジェクト302との中間の特性にすることで、違和感が低減できる。例えば、第1表示オブジェクト301が、交通標識に類似させた2次元的な形状を有し、第2表示オブジェクト302が、遠近感を有する3次元的な「複数の三角形パターン」の形状を有する場合には、第3表示オブジェクト303が、交通標識に類似したパターンが変形された3次元的な形状を有するようにする。これにより、連続的な、シームレスな表示ができ、観視者100の違和感が低減できると共に、表示をより認識し易くさせることができる。
【0116】
これにより、移動体を操縦する観視者の判断を容易化することができる。なお、上記のような第1表示オブジェクト301、第2表示オブジェクト302及び第3表示オブジェクト303の表示と共に、音声や警告音などのように観視者100の聴覚に作用する情報呈示を実施しても良い。
【0117】
図11は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、本実施形態に係る別の表示装置22の表示状態を例示している。
【0118】
図11(a)及び(b)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに、第1表示オブジェクト301と共に、進行方向変更地点351と車両730との間の距離(第1距離に相当する)を示す第4表示オブジェクト314が表示されている。
【0119】
図11(c)及び(d)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cに、第3表示オブジェクト303と共に、進行方向変更地点351と車両730との間の距離(第3距離に相当する)を示す第5表示オブジェクト315が表示されている。
【0120】
本具体例では、第4表示オブジェクト314及び第5表示オブジェクト315は、文字(数字)で表示される例である。
【0121】
図12は、第1の実施形態に係る別の表示装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、本実施形態に係る別の表示装置23の表示状態を例示している。
【0122】
図12(a)及び(b)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに、第4表示オブジェクト314が表示されている。
図12(c)及び(d)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cに、第5表示オブジェクト315が表示されている。
そして具体例では、第4表示オブジェクト314及び第5表示オブジェクト315は、図形(バーグラフ)で表示される例である。
このように、本実施形態に係る表示装置は、第1表示オブジェクト301、第2表示オブジェクト302及び第3表示オブジェクト303に加え、任意の表示オブジェクトを表示することができる。
【0123】
なお、図11(a)及び図12(a)に例示したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離を示す第4表示オブジェクト314は、第1表示オブジェクト301の進行方向を示す例えば「矢印」の先端の側(本具体例では左側)に設けることが望ましい。図11(c)及び図12(c)に例示したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離を示す第5表示オブジェクト315は、第3表示オブジェクト303の進行方向を示す例えば「矢印」の先端の側(本具体例では左側)に設けることが望ましい。これにより、進行方向の変更方向をより認識し易くなる。
【0124】
図13は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図は、既に説明した表示装置20の第1表示オブジェクト301の別の表示状態を例示している。この例では、進行方向変更地点351において左方向に進行方向を変更する場合に、進行方向変更地点351(交差点)に近接して、進行方向を変更して分岐する分岐道342以外に、左方向に延びる他の分岐道がある場合の例である。
【0125】
このような場合、図13に表したように、進行方向を変更して分岐する分岐道を342示す第1表示オブジェクト301の表示は、他の分岐道を占める図形とは異なって表示されている。このようにすることで、観視者100は進行方向をより認識し易くできる。
【0126】
図14は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、本実施形態に係る表示装置20の別の表示状態を例示している。本具体例では、左側の通行区分が昇り坂になり、その下を潜って右側の通行区分から左方向に進行方向を変える場合の例である。
【0127】
図14(a)及び(b)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに、第1表示オブジェクト301は、右側の通行区分から左方向に進行方向を変える矢印の形状を有している。そして、第1表示オブジェクト301の矢印は、昇り坂で直進する左側の通行区分の矢印とは異なっている。左側の通行区分の矢印の輪郭によって、右側の通行区分から左方向に進行方向を変える矢印(第1表示オブジェクト301)の輪郭は分断され、左側の通行区分の矢印よりも、右側の通行区分から左方向に進行方向を変える矢印の方が下側に配置されている。これにより、左側の通行区分の下側を潜って右側の通行区分から左方向に進行方向を変えることが認識し易くなる。
【0128】
そして、図14(c)及び(d)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cには、第1表示オブジェクト301と同様に、左側の通行区分の矢印の下に配置された、右側の通行区分から左方向に進行方向を変える矢印の形状を有する第3表示オブジェクト303が表示される。
【0129】
そして、図14(e)及び(f)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が短い場合L2Cには、第3表示オブジェクト303が表示される。この第3表示オブジェクト303は、断続的に配列した複数の表示オブジェクト要素302a〜302eを有している。そして、複数の表示オブジェクト要素302a〜302eの内で、左側の進行区分の下側の位置(左側の進行区分で遮蔽される位置)に対応する表示オブジェクト要素302d及び302eは、その他の表示オブジェクト要素302a〜302cとは異なった状態で表示されている。本具体例では、表示オブジェクト要素302d及び302eの輪郭は点線であり、表示オブジェクト要素302d及び302eは、表示オブジェクト要素302a〜302cとは異なっている。これにより、左側の通行区分の下側を潜って右側の通行区分から左方向に進行方向を変えることが認識し易くなる。
【0130】
図15は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)〜(f)は、本実施形態に係る表示装置20の別の表示状態を例示している。本具体例では、進行方向変更地点351において、直進する道341と、道341から左方向に伸びる分岐道342と、道341から右方向に伸びる分岐道343と、が存在していている場合であって、道341から分岐道343への進入が禁止されている場合の例である。
【0131】
図15(a)及び(b)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が長い場合L1Cに、第1表示オブジェクト301に加え、分岐道343が進入禁止であることを示す第6表示オブジェクト316が表示されている。このとき、第6表示オブジェクト316は、2次元的なパターン形状で表示されている。
【0132】
そして、図15(c)及び(d)に表したように、進行方向変更地点351と車両730との間の距離が中間の場合L3Cに、第3表示オブジェクト303に加え、分岐道343が進禁止であることを示す第7表示オブジェクト317が表示されている。このとき、第7表示オブジェクト317は、3次元的な形状で表示されている。すなわち、第7表示オブジェクト317は、前方の右側に設置された「進入禁止」の標識をその手前から見た状態に対応した形状を有している。これにより、分岐道343が進入禁止であることがより認識し易くできる。
【0133】
そして、図15(e)及び(f)に表したように、進行方向変更地点351に近づくと、第2表示オブジェクト302が表示され、車両730は、進行方向変更地点351で左側に進行方向を変更する。
【0134】
以下、この場合において、車両730が、進行方向変更地点351において右側に進行方向を変更しようとした場合の表示の例について説明する。
【0135】
図16は、第1の実施形態に係る表示装置の別の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)及び(b)は、本実施形態に係る表示装置20の別の表示状態を例示している。本具体例では、車両730が、進行方向変更地点351において、進入禁止の右側の分岐道343に向かって進行方向を変更しようとした場合の表示を例示している。
【0136】
図16(a)及び(b)においては、車両730が分岐道343に進入しようとしているため、観視者100の正面方向が分岐道343に沿う方向となる。この場合には、「進入禁止」の交通標識を正面から見た形状の第8表示オブジェクト318が表示される。
【0137】
そして、本具体例では、図15(c)及び(d)に例示した状態から、図16(a)及び(b)に例示した状態に、映像330が連続的に、シームレスに変化させられる。
【0138】
これにより、進入しようとした分岐道343が進入禁止であることを、より分かり易く認識させることができる。
【0139】
図13〜図16に関して説明した種々の内容を有する映像330は、表示装置21、22及び23にも適用でき、同様の効果が得られる。
【0140】
既に説明したように、本実施形態に係る表示装置(表示装置10、10a、20、21、22及び23)は、観視者100の片方の目101に映像を有する光束112を投影することで、両眼で観察したときに両眼視差による見難さが抑制され、観視者100が知覚する奥行き感が増強され、また、表示内容180を所望の奥行き位置に知覚させ易くできる。このように、観視者100の片方の目101に光束112を投影する場合は、光束112の発散角が適切に制御される。以下では、光束112の発散角を適切に制御するための映像投影部115の構成の例について説明する。
【0141】
図17は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図に例示した表示装置30は、上記の表示装置10、10a、20、21、22及び23の具体例の1つである。
図17に表したように、表示装置30においては、映像投影部115は、映像光形成部110と、光束投影部120と、を有する。
【0142】
映像光形成部110は、例えば、光源111と、映像形成部117と、を有する。
【0143】
光源111は、光束112の基となる光を出射する。光源111には、LED(Light Emitting Diode)や高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザなど各種のものを用いることができる。光源111にLEDを用いることで、消費電力を低減でき、また装置を軽量化でき、小型化できる。
【0144】
映像形成部117には、例えば、液晶表示装置(LCD)などの光スイッチを用いることができる。そして、映像形成部117には、映像データ生成部130から映像データが供給され、映像形成部117は、その映像データに基づいて、映像330を含む光束112を生成する。
【0145】
本具体例では、映像光形成部110は、光源111と映像形成部117との間に設けられたテーパライトガイド116をさらに有している。光源111から出射された光は、テーパライトガイド116において発散角がある程度の範囲に制御される。そして、その光は、映像形成部117を経ることで、映像330を含む光束112となり、この光束112の発散角はある程度の範囲に制御される。
【0146】
光束投影部120は、映像光形成部110から出射した光束112を車両730のフロントガラス部710で反射させて、観視者100に向けて投影する。光束投影部120には、例えば、各種のレンズ、ミラー、及び、発散角(拡散角)を制御する各種の光学素子が用いられる。
本具体例では、光束投影部120は、光源側レンズ123と、アパーチャ124と、出射側レンズ125と、出射側ミラー126と、を含む。
【0147】
光束112の進行方向に沿って、映像光形成部110と出射側ミラー126との間に光源側レンズ123が配置され、光源側レンズ123と出射側ミラー126との間にアパーチャ124が配置され、アパーチャ124と出射側ミラー126との間に出射側レンズ125が配置される。
【0148】
本具体例では、出射側ミラー126は、凹面状であり、これにより、光束112に含まれる映像330の像を拡大して観視者100に投影できる。そして、出射側ミラー126は可動式とすることができ、例えば、観視者100の頭部105の位置や動きに合わせて、手動で、または、自動で、出射側ミラー126の位置や角度を調節し、光束112を観視者100の目101に適切に投影させることができる。
【0149】
この構成により、光束112の発散角が制御され、観視者100の位置において、光束112の投影領域114は一定の範囲に制御される。
【0150】
観視者100の両目(瞳)の間隔は、例えば、60ミリメートル(mm)〜75mmであるので、片方の目101で観視させる場合には、観視者100の位置における光束112の投影領域114の大きさ(左右方向の幅)は、例えば、60mm〜75mm程度以下に設定される。この投影領域114の大きさは、主に光束投影部120に含まれる光学素子によって制御される。
【0151】
なお、観視者100の位置における光束112の投影位置114aは、例えば、映像投影部115の設置位置や角度を変えることで制御することができる。例えば、映像光形成部110の設置位置、映像光形成部110の角度、光束投影部120の設置位置、及び光束投影部120の角度の少なくともいずれかを変えることで、投影位置114aが制御できる。
【0152】
例えば、表示装置30は、映像投影部115を制御して、観視者100の位置における光束112の投影位置114aを制御する制御部250をさらに備えることができる。制御部250により、例えば、出射側ミラー126の角度を制御して、投影位置114aを制御する。
【0153】
例えば、制御部250は、制御信号部251と駆動部126aとを有する。制御信号部251は、制御信号を駆動部126aに出力し、駆動部126aを動作させる。駆動部126aは、例えば、出射側ミラー126の角度や位置などを変化させるモータなどを有する。制御信号部251から出力された制御信号によって駆動部126aが動作し、出射側ミラー126の角度や位置などを変化させ、観視者100の位置における光束112の投影位置114aを変化させる。駆動部126aは、映像投影部115に含まれると見なしても良い。
【0154】
映像光形成部110及び光束投影部120のそれぞれの構成は、種々の変形が可能である。映像光形成部110に含まれる要素と、光束投影部120に含まれる要素と、の配置は任意であり、例えば、光束投影部120に含まれる要素どうしの間に、映像光形成部110(及びそれに含まれる要素)が挿入されていても良い。
映像投影部115は、上記の具体例の他に、各種の変形が可能である。
【0155】
図17に例示したように、表示装置30は、車両730が進行すると推測される進行経路(経路情報)を定める経路生成部450をさらに備えることができる。経路生成部450は、車両730に関する進行経路を定める。
【0156】
経路生成部450は、例えば、地図情報等と車両730の現在位置とに基づいて、車両730が進行すると推測される進行経路を定める。このとき、例えば、いくつかの経路の候補を算出し、車両730の操縦者である観視者100に選択を促して、その結果に基づき、進行経路を決定するようにしても良い。経路生成部450には、ナビゲーションシステムなどを用いることができる。
【0157】
定められた進行経路と、車両730の現在位置と、に基づいて、車両730が進行している道341において、車両730の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点351が求められる。そして、進行方向変更地点351における車両730の進行方向も求められる。なお、車両730の現在位置は、例えばGPSなどにより求められる。
【0158】
なお、この経路生成部450は、例えば、映像データ生成部130に内蔵させることもできる。また、表示装置30に内蔵される各種の構成要素に内蔵されても良い。
【0159】
なお、この経路生成部450は、表示装置30に設けられなくても良い。例えば、車両730内に別途設けられるナビゲーションシステムに、経路生成部450に相当する部分が設けられ、そのナビゲータシステムで生成された、車両730が進行すると推測される進行経路を入手する構成を採用しても良い。
【0160】
さらに、経路生成部450に相当する部分は、車両730とは別に設けられても良い。この場合は、例えば無線技術によって、車両730とは別に設けられた経路生成部450に相当する部分からデータを入手して、映像データ生成部130は映像データを生成することができる。
【0161】
このように、経路生成部450(及びそれに相当する部分)は、任意の場所に設けることができる。
【0162】
図18は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図は、本実施形態に係る別の表示装置31の構成を例示している。同図は、映像投影部115の構成を例示している。表示装置31における映像データ生成部130、制御部250及び経路生成部450の構成は、表示装置30と同様とすることができ、同図においては、映像データ生成部130、制御部250及び経路生成部450は省略されている。
【0163】
図18に表したように、表示装置31においても、映像光形成部110は、光源111、テーパライトガイド116及び映像形成部117を有しており、映像光形成部110の構成は、表示装置30と同様である。
【0164】
一方、表示装置31における光束投影部120の構成は、表示装置30とは異なっている。すなわち、表示装置31の光束投影部120は、光源側レンズ123と、第1ミラー124aと、出射側レンズ125と、第2ミラー125aと、出射側ミラー126と、有する。
【0165】
光束112の進行方向に沿って、映像光形成部110と出射側ミラー126との間に光源側レンズ123が配置され、光源側レンズ123と出射側ミラー126との間に第1ミラー124aが配置され、第1ミラー124aと出射側ミラー126との間に出射側レンズ125が配置され、出射側レンズ125と出射側ミラー126との間に第2ミラー125aが配置される。
【0166】
このように、表示装置31においては、光束112の光路は折りたたまれている。光源側レンズ123には、例えば、平凹状のレンズが用いられる。出射側レンズ125には、例えば両凹状のレンズが用いられる。第2ミラー125aには、例えば平面ミラーが用いられる。出射側レンズ125には、例えば凹面ミラーが用いられる。
【0167】
また、本具体例では、出射側ミラー126が、光束112の出射方向を上下方向に変化させる機能を有する。そして、第2ミラー125aが、光束112の出射方向を左右方向に変化させる機能を有する。
【0168】
この構成により、光束112の発散角が制御され、観視者100の位置において、光束112の投影領域114は一定の範囲に制御される。
この他、映像投影部115の構成によって、種々の変形が可能である。
【0169】
なお、本発明の実施形態に係る表示装置10、10a、20、21、22、30及び31において、映像形成部117としては、LCDの他に、DMD(Digital Micromirror Device)、及び、MEMS(Micro-electro-mechanical System)等の各種光スイッチを用いることができる。また、映像光形成部110には、レーザプロジェクタやLEDプロジェクタなどを用いることもでき、その場合は、レーザビームやLEDからの光により映像を形成する。
【0170】
なお、本実施形態に係る表示装置が搭載される車両730(移動体)は、四輪車だけでなく、二輪車でも良い。また、本実施形態に係る表示装置は、鉄道車両やバスなどに搭載されても良い。さらに、本実施形態に係る表示装置は、車両だけでなく、航空機や船舶などを含めた任意の移動体に搭載され、同様の動作を行うことで同様の効果が得られる。
【0171】
また、本実施形態に係る表示装置は、車両や航空機などを模した種々のシミュレータにも用いることができる。さらに、本実施形態に係る表示装置は、例えば、ゲームなどの娯楽用の表示装置にも応用することが可能である。
【0172】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態は、表示方法である。すなわち、映像330を含む光束112を移動体(例えば車両730)のフロントガラス部710に反射させて移動体(例えば車両730)に搭乗する観視者100に向けて投影する表示方法である。
【0173】
図19は、本発明の第2の実施形態に係る表示方法を示すフローチャート図である。
図19に表したように、本実施形態に係る表示方法では、移動体(車両730)に関して定められた進行経路に基づいて移動体(車両730)の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点351と、移動体(車両730)と、の間の距離が第1距離のときに、進行方向変更地点351における移動体(車両730)の進行方向を示す第1表示オブジェクト301を表示する(ステップS10)。
【0174】
そして、進行方向変更地点351と、移動体(車両730)と、の間の距離が第1距離よりも短い第2距離のときに、進行方向変更地点351における移動体(車両730)の進行方向を示し、第1表示オブジェクト301とは異なる形状を有する第2表示オブジェクト302を進行方向変更地点351の位置に対応させて表示する(ステップS20)。 なお、上記のステップS10は、ステップS20後に実施される。
これにより、移動体を操縦する観視者の判断を容易化した表示方法が提供できる。
【0175】
本表示方法において、進行方向変更地点351と移動体(車両730)との間の距離が上記の第1距離と第2距離との間の第3距離のときに、進行方向変更地点351における移動体(車両730)の進行方向を示し、第1表示オブジェクト301及び第2表示オブジェクト302とは異なる形状を有する第3表示オブジェクト303をさらに表示することができる。
本実施形態に係る表示方法によれば、より連続的な(よりシームレスな)表示が可能になり、移動体を操縦する観視者の判断がより容易化できる。
【0176】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施形態に係る移動体(車両730)には、本発明の実施形態に係るいずれかの表示装置が搭載される。
すなわち、例えば図2に表したように、本実施形態に係る移動体(車両730)は、本発明の実施形態に係る表示装置10と、表示装置10から出射される光束112を観視者100に向けて反射させるフロントガラス部710と、を備える。なお、フロントガラス部710には、反射部711(例えばコンバイナ)が付設されても良く、フロントガラス部710は、反射部711を含む。なお、移動体に適用される表示装置は、本発明の実施形態に係る任意の表示装置(表示装置10、10a、20、21、22、30及び31)及び、その変形の表示装置を用いることができる。
本実施形態に係る移動体によれば、移動体を操縦する観視者の判断を容易化した移動体を提供できる。
【0177】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置及び移動体(車両)を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0178】
その他、本発明の実施の形態として上述した表示装置、表示方法及び移動体を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置、表示方法及び移動体も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0179】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0180】
10、10a、11、20、21、22、30及び31…表示装置、 100…観視者、 101…目、 105…頭部、 110…映像光形成部、 111…光源、 112…光束、 114…投影領域、 114a…投影位置、 115…映像投影部、 116…テーパライトガイド、 117…映像形成部、 120…光束投影部、 123…光源側レンズ、 124…アパーチャ、 124a…第1ミラー、 125…出射側レンズ、 125a…第2ミラー、 126…出射側ミラー、 126a…駆動部、 130…映像データ生成部、 180…表示内容、 181…像、 181a…像形成位置、 250…制御部、 251…制御信号部、 301…第1表示オブジェクト、 301a…中間表示オブジェクト、 302…第2表示オブジェクト、 302a〜302e…表示オブジェクト要素、 303…第3表示オブジェクト、 303a…第1中間表示オブジェクト、 303b…第2中間表示オブジェクト、 303c…最終表示オブジェクト、 303o…2次元中間表示オブジェクト、 314〜318…第4〜第8表示オブジェクト、 330…映像、 340…前方の像、 341…道、 342…分岐道、 343…分岐道、 351…進行方向変更地点、 361…第1映像内位置、 362…第2映像内位置、 450…経路生成部、 710…フロントガラス部、 711…反射部(コンバイナ)、 720…ダッシュボード、 730…車両(移動体)、 L1C…距離が長い場合、 L2C…距離が短い場合、 L3C…距離が中間の場合

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを生成する映像データ生成部と、
前記映像データ生成部によって生成された前記映像データに基づいた映像を含む光束を移動体のフロントガラス部に反射させて前記移動体に搭乗する観視者に向けて投影する映像投影部と、
を備え、
前記映像データ生成部は、
前記移動体に関して定められた進行経路に基づいて前記移動体の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が第1距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示す第1表示オブジェクトを含む前記映像に関する前記映像データを生成し、
前記進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が前記第1距離よりも短い第2距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示し、前記第1表示オブジェクトとは異なる形状を有し、前記進行方向変更地点の位置に対応させて表示される第2表示オブジェクトを含む前記映像に関する前記映像データを生成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記映像投影部は、前記第2表示オブジェクトを有する前記映像を含む前記光束を前記観視者の片目に投影することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記進行方向変更地点に対応する前記映像内の第1映像内位置の側における前記第2表示オブジェクトの大きさは、前記進行方向変更地点よりも前記移動体に近い地点に対応する前記映像内の第2映像内位置の側における前記第2表示オブジェクトよりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2表示オブジェクトは、時間的に変化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記映像データ生成部は、
前記進行方向変更地点と前記移動体との間の距離が前記第1距離と前記第2距離との間の第3距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示し、前記第1表示オブジェクト及び前記第2表示オブジェクトとは異なる形状を有する第3表示オブジェクトを含む前記映像に関する前記映像データをさらに生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記進行方向変更地点に対応する前記映像内の第1映像内位置の側における前記第3表示オブジェクトの大きさは、前記進行方向変更地点よりも前記移動体に近い地点に対応する前記映像内の第2映像内位置の側における前記第3表示オブジェクトの大きさよりも小さいことを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3表示オブジェクトは、時間的に変化することを特徴とする請求項5または6に記載の表示装置。
【請求項8】
映像を含む光束を移動体のフロントガラス部に反射させて前記移動体に搭乗する観視者に向けて投影する表示方法であって、
前記移動体に関して定められた進行経路に基づいて前記移動体の進行方向が変更されると予想される進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が第1距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示す第1表示オブジェクトを表示し、
前記進行方向変更地点と、前記移動体と、の間の距離が前記第1距離よりも短い第2距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示し、前記第1表示オブジェクトとは異なる形状を有する第2表示オブジェクトを前記進行方向変更地点の位置に対応させて表示することを特徴とする表示方法。
【請求項9】
前記進行方向変更地点と前記移動体との間の距離が前記第1距離と前記第2距離との間の第3距離のときに、前記進行方向変更地点における前記移動体の前記進行方向を示し、前記第1表示オブジェクト及び前記第2表示オブジェクトとは異なる形状を有する第3表示オブジェクトをさらに表示することを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の表示装置と、
前記表示装置から出射される前記光束を前記観視者に向けて反射させるフロントガラス部と、
を備えたことを特徴とする移動体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−121401(P2011−121401A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278670(P2009−278670)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】