説明

表示装置およびこれを用いた画像形成装置

【課題】本願発明は、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示装置において、それぞれの視野角領域におけるユーザに対して表示される画像の有無、およびその概要を各ユーザに表示することができる利便性の高い表示装置、ならびにこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明に係る表示装置は、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示部と、マルチビュー表示部により表示される各マルチビュー画像の有無を表示する複数のエリア表示部とを有する。各エリア表示部は、発光ダイオード素子で構成されるものであってよい。あるいは、各エリア表示部は、マルチビュー表示部で表示される対応するマルチビュー画像の概要を表示するものであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示装置、ならびにこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の特許文献1に記載の複写機などのオフィス機器の使用に際して、操作者が操作表示パネルの正面にいないとき、これを複数のセンサで検出して、操作者の位置に応じて操作表示パネルに表示される内容を変更することにより、オフィス機器の操作性を改善することが提案されている。これは、とりわけ車椅子を使用する操作者や肢体に障害があって操作位置を自由に調整することが困難な操作者に対し有用なものである。
【0003】
また特許文献2に記載の画像形成装置において、タッチパネルを用いて操作表示部を構成し、タッチパネル上で操作ボタンとヘルプキーの両方を操作することにより、画像形成装置の操作性を改善することが示唆されている。すなわち、この画像形成装置によれば、操作者は、タッチパネル以外のものに視線を移すことなく、ヘルプ情報を見ながらボタン操作できるので、画像形成装置の操作表示部の利便性を向上させるものである。
【0004】
一方、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示装置として、非特許文献1に記載のように、デュアル液晶表示装置およびトリプルビュー液晶表示装置(シャープ株式会社の登録商標)を、画像形成装置ではなく、カーナビゲーションシステムに採用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−254738号公報
【特許文献2】特開2007−334025号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】シャープ技報 第96号・2007年11月21〜23頁 (http://www.sharp.co.jp/corporate/rd/31/pdf/96-p21.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において、肢体に障害を有する操作者およびその介護者等、すなわち複数の操作者がオフィス機器の前に存在していた場合、いずれの操作者に対して適当な表示をすべきか判断できず、操作者の有無を判断して表示パネル上の表示内容を変更することは、必ずしも利便性を改善するものではなかった。
【0008】
その他、たとえば複写機などの画像形成装置に紙詰まりの障害が生じ、複数の部位において残留する紙を除去するために、複数の操作者が複写機の残留紙の除去作業を行う場合、複数の操作者に対し単一の操作表示部を用いて同時に異なる紙詰まり情報を表示することはできなかった。
【0009】
また特許文献2において、複数の端末装置がLANケーブルを介して単一の画像形成装置(複合機)を共用するとき、ある操作者が複写機として操作する際に、別の操作者が画像形成装置のジョブ履歴を確認したい場合など、別々の操作者に対し単一の操作表示部を用いて操作画面とジョブ確認画面を同時に表示することはできなかった。
【0010】
一方、特許文献3に記載の表示装置は、複数の視聴者に同時に異なる画像を提供することができるが、それぞれの視聴者は、固定した位置で視聴し続けるため、別の視野角領域における視聴者に対して画像が表示されているか否か、同一または異なる画像が表示されているか、あるいは表示されている画像の内容については、具体的に認知する手段がなく、視聴者同士の会話により確認し合うか、運転席から助手席に移動して確認する必要があり、不便であり、危険を伴うことすらあった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで本願発明は、上記問題点を解決するために、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示装置を改良して、それぞれの視野角領域におけるユーザに対して表示されるマルチビュー画像の有無、およびその概要を各ユーザに表示することができる利便性の高い表示装置、ならびにこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本願発明に係る表示装置は、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示部と、マルチビュー表示部により表示される各マルチビュー画像の有無を表示する複数のエリア表示部とを有する。
【0013】
各エリア表示部は、発光ダイオード素子で構成されるものであってよい。あるいは、各エリア表示部は、マルチビュー表示部で表示される対応するマルチビュー画像の概要を表示するものであってもよい。ただし、マルチビュー表示部および各エリア表示部は、互いに隣接して配置されることが好ましい。また、マルチビュー表示部および各エリア表示部は、同一のマルチビュー液晶表示素子上に設けられることがなお好ましい。さらに好適には、各エリア表示部は、スイッチ機能を有し、各エリア表示部に対応するマルチビュー画像を選択できるように構成される。
【0014】
本願発明に係る表示装置を用いた画像形成装置は、制御部を含む画像形成本体部と、制御部により制御される上記表示装置とを備えるものである。このとき表示装置は、好適には、画像形成本体部のほぼ中央に配置され、画像形成本体部の左側領域、中央領域または右側領域における部位で生じた障害を、その障害部位の領域に対応してマルチビュー画像を選択的に表示することができる。より好適には、画像形成本体部の障害が除去された障害部位の領域に対応してマルチビュー画像を非表示とするか、あるいは障害が除去されたことを示すマルチビュー画像に変更することができる。択一的には、マルチビュー表示部が表示する各マルチビュー画像は、ジョブ確認画面、操作画面およびガイダンス画面のいずれか1つであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る表示装置によれば、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示装置において、別の視野角領域におけるユーザに対して表示される画像の有無、およびその概要を各ユーザに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明に係る表示装置を備えた画像形成装置の一般的構成を示すブロック図である。
【図2】本願発明に係る表示装置のマルチビュー表示部が視野角領域に応じて独立した3つのマルチビュー画像を同時に表示できる原理を説明する概略図である。
【図3】実施形態1の表示装置の正面図である。
【図4】実施形態1の変形例1による表示装置の正面図である。
【図5】実施形態1の別の変形例2による表示装置の正面図である。
【図6】実施形態2の表示装置の正面図である。
【図7】左側エリアのユーザに対して、実施形態2のマルチビュー表示部が表示するマルチビュー画像を示す。
【図8】中央エリアのユーザに対して、実施形態2のマルチビュー表示部が表示するマルチビュー画像を示す。
【図9】右側エリアのユーザに対して、実施形態2のマルチビュー表示部が表示するマルチビュー画像を示す。
【図10】マルチビュー表示部およびエリア表示部の表示処理方法を示す表示処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本願発明の好適な実施形態を説明する。各実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「左側」、「中央」および「右側」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものでない。
また、本願発明に係る表示装置は、任意の家電製品を含む民生機器や産業機器に組み込むことができるが、一例として複写機などの画像形成装置に組み込まれた実施形態について以下説明する。
【0018】
[実施形態1]
図1〜図5を参照しながら、本願発明に係る表示装置を用いた画像形成装置の実施形態1について以下詳細に説明する。図1は、画像形成装置100の一般的構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、概略、画像形成本体部101と表示装置1とを備える。
【0019】
図1に示す画像形成本体部101は、原稿上の画像を読み取り、電子データ化するための画像読み取り部110と、画像読み取り部110からの電子データ画像を処理するための画像処理部112と、電子データ画像を含む各種電子データを保存するためのデータ記憶部114と、電子データ画像を紙などにプリントするための画像形成部116と、電子データ画像をプリントする紙が給紙部から排紙部に至る搬送部上で紙詰まりが生じたことを検出するための紙詰まり検出部118と、通信ネットワークを介して電子データ画像などの電子データを送受信するための通信部120と、上記構成部品を統括的に制御する本体制御部122とを有する。
【0020】
また本願発明に係る表示装置1は、概略、図1に示すように、視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示部10と、マルチビュー表示部10により表示される各マルチビュー画像の有無などを表示する複数のエリア表示部20とを有する。また表示装置1は、画像形成本体部101への操作パラメータを入力するための操作部30と、入力された操作パラメータの情報を画像形成本体部101の本体制御部122に送信するとともに、本体制御部122からの情報に基づいてマルチビュー表示部10およびエリア表示部20により表示される画像を制御するための表示制御部40とを有する。なお本実施形態では、表示装置1の表示制御部40は、画像形成本体部101の本体制御部122とは別体のものとして説明したが、一体のものであってもよく、本願発明に係る表示装置1が組み込まれる機器に含まれる制御部品を用いて、表示装置1を制御してもよい。
【0021】
図2は、マルチビュー表示部10が視野角領域に応じて独立した3つのマルチビュー画像を同時に表示できる原理を説明する概略図である。マルチビュー表示部10は、一般的な液晶表示素子12と、その前方に配置された所定間隔で設けた複数のスリット13を有する視野バリア14とを有する。図2に示す液晶表示素子12は、画素の配置位置に依存して画像a,b,cを交互に表示し、視野バリア14は画像bを表示する画素の前方にスリット13を有する。このため、ユーザA,B,Cは、視野バリア14のスリット13を介して、それぞれのエリア(領域)、すなわち左側エリア、中央エリアおよび右側エリアから画像a,b,cを視認することができる。
【0022】
図3は本願発明に係る表示装置1の正面図である。図3に示す表示装置1のエリア表示部20は、マルチビュー表示部10に隣接して配置された3つの発光ダイオード20a,20b,20cからなり、マルチビュー表示部10が左側エリア、中央エリアおよび右側エリアのそれぞれに画像(マルチビュー画像)を表示している場合に点灯するものである。すなわち、本願発明に係る表示装置1を利用する複数のユーザが異なるエリア(領域)にあっても、他のエリアにいるユーザに対応するマルチビュー画像が表示されているか否か、容易に認知することができる。このとき、各マルチビュー画像は異なっていてもよいし、同一であってもよい。したがって本願発明に係る表示装置1によれば、複数の固定位置から見るユーザは、発光ダイオード20a,20b,20cの点灯または非点灯により、他の視野角領域にいるユーザにマルチビュー画像が表示されているか否かを知ることができ、特にカーナビゲーションシステムに採用された場合には、ユーザ同士が確認するまでもなく、運転席から助手席に移動して確認するリスクを排除することができる。
【0023】
なお、図3に示す操作部30は、コピーモード、ファクスモードまたはスキャンモードを選択するスイッチボタンや、複写枚数を設定するためのテンキー、スタートボタンおよびストップボタン等を有し、ユーザは操作部30を用いて、これらの操作パラメータを設定し、表示装置1の表示制御部40および画像形成装置100の本体制御部122へ送信することができる。
【0024】
[変形例1]
図4は本実施形態の変形例に係る表示装置1の正面図である。図3に示すエリア表示部20が3つの発光ダイオードで構成されているのに対し、図4に示すエリア表示部22は、通常の(マルチビュー表示機能を有さない)3つの液晶表示パネル22a,22b,22cにより構成され、同様にマルチビュー表示部10に隣接して配置されている。なおエリア表示部22は、3つの独立した液晶表示パネル22a,22b,22cの代わりに単一の液晶表示パネル20内で分割された3つの領域であってもよい。いずれにしても、図4のエリア表示部22は、左側エリア、中央エリアおよび右側エリアのそれぞれに対するマルチビュー画像の概要を表示するものである。すなわち、異なるエリアに存在する複数のユーザは、3つの液晶表示パネル22a,22b,22cの表示の有無を確認することにより、各エリアに対応するマルチビュー画像が表示されているか否か容易に認知するとともに、各マルチビュー画像の概要について直ちに理解することができる。
【0025】
ここで具体的に、画像形成装置100を用いて原稿を紙に複写する際に給紙部、搬送部および排紙部のそれぞれで紙詰まりの障害が同時に発生し、これらの紙を除去する処理手順をユーザに指示するために、マルチビュー表示部10およびエリア表示部22がどのような画像を表示するかについて以下詳細に説明する。
【0026】
詳細図示しないが、本実施形態に係る表示装置1は、画像形成本体部101のほぼ中央に配置されており、排紙部、給紙部および搬送部で紙詰まりが生じる部位は、画像形成本体部101に対して左側、中央および右側に配置されている。給紙部、搬送部および排紙部のそれぞれにおいて紙詰まりが生じた場合、画像形成本体部101の紙詰まり検出部118は、各部位に紙詰まりが発生したことを本体制御部122に通知する。そして本体制御部122は、表示制御部40を介して、図4のマルチビュー表示部10およびエリア表示部20を制御し、エリア表示部20のそれぞれには「排紙部JAM」、「給紙部JAM」および「搬送部JAM」と表示させ、マルチビュー表示部10には、左側エリア、中央エリアおよび右側エリアのそれぞれに、排紙部、給紙部および搬送部における障害解除方法を表示させる。このように本願発明によれば、マルチビュー表示部10は、画像形成本体部101に紙詰まりの障害が発生した部位(領域)に対応してマルチビュー画像を選択的に表示するものである。
【0027】
ユーザは、左側エリアの液晶表示パネル22aに「排紙部JAM」と表示されていることを確認すると、画像形成本体部101に対して左側に配置された排紙部のところ(すなわち左側エリア)まで移動し、マルチビュー表示部10の左側エリアのマルチビュー画像を視認しながら、排紙部における紙詰まりを取り除く。紙詰まり検出部118は、排紙部での紙詰まりが解消されたことを検出すると、マルチビュー表示部10およびエリア表示部22の左側エリアに対する表示を中止するか(非表示とするか)、あるいは解消されたことを示す表示に変更することが好ましい。
【0028】
同様にユーザは、中央エリアのエリア表示部22bに「給紙部JAM」と表示されていることを確認して、画像形成本体部101の中央に配置された給紙部のところ(すなわち中央エリア)まで移動し、マルチビュー表示部10の中央エリアのマルチビュー画像を見ながら、中央エリアにある給紙部の紙詰まりを取り除く。さらに、ユーザは、右側エリアのエリア表示部22cの「搬送部JAM」を見て、画像形成本体部101の右側に配置された搬送部(すなわち右側エリア)まで移動し、マルチビュー表示部10の右側エリアのマルチビュー画像を見ながら、搬送部の障害を取り除く。同様に、紙詰まりが解消された場合には、マルチビュー表示部10およびエリア表示部22を非表示とするか、あるいは解消されたことを示す表示に変更することが好ましい。
【0029】
[変形例2]
図5は本実施形態のさらに別の変形例に係る表示装置1の正面図である。図4に示すエリア表示部22がマルチビュー表示機能を有さない通常の液晶表示パネルにより構成されているのに対し、図5に示すエリア表示部24はマルチビュー表示部10とともに同一のマルチビュー表示パネル上に一体に構成されている。すなわち、マルチビュー表示部10の左側エリアに対応するマルチビュー画像は、排紙部における紙詰まりの解除方法を表示するとともに、「中央エリア→ 給紙部JAM」および「右側エリア→→ 搬送部JAM」と表示して、中央エリアおよび右側エリアに対しても別のマルチビュー画像が表示されていることを示す。このように図5に示すエリア表示部24は、図4のエリア表示部22をマルチビュー表示部10と一体化することにより、上記表示装置1と同様の機能を確保しつつ、通常の液晶表示パネル22を省略して、部品点数を減らし製造コストを削減することができる。
【0030】
このようにユーザが所定の一連の作業を行うために移動する(位置を変更する)必要があって、それぞれの位置において表示すべき画像(情報)が異なる場合に、マルチビュー表示部10と、各マルチビュー画像の有無および概要を表示するエリア表示部22,24とを組み合わせた本願発明に係る表示装置1は、極めて有用であり、市販されたマルチビュー表示装置単体には期待し得ない異質な効果を実現することができる。
【0031】
[実施形態2]
次に、図6〜図10を参照しながら、本願発明に係る表示装置1の実施形態2について以下説明する。実施形態2に係る表示装置1は、概略、実施形態1ではマルチビュー表示部10に紙詰まりの障害解除方法を表示したのに対し、実施形態2ではマルチビュー表示部10にジョブ確認画面、操作画面およびガイダンス画面である点を除いて、実施形態1の表示装置1と同様の構成を有するので、重複する内容については説明を省略する。
【0032】
上述のように、実施形態2の表示装置1において、マルチビュー表示部10は、図6に示すように、左側エリア、中央エリアおよび右側エリアに対してジョブ確認画面、操作画面およびガイダンス画面の詳細を表示し、エリア表示部26は、通常の3つの液晶表示パネル26a,26b,26cにより構成され、各マルチビュー画像の概要である「ジョブ確認画面」、「操作画面」および「ガイダンス画面」を表示する。図7〜図9は、左側エリア、中央エリアおよび右側エリアのそれぞれに対してマルチビュー表示部10が表示する各マルチビュー画像を示す。なお、上記実施形態1に対する変形例2と同様、エリア表示部20とマルチビュー表示部10を同一のマルチビュー表示装置上に一体に構成してもよい。
【0033】
実施形態2に係る表示装置1を用いた場合、最大3人の異なるユーザが別々の視野角エリアから独立した画像を視認することができるので、複数のユーザが単一の画像形成装置を共用する環境にあっても、操作画面、ジョブ確認画面およびガイダンス画面を同時に表示でき、作業効率を向上させ、利便性を改善することができる。
【0034】
[変形例3]
好適には、図6のエリア表示部26を構成する液晶表示パネル26a,26b,26cは、スイッチ機能を有し、押下することにより、対応するマルチビュー画像を選択することができる。たとえば左側エリアの液晶表示パネル26aを1回押下すると、左側エリアに対するマルチビュー画像がジョブ確認画面から操作画面に変更され、再び押下すると操作画面からガイダンス画面へ、さらにもう1回押下するとガイダンス画面からジョブ確認画面へ順次変更される。このように、エリア表示部26を押下する毎にマルチビュー画像を「ジョブ確認画面」、「操作画面」および「ガイダンス画面」へ順次変更することを、本願明細書では「シフト表示」ともいう。
【0035】
さらに具体的に説明すると、図10の表示処理フローチャートに示すように、画像形成装置100の主電源が供給されると、マルチビュー表示部10およびエリア表示部20はデフォルト画像が表示され(ST01)、たとえばマルチビュー表示部10の各マルチビュー画像に操作画面を表示し、エリア表示部26の各液晶表示パネル26a,26b,26cに「操作画面」と表示する。そして、左側エリアの液晶表示パネル26aが1回押下されたことを検出すると(ST02でYESの場合)、表示制御部40は左側エリアに対するマルチビュー画像を操作画面からガイダンス画面へシフト表示するとともに、液晶表示パネル26aには「ガイダンス画面」と表示するように制御する(ST03)。また中央エリアの液晶表示パネル26bが1回押下されたことが検出された場合(ST04でYESの場合)、表示制御部40は中央エリアに対するマルチビュー画像を「ジョブ確認画面」から「操作画面」にシフト表示するように制御する(ST05)。同様に、右側エリアの液晶表示パネル26cが1回押下されたことが検出された場合(ST06でYESの場合)、表示制御部40は右側エリアに対するマルチビュー画像を操作画面からガイダンス画面へシフト表示するとともに、液晶表示パネル26bには「ガイダンス画面」と表示するように制御する(ST07)。このように、各マルチビュー画像は同一であってもよいし、異なっていてもよく、表示制御部40はエリア表示部26の各液晶表示パネル26a,26b,26cに互いに独立して順次シフト表示することができる。
【0036】
この変形例3において、液晶表示パネル26a,26b,26cがスイッチ機能を有するものとして説明したが、図3の発光ダイオードや、図5のエリア表示部24にタッチパネル機能を付与して、同様にマルチビュー画像を選択できるようにしてもよい。
【0037】
以上のように、実施形態2に係る表示装置1によれば、複数のユーザが別々の視野角エリアから独立した画像を視認することができるので、操作画面、ジョブ確認画面、およびガイダンス画面を同時に表示でき、作業効率を向上させ、利便性の改善を図ることができる。
【符号の説明】
【0038】
1:表示装置:10:マルチビュー表示部、12:液晶表示素子、13:スリット、14:視野バリア、20,22,24,26:エリア表示部、30:操作部、40:表示制御部、100:画像形成装置、101:画像形成本体部、110:画像読み取り部、112:画像処理部、114:データ記憶部、116:画像形成部116、118:紙詰まり検出部、120:通信部、122:本体制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野角領域に応じて独立した複数のマルチビュー画像を同時に表示可能なマルチビュー表示部と、
前記マルチビュー表示部により表示される各マルチビュー画像の有無を表示する複数のエリア表示部とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
各エリア表示部は、発光ダイオード素子からなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
各エリア表示部は、マルチビュー表示部で表示される対応するマルチビュー画像の概要を表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
マルチビュー表示部および各エリア表示部は、互いに隣接して配置されることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
マルチビュー表示部および各エリア表示部は、同一のマルチビュー液晶表示素子上に設けられることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
各エリア表示部は、スイッチ機能を有し、各エリア表示部に対応するマルチビュー画像を選択できることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
制御部を含む画像形成本体部と、
前記制御部により制御される請求項1〜6に記載の表示装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
表示装置は画像形成本体部のほぼ中央に配置され、
前記画像形成本体部の左側領域、中央領域または右側領域における部位で生じた障害を、その障害部位の領域に対応してマルチビュー画像を選択的に表示することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成本体部の障害が除去された障害部位の領域に対応してマルチビュー画像を非表示とするか、あるいは障害が除去されたことを示すマルチビュー画像に変更することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
マルチビュー表示部が表示する各マルチビュー画像は、ジョブ確認画面、操作画面およびガイダンス画面のいずれか1つであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−210849(P2010−210849A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56015(P2009−56015)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】