説明

表示装置およびその駆動方法ならびに電子機器

【課題】簡易なシステムで焼き付きを低減することの可能な表示装置およびその駆動方法ならびに電子機器を提供する。
【解決手段】表示領域10Aの縦横比と異なる縦横比の映像信号20Aが外部から入力され、表示領域10Aのうち左右の帯状領域10A−1(図示せず)が黒表示されたのち、表示領域10Aの縦横比と等しい縦横比の映像信号20Aが外部から入力されたときに、その映像信号20Aのうち左右の帯状領域10A−1に対応する映像信号が、光センサ19によって検出された境界線L1,L2における輝度差を用いて補正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルに発光素子が設けられた表示装置およびその駆動方法に関する。また、本発明は、上記表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、画素の発光素子として、流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の光学素子、例えば有機EL(electro luminescence)素子を用いた表示装置が開発され、商品化が進められている。有機EL素子は、液晶素子などと異なり自発光素子である。そのため、有機EL素子を用いた表示装置(有機EL表示装置)では、光源(バックライト)が必要ないので、光源を必要とする液晶表示装置と比べて、薄型化、高輝度化することができる。特に、駆動方式としてアクティブマトリクス方式を用いた場合には、各画素をホールド点灯させることができ、低消費電力化することもできる。そのため、有機EL表示装置は、次世代のフラットパネルディスプレイの主流になると期待されている。
【0003】
有機EL素子は、電流駆動型の発光素子であり、有機EL素子に流れる電流量を制御することにより階調を調整することの可能な素子である。しかし、有機EL素子は、発光量と通電時間に応じて劣化する性質を有しており、劣化の進行した有機EL素子の輝度は、劣化のあまり進行していない有機EL素子の輝度と比べて相対的に低下する。一方で、表示画像の輝度は全画素において一様ではないことから、有機EL素子の劣化も全画素において一様ではなく、有機EL素子の劣化の度合いに対応した輝度低下が表示領域に生じる。
【0004】
この現象は「焼き付き」と呼ばれるものであり、この「焼き付き」を精度良く補正するためには、有機EL素子の実際の劣化状態を正しく検出することが必要である。その方策の一つとして、例えば、特許文献1では、非表示領域にダミー画素と輝度検出センサを設け、ダミー画素の輝度を輝度検出センサで検出してダミー画素の累積劣化量差を導出し、それを利用して、各画素の入力階調値に対する補正量を導出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−206463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の方策では、全画素に対して累積劣化量差や補正量を導出する必要があるので、システムが大掛かりになってしまうという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易なシステムで焼き付きを低減することの可能な表示装置およびその駆動方法ならびに電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示装置は、表示領域に2次元配置された複数の表示画素と、非表示領域に配置された複数のダミー画素および複数のダミー画素の輝度を検出するセンサとを有する表示部を備えると共に、各表示画素および各ダミー画素を駆動する駆動部を備えたものである。上記の駆動部は、表示調整部と、信号補正部とを有している。表示調整部は、表示領域の縦横比とは異なる縦横比の第1映像信号が外部から入力されたときに表示領域のうち左右の帯状領域を黒表示することにより第1映像信号の縦横比を表示領域の縦横比に合わせないで第1映像信号に対応する映像を表示領域のうち帯状領域を除く領域である中央領域に表示することを可能とするものである。信号補正部は、表示領域のうち、中央領域と左右の帯状領域との境界線を含む領域に映像を表示する第2映像信号が外部から入力されたときに、以下の4つを実行するようになっている。
【0009】
(1)中央領域のうち少なくとも一方の境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第1信号電圧と同一の第2信号電圧を複数のダミー画素のうち1または複数の第1ダミー画素に印加すること
(2)左右の帯状領域の少なくとも一方の領域のうち境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第3信号電圧と同一の第4信号電圧を複数のダミー画素のうち第1ダミー画素とは異なる1または複数の第2ダミー画素に印加すること
(3)第2信号電圧が印加されているときの1または複数の第1ダミー画素の輝度と、第4信号電圧が印加されているときの1または複数の第2ダミー画素の輝度とをセンサで検出すること
(4)第2映像信号のうち左右の帯状領域に対応する映像信号を、センサの検出信号を用いて補正すること
【0010】
本発明の電子機器は、上記の表示装置を備えたものである。
【0011】
本発明の表示装置の駆動方法は、上記の表示部と、各表示画素および各ダミー画素を駆動する駆動部とを備え、駆動部が上記の表示調整部の機能を有する表示装置において、表示領域のうち、中央領域と左右の帯状領域との境界線を含む領域に映像を表示する第2映像信号が外部から入力されたときに、上記の4つを実行するものである。
【0012】
本発明の表示装置およびその駆動方法ならびに電子機器では、表示領域のうち、中央領域と左右の帯状領域との境界線を含む領域に映像を表示する第2映像信号が外部から入力されたときに、第2映像信号のうち左右の帯状領域に対応する映像信号が、センサによって検出された境界線における輝度差を用いて補正される。これにより、境界線における輝度差を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の表示装置およびその駆動方法ならびに電子機器によれば、境界線における輝度差を小さくすることができるようにした。これにより、表示領域の縦横比とは異なる縦横比の映像が表示されたことに起因する焼き付きを低減することができる。このように、本発明では、簡易なシステムで焼き付きを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示装置の構成の一例を表す概略図である。
【図2】表示領域内の画素回路の構成の一例を表す概略図である。
【図3】非表示領域内の画素回路の構成の一例を表す概略図である。
【図4】図1の表示パネルの構成を表す上面図である。
【図5】表示領域の縦横比と異なる縦横比の映像が表示されている様子を表す模式図である。
【図6】境界線に隣接する領域に含まれる表示画素に対応する映像信号の抽出について説明するための模式図である。
【図7】図1の表示パネルの構成の第1変形例を表す上面図である。
【図8】図1の表示パネルの構成の第2変形例を表す上面図である。
【図9】図1の表示パネルの構成の第3変形例を表す上面図である。
【図10】図1の表示パネルの構成の第4変形例を表す上面図である。
【図11】上記実施の形態の発光装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図12】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図13】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図14】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図15】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(図1〜図6)
2.変形例(図7〜図10)
3.適用例(図11〜図15)
【0016】
<実施の形態>
(表示装置1の概略構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置1の概略構成を表したものである。この表示装置1は、表示パネル10(表示部)と、表示パネル10を駆動する駆動回路20(駆動部)とを備えている。
【0017】
表示パネル10は、発光色の互いに異なる3種類の有機EL素子11R,11G,11Bが2次元配置された表示領域10Aを有している。表示領域10Aとは、有機EL素子11R,11G,11Bから発せられる光を利用して映像を表示する領域である。有機EL素子11Rは赤色光を発する有機EL素子であり、有機EL素子11Gは緑色光を発する有機EL素子であり、有機EL素子11Bは青色光を発する有機EL素子である。なお、以下では、有機EL素子11R,11G,11Bの総称として有機EL素子11を適宜、用いるものとする。
【0018】
表示パネル10は、また、発光色の互いに異なる3種類の有機EL素子12R,12G,12Bが配置された非表示領域10Bを有している。非表示領域10Bとは、有機EL素子12R,12G,12Bから発せられる光が外部に漏れないようになっている領域である。非表示領域10Bは、図1に示したように、表示領域10Aの左右両側に1つずつ設けられている。有機EL素子12Rは赤色光を発する有機EL素子であり、有機EL素子12Gは緑色光を発する有機EL素子であり、有機EL素子12Bは青色光を発する有機EL素子である。なお、以下では、有機EL素子12R,12G,12Bの総称として有機EL素子12を適宜、用いるものとする。このように、非表示領域10Bには、表示領域10Aに設けられた有機EL素子11と同一種類の色光を発する有機EL素子12が設けられている。有機EL素子12は、有機EL素子11と同様の構造および材料によって構成されていることが好ましい。
【0019】
非表示領域10Bには、さらに、複数の光センサ19が配置されている。複数の光センサ19は、各有機EL素子12に対応して1つずつ配置されており、個々の有機EL素子12から発せられた光を検出し、光検出信号を出力するようになっている。
【0020】
駆動回路20は、タイミング生成回路21、映像信号処理回路22、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24、および電源線駆動回路25を有している。
【0021】
(表示画素15)
図2は、表示領域10A内の回路構成の一例を表したものである。表示領域10A内には、複数の画素回路13が個々の有機EL素子11と対となって2次元配置されている。なお、本実施の形態では、一対の有機EL素子11および画素回路13が1つのサブピクセル14を構成している。より詳細には、図1に示したように、一対の有機EL素子11Rおよび画素回路13が1つのサブピクセル14Rを構成し、一対の有機EL素子11Gおよび画素回路13が1つのサブピクセル14Gを構成し、一対の有機EL素子11Bおよび画素回路13が1つのサブピクセル14Bを構成している。さらに、互いに隣り合う3つのサブピクセル14R,14G,14Bが1つの画素(表示画素15)を構成している。
【0022】
各画素回路13は、例えば、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタTr2および保持容量Cs1によって構成されたものであり、2Tr1Cの回路構成となっている。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、例えば、nチャネルMOS型の薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により形成されている。駆動トランジスタTr1または書き込みトランジスタTr2は、例えば、pチャネルMOS型のTFTであってもよい。
【0023】
表示領域10Aにおいて、列方向には信号線DTLが複数配置され、行方向には走査線WSLおよび電源線PSL(電源電圧の供給される部材)がそれぞれ複数配置されている。各信号線DTLと各走査線WSLとの交差点近傍には、有機EL素子11が1つずつ設けられている。各信号線DTLは、信号線駆動回路23の出力端(図示せず)と、書き込みトランジスタTr2のドレイン電極およびソース電極のいずれか一方(図示せず)に接続されている。各走査線WSLは、書込線駆動回路24の出力端(図示せず)と、書き込みトランジスタTr2のゲート電極(図示せず)に接続されている。各電源線PSLは、電源線駆動回路25の出力端(図示せず)と、駆動トランジスタTr1のドレイン電極およびソース電極のいずれか一方(図示せず)に接続されている。書き込みトランジスタTr2のドレイン電極およびソース電極のうち信号線DTLに非接続の方(図示せず)は、駆動トランジスタTr1のゲート電極(図示せず)と、保持容量Cs1の一端に接続されている。駆動トランジスタTr1のドレイン電極およびソース電極のうち電源線PSLに非接続の方(図示せず)と保持容量Cs1の他端とが、有機EL素子11のアノード電極(図示せず)に接続されている。有機EL素子11のカソード電極(図示せず)は、例えば、グラウンド線GNDに接続されている。
【0024】
(ダミー画素18)
図3は、非表示領域10B内の回路構成の一例を表したものである。非表示領域10Bには、複数の画素回路16が個々の有機EL素子12と対となって配置されている。なお、本実施の形態では、一対の有機EL素子12および画素回路16が1つのサブピクセル17を構成している。より詳細には、図1に示したように、一対の有機EL素子12Rおよび画素回路13が1つのサブピクセル17Rを構成し、一対の有機EL素子12Gおよび画素回路13が1つのサブピクセル17Gを構成し、一対の有機EL素子12Bおよび画素回路13が1つのサブピクセル17Bを構成している。さらに、互いに隣り合う3つのサブピクセル17R,17G,17Bが1つの画素(ダミー画素18)を構成している。
【0025】
画素回路16は、上述の画素回路13と同様の構成となっている。具体的には、画素回路16は、駆動トランジスタTr3、書き込みトランジスタTr4および保持容量Cs2によって構成されたものであり、2Tr1Cの回路構成となっている。駆動トランジスタTr3および書き込みトランジスタTr4は、例えば、nチャネルMOS型のTFTにより形成されている。駆動トランジスタTr3または書き込みトランジスタTr4は、例えば、pチャネルMOS型のTFTであってもよい。
【0026】
非表示領域10Bにおいて、列方向には信号線DTLが1つ配置され、行方向には走査線WSLおよび電源線PSLがそれぞれ1つずつ配置されている。信号線DTLと走査線WSLとの交差点近傍には、有機EL素子12が設けられている。信号線DTLは、信号線駆動回路23の出力端(図示せず)と、書き込みトランジスタTr4のドレイン電極およびソース電極のいずれか一方(図示せず)に接続されている。走査線WSLは、書込線駆動回路24の出力端(図示せず)と、書き込みトランジスタTr4のゲート電極(図示せず)に接続されている。各電源線PSLは、電源線駆動回路25の出力端(図示せず)と、駆動トランジスタTr3のドレイン電極およびソース電極のいずれか一方(図示せず)に接続されている。書き込みトランジスタTr4のドレイン電極およびソース電極のうち信号線DTLに非接続の方(図示せず)は、駆動トランジスタTr3のゲート電極(図示せず)と、保持容量Cs2の一端に接続されている。駆動トランジスタTr3のドレイン電極およびソース電極のうち電源線PSLに非接続の方(図示せず)と保持容量Cs2の他端とが、有機EL素子12のアノード電極(図示せず)に接続されている。有機EL素子12のカソード電極(図示せず)は、例えば、グラウンド線GNDに接続されている。
【0027】
(表示パネル10の上面構成)
図4は、表示パネル10の上面構成の一例を表したものである。表示パネル10は、例えば、駆動パネル30と封止パネル40とが封止層(図示せず)を介して貼り合わされた構造となっている。
【0028】
駆動パネル30は、表示領域10Aに、2次元配置された複数の表示画素15を有しており、非表示領域10Bに、2次元配置された複数のダミー画素18を有している。つまり、駆動パネル30は、複数の表示画素15と、複数のダミー画素18とが共通の基板(図示せず)上に形成されたものである。表示領域10Aの、垂直方向の画素数をyとすると、非表示領域10Bの、垂直方向の画素数もyとなっている。また、左側の非表示領域10Bの、水平方向の画素数はn(nは2以上の正数)となっており、右側の非表示領域10Bの、水平方向の画素数もnとなっている。つまり、左側の非表示領域10Bおよび右側の非表示領域10B共に、複数のダミー画素18がy×nのマトリクス状に配置されており、非表示領域10B全体としては、ダミー画素18の画素数はy×2nとなっている。なお、以下では、説明を簡略化するために、nが2である場合について説明する。
【0029】
駆動パネル30の一辺(長辺)には、例えば、図4に示したように、複数の映像信号供給TAB51と、複数の光検出信号出力TCP54が取り付けられている。駆動パネル30の他の辺(短辺)には、例えば、走査信号供給TAB52が取り付けられている。また、駆動パネル30の短辺であって、かつ走査信号供給TAB52とは異なる辺には、例えば、電源電圧供給TAB53が取り付けられている。映像信号供給TAB51は、信号線駆動回路23の集積されたICをフィルム状の配線基板の開口に中空配線したものである。走査信号供給TAB52は、書込線駆動回路24の集積されたICをフィルム状の配線基板の開口に中空配線したものである。電源電圧供給TAB53は、電源線駆動回路25の集積されたICをフィルム状の配線基板の開口に中空配線したものである。電源電圧供給TAB53は、図示しない電源回路の出力端に接続されている。光検出信号出力TCP54は、映像信号処理回路22の入力端(図示せず)に接続されている。なお、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24および電源線駆動回路25は、TABに形成されていなくてもよく、例えば、駆動パネル30に形成されていてもよい。
【0030】
封止パネル40は、例えば、有機EL素子11,12を封止する封止基板(図示せず)と、カラーフィルタ(図示せず)とを有している。カラーフィルタは、例えば、封止基板の表面のうち有機EL素子11の光が通過する領域に設けられている。カラーフィルタは、例えば、有機EL素子11R,11G,11Bのそれぞれに対応して、赤色用のフィルタ、緑色用のフィルタおよび青色用のフィルタ(図示せず)を有している。
【0031】
(駆動回路20)
次に、駆動回路20内の各回路について、図1を参照して説明する。タイミング生成回路21は、映像信号処理回路22、信号線駆動回路23、書込線駆動回路24、および電源線駆動回路25が連動して動作するように制御するものである。
【0032】
タイミング生成回路21は、例えば、外部から入力された同期信号20Bに応じて(同期して)、上述した各回路に対して制御信号21Aを出力するようになっている。タイミング生成回路21は、例えば、映像信号処理回路22などと共に、例えば、表示パネル10とは別体の制御回路基板(図示せず)上に形成されている。
【0033】
映像信号処理回路22は、例えば、外部から入力された同期信号20Bに応じて(同期して)、外部から入力された映像信号20Aを補正すると共に、補正した後の映像信号を映像信号22Aとして信号線駆動回路23に出力するものである。映像信号処理回路22は、例えば、図1に示したように、表示調整部26と、信号補正部27とを有している。
【0034】
表示調整部26は、表示領域10Aの縦横比とは異なる縦横比の映像信号20A(第1映像信号)が外部から入力されたときに、以下の信号処理を行うことが可能となっている。例えば、表示領域10Aの縦横比が16:9となっているときに、縦横比が4:3の映像信号20Aが外部から入力されたとする。このとき、表示調整部26は、例えば、図5に示したように、表示領域10Aのうち左右の帯状領域10A−1を黒表示することにより、映像信号20Aの縦横比を表示領域10Aの縦横比に合わせないで映像信号20Aに対応する映像を表示領域10Aのうち帯状領域10A−1を除く領域である中央領域10A−2に表示することが可能となっている。ここで、表示調整部26は、例えば、左右の帯状領域10A−1を黒表示するために、黒階調に対応する映像信号を生成し、この映像信号と、外部から入力された映像信号20Aとを合わせた新たな映像信号26Aを生成し、信号補正部27に出力するようになっている。一方で、表示調整部26は、例えば、表示領域10Aの縦横比と同一の縦横比の映像信号20Aが外部から入力されたときには、上記の信号処理を行わず、外部から入力された映像信号20Aをそのまま、信号補正部27に出力するようになっている。
【0035】
信号補正部27は、表示調整部26から映像信号26Aが入力されたときには、その映像信号26Aに対して、通常行われる補正(例えば、ガンマ補正など)を行ったのち、補正後の映像信号を映像信号22Aとして信号線駆動回路23に出力するようになっている。一方で、信号補正部27は、表示領域10Aのうち、中央領域10A−2と左右の帯状領域10A−1との境界線L1,L2を含む領域に映像を表示する映像信号(第2映像信号)、例えば映像信号20Aが表示調整部26から入力されたときには、以下の信号処理を行うようになっている。すなわち、信号補正部27は、第2映像信号に対して、通常行われる補正(例えば、ガンマ補正など)を行ったのち、補正後の映像信号に対して、例えば、以下に示した「焼き付き補正処理」を行い、焼き付き補正処理後の映像信号27(例えば、後述の映像信号27A,27B,27C,27D)を映像信号22Aとして信号線駆動回路23に出力するようになっている。
【0036】
なお、信号補正部27は、第2映像信号に対して、先に「焼き付き補正処理」を行うようになっていてもよい。すなわち、信号補正部27は、第2映像信号に対して焼き付き補正処理を行ったのち、焼き付き補正処理後の映像信号に対して、通常行われる補正(例えば、ガンマ補正など)を行い、補正後の映像信号を映像信号22Aとして信号線駆動回路23に出力するようになっていてもよい。
【0037】
(焼き付き補正処理)
以下に、焼き付き補正処理について説明する。焼き付き補正処理とは、表示領域10Aの縦横比とは異なる縦横比の映像が表示されたことに起因する焼き付きを低減するための一連の信号処理を指している。
【0038】
まず、信号補正部27は、中央領域10A−2のうち左側の境界線L1と接する帯状の領域α1(図6参照)に配置されたy個の表示画素15に対応する映像信号(映像信号27A)を第2映像信号から抽出する。また、信号補正部27は、中央領域10A−2のうち右側の境界線L2と接する帯状の領域α2(図6参照)に配置されたy個の表示画素15に対応する映像信号(映像信号27B)を第2映像信号から抽出する。さらに、信号補正部27は、左側の帯状領域10A−1のうち境界線L1と接する帯状の領域α3(図6参照)に配置されたy個の表示画素15に対応する映像信号(映像信号27C)を第2映像信号から抽出する。さらに、信号補正部27は、右側の帯状領域10A−1のうち境界線L2と接する帯状の領域α4(図6参照)に配置されたy個の表示画素15に対応する映像信号(映像信号27D)を第2映像信号から抽出する。つまり、信号補正部27は、2次元配置された複数の表示画素15のうち、境界線L1,L2に隣接する4列の画素アレイに対応する映像信号27A,27B,27C,27Dを第2映像信号から抽出する。
【0039】
次に、信号補正部27は、複数のダミー画素18に対する映像信号として映像信号27A,27B,27C,27Dを割り当てたのち、映像信号27A,27B,27C,27Dを映像信号22Aとして信号線駆動回路23に出力する。具体的には、信号補正部27は、複数のダミー画素18のうち、左側の非表示領域10Bに含まれる1列の画素アレイに対して、映像信号27Aを割り当て、その画素アレイに対する映像信号として映像信号27Aを信号線駆動回路23に出力する。また、信号補正部27は、複数のダミー画素18のうち、左側の非表示領域10Bに含まれる別の1列の画素アレイに対して、映像信号27Bを割り当て、その画素アレイに対する映像信号として映像信号27Bを信号線駆動回路23に出力する。また、信号補正部27は、複数のダミー画素18のうち、右側の非表示領域10Bに含まれる1列の画素アレイに対して、映像信号27Cを割り当て、その画素アレイに対する映像信号として映像信号27Cを信号線駆動回路23に出力する。また、信号補正部27は、複数のダミー画素18のうち、右側の非表示領域10Bに含まれる別の1列の画素アレイに対して、映像信号27Dを割り当て、その画素アレイに対する映像信号として映像信号27Dを信号線駆動回路23に出力する。つまり、信号補正部27は、2次元配置された複数の表示画素15のうち、境界線L1,L2に隣接する4列の画素アレイによって表示される映像と同一の映像を、複数のダミー画素18に表示させるようにしている。
【0040】
その後、信号補正部27は、各ダミー画素18の発光輝度に対応する光検出信号を各光センサ19から取得し、その光検出信号を用いて、第2映像信号のうち左右の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。具体的には、信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Cに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加された1列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V1と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Aに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加された1列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V2との差分ΔV1(=V1−V2)導出する。この差分ΔV1は、左側の境界線L1における輝度差に相当する値である。次に、信号補正部27は、差分ΔV1を用いて、第2映像信号のうち左側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。例えば、信号補正部27は、第2映像信号のうち左側の帯状領域10A−1に対応する映像信号から、ΔV1に相当する階調数を削減する。
【0041】
同様にして、信号補正部27は、左側の境界線L1における輝度差に相当する値を導出する。具体的には、信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Dに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加された1列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V3と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Bに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加された1列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V4との差分ΔV2(=V3−V4)導出する。この差分ΔV2は、右側の境界線L2における輝度差に相当する値である。次に、信号補正部27は、差分ΔV2を用いて、第2映像信号のうち右側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。例えば、信号補正部27は、第2映像信号のうち右側の帯状領域10A−1に対応する映像信号から、ΔV2に相当する階調数を削減する。
【0042】
信号線駆動回路23は、映像信号処理回路22から入力された映像信号22Aを、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)各信号線DTLに出力し、これにより、各表示画素15および各ダミー画素18を駆動するものである。信号線駆動回路23は、表示画素15に対応する信号線DTLに対しては、書込線駆動回路24によって選択された一ライン分の表示画素15に対応する信号電圧を出力するようになっている。信号線駆動回路23は、ダミー画素18に対応する信号線DTLに対しては、書込線駆動回路24によって選択された一ライン分の表示画素15のうち、帯状の領域α1〜α4(図6参照)に配置された4個の表示画素15に対応する信号電圧と同一の信号電圧を出力するようになっている。
【0043】
具体的には、信号線駆動回路23は、書込線駆動回路24によって選択された一ライン分の表示画素15のうち、帯状の領域α1に配置された1個の表示画素15に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、左側の非表示領域10B内の1列の画素アレイのうち書込線駆動回路24によって選択された1個のダミー画素18に出力するようになっている。また、信号線駆動回路23は、書込線駆動回路24によって選択された一ライン分の表示画素15のうち、帯状の領域α2に配置された1個の表示画素15に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、右側の非表示領域10B内の1列の画素アレイのうち書込線駆動回路24によって選択された1個のダミー画素18に出力するようになっている。また、信号線駆動回路23は、書込線駆動回路24によって選択された一ライン分の表示画素15のうち、帯状の領域α3に配置された1個の表示画素15に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、左側の非表示領域10B内の別の1列の画素アレイのうち書込線駆動回路24によって選択された1個のダミー画素18に出力するようになっている。また、信号線駆動回路23は、書込線駆動回路24によって選択された一ライン分の表示画素15のうち、帯状の領域α4に配置された1個の表示画素15に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、右側の非表示領域10B内の別の1列の画素アレイのうち書込線駆動回路24によって選択された1個のダミー画素18に出力するようになっている。
【0044】
書込線駆動回路24は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、複数の走査線WSLの中から一の走査線WSLを順次選択するものである。書込線駆動回路24は、例えば、図4に示したように、駆動パネル30の他の辺(短辺)に取り付けられた走査信号供給TAB52に設けられている。
【0045】
電源線駆動回路25は、制御信号21Aの入力に応じて(同期して)、複数の電源線PSLに、図示しない電源回路から供給された電源電圧を順次印加して、有機EL素子11,12の発光および消光を制御するものである。
【0046】
(表示装置1の動作)
次に、本実施の形態の表示装置1の動作の一例について説明する。まず、表示装置1に対して外部から映像信号20Aおよび同期信号20Bが入力される。すると、タイミング生成回路21から駆動回路20内の各回路に対して制御信号21Aが出力され、その制御信号21Aの指示に従って、駆動回路20内の各回路が動作する。具体的には、映像信号処理回路22において映像信号22Aが生成され、生成された映像信号22Aが信号線駆動回路23によって各信号線DTLに出力されると同時に、書込線駆動回路24によって複数の走査線WSLの中から一の走査線WSLが順次選択される。さらに、映像信号処理回路22においてダミー画素18用の映像信号が生成され、生成されたダミー画素18用の映像信号が信号線駆動回路23によってダミー画素18用の各信号線DTLに出力されると同時に、書込線駆動回路24によってダミー画素18用の複数の走査線WSLの中から一の走査線WSLが順次選択される。また、所望の電源電圧が電源線駆動回路25によって複数の電源線PSLに順次印加される。これにより、各表示画素15および各ダミー画素18が駆動され、表示領域10Aに映像が表示される。
【0047】
(表示装置1の効果)
次に、本実施の形態の表示装置1の効果について説明する。本実施の形態では、表示領域10Aの縦横比と異なる縦横比の映像信号20Aが外部から入力され、表示領域10Aのうち左右の帯状領域10A−1が黒表示されたのち、表示領域10Aのうち境界線L1,L2を含む領域に映像を表示する第2映像信号(典型的には、表示領域10Aの縦横比と等しい縦横比の映像信号20A)が外部から入力されたときに、第2映像信号のうち左右の帯状領域10A−1に対応する映像信号が、光センサ19によって検出された境界線L1,L2における輝度差を用いて補正される。これにより、境界線L1,L2における輝度差を小さくすることができるので、表示領域10Aの縦横比とは異なる縦横比の映像が表示されたことに起因する焼き付きを低減することができる。このように、本実施の形態の表示装置1では、簡易なシステムで焼き付きを低減することができる。
【0048】
<変形例>
(第1変形例)
上記実施の形態では、表示領域10Aの左右両側に設けられた双方の非表示領域10Bにおいて、互いに同数のダミー画素18が設けられている場合が例示されていたが、互いの異なる数のダミー画素18が設けられていてもよい。また、上記実施の形態では、表示領域10Aの左右両側に設けられた双方の非表示領域10Bにおいて、ダミー画素18の列の数が等しい場合が例示されていたが、互いに異なっていてもよい。
【0049】
(第2変形例)
また、上記実施の形態では、非表示領域10Bが表示領域10Aの左右両側に設けられていたが、例えば、図7に示したように表示領域10Aの右側だけに設けられていてもよいし、図8に示したように表示領域10Aの左側だけに設けられていてもよい。ただし、それらの場合には、左側の表示領域10Aまたは右側の表示領域10A内に、複数のダミー画素18がy×2nのマトリクスで配置されていることが好ましいが、y×nのマトリクスで配置されていてもよい。
【0050】
左側の表示領域10Aまたは右側の表示領域10A内に、複数のダミー画素18がy×(e+f)(e,fはともに正数)のマトリクスで配置されている場合には、各ダミー画素18には、例えば、以下のようにして信号電圧が印加される。また、第2映像信号のうち左右の帯状領域10A−1に対応する映像信号の補正は、例えば、以下のようにして行われる。
【0051】
信号線駆動回路23は、中央領域10A−2のうち領域α1または領域α2に配置されたe列の画素アレイ(e×y個の表示画素15)に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、非表示領域10B内のe列の画素アレイ(e×y個のダミー画素18)に印加する。また、信号線駆動回路23は、左側の帯状領域10A−1のうち境界線L1と接する領域α3、または右側の帯状領域10A−1のうち境界線L2と接する領域α4に配置されたf列の画素アレイ(f×y個の表示画素15)に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、非表示領域10B内の別のf列の画素アレイ(f×y個のダミー画素18)に印加する。
【0052】
信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Cまたは映像信号27Dに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加されたe列の画素アレイ(e×y個の表示画素15)の発光輝度に対応する光検出信号V5と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Aまたは映像信号27Bに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加されたf列の画素アレイ(f×y個の表示画素15)の発光輝度に対応する光検出信号V6とを用いて、第2映像信号のうち左右両側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。
【0053】
(第3変形例)
また、上記実施の形態では、複数のダミー画素18が垂直方向に列をなして設けられていたが、一列に含まれるダミー画素18の数は、表示領域10Aにおいて一列に含まれる表示画素15の数(y個)と同一でなくてもよく、例えば、図9に示したように、1個であってもよい。
【0054】
(第4変形例)
また、上記実施の形態では、左側の非表示領域10Bおよび右側の非表示領域10Bの双方において、複数のダミー画素18がy×2のマトリクスで配置されている場合、つまり、nが2である場合について説明していたが、nは2に限られるものではなく、4以上の偶数であってもよい。ただし、その場合には、各ダミー画素18には、例えば、以下のようにして信号電圧が印加される。また、第2映像信号のうち左右の帯状領域10A−1に対応する映像信号の補正は、例えば、以下のようにして行われる。
【0055】
信号線駆動回路23は、中央領域10A−2のうち左側の境界線L1と接する領域α1に配置された(n/2)×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、左側の非表示領域10B内の(n/2)×y個のダミー画素18に印加する。また、信号線駆動回路23は、中央領域10A−2のうち右側の境界線L2と接する領域α2に配置された(n/2)×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、右側の非表示領域10B内の(n/2)×y個のダミー画素18に印加する。また、信号線駆動回路23は、左側の帯状領域10A−1のうち左側の境界線L1と接する領域α3に配置された(n/2)×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、左側の非表示領域10B内の別の(n/2)×y個のダミー画素18に印加する。また、信号線駆動回路23は、右側の帯状領域10A−1うち右側の境界線L2と接する領域α4に配置された(n/2)×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、右側の非表示領域10B内の別の(n/2)×y個のダミー画素18に印加する。
【0056】
信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Cに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加された(n/2)列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V1と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Aに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加された(n/2)列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V2とを用いて、第2映像信号のうち左側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。同様にして、信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Dに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加された(n/2)列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V3と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Bに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加された(n/2)列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V4とを用いて、第2映像信号のうち右側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。
【0057】
(第5変形例)
また、上記実施の形態では、左側の非表示領域10Bおよび右側の非表示領域10Bの双方において、複数のダミー画素18がy×2のマトリクスで配置されている場合、つまり、nが2である場合について説明していたが、nは2に限られるものではなく、3以上の正数であってもよい。例えば、左側の非表示領域10B内のダミー画素18の画素数をy×k(k=a+c)、右側の非表示領域10B内のダミー画素18の画素数をy×m(m=b+d)とすると、その場合には、各ダミー画素18には、例えば、以下のようにして信号電圧が印加される。このとき、第2映像信号のうち左右の帯状領域10A−1に対応する映像信号の補正は、例えば、以下のようにして行われる。なお、a,b,c,d,k,mはすべて正数である。
【0058】
信号線駆動回路23は、中央領域10A−2のうち左側の境界線L1と接する領域α1に配置されたa×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、左側の非表示領域10B内のa×y個のダミー画素18に印加する。また、信号線駆動回路23は、中央領域10A−2のうち右側の境界線L2と接する領域α2に配置されたb×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第1信号電圧)と同一の信号電圧(第2信号電圧)を、右側の非表示領域10B内のb×y個のダミー画素18に印加する。また、信号線駆動回路23は、左側の帯状領域10A−1のうち境界線L1と接する領域α3に配置されたc×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、左側の非表示領域10B内の別のc×y個のダミー画素18に印加する。また、信号線駆動回路23は、右側の帯状領域10A−1うち境界線L2と接する領域α4に配置されたd×y個の表示画素15に印加する信号電圧(第3信号電圧)と同一の信号電圧(第4信号電圧)を、右側の非表示領域10B内の別のd×y個のダミー画素18に印加する。
【0059】
信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Cに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加されたc列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V1と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Aに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加されたa列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V2とを用いて、第2映像信号のうち左側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。同様にして、信号補正部27は、まず、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Dに対応する信号電圧(第4信号電圧)が印加されたd列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V3と、複数のダミー画素18のうち、映像信号27Bに対応する信号電圧(第2信号電圧)が印加されたb列の画素アレイの発光輝度に対応する光検出信号V4とを用いて、第2映像信号のうち右側の帯状領域10A−1に対応する映像信号を補正する。
【0060】
(第6変形例)
また、上記実施の形態では、駆動パネル30が、複数の表示画素15と、複数のダミー画素18とが共通の基板(図示せず)上に形成されたものであったが、互いに異なる基板(図示せず)上に形成されたものであってもよい。例えば、図10に示したように、複数の表示画素15がパネル10−1上に形成され、複数のダミー画素18がパネル10−1とは別体のパネル10−2上に形成されていてもよい。
【0061】
<適用例>
以下、上記実施の形態およびその変形例で説明した表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0062】
(適用例1)
図11は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0063】
(適用例2)
図12は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0064】
(適用例3)
図13は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0065】
(適用例4)
図14は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0066】
(適用例5)
図15は、上記実施の形態等の表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【符号の説明】
【0067】
1…表示装置、10…表示パネル、10−1,10−2…パネル、10A…表示領域、10A−1…帯状領域、10A−2…中央領域、10B…非表示領域、11,11R,11G,11B,12,12R,12G,12B…有機EL素子、13,16…画素回路、14,14R,14G,14B,17,17R,17G,17B…サブピクセル、15…表示画素、18…ダミー画素、19…光センサ、20…駆動回路、20A,22A,27A,27B,27C,27D…映像信号、20B…同期信号、21…タイミング生成回路、21A…制御信号、22…映像信号処理回路、23…信号線駆動回路、24…書込線駆動回路、25…電源線駆動回路、26…表示調整部、27…信号補正部、30…駆動パネル、40…封止パネル、51…映像信号供給TAB、52…走査信号供給TAB、53…電源電圧供給TAB、54…光検出信号出力TCP、Cs1,Cs2…保持容量、DTL…信号線、GND…グラウンド線、L1,L2…境界線、PSL…電源線、Tr1,Tr3…駆動トランジスタ、Tr2,Tr4…書き込みトランジスタ、V1,V2,V3,V4,V5,V6…光検出信号、Vel…電圧、WSL…書込線、α1,α2,α3,α4…領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域に2次元配置された複数の表示画素と、非表示領域に配置された複数のダミー画素および前記複数のダミー画素の輝度を検出するセンサとを有する表示部と、
各表示画素および各ダミー画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記駆動部は、
前記表示領域の縦横比とは異なる縦横比の第1映像信号が外部から入力されたときに前記表示領域のうち左右の帯状領域を黒表示することにより前記第1映像信号の縦横比を変更しないで前記第1映像信号に対応する映像を前記表示領域のうち前記帯状領域を除く領域である中央領域に表示することを可能とする表示調整部と、
前記表示領域のうち、前記中央領域と前記左右の帯状領域との境界線を含む領域に映像を表示する第2映像信号が外部から入力されたときに、前記中央領域のうち少なくとも一方の境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第1信号電圧と同一の第2信号電圧を前記複数のダミー画素のうち1または複数の第1ダミー画素に印加すると共に、前記左右の帯状領域の少なくとも一方の領域のうち前記境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第3信号電圧と同一の第4信号電圧を前記複数のダミー画素のうち前記第1ダミー画素とは異なる1または複数の第2ダミー画素に印加し、さらに、前記第2信号電圧が印加されているときの1または複数の第1ダミー画素の輝度と、前記第4信号電圧が印加されているときの1または複数の第2ダミー画素の輝度とを前記センサで検出し、前記第2映像信号のうち前記左右の帯状領域に対応する映像信号を、前記センサの検出信号を用いて補正する信号補正部と
を有する
表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記表示領域の、垂直方向の画素数yの(k+m)倍(k=a+c、m=b+d)の画素数のダミー画素を有し、
前記信号補正部は、前記第2映像信号が外部から入力されたときに、前記中央領域のうち左側の境界線と接する領域に配置されたa×y個の表示画素と、前記中央領域のうち右側の境界線と接する領域に配置されたb×y個の表示画素とに印加する第1信号電圧と同一の第2信号電圧を前記複数のダミー画素のうち(a+b)×y個の第1ダミー画素に印加すると共に、前記左側の帯状領域のうち前記境界線と接する領域に配置されたc×y個の表示画素と、前記右側の帯状領域のうち前記境界線と接する領域に配置されたd×y個の表示画素とに印加する第3信号電圧と同一の第4信号電圧を前記複数のダミー画素のうち前記第1ダミー画素とは異なる(c+d)×y個の第2ダミー画素に印加し、さらに、前記第2信号電圧が印加されているときの(a+b)×y個の第1ダミー画素の輝度と、前記第4信号電圧が印加されているときの(c+d)×y個の第2ダミー画素の輝度とを前記センサで検出し、前記第2映像信号のうち前記左右の帯状領域に対応する映像信号を、前記センサの検出信号を用いて補正する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、少なくとも、前記表示領域の、垂直方向の画素数yの(e+f)倍の画素数のダミー画素を有し、
前記信号補正部は、前記第2映像信号が外部から入力されたときに、前記中央領域のうちいずれか一方の境界線と接する領域に配置されたe×y個の表示画素に印加する第1信号電圧と同一の第2信号電圧を前記複数のダミー画素のうちe×y個の第1ダミー画素に印加すると共に、前記左右の帯状領域のいずれか一方の領域のうち前記境界線と接する領域に配置されたf×y個の表示画素に印加する第3信号電圧と同一の第4信号電圧を前記複数のダミー画素のうち前記第1ダミー画素とは異なるf×y個の第2ダミー画素に印加し、さらに、前記第2信号電圧が印加されているときのe×y個の第1ダミー画素の輝度と、前記第4信号電圧が印加されているときのf×y個の第2ダミー画素の輝度とを前記センサで検出し、前記第2映像信号のうち前記左右の帯状領域に対応する映像信号を、前記センサの検出信号を用いて補正する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記複数の表示画素と、前記複数のダミー画素とが共通の基板上に形成された表示パネルを有する
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示領域に2次元配置された複数の表示画素と、非表示領域に配置された複数のダミー画素および前記複数のダミー画素の輝度を検出するセンサとを有する表示部と、
各表示画素および各ダミー画素を駆動する駆動部と
を備え、
前記駆動部が、前記表示領域の縦横比とは異なる縦横比の第1映像信号が外部から入力されたときに前記表示領域のうち左右の帯状領域を黒表示することにより前記第1映像信号の縦横比を変更しないで前記第1映像信号に対応する映像を前記表示領域のうち前記帯状領域を除く領域である中央領域に表示することが可能な表示装置において、前記表示領域のうち、前記中央領域と前記左右の帯状領域との境界線を含む領域に映像を表示する第2映像信号が外部から入力されたときに、前記中央領域のうち少なくとも一方の境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第1信号電圧と同一の第2信号電圧を前記複数のダミー画素のうち1または複数の第1ダミー画素に印加すると共に、前記左右の帯状領域の少なくとも一方の領域のうち前記境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第3信号電圧と同一の第4信号電圧を前記複数のダミー画素のうち前記第1ダミー画素とは異なる1または複数の第2ダミー画素に印加し、さらに、前記第2信号電圧が印加されているときの1または複数の第1ダミー画素の輝度と、前記第4信号電圧が印加されているときの1または複数の第2ダミー画素の輝度とを前記センサで検出し、前記第2映像信号のうち前記左右の帯状領域に対応する映像信号を、前記センサの検出信号を用いて補正する
表示装置の駆動方法。
【請求項6】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
表示領域に2次元配置された複数の表示画素と、非表示領域に配置された複数のダミー画素および前記複数のダミー画素の輝度を検出するセンサとを有する表示部と、
各表示画素および各ダミー画素を駆動する駆動部と
を有し、
前記駆動部は、
前記表示領域の縦横比とは異なる縦横比の第1映像信号が外部から入力されたときに前記表示領域のうち左右の帯状領域を黒表示することにより前記第1映像信号の縦横比を変更しないで前記第1映像信号に対応する映像を前記表示領域のうち前記帯状領域を除く領域である中央領域に表示することを可能とする表示調整部と、
前記表示領域のうち、前記中央領域と前記左右の帯状領域との境界線を含む領域に映像を表示する第2映像信号が外部から入力されたときに、前記中央領域のうち少なくとも一方の境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第1信号電圧と同一の第2信号電圧を前記複数のダミー画素のうち1または複数の第1ダミー画素に印加すると共に、前記左右の帯状領域の少なくとも一方の領域のうち前記境界線と接する領域に配置された1または複数の表示画素に印加する第3信号電圧と同一の第4信号電圧を前記複数のダミー画素のうち前記第1ダミー画素とは異なる1または複数の第2ダミー画素に印加し、さらに、前記第2信号電圧が印加されているときの1または複数の第1ダミー画素の輝度と、前記第4信号電圧が印加されているときの1または複数の第2ダミー画素の輝度とを前記センサで検出し、前記第2映像信号のうち前記左右の帯状領域に対応する映像信号を、前記センサの検出信号を用いて補正する信号補正部と
を含む
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−128443(P2011−128443A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287967(P2009−287967)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】