説明

表示装置および電子機器

【課題】表示装置の最表面や保護カバーからの反射光を取り除くことが可能になり、ノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善することが可能な表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】表示セル21と、受光素子221を含む受光セル22と、を含み、表示面を所定の輝度をもって照明するバックライト26と、バックライト26に対向して配置され、セル回路および受光素子が形成される第1透明基板(TFT基板)23、TFT基板23と対向して配置される第2透明基板(対向基板)24と、TFT基板23および対向基板24間に配置された液晶層25と、TFT基板23のバックライト26との対向面に形成された第2偏光板28と、第2偏光板28の空気層33との界面に形成された反射防止層29とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画素部や額縁上に受光素子を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置自体に座標入力機能を設けた技術がいくつか提案されている。
具体的には、たとえば、感圧式タッチパネル(特許文献1,2を参照)方式による表示装置や電磁誘導型タッチパネル方式(特許文献3を参照)による表示装置などが知られている。
【0003】
しかし、上記のような座標入力機能付随の表示装置は小型化するのが困難であり、通常の表示装置と比較し、コストが高くなってしまうという問題点があった。
そこで、近年、上記の問題を解決すべく表示装置の各画素に受光素子を設け、受光素子への入射光を検知することにより表示装置内の座標を特定する表示装置の開発が盛んに行われている(特許文献4,5を参照)。
【0004】
上記のように、受光素子を設けることによって表示装置内の座標入力を可能とした装置は、座標入力機能を設けた表示装置と比較し、小型化が可能でコストも低減できるという利点を有するだけでなく、多点座標入力や面積入力も可能である。
【0005】
このように、昨今、光センサ素子を画素中に併せ持つ液晶表示素子の開発が進んでいる。たとえば一画素中に光センサ素子を持つことで、スキャナ機能、タッチパネル機能を通常の液晶モジュール構造で実現することが可能となる。
たとえば、SID2007のSession24にて光センサを各画素にもつタッチパネル機能付きLCDモジュールが報告され、デモンストレーションされている。
このような光センサ素子を液晶表示素子に内蔵する技術は、今後のディスプレイのユーザーインターフェース化には欠かせないものであり将来有望な技術の一つである。
【特許文献1】特開2002-149085号公報
【特許文献2】特開2002-41244号公報
【特許文献3】特開平11-134105号公報
【特許文献4】特開2004-318067号公報
【特許文献5】特開2004-318819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、デジタルカメラ、携帯電話では、LCD表面を、アクリル板やガラス基板のような透明基板で保護することにより強度、デザインを改善する動きがある。
【0007】
しかしながら、光センサ内蔵LCDの上にアクリル板を配置すると、アクリル板の表面にて生じた反射光がノイズとなってしまい、光センサの感度を低下させてしまうという問題がある。
また、アクリル板からだけの反射だけでなく、LCD最表面においてバックライト光が反射し、その反射光がセンサに入ってしまいノイズとなり、センサのS/N比を低下させるという問題がある。
光ノイズの主たる要因は、表示装置の最表面での空気との界面における反射である。
また、表示装置の前面側に保護カバーを配置した際、表示装置から出射した光が保護カバーで反射し、その光が表示装置内部に形成された光センサに入射してしまうことにより、ノイズが増加し、センサのS/N比をさらに低下させるという問題がある。
【0008】
本発明は、表示装置の最表面や保護カバーからの反射光を取り除くことが可能になり、ノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善することが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点の表示装置は、表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、表示面側に光を照射する発光部と、上記発光部の配置領域、上記表示セルと上記受光セルの形成領域より表示装置の前面側に配置される少なくとも一つの透明板と、を有し、表示装置最表面に反射防止層が形成されている。
【0010】
好適には、上記透明板よりさらに前面側に空気層を介して配置される保護用透明基板と、を有し、上記反射防止層は、上記表示装置最表面と、上記保護用透明基板の前面側および背面側の少なくとも一方の面に形成されている。
【0011】
好適には、上記透明板よりさらに前面側に充填層を介して配置される保護用透明基板と、を有し、上記反射防止層は、保護用透明基板の空気層との界面に形成されている。
【0012】
好適には、上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する。
【0013】
本発明の第2の観点の表示装置は、表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、表示面を所定の輝度をもって照明するバックライトと、上記表示セルおよび受光素子が形成される第1透明基板と、上記第1透明基板と対向して配置される第2透明基板と、上記第1透明基板と上記第2透明基板間に配置された液晶層と、上記第1透明基板のバックライトとの対向面に形成された第1偏光板と、上記第2透明基板の前面側に形成された第2偏光板と、を有し、表示装置最表面である上記第2偏光板に反射防止層が形成されている。
【0014】
本発明の第3の観点は、表示装置を有する電子機器であって、上記表示装置は、表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、表示面側に光を照射する発光部と、上記発光部の配置領域、上記表示セルと上記受光セルの形成領域より表示装置の前面側に配置される少なくとも一つの透明板と、を有し、表示装置最表面に反射防止層が形成されている。
【0015】
本発明の第4の観点は、表示装置を有する電子機器であって、上記表示装置は、表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、表示面を所定の輝度をもって照明するバックライトと、上記表示セルおよび受光素子が形成される第1透明基板と、上記第1透明基板と対向して配置される第2透明基板と、上記第1透明基板と上記第2透明基板間に配置された液晶層と、上記第1透明基板のバックライトとの対向面に形成された第1偏光板と、上記第2透明基板の前面側に形成された第2偏光板と、を有し、表示装置最表面である上記第2偏光板に反射防止層が形成されている。
【0016】
本発明によれば、たとえば発光部からの光は、反射防止層に入射するが、入射光の波長域に対して最適化した反射防止処理が施されていることから、表示装置の最表面からの反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示装置の最表面並びに前面側に配置される保護カバーからの反射光を取り除くことができる。その結果、ノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
【0019】
以下の説明においては、まず、理解を容易にするために表示画素ごとに受光素子を備えた液晶画像表示装置の基本的な構成および機能を説明した後、具体的な構造に係る実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る表示セルおよび受光セルの基本構成例を示す回路図である。
図2においては、表示セルと受光セルが隣接させて示されている。
【0021】
液晶画像表示装置1は、図1に示すように、有効画素領域部2、垂直駆動回路(VDRV)3、水平駆動回路(HDRV)4、受光制御回路(RCTL)5、および受光信号処理回路(RSPRC)6を有している。
【0022】
有効画素領域部2は、表示画素を形成する表示回路210を含む複数の表示セル21がマトリクス状に配列されている。
また、有効画素領域部2またはその隣接領域には、受光セル22が配置される。受光セル22は、複数画素に対して、一つの受光セルを配置する構成でも構わないし、受光セルはRGBそれぞれに対し一つずつが配置されていても構わないし、一画素に対して受光セルが一つ配置されていても構わない。
本発明を適用する場合の表示装置内の受光素子配置は特に言及しないものとする。
このように、本発明を受光セル内蔵の表示装置に適用することにより、ノイズの影響の少ない受光信号を後処理で用いることが可能となり、また、表示側信号の撮像側信号への混入を防ぎつつ、受光(撮像)を行うことが可能となる。
【0023】
本実施形態においては、基本的に、表示装置の最表面に反射防止層を配置することにより表示装置の最表面並びに前面側に配置される保護カバーからの反射光を取り除くことが可能になり、センサのS/N比を改善することができるように構成されている。
このデバイス構造については、後で詳述する。
【0024】
各表示セル21における表示回路210は、図2に示すように、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)211と、液晶セル(LC)212と、保持容量(Cs)213とを有する。
液晶セル(LC)212は、画素電極を有し、この画素電極がTFT211のドレイン電極(またはソース電極)に画素電極が接続されている。保持容量(Cs)は一方の電極がTFT211のドレイン電極に接続されている。
【0025】
これら表示セル21の各々に対して、走査線(ゲート線)7−1〜7−mが各行ごとにその画素配列方向に沿って配線され、信号線8−1〜8−nが列ごとにその画素配列方向に沿って配線されている。
そして、各表示セル21のTFT211のゲート電極は、各行単位で同一の走査線(ゲート線)7−1〜7−mにそれぞれ接続されている。また、各表示セル21のTFT211のソース電極(または、ドレイン電極)は、各列単位で同一の表示信号線8−1〜8−nに各々接続されている。
【0026】
図2の構成においては、走査線7−1〜7−mは垂直駆動回路3に接続されて、この垂直駆動回路3により駆動される。
また、表示セル21に対応して配線された表示信号線8−1〜8−nは水平駆動回路4に接続され、この水平駆動回路4により駆動される。
【0027】
さらに、一般的な液晶表示装置においては、画素保持容量配線(Cs)9−1〜9−mが独立に配線され、この画素保持容量配線9−1〜9−mと接続電極との間に保持容量213が形成されている。
そして、各画素部20の表示セル21の液晶セル212の対向電極および/または保持容量213の他方の電極には、コモン配線(共通配線)を通してたとえば所定の直流電圧がコモン電圧VCOMとして与えられる。
あるいは、各表示セル21の液晶セル212の対向電極および保持容量213の他方の電極には、たとえば1水平走査期間(1H)毎に極性が反転するコモン電圧VCOMが与えられる。
【0028】
また、有効画素領域部2においては、受光セル22に対応して受光信号線10が配線されている。
受光信号線10は、受光信号処理回路6に接続され、受光制御回路5の制御の下に読み出される信号を受光信号処理回路6に伝搬する。
【0029】
垂直駆動回路3は、垂直スタート信号VST、垂直クロックVCK、イネーブル信号ENBを受けて、1フィールド期間ごとに垂直方向(列方向)に走査して走査線7−1〜7−mに接続された各表示セル21を行単位で順次選択する処理を行う。
すなわち、垂直駆動回路3から走査線7−1に対して走査パルスSP1が与えられたときには第1行目の各列の画素が選択され、走査線7−2に対して走査パルスSP2が与えられたときには第2行目の各列の画素が選択される。以下同様にして、走査線7−3,…,7−mに対して走査パルスSP3,…,SPmが順に与えられる。
【0030】
水平駆動回路4は、図示しないクロックジェネレータにより生成された水平走査の開始を指令する水平スタートパルスHST、水平走査の基準となる互いに逆相の水平クロックHCKを受けてサンプリングパルスを生成する。
水平駆動回路4は、入力される画像データR(赤)、G(緑)、B(青)を、生成したサンプリングパルスに応答して順次サンプリングして、各表示セル21に書き込むベきデータ信号として各表示信号線8−1〜8−nに供給する。
【0031】
また、受光セル22に対して、第1の受光セル制御線(リセット信号線)11、および第2の受光セル制御線(読み出し信号線)12がその画素配列方向に沿って配線されている。
また、受光セル22は、電源電位源VDDおよび基準電位源VSSに接続される。
【0032】
本実施形態の受光セル22は、図2に示すように、受光素子(光センサ)221、リセットTFT222、増幅TFT223、選択(読み出し)TFT224、受光信号蓄積容量(キャパシタ)225、およびノードND221を有している。
受光素子221は、TFT、ダイオード等により形成される。
また、受光セル22の読み出し回路220(230)は、リセットTFT222、増幅TFT223、選択(読み出し)TFT224、キャパシタ225、およびノードND221を有している。
【0033】
受光素子221は電源電位源VDDとノードND221との間に接続されている。リセットTFT222は、たとえばnチャネルトランジスタにより形成され、そのソースが基準電位源VSS(たとえばグランドGND)に接続され、ドレインがノードND221に接続されている。そして、リセットTFT222のゲート電極が対応する行に配線された第1の受光セル制御線11に接続されている。
増幅TFT223のゲートがノードND221に接続され、ドレインが電源電位源VDDに接続され、ソースが選択TFT224のドレインに接続されている。選択TFT224のゲートが第2の受光セル制御線12に接続され、ソースが対応する列に配線された受光信号線10に接続されている。
この増幅TFT223と選択TFT224により、いわゆるソースフォロワが形成されている。したがって、受光信号線10には電流源が接続される。この電流源は、本実施形態においては、たとえば受光信号処理回路6に形成される。
また、キャパシタ(受光信号蓄積容量)225がノードND221と基準電位源VSSとの間に接続されている。
【0034】
第1の受光セル制御線11と第2の受信セル制御線12は受光制御回路5に接続されている。
受光制御回路5は、所定のタイミングでリセットパルスRSTを第1の受光セル制御線11に印加する。
これにより、受光セル22のリセット用TFT222が一定期間オンし、ノードND221がリセットされる。換言すれば、受光セル22は、たとえばノードND221に接続された受光信号蓄積容量の電荷が放電されて、ノードND221の電位が基準電位にセットされ、受光セル22が初期の状態となる。
この状態で受光素子221が所定の光量を受光すると、受光素子221が導通し、ノードND221の電位が上昇し、キャパシタ(受光信号蓄積容量)225に電荷が蓄積される。
このとき、受光制御回路5により読み出し信号RDがハイレベルで第2の受光セル制御線12に印加されて選択TFT224がオン状態に保持される。これにより、キャパシタ225の蓄積された電荷が電気信号として増幅TFT223で増幅され、選択TFT224を介して受光信号として受光信号配線10に出力される。
そして、受光信号配線10を伝搬された信号は受光信号処理回路6に入力される。
【0035】
受光信号処理回路6は、たとえば受光セル22による信号と図示しない別途配置される参照セルによる信号との差分信号処理によりノイズ除去処理を行う。受光信号処理回路6は、ノイズ除去処理を行った後、入力した受光セル22の受光信号に応答した所定の機能部の制御を行う後段の図示しない信号処理系に出力する。
【0036】
なお、本実施形態においては、図3に示すように、検出対象物のバックライト光からの反射光を利用して、タッチパネル・イメージセンサ等を実現する検出システムとして構成された場合を例に説明する。
【0037】
本実施形態においては、以上のような構成を有する光センサ内蔵入力機能一体型表示装置は、基本的に、表示装置の最表面に反射防止層が形成される。
この反射防止層は、バックライト光源のスペクトルが存在する波長域を反射防止することが可能である。
また、表示装置の前面側に保護カバーを、空気層を介して配置した際、表示装置の最表面と保護カバーの少なくとも片面に反射防止層が形成される。
この場合も、反射防止層はバックライト光源のスペクトルが存在する波長域を反射防止することが可能である。
また、表示装置の前面側に充填層を介して保護カバーと表示装置を接着して配置した際、保護カバーの最表面に反射防止層が形成される。
この場合も、反射防止層はバックライト光源のスペクトルが存在する波長域を反射防止することが可能である。
【0038】
また、検出光に赤外線を用いる場合、表示装置から発光した赤外線波長帯以外の赤外線はノイズとなる。そこで、本実施形態においては、発光部のスペクトルの存在しない波長域を入射防止する構成を採用している。
この発光部のスペクトルの存在しない波長域を入射防止することにより、耐外光特性(動作可能環境)を広げることが可能となる。
後で具体的に説明するように、本実施形態においては、表示装置内に「発光部からの光のうち検出に用いられる検出光のスペクトルが存在しない波長領域の光の入射を防ぐ」フィルタを配置する。
このフィルタは、たとえば光素子221の上部に配置され、可視光カットフィルタとして形成される。そして、このフィルタは、例えば検出光である赤外線波長帯の光を選択的に透過させる特性を有していれば、受光素子221に対する発光部以外からの光の入射も防ぐように構成してもよい。
また、このフィルタは、検出光のスペクトルが存在しない波長領域の入射光を、検出光の波長領域の入射光に比べて減衰させる特性を有し、検出光のスペクトルが存在しない波長領域の光の受光素子221に対する入射を防いでいる。
【0039】
以下に、液晶表示装置(LCD)モジュールの具体的なデバイス構造の実施形態について説明する。
【0040】
<第1実施形態>
図4は、本第1の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【0041】
受光セル22は、図4に示すように、透明絶縁基板(たとえばガラス基板)により形成されたTFT基板23の基面231側に形成されている。受光セル22は、上述したように、読み出し回路および受光素子(光センサ)221により構成されている。
そして、TFT基板23と対向透明絶縁基板(たとえばガラス基板)により形成された対向基板24との間に液晶層25が封入されている。また、たとえばTFT基板23の底面232側にバックライト26が配置されている。
また、このTFT基板23の底面232には背面側(下部側)の第1偏光板27が形成され、対向基板24の前面241に前面側(上部側)の第2偏光板28が形成されている。
前面側(上部側)の第2偏光板28の前面側に反射防止層29が形成されている。
受光素子(光センサ)221等は、たとえばLTPS(低温ポリシリコン)により形成される。
【0042】
図5は、受光セルの光センサ(受光素子)をTFTにより形成した構造例を示す断面図である。
【0043】
透明絶縁基板、たとえばガラス基板により形成されるTFT基板23上にゲート絶縁膜301で覆われたゲート電極302が形成されている。ゲート電極302は、たとえばモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)などの金属または合金をスパッタリングなどの方法で成膜して形成される。
ゲート絶縁膜301上に半導体膜(チャネル形成領域)303、並びに半導体膜303を挟んで一対のn―拡散層(LDD領域)304,305、n+拡散層306,307(ソース、ドレイン領域)が形成されている。
さらに、ゲート絶縁膜301、半導体層(チャネル形成領域)303、n―拡散層(LDD領域)304,305、n+拡散層306,307(ソース、ドレイン領域)を覆うように層間絶縁膜308が形成されている。さらに、層間絶縁膜308を覆うように層間絶縁膜309が形成されている。層間絶縁膜309は、たとえばSiN、SiO等により形成される。
一方のn+拡散層306には、層間絶縁膜308,309に形成されたコンタクトホール310aを介してソース電極311が接続される。他方のn+拡散層307には、層間絶縁膜308,309に形成されたコンタクトホール310bを介してドレイン電極312が接続される。
ソース電極311およびドレイン電極312は、たとえばアルミニウム(Al)をパターニングして形成される。
層間絶縁膜309、ソース電極311、ドレイン電極312、層間絶縁膜309上に平坦化膜313が形成されている。
そして、この平坦化膜313上に液晶層25が形成される。
【0044】
この構成において、ボトムゲート型TFTのゲート電極がバックライト光のTFTのチャネル領域への光路上に形成されている。したがって、TFTゲート電極が、バックライト26からの光を遮光する機能を有し、ノイズ光を低減する機能を有している。
【0045】
ここでは、光センサとしてはTFTの光リーク効果を利用した例を示しているが、光センサはポリシリコンTFTに限らず、アモルファスシリコンTFT、マイクロシリコンTFTなどでもよい。また素子の構成はPINだけでなく、PN、PDN(Photo sensitive doped layer : P-doped-N)・・・などその他の同様の効果を示すものにも適用可能である。また、トップゲートであるかボトムゲートであるかは問わない。
【0046】
次に、上記のデバイス構造における透明保護カバー−空気界面からの反射光の除去機能について考察する。
【0047】
図6は、第1の実施形態で使用したバックライト光のスペクトルを示す図である。
図7は、第1の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
図8(A)〜(D)は、第1の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【0048】
この第1の実施形態においては、図6に示すように、バックライトが可視光域の光を照射し、反射防止層29は、図7に示すように、可視光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されている。
【0049】
可視光バックライトに対して最適化した反射防止層29は、たとえば図8(D)に示すように、TiO2等の高屈折率層291を、SiO等の低屈折率層292−1,292−2で挟んだ多層構造を有する。
【0050】
反射防止層29は、第2偏光板28の前面側となる面に、SiO等の低屈折率層292−1が形成され、低屈折率層292−1上にTiO等の高屈折率層291が形成され、この高屈折率層291上にSiO等の低屈折率層292−2が形成されて構成される。
【0051】
このような構成において、バックライト26による可視光域の光は、第1偏光板27によりある一方向に振動する直線偏向光となり液晶層25を通過する。その際、液晶層25に印加する電圧により液晶層25の位相差が変化する。
これにより、液晶層25を通過した光が第2偏光板28で吸収されるときと、されないときが発生し、表示を行うことができる。
第2偏光板28を通過した光は反射防止層29に入射するが、上述したように可視光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されていることから、表示装置の最表面からの反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0052】
図9は、第1の実施形態のように防止反射層を配置した場合と配置しない場合のノイズ量の変化を示す図である。
図9から明らかなように、反射防止層を配置した方が、ノイズ量が大幅に低減されている。
【0053】
<第2実施形態>
図10は、本第2の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【0054】
図11は、第2の実施形態で使用したバックライト光のスペクトルを示す図である。
図12は、第2の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
図13(A),(B)は、第2の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【0055】
この第2の実施形態においては、図11に示すように、バックライト26Aが可視域と赤外域の光を照射し、反射防止層29Aは、図12に示すように、可視域から赤外域の光まで最適化した反射防止処理が施されている。赤外域は波長が700nm以上とする。
【0056】
可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止層29Aは、たとえば図13(B)に示すように、MgF等の偏光板より低屈折率層292−3の単層構造を有する。
【0057】
反射防止層29Aは、第2偏光板28の前面側となる面に、第2偏光板28より低屈折率のMgF2等の低屈折率層292−3が形成されて構成される。
【0058】
このような構成において、第2偏光板28を通過した光は反射防止層29Aに入射するが、上述したように可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されていることから、表示装置の最表面からの反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0059】
図14は、第2の実施形態のように防止反射層を配置した場合と配置しない場合のノイズ量の変化を示す図である。
図14から明らかなように、反射防止層を配置した方が、ノイズ量が低減されている。
【0060】
なお、検出光に赤外線を用いる場合、表示装置から発光した赤外線波長帯以外の赤外線はノイズとなる。
そこで、本実施形態においては、発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止する構成を採用する。ここにおいて、反射防止層は発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射光を、発光部のスペクトルの存在する波長領域の入射光に比べて減衰させる特性を有し、発光部のスペクトルの存在しない波長域の光の表示装置内への入射を防いでいる。この具体的な実施形態としては、第7、第8、第9、および第10の実施形態として後で述べる。
【0061】
<第3実施形態>
図15は、本第3の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
図16は、第3の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
図17(A)〜(D)は、第3の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【0062】
本第3の実施形態においては、偏光板28の前面側には充填層30を介して透明の保護カバー(前面側透明基板)31が配置され、保護カバー31の前面側の空気層との界面に反射防止層32が配置されている。
【0063】
この第3の実施形態においては、図6に示すように、バックライトが可視光域の光を照射し、反射防止層32は、図16に示すように、可視光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されている。
【0064】
可視光バックライトに対して最適化した反射防止層32は、たとえば図17(D)に示すように、TiO等の高屈折率層321を、SiO等の低屈折率層322−1,322−2で挟んだ多層構造を有する。
【0065】
反射防止層32は、保護カバー31の前面側となる面に、SiO等の低屈折率層322−1が形成され、低屈折率層322−1上にTiO等の高屈折率層321が形成され、この高屈折率層321上にSiO等の低屈折率層322−2が形成されて構成される。
【0066】
このような構成において、バックライト26による可視光域の光は、第1偏光板27によりある一方向に振動する直線偏向光となり液晶層25を通過する。その際、液晶層25に印加する電圧により液晶層25の位相差が変化する。
これにより、液晶層25を通過した光が第2偏光板28で吸収されるときと、されないときが発生し、表示を行うことができる。
第2偏光板28、充填層30、保護カバー31を通過した光は反射防止層32に入射するが、上述したように可視光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されていることから、表示装置の最表面からの反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0067】
<第4実施形態>
図18は、本第4の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
図19は、第4の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
図20(A),(B)は、第4の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【0068】
この第4の実施形態においては、図11に示すように、バックライト26Aが可視域と赤外域の光を照射し、反射防止層32Aは、図19に示すように、可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されている。
【0069】
可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止層32Aは、たとえば図20(B)に示すように、MgF等の偏光板より低屈折率層322−3の単層構造を有する。
【0070】
反射防止層32Aは、保護カバー31の前面側となる面に、保護カバー31より低屈折率のMgF2等の低屈折率層322−3が形成されて構成される。
【0071】
このような構成において、保護カバー31を通過した光は反射防止層32Aに入射するが、上述したように可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されていることから、表示装置の最表面からの反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0072】
<第5実施形態>
図21は、本第5の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
図22は、第5の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
図23(A)〜(D)は、第5の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【0073】
本第5の実施形態においては、偏光板28の前面側には充填層30を設けずに、空気層33を介して透明の保護カバー(前面側透明基板)31が配置されている。
そして、保護カバー31の前面側と背面側の空気層との界面に反射防止層32B−1,32B−2が配置され、かつ、第2偏光板28の前面側と空気層33との界面に第1の実施形態と同様の反射防止層29Bが配置されている。
【0074】
この第5の実施形態においては、図6に示すように、バックライトが可視光域の光を照射し、反射防止層29Bおよび反射防止層32B−1,32B−2は、図22に示すように、可視光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されている。
【0075】
可視光バックライトに対して最適化した反射防止層29Bは、図8の場合と同様に、図23(D)に示すように、TiO等の高屈折率層291Bを、SiO等の低屈折率層292B−1,292B−2で挟んだ多層構造を有する。
【0076】
反射防止層29Bは、第2偏光板28の前面側となる面に、SiO等の低屈折率層292B−1が形成される。そして、低屈折率層292B−1上にTiO等の高屈折率層291Bが形成され、この高屈折率層291B上にSiO等の低屈折率層292B−2が形成されて構成される。
【0077】
同様に、可視光バックライトに対して最適化した反射防止層32B−1は、図17の場合と同様に、図23(D)に示すように、TiO等の高屈折率層321B−11を、SiO等の低屈折率層322B−11,322B−12で挟んだ多層構造を有する。
【0078】
反射防止層32B−1は、保護カバー31の前面側となる面に、SiO等の低屈折率層322B−11が形成され、低屈折率層322B−11上にTiO等の高屈折率層321B−11が形成され、この高屈折率層321B−11上にSiO等の低屈折率層322B−12が形成されて構成される。
【0079】
反射防止層29Bは、第2偏光板28の前面側となる面に、SiO等の低屈折率層292B−1が形成され、低屈折率層292B−1上にTiO等の高屈折率層291Bが形成され、この高屈折率層291B上にSiO等の低屈折率層292B−2が形成されて構成される。
【0080】
同様に、可視光バックライトに対して最適化した反射防止層32B−2は、図17の場合と同様に、図23(D)に示すように、TiO2等の高屈折率層321B−21を、SiO2等の低屈折率層322B−21,322B−22で挟んだ多層構造を有する。
【0081】
反射防止層32B−2は、保護カバー31の背面側となる面に、SiO等の低屈折率層322B−21が形成され、低屈折率層322B−21上にTiO等の高屈折率層321B−21が形成され、この高屈折率層321B−21上にSiO等の低屈折率層322B−22が形成されて構成される。
【0082】
このような構成において、バックライト26による可視光域の光は、第1偏光板27によりある一方向に振動する直線偏向光となり液晶層25を通過する。その際、液晶層25に印加する電圧により液晶層25の位相差が変化する。
これにより、液晶層25を通過した光が第2偏光板28で吸収されるときと、されないときが発生し、表示を行うことができる。
第2偏光板28、充填層30、保護カバー31を通過した光は反射防止層29B、32B−2,32B−1に入射するが、上述したように可視光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されていることから、反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0083】
<第6実施形態>
図24は、本第6の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
図25は、第6の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
図26(A),(B)は、第6の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【0084】
第6の実施形態においては、図11に示すように、バックライト26Aが可視域と赤外域の光を照射し、反射防止層29C,32C−1,32C−2は、図25に示すように、可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されている。
【0085】
可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止層29Cは、たとえば図26(B)に示すように、MgF2等の偏光板より低屈折率層292C−3の単層構造を有する。
【0086】
反射防止層29Cは、第2偏光板28の前面側となる面に、第2偏光板28より低屈折率のMgF2等の低屈折率層292C−3が形成されて構成される。
【0087】
可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止層32C−1は、たとえば図26(B)に示すように、MgF2等の偏光板より低屈折率層322C−31の単層構造を有する。
【0088】
反射防止層32C−1は、保護カバー31の前面側となる面に、保護カバー31より低屈折率のMgF2等の低屈折率層322C−31が形成されて構成される。
【0089】
可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止層32C−2は、たとえば図26(B)に示すように、MgF等の偏光板より低屈折率層322C−32の単層構造を有する。
【0090】
同様に、反射防止層32C−2は、保護カバー31の背面側となる面に、保護カバー31より低屈折率のMgF等の低屈折率層322C−32が形成されて構成される。
【0091】
このような構成において、第2偏光板28を通過した比較は反射防止層29Cに入射し、空気層33を通過した光は反射防止層32C−2に入射し、保護カバー31を通過した光は反射防止層32C−1に入射する。この場合、上述したように可視光バックライトと赤外光バックライトに対して最適化した反射防止処理が施されていることから、表示装置の最表面からの反射光が取り除かれる。
その結果、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0092】
次に、発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止する構成を採用することにより、耐外光特性(動作可能環境)を広げることが可能な受光セルの実施形態について説明する。
【0093】
<第7実施形態>
図27は、本第7の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
図28は、第7の実施形態で使用した赤外線バックライト光のスペクトルを示す図である。
【0094】
本第7の実施形態に係る液晶表示装置1Fは、第1〜第6の実施形態に対して、デバイス構造をより詳細に示している。
TFT基板23上に形成される絶縁膜等は、図5と同一の構成部分は同一符号をもって示し、光センサは受光素子221として示してある。
ただし、TFT基板23において、平坦化膜313上には、ITO等の共通透明電極314が形成され、透明電極314上にSiO等の絶縁膜315が形成され、絶縁膜315上に画素電極316が形成されている。そして、画素電極316を覆うように配向膜317が形成されている。
【0095】
また、対向基板24の主面241側には、表示セル21の領域に対応してR(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタCFR、CFG、CFBが並列して形成されている。
これらのカラーフィルタCFR1、CFG1、CFB1に並列した受光セル22への対向領域にRのカラーフィルタCFR2とBのカラーフィルタCFB2が積層されて可視光カットフィルタ41が形成されている。
そして、これらのカラーフィルタCFR1、CFG1、CFB1、CFR2およびCFB2を覆うように平坦化膜321が形成され、この平坦化膜321上に配向膜322が形成されている。
そして、配向膜317と322との間に液晶層25が形成されている。
【0096】
本第7の実施形態に係る液晶表示装置1Fは、図11および図27に示すように、バックライト26Aが可視域と赤外域の光を照射する。
液晶表示装置1Fは、反射防止層として、偏光板28の最表面に反射防止層として赤外光(赤外線)カット層40が形成されている。
図28に示すように、赤外線バックライト光は、波長850nmにピークを持つ。そして、900nm以上の赤外線はノイズとなるので、赤光線カット層40は、ノイズとなるたとえば900nm以上の遠赤外線をカットする機能を有し、ノイズとなる赤外線の光センサ221への入射を防ぐ。
また、本第7の実施形態の液晶表示装置1Fは、外部からの可視光の光センサへの入射を防ぐために、内部に可視光カットフィルタ41が配置されている。
【0097】
赤外光カット層40は、たとえば誘電体多層膜あるいは赤外吸収色素膜により形成することが可能である。
【0098】
図29は、赤外光カット層を誘電体多層膜で形成した場合の波長に対する透過率特性を示す図である。
【0099】
図29に示すように、誘電多層膜を赤外光カット層40として配置することにより、発光部のスペクトルは透過し、外光に含まれる発光部以外のスペクトルの光を反射し、入射を防ぐことができる。
【0100】
図30は、赤外光カット層を赤外吸収色素膜で形成した場合の波長に対する透過率特性を示す図である。
【0101】
図30に示すように、赤外吸収色素を、赤外光線カット層40として配置することにより、発光部のスペクトルは透過し、外光に含まれる発光部以外のスペクトルの光を吸収し、入射を防ぐことができる。
【0102】
図31(A),(B)は、本第7の実施形態により効果が期待できる外光スペクトルの例を示す図である。
図31(A)は太陽光スペクトルを示し、図31(B)は白熱灯スペクトルを示す。
図示のように、太陽光、白熱灯では波長900nm以上の光が大量に含まれていることが分かる。
したがって、本実施形態の赤外光カット層40は、波長900nm以上の光が大量に含まれている太陽光、白熱灯等の外光に対して、十分な遮光機能を発現することができる。
【0103】
図31(A)の太陽光スペクトルは、日本太陽エネルギー学会編「太陽エネルギー読本」10頁[村井潔三](オーム社1975)から引用した。
【0104】
また、可視光カットフィルタ41は、前述したように、RのカラーフィルタCFR2とBのカラーフィルタCFB2が積層されてRBフィルタとして形成される。
あるいは、さらに、GのカラーフィルタCFG2を用い3層構造としてRGBフィルタとして形成される。
【0105】
図32(A),(B)は、可視光カットフィルタ透過スペクトルを示す図である。
図32(A)がRBフィルタの特性を示し、図32(B)がRGBフィルタの特性を示
している。
【0106】
図示のように、可視光カットフィルタは、表示装置内にカラーフィルタを重ねて配置することにより良好な可視光カット機能を発現させることができる。
【0107】
本第7の実施形態によれば、検出光に赤外線を用いる場合であっても、発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止することができ、耐外光特性(動作可能環境)を広げることが可能となる。
そして、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善さる。
【0108】
<第8実施形態>
図33は、本第8の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【0109】
本第8の実施形態の液晶表示装置1Gが第7の実施形態の液晶表示装置1Fと異なる点は、偏光板28の前面側には充填層30を介して透明の保護カバー31が配置され、保護カバー31の前面側の空気層との界面に赤外光線カット層40が配置されていることにある。
【0110】
本第8の実施形態によれば、検出光に赤外線を用いる場合であっても、発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止することができ、耐外光特性(動作可能環境)を広げることが可能となる。
そして、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0111】
<第9実施形態>
図34は、本第9の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【0112】
本第9の実施形態の液晶表示装置1Hが第7の実施形態の液晶表示装置1Fと異なる点は、次のとおりである。
本第9の実施形態においては、偏光板28の前面側には充填層30を設けずに、空気層33を介して透明の保護カバー(前面側透明基板)31が配置されている。
そして、保護カバー31の前面側と背面側の空気層との界面に赤外光(線)カット層40A−1,40A−2が配置され、かつ、第2偏光板28の前面側と空気層33との界面に第7の実施形態と同様の赤外光(線)カット層40が配置されている。
【0113】
本第9の実施形態によれば、検出光に赤外線を用いる場合であっても、発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止することができ、耐外光特性(動作可能環境)を広げることが可能となる。
そして、光センサのノイズによる影響を小さくでき、受光システムのS/N比を改善される。
【0114】
<第10実施形態>
図35は、本第10の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【0115】
本第10の実施形態の液晶表示装置1Iが第7の実施形態の液晶表示装置1Fと異なる点は、表示装置内に赤外光(線)カット層40Bを配置したことにある。
本例では、可視光カットフィルタ41の背面側に赤外光(線)カット層40Bが積層されている。
【0116】
たとえば、赤外線吸収色素をレジストと混合し、フォトリソグラフィー工程でパターニングを可能とした際、赤外線吸収色素を表示装置内に配置することが可能となる。
本第10の実施形態では、光センサ部のみ赤外線吸収色素を配置することにより、外光に含まれる発光部以外のスペクトルの光を吸収し、入射を防ぐことができる。
【0117】
以上のように、第7から第10の実施形態によれば、発光部のスペクトル以外の光を遮断(反射あるいは吸収)することにより、センサに入射するノイズを低減させることが可能となり、その結果耐外光性能が向上し、明るい環境下でも動作可能となる。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶表示装置は、表示回路210を有する複数の表示セル21と、受光素子221を含む受光セル22と、表示面を所定の輝度をもって照明するバックライト26と、を有する。
液晶表示装置は、バックライト26に対向して配置され、セル回路および受光素子が形成される第1透明基板(TFT基板)23、TFT基板23と対向して配置される第2透明基板(対向基板)24と、を有する。
さらに、液晶表示装置は、TFT基板23および対向基板24間に配置された液晶層25と、TFT基板23のバックライト26との対向面に形成された第2偏光板28と、第2偏光板28の空気層33との界面に形成された反射防止層29とを有する。
あるいは、空気層の代わりに配置される屈折率が1より大きい充填層30と、透明保護カバー31の前面側の空気層との界面に形成された反射防止層32Aとを有する。
あるいは第2偏光板28の前面側、および透明保護カバー31の空気層33との界面に反射防止層29C、32C−1,32C−2と、とを有する。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0119】
すなわち、光センサを有する入力機能一体型表示装置の最表面からの反射光を取り除くことが可能になり、S/N比を改善することができる。
また、本実施形態では、可視光域に対応した反射防止層、赤外域に対応した反射防止層をそれぞれ最適化することにより、S/N比を向上させることができる。
また、保護カバーを配置、接着した際にも、最表面を反射防止処理することによっても反射光を取り除くことができる。
また、発光部のスペクトル以外の光を遮断(反射あるいは吸収)することにより、センサに入射するノイズを低減させることが可能となり、その結果耐外光性能が向上し、明るい環境下でも動作可能となる。
【0120】
本実施形態に係る表示装置は、図36に示すようにフラット型のモジュール形状のものを含む。
たとえば絶縁性の基板22上に、液晶素子、薄膜トランジスタ、薄膜容量、受光素子等からなる画素をマトリックス状に集積形成した画素アレイ部を設け、この画素アレイ部(画素マトリックス部)を囲むように接着剤を配し、ガラス等の対向基板を貼り付けて表示モジュールとする。
この透明な対向基板24には必要に応じて、カラーフィルタ、保護膜、遮光膜等を設けてもよい。表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するためのコネクタCNTとしてたとえばFPC(フレキシブルプリントサーキット)を設けてもよい。
【0121】
以上説明した本実施形態に係る表示装置は、図37〜図41に示す様々な電子機器、たとえば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
以下に、本実施形態が適用される電子機器の一例について説明する。
【0122】
図37は、本実施形態が適用されるテレビジョンを示す斜視図である。
本適用例に係るテレビジョン500は、フロントパネル520やフィルターガラス530等から構成される映像表示画面部510を含み、その映像表示画面部510として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0123】
図38は、本実施形態が適用されるデジタルカメラを示す斜視図であり、図38(A)は表側から見た斜視図、図38(B)は裏側から見た斜視図である。
本適用例に係るデジタルカメラ500Aは、フラッシュ用の発光部511、表示部512、メニュースイッチ513、シャッターボタン514等を含み、その表示部512として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0124】
図39は、本実施形態が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータ500Bは、本体521に、文字等を入力するとき操作されるキーボード522、画像を表示する表示部523等を含み、その表示部523として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0125】
図40は、本実施形態が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。
本適用例に係るビデオカメラ500Cは、本体部531、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533、表示部534等を含み、その表示部534として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0126】
図41は、本実施形態が適用される携帯端末装置、たとえば携帯電話機を示す図であり、図41(A)は開いた状態での正面図、図41(B)はその側面図、図41(C)は閉じた状態での正面図、図41(D)は左側面図、図41(E)は右側面図、図41(F)は上面図、図41(G)は下面図である。
本適用例に係る携帯電話機500Dは、上側筐体541、下側筐体542、連結部(ここではヒンジ部)543、ディスプレイ544、サブディスプレイ545、ピクチャーライト546、カメラ547等を含み、そのディスプレイ544やサブディスプレイ545として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0127】
また、本実施形態に係る表示装置は、以下のような表示撮像装置に適用可能である。また、この表示撮像装置は、先に説明した各種電子機器に適用可能である。
【0128】
図42は、表示撮像装置の全体構成を示す図である。
この表示撮像装置1000は、I/Oディスプレイパネル2000と、バックライト1500と、表示ドライブ回路1200と、受光ドライブ回路1300と、画像処理部1400と、アプリケーションプログラム実行部1100とを有している。
【0129】
I/Oディスプレイパネル2000は、複数の画素が全面にわたってマトリクス状に配置された液晶パネル(LCD(Liquid Crystal Display))からなり、線順次動作をしながら表示データに基づく所定の図形や文字などの画像を表示する機能(表示機能)を有し、後述するようにこのI/Oディスプレイ2000に接触または近接する物体を撮像する機能(撮像機能)を有する。
また、バックライト1500は、たとえば複数の発光ダイオードが配置されてなるI/Oディスプレイパネル2000の光源であり、後述するようにI/Oディスプレイ2000の動作タイミングに同期した所定のタイミングで、高速にオン・オフ動作を行うようになっている。
【0130】
表示ドライブ回路1200は、I/Oディスプレイパネル2000において表示データに基づく画像が表示されるように(表示動作を行うように)、このI/Oディスプレイパネル2000の駆動を行う(線順次動作の駆動を行う)回路である。
【0131】
受光ドライブ回路1300は、I/Oディスプレイパネル2000において受光データが得られるように(物体を撮像するように)、このI/Oディスプレイパネル2000の駆動を行う(線順次動作の駆動を行う)回路である。なお、各画素での受光データは、たとえばフレーム単位でフレームメモリ1300Aに蓄積され、撮像画像として画像処理部1400へ出力される。
【0132】
画像処理部1400は、受光ドライブ回路1300から出力される撮像画像に基づいて所定の画像処理(演算処理)を行い、I/Oディスプレイ2000に接触または近接する物体に関する情報(位置座標データ、物体の形状や大きさに関するデータなど)を検出し、取得するものである。なお、この検知する処理の詳細については後述する。
【0133】
アプリケーションプログラム実行部1100は、画像処理部1400による検知結果に基づいて所定のアプリケーションソフトに応じた処理を実行するものであり、たとえば検知した物体の位置座標を表示データに含むようにし、I/Oディスプレイパネル2000上に表示させるものなどが挙げられる。
なお、このアプリケーションプログラム実行部1100で生成される表示データは表示ドライブ回路1200へ供給される。
【0134】
次に、図43を参照してI/Oディスプレイパネル2000の詳細構成例について説明する。このI/Oディスプレイパネル2000は、表示エリア(センサエリア)2100と、表示用Hドライバ2200と、表示用Vドライバ2300と、センサ読み出し用Hドライバ2500と、センサ用Vドライバ2400とを有している。
【0135】
表示エリア(センサエリア)2100は、バックライト1500からの光を変調して表示光を出射すると共にこのエリアに接触または近接する物体を撮像する領域であり、発光素子(表示素子)である液晶素子と後述する受光素子(撮像素子)とがそれぞれマトリクス状に配置されている。
【0136】
表示用Hドライバ2200は、表示ドライブ回路1200から供給される表示駆動用の表示信号および制御クロックに基づいて、表示用Vドライバ2300と共に表示エリア2100内の各画素の液晶素子を線順次駆動するものである。
【0137】
センサ読み出し用Hドライバ2500は、センサ用Vドライバ2400と共にセンサエリア2100内の各画素の受光素子を線順次駆動し、受光信号を取得するものである。
【0138】
次に、図44を参照して、表示エリア2100における各画素の詳細構成例について説明する。この図44に示した画素3100は、表示素子である液晶素子と受光素子とから構成されている。
【0139】
具体的には、表示素子側には、水平方向に延在するゲート電極3100hと垂直方向に延在するドレイン電極3100iとの交点に薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などからなるスイッチング素子3100aが配置され、このスイッチング素子3100aと対向電極との間に液晶を含む画素電極3100bが配置されている。
そして、ゲート電極3100hを介して供給される駆動信号に基づいてスイッチング素子3100aがオン・オフ動作し、オン状態のときにドレイン電極3100iを介して供給される表示信号に基づいて画素電極3100bに画素電圧が印加され、表示状態が設定される。
【0140】
一方、表示素子に隣接する受光素子側には、たとえばフォトダイオードなどからなる受光用のセンサ3100cが配置され、電源電圧VDDが供給される。
また、この受光センサ3100cには、リセットスイッチ3100dとキャパシタ3100eが接続され、リセットスイッチ3100dによってリセットされながら、キャパシタ3100eにおいて受光量に対応した電荷が蓄積される。
そして、蓄積された電荷は読み出しスイッチ3100gがオンとなるタイミングで、バッファアンプ3100fを介して信号出力用電極3100jに供給され、外部へ出力される。また、リセットスイッチ3100dのオン・オフ動作はリセット電極3100kにより供給される信号により制御され、読み出しスイッチ3100gのオン・オフ動作は、読出し制御電極3100mにより供給される信号により制御される。
【0141】
次に、図45を参照して、表示エリア2100内の各画素とセンサ読み出し用Hドライバ2500との接続関係について説明する。この表示エリア2100では、赤(R)用の画素3100と、緑(G)用の画素3200と、青(B)用の画素3300とが並んで配置されている。
【0142】
各画素の受光センサ3100c,3200c,3300cに接続されたキャパシタに蓄積された電荷は、それぞれのバッファアンプ3100f,3200f,3300fで増幅され、読み出しスイッチ3100g,3200g,3300gがオンになるタイミングで、信号出力用電極を介してセンサ読み出し用Hドライバ2500へ供給される。
なお、各信号出力用電極には定電流源4100a,4100b,4100cがそれぞれ接続され、センサ読み出し用Hドライバ2500で感度良く受光量に対応した信号が検出される。
【0143】
次に、表示撮像装置の動作について詳細に説明する。
【0144】
まず、この表示撮像装置の基本動作、すなわち画像の表示動作および物体の撮像動作について説明する。
【0145】
この表示撮像装置では、アプリケーションプログラム実行部1100から供給される表示データに基づいて、表示用ドライブ回路1200において表示用の駆動信号が生成され、この駆動信号により、I/Oディスプレイ2000に対して線順次表示駆動がなされ、画像が表示される。
また、このときバックライト1500も表示ドライブ回路1200によって駆動され、I/Oディスプレイ2000と同期した点灯・消灯動作がなされる。
【0146】
ここで、図46に関連付けて、バックライト1500のオン・オフ状態とI/Oディスプレイパネル2000の表示状態との関係について説明する。図46は横軸に時間を、縦軸に各画素の受光素子が撮像するため走査される垂直方向の行の位置を表す。
【0147】
まず、たとえば1/60秒のフレーム周期で画像表示がなされている場合、各フレーム期間の前半期間(1/120秒間)にバックライト1500が消灯し(オフ状態となり)、表示が行われない。一方、各フレーム期間の後半期間には、バックライト1500が点灯し(オン状態となり)、各画素に表示信号が供給され、そのフレーム期間の画像が表示されるようになっている。
【0148】
このように、各フレーム期間の前半期間は、I/Oディスプレイパネル2000から表示光が出射されない無光期間である一方、各フレーム期間の後半期間は、I/Oディスプレイパネル2000から表示光が出射される有光期間となっている。
【0149】
ここで、I/Oディスプレイパネル2000に接触または近接する物体(たとえば、指先など)がある場合、受光ドライブ回路1300による線順次受光駆動により、このI/Oディスプレイパネル2000における各画素の受光素子においてその物体が撮像され、各受光素子からの受光信号が受光ドライブ回路1300へ供給される。受光ドライブ回路1300では、1フレーム分の画素の受光信号が蓄積され、撮像画像として画像処理部1400へ出力される。
【0150】
そして画像処理部1400では、この撮像画像に基づいて、所定の画像処理(演算処理)を行い、I/Oディスプレイ2000に接触または近接する物体に関する情報(位置座標データ、物体の形状や大きさに関するデータなど)が検出される。
一例として、無効期間の撮像画像と、有光期間の撮像画像との差分を求めることにより、外光を除去し、有光期間にI/Oディスプレイパネル2000に接触または近接する物体により反射したバックライト1500からの光に基づく画像情報を得ることができる。この画像情報から所定の閾値以上のデータを抽出して2値化し、重心座標を求める画像処理等を行うことによりI/Oディスプレイ2000に接触または近接する物体に関する情報が得られる。
また、バックライト1500から可視光と共に検出用の赤外光が出力される場合、赤外光成分をオン・オフさせ、可視光成分は常時点灯させるようにしても構わない。
【0151】
本発明は、LCDだけでなく、有機ELディスプレイ、電子ペーパ(E-paper)などといった表示装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る表示セルおよび受光セルの基本構成例を示す回路図である。
【図3】バックライトの反射光の検出システムを模式的に示す図である。
【図4】本実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【図5】受光セルの光センサ(受光素子)をTFTにより形成した構造例を示す断面図である。
【図6】第1の実施形態で使用したバックライト光のスペクトルを示す図である。
【図7】第1の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
【図8】(A)〜(D)は、第1の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【図9】第1の実施形態のように防止反射層を配置した場合と配置しない場合のノイズ量の変化を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【図11】第2の実施形態で使用したバックライト光のスペクトルを示す図である。
【図12】第2の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【図14】第2の実施形態のように防止反射層を配置した場合と配置しない場合のノイズ量の変化を示す図である。
【図15】本第3の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【図16】第3の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
【図17】第3の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【図18】本第4の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【図19】第4の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
【図20】第4の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【図21】本第5の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【図22】第5の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
【図23】第5の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【図24】本第6の実施形態に係る受光セル部分の簡略断面図である。
【図25】第6の実施形態の反射防止処理の分光反射率を示す図である。
【図26】第6の実施形態に係る反射防止層の構成および製造プロセスを示す図である。
【図27】本第7の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【図28】第7の実施形態で使用した赤外線バックライト光のスペクトルを示す図である。
【図29】赤外光カット層を誘電体多層膜で形成した場合の波長に対する透過率特性を示す図である。
【図30】赤外光カット層を赤外吸収色素膜で形成した場合の波長に対する透過率特性を示す図である。
【図31】本第7の実施形態により効果が期待できる外光スペクトルの例を示す図である。
【図32】可視光カットフィルタ透過スペクトルを示す図である。
【図33】本第8の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【図34】本第9の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【図35】本第10の実施形態に係る受光セル部分の断面図である。
【図36】フラット型のモジュール形状の例を示す模式図である。
【図37】本実施形態が適用されるテレビを示す斜視図である。
【図38】本実施形態が適用されるデジタルカメラを示す斜視図である。
【図39】本実施形態が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図40】本実施形態が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。
【図41】本実施形態が適用される携帯端末装置、たとえば携帯電話機を示す図である。
【図42】本発明の実施形態に係る表示撮像装置の構成を表すブロック図である。
【図43】図42に示したI/Oディスプレイパネルの構成例を表すブロック図である。
【図44】各画素の構成例を表す回路図である。
【図45】各画素とセンサ読み出し用Hドライバとの接続関係を説明するための回路図である。
【図46】バックライトのオン・オフ状態と表示状態との関係について説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
【0153】
1、1A〜1I・・・液晶表示装置、2・・・有効画素領域部、3・・・垂直駆動回路
(VDRV)、4・・・水平駆動回路(HDRV)、5・・・受光制御回路(RCTL)、6・・・受光信号処理回路(RSPRC)、21・・・表示セル、22・・・受光セル、221・・・受光素子、222・・・リセットTFT、223・・・増幅TFT、224・・・選択(読み出し)TFT、225・・・受光信号蓄積容量(キャパシタ)、ND221・・・ノード、23・・・TFT基板23・・・対向基板、25・・・液晶層、26,26A・・・バックライト、27,28・・・偏光板、29,29A,29C・・・反射防止層、30・・・充填層、31・・・透明保護カバー、32,32B−1,32B−2,32C−1,32C−2・・・反射防止層,40,40A−1,40A−2,40B・・・赤外光(線)カット層、41・・・可視光カットフィルタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、
受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、
表示面側に光を照射する発光部と、
上記発光部の配置領域、上記表示セルと上記受光セルの形成領域より表示装置の前面側
に配置される少なくとも一つの透明板と、を有し、
表示装置最表面に反射防止層が形成されている
表示装置。
【請求項2】
上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止する機能を含む
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
表示装置内に上記発光部からの光のうち、前記受光素子による検出に用いられる検出光のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止するフィルタが
配置されている
請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
上記透明板よりさらに前面側に空気層を介して配置される保護用透明基板と、を有し、
上記反射防止層は、
上記表示装置最表面と、上記保護用透明基板の前面側および背面側の少なくとも一方
の面に形成されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する
請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止する機能を含む
請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
表示装置内に上記発光部からの光のうち、前記受光素子による検出に用いられる検出光のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止するフィルタが
配置されている
請求項6記載の表示装置。
【請求項9】
上記透明板よりさらに前面側に充填層を介して配置される保護用透明基板と、を有し、
上記反射防止層は、
保護用透明基板の空気層との界面に形成されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項10】
上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する
請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
上記反射防止層は、上記発光部のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止する機能を含む
請求項10記載の表示装置。
【請求項12】
表示装置内に上記発光部からの光のうち、前記受光素子による検出に用いられる検出光のスペクトルの存在しない波長域の入射を防止するフィルタが
配置されている
請求項10記載の表示装置。
【請求項13】
表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、
受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、
表示面を所定の輝度をもって照明するバックライトと、
上記表示セルおよび受光素子が形成される第1透明基板と、
上記第1透明基板と対向して配置される第2透明基板と、
上記第1透明基板と上記第2透明基板間に配置された液晶層と、
上記第1透明基板のバックライトとの対向面に形成された第1偏光板と、
上記第2透明基板の前面側に形成された第2偏光板と、を有し、
表示装置最表面である上記第2偏光板に反射防止層が形成されている
表示装置。
【請求項14】
上記反射防止層は、上記バックライトのスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する
請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
上記第2透明基板よりさらに前面側に空気層を介して配置される保護用透明基板と、を有し、
上記反射防止層は、
上記表示装置最表面と、上記保護用透明基板の前面側および背面側の少なくとも一方の面に形成されている
請求項13記載の表示装置。
【請求項16】
上記反射防止層は、上記バックライトのスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する
請求項15記載の表示装置。
【請求項17】
上記第2の透明基板よりさらに前面側に充填層を介して配置される保護用透明基板と、
を有し、
上記反射防止層は、
保護用透明基板の空気層との界面に形成されている
請求項13記載の表示装置。
【請求項18】
上記反射防止層は、上記バックライトのスペクトルの存在する波長域を反射防止する機能を有する
請求項17記載の表示装置。
【請求項19】
表示装置を有する電子機器であって、
上記表示装置は、
表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、
受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、
表示面側に光を照射する発光部と、
上記発光部の配置領域、上記表示セルと上記受光セルの形成領域より表示装置の前面側に配置される少なくとも一つの透明板と、を有し、
表示装置最表面に反射防止層が形成されている
電子機器。
【請求項20】
表示装置を有する電子機器であって、
上記表示装置は、
表示回路を有する少なくとも一つの表示セルと、
受光素子を含む少なくとも一つの受光セルと、
表示面を所定の輝度をもって照明するバックライトと、
上記表示セルおよび受光素子が形成される第1透明基板と、
上記第1透明基板と対向して配置される第2透明基板と、
上記第1透明基板と上記第2透明基板間に配置された液晶層と、
上記第1透明基板のバックライトとの対向面に形成された第1偏光板と、
上記第2透明基板の前面側に形成された第2偏光板と、を有し、
表示装置最表面である上記第2偏光板に反射防止層が形成されている
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2010−97160(P2010−97160A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309086(P2008−309086)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】