説明

表示装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】基準となるバージョンに対し、基準バージョンよりも古い複数のバージョンの設定画面も表示できるようにし、使用者の操作性を低下させない。
【解決手段】表示装置は、基準バージョンと、基準バージョンよりも古い2つ以上のバージョンで、機能を設定するための設定画面の画像データを記憶するメモリと、設定入力を受け付けるための入力部と、画像データに基づいて設定画面を表示する表示部と、表示する設定画面のバージョンの切替を行うための切替キーと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面等の表示部と、タッチパネル等の入力部を有する表示装置、及び、これを備えた複写機、複合機、プリンタ、FAX装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置等には、設定入力用の設定画面を表示し、使用者からの設定を受け付ける表示装置(例えば、操作パネル)が設けられる場合がある。例えば、画像形成装置の製造会社の場合、新技術や改良を反映させた新機種を市場に投入する。このとき、機能追加や、設定画面を表示する部分の性能向上(解像度向上や色数の変化等)などの理由で、新機種の設定画面は、旧機種のものとデザインが変化する場合がある。又、新たなバージョンの設定画面の画像データの入力により(例えば、ネットワーク経由)、同じ機械でも設定画面のバージョンアップがなされる場合がある。しかし、バージョンが異なり、設定画面のデザインが変わると、旧機種から新機種への買い換え等を行った使用者は、新しい設定方法に慣れることから始めなくてはならず、使用者にとっての操作性は低下する。
【0003】
そして、バージョンアップによるデザインの変更のため、新バージョンでの設定方法の習得を容易とするための発明が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、アプリケーションを実行し、実行結果を表示手段に表示し、第1のバージョンにおける注目アプリケーションのインターフェース画面を表示手段に表示する第1の処理手段と、第1のバージョンよりも古いバージョンである第2のバージョンにおける注目アプリケーションのインターフェース画面を表示手段に表示する第2の処理手段と、第1の処理手段により表示手段に表示されたインターフェース画面にて操作を行ったことにより当該インターフェース画面にて表示変更部分がある場合には、第2の処理手段により表示手段に表示されたインターフェース画面にて表示変更部分に対応する部分の表示を変更させる表示変更手段と備える情報処理装置が記載されている(特許文献1:請求項1、図4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−031189
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
まず、例えば、画像形成装置に取り付けられる操作パネルの表示部など、表示部のサイズに制限がある表示装置も存在する。そして、このような比較的(例えば、PCのディスプレイと比較して)、表示領域が狭い表示装置では、例えば、使用者の新バージョンでの慣れを図るため、新バージョンと旧バージョンの設定画面を並列して表示させる場合がある。しかし、表示部のサイズに制限がある表示装置で並列表示を行うと、1バージョンあたりの設定画面が小さくなりすぎる。そうすると、かえって使用者の操作性を低下させてしまうという問題がある(例えば、設定用のキーが小さい、見にくい等)。
【0006】
特許文献1記載の発明における情報処理装置は、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーションであり、表示装置は、CRTや液晶画面である(特許文献1:段落[0016]や[0021]、図4等参照)。一般に、PC等では、複数のウィンドウを並列して表示することが通常である。液晶画面等は、新バージョンと旧バージョンの設定画面を並列しても操作性が低下しない程度のサイズを有する。そうすると、特許文献1記載の発明は、新バージョンと旧バージョンの設定画面を並列して表示した場合、各バージョンでの設定画面が小さくなりすぎ、かえって使用者の操作性を低下させるという問題を考慮する必要性がない。現に、上記問題点に言及した記載はない。従って、特許文献1記載の発明では、上記問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、基準となるバージョンに対し、基準バージョンよりも古い複数のバージョンの設定画面も表示できるようにし、使用者の操作性を低下させないことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題解決のため請求項1に係る表示装置は、基準バージョンと、前記基準バージョンよりも古い2つ以上のバージョンで、機能を設定するための設定画面の画像データを記憶するメモリと、設定入力を受け付けるための入力部と、前記画像データに基づいて設定画面を表示する表示部と、表示する設定画面のバージョンの切替を行うための切替キーとを有することとした。
【0009】
この構成によれば、表示する設定画面のバージョンの切替を行うための切替キーを有するので、基準バージョンよりも古いバージョンの設定画面を容易に表示させることができる。従って、使用者が新しい基準バージョンでの設定方法に慣れていなくても、使用者は旧バージョンの設定画面により各種設定を行うことができる。これにより、使用者の操作性低下を防ぐことができる。
【0010】
又、例えば、使用者には、1世代前の機種を使用していた者もいれば、2世代前、3世代前の機種を使用していた者もおり多様であるところ、本発明の構成によれば、基準バージョンに対し、複数種の旧バージョンでの設定画面を表示させることができる。これにより、使用者が交換前に使用していた機種や製造年代を問わず、時間的に幅広く使用者の操作性低下を防ぐことができる。尚、例えば、基準バージョンは、使用している機種の最新バージョンであっても良い(例えば、バージョンアップがあれば、バージョンアップ後)のバージョンとしてもよい。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記基準バージョンよりも古いバージョンの設定画面を用いて前記入力部に設定入力がなされた場合、前記メモリは、古いバージョンの設定画面を用いて設定された機能を記憶し、前記表示部は、古いバージョンの設定画面を用いて設定された機能の前記基準バージョンでの設定方法を示すデモ表示を行うこととした。
【0012】
この構成によれば、基準バージョンでの設定方法を示すデモ表示が行われるので、基準バージョンでの操作を学ぶことができる。これにより、使用者の基準バージョンでの設定方法を慣れさせることができ、基準バージョンでの操作性が高められる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記表示部は、機能ごとに、バージョンを変えて表示することとした。
【0014】
この構成によれば、機能ごとに、バージョンを変えて表示できるので、未だ慣れていない機能については旧バージョン、既に慣れた機能については基準バージョンというように、使用者の慣れた度合を考慮しつつ表示部で設定画面の表示を行うことができる。これにより、使用者の操作性の低下を招くことなく、基準バージョンへの移行を行うことができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項2又は3の発明において、古いバージョンの設定画面で設定された機能が複数である場合、前記表示部は、表示領域を分割し、複数の前記デモ表示を同時に表示することとした。
【0016】
表示すべきデモ表示が多数の場合、1つの機能ごとにデモ表示を行えば、全てのデモ表示が終わるまで時間を要するところ、この構成によれば、表示部は、表示領域を分割し、複数のデモ表示を同時に表示する。これにより、使用者は、効率よくデモ表示を確認して、効率よく学習でき、デモ表示の閲覧に要する時間を少なくすることができる。。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、古いバージョンの設定画面で設定された機能が前記表示領域の分割数よりも多い場合、前記表示部は、表示領域を分割して、複数の前記デモ表示を同時に表示するとともに、前記デモ表示が終わった表示領域で、まだ前記デモ表示を行っていない機能の前記デモ表示を行うこととした。
【0018】
この構成によれば、デモ表示が終わった領域で、まだデモ表示を行っていない機能のデモ表示が行われるので、効率よく多数のデモ表示が行われる。これにより、使用者は、効率よくデモ表示を確認して、効率よく学習でき、デモ表示の閲覧に要する時間を少なくすることができる。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項2乃至5の発明において、前記デモ表示を中断させるための中断キーが、前記表示部に表示され、前記中断キーが押下された場合、前記表示部は、前記デモ表示を中断することとした。
【0020】
この構成によれば、デモ表示を中断させるための中断キーが設けられるので、デモ表示を表示させないようにすることができる。これにより、デモ表示を不要と感じている使用者が煩わしさを感じないようにすることができる。又、デモ表示を中断して、次のジョブ等の設定に速やかに移行でき、使用者はデモ表示終了まで待たなくて済む。。
【0021】
又、請求項7に係る発明は、請求項2乃至6の発明において、前記メモリは、機能ごとに前記デモ表示を行った累計回数を記憶し、前記表示部は、予め定められた上限回数まで前記デモ表示が行われた機能の前記デモ表示を行わないこととした。
【0022】
この構成によれば、表示部は、予め定められた上限回数まで前記デモ表示が行われた機能については、デモ表示を行わないので、使用者が学習したと認められる機能でのデモ表示を自動的に停止させることができる。これにより、使用者は、既に慣れた機能のデモ表示が表示されるたびに停止させる入力等を行う必要が無くなる。
【0023】
又、請求項8に係る発明は、請求項2乃至7の発明において、前記表示部は、前記デモ表示を行うか否かを設定するためのキーを表示するとともに、前記デモ表示を行う設定が前記入力部になされた場合にのみ前記デモ表示を行うこととした。
【0024】
この構成によれば、デモ表示を行うか否かを設定することができるので、デモ表示について使用者の意思を反映させることができる。デモ表示を希望する使用者は、デモ表示を行う設定を行い、デモ表示を煩わしい等の理由で希望しない使用者はデモ表示を行わない設定とすればよい。
【0025】
又、請求項9に係る発明は、請求項2乃至8の発明において、前記メモリは、機能ごとに前記デモ表示を行った累計回数を記憶し、前記表示部は、予め定められた上限回数まで前記デモ表示を行った機能について、前記デモ表示を続けて行うか否かの確認を行うためのキーを表示し、前記デモ表示を行わない設定が前記入力部になされたとき、予め定められた上限回数まで前記デモ表示が行われた機能の前記デモ表示を行わないこととした。
【0026】
この構成によれば、デモ表示を行わない設定が入力部になされたとき、予め定められた上限回数までデモ表示が行われた機能のデモ表示を行わないので、使用者の感覚に基づき、デモ表示を行うか否かを決定することができる。これにより、設定方法がわかりにくいと感じている機能についてのみ、デモ表示がなされ、使用者は、デモ表示が表示されるたびに停止させる入力等を行う必要が無くなる。
【0027】
又、請求項10に係る発明は、請求項1乃至9の発明において、前記メモリは、それぞれのバージョンで、機能が設定された回数を記憶し、1つのバージョンでの同一の機能の設定回数が、予め定められたバージョンアップ回数に到った場合、前記表示部は、前記バージョンアップ回数に到った機能については、次の機能設定時、直前の設定時よりも新しいバージョンの設定画面を表示することとした。
【0028】
この構成によれば、表示部は、デモ停止回数に到った機能については、デモ停止回数に到ったバージョンよりも古いバージョンの設定画面は表示しない。これにより、自動的に基準バージョンへのバージョンアップが導かれるので、基準バージョンへの移行を自動的に進めることができる。
【0029】
又、請求項11に係る発明は、請求項1乃至10の発明において、前記入力部に設定の入力がなされてから、次に前記入力部に設定の入力がなされるまでの時間を計時する計時部を有し、前記表示部は、先の設定入力から、次の設定入力がなされないままの状態が、予め定められた限界時間を超えた機能については、次の設定時、現在のバージョンよりも古いバージョンに切り替えて表示を行うこととした。
【0030】
この構成によれば、先の設定入力から、次の設定入力がなされないままの状態が、予め定められた限界時間を超え、使用者が慣れておらず、設定に手間取っていると認められる場合、表示部は、現在のバージョンよりも古いバージョンに切り替えて表示を行う。これにより、自動的に使用者の慣れ度合を勘案して設定画面を切り替えることができる。例えば、基準バージョンでとまどっていると認められる場合、表示部は、基準バージョンよりも古いバージョンで表示を行う。
【0031】
又、請求項12に係る発明は、請求項1乃至11の発明において、前記入力部は、前記設定画面に表示され、押下されたキーを特定するためのタッチパネルであり、前記切替キーは、前記表示部に表示され、又は、前記表示部とは別に設けられることとした。
【0032】
この構成によれば、入力部は、設定画面に表示され、押下されたキーを特定するためのタッチパネルであり、切替キーは、表示部に表示され、又、表示部とは別に設けられる。このように切替キーによって、バージョンの切替を行うことができる。
【0033】
又、請求項13に係る発明は、請求項2乃至12の発明において、前記入力部は、使用者を特定するための認証情報の入力を受け付け、前記メモリは、使用者ごとに、表示するバージョンと前記デモ表示の必要性の有無を記憶することとした。
【0034】
この構成によれば、記憶部は、使用者ごとに、表示するバージョンとデモ表示の必要性の有無を記憶する。これにより、各使用者の操作、設定の慣れ度合に合わせて表示部での表示を行うことができる。
【0035】
又、請求項14に係る画像形成装置は、請求項1乃至請求項13記載の表示装置を備えることとした。
【0036】
この構成によれば、請求項1乃至請求項14記載の表示装置を備えるので、たとえ画像形成装置が導入されて間もなくても、使用者はスムーズに設定を行え、操作性の低下のない画像形成装置を提供することができる。又、使用者は、基準バージョンへの速やかな移行を行うことができる。
【0037】
又、請求項15に係る発明は、請求項14の発明において、前記デモ表示は、印刷中になされることとした。
【0038】
この構成によれば、デモ表示は、印刷中になされるので、ジョブ印刷中の使用者の待ち時間になされる。従って、使用者の待ち時間を有意義なものとすることができる。
【発明の効果】
【0039】
上述したように、本発明によれば、買い換え等が有り、設定画面のデザインや設定方法が変わっても、使用者の操作性は低下しない。従って、新しい設定方法、設定画面に慣れていなくても、速やかに各種機能の設定を行うことができる。又、デモ表示を行うので、新しい設定方法、設定画面に速く慣れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態に係る複合機の模型的正面断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る操作パネルの一例を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る複合機の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る設定画面の基準バージョンでの設定の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る設定画面の基準バージョン以外のバージョンでの設定の一例を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態に係る設定画面の基準バージョン以外のバージョンでの設定の一例を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態に係る複合機でのデモ表示の一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態に係る複合機でのデモ表示の一例を示す説明図である。
【図9】第1の実施形態に係る液晶表示部で表示されるバージョンを設定するための設定画面の一例を記す説明図である。
【図10】第1の実施形態に係る操作パネルでの表示制御の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る液晶表示部で表示されるバージョンを設定するための設定画面の一例を記す説明図である。
【図12】(a)は、第3の実施形態に係る複合機を利用する使用者を特定するための認証画面の一例であり、(b)は、第3の実施形態に係る液晶表示部で表示されるバージョンを設定するための設定画面の一例を記す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜10を参照しつつ説明する。ここで、本発明は、各種表示装置に適用可能であるが、表示装置として操作パネル1を例に挙げ、複合機100(画像形成装置に相当)に取り付けられた場合を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0042】
(複合機100の概略構成)
まず、図1に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の模型的正面断面図である。図1に示すように、本実施形態の複合機100は、正面上方に機器(複合機100)での機能設定のため、操作パネル1が接続、装着される。又、複合機100は、最上部には原稿を抑えるための原稿カバー101が設けられる。複合機100本体内には、画像読取部2、給紙部3、搬送路4、画像形成部5、定着部6等が設けられる。尚、操作パネル1の詳細は後述する。
【0043】
原稿カバー101は、複写時、原稿台としての画像読取部2の上面に設けられたコンタクトガラス21に載置された原稿を抑える。そのため、原稿カバー101は、図1の紙面奥側に支点を有し、上下方向に開閉可能である。
【0044】
画像読取部2は、原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。画像読取部2の上面にコンタクトガラス21が設けられる。又、画像読取部2内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。そして、これら光学系部材を用い、コンタクトガラス21に載置される原稿に光を照射する。その原稿の反射光を受けたイメージセンサからの各画素の出力値(例えば電圧値)をA/D変換し、画像データが生成される。そして、本実施形態の複合機100は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。
【0045】
給紙部3は、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種用紙)を収容する。給紙部3は、収納用紙が積載されるカセット31、印刷時にカセット31から1枚ずつ搬送路4に送り込むため回転駆動する給紙ローラ32等を備える。例えば、印刷時、給紙ローラ32が回転駆動し、画像形成に必要となる用紙が1枚ずつ搬送路4に送り出される。
【0046】
搬送路4は、給紙部3から排出トレイ41まで用紙を導く通路である。そして、搬送路4に、用紙の案内のためのガイド板42や、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラ対43や、搬送される用紙を画像形成部5の手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせ用紙を送り出すレジストローラ対44等が設けられる。
【0047】
画像形成部5は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。そのため、画像形成部5は、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム51、及び、感光体ドラム51の周囲に配設された帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラ55、清掃装置56等を備える。
【0048】
トナー像形成及び転写プロセスを説明する。まず、所定方向に回転駆動する感光体ドラム51が、画像形成部5の略中心に設けられる。図1において、感光体ドラム51の右斜上方の帯電装置52が所定電位に感光体ドラム51を帯電させる。露光装置53は、図1において、帯電装置52の右側方に設けられる。露光装置53は、画像データに基づき、レーザ光Lを出力し、感光体ドラム51表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。尚、画像データは、画像読取部2で得られたものや、ネットワーク等により接続される外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300(図3参照)から送信された画像データ等が用いられる。
【0049】
更に、図1において、感光体ドラム51の右斜下方の現像装置54は、感光体ドラム51に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。感光体ドラム51の左方の転写ローラ55は感光体ドラム51に圧接し、ニップを形成する。そして、トナー像にあわせ、レジストローラ対44がタイミングを図り、用紙をニップに進入させる。用紙とトナー像のニップ進入時、転写ローラ55には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム51上のトナー像が転写される。清掃装置56は、転写後に感光体ドラム51に残留するトナー等を除去する。
【0050】
定着部6は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部6は、主として発熱体を内蔵する加熱ローラ61と加圧ローラ62で構成される。加熱ローラ61と加圧ローラ62は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過することで、用紙表面のトナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ41が受け止める。このようにして、コピー機能、プリンタ機能の利用時、画像形成(印刷)が行われる。
【0051】
(操作パネル1の概略)
次に、図1及び図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る操作パネル1を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る操作パネル1の一例を示す平面図である。
【0052】
図1及び図2に示すように、複合機100の正面上方に設けられる操作パネル1は、複合機100の状態や各種メッセージを表示する液晶表示部7(表示部に相当)を備える。液晶表示部7は、機能の選択、設定を行うためのキーを1又は複数表示することができる(図4等参照)。又、液晶表示部7の上面に透明なタッチパネル部70(入力部に相当)が設けられ、タッチパネル部70は、使用者が液晶表示部7に押下した部分の位置、座標を検出するためのものである。
【0053】
尚、操作パネル1は、テンキー部10(入力部に相当)やスタートキー11(入力部に相当)も備える。又、コピー機能を利用する際に押下されるコピーキー12(入力部に相当)、プリンタとして複合機100を利用する際の各種設定を行う際に押下されるプリンタキー13(入力部に相当)、スキャン機能を利用する際に押下されるスキャンキー14(入力部に相当)、コピー機能を利用する際に押下されるFAXキー15(入力部に相当)等の入力、設定用のハードキー(入力部に相当)が設けられる。
【0054】
このタッチパネル部70を用いた検出座標と、液晶表示部7に示される各種キーの位置、座標を比較し、使用者が押下して選択したキーが特定される。このように、使用者は、液晶表示部7での表示とタッチパネル部70で複合機100の各機能について、各種設定、モード選択等を行うことができる。尚、タッチパネル部70としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
【0055】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の構成の一例を示すブロック図である。
【0056】
複合機100内には、制御部8が設けられ、制御部8は、複合機100の動作を制御し、例えば、CPU81、画像処理部82等から構成される。又、制御部8には、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶部83が接続される。尚、記憶部83は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。
【0057】
CPU81は、中央演算処理装置であって、記憶部83に格納され、展開される制御プログラムに基づき複合機100の各部を制御する。画像処理部82は、画像読取部2で読み取られた画像データや、印刷を行う画像データや、外部のコンピュータ200や相手方のFAX装置300に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。尚、図3では、制御部8は、1つとして図示しているが、制御部8は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0058】
そして、制御部8は、操作パネル1、画像読取部2、給紙部3、搬送路4、画像形成部5、定着部6、認証部84等の各部と信号線等で接続され、複合機100の動作を制御する。更に、制御部8は、各種コネクタ、ソケット等を備えたI/F部85(インターフェイス部)と接続される。I/F部85は、ネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピュータ200(図3では便宜上1つのみ図示)や相手方のFAX装置300と接続され、例えば、画像読取部2で得られた画像データを外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300(インターネットFAXでもよい)に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300から送信される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0059】
認証部84は、複合機100を利用する個人を特定し、複合機100を利用させて良いか否かを認証する。そして、認証部84には、複合機100を利用しようとする者の認証情報(例えば、氏名、ID番号、パスワード、所属部署、利用できる機能を示す情報等)を取得するための読取部86が設けられる。例えば、RFIDのICカードに認証情報が記憶される場合、読取部86はRFIDのリーダライタとなる。又、磁気カードに各使用者の認証情報が記憶される場合、読取部86は磁気カードのリーダライタとなる。
【0060】
そして、認証部84は、利用可能な使用者の全員分の認証情報を認証用データとして記憶し、読取部86で取得された認証情報と、認証用データを比較し、使用者の特定等を行う。もし、認証用データの一部と取得された認証情報とが一致すれば、認証部84は、制御部8に向けて複合機100を利用させてよい旨のデータと、使用者を特定する情報を送信する。尚、複合機100を利用する場合、例えば、操作パネル1にIDやパスワードの入力画面を表示し、入力されたIDやパスワードで使用者の特定がなされても良い。
【0061】
(操作パネル1のハードウェア構成)
次に、本実施形態の操作パネル1の構成について説明する。
【0062】
本実施形態の操作パネル1は、表示制御部9、メモリ91、計時部92、ドライバ回路93、液晶表示部7、タッチパネル部70を有する。表示制御部9は、CPUやIC等で構成され、液晶表示部7の表示を制御し、タッチパネル部70の出力を受け、液晶表示部7で押下された座標を特定する。タッチパネル部70の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリ91に記憶される。そして、表示制御部9は、押下位置の座標と、設定画面Sの画像データを比較する等により、設定画面S上で選択された(押下された)キーを特定する。又、計時部92は、操作パネル1の制御上必要な時間を計時する。
【0063】
具体的に、複合機100の各機能を設定するには、液晶表示部7における最上層の表示から、設定画面S内のキーの選択を繰り返す。そして、各設定画面Sでキー選択ごとに、表示制御部9は、液晶表示部7の表示を切り換えさせ、最終的に、選択、設定しようとする機能の設定画面Sに辿り着く。この機能の選択、設定が行われたことを表示制御部9は認識し、その内容を本体の制御部8に送信する。これにより、操作パネル1で選択、設定された機能を反映した動作を制御部8が、画像形成部5等の各部に行わせ、使用者の意思が、印刷等において反映される(例えば、濃度設定や拡大縮小など)。
【0064】
そして、液晶表示部7の表示する各設定画面Sの画像データは、例えば、操作パネル1内のメモリ91に記憶される。従って、表示制御部9は、設定画面S中のキーが選択されるごとに、表示制御部9は、次に表示すべき画面の画像データをメモリ91から読み出す。この画像データを受けて、表示制御部9は、液晶画面の表示を実際に制御するドライバ回路93に指示を与える。尚、操作パネル1には、ドライバ回路93や、液晶表示部7やタッチパネル部70だけを設け、表示制御部9、メモリ91の機能を制御部8の構成(CPU81や記憶部83)に代用させても良い。
【0065】
ここで、操作パネル1で設定可能な機能について列挙しておく。設定可能な機能は、多岐にわたり、その設定画面Sの種類は多数にわたるため、便宜上、図示を避け、設定できる機能を列挙するに留める。
【0066】
まず、複合機100をコピーとして利用する場合、設定画面Sへの入力により、例えば、原稿の画質確認機能(文字、写真、文字+写真)、コピー濃度変更機能(マニュアル調整、白動濃度調整)、白動用紙選択機能(等倍、変倍)、白動倍率選択機能、等倍コピー機能、拡大・縮小(ズーム)コピー機能、固定変倍機能、たてよこ独立変倍機能、エコプリント機能、とじしろ機能、センター移動機能、枠消し機能、片面コピー機能、両面コピー機能(片面→両面、両面→両面、見開き→両面)、分割コピー機能(両面→片面、見開き→片面)、小冊子機能、表紙付け機能、OHP合紙印刷機能、用紙選択機能、原稿セット向き確認機能、ソート機能、仕分けコピー機能、白黒反転機能、鏡像印刷機能、ページ付け機能、イメージ合成機能、集約機能(2in1、4in1等)、書き込み余白機能、連続読込一括印刷機能、試しコピー機能、再コピー機能、フォーム管理機能(フォームの登録)、画像データの蓄積共有ボックス機能、ジョブ結合ボックス機能、割り込み印刷機能、管理機能(枚数カウント等)、後処理装置(フィニッシャー)が装着される場合のステープル設定機能やパンチ設定機能等の機能設定を行える。
【0067】
次に、複合機100をプリンタとして利用する場合、液晶表示部7に表示される設定画面Sへの入力により、例えば、複合機100の累計印刷枚数等のステータス印刷機能、I/F部85による複合機100と外部のコンピュータ200の接続設定機能(パラレル、シリアル、通信速度、IPアドレス等)、エミュレーション機能、使用フォント設定機能、印刷環境に関する機能(印刷枚数、用紙サイズ、拡大・縮小、印刷領域拡大等)、印刷品質に関する機能(スムージング処理、エコプリント、解像度等)、用紙に関する機能(サイズ、給紙元、両面印刷の可否等)、複合機100に装着されるRAM、HDD、メモリカード等の記憶装置の使用設定機能、管理機能(枚数カウント等)等の機能設定を行える。
【0068】
次に、複合機100をスキャナとして利用する場合、液晶表示部7に表示される設定画面Sへの入力により、例えば、原稿サイズ確認機能、送信サイズ選択機能、読み込み解像度選択機能、原稿セット向き確認機能、保存ファイル形式選択機能、読み込み画質に関する機能(読み込み濃度、カラーモード選択、画像データの圧縮率、写真や文字等の原稿の画質)、分割機能、枠消し機能、ページ毎出力機能、連続読み込み機能、ファイル名入力機能、センター移動機能、送信先選択機能、送信先登録機能、パスワード機能、Eメール送信機能、相手方受信確認機能等の機能設定を行える。
【0069】
次に、複合機100をFAXとして利用する場合、液晶表示部7に表示される設定画面Sへの入力により、例えば、自局情報登録機能(FAX番号、ID等)、ダイレクト送信機能、メモリ送信機能、回転通信機能(送信、受信)、一括送信機能、Fコード通信機能、用紙切れ時受信機能、短縮番号機能、原稿濃度選択機能、原稿サイズ指定機能、送信先選択機能、送信先登録機能、ワンタッチダイヤル機能(送信、登録、変更)、リダイヤル機能、両面送信機能、拡大・縮小送信機能、送信予約機能、順次同報通信機能、割込送信機能、時刻指定通信機能、ポーリング通信機能、中継送信機能、受信画像データの転送機能、暗号通信機能、管理機能(送信制限、枚数カウント等)、通信結果通知機能、用紙サイズ確認機能、集約機能(2in1等)、両面受信機能等の機能設定を行える。
【0070】
このように、複合機100で設定可能な機能が多岐にわたる。従って、複合機100の設定に慣れるには時間がかかる。一方、複合機100の買い換えや、I/F部85からバージョンアップ後の設定画面Sの画像データの複合機100への入力等によって、複合機100での設定画面Sのバージョンアップがあれば、使用者は、慣れていない状態で、操作パネル1への各機能の設定の入力を行わなくてはならない。しかし、慣れていないために、設定方法が分からない場合が生じ得る。あるいは、設定に時間を要する場合がある。そこで、本実施形態の複合機100では、切替キー16により、液晶表示部7に表示される設定画面Sのバージョンを切替ることができる。この切替によって、使用者は慣れ親しんだデザインの設定画面Sを利用して各種設定を行うことができる。
【0071】
尚、各バージョンの設定画面Sの画像データは、例えば、メモリ91に記憶させておくことができる。又、メモリ91に全バージョンの設定画面Sの画像データを記憶させず、本体の記憶部83に全バージョンの設定画面Sの画像データを記憶させておき、利用するバージョンの設定画面Sの画像データを読み出して、メモリ91に記憶させても良い。又、切替キー16は、図2に示すように、ハードキーとして設けても良いし、液晶表示部7に切替キー16を表示させても良い。即ち、入力部として設定画面Sに表示され、押下されたキーを特定するためのタッチパネル部70を有し、切替キー16は、液晶表示部7に表示され、又は、液晶表示部7とは別に設けられる。
【0072】
(バージョンの切替)
そこで、図4乃至図6を用いて、本発明の第1の実施形態に係る設定画面Sのバージョンの切替の一例を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る設定画面Sの基準バージョンでの設定の一例を示す説明図である。図5、図6は、本発明の第1の実施形態に係る設定画面Sの基準バージョン以外のバージョンでの設定の一例を示す説明図である。
【0073】
尚、本実施形態では、切替キー16の押下により、バージョンを全体的に変更する場合の例を説明する。又、実例として、複合機100における様々な機能の例を挙げることができ、多数の機能について例示できるが、設定する機能が異なるだけで、基本的に同様であり、又、煩雑となることを防ぐため、便宜上、コピーにおける集約機能の設定での例を一例に挙げる。又、集約機能の設定は、いずれのバージョンでも、全て、液晶表示部7に表示された設定画面Sを押下して行われる。
【0074】
まず、図4を用いて、基準バージョンでの集約機能の設定の一例を説明する。尚、本説明では、基準バージョンは、使用している機種の最新バージョンである(例えば、バージョンアップがあれば、バージョンアップ後)。
【0075】
図4の上段の図は、コピーキー12を押下した際に表示される基準バージョンの設定画面S11の一例である。図4の上段に示すように、多数のコピーに関する設定を操作パネル1で行える。尚、コピーキー12を押した際に、設定画面S11に表示されるキーは、使用者の設定によって、さらに追加することが可能である。尚、図4では、押下されたキーは、反転表示(黒地に白文字)の状態で示している(以下、同様)。
【0076】
そして、設定画面S11に表示されたページ集約キーK11を押下すると、設定画面S11は、図4の下段に示す設定画面S12に切り替わる。設定画面S12では、ページ集約機能に関する設定を行える。設定画面S12では、プレビュー表示領域F11が設けられる。プレビュー表示領域F11の右側には、1枚の用紙に2ページを含める集約を行う際に押下される2in1キーK12と1枚の用紙に4ページを含める集約を行う際に押下される4in1キーK13が配される。
【0077】
又、設定画面S12では、ページの配列を設定するためのページ配列設定領域F12が設けられる。更に、ページ配列設定領域F12の右側には、ページとページの境界線の有無や境界線の線種(例えば、実線、破線等)を設定するための境界線キーK14が設けられる。例えば、境界線キーK14が押下されると、境界線の線種を選択するための別ウィンドウ(不図示)が表示される。そのウィンドウ内に表示された線を押下して選択することで、境界線の設定を行うことができる。又、境界線キーK14の下方には、原稿のセット向きを設定するための原稿セット向きキーK15が設けられる。例えば、原稿セット向きキーK15が押下されると、原稿のセット向きを選択するための別ウィンドウ(不図示)が表示され、使用者は、原稿のセット向きを設定できる。
【0078】
そして、設定画面S12の下方に配されるOKキーK16を押下すれば、集約に関する設定が完了し、表示制御部9を介し、制御部8に受け付けられる。又、キャンセルキーK17が押下されると集約機能の設定がキャンセルされる。OKキーK16やキャンセルキーK17が押下されると、例えば、設定画面S11に表示が切り替えられる。
【0079】
次に、図5を用いて、基準バージョンよりも古いバージョンでの集約機能の設定の一例を説明する。尚、図5に示すバージョンは、基準バージョンよりも古い。基準バージョンでの図面では、グレー階調を駆使した画面となっていたが、図5に示すバージョンは、原則として、白黒2値画面となる。尚、図5に示すバージョンは、図6に示すバージョンよりも新しいので、便宜上、図5に示すデザインのバージョンを、以下では、中間バージョンという。
【0080】
図5の上段の図は、コピーキー12を押下した際に表示される設定画面S21の一例である。図5の上段に示すように、多数のコピーに関する設定を操作パネル1で行える。そして、前キーK21や下キーK22を押下したり、設定画面Sの下方に表示されるタブを選択して、表示されるキーを切り替えることができる。
【0081】
そして、設定画面S21に表示されたページ集約キーK20を押下すると、設定画面S21は、図5の下段に示す設定画面S22に切り替わる。設定画面S22では、ページ集約機能に関する設定を行える。設定画面S22では、左端部分に、2in1キーK23や2in1キーK24が設けられる。又、ページのレイアウトを行うためのページ配列設定領域F21が中央に設けられる。又、ページとページの境界線の有無や境界線の線種(例えば、実線、破線等)を設定するための境界線キーK25a〜25dが設けられる。
【0082】
そして、設定画面S22の上方に配されるOKキーK26を押下すれば、集約に関する設定が完了し、表示制御部9を介し、制御部8に受け付けられる。又、キャンセルキーK27が押下されると集約機能の設定がキャンセルされる。OKキーK26やキャンセルキーK27が押下されると、例えば、設定画面S21に表示が切り替えられる。
【0083】
次に、図6を用いて、最も古いバージョンでの集約機能の設定の一例を説明する。尚、図6に示すバージョンは、本実施形態で用意された3つのバージョンのうち、最も古い。そのため、昔の機種での液晶表示部7の解像度の低さを反映し、文字のドットが荒さが現れている。尚、図6に示すバージョンは、本実施形態の複合機100に搭載されたバージョンのうち最も古いので、便宜上、以下では、「初期バージョン」という。
【0084】
図6の上段の図は、コピーキー12等を押下した際に表示される設定画面S31の一例である。尚、初期バージョンが搭載されていた機種では、設定画面S31に表示される各キーが、それぞれ操作パネル1上に独自のキー(ハードキー)として設けられていた。しかし、基準バージョンを搭載する本実施形態の複合機100には、コスト、スペース等の観点から、これら独自のキーは設けない。従って、設定画面S31は、ハードキーの配列を模した画面である。例えば、ページ集約キーK31は、液晶表示部7に表示され、独自に操作パネル1上に設けられない。
【0085】
そして、設定画面S31に表示された集約キーK31を押下すると、設定画面S31は、図5の中断に示す設定画面S32に切り替わる。設定画面S32では、下方に、左カーソルキーK32、右カーソルキーK33、下カーソルキーK34、上カーソルキーK35、OKキーK36が設けられる(設定画面S32の下方に示す設定画面S33も同様)。各カーソルキーやOKキーK36の上方に、行的に、2in1キーK37が配される。4in1に関してZ型に各ページが配列される4in1キーK38a、N型に各ページが配列される4in1キーK38bの2つのキーが配される。
【0086】
例えば、設定画面S32では、上カーソルキーK35や下カーソルキーK34を押下することで、2in1キーK37等の左方に配される横向き矢印が移動する。そして、使用者は、横向き矢印をあわせた後、OKキーK36を押下することで、所望のページ集約の機能を選択できる。又、テンキー部10の数字の1〜3の何れかを押しても所望のページ集約の機能を選択することができる。
【0087】
ページ集約の種類を選択すれば、設定画面S32は、設定画面S33に切り替わる。設定画面S33は、初期バージョンでの境界線の設定を行うことができる。設定画面S33でも、上カーソルキーK35や下カーソルキーK34を押下することで、線種の左方に配される横向き矢印が移動する。そして、使用者は、横向き矢印をあわせた後、OKキーK36を押下することで、所望の境界線の線種を選択できる。又、テンキー部10の数字の1〜3の何れかを押しても所望の境界線の線種を選択することができる。
【0088】
そして、設定画面S33の下方に配されるOKキーK36を押下すれば、集約に関する設定が完了し、表示制御部9を介し、制御部8に受け付けられる。このように、初期バージョンでは、ページ集約の設定に要する入力数が、中間バージョンや基準バージョンよりも多くなっている。
【0089】
これらの設定画面Sの各バージョンは、切替キー16で任意に切り替えることができる。これにより、初期バージョンや中間バージョンの機種を使用していた使用者が、基準バージョンの機種に更新しても、とまどうことなく設定を行うことができる。尚、各図に示すように、切替キー16は、液晶表示部の一部に表示される形態でもよいし、図2、図3で示すように、ハードキーとして設けられても良い(いずれか一方でよい)。操作パネル1のメモリ91には、基準バージョンと、基準バージョンよりも古い2つ以上のバージョンで、機能を設定するための設定画面Sの画像データが記憶される。又、操作パネル1は、設定入力を受け付けるためのタッチパネル部70や各種キーや、画像データに基づいて設定画面Sを表示する液晶表示部7や、表示する設定画面Sのバージョンの切替を行うための切替キー16を有する。
【0090】
(デモ表示)
次に、図7、図8に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100でのデモ表示を説明する。図7、図8は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100でのデモ表示の一例を示す説明図である。
【0091】
まず、デモ表示は、使用者に基準バージョンでの各機能の設定方法を学習させ、使用者に基準バージョンでの操作に慣れるようにするためのものである。又、デモ表示は、中間バージョンや初期バージョンの設定画面Sを利用して機能設定がなされ、ジョブが実行された場合に表示される。即ち、基準バージョンよりも古いバージョンの設定画面Sを用いてタッチパネル部70や各種キーに設定入力がなされた場合、メモリ91は、古いバージョンの設定画面Sを用いて設定された機能を記憶し、液晶表示部7は、古いバージョンの設定画面Sを用いて設定された機能を、基準バージョンでの設定方法を示すデモ表示を行う。図7は、例えば、設定された機能がページ集約機能の1つのみの場合に液晶表示部7に表示されるデモ表示の一例を示す。更に、ページ集約機能の4in1機能設定が、なされた場合のデモ表示の一例を示す。
【0092】
デモ表示では、画面の上部に「デモ」の文字が表示され、デモ表示で有る旨が示される。更に、デモ表示では、例えば、基準バージョンの設定画面Sと、設定画面Sでの設定方法を教示する画像、文字等が表示される。図7、図8の例では、押すべきキーの位置を指し示すための手形図形Hと、説明用テキストを含んだ吹き出しMが設定方法を教示するための図形として表示される。図7のデモ表示では、設定画面S11でページ集約キーK11を押すべき旨を表示した後(例えば、数秒後)、設定画面S12に切り替わり、4in1キーK13と、ページの配列を指定するキーを選択すべき旨の手形図形Hと吹き出しMが表示される。これにより、基準バージョンでの設定に慣れていない使用者に設定方法を示すことができる。
【0093】
図8は、複数のデモ表示が並列的に行われる場合の例を示す。図8では、コピーを行う際に、画像の大きさを変化させる拡大/縮小機能、ページ集約機能、印刷物の濃度を設定するための濃度設定機能、複数ページを1枚に、或いは、1ページを複数に分割する両面/分割機能、印刷に用いる用紙のサイズを選択する用紙選択機能の5つの機能の設定がなされた場合の例を示している。
【0094】
液晶表示部7では、表示領域を分割して、複数のデモ表示を同時に行うことができる。例えば、図8に示すように、液晶表示部7の表示領域は4分割され、分割された各領域で各機能のデモ表示がなされる。即ち、古いバージョンの設定画面Sで設定された機能が複数である場合、液晶表示部7は、表示領域を分割し、複数のデモ表示を同時に表示する。図8の上段では、拡大縮小機能、ページ集約機能、濃度設定機能、両面/分割機能の4つの機能について、それぞれデモ表示が表示される例を示している。尚、表示領域の分割数は、4つ以下(例えば、2つ)でもよいし、4つよりも多くても良い。しかし、液晶表示部7のサイズを考慮し、デモ表示が使用者にとって見辛くならない程度に留めることが好ましい。
【0095】
そして、残る用紙選択機能については、上記の4つの機能のデモ表示が終了してからなされる。即ち、古いバージョンの設定画面Sで設定された機能が表示領域の分割数よりも多い場合、液晶表示部7は、表示領域を分割して、複数のデモ表示を同時に表示するとともに、デモ表示が終わった表示領域で、まだデモ表示を行っていない機能のデモ表示を行う。尚、各デモ表示が終わるまでの長さに差が有る場合、最初にデモ表示が終わった領域に、まだデモ表示を行っていない用紙選択機能のデモ表示が行われても良い。尚、4つのデモ表示がいずれも終わってから、用紙選択機能のデモ表示がおこなわれてもよい。
【0096】
例えば、デモ表示は、1つあたり数秒表示される。そして、数秒表示されている間に、例えば、手形図形Hと吹き出しMが現れる。そして、表示すべき手形図形Hや吹き出しMの全てが表示され、その後、より下層の設定画面Sでの設定方法を教示するデモ表示に切り替わる。そして、各デモ表示は、コピー、スキャン、FAX等の各機能の設定完了後、スタートキー11が押下され、各機能の実行が開始された後になされる。例えば、コピー機能を利用している場合、原稿読み取りや印刷中に、デモ表示がなされる。
【0097】
ここで、図7や図8に示すように、各デモ表示中には、中断キー17が表示される。中断キー17は、デモ表示を中断する際に使用者に押下される。これにより、使用者は、デモ表示を途中で停止させ、デモ表示を行わせないようにできる。即ち、デモ表示を中断させるための中断キー17が、液晶表示部7に表示され、中断キー17が押下された場合、液晶表示部7は、デモ表示を中断する。従って、例えば、コピーが1枚のみの場合など、ジョブが、デモ表示よりも先に完了する場合、次の使用者は、デモ表示が終了するまで待たずに、自己のジョブの設定を行うことができる。
【0098】
(デモ表示の設定)
次に、図9に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100でのデモ表示の設定の一例を説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係る液晶表示部7で表示されるバージョンを設定するための設定画面Sの一例を記す説明図である。
【0099】
図9に示すように、本実施形態の複合機100では、デモ表示について設定を行うことができる。例えば、デモ表示設定画面S4のうち、左方のデモ表示設定領域F41では、デモ表示を行うか否かを設定するための表示キーK41と非表示キーK42が設けられる。即ち、液晶表示部7は、デモ表示を行うか否かを設定するためのキー(表示キーK41と非表示キーK42)を表示するとともに、デモ表示を行う設定がタッチパネル部70になされた場合にのみデモ表示を行う。又、コピーキー12等の機能選択キーを押下した際に、最初に表示される初期の設定画面S(最上層の設定画面S)のバージョンも設定することができる。尚、バージョンは、切替キー16によって切替可能である。
【0100】
更に、デモ表示設定画面S4の内、右方の上限回数設定領域F42では、1つの機能(機能、例えば、ページ集約機能)あたり、デモ表示を行う上限回数を設定することができる。例えば、使用者は、上限回数と記されたバー(上限回数バーB41)を押下した後、テンキー部10で数字を入力することにより、デモ表示の上限回数(例えば、0〜999回)を設定することができる(図9の例では5回)。又、デモ表示を表示した回数が上限回数に到達した機能について、上限回数に到達した後もデモ表示を行うか否かを有キーK43や無キーK44を押下することにより、設定することができる。もし、有キーK43が押下されていれば、上限回数に達してもデモ表示が行われる。一方、無キーK44が押下されていれば、上限回数に達した機能については、デモ表示が行われない。即ち、メモリ91は、機能ごとにデモ表示を行った累計回数を記憶し、液晶表示部7は、予め定められた上限回数までデモ表示が行われた機能のデモ表示を行わない。言い換えると、メモリ91は、機能ごとにデモ表示を行った累計回数を記憶し、液晶表示部7は、予め定められた上限回数までデモ表示を行った機能について、デモ表示を続けて行うか否かの確認を行うためのキー(有キーK43、無キーK44)を表示し、デモ表示を行わない設定がタッチパネル部70になされたとき、予め定められた上限回数までデモ表示が行われた機能のデモ表示を行わない。
【0101】
そして、デモ表示設定画面S4になされたデモ表示の設定の内容は、メモリ91内に記憶される。又、各機能についてデモ表示を行った回数も、例えば、操作パネル1のメモリ91に記憶される。そして、表示制御部9は、メモリ91内のデモ表示の設定の内容を示すデータや、各機能のデモ表示を行った回数に基づき、表示制御部9は、液晶表示部7でのデモ表示を行うか否かを確認する。
【0102】
(操作パネル1の表示制御)
次に、図10に基づき、本発明の第1の実施形態に係る操作パネル1での表示制御の一例を説明する。図10は、本発明の第1の実施形態に係る操作パネル1での表示制御の一例を示すフローチャートである。
【0103】
まず、図10のスタートは、複合機100の主電源が投入され、複合機100が使用者の入力を受け付け、待機している状態である。この状態で、表示制御部9は、デモ表示設定画面S4等でなされたデフォルトとして設定されたバージョンでの初期画面を表示させる(ステップ♯1)。そして、表示制御部9は、切替キー16が押下されたかを確認する(ステップ♯2)。もし、切替キー16が押下されれば(ステップ♯2のYes)、表示制御部9は、メモリ91から現在表示しているバージョンと異なるバージョンの設定画面Sの画像データを読み出して、液晶表示部7に表示するバージョンの切替を行わせる(ステップ♯3)。例えば、複数回、切替キー16が連続して押下された場合、基準→中間→初期→基準→中間・・・と、巡回的にバージョンが切り替えられる。
【0104】
そして、表示制御部9は、タッチパネル部70の出力を確認して、使用者によって何らかのキーの押下がなされ、設定入力があったかを確認する(ステップ♯4)。もし、設定入力が無ければ(ステップ♯4のNo)、例えば、ステップ♯2に戻る。一方、設定入力が有れば(ステップ♯4のYes)、その入力がOKキーK16〜36等の押下である等、1つの機能について、機能の設定が完了されたかを確認する(ステップ♯5)。
【0105】
もし、1つの機能について、設定完了に至っていなければ(ステップ♯5のNo)、下層の設定画面Sへの切り替えや、押下されたキーの表示の白黒を反転させる等、表示制御部9は、液晶表示部7に表示の切り替えを行わせる(ステップ♯6)。ステップ♯6の後は、例えば、ステップ♯2に戻る。
【0106】
もし、1つの機能について、設定完了に至っていれば(ステップ♯5のYes)、表示制御部9は、スタートキー11が押下されたかを確認する(ステップ♯7)。もし、スタートキー11が押下されていなければ(ステップ♯7のNo)、更に設定が行われる可能性が有るので、例えば、ステップ♯1に戻る。一方、スタートキー11が押下され、複合機100での印刷等の動作開始が指示されれば(ステップ♯7のYes)、表示制御部9は、操作パネル1への入力で、使用者によりなされた機能を示すデータを本体の制御部8に伝達し、その機能にあわせて、制御部8は、複合機100での動作(例えば、印刷処理)を制御する(ステップ♯8)。例えば、コピーキー12が押下され、コピーを行う設定がなされていれば、原稿読み取りと印刷がなされる。
【0107】
その後、表示制御部9は、液晶表示部7に設定された内容につき、デモ表示を行わせる(ステップ♯9)。即ち、デモ表示は、印刷中等になされる。そして、複合機100での動作とデモ表示が完了する(ステップ♯10→エンド)。そして、例えば、再び、ステップ♯1から、表示制御が開始される。
【0108】
このようにして、本実施形態の操作パネル1では、表示する設定画面Sのバージョンの切替を行うための切替キー16を有するので、基準バージョンよりも古いバージョンの設定画面Sを容易に表示させることができる。従って、使用者が新しい基準バージョンでの設定方法に慣れていなくても、使用者は旧バージョンの設定画面Sにより各種設定を行うことができる。これにより、使用者の操作性が低下することを防ぐことができる。又、例えば、使用者には、1世代前の機種を使用していた者もいれば、2世代前、3世代前の機種を使用していた者もおり多様であるところ、基準バージョンに対し、複数種の旧バージョンでの設定画面Sを表示させることができる。これにより、使用者が交換前に使用していた機種や製造年代を問わず、時間的に幅広く使用者の操作性低下を防ぐことができる。尚、例えば、基準バージョンは、使用している機種の最新バージョンであっても良い(例えば、バージョンアップがあれば、バージョンアップ後)のバージョンとしてもよい。
【0109】
又、基準バージョンでの設定方法を示すデモ表示が行われるので、基準バージョンでの操作を学ぶことができる。これにより、使用者の基準バージョンでの設定方法を慣れさせることができ、基準バージョンでの操作性が高められる。又、同時に表示すべきデモ表示の種類が多数の場合、1つの機能ごとにデモ表示を行えば、全てのデモ表示が終わるまで時間を要するところ、この構成によれば、表示部(例えば、液晶表示部7)は、表示領域を分割し、複数のデモ表示を同時に表示する。これにより、使用者は、効率よくデモ表示を確認し、効率よく学習でき、デモ表示の閲覧に要する時間を少なくすることができる。又、デモ表示が終わった領域で、まだデモ表示を行っていない機能のデモ表示が行われるので、効率よく多数のデモ表示が行われる。これにより、使用者は、効率よくデモ表示を確認して効率よく学習でき、デモ表示の閲覧に要する時間を少なくすることができる。
【0110】
又、デモ表示を中断させるための中断キー17が設けられるので、デモ表示を表示させないようにすることができる。これにより、デモ表示を不要と感じている使用者が煩わしさを感じないようにすることができる。又、デモ表示を中断して、次のジョブ等の設定に速やかに移行でき、使用者はデモ表示終了まで待たなくて済む。又、表示部(例えば、液晶表示部7)は、予め定められた上限回数までデモ表示が行われた機能については、デモ表示を行わないので、使用者が学習したと認められる機能でのデモ表示を自動的に停止させることができる。これにより、使用者は、既に慣れた機能のデモ表示が表示されるたびに停止させる入力等を行う必要が無くなる。
【0111】
又、表示可否設定キー(例えば、表示キーK41、非表示キーK42)でデモ表示を行うか否かを設定することができるので、デモ表示について使用者の意思を反映させることができる。デモ表示を希望する使用者は、デモ表示を行う設定を行い、デモ表示を煩わしい等の理由で希望しない使用者はデモ表示を行わない設定とすればよい。又、デモ表示を行わない設定が入力部(例えば、タッチパネル部70)になされたとき、予め定められた上限回数までデモ表示が行われた機能のデモ表示を行わないので、使用者の感覚に基づき、デモ表示を行うか否かを決定することができる。これにより、設定方法がわかりにくいと感じている機能についてのみ、デモ表示がなされ、使用者は、デモ表示が表示されるたびに停止させる入力等を行う必要が無くなる。
【0112】
又、入力部は、設定画面Sに表示され、押下されたキーを特定するためのタッチパネル部70であり、切替キー16は、表示部(例えば、液晶表示部7)に表示され、又、表示部とは別に設けられる。このように切替キー16によって、バージョンの切替を行うことができる。又、たとえ画像形成装置(例えば、複合機100)が導入されて間もなくても、使用者はスムーズに設定を行え、操作性の低下のない画像形成装置を提供することができる。又、使用者は、基準バージョンへの速やかな移行を行うことができる。又、デモ表示は、印刷中になされるので、ジョブ印刷中の使用者の待ち時間になされる。従って、使用者の待ち時間を有意義なものとすることができる。
【0113】
(第2の実施形態)
次に、図11を利用して第2の実施形態を説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る液晶表示部7で表示されるバージョンを設定するための設定画面Sの一例を記す説明図である。本実施形態は、第1の実施形態と、操作パネル1に表示される設定画面Sのバージョンを全体的に変更するのではなく、機能ごとにバージョンを異ならせて表示を行う例を説明する。即ち、液晶表示部7は、機能ごとにバージョンを変えて表示する。尚、その他、複合機100の構成や、操作パネル1での操作、設定方法等、ほとんど第1の実施形態と同様でよく、本実施形態の説明では、第1の実施形態と異なる部分を述べ、共通する点については、原則として、説明、図示を省略する。
【0114】
例えば、図11に示すように、本実施形態に係るデモ表示設定画面S5では、更に、機能ごとに、バージョンを混在させるか設定するためのバージョン混在設定領域領域F51が設けられる。バージョン混在設定領域には、自動バージョンアップバーB51とその右方に有キーK51と無キーK52とが設けられる。
【0115】
もし、有キーK51が押下されていれば、例えば、表示制御部9は、上限回数までデモ表示を行った機能については、上限回数だけ機能の設定が行われ、次の機能設定時には、表示するバージョンを上げる(バージョンアップ)。例えば、デフォルトの表示バージョンが中間バージョンであり、ある機能のデモ表示が上限回数行われれば、その機能については、基準バージョンに切り替える。例えば、デフォルトの表示バージョンが中間バージョンであるため、コピーキー12が押下されると、図5の設定画面S21が表示される。そして、例えば、ページ集約機能のデモ表示が5回に達すると、次に、中間バージョンの設定画面S21でページ集約キーが押下された場合、表示制御部9は、基準バージョンのページ集約の設定画面S12の表示を液晶表示部7に行わせる。
【0116】
尚、本説明では、上限回数に到った場合、自動的にバージョンアップする例を示すが、必ずしも上限回数と自動バージョンアップを行うまでの機能の設定回数を一致させる必要はない。そのため、別途、設定用のキーや、自動的にバージョンアップを行う回数を表示するようにしてもよい。即ち、メモリ91は、それぞれのバージョンで、機能が設定された回数を記憶し、1つのバージョンでの同一の機能の設定回数が、予め定められたバージョンアップ回数に到った場合、液晶表示部7は、バージョンアップ回数に到った機能については、次の機能設定時、直前の設定時よりも新しいバージョンの設定画面Sを表示する。
【0117】
又、バージョン混在設定領域領域F51には、自動バージョンダウンバーB2とその右方に有キーK53と無キーK54とが設けられる。有キーK53が選択され、自動バージョンダウンを行う設定をしている場合、1つのキーが押下されてから、次のキーが押下されるまでの時間(以下、押下間隔)を例えば、計時部92が計時する。もし、押下間隔が予め定められた限界の時間(限界時間)を超えた場合、使用者は、その機能については、まだ慣れていないと認められる。そこで、表示制御部9は、機能ごとに、押下間隔を、計時部92を用いて確認する。尚、「限界時間」は、任意に設定できるが、短すぎれば(例えば、1秒未満)、慣れていても限界時間を超えてしまうことになり、長すぎれば(例えば、十数秒以上)、使用者が慣れていなくても操作を行えてしまう場合がある。そこで、限界時間は、例えば、数秒程度とできる。
【0118】
もし、押下間隔が、予め定められた限界時間を超えた場合、以後、その機能については次の機能設定の際、直前に表示していたバージョンよりもバージョンを落とす(バージョンダウン。尚、初期バージョンでの押下間隔が限界時間を超えてもバージョンは落とせない)。例えば、基準バージョンのページ集約機能の設定中、時間的な押下間隔が限界時間を超えれば、表示制御部9は、次のページ集約機能の設定がなされる際に、中間バージョンの設定画面S22を表示する。これにより、使用者は、まだ慣れていないバージョンを用いての設定を強要されることがなく、操作性は低下しない。即ち、タッチパネル部70や各種キーに設定の入力がなされてから、次にタッチパネル部70や各種キーに設定の入力がなされるまでの時間を計時する計時部92を有し、液晶表示部7は、先の設定入力から、次の設定入力がなされないままの状態が、予め定められた限界時間を超えた機能については、次の設定時、現在のバージョンよりも古いバージョンに切り替えて表示を行う。
【0119】
このように、本実施形態の操作パネル1の液晶表示部7では異なるバージョンが混在して表示されうる。従って、例えば、操作パネル1のメモリ91が、どの機能(機能設定)は、どのバージョンで表示するかを記憶しておく。そして、表示制御部9が、メモリ91を参照して液晶表示部7に表示すべきバージョンで各機能の設定画面Sを表示させる。更に、各機能の表示でのバージョンは、使用者の慣れの度合によって、自動的に変化する。
【0120】
このようにして、本実施形態の操作パネル1は、機能ごとに、バージョンを変えて表示できるので、未だ慣れていない機能については旧バージョン、既に慣れた機能については基準バージョンというように、使用者の慣れ度合を考慮しつつ表示部で設定画面Sの表示がなされる。これにより、使用者の操作性の低下を招くことなく、基準バージョンへの移行を行うことができる。又、表示部(例えば、液晶表示部7)は、デモ停止回数に到った機能については、デモ停止回数に到ったバージョンよりも古いバージョンの設定画面Sは表示しない。これにより、自動的に基準バージョンへのバージョンアップが導かれ、基準バージョンへの移行を自動的に進めることができる。又、先の設定入力から、次の設定入力がなされないままの状態が、予め定められた限界時間を超え、使用者が慣れておらず、設定に手間取っていると認められる場合、表示部(例えば、液晶表示部7)は、現在のバージョンよりも古いバージョンに切り替えて表示を行う(自動バージョンダウン)。これにより、自動的に使用者の慣れ度合を勘案して設定画面Sを切り替えることができる。例えば、基準バージョンでとまどっていると認められる場合、表示部は、基準バージョンよりも古いバージョンで表示を行う。
【0121】
(第3の実施形態)
次に、図12を利用して第3の実施形態を説明する。図12(a)は、本発明の第3の実施形態に係る複合機100を利用する使用者を特定するための認証画面S6の一例であり、(b)は、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示部7で表示されるバージョンを設定するための設定画面Sの一例を記す説明図である。
【0122】
本実施形態は、第1の実施形態や第2の実施形態を応用したものであり、使用者ごとに異なる設定画面Sの表示が液晶表示部7で行われる点で異なる。これにより、各使用者の習熟度に合わせて機能ごとにバージョンを異ならせて表示が行われる。尚、その他、複合機100の構成や、操作パネル1での操作、設定方法等は、第1、第2の実施形態と同様でよく、本実施形態の説明では、第1、第2の実施形態と異なる部分を述べ、共通する点については、原則として、説明、図示を省略する。
【0123】
図12に示すように、本実施形態の複合機100では、使用者は、使用する際に、認証を受けなければならない。そして、認証画面S6では、認証用データとして、ユーザ名(ID)と、パスワードの入力が要求される。そして、例えば、ユーザ名キーK61や、パスワードキーK62を押下すると、液晶表示部7には、認証画面S6の上面にソフトウェアキーボード(不図示)が表示される。そして、ソフトウェアキーボードを押下することで、ユーザ名やパスワードの入力が可能となる。
【0124】
そして、例えば、操作パネル1のメモリ91内には、使用を認めても良い全ての者の認証用データが記憶される。もし、OKキーK63が押下されると、表示制御部9は、例えば、入力されたユーザ名とパスワードと同じデータがメモリ91内の認証用データ内に有るかを確認する。同じデータが有れば、表示制御部9は、利用可能状態とすべき旨のデータ等を送信して、本体の制御部8に知らせる。一方、同じデータが無ければ、複合機100は、利用不可の状態で維持される。尚、認証用データを本体側の記憶部83や認証部84に記憶させておくならば、表示制御部9は、入力されたユーザ名等を制御部8に送信し制御部8や認証部84で認証が行われるようにしてもよい。この場合、液晶表示部7で各設定画面を表示し、操作パネル1に対する入力を受け付けて良いか否かを指示するデータが制御部8から表示制御部9に送信されることになる。
【0125】
このように、使用者が特定されるので、液晶表示部7で表示される設定画面Sのバージョンを、使用者ごとに設定可能としても良い。例えば、図12(b)に示すように、現在使用している使用者が例えば、液晶表示部7の下方に表示される。そして、使用者ごとに設定画面Sのバージョンを設定可能とし、操作パネル1のメモリ91は、その使用者ごとの表示するバージョンの設定やデモ表示の必要の有無を記憶する。そして、表示制御部9は、使用者ごとに表示する設定画面Sのバージョンを変える。例えば、自動バージョンアップや自動バージョンダウンが、使用者ごとに反映される。
【0126】
又、図12(a)の認証画面S6で示されるように、カードを読取部86に読み取らせることによって認証を行うためのカード認証キーK64が配される。使用者は、カード認証キーK64を押下し、ICカードや磁気カードを読み取らせる。これにより、制御部8は、使用者を特定できる。その後、特定された使用者を示すデータを表示制御部9に送信する。その結果、表示制御部9は、液晶表示部7に使用者に応じたバージョンで設定画面Sを表示させることができる。
【0127】
又、使用者ごとに、デモ表示を行うか否かのデータや、デモ表示を行う上限回数のデータが操作パネル1のメモリ91に記憶される。そして、表示制御部9は、メモリ91に記憶されたデータに基づき、液晶表示部7でのデモ表示の制御を行う。即ち、タッチパネル部70や各種キーは、使用者を特定するための認証情報の入力を受け付け、メモリ91は、使用者ごとに、表示するバージョンとデモ表示の必要性の有無を記憶する。
【0128】
このようにして、本実施形態の発明によれば、記憶部83は、使用者ごとに、表示するバージョンとデモ表示の必要性の有無を記憶する。これにより、各使用者の操作、設定の慣れ度合に合わせて表示部での表示を行うことができる。
【0129】
以下、他の実施形態について説明する。上述の実施形態では、画像形成装置に装着された操作パネル1での液晶表示部7を例に挙げて説明した。しかし、表示するものは、液晶表示のものに制限されず、有機ELやCRT等各種方式のものを採用することができる。
【0130】
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、操作パネル1等の表示部と入力部を有する表示装置や、画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 操作パネル(表示装置) 10 テンキー部(入力部)
11 スタートキー(入力部) 12 コピーキー(入力部)
13 プリンタキー(入力部) 14 スキャンキー(入力部)
15 FAXキー(入力部) 16 切替キー
7 液晶表示部(表示部) 70 タッチパネル部(入力部)
84 認証部 91 メモリ
92 計時部 100 複合機(画像形成装置)
S(S1〜S6) 設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準バージョンと、前記基準バージョンよりも古い2つ以上のバージョンで、機能を設定するための設定画面の画像データを記憶するメモリと、
設定入力を受け付けるための入力部と、
前記画像データに基づいて設定画面を表示する表示部と、
表示する設定画面のバージョンの切替を行うための切替キーと、を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記基準バージョンよりも古いバージョンの設定画面を用いて前記入力部に設定入力がなされた場合、
前記メモリは、古いバージョンの設定画面を用いて設定された機能を記憶し、
前記表示部は、古いバージョンの設定画面を用いて設定された機能の前記基準バージョンでの設定方法を示すデモ表示を行うことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、機能ごとに、バージョンを変えて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
古いバージョンの設定画面で設定された機能が複数である場合、
前記表示部は、表示領域を分割し、複数の前記デモ表示を同時に表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
古いバージョンの設定画面で設定された機能が前記表示領域の分割数よりも多い場合、
前記表示部は、表示領域を分割して、複数の前記デモ表示を同時に表示するとともに、前記デモ表示が終わった表示領域で、まだ前記デモ表示を行っていない機能の前記デモ表示を行うことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記デモ表示を中断させるための中断キーが、前記表示部に表示され、
前記中断キーが押下された場合、前記表示部は、前記デモ表示を中断することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記メモリは、機能ごとに前記デモ表示を行った累計回数を記憶し、
前記表示部は、予め定められた上限回数まで前記デモ表示が行われた機能の前記デモ表示を行わないことを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記デモ表示を行うか否かを設定するためのキーを表示するとともに、前記デモ表示を行う設定が前記入力部になされた場合にのみ前記デモ表示を行うことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記メモリは、機能ごとに前記デモ表示を行った累計回数を記憶し、
前記表示部は、予め定められた上限回数まで前記デモ表示を行った機能について、前記デモ表示を続けて行うか否かの確認を行うためのキーを表示し、前記デモ表示を行わない設定が前記入力部になされたとき、予め定められた上限回数まで前記デモ表示が行われた機能の前記デモ表示を行わないことを特徴とする請求項2乃至8の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記メモリは、それぞれのバージョンで、機能が設定された回数を記憶し、
1つのバージョンでの同一の機能の設定回数が、予め定められたバージョンアップ回数に到った場合、
前記表示部は、前記バージョンアップ回数に到った機能については、次の機能設定時、直前の設定時よりも新しいバージョンの設定画面を表示することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記入力部に設定の入力がなされてから、次に前記入力部に設定の入力がなされるまでの時間を計時する計時部を有し、
前記表示部は、先の設定入力から、次の設定入力がなされないままの状態が、予め定められた限界時間を超えた機能については、次の設定時、現在のバージョンよりも古いバージョンに切り替えて表示を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記入力部は、前記設定画面に表示され、押下されたキーを特定するためのタッチパネルであり、前記切替キーは、前記表示部に表示され、又は、前記表示部とは別に設けられることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記入力部は、使用者を特定するための認証情報の入力を受け付け、
前記メモリは、使用者ごとに、表示するバージョンと前記デモ表示の必要性の有無を記憶することを特徴とする請求項2乃至12に記載の表示装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13記載の表示装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
前記デモ表示は、印刷中になされることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−114847(P2011−114847A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272424(P2009−272424)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】