説明

表示装置用フィルタ、表示装置用フィルタの製造方法、およびフィルタ付表示装置

【課題】映像のコントラストを高める光学機能および電磁波シールド機能を有する安価で透過率の高い表示装置用フィルタ、表示装置用フィルタの製造方法、およびフィルタ付表示装置を提供する。
【解決手段】本発明による表示装置用フィルタ10は、PDP30の前面に設置される。この表示装置用フィルタ10は、透明基材11と、透明基材11上に設けられ、映像のコントラストを高める光学機能層20とを備えている。光学機能層20は、透明樹脂部21と、透明樹脂部21の凹部21a表面に形成され電磁波シールド機能をもつとともに黒色材料からなる導電性膜27と、凹部21a内に充填され黒色樹脂からなるレジスト樹脂28とからなっている。これにより、外光を吸収してPDP30からの映像のコントラストを高めるとともに、PDP30から放出される電磁波を効果的に遮蔽することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば表示装置の表示面のような光透過面等に配置されて用いられる表示装置用フィルタおよびフィルタ付表示装置に係り、とりわけ映像のコントラストを高める光学機能および電磁波を遮蔽する電磁波シールド機能を有する表示装置用フィルタおよびこのような表示装置用フィルタを有するフィルタ付表示装置に関する。また、本発明は、光学機能および電磁波シールド機能の両方を有する表示装置用フィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の映像表示装置が、種々の分野で利用されている。そして、映像表示装置に表示される映像を明瞭に観察することができるようにするためには、映像のコントラストを高めることが有効である。そして、映像のコントラストを高めるための種々の研究がなされており(例えば、特許文献1)、外光の表示面への入射を抑制することが有効とされている。とりわけ、プラズマディスプレイパネル(PDP)においては、その構造的特徴から表示面が全体的に白っぽくなり、映像のコントラストが低下しやすい。このため、プラズマディスプレイパネルの前面には、外光を吸収する遮光材が配置される。
【0003】
また近年、各種映像表示装置から発生される電磁波による、電子機器や身体等への電磁気的なノイズ妨害(Electro Magnetic Interference; EMI)が問題となっている。例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、データ電極と蛍光層を有するガラス板と透明電極を有するガラス板との組合体であり、作動すると電磁波が大量に発生する。このため、プラズマディスプレイパネルの前面には、メッシュ状(格子状)に形成された導電体を含む電磁波シールド材が配置される。そして、この電磁波シールド材によって、映像表示装置から発生する電磁波を遮蔽するようになっている。
【特許文献1】特許第2624462号公報
【特許文献2】特開2006−261322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、映像表示装置の表示面の前面に配置される遮光材、電磁波シールド材、および近赤外線/ネオンカット材は、互いに全く異なる特殊な構造を有しており、別部材として作製されている。そして、遮光材、電磁波シールド材、および近赤外線/ネオンカット材を表示装置の表示面上へ配置する場合、遮光材、電磁波シールド材、および近赤外線/ネオンカット材が別個に表示面上に配置される、あるいは、遮光材と電磁波シールド材と近赤外線/ネオンカット材とが予め積層され、得られた積層体が表示面上に配置される。この結果、表示装置の構成が複雑化するとともに、表示装置の製造コストが高くなってしまう。
【0005】
また、映像表示装置に限られず、遮光材、電磁波シールド材、および近赤外線/ネオンカット材が積層されて用いられる場合がある。そしてこの場合、同様の問題が生じ得る。
【0006】
また映像表示装置のうち、とりわけPDPからは電磁波だけでなく、近赤外線、あるいは封入ガスからネオン光が放出してオレンジ色が強くなり、色純度が低下することも考えられる。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、映像のコントラストを高める光学機能および電磁波を遮蔽する電磁波シールド機能を有する安価で透過率の高い表示装置用フィルタ、表示装置用フィルタの製造方法、およびフィルタ付表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示装置の前面に設置される表示装置用フィルタにおいて、透明基材と、透明基材上に設けられ、映像のコントラストを高める光学機能層とを備え、光学機能層は、凹部を有する透明樹脂部と、透明樹脂部の凹部表面に形成され電磁波シールド機能をもつ導電性膜と、透明樹脂部の凹部内に充填されたレジスト樹脂とからなり、導電性膜が黒色材料からなっておりかつレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっているか、または導電性膜が黒色材料からなっているかまたはレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっていることを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0009】
本発明は、光学機能層の導電性膜およびレジスト樹脂部は、ストライプ状に形成されていることを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0010】
本発明は、光学機能層の導電性膜およびレジスト樹脂部は、格子状に形成されていることを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0011】
本発明は、光学機能層の透明樹脂部中に近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素、もしくは双方の色素を含有させたことを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0012】
本発明は、透明基材上または光学機能層上に、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有する近赤外線/ネオンカット層を更に設けたことを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0013】
本発明は、光学機能層に、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有する近赤外線/ネオンカット層を粘着材を介して貼り合せたことを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0014】
本発明は、透明基材上または光学機能層上に、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有する近赤外線/ネオンカット粘着材を更に設けたことを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0015】
本発明は、透明基材は、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有することを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0016】
本発明は、反射防止層を更に設けたことを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0017】
本発明は、支持用基材を更に備えたことを特徴とする表示装置用フィルタである。
【0018】
本発明は、表示装置用フィルタと、表示装置とを備えたことを特徴とするフィルタ付表示装置である。
【0019】
本発明は、表示装置の前面に設置される表示装置用フィルタの製造方法において、透明基材を準備する工程と、透明基材上に透明樹脂を塗布して光学機能層の透明樹脂部を形成する工程と、凸部を有する型を透明樹脂部上に重ねて透明樹脂部を硬化させ、これにより透明樹脂部上に型の凸部に対応する凹部と、凹部間に位置する土手部とを形成する工程と、透明樹脂部の土手部表面および凹部表面に、電磁波シールド機能をもつ導電性膜を形成する工程と、透明樹脂部の凹部内にレジスト樹脂を充填し、このレジスト樹脂を硬化または乾燥させる工程と、凹部内のレジスト樹脂を保護層としてエッチング処理を施し、土手部表面の導電性膜をエッチング除去する工程とを備え、導電性膜が黒色材料からなっておりかつレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっているか、または導電性膜が黒色材料からなっているかまたはレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっていることを特徴とする表示装置用フィルタの製造方法である。
【0020】
本発明は、導電性膜を形成する工程において、導電性膜およびレジスト樹脂部がストライプ状に形成されることを特徴とする表示装置用フィルタの製造方法である。
【0021】
本発明は、導電性膜を形成する工程において、導電性膜およびレジスト樹脂部が格子状に形成されることを特徴とする表示装置用フィルタの製造方法である。
【0022】
本発明は、透明樹脂部を形成する工程において、透明樹脂中に近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素、もしくは双方の色素が含有されていることを特徴とする表示装置用フィルタの製造方法である。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、光学機能層が電磁波シールド機能を有しているので、電磁波シールド層と光学機能層とを別々に設ける必要がない。このため表示装置用フィルタを構成する部材の数を減らすことができる。これにより、表示装置用フィルタを製造する工程数を削減することができ、製造コストの低減を図ることができる。また表示装置用フィルタの透過率を向上させ、表示装置用フィルタ全体を軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1乃至図5は、本発明の一実施の形態による表示装置用フィルタを示す構成図であり、図6は比較例としての表示装置用フィルタを示す構成図であり、図7は光学機能層を示す平面図であり、図8乃至図11は本発明の一実施の形態による表示装置用フィルタの製造方法を示す工程図である。
【0025】
表示装置用フィルタの構成
まず、図1乃至図5により本実施の形態による表示装置用フィルタについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による表示装置用フィルタ10は、プラズマディスプレイパネル(PDP)30等の映像表示装置の前面に設置されるものである。
【0026】
このような表示装置用フィルタ10は、透明基材11と、透明基材11上に設けられ外光を効果的に吸収してPDP30からの映像のコントラストを高める光学機能層20とを備えている。
【0027】
このうち光学機能層20は、凹部21aを有する透明樹脂部21と、この透明樹脂部21の凹部21a表面に形成され電磁波シールド機能をもつ導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなっている。このうち導電性膜27は黒色材料からなり、レジスト樹脂部28は黒色樹脂からなっている。
【0028】
黒色材料からなる導電性膜27としては、ニッケル−銅合金、ニッケル合金、クロム合金、アルミニウム合金、銀合金等を用いることができる。また黒色樹脂からなるレジスト樹脂部28としては、カーボンブラック、有機黒色顔料、黒色染料等の黒色顔料を配合したUV硬化性、電子線硬化性、または熱硬化性のエッチングレジストインキ等を用いることができる。
【0029】
ところで、光学機能層20を正面から見た場合、光学機能層20の導電性膜27は一線状に帯状となって延びてストライプ状に形成されている(図7(a))。これにより、光学機能層20はPDP30から放出され人体に有害な電磁波を効果的に遮蔽する電磁波シールド機能を有している。この場合、表示装置用フィルタ10をPDP30に設置した際、レジスト樹脂部28の方向は左右方向となる。他方、光学機能層20の導電性膜27は、正面から見て格子状に形成されていても良い(図7(b))。
【0030】
このように黒色材料からなる導電性膜27および黒色樹脂からなるレジスト樹脂部28が、ストライプ状(図7(a))または格子状(図7(b))に形成されていることにより、光学機能層20は、外光が表示面へ入射することを抑制しPDP30から映像のコントラストを高める光学機能も有している。なお、レジスト樹脂部28はくさび形断面を有しているが、矩形状断面、逆くさび形断面、三角形断面、半円形断面を有していてもよい。
【0031】
また、光学機能層20の透明樹脂部21中に近赤外線(near infrared:NIR)吸収色素およびネオン(Ne)吸収色素が含有されている。これにより、光学機能層20は、近赤外線およびネオン光をカットする機能(近赤外線/ネオンカット機能)を更に有している。
【0032】
すなわち光学機能層20の透明樹脂部21は、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、メラミン系、エステル系等のUV/EB硬化性樹脂またはアクリル系、エポキシ系、ウレタン系、フェノール系、メラミン系、エステル系等の熱硬化性樹脂からなっている。また透明樹脂部21は、近赤外線吸収色素およびネオン吸収色素を含有している。ここで近赤外線吸収色素は、800〜1100nmの波長の光をカットするようになっており、ネオン吸収色素は、570〜600nmの波長の光をカットするようになっている。
【0033】
なお、近赤外線吸収色素としては、イモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、アルミニウム塩系化合物、金属錯体化合物等が挙げられ、ネオン吸収色素としてはシアニン系色素、サブフタロシアニン系色素、ポルフィリン、テトラアザポルフィリン系色素等が挙げられる。
【0034】
一方、透明基材11としては、PET製フィルム、アクリル製フィルム等のプラスチックフィルム、あるいは強化ガラスまたは半強化ガラス等を用いることができる。
【0035】
透明基材11がプラスチックフィルムにより構成される場合、このプラスチックフィルムは高透明性と耐熱性を有することが望ましく、高分子成形物および高分子成形物の積層体を用いることができる。透明性に関しては可視光線透過率が80%以上であることが有利であって、耐熱性に関してはガラス転移温度が50℃以上であることが望ましい。とりわけ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリサルフォン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリルレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等を挙げることができる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムを用いることが望ましい。
【0036】
また、図1に示すように、透明基材11上には、反射防止層用粘着材13を介して反射防止層14が設けられている。他方、光学機能層20上には画像表示部側粘着材24が設けられている。
【0037】
反射防止層14は空気と表示装置用フィルタ10との間の屈折率差による反射を防止するとともに、PDP30表面の反射を防止するものである。この反射防止層14は光学薄膜を積層することにより構成される。なお、反射防止層14は、透明基材11上にウエット塗布または真空製膜により形成しても良い。
【0038】
また反射防止層用粘着材13および画像表示部側粘着材24としては、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PMB)、エチレン−アセト酸ビニル系接着剤(EVA)、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等を用いることができる。
【0039】
なお画像表示部側粘着材24は、表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させるものである。そして表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させることにより、表示装置用フィルタ10とPDP30とからなるフィルタ付PDP(フィルタ付表示装置)が得られる。
【0040】
なお、表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に装着する方法として、上述のように表示装置用フィルタ10を画像表示部側粘着材24を介してPDP30の前面に接着させる方法の他、後述するようにガラス、フィルム等からなる支持用基材10Aを有する表示装置用フィルタ10を準備し(図2参照)、この支持用基材10AとPDP30とを接着させても良い。また支持用基材10Aを有する表示装置用フィルタ10を支持用基材10AがPDP30側を向くように配置し、表示装置用フィルタ10とPDP30との間に空間をあけるようにして表示装置用フィルタ10の周縁をPDP30に固定しても良い。さらにまた支持用基材10Aを有しない表示装置用フィルタ10を準備し、表示装置用フィルタ10とPDP30との間に空間をあけるようにして表示装置用フィルタ10の周縁をPDP30に固定しても良い。
【0041】
図1において、光学機能層20はPDP30からの映像のコントラストを高めるとともにPDP30から放出される電磁波を効果的に遮蔽することができるので、PDP30からの電磁波を遮蔽する層(電磁波シールド層)と光学機能層20とを別々に設ける必要がなく、表示装置用フィルタ10を構成する部材の数を減らすことができる。すなわち電磁波シールド層および電磁波シールド層を支持する透明基材が不要となる。また光学機能層20は近赤外線/ネオンカット機能を有しているので、近赤外線およびネオン光をカットする近赤外線/ネオンカット層を別途設ける必要がない。これにより、表示装置用フィルタ10を製造する工程数を削減することができ、製造コストの低減を図ることができる。さらには表示装置用フィルタ10の透過率を向上させ、表示装置用フィルタ全体を軽量化することができる。
【0042】
すなわち、比較例として図6に示す表示装置用フィルタ40は、近赤外線およびネオン光をカットする機能を有する近赤外線/ネオンカット層25と、この近赤外線/ネオンカット層25を支持する第3透明基材11cとを有している。このうち第3透明基材11cは、第1粘着材15aを介して第1透明基材11aに接合されている。そして第1透明基材11a上に電磁波シールド層12が支持され、電磁波シールド層12に反射防止層用粘着材13を介して反射防止層14が設けられている。
【0043】
また近赤外線/ネオンカット層25は、第2粘着材15bを介して第2透明基材11bに接合されている。そして第2透明基材11b上に透明樹脂部21と透明樹脂部21に埋め込まれた黒色樹脂部22とからなる光学機能層20が設けられ、光学機能層20上に画像表示部側粘着材24が設けられている。
【0044】
図6に示す比較例としての表示装置用フィルタ40において、反射防止層14と光学機能層20との間に、電磁波シールド層12と、電磁波シールド層12を支持する第1透明基材11aと、近赤外線/ネオンカット層25と、近赤外線/ネオンカット層25を支持する第3透明基材11cとが配置されている。
【0045】
これに対して、図1に示すように本発明によれば、光学機能層20は、映像のコントラストを高める光学機能のほか、電磁波シールド機能および近赤外線/ネオンカット機能を有している。このため、光学機能層20のほかに、電磁波を遮蔽する層(電磁波シールド層12)および近赤外線およびネオン光をカットする層(近赤外線/ネオンカット層25)を更に設ける必要はない。
【0046】
表示装置用フィルタ10は、更に画像表示部側粘着材24側または反射防止層14側に配置され、全体を保持する機能をもつガラス、フィルム等からなる支持用基材10Aを有していてもよい(図2)。
【0047】
なお、図1乃至図2において透明基材11上に反射防止層用粘着材13を介して反射防止層14を設けた例を示したが、これに限らず反射防止層14の代わりに表面に凹凸をつけて外光を散乱させるぎらつき防止層を設けてもよい。
【0048】
また図1乃至図2において、光学機能層20の透明樹脂部21は、近赤外線カット機能およびネオンカット機能の双方の機能を有しているが、近赤外線カット機能またはネオンカット機能のいずれか一方のみの機能をもっていてもよい。すなわち光学機能層20の透明樹脂部21に近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素のいずれか一方のみを添加しても良い。あるいは、光学機能層20の透明樹脂部21に近赤外線吸収色素およびネオン吸収色素を添加する代わりに、透明基材11に近赤外線吸収色素およびネオン吸収色素を添加しても良い。あるいは、透明基材11に近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素のいずれか一方のみを添加しても良い。
【0049】
一方、透明基材11中に、上述した近赤外線吸収色素およびネオン吸収色素を混入し、これにより透明基材11が、近赤外線(near infrared:NIR)およびネオン光をカットする機能(近赤外線/ネオンカット機能)を有していても良い。あるいは、透明基材11中に、近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素のうちいずれか一方を混入し、これにより透明基材11が、近赤外線カット機能またはネオンカット機能のいずれか一方のみの機能をもっていてもよい。
【0050】
次に図3乃至図5により表示装置用フィルタ10の他の構成について説明する。図3乃至図5において、図1に示す表示装置用フィルタ10と同一部分には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0051】
図3に示す表示装置用フィルタ10は、透明基材11と、透明基材11の一方の面に設けられた光学機能層20と、透明基材11の他方の面に設けられ近赤外線(near infrared:NIR)およびネオン光をカットする近赤外線/ネオンカット層25と、近赤外線/ネオンカット層25上に反射防止層用粘着材13を介して設けられた反射防止層14と、光学機能層20上に設けられた画像表示部側粘着材24とを備えている。
【0052】
このうち光学機能層20は、凹部21aを有する透明樹脂部21と、この透明樹脂部21の凹部21a表面に形成され電磁波シールド機能をもつ導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなっている。このうち導電性膜27は黒色材料からなり、レジスト樹脂部28は黒色樹脂からなっている。
【0053】
また画像表示部側粘着材24は、表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させるものである。そして表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させることにより、表示装置用フィルタ10とPDP30とからなるフィルタ付PDP(フィルタ付表示装置)が得られる。
【0054】
一方、近赤外線/ネオンカット層25は、アクリル樹脂と、アクリル樹脂中に含まれた近赤外線吸収色素およびネオン吸収色素とを有している。近赤外線吸収色素は、800〜1100nmの波長の光をカットするようになっており、ネオン吸収色素は、570〜600nmの波長の光をカットするようになっている。近赤外線/ネオンカット層25を構成する樹脂としては、アクリル樹脂の他、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等の透明(可視光透過率50%以上)樹脂を使用することができる。
【0055】
近赤外線吸収色素としては、イモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、アルミニウム塩系化合物、金属錯体化合物が挙げられ、ネオン吸収色素としては、シアニン系色素、サブフタロシアニン系色素、ポルフィリン、テトラアザポルフィリン系色素等が挙げられる。
【0056】
なお、図3において、近赤外線/ネオンカット層25は、近赤外線カット機能およびネオンカット機能の双方の機能を有しているが、近赤外線/ネオンカット層25を、近赤外線カット機能を有する近赤外線カット層と、ネオンカット機能を有するネオンカット層の2層構造としてもよい。また近赤外線/ネオンカット層25は近赤外線カット機能またはネオンカット機能のいずれか一方のみの機能をもっていてもよい。
【0057】
また図3において、近赤外線/ネオンカット層25は透明基材11上に設けられているが、近赤外線/ネオンカット層25は光学機能層20上(すなわち光学機能層20と画像表示部側粘着材24との間)に設けられていても良い。あるいは、近赤外線/ネオンカット層25は、粘着材を介して光学機能層20に貼り合わされても良い。
【0058】
図4に示す表示装置用フィルタ10は、透明基材11と、透明基材11の一方の面に設けられた光学機能層20と、透明基材11の他方の面に反射防止層用粘着材13を介して設けられた反射防止層14と、光学機能層20上に形成され、近赤外線(near infrared:NIR)およびネオン光をカットするとともに粘着性を有する近赤外線/ネオンカット粘着材23とを備えている。
【0059】
このうち光学機能層20は、凹部21aを有する透明樹脂部21と、この透明樹脂部21の凹部21a表面に形成され電磁波シールド機能をもつ導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなっている。このうち導電性膜27は黒色材料からなり、レジスト樹脂部28は黒色樹脂からなっている。
【0060】
また近赤外線/ネオンカット粘着材23は、表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させるものである。そして表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させることにより、表示装置用フィルタ10とPDP30とからなるフィルタ付PDP(フィルタ付表示装置)が得られる。
【0061】
図5に示す表示装置用フィルタ10は、透明基材11と、透明基材11の一方の面に設けられた光学機能層20と、透明基材11の他方の面に近赤外線/ネオンカット粘着材23を介して設けられた反射防止層14と、光学機能層20上に設けられた画像表示部側粘着材24とを備えている。
【0062】
このうち光学機能層20は、凹部21aを有する透明樹脂部21と、この透明樹脂部21の凹部21a表面に形成され電磁波シールド機能をもつ導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなっている。このうち導電性膜27は黒色材料からなり、レジスト樹脂部28は黒色樹脂からなっている。
【0063】
また画像表示部側粘着材24は、表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させるものである。そして表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に接着させることにより、表示装置用フィルタ10とPDP30とからなるフィルタ付PDP(フィルタ付表示装置)が得られる。
【0064】
図4乃至図5において、近赤外線/ネオンカット粘着材23は、粘着性を有するアクリル樹脂と、アクリル樹脂中に含まれた近赤外線吸収色素およびネオン吸収色素とを有している。近赤外線吸収色素は、800〜1100nmの波長の光をカットするようになっており、ネオン吸収色素は、570〜600nmの波長の光をカットするようになっている。近赤外線/ネオンカット粘着材23を構成する樹脂としては、アクリル樹脂の他、アクリル系、エステル系、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド系、エポキシ系、またはポリウレタンエステル系等の接着剤、あるいは、主成分としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、または2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を含有したアクリル系粘着剤によって形成された樹脂が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタアクリレートの双方を意味する。接合剤層を形成するにあたっては、必要に応じて、その原料にイソシアネート系、ポリチオール系、イミド系等の硬化剤を含有させることができる。
【0065】
他方、近赤外線吸収色素としては、イモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、アルミニウム塩系化合物、金属錯体化合物が挙げられ、ネオン吸収色素としては、シアニン系色素、サブフタロシアニン系色素、ポルフィリン、テトラアザポルフィリン系色素等が挙げられる。
【0066】
なお図4乃至図5において、近赤外線/ネオンカット粘着材23は、近赤外線カット機能およびネオンカット機能の双方の機能を有しているが、近赤外線/ネオンカット粘着材23は、近赤外線カット機能またはネオンカット機能のいずれか一方のみの機能をもっていてもよい。
【0067】
また図3乃至図5において、表示装置用フィルタ10をPDP30の前面に装着する方法として、上述のように表示装置用フィルタ10を画像表示部側粘着材24または近赤外線/ネオンカット粘着材23を介してPDP30の前面に接着させる方法の他、ガラス、フィルム等からなる支持用基材を有する表示装置用フィルタ10を準備し、この支持用基材とPDP30とを接着させても良い。また支持用基材を有する表示装置用フィルタ10を支持用基材がPDP30側を向くように配置し、表示装置用フィルタ10とPDP30との間に空間をあけるようにして表示装置用フィルタ10の周縁をPDP30に固定しても良い。さらにまた支持用基材を有しない表示装置用フィルタ10を準備し、表示装置用フィルタ10とPDP30との間に空間をあけるようにして表示装置用フィルタ10の周縁をPDP30に固定しても良い。
【0068】
なお図3乃至図5において、反射防止層14の代わりに、ぎらつき防止層を設けてもよい。
【0069】
ところで、図1乃至図5において、導電性膜27は黒色材料からなるとともにレジスト樹脂部28は黒色樹脂からなっているが、導電性膜27およびレジスト樹脂部28のうち少なくとも一方が黒色であれば良い。すなわち、導電性膜27が黒色材料からなっているか、またはレジスト樹脂部28が黒色樹脂からなっていれば良い。
【0070】
表示装置用フィルタの製造方法
次に図1乃至図2に示す表示装置用フィルタ10の製造方法について、図8(a)〜(h)により説明する。
【0071】
まず図8(a)に示すように、透明基材11を準備する。次に透明基材11上に、UV硬化樹脂からなる透明樹脂21Aを塗布して光学機能層20の透明樹脂部21を形成する(図8(b))。
【0072】
次に、ストライプ状または格子状に形成された凸部35aを有する金型35を透明樹脂部21上に重ね合わせ、この状態で透明基材11側から紫外線36を照射し、これにより透明樹脂部21を硬化させる(図8(c))。
【0073】
このようにして透明樹脂部21が硬化した後、金型35を透明樹脂部21から取り除く。この際、透明樹脂部21上に金型35の凸部35aに対応するストライプ状または格子状の凹部21aと、各凹部21a間に位置する土手部21bとが形成される(図8(d))。
【0074】
次に、透明樹脂部21の土手部21b表面および凹部21a表面に、電磁波シールド機能をもつ導電性膜27を形成する(図8(e))。この場合、真空蒸着法、スパッタリング法、電解めっき法、無電解めっき法等が用いられ、このようにして、上述したような黒色材料からなる導電性膜27を透明樹脂部21の土手部21b表面および凹部21a表面に形成することができる。
【0075】
次に、透明樹脂部21の凹部21a内にUV硬化性のレジスト樹脂を充填し、紫外線37を照射することによりこのレジスト樹脂を硬化させ、レジスト樹脂部28を形成する(図8(f))。
【0076】
次に、透明樹脂部21の凹部21a内のレジスト樹脂(レジスト樹脂部28)を保護層としてエッチング処理を施す。このエッチングは塩化第二鉄液等の酸溶液やアルカリ溶液が用いられる。これにより、導電性膜27のうち透明樹脂部21の土手部21b表面の導電性膜27がエッチング除去される(図8(g))。
【0077】
その後、透明基材11上に反射防止層用粘着材13を介して反射防止層14を設け、光学機能層20上に画像表示部側粘着材24を設けることにより(図8(h))、図1に示すような表示装置用フィルタ10が得られる。
【0078】
また、画像表示部側粘着材24側または反射防止層14側にガラス、フィルム等からなる支持用基材10Aを設けることにより、図2に示すような表示装置用フィルタ10を得ることができる。
【0079】
なお、透明樹脂部21をUV硬化樹脂からなる透明樹脂21Aを用いて形成する代わりに、電子線硬化樹脂または熱硬化樹脂からなる透明樹脂を用いて形成してもよい。またレジスト樹脂部28をUV硬化性のレジスト樹脂を用いて形成する代わりに、電子線硬化性または熱硬化性のレジスト樹脂を用いて形成してもよい。
【0080】
また、透明基材11上に光学機能層20を形成する方法として、以下のような方法を用いても良い。すなわち、まず図8(a)−(d)に示す方法と同様にして、透明基材11上に、凹部21aと各凹部21a間に位置する土手部21bとを有する透明樹脂部21を形成する。次に、透明樹脂部21の土手部21b表面および凹部21a表面に、めっき触媒をスピンコート、ディップコート、ダイコート、またはキャストコート等の方法により塗布し、土手部21b表面および凹部21a表面を改質する。次に、改質された土手部21b表面および凹部21a表面上に、無電解めっき法により、または無電解めっき法および電解めっき法により、導電性膜27を形成する。この際、透明基材11側から観測した導電性膜27の色は黒色となる。次に、凹部21a内にUV硬化樹脂、電子線硬化樹脂、または熱硬化樹脂からなるレジスト樹脂を充填する。この場合、レジスト樹脂は、黒色からなっていても良く、または他の色からなっていても良い。次に、レジスト樹脂を紫外線、電子線、または熱により硬化させる。その後、図8(g)に示すのと同様に、透明樹脂部21の凹部21a内のレジスト樹脂を保護層としてエッチング処理を施し、導電性膜27のうち透明樹脂部21の土手部21b表面の導電性膜27をエッチング除去する。
【0081】
次に図8乃至図11により、図3乃至図5に示す表示装置用フィルタの製造方法について説明する。
【0082】
まず図8(a)〜(g)および図9(a)〜(c)により、図3に示す表示装置用フィルタ10の製造方法について述べる。
【0083】
はじめに図8(a)〜(g)に示す工程により、透明基材11上に、透明樹脂部21と、透明樹脂部21の凹部21a表面に形成された導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなる光学機能層20を設ける(図9(a))。
【0084】
次に図9(b)に示すように、透明基材11上に近赤外線/ネオンカット層25を設ける。この場合、近赤外線/ネオンカット層25はスピンコート、ディップコート、ダイコート等の湿式法、あるいは蒸着等の乾式法により設けられる。
【0085】
その後、図9(c)に示すように、近赤外線/ネオンカット層25上に反射防止層用粘着材13を介して反射防止層14を設け、光学機能層20上に画像表示部側粘着材24を設けることにより、図3に示す表示装置用フィルタ10が得られる。次に表示装置用フィルタ10は、画像表示部側粘着材24を介してPDP30の前面に接着される。
【0086】
次に図8(a)〜(g)および図10(a)〜(c)により、図4に示す表示装置用フィルタ10の製造方法について述べる。
【0087】
はじめに図8(a)〜(g)に示す工程により、透明基材11上に、透明樹脂部21と、透明樹脂部21の凹部21a表面に形成された導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなる光学機能層20を設ける(図10(a))。
【0088】
次に図10(b)に示すように、光学機能層20上に、近赤外線/ネオンカット粘着材23を設ける。この場合、近赤外線/ネオンカット粘着材23は、予め形成された近赤外線/ネオンカット粘着材23を光学機能層20上に貼り合わせることにより設けられる。
【0089】
その後、図10(c)に示すように、透明基材11上に反射防止層用粘着材13を介して反射防止層14を設けることにより、図4に示す表示装置用フィルタ10が得られる。次に表示装置用フィルタ10は、近赤外線/ネオンカット粘着材23を介してPDP30の前面に接着される。
【0090】
次に図8(a)〜(g)および図11(a)〜(c)により、図5に示す表示装置用フィルタ10の製造方法について述べる。
【0091】
はじめに図8(a)〜(g)に示す工程により、透明基材11上に、透明樹脂部21と、透明樹脂部21の凹部21a表面に形成された導電性膜27と、透明樹脂部21の凹部21a内に充填されたレジスト樹脂部28とからなる光学機能層20を設ける(図11(a))。
【0092】
次に図11(b)に示すように、透明基材11上に、近赤外線/ネオンカット粘着材23を設ける。この場合、近赤外線/ネオンカット粘着材23は、予め形成された近赤外線/ネオンカット粘着材23を透明基材11上に貼り合わせることにより設けられる。
【0093】
その後、図11(c)に示すように、透明基材11上に近赤外線/ネオンカット粘着材23を介して反射防止層14を設け、光学機能層20上に画像表示部側粘着材24を設けることにより、図5に示す表示装置用フィルタ10が得られる。次に表示装置用フィルタ10は、画像表示部側粘着材24を介してPDP30の前面に接着される。
【0094】
なお、他の光学機能層20の製造方法として、透明基材11上に導電性インキからなる黒色樹脂を用い、フォトリソグラフィー、インクジェット、その他の印刷法により凸状のパターンを形成し、この凸状のパターン上全面を覆って透明樹脂を塗布して光学機能層20を製造しても良い。この際、黒色樹脂により黒色樹脂部22が形成され、透明樹脂により透明樹脂部21が形成される。なお、この場合、図1と異なり、表示装置用フィルタ10を構成する際、透明基材11がパネル側(PDP30側)に配置され、光学機能層20が観察側(PDP30の反対側)に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明による表示装置用フィルタの一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明による表示装置用フィルタの一実施の形態の変形例を示す構成図。
【図3】本発明による表示装置用フィルタの一実施の形態の変形例を示す構成図。
【図4】本発明による表示装置用フィルタの一実施の形態の変形例を示す構成図。
【図5】本発明による表示装置用フィルタの一実施の形態の変形例を示す構成図。
【図6】比較例としての表示装置用フィルタを示す構成図。
【図7】光学機能層を示す平面図。
【図8】本発明による表示装置用フィルタの製造方法を示す工程図。
【図9】本発明による表示装置用フィルタの製造方法の変形例を示す工程図。
【図10】本発明による表示装置用フィルタの製造方法の変形例を示す工程図。
【図11】本発明による表示装置用フィルタの製造方法の変形例を示す工程図。
【符号の説明】
【0096】
10 表示装置用フィルタ
10A 支持用基材
11 透明基材
13 反射防止層用粘着材
14 反射防止層
20 光学機能層
21 透明樹脂部
21A 透明樹脂
21a 凹部
21b 土手部
23 近赤外線/ネオンカット粘着材
24 画像表示部側粘着材
25 近赤外線/ネオンカット層
27 導電性膜
28 レジスト樹脂部
30 PDP
35 金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の前面に設置される表示装置用フィルタにおいて、
透明基材と、
透明基材上に設けられ、映像のコントラストを高める光学機能層とを備え、
光学機能層は、凹部を有する透明樹脂部と、透明樹脂部の凹部表面に形成され電磁波シールド機能をもつ導電性膜と、透明樹脂部の凹部内に充填されたレジスト樹脂とからなり、
導電性膜が黒色材料からなっておりかつレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっているか、または導電性膜が黒色材料からなっているかまたはレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっていることを特徴とする表示装置用フィルタ。
【請求項2】
光学機能層の導電性膜およびレジスト樹脂部は、ストライプ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項3】
光学機能層の導電性膜およびレジスト樹脂部は、格子状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項4】
光学機能層の透明樹脂部中に近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素、もしくは双方の色素を含有させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置用フィルタ。
【請求項5】
透明基材上または光学機能層上に、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有する近赤外線/ネオンカット層を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置用フィルタ。
【請求項6】
光学機能層に、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有する近赤外線/ネオンカット層を粘着材を介して貼り合せたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置用フィルタ。
【請求項7】
透明基材上または光学機能層上に、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有する近赤外線/ネオンカット粘着材を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表示装置用フィルタ。
【請求項8】
透明基材は、近赤外線カット機能またはネオンカット機能、もしくは双方の機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の表示装置用フィルタ。
【請求項9】
反射防止層を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の表示装置用フィルタ。
【請求項10】
支持用基材を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の表示装置用フィルタ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか記載の表示装置用フィルタと、
表示装置とを備えたことを特徴とするフィルタ付表示装置。
【請求項12】
表示装置の前面に設置される表示装置用フィルタの製造方法において、
透明基材を準備する工程と、
透明基材上に透明樹脂を塗布して光学機能層の透明樹脂部を形成する工程と、
凸部を有する型を透明樹脂部上に重ねて透明樹脂部を硬化させ、これにより透明樹脂部上に型の凸部に対応する凹部と、凹部間に位置する土手部とを形成する工程と、
透明樹脂部の土手部表面および凹部表面に、電磁波シールド機能をもつ導電性膜を形成する工程と、
透明樹脂部の凹部内にレジスト樹脂を充填し、このレジスト樹脂を硬化または乾燥させる工程と、
凹部内のレジスト樹脂を保護層としてエッチング処理を施し、土手部表面の導電性膜をエッチング除去する工程とを備え、
導電性膜が黒色材料からなっておりかつレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっているか、または導電性膜が黒色材料からなっているかまたはレジスト樹脂部が黒色樹脂からなっていることを特徴とする表示装置用フィルタの製造方法。
【請求項13】
導電性膜を形成する工程において、導電性膜およびレジスト樹脂部がストライプ状に形成されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置用フィルタの製造方法。
【請求項14】
導電性膜を形成する工程において、導電性膜およびレジスト樹脂部が格子状に形成されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置用フィルタの製造方法。
【請求項15】
透明樹脂部を形成する工程において、透明樹脂中に近赤外線吸収色素またはネオン吸収色素、もしくは双方の色素が含有されていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の表示装置用フィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−257018(P2008−257018A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100290(P2007−100290)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】