説明

表示装置用光源駆動装置及びその方法

本発明は、低温時の光源の点灯不良を防ぐ表示装置用光源駆動装置に関し、温度に応じて出力電圧が変化する温度感知部940、温度感知部940からの出力電圧に基づいて出力信号のレベルが変化するバッファ部950、当該バッファ部950からの信号レベルに従って動作状態が変わり、出力信号の周波数が変化する発振部931、及び当該発振部931からの出力信号に応じてスイッチング動作状態が変化するインバータ920を備える。これにより、温度に応じてインバータ920に印加される信号の周波数が変化し、光源周囲の温度が設定温度以下である場合には、その信号の周波数を高くしてインバータから出力する電圧を上昇させる。温度が低い始動初期や低温動作時にも、安定した点灯動作が行われ、点灯不良現象を防ぎ、製品の信頼性が向上される効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用光源駆動装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのモニタやTVなどに使用される表示装置には、自ら発光する発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、真空蛍光表示装置(VFD)、電界発光素子(FED)、プラズマ表示装置(PDP)などと、自ら発光できず光源を必要とする液晶表示装置(LCD)などがある。
一般の液晶表示装置は、電界生成電極が具備された二つの表示板と、その間に入っている誘電率異方性を有する液晶層を備える。電界生成電極に電圧を印加して液晶層に電場を生成し、電圧を変化させてこの電場の強さを調節し、これにより液晶層を通過する光の透過率を調節して所望の画像を得る。
【0003】
この時の光は、別途に具備された人工光源であるか、自然光であり得る。別途に具備された光源を使用する場合、光源の点灯時間と消灯時間の比を調節したり、光源に流れる電流を調節することによって、画面全体の明るさを調節する。
液晶表示装置用光源、つまりバックライト装置は、通常、光源として複数個の蛍光ランプを使用し、ランプを駆動するインバータを備え、一般に、このインバータは、巻線比に応じて昇圧する電圧が決まる変圧器を備える。インバータは、外部から入力される明るさ制御電圧によって入力される直流電圧を交流電圧に変換した後、変圧器の動作によって昇圧した電圧をランプに印加してランプを点灯し、輝度制御信号に応答してランプの明るさを調節し、ランプに流れる全電流に関連する電圧を感知し、感知した電圧に基づいてランプに印加される電圧をフィードバック制御する。
【0004】
ところが、このようなバックライト装置のランプは、低温の場合インピーダンスが高くなるため、安定した点灯動作のためランプに高電圧を印加する必要がある。特に、低温の状態における初期点灯動作時は、より高い電圧が必要である。
そのため、バックライト装置のインバータを設計する際に、点灯動作が行われた後、安定した点灯状態が維持できる通常動作状態を考慮してインバータが設計するよりも、低温時や点灯初期状態を考慮して設計する。そのために、変圧器の巻線比を高く設定することで、バックライト装置の動作が通常動作状態になり安定したときにも、高電圧を継続してランプに印加して不要な電力が消耗し、その結果、バックライト装置の動作効率が低下する。
特に、携帯用コンピュータなどのようにバッテリー電源を使用する装置の場合、限定された電源をより長時間使用できることが望まれており、電力効率を向上させることが最も重要な課題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記従来の表示装置用光源駆動装置における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、低温時の点灯不良を防ぎ、バックライト装置の電力効率を向上させる表示装置用光源駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置用光源駆動装置は、少なくとも一つの光源を備える表示装置用光源駆動装置において、前記光源に電圧を印加して前記光源を点滅させるインバータ、感知した温度に応じて出力電圧が変化する温度感知部、並びに前記温度感知部からの前記出力信号の状態に応じて前記インバータの出力電圧を制御するインバータ制御部を備えることを特徴とする。
【0007】
前記温度感知部は、温度に基づいて抵抗値が決まるサーミスタを備えることが好ましく、また前記サーミスタに接続された抵抗をさらに備えることが好ましい。この時、前記サーミスタと前記抵抗は電圧分配器で動作することが好ましい。
前記温度感知部からの前記電圧と設定電圧に応じて出力する信号状態が決まる、詳しくは前記温度感知部の前記第1信号に応じて変化する第2信号を生成し、前記インバータ制御部に提供するバッファ部をさらに備えることが好ましく、このバッファ部は、ヒステリシス特性を有することが好ましい。
前記インバータ制御部は、前記バッファ部からの前記出力信号(第2信号)の状態に応じて出力する信号の周波数が変化する発振部を備えることが好ましい。この時、前記出力信号(前記バッファ部が生成した前記第2信号)の状態は第1状態及び第2状態を有し、該第1状態が“0”レベルであることが好ましい。
前記発振部は抵抗及びキャパシタを備え、前記出力信号(前記バッファ部が生成した前記第2信号)の状態が第1状態である場合、前記発振部から出力する前記信号の周波数が増加することが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置用光源駆動方法は、少なくとも一つの光源を備える表示装置用光源駆動方法において、温度感知手段からの出力電圧を読み取る段階、前記出力電圧の大きさに応じて出力される該当状態の信号を出力する段階、前記信号の状態に応じて出力信号の周波数を変更する段階、前記出力信号の周波数に応じてインバータの出力電圧が変化する段階を有し、詳しくは、温度を感知する段階と、前記感知した温度に基づいて第1信号を生成する段階と、前記第1信号に基づいて第2信号を生成する段階と、前記第2信号の状態に応じて周波数が変化する第3信号を生成する段階と、前記光源に電圧を印加する段階と、前記第3信号の周波数に応じて前記光源に印加する電圧を変更する段階とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る表示装置用光源駆動装置及びその方法によれば、周辺温度に応じてランプ部に印加される電圧の大きさが調整されるため、始動初期や低温動作時にも安定した点灯動作が行われ、点灯不良現象を防ぎ、製品の信頼性が向上する効果がある。また、ランプ部の動作が安定状態であると判断されれば、ランプ部に印加される電圧が正常状態に低下し、不要な過電圧供給によって発生するインバータ動作の非効率性を解決する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
図面は、各種層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示している。明細書全体を通じて類似した部分については同一の参照符号を付けている。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分の“上に”あるとする時、これは他の部分の“すぐ上に”ある場合に限らず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“すぐ上に”あるとする時、これは中間に他の部分がない場合を意味する。
【0011】
まず、本発明の実施形態による表示装置用光源駆動装置及びその方法について、図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図であり、図2は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の分解斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の一つの画素に対する等価回路図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、液晶表示板組立体300及びこれに接続されたゲート駆動部400とデータ駆動部500、データ駆動部500に接続された階調電圧生成部800、液晶表示板組立体300に光を照射するランプ部910、ランプ部910に接続されているインバータ920、温度感知部940、温度感知部940に接続されたバッファ部950、バッファ部950とインバータ920の間に接続されたインバータ制御部930、並びにこれらを制御する信号制御部600を備える。
一方、図2に示す本発明の一実施形態による液晶表示装置の構造において、表示部330とバックライト部340を備える液晶モジュール350と、液晶モジュール350を収納して固定する上面及び底面ケース361、362、シャーシ363及びモールドフレーム364を備える。
【0013】
表示部330は、液晶表示板組立体300とこれに付着されたゲートFPC(flexible printed circuit)基板410及びデータFPC基板510、並びにゲートFPC基板410及びデータFPC基板510に付着されているゲートPCB(printed circuit board)450及びデータPCB550を備える。
液晶表示板組立体300は、図2及び図3に示すように、その構造において、下部表示板100及び上部表示板200と、その間に入っている液晶層3を備え、図1及び図3に示すように等価回路において、複数の表示信号線G−G、D−Dと、これに接続されてほぼ行列状に配列された複数の画素を備える。
【0014】
表示信号線G−G、D−Dは、下部表示板100に備えられ、ゲート信号(走査信号とも言う)を伝達する複数のゲート線G−Gと、データ信号を伝達するデータ線D−Dを備える。ゲート線G−Gはほぼ行方向に延びて互いにほぼ平行であり、データ線D−Dはほぼ列方向に延びて互いにほぼ平行である。
各画素は、表示信号線G−G、D−Dに接続されたスイッチング素子Qと、これに接続された液晶キャパシタCLC及びストレージキャパシタCSTを備える。ストレージキャパシタCSTは必要に応じて省略することができる。
【0015】
スイッチング素子Qは、下部表示板100に備えられ、薄膜トランジスタなどの三端子素子として、その制御端子及び入力端子はそれぞれゲート線G−G及びデータ線D−Dに接続されており、出力端子は液晶キャパシタCLC及びストレージキャパシタCSTに接続されている。
液晶キャパシタCLCは、下部表示板100の画素電極190と上部表示板200の共通電極270を二つの端子とし、二つの電極190、270の間の液晶層3は誘電体として機能する。画素電極190は、スイッチング素子Qに接続され、共通電極270は、上部表示板200の全面に形成されて共通電圧Vcomの印加を受ける。図2とは異なって、共通電極270が下部表示板100に具備される場合もあり、そのときには二つの電極190、270が全て線形または棒形に作られる。
【0016】
液晶キャパシタCLCの補助的な役割を果たすストレージキャパシタCSTは、下部表示板100に備えられた別個の信号線(図示せず)と画素電極190が絶縁体を介在して重畳してなり、この別個の信号線には、共通電圧Vcomなどの定められた電圧が印加される。しかし、ストレージキャパシタCSTは、画素電極190が絶縁体を介して、すぐ上の前段ゲート線と重畳することにより、形成することができる。
【0017】
一方、色表示を実現するために各画素が色を表示できることが要求されるが、これは画素電極190に対応する領域に赤色、緑色、または青色のカラーフィルタ230を具備することで可能となる。図3で、カラーフィルタ230は上部表示板200の領域に形成されているが、これとは異なって、下部表示板100の画素電極190の上または下に形成することもできる。
【0018】
図2で、バックライト部340は、液晶表示板組立体300の下部に配設されている複数のランプ341と、組立体300とランプ341の間に位置し、ランプ341からの光を組立体300に誘導若しくは拡散する導光板342及び複数の光学シート343、並びにランプ341の下部に位置し、ランプ341からの光を組立体300側に反射する反射板344を備える。
【0019】
ランプ341にはCCFL(cold cathode fluorescent lamp)、EEFL(external electrode fluorescent lamp)などの蛍光ランプを使用する。しかし、発光ダイオード(LED)などもランプとして使用できる。
図2に示すランプ341は、図1でランプ部910として示されており、インバータ920、温度感知部940、バッファ部950及びインバータ制御部930は、別途装着されたインバータPCB(図示せず)に具備したり、ゲートPCB450やデータPCB550に具備することもできる。
液晶表示板組立体300の二つの表示板100、200の外側面には、ランプ341から発する光を偏光させる偏光子(図示せず)が付着されている。
【0020】
図1と図2を参照すれば、階調電圧生成部800は、データPCB550に具備されており、画素の透過率に関連する二組の複数階調電圧を生成する。二組のうちの一組は、共通電圧Vcomに対してプラス値を有し、もう一組は、マイナス値を有する。
ゲート駆動部400は、集積回路(IC)チップの形態で各ゲートFPC基板410上に装着されており、液晶表示板組立体300のゲート線G−Gに接続され、外部からのゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffの組み合わせからなるゲート信号をゲート線G−Gに印加する。
データ駆動部500は、ICチップの形態で各データFPC基板510上に装着されており、液晶表示板組立体300のデータ線D−Dに接続され階調電圧生成部800からの階調電圧の中から選択したデータ電圧をデータ線D−Dに印加する。
【0021】
本発明の他の実施形態によれば、ゲート駆動部400及び/またはデータ駆動部500は、ICチップの形態で下部表示板100上に実装されており、さらに他の実施形態によれば、下部表示板100に他の素子等と共に集積される。この二つの場合において、ゲートPCB450及び/またはゲートFPC基板410は省略できる。
ゲート駆動部400及びデータ駆動部500などの動作を制御する信号制御部600は、データPCB550またはゲートPCB450に備えられている。
【0022】
このような液晶表示装置の表示動作について詳細に説明する。
信号制御部600は、外部のグラフィック制御部(図示せず)からRGB映像信号(R、G、B)及びその表示を制御する入力制御信号、例えば垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsync、メインクロックMCLK、データイネーブル信号DEなどの提供を受ける。
信号制御部600は、入力制御信号に基づいてゲート制御信号CONT1及びデータ制御信号CONT2などを生成し、映像信号R、G、Bを液晶表示板組立体300の動作条件に合うように適切に処理した後、ゲート制御信号CONT1をゲート駆動部400に送信し、データ制御信号CONT2と処理した映像信号R’、G’、B’はデータ駆動部500に送信する。
【0023】
ゲート制御信号CONT1は、1フレームの開始を知らせる垂直同期開始信号STV、ゲートオン電圧Vonの出力時期を制御するゲートクロック信号CPV及びゲートオン電圧Vonの幅を限定する出力イネーブル信号OEなどを含む。
データ制御信号CONT2は、水平周期の開始を知らせる水平同期開始信号STHとデータ線D−Dに該当データ電圧の印加を指示するロード信号LOAD、共通電圧Vcomに対するデータ電圧の極性(以下、共通電圧に対するデータ電圧の極性を略してデータ電圧の極性という。)を反転させる反転信号RVS及びデータクロック信号HCLKなどを含む。
【0024】
データ駆動部500は、信号制御部600からのデータ制御信号CONT2によって一行の画素に対応する映像データR’、G’、B’を順次に受信し、階調電圧生成部800からの階調電圧のうちの各映像データR’、G’、B’に対応する階調電圧を選択することにより、映像データR’、G’、B’を該当データ電圧に変換する。
ゲート駆動部400は、信号制御部600からのゲート制御信号CONT1に基づいてゲートオン電圧Vonをゲート線G−Gに印加して、当該ゲート線G−Gに接続されたスイッチング素子Qを導通させる。
一つのゲート線G−Gにゲートオン電圧Vonが印加され、それに接続された一行のスイッチング素子Qが導通している間(この期間を1Hまたは1水平周期といい、水平同期信号Hsync、データイネーブル信号DE、ゲートクロックCPVの一周期と同一である。)、データ駆動部400は、各データ電圧を該当データ線D−Dに供給する。データ線D−Dに供給されたデータ電圧は、導通したスイッチング素子Qを通じて該当画素に印加される。
【0025】
画素に印加されたデータ電圧と共通電圧Vcomの差は、液晶キャパシタCLCの充電電圧、つまり画素電圧として現れる。液晶分子は、画素電圧の大きさに応じてその配列が異なり、そのためランプ341から出て液晶層3を通過する光の偏光が変化する。このような偏光の変化は、偏光子によって光透過率の変化として現れる。
このような方法で、1フレーム期間中に全ゲート線G−Gに対して順次にゲートオン電圧Vonを印加し、全画素にデータ電圧を印加する。1フレームが終了すれば次のフレームが開始し、各画素に印加されるデータ電圧の極性が直前フレームでの極性と逆になるように、データ駆動部500に印加される反転信号RVSの状態が制御される(フレーム反転)。この時、1フレーム内においても反転信号RVSの特性によって一つのデータ線を通じて流れるデータ電圧の極性が変わったり(ライン反転)、一つの画素行に印加されるデータ電圧の極性も互いに異なることができる(ドット反転)。
【0026】
温度感知部940は、周辺温度によって決まる大きさの温度感知信号を出力し、バッファ部950は、温度感知部940からの信号を増幅して送信する。
インバータ920は、インバータ制御部930からのインバータ制御信号に従って直流であるインバータ駆動電圧を交流電圧に変換及び変圧して、ランプ部910に印加する。
また、インバータ制御部930は、バッファ部950を通じて印加される温度感知部940の温度感知信号に従ってインバータ920に印加するインバータ制御信号の周波数を変更する。
【0027】
次に、温度感知部940の感知信号に基づいてインバータ920の動作を制御するインバータ制御部930の動作について、図1、図4及び図5(a)〜(c)を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の実施形態によるバッファ部950の出力を入力電圧の関数で示したグラフであり、図5(a)〜(c)は、本発明の実施形態において、時間に対する温度(a)、温度感知部940から出力される信号(b)、及びバッファ部950から出力される信号(c)を示すグラフである。
【0028】
図1に示すように、温度感知部940は、駆動電源VCCと接地の間に直列に接続されたサーミスタRT1と抵抗R1からなる分圧器を備える。本発明の実施形態において、サーミスタRT1は、感知した温度の上昇に伴って抵抗値が減少する温度感知素子であり、インバータPCBやランプ部910周辺に実装される。しかし、このようなサーミスタTR1の動作特性や実装位置は変更可能である。
【0029】
バッファ部950は、シュミットトリガ(Schmitt trigger)回路からなり、入力信号の状態に応じて該当信号レベルを有する矩形波を出力する。
インバータ制御部930は、並列に接続された抵抗R1とキャパシタC1からなる発振部930を備えており、当該発振部930は他の発振素子からなる発振器であっても良い。
インバータ920は、インバータ制御部930に接続されたスイッチング部921、スイッチング部921に接続された変圧器922を備える。
【0030】
上述したような構造を有する各装置の動作について説明する。
まず、温度感知部940は、自身が装着された部分の温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタRT1と抵抗R1の分圧抵抗により電源VCCを分圧した電圧を出力する。本発明の実施形態において、温度感知部940のサーミスタRT1は、周辺温度に反比例して抵抗値が決まる。したがって、感知温度が高くなれば内部抵抗値が低くなり、逆に感知温度が低くなれば、内部抵抗値が高くなる。
結果的に、サーミスタRT1の抵抗値が感知温度に反比例するので、温度感知部940から出力する電圧の大きさは感知温度に比例する。即ち、感知温度が高くなれば、温度感知部940から出力する電圧も大きくなり、その逆の場合には、温度感知部940から出力する電圧が低くなる。本発明の実施形態では、感知温度に応じて内部抵抗値が反比例して決まるサーミスタを用いているが、それと逆の動作特性を有する温度感知素子を用いることもできる。
【0031】
初期点灯時など、温度が設定温度以下であれば、サーミスタRT1の抵抗値が設定値以上になり、これにより、温度感知部940からの出力電圧が設定電圧以下になる。これに対し、ランプ部910の点灯動作が行われ、ランプ部910やインバータPCBなどの温度が徐々に増加して、設定温度以上に高くなれば、サーミスタRT1の抵抗値が設定値以下に減少し、温度感知部940からの出力電圧が設定電圧以上になる。
【0032】
感知温度に基づいた温度感知部940の出力電圧はバッファ部950に印加され、バッファ部950は、入力される電圧の大きさに応じて低レベルである“0”状態、または高レベルである“1”状態の信号を出力する。即ち、バッファ部950は、温度感知部940からの電圧が設定電圧以上であれば“1”状態の信号を出力し、設定電圧以下であれば“0”状態の信号を出力して、インバータ制御部930の発振部931に印加する。
【0033】
発振部931は、RC時定数の変化に応じてバッファ部950からの出力信号が“1”状態であれば発振周波数が減少し、逆に“0”状態であれば発振周波数が増加する。バックライトの初期点灯動作時や低温点灯動作時には、インバータ920の出力電圧を高くするのが好ましく、バックライトの動作が正常状態になれば、インバータ920の電力効率を高くすることが好ましい。そのため、発振部931は、バッファ部950からの出力信号の状態に応じてインバータ920の出力電圧を高くしたり、出力効率を高くすることができる発振周波数を有する。
【0034】
このように、インバータ制御部930の発振部931に印加される信号状態に応じて決められた周波数を有する信号が、インバータ920のスイッチング部921に印加される。
スイッチング部921は、発振部931からの信号状態に応じて導通/遮断動作を変え、外部から印加される直流の駆動信号を交流状態に変えて変圧器920に印加する。この時、スイッチング部921の導通/遮断動作が交流信号の周波数に影響を与えるため、変圧器920から出力してランプ部910に印加される電圧は、発振周波数が高いほどその値が大きくなる。
このように、初期点灯動作時や低温点灯動作時には、インバータ920の変圧器922に印加される信号の周波数を高くして、ランプ部910に印加される電圧を正常動作時より高くするため、ランプ部91の点灯不良現象を減少させる。
【0035】
本発明の実施形態においてバッファ部950は、図4に示すようなヒステリシス(hysterisis)特性を有する。そのため、図4に示すように“0”から“1”状態に出力が切り換る入力電圧の大きさと、“1”から“0”状態に出力が切り換る入力電圧の大きさが異なる。本発明の実施形態では、入力電圧が増加して約3.0V以上になれば、バッファ部950は、その出力信号の状態を“0”から“1”状態に切り換え、入力電圧が減少して2.0V以下になれば、出力信号の状態を“1”から“0”状態に切り換える。
このようなバッファ部950の動作特性が、微細な温度変化に応じた発振部931の頻繁な出力状態の変化のためインバータ920の動作が不安定になるのを防ぐ。
【0036】
図5は、時間に対する温度変化を示すグラフ(a)、及びこの温度変化に応じて温度感知部から出力する信号(b)とバッファ部から出力する信号の変化グラフである(c)。
図5(a)は、時間経過によって徐々に温度が上昇し、一定の温度を維持した後再び下降することを示し、(b)は、温度感知部940からの出力電圧も徐々に増加し、一定の電圧を維持した後減少するグラフである。このような温度感知部940の出力電圧がヒステリシス上限電圧を越えれば、バッファ部950は“1”状態の信号を出力し、その状態を維持しながら、温度感知部940の出力電圧がヒステリシス下限電圧以下に低下すれば、その信号状態を“0”に切り換える〔図5(c)〕。
【0037】
このような本発明の実施形態によれば、周辺温度に応じてランプ部に印加される電圧の大きさが調整されるため、始動初期や低温動作時にも安定した点灯動作が行われ、点灯不良現象を防ぎ、製品の信頼性が向上する。また、ランプ部の動作が安定状態であると判断されれば、ランプ部に印加される電圧が正常状態に低下し、不要な過電圧供給によって発生するインバータ動作の非効率性を解決することができる。
【0038】
以上で本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものでなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶表示装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶表示装置の一つの画素に対する等価回路図である。
【図4】本発明の一実施形態によるバッファ部の出力を入力電圧の関数で示したグラフである。
【図5】本発明の一実施形態による時間に対する温度と温度感知部及びバッファ部から出力される信号のグラフであり、(a)は時間に対する温度、(b)は時間に対する温度感知部から出力される信号、(c)は時間に対するバッファ部から出力される信号のグラフである。
【符号の説明】
【0040】
3 液晶層
100、200 下部、上部表示板
190 画素電極
270 共通電極
230 カラーフィルタ
300 液晶表示板組立体
340 バックライト部
400 ゲート駆動部
500 データ駆動部
600 信号制御部
800 階調電圧生成部
910 ランプ部
920 インバータ
921 スイッチング部
922 変圧器
930 インバータ制御部
931 発振部
940 温度感知部
950 バッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの光源を備える表示装置用光源駆動装置において、
前記光源に電圧を印加して前記光源を点滅させるインバータと、
温度を感知し、感知した温度に応じて変化する第1信号を生成する温度感知部と、
前記温度感知部からの前記第1信号に従って前記インバータを制御するインバータ制御部とを備えることを特徴とする表示装置用光源駆動装置。
【請求項2】
前記温度感知部は、前記感知した温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用光源駆動装置。
【請求項3】
前記温度感知部は、前記サーミスタに接続された抵抗をさらに備え、
前記サーミスタと前記抵抗は電圧分配器で動作することを特徴とする請求項2に記載の表示装置用光源駆動装置。
【請求項4】
前記温度感知部の前記第1信号に応じて変化する第2信号を生成し、前記インバータ制御部に提供するバッファ部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用駆動装置。
【請求項5】
前記バッファ部は、ヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置用光源駆動装置。
【請求項6】
前記インバータ制御部は、前記バッファ部からの前記第2信号に応じて周波数が変化する発振信号を生成する発振部を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用光源駆動装置。
【請求項7】
前記バッファ部が生成した前記第2信号は、第1状態及び第2状態を有し、該第1状態は“0”レベルであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置用光源駆動装置。
【請求項8】
前記発振部は、並列に接続された抵抗及びキャパシタを備え、前記バッファ部が生成した前記第2信号が第1状態である時、前記発振部が生成した前記発振信号の周波数が増加することを特徴とする請求項7に記載の表示装置用光源駆動装置。
【請求項9】
少なくとも一つの光源を備える表示装置用光源駆動方法において、
温度を感知する段階と、
前記感知した温度に基づいて第1信号を生成する段階と、
前記第1信号に基づいて第2信号を生成する段階と、
前記第2信号の状態に応じて周波数が変化する第3信号を生成する段階と、
前記光源に電圧を印加する段階と、
前記第3信号の周波数に応じて前記光源に印加する電圧を変更する段階とを有することを特徴とする表示装置用光源駆動方法。
【請求項10】
前記第2信号は、第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態は“0”レベルであることを特徴とする請求項9に記載の表示装置用光源駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−515105(P2006−515105A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569377(P2004−569377)
【出願日】平成15年8月7日(2003.8.7)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001593
【国際公開番号】WO2004/082339
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】