説明

表示装置用表示板及びその製造方法

【課題】インクの滴下地点を検査して、滴下の誤整列を補正することによって、正確なインクの滴下を可能にする、表示装置用表示板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表示装置用表示板は、基板と、前記基板上に形成されていて、複数の開口部を有する隔壁部材と、前記開口部に形成されていて、入射する光によって色を表示する複数のカラーフィルターと、前記カラーフィルターの誤整列を検査するための少なくとも一つの検査パターンと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用表示板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、重くて大きな陰極線管(cathode ray tube、CRT)の代わりに、有機電界発光表示装置(organic electro−luminescence display、OLED)、プラズマ表示装置(plasma display panel、PDP)、液晶表示装置(liquid crystal display、LCD)のような平板表示装置が、活発に開発されている。
【0003】
PDPは、気体放電によって発生するプラズマを利用して文字や画像を表示する装置であり、有機EL表示装置は、特定の有機物または高分子などの電界発光を利用して文字または画像を表示する装置である。液晶表示装置は、二つの表示板の間に注入されている液晶層に電場を印加し、この電場の強さを調節して、液晶層を通過する光の透過率を調節することによって、所望の画像を表示する装置である。
【0004】
このような平板表示装置のうちの例えば液晶表示装置や有機電界発光表示装置は、スイッチング素子を含む画素と、ゲート線及びデータ線を含む表示信号線とを備えており、様々な色に画像を表示するためにカラーフィルターを備えている。有機EL表示装置では、有機発光層が、カラーフィルターの代わりをすることもできる。
【0005】
カラーフィルターや有機発光層を形成するために、最近では、従来のフォトリソグラフィ方式に代わる多様な新たな工程の方式が行われており、代表的なものとして、インクジェット印刷方式がある。
【0006】
インクジェット印刷方式は、絶縁基板上にブラックマトリックスなどの遮光部材を積層して、露光及び現像工程などを経て画素に対応する遮光部材に開口部を形成し、開口部にカラーフィルター用インクを滴下する方式である。インクジェット印刷方式は、カラーフィルターを形成する際に、別途のコーティング、露光、現像などの工程が不必要なので、工程に必要な材料を節減することができ、工程の単純化を可能にする。
【0007】
開口部に滴下されるカラーフィルター用インクは、顔料、溶剤、その他の分散剤などを含む液体組成物である。したがって、微細な開口部に、液体のインクを所望の量だけ所望の位置に滴下する工程は、非常に難しく、所望の滴下地点を基準にしてどの程度逸脱した位置に滴下されたかなどの誤整列を、開口部に滴下されたインクの形状から数値化するのは難しい。滴下されたインクは、開口部内で自由に拡散するため、インクの拡散した形状だけから誤整列の位置を判断するのは難しいのである。そのため、誤った滴下によって隣接したカラーフィルター相互間にインクが広がる現象が発生する可能性があり、さらに、表示装置の表示特性を悪化させる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、インクの滴下地点を検査して、滴下の誤整列を補正することによって、正確なインクの滴下を可能にする、表示装置用表示板及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1形態による表示装置用表示板は、基板と、前記基板上に形成されていて、複数の開口部を有する隔壁部材と、前記開口部に形成されており、入射する光によって色を発現する複数のカラーフィルターと、前記カラーフィルターの誤整列を検査するための少なくとも一つの検査パターンと、を含む。
【0010】
前記検査パターンは、隔壁部材の周縁または基板の外郭部に形成されることができる。
前記隔壁部材は、遮光部材であることが好ましい。
前記各検査パターンの中心点は、前記検査パターンと同一行に配置されたカラーフィルターの中心点と同一線上に位置することが好ましい。
【0011】
前記検査パターンは、実質的に円形であり、目盛りが刻まれた複数の整列線を含むことが好ましい。
前記複数の整列線は、互いに交差することが好ましい。
【0012】
前記検査パターンの面積は、滴下された一滴のインクより広いことが好ましい。
前記各カラーフィルターは、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つを表示することができる。
【0013】
前記検査パターンは、同一の色を有するカラーフィルタの列毎に少なくとも一つが配置されていることが好ましい。
前記表示板は、液晶表示装置に使用されることができる。
【0014】
本発明による表示装置用表示板は、複数の信号線と、前記信号線に接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを通じて前記信号線に電気的に接続されている画素電極と、をさらに含むことができる。
【0015】
本発明の他の形態による表示装置用表示板の製造方法は、少なくとも一つの検査パターンにインクを滴下する段階と、前記検査パターン上に滴下されたインクの位置を検査する段階と、前記滴下されたインクの中心点が前記検査パターンの中心点と一致するように、インクジェット印刷装置のヘッドまたは基板の位置を調整する段階と、複数の開口部にインクを滴下する段階と、を含む。
【0016】
前記インクの色は、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つであり得る。
前記隔壁部材は、遮光部材であることが好ましい。
前記表示板は、液晶表示装置または有機電界発光表示装置に使用されることができる。
【0017】
前記表示板は、複数の信号線、前記信号線に接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを通じて前記信号線に電気的に接続されている画素電極と、を含むことが好ましい。
【0018】
本発明の更なる他の形態による表示装置用表示板は、基板と、前記基板上に形成されていて、複数の開口部を有する隔壁部材と、前記開口部に形成されており、それぞれの固有の色を表示する複数の有機発光体と、前記有機発光体の誤整列を検査するための少なくとも一つの検査パターンと、を含む。
【0019】
前記検査パターンは、前記隔壁部材の周縁または前記基板の外郭部に形成されることができる。
前記検査パターンの中心点は、前記検査パターンと同一行に配置された有機発光体の中心点と同一線上に位置することが好ましい。
【0020】
前記検査パターンは、実質的に円形であり、目盛りが刻まれた複数の整列線を含むことができる。
前記複数の整列線は、互いに交差することが好ましい。
【0021】
前記検査パターンの面積は、滴下された一滴のインクより広いことが好ましい。
前記各有機発光体は、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つを表示することができる。
【0022】
前記検査パターンは、同一の色を有する有機発光体の列毎に少なくとも一つが配置されていることが好ましい。
前記表示板は、有機電界発光表示装置に使用されることができる。
【0023】
本発明による表示装置用表示板は、複数の信号線と、前記信号線に接続されている薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを通じて前記信号線に電気的に接続されている画素電極と、をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるカラーフィルターを有する表示板及びその製造方法では、カラーフィルター用インクの滴下位置を検査することができる検査パターンによって滴下位置の誤整列を補正することにより、画素にインクを正確に滴下することができ、これにより、カラーフィルター相互間にインクが広がる現象を防止することができ、さらには、表示装置の色特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
それでは、添付した図面を参考にして、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な相異した形態で実現でき、ここで説明する実施例に限定されない。
【0026】
図面においては、各層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。明細書全体を通じて類似した部分については、同一な図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あるとする時、これは、他の部分の“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も意味する。反対に、ある部分が他の部分の“真上に”あるとする時、これは、中間に他の部分がない場合を意味する。
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例によるカラーフィルターを有する表示板の構造を示した平面図である。図2は、本発明の一実施例による検査パターンの構造を具体的に示した平面図である。図3は、本発明の一実施例による検査パターン上に一滴のインクを滴下した形状を示した平面図である。
【0028】
図1を参照すれば、本発明の実施例による表示装置用表示板200は、絶縁基板210と、絶縁基板210上に形成されており、画素に対応する位置に開口部を有する遮光部材220と、遮光部材220の開口部に形成されている複数のカラーフィルター230と、を含む。カラーフィルター230は、赤色、緑色及び青色などの原色のうちのいずれか一つを表示することができ、遮光部材220は、互いに隣接する画素間で漏洩する光を遮断して輝度を向上させ、製造工程時にカラーフィルター用インクを閉じ込める隔壁部材の機能を有する。
【0029】
前記遮光部材220は、基板210上にクロムなどの金属膜を真空蒸着などの方法で形成して感光性樹脂をコーティングした後、写真工程でパターニングして、感光性樹脂をエッチングマスクとしてクロムをエッチングする方法で形成される。或いは、遮光部材220は、絶縁基板210上に高分子樹脂溶液を積層してスピンコーティング処理して形成されることもでき、様々な慣用的な方法で形成されることができる。
【0030】
前記カラーフィルター230が配置されている領域の外側、つまり、遮光部材220の外側周縁には、カラーフィルター230の製造工程時にインクの滴下位置を正確に検査するための検査(または整列)パターン240が、形成されている。本実施例では、検査パターン240は、円形の開口部からなるが、様々な形状が可能であり、水平及び垂直方向に突出部を有することが好ましい。前記検査パターン240の中心点(A)は、カラーフィルター230の中心点(B)と同一直線上に配置される。カラーフィルター230の全ての中心点及び検査パターン240の中心点は、全て図1に示されたI-I´線上に配置されなければならない。もし、このような配置関係が維持されなければ、製造工程時にカラーフィルター用インクの正確な滴下が不可能になり、検査パターン240によって行われる誤整列検査の信頼性が大きく低下することがある。
【0031】
前記検査パターン240は、遮光部材220の外郭周縁上に少なくとも一つ以上が配置され、遮光部材220の周縁外に配置されることもできる。インクを滴下するための各々のインク供給ノズル(図示せず)の間隔及びカラーフィルター230の間隔は、正確な数値計算によって構造を事前に均一に設定することができる。したがって、一つの検査パターン240上でインクの滴下位置を正確に検査してインク供給ノズルの位置を設定すれば、開口部内へのインクの滴下が正確に行える。検査パターン240は、複数からなることができ、この場合、検査の信頼性は向上する。或いは、検査パターン240は、同一の色のカラーフィルター230の列であるため、行毎に一つずつ配置されることもできる。
【0032】
前記検査パターン240を形成する具体的な方法は、インク供給装置(図示せず)の特性やインクの滴下方式によって、多様に変更することができる。
前記検査パターン240で定義される内部の大きさは、多様でありえるが、少なくともカラーフィルター用インク一滴が滴下された時に、インクが拡散した面積よりは広くなければならない。前記検査パターン240は、遮光部材220の材質が有機高分子である場合には、遮光部材220上にポジティブ(Positive)またはネガティブ(Negative)方式によって露光、現像などの工程だけで形成される。しかし、遮光部材の材質が無機物である場合には、別途のフォトレジスト(Photoresist)膜を積層した後で、露光、現像、エッチングなどの工程を経て検査パターン240が遮光部材220上に共に形成される。
【0033】
図2を参照すれば、検査パターン240は、インク注入方向上に形成された第1整列線240aと、中心点(A)で第1整列線240aと直交する第2整列線240bと、を含む。前記検査パターン240の突出部は、第1整列線240a及び第2整列線240bの延長線上に配置されている。前記突出部は、上下左右の位置関係をガイドしてインクの滴下状態をより容易に検査することができるようにする。前記第1整列線240a及び第2整列線240bには、複数の整列目盛り240cが、形成されている。検査パターン240に第1整列線240a及び第2整列線240bが形成されているため、滴下されたインクの位置を数値化することができるので、正確なインクの滴下の誤整列検査が可能である。したがって、インク供給ノズル(図示せず)の位置調整をより精巧に行うことができる。さらに、前記検査パターン240上に形成された第1整列線240a及び第2整列線240bは、様々な形態に形成することができる。
【0034】
第1整列線240a及び第2整列線240bは、検査パターン240の形状をパターニングする時に同時にパターニングすることもでき、円形の検査パターン240の形状をパターニングした後で別途にパターニングすることもできるが、製造工程の単純化のために、一括でパターニングすることが好ましい。また、第1整列線240a及び第2整列線240bは、浮き出し(relief)又は彫り込み(intaglio)の形態にパターニングされるが、第1整列線240a及び第2整列線240bと遮光部材220との高さの差がほとんどないことが好ましい。これは、滴下されたインクの流動を防止するためである。
【0035】
以下、図1及び図3を参照して、本発明の実施例による検査パターンを含む表示板の製造方法で、カラーフィルターを形成する方法を、具体的に説明する。
図1のように、遮光部材220及び検査パターン240を設けた基板210上に、インク供給ノズルが付着されたインクジェット印刷装置のヘッドが整列される。次に、インクジェットのインク装置は、インク供給ノズルを通じて該当検査パターン240に一滴のインク235を滴下する(図3参照)。インクジェット印刷装置は、滴下されたインク235の中心点(C)の位置を検査し、基準インク滴下位置を決めるように、ヘッドまたはインク供給ノズルの位置を水平または垂直方向に調整する。次に、インクジェット印刷装置は、決められた基準インク滴下位置の基づいてインク供給ノズルを横方向に移動させながら遮光部材220に設けられた開口部、つまり、検査パターン240と同一線上に位置した開口部にインクを滴下する。前記遮光部材220(図1参照)の開口部は、インクが満たされる空間として、一般の露光、現像などの工程を経て形成され、満たされたインクは硬化過程を経てカラーフィルターとなる。
【0036】
前記検査パターン240にインクを滴下するとき、インクジェット印刷装置は、複数の検査パターン240に同時にインクを滴下するか、または、カラーフィルター230の色相(R、G、B)別に各色相に対応する検査パターン240に同時にインクを滴下することもできる。検査パターン240は、色相別に一つずつ形成される。前記カラーフィルター230を形成するために使用される検査パターンの数及び配置方法は、カラーフィルター230の配置によって多様に変更することができる。
【0037】
次に、本発明の他の実施例によるカラーフィルタ及び検査パターンの構造について、図4を参考にして説明する。
図4は、本発明の他の実施例による表示装置用表示板のカラーフィルター及び整列パターンの構造を具体的に示した平面図である。
【0038】
図4のように、本実施例による表示装置用表示板200の構造は、図1乃至図3の表示板とほぼ同一である。つまり、絶縁基板210の上部に、画素に対応する開口部を有する遮光部材220が形成されており、開口部には、複数のカラーフィルター230が形成されており、基板210の周縁には、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´が形成されている。
【0039】
図1乃至図3とは異なり、本実施例による表示板200では、3原色の一例である赤色、緑色、青色のカラーフィルター230が、縦方向に順に配置されており、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´が、遮光部材220の外郭部に配置されている。この時、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´は、同一線上に横方向に配列された複数の開口部230の延長線上で、遮光部材220を中心に両側領域に位置している。従って、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´の横中心線及びカラーフィルター230の横中心線が、同一線上に位置する。整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´は、一つのカラーフィルター230の行に対して一つずつ配置されていて、赤のカラーフィルター用整列パターン240R、240R´、緑のカラーフィルター用整列パターン240G、240G´、及び青のカラーフィルター用整列パターン240B、240B´を含むが、互いにずれて位置する。これは、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´の大きさが、カラーフィルター230より1.5倍以上大きいためであり、同一の色の整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´は、縦方向の中心線に対して同一線上に位置する。
【0040】
この時、本実施例とは異なり、カラーフィルター230の形状、並びに、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´の形状及び数は、多様に変更でき、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´の配置も、多様に変更できる。
【0041】
また、整列パターン240R、240G、240B、240R´、240G´、240B´は、遮光部材220と同一層からなることができ、遮光部材220を形成する前に線形に描いたり他の薄膜でパターニングして形成することもできる。
【0042】
ここで、表示板は、カラーフィルターだけを有するカラーフィルター表示板であることができ、遮光部材220は、隣接する画素間で漏洩する光を遮断して表示装置の輝度を向上させる機能を有する。また、表示板は、液晶表示装置または有機電界発光表示装置では、薄膜トランジスタ表示板または共通電極表示板であることができ、遮光部材220は、製造工程時に滴下された液体のカラーフィルター用インクを閉じ込める隔壁で代替することができる。
【0043】
次に、本発明の実施例による表示板の製造工程で、カラーフィルターを形成するインクジェット印刷装置について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施例によるインクジェット印刷装置の構造を具体的に示した斜視図である。図6は、本発明の一実施例によるカラーフィルターを滴下するヘッドの構造を具体的に示した配置図である。
【0044】
図5及び図6に示したように、本発明の一実施例によるるインクジェット印刷装置は、表示装置用表示板200の絶縁基板210が位置するステージ500と、ヘッドユニット700と、ヘッドユニット700を所定の位置に移動させる移送装置300と、を含む。
【0045】
ヘッドユニット700は、ヘッド400と、ヘッド400に付着された少なくとも一つのノズル(#1−#n)と、を含み、該ノズル(#1、#2、…、#n)を通してカラーフィルタ用インク235を基板210上に滴下する。
【0046】
ステージ500上の基板210にカラーフィルター230を形成するために、インクジェット印刷装置は、ヘッドユニット700を移送装置300を利用してX方向に移動させながら、ヘッド400のノズル(#1、#2、…、#n)を通じてインク235を滴下する。従って、所定の位置にインク230が滴下されて、基板210上にカラーフィルター230が形成される。基板210の大きさは、大型化されたが、ヘッド400の大きさ及びインクを噴射するノズル(#1、#2、…、#n)の数は、限定されているので、1回のスキャニングではカラーフィルター230を形成することができないため、ヘッドユニット700は、何回もの反復移動によって基板210の全ての領域にカラーフィルター230を形成する。
【0047】
移送装置300は、ヘッドユニット700を基板210の上方に所定間隔離隔するように位置させる支持部310、ヘッドユニット700をXまたはY方向に移動させる移送部330と、ヘッドユニット700を昇降させる昇降部340と、を含む。
【0048】
前述したヘッドユニット700のヘッドは、ノズル(#1、#2、…、#n)を支持し、ヘッド400は、赤色用ヘッド、緑色用ヘッド、及び青色用ヘッドの三つのヘッドであることが好ましい。本実施形態では、長い棒状のヘッド400の全面に、複数のノズル(#1、#2、…、#n)が配置されている。
【0049】
ヘッドが三つである場合、三つのヘッド400は、互いに平行に同一の間隔を保っており、複数のヘッドは、水平移動、垂直移動及び回転移動を通じて個別整列が可能であることが好ましい。
【0050】
ヘッド400は、所定角度(θ)でY方向に対して傾いている。これは、ノズル(#1−#n)間の距離であるノズルピッチと、プリンティングされる画素間の距離である画素ピッチとの間に差があるため、ヘッド400を所定間隔回転させることによって、ノズルから滴下されるインク間の間隔を画素ピッチと一致させる。
【0051】
次に、本発明の実施例によるインクジェット印刷装置を利用してカラーフィルターを形成する方法について、図7を参考にして具体的に説明する。
図7は、図4の表示板を製造する工程で、カラーフィルターを形成する前に整列パターンを利用してヘッドを整列させる工程を示した工程図である。ここでは、代表的に一つのカラーフィルターを形成する方法についてのみ説明する。
【0052】
図5に示したように、まず、整列パターン240、240´及び画素に対応する位置に開口部221を有する遮光部材220が形成されている表示板200を、ステージ500上に整列して配置する。次に、既に入力された整列パターン240の位置情報によって移送装置300を利用してヘッドユニット700を移動させた後、ノズル(#1)を通じて整列パターン240にカラーフィルター用インクの一滴のインク235を滴下する。このような工程は、一つのカラーフィルターに対して実施することができ、二つまたは三つのカラーフィルターに対して、同時に実施することもできる。次に、滴下されたインク235の中心点(C)の位置を検査して、インク235の中心点(C)と整列パターン240の中心点(A)とが一致するように、インクジェット印刷装置のヘッド700またはインク供給ノズル(#1)の位置を調整する。好ましくは、インク供給ノズル(#1)の位置を調整する。このような整列工程を、遮光部材220を中心に両側に配置されている残りの整列パターン240、240´及びノズル(#2−#n)に対して反復的に実施する。また、ノズル(#1、#2、…、#n)と基板210との誤整列を検査するために、二つ以上の整列パターン240、240´が選択されることができ、この場合には、互いに遠く離れて配置されている整列パターン240、240´を選択することが好ましい。次に、調整された位置にノズル(#1、#2、…、#n)または基板210の位置を補正した後、ヘッドを移動させながら開口部221にインクを滴下する。
【0053】
代案として、複数の整列パターン240に同時にインクを滴下して、誤整列を検査することもできる。または、カラーフィルター230の色別に対応する整列パターン240に同時に滴下することもできる。整列パターン240、240´の数及び配置方法は、カラーフィルター230の配置によって、多様に変更することができる。
【0054】
以下、製造工程中に発生し得る誤整列の形態とそれに応じる補正方法について、図8A乃至図8Dを参考にして説明する。
図8A乃至図8Dは、本発明の実施例によるカラーフィルターの製造工程で、整列パターンを利用した誤整列の形態を各々示した平面図である。
【0055】
図8Aのように、整列パターン240内に滴下されたインク235の中心点(C)と整列パターン240の中心点(A)とがX軸方向にd1の距離だけ誤整列された時には、ヘッド400の初期固定位置を、d1の距離だけ調整して、誤整列を補正する。
【0056】
図8Bのように、整列パターン240内に滴下されたインク235の中心点(C)と整列パターン240の中心点(A)とがY軸方向にd2の距離だけ誤整列された時には、基板210またはステージ500の初期固定位置を、d2の距離だけ調整して、誤整列を補正する。
【0057】
図8Cのように、一つの整列パターン240内に滴下されたインク235の中心点(C)と整列パターン240の中心点(A)とは一致したが、同一のヘッド400に含まれている他のノズル、例えば、第2ノズル(#2)を通じて第2整列パターン240´にインク235´を滴下した時に、インク235´の中心点(C´)が、整列パターン240の中心点(A)と一致しなかった。このような場合には、ヘッド400の傾斜角が誤整列されたものであるので、ヘッド400の傾斜角を調整して、誤整列を補正する。
【0058】
図8Dのように、一つの整列パターン240内に滴下されたインク235の中心点(C)と整列パターン240の中心点(A)とは一致した。しかしながら、他の整列パターン240´内に滴下されたインク235´の中心点(C´)が、整列パターン240´の中心点(A´)に対してY軸方向にd4の距離だけ誤整列された。この場合、基板210またはステージ500の傾斜角が誤整列されたものであるので、基板210またはステージ500の傾斜角を調整して、d4の距離だけ誤整列を補正する。
【0059】
このような本実施例による表示板は、前述のように、液晶表示装置の共通電極表示板または有機電界発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板でありえる。
次に、本発明の実施例による表示板を備えた液晶表示装置について、図9を参考にして説明する。
【0060】
図9は、本発明の実施例による製造工程で完成した表示板を含む液晶表示装置の構造を示した断面図である。
図9に示したように、本実施例による液晶表示装置は、薄膜トランジスタ表示板100と、共通電極表示板200と、これら二つの表示板100、200間に注入されている液晶層3と、を含む。
【0061】
まず、薄膜トランジスタ表示板100について詳細に説明する。
絶縁基板110上に、ゲート信号または走査信号を伝達するゲート線(図示せず)に接続されている複数のゲート電極124が、形成されている。ゲート線を覆うゲート絶縁膜140の上部には、水素化非晶質シリコン (hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは、略して「a-Si」とする)などからなる半導体151、154が、形成されている。半導体154の上部には、シリサイド(silicide)またはリンなどのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質から形成されたオーミックコンタクト部材(ohmic contact)161、163、165が、形成されている。
【0062】
オーミックコンタクト部材161、163、165及びゲート絶縁膜140上には、データ電圧を伝達するデータ線171、及び、これから分離されている複数のドレイン電極175が形成されている。一つのゲート電極124、データ線171に接続されたソース電極173及びドレイン電極175は、半導体154と共に一つの薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)を構成し、薄膜トランジスタのチャネルは、ソース電極173とドレイン電極175との間の半導体154に形成される。オーミックコンタクト部材163、165は、その下部の半導体154とその上部のデータ線171及びドレイン電極175との間にだけ存在して、接触抵抗を下げる役割を果たす。データ線171及びドレイン電極175、並びに、これらで覆われずに露出された半導体154部分の上には、保護膜180が形成されている。保護膜180は、平坦化特性が優れていて感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition、PECVD)で形成されるa-Si:C:O、a-Si:O:Fなどの4.0以下の低誘電率絶縁物質、または、無機物質である窒化ケイ素や酸化ケイ素などからなるのが好ましい。保護膜180には、ドレイン電極175を露出する複数のコンタクトホール185が形成されており、保護膜180上には、ITOまたはIZOからなる画素電極(pixel electrode)190が形成されている。これとは異なって、画素電極190は、透明な導電性ポリマーから形成されることもでき、反射型液晶表示装置の場合には、画素電極190が、不透明な反射性金属から形成されることもできる。
【0063】
画素電極190及び共通電極270は、キャパシタ(蓄電器)(以下、“液晶キャパシタ(liquid crystal capacitor)”と言う)を構成して、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持するが、電圧維持能力を強化するために、液晶キャパシタと並列に接続された他のキャパシタを設けるが、それをストレージキャパシタ(storage capacitor)という。
【0064】
次に、共通電極表示板200について説明する。
透明なガラスなどからなる絶縁基板210上に、遮光部材220が形成されており、遮光部材220は、画素電極190と対向して、画素電極190とほぼ同一な形状を有する複数の開口部を有している。これとは異なって、遮光部材220は、データ線171に対応する部分及び薄膜トランジスタに対応する部分からなることもできる。また、基板210上には複数のカラーフィルター230が、形成されていて、遮光部材230で囲まれた領域内に位置する。カラーフィルター230上には、カバー膜250が形成されており、その上部には、ITO、IZOなどの透明な導電体などからなる共通電極270が形成されている。
【0065】
トランジスタ薄膜表示板100と共通電極表示板200との内部面には、配向膜11、21が各々形成されている。トランジスタ薄膜表示板100と共通電極表示板200との外部面には、偏光板12、22が形成されている。
【0066】
図10は、本発明の実施例による製造工程によって完成した有機電界発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。図11及び図12は、それぞれ、図10の薄膜トランジスタ表示板のXI-XI´線及びXII-XII´線による断面図である。
【0067】
図10乃至図12を参照すれば、透明なガラスまたはプラスチックなどからなる絶縁基板110上に、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などからなる遮断膜111が形成されている。遮断膜111は、二重膜の構造であり得る。
【0068】
遮断膜111上に、多結晶シリコンなどからなる複数対の第1及び第2島型半導体151a、151bが形成されている。島型半導体151a、151bの各々は、n型またはp型の導電性不純物を含む複数の不純物領域(extrinsic region)と導電性不純物をほとんど含まない少なくとも一つの真性領域(intrinsic region)とを含む。
【0069】
スイッチング薄膜トランジスタ(Qs)用第1半導体151aを見れば、不純物領域は、第1ソース領域153a、中間領域1535及び第1ドレイン領域155aを含み、これらは、n型不純物でドーピングされていて、互いに分離されている。真性領域は、不純物領域153a、1535、155aの間に位置した一対の第1チャネル領域154a1、154a2などを含む。
【0070】
駆動薄膜トランジスタ(Qd)用第2半導体151bを見れば、不純物領域は、第2ソース領域153b及び第2ドレイン領域155bを含み、これらは、p型不純物でドーピングされていて、互いに分離されている。真性領域は、第2ソース領域153bと第2ドレイン領域155bとの間に位置した第2チャネル領域154bを含む。第2ソース領域153bは、上に長く伸び、維持領域157をなす。
【0071】
不純物領域は、チャネル領域154a1、154a2、154bと、ソース及びドレイン領域153a、155a、153b、155bとの間に位置した低濃度ドーピング領域(図示せず)をさらに含むことができる。このような低濃度ドーピング領域は、不純物をほとんど含まないオフセット領域(offset region)で代替することができる。
【0072】
これとは異なり、第1半導体151aの不純物領域153a、155aがp型不純物でドーピングされたり、第2半導体151bの不純物領域153b、155bがn型不純物でドーピングされることができる。p型導電性不純物としては、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)などがあり、n型導電性不純物としては、リン(P)、砒素(As)などがある。
【0073】
島型半導体151a、151bは、非晶質シリコンからなることができる。この場合、不純物領域が存在せず、島型半導体151a、151bと他の金属層との間の接触特性を補強するための抵抗性接触部材が、半導体151a、151b上に形成されることができる。
【0074】
半導体151a、151b及び遮断膜111上には、窒化ケイ素または酸化ケイ素などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
ゲート絶縁膜140上には、第1制御電極124aを含む複数のゲート線121と複数の第2制御電極124bとを含む複数のゲート導電体が形成されている。
【0075】
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に横方向にのびている。第1制御電極124aは、ゲート線121から上にのびて第1半導体151aと交差し、特に、第1チャネル領域154a1、154a2と重畳する。各ゲート線121は、他層または外部駆動回路との接続のために、面積の広い端部を含むことができる。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)が基板110上に集積されている場合、ゲート線121が、伸びてゲート駆動回路と直接接続される。
【0076】
第2制御電極124bは、ゲート線121と分離されていて、第2半導体151bの第2チャネル領域154bと重畳する。第2制御電極124bは、伸びて維持電極127をなし、維持電極127は、第2半導体151bの維持領域157と重畳してストレージキャパシタ(Cst)を構成する。
【0077】
ゲート導電体121、124bは、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金など銀系金属、銅(Cu)や銅合金など銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタニウム(Ti)などからなることができる。しかし、これらは、物理的性質が異なる二つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することもできる。このうちのいずれか一つの導電膜は、信号遅延や電圧降下を減らすように比抵抗(resistivity)が低い金属、例えば、アルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などからなる。これとは異なって、他の導電膜は、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との物理的、化学的、電気的接触特性に優れた物質、例えば、モリブデン系金属、クロム、チタニウム、タンタルなどからなる。このような組み合わせの良い例としては、クロム下部膜とアルミニウム(合金)上部膜、及び、アルミニウム(合金)下部膜とモリブデン(合金)上部膜がある。しかし、ゲート導電体121、124bは、その他にも多様な金属または導電体で形成することができる。
【0078】
ゲート導電体121、124bの側面は、基板110面に対して傾斜しており、その傾斜角は、約30゜乃至約80゜であることが好ましい。
ゲート導電体121、124b上には、層間絶縁膜160が形成されている。層間絶縁膜160は、窒化ケイ素や酸化ケイ素などの無機絶縁物、有機絶縁物、低誘電率絶縁物などからなる。有機絶縁物と低誘電率絶縁物の誘電常数は、4.0以下であることが好ましく、低誘電率絶縁物の例としては、プラズマ化学気相蒸着で形成されるa-Si:C:O、a-Si:O:Fなどが挙げられる。有機絶縁物のうちの感光性を有するもので層間絶縁膜160を形成することもでき、層間絶縁膜160の表面は、平坦であり得る。
【0079】
層間絶縁膜160には、第2制御電極124bを露出する複数のコンタクトホール164が形成されている。また、層間絶縁膜160とゲート絶縁膜140には、ソース及びドレイン領域153a、153b、155a、155bを露出する複数のコンタクトホール163a、163b、165a、165bが形成されている。
【0080】
層間絶縁膜160上には、複数のデータ線171と、複数の駆動電圧線172と、複数の第1及び第2出力電極175a、175bとを含む複数のデータ導電体が形成されている。
【0081】
データ線171は、データ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差する。各データ線171は、コンタクトホール163aを通じて第1ソース及びドレイン領域153aと接続されている複数の第1入力電極173aを含み、他層または外部駆動回路との接続のために面積の広い端部を含むことができる。データ信号を生成するデータ駆動回路(図示せず)が基板110上に集積されている場合、データ線171が、延在してデータ駆動回路と直接接続される。
【0082】
駆動電圧線172は、駆動電圧を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差する。各駆動電圧線172は、コンタクトホール163bを通じて第2ソース及びドレイン領域153bと接続されている複数の第2入力電極173bを含む。駆動電圧線172は、互いに接続される。
【0083】
第1出力電極175aは、データ線171及び駆動電圧線172と分離されている。第1出力電極175aは、コンタクトホール165aを通じて第1ドレイン領域155aに接続されており、コンタクトホール164を通じて第2制御電極124bと接続されている。
【0084】
第2出力電極175bは、データ線171、駆動電圧線172及び第1出力電極175aと分離されていて、コンタクトホール165bを通じて第2ドレイン領域155bに接続されている。
【0085】
データ導電体171、172、175a、175bは、モリブデン、クロム、タンタル及びチタニウムなどの耐火性金属、またはこれらの合金からなることが好ましく、耐火性金属膜(図示せず)と低抵抗導電膜(図示せず)とを含む多重膜構造を有することができる。多重膜構造の例としては、クロムまたはモリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)上部膜の二重膜、及び、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)上部膜の三重膜がある。しかし、データ導電体171、172、175a、175bは、その他にも多様な金属または導電体からなることができる。
【0086】
ゲート導電体121、121bと同様に、データ導電体171、172、175a、175bもまた、その側面が基板110面に対して30゜乃至80゜程度の角度で傾斜していることが好ましい。
【0087】
データ導電体171、172、175a、175b上には、保護膜180が形成されている。保護膜180は、無機物、有機物、低誘電率絶縁物質などからなる。
保護膜180には、第2出力電極175bを露出する複数のコンタクトホール185が形成されている。保護膜180にはまた、データ線171の端部を露出する複数のコンタクトホール(図示せず)が形成されることができ、保護膜180と層間絶縁膜160には、ゲート線121の端部を露出する複数のコンタクトホール(図示せず)が形成されることができる。
【0088】
保護膜180上には、複数の画素電極191が形成されている。
画素電極191は、コンタクトホール185を通じて第2出力電極175bと接続されている。画素電極191は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなることが好ましいが、アルミニウム、銀、カルシウム、バリウム、マグネシウムなどの不透明の反射性金属からなることもできる。
【0089】
保護膜180上にはまた、複数の接触補助部材(図示せず)または接続部材(図示せず)が形成されることができ、これらは、ゲート線121とデータ線171の露出された端部に接続される。
【0090】
保護膜180上には、有機発光表示装置の画素を分離するための隔壁361が形成されている。隔壁361は、画素電極191の周縁を囲んで、有機発光物質で満たされる開口部を定義し、有機絶縁物または無機絶縁物からなる。
【0091】
隔壁361が定義する画素電極191上の開口部内には、有機発光部材370が形成されている。有機発光部材370は、赤色、緑色及び青色の三原色など基本色のうちのいずれか一つの光を固有に放出する有機物質からなる。有機発光表示装置は、有機発光部材370が放出する基本色の色光の空間的な総合によって所望する画像を表示する。
【0092】
有機発光部材370は、光を発する発光層(図示せず)以外に、発光層の発光効率を向上させるための付帯層(auxiliary layer)(図示せず)を含む多層構造を有することができる。付帯層には、電子と正孔とのバランスをとらせるための電子輸送層(図示せず)及び正孔輸送層(図示せず)と、電子と正孔の注入を強化するための電子注入層(図示せず)及び正孔注入層(図示せず)などがある。
【0093】
有機発光部材370上には、共通電極270が形成されている。共通電極270は、共通電圧Vcomの印加を受け、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質からなる。
このような有機発光表示装置において、ゲート線121に接続されている第1制御電極124a、データ線171に接続されている第1入力電極173a及び第1出力電極175aは、第1半導体154aと共にスイッチング薄膜トランジスタ(Qs)を構成し、スイッチング薄膜トランジスタ(Qs)のチャネルは、第1入力電極173aと第1出力電極175aとの間の第1半導体154aに形成される。第1出力電極175aに接続されている第2制御電極124b、駆動電圧線172に接続されている第2入力電極173b、及び、画素電極190に接続されている第2出力電極175bは、第2半導体154bと共に駆動薄膜トランジスタ(Qd)を構成し、駆動薄膜トランジスタ(Qd)のチャネルは、第2入力電極173bと第2出力電極175bとの間の第2半導体154bに形成される。画素電極191、有機発光部材370及び共通電極270は、有機発光素子(LD)を構成し、画素電極191がアノード、共通電極270がカソードとなるか、または画素電極191がカソード、共通電極270がアノードとなる。互いに重畳する維持電極127と駆動電圧線172とは、ストレージキャパシタ(Cst)を構成する。
【0094】
このような有機発光表示装置は、基板110の上側または下方に光を送り出して画像を表示する。不透明な画素電極191と透明な共通電極270は、基板110の上側方向に画像を表示する前面発光(top emission)方式の有機発光表示装置に適用し、透明な画素電極191と不透明な共通電極270は、基板110の下側方向に画像を表示する背面発光(bottom emission)方式の有機発光表示装置に適用する。
【0095】
一方、半導体151a、151bが真性領域なしで多結晶シリコンである場合、N型不純物で高濃度にドーピングされた多結晶シリコンであるオーミックコンタクト部材は、半導体151a、151bとデータ導電体171、172、175a、175bとの間に形成されることができる。
【0096】
第1及び第2制御電極124a、124bは、各々半導体層151a、151bに配置されることができ、ゲート絶縁膜140は、半導体層151a、151bと第1及び第2制御電極124a、124bとの間に形成されることができる。この時、データ導電体171、172、173b、175bは、ゲート絶縁層140上に直ちに形成されることができる。
【0097】
また、データ導電体171、172、173b、175bは、半導体層151a、151bの下に形成されることができ、半導体層151a、151bと電気的に直接接触することができる。
【0098】
以上で、本発明を実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施例によるカラーフィルターを有する表示板の平面図である。
【図2】本発明の一実施例によるカラーフィルターを有する表示板の検査パターンの構造を具体的に示した平面図である。
【図3】本発明の一実施例による検査パターン上に一滴のインクを滴下した形状を示す平面図である。
【図4】本発明の他の実施例による表示装置用表示板のカラーフィルター及び整列パターンの構造を具体的に示した平面図である。
【図5】本発明の一実施例によるカラーフィルターを有する表示板の製造工程に使用されるインクジェット印刷装置の構造を具体的に示した斜視図である。
【図6】本発明の一実施例によるインクジェット印刷装置で、ヘッドの構造を具体的に示した配置図である。
【図7】図4のカラーフィルターを有する表示板の製造工程で、カラーフィルターを形成する前に整列パターンを利用してヘッドを整列させる工程を示した工程図である。
【図8A】本発明の実施例によるカラーフィルターを有する表示板の製造工程で、整列パターンを利用した誤整列の形態を示した平面図である。
【図8B】本発明の実施例によるカラーフィルターを有する表示板の製造工程で、整列パターンを利用した誤整列の形態を示した平面図である。
【図8C】本発明の実施例によるカラーフィルターを有する表示板の製造工程で、整列パターンを利用した誤整列の形態を示した平面図である。
【図8D】本発明の実施例によるカラーフィルターを有する表示板の製造工程で、整列パターンを利用した誤整列の形態を示した平面図である。
【図9】本発明の実施例による製造工程によって完成した表示板を含む液晶表示装置の構造を示した断面図である。
【図10】本発明の実施例による製造工程によって完成した有機電界発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。
【図11】図10の薄膜トランジスタ表示板のXI-XI´線による断面図である。
【図12】図10の薄膜トランジスタ表示板のXII-XII´線による断面図である。
【符号の説明】
【0100】
111 遮断膜
124 ゲート電極
127 維持電極
140 ゲート絶縁膜
151a、151b 第1及び第2島型半導体
153a、153b 第1、2ソース領域
1535 中間領域
155a、155b 第1、2ドレイン領域
154a1、154a2 第1チャネル領域
157 維持領域
161、163、165 オーミックコンタクト部材
171 データ線
172 駆動電圧線
173 ソース電極
175 ドレイン電極
175a、175b 第1、2出力電極
180 保護膜
163a、163b、165a、165b、185 コンタクトホール
191 画素電極
200 表示装置用表示板
110、210 基板
220 遮光部材
230 カラーフィルター
235 整列用カラーフィルター
240 検査(整列)パターン
240a 第1整列線
240b 第2整列線
240c 整列目盛り
270 共通電極
300 移送装置
361 隔壁
370 有機発光部材
400 ヘッド
500 ステージ
700 ヘッドユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されていて、複数の開口部を有する隔壁部材と、
前記開口部に形成されている複数のカラーフィルターと、
前記カラーフィルターの誤整列を検査するための少なくとも一つの検査パターンと、
を含む表示装置用表示板。
【請求項2】
前記検査パターンは、前記隔壁部材の周縁または前記基板の外郭部に形成されている、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項3】
前記隔壁部材は、遮光部材である、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項4】
前記各検査パターンの中心点は、前記検査パターンと同一行に配置されたカラーフィルターの中心点と同一線上に位置する、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項5】
前記検査パターンは、実質的に円形であり、目盛りが刻まれた複数の整列線を含む、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項6】
前記複数の整列線は、互いに交差する、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項7】
前記検査パターンの面積は、滴下された一滴のインクより広い、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項8】
前記各カラーフィルターは、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つを表示する、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項9】
前記検査パターンは、同一の色を有するカラーフィルタの列毎に少なくとも一つが配置されている、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項10】
前記表示板は、液晶表示装置に使用される、請求項1に記載の表示装置用表示板。
【請求項11】
複数の信号線と、
前記信号線に接続されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタを通じて前記信号線に電気的に接続されている画素電極と、
をさらに含む請求項10に記載の表示装置用表示板。
【請求項12】
少なくとも一つの検査パターンにインクを滴下する段階と、
前記検査パターン上に滴下されたインクの位置を検査する段階と、
前記滴下されたインクの中心点が前記検査パターンの中心点と一致するように、インクジェット印刷装置のヘッドまたは基板の位置を調整する段階と、
複数の開口部にインクを滴下する段階と、
を含む表示装置用表示板の製造方法。
【請求項13】
前記インクの色は、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つである、請求項12に記載の表示装置用表示板の製造方法。
【請求項14】
前記隔壁部材は、遮光部材である、請求項12に記載の表示装置用表示板の製造方法。
【請求項15】
前記表示板は、液晶表示装置または有機電界発光表示装置に使用される、請求項12に記載の表示装置用表示板の製造方法。
【請求項16】
前記表示板は、複数の信号線、前記信号線に接続されている薄膜トランジスタ、及び、前記薄膜トランジスタを通じて前記信号線に電気的に接続されている画素電極を含む、請求項12に記載の表示装置用表示板の製造方法。
【請求項17】
基板と、
前記基板上に形成されていて、複数の開口部を有する隔壁部材と、
前記開口部に形成されていて、それぞれの固有の色を表示する複数の有機発光体と、
前記有機発光体の誤整列を検査するための少なくとも一つの検査パターンと、
を含む表示装置用表示板。
【請求項18】
前記検査パターンは、前記隔壁部材の周縁または前記基板の外郭部に形成されている、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項19】
前記検査パターンの中心点は、前記検査パターンと同一行に配置された有機発光体の中心点と同一線上に位置する、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項20】
前記検査パターンは、円形であり、目盛りが刻まれた複数の整列線を含む、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項21】
前記複数の整列線は、互いに交差する、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項22】
前記検査パターンの面積は、滴下された一滴のインクより広い、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項23】
前記各有機発光体は、赤色、緑色及び青色のうちのいずれか一つを表示する、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項24】
前記検査パターンは、同一の色を有する有機発光体の列毎に少なくとも一つが配置されている、請求項17に記載の表示装置用表示板。
【請求項25】
前記表示板は、有機電界発光表示装置に使用される、請求項17記載の表示装置用表示板。
【請求項26】
複数の信号線と、
前記信号線に接続されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタを通じて前記信号線に電気的に接続されている画素電極と、
をさらに含む請求項25に記載の表示装置用表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−85170(P2006−85170A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261484(P2005−261484)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】