説明

表示装置

【課題】 欠陥画素の存在を目立ちにくくすることを可能とする表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係る表示装置は、与えられたRGB信号をRGBW信号に変換するRGB−RGBW変換回路と、RGBWの4つの単位画素にて構成されたドットを複数有して構成され、上記RGBW信号に基づいて映像を表示する表示パネルと、表示パネル上の欠陥画素の位置を指定する欠陥位置指定部と、欠陥画素の位置に応じて、RGB信号をRGBW信号に変換する際におけるRGB信号のW信号への変換率を制御する変換率制御部を有している。欠陥画素がW画素(W6)である場合、隣接画素(G5、R6、B2及びB9)の変換率を表示パネル全体について定められた基準変換率よりも低くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL表示装置、無機EL表示装置、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置等の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自発光型表示パネル(自発光型ディスプレイ)を備えた有機EL表示装置等の表示装置は、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を有しており、用途が広がっている。ただし、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの用途においては、更なる低消費電力化への要求が高い。
【0003】
白発光材料にR、G、Bのカラーフィルタが張りつけられているRGB方式の有機EL表示装置が既に開発されている。RGB方式の有機EL表示装置においては、RGB単位画素毎に有機EL素子が含まれている。RGB方式の有機EL表示装置においては、光がカラーフィルタを通過する際に光の一部がカラーフィルタに吸収されるため、光利用効率が悪くなっている。この光利用効率の低さが消費電力の低下を妨げている。
【0004】
そこで、本出願人は、低消費電力化を図ることができるRGBW方式の有機EL表示装置(自発光型表示装置)を既に開発して出願している。RGBW方式の有機EL表示装置においては、RGBW単位画素毎に有機EL素子が含まれている。有機EL素子は、例えば、白色に発光する。
【0005】
このようなRGBW方式の有機EL表示装置の表示パネルは、図24に示すように、R、G、B及びWの4つの単位画素で構成されたドットが多数配列されて構成されている。4つの単位画素の内の3つの単位画素に3原色、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)を表示するためのカラーフィルタを配置している。そして、残りの1つの単位画素を、カラーフィルタを配置していない白(W)表示用としている。
【0006】
白表示用の単位画素にはカラーフィルタが設けられていないため、光の利用効率が非常に高い。従って、例えば、白を表示するときには、RGB表示用の単位画素を発光させて白を表示するのではなく、白表示用の単位画素を発光させて白を表示する。これによって、大幅な低消費電力化が図られる。
【0007】
RGB信号のW信号への変換率(RGB信号をW信号に変換する割合)を100%とすると、RGB信号が可能な限りW信号に変換されて高効率のW画素(白表示用画素)が最大限に使用されるため、最も低消費電力化が図られる。RGB信号が8ビットのデジタル信号で表され、RGB信号の値が全て255の場合(そのデジタル信号の値の増加は輝度の増加を意味するものとする)、RGB信号のW信号への変換率(RGB信号をW信号に変換する割合)を100%とすると、例えば、図25に示すようにRGB画素は一切発光せず、W画素だけが最大限に発光することになり、これによって白が表示される。
【0008】
また、下記特許文献1には、不良画素の隣接画素の輝度の和が、不良画素の本来の輝度に略等しくなるように、隣接画素に印加する信号を制御する手段を備えたRGB方式の表示装置が開示されている。
【0009】
また、下記特許文献2には、入力信号に対応付けて予め定められた補正データを格納する補正データ格納部と、不良画素が存在した場合に、入力信号に基づいて補正データを決定し、その補正データを用いて不良画素の近傍画素の入力信号を補正する補正処理部と、を備えたRGB方式の表示装置が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2001−109423号公報
【特許文献2】特開2002−189440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
通常、RGB信号のW信号への変換率は表示パネル全体に亘って一定(例えば、100%)となっている。低消費電力化の観点からは、RGB信号のW信号への変換率を高く設定した方が好ましいのであるが、白表示用のW画素に欠陥があると、図26に示すように、白表示時に該欠陥が黒点(図26の符合50に対応)となって非常に目立ってしまう。このことは、表示パネルの表示品位を低下させると共に、不良パネルの発生確率を増大させて歩留まりの劣化を招く。
【0012】
また、上記特許文献1及び2に記載の技術は、RGB方式の表示装置において、不良画素(欠陥画素)があった場合に周囲の画素の輝度を単に増加させるものであって、RGB信号のW信号への変換率等を考慮すべきRGBW方式の表示装置に対して単純に適用できるものではない。尚、RGB方式の表示装置においては、1つの画素に欠陥があったとしても、白表示時にはRGB画素のいずれか1つが発光しないだけで黒点とならないため、その欠陥は比較的目立ちにくい。
【0013】
上記の問題に鑑み、本発明は、欠陥画素の存在を目立ちにくくすることを可能とする表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明に係る表示装置は、XをRGB以外の所定の色とし、与えられたRGB信号をRGBX信号に変換するRGB−RGBX変換回路と、R画素、G画素、B画素及びX画素の4つの単位画素にて構成されたドットを複数有して構成され、前記RGB−RGBX変換回路によって得られたRGBX信号に基づいて映像を表示する表示パネルと、を備えた表示装置において、欠陥のある単位画素を欠陥画素とした場合、前記表示パネル上の該欠陥画素の位置を指定する欠陥位置指定手段を更に備え、前記RGB−RGBX変換回路は、前記欠陥位置指定手段によって指定された前記位置に応じて、RGB信号をRGBX信号に変換する際におけるRGB信号のX信号への変換率を制御する変換率制御手段を有し、前記変換率制御手段は、前記欠陥画素に隣接する少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を、前記表示パネル全体について定められた基準変換率と異ならせることを特徴とする。
【0015】
例えば、正常なX画素が発光することにより得られる色が白であって、且つこのX画素が欠陥画素となって規定の発光をしない場合を考える。この場合において、仮に、その欠陥画素となっているX画素が正常に発光するものと取り扱って、RGB信号をX信号へ変換してしまうと、図27(a)の表示パネル60に示す如く、白表示時にその欠陥画素が黒点となって目立ってしまう。
【0016】
しかしながら、上記構成においては、欠陥画素に隣接する単位画素についての上記変換率が、表示パネル全体について定められた基準変換率(例えば、90%や100%)と異なった値になるように制御される。つまり、欠陥のある単位画素の種類に応じて、図27(b)の表示パネル61に示す如く、欠陥画素の存在を目立ちにくくする上記変換率の制御が可能となる。
【0017】
具体的には、例えば、前記RGB−RGBX変換回路に与えられるRGB信号は、R画素の輝度を表すR信号、G画素の輝度を表すG信号、及びB画素の輝度を表すB信号から構成され、前記RGB−RGBX変換回路に与えられるRGB信号をRGBX信号に変換することによって得ることができるX信号の最大値を最大変換X信号値とし、且つ、該最大変換X信号値に変換されるべきR信号の成分、G信号の成分及びB信号の成分を、夫々、最大変換R信号、最大変換G信号及び最大変換B信号としたとき、前記変換率制御手段は、実際にX信号に変換されるR信号の成分の最大変換R信号に対する割合、実際にX信号に変換されるG信号の成分の最大変換G信号に対する割合、及び実際にX信号に変換されるB信号の成分の最大変換B信号に対する割合を、制御されるべき前記変換率とする。
【0018】
後述する実施形態の一例として挙げる第3の数値例(図5)においては、最大変換X信号値はWMAX=115に対応し、該最大変換X信号値に変換されるべきR信号の成分(最大変換R信号)、G信号の成分(最大変換G信号)及びB信号の成分(最大変換B信号)は、夫々、115(=115/1.00)、95(=115/1.20)及び100(=115/1.15)となっている(図4も参照)。そして、例えば、実際にX信号に変換されるR信号の成分を80としたならば(図5のグラフP11参照)、そのR信号の成分の最大変換R信号に対する割合、即ち、前記変換率は0.7(=80/115)となる。
【0019】
また、例えば、X画素の発光によって得られる色度の色度座標は、色度座標上において、R画素の色度座標、G画素の色度座標及びB画素の色度座標によって形成される三角形の内部に存在する。
【0020】
また、例えば、前記基準変換率とは、前記表示パネルを構成する全ての単位画素に欠陥がなかった場合に、各単位画素に対して設定される変換率である。
【0021】
そして、欠陥画素の存在を目立ちにくくするために、具体的には、以下のようにすればよい。
【0022】
例えば、前記欠陥画素がX画素である場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くするとよい。
【0023】
後述する実施形態の一例として挙げる図12においては、前記欠陥画素はW6に対応し、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素はG5、R6、B2及びB9に対応している。
【0024】
また、例えば、前記欠陥画素がX画素である場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接する単位画素の内の少なくとも1つの単位画素を含んで構成されるドットのR画素、G画素及びB画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くするようにしてもよい。
【0025】
後述する実施形態の一例として挙げる図14においては、前記欠陥画素はW6に対応し、その欠陥画素に隣接する単位画素を含んで構成されるドットはD2、D5、D7及びD9(図7も参照)に対応している。
【0026】
また、例えば、前記欠陥画素がR画素、G画素又はB画素である場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くするようにしてもよい。
【0027】
後述する実施形態の一例として挙げる図15においては、前記欠陥画素はB6に対応し、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素はR6及びG6に対応している。
【0028】
また、例えば、前記欠陥画素がR画素、G画素又はB画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上のX画素が隣接している場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接する少なくとも1つのX画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも高くするようにしてもよい。
【0029】
後述する実施形態の一例として挙げる図16においては、前記欠陥画素はB6に対応し、その欠陥画素に隣接するX画素はW3及びW10に対応している。
【0030】
また、例えば、前記欠陥画素がX画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上の他のX画素が隣接している場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接する少なくとも1つのX画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも高くするようにしてもよい。
【0031】
後述する実施形態の一例として挙げる図19においては、前記欠陥画素はW14に対応し、その欠陥画素に隣接するX画素はW12及びW16に対応している。
【0032】
また、例えば、前記欠陥画素がX画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上の他のX画素が隣接している場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くするようにしてもよい。
【0033】
後述する実施形態の一例として挙げる図20においては、前記欠陥画素はW14に対応し、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素はG13及びR14に対応している。
【0034】
また、例えば、前記欠陥画素がX画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上の他のX画素が隣接し、且つ、その欠陥画素に隣接する前記他のX画素についての前記変換率が最大となっている場合、前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低し、且つ、前記他のX画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くするようにしてもよい。
【0035】
後述する実施形態の一例として挙げる図21においては、前記欠陥画素はW14に対応し、その欠陥画素に隣接する前記他のX画素はW12及びW16に対応している。そして、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素はG13及びR14に対応し、前記他のX画素に隣接するX画素以外の単位画素はG11、R12、G15及びR16に対応している。
【発明の効果】
【0036】
上述した通り、本発明に係る表示装置によれば、欠陥画素の存在を目立ちにくくすることが可能となる。この結果、表示パネルの表示品位の低下が抑制され、また、不良パネルの発生確率を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
<<第1実施形態>>
以下、本発明の第1実施形態につき、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の構成を示している。第1実施形態に係る有機EL表示装置は、図1に示す如く、RGB−RGBW変換回路1、D/A変換回路2及び有機EL表示パネル3(以下、単に「表示パネル3」という)を有して構成される。本実施形態に係る有機EL表示装置は、他に欠陥位置指定部15等を備えているが(図6参照)、それらの図示は図1においては省略している。
【0038】
RGB−RGBW変換回路1には、外部から映像信号であるデジタルのRGB信号Rin、Gin、Binが入力される。この「RGB信号Rin、Gin、Bin」を、以下、単に「RGB入力信号」ということがある。RGB−RGBW変換回路1は、欠陥位置指定部15(図6参照)から与えられる画素の欠陥情報に基づきつつ、RGB入力信号をデジタルのRGBW信号Rout、Gout、Bout、Woutに変換する。上記欠陥情報に基づいたRGB−RGBW変換回路1の動作については、後に詳説する。また「RGBW信号Rout、Gout、Bout、Wout」を、以下、単に「RGBW信号」ということがある。
【0039】
RGB−RGBW変換回路1によって得られたRGBW信号は、D/A変換回路2によってアナログのRGBW信号に変換される。表示パネル3は、D/A変換回路2によって得られたアナログのRGBW信号に基づいてカラー映像を表示するRGBW方式の表示パネルである。
【0040】
表示パネル3は、カラーの映像表示を行うため、複数のドットを縦横に配列して構成されている。図2は、1つのドットの構成を示している。1つのドットは、白色の自発光材料(有機EL素子)にR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタ(不図示)を貼り付けたR画素、G画素、B画素に加えて、白色の自発光材料にカラーフィルタを設けないW画素を有して構成される。このように、R画素、G画素、B画素及びW画素の4つの単位画素によって、1つのドットは構成されている。
【0041】
以下の説明において、R画素、G画素及びB画素を、総称して「RGB画素」ということがある。また、R画素、G画素、B画素及びW画素を、総称して「RGBW画素」ということがある。
【0042】
RGB−RGBW変換回路1に与えられるRGB入力信号は、映像のR(赤)成分を表すR信号Rinと、映像のG(緑)成分を表すG信号Ginと、映像のB(青)成分を表すB信号Binと、から構成されている。R信号Rin、G信号Gin、B信号Binは、それぞれ、映像をRGB画素(RGBの3つの単位画素)で表示する場合(即ち、RGB方式で表示する場合)におけるR画素の輝度、G画素の輝度、B画素の輝度を表している。
【0043】
RGB−RGBW変換回路1から出力されるRGBW信号は、R信号Routと、G信号Goutと、B信号Boutと、W信号Woutと、から構成されている。R信号Rout、G信号Gout、B信号Bout、W信号Woutは、それぞれ、映像をRGBW画素(RGBWの4つの単位画素)で表示する場合(即ち、RGBW方式で表示する場合)におけるR画素の輝度、G画素の輝度、B画素の輝度、W画素の輝度を表している。
【0044】
RGB信号Rin、Gin、Bin(R信号Rin、G信号Gin、B信号Bin)は、夫々、0〜255の値をとる8ビットのデジタル信号となっており(勿論、8ビット以外でも良い)、夫々の値が増加するに従って、対応する単位画素の輝度が増加するものとする。同様に、RGBW信号Rout、Gout、Bout、Wout(R信号Rout、G信号Gout、B信号Bout、W信号Wout)は、夫々、0〜255の値をとる8ビットのデジタル信号となっており(勿論、8ビット以外でも良い)、夫々の値が増加するに従って、対応する単位画素の輝度が増加するものとする。以下の説明においては、説明の簡略化上、信号値(RGB入力信号の値及びRGBW信号の値)と表示輝度の関係は、比例関係にあるとする。
【0045】
[変換原理]
ここで、RGB−RGBW変換回路1によるRGB入力信号のRGBW信号への変換原理について、第1の数値例、第2の数値例及び第3の数値例を参照しながら説明する。この変換原理は、本実施形態だけでなく、後述する第2実施形態にも共通する。
【0046】
まず、第1の数値例として、W信号に変換されるRGB入力信号の比率が1:1:1の場合を考える。即ち、(Rin、Gin、Bin)=(k、k、k)のRGB入力信号が、値がkのW信号(即ち、Wou=k)に変換される場合を考える(但し、kは0〜255の整数)。
【0047】
図3は、第1の数値例におけるRGBW信号への変換を表す図である。今、図3のグラフP1に示す如く、(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)であるとする。即ち、Rin=220、Gin=180、Bin=100、であるとする。220−100=120、180−100=80、100−100=0、が成立するため、このRGB入力信号は、グラフP2に示す第1RGB信号成分(120、80、0)と、グラフP3に示す第2RGB信号成分(100、100、100)と、に分解できる。
【0048】
W信号に変換されるRGB入力信号の比率が1:1:1であるため、第2RGB信号成分(100、100、100)は、値が100のW信号に変換される。値が100のW信号と、グラフP2に示す第1RGB信号成分を合算(合成)することにより、グラフP4に示すRGBW信号値(120、80、0、100)が得られる。即ち、第1の数値例においては、RGB入力信号のRGBW信号への変換により、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(120、80、0、100)となる。
【0049】
W信号に変換されるRGB入力信号の比率が1:1:1の場合を第1の数値例として説明したが、実際には、白色の自発光材料(有機EL素子)によって得られる白の色度は、目標とする白の色度となっていない場合が多い。(Rin、Gin、Bin)=(k、k、k)のRGB入力信号が供給された場合は、目標白の色度(目標とする白の色度)が実現されるべきであるので、表示パネルの特性に応じて、W信号に変換されるRGB入力信号の比率を適切に設定する必要がある。表示パネルの特性に応じた上記比率の算出法は、後の「パネル調整処理」の説明において述べる。
【0050】
第2の数値例として、「W信号に変換されるRGB入力信号の比率」が1.00:1.20:1.15の場合を考える。即ち、(Rin、Gin、Bin)=(k/1.00、k/1.20、k/1.15)のRGB入力信号が、値がkのW信号に変換される場合を考える(但し、kは0〜255の整数)。
【0051】
図4は、第2の数値例におけるRGBW信号への変換を表す図である。今、図4のグラフP5に示す如く、(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)であるとする。まず、RGB入力信号をRGBW信号に変換することによって得ることができるW信号の最大値(以下、これを「最大変換W信号値WMAX」という)を算出する。この最大変換W信号値WMAXは、下記式(1)、(2)及び(3)にて算出される値R1、G1及びB1の最小値min(R1、G1、R1)に相当するため、115となる。第2の数値例では、この115の値が、そのままW信号Woutになるものとする。
【0052】
尚、min(z1、z2、z3)は、z1、z2及びz3の内の最小値を示す演算記号である(但し、z1、z2及びz3は任意の数)。また、W信号に変換されるRGB入力信号の比率及び最大変換W信号値WMAXを表す場合を除き、以下の説明における数値は、(原則として)小数点以下の数値を切り捨てて考えるものとする。
【0053】
R1=220×1.00=220 ・・・(1)
G1=180×1.20=216 ・・・(2)
B1=100×1.15=115 ・・・(3)
【0054】
次に、RGBW信号への変換後のRGB信号(即ち、Rout、Gout及びBout)を算出するために、Woutに変換されるR信号Rinの成分R2、G信号Ginの成分G2、及びB信号Binの成分B2を、下記式(4)、(5)及び(6)によって算出する。
【0055】
R2=115/1.00=115 ・・・(4)
G2=115/1.20=95 ・・・(5)
B2=115/1.15=100 ・・・(6)
【0056】
220−115=105、180−95=85、100−100=0、が成立するため、RGB入力信号は、グラフP6に示す第1RGB信号成分(105、85、0)と、グラフP7に示す第2RGB信号成分(115、95、100)と、に分解できる。
【0057】
W信号に変換されるRGB入力信号の比率が1.00:1.20:1.15であるため、第2RGB信号成分(115、95、100)は、値が115のW信号に変換される。値が115のW信号と、グラフP6に示す第1RGB信号成分を合算(合成)することにより、グラフP8に示すRGBW信号値(105、85、0、115)が得られる。即ち、第2の数値例においては、RGB入力信号のRGBW信号への変換により、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(105、85、0、115)となる。
【0058】
第2の数値例は、RGB入力信号をRGBW信号に変換することによって得ることができるW信号の最大値(最大変換W信号値WMAX)をそのままWoutとする例(W信号Woutを最大にする例)、即ち、W画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率;W寄与率)WGAINを最大の100%にする例である。詳細は後述するが、本発明に係るRGB−RGBW変換回路は、W画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINを、必要に応じて変化させる。
【0059】
第3の数値例として、W信号に変換されるRGB入力信号の比率が、第2の数値例と同じく1.00:1.20:1.15であって、且つW画素の使用率WGAINが70%である場合を考える。
【0060】
図5は、第3の数値例におけるRGBW信号への変換を表す図である。今、図5のグラフP9に示す如く、(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)であるとする。RGB入力信号の値が第2の数値例と同じであるため、最大変換W信号値WMAXは、上記式(1)〜(3)に基づいて115となるが、第3の数値例においては、W画素の使用率WGAINが70%であるため、Wout=115×0.7=80、とされる。
【0061】
次に、RGBW信号への変換後のRGB信号(即ち、Rout、Gout及びBout)を算出するために、Woutに変換されるR信号Rinの成分R2、G信号Ginの成分G2、及びB信号Binの成分B2を、下記式(7)、(8)及び(9)によって算出する。
【0062】
R2=80/1.00=80 ・・・(7)
G2=80/1.20=66 ・・・(8)
B2=80/1.15=69 ・・・(9)
【0063】
220−80=140、180−66=114、100−69=31、が成立するため、このRGB入力信号は、グラフP10に示す第1RGB信号成分(140、114、31)と、グラフP11に示す第2RGB信号成分(80、66、69)と、に分解できる。
【0064】
W信号に変換されるRGB入力信号の比率が1.00:1.20:1.15であるため、第2RGB信号成分(80、66、69)は、値が80(=115×0.7)のW信号に変換される。値が80のW信号と、グラフP10に示す第1RGB信号成分を合算(合成)することにより、グラフP12に示すRGBW信号値(140、114、31、80)が得られる。即ち、第3の数値例においては、RGB入力信号のRGBW信号への変換により、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(140、114、31、80)となる。
【0065】
ここで、上記第2の数値例に関わる図4のグラフP7と上記第3の数値例に関わる図5のグラフP11を比較して、W画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINが意味するものを考える。最大変換X信号値WMAXに変換されるべきR信号Rinの成分、G信号の成分及びB信号の成分を、夫々、最大変換R信号、最大変換G信号及び最大変換B信号とすると、最大変換R信号、最大変換G信号及び最大変換B信号は、図4のグラフP7に示す(115、95、100)となる。
【0066】
第3の数値例において、実際にW信号に変換されるR信号の成分(第3の数値例において80)の最大変換R信号(第3の数値例において115)に対する割合は、80/115≒70%であり、この値は、設定されたW画素の使用率WGAINに等しい。また、実際にW信号に変換されるG信号の成分(第3の数値例において66)の最大変換G信号(第3の数値例において95)に対する割合も、66/95≒70%である。また、実際にW信号に変換されるB信号の成分(第3の数値例において69)の最大変換B信号(第3の数値例において100)に対する割合も、69/100≒70%である。
【0067】
つまり、画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINは、実際にW信号に変換されるR信号の成分の最大変換R信号に対する割合、実際にW信号に変換されるG信号の成分の最大変換G信号に対する割合、及び実際にW信号に変換されるB信号の成分の最大変換B信号に対する割合を意味する。
【0068】
そして、RGB入力信号(第3の数値例において、(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)で表される)から、W信号に変換されるRGB信号(第3の数値例において、(R2、G2、B2)=(80、66、69)で表される)を差し引いたものがRGB−RGBW変換回路1から出力されるRGBW信号への変換後のRGB信号(第3の数値例において、(Rout、Gout、Bout)=(140、114、31)で表される)となる。
【0069】
[表示装置の詳細な構成]
本発明に係るRGB−RGBW変換回路1は、欠陥位置指定部15から与えられる画素の欠陥情報に基づいて上記W画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINを適切に制御しつつ(調整しつつ)、RGB入力信号をRGBW信号に変換する。図6は、図1におけるRGB−RGBW変換回路1の内部構成とその周辺の構成を表す図である。
【0070】
RGB−RGBW変換回路1は、R−W変換器20R、G−W変換器20G及びB−W変換器20Bと、最小値算出器21と、乗算器22と、W−R変換器23R、W−G変換器23G及びW−B変換器23Bと、減算器24R、24G及び24Bと、比較器13及び14と、選択器16と、を有して構成される。
【0071】
水平用カウンタ(H_CNT)11は、RGB入力信号Rin、Gin、Binの水平同期信号Hsync及びドット信号(ドットクロック)CLKに基づいて、RGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上(表示パネル3或いは後述する3a上)の水平位置を示す水平位置信号を出力する。垂直用カウンタ(V_CNT)12は、RGB入力信号Rin、Gin、Binの水平同期信号Hsync及び垂直同期信号Vsyncに基づいて、RGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上(表示パネル3或いは後述する3a上)の垂直位置を示す垂直位置信号を出力する。
【0072】
尚、垂直同期信号Vsyncおよび水平同期信号Hsync(及びドット信号CLK)は、図示されないタイミング生成回路にも供給されており、該タイミング生成回路は、垂直同期信号Vsyncおよび水平同期信号Hsync(及びドット信号CLK)に基づいて映像表示に必要なタイミング信号を生成し、それをD/A変換回路2および表示パネル3(或いは後述する3a)に与えている。
【0073】
欠陥位置指定部15には、予め欠陥(不良)のある単位画素の画面上の位置(水平位置及び垂直位置)を特定する欠陥情報が格納されている。具体的には、有機EL表示装置の製造時における検査工程において、規定された発光がなされるかを単位画素ごとに検査し、規定の発光ができない(例えば、全く発光しない)単位画素を欠陥画素として取り扱う。そして、欠陥画素(欠陥のある単位画素)の位置(水平位置及び垂直位置)を特定する欠陥情報が、不揮発性メモリ等から成る欠陥位置指定部15に格納されている。
【0074】
比較器13は、水平用カウンタ11からの水平位置信号によって特定されるRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の水平位置と、欠陥位置指定部15からの欠陥情報によって特定される欠陥画素の水平位置(或いは該水平位置の近傍の水平位置)とを比較し、その比較結果を選択器16に伝達する。比較器14は、垂直用カウンタ12からの垂直位置信号によって特定されるRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の垂直位置と、欠陥位置指定部15からの欠陥情報によって特定される欠陥画素の垂直位置(或いは該垂直位置の近傍の垂直位置)とを比較し、その比較結果を選択器16に伝達する。
【0075】
選択器16は、比較器13による比較結果及び比較器14による比較結果に応じて、複数の被選択値の中から1つの値を選択し、その選択した値をW画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINとして出力する。後に具体的な数値例を挙げるが、この被選択値は、例えば、1(100%)や0.75(75%)等となっている。
【0076】
R−W変換器20R、G−W変換器20G及びB−W変換器20Bは、それぞれ、下記式(10)、(11)及び(12)に従って、R信号Rin、G信号Gin及びB信号Binから値R1、G1及びB1を算出する。但し、W信号に変換されるRGB入力信号の比率を、「αR:αG:αB」としている。上記第3の数値例の如く、(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)とし、且つαR:αG:αB=1.00:1.20:1.15とすれば(αR=1.00、αG=1.20、αB=1.15)、下記式(10)〜(12)は、夫々、上記式(1)〜(3)と一致することになる。
【0077】
R1=Rin×αR ・・・(10)
G1=Gin×αG ・・・(11)
B1=Bin×αB ・・・(12)
【0078】
最小値算出器21は、R−W変換器20R、G−W変換器20G及びB−W変換器20Bによって算出されたR1、G1及びB1の最小値min(R1、G1、B1)を求め、その値を最大変換W信号値WMAXとして後段の乗算器22に出力する。この最大変換W信号値WMAXは、上記第3の数値例においては、115となる。
【0079】
乗算器22は、最小値算出器21からの最大変換W信号値WMAXと、選択器16からのW画素の使用率WGAINとの乗算結果をW信号Woutとして出力すると共に、乗算結果をW−R変換器23R、W−G変換器23G及びW−B変換器23Bに供給する。上記第3の数値例のように、WMAX=115且つWGAIN=0.7であれば、Wout=80(≒115×0.7)となる。
【0080】
W−R変換器23R、W−G変換器23G及びW−B変換器23Bは、それぞれ、RGBW信号への変換後のRGB信号(即ち、Rout、Gout及びBout)を算出するために、Woutに変換されるR信号Rinの成分R2、G信号Ginの成分G2、及びB信号Binの成分B2を、下記式(13)、(14)及び(15)に従って算出する。上記第3の数値例のように、Wout=80且つαR:αG:αB=1.00:1.20:1.15であれば、下記式(13)〜(15)は、夫々、上記式(7)〜(9)と一致すことになり、図5のグラフP11のように(R2、G2、B2)=(80、66、69)となる。
【0081】
R2=Wout/αR ・・・(13)
G2=Wout/αG ・・・(14)
B2=Wout/αB ・・・(15)
【0082】
減算器24R、減算器24G及び減算器24Bは、それぞれ、R信号Rin、G信号Gin及びB信号Binから、W−R変換器23R、W−G変換器23G及びW−B変換器23Bの演算結果であるR2、G2及びB2を減算し、その減算結果をRout、Gout及びBoutとして出力する。このため、上記の第3の数値例の如く、(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)、且つ(R2、G2、B2)=(80、66、69)であれば、図5のグラフP12のように(Rout、Gout、Bout)=(140、114、31)となる。
【0083】
次に、図1の表示パネル3の内部構成を説明する。図7は、図1の表示パネル3のドットの配列及びドット内の単位画素の配列を示した図である。図7に示す配列は、所謂デルタ配列である。図7中、左側から右方向に向かって水平にドットD1、D2及びD3がこの順番で連なって並んでおり、左側から右方向に向かって水平にドットD4、D5、D6及びD7がこの順番で連なって並んでおり、左側から右方向に向かって水平にドットD8、D9及びD10がこの順番で連なって並んでいる。ドットD4、D5、D6及びD7が並ぶ水平ラインを基準として、ドットD1、D2及びD3は1単位画素分、上方に配置されており、ドットD8、D9及びD10は1単位画素分、下方に配置されている。図7は、表示パネル3の一部を示したものであり、ドットD1〜D10の上下方向(表示パネル3の垂直方向)及び左右方向(表示パネル3の水平方向)には、図示されない他のドットが、ドットD1〜D10の配置関係と同様の配置関係にて、多数配列されている。
【0084】
ドットD1は、W画素W1、R画素R1、B画素B1及びG画素G1の4つの単位画素から構成されており、それらの単位画素は、W画素W1、R画素R1、B画素B1及びG画素G1の順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。他のドットD2〜D10についても同様である。即ち、nを2〜10の何れかの数値として、ドットDnは、W画素Wn、R画素Rn、B画素Bn及びG画素Gnの4つの単位画素から構成されており、各ドットDnにおいて、単位画素は、W画素Wn、R画素Rn、B画素Bn及びG画素Gnの順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。
【0085】
尚、以下の説明において、W画素W1、R画素R1、B画素B1及びG画素G1を、夫々、単にW1、R1、B1及びG1と記すことがある。同様に、W画素Wn、R画素Rn、B画素Bn及びG画素Gnを、夫々、単にWn、Rn、Bn及びGnと記すことがある(nは2〜10の整数)。
【0086】
上記の関係から特定されるように、W1、R1、B1、G1、W2、R2、B2、G2、W3、R3、B3及びG3は、この順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。同様に、W4、R4、B4、G4、W5、R5、B5、G5、W6、R6、B6、G6、W7、R7、B7及びG7は、この順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。同様に、W8、R8、B8、G8、W9、R9、B9、G9、W10、R10、B10及びG10は、この順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。
【0087】
また、図7に示す如く、ドットD1とドットD8の左右方向の位置、ドットD2とドットD9の左右方向の位置、及びドットD3とドットD10の左右方向の位置は、それぞれ互いに一致している。ドットD4は、2つの単位画素分だけドットD1より左側に位置している。同様に、ドットD5は、2つの単位画素分だけドットD2より左側に位置しており、ドットD6は、2つの単位画素分だけドットD3より左側に位置している。また、ドットD7は、2つの単位画素分だけドットD3より右側に位置している。従って、例えば、W6の上方に隣接してB2が配置され、W6の下方に隣接してB9が配置されている。
【0088】
ドットD1に対するRGB入力信号は、RGB−RGBW変換回路1によって、ドットD1に対するRGBW信号に変換される。同様に、ドットDnに対するRGB入力信号は、RGB−RGBW変換回路1によって、ドットDnに対するRGBW信号に変換される(nは2〜10の整数)。
【0089】
[W画素の使用率の調整例]
次に、欠陥画素の存在に応じたW画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINの設定法について、具体例を挙げて説明する。尚、以下の説明において、特に断りのない単位画素は正常な単位画素であるとする。また、表示パネル3(及び後述する3a)全体に対して予め基準変換率が定められており、表示パネル3(及び後述する3a)を構成する全ての単位画素に欠陥がなかったならば、全ての単位画素についてのW画素の使用率WGAINは、その基準変換率とされる。基準変化率の最大値は100%であって、基準変化率は、例えば固定値となっている。また、説明の簡略化上、ドットD1〜D10に対するRGB入力信号の値は、全て(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)であり、且つ、αR:αG:αB=1.00:1.20:1.15、が成立するものとする。
【0090】
まず、第1の設定例を説明する。今、W画素W6に欠陥があったとする(滅点であったとする)。この場合、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるW画素W6の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、R5、B5、G5、R6、B6、G6についてのW画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINを、図8に示す如く、夫々75%、50%、25%、25%、50%、75%とする。即ち、欠陥画素からの距離が小さくなるにつれ、W画素の使用率WGAINを低くする。W画素W5及びW7を含む他の全ての単位画素についてのW画素の使用率WGAINは、基準変換率である100%に設定される。尚、第1の設定例において、基準変換率を100%未満(例えば、90%)としても構わない。
【0091】
図9は、第1の設定例を採用した場合における比較器13及び14並びに選択器16への入力信号を具体的に表したものであり、RGB−RGBW変換回路1及びその周辺回路の一部を抜粋したものである。図9において、図6と同一の部分には同一の符号を付してある。
【0092】
比較器13には、欠陥画素であるW画素W6の水平位置(ADH_W6)と、欠陥画素の水平位置から左方向及び右方向に1単位画素分だけずれた水平位置(ADH_W6±1)と、欠陥画素の水平位置から左方向及び右方向に2単位画素分だけずれた水平位置(ADH_W6±2)と、欠陥画素の水平位置から左方向及び右方向に3単位画素分だけずれた水平位置(ADH_W6±3)とが、欠陥位置指定部15から与えられている。比較器13は、欠陥位置指定部15から与えられた上記の7つの水平位置と、水平用カウンタ11から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の水平位置との一致/不一致を評価し、その一致/不一致を表す信号を選択器16に供給する。
【0093】
比較器14には、欠陥画素であるW画素W6の垂直位置(ADV_W6)が、欠陥位置指定部15から与えられている。比較器14は、欠陥位置指定部15から与えられた上記の垂直位置と、垂直用カウンタ12から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の垂直位置との一致/不一致を評価し、その一致/不一致を表す信号を選択器16に供給する。
【0094】
選択器16には、25%、50%及び75%並びに基準変換率である100%が被選択値として与えられており、比較器13と比較器14の出力に応じて、図8に示すWGAINを各単位画素に設定する。具体的には、例えば、欠陥画素の垂直位置(ADV_W6)と、垂直用カウンタ12から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の垂直位置とが一致しており、且つ、欠陥画素の水平位置から左方向に1単位画素分だけずれた水平位置(ADH_W6−1)と、水平用カウンタ11から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の水平位置とが一致していることを示す信号が比較器13及び14から与えられている時、4つの被選択値からG画素G5に対応する25%を選択し、その値をWGAINとして出力する。
【0095】
図10は、第1の設定例において、各単位画素に供給される信号値を説明するための図である。まず、WGAIN=100%とされるW画素W5に着目する。上述したように、ドットD5に対するRGB入力信号の値は(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)であり、且つ、αR:αG:αB=1.00:1.20:1.15であるので、WGAIN=100%となっているとき、図10に示すように、乗算器22からは115の値を表す信号が出力され、減算器24R、24G及び24Bからは夫々105、85及び0の値を表す信号が出力される(図4のグラフP8も参照)。これらの信号の内、乗算器22から出力される信号の値(115)が、W画素W5に対応するW信号Woutの値として取り扱われる。
【0096】
GAIN=75%とされるR画素R5に着目する。WGAIN=75%となっているとき、図10に示すように、乗算器22からは86(=115×0.75)の値を表す信号が出力され、減算器24R、24G及び24Bからは夫々134(=220−86/1.00)、109(=180−86/1.20)及び26(=100−86/1.15)の値を表す信号が出力される。これらの信号の内、減算器24Rから出力される信号の値(134)が、R画素R5に対応するR信号Routの値として取り扱われる。
【0097】
GAIN=25%とされるG画素G5に着目する。WGAIN=25%となっているとき、図10に示すように、乗算器22からは28(=115×0.25)の値を表す信号が出力され、減算器24R、24G及び24Bからは夫々192(=220−28/1.00)、157(=180−28/1.20)及び76(=100−28/1.15)の値を表す信号が出力される。これらの信号の内、減算器24Gから出力される信号の値(157)が、G画素G5に対応するG信号Goutの値として取り扱われる。
【0098】
GAIN=25%とされるR画素R6に着目する。WGAIN=25%となっているとき、図10に示すように、乗算器22からは28(=115×0.25)の値を表す信号が出力され、減算器24R、24G及び24Bからは夫々192(=220−28/1.00)、157(=180−28/1.20)及び76(=100−28/1.15)の値を表す信号が出力される。これらの信号の内、減算器24Rから出力される信号の値(192)が、R画素R6に対応するR信号Routの値として取り扱われる。
【0099】
5、B6、G6及びW7を含む他の単位画素についても、W5やR5等に着目して説明したのと同様の処理が行われる。この結果、B5に対応するB信号Bout、B6に対応するB信号Bout、G6に対応するG信号Gout及びW7に対応するW信号Woutは、夫々、51、51、109及び115となる。尚、欠陥画素であるW6に対応するW信号Woutは、例えばゼロとされる。
【0100】
仮に、W6に欠陥があることを考慮せず、R5、B5、G5、R6、B6、G6についてのWGAINを、全て基準変換率である100%としていたならば、上述してきた数値例や図11を参照して理解されるように、ドットD5及びD6におけるRGBW変換後のRGB信号は(Rout、Gout、Bout)=(105、85、0)となる。この場合、白表示時にW画素W6の欠陥(滅点)は、黒点となって非常に目立ってしまう。
【0101】
しかしながら、上記のように、欠陥画素であるW画素の周辺画素のWGAINを基準変換率より低くすれば、結果的に、その周辺画素の輝度が比較的大きくなり、W画素の欠陥が目立ちにくくなる(特に白表示時に黒点として目立つことが抑制される)。
【0102】
また、欠陥画素がW画素W6である場合、そのW画素W6に隣接する4つの単位画素(即ち、G5、R6、B2及びB9)のうち、少なくとも1つの単位画素についてのWGAINを基準変換率より低く設定するだけでも、欠陥は目立ちにくくなる。例えば、G5についてのWGAINを25%とし、他の全ての単位画素のWGAINを基準変換率としてもよい。
【0103】
尚、比較器13及び14並びに選択器16は、W画素の使用率、即ち、RGB入力信号のW信号への変換率WGAINを単位画素ごとに制御(設定)する変換率制御手段(使用率制御手段)として機能する。乗算器22も、この変換率制御手段に含まれていると考えても構わない。
【0104】
次に、第2の設定例を説明する。今、W画素W6に欠陥があったとする(滅点であったとする)。この場合、図12に示す如く、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるW画素W6の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、B5、G5、R6、B6、B2、B9についてのW画素の使用率WGAINを夫々25%、0%、0%、25%、25%、25%とする。即ち、欠陥画素からの距離が小さくなるにつれ、W画素の使用率WGAINを低くする。R5等を含む他の全ての単位画素についてのW画素の使用率WGAINは、基準変換率である100%に設定される。尚、第2の設定例において、基準変換率を100%未満(例えば、90%)としても構わない。
【0105】
このようにしても、欠陥画素の周辺画素(B5、G5、R6、B6、B2及びB9)の輝度が比較的大きくなり、W画素の欠陥が目立ちにくくなる(特に白表示時に黒点として目立つことが抑制される)。
【0106】
図13は、第2の設定例を採用した場合における比較器13及び14並びに選択器16への入力信号を具体的に表したものであり、RGB−RGBW変換回路1及びその周辺回路の一部を抜粋したものである。図13において、図6と同一の部分には同一の符号を付してある。
【0107】
比較器13には、欠陥画素であるW画素W6の水平位置(ADH_W6)と、欠陥画素の水平位置から左方向及び右方向に1単位画素分だけずれた水平位置(ADH_W6±1)と、欠陥画素の水平位置から左方向及び右方向に2単位画素分だけずれた水平位置(ADH_W6±2)とが、欠陥位置指定部15から与えられている。比較器13は、欠陥位置指定部15から与えられた上記の5つの水平位置と、水平用カウンタ11から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の水平位置との一致/不一致を評価し、その一致/不一致を表す信号を選択器16に供給する。
【0108】
比較器14には、欠陥画素であるW画素W6の垂直位置(ADV_W6)と、欠陥画素の垂直位置から上方向及び下方向に1単位画素分だけずれた垂直位置(ADV_W6±1)とが、欠陥位置指定部15から与えられている。比較器14は、欠陥位置指定部15から与えられた上記の3つの垂直位置と、垂直用カウンタ12から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の垂直位置との一致/不一致を評価し、その一致/不一致を表す信号を選択器16に供給する。
【0109】
選択器16には、0%及び25%並びに基準変換率である100%が被選択値として与えられており、比較器13と比較器14の出力に応じて、上述した図12に示すWGAINを各単位画素に設定する。具体的には、例えば、欠陥画素の垂直位置から下方向に1単位画素分だけずれた垂直位置(ADV_W6+1)と、垂直用カウンタ12から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の垂直位置とが一致しており、且つ、欠陥画素の水平位置(ADH_W6)と、水平用カウンタ11から与えられたRGB入力信号Rin、Gin、Binに対応する画面上の水平位置とが一致していることを示す信号が比較器13及び14から与えられている時、3つの被選択値からB画素B9に対応する25%を選択し、その値をWGAINとして出力する。
【0110】
また、減算器24GとD/A変換器2との間に加算器(不図示)を挿入し、欠陥画素に隣接するG画素G5に対応して出力される減算器24Gからの出力に一定のオフセット値を加算したものが、G画素G5に対応する最終的なG信号Goutとなるようにしてもよい。これによって、G画素G5の輝度が更に増す方向に向かい、W画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、欠陥画素に隣接するG画素G5に対応して出力される減算器24Gからの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、G画素G5に対応する最終的なG信号Goutとなるようにしてもよい。
【0111】
同様に、減算器24RとD/A変換器2との間との間に、一定のオフセット値を加算するための加算器を挿入し、欠陥画素に隣接するR画素R6に対応して出力される減算器24Rからの出力に一定のオフセット値を加算したものが、R画素R6に対応する最終的なR信号Routとなるようにしてもよい。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、R画素R6に対応して出力される減算器24Rからの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、R画素R6に対応する最終的なR信号Routとなるようにしてもよい。
【0112】
同様に、減算器24BとD/A変換器2との間との間に、一定のオフセット値を加算するための加算器を挿入し、欠陥画素に隣接するB画素B2(B9、B5、B6)に対応して出力される減算器24Bからの出力に一定のオフセット値を加算したものが、B画素B2(B9、B5、B6)に対応する最終的なB信号Boutとなるようにしてもよい。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、B画素B2(B9、B5、B6)に対応して出力される減算器24Bからの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、B画素B2(B9、B5、B6)に対応する最終的なB信号Boutとなるようにしてもよい。
【0113】
次に、第3の設定例を説明する。今、W画素W6に欠陥があったとする(滅点であったとする)。この場合、図14に示す如く、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるW画素W6の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、ドットD5及びD6のRGB画素についてのW画素の使用率WGAINを全て40%とし、ドットD2及びD9のRGB画素についてのW画素の使用率WGAINを全て90%とし、ドットD1、D3、D4、D7、D8及びD10のRGB画素についてのW画素の使用率WGAINを全て95%とする。また、W画素W1、W2、W3、W4、W5、W7、W8、W9及びW10についてのWGAINを、夫々、100%、95%、95%、100%、95%、95%、100%、95%及び95%とする。他の全ての単位画素についてのWGAINは、基準変換率である100%に設定される。尚、第3の設定例において、基準変換率を100%未満(例えば、98%>95%)としても構わない。
【0114】
第3の設定例においては、欠陥画素からの距離が小さくなるにつれ、W画素の使用率WGAINが低くされると共に、比較的広範囲の周辺画素のWGAINが基準変換率より低く設定される。このように、広範囲の周辺画素を用いて欠陥を補い、欠陥画素に近づくに従って徐々にWGAINを低くするようにすれば、W画素の欠陥がより目立ちにくくなる(特に白表示時に黒点として目立つことが抑制される)。
【0115】
ところで、第3の設定例において、欠陥画素に隣接する単位画素を含んで構成されるドットは、ドットD2、D5、D6及びD9の4つとなっており、ドットD2、D5、D6及びD9に含まれるRGB画素(或いはRGBW画素)についてのWGAINは、全て基準変換率(100%)よりも低くなっている。
【0116】
しかしながら、図14に示す状況とは異なるが、ドットD2、D5、D6及びD9の内、1つ、2つ又は3つのドットにおけるRGB画素(或いはRGBW画素)のWGAINのみを、基準変換率よりも低くするようにしてもよい。
【0117】
また、減算器24R、24G及び24BとD/A変換器2との間に、夫々、加算器(不図示)を挿入し、ドットD2(D5、D6又はD9)に含まれるRGB画素に対応して出力される減算器24R、24G及び24Bからの出力に一定のオフセット値を加算したものが、ドットD2(D5、D6又はD9)に含まれるRGB画素に対応する最終的なRout、Gout、Boutとなるようにしてもよい。これによって、ドットD2(D5、D6又はD9)に含まれるRGB画素の輝度が更に増す方向に向かい、W画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、ドットD2(D5、D6又はD9)に含まれるRGB画素に対応して出力される減算器24R、24G及び24Bからの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、ドットD2(D5、D6又はD9)に含まれるRGB画素に対応する最終的なRout、Gout、Boutとなるようにしてもよい。
【0118】
次に、第4の設定例を説明する。今、W画素以外の単位画素、例えば、B画素B6に欠陥があったとする(滅点であったとする)。そして、基準変換率が90%に設定されているとする。この場合、図15に示す如く、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるB画素B6の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、欠陥画素の左右に隣接するR6及びG6についてのW画素の使用率WGAINを、基準変換率より低い80%とする。R6及びG6を除く他の全ての単位画素についてのW画素の使用率WGAINは、基準変換率である90%に設定される。尚、第4の設定例において、基準変換率を100%としても構わない。これにより、欠陥画素に隣接するR6及びG6の輝度が比較的大きくなって、B6の欠陥が補われ、B6の欠陥が目立ちにくくなる。
【0119】
このように、W画素以外の単位画素(第4の設定例においてはB画素)が欠陥画素となっている場合、その欠陥画素に隣接するW画素以外の単位画素についてのWGAINを、表示パネル全体について定められる基準変換率よりも低くする。この際、欠陥画素の隣接する1つの単位画素(第4の設定例において、例えばR画素R6)についてのWGAINのみを、基準変換率よりも低くするようにしてもかまわない。
【0120】
また、減算器24R(24G)とD/A変換器2との間に加算器(不図示)を挿入し、欠陥画素に隣接するR6(G6)に対応して出力される減算器24R(24G)からの出
力に一定のオフセット値を加算したものが、R6(G6)に対応する最終的なR信号Rout(G信号Rout)となるようにしてもよい。これによって、R6(G6)の輝度が更に増す方向に向かい、B画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、欠陥画素に隣接するR6(G6)に対応して出力される減算器24R(24G)からの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、R6(G6)に対応する最終的なR信号Rout(G信号Rout)となるようにしてもよい。
【0121】
第4の設定例においては、青に対応するB6の欠陥を赤と緑の輝度の増加によって補おうとしている。ところが、青の色度と、赤及び緑の色度は、大きく相違しているため、その部分に不自然な色が生じているかのように見えることもある。
【0122】
これを解決する例として、第5の設定例を説明する。今、W画素以外の単位画素、例えば、B画素B6に欠陥があったとする(滅点であったとする)。そして、基準変換率が90%に設定されているとする。この場合、図16に示す如く、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるB画素B6の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、欠陥画素の上下に隣接するW画素W3及びW10についてのW画素の使用率WGAINを、基準変換率より高い100%とする。W3及びW10を除く他の全ての単位画素についてのW画素の使用率WGAINは、基準変換率である90%に設定される。これにより、欠陥画素に隣接するW3及びW10の輝度が比較的大きくなって、B6の欠陥が補われ、B6の欠陥が目立ちにくくなる。
【0123】
また、W画素の色度は、青と赤と緑の色度の中間に近いため、第4の設定例のように赤と緑の輝度の増加によって青に対応するB6の欠陥を補うよりも、視覚上の不自然さは減少する。
【0124】
このように、W画素以外の単位画素(第5の設定例においてはB画素)が欠陥画素となっている場合、その欠陥画素に隣接するW画素のWGAINを、表示パネル全体について定められる基準変換率よりも高くする。この際、欠陥画素の隣接する1つのW画素(第5の設定例において、例えばW画素W3)についてのWGAINのみを、基準変換率よりも高くするようにしても構わない。
【0125】
また、乗算器22とD/A変換器2との間に加算器(不図示)を挿入し、欠陥画素に隣接するW3(W10)に対応して出力される乗算器22からの出力に一定のオフセット値を加算したものが、W3(W10)に対応する最終的なW信号Woutとなるようにしてもよい。これによって、W3(W10)の輝度が更に増す方向に向かい、B画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、欠陥画素に隣接するW3(W10)に対応して出力される乗算器22からの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、W3(W10)に対応する最終的なW信号Woutとなるようにしてもよい。
【0126】
<<第2実施形態>>
次に、本発明の第2実施形態につき、図面を参照して詳細に説明する。図17は、本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の構成を示している。図17において、図1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。第2実施形態に係る有機EL表示装置は、図17に示す如く、RGB−RGBW変換回路1、D/A変換回路2及び有機EL表示パネル3a(以下、単に「表示パネル3a」という)を有して構成されている。第2実施形態に係る有機EL表示装置は、第1実施形態における表示パネル3を表示パネル3aに置換した構成となっており、その他の点では第1実施形態に係る有機EL表示装置と一致している(同様である)。本実施形態に係る有機EL表示装置も、他に欠陥位置指定部15等を備えているが、それらの図示は図17においては省略している。
【0127】
表示パネル3aも、図1の表示パネル3と同様、D/A変換回路2によって得られたアナログのRGBW信号に基づいてカラー映像を表示するRGBW方式の表示パネルであり、カラーの映像表示を行うため、複数のドットを縦横に配列して構成されている。表示パネル3aに備えられる各ドットは、図1の表示パネル3に備えられる各ドットと同じものであるが、表示パネル3aにおけるドットの配列は所謂ストライプ配列となっている。
【0128】
ストライプ配列となっている表示パネル3aの内部構成を説明する。図18は、図17の表示パネル3aのドットの配列及びドット内の単位画素の配列を示した図である。図18中、左側から右方向に向かって水平にドットD11及びD12がこの順番で連なって並んでおり、左側から右方向に向かって水平にドットD13及びD14がこの順番で連なって並んでおり、左側から右方向に向かって水平にドットD15及びD16がこの順番で並んでいる。ドットD13及びD14が並ぶ水平ラインを基準として、ドットD11及びD12は1単位画素分、上方に配置されており、ドットD15及びD16は1単位画素分、下方に配置されている。図18は、表示パネル3aの一部を示したものであり、ドットD11〜D16の上下方向(表示パネル3aの垂直方向)及び左右方向(表示パネル3aの水平方向)には、図示されない他のドットが、ドットD11〜D16の配置関係と同様の配置関係にて、多数配列されている。
【0129】
ドットD11は、W画素W11、R画素R11、B画素B11及びG画素G11の4つの単位画素から構成されており、それらの単位画素は、W画素W11、R画素R11、B画素B11及びG画素G11の順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。他のドットD12〜D16についても同様である。即ち、mを12〜16の何れかの整数として、ドットDmは、W画素Wm、R画素Rm、B画素Bm及びG画素Gmの4つの単位画素から構成されており、各ドットDmにおいて、単位画素は、W画素Wm、R画素Rm、B画素Bm及びG画素Gmの順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。
【0130】
尚、以下の説明において、W画素W11、R画素R11、B画素B11及びG画素G11を、夫々、単にW11、R11、B11及びG11と記すことがある。同様に、W画素Wm、R画素Rm、B画素Bm及びG画素Gmを、夫々、単にWm、Rm、Bm及びGmと記すことがある(mは12〜16の整数)。
【0131】
上記の関係から特定されるように、W11、R11、B11、G11、W12、R12、B12及びG12は、この順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。同様に、W13、R13、B13、G13、W14、R14、B14及びG14は、この順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。同様に、W15、R15、B15、G15、W16、R16、B16及びG16は、この順番で左から右へ互いに隣接しながら並んでいる。
【0132】
また、図18に示す如く、ドットD11とドットD13とドットD15の左右方向の位置、及びドットD12とドットD14とドットD16の左右方向の位置は、それぞれ互いに一致している。このため、例えば、W14の上方に隣接してW14が配置され、W14の下方に隣接してW16が配置されている。
【0133】
ドットD11に対するRGB入力信号Rin、Gin、Binは、RGB−RGBW変換回路1によって、ドットD11に対するRGBW信号に変換される。同様に、ドットDm(mは12〜16の整数)に対するRGB入力信号Rin、Gin、Binは、RGB−RGBW変換回路1によって、ドットDmに対するRGBW信号に変換される。
【0134】
[W画素の使用率の調整例]
次に、欠陥画素の存在に応じたW画素の使用率WGAINの設定法について、具体例を挙げて説明する。尚、以下の説明において、特に断りのない単位画素は正常な単位画素であるとする。また、説明の簡略化上、ドットD11〜D16に対するRGB入力信号の値は、全て(Rin、Gin、Bin)=(220、180、100)であり、且つ、αR:αG:αB=1.00:1.20:1.15、が成立するものとする。
【0135】
まず、第2実施形態に係るWGAINの設定法の1つ目の例として、第6の設定例を説明する。今、W画素W14に欠陥があったとする(滅点であったとする)。そして、基準変換率が90%とされているとする。この場合、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるW画素W14の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、欠陥画素の上下に隣接するW12及びW16についてのW画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINを、図19に示す如く、100%とする。W14及びW16以外の他の全ての単位画素についてのWGAINは、基準変換率である90%に設定される。これにより、欠陥画素に上下に隣接するW12及びW16の輝度が比較的大きくなって、W14の欠陥が補われ、W14の欠陥が目立ちにくくなる。
【0136】
また、図19に示す状況とは異なるが、欠陥画素の隣接する1つのW画素(第6の設定例において、例えばW12)についてのWGAINのみを、基準変換率よりも高くするようにしても構わない。
【0137】
また、乗算器22とD/A変換器2との間に加算器(不図示)を挿入し、欠陥画素に隣接するW12(W16)に対応して出力される乗算器22からの出力に一定のオフセット値を加算したものが、W12(W16)に対応する最終的なW信号Woutとなるようにしてもよい。これによって、W12(W16)の輝度が更に増す方向に向かい、W画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、欠陥画素に隣接するW12(W16)に対応して出力される乗算器22からの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、W12(W16)に対応する最終的なW信号Woutとなるようにしてもよい。
【0138】
次に、第7の設定例を説明する。今、W画素W14に欠陥があったとする(滅点であったとする)。そして、基準変換率が90%とされているとする(100%でも構わない)。この場合、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるW画素W14の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、欠陥画素の左右に隣接するG13及びR14についてのW画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINを、図20に示す如く、80%とする。G13及びR14以外の他の全ての単位画素についてのWGAINは、基準変換率である90%に設定される。これにより、欠陥画素に左右に隣接するG13及びR14の輝度が比較的大きくなって、W14の欠陥が補われ、W14の欠陥が目立ちにくくなる。
【0139】
このように、W画素が欠陥画素となっている場合、その欠陥画素に隣接するW画素以外の単位画素(第7の設定例においては、G画素及びR画素)についてのWGAINを、表示パネル全体について定められる基準変換率よりも低くする。この際、欠陥画素の隣接する1つの単位画素(第7の設定例において、例えばG画素G13)についてのWGAINのみを、基準変換率よりも低くするようにしても構わない。
【0140】
また、減算器24R(24G)とD/A変換器2との間に加算器(不図示)を挿入し、欠陥画素に隣接するR14(G13)に対応して出力される減算器24R(24G)からの出力に一定のオフセット値を加算したものが、R14(G13)に対応する最終的なR信号Rout(G信号Gout)となるようにしてもよい。これによって、R14(G13)の輝度が更に増す方向に向かい、W画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、欠陥画素に隣接するR14(G13)に対応して出力される減算器24R(24G)からの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、R14(G13)に対応する最終的なR信号Rout(G信号Gout)となるようにしてもよい。
【0141】
次に、第8の設定例を説明する。今、W画素W14に欠陥があったとする(滅点であったとする)。そして、基準変換率が最大の100%とされているとする。この場合、RGB−RGBW変換回路1は、欠陥画素であるW画素W14の位置を特定する欠陥情報に基づきつつ、G11、R12、B13、G13、R14、B14、G15及びR16についてのW画素の使用率(RGB入力信号のW信号への変換率)WGAINを、図21に示す如く、それぞれ、90%、90%、50%、20%、20%、50%、90%及び90%とする。W12やW16等を含む他の全ての単位画素についてのWGAINは、基準変換率である100%に設定される。
【0142】
このように、水平方向において、欠陥画素からの距離が小さくなるにつれWGAINが低く設定される。更に、斜め方向においても、欠陥画素からの距離が小さくなるにつれWGAINが低く設定される。このため、例えば白表示時に、水平方向及び斜め方向において欠陥画素からの距離が小さくなるにつれ徐々に輝度が増加するようになる。W14の周囲画素の輝度を増加させることでW14の欠陥が補われることになるが、多方向から徐々に輝度が増加するようになっているため、W14の欠陥がより目立ちにくくなる。尚、この第8の設定例は、基準変換率が最大の100%となっている場合に特に有効である。
【0143】
また、減算器24R(24G)とD/A変換器2との間に加算器(不図示)を挿入し、R14(G13、R12、G11、R16及び/又はG15)に対応して出力される減算器24R(24G)からの出力に一定のオフセット値を加算したものが、R14(G13、R12、G11、R16及び/又はG15)に対応する最終的なR信号Rout(G信号Gout)となるようにしてもよい。これによって、R14(G13、R12、G11、R16及び/又はG15)の輝度が更に増す方向に向かい、W画素の欠陥がより目立ちにくくなる。この加算器を乗算器(不図示)に置換し、欠陥画素に隣接するR14(G13、R12、G11、R16及び/又はG15)に対応して出力される減算器24R(24G)からの出力に1より大きな一定の値(例えば、1.1)を乗じたものが、R14(G13、R12、G11、R16及び/又はG15)に対応する最終的なR信号Rout(G信号Gout)となるようにしてもよい。
【0144】
尚、例えば、第1〜第8の設定例において、欠陥画素のWGAINは固定値(例えば、ゼロ又は基準変換率)とされる。
【0145】
[パネル調整処理]
次に、第1及び第2実施形態に係る有機EL表示装置の製造時に行われるパネル調整処理を説明する。このパネル調整処理を行うことによって、W信号に変換されるRGB入力信号の比率「αR:αG:αB」を特定する値(即ち、αR、αG及びαBの値)が求められる。求められた値(αR、αG及びαBの値)は、例えばRGB−RGBW変換回路1に内蔵された図示されないメモリに格納され、上述してきたRGBW信号Rout、Gout、Bout及びWoutを算出するために用いられる。
【0146】
図22は、このパネル調整処理の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、目標白Wt(255)の「輝度LWt及び色度座標(xWt ,yWt )」を設定する。目標白Wtは、RGB入力信号の値が全て同じ値である(即ち、Rin=Gin=Bin)の場合において、表示されるべき目標の白を意味し、目標白Wt(255)は、RGB入力信号の値が全て255(即ち、Rin=Gin=Bin=255)の場合において、表示されるべき目標の白を意味する。
【0147】
また、色度座標とはxy色度図における座標成分を意味する。例えば、輝度LWtを200cd/m2(カンデラ/平方メートル)とし、(xWt ,yWt )=(0.32,0.33)とする。
【0148】
次に、表示パネル3又は3aに備えられたR画素、G画素、B画素及びW画素の色度を測定する(ステップS2)。例えば、R画素の色度を測定する場合には、R画素のみを発光させて、その色度を光学測定器(不図示)によって測定する。測定されたR画素、G画素、B画素及びW画素の色度座標を、それぞれ(xR ,yR )、(xG ,yG )、(xB ,yB )及び(xW ,yW )とする。
【0149】
図23は、R画素、G画素、B画素及びW画素の色度座標と、目標白Wtの色度座標との関係の一例を示す図である。図23に示す如く、通常、W画素の発光によって得られる色度は、目標白の色度とは一致していない。但し、W画素の発光によって得られる色度の色度座標(xW ,yW )は、色度座標上において、R画素の色度座標(xR ,yR )、G画素の色度座標(xG ,yG )及びB画素の色度座標(xB ,yB )によって形成される三角形の内部に存在するものとする。また、その三角形の内部に目標白Wtの色度は存在するものとする。(xR ,yR )、(xG ,yG )、(xB ,yB )及び(xW ,yW )は、例えば、夫々(0.63,0.36)、(0.31,0.61)、(0.14,0.16)及び(0.29,0.33)となる。
【0150】
次に、RGBによるホワイトバランス(WB)調整時のRGB輝度値を算出する(ステップS3)。つまり、R画素、G画素及びB画素の3色の画素の発光のみによって、目標白Wt(255)の「輝度LWt及び色度座標(xWt ,yWt )」を実現する場合における、R画素の輝度値(これをLR1とする)、G画素の輝度値(これをLG1とする)及びB画素の輝度値(これをLB1とする)を算出する。これらの輝度値LR1、LG1及びLB1は、下記の行列式(16)から算出される。
【0151】
【数1】

【0152】
但し、zR =1−xR −yR 、zG =1−xG −yG 、zB =1−xB −yB 、zWt=1−xWt−yWtである。
【0153】
次に、RGBWによるホワイトバランス(WB)調整時のRGBW輝度値を算出する(ステップS4)。つまり、R画素、G画素、B画素及びW画素の4色の画素の発光によって、目標白Wt(255)の「輝度LWt及び色度座標(xWt ,yWt )」を実現する場合における、R画素の輝度値(これをLR2とする)、G画素の輝度値(これをLG2とする)、B画素の輝度値(これをLB2とする)及びW画素の輝度値(これをLW2とする)を算出する。
【0154】
目標白Wtの色度座標は、「R画素の色度座標、B画素の色度座標及びW画素の色度座標によって形成される三角形の内部(若しくは辺上)」、「G画素の色度座標、R画素の色度座標及びW画素の色度座標によって形成される三角形の内部(若しくは辺上)」、又は「B画素の色度座標、G画素の色度座標及びW画素の色度座標によって形成される三角形の内部(又は辺上)」に存在しているため、目標白Wtの色度は、W画素を含む3色の画素の発光によって表現可能である。
【0155】
例えば、図23に示すように、目標白Wtの色度座標が「R画素の色度座標、B画素の色度座標及びW画素の色度座標によって形成される三角形の内部」に存在する場合は、目標白Wtの色度は、R画素、B画素及びW画素の3色の画素の発光によって表現することができる。この場合、輝度度LR2、LB2及びLW2は、下記の行列式(17)から算出されると共に、輝度度LG2は0となる。
【0156】
【数2】

【0157】
但し、zR =1−xR −yR 、zW =1−xW −yW 、zB =1−xB −yB 、zWt=1−xWt−yWtである。
【0158】
そして、ステップS3及びステップS4にて算出された輝度値LR1等に基づき、下記式(18)、(19)及び(20)に従って、W信号に変換されるRGB入力信号の比率を特定するαR、αG及びαBが算出される(ステップS5)。
【0159】
αR=1/(1−LR2/LR1) ・・・(18)
αG=1/(1−LG2/LG1) ・・・(19)
αB=1/(1−LB2/LB1) ・・・(20)
【0160】
また、D/A変換回路2には「Rに対するリファレンス電圧」、「Gに対するリファレンス電圧」及び「Bに対するリファレンス電圧」(以下、総称して「RGBに対するリファレンス電圧」という)、並びに「Wに対するリファレンス電圧」が与えられていて、D/A変換回路2は、RGBに対するリファレンス電圧及びWに対するリファレンス電圧を基準として、アナログ電圧のRGBW信号を表示パネル3又は3aに備えられた各単位画素に供給する。各単位画素の輝度は、供給されたアナログ電圧に応じて増減する。
【0161】
ステップS6においては、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(255、255、255、0)のRGBW信号が供給されたときに、表示パネル3又は3aの発光輝度および発光色の色度座標が、夫々、目標白Wt (255)の「輝度LWt及び色度座標(xWt ,yWt )」となるように、RGBに対するリファレンス電圧(リファレンス輝度)が調整される。また、リファレンス電圧の調整は画素の種類ごとに行われる。即ち、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(255、0、0、0)のRGBW信号がD/A変換回路2に供給された時におけるR画素の輝度の値がステップS3で算出された輝度値LR1になるように「Rに対するリファレンス電圧」が調整され、且つ、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(0、255、0、0)のRGBW信号がD/A変換回路2に供給された時におけるG画素の輝度の値がステップS3で算出された輝度値LG1になるように「Gに対するリファレンス電圧」が調整され、且つ、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(0、0、255、0)のRGBW信号がD/A変換回路2に供給された時におけるB画素の輝度の値がステップS3で算出された輝度値LB1になるように「Bに対するリファレンス電圧」が調整される。このようにRGBに対するリファレンス電圧が調整されると、RGB入力信号の値が全て同じ値(即ち、Rin=Gin=Bin)である場合における表示パネル3又は3aの発光色の色度は、常に目標白Wtの色度となる。
【0162】
また、Wに対するリファレンス電圧(リファレンス輝度)は、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(0、0、0、255)のRGBW信号をD/A変換回路2に供給することによってW画素のみを発光させたときに、その輝度がステップS4で算出されたLW2となるように調整される(ステップS6)。尚、上記パネル調整処理を行うためにD/A変換回路2に供給する必要のあるRGBW信号(例えば、(Rout、Gout、Bout、Wout)=(0、0、0、255))は、テスト回路によって生成される(図1、図6及び図17等において不図示)。該テスト回路は、任意のRGBW信号を生成可能であって、例えば、RGB−RGBW変換回路1とD/A変換回路2の間に挿入される。
【0163】
<<変形等>>
尚、実施形態として有機EL表示装置を説明したが、本発明は、表示パネルとして無機EL表示パネルを備えた無機EL表示装置、表示パネルとして液晶パネルを備えた液晶表示装置、プラズマディスプレイ等、様々な表示装置に適用することが可能である。
【0164】
また、RGB画素の他に別途設ける必要のある単位画素はW画素に限定されない。XをRGB(赤、青、緑)以外の任意の色とし、上記の実施形態の説明文における「W」を全て「X」に置換しても構わない。つまり、本発明は、RGBX方式の表示パネルを備えた様々な表示装置に適用可能である。
【0165】
また、上述の実施形態において具体的に示した数値は、単なる例示であって、本発明は、そのような数値に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は、液晶表示装置やプラズマディスプレイ装置等、様々な表示装置に好適である。本発明は、特に、有機EL表示パネル、無機EL表示パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の自発光型表示パネルを備えた表示装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置の全体的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の表示パネル(有機EL表示パネル)に配列される1つのドットの構成を示した図である。
【図3】図1のRGB−RGBW変換回路によるRGB入力信号のRGBW信号への変換原理を説明するための図である。
【図4】上記変換原理を説明するための図である。
【図5】上記変換原理を説明するための図である。
【図6】図1のRGB−RGBW変換回路の内部構成とその周辺の構成を表す図である。
【図7】図1の表示パネル(有機EL表示パネル)におけるドットの配列及びドット内の単位画素の配列を示した図である。
【図8】第1実施形態において適用される、欠陥画素の存在に応じたW画素の使用率の設定例(第1の設定例)を説明するための図である。
【図9】図6の比較器及び選択器への入力信号の具体例を表した図である(第1の設定例に対応)。
【図10】上記設定例(第1の設定例)を説明するための図である。
【図11】上記設定例(第1の設定例)を説明するための図である。
【図12】上記設定例の他の例(第2の設定例)を説明するための図である。
【図13】図6の比較器及び選択器への入力信号の具体例を表した図である(第2の設定例に対応)。
【図14】上記設定例の他の例(第3の設定例)を説明するための図である。
【図15】上記設定例の他の例(第4の設定例)を説明するための図である。
【図16】上記設定例の他の例(第5の設定例)を説明するための図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置の全体的構成を示すブロック図である。
【図18】図17の表示パネル(有機EL表示パネル)におけるドットの配列及びドット内の単位画素の配列を示した図である。
【図19】第2実施形態において適用される上記設定例(第6の設定例)を説明するための図である。
【図20】第2実施形態において適用される上記設定例(第7の設定例)を説明するための図である。
【図21】第2実施形態において適用される上記設定例(第8の設定例)を説明するための図である。
【図22】第1及び第2実施形態に係る有機EL表示装置に適用されるパネル調整処理の手順を説明するための図である。
【図23】図7又は図18におけるRGBW画素の色度と、目標とされる白の色度との関係を表す図である。
【図24】従来のRGBW方式の表示パネル(有機EL表示パネル)を構成する単位画素の配列を示した図である。
【図25】図24の表示パネルにおいて白表示を行った場合の様子を示す図である。
【図26】図24の表示パネルにおいて白表示を行った場合の様子を示す図であって、白表示用の単位画素に欠陥があった場合を示す図である。
【図27】本発明によって実現可能な効果を説明するための図である。
【符号の説明】
【0168】
1 RGB−RGBW変換回路
2 D/A変換回路
3、3a 有機EL表示パネル
11 水平用カウンタ
12 垂直用カウンタ
13、14 比較器
15 欠陥位置指定部
16 選択器
D1〜D16 ドット
1〜W16 W画素
1〜R16 R画素
1〜G16 G画素
1〜B16 B画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
XをRGB以外の所定の色とし、与えられたRGB信号をRGBX信号に変換するRGB−RGBX変換回路と、
R画素、G画素、B画素及びX画素の4つの単位画素にて構成されたドットを複数有して構成され、前記RGB−RGBX変換回路によって得られたRGBX信号に基づいて映像を表示する表示パネルと、を備えた表示装置において、
欠陥のある単位画素を欠陥画素とした場合、前記表示パネル上の該欠陥画素の位置を指定する欠陥位置指定手段を更に備え、
前記RGB−RGBX変換回路は、前記欠陥位置指定手段によって指定された前記位置に応じて、RGB信号をRGBX信号に変換する際におけるRGB信号のX信号への変換率を制御する変換率制御手段を有し、
前記変換率制御手段は、前記欠陥画素に隣接する少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を、前記表示パネル全体について定められた基準変換率と異ならせる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記RGB−RGBX変換回路に与えられるRGB信号は、R画素の輝度を表すR信号、G画素の輝度を表すG信号、及びB画素の輝度を表すB信号から構成され、
前記RGB−RGBX変換回路に与えられるRGB信号をRGBX信号に変換することによって得ることができるX信号の最大値を最大変換X信号値とし、且つ、該最大変換X信号値に変換されるべきR信号の成分、G信号の成分及びB信号の成分を、夫々、最大変換R信号、最大変換G信号及び最大変換B信号としたとき、
前記変換率制御手段は、実際にX信号に変換されるR信号の成分の最大変換R信号に対する割合、実際にX信号に変換されるG信号の成分の最大変換G信号に対する割合、及び実際にX信号に変換されるB信号の成分の最大変換B信号に対する割合を、制御されるべき前記変換率とする
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
X画素の発光によって得られる色度の色度座標は、色度座標上において、R画素の色度座標、G画素の色度座標及びB画素の色度座標によって形成される三角形の内部に存在する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記基準変換率とは、前記表示パネルを構成する全ての単位画素に欠陥がなかった場合に、各単位画素に対して設定される変換率である
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記欠陥画素がX画素である場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記欠陥画素がX画素である場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接する単位画素の内の少なくとも1つの単位画素を含んで構成されるドットのR画素、G画素及びB画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記欠陥画素がR画素、G画素又はB画素である場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記欠陥画素がR画素、G画素又はB画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上のX画素が隣接している場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接する少なくとも1つのX画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも高くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記欠陥画素がX画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上の他のX画素が隣接している場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接する少なくとも1つのX画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも高くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項10】
前記欠陥画素がX画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上の他のX画素が隣接している場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項11】
前記欠陥画素がX画素であって、且つ、その欠陥画素に1以上の他のX画素が隣接し、且つ、その欠陥画素に隣接する前記他のX画素についての前記変換率が最大となっている場合、
前記変換率制御手段は、その欠陥画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低し、且つ、前記他のX画素に隣接するX画素以外の単位画素の内、少なくとも1つの単位画素についての前記変換率を前記基準変換率よりも低くする
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2006−330237(P2006−330237A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152058(P2005−152058)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】