説明

表示装置

【課題】既存のドライバを利用するでコストアップを抑えることが可能で、しかも動画の表示に適した表示装置及びその駆動方法の提供。
【解決手段】複数の走査信号線と複数の映像信号線により構成した表示領域と、この表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、を有する表示装置で、映像信号ドライバに接続され、2個ずつ連続した同じ画像データを外部から取り込むタイミングコントローラと、タイミングコントローラが取り込んだ画像データを書込むフレームメモリを有し、タイミングコントローラは、2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データをフレームメモリに書込み、フレームメモリに画像データを書込む際のフレーム周波数と、フレームメモリから画像データを変換した画像情報を読み出す際のフレーム周波数が異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやLCOS(Liquid Crystal On Silicon)ディスプレイのようなホールド型の表示装置及びその駆動方法に係り、特に動画の表示に適した表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置を特に動画表示の観点で分類した場合、インパルス型表示装置とホールド型表示装置に大別される。インパルス型表示装置とは、ブラウン管のように、画素は走査された期間だけ輝き、画素の輝度は走査直後から低下するタイプであり、ホールド型表示装置とは、液晶表示装置のように、表示データに基づく輝度を次の走査まで保持し続けるタイプである。
【0003】
ホールド型表示装置の特徴としては、静止画の場合はちらつきのない良好な表示品質を得ることができるが、動画の場合には移動する物体の周囲がぼやけて見える、所謂動画ぼやけが発生し、表示品質が低下してしまう。この動画ぼやけの発生要因は、物体の移動に伴い視線を移動する際、輝度のホールドされた表示画像に対して移動前後の表示イメージを観測者が補間する、所謂網膜残像に起因するため、表示装置の応答速度をどれだけ向上させても動画ぼやけは完全に解消しない。
【0004】
ホールド型表示装置の動画ぼやけを解決する技術として、例えば特許文献1に開示されているように、連続する表示データの間にブランキングデータ(黒表示データ)を挿入する技術(以下、黒表示データ挿入方式と略す)、つまり、1フレーム期間に表示データとブランキングデータを表示する技術がある。
【0005】
また、黒表示データを挿入する技術としては、例えば特許文献2に記載のように、ホールド型の表示装置において、画素に所望の画素値を書込む際、実効的な書込をフレーム期間中の一部期間に集中して行い、その際、前記の一部期間における書込で視覚上所望の画素値が実現されるよう、一部期間における書込値を所望の画素値よりも高く設定し、一部期間以外では画素値の書込値を相対的に低くなるため、結果的にインパルス型表示装置に似た動画像の視認性を得る方法が知られている。当該技術では、フレーム期間をm分割して各期間を第1期間〜第m期間と表記するとき(mは2以上の整数)、画素に書込むべき所望の画素値をm倍にして第1期間に書込み、第2期間以降では0を書込む手段を備える。更にまた同表示装置では、m倍した画素値が表示装置の表示可能なレンジを超えたとき、第1期間ではレンジの上限値を画素に書込み、書込み切れなかった超過分を第2期間の到来を待って画素に書込み、以下、第i(但し、iは2以上m−1以下)期間で書込みきれなかった超過分を順次第i+1期間の到来を待って書込むことで、動画像の視認性を改善することができる。以下、本願明細書においては、この駆動方式をフレーム分割駆動と定義する。
【0006】
また、液晶表示装置においては、液晶素子の応答速度が遅いことに起因する動画ぼやけも発生する。このような液晶の応答速度の問題を解決するために、1フレーム前の入力画像信号と現フレームの入力画像信号の差分に応じて、現フレームの入力画像信号の階調が1フレーム前の入力画像信号の階調よりも高くなる(明るくなる)場合に、現フレームの入力画像信号に対する階調電圧より高い駆動電圧を液晶表示パネルに供給し、現フレームの入力画像信号の階調が1フレーム前の入力画像信号の階調よりも低くなる(暗くなる)場合に、現フレームの入力画像信号に対する階調電圧より低い駆動電圧を液晶表示パネルに供給する駆動方法が知られている(特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】特開2003-280599号公報
【特許文献2】特開2004-240317号公報
【特許文献3】特開平4-365094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に画像のちらつきが目立たなくなる表示画面のフレーム周波数としては60Hz程度のものが使用されている。この周波数以上では人間の目における残像現象の影響でちらつきを抑えることができるが個人差があり70Hz以上でないとちらつくという場合もある。フレーム周波数が60Hzとは1秒間に60フレームの画像を描画することになる。このため、動画コンテンツをこの速度に合わせると60枚の画像データを作成する必要がある。これに対し、動きが遅い特定の画像では1秒間に30フレームの画像でも十分対応できることがある。
【0009】
一方、液晶パネルについては動画表示をするために液晶の応答速度が重要になる。この応答速度が遅いと動画ぼやけとして見える。この応答速度を改善する方法として液晶の材料自体を高速にする方法と表示方法を改良する方法がある。表示方法を改良する方法の一つとして前述した特許文献3のようなオーバードライブ駆動が採られている。前述した1秒間に30フレームの画像のような動きの遅い画像であっても、画像の切り換わりのタイミングにおいてはちらつきが発生するため何らかの対策が必要であるが、このようなオーバードライブ駆動を用いてちらつきの対策を行おうとしても、オーバードライブ駆動はフレーム間の差分から補正量をとるため、1秒間のフレーム数が少ないとあまり効果が期待できないという問題がある。
【0010】
また、入力表示データのフレーム周波数に対しフレーム周波数をm倍化する所謂倍速駆動があるが、倍速駆動を行うためにはドライバ(例えば液晶ドライバ)などがその周波数に対応するものでなければならない。そのため、倍速化駆動に対応可能な部品を新規に開発する必要がありコストアップにつながってしまう。
【0011】
一方、新規に開発する必要のない既存の汎用ドライバはフレーム周波数が100Hz程度ならば対応可能なことがわかった。
【0012】
本発明は、既存の液晶ドライバが100Hz程度まで駆動できることに着目し、既存のドライバを利用するでコストアップを抑えることが可能で、しかも動画の表示に適した表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、1秒間あたり30フレームの画像を擬似的に1秒間あたり90フレームの画像とし、1フレームを同じ画像3フレームとして、この3フレームに対して演算処理を施し、動画ボヤケを改善する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一つの実施態様によれば、複数の走査信号線と、この複数の走査信号線に交差して配置された複数の映像信号線により構成した表示領域と、この表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、を有する表示装置であって、映像信号ドライバに接続され、2個ずつ連続した同じ画像データを外部から取り込むタイミングコントローラと、タイミングコントローラが取り込んだ画像データを書込むフレームメモリを有し、このタイミングコントローラは、2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データをフレームメモリに書込むものであり、このフレームメモリに画像データを書込む際のフレーム周波数と、このフレームメモリから画像データを変換した画像情報を読み出す際のフレーム周波数が異なっている、というものである。
【0015】
本発明によれば、既存のドライバを利用するでコストアップを抑えることが可能で、しかも動画の表示に適した表示装置及びその駆動方法を提供することができる。
【0016】
さらには、このタイミングコントローラは、フレームメモリに画像データを書込むフレーム周波数よりも高いフレーム周波数で、フレームメモリから前記画像情報を読み出している、というものである。
【0017】
具体的には、フレームメモリから画像情報を読み出す際のフレーム周波数は100Hz以下であり、フレームメモリに画像データを書込む際のフレーム周波数が66Hz以下とすると良い。
【0018】
本発明によれば、既存のドライバを利用するでコストアップを抑えることが可能で、しかも動画の表示に適した表示装置及びその駆動方法を提供することができる。
【0019】
本発明の別の実施態様によれば、複数の走査信号線と、この複数の走査信号線に交差して配置された複数の映像信号線により構成した表示領域と、表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、を有する表示装置であって、映像信号ドライバに接続され、2個ずつ連続した同じ画像データを取り込むタイミングコントローラを有し、このタイミングコントローラが取り込んだ画像データを書込むフレームメモリを有し、このタイミングコントローラは、2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データをフレームメモリに書込むものであり、さらにこのタイミングコントローラは、2個ずつ連続した同じ画像データをフレーム周波数が66Hz以下で受け取り、映像信号ドライバは、表示領域にフレーム周波数が100Hz以下で画像データを変換した画像信号を出力する、というものである。
【0020】
具体的は、このタイミングコントローラは、フレームメモリに66Hz以下のフレーム周波数で画像データを書込み、フレームメモリから100Hz以下のフレーム周波数で画像データを変換した画像情報を読み出している。
【0021】
本発明のさらに別の実施態様によれば、複数の走査信号線と、この複数の走査信号線に交差して配置された複数の映像信号線により構成した表示領域と、表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、映像信号ドライバに接続されたタイミングコントローラと、タイミングコントローラによって画像データを書込んだり、画像データを変換した画像情報を読み出したりするフレームメモリを有し、タイミングコントローラは、タイミングコントローラが取り込んだ画像データのうち、ひとつおきの画像データをフレームメモリに第一のフレーム周波数で書込み、フレームメモリから第一のフレーム周波数よりも高い第二のフレーム周波数で画像情報を読み出す、というものである。
【0022】
具体的には、第二のフレーム周波数を100Hz以下、第一のフレーム周波数を66Hz以下とすると良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、映像信号ドライバが100Hz以下(例えば約90Hz)のフレーム周波数で画像データを変換した画像信号を処理することができるので、ちらつき削減効果があり、また演算処理により動画ボヤケ効果がある表示装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のシステム構成図を示す図面である。尚、本発明は表示装置に関するものであるが、ここでは表示装置の一例として液晶表示装置を例にして説明する。
【0025】
1は本発明の液晶表示装置の全体構成であり、この液晶表示装置1には、表示領域10及びこの表示領域10の周辺に配置された駆動ドライバが配置されている。表示領域10は、複数本の走査信号線11とこの複数の走査信号線11に絶縁膜を介して交差するようにして配置された複数本の映像信号線12が配置され、この走査信号線11及び映像信号線12に囲われた領域に対応して画素が構成されている。そして、各画素には走査信号線11と映像信号線12の交点に対応して配置されたスイッチング素子13が配置され、このスイッチング素子13に接続された画素電極14と、図示していない共通電極により液晶を制御するように構成されている。尚、液晶表示装置は、一対の基板間に液晶を挟持して構成されるものであり、この一対の基板の一方の基板にこの表示領域10が構成されることになる。共通電極は一対の基板のどちら側に配置されていても良い。
【0026】
そして、走査信号線11は走査信号ドライバ15に、映像信号線12は映像信号ドライバ16にそれぞれ接続されている。
【0027】
液晶表示装置1のTCON基板21に配置されたタイミングコントローラ22(以下、TCONという)は、液晶表示装置1の外部のグラフィックチップ20からフレーム周波数が30Hzの動きの遅いコンテンツ101を受け取る。23、24はTCON基板21に配置されたSDRAM(フレームメモリ)である。
【0028】
尚、本実施例ではグラフィックコントローラ20からTCON22へ送られる信号とTCON22がSDRAM1、2(23、24)へ書込みを行うまでの信号を画像データと呼び、TCON22がSDRAM1、2(23、24)から読み出す信号を画像情報と呼び、この画像情報が映像信号ドライバ16を経由して表示領域10の映像信号線12に出力される際の信号を画像信号と呼ぶことにする。
【0029】
次に、図2を用いて、本発明の駆動方法について説明する。
【0030】
図2は、本発明のタイミングチャートを示す図面である。
【0031】
図2中のDATAは、グラフィックコントローラ20からTCON基板21に入力される画像データを示している。本実施例ではグラフィックコントローラ20からフレーム周波数が60Hzで画像Aが2回送られてきており、見方を変えれば30Hzで画像データである画像Aが1回送信されていることになる。
【0032】
TCON22は、グラフィックコントローラ20から送られてきた画像AをSDRAM1(23)にフレーム周波数60Hzで書込み、続けてこの書込んだ画像Aを保持していることを示している。つまり、TCON22は、2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データをSDRAM1(23)(フレームメモリ)に書込んでいる。
【0033】
次に、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで画像Bが2回送られてくるが、このタイミングでTCON22はSDRAM1(23)からフレーム周波数90Hzで画像情報となる画像Aを読み出し、続けてフレーム周波数90Hzで同じく画像Aを読み出す。さらに、フレーム周波数90Hzで黒データを読み出すというものである。
【0034】
TCON22は、読み出した画像情報となる画像A、画像A、黒データをDOUT102として、映像信号ドライバ16に送出している。
【0035】
また、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで画像Bが2回送られてくるが、このタイミングでTCON22は画像BをSDRAM2(24)にフレーム周波数60Hzで書込み、続けてこの画像Bを保持している。
【0036】
次に、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで画像Cが2回送られてくるが、このタイミングでTCON22はSDRAM2(24)からフレーム周波数90Hzで画像Bを読み出し、続けてフレーム周波数90Hzで同じく画像Bを読み出す。さらに、フレーム周波数90Hzで黒データを読み出す。
【0037】
TCON22は、読み出した画像B、画像B、黒データをDOUT102として、映像信号ドライバ16に送出している。
【0038】
また、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで画像Cが2回送られてくるが、このタイミングでTCON22は画像CをSDRAM1(23)にフレーム周波数60Hzで書込み、続けてこの画像Cを保持するというものである。
【0039】
映像信号ドライバ16は、TCON22から送出されてきた画像情報を画像信号として表示領域10の映像信号線12に送出している。
【0040】
尚、TCON22がSDRAM1(23)、SDRAM2(24)を用いてグラフィックコントローラ20から送られてきた画像データを書込んだり、画像情報を読み出したりしているが、書込みを行う場合はフレーム周波数を60Hzとし、読み出しを行う場合にはフレーム周波数が90Hzとしている。このように、2個ずつ連続した同じ画像データを取り込むTCON22を有し、このTCON22は、2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データをSDRAM1、2(23、24)に書込むものであり、TCON22がSDRAM1、2(23、24)に対して書込みを行うフレーム周波数よりも高いフレーム周波数で読み出しを行っていることが本発明の特徴の一つである。
【0041】
尚、読み出しを行うフレーム周波数を汎用のドライバでも対応可能な100Hz以下の90Hzとし、書込みを行うフレーム周波数60Hzの1.5倍速としている点も特徴の一つである。このように、TCON22がSDRAM1、2(23、24)に対して書込みを行うフレーム周波数よりも、読出しを行うフレーム周波数を高い周波数で行うためには、TCON22とSDRAM1、2(23、24)との間のバス幅を増やすことで対応可能である。
【0042】
本発明の場合には、TCON22がSDRAM1、2(23、24)に書込みを行う周波数(60Hz)と、読み出しを行う周波数(90Hz)を変えることにより、1回の書込みに対して、1.5回の読出し、言い換えれば、2回の書込みに対して3回の読出しとすることができ、この読み出しの3回において、オーバードライブや黒書込み等の処理を行うことが可能となるので良好な動画の表示を行うことができる。尚、この例では読出しを90Hz、書込みを60Hzとして説明したが、読出しは100Hz以下であれば良く、書込みも66Hz以下であればよい。
【0043】
尚、従来の表示装置のように、TCON22がSDRAM1、2(23、24)に書込みを行う周波数(例えば60Hz)と、読み出しを行う周波数(例えば60Hz)が同じ場合にも、2回の書込みに対して2回の読出しを行うことができるので、読み出しの2回のうちの1回を使って黒データの書込みは可能であるが、この場合には2回の読出しにおいてオーバードライブや黒書込み等を行わなければならず、様々なデータ変換を行って処理を行うことはできない。尚、この場合、書込みを2回としているのは便宜上の話で、1回書込みで、残りの1回を保持としても良い。
【0044】
本実施例の場合には、1回の書込みに対して1.5回の読出し、言い換えれば2回の書込みに対して3回の読出しとしているので、この3回の読出しを使用して次のような駆動も可能となる。
【0045】
即ち、まず、第1の例として、読出しの3回のうち最初の1回で例えば画像Aをオーバードライブさせた画像情報を読み出して、DOUT102として映像信号ドライバ16に出力し、次の2回において通常の画像Aを2回読み出すような処理が考えられる。
【0046】
さらには、第2の例として、最初の1回で画像Aをオーバードライブさせた画像情報を読出し、次の1回で通常の画像Aを読出し、さらに次の1回で黒データを読み出すことも考えられる。
【0047】
さらには、第3の例として第2の例で説明した2回目と3回目の画像情報を調整するという方法を説明する。第3の例では、最初の1回目で画像Aをオーバードライブさせた信号を読出して、2回目と3回目で画像輝度の劣化を少なくするため、2回目で通常の画像Aより少し輝度を上げた画像情報を読出し、さらに3回目で輝度を上げた分を黒データに近づけるように輝度を下げて画像情報を読み出すうようにし、2回目と3回目での輝度の平均を通常の画像2枚分の平均とほぼおなじようにすることも考えられる。
【0048】
このように、本発明ではTCONから読み出す画像情報を1秒間に3回の読出しとすることでちらつきを削減し、動画ぼやけも低減することのできる表示装置を提供することができる。
【0049】
次に、図3を用いて、本発明の別の駆動方法について説明する。
【0050】
図3は、本発明のタイミングチャートを示す図面である。
【0051】
図3中のDATAは、グラフィックコントローラ20からTCON基板21に入力される画像データを示している。本実施例ではグラフィックコントローラ20からフレーム周波数が60Hzで画像データとなる画像Aが2回送られてきており、見方を変えれば30Hzで画像Aが1回送信されていることになる。
【0052】
図3の場合には、TCON22は、グラフィックコントローラ20から送られてきた画像A、画像A、画像B、画像B、画像C、・・・を、図2のタイミングチャートと同様に、画像A、画像Bのタイミングで取り込んでいる。図3に示すタイミングチャートでは、TCON22は、SDRAM1(23)にフレーム周波数60Hzで画像Aを書込み、続けてこの画像Aを保持していることを示している。即ち、画像Bを取り込んでいるが、この画像BはSRAM1への書込みには用いていない。
【0053】
次に、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで送られてくる画像B、画像Cを取り込むことになるが、このタイミングでTCON22はSDRAM1(23)からフレーム周波数90Hzで画像情報となる画像Aを読み出し、続けてフレーム周波数90Hzで同じく画像Aを読み出す。さらに、フレーム周波数90Hzで黒データを読み出すというものである。
【0054】
TCON22は、読み出した画像A、画像A、黒データをDOUT102として、映像信号ドライバ16に送出している。
【0055】
また、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで送られてきた画像B、画像Cを取り込むタイミングで、TCON22は画像BをSDRAM2(24)にフレーム周波数60Hzで書込み、続けてこの画像Bを保持している。
【0056】
次に、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで送られてくる画像C、画像Dを取り込むタイミングで、TCON22はSDRAM2(24)からフレーム周波数90Hzで画像Bを読み出し、続けてフレーム周波数90Hzで同じく画像Bを読み出す。さらに、フレーム周波数90Hzで黒データを読み出す。
【0057】
TCON22は、読み出した画像B、画像B、黒データをDOUT102として、映像信号ドライバ16に送出している。
【0058】
また、グラフィックコントローラ20からTCON22にフレーム周波数が60Hzで送られてきた画像C、画像Dを取り込むタイミングで、TCON22は画像CをSDRAM1(23)にフレーム周波数60Hzで書込み、続けてこの画像Cを保持している。
【0059】
このように、図3のようなタイミングチャートでも結果的には図2におけるタイミングチャートの出力データと同じになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の全体構成を示す図面である。
【図2】本発明のタイミングチャートを示す図面である。
【図3】本発明の別のタイミングチャートを示す図面である。
【符号の説明】
【0061】
1 表示装置、10 表示領域、11 走査信号線、12 映像信号線、
13 スイッチング素子、14 画素電極、15 走査信号ドライバ、
16 映像信号ドライバ、20 グラフィックコントローラ、21 TCON基板、
22 タイミングコントローラ、23 SDRAM1、24 SDARM2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査信号線と、該複数の走査信号線に交差して配置された複数の映像信号線により構成した表示領域と、
該表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、
前記表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、を有する表示装置であって、
前記映像信号ドライバに接続され、2個ずつ連続した同じ画像データを取り込むタイミングコントローラを有し、
該タイミングコントローラが取り込んだ前記画像データを書込むフレームメモリを有し、
前記タイミングコントローラは、
2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データを前記フレームメモリに書込むものであり、
前記フレームメモリに前記画像データを書込む際のフレーム周波数と、前記フレームメモリから前記画像データを変換した画像情報を読み出す際のフレーム周波数が異なっている表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記タイミングコントローラは、前記フレームメモリに前記画像データを書込むフレーム周波数よりも高いフレーム周波数で、前記フレームメモリから前記画像情報を読み出している表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記フレームメモリから前記画像情報を読み出す際のフレーム周波数は100Hz以下である表示装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記フレームメモリに前記画像データを書込む際のフレーム周波数は66Hz以下である表示装置。
【請求項5】
複数の走査信号線と、該複数の走査信号線に交差して配置された複数の映像信号線により構成した表示領域と、
該表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、
前記表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、を有する表示装置であって、
前記映像信号ドライバに接続され、2個ずつ連続した同じ画像データを取り込むタイミングコントローラを有し、
該タイミングコントローラが取り込んだ前記画像データを書込むフレームメモリを有し、
前記タイミングコントローラは、2個ずつ連続した同じ画像データのうち、ひとつおきの画像データを前記フレームメモリに書込むものであり、
前記タイミングコントローラは、2個ずつ連続した同じ画像データをフレーム周波数が66Hz以下で受け取り、
前記映像信号ドライバは、前記表示領域にフレーム周波数が100Hz以下で前記画像データを変換した画像信号を出力する表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記タイミングコントローラは、前記フレームメモリに66Hz以下のフレーム周波数で前記画像データを書込み、前記フレームメモリから100Hz以下のフレーム周波数で前記画像データを変換した画像情報を読み出している表示装置。
【請求項7】
複数の走査信号線と、該複数の走査信号線に交差して配置された複数の映像信号線により構成した表示領域と、
該表示領域の走査信号線に接続された走査信号ドライバと、
前記表示領域の映像信号線に接続された映像信号ドライバと、
前記映像信号ドライバに接続されたタイミングコントローラと、
該タイミングコントローラによって画像データを書込んだり、該画像データを変換した画像情報を読み出したりするフレームメモリを有し、
前記タイミングコントローラは、該タイミングコントローラが取り込んだ画像データのうち、ひとつおきの画像データを前記フレームメモリに第一のフレーム周波数で書込み、前記フレームメモリから前記第一のフレーム周波数よりも高い第二のフレーム周波数で前記画像情報を読み出す表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第二のフレーム周波数は100Hz以下である表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第一のフレーム周波数は66Hz以下である表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−225945(P2007−225945A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47670(P2006−47670)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】