説明

表示装置

【課題】長期間使用しても表示品位が低下しにくい信頼性の高い表示装置を提供する。
【解決手段】矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える表示装置であって、上記表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲しており、(1)上記表示装置は、2以上の表示パネルを有する、及び/又は、(2)上記接続基板は、表示パネルの表示面と直交する方向に折れ曲がった折り曲げ部を有し、上記折り曲げ部は、表示パネルの湾曲面に沿った円弧形状を有する表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。より詳しくは、湾曲した形状をもつ表示パネルと、プリント配線基板と、これらを接続させる接続基板とを備える表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン、パーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等で多く用いられる表示装置は、表示の駆動制御を行うために様々な電子部材が組み込まれており、これらが一体となって一つのモジュールを構成する。このような表示装置は一般的に、入力された表示信号を集積回路(IC:Integrated Circuit)で制御し、その制御信号に基づき、表示パネルにおいて表示が行われる方式となっている。
【0003】
表示パネルには、液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンス(EL:electroluminescence)表示パネル等が挙げられ、それぞれ異なる原理に基づき表示を行う。このような表示パネルに関しては様々な工夫が試みられており、例えば、偏光板を3枚配置し、これら偏光板間のそれぞれに液晶表示パネルを貼り合わせて液晶表示装置を作製することで、コントラスト比を向上させることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
表示信号の制御は、一般的に、表示パネルに隣接して設けられた接続基板(以下、TAB(Tape Automated Bonding)ともいう。)及びプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)によって行われる。TABは、ICチップを内蔵し、表示パネルとPWBとを接続させるものであり、PWBから送られてくるゲート信号又はソース信号を受け取り、そのゲート信号及びソース信号を制御して表示パネルに送り出す基板である。PWBは、外部からゲート信号又はソース信号を受け取り、その信号をTABに送り出す基板である。なお、これらは異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)と呼ばれる導電性を有するシール材等によって容易に電気的、かつ物理的に接続することができる(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
表示装置がマトリクス駆動方式の場合、表示パネル内には、複数本のゲート信号線が一定間隔を空けて互いに平行に配線され、更に、複数本のソース配線が一定間隔を空けて互いに平行に、かつゲート信号線と直交するように配線される。このような場合、表示パネルのゲート信号線の起点に位置する辺(ゲート信号線と直交する側)に対しては、ゲート側のPWBが設けられ、表示パネルのソース信号線の起点に位置する辺(ソース信号線と直交する側)に対しては、ソース側のPWBが設けられる。より詳しくは、表示パネルとゲート側又はソース側のPWBとは一定間隔を空けて配置され、表示パネル及びPWBの両方の表面にTABが貼り付けられ、このTABを介して表示パネルとPWBとは接続されることになる。なお、このようにして形成されたモジュールの実装方法としては、TABを折り曲げて実装する方法と、TABを折り曲げないで実装する方法とが挙げられる。以上のような構成によれば、マトリクス状に形成された画素ごとにゲート信号及びソース信号を制御することができることになり、精密な駆動制御を行うことができる。
【0006】
しかしながら、このようにして形成された表示装置は、表示を行うために長期間用いられることで、熱等により表示装置内の構造に変形が生じる場合があり、表示品位に影響を与えることがある点で改善の余地があった。
【特許文献1】国際公開第2007/040139号パンフレット
【特許文献2】実開平4−53223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、長期間使用しても表示品位が低下しにくい信頼性の高い表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、長期間使用しても表示品位が低下しにくい表示装置について種々検討したところ、表示パネルの形状に着目した。そして、表示パネルを構成する基板が熱等によって膨張し、例えば、図8に示すように一対の表示パネル12、13の形状が太鼓状に中央が膨れ上がった場合、光が透過する領域間で光路長の差が生じ、表示が二重像となることがあることを見いだすとともに、あらかじめ表示パネルの一辺を図9に示すように厚み方向に湾曲させておくことにより、一対の表示パネル12、13の形状が中央で膨れ上がることを抑止し、表示品位を安定させることができることを見いだした。また、本発明者は、そのように表示パネルの一辺を湾曲させた場合には、表示制御を行うためのTABやPWBの構成をその湾曲に合わせて改良する必要があることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える表示装置であって、上記表示装置は、2以上の表示パネルを有し、上記表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲している表示装置(以下、本発明の第一の表示装置ともいう。)である。
【0010】
本発明はまた、矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える表示装置であって、上記表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲しており、上記接続基板は、表示パネルの表示面と直交する方向に折れ曲がった折り曲げ部を有し、上記折り曲げ部は、表示パネルの湾曲面に沿った円弧形状を有する表示装置(以下、本発明の第二の表示装置ともいう。)でもある。
【0011】
まず、本発明の第一の表示装置について以下に詳述する。
【0012】
本発明の第一の表示装置は、矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える。本発明において表示パネルとは、表示画面を構成する部材であり、表示パネルが液晶表示パネルである場合の一例としては、アレイ基板及びカラーフィルタ基板を構成する一対の基板と、該一対の基板によって挟持された液晶層とを含んで構成されるものが挙げられる。また、これら一対の基板に対しては、偏光板、位相差板等の光を制御する素子が配置されていてもよい。なお、この場合において、基板、液晶層及び偏光板の数は、特に限定されない。本発明において表示パネルは矩形であるが、全体として実質的に矩形である限り、一部に切り欠けが設けられているもの、一部が突出しているものも含む。本発明において接続基板とはTABのことであり、プリント配線基板とはPWBのことである。本発明においてTAB及びPWBの数は特に限定されない。
【0013】
上記表示装置は、2以上の表示パネルを有する。例えば、表示装置内に2以上の液晶表示パネルを設け、更に、これら液晶表示パネルを挟み込むように偏光板を設けることで、漏れ光成分を減らすことができ、高いコントラスト表示を得ることができるようになる。
【0014】
上記表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲している。本発明において矩形の表示パネルの長辺は、いずれもが湾曲されたものであり、これにより、表示パネルはアーチ状に成型されることになる。このようにアーチ状に成型することにより、表示パネルの中央部分において互いに逆方向の外向きの応力が発生しにくくなり、表示パネル同士の間隔が広がることを防止することができる。表示装置内における表示パネルの数が増えるにつれ、よりその表示パネル間に厚み方向のひずみが生じる可能性が高くなるが、本発明によれば、表示パネルの長辺側を湾曲させることで表示パネルの厚み方向の広がりを抑止することができ、信頼性の高い構造となる。なお、本発明において表示パネルは、矩形の短辺側ではなく長辺側が湾曲されており、こうすることで、小さな曲率によっても、中央部分の広がりを充分に抑止することができる。
【0015】
本発明の第一の表示装置の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。また、本発明の第一の表示装置の種類については特に限定されず、例えば、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置等に用いることができる。
【0016】
本発明の第一の表示装置における好ましい形態について説明する。
【0017】
上記2以上の表示パネルは、外周が固定されたものであることが好ましい。表示装置が2以上の表示パネルで構成されている場合、これらの表示パネルの固定は、その表示領域として用いられる中央部分を除く、外周部分で行われることが構成上有利である。外周を固定する方法では中央部分に変形が生じやすいが、本発明によれば表示パネルの中央部分の厚み方向の広がりを抑制することができるため、本形態のような場合であっても表示品位を安定させることができる。
【0018】
本発明の第二の表示装置について以下に詳述する。
【0019】
本発明の第二の表示装置は、矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える表示装置であって、上記表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲している。これらの特徴は、本発明の第一の表示装置と同様であるから、説明は省略する。
【0020】
上記接続基板は、湾曲面に沿って表示パネルの表示面と直交する方向に折れ曲がっている。このようにTABを折り曲げることで、TABを延ばしたまま表示パネルとTABとPWBとを同一平面状に並ばせた形態よりも、表示面から見たときのTAB及びPWBの面積を減らす、すなわち、表示面の外枠部分の面積を減らすことができる。本発明において表示パネルは湾曲しているので、本発明のようにTABの折り曲げを表示パネルの湾曲面に沿わせることで、表示パネル面とPWB面とを過不足なく直角とすることができ、表示画面の外枠部分の面積を最大限に減らすことができる。
【0021】
本発明の第二の表示装置の構成としても、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。また、本発明の第二の表示装置の種類についても特に限定されず、例えば、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置等に用いることができる。
【0022】
本発明の第二の表示装置における好ましい形態について以下に説明する。
【0023】
上記プリント配線基板は、表示パネルの長辺に対向する一辺が表示パネルの湾曲面に沿った円弧形状を有することが好ましい。すなわち、本形態においてPWBは、表示パネルに向かって凸の平面形状を有すると言い換えることもできる。あらかじめこのような形状としておくことで、効率的にPWBの面積を確保することができ、また、PWBに信号を入力する入力部を効率的に配置できるので、例えば、表示装置の厚みを削減することができる。なお、PWBが複数貼り付けられる場合は、貼り付けられる場所における表示パネルの曲率に応じて各PWBの円弧形状の曲率を合わせればよい。また、本明細書において円弧形状とは、必ずしも曲線のみを意味するわけではなく、複数の直線部分が集合することにより全体として円弧形状に沿った形状や、階段状に円弧形状に沿った形状をも含む概念であり、このような形状であっても同様の効果を有する。
【0024】
上記表示装置は、表示パネルの長辺に沿って複数個の接続基板を有し、上記複数個の接続基板のより中心側に配置された接続基板は、表示パネルと直交する方向の長さがより短いことが好ましい。上述のように、表示パネルとTABとPWBとは同一平面状で貼り付けられるため、PWBが上記のような円弧形状を有する場合、平面配置したときに表示パネルとPWBとの間隔が表示パネルの長辺の中心側でより狭くなる。したがって、本形態のようにTABを配置することで、効率的にPWBの面積を確保することができ、また、PWBに信号を入力する入力部を効率的に配置できるので、例えば、表示装置の厚みを削減することができる。
【0025】
以上、本発明の第一の表示装置及び第二の表示装置について説明してきたが、これらは互いにそれぞれの特徴を組み合わせることができるものであり、これらを組み合わせることで、信頼性及び小型化に優れた構造を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の表示装置によれば、2枚の表示パネルが共に同じ方向に湾曲しているため、長期間使用してもこれら2枚の表示パネル間の隙間が広がることを抑制することができ、信頼性の高い表示装置を得ることができる。また、そのように表示パネルを湾曲させたとしても、TABの形状に改良が加えられているため、装置構成を効率化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0028】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の液晶表示装置の装置構成を示す分解斜視図である。図1に示すように、実施形態1の液晶表示装置は、通常の液晶表示パネルを2枚分張り合わせた形となっている。より詳しくは、液晶表示装置の表示面に向かって下ベゼル11、第一の液晶表示パネル12、第二の液晶表示パネル13及び上ベゼル14がこの順に配置されている。すなわち、上ベゼル14側が液晶表示装置の表示面側であり、下ベゼル11側が液晶表示装置の背面側である。下ベゼル11の更に背面側には、バックライト等の光源が備えつけられている。上ベゼル14及び下ベゼル11は、光源からの光を透過できるよう液晶表示パネル12、13の形状にあわせて矩形の切り抜きが設けられている。すなわち、上ベゼル14及び下ベゼル11は、第一の液晶表示パネル12及び第二の液晶表示パネル13の外周を固定するようにして設けられている。
【0029】
第一の液晶表示パネル及び第二の液晶表示パネルは、それぞれ光源側から第一の基板21、液晶層22及び第二の基板23が積層した構成となっている。
【0030】
第一の基板21は、いわゆるアレイ基板であり、ゲート線、ソース線、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等の液晶表示の駆動制御を行うための素子が設けられている。より詳しくは、ゲート線とソース線とはそれぞれが複数本直交して配線されており、ゲート線とソース線との交点にTFTが配置されている。このようにして配線されたゲート線及びソース線で囲まれる1つの領域は1つの画素を形成する。ゲート線は、アレイ基板の一方の辺に隣接して設けられたゲートドライバに接続されており、外部から送られてくるゲート信号を各画素に供給することができる。ソース線は、アレイ基板の他の一辺に隣接して設けられたソースドライバに接続されており、外部から送られてくるソース信号を各画素に供給することができる。
【0031】
液晶層22は、電圧が印加されることで配向方向が入れ代わる液晶材料を含んで構成される層であり、電圧のオン及びオフにより光の屈折性を制御することができる。
【0032】
第二の基板23は、いわゆるカラーフィルタ基板であり、赤、緑、青等の各色を表示するためのカラーフィルタ、光漏れを防止するためのブラックマトリクス等が設けられている。より詳しくは、カラーフィルタは1つの画素に対して赤、緑及び青の3色が配置されており、画素間にはブラックマトリクスが配置されている。
【0033】
図2は、実施形態1の液晶表示装置の偏光板と液晶表示パネルとの配置関係を示す斜視図である。図2に示すように、第一の液晶表示パネル13の背面側には第一の偏光板51が、第一の液晶表示パネル13と第二の液晶表示パネル14との間には第二の偏光板52が、第二の液晶表示パネル14の表示面側には第三の偏光板53が設けられている。第一の偏光板51の偏光軸と第三の偏光板53の偏光軸とは平行であり、第二の偏光板52の偏光軸と、第一の偏光板51の偏光軸及び第三の偏光板53の偏光軸とは直交している。このような配置とすることで、カラーフィルタ等による光散乱によって生じる第二の偏光板52における光漏れを、第三の偏光板53によって遮断することができ、表示のコントラスト比を向上させることができる。
【0034】
図1に示すように、実施形態1において液晶表示パネル12、13は表示面から見たときに矩形であり、長辺側が厚み方向に湾曲している。また、湾曲の方向は表示面に向かって凸である。あらかじめ第一の液晶表示パネル13及び第二の液晶表示パネル14を同一方向に湾曲させておくことで、長期間の使用による熱膨張等により第一の液晶表示パネル13と第二の液晶表示パネル14との隙間に広がりが生じることを抑制することができ、そのように広がりが生じることによって起こる二重像の発生を防ぐことができる。
【0035】
実施形態1において液晶表示パネル12、13の長辺側の湾曲の程度については、曲率半径を5〜50m、Typ10mとすることで、このような二重像の発生を効果的に防ぐことができる。なお、この条件は、65型の液晶表示パネルにおいて端の変位が50〜5mm、Typ25mmに相当する。
【0036】
実施形態1において厚み方向に湾曲しているのは長辺側のみであり、短辺側は湾曲しておらず、直線状である。長辺側のみを湾曲させているのは、短辺側を湾曲させるよりも少ない曲率で第一の液晶表示パネル12と第二の液晶表示パネル13との間の隙間の発生を抑止する効果を得ることができ、更に短辺側を湾曲させる必要もないためである。
【0037】
実施形態1の液晶表示装置は、ゲートドライバ側とソースドライバ側との2種のPWB(プリント配線基板)を備える。以下、ゲートドライバ側のPWBをゲートPWBと、ソースドライバ側のPWBをソースPWBという。これらゲートPWB及びソースPWBは、表示パネルと接続するための端子電極、TABと接続するための端子電極、及び、これらを搭載する薄いフィルム基板等で構成されている。実施形態1の液晶表示装置は、表示パネルの短辺側にゲートPWB31を備え、表示パネルの長辺側にソースPWB41を備える。また、実施形態1の液晶表示装置において、第一の液晶表示パネル13及び第二の液晶表示パネル14のそれぞれにこれらゲートPWB31及びソースPWB41が接続されており、外部から送られてくる同一又は別々の信号を受け取ることができるようになっている。なお、実施形態1においてソースPWB41は、第一の液晶表示パネル12及び第二の液晶表示パネル13のそれぞれに対し2つ設けられている。
【0038】
実施形態1の液晶表示装置は、第一の表示パネル12とゲートPWB31との間にゲートTAB(接続基板)32を、第二の表示パネル13とソースPWB41との間にソースTAB(接続基板)42を備える。ゲートTAB32及びソースTAB42は、それぞれゲート信号又はソース信号を受け取るための端子電極、そのゲート信号又はソース信号を制御する制御回路、並びに、それら端子電極及び制御回路を搭載するガラス等で構成されている。各TAB32、42は、それぞれ表示パネル12、13及びPWB31、41の一辺に対し、複数個設けられている。また、各TAB32、42は、液晶表示パネルを構成する基板のうちアレイ基板21側に接続されている。このようにして設けられたゲートTAB32は表示パネル12、13が備えるゲート配線とゲートPWB31とを接続する役割を、ソースTAB42はソース配線とソースPWB41とを接続する役割を果たす。また、ゲートTAB32はゲートICチップ33を、ソースTAB42はソースICチップ43を備えており、表示パネル12、13の短辺側に位置するゲートTAB32はゲートドライバの役割を、表示パネル12、13の長辺側に位置するソースTAB42はソースドライバの役割を果たす。これらのICチップ33、43により、送られてくるゲート信号及びソース信号の制御を行うことができる。表示パネル12、13とTAB32、42、及び、TAB32、42とPWB31、41とは、それぞれACF(異方性導電膜)を介して電気的、かつ物理的に接続されている。
【0039】
図1においては、表示パネル12、13の短辺側の一辺、及び、表示パネル12、13の長辺側の一辺にのみ各TAB32、42が貼り付けられた構造を図示しているが、実施形態1において液晶表示装置は、表示パネルの短辺側の両方、及び、長辺側の両方に各TAB32、42が貼り付けられていてもよい。
【0040】
表示パネル12、13とゲートPWB31、及び、表示パネル12、13とソースPWB41とは、互いの基板面方向が直交している。これは、TAB32、42が折り曲げられているためであり、このようにTAB32、42を折り曲げることで、表示パネル12、13面側の表示に用いられない領域(外枠)の面積を減らすことができる。表示パネル12、13の短辺側においてゲートTAB32は表示パネル12、13の短辺に対して直角に折り曲げられている。また、表示パネル12、13の長辺側においてソースTAB42は表示パネル12、13の長辺に対して直角に折り曲げられており、折り曲げ部を構成する。したがって、表示パネル12、13の長辺側においてソースTAB42は表示パネル12、13の湾曲面に沿った円弧形状の折り曲げ部を有することになる。
【0041】
実施形態1の液晶表示装置においてTAB32、42は、表示パネル12、13の長辺に沿って複数個設けられている。表示パネル12、13、ソースTAB42及びソースPWB41は、製造工程上、図3に示すように一旦同一平面上で貼り合わされる必要があり、表示パネル12、13、ソースTAB42及びソースPWB41を同一平面上に配置したときに、表示パネル12、13とソースPWB41との間隔は、より長辺の中心側で狭くなる。図3は、表示パネル12、ソースTAB42及びソースPWB41を同一平面上に配置したときの平面模式図であり、このように表示パネル12、ソースTAB42及びソースPWB41を配置し、かつこれらを貼り合わせた後、図中の点線に沿って折り返すことによって液晶表示パネルが作製される。なお、実施形態1においては、複数個のソースTAB42のうち、より長辺の中心側に配置されたものが、より長辺の端側に配置されたものよりも、表示パネル12、13と直交する方向の長さが短く形成されている。こうすることにより、ソースPWB41面を広くとることができ、また、図3に示すように、PWBに信号を入力する入力部61を効率的に配置できるので、例えば、液晶表示装置を薄く設計することができるようになる。なお、図3では液晶表示パネルとして模式的に第一の液晶表示パネル12のみを図示しており、第二の液晶表示パネル13は図示していない。
【0042】
ゲートPWB31はゲートPWB31面を垂直方向から見たときに矩形であるのに対し、ソースPWB41はソースPWB41面を垂直方向から見たときに表示パネル12、13の長辺側に対向する一辺が表示パネル12、13の湾曲面に沿った円弧形状を有する。これにより、ソースPWB41面を広くとることができ、また、図3に示すように、PWBに信号を入力する入力部61を効率的に配置できるので、例えば、液晶表示装置を薄く設計することができるようになる。なお、実施形態1においてソースPWB41の円弧形状は、必ずしも曲線によって形成されていなくてもよく、例えば、図4に示すような複数の直線部分が集合することにより全体として円弧形状に沿った形状や、図5に示すような階段状に円弧形状に沿った形状であってもよい。
【0043】
第一の液晶表示パネル12及び第二の液晶表示パネル13の湾曲は、上ベゼル14及び下ベゼル11によって固定することができる。図6は実施形態1の液晶表示装置を上から見たときの平面模式図である。図6に示すように、実施形態1において上ベゼル14は、液晶表示装置を上から見たときに表示面に向かって凸である。また、第一の液晶表示パネル12もまた、いずれも表示面に向かって凸の形状を有する。ソースTAB42は液晶表示パネル12の長辺に対して直角に、かつ装置内部に向かって折れ曲がっている。なお、図6では液晶表示パネルとして模式的に第一の液晶表示パネル12のみを図示しており、第二の液晶表示パネル13は図示していない。
【0044】
図7は実施形態1の液晶表示装置を横から見たときの平面模式図である。図7に示すように、実施形態1の上ベゼル14及び下ベゼル11は、液晶表示パネル12を挟み込むようにして配置されている。なお、図7では液晶表示パネルとして模式的に第一の液晶表示パネル12のみを図示しており、第二の液晶表示パネル13は図示していない。
【0045】
以上、実施形態1の液晶表示装置の構成によれば、液晶表示パネルが2枚張り合わされ、かつ偏光板が3つ設けられている形となっているため、高いコントラストを得ることができる。また、このように液晶表示パネルを2枚張り合わせ、外周のみをベゼル等により固定する形態であっても、2枚の液晶表示パネルがそれぞれ表示面に向かって厚み方向に湾曲しているため、長時間の使用による熱膨張によってこれらの液晶表示パネル間に隙間が生じ、かつその間隔が広がることによって生じる二重像の発生等の表示品位の劣化を妨げることができる。更に、このように液晶表示パネルを湾曲させたとしても、TABが液晶表示パネルの湾曲面に沿って折り曲げられているため、装置の外枠部分、及び、装置の厚みを減らすことができる。
【0046】
なお、上記液晶表示パネル間の間隔の広がりは、特に65型以上の大画面サイズとしたときに大きくなるため、そのようなサイズの表示装置に本発明は特に好適に用いることができる。
【0047】
(実施形態2)
実施形態1において液晶表示装置は、通常の液晶表示パネルを2枚分張り合わせた形であったが、液晶表示パネルを1枚とする場合であっても矩形の液晶表示パネルの長辺を湾曲させるものであれば、本発明の構成とすることができる。液晶表示パネルを1枚とする場合に、矩形の液晶表示パネルの長辺を湾曲させる形態としては、例えば、車載用の表示パネルとして用いる場合、腕時計として用いる場合等が挙げられる。
【0048】
実施形態2において液晶表示装置は、実施形態1の液晶表示パネルが1枚となっていること以外は実施形態1と同様であり、実施形態2の表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲しており、TABは、表示パネルの表示面と直交する方向に、かつ表示パネルの湾曲面に沿って折り曲げられているので、装置の外枠部分、及び、装置の厚みを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態1の液晶表示装置の装置構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施形態1の液晶表示装置の偏光板と液晶表示パネルとの配置関係を示す斜視図である。
【図3】表示パネル、TAB及びソースPWBを同一平面上に配置したときの平面模式図である。
【図4】実施形態1のソースPWBの形状の他の一例を示す平面模式図である。
【図5】実施形態1のソースPWBの形状の他の一例を示す平面模式図である。
【図6】実施形態1の液晶表示装置を上から見たときの平面模式図である。
【図7】実施形態1の液晶表示装置を横から見たときの平面模式図である。
【図8】従来の表示パネルの断面形状を示す模式図である。
【図9】本発明の表示パネルの断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0050】
11:下ベゼル
12:第一の表示パネル
13:第二の表示パネル
14:上ベゼル
21:アレイ基板
22:液晶層
23:カラーフィルタ基板
31:ゲートPWB
32:ゲートTAB
33:ゲートICチップ
41:ソースPWB
42:ソースTAB
43:ソースICチップ
51:第一の偏光板
52:第二の偏光板
53:第三の偏光板
61:入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える表示装置であって、
該表示装置は、2以上の表示パネルを有し、
該表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲している
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記2以上の表示パネルは、外周が固定されたものであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
矩形である表示パネルと、該表示パネルの長辺の少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられた接続基板と、該表示パネルの長辺と対向する辺の少なくとも一部が該接続基板に覆われるようにして貼り付けられたプリント配線基板とを備える表示装置であって、
該表示パネルの長辺側は、厚み方向に湾曲しており、
該接続基板は、表示パネルの表示面と直交する方向に折れ曲がった折り曲げ部を有し、
該折り曲げ部は、表示パネルの湾曲面に沿った円弧形状を有する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
前記プリント配線基板は、表示パネルの長辺に対向する一辺が表示パネルの湾曲面に沿った円弧形状を有することを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は、表示パネルの長辺に沿って複数個の接続基板を有し、
該複数個の接続基板のより中心側に配置された接続基板は、表示パネルと直交する方向の長さがより短いことを特徴とする請求項4記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−168904(P2009−168904A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4264(P2008−4264)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】