説明

表示装置

【課題】撮像手段からの映像信号が異常な場合に、これを表す画像を表示する表示装置において、この情報を記憶しておくと共に、撮像手段の作動オフ時に、この情報を誤って記憶させない。
【解決手段】表示装置1は、撮影映像の映像信号Saを出力する撮像手段20と、映像信号Saを変換映像信号Sdに変換すると共に、映像信号Saが異常か否かを判定し、映像信号Saが異常な場合に異常画像信号Sbと変換映像信号Sdの両出力を禁止し、映像信号Saが正常な場合に変換映像信号Sdを出力する映像変換手段3と、撮像手段20が作動している場合に映像変換手段3からの変換映像信号Sdの出力有無を判定する判定手段4と、出力無し判定の場合に出力無し判定の情報を記憶する記憶手段6と、出力無し判定の場合に異常画像信号Sbを出力する信号出力手段と、異常画像信号Sbが入力されて異常画像を表示する表示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段が撮影している映像を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載用の表示装置として、近赤外線カメラが撮影している夜間映像を表示して、夜間走行時に運転者の視覚をサポートするナイトビューモニター装置が実用化されている。このナイトビューモニター装置は、近赤外線カメラが撮影している夜間映像を表す映像信号に基づいて夜間映像を表示させている(特許文献1を参照)。
【0003】
近赤外線カメラの故障や断線等によって映像信号が異常な場合、夜間映像が消えて、「砂嵐表示」や「縞々表示」等の不定な映像が表示される。この不定な映像を避けるため、一般には、映像信号が異常な場合に、これを表す異常画像を、不定な映像に代えて表示させている。異常画像として、例えば、青い背景に「映像が入力されていません」等のメッセージが描かれたブルーバックが表示される。
【0004】
A/Dデコーダ等の映像変換手段が映像信号を変換映像信号に変換して夜間映像を表示するナイトビューモニター装置においては、映像信号が異常な場合に、A/Dデコーダがブルーバック等の異常画像を表す異常画像信号を出力する。この異常画像信号に基づいてブルーバックが表示される。
【特許文献1】特開2000−46521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、映像信号が異常な場合に、この異常情報をメモリに記憶しておき、この記憶された異常情報をトラブルシュートに利用したいという要請がある。トラブルシュートは、例えば、この記憶された異常情報をディーラ等において解析し、この異常の発生原因を早急に究明して、故障部分の修理や交換等を行なうものである。
【0006】
しかし、映像信号が異常な場合にA/Dデコーダは、ブルーバック等を表す異常画像信号を出力する。この異常画像信号が信号として正常であるため、A/Dデコーダより後段にある異常情報を記憶したり、表示器にブルーバックなどの異常画像を表示させることができるICが、異常画像信号を正常な映像信号と誤判定して、映像信号の異常を検出することができなくなってしまうおそれがある。このため、映像信号異常の記憶や、異常画像の表示ができなくなるおそれがある。なお、A/Dデコーダには異常情報の記憶や異常画像を表示させる手段や後段のICに通信等で映像信号の異常を通知する手段は備わっていない。
【0007】
さらに、カメラスイッチをオフして近赤外線カメラの作動を停止させた場合(作動オフ時)には、近赤外線カメラからの映像信号が出力されない。このため、この状態を映像信号が異常であると誤判定して、誤ってメモリに記憶してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、撮像手段からの映像信号が異常な場合に、これを表す画像を表示する表示装置において、この情報を記憶しておくと共に、撮像手段の作動オフ時に、この情報を誤って記憶させないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0010】
請求項1に記載の表示装置によれば、撮影している映像を表す映像信号を出力する撮像手段と、映像信号を変換映像信号に変換すると共に、映像信号が異常か否かを判定し、映像信号が異常な場合に異常を表す異常画像の異常画像信号の出力および変換映像信号の出力を禁止し、映像信号が正常な場合に変換映像信号を出力する映像変換手段と、撮像手段が作動している場合において映像変換手段からの変換映像信号の出力有無を判定する判定手段と、判定手段が出力無し判定をした場合、出力無し判定の情報を記憶する記憶手段と、出力無し判定がされた場合、異常画像信号を出力する信号出力手段と、信号出力手段から異常画像信号が入力されて異常画像を表示すると共に、映像変換手段から変換映像信号が入力されて映像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、映像信号が異常な場合に、映像変換手段が異常画像信号と変換映像信号の両方を出力しないため、判定手段は、変換映像信号の出力無し判定が可能となり、判定手段による映像信号の異常判定が可能となる。したがって、この出力無し判定の情報を、つまり、映像信号の異常判定の情報を、記憶手段に記憶させることが可能となる。
【0012】
さらに、この構成では、出力無し判定の場合に、映像変換手段ではなくて信号出力手段が異常画像信号を出力し、表示手段は、異常画像信号に基づいて異常画像を表示する。このため、判定手段による映像信号の異常判定を可能としつつ、映像信号が異常な場合に、これを表す画像を表示できる。
【0013】
さらに、この構成によれば、撮像手段が作動している場合において、判定手段が映像変換手段からの変換映像信号の出力有無を判定するため、記憶手段は、撮像手段の作動オフ時に、この情報を誤って記憶することが無い。したがって、撮像手段からの映像信号が異常な場合に、これを表す画像を表示する表示装置において、この情報を記憶しておくと共、撮像手段の作動オフ時に、この情報を誤って記憶させないようにすることができる。
【0014】
請求項2に記載の表示装置によれば、信号出力手段は、撮像手段が作動しているか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、出力無し判定がされた場合に異常画像信号を出力する信号出力手段が、撮像手段が作動しているか否かを判定するため、構成を複雑化しないで、上述の効果を得ることができる。
【0016】
請求項3に記載の表示装置によれば、信号出力手段は、判定手段が出力有り判定をした場合、映像において監視対象を指し示すマーク画像のマーク画像信号を出力し、出力有り判定の場合に、変換映像信号とマーク画像信号とを合成して合成信号を表示手段へ出力する信号合成手段を備え、表示手段は、出力有り判定の場合に、合成信号に基づいて映像とマーク画像とを重畳した重畳映像を表示することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、出力無し判定がされた場合に異常画像信号を出力する信号出力手段が、出力有り判定がされた場合にマーク画像信号を出力する。このため、上述の効果を確保しつつ、構成を複雑化しないで、表示装置による監視対象の監視機能を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態相互において、図中の互いに同一若しくは均等である部分に、同一符号を付している。
【0019】
(第1実施形態)
図1に示すナイトビューモニター装置1は、近赤外線カメラ(以下カメラと称する)20が撮影している夜間映像(以下映像と称する)を表わすアナログNTSC(National Television Standards Committee)信号Saに基づいて、映像を表示する。ナイトビューモニター装置1は、カメラ20、ナイトビューECU2、および、表示ユニット10を備え、ナイトビューECU2は、A/Dデコーダ3、映像検知部4、描画部5、メモリ6、映像合成部7、および、カメラスイッチ(S/W)21を備える。
【0020】
A/Dデコーダ3は、カメラ20から出力されるアナログNTSC信号Saを、デジタルNTSC信号Sdに変換して出力すると共に、カメラ20の故障や断線等によってアナログNTSC信号Saが異常な場合に、デジタルNTSC信号Sdを出力しない構成となっている。例えば、カメラ20とA/Dデコーダ3の間の配線が断線した場合、A/Dデコーダ3からは、出力が零状態となる。
【0021】
なお、アナログNTSC信号Saが異常である場合とは、アナログNTSC信号Saのうち、例えば、RGB信号や、水平・垂直同期信号が異常な場合をいう。A/Dデコーダ3は、アナログNTSC信号Saが異常であるか否かの判定を、59.97Hzの垂直同期信号が、この周波数で正常に入力されているか否かで判定している。A/Dデコーダ3は、アナログNTSC信号Saが正常であると判定した場合に、アナログNTSC信号Saを、デジタルNTSC信号Sdに変換して出力する。
【0022】
映像検知部4は、A/Dデコーダ3からデジタルNTSC信号Sdが出力されているか否かを判定すると共に、出力有りと判定した場合に出力有り信号S3を出力し、出力無しと判定した場合に出力無し信号S4を出力する。映像検知部4は、映像を表すアナログNTSC信号Saが異常な場合にデジタルNTSC信号Sdを出力しないA/Dデコーダ3の機能を利用して、カメラ20からアナログNTSC信号Saが正常に出力されているか否かの判定を、デジタルNTSC信号Sdの出力有無の判定によって行なう。
【0023】
アナログNTSC信号Saが異常である場合に、即ち、A/Dデコーダ3からデジタルNTSC信号Sdが出力されない場合に、映像検知部4は、デジタルNTSC信号Sdの出力が無しと判定して、出力無し信号S4を描画部5へ出力する。アナログNTSC信号Saが正常に出力された場合に、即ち、A/Dデコーダ3からデジタルNTSC信号Sdが出力された場合に、映像検知部4は、デジタルNTSC信号Sdの出力が有りと判定して、出力有り信号S3を描画部5へ出力する。
【0024】
映像検知部4は、出力有り信号S3を出力する場合には、映像141(図2参照)において監視対象(人間)142を検知し、映像141において監視対象(人間)142のXY座標を算出する。映像検知部4は、この算出値の座標信号Srを描画部5へ出力する。
【0025】
なお、カメラ20からのアナログNTSC信号Saが異常な場合に、青い背景に「映像が入力されていません」等のメッセージが描かれたブルーバックが、A/Dデコーダ3から出力されないように構成される。
【0026】
描画部5は、映像検知部4から出力有り信号S3を入力した場合に、映像検知部4から座標信号Srを入力し、映像141において監視対象142を指し示すマーク画像143のマーク画像信号Smを、座標信号Srに基づいて出力する。図2において、マーク画像143は、監視対象142である人間を囲む枠画像であり、マーク画像143と監視対象142が、映像141においてXY座標が一致するように、描画部5は、マーク画像信号Smを、座標信号Srに基づいて生成する。
【0027】
描画部5は、映像検知部4から出力無し信号S4を入力した場合に、この入力無しの判定を表わす黒画の黒画信号Sbを出力する。図2において、黒画は、映像141に代えて表示する画像であり、黒一色の何も表示されていない画像である。
【0028】
描画部5は、映像検知部4から出力無し信号S4を入力した場合に、メモリ6に入力無しの判定の情報を記憶させる。例えば、ナイトビューモニター装置1が搭載されている車両の走行積算距離と入力無しの判定がされたこととを、セットにしてメモリ6に記憶させる。この記憶情報は、ディーラ等において解析され、故障部分の修理や交換を行なうのに役立てられる。メモリ6は、電気的に記憶データの書き換えが可能な不揮発性メモリもしくはバックアップRAM(ランダムアクセスメモリ)等を含むメモリである。
【0029】
また、描画部5は、カメラ20の作動のオン・オフ状態を判定する。カメラスイッチ21を操作してカメラ20の作動がオンしている場合に、描画部5は、作動オン状態と判定して、作動オン信号S1を映像検知部4へ出力する。カメラスイッチ21を操作してカメラ20の作動をオフ(停止)した場合に、描画部5は、作動オフ(作動停止)状態と判定して、作動オフ信号S2を映像検知部4へ出力する。映像検知部4は、作動オフ信号S2を描画部5から入力した場合に、デジタルNTSC信号Sdの入力有無の判定を行なわない。描画部5は、作動オフ信号S2を映像検知部4へ出力する場合にも、黒画信号Sbを出力する。
【0030】
映像合成部7は、映像検知部4から出力有り信号S3が出力された場合に、A/Dデコーダ3からデジタルNTSC信号Sdを入力し、描画部5からマーク画像信号Smを入力し、信号Sd,Smを合成して合成信号Scを表示ユニット10へ出力する
表示ユニット10は、映像検知部4から出力有り信号S3が出力された場合に、合成信号Scに基づいて映像141とマーク画像143とを重畳した重畳映像140を液晶パネル14に表示させる。表示ユニット10は、映像検知部4から出力無し信号S4が出力された場合、または、描画部5から作動オフ信号S2が出力された場合に、黒画信号Sbに基づいて黒画を液晶パネル14に表示させる。
【0031】
ナイトビューモニター装置1は、請求項に記載の表示装置に相当し、カメラ20は、請求項に記載の撮像手段に相当し、A/Dデコーダ3は、請求項に記載の映像変換手段に相当し、映像検知部4は、請求項に記載の判定手段に相当し、描画部5は、請求項に記載の信号出力手段に相当する。メモリ6は、請求項に記載の記憶手段に相当し、映像合成部7は、請求項に記載の信号合成手段に相当し、表示ユニット10は、請求項に記載の表示手段に相当する。アナログNTSC信号Saは、請求項に記載の映像信号に相当し、デジタルNTSC信号Sdは、請求項に記載の変換映像信号に相当し、黒画は、請求項に記載の異常画像に相当し、黒画信号Sbは、請求項に記載の異常画像信号に相当する。
【0032】
表示ユニット10は、メインMPU(メイン・マイクロプロセッサユニット、MMPU)11と、サブMPU(SMPU)12と、描画IC(Integrated Circuit)13と、液晶パネル(LCD)14を備える。描画部5は、車載LAN23を介してメインMPU11と通信が可能に構成され、作動オン・オフ信号S1,S2は、車載LAN23を介してメインMPU11に入力する。
【0033】
メインMPU11は、作動オン・オフ信号S1,S2を入力して、液晶パネル14に映像を表示させる命令コマンドを、サブMPU12を介して描画IC13に送信する。描画IC13は、この命令コマンドを受けて、映像線22を通して入力した信号Sc,Sbに基づいて、液晶パネル14の薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電圧を制御して、重畳映像140または黒画を液晶パネル14に表示させる。
【0034】
具体的に、メインMPU11が作動オフ信号S2を入力した場合と、メインMPU11が作動オン信号S1を入力した場合であって映像検知部4から出力無し信号S4が出力された場合に、黒画が液晶パネル14に表示される。一方、メインMPU11が作動オン信号S1を入力した場合であって映像検知部4から出力有り信号S3が出力された場合に、重畳映像140が液晶パネル14に表示される。
【0035】
以下に、上述の構成による作動と効果について、図3に基づいて説明する。
【0036】
ステップP1では、描画部5が、カメラスイッチ21のオン・オフに伴うカメラ20の作動のオン・オフ状態を判定する。描画部5は、作動オン状態と判定した場合に作動オン信号S1を映像検知部4へ出力し、作動オフ状態と判定した場合に作動オフ信号S2を映像検知部4へ出力する。
【0037】
ステップP1でYESの場合、即ち、描画部5が、カメラ20が作動オンと判定して、作動オン信号S1を映像検知部4へ出力する場合、ステップP2に進む。ステップP2で、映像検知部4は、A/Dデコーダ3からデジタルNTSC信号Sdが出力されているか否かを判定して、アナログNTSC信号Saが異常であるか否かを判定する。このステップP2において、YESと判定されてアナログNTSC信号Saが異常であると判定した場合、映像検知部4は、デジタルNTSC信号Sdの出力が無しと判定して、出力無し信号S4を描画部5へ出力する。ステップP2において、NOと判定されてアナログNTSC信号Saが正常であると判定された場合、映像検知部4は、デジタルNTSC信号Sdの出力が有りと判定して、出力有り信号S3を描画部5へ出力する。
【0038】
ステップP2でYESと判定された場合、即ち、映像検知部4が、デジタルNTSC信号Sdの出力が無しと判定し、且つ、出力無し信号S4を描画部5へ出力した場合、ステップP3に進む。ステップP3で、黒画を液晶パネル14に表示させて異常表示を行い、この出力無し信号S4の情報をメモリ6に記憶させてカメラ異常を記憶させる。ステップP2でNOと判定された場合、即ち、映像検知部4が、デジタルNTSC信号Sdの出力が有りと判定し、且つ、出力有り信号S3を描画部5へ出力した場合、ステップP4に進む。ステップP4で、重畳映像140を液晶パネル14に表示させて通常表示を行なう。
【0039】
ステップP1でNOと判定された場合、即ち、描画部5が、スイッチ21がオンされずカメラ20が作動オフと判定して、作動オフ信号S2を映像検知部4へ出力した場合、ステップP5に進む。ステップP5で、映像検知部4は、A/Dデコーダ3からデジタルNTSC信号Sdが出力されているか否かを判定しない。即ち、ステップP1で描画部5が作動オン状態と判定をした場合にのみ、ステップP2で、映像検知部4は、アナログNTSC信号Saが正常であるか異常であるかの判定を行なう
以上の構成によれば、アナログNTSC信号Saが異常な場合に、A/Dデコーダ3が黒画信号SbとデジタルNTSC信号Sdの両方を出力しないため、映像検知部4は、デジタルNTSC信号Sdの出力無し判定が可能となり、映像検知部4によるアナログNTSC信号Saの異常判定が可能となる。したがって、この出力無し判定の情報を、つまり、アナログNTSC信号Saの異常判定の情報を、メモリ6に記憶させることが可能となる。
【0040】
さらに、この構成では、出力無し判定の場合に、A/Dデコーダ3ではなくて描画部5が黒画信号Sbを出力し、液晶パネル14は、黒画信号Sbに基づいて黒画を表示する。このため、映像検知部4によるアナログNTSC信号Saの異常判定を可能としつつ、アナログNTSC信号Saが異常な場合に、これを表す黒画を表示できる。
【0041】
さらに、この構成によれば、カメラ20が作動している場合において、映像検知部4がA/Dデコーダ3からのデジタルNTSC信号Sdの出力有無を判定するため、メモリ6は、カメラ20の作動オフ時に、この情報を誤って記憶することが無い。したがって、カメラ20からのアナログNTSC信号Saが異常な場合に、これを表す黒画を表示するナイトビューモニター装置1において、この情報を記憶しておくと共、カメラ20の作動オフ時に、この情報を誤って記憶させないようにすることができる。
【0042】
さらに、この構成によれば、出力無し判定がされた場合に黒画信号Sbを出力する描画部5が、カメラ20が作動しているか否かを判定するため、構成を複雑化しないで、上述の効果を得ることができる。
【0043】
さらに、この構成によれば、出力無し判定がされた場合に黒画信号Sbを出力する描画部5が、出力有り判定がされた場合にマーク画像信号Smを出力する。このため、上述の効果を確保しつつ、構成を複雑化しないで、ナイトビューモニター装置1による監視対象142の監視機能を向上できる。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態では、図4に示すように、メインMPU(メイン・マイクロプロセッサユニット、MMPU)11Aは、描画部5に加えて、自車両のエンジン回転数を検出する回転センサ31、自車両の速度を検出する速度センサ32、自車両のエンジン冷却水の温度を検出する水温センサ33、および、自車両の燃料残量を検出する燃料センサ34と、車載LAN23Aを介して多重通信が可能に構成される。
【0045】
メインMPU11Aは、車載LAN23Aを介して描画部5から作動オフ信号S2を入力した場合に、センサ31〜34の各信号を、車載LAN23Aを介して多重通信によって入力し、これらに基いて液晶パネル14Aに表示させる内容を命令コマンドとしてサブMPU12に送信する。サブMPU12は、このコマンドに従って描画信号を、描画IC13へ送信し、描画IC13は、描画信号に基づいてTFTのゲート電圧を制御して、図5に示す回転メータ画像144、速度メータ画像145、水温メータ画像146、および、燃料メータ画像147を液晶パネル14Aに表示させる。回転メータ画像144、速度メータ画像145、水温メータ画像146、および、燃料メータ画像147の各指針を表す各指針画像が、それぞれ、センサ31〜34の各信号に基づいて、回転するように、各メータ画像144〜147は、制御される。
【0046】
メインMPU11Aは、作動オン信号S1を入力した場合には、液晶パネル14Aの表示領域148(図6)に速度メータ画像145に代えて映像を表示させる命令コマンドを、サブMPU12を介して描画IC13に送信する。描画IC13は、この命令コマンドを受けて、映像線22を通して入力した信号Sc,Sbに基づいてTFTのゲート電圧を制御して、重畳映像140または黒画を液晶パネル14Aの表示領域148に表示させる。
【0047】
具体的に、メインMPU11が作動オン信号S1を入力した場合であって映像検知部4から出力無し信号S4が出力された場合に、黒画が液晶パネル14Aの表示領域148に表示される。メインMPU11が作動オン信号S1を入力した場合であって映像検知部4から出力有り信号S3が出力された場合に、図6に示すように、重畳映像140が液晶パネル14Aの表示領域148に表示される。一方、メインMPU11が作動オフ信号S2を入力した場合には、図5に示すように、速度メータ画像145が液晶パネル14Aの表示領域148に表示される。
【0048】
ナイトビューモニター装置1Aは、請求項に記載の表示装置に相当し、表示ユニット10Aは、請求項に記載の表示手段に相当する。
【0049】
この実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態によるナイトビューモニター装置の回路構成図である。
【図2】図1に示す液晶パネルの表示例を示す正面図である。
【図3】図1に示すナイトビューモニター装置の作動を説明するフロ−チャートである。
【図4】本発明の第2実施形態によるナイトビューモニター装置の回路構成図である。
【図5】カメラスイッチのオフ時において図4に示す液晶パネルの表示例を示す正面図である。
【図6】カメラスイッチのオン時において図4に示す液晶パネルの表示例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1,1A ナイトビューモニター装置(表示装置)、2 ナイトビューECU
3 A/Dでコーダ(映像変換手段)、4 映像検知部(判定手段)
5 描画部(信号出力手段)、6 メモリ(記憶手段)、7 映像合成部(信号合成手段)
10,10A 表示ユニット(表示手段)、11,11A メインMPU(MMPU)
12 サブMPU(SMPU)、13 描画IC、14,14A 液晶パネル(LCD)
140 重畳映像、141 映像、142 監視対象、143 マーク画像
144 回転メータ画像、145 速度メータ画像、146 水温メータ画像
147 燃料メータ画像、148 表示領域
20 近赤外線カメラ(カメラ、撮像手段)、21 カメラスイッチ(S/W)
22 映像線、23,23A 車載LAN、31 回転センサ、32 速度センサ
33 水温センサ、34 燃料センサ、S1 作動オン信号、S2 作動オフ信号
S3 出力有り信号、S4 出力無し信号
Sa アナログNTSC信号(映像信号)、Sd デジタルNTSC信号(変換映像信号)
Sb 黒画信号(異常画像信号)、Sc 合成信号、Sm マーク画像信号
Sr 座標信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影している映像を表す映像信号を出力する撮像手段と、
前記映像信号を変換映像信号に変換すると共に、前記映像信号が異常か否かを判定し、前記映像信号が異常な場合に前記異常を表す異常画像の異常画像信号の出力および前記変換映像信号の出力を禁止し、前記映像信号が正常な場合に前記変換映像信号を出力する映像変換手段と、
前記撮像手段が作動している場合において前記映像変換手段からの前記変換映像信号の出力有無を判定する判定手段と、
前記判定手段が出力無し判定をした場合、前記出力無し判定の情報を記憶する記憶手段と、
前記出力無し判定がされた場合、前記異常画像信号を出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段から前記異常画像信号が入力されて前記異常画像を表示すると共に、前記映像変換手段から前記変換映像信号が入力されて前記映像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記信号出力手段は、前記撮像手段が作動しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記信号出力手段は、前記判定手段が出力有り判定をした場合、前記映像において監視対象を指し示すマーク画像のマーク画像信号を出力し、
前記出力有り判定の場合に、前記変換映像信号と前記マーク画像信号とを合成して合成信号を前記表示手段へ出力する信号合成手段を備え、
前記表示手段は、前記出力有り判定の場合に、前記合成信号に基づいて前記映像と前記マーク画像とを重畳した重畳映像を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−290797(P2009−290797A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143824(P2008−143824)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】