説明

表示装置

【課題】表示画像のフレーム周波数を切り替える際に生じるコマ落ちやちらつきなどの画質劣化の発生を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】表示データを画素へ出力する第1の駆動回路と、選択信号を画素へ出力する第2の駆動回路と、モード切替信号に対応して、入力表示データのフレーム周波数を変換するフレーム周波数変換回路と、変換後のフレーム周波数に対応して、第1の駆動回路と第2の駆動回路を制御するタイミング制御回路とを備え、外部装置から入力される入力表示データに対応した画像表示を行い、モード切替信号に対応して、表示パネルに異なるフレーム周波数で画像表示を行う2つ以上の表示領域を生成し、表示領域の一方に変換前のフレーム周波数で画像表示させると共に、表示領域の他方に変換後のフレーム周波数で画像表示させる切替手段を備え、表示領域の境界位置又は大きさの内の少なくとも一方は、時間の経過と共に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係わり、特に、動画の表示性能を向上させるために表示画像の駆動周波数を高速化した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画表示の観点で表示装置を分類した場合、インパルス型表示装置とホールド型表示装置に大別される。インパルス型表示装置とは、例えばブラウン管のように、走査された期間だけ走査された画素の輝度が高くなり、走査直後から輝度が低下するタイプであり、ホールド型表示装置とは、液晶表示装置のように、表示データに基づく輝度を次の走査まで保持し続けるタイプである。
【0003】
ホールド型表示装置は、静止画を表示した場合はちらつきのない良好な表示品質を得ることができるという長所を持つ一方、動画を表示した場合には移動する物体の周囲がぼやけて見える、所謂動画ぼやけが発生し、著しく表示品質が低下するという課題がある。この動画ぼやけの発生要因は、物体の移動に伴い視線を移動する際、輝度のホールドされた表示画像に対して移動前後の表示を観測者が補間する、所謂網膜残像に起因するため、表示装置の応答速度をどれだけ向上させても動画ぼやけは完全に解消しない。
【0004】
この課題に対し、例えば特許文献1に開示されているように、サブフレーム画像を内挿して表示画像のフレーム周波数を上げることで上記動画ぼやけを改善する手法(以下、n倍速駆動と呼ぶ)が知られている。しかしながら、液晶の応答速度は温度依存性が非常に大きく、特に低温時は入力信号に対する追従性が極端に悪くなり、応答時間が増大する。装置内温度が低い場合、液晶が完全に応答して目標輝度に到達する前に、次のサブフレーム画像の書き込みを開始してしまうこととなる。その結果、より深刻な尾引き等の残像が発生するなど表示画像の画質劣化を招くという課題があった。
【0005】
この課題に対し、特許文献2には、装置内温度に応じて、液晶表示パネルのフレーム周波数変換率を制御する表示装置が開示されている。
【0006】
また、動画ぼやけを低減する他の方法として、特許文献3などには、液晶表示パネルの裏面に複数の直下型バックライトを走査線に平行な方向に配置し、走査信号に同期して順次点滅させることで、表示装置の表示特性をインパルス型に近づける手法(以下、走査型間欠点灯駆動と呼ぶ)が開示されている。
【0007】
また一方で、特許文献4に開示されているように、主に表示にかかる消費電力を低減する目的で、液晶表示装置における画面内の一部領域を表示状態とし、他の領域を非表示状態にする手法(以下、パーシャル駆動と呼ぶ)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−302289号公報
【特許文献2】特開2004−177575号公報
【特許文献3】特開2000−321551号公報
【特許文献4】特開2004−45748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に記載の技術では、フレームメモリに蓄えた1フレーム分の画像を所定の周期で読み出し、この読み出したと動きベクトルからサブフレーム画像を生成し、生成された画像を、次の入力画像信号との間に内挿することにより、元のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数での画像表示を可能とする技術であり、フレーム周波数を切り替える際のコマ落ちやちらつきなどの画質劣化の原因については一切記載されていない。
【0010】
同様に、特許文献1、特許文献3、及び特許文献4にもフレーム周波数を切り替える際のコマ落ちやちらつきなどの画質劣化の原因については一切記載されていない。
【0011】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、表示画像のフレーム周波数を切り替える際に生じるコマ落ちやちらつきなどの画質劣化の発生を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決すべく、複数の画素が配列された表示パネルと、表示データに応じた表示信号を前記画素へ出力する第1の駆動回路と、前記表示信号を供給する画素を選択する選択信号を前記画素へ出力する第2の駆動回路と、モード切替信号に対応して、前記入力表示データのフレーム周波数を変換するフレーム周波数変換回路と、前記変換後のフレーム周波数に対応して、前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路を制御するタイミング制御回路とを備え、外部装置から入力される入力表示データに対応した画像表示を行う表示装置であって、前記モード切替信号に対応して、前記表示パネルに異なるフレーム周波数で画像表示を行う2つ以上の表示領域を生成し、前記表示領域の一方に変換前のフレーム周波数で画像表示させると共に、前記表示領域の他方に変換後のフレーム周波数で画像表示させる切替手段を備え、前記表示領域の境界位置又は大きさの内の少なくとも一方は、時間の経過と共に変更する表示装置である。
【0013】
前記課題を解決すべく、複数の画素が配列された表示パネルと、表示データに応じた表示信号を前記画素へ出力する第1の駆動回路と、前記表示信号を受けるべき画素を選択するための選択信号を前記画素へ出力する第2の駆動回路とを備えた表示装置であって、入力表示データのフレーム周波数を変換して表示するフレーム周波数変換回路と、前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路を制御するタイミング制御回路とを備え、第1のフレーム周波数で表示する第1の表示モードと、第2のフレーム周波数で表示する第2の表示モードとの少なくとも2つの表示モードを備え、前記第1と第2のフレーム周波数は異なり、前記第2の駆動回路が出力する前記選択信号が、前記画素を選択する選択期間の長さは、前記第1の表示モードと第2の表示モードにおいてそれぞれ異なり、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとの切替において経由する第3の表示モードを備え、前記第3の表示モードにおける前記選択期間は、前記第1の表示モードにおける選択期間と同じかより短く、かつ前記第2の表示モードにおける選択期間と同じかより長く、前記第3の表示モードにおいては、前記選択期間が時間の経過と共に少なくとも2段階変化する表示装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示画像のフレーム周波数を切り替える際に生じるコマ落ちやちらつきなどの画質劣化の発生を抑制することができる。
【0015】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図2】従来の表示装置における表示モード切替処理の動作手順の一例を説明するフローチャートである。
【図3】従来の表示装置における表示モード切り替え動作の様子を示す概念図である。
【図4】本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替中の表示動作の一例を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替中の表示動作の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態1の表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替処理の動作手順の一例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替動作の様子を示す概念図である。
【図9】本発明の実施形態1の表示装置における第1の表示モードの動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施形態1の表示装置における第3の表示モードである遷移期間中の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態1の表示装置における第2の表示モードの動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態1の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作を説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態1の表示装置に適用可能な走査線の走査動作を説明するための図である。
【図14】本発明の実施形態1の表示装置に適用可能な走査線の走査動作を説明するための図である。
【図15】本発明の実施形態1の表示装置に適用可能な走査線の走査動作を説明するための図である。
【図16】本発明の実施形態2の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態3の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作を説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態4の表示装置の概略構成を説明するための図である。
【図19】本発明の実施形態5の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作及びバックライト制御動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0018】
〈実施形態1〉
〈全体構成〉
図6は本発明の実施形態1の表示装置の概略構成を説明するための図であり、以下、図6に基づいて、実施形態1の表示装置の全体構成を説明する。ただし、図6に示す表示パネルとして液晶表示パネルに本発明を適用した場合について説明するが、表示パネルとしては有機EL(Electro Luminescence)パネルやLCOS(Liquid Crystal On Silicon)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)や電子ペーパー等の走査線駆動回路とデータ線駆動回路を備える他の表示装置にも適用可能である。
【0019】
図6に示す実施形態1の表示装置は、例えば、60Hzと120Hzのフレーム周波数の異なる表示モードを少なくとも2つ備え、その表示モードを切り替える機能を備える構成となっている。このフレーム周波数の切り替えを行うために、実施形態1の表示装置では、フレーム周波数変換回路580と、フレームメモリ590と、タイミング制御回路540と、自走回路550と、パラメータ保持回路560と、パラメータ計算回路570と、データ線駆動回路(ドレイン線駆動回路)520と、走査線駆動回路(ゲート線駆動回路)530と、表示パネル510とを備える構成となっている。
【0020】
実施形態1の表示装置では、外部装置等から入力される入力表示データ502と入力制御信号群501とがフレーム周波数変換回路580に入力され、表示モード切替信号503がパラメータ計算回路に入力される構成となっている。パラメータ計算回路570は、パラメータ保持回路560からの制御パラメータ561に基づいてフレーム周波数変換のための制御パラメータ571をフレーム周波数変換回路580に出力すると共に、表示タイミング制御のための制御パラメータ572をタイミング制御回路540に出力する。フレーム周波数変換回路580は、入力表示データ502を必要に応じてフレームメモリ590に入力すると共に、入力表示データ502や入力制御信号群501にフレーム周波数変換回路580がフレーム周波数変換処理を施し、その出力(フレーム周波数変換制御信号群581、フレーム周波数変換表示データ582)をタイミング制御回路540に出力する。タイミング制御回路540では、フレーム周波数変換回路580から入力、パラメータ計算回路570からの制御パラメータ572、及び自走回路550からの自走制御信号群551に基づいて、データ線駆動回路制御信号群541及び出力表示データ542を生成し、データ線駆動回路520を制御する。また、タイミング制御回路540は走査線駆動回路制御信号群543を生成し、走査線駆動回路530を制御する。
【0021】
以下、図6に基づいて、詳細に説明する。実施形態1の表示装置では、入力制御信号群501は、例えば1フレーム期間(1画面分を表示する期間)を規定する垂直同期信号、1水平走査期間(1ライン分を表示する期間)を規定する水平同期信号、表示データの有効期間を規定するデータ有効期間信号、及び表示データと同期した基準クロック信号等で構成される。
【0022】
また、入力表示データ502、入力制御信号群501、表示モード切替信号503は、図示しない外部の信号発生回路(外部装置)から実施形態1の表示装置に入力される。外部装置は例えば実施形態1の表示装置に接続した映像信号処理装置であり、表示装置内外の温度変化や、入力表示データの特徴や、ユーザからの指示によって表示モードを切り替えるための信号である表示モード切替信号503を生成する。表示モード切替信号503は、本表示装置表示モードの切り替えを指示する信号となる。
【0023】
フレーム周波数変換回路580は、入力表示データ502のフレーム周波数(第1のフレーム周波数)を第2のフレーム周波数に変換したフレーム周波数変換表示データ582を生成する回路である。以降、第1のフレーム周波数(例えば、60Hz)で動作する表示モードを第1の表示モード、第2のフレーム周波数(例えば、120Hz)で動作する表示モードを第2の表示モード、1画面内で第1のフレーム周波数で駆動される領域と第2のフレーム周波数で駆動される領域とが混在される表示モードを第3の表示モードと呼ぶ。また、フレーム周波数変換回路580は、フレーム周波数変換制御信号群581を生成する。このフレーム周波数変換制御信号群581は、例えばフレーム周波数変換表示データ582の1フレーム期間を規定する垂直同期信号、1水平走査期間を規定する水平同期信号、フレーム周波数変換表示データ582の有効期間を規定する表示データ有効期間信号、及びフレーム周波数変換表示データと同期したクロック信号等で構成される。
【0024】
タイミング制御回路540は、フレーム周波数変換回路580から出力されたフレーム周波数変換制御信号群581及びフレーム周波数変換表示データ582と、パラメータ計算回路570から出力された制御パラメータ572とを入力として受け付ける。そして、フレーム周波数変換制御信号群581とフレーム周波数変換表示データ582と、制御パラメータ572とから、データ線駆動回路520を制御するためのデータ線駆動回路制御信号群541と、出力表示データ542と、走査線駆動回路530を制御するための走査線駆動回路制御信号群543とを生成する回路である。
【0025】
パラメータ保持回路560は、フレーム周波数変換回路580やタイミング制御回路540で使用する制御パラメータ561を保持する。例えば、ROM(Read-Only Memory)や、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)フラッシュメモリなどの各種不揮発メモリ等を用いて構成する。制御パラメータ561は、例えばフレーム周波数変換制御信号群581を生成するための、垂直同期信号の周波数(=フレーム周波数)、水平同期信号の周波数、クロックの周波数、表示パネル510の垂直解像度や水平解像度等の表示パネル510を制御するための制御情報である。
【0026】
パラメータ計算回路570は、表示モード切替信号503に基づいて、パラメータ保持回路560に保持される制御情報を参照し、フレーム周波数変換回路580の制御パラメータ571、及びタイミング制御回路540の制御パラメータ572を生成する構成となっている。この実施形態1のパラメータ計算回路570で演算される制御パラメータ571,572は、例えばフレーム周波数変換制御信号群581、データ線駆動回路制御信号群141、出力表示データ542、走査線駆動回路制御信号群5043らを生成するための、垂直同期信号の周波数(=フレーム周波数)、水平同期信号の周波数、クロックの周波数、表示装置の垂直解像度や水平解像度、第1の領域と第2の領域各々の位置、サイズ、後に詳述する待機期間N、後に詳述する走査線選択期間の長さ、フレームメモリ590への書き込みアドレス、及び読み込みアドレス等である。
【0027】
自走回路550は、自走制御信号群551を生成する構成となっている。自走制御信号群551は、タイミング制御回路540に対して、正常なフレーム周波数変換制御信号群581(並びにフレーム周波数変換表示データ582)が安定して入力されない場合に、フレーム周波数変換制御信号群581の代わりに表示パネル510の制御に用いる信号である。自走制御信号群551によって表示パネル510を制御する表示モードを自走モードと呼ぶ。自走モードは、表示パネル510の保護と、ノイズ表示の防止を主な目的として設けられる表示モードである。例えば、正常でない、不安定なフレーム周波数変換制御信号群581に基づいてタイミング制御回路540を動作させると、データ線駆動回路520や走査線駆動回路530などの誤動作を引き起こし、それらの回路や表示パネル510に故障などの悪影響を与える恐れがある。自走モードはこれらの誤動作の発生を防ぐ。
【0028】
また、実施形態1のタイミング制御回路540は、自走モードと通常の表示モードを切り替えて動作させるために、フレーム周波数変換制御信号群581の異常を検知する機能を備える構成となっている。フレーム周波数変換制御信号群581の異常とは、例えば各種信号(垂直同期信号、水平同期信号、データ有効期間信号やクロック信号など)の入力の有無、周波数の過大や過少などである。自走モード時は、表示パネル510にはノイズ表示を防止するため、例えば黒画面を表示する。
【0029】
データ線駆動回路制御信号群541は、例えば出力表示データ542に基づく階調電圧の出力タイミングを規定する出力タイミング信号とデータ電圧の極性を決定する交流化信号、表示データ542と同期したクロック信号等で構成される。
【0030】
走査線駆動回路制御信号群543は、例えば1ラインの走査線選択期間を規定するシフト信号、先頭ラインの走査開始を規定する垂直スタート信号等で構成される。
【0031】
データ線駆動回路520は、表示階調の数に対応した電位を生成すると共に、出力表示データ542に対応した1レベルの電位を選択し、液晶表示パネル510へのデータ電圧(階調電圧、ドレイン信号)521として印加する。
【0032】
走査線駆動回路530は走査線駆動回路制御信号群543に基づき走査線選択信号(ゲート信号)531を生成し、表示パネル510の走査線へ出力する。ここで、実施形態1の走査線駆動回路530は、走査線駆動回路制御信号群543で指定される走査線に対してのみ、それぞれ異なるフレームで走査線選択信号531を出力可能な構成となっている。すなわち、走査線駆動回路制御信号群543に応じて、第1のフレーム周波数で走査線選択信号531を出力する走査線と、第2のフレーム周波数で走査線選択信号531を出力する走査線とを任意に設定可能となっている。
【0033】
表示パネル510は、前述のとおり、周知の液晶表示パネルであり、図6中の左右方向に延在し上下方向に並設される走査線と、図6中の上下方向に延在し左右方向に並設されるデータ線との間の領域に画素511が形成され、マトリクス状に配置される構成となっている。液晶表示パネルの各画素511は、ソース電極、ゲート電極、及びドレイン電極からなるTFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)と、該TFTのソース電極に接続される画素電極と、該画素電極と対向配置される対向電極(共通電極)と、画素電極と対向電極との間の電界で透過率が制御される液晶層とから構成される。このような構成からなる液晶表示パネルでは、走査信号をゲート電極に印加することでTFTのスイッチング動作を行う。TFTが閉状態では、ドレイン電極に接続されるデータ線の電圧がソース電極に接続される画素電極を書き込まれる。一方、TFTが開状態では、画素電極に書き込まれた電圧が保持される。このとき、画素電極の電圧をVd、対向電極の電圧をVCOMとした時、液晶層は画素電極電圧Vdと対向電極電圧VCOMの電位差に基づき偏光方向を変えると共に、液晶層の上下に配置された偏光板を介することで、裏面に配置されたバックライトからの透過光量が変化し階調表示を行う。
【0034】
〈表示モード切替動作〉
次に、図7に本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替(フレーム周波数の切替)処理の動作手順の一例を説明するフローチャートを、図8に本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替動作の様子を示す概念図を示し、以下、図7及び図8に基づいて、図6に示す実施形態1の表示装置における表示モード切替動作を説明する。ただし、実施形態1の表示装置では、後述する従来の表示装置の動作と比べ、表示モード切替時に自走モードへの動作切り替えを行わない点と、パラメータ計算回路570からの制御パラメータ571、572に基づいて、タイミング制御回路540及びフレーム周波数変換回路580の制御パラメータの読み出しと更新とを複数回に分けて行う点とが異なる。従って、以下の説明では、従来の表示装置とは異なるパラメータ計算回路570、タイミング制御回路540、及びフレーム周波数変換回路580の動作について詳細に説明する。また、図8は横軸に時間をとり、入力データと表示装置の表示画像との対応を時間経過に沿って並べた図であり、特に、第1の表示モードのフレーム周波数が、第2の表示モードのフレーム周波数よりも低い場合を示した図である。
【0035】
本フローの開始は表示モード切替信号503の入力であり、図8に示す時刻t0で表示モード切替信号503が入力されると、この表示モード切替信号503の入力をパラメータ計算回路570が受け付ける(ステップ600)と、パラメータ計算回路570が制御パラメータ571、572を計算し直す(ステップ610)。ただし、新しい表示モードに対応する制御パラメータ571、572の計算中の期間は、それまでの表示モードに対応した制御パラメータ571、572をフレーム周波数変換回路581、タイミング制御回路540に出力する。ただし、前述するように、実施形態1の表示装置では、画面全体の一部領域のフレーム周波数のみを変更する第3の表示モードを経ることにより、表示モード切替信号503で指定される表示モードに変更される構成となっているので、このステップ610における演算量は小さなものとなり、1フレーム期間で終了可能となる。
【0036】
制御パラメータの計算が終了すると、パラメータ計算回路570は計算された制御パラメータ571をフレーム周波数変換回路580に出力すると共に、計算された制御パラメータ572をタイミング制御回路に出力する。
【0037】
計算された制御パラメータ571、572が入力されたフレーム周波数変換回路580及びタイミング制御回路540では、入力された制御パラメータ571、572に基づいて内部のパラメータが更新される(ステップ620)。
【0038】
次に、フレーム周波数変換回路580及びタイミング制御回路540がリスタートされ、フレーム周波数変換回路580からは更新されたフレーム周波数変換制御信号群581とフレーム周波数変換表示データ582がタイミング制御回路540に出力される。また、タイミング制御回路540からは更新されたデータ線駆動回路制御信号群541と出力表示データ542がデータ線駆動回路520に出力されると共に、走査線駆動回路制御信号群543が走査線駆動回路530に出力される(ステップ630)。このステップ630における出力に基づいて、第3の表示モードによる画像表示がなされることとなる。
【0039】
次に、予め設定されたNフレーム期間(ただし、Nは自然数)が経過するまで、その制御パラメータでの動作すなわち制御パラメータの変更を行わない表示動作を行う(ステップ640)。このステップ640におけるNフレームの待機は、急激に表示モードが変化することによる画質劣化の発生を防ぐための処置である。Nを小さい値とすると表示モードはすばやく変化し、Nを大きい値とすると表示モードはゆっくり変化する。画質劣化が発生しないように、Nは予め適切に調整しておくことが好ましいが、Nを可変としてもよい。
【0040】
次のステップ650では、画面全体の表示モードの更新が終了したかを判定し、終了していない場合には、ステップ610に戻って、パラメータ計算回路570が制御パラメータ571、572を計算し直すことにより、新しい表示モードに対応する領域を拡大させる。この動作を画面全体の表示モードを更新するまで繰り返す。
【0041】
一方、ステップ650において、画面全体の表示モードの更新が終了したことが判定された場合には、表示モード切替信号で指示された新たな表示モードで動作する(ステップ660)。
【0042】
ただし、Nの値が大きい場合、第1の表示領域と第2の表示領域とを定常的に表示する場合においては、第1の表示領域と第2の表示領域との境界において、両者の駆動方法すなわちフレーム周波数が異なることに起因するスジなどの画質劣化が知覚される。このような画質劣化を回避するために、第1の表示領域と第2の表示領域の境界位置、並びに第2の表示領域のサイズを常に固定とするのではなく、時間的に変動させるように構成することが好ましい。例えば、第2の表示領域の位置をスクロールさせたり、表示領域の境界を振動させるなどの対策をとることで、前記境界のスジなどの画質劣化が知覚されることを防ぐことができる。これは、制御パラメータ571,572を、パラメータ計算回路570が逐次再計算し、時間的に変更することで実現することができる。
【0043】
〈表示動作の説明〉
次に、図4及び図5に本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替中の表示動作の一例を説明するための図を示し、以下、図4及び図5に基づいて、図6に示す実施形態1の表示装置における表示モード切替時における表示動作を説明する。ただし、図4及び図5に示す表示動作図は、表示モード切替中における一例である。
【0044】
図4に示すように、実施形態1の表示装置では、第1のフレーム周波数で動作する第1の表示モードから、第2のフレーム周波数で動作する第2の表示モードへ移行する過程において、表示パネル510における表示画面内の予め設定された領域毎に第1のフレーム周波数から第2のフレーム周波数を変更していき、最終的に表示画面内の全ての領域(表示画面全体)におけるフレーム周波数を第2のフレーム周波数とするものである。すなわち、表示モード切替時にコマ落ちが発生する原因となる表示画面全体のフレーム周波数を急激に変更するために必要となる制御パラメータ571、572の演算に要する時間を減少させることにより、自走モードによる表示画面全体の黒表示を行うことなく、フレーム周波数の切替を可能とする。
【0045】
具体的には、図4に示すように、第1の表示モードから第2の表示モードへ切り替える場合、その移行過程において、表示画面上に第1の表示モードで動作する第1の表示領域401と、第2の表示モードで動作する第2の表示領域402とを設けた第3の表示モードを設けるものである。さらには、第3の表示モードにおける第2の表示領域402の大きさは、例えば画面垂直方向の中央領域のゼロ(ゼロ領域)から初めて、時間経過と共に次第に画面の上下方向に大きくし、最終的に画面全体が第2の表示領域402となるようにする。これとは逆に、第2の表示モードから第1の表示モードに切り替える際は、第3の表示モードにおける第1の表示領域401の大きさは、ゼロから初めて、時間経過と共に次第に大きくし、最終的に画面全体が第1の表示領域401となるようにする。この手順により、コマ落ちが発生せず、表示モードの移行をスムーズに行うことが可能となる。また、第2の表示モードから第1の表示モードへ切り替える際は、前述する図4及び図5に例示した第1の表示領域401と第2の表示領域402との位置が入れ替わるように構成することが好ましい。
【0046】
なお、図4においては、画面の垂直中央に位置するように、第2の表示領域402を構成したが、第2の表示領域402の位置はこれに限定するものではない。例えば、図5に示すように、画面の上部側から第2の表示領域402を形成していき、下部側の第1の表示領域401を順次上部側から第2の表示領域402に置き換えるように構成することもできる。あるいは、他の分割方法としても良い。また、2つの表示領域に分割するだけでなく、必要に応じて更に多数の表示領域に分割してもよい。さらには、第1の表示モードから第2の表示モードへ切り替える場合と、その逆すなわち第2の表示モードから第1の表示モードへ切り替える場合とでは、各々の表示領域の位置や大きさ、さらにはそれぞれの変化速度等を異ならしめる、いわゆるヒステリシスを持たせた構成としてもよい。
【0047】
ただし、図4に示すように、画面の垂直方向の中央部分から表示モードを移行させた領域を拡げる場合は、例えば人間が注視する画面中央部の動画ぼやけを優先的に改善できるという格別の効果を得ることが可能となる。一方、図5に示すように、画面の垂直方向の上部側から表示モードを移行させた領域を拡げる場合は、既存の走査線駆動回路の制御方法からの変更が少なくてすむという格別の効果を得ることが可能となる。例えば、図4に示すように、画面の中央部のみを第2の表示領域402とする場合、画面の中央部の走査線選択信号のみを有効とするように走査線駆動回路を制御する必要がある。ここで、走査線駆動回路530は周知のシフトレジスタで構成することが簡易であり、一般的であるため、画面上部の第1の表示領域401の走査線を非選択としたまま、第2の表示領域402の走査線を選択するためには、シフトレジスタのシフト信号を(データ電圧の印加なく)空打ちする等の制御を行う必要がある。これに対し、図5に示すように、画面の上部側からの場合では、シフト信号の空打ちなどの特殊な制御が必要ないからである。
【0048】
次に、図8に本発明の実施形態1の表示装置における表示モード切替動作の様子を示す概念図を示し、以下、図8に基づいて、実施形態1の表示装置における表示モード切替動作を説明する。ただし、図8は横軸に時間をとり、入力データと表示装置の表示画像との対応を時間経過に沿って並べた図であり、特に、第1の表示モードのフレーム周波数が、第2の表示モードのフレーム周波数よりも低い場合を示した図である。
【0049】
以下の説明では、第1の表示モードのフレーム周波数が第2の表示モードのフレーム周波数の1/2の場合について説明する。ただし、図8に示す表示モード切替動作では、第2の表示モードと同じフレーム周波数で入力表示データがフレーム周波数変換回路に入力される場合について説明する。また、以下の説明では、第1の表示モードでは入力表示データの偶数フレームのみを表示させ、第2の表示モードでは入力表示データの全てのフレームを表示させることにより、第2の表示モードのフレーム周波数を第1の表示モードでは1/2に変換し表示している。
【0050】
入力表示データは、i−2フレーム、i−1フレーム、…と順次入力される。ここで、時刻t0すなわちiフレームが入力される際に表示モード切替信号により、表示モードの切り替え(すなわちフレーム周波数の切り替え)が指示される。このとき、図7を用いて説明したように、パラメータ計算回路が制御パラメータを計算し直すことにより、次のi+1フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t1では、i+1フレームの1画面分の入力表示データの内で中央部分の一部のみが画像表示される。すなわち、i+1フレームの入力画像データの一部が第2の表示領域として表示されるように、制御パラメータが更新される。
【0051】
次のi+2フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t2では、i+2フレームの1画面分の入力表示データのすべてが画像表示される。
【0052】
i+3フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t3では、i+3フレームの1画面分の入力表示データの内で、時刻t1よりも大きい中央部分の一部領域のみが第2の表示領域として画像表示される。
【0053】
i+4フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t4では、i+4フレームの1画面分の入力表示データのすべてが画像表示される。
【0054】
i+5フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t5では、i+5フレームの1画面分の入力表示データの内で、時刻t3よりも大きい中央部分の一部領域のみが第2の表示領域として画像表示される。
【0055】
i+6フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t6では、i+6フレームの1画面分の入力表示データのすべてが画像表示される。
【0056】
次のi+7フレームの入力表示データが表示画像として表示される時刻t7では、i+7フレームの1画面分の入力表示データの全てが第2の表示領域の画像として表示される。すなわち、時刻t7以降では、第2の表示モードとなり、全ての入力表示データが1フレーム周期で順次表示される。
【0057】
このように、実施形態1の表示装置では、表示モード切替信号の入力後に、第3の表示モードでi+1フレーム、i+3フレーム、i+5フレームと徐々に、第2の表示領域を大きくし、i+7フレームでは画面全体を第2の表示領域とする第2の表示モードで画像表示を行うことによって、表示モードの切り替え動作が終了する。
【0058】
本発明の実施形態1の表示装置では、表示モードの切替を行うための制御パラメータの変更を、パラメータ保持回路からの読み出しでなく、パラメータ計算回路での計算によって行う。これにより、制御パラメータの更新に要する時間を短縮できるため、コマ落ちを発生させることなく、表示モードの変更を実施できる。
【0059】
なお、ここで示したフレーム周波数やフレーム周波数の切り替え順は、説明のためにとりあげた一例であり、他の組み合わせを選択しても良い。また、図8のフレーム周波数変換の例では、偶数フレームを表示しないことにより、フレーム周波数を変更する方式を示したが、補間演算によって新たなサブフレームを生成し、生成されたサブフレームを入力表示データ間に内挿することによってフレーム周波数変換を行う方式をとってもよい。また、入力表示データのフレーム周波数と、第1のフレーム周波数と、第2のフレーム周波数との組み合わせに特に制限はなく、任意の組み合わせとしてよい。
【0060】
ただし、動画ぼやけを低減する目的においては、第1のフレーム周波数と第2のフレーム周波数の少なくとも一方を入力表示データのフレーム周波数よりも大きくすることが好ましい。一方、消費電力を低減する目的においては、第1のフレーム周波数と第2のフレーム周波数の少なくとも一方を入力表示データのフレーム周波数よりも小さくすることが好ましい。
【0061】
〈表示モード切替制御の詳細説明〉
次に、図9に本発明の実施形態1の表示装置における第1の表示モードの動作の一例を示すタイミングチャートを、図10に本発明の実施形態1の表示装置における第3の表示モードである遷移期間中の動作の一例を示すタイミングチャートを、図11に本発明の実施形態1の表示装置における第2の表示モードの動作の一例を示すタイミングチャートを示し、以下、図9〜図11に基づいて、実施形態1の表示装置における表示モード切替時の詳細動作を説明する。なお、以下の説明では、説明を簡単にするために、走査線数が10本(すなわち、垂直方向の解像度が10ラインであり、走査線選択信号も10本)の場合について説明するが、走査線の本数は10本に限定されることはなく、一般的な表示装置では数百から数千の走査線で構成される。また、走査線選択信号は少なくとも選択(ハイレベル時)・非選択(ローレベル時)の2つの状態を持ち、所定のラインの表示を更新する場合は、該当するラインの走査線を、走査線選択信号が選択し、同ラインの選択期間中に、同ラインの該当する入力表示データに対応したデータ電圧を印加することにより、当該入力表示データが該当する画素に保持される。
【0062】
また、図9〜図11は、図8に示す表示モード切替時における入力制御信号群(垂直同期信号と水平同期信号)、入力表示データ、データ線駆動回路から出力されるデータ電圧、及び走査線駆動回路から出力される走査線選択信号との関係を示した図である。従って、図9に示す第1の表示モードでは入力表示データの偶数フレームのみ表示し(すなわち、第1の表示モードではフレーム周波数を1/2に変換して表示する)、図10に示す第3の表示モードでは第1の表示モードから第2の表示モードへ切り替える過程でライン4〜7を第2の表示領域とし、その他のラインを第1の表示領域とし、図11に示す第2の表示モードでは入力表示データをそのまま表示する(すなわち、第2の表示モードではフレーム周波数変換を行わない)場合を示す。
【0063】
図9から明らかなように、第1の表示モードでは、フレーム周波数が120Hzの場合の偶数フレームである時刻t10〜t11に入力される入力表示データが、第1の表示モードのフレーム周波数(入力表示データのフレーム周波数の1/2)に対応するフレーム期間である時刻t10〜t12の期間で表示される。
【0064】
すなわち、垂直方向の解像度が10ラインであるため、1フレーム期間である時刻t10〜t11の期間に水平同期信号に同期して、10ライン分の入力表示データである入力表示データ1〜10が入力される。なお、網掛けで示したラインは、垂直帰線期間であり、入力表示データの入力は行われない。また、入力された入力表示データはフレームメモリに一旦格納され、順次読み出される。
【0065】
この10ライン分の入力表示データ1〜10は、フレーム周波数変換回路の動作により、表示パネルのフレーム周波数は1/2となるため、走査線選択信号並びにデータ電圧は、時刻t10〜t12の2フレーム期間中に10ライン分の信号を表示パネルに出力する。実施形態1においては、1本の走査線選択信号を選択する選択期間は、水平同期信号の1周期よりも長くなる。
【0066】
すなわち、偶数フレーム期間である時刻t10〜t11に入力された入力画像データに対応した画像表示として、第1の表示モードでは、時刻t10〜t12の期間において、水平同期信号の1周期よりも長い期間で入力画像データ1〜10に対応するデータ電圧を順番に出力すると共に、走査線選択信号1〜10を出力することにより、表示パネルのフレーム周波数を1/2にした画像表示を行う。
【0067】
この図9に示す第1の表示モードでの表示動作中に表示モード切替が指示された場合には、図10に示す表示モードである第3の表示モードでの表示動作を経過した後に、第2の表示モードに移行することとなる。この第3の表示モードを、以下、図10に基づいて詳細に説明する。
【0068】
図10に示すように、第3の表示モードにおいても外部装置より入力される入力画像データのフレーム周波数は変化しないので、時刻t30〜t31及び時刻t31〜t33で示す1フレーム期間毎に、各フレーム期間に対応した10ライン分の入力表示データ1〜10が順次入力される。すなわち、1フレーム期間中に、10ライン分の入力表示データが入力される。
【0069】
一方、画面表示は、前述のとおり、第1の表示領域と第2の表示領域に分けて行う。入力2フレーム期間中に、走査線選択信号4〜7は2回ずつ選択し、その他の走査線選択信号は1回のみ選択する。データ電圧も走査線選択信号の走査線選択期間に同期させ、各々のラインに、対応するデータ電圧を印加する。すなわち、ライン4〜7は入力2フレーム期間中に、2回データ電圧を印加する。
【0070】
すなわち、第3の表示モードにおいては、偶数フレーム期間である時刻t30〜t31に入力された入力画像データに対応した画像表示として、時刻t30〜t32の期間において、水平同期信号の1周期よりも長い期間で入力画像データ1〜10に対応するデータ電圧を順番に出力すると共に、走査線選択信号1〜10を出力することにより、第1の表示領域での画像表示を行う。一方、次のフレーム期間である時刻t31〜t33に入力された入力画像データに対応した画像表示として、時刻t32〜t33の期間において、水平同期信号の1周期よりも長い期間で入力画像データ1〜10の内の一部である入力画像データ4〜7に対応するデータ電圧を順番に出力すると共に、走査線選択信号4〜7を出力することにより、第2の表示領域での画像表示を行う。この時刻t30〜t33の期間における第1の表示領域と第2の表示領域との画像表示では、走査線選択信号1〜3と走査線選択信号8〜10が入力される走査線に対応する領域が第1の表示領域となり、走査線選択信号4〜7が入力される走査線に対応する領域が第2の表示領域となる。すなわち、図10から明らかなように、第1の表示領域では1フレーム周波数の1/2での画像表示となり、第2の表示領域では1フレーム周波数での画像表示となる。
【0071】
ただし、1本の走査線選択信号を選択する走査線選択期間は、水平同期信号の1周期よりも長くなる。また、第1の表示モードにおける走査線選択期間の長さよりも短く、第2の表示モードにおける走査線選択期間の長さよりも長くなる。
【0072】
前述する第3の表示モードを経過した後の第2の表示モードでは、図11に示す第2の表示モードでの画像表示となる。以下、図11に基づいて、第2の表示モードを詳細に説明する。
【0073】
第2の表示モードでは、フレーム周波数が120Hzの場合のフレーム期間である時刻t20〜t21に入力される入力表示データが、第2の表示モードのフレーム周波数である120Hzに対応するフレーム期間である時刻t20〜t21の期間で表示される。同様に、時刻t21〜t22に入力される入力表示データが、時刻t21〜t22の期間で表示される。
【0074】
すなわち、垂直方向の解像度が10ラインであるため、1フレーム期間である時刻t20〜t21の期間に水平同期信号に同期して、10ライン分の入力表示データである入力表示データ1〜10が入力される。この10ライン分の入力表示データ1〜10はフレーム周波数変換回路によるフレーム変換がなされることなく、タイミング制御回路からデータ線駆動回路に出力され、時刻t20〜t21の1フレーム期間中にデータ電圧として順次出力される。このように、時刻t20〜t21に入力された入力画像データに対応した画像表示として、第2の表示モードでは、時刻t20〜t21の期間において、水平同期信号と同じ周期で入力画像データ1〜10に対応するデータ電圧を順番に出力するので、走査線選択信号1〜10も水平同期信号と同じ周期で出力されることにより、表示パネルのフレーム周波数120Hzでの画像表示となる。ただし、1本の走査線選択信号を選択する選択期間は、水平同期信号の1周期に相当する。
【0075】
同様に、時刻21以降においても、1フレーム期間に入力される10ライン分の入力表示データ1〜10が、フレーム周波数変換回路によるフレーム変換がなされることなく、タイミング制御回路からデータ線駆動回路に出力され、1フレーム期間中にデータ電圧として順次出力される。また、走査線選択信号1〜10も水平同期信号と同じ周期で出力され、表示パネルのフレーム周波数120Hzでの画像表示がなされる。
【0076】
ところで、走査線選択期間を短くすると、各画素へデータ電圧を印加する時間(すなわち、各画素へ充放電する時間)が短くなり、画素の電位が目標値に十分に収束しなくなってくる。よって、安定した表示を行うためには、画素の電位が収束するのに充分な長さの走査線選択期間を確保する必要がある。例えば、フレーム周波数が上がると、それに応じて走査線選択期間は短くせざるを得ないため、安定した表示を行うことの難易度が上がる。言い換えると、フレーム周波数が下がると、表示の安定性が上がる。すなわち、第1の表示モードでは、第2の表示モードに比べ、表示の安定性が上がることとなる。
【0077】
〈第3の表示モードの詳細説明〉
次に、図12に本発明の実施形態1の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作を説明するための図を示し、以下、図12に基づいて、実施形態1の表示装置における走査線の遷移過程を詳細に説明する。ただし、図12において、図12(a)は第1の表示モード時の走査線の走査動作を示し、図12(b)、(c)は第3の表示モード時(表示モード遷移時)における走査線の走査動作を示し、図12(d)は第2の表示モード時の走査線の走査動作を示す。また、以下の説明では、第1の表示モード(60Hz)から第2の表示モード(120Hz)へ表示モードを切り替える場合について説明するが、第2の表示モード(120Hz)から第1の表示モード(60Hz)へ表示モードを切り替える場合は以下の説明の逆に遷移させれば適用可能である。なお、図12において、横軸は時間を示し、縦軸は走査線を選択する走査位置を示すものである。
【0078】
以下、図12(a)〜図12(d)に基づいて、表示モード切替信号がパラメータ計算回路に入力されることによる走査線の走査動作を説明する。
【0079】
表示モード切替信号が入力される以前の第1の表示モード時(例えば、フレーム周波数60Hz)には、図12(a)に示すように、例えば、フレーム周波数120Hzに対応したフレーム期間(T期間)で入力される入力画像データの偶数フレームに対応した入力画像データが、フレーム周波数60Hzに対応したフレーム周期すなわち2フレーム期間(2T期間)である時刻t0〜t4の期間で矢印(ベクトル)1201によって示すように、表示パネルの画面上部から画面下部にかけての画面全体の走査で画像表示される。この画面全体の走査は、前述する図9に説明したように、表示パネルの上部側に配置される画素から下部側に配置される画素に対して、順次表示画像に対応した画素電圧を書き込む動作すなわち走査線の走査動作に対応する。
【0080】
表示モード切替信号が入力され表示モードが第3の表示モードになると、図12(b)に示すように、矢印1201で示す時刻t0から開始される偶数フレームの画像表示に割り当てられる期間が時刻t0〜t3の期間に短縮される。この短縮により生じた時刻t3〜t4の期間において、次のフレーム(奇数フレーム)の表示画像データの内の一部領域の表示画像データが矢印1202で示す第2の表示領域の走査領域(図中に斜線で示す第2の画像領域)に画像表示されることとなる。このとき、実施形態1の表示装置では、計算量を少なくするために、時刻t0〜t3における走査線の走査(切替)速度(図12中における矢印1201の傾斜角で表される)と、時刻t3〜t4における走査線の走査速度(図12中における矢印1202の傾斜角で表される)とを同じ速度としている。
【0081】
このとき、第1の表示モードのフレーム周波数が、第2の表示モードのフレーム周波数の1/2となるような表示モードの組み合わせにおいては、例えば、図12(b)に示すように、1フレームの長さをT、全画面の走査線数と、第2の表示領域の走査線数の比を1:s (0≦s≦1)とした場合、時刻t0〜t3の1回目の画面全体の走査を2/(1+s)×Tの時間で終了し、時刻t3〜t4の第2の表示領域の走査を2s/(1+s)×Tで終了するように構成することが好ましい。
【0082】
第3の表示モード中であって、図12(b)に示す状態から所定時間経過後には、図12(c)に示すように、矢印1201で示す時刻t0から開始される偶数フレームの画像表示に割り当てられる期間が時刻t0〜t2の期間にさらに短縮される。このさらなる短縮により生じた時刻t2〜t4の期間において、次のフレーム(奇数フレーム)の表示画像データの内の一部領域の表示画像データが矢印1202で示す第2の表示領域の走査領域に画像表示されることとなる。
【0083】
この後に、図12(d)に示すように、第2の表示領域が画面全体となり、第3の表示モードが終了し第2の表示モードとなると、矢印1202で示す時刻t0〜t1の期間における偶数フレームの画像表示と、矢印1202で示す時刻t1〜t4の期間における奇数フレームの画像表示となる。すなわち、画像入力データのフレーム周波数と同じフレーム周波数での画像表示への切り替えが完了となり、画面全体の走査が1フレーム期間となる。
【0084】
なお、図12に示す説明では、表示モードの移行を4段階で行う例を示したが、より多くの段階を踏んで移行するように構成しても良い。あるいは、より少ない段階数で移行するように構成しても良いが、移行を滑らかに実施するためには、段階数は少なすぎない適切な数に設定する必要がある。また、図12のように横軸、縦軸をとった場合、走査位置の時間経過を示すベクトルは、1回目の画面全体の走査と第2の表示領域の走査とでほぼ平行となる(すなわち、1回目の画面全体の走査における選択時間と、第2の表示領域における選択時間がほぼ等しくなる)ように構成することが好ましい。これは、場所によって選択時間が異なると、データ電圧の収束性に差が生じ、ムラなどの画質劣化を生じるためである。
【0085】
このときの走査線の走査動作は、図13に示すように、時刻t1〜t2までの第3の表示モード期間(遷移期間)において、第2の表示領域の割合をステップ状(階段状)に増加させるものである。この動作は、前述する図7のステップ640におけるNフレーム期間に対応する時刻t0〜t3の期間毎での増加となる。なお、第2の表示モードから第1の表示モードに移行する際は、図13に示す時刻t1〜t2までの第3の表示モード期間(遷移期間)において、第2の表示領域の割合を時刻t0〜t3の期間毎にステップ毎(階段状)に減少させることにより対応可能である。
【0086】
なお、時刻t1〜t2までの第3の表示期間における第2の表示領域の増加法は、これに限定されることはなく、例えば、図14に示すように、第2の表示領域の割合をランプ波形状に漸増させる構成でもよい。さらには、図15に示すように、第2の表示領域を鋸歯状に増加させる、すなわち第2の表示領域の割合を増減させながら、最終的には増加させる構成でもよい。第3の表示期間における第2の表示領域の増加法は、制御パラメータの計算量や保持パラメータ量、画質劣化の抑制を考慮して、適切に設定する。第3の表示期間における第2の表示領域の増加法は、前述するものに減退されることはなく、他の増加パターンでもよい。
【0087】
〈効果の説明〉
以上説明したように、実施形態1の表示装置では、パラメータ計算回路570を備えると共に、表示モード切替の際に、フレーム周波数変換回路580及びタイミング制御回路540にパラメータ計算回路570が必要となる制御パラメータ571、572を出力し、画像の表示領域を切替前の表示モードと切替後の表示モードとで画像表示させる領域に分け、切替後の表示モードで画像表示させる領域を順次大きくする構成となっているので、パラメータ計算回路570を用いてコマ落ちの原因となるパラメータ保持回路560からの大量の制御パラメータ561の読み出し、及びフレーム周波数変換回路580でのリスタートを防止することができる。その結果、表示画像のフレーム周波数を切り替える際に生じるコマ落ちやちらつきなどの画質劣化の発生を抑制することができる。
【0088】
以下、図1に従来の表示装置の概略構成を説明するための図を示し、表示モード切替に伴うコマ落ちの原因となるパラメータ保持回路からの制御パラメータの読み出し処理、及びフレーム周波数変換回路による演算処理、並びにタイミング制御回路のリスタートについて説明する。
【0089】
図1から明らかなように、従来の表示装置では、外部装置等から入力される入力表示データ102と入力制御信号群101と共に、表示モード切替信号103もフレーム周波数変換回路180に入力される構成となっている。また、フレーム周波数変換回路180には、パラメータ保持回路160からフレーム周波数変換制御信号群181を生成するための、垂直同期信号の周波数(=フレーム周波数)、水平同期信号の周波数、及びクロックの周波数等の制御パラメータ161も直接入力される構成となっている。
【0090】
また、従来の表示においては、フレーム周波数変換回路180から出力されるフレーム周波数変換制御信号群181、及び入力表示データ102のフレーム周波数を変換したフレーム周波数変換表示データ182と共に、制御パラメータ161もタイミング制御回路140に直接入力される構成となっている。
【0091】
また、タイミング制御回路140には自走回路150からの自走制御信号群151が入力され、タイミング制御回路140がフレーム周波数変換制御信号群181の異常(例えば、各種信号(垂直同期信号、水平同期信号、データ有効期間信号やクロック信号など)の入力の有無、周波数の過大や過少など)を検知すると、データ線駆動回路制御信号群141、出力表示データ142、及び走査線駆動回路制御信号群143を制御し、表示パネル110にノイズ表示を防止するための黒画面表示を行わせる。
【0092】
次に、図2に従来の表示装置における表示モード切替(フレーム周波数の切替)処理の動作手順の一例を説明するフローチャートを、図3に従来の表示装置における表示モード切り替え動作の様子を示す概念図を示し、従来の表示装置における表示モード切替動作を説明する。ただし、図3に示す表示モード切替動作は、前述する実施形態1と同様に、第1の表示モードのフレーム周波数が60Hzで、第2の表示モードのフレーム周波数が120Hzの場合を示す。また、第1の表示モードでは、入力表示データの偶数フレームの画像のみを表示させ、第2の表示モードでは全ての入力表示データを画像表示させる。
【0093】
まず、時刻t0以前の画像表示では、入力表示データの内の偶数フレームの画像のみを表示画像として出力させる。
【0094】
時刻t0において、表示モード切替信号の入力が入力されると、フレーム周波数変換回路180が表示モード切替信号の入力を受け付けることとなる(ステップ200)。
【0095】
次に、フレーム周波数変換回路180が表示モード切替信号に基づいて、表示モードの切替動作となるが、パラメータ保持回路160から制御パラメータ161を読出し、タイミング制御回路140を更新する。この処理が完了するまでの期間は、タイミング制御回路140の動作が安定しないため、画面表示が正常には行われない。そのため、表示パネルの保護並びにノイズ表示を回避するために、自走モードに移行する(ステップ210)。このステップ210の自走モード中は、時刻t1に示す入力表示データの表示画像が一旦途絶える現象、すなわちコマ落ち(黒画面表示ないし表示のがたつき、ノイズの表示等を含む)が発生することを意味する。
【0096】
次に、フレーム周波数変換回路180及びタイミング制御回路140がパラメータ保持回路160から制御パラメータ161を読み出す(ステップ220)。ただし、パラメータ保持回路160を形成するメモリから制御パラメータ161を読み出すにも、相応の時間を要する。
【0097】
次に、フレーム周波数変換回路180が制御パラメータ161に基づいて、フレーム周波数変換制御信号群181とフレーム周波数変換表示データ182とを生成する。(ステップ230)。
【0098】
次に、タイミング制御回路140をリスタートする(ステップ240)。ただし、タイミング制御回路140のリスタートにも所定の時間を要する。
【0099】
ステップ240におけるタイミング制御回路140の動作が安定すると自走モードが解除され(ステップ250)、時刻t2以降は、表示モード切替信号で指定された新たな表示モードで動作する(ステップ260)。
【0100】
このとき、パラメータ保持回路160からの制御パラメータ161の読み出し時間は、メモリの読み出し速度に依存すると共に、制御パラメータ161のデータ量にも依存することとなるので、データ量が多くなるとその読み出し時間も長くなり、コマ落ちの期間が長くなってしまう。表示装置のユーザ(視聴者、観察者)の快適性や利便性、及び画質の観点で好ましくない。
【0101】
〈実施形態2〉
図16は本発明の実施形態2の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作を説明するための図であり、図16(a)は第1の表示モード時の走査線の走査動作を示し、図16(b)〜図16(d)は第3の表示モード時(表示モード遷移時)における走査線の走査動作を示し、図16(e)は第2の表示モード時の走査線の走査動作を示す。ただし、実施形態2の表示装置は、第3の表示モード時における第2の表示領域の表示方法が異なるのみで、他の構成は実施形態1の表示装置と同じ構成となる。従って、以下の説明では、第3の表示モード時における走査線の走査動作を詳細に説明する。なお、図16において、横軸は時間を示し、縦軸は走査線を選択する走査位置を示すものである。
【0102】
以下、図16に基づいて、実施形態2の表示装置における走査線の遷移過程を詳細に説明する。なお、図16において、網掛け部は第2の表示領域となる走査線位置を示し、斜線部は走査を行わない非走査期間を示す。
【0103】
表示モード切替信号が入力される以前の第1の表示モード時(例えば、フレーム周波数60Hz)には、図16(a)に示すように、例えば、フレーム周波数120Hzに対応したフレーム期間(T期間)で入力される入力画像データの偶数フレームに対応した入力画像データが、フレーム周波数60Hzに対応したフレーム周期すなわち2フレーム期間(2T期間)である時刻t0〜t4の期間で矢印(ベクトル)1601によって示すように、表示パネルの画面上部から画面下部にかけての画面全体の走査で画像表示される。
【0104】
表示モード切替信号が入力され表示モードが第3の表示モードになると、図16(b)に示すように、矢印1601で示す時刻t0から開始される偶数フレームの画像表示に割り当てられる期間が時刻t0〜t3の期間に短縮される。この短縮により生じた時刻t3〜t4の期間においては、非走査期間として画像更新はなされない。
【0105】
第3の表示モード中であって、図16(b)に示す状態から所定時間経過後には、図16(c)に示すように、矢印1601で示す時刻t0から開始される偶数フレームの画像表示に割り当てられる期間が時刻t0〜t2の期間にさらに短縮される。このさらなる短縮により生じた時刻t2〜t4の期間においては、図16(b)と同様に、非走査期間として画像更新はなされない。
【0106】
第3の表示モード中であって、図16(c)に示す状態からさらに所定時間経過後には、図16(d)に示すように、矢印1601で示す時刻t0から開始される偶数フレームの画像表示に割り当てられる時刻t0〜t1の期間が1フレーム期間となったところ、すなわち時刻t1〜t4の期間が1フレーム期間になったところで、図16(e)に示すように、時刻t1〜t4における入力画像データに対応した画像表示を行う。これにより、第2表示領域での全画面表示すなわち画面全体の走査がフレーム周波数120Hzでなされることとなるので、実施形態1の表示装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0107】
なお、実施形態2の表示装置では、表示モードの移行を5段階で行う構成としたが、これに限定されることはなく、より多くの段階を踏んで移行するように構成しても良い。あるいは、より少ない段階数で移行するように構成しても良いが、移行を滑らかに実施するためには、段階数は適切に設定する必要がある。
【0108】
第1の表示モードから第2の表示モードへ移行する際は、走査線の選択期間を徐々に短くしていく。それに伴って、走査を行わない非走査期間が徐々に長くなる(図16(a)→図16(b)→図16(c)→図16(d))。
【0109】
そして、走査線選択期間が第2の表示モードと同等となった時点である図16(d)に示す時点で、奇数フレームの走査を開始することで、第2の表示モードに移行する(図16(d)→図16(e))。
【0110】
反対に、第2の表示モードから第1の表示モードへ移行する際は、まず奇数フレームの走査をとりやめる(図16(e)→図16(d))。次に、走査線の選択期間を徐々に長くしていく。それに伴って、非走査期間が徐々に短くなる(図16(d)→図16(c)→図16(b)→図16(a))。最終的に、2フレーム期間をかけて1画面分を走査するようになることで、第1の表示モードへ移行する。
【0111】
〈実施形態3〉
図17は本発明の実施形態3の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作を説明するための図であり、図17(a)は第1の表示モード時の走査線の走査動作を示し、図17(b)〜図17(d)は第3の表示モード時(表示モード遷移時)における走査線の走査動作を示し、図17(e)は第2の表示モード時の走査線の走査動作を示す。ただし、実施形態3の表示装置は、第3の表示モード時における第2の表示領域の表示方法が異なるのみで、他の構成は実施形態1の表示装置と同じ構成となる。従って、以下の説明では、第3の表示モード時における走査線の走査動作を詳細に説明する。なお、図17において、横軸は時間を示し、縦軸は走査線を選択する走査位置を示すものである。
【0112】
以下、図17に基づいて、実施形態3の表示装置における走査線の遷移過程を詳細に説明する。なお、図17において、網掛け部は第2の表示領域となる走査線位置を示し、斜線部は走査を行わない非走査期間を示す。
【0113】
表示モード切替信号が入力される以前の第1の表示モード時(例えば、フレーム周波数60Hz)には、図17(a)に示すように、例えば、フレーム周波数120Hzに対応したフレーム期間(T期間)で入力される入力画像データの偶数フレームに対応した入力画像データが、フレーム周波数60Hzに対応したフレーム周期すなわち2フレーム期間(2T期間)である時刻t0〜t4の期間で矢印(ベクトル)1701によって示すように、表示パネルの画面上部から画面下部にかけての画面全体の走査で画像表示される。
【0114】
表示モード切替信号が入力され表示モードが第3の表示モードになると、図17(b)に示すように、まず走査線の選択期間を第2の表示モードでの選択期間と等しくすると共に、後半の1フレーム期間を非走査期間とする。すなわち、時刻t0〜t6の2フレーム期間を、時刻t0〜t1の1フレーム期間と時刻t1〜t6の1フレーム期間に分けた後に、時刻t1〜t6の1フレーム期間を非走査期間とすることにより、画像の更新を行わない。
【0115】
従って、矢印1701で示す時刻t0から開始される偶数フレームの画像表示に割り当てられる期間が時刻t0〜t1の期間に短縮され、短縮された時刻t0〜t1の期間においては、画面全体の走査がなされ、偶数フレームの画像表示が行われる。
【0116】
第3の表示モード中であって、図17(b)に示す状態から所定時間経過後には、図17(c)に示すように、矢印1701で示す時刻t0〜t1の期間においては画面全体の走査がなされ、時刻t3〜t4の期間においては次のフレーム(奇数フレーム)の表示画像データの内の一部領域の表示画像データが矢印1702で示す第2の表示領域の走査領域に画像表示されることとなる。
【0117】
第3の表示モード中であって、図17(c)に示す状態からさらに所定時間経過後には、図17(d)に示すように、矢印1701で示す時刻t0〜t1の期間においては画面全体の走査がなされ、時刻t2〜t5の期間においては次のフレーム(奇数フレーム)の表示画像データの内の一部領域の表示画像データが矢印1702で示す第2の表示領域の走査領域に画像表示されることとなる。
【0118】
この後に、図17(e)に示すように、第2の表示領域が画面全体となり、第3の表示モードが終了し第2の表示モードとなると、矢印1702で示す時刻t0〜t1の期間における偶数フレームの画像表示(画面全体の走査)と、矢印1702で示す時刻t1〜t6の期間における奇数フレームの画像表示(画面全体の走査)となる。すなわち、画像入力データのフレーム周波数と同じフレーム周波数での画像表示への切り替えが完了となり、画面全体の走査が1フレーム期間となる。これにより、第2表示領域での全画面表示すなわち画面全体の走査がフレーム周波数120Hzでなされることとなるので、実施形態1の表示装置と同様の効果を得ることが可能となる。
【0119】
なお、実施形態3の表示装置においても、表示モードの移行を5段階で行う例を示したが、より多くの段階を踏んで移行するように構成しても良い。あるいは、より少ない段階数で移行するように構成しても良いが、移行を滑らかに実施するためには、段階数は適切に設定する必要がある。
【0120】
第1の表示モードから第2の表示モードへの移行時は、図17(a)→図17(b)→図17(c)→図17(d)→図17(e)の順に動作を遷移させる。逆に、第2の表示モードから第1の表示モードへ移行する場合は、図17(e)→図17(d)→図17(c)→図17(b)→図17(a)の順に動作を遷移させる。
【0121】
実施形態3の表示装置においては、第1の表示モードから第2の表示モードへ移行する際は、まず走査線の選択期間を第2の表示モードと等しくする(図17(a)→図17(b))。このとき、1フレーム分が非走査期間となる。
【0122】
次に、偶数フレームの走査を開始し、徐々に第2の表示領域を大きくしていく(図17(b)→図17(c)→図17(d)→図17(e))。
【0123】
最終的に第2の表示領域が全画面分の大きさとなることで、第2の表示モードへ移行する。
【0124】
反対に、第2の表示モードから第1の表示モードへ移行する際は、走査線の選択期間を変えないまま、第2の表示領域の大きさを徐々に小さくしていく(図17(e)→図17(d)→図17(c)→図17(b))。最終的に第2の表示領域がなくなったときに図17(b)、走査線の選択期間を第1の表示モードと同じ長さにし、2フレーム期間をかけて全画面の走査を行うようにすることで、第1の表示モードに移行する(図17(b)→図17(a))。
【0125】
〈実施形態4〉
図18は本発明の実施形態4の表示装置の概略構成を説明するための図であり、以下、図18に基づいて、実施形態4の表示装置の全体構成及び動作を説明する。ただし、実施形態4の表示装置は、表示モード制御回路1401及び該表示モード制御回路1401で生成した表示データ切替信号1402をパラメータ計算回路570に入力する構成が異なるのみで、他の構成は実施形態1の表示装置と同じ構成となる。従って、以下の説明では、表示モード制御回路1401について詳細に説明する。
【0126】
図18から明らかなように、実施形態4の表示装置では、表示モード制御回路1401を備える構成となっている。また、図示しない外部装置からフレーム周波数変換回路580に入力される入力制御信号群1401と入力表示データ1402とが分岐され、実施形態4の表示モード制御回路1401に入力される構成となっている。また、表示モード制御回路1401の出力である表示データ切替信号1402は、パラメータ計算回路570に入力される構成となっている。ここで、パラメータ計算回路570は、パラメータ保持回路560からの制御パラメータ561に基づいてフレーム周波数変換のための制御パラメータ571をフレーム周波数変換回路580に出力すると共に、表示タイミング制御のための制御パラメータ572をタイミング制御回路540に出力する。すなわち、実施形態4の表示装置では、実施形態1では外部装置が行っていた表示モードの切り替えを、表示装置本体で行うことを可能とするものである。
【0127】
実施形態4の表示モード制御回路1401は、入力表示データ1402の特徴に基づいて、例えば、映像の動きの大きさを検知し、その検知結果に応じて表示データ切替信号1402を出力し、表示モードを切り替える。例えば、動きの速い映像を表示する領域は、第2の表示モードとし、動きの遅いないし静止画を表示する領域を第1の表示モードとすることで、前述する実施形態1の表示装置における効果に加えて、動きぼやけの低減と消費電力の削減を両立させることができるという格別の効果を得ることができる。
【0128】
なお、実施形態4の表示モード制御回路1401は入力制御信号群1401と入力表示データ1402とに基づいて、表示データ切替信号1402を出力する構成としたが、これに限定されない。例えば、表示装置内外の温度変化や内蔵する回路の消費電力の変化を検出する周知の回路を表示モード制御回路1401に形成することにより、入力表示データの映像の特徴の他に、表示装置内外の温度変化や内蔵する回路の消費電力の変化に応じてもフレーム周波数を切り替えることが可能となる。
【0129】
例えば、表示装置の環境温度が低い場合はフレーム周波数を下げ、装置温度が上昇するとフレーム周波数を上げて動作する。これにより、例えば液晶パネルを用いた表示装置において、液晶の応答速度の温度依存性に応じて適切なフレーム周波数に調整し、環境温度によらず、動画ぼやけなどのノイズの少ない良好な画質を得ることができる。
【0130】
また、表示装置を一般家庭向けのテレビ受像機などの用途に使用した場合は、装置内外の温度変化は比較的小さいが、自動車や航空機などの移動体に搭載する用途で使用した場合は、装置内外の温度変化は非常に大きくなる。実施形態1の表示装置を、このような移動体向け用途に使用した場合、滑らかに適切なフレーム周波数に移行可能である。
【0131】
また、表示装置内部の電子部品などの温度上昇や消費電力を観測し、予め定めた値を超えて電子部品が発熱したり、消費電力が上昇している場合は、フレーム周波数を下げるように構成することができる。この処理により、表示装置を過熱や過電流による破壊から保護することができる。また、消費電力の抑制にもつながる。
【0132】
また、例えば入力表示データの特徴を抽出し、この抽出した特徴に応じてフレーム周波数を変更するように構成することができる。入力表示データの特徴とは、例えば映像の動きの大きさである。例えば動きの速い映像が入力された場合は、フレーム周波数を上げ、静止画ないし動きの遅い映像が入力された場合はフレーム周波数を下げる。これにより、動画ぼやけの改善と消費電力の抑制の双方をバランスよく両立させることができる。
【0133】
さらには、例えば入力表示データの特徴として、ベタ表示や、市松表示、縦や横のストライプ表示、といった特定の幾何学的パターンを検出してもよい。表示装置の構成によっては特定の幾何学的パターンを入力すると、表示画像に着色、ムラ、残像などの画質劣化が発生したり、あるいは装置の各部が過熱したりする場合がある(このような不具合を発生する幾何学的パターンをワーストパターンと呼ぶ)。このようなワーストパターンが入力表示データとして入力された場合は、より症状を緩和するように、フレーム周波数を切替るように構成することができる。
【0134】
〈実施形態5〉
図19は本発明の実施形態5の表示装置における第3の表示モード時での走査線の走査動作及びバックライト制御動作を説明するための図である。特に、図19(a)は第1の表示モードにおける走査型間欠点灯駆動の動作の一例を示し、図19(b)は第3の表示モードにおける走査型間欠点灯駆動の動作の一例を示し、図19(c)は第2の表示モードにおける走査型間欠点灯駆動の動作の一例を示し、図19(d)は第3の表示モードにおける走査型間欠点灯駆動の動作の他の例を示す。ただし、実施形態5の表示装置は、第3の表示モード時におけるバックライト点消灯方法が異なるのみで、他の構成は実施形態1の表示装置と同じ構成となる。従って、以下の説明では、第3の表示モード時における走査線の走査動作に対応したバックライトの点消灯動作を詳細に説明する。なお、図19において、横軸は時間を示し、縦軸は走査線を選択する走査位置を示すものである。
【0135】
実施形態5の表示装置では、複数の直下型バックライトを備える液晶表示パネルを表示パネルとしており、各バックライトは走査線に平行な方向に配置させる構成となっている。また、実施形態5の表示装置では、走査信号に同期してバックライトを順次点滅制御することで、液晶表示パネルを用いた場合の表示特性をインパルス型に近づける構成とする。
【0136】
以下、図19(a)〜図19(d)に基づいて、第1〜第3の表示モードに対応したバックライトの点滅動作を説明する。ただし、図19中において、網掛け(ハッチング)した箇所は各バックライト領域の消灯期間を示し、網掛けのない箇所は点灯期間を示す。また、実施形態5の表示装置では、バックライトを縦方向に4つの領域に分割した場合を示す。
【0137】
図19(a)に示すように、第1の表示モードにおける時刻t0〜t3の2フレーム期間での全画面表示の走査では、上段のバックライトから下段のバックライトに対して、2フレーム期間を1周期とした所定期間の消灯を、順次走査信号の走査に同期して繰り返すことにより、画素データの書き込み中の画素に対応したバックライトの間欠点灯駆動を行う。これにより、第1の表示モードに対応した表示装置に対するインパルス型の表示特性を得ることができる。
【0138】
また、図19(b)に示すように、画面に第1の表示領域と第2の表示領域が混在する第3の表示モード(遷移期間)においては、第2の表示領域に対応する走査と第1の表示領域に対応する走査とに両方の走査に同期して、バックライトを間欠点灯駆動させる。これにより、第1の表示領域と第2の表示領域のバックライトの点灯方法が異なることが減となる輝度ムラ等の画質劣化を防止できる。
【0139】
すなわち、図19(b)に示す第3の表示モードにおける時刻t0〜t2における第1の表示領域に対する矢印で示す画面走査と、時刻t2〜t3における第2の表示領域に対する矢印で示す画面走査とに同期して、バックライトを間欠点灯駆動させる。
【0140】
また、図19(c)に示すように、第2の表示モードにおける時刻t0〜t1の1フレーム期間での全画面表示の走査では、上段のバックライトから下段のバックライトに対して、1フレーム期間を1周期とした所定期間の消灯を、順次走査信号の走査に同期して繰り返すことにより、画素データの書き込み中の画素に対応したバックライトの間欠点灯駆動を行う。これにより、第2の表示モードに対応した表示装置に対するインパルス型の表示特性を得ることができる。
【0141】
また、図19(d)に示すように、第3の表示モードにおいて、時刻t0〜t2における偶数フレームの走査に同期してバックライトを点消灯させ、奇数フレームの走査時には、バックライトの点滅動作を行わないように構成しても良い。この場合、第1の領域と第2の領域毎では、バックライトの点灯方法が同じとなるので、輝度ムラ等の画質劣化を防止できる。
【0142】
以上説明したように、実施形態5の表示装置では、バックライトの走査型間欠点灯駆動を液晶表示パネルの走査に同期して行うため、表示モードの移行によって、フレーム周波数が切り替わる場合は、フレーム周波数に同期してバックライトの点滅周波数も変化させる。また、液晶表示パネルの走査から、バックライトの該当領域を点灯するまでの待機時間も変化させる。これは、液晶表示パネルの走査とバックライトの間欠点灯の同期がくずれることによる画質劣化(動画ぼやけ、着色、輝度ムラなど)の発生を防ぐためである。
【0143】
また、液晶表示パネルのバックライトは、走査型でなくバックライト全体を一括に点灯するタイプの間欠点灯駆動としてもよい。この場合も、表示モードのフレーム周波数の変化に伴って、バックライトの点滅周波数や、液晶表示パネルの走査からバックライトを点灯するまでの待機時間を変化させるのが好ましい。
【0144】
実施形態5では、表示装置の走査から、しばらく時間が経過した際に該当する領域のバックライトを点灯し、更にしばらく時間が経過した後に消灯する動作を、走査1回に対し、少なくとも1回実施するものである。
【0145】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0146】
101,501……入力制御信号群、102,502……入力表示データ
103,503……表示モード切替信号、510……表示パネル
511……表示パネル画素、520……データ線駆動回路、521……データ電圧
130,530……走査線駆動回路、531……走査線選択信号
140,540……タイミング制御回路
141,541……データ線駆動回路制御信号群、142,542……出力表示データ
143,543……走査線駆動回路制御信号群、150,550……自走回路
151,551……自走制御信号群、180,580……フレーム周波数変換回路
160,560……パラメータ保持回路
161,561,571,572……制御パラメータ
570……パラメータ計算回路、1401……表示モード制御回路
1402…表示データ切替信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が配列された表示パネルと、表示データに応じた表示信号を前記画素へ出力する第1の駆動回路と、前記表示信号を供給する画素を選択する選択信号を前記画素へ出力する第2の駆動回路と、モード切替信号に対応して、前記入力表示データのフレーム周波数を変換するフレーム周波数変換回路と、前記変換後のフレーム周波数に対応して、前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路を制御するタイミング制御回路とを備え、外部装置から入力される入力表示データに対応した画像表示を行う表示装置であって、
前記モード切替信号に対応して、前記表示パネルに異なるフレーム周波数で画像表示を行う2つ以上の表示領域を生成し、
前記表示領域の一方に変換前のフレーム周波数で画像表示させると共に、前記表示領域の他方に変換後のフレーム周波数で画像表示させる切替手段を備え、
前記表示領域の境界位置又は大きさの内の少なくとも一方は、時間の経過と共に変更することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記切替手段は、前記タイミング制御回路を制御し、変換後のフレーム周波数に対応した画像として、前記他方の表示領域に対応する表示データのみを生成させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記変換前のフレーム周波数で画像表示を行う第1の表示モードと、
前記変換後のフレーム周波数で画像表示を行う第2の表示モードと、
前記表示パネルに変換前と変換後のフレーム周波数で画像表示を行う表示領域を生成し、それぞれに対応したフレーム周波数で画像表示を行う第3の表示モードとを備え、
前記第1の表示モードと前記2の表示モードとの切替が、前記第3の表示モードを介してなされることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3の表示モードは、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との位置又は大きさの少なくとも一方が、時間の経過と共に少なくとも2段階に変化することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記選択信号による前記画素の選択期間は、前記第1の表示モードと第2の表示モードとでそれぞれ異なり、
前記第3の表示モードにおける前記選択期間は、前記第1の表示モードにおける選択期間以下であり、前記第2の表示モードにおける選択期間以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、液晶層を介して印可する電圧で光の透過量を制御する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの裏面側からバックライト光を照射するバックライト装置とからなり、
前記液晶表示パネルの走査に同期して前記バックライト装置の点消灯を制御する手段を備え、
前記バックライトの点消灯の周波数又は点灯するタイミングもしくは消灯するタイミングの少なくともひとつは、前記表示モードに応じて変化することを特徴とする請求項3乃至5の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記一方の表示領域と前記他方の表示領域の境界位置又は大きさは、前記表示パネルの温度又は当該表示装置の環境温度の少なくともどちらか一方に基づいて変化させることを特徴とする請求項1乃至6の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記一方の表示領域と前記他方の表示領域の境界位置又は大きさは、当該表示装置の消費電力又は当該表示装置を構成する電子回路の消費電力に基づいて変化させることを特徴とする請求項1乃至6の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記一方の表示領域と前記他方の表示領域の境界位置又は大きさは、前記入力表示データの特徴に応じて変化させることを特徴とする請求項1乃至6の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項10】
前記入力表示データの特徴として、当該入力表示データが静止画であるか又は動画であるか、あるいは静止画部と動画部とを双方含むかを用いることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記入力表示データの特徴として、当該入力表示データが特定の幾何学的パターンを有するかを用いることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
複数の画素が配列された表示パネルと、表示データに応じた表示信号を前記画素へ出力する第1の駆動回路と、前記表示信号を受けるべき画素を選択するための選択信号を前記画素へ出力する第2の駆動回路とを備えた表示装置であって、
入力表示データのフレーム周波数を変換して表示するフレーム周波数変換回路と、前記第1の駆動回路と前記第2の駆動回路を制御するタイミング制御回路とを備え、
第1のフレーム周波数で表示する第1の表示モードと、第2のフレーム周波数で表示する第2の表示モードとの少なくとも2つの表示モードを備え、
前記第1と第2のフレーム周波数は異なり、前記第2の駆動回路が出力する前記選択信号が、前記画素を選択する選択期間の長さは、前記第1の表示モードと第2の表示モードにおいてそれぞれ異なり、前記第1の表示モードと前記第2の表示モードとの切替において経由する第3の表示モードを備え、
前記第3の表示モードにおける前記選択期間は、前記第1の表示モードにおける選択期間と同じかより短く、かつ前記第2の表示モードにおける選択期間と同じかより長く、
前記第3の表示モードにおいては、前記選択期間が時間の経過と共に少なくとも2段階変化することを特徴とする表示装置。
【請求項13】
前記第3の表示モードにおいては、第1のフレーム周波数で動作する第1の表示領域と、前記第2のフレーム周波数で動作する第2の表示領域とを前記表示パネル内に設けることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示パネルは、液晶層を介して印可する電圧で光の透過量を制御する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの裏面側からバックライト光を照射するバックライト装置とからなり、
前記液晶表示パネルの走査に同期して前記バックライト装置の点消灯を制御する手段を備え、
前記バックライトの点消灯の周波数又は点灯するタイミングもしくは消灯するタイミングの少なくともひとつは、前記表示モードに応じて変化することを特徴とする請求項12又は13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1の表示モードと前記第2の表示モードの切り替えは、前記表示パネルの温度又は当該表示装置の環境温度の少なくともどちらか一方に基づいてなされることを特徴とする請求項12乃至14の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1の表示モードと前記第2の表示モードの切り替えは、当該表示装置の消費電力又は当該表示装置を構成する電子回路の消費電力に基づいてなさせることを特徴とする請求項12乃至14の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1の表示モードと前記第2の表示モードの切り替えは、前記入力表示データの特徴に応じてなさせることを特徴とする請求項12乃至14の内の何れかに記載の表示装置。
【請求項18】
前記入力表示データの特徴として、当該入力表示データが静止画であるか又は動画であるか、あるいは静止画部と動画部とを双方含むかを用いることを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記入力表示データの特徴として、当該入力表示データが特定の幾何学的パターンを有するかを用いることを特徴とする請求項17に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−39081(P2011−39081A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183309(P2009−183309)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】