説明

表示装置

【課題】表示装置を固定したまま、アンテナの指向性を制御できるようにすることを目的とする。
【解決手段】チューナ装置を収容した装置本体1と、この装置本体1に取り付けられ前記チューナ装置に接続するアンテナ装置4とを有し、前記アンテナ装置4は、給電部を中心に伸縮可能な導体部8、9と、この導体部8、9に直交するように形成された長さの異なる複数の導体パターン8b〜8e、9b〜9eとを備え、前記導体部8、9を伸縮させて導体部8、9に電気的に接続される導体パターン8b〜8e、9b〜9eを切り替えることにより、アンテナ装置の指向性を変化させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタル放送等を受信可能で、携帯可能な表示装置が普及してきている。これらの表示装置においては、装置を構成する筐体の内側あるいは外側に、放送電波を受信するアンテナを装備する必要がある。特に、高感度な受信を実現する方法として、複数のアンテナを備えるダイバーシティ方式が用いられる。また、複数のアンテナをどのような形状にしてどのように装備するかは、様々な取組みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−124865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような表示装置においては、様々な設置条件において受信感度が高いことが好ましいが、このためには様々な使用環境のもとで表示装置を固定し、アンテナの指向性を制御する必要がある。
【0005】
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、表示装置を固定したまま、アンテナの指向性を制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、チューナ装置を収容した装置本体と、この装置本体に取り付けられ前記チューナ装置に接続するアンテナ装置とを有し、前記アンテナ装置は、給電部を中心に伸縮可能な導体部と、この導体部に直交するように形成された長さの異なる複数の導体パターンとを備え、前記導体部を伸縮させて導体部に電気的に接続される導体パターンを切り替えることにより、アンテナ装置の指向性を変化させるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アンテナ装置において、給電部を中心に伸縮可能な導体部と、この導体部に直交するように形成された長さの異なる複数の導体パターンとを備え、前記導体部を伸縮させて導体部に電気的に接続される導体パターンを切り替えることにより、アンテナ装置の指向性を変化させるように構成したことにより、表示装置を固定したまま、アンテナ装置の指向性を制御することができ、アンテナ装置を内蔵した表示装置の受信状況を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態による表示装置を示す斜視図
【図2】同じく側面図
【図3】同表示装置のアンテナ装置を示す斜視図
【図4】同じくアンテナ装置のダイポールアンテナの構成を示す平面図
【図5】本発明において、アンテナ装置の導体パターンを切り替えた状態を示す概略図
【図6】図5(a)、(b)、(c)に対応した指向性の変化の例を示す放射パターン図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る表示装置について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施の形態による表示装置について、背面側から見た外観を示す斜視図、図2は側面側から見た平面図である。
【0011】
図1、図2に示すように、表示装置は、チューナ装置や映像信号処理回路、電源などの回路ブロックが内蔵された装置本体1と、この装置本体1に支持部材2を介して取り付けられた液晶表示装置などのディスプレイ装置3と、前記装置本体1に回動可能に取り付けられ前記チューナ装置に接続されるアンテナ装置4とから構成されている。
【0012】
前記装置本体1は、樹脂材料からなる外装筐体内に、地上デジタル放送などを受信するチューナ装置や映像信号処理回路、電源などの回路ブロック(図示せず)を収容することにより構成されている。この装置本体1は、アンテナ装置4が受信する地上デジタル放送などの放送電波に基づく電気信号がチューナ装置に伝送され、チューナ装置において所望の映像信号を取り出した後、映像信号処理回路において、γ補正などの信号処理を行うとともに、ディスプレイ装置3に画像を表示するための駆動信号を生成する。ディスプレイ装置3においては、前記装置本体1から送られてくる駆動信号に基づいて、表示駆動動作を行う。また、音声は、装置本体1に搭載された音声回路を通して、スピーカより出力される。
【0013】
図3は、アンテナ装置4を説明するための図で、装置本体1の裏面側から見た状態を示している。アンテナ装置4は、アクリル樹脂などからなる絶縁性の基板5内に、銅等の導体によるダイポールアンテナ6を形成することにより構成されている。このダイポールアンテナ6は、例えば地上デジタル放送帯(473MHz〜767MHz)を所望の使用帯域とするアンテナである。また、ダイポールアンテナ6の中央部には、チューナ装置のアンテナ入力部に接続される給電部7が設けられている。さらに、ダイポールアンテナ6は、給電部7を中心にして、導体部8、9が伸縮可能な構成で、アンテナ装置4の端部に露出したレバー10をスライドさせることにより、ダイポールアンテナ6の導体部8、9を伸縮させることができる。また、導体部8、9の先端部には、それぞれ接続部8a、9aが設けられている。
【0014】
図4は、ダイポールアンテナ6の詳細構成を示す図である。ダイポールアンテナ6は、伸縮可能な導体部8、9に直交するように長さの異なる複数の導体パターン8b〜8e、9b〜9eが形成されている。すなわち、本発明におけるアンテナ装置4においては、ダイポールアンテナ6の導体部8、9を伸縮させて、接続部8a、9aと電気的に接続させる導体パターン8b〜8e、9b〜9eを選択して切り替えることにより、ダイポールアンテナ6の指向性を変えることができるものである。
【0015】
ここで、導体部8、9に対して直交するように設けられる導体パターン8b〜8e、9b〜9eのそれぞれの長さは、導体部8、9を伸縮させることにより変化する導体部8、9の長さに対応するように設定されている。すなわち、導体部8、9において、最も導体部8、9が長い状態から長さaの分短くした地点では、長さaの導体パターン8bが設けられているとともに、その地点において、接続部8aが導体パターン8bと電気的に接続される。同様にして、長さbの分短くした地点では、長さbの導体パターン8cが設けられているとともに、その地点において、接続部8aが導体パターン8cと電気的に接続され、長さcの分短くした地点では、長さcの導体パターン8dが設けられているとともに、その地点において、接続部8aが導体パターン8dと電気的に接続され、長さdの分短くした地点では、長さdの導体パターン8eが設けられているとともに、その地点において、接続部8aが導体パターン8eと電気的に接続される。
【0016】
図5(a)、(b)、(c)は、導体部8側を伸縮させた場合のダイポールアンテナ6の状態を示す図で、図6は、それぞれ図5(a)、(b)、(c)の状態とした場合のダイポールアンテナ6の指向性の放射パターン例を示す図である。
【0017】
図5(a)、(b)、(c)に示すように、ダイポールアンテナ6の導体部8を短くして、接続部8aに電気的に接続される導体パターン8b〜8eを切り替えることにより、図6のA、B、Cに示すように、ダイポールアンテナ6の指向性を変化させることができる。なお、この図5、図6の例では、導体部8側のみ伸縮させる場合の例のみを示しているが、導体部9も同様に伸縮させることにより、ダイポールアンテナ6の指向性を変化させることができる。
【0018】
以上説明したように本発明による表示装置は、アンテナ装置において、給電部を中心に伸縮可能な導体部と、この導体部に直交するように形成された長さの異なる複数の導体パターンとを備え、前記導体部を伸縮させて導体部に電気的に接続される導体パターンを切り替えることにより、アンテナ装置の指向性を変化させるように構成したことにより、表示装置を固定したまま、アンテナ装置の指向性を制御することができ、アンテナ装置を内蔵した表示装置の受信状況を改善することができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
以上のように本発明は、アンテナ装置を内蔵した表示装置の受信状況を改善する上で有用な発明である。
【符号の説明】
【0020】
1 装置本体
2 支持部材
3 ディスプレイ装置
4 アンテナ装置
5 基板
6 ダイポールアンテナ
7 給電部
8、9 導体部
8a、9a 接続部
8b、8c、8d、8e、9b、9c、9d、9e 導体パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューナ装置を収容した装置本体と、この装置本体に取り付けられ前記チューナ装置に接続するアンテナ装置とを有し、前記アンテナ装置は、給電部を中心に伸縮可能な導体部と、この導体部に直交するように形成された長さの異なる複数の導体パターンとを備え、前記導体部を伸縮させて導体部に電気的に接続される導体パターンを切り替えることにより、アンテナ装置の指向性を変化させるように構成したことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−161053(P2012−161053A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21327(P2011−21327)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】