表示装置
【課題】ユーザーが表示画像に違和感を抱くことなく表示画面の焼き付きを防止することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の表示装置は、表示画面に表示された映像信号の焼付きを防止するための表示装置であって、映像信号を検出する映像検出部と、所定タイミングで表示画面に表示された映像信号の焼付きの可能性を判断する制御部と、制御部からの指示に応じて、映像信号の表示位置を調整する映像制御部と、表示位置が調整された映像信号を表示画面に表示する映像表示部と、を備え、制御部は、表示画面において映像信号が表示されていない領域を判別し、映像信号に映像欠けが発生しないように、領域に応じて映像信号の上下左右の移動量を算出する、ことを特徴とする。
【解決手段】本発明の表示装置は、表示画面に表示された映像信号の焼付きを防止するための表示装置であって、映像信号を検出する映像検出部と、所定タイミングで表示画面に表示された映像信号の焼付きの可能性を判断する制御部と、制御部からの指示に応じて、映像信号の表示位置を調整する映像制御部と、表示位置が調整された映像信号を表示画面に表示する映像表示部と、を備え、制御部は、表示画面において映像信号が表示されていない領域を判別し、映像信号に映像欠けが発生しないように、領域に応じて映像信号の上下左右の移動量を算出する、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の焼き付きを防止する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネルなど蛍光体の励起に伴う発光現象を利用して表示を行う表示装置において、長時間連続して静止画像を表示し続けると、蛍光体が劣化していわゆる焼き付けを起こす。このような焼き付けを防止すべく、一定時間毎に表示位置を移動する焼付防止方法があるが、移動によって、ユーザーに必要な情報が欠如したり黒い帯が見えてしまう場合があり、事前に欠如する領域を表示する方法が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の特許文献1記載の事前に欠如する領域を表示する方法では、事前に欠如する領域を知ることができたとしても、焼付防止時の画面位置移動により領域は欠如してしまい、ユーザーに違和感を与えてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決すべく為されたものであり、ユーザーが表示画像に違和感を抱くことなく表示画面の焼き付きを防止することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入力映像信号に対応した画像を表示する表示画面において、一定時間毎に上下左右の断面映像が画面境界から一定であるかどうかを検出し、一定でなくなる移動量または最大移動量に達するまで画面移動を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーに画面欠けや黒い帯による違和感を与えずに表示画面を移動して、表示画面の焼付防止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における表示装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における表示装置の移動範囲の算出の全体イメージ図
【図3】本発明の実施の形態1における表示装置の上方向移動量の算出を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における表示装置の下方向移動量の算出を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における表示装置の左方向移動量の算出を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における表示装置の右方向移動量の算出を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における表示装置の上方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1における表示装置の下方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における表示装置の左方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態1における表示装置の右方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1における表示装置のライン挿入処理のイメージ図
【図12】本発明の実施の形態1における表示装置のドット挿入処理のイメージ図
【図13】本発明の実施の形態1における表示装置のライン挿入処理を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態1における表示装置のドット挿入処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における表示装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置100は、制御部110と、タイマー部111と、ライン輝度検出部121および水平ドット輝度検出部122を有する映像検出部120と、映像制御部130と、映像合成部140と、映像表示部150から構成される。
【0011】
制御部110は、映像検出部120のライン輝度検出部121および水平ドット輝度検出部122を用いて、表示画面の上下左右から変化しない映像領域を判別し、中心表示位置を基準に各方向の最大移動量を算出する(移動量算出処理)。ここで断面映像とは表示画面における、最外周にあたる水平ラインまたは垂直ドットである。具体的な算出方法については、後ほど図3から図10に示す移動量算出処理を用いて詳述する。
【0012】
映像制御部130は、制御部110からの指示に応じて、受信部(図示せず)で受信した放送信号に含まれる映像信号、またはネットワークに接続された外部信号入力部(図示せず)から入力された映像信号の表示位置や表示サイズを制御して映像合成部140へ出力する。映像合成部140は、制御部110からの指示に応じて、映像信号を合成して映像表示部150へ出力する。映像表示部150は、映像合成部140から入力された合成された信号をプラズマディスプレイ等の表示画面に表示する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態1における表示装置の移動範囲算出の全体イメージ図である。本実施の形態では、Windows(登録商標)の表示画面などの断面映像から画面境界まで一定量ある静止画または動画を表示した表示画面を想定し、断面映像から画面境界までの最大移動量、または各断面から境界までの輝度の変化が一定許容範囲を越える変化を検出する手前のラインや水平ドットを移動範囲として設定する。図2では、中心から左方向への移動量をa、右方向への移動量をb、上方法への移動量をc、下方向への移動量dとし、時計回りロの字型に移動をするとする。なお、図2では、時計回りのロの字移動として記載しているが、移動形態、移動方向は任意の方向に移動させてもよい。
【0014】
図3から図6は、本発明の実施の形態1における表示装置100の表示画面が1920×1080、最大移動量が10の場合における各移動量の算出を示す図である。
【0015】
図3では、上方向の移動量算出のため、基準となるライン1の輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまで比較を繰り返し行う。図3では、ライン1から5まで輝度変化がなく、ライン6にて所定の範囲を超える変化を検出したため、上方向の移動量は5となる。
【0016】
図4では、下方向の移動量算出のため、基準となるライン1080の輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまでラインをさかのぼる方向へ比較を繰り返し行う。図4では、ライン1080から1077まで輝度変化がなく、ライン1076にて所定の範囲を超える変化を検出したため、下方向の移動量は4となる。
【0017】
図5では、左方向の移動量算出のため、基準となるライン1からライン10の水平1ドットの積分輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、積分輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまで水平ドット移動しながら比較を繰り返し行う。図5では、1ドットから4ドットまで輝度変化がなく、5ドットにて所定の範囲を超える変化を検出したため、左方向の移動量は4となる。
【0018】
図6では、右方向の移動量算出のため、基準となるライン1からライン10の水平1920ドットの積分輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、ライン1からライン10の積分輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまで水平ドットをさかのぼる方向へ比較を繰り返し行う。図6では、1920ドットから最大移動量を越えても積分輝度の変化を検出しないため、最大移動量10が右方向の移動量となる。
【0019】
上記の処理について図7から図10を用いて詳述する。図7から図10は、本発明の実施の形態1における表示装置100の移動量算出処理を示すフローチャートである。
【0020】
図7は、上方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS71において、基準ライン輝度(B)として、オフセット(N=初期値1)で示すラインの輝度を設定する。ステップS72において、オフセット(N)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量以下と判断した場合(ステップS72で「Yes」)、ステップS73において、オフセット(N)で示すラインの輝度を比較対象ライン輝度(C)に設定する。そして、ステップS74において、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)の比較を行い、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS74で「No」)、ステップS75において、オフセット(N)のインクリメントを行う。一方、ステップS74にて基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS74で「Yes」)またはステップS72においてオフセット(N)が最大移動量より大きいと判断した場合(ステップS72で「No」)、ステップS76において上方向への移動量(UM)をN−1と設定する。
【0021】
図8は、下方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS81において、基準ライン輝度(B)として、最終ライン(E)の輝度を設定する。ステップS82において、オフセット(N=初期値0)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量未満と判断した場合(ステップS82で「Yes」)、ステップS83において、最終ライン(E)からオフセット(N)を引いたラインの輝度を比較対象ライン輝度(C)に設定する。そして、ステップS84において、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)の比較を行い、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS84で「No」)、ステップS85において、オフセット(N)のインクリメントを行う。ステップS84にて基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS84で「Yes」)またはステップS82においてオフセット(N)が最大移動量以上と判断した場合(ステップS82で「No」)、ステップS86において下方向への移動量(DM)をNと設定する。
【0022】
図9は、左方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS91において、基準ドット輝度(B)として、オフセット(N=初期値1)で示すドットの輝度を設定する。ステップS92において、オフセット(N)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量以下と判断した場合(ステップS92で「Yes」)、ステップS93において、オフセット(N)で示すドットの輝度を比較対象ドット輝度(C)に設定する。ステップS94において、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)の比較を行い、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS94で「No」)、ステップS95において、オフセット(N)のインクリメントを行う。ステップS94にて基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS94で「Yes」)または、ステップS92においてオフセット(N)が最大移動量より大きいと判断した場合(ステップS92で「No」)、ステップS96において左方向への移動量(LM)をN−1と設定する。
【0023】
図10は、右方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS101において、基準ドット輝度(B)として、最終ドット(E)の輝度を設定する。ステップS102において、オフセット(N=初期値0)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量未満と判断した場合(ステップS102で「Yes」)、ステップS103において、最終ドット(E)からオフセット(N)を引いたラインの輝度を比較対象ドット輝度(C)に設定する。ステップS104において、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)の比較を行い、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS104で「No」)、ステップS105において、オフセット(N)のインクリメントを行う。ステップS104にて基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS104で「Yes」)または、ステップS102においてオフセット(N)が最大移動量以上と判断した場合(ステップS102で「No」)、ステップS106において右方向への移動量(RM)をNと設定する。
【0024】
図11は本発明の実施の形態1における表示装置100のライン挿入処理のイメージ図である。本実施の形態では、下方向へ画面位置を移動したときに移動前のライン(ライン1)がブランキング部分(映像ではない)になる場合、移動後のライン(ライン2)の映像を挿入し映像欠けが見えないように処理を行う。ライン挿入処理は、制御部110がライン輝度検出部121及び映像制御部130を制御して実行する。
【0025】
図12は本発明の実施の形態1における表示装置100のドット挿入処理のイメージ図である。本実施の形態では、左方向へ画面位置を移動したときに移動前のドット(ドット1920)がブランキング部分(映像ではない)になる場合、移動後のドット(ドット1919)の映像を挿入し映像欠けが見えないように処理を行う。ドット挿入処理は、制御部110が水平ドット輝度検出部122及び映像制御部130を制御して実行する。
【0026】
上記の処理について図13、図14を用いて詳述する。図13、図14は、本発明の実施の形態1における表示装置100の映像挿入処理を示すフローチャートである。
【0027】
図13は、下方向移動時のライン挿入処理を示すフローチャートである。ステップS131において、基準輝度(B)として、画面位置移動前のライン1の輝度を設定する。ステップS132において、比較輝度(C)として、画面位置移動後のライン1の輝度を設定する。ステップS133において、基準輝度(B)と比較輝度(C)の比較を行い、基準輝度(B)と比較輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS133で「No」)、ステップS134において、ライン2の映像をライン1の映像に合成する。
【0028】
図14は、左方向移動時のドット挿入処理を示すフローチャートである。ステップS141において、基準輝度(B)として、画面位置移動前の最終ドットの輝度を設定する。ステップS142において、比較輝度(C)として、画面位置移動後の最終ドットの輝度を設定する。ステップS143において、基準輝度(B)と比較輝度(C)の比較を行い、基準輝度(B)と比較輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS143で「No」)、ステップS144において、最終ドットの前のドット(E−1)の映像を最終ドット(E)の映像に合成する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、ユーザーに違和感を与えることなく画面焼付防止のための画面表示位置移動を行うことができるので、プラズマディプレイパネル等の表示画面が焼付く可能性のあるすべての表示装置に有用である。
【符号の説明】
【0030】
100 表示装置
110 制御部
111 タイマー部
120 映像検出部
121 ライン輝度検出部
122 水平ドット輝度検出部
130 映像制御部
140 映像合成部
150 映像表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の焼き付きを防止する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネルなど蛍光体の励起に伴う発光現象を利用して表示を行う表示装置において、長時間連続して静止画像を表示し続けると、蛍光体が劣化していわゆる焼き付けを起こす。このような焼き付けを防止すべく、一定時間毎に表示位置を移動する焼付防止方法があるが、移動によって、ユーザーに必要な情報が欠如したり黒い帯が見えてしまう場合があり、事前に欠如する領域を表示する方法が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−100720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の特許文献1記載の事前に欠如する領域を表示する方法では、事前に欠如する領域を知ることができたとしても、焼付防止時の画面位置移動により領域は欠如してしまい、ユーザーに違和感を与えてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題を解決すべく為されたものであり、ユーザーが表示画像に違和感を抱くことなく表示画面の焼き付きを防止することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入力映像信号に対応した画像を表示する表示画面において、一定時間毎に上下左右の断面映像が画面境界から一定であるかどうかを検出し、一定でなくなる移動量または最大移動量に達するまで画面移動を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザーに画面欠けや黒い帯による違和感を与えずに表示画面を移動して、表示画面の焼付防止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1における表示装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における表示装置の移動範囲の算出の全体イメージ図
【図3】本発明の実施の形態1における表示装置の上方向移動量の算出を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における表示装置の下方向移動量の算出を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における表示装置の左方向移動量の算出を示す図
【図6】本発明の実施の形態1における表示装置の右方向移動量の算出を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における表示装置の上方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1における表示装置の下方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における表示装置の左方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態1における表示装置の右方向移動量算出処理を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1における表示装置のライン挿入処理のイメージ図
【図12】本発明の実施の形態1における表示装置のドット挿入処理のイメージ図
【図13】本発明の実施の形態1における表示装置のライン挿入処理を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態1における表示装置のドット挿入処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における表示装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置100は、制御部110と、タイマー部111と、ライン輝度検出部121および水平ドット輝度検出部122を有する映像検出部120と、映像制御部130と、映像合成部140と、映像表示部150から構成される。
【0011】
制御部110は、映像検出部120のライン輝度検出部121および水平ドット輝度検出部122を用いて、表示画面の上下左右から変化しない映像領域を判別し、中心表示位置を基準に各方向の最大移動量を算出する(移動量算出処理)。ここで断面映像とは表示画面における、最外周にあたる水平ラインまたは垂直ドットである。具体的な算出方法については、後ほど図3から図10に示す移動量算出処理を用いて詳述する。
【0012】
映像制御部130は、制御部110からの指示に応じて、受信部(図示せず)で受信した放送信号に含まれる映像信号、またはネットワークに接続された外部信号入力部(図示せず)から入力された映像信号の表示位置や表示サイズを制御して映像合成部140へ出力する。映像合成部140は、制御部110からの指示に応じて、映像信号を合成して映像表示部150へ出力する。映像表示部150は、映像合成部140から入力された合成された信号をプラズマディスプレイ等の表示画面に表示する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態1における表示装置の移動範囲算出の全体イメージ図である。本実施の形態では、Windows(登録商標)の表示画面などの断面映像から画面境界まで一定量ある静止画または動画を表示した表示画面を想定し、断面映像から画面境界までの最大移動量、または各断面から境界までの輝度の変化が一定許容範囲を越える変化を検出する手前のラインや水平ドットを移動範囲として設定する。図2では、中心から左方向への移動量をa、右方向への移動量をb、上方法への移動量をc、下方向への移動量dとし、時計回りロの字型に移動をするとする。なお、図2では、時計回りのロの字移動として記載しているが、移動形態、移動方向は任意の方向に移動させてもよい。
【0014】
図3から図6は、本発明の実施の形態1における表示装置100の表示画面が1920×1080、最大移動量が10の場合における各移動量の算出を示す図である。
【0015】
図3では、上方向の移動量算出のため、基準となるライン1の輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまで比較を繰り返し行う。図3では、ライン1から5まで輝度変化がなく、ライン6にて所定の範囲を超える変化を検出したため、上方向の移動量は5となる。
【0016】
図4では、下方向の移動量算出のため、基準となるライン1080の輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまでラインをさかのぼる方向へ比較を繰り返し行う。図4では、ライン1080から1077まで輝度変化がなく、ライン1076にて所定の範囲を超える変化を検出したため、下方向の移動量は4となる。
【0017】
図5では、左方向の移動量算出のため、基準となるライン1からライン10の水平1ドットの積分輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、積分輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまで水平ドット移動しながら比較を繰り返し行う。図5では、1ドットから4ドットまで輝度変化がなく、5ドットにて所定の範囲を超える変化を検出したため、左方向の移動量は4となる。
【0018】
図6では、右方向の移動量算出のため、基準となるライン1からライン10の水平1920ドットの積分輝度を取得し、最大移動量を越えるまたは、ライン1からライン10の積分輝度が所定の範囲を越える変化を検出するまで水平ドットをさかのぼる方向へ比較を繰り返し行う。図6では、1920ドットから最大移動量を越えても積分輝度の変化を検出しないため、最大移動量10が右方向の移動量となる。
【0019】
上記の処理について図7から図10を用いて詳述する。図7から図10は、本発明の実施の形態1における表示装置100の移動量算出処理を示すフローチャートである。
【0020】
図7は、上方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS71において、基準ライン輝度(B)として、オフセット(N=初期値1)で示すラインの輝度を設定する。ステップS72において、オフセット(N)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量以下と判断した場合(ステップS72で「Yes」)、ステップS73において、オフセット(N)で示すラインの輝度を比較対象ライン輝度(C)に設定する。そして、ステップS74において、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)の比較を行い、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS74で「No」)、ステップS75において、オフセット(N)のインクリメントを行う。一方、ステップS74にて基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS74で「Yes」)またはステップS72においてオフセット(N)が最大移動量より大きいと判断した場合(ステップS72で「No」)、ステップS76において上方向への移動量(UM)をN−1と設定する。
【0021】
図8は、下方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS81において、基準ライン輝度(B)として、最終ライン(E)の輝度を設定する。ステップS82において、オフセット(N=初期値0)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量未満と判断した場合(ステップS82で「Yes」)、ステップS83において、最終ライン(E)からオフセット(N)を引いたラインの輝度を比較対象ライン輝度(C)に設定する。そして、ステップS84において、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)の比較を行い、基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS84で「No」)、ステップS85において、オフセット(N)のインクリメントを行う。ステップS84にて基準ライン輝度(B)と比較対象ライン輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS84で「Yes」)またはステップS82においてオフセット(N)が最大移動量以上と判断した場合(ステップS82で「No」)、ステップS86において下方向への移動量(DM)をNと設定する。
【0022】
図9は、左方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS91において、基準ドット輝度(B)として、オフセット(N=初期値1)で示すドットの輝度を設定する。ステップS92において、オフセット(N)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量以下と判断した場合(ステップS92で「Yes」)、ステップS93において、オフセット(N)で示すドットの輝度を比較対象ドット輝度(C)に設定する。ステップS94において、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)の比較を行い、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS94で「No」)、ステップS95において、オフセット(N)のインクリメントを行う。ステップS94にて基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS94で「Yes」)または、ステップS92においてオフセット(N)が最大移動量より大きいと判断した場合(ステップS92で「No」)、ステップS96において左方向への移動量(LM)をN−1と設定する。
【0023】
図10は、右方向移動量算出処理を示すフローチャートである。ステップS101において、基準ドット輝度(B)として、最終ドット(E)の輝度を設定する。ステップS102において、オフセット(N=初期値0)が最大移動量(MAX)か否かの比較を行い、最大移動量未満と判断した場合(ステップS102で「Yes」)、ステップS103において、最終ドット(E)からオフセット(N)を引いたラインの輝度を比較対象ドット輝度(C)に設定する。ステップS104において、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)の比較を行い、基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が同一と判断された場合(ステップS104で「No」)、ステップS105において、オフセット(N)のインクリメントを行う。ステップS104にて基準ドット輝度(B)と比較対象ドット輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS104で「Yes」)または、ステップS102においてオフセット(N)が最大移動量以上と判断した場合(ステップS102で「No」)、ステップS106において右方向への移動量(RM)をNと設定する。
【0024】
図11は本発明の実施の形態1における表示装置100のライン挿入処理のイメージ図である。本実施の形態では、下方向へ画面位置を移動したときに移動前のライン(ライン1)がブランキング部分(映像ではない)になる場合、移動後のライン(ライン2)の映像を挿入し映像欠けが見えないように処理を行う。ライン挿入処理は、制御部110がライン輝度検出部121及び映像制御部130を制御して実行する。
【0025】
図12は本発明の実施の形態1における表示装置100のドット挿入処理のイメージ図である。本実施の形態では、左方向へ画面位置を移動したときに移動前のドット(ドット1920)がブランキング部分(映像ではない)になる場合、移動後のドット(ドット1919)の映像を挿入し映像欠けが見えないように処理を行う。ドット挿入処理は、制御部110が水平ドット輝度検出部122及び映像制御部130を制御して実行する。
【0026】
上記の処理について図13、図14を用いて詳述する。図13、図14は、本発明の実施の形態1における表示装置100の映像挿入処理を示すフローチャートである。
【0027】
図13は、下方向移動時のライン挿入処理を示すフローチャートである。ステップS131において、基準輝度(B)として、画面位置移動前のライン1の輝度を設定する。ステップS132において、比較輝度(C)として、画面位置移動後のライン1の輝度を設定する。ステップS133において、基準輝度(B)と比較輝度(C)の比較を行い、基準輝度(B)と比較輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS133で「No」)、ステップS134において、ライン2の映像をライン1の映像に合成する。
【0028】
図14は、左方向移動時のドット挿入処理を示すフローチャートである。ステップS141において、基準輝度(B)として、画面位置移動前の最終ドットの輝度を設定する。ステップS142において、比較輝度(C)として、画面位置移動後の最終ドットの輝度を設定する。ステップS143において、基準輝度(B)と比較輝度(C)の比較を行い、基準輝度(B)と比較輝度(C)が異なると判断された場合(ステップS143で「No」)、ステップS144において、最終ドットの前のドット(E−1)の映像を最終ドット(E)の映像に合成する。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、ユーザーに違和感を与えることなく画面焼付防止のための画面表示位置移動を行うことができるので、プラズマディプレイパネル等の表示画面が焼付く可能性のあるすべての表示装置に有用である。
【符号の説明】
【0030】
100 表示装置
110 制御部
111 タイマー部
120 映像検出部
121 ライン輝度検出部
122 水平ドット輝度検出部
130 映像制御部
140 映像合成部
150 映像表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示された映像信号の焼付きを防止するための表示装置であって、
前記映像信号を検出する映像検出部と、
所定タイミングで前記表示画面に表示された映像信号の焼付きの可能性を判断する制御部と、
前記制御部からの指示に応じて、前記映像信号の表示位置を調整する映像制御部と、
前記表示位置が調整された映像信号を前記表示画面に表示する映像表示部と、を備え、
前記制御部は、前記表示画面において前記映像信号が表示されていない領域を判別し、前記映像信号に映像欠けが発生しないように、前記領域に応じて前記映像信号の上下左右の移動量を算出する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記映像制御部に前記映像信号の表示位置を移動させる場合に、所定の表示位置の移動前輝度と移動後輝度とを比較し、輝度が異なると判断した場合は、移動後の表示位置に表示された映像信号を移動前の表示位置に挿入させる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項1】
表示画面に表示された映像信号の焼付きを防止するための表示装置であって、
前記映像信号を検出する映像検出部と、
所定タイミングで前記表示画面に表示された映像信号の焼付きの可能性を判断する制御部と、
前記制御部からの指示に応じて、前記映像信号の表示位置を調整する映像制御部と、
前記表示位置が調整された映像信号を前記表示画面に表示する映像表示部と、を備え、
前記制御部は、前記表示画面において前記映像信号が表示されていない領域を判別し、前記映像信号に映像欠けが発生しないように、前記領域に応じて前記映像信号の上下左右の移動量を算出する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記映像制御部に前記映像信号の表示位置を移動させる場合に、所定の表示位置の移動前輝度と移動後輝度とを比較し、輝度が異なると判断した場合は、移動後の表示位置に表示された映像信号を移動前の表示位置に挿入させる、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−24954(P2013−24954A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157450(P2011−157450)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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