説明

表面保護フィルム

【課題】粘着特性、透明性、巻き戻し性、耐熱性および粘着力安定性、被着体汚染性に優れた表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】表面層(A)および粘着層(X)の少なくとも2層から表面保護フィルムであり、表面層(A)が、エチレン系重合体(a)から形成され、粘着層(X)が、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とし、融点が65℃以下または融点が観測されないオレフィン系エラストマー(b−1)100重量部に対し、スチレン/イソブチレンブロック共重合体重合体(b−2)10〜500重量部、および融点が100℃以上の結晶性ポリプロピレン(b−3)0〜100重量部を含有してなる組成物(b)から形成されることを特徴とする表面保護フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学製品、建材、自動車部品等に使用される表面保護フィルムに関する。詳しくは、粘着特性、透明性、耐熱性に優れ、被着体等への汚染が少なく、さらにロール状から繰出す際の繰出し性が容易である表面保護フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
表面保護フィルムは、主として建材用や光学用途用の樹脂製品、金属製品、ガラス製品等の被着体に貼付して使用し、これらの輸送、保管や加工時の傷付きまたは異物混入を防ぐ役割を果たしている。これらの表面保護フィルムは、一般には粘着性の無い表面層と、前記被着体と粘着させるための粘着層とからなる。表面層は通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体から形成される。
【0003】
近年、液晶画面、プラズマディスプレイ(PDP)やリアプロジェクション画面等に用いる部材、いわゆる光学製品の開発が進んでいる。これら光学製品を保護するための表面保護フィルムに対し、傷付きや異物混入のみならず、表面保護フィルムを貼付した状態で製品検査ができる様な透明性や、高温状態で貼付しても適度な粘着力を発現する等の特性が所望されている。
さらに、近年では多種多様の被着体の登場に伴い、表面保護フィルムを貼付した状態で、長時間の輸送や保管に耐えうるような経時での粘着力安定性や、表面保護フィルムを剥がした後に被着体を汚染しないという特性も要求されている。
【0004】
一方、表面保護フィルムを建材や自動車部品用途に使用した場合、表面保護フィルムを貼付した状態で熱成形される場合があり、高い耐熱性が要求されている。
また、比較的粘着力の高い表面保護フィルムでは、ロール状の製品から繰出すことが困難なため、粘着層に離型フィルムを貼り合わせた状態でロール状とし、被着体への貼付の際にこの離型フィルムを剥がして使用している。このような工程を採用すると、大量の廃棄物が発生することから、離型フィルムが無くても容易にロールから繰出すことのできる表面保護フィルムが求められている。
【0005】
特開2006−116769号公報には、ポリエチレン成分を主体とした表面保護フィルムが開示されている。
また、特許第3887402号公報には、スチレン/イソブチレンブロック共重合体を粘着剤層として使用することにより、粘着特性に優れた表面保護フィルムが開示されている。しかしながら、これら公報による方法では、一部用途部材に対しては適用可能であるが、凹凸がある被着体や、表面処理がなされた被着体に対しては粘着力が低く過ぎたり、強過ぎたりし、また透明性も不充分で、被着体の用途には限りがあった。
【特許文献1】特開2006−116769号公報
【特許文献2】特許第3887402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光学製品、建材製品や自動車部品の保管、輸送、加工、検査時に保護するための表面保護フィルムとして要求される特性、特には、粘着特性、経時での粘着力安定性、透明性、耐熱性、耐汚染性およびロールからの繰出し性に優れた表面保護フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、ある特定の樹脂組成物からなる粘着層を有する表面保護フィルムにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.表面層(A)および粘着層(X)の少なくとも2層からなる表面保護フィルムであり、
表面層(A)が、エチレン系重合体(a)から形成され、
粘着層(X)が、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とし、融点が65℃以下または融点が観測されないオレフィン系エラストマー(b−1)100重量部に対し、スチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)10〜500重量部、および融点が100℃以上の結晶性ポリプロピレン(b−3)0〜100重量部を含有してなる組成物(b)から形成されることを特徴とする表面保護フィルム、
2.オレフィン系エラストマー(b−1)が、プロピレン系共重合体であることを特徴とする1項記載の表面保護フィルム、
3.オレフィン系エラストマー(b−1)が、プロピレン系共重合体であり、各モノマーの炭素数の総和が8以上であることを特徴とする1または2項記載の表面保護フィルム、
4.表面層(A)および粘着層(X)の少なくとも2層をT−ダイから押出成形して得られる多層フィルムである1〜3項のいずれかに記載の表面保護フィルム、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の表面保護フィルムは、粘着特性、透明性、巻き戻し力および耐熱性、および経時での粘着力安定性、被着体汚染性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明について詳細に説明する。
本発明の表面保護フィルムは、表面層(A)および粘着層(X)の少なくとも2層からなる。
【0010】
表面層(A)は、エチレン系重合体(a)から形成される。
エチレン系重合体(a)の190℃で測定したメルトフローレート(MFR190と略記)としては、0.01〜20g/10分、好ましくは0.03〜15g/10分、より好ましくは0.05〜12g/10分の範囲にある。
エチレン系重合体(a)の密度としては、0.900〜0.960g/cm、好ましくは0.905〜0.950g/cm、より好ましくは0.910〜0.940g/cmの範囲にある。
【0011】
より好ましいエチレン系重合体(a)としては、190℃で測定したメルトテンション(MTと略記)と前記MFR190との関係が下記式(I)を満たす。
式(I)
40×(MFR190−0.67≦MT≦250×(MFR190−0.67
(I)
ここで、メルトテンション(MT)は、溶融させたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することによって求められる値である。具体的には、東洋整機MT測定器を用い、樹脂温度190℃、押出速度15mm/分、巻取り速度15m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの条件で測定した値(単位mN)である。
MFR、MTおよび密度が上記範囲にあることで、本発明の表面保護フィルムの成形性およびロールからの繰出し性が良好となる。
【0012】
このようなエチレン系重合体は、エチレンを重合することのできる触媒の存在下にエチレンの単独重合またはエチレンと他のα−オレフィンを共重合することによって得ることができるエチレン単独重合体やエチレン・α−オレフィン共重合体の他に高圧法低密度ポリエチレンないしは、長鎖分岐型低密度ポリエチレンを挙げることができる。より好ましくは高圧法低密度ポリエチレンである。
【0013】
本発明の表面保護フィルムにおける表面層(A)は、前記エチレン系重合体(a)から形成される。
表面層(A)として用いるエチレン重合体(a)には、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤などの各種添加剤や、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤を添加することも可能である。
【0014】
前記エチレン重合体(a)と、必要に応じて添加剤や改質剤は、例えば単軸または二軸押出機やフィーダールーダー等により混錬した上で、さらにフィルム状に加工しても良いが、押出機を兼ね備えたT−ダイ成形機に直接投入し、本発明の表面保護フィルムの表面層とすることもできる。
【0015】
粘着層(X)は、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とし、融点が65℃以下または融点が観測されないオレフィン系エラストマー(b−1)およびスチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)、および融点が100℃以上の結晶性ポリプロピレン(b−3)を含有してなる組成物(b)から形成される。
【0016】
オレフィン系エラストマー(b−1)は、炭素数3以上のα−オレフィンを20〜100モル%、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは60〜100モル%から構成されるオレフィン系重合体で、示差走査熱量計(DSC)で測定される融点が65℃以下または融点が観測されない、好ましくは融点が50℃以下または観測されない低結晶性または非晶性である。ここで、オレフィン系エラストマー(b−1)の中に2種以上の炭素数3以上のα−オレフィンが含まれる場合は、それらの合計の含量を示す。炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられるが、好ましくはプロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1である。さらに好ましくはプロピレン、1−ブテンである。
【0017】
好ましいオレフィン系エラストマー(b−1)としてはプロピレン構成成分を20〜100モル%、好ましくは30〜90モル%からなり、融点が50℃以下または観測されないプロピレン系重合体で、具体例としては、非晶性ないしは低結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン−1共重合体、プロピレン・1−ブテン・4−メチルペンテン−1共重合体である。より好ましくは、構成成分である各モノマーの炭素数の総和が8以上、好ましくは9〜20の範囲にあるプロピレン系共重合体で、具体的には、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチルペンテン−1共重合体、プロピレン・1−ブテン・4−メチルペンテン−1共重合体である。さらに好ましくは、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体である。
【0018】
スチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)は、スチレンとイソブチレンとのブロック重合体で、スチレン含量が3〜40重量%、好ましくは5〜35重量%である。ブロック重合体の形態としては、具体的にはポリスチレンユニットとポリイソブチレンユニットが結合したスチレン/イソブチレンジブロック共重合体、2つのポリスチレンユニットとポリイソブチレンユニットが交互に結合したスチレン/イソブチレントリブロック共重合体を挙げることができる。
【0019】
スチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)の230℃で測定したMFR230は0.01〜70g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、より好ましくは0.1〜40g/10分の範囲にある。
また、スチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)の硬度としては、JIS−A硬度として20〜50、好ましくは25〜45、より好ましくは25〜40の範囲にある。
【0020】
結晶性ポリプロピレン(b−3)としては、融点が100℃以上、好ましくは110〜170℃の範囲にあり、MFR230が0.05〜300g/10分、好ましくは0.5〜100g/10分の範囲にある公知のホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンを挙げることができる。
【0021】
本発明の表面保護フィルムの粘着層(X)としては、前記オレフィン系エラストマー(b-1)およびスチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)および融点が100℃以上の結晶性ポリプロピレン(b−3)からなる組成物(b)から形成される。
組成物(b)中のスチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)の含有量としては、オレフィン系エラストマー(b−1)100重量部に対して、10〜500重量部、好ましくは20〜400重量部、より好ましくは30〜300重量%である。
組成物(b)中の結晶性ポリプロピレン(b−3)の含有量としては、オレフィン系エラストマー(b−1)100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは3〜70重量部、より好ましくは5〜60重量%である。
【0022】
本発明における組成物(b)は単独で使用することもできるが、粘着力の制御を目的に、他の前記(b−1)とは異なるオレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーとの組成物として使用することもできる。
【0023】
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、炭素数2〜20のα−オレフィン重合体または共重合体、ないしはエチレンと不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸エステルとの共重合体である。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。
【0024】
スチレン系エラストマーとしては、ポリスチレン相をハードセグメントとして有する公知のスチレン系エラストマーが使用できる。具体的には、スチレン・ブタジエン共重合体(SER)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SEBS)、およびこれらの水素化物を挙げることができる。
【0025】
上記組成物(b)を単独または一成分として使用することで、本発明の表面保護フィルムにおける粘着層(X)を形成することができる。また、本発明においては、本発明の特性を損なわない範囲で、ポリエチレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂改質剤や、帯電防止剤、結晶核剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
【0026】
上記組成物(b)および必要に応じて樹脂改質剤または添加剤は、前記表面層(A)と積層することにより、本発明の表面保護フィルムとすることができる。
表面層(A)と粘着層(X)を積層する方法については特に制限は無いが、あらかじめT−ダイ成形またはインフレーション成形にて得られた表面層フィルム上に、押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により積層する方法や、表面層および粘着層を独立してフィルムとした後、各々のフィルムをドライラミネーションにより積層する方法等が挙げられるが、生産性の点から、表面層、粘着層の各成分を多層の押出機に供して成形する共押出成形が好ましい。
【0027】
本発明においては、表面層(A)と粘着層(X)との間に少なくとも1層の中間層を設けることも可能である。また、表面層(A)および粘着層(X)との接着力が不足する場合には、中間層として接着剤または接着層を使用しても良い。
中間層としては特に制限はないが、一般には、融点が100℃以上のポリプロピレンやポリエチレンなどの結晶性ポリオレフィンや、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン系エラストマーなどが使用できる。中間層を接着層として使用する場合には、変性ポリオレフィンや、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステルエラストマーなどが用いられる。これらの中で、生産性および透明性の点から、ポリプロピレンやポリオレフィンエラストマーを中間層として使用するのが好ましい。
【0028】
本発明の表面保護フィルムにおける表面層(A)の厚みとしては、0.05〜200μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1〜15μmである。粘着層(X)の厚みとしては、0.05〜50μm、好ましくは0.3〜40μm、より好ましくは0.5〜30μmである。
【0029】
本発明の表面保護フィルムの厚みとしては、必要により設けることもある中間層を含め0.1〜500μm、好ましくは0.5〜400μm、より好ましくは3〜300μmである。
【実施例】
【0030】
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】
[評価法]
粘着力
アクリル板を幅50mm、長さ125mmに切断し、この試験板に加圧式ロールラミネーターを用いて貼り付ける。次いで、300mm/分の速度で剥離(180度剥離)した時の剥離力を測定し、25mm幅あたりの剥離力を粘着力(N/25mm)とする。ここで、貼付けおよび剥離力の測定は23℃の条件下で行った。
被着体汚染
表面保護フィルムをアクリル板に貼り付け、オーブンで50℃で3日間保管した後、表面保護フィルムを剥がし、アクリル板表面の汚染状態を観察した。汚染が見られないものを○、汚染が見られたものを×とした。
巻き戻し力(繰出し性)
ロール状サンプルを用い、300mm/分の速度でロールから引き剥がす時の剥離力(N/25mm)を測定し、巻き戻し力とする。
ヘイズ:JIS K7105に準拠し、厚み50μmのフィルムにて測定した。
【0032】
実施例1
表面層および粘着層用に30mmφの単軸押出機および中間層に40mmφ単軸押出機を兼ね備えたダイ幅500mmの3種3層T−ダイ成形機に以下樹脂組成物を供給し、表面層厚み10μm、粘着層厚み10μ、中間層厚み30μm、トータル厚み50μmの表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−1に示す。
表面層:
高圧法低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製ミラソン1770P、密度0.927g/cm、MFR190=5.9g/10分、MT=35mN)100重量%、
中間層:
ホモポリプロピレン(融点=160℃、MFR230=7g/10分のプロピレン単独重合体)90重量%およびエチレン・ブテン共重合体(MFR190=3.6g/10分、1−ブテン含量19モル%)10重量%。
粘着層:
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン含量12モル%、ブテン含量19モル%、融点は観測されない、MFR=7g/10分)100重量部、
スチレン/イソブチレンブロック共重合体(カネカ社製シブスター072T、JIS−A硬度33、MFR230=6g/10分)100重量部。
【0033】
実施例2および3
各種層の樹脂組成を表−1記載の樹脂組成とした以外は、実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−1に示す。
【0034】
比較例1および2
各種層の樹脂組成を表−1記載の樹脂組成とした以外は、実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表−1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
HPLDPE;
高圧法低密度ポリエチレン(銘柄名ミラソン1770P、密度0.927g/cm、MFR190=5.9g/10分、MT=32mN、プライムポリマー社製)
h−PP;
ホモポリプロピレン(融点=160℃、MFR230=7g/10分)
EBR;
エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.885g/cm、MFR190=3.6g/10分)
PEBR−1;
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン含量12モル%、ブテン含量19モル%、融点は観測されず、MFR230=7g/10分)
SIBS;
スチレン/イソブチレンブロック共重合体(銘柄名シブスター072T、MFR230=6g/10分、JIS−A硬度33、カネカ社製)
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の表面保護フィルムは、粘着特性、透明性、巻き戻し力および耐熱性、および経時での粘着力安定性、被着体汚染性に優れ、光学用途、建材用途、自動車部品用途との保護フィルムとして産業上の利用価値は極めて高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層(A)および粘着層(X)の少なくとも2層からなる表面保護フィルムであり、表面層(A)が、エチレン系重合体(a)から形成され、粘着層(X)が、炭素数3以上のα−オレフィン20〜100モル%を構成成分とし、融点が65℃以下または融点が観測されないオレフィン系エラストマー(b−1)100重量部に対し、スチレン/イソブチレンブロック共重合体(b−2)10〜500重量部、および融点が100℃以上の結晶性ポリプロピレン(b−3)0〜100重量部を含有してなる組成物(b)から形成されることを特徴とする表面保護フィルム。
【請求項2】
オレフィン系エラストマー(b−1)が、プロピレン系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
【請求項3】
オレフィン系エラストマー(b−1)が、プロピレン系共重合体であり、各モノマーの炭素数の総和が8以上であることを特徴とする請求項1または2記載の表面保護フィルム。
【請求項4】
表面層(A)および粘着層(X)の少なくとも2層をT−ダイから押出成形して得られる多層フィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護フィルム。

【公開番号】特開2008−273085(P2008−273085A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120806(P2007−120806)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000111432)三井化学ファブロ株式会社 (36)
【Fターム(参考)】