説明

袋体の開口部の結束方法

【課題】施工現場での作業性の改善を図ることができる袋体の開口部の結束方法を提供する。
【解決手段】袋体Fの開口部の結束方法は、袋体Fの開口部近傍に設けられ、開口部を開閉する開口部開閉ロープ2と、袋体Fに取り付けられ、中詰め材1を充填した袋体Fを吊り上げる吊り上げロープ3とを備え、開口部開閉ロープ2の袋体Fの取り付け部位は、吊り上げロープ3の袋体Fの取り付け部位より開口部に近い側に位置し、中詰め材1を充填した袋体Fを吊り上げロープ3で吊り上げ、この吊り上げた状態で開口部開閉ロープ2で開口部を閉じるようにするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体の開口部の結束方法に係り、特に、施工現場での作業性の改善を図ることができる袋体の開口部の結束方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川、海域における護岸、防波堤等において、内部に中詰め材を充填した袋体が使用されている。
割り石、割栗石、コンクリート塊等の中詰め材は、袋体の開口部から充填し、中詰め材が所定量に達すると、袋体の開口部を閉じ、その後、吊り上げロープで所定位置へと移動するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、袋体の開口部を口縛りロープで閉じる際、口縛りロープに中詰め材の荷重がかかり、口縛りロープで引っ張っても、袋体の開口部をうまく閉じることができず、無理に閉じようとすれば、かなりの力を要するという問題点があった。
【0004】
本発明は、前記問題点を考慮してなされたもので、施工現場での作業性の改善を図ることができる袋体の開口部の結束方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の袋体の開口部の結束方法は、合成繊維で形成された網で、内部に中詰め材を充填して使用する袋体であって、前記袋体の開口部近傍に設けられ、前記開口部を開閉する開口部開閉ロープと、前記袋体に取り付けられ、前記中詰め材を充填した前記袋体を吊り上げる吊り上げロープとを備え、前記開口部開閉ロープの前記袋体の取り付け部位は、前記吊り上げロープの前記袋体の取り付け部位より前記開口部に近い側に位置し、前記中詰め材を充填した前記袋体を前記吊り上げロープで吊り上げ、この吊り上げた状態で前記開口部開閉ロープで前記開口部を閉じるようにするものである。
【0006】
また、請求項2記載の袋体の開口部の結束方法は、合成繊維で形成された網で、内部に中詰め材を充填して使用する袋体であって、前記袋体の開口部近傍に設けられ、前記開口部を開閉する開口部開閉ロープと、前記袋体に取り付けられ、前記中詰め材を充填した前記袋体を吊り上げる吊り上げロープとを備え、前記開口部開閉ロープの前記袋体の取り付け部位は、前記吊り上げロープの前記袋体の取り付け部位より前記開口部に近い側に位置し、前記中詰め材を充填した前記袋体を前記吊り上げロープで吊り上げ、この吊り上げた状態で前記開口部開閉ロープで前記開口部を閉じると共に、前記開口部開閉ロープで前記吊り上げロープの周囲を旋回して巻き付け、巻き付け後、前記開口部開閉ロープが解けないように前記開口部開閉ロープを結束するものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の袋体の開口部の結束方法によれば、開口部開閉ロープの袋体の取り付け部位は、吊り上げロープの袋体の取り付け部位より開口部に近い側に位置しているため、中詰め材を充填した袋体を吊り上げロープで吊り上げ、この吊り上げた状態で開口部開閉ロープで開口部を閉じれば、吊り上げロープの内側に位置する開口部開閉ロープには、吊り上げロープに比較し、中詰め材の荷重がかからず、容易に開口部を閉じることができ、施工現場での作業性の改善を図ることができる。
【0008】
また、請求項2記載の袋体の開口部の結束方法によれば、開口部開閉ロープの袋体の取り付け部位は、吊り上げロープの袋体の取り付け部位より開口部に近い側に位置しているため、中詰め材を充填した袋体を吊り上げロープで吊り上げ、この吊り上げた状態で開口部開閉ロープで開口部を閉じれば、吊り上げロープの内側に位置する開口部開閉ロープには、吊り上げロープに比較し、中詰め材の荷重がかからず、容易に開口部を閉じることができると共に、前記開口部開閉ロープで前記吊り上げロープの周囲を旋回して巻き付け、巻き付け後、前記開口部開閉ロープが解けないように前記開口部開閉ロープを結束して、施工現場での作業性の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施例の袋体の開口部の結束方法によって結束された状態を示す概略的斜視図である。
【図2】図2は、図1の袋体に中詰め材を充填する状態を示す概略的斜視図である。
【図3】図3は、図2の袋体に中詰め材を充填し、吊り上げる前の状態を示す概略的斜視図である。
【図4】図4は、図2の袋体の開口部を形成する前の状態の概略的平面図である。
【図5】図5は、図4の5−5線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図5の袋体の先端部を折り返し、図2の開口部を形成した状態を示す概略的断面図である。
【図7】図7は、図4の一部を拡大して示す概略的一部拡大図である。
【図8】図8は、図3の袋体を吊り上げ、開口部開閉ロープで袋体の開口部を閉じる前の状態を示す概略的図である。
【図9】図9は、図8の袋体の開口部を閉じた状態を示す概略的図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施例の袋体の開口部の結束方法を図面を参照して説明する。
図1に示すFは,合成繊維で形成された網で、内部に中詰め材1を充填して使用する袋体である。中詰め材1を充填した袋体Fは、河川、海域、防波堤等において使用される。
【0011】
図2に示す中詰め材1は、例えば、割り石、割栗石、コンクリート塊等である。2は、袋体Fの開口部FA近傍に設けられ、開口部FAを開閉する開口部開閉ロープである。開口部開閉ロープ2は、図7に示すように、例えば、袋体Fの網の目を一つ飛ばして、開口部FAを環状に形成すると共に、開口部FAの外方へと向かう構成となっている。
なお、開口部FAは、例えば、図4に示す網の先端部F1を折り返して形成する(図2、図4〜図6参照)。
【0012】
また、図3に示す3は吊り上げロープで、吊り上げロープ3は、袋体Fに取り付けられ、中詰め材1を充填した袋体Fを吊り上げるものである。
開口部開閉ロープ2の袋体1の取り付け部位Aは、図3及び図4に示すように、吊り上げロープ3の袋体1の取り付け部位Bより開口部FAに近い側に位置している。
【0013】
従って、図2の状態で、開口部FAから中詰め材1を充填し、中詰め材1が所定量に達すると、中詰め材1を充填した袋体Fを吊り上げロープ3で吊り上げ、具体的には、吊り上げロープ3は、例えば、図示しないバックホウ等に取り付けられた部材の先端のフック10に引っ掛けられて持ち上げられるようになっている(図3、図8及び図9参照)。
この吊り上げた状態で、開口部開閉ロープ2を図7及び図8の矢印方向に引っ張って、開口部開閉ロープ2で開口部FAを閉じると共に、開口部開閉ロープ2で吊り上げロープ3の周囲を旋回して巻き付け(図9参照)、巻き付け後、開口部開閉ロープ2が解けないように開口部開閉ロープ2を結束する(図1参照)。
【0014】
従って、上述した袋体の開口部の結束方法によれば、開口部開閉ロープ2の袋体1の取り付け部位Aは、吊り上げロープ3の袋体1の取り付け部位Bより開口部FAに近い側に位置しているため、中詰め材1を充填した袋体Fを吊り上げロープ3で吊り上げ、この吊り上げた状態で開口部開閉ロープ2で開口部FAを閉じれば、吊り上げロープ3の内側に位置する開口部開閉ロープ2には、吊り上げロープ3に比較し、中詰め材1の荷重がかからず、開口部FAを容易に閉じることができ、しかも、開口部開閉ロープ2で吊り上げロープ3の周囲を旋回して巻き付け、巻き付け後、開口部開閉ロープ2が解けないように開口部開閉ロープ2を結束して、施工現場での作業性の改善を図ることができる。
【符号の説明】
【0015】
F 袋体
FA 開口部
A 開口部開閉ロープの袋体の取り付け部位
B 吊り上げロープの袋体の取り付け部位
1 中詰め材
2 開口部開閉ロープ
3 吊り上げロープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成繊維で形成された網で、内部に中詰め材を充填して使用する袋体であって、
前記袋体の開口部近傍に設けられ、前記開口部を開閉する開口部開閉ロープと、
前記袋体に取り付けられ、前記中詰め材を充填した前記袋体を吊り上げる吊り上げロープとを備え、
前記開口部開閉ロープの前記袋体の取り付け部位は、前記吊り上げロープの前記袋体の取り付け部位より前記開口部に近い側に位置し、
前記中詰め材を充填した前記袋体を前記吊り上げロープで吊り上げ、
この吊り上げた状態で前記開口部開閉ロープで前記開口部を閉じるようにする
ことを特徴とする袋体の開口部の結束方法。
【請求項2】
合成繊維で形成された網で、内部に中詰め材を充填して使用する袋体であって、
前記袋体の開口部近傍に設けられ、前記開口部を開閉する開口部開閉ロープと、
前記袋体に取り付けられ、前記中詰め材を充填した前記袋体を吊り上げる吊り上げロープとを備え、
前記開口部開閉ロープの前記袋体の取り付け部位は、前記吊り上げロープの前記袋体の取り付け部位より前記開口部に近い側に位置し、
前記中詰め材を充填した前記袋体を前記吊り上げロープで吊り上げ、
この吊り上げた状態で前記開口部開閉ロープで前記開口部を閉じると共に、前記開口部開閉ロープで前記吊り上げロープの周囲を旋回して巻き付け、巻き付け後、前記開口部開閉ロープが解けないように前記開口部開閉ロープを結束する
ことを特徴とする袋体の開口部の結束方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−131532(P2012−131532A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285274(P2010−285274)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(591224766)ナカダ産業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】