説明

被保護者管理システム

【課題】構成を複雑化することなく、簡易な構成で被保護者に対する保護を図る。
【解決手段】被保護者管理システム1は、子供P1Aに所持される、被保護者情報を記憶したIC回路部及びタグアンテナを備える子供用タグT1Aと、子供P1Aの親P2A、P2Bに所持される、被保護者情報に関連付けられた保護者情報を記憶したIC回路部及びタグアンテナを備える親用タグT2A、T2Bと、複数のリーダR1A〜R1Jとを有し、特定のリーダR1Hが子供用タグT1Aから被保護者情報を取得したとき、対応する親用タグT2A、T2Bからも保護者情報が取得されるような、子供P1Aの保護状態を維持するための所定の情報処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護者が子供、老人、病人等の被保護者を管理するための被保護者管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば迷子になった子供(被保護者)を親(保護者)が探すための位置検出システムとして、例えば特許文献1記載のものが知られている。この従来技術では、グローバルポジショニングシステム(GPS)を用いて、被保護者の位置と保護者の位置とを検出する。そして、その検出結果に基づき、捜索者である保護者から見てどの方向にどれだけ離れた場所に被保護者がいるかを算出し、表示手段に表示して保護者に知らせるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−104331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、まず、保護者側の受信局に設けた測位手段と被保護者側の受信局に設けた測位手段とが、それぞれGPS衛星からの情報を受信して自らの位置を演算する(第1の測位手段と第2測位手段)。その後、それら2つの測位手段が、自ら演算した自己の位置情報をさらにサーバ等(相対位置算出手段)へ送信し、そのサーバにおいて2つの受信局間の距離を求める必要がある。すなわち、受信局において、GPS衛星との通信とサーバ側との通信の2種類の通信に対応した構成が必要となり、システム構成が複雑化するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、構成を複雑化することなく、簡易な構成で被保護者に対する保護を図れる、被保護者管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被保護者情報を記憶した第1IC回路部、及び、情報を送受信する第1タグアンテナを備え、被保護者に所持される少なくとも1つの第1無線タグと、前記被保護者情報に対し関連付けられた保護者情報を記憶した第2IC回路部、及び、情報を送受信する第2タグアンテナを備え、前記被保護者の保護者に所持される少なくとも1つの第2無線タグと、所定の通信範囲を形成し、前記通信範囲内に位置する前記第1無線タグ及び前記第2無線タグから、無線通信により前記被保護者情報及び前記保護者情報を取得可能な少なくとも1つの情報読み取り手段と、特定の第1情報読み取り手段が前記第1無線タグから前記被保護者情報を取得したとき、対応する前記第2無線タグからも前記保護者情報が取得されるような、被保護者の保護状態を維持するための所定の情報処理を行う情報処理手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明においては、被保護者は第1無線タグを所持しており、この第1無線タグに備えられた第1IC回路部に被保護者情報が記憶されている。また、被保護者を保護する保護者は第2無線タグを所持しており、この第2無線タグに備えられた第2IC回路部に、上記被保護者情報に関連付けられた保護者情報が記憶されている。さらに、少なくとも1つの情報読み取り手段が設けられ、各情報読み取り手段は、上記第1無線タグや第2無線タグを含むような通信範囲を形成して無線通信を行い、第1無線タグから被保護者情報を取得するとともに、第2無線タグから保護者情報を取得することができる。そして、情報処理手段が、上記情報読み取り手段の情報取得結果に応じて、被保護者の保護状態を維持するための所定の情報処理を行う。これにより、特定の第1情報読み取り手段が第1無線タグから被保護者情報を取得したときに、対応する前記第2無線タグからも保護者情報を取得するような(言い換えれば、通信範囲に第1無線タグが存在する場合には、対応する第2無線タグも必ず同じ通信範囲に存在するような)、所定の処理が実行される。これにより、第2無線タグを所持する保護者による、第1無線タグを所持する被保護者に対する保護状態が損なわれないようにすることができる。この結果、構成を複雑化することなく簡易な構成で被保護者に対する保護を図ることができ、セキュリティーや防犯性を向上することができる。
【0008】
第2発明は、上記第1発明において、前記第1IC回路部に記憶される前記第1無線タグの第1タグ識別情報と、前記第2IC回路部に記憶される前記第2無線タグの第2タグ識別情報とを互いに関連付け、前記第1タグ識別情報を前記被保護者情報とするとともに、前記第2タグ識別情報を前記保護者情報とする関連付け処理手段を有することを特徴とする。
【0009】
これにより、予め第1IC回路部及び第2IC回路部に対し第1タグ識別情報及び第2タグ識別情報をそれぞれ記憶させておき(あるいは製造時に既に記憶された第1タグ識別情報や第2タグ識別情報を用いてもよい)、それらを事後的に関連付け処理手段で関連付けることで、第1無線タグと第2無線タグとを対応付けることができる。また、この結果、それぞれ固有のタグ識別情報を記憶させた同一仕様の複数の無線タグを利用しつつ、タグ識別情報の管理のみによって、第1無線タグや第2無線タグとして使用することもできる。
【0010】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記情報処理手段は、前記第1情報読み取り手段により、少なくとも1つの前記第1無線タグから前記被保護者情報が取得されるとともに当該第1無線タグに関連付けられた前記第2無線タグから前記保護者情報が取得されなかった場合に、対応する報知を行うための報知信号を生成し出力する報知信号生成手段であることを特徴とする。
【0011】
これにより、第1無線タグを所持する被保護者の近傍に第2無線タグを所持する保護者が存在しない状態を確実に検出し、対応する報知を例えば管理者や保護者に対して行うことができる。この結果、被保護者が保護者から長時間はぐれた状態となるのを防止し、セキュリティーや防犯性を向上することができる。
【0012】
第4発明は、上記第3発明において、前記第1情報読み取り手段は、所定の管理区画に設けられ、当該管理区画の境界の通過検出が可能な前記通信範囲を形成し、前記第1無線タグ又は前記第2無線タグからの前記被保護者情報又は前記保護者情報の取得を行う、通過検出用情報読み取り手段であることを特徴とする。
【0013】
これにより、第1無線タグを所持する被保護者が、単独で(=第2無線タグを所持する保護者が同伴しない状態で)管理区画の境界を通過した場合に、そのことを確実に検出することができる。この結果、被保護者が単独で当該管理区画から出ないように管理することができる。また、被保護者の通過検出時には、その検出結果から、直前まで被保護者がどこにいたのかを推定することができる効果もある。
【0014】
第5発明は、上記第4発明において、特定の前記第2無線タグの前記第2IC回路部に記憶された前記保護者情報と実質的に同一の情報を記憶した第3IC回路部、及び、情報を送受信する第3タグアンテナを備え、システム管理者又はその権限を委託された者に所持される第3無線タグを有することを特徴とする。
【0015】
これにより、システム管理者やその委託者が第3無線タグを所持することで、保護者と同等の権限を有する者として、保護者を代理して被保護者を保護管理することが可能となる。また、被保護者単独での通過が禁止される管理区画の境界についても、第3無線タグを所持したシステム管理者や委託者が同伴することで通過可能とすることができる。
【0016】
第6発明は、上記第4発明において、少なくとも1つの前記第1無線タグの前記第1IC回路部は、特定の前記管理区画の境界の前記通過検出時において、前記第2無線タグの前記第2IC回路部に記憶された前記保護者情報と同等に機能可能な保護者代理情報を記憶していることを特徴とする。
【0017】
これにより、保護者代理情報を記憶した第1無線タグを所持した一部の被保護者については、通常は被保護者単独での通過が禁止される管理区画の境界についても、例外的に単独で通過可能とすることができる。この結果、さらにきめの細かい管理が可能となり、利便性が向上する。
【0018】
第7発明は、上記第3乃至第6発明のいずれかにおいて、前記第1情報読み取り手段により、少なくとも1つの前記第1無線タグから前記被保護者情報が取得されるとともに、当該第1無線タグに関連付けられた前記第2無線タグ又は前記第3無線タグから前記保護者情報又はこれと実質的に同一の情報が取得されなかった場合に、当該第1無線タグを所持する前記被保護者を撮影するための撮像手段を有することを特徴とする。
【0019】
これにより、第1無線タグを所持する被保護者が単独で管理区画の境界を通過した場合に、その通過した被保護者の外見映像を取得することができる。この結果、保護者は、自らの保護対象である被保護者がはぐれたことを確実に認識することができる。
【0020】
第8発明は、上記第1又は第2発明において、前記情報処理手段は、前記第1情報読み取り手段に先だって情報読み取りを行う第2情報読み取り手段により、少なくとも1つの前記第1無線タグ及び少なくとも1つの前記第2無線タグを含む合計3つ以上の無線タグから、前記被保護者情報及び当該被保護者情報に関連付けられた前記保護者情報が取得された場合に、当該3つ以上の無線タグを、少なくとも1つの前記第1無線タグ及び少なくとも1つの前記第2無線タグを含む第1グループと、それ以外の第2グループとに、グループ分けするガイド表示を行うための表示信号を生成し出力する表示信号生成手段であることを特徴とする。
【0021】
本願第8発明は、3つ以上の無線タグをそれぞれ持った保護者及び被保護者からなる集団(例えば家族等)が、例えばレストランや休憩所の空席位置等のやむを得ない都合により、2つのグループに分かれて行動せざるを得ない場合に、対応するものである。第2情報読み取り手段が、そのような集団の存在を、通信範囲内に位置する第1及び第2無線タグからの情報取得結果によって検知すると、表示信号生成手段は、被保護者の所持する第1無線タグが存在する第1グループに、必ず第2無線タグが含められるような、ガイド表示の表示信号を出力する。これにより、上記集団に対し、被保護者がいるグループには必ず最低1人の保護者が含まれるようなグループ分けのガイド表示が行われるので、被保護者が保護者なしの単独で行動する状態を回避することができる。この結果、セキュリティーや防犯性を向上することができる。
【0022】
第9発明は、上記第8発明において、前記第1情報読み取り手段は複数設けられており、当該複数の第1情報読み取り手段は、前記第1グループに含まれる前記少なくとも1つの第1無線タグと前記少なくとも1つの第2無線タグとを前記通信範囲内に含み、それら第1無線タグ及び第2無線タグから前記被保護者情報及び前記保護者情報を取得する第1グループ用情報読み取り手段と、前記第2グループに含まれる少なくとも1つの前記第1無線タグ又は前記第2無線タグを前記通信範囲内に含み、当該第1無線タグ又は第2無線タグから前記被保護者情報又は前記保護者情報を取得する第2グループ用情報読み取り手段とを含むことを特徴とする。
【0023】
これにより、3つ以上の無線タグをそれぞれ持った保護者及び被保護者からなる上記家族等が、上記ガイド表示に従い、被保護者に対し最低1人の保護者が付き添ったグループと、それ以外のグループとに分かれて行動したことを、確実に識別することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、構成を複雑化することなく、簡易な構成で被保護者に対する保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態の被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】被保護者管理システムの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図3】第1リーダ及びリーダライタの高周波回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】子供・親用タグに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】管理サーバによって関連付けが行われる前の、子供・親用タグの無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ部の記憶内容を概念的に示す図である。
【図6】管理サーバによって関連付けが行われた後の、子供・親用タグの無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ部の記憶内容を概念的に示す図である。
【図7】子供が所定のゾーンの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図である。
【図8】子供が所定のゾーンの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図である。
【図9】子供が所定のゾーンの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図である。
【図10】管理サーバのCPUによって実行される、子供に所持される子供用タグの第1タグIDと、その子供の親に所持される親用タグの第2タグIDとの関連付けに関する制御内容を表すフローチャートである。
【図11】管理サーバのCPUによって実行される、ゾーンの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容を表すフローチャートである。
【図12】特定のゾーンの境界については、一部の子供単独でも通過可能とする変形例において、被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図13】子供が単独で特定のゾーンの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図である。
【図14】管理サーバのCPUによって実行される、ゾーンの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容を表すフローチャートである。
【図15】係員が親を代理する変形例において、被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図16】子供が係員に同伴された状態でゾーンの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図である。
【図17】子供が所定のゾーンの境界を単独で通過したら、その子供をカメラにより撮影し報知する変形例において、被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図18】子供が単独でゾーンの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図である。
【図19】管理サーバのCPUによって実行される、ゾーンの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容を表すフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施形態による被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【図21】被保護者管理システムの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図22】各テーブルと、検出された空席数との対応関係の一例を表す図である。
【図23】各テーブルと、検出された空席数との対応関係の他の例を表す図である。
【図24】3人家族のグループ分けについて説明する説明図である。
【図25】ガイド表示時における、ディスプレイでの表示画面の一例を表す図である。
【図26】3人家族のグループ分けについて説明する説明図である。
【図27】ガイド表示時における、ディスプレイでの表示画面の一例を表す図である。
【図28】3人家族が、グループ分けのガイド表示に従ってグループ分けし、別々のテーブルに係るイスに着席している状態を表す図である。
【図29】4人家族のグループ分けについて説明する説明図である。
【図30】管理サーバのCPUによって実行される、ガイド表示及び着席確認に関する制御内容を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
本発明の第1実施形態を図1〜図19により説明する。本実施形態は、本発明の被保護者管理システムを、一例として水族館に適用した場合の例である。
【0028】
図1は、本実施形態の被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【0029】
図1において、水族館に、各種の鑑賞対象物(図示せず。例えば魚類、水中動物、水中植物など)を含む複数の水槽a〜hが設けられている。また、この水族館においては、上記水槽a〜h内の鑑賞対象物を鑑賞しつつ入口から出口に到る経路(図中矢印Xで示す。以下適宜、「正規経路X」と称する)が予め定められている。また、この水族館の入口付近には、水族館へ入場するための入場券を受け取る(例えば購入する)ための受付カウンタ10が設置されている。
【0030】
本実施形態の被保護者管理システム1は、無線タグを用いて、親子連れにおける子供の保護を図るものである。すなわち、被保護者管理システム1は、子供P1に所持される子供用タグT1と、その子供P1の親P2に所持される親用タグT2と、複数の(この例では10個の)リーダR1A〜R1J(通過検出用情報読み取り手段、第1情報読み取り手段、情報読み取り手段)と、リーダライタRWと、管理サーバ20とを有している。この図1では、一例として、子供用タグT1(第1無線タグ。図示の例では子供用タグT1A)を所持する、1人の子供P1(被保護者。図示の例では子供P1A)と、親用タグT2(第2無線タグ。図示の例では親用タグT2A,T2B)を所持する、上記子供P1の2人の親P2(保護者。図示の例では親P2A,P2B)とが水族館に入場した場合を示している。
【0031】
なお、以下適宜、子供P1(後述するように他の子供P1B〜P1Fがある場合はこれを含む)及び親P2(後述するように他の親P2C〜P2Oがある場合はこれを含む)を総称して単に「子供・親P」のように称する。また、子供用タグT1(後述のように他の子供P1Bに係る子供用タグT1Bがある場合はこれを含む)及び親用タグT2を総称して単に「子供・親用タグT」「タグT」のように称する。
【0032】
各子供・親用タグTは、無線タグ回路素子To(後述の図2参照)をそれぞれ備えており、この例では、各子供・親Pごとに所持されるIDカードやIDチケットなどの入場券の形態を取っている。なお、子供・親用タグTの形態については、上記入場券に限定するものではなく、例えば手首に取り付ける腕輪のような装身具等でもよい。
【0033】
また、この例では、この子供・親用タグTは、例えば子供・親Pが水族館へ入場する際に、受付カウンタ10で係員S(システム管理者。又はその権限を委託された者でもよい)から受け取るようになっている。あるいは、例えば自動券売機などで受け取るようにしてもよい。そして、このとき子供P1が受け取る子供用タグT1と、その子供P1の親P2が受け取る親用タグT2とは、管理サーバ20により互いに関連付けられている(例えばそれぞれのタグIDが関係づけられている)。
【0034】
各リーダR1A〜R1Jは、水族館の通路の例えば壁面にそれぞれ設置され、所定のゾーンZA〜ZJ(所定の管理区画)のうち隣接するゾーン同士の境界(図示せず)の通過検出が可能な、所定の通信範囲W1A〜W1Jをそれぞれ形成している。すなわち、リーダR1Aの通信範囲W1AはゾーンZA,ZBの境界に位置し、当該リーダR1Aはその境界の通過検出を行える。リーダR1Bの通信範囲W1BはゾーンZB,ZCの境界に位置し、当該リーダR1Bはその境界の通過検出を行える。リーダR1Cの通信範囲W1CはゾーンZC,ZDの境界に位置し、当該リーダR1Cはその境界の通過検出を行える。リーダR1Dの通信範囲W1DはゾーンZD,ZEの境界に位置し、当該リーダR1Dはその境界の通過検出を行える。リーダR1Eの通信範囲W1EはゾーンZE,ZFの境界に位置し、当該リーダR1Eはその境界の通過検出を行える。リーダR1Fの通信範囲W1FはゾーンZF,ZGの境界に位置し、当該リーダR1Fはその境界の通過検出を行える。リーダR1Gの通信範囲W1GはゾーンZG,ZHの境界に位置し、当該リーダR1Gはその境界の通過検出を行える。リーダR1Hの通信範囲W1HはゾーンZH,ZIの境界に位置し、当該リーダR1Hはその境界の通過検出を行える。リーダR1Iの通信範囲W1IはゾーンZIと出口近傍ゾーンとの境界に位置し、当該リーダR1Iはその境界の通過検出(言い換えれば出口通過検出)を行える。リーダR1Jの通信範囲W1JはゾーンZI,ZJの境界に位置し、当該リーダR1Jはその境界の通過検出を行える。
【0035】
子供・親Pが隣接する各ゾーンZA〜ZJの境界を通過する場合には、上気したように、その子供・親Pが所持する子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toが、隣接する各ゾーンZA〜ZJの境界に対応した各リーダR1A〜R1Jの各通信範囲W1A〜W1Jに入るようになっている。これにより、各リーダR1A〜R1Jは、子供・親Pが隣接する各ゾーンZA〜ZJの境界を通過するときに、当該子供・親Pの子供・親用タグTから情報(被保護者情報や保護者情報等。後述)の読み取りを行うことができる。なお、以下適宜、リーダR1A〜R1Jを総称して単に「リーダR1」のように称し、所定の通信範囲W1A〜W1Jを総称して単に「所定の通信範囲W1」のように称する。また、所定のゾーンZA〜ZJを総称して単に「所定のゾーンZ」のように称する。
【0036】
リーダライタRWは、この例では上記受付カウンタ10内に設置されており、所定の通信範囲(図示せず)内の子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toに対し情報(第1タグIDや第2タグID等。後述)の読み取り・書き込みを行うことができる。
【0037】
管理サーバ20は、この例では上記受付カウンタ10内に設置されている。そして、上記リーダR1により読み取られた情報に基づき、所定の情報処理(後述)を行ったり、上記リーダライタRWを介して、子供用タグT1及び親用タグT2の関連付けを行ったりする(詳細は後述する)。
【0038】
図2は、本実施形態の被保護者管理システム1の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0039】
図2において、被保護者管理システム1は、前述したように、子供用タグT1と、親用タグT2と、複数のリーダR1A〜R1Jと、リーダライタRWと、これらリーダR1A〜R1J及びリーダライタRWに適宜の通信ネットワークNWでそれぞれ接続された管理サーバ20とを有している。
【0040】
子供・親用タグT1,T2は、情報を記憶するIC回路部150及び情報を送受信するタグアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toをそれぞれ有している。なお、子供用タグT1に係るIC回路部150が第1IC回路部に相当し、子供用タグT1に係るタグアンテナ151が第1タグアンテナに相当する。また、親用タグT2に係るIC回路部150が第2IC回路部に相当し、親用タグT2に係るタグアンテナ151が第2タグアンテナに相当する。
【0041】
各リーダR1A〜R1Jは、アンテナ101A、高周波回路102A、及びネットワーク通信制御部103Aをそれぞれ有している。
【0042】
アンテナ101Aは、上記通信範囲W1内に位置する子供・親用タグT1,T2の無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う。高周波回路102Aは、上記アンテナ101Aを介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスするとともに、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する。ネットワーク通信制御部103Aは、上記通信ネットワークNWを介して上記管理サーバ20との間で行われる通信の制御を行う。
【0043】
リーダライタRWは、アンテナ51、高周波回路52、及びネットワーク通信制御部53を有している。
【0044】
アンテナ51は、上記所定の通信範囲内に位置する子供・親用タグT1,T2の無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う。高周波回路52及びネットワーク通信制御部53は、上記高周波回路102A及びネットワーク通信制御部103Aとそれぞれ同様の機能である。
【0045】
管理サーバ20は、CPU(中央演算装置)21と、メモリ22と、操作部23と、表示部24と、大容量記憶装置25と、ネットワーク通信制御部26とを有している。
【0046】
メモリ22は、例えばRAMやROM等から構成される。CPU21は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムを実行し、各種処理を実行する。操作部23には、操作者(例えば係員S)からの指示や情報が入力される。表示部24は、各種情報やメッセージを表示する。大容量記憶装置25は、ハードディスク装置からなり、各種情報を記憶するデータベースとして機能する。ネットワーク通信制御部26は、上記通信ネットワークNWを介して上記各リーダR1A〜R1J及びリーダライタRWとの間で行われる通信の制御を行う。
【0047】
図3は、リーダR1及びリーダライタRWの高周波回路102A,52の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【0048】
図3において、高周波回路102A,52には、管理サーバ20のCPU21により生成される、上記子供・親用タグTに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150から情報を読み出す(又はIC回路部150へアクセスして所望の情報を書き込む)ための各種コマンドが、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、及びネットワーク通信制御部103A,53を介して入力される。なお、煩雑防止のため図3では、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、及びネットワーク通信制御部103A,53の図示を省略している。
【0049】
高周波回路102A,52は、アンテナ101A,51を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、アンテナ101A,51により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0050】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、管理サーバ20のCPU21の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/逓倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記CPU21から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU21からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例ではCPU21からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介しアンテナ101A,51に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0051】
受信部143は、アンテナ101A,51で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記アンテナ101A,51で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU21に入力されて処理される。
【0052】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU21に入力される。これにより、管理サーバ20では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
【0053】
図4は、子供・親用タグTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0054】
図4において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダR1及びリーダライタRWのアンテナ101A,51と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0055】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0056】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信されたリーダR1及びリーダライタRWのアンテナ101A,51からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(後述のタグ識別情報を含む信号)として送信する。
【0057】
クロック抽出部154は、受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0058】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0059】
図5は、管理サーバ20によって関連付けが行われる前の、子供・親用タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155の記憶内容を概念的に示す図である。図5(a)には、子供P1に所持される子供用タグT1に係る記憶内容を示し、図5(b)には、親P2に所持される親用タグT2に係る記憶内容を示している。
【0060】
図5(a)及び図5(b)において、管理サーバ20によって後述の関連付けが行われる前の、すなわち、子供・親P1,P2に所持される前の、子供・親用タグT1,T2の無線タグ回路素子Toのメモリ部155には、それぞれの無線タグ回路素子Toの固有のタグ識別情報であるタグIDが予め記憶されている。なお、図5(a)に示す子供用タグT1の無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶されたタグIDが、第1タグ識別情報に相当し、図5(b)に示す親用タグT2の無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶されたタグIDが、第2タグ識別情報に相当する。以下適宜、第1タグ識別情報に相当するタグIDを「第1タグID」と称し、第2タグ識別情報に相当するタグIDを「第2タグID」と称する。
【0061】
そして、子供・親P1,P2が水族館に入場する際には、前述したように、管理サーバ20によって、子供P1に所持される子供用タグT1の第1タグIDと、その子供P1の親P2に所持される親用タグT2の第2タグIDとを互いに関連付ける。そして、上記第1タグID及び第2タグIDの関連付けが行われた後の、子供・親用タグT1,T2を、上記受付カウンタ10で子供・親P1,P2にそれぞれ渡すようになっている。
【0062】
図6は、管理サーバ20によって関連付けが行われた後の、子供・親用タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155の記憶内容の一例を概念的に示す図である。図6(a)には、子供P1に所持される子供用タグT1に係る記憶内容を示し、図6(b)には、親P2に所持される親用タグT2に係る記憶内容を示している。
【0063】
図6(a)に示すように、管理サーバ20によって第1タグID及び第2タグIDの関連付けが行われた後の、子供P1に所持される子供用タグT1の無線タグ回路素子Toのメモリ部155には、上記第1タグID(上述のように予め記憶されている)と、当該第1タグIDに関連付けられた第2タグIDとが記憶されている。なお、ここでは、メモリ部155に予め記憶されているタグID(第1タグID又は第2タグID)と、当該タグIDに関連付けられたタグID(第2タグID又は第1タグID)を表す情報とを区別するため、関連付けられたタグIDに対し星印を付加して示している(以下同様)。
【0064】
上記第1タグIDに関連付けられた第2タグIDは、上記リーダライタRWを介してメモリ部155に書き込まれた、当該子供用タグT1を所持する子供P1の親P2に所持される親用タグT2の第2タグIDを特定する情報である。
【0065】
なお、図6に示す例では、子供P1に対し2人の親P2が同伴している場合、すなわち、子供用タグT1の第1タグIDと、2つの親用タグT2の第2タグIDとが互いに関連付けられている場合を示している。
【0066】
一方、図6(b)に示すように、管理サーバ20によって上記関連付けが行われた後の、親P2に所持される親用タグT2の無線タグ回路素子Toのメモリ部155には、上記第2タグID(上述のように予め記憶されている)と、当該第2タグIDに関連付けられた第1タグIDとが記憶されている。
【0067】
上記第2タグIDに関連付けられた第1タグIDは、上記リーダライタRWを介してメモリ部155に書き込まれた、当該親用タグT2を所持する親P2の子供P1に所持される子供用タグT1の第1タグIDを特定する情報である。
【0068】
このように、管理サーバ20によって、第1タグID及び第2タグID、言い換えれば、子供用タグT1及び親用タグT2の関連付けが行われた後は、上記第1タグIDが子供P1(すなわち被保護者)に関する被保護者情報とされ、当該第1タグID(=被保護者情報)に関連付けられた第2タグIDが当該子供P1の親P2(すなわち保護者)に関する保護者情報とされる。
【0069】
以上のような構成の本実施形態の最大の特徴は、特定のリーダR1の通信範囲W1を子供P1が通過したとき、対応する親P2が一緒に当該通信範囲W1を通過しなかった場合には、所定の報知を行うことである。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0070】
すなわち、本実施形態においては、リーダR1により、少なくとも1つの子供用タグT1から上記被保護者情報(第1タグID)が取得されたときに、当該子供用タグT1から被保護者情報を取得したリーダR1により、当該子供用タグT1に関連付けられた親用タグT2(以下適宜、単に「対応する親用タグT2」という)から保護者情報(第2タグID)が取得されなかった場合、対応する報知が行われるようになっている。上記対応する報知としては、例えば、上記対応する親用タグT2を所持する親P2の携帯電話(図示せず)に、「お子様が離れています」旨のテキストのメールを送信したり、当該親P2に予め警報機(図示せず)を渡しておき、その警報機により警報(アラーム)発報したりして行えばよい。又は、親P2ではなく上記係員Sや警備員(図示せず)が所持する警報機により警報発報して行ってもよい。
【0071】
図7、図8、及び図9は、子供P1が上記所定のゾーンZA〜ZJの境界を通過する際の種々の状態をそれぞれ表す概念的説明図である。これら図7、図8、及び図9では、1人の子供P1A及びその子供P1Aの2人の親(すなわち両親)P2A,P2Bからなる家族を例にとって説明する。
【0072】
図7、図8、及び図9において、前述したように、水族館に入場した子供P1Aは子供用タグT1Aを所持しており、親P2Aは親用タグT1Aを所持しており、親P2Bは親用タグT1Bを所持している。そして、それら子供タグT1A及び各親タグT2A,T2B、すなわち、子供タグT1の被保護者情報(第1タグID)、及び、各親タグT2の保護者情報(第2タグID)は、互いに関連付けられている。
【0073】
そして、前述したように、この水族館には予め正規経路Xが定められており、子供・親P1A,P2A,P2Bは、各水槽a〜h内の鑑賞対象物を鑑賞しつつ、上記正規経路Xに従って通路を移動し、上記各ゾーンZA〜ZJをゾーンZA→ゾーンZB→・・・→ゾーンZH→ゾーンZI(ゾーンZJ)→出口という順番で通過する。
【0074】
まず、図7には、子供P1Aが2人の親P2A,P2Bに同伴された状態で上記ゾーンZAとゾーンZBとの境界を通過する場合を示している。このとき、子供・親P1A,P2A,P2Bは、それぞれ上記ゾーンZA,ZBの境界に設けられたリーダR1Aの通信範囲W1A内に位置している。したがって、この場合には、リーダR1Aによって、子供P1Aの子供用タグT1Aから被保護者情報としての第1タグID(図6(a)参照)が読み取られる。またこれとともに、上記第1タグIDに関連付けられた保護者情報としての第2タグID(以下適宜、単に「対応する第2タグID」という。図6(b)参照)も、親P2A,P2Bの親用タグT2A,T2Bから読み取られることとなる。
【0075】
この図7に示す例では、リーダR1Aにより、子供用タグT1Aから第1タグIDが取得されたときに、当該リーダR1Aにより、対応する2つの親用タグT2A,T2Bから対応する第2タグIDが取得されているので、上記報知は行われない。
【0076】
図8には、子供P1Aが1人の(片方の)親P2Aに同伴された状態で上記ゾーンZB,ZCの境界を通過する場合を示している。このとき、子供・親P1A,P2Aは、それぞれ上記ゾーンZB,ZCの境界に設けられたリーダR1Bの通信範囲W1B内に位置している。したがって、この場合には、リーダR1Bによって、子供P1Aの子供用タグT1Aから第1タグIDが読み取られるとともに、親P2Aの親用タグT2Aから対応する第2タグIDが読み取られる。なお、親P2Bの親用タグT2Bからは、対応する第2タグIDは読み取られない。
【0077】
すなわち、この図8に示す例では、リーダR1Bにより子供用タグT1Aから第1タグIDが取得されたときに、親用タグT2Aから対応する第2タグIDも併せて取得されているので、上記報知は行われない。
【0078】
一方、図9は、子供P1AがゾーンZH,ZIの境界を単独で(いずれの親P2A,P2Bにも同伴されない状態で)通過する場合を示している。このとき、子供P1Aのみが、上記ゾーンZH,ZIの境界に設けられたリーダR1Hの通信範囲W1H内に位置している。したがって、この場合には、リーダR1Hによって、子供P1Aの子供用タグT1Aから第1タグIDが読み取られるのに対し、親P2A,P2Bの親用タグT2A,T2Bからは、上対応する第2タグIDは読み取られない。
【0079】
すなわち、この図9に示す例では、リーダR1Hにより、子供用タグT1Aから第1タグIDが取得されたときに、当該リーダR1Hにより、いずれの親用タグT2A,T2Bからも対応する第2タグIDが取得されていないので、上記報知が、この例では親P2Bに対して行われる。
【0080】
図10は、管理サーバ20のCPU21によって実行される、子供P1に所持される子供用タグT1の第1タグIDと、その子供P1の親P2に所持される親用タグT2の第2タグIDとの関連付けに関する制御内容を表すフローチャートである。
【0081】
図10において、例えば管理サーバ20の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
【0082】
まずステップS10で、CPU21は、リーダライタRWを介して、子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toから情報の読み取りを行う。具体的には、CPU21は、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、ネットワーク通信制御部53、高周波回路52、及びアンテナ51を介し、リーダライタRWに係る所定の通信範囲内に存在する子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toに対して、情報を取得する(読み取る)ためのタグ読み取り信号を送信する。
【0083】
そして、ステップS20で、CPU21は、上記ステップS10で送信したタグ読み取り信号に対応して、リーダライタRWに係る上記通信範囲内に存在する子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toから返信された応答(リプライ)信号を、アンテナ51、高周波回路52、ネットワーク通信制御部53、通信ネットワークNW、及びネットワーク通信制御部26を介して受信したか否かを判定する。応答信号を受信しない場合には、判定が満たされず上記ステップS10に戻り、再び上記タグ読み取り信号の送信を繰り返す(リトライ)。応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS30に移る。
【0084】
ステップS30では、CPU21は、上記ステップS20で受信した応答信号より、子供・親用タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたタグIDを抽出して取得する。
【0085】
その後、ステップS40で、CPU21は、上記ステップS30の情報取得結果に基づき、子供用タグT1から第1タグIDを取得し、かつ、親用タグT2から第2タグIDを取得したか否かを判定する。子供用タグT1と親用タグT2との両方から第1タグID及び第2タグIDを取得できなかった場合(第1タグID又は第2タグIDの一方のみを取得したか、両方を取得できなかった場合)には、判定が満たされず、このフローを終了する。一方、子供用タグT1から第1タグIDを取得し、かつ、親用タグT2から第2タグIDを取得した場合には、判定が満たされてステップS50に移る。
【0086】
ステップS50では、CPU21は、上記ステップS30で取得された、子供用タグT1に係る第1タグIDと、親用タグT2に係る第2タグIDとを互いに関連付ける(関連付け処理手段としての機能)。具体的には、CPU21は、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、ネットワーク通信制御部53、高周波回路52、及びアンテナ51を介し、リーダライタRWに係る上記通信範囲内に存在する子供用タグT1の無線タグ回路素子Toに対して、情報を書き込むためのタグ書き込み信号を送信し、上記ステップS30で取得された第2タグID(図6(a)参照)を書き込む。これとともに、CPU21は、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、ネットワーク通信制御部53、高周波回路52、及びアンテナ51を介し、リーダライタRWに係る上記通信範囲内に存在する親用タグT2の無線タグ回路素子Toに対して、上記タグ書き込み信号を送信し、上記ステップS30で取得された第1タグID(図6(b)参照)を書き込む。このようにすることで、子供用タグT1の無線タグ回路素子Toに予め記憶された第1タグIDと、親用タグT2の無線タグ回路素子Toに予め記憶された第2タグIDとを関連付ける。そして、このフローを終了する。
【0087】
なお、このように子供用タグT1及び親用タグT2で互いに相手方となるタグTのタグIDを書き込むのに限られない。すなわち、単に、第1タグIDと第2タグIDとを対応付けて、大容量記憶装置25の親子データベース(図示省略)に記録するようにしてもよい(関連付け処理手段としての機能)。
【0088】
対応付けの仕方としては、親子データベースに含まれるテーブルの同一の欄に第1タグIDと第2タグIDとを横並びで記載したり、第1タグID及び第2タグIDに共通の親子識別子(フラグ)を別途付記して記載してもよい。このときの第1タグID及び第2タグIDとしては、各タグTの製造時に予め付されているタグIDを用いることもできる。この場合、それぞれ固有のタグIDを記憶させた同一仕様の複数のタグTを利用しつつ、サーバ200側によるタグIDの管理のみによって、第1タグIDや第2タグIDとして使用することができる。また、第1タグID及び第2タグIDとして、上記のような製造時のタグIDに代えて(あるいは製造時のタグIDに加えて)、管理サーバ20側で新たに生成したタグIDを用いるようにしてもよい。この場合、サーバ20側で新たに生成したタグIDを、前述の受付カウンタ10でのタグTの配布時又は配布より前にタグTに書き込むようにすればよい。これらの場合、配布前に子供用タグT1及び親用タグT2にそれぞれ記憶されているタグIDを、配布後に事後的にサーバ200で関連付けることで、第1タグID及び第2タグIDとして対応付けることができる。あるいは、サーバ20側で親子用として事前に生成したタグIDを、前述の受付カウンタ10でのタグTの配布時又は配布より前にタグTに書き込むようにしてもよい。
【0089】
以上の場合、リーダR1の通信範囲W1に位置する子供用タグT1から第1タグIDを取得すると、上記親子データベースにアクセスが行われ、当該第1タグIDに対応する第2タグIDが検索されて取得される。そして、通信範囲W1に位置する親用タグT2から、上記検索により取得された第2タグIDと同じ第2タグIDが取得されたかどうかを照合する。これにより、子供P1と親P2とが特定のリーダR1の通信範囲W1を一緒に通過したかどうかを検出することができる。
【0090】
図11は、上記図10のフローと並行して、管理サーバ20のCPU21によって実行される、隣接するゾーンZA〜ZJどうしの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容を表すフローチャートである。なお、これら図10及び図11の2つのフローは、例えばコンピュータのOS等でしばしば行われる「マルチタスク処理」と同様の公知の手法により、管理サーバ20のCPU21によって同時並行処理されるようになっている。
【0091】
図11において、例えば管理サーバ20の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
【0092】
まずステップS100で、CPU21は、各リーダR1A〜R1Jを介して、上記各通信範囲W1A〜W1J内に位置する子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toから情報の読み取りを行う。具体的には、CPU21は、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、各ネットワーク通信制御部103A、各高周波回路102A、及び各アンテナ101Aを介し、上記各通信範囲W1A〜W1J内に位置する子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toに対して、上記タグ読み取り信号を送信する。
【0093】
その後、ステップS110で、CPU21は、上記ステップS100で送信したタグ読み取り信号に対応して、子供・親用タグTの無線タグ回路素子Toから返信された応答信号を、各アンテナ101A、各高周波回路102A、各ネットワーク通信制御部103A、通信ネットワークNW、及びネットワーク通信制御部26を介して受信したか否かを判定する。応答信号を受信しない場合には、判定が満たされず上記ステップS100に戻り、再び上記タグ読み取り信号の送信を繰り返す(リトライ)。応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS120に移る。
【0094】
ステップS120では、CPU21は、上記ステップS110で受信した応答信号より、子供・親用タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された情報を抽出して取得する。
【0095】
そして、ステップS130で、CPU21は、上記ステップS120の情報取得結果に基づき、少なくとも1つの子供用タグT1から第1タグIDを取得したか否かを判定する。子供用タグT1から第1タグIDを取得していない場合には、判定が満たされず、このフローを終了する。一方、少なくもとも1つの子供用タグT1から第1タグIDを取得した場合には、判定が満たされてステップS140に移る。
【0096】
ステップS140では、CPU21は、上記ステップS120の情報取得結果に基づき、上記子供用タグT1から第1タグIDを取得したリーダR1を介して、親用タグT2から上記第1タグIDに対応する(前述のようにして親子として予め関連付けられている)第2タグIDが取得されたか否かを判定する。親用タグT2から対応する第2タグIDが取得された場合(図7及び図8に示した場合)には判定が満たされ、報知を行わずにこのフローを終了する。一方、親用タグT2から対応する第2タグIDが取得されなかった場合(図9に示した場合)には、判定が満たされずステップS150に移る。
【0097】
ステップS150では、CPU21は、対応する報知(例えば「お子様が離れています」旨のテキストのメール送信、警報機による警報発報など)を行うための報知信号を生成する。そして、CPU21は、予め定められた報知先(例えば、上記対応する親用タグT2を所持する親P2の携帯電話、当該親P2に係る警報機、係員S等に係る警報機など)に、上記生成した報知信号を出力し、上記対応する報知を行わせる。なお、上記対応する報知を行うための報知信号を生成し出力する処理が、被保護者の保護状態を維持するための所定の情報処理に相当する。また、このステップS150が、各請求項記載の情報処理手段として機能するとともに、報知信号生成手段としても機能する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態の被保護者管理システム1においては、子供P1が、IC回路部150に第1タグIDが記憶された子供用タグT1を所持しており、子供P1を保護する親P2が、IC回路部150に第2タグIDが記憶された親用タグT2を所持している。各リーダR1A〜R1Jは各通信範囲W1A〜W1Jを形成して無線通信を行い、子供用タグT1から第1タグIDを取得するとともに、親用タグT2から第2タグIDを取得する。そして、特定のリーダR1が子供用タグT1から第1タグIDを取得したときには、対応する親用タグT2から第2タグIDの取得を図る。このとき、リーダR1により子供用タグT1から第1タグIDが取得されたにも係わらず、リーダR1が当該第1タグIDに対応する第2タグIDを取得しなかった場合(図9で示したように親が同伴していなかった場合)は、対応する報知を行うための報知信号を生成し出力する。これにより、子供用タグT1を所持する子供P1の近傍に、対応する親用タグT2を所持する親P2が存在しない状態を確実に検出し、対応する報知を例えば係員Sや親P2に対して行う。これにより、構成を複雑化することなく簡易な構成で、親P2による子供P1に対する保護状態が損なわれないようにすることができる。具体的には、子供P1が親P2から長時間はぐれた状態となるのを防止し、セキュリティーや防犯性を向上することができる。また、上記のようにして、子供P1が単独で当該ゾーンZA〜ZJから出ないように管理できるとともに、子供P1単独での通過検出時には、その検出結果から、直前まで子供P1がどこにいたのかを(どこのリーダR1の通信範囲Z1に存在していたかにより)推定できる効果もある。
【0099】
なお、上記第1実施形態は、上述した態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0100】
(1)特定のゾーンの境界については、一部の子供単独でも通過可能とする場合
上記実施形態では、隣接するゾーンZA〜ZJの境界を子供P1単独で通過することを禁止していた(通過した場合には親P2等に報知していた)が、これに限られない。すなわち、上記各ゾーンZA〜ZJのうち特定のゾーンZの境界については、一部の子供P1(例えば小学生以上の子供)単独でも通過可能としてもよい。
【0101】
図12は、本変形例における被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図であり、前述の図1に対応する図である。図1と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。なお、図12では、一例として1人の子供P1B及びその子供P1Bの2人の親(すなわち両親)P2A,P2Bからなる家族が上記の水族館に入場した例を示している。
【0102】
図12において、本変形例では、水族館の通路のゾーンZJに、トイレLを設けている。また、本変形例の被保護者管理システム1は、子供P1に所持される子供用タグT1(図示の例では、図1で示した子供P1Aと異なる子供P1Bに所持される子供用タグT1Bを示す)に係るIC回路部150のメモリ部155に、(図6(a)に示した記憶内容に加え)新たに保護者代理情報が記憶されている。
【0103】
保護者代理情報は、特定のゾーンZ(この例ではトイレLへ向かうためのゾーンZJ)へ向かうための特定の境界(この例ではゾーンZI,ZJの境界)を、単独で(親P2に同伴されることなく)通過可能とするための情報である。すなわち、この例では、リーダRJが、上記ゾーンZI,ZJの境界に位置する通信範囲W1Jにおいて、子供P1の単独通過を検出した場合であっても、その子供P1が所持する子供用タグT1に係るIC回路部150に上記保護者代理情報が記憶されていれば、親用タグT2からの第2タグIDの取得の有無に関わらず、前述の報知は行われない(第2タグIDと同等に機能可能)のである。なお、保護者代理情報は、上記のように、特定の境界(1つでもよいし、複数でもよい)を指定する形で子供用タグT1に記憶される。
【0104】
図13は、子供P1Bが単独で上記特定のゾーンZJの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図であり、前述の図7等に対応する図である。
【0105】
図13において、上記保護者代理情報が記憶された子供用タグT1Bを所持する(例えば小学生以上の)子供P1Bが、トイレLに向かうために上記特定のゾーンZJの境界を単独で(いずれの親P2A,P2Bにも同伴されない状態で)通過している。このとき、子供P1Bのみが、上記特定のゾーンZJとゾーンZIとの境界に設けられたリーダR1Jの通信範囲W1J内に位置している。したがって、この場合には、リーダR1Jによって、子供P1Bの子供用タグT1Bから第1タグID及び保護者代理情報が読み取られる。親P2A,P2Bの親用タグT2A,T2Bからは、対応する第2タグIDは読み取られない。
【0106】
すなわち、この図13に示す例では、上記リーダR1Jにより、子供用タグT1Bから第1タグIDが取得されたときに、当該リーダR1Jにより、いずれの親用タグT2A,T2Bからも対応する第2タグIDが取得されない。しかしながら、当該リーダR1Jにより、上記子供用タグT1Bから保護者代理情報が取得されるので、前述の報知は行われない。
【0107】
図14は、本変形例において、前述の図10のフローと並行して、管理サーバ20のCPU21によって実行される、上記隣接するゾーンZA〜ZJの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容を表すフローチャートであり、前述の図11に対応する図である。図11と同等の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0108】
図14において、前述の図11と異なる点は、ステップS140及びステップS150の間に、ステップS142を新たに設けた点である。
【0109】
すなわち、ステップS100〜ステップS140は、前述の図11と同様であり、ステップS140において、第1タグIDを取得したリーダR1を介して、対応する第2タグIDが取得されたか否かを判定し、対応する第2タグIDが取得されなかった場合には、ステップS140の判定が満たされず、新たに設けたステップS142に移る。
【0110】
ステップS142では、CPU21は、前述のステップS120の情報取得結果に基づき、子供用タグT1から第1タグIDを取得したリーダR1を介して、当該子供用タグT1から、(上記リーダR1の通信範囲W1に対応した境界を特定した)保護者代理情報が取得されたか否かを判定する。上記保護者代理情報が取得された場合、すなわち、子供P1が上記特定の境界を単独で通過可能な子供P1であった場合には、判定が満たされて、報知を行わずにこのフローを終了する。一方、上記保護者代理情報が取得されなかった場合、すなわち、子供P1が上記特定の境界を単独で通過可能な子供P1でなかった場合には、判定が満たされず、ステップS150に移る。
【0111】
ステップS150は、前述の図11と同様であるので、説明を省略する。
【0112】
本変形例によれば、保護者代理情報を記憶した子供用タグT1を所持した一部の子供P1(上記の例は子供P1B)については、通常は子供P1単独での通過が禁止される境界(上記の例ではゾーンZI,ZJの境界)についても、例外的に単独で通過可能とすることができる。この結果、さらにきめの細かい管理が可能となり、さらにユーザの利便性が向上する。上記はトイレへ向かうときに通過するゾーン境界の例で説明したが、そのほか、子供単独で行動しても危険がない又は少ないような場所(例えばキッズ広場等)へ向かう際にも同様に適用可能である。
【0113】
(2)係員が親を代理する場合
上記第1実施形態では、上記隣接するゾーンZA〜ZJの境界を子供P1が通過するときには、少なくとも1人の親P2が同伴することを必要としていたが、これに限られない。すなわち、親P2が同伴していなくても、上記保護者情報と実質的に同一の情報が記憶された係員用タグを所持する係員Sが(親P2の代わりに)同伴していれば、上記隣接する各ゾーンZA〜ZJの境界を通過可能としてもよい。
【0114】
図15は、本変形例における被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図であり、前述の図1に対応する図である。図1と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0115】
図15において、本変形例の被保護者管理システム1は、係員Sに所持される係員用タグTS(第3無線タグ)を有している。上記以外の構成は上記実施形態の被保護者管理システム1と同様であるので、説明を省略する。
【0116】
係員用タグTSの構成は、前述の子供・親用タグT1,T2と同様であり、情報を記憶するIC回路部150及び情報を送受信するタグアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toを有している(無線タグ回路素子Toの詳細の機能的構成は前述の図4と同様)。なお、係員用タグTSに係るIC回路部150が第3IC回路部に相当し、係員用タグTSに係るタグアンテナ151が第3タグアンテナに相当する。
【0117】
係員用タグTSに係るIC回路部150には、親用タグP2に係るIC回路部150に記憶された第2タグIDと実質的に同一の情報が記憶されている。以下適宜、親用タグP2に係るIC回路部150に記憶された第2タグIDと実質的に同一の情報を、単に「第2タグIDと実質的に同一の情報」と称する。この第2タグIDと実質的に同一の情報とは、上記隣接する各ゾーンZA〜ZJの境界を、係員用タグTSを所持した係員Sが子供P1に同伴することで、(親Pが同伴しなくても)通過可能とするための情報である。すなわち、リーダR1により、子供用タグT1から第1タグIDが取得されたときに、当該リーダR1により、対応する親用タグT2から第2タグIDが取得されなかった場合であっても、当該リーダR1により、係員用タグTSから上記第2タグIDと実質的に同一の情報が取得されていれば、前述の報知は行われないようになっている。
【0118】
なお、この「実質的に同一の情報」は、上記(1)の変形例と異なり境界を特定しない(どの境界の通過時にも有効)情報であるが、上記(1)の変形例と同様、少なくとも1つの境界を特定する態様としてもよい。
【0119】
図16は、子供P1Aが係員Sに同伴された状態で上記ゾーンZI,ZJの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図であり、前述の図7等に対応する図である。
【0120】
図16において、子供P1Aが、ゾーンZIとゾーンZJとの境界を、2人の親P2A,P2Bの代わりに、上記第2タグIDと実質的に同一の情報が記憶された係員用タグTSを所持する係員Sに同伴された状態で通過している。このとき、子供P1A及び係員Sは、それぞれ上記ゾーンZJに設けられたリーダR1Jの通信範囲W1J内に位置している。したがって、この場合には、リーダR1Jによって、子供P1Aの子供用タグT1Aから第1タグIDが読み取られるとともに、係員Sの係員用タグTSから上記第2タグIDと実質的に同一の情報を含む情報が読み取られる。親P2A,P2Bの親用タグT2A,T2Bからは、対応する第2タグIDは読み取られない。しかしながら、当該リーダR1Jにより、係員用タグTSから上記第2タグIDと実質的に同一の情報が取得されているので、前述の報知は行われない。
【0121】
ここで、本変形例において、管理サーバ20のCPU21によって実行される、子供P1に所持される子供用タグT1の第1タグIDと、その子供P1の親P2に所持される親用タグT2の第2タグIDとの関連付けに関する制御内容は、前述の図10と同等である。
【0122】
また、本変形例において、管理サーバ20のCPU21によって実行される、隣接するゾーンZA〜ZJの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容は、前述の図11とほぼ同様のもので足りる。
【0123】
但し、ステップS140では、CPU21は、前述のステップS120の情報取得結果に基づき、子供用タグT1から第1タグIDを取得したリーダR1を介して、対応する親用タグT2から第2タグID、又は、係員用タグTSから上記第2タグIDと実質的に同一の情報が取得されたか否かを判定する。上記リーダR1を介して、対応する親用タグT2から第2タグID、又は、係員用タグTSから上記第2タグIDと実質的に同一の情報が取得された場合には、判定が満たされて、(報知を行わずに)フローを終了する。一方、上記リーダR1を介して、対応する親用タグT2から第2タグID、又は、係員用タグTSから上記第2タグIDと実質的に同一の情報が取得されなかった場合には、判定が満たされずステップS150に移り、対応する報知を行わせる。
【0124】
本変形例によれば、特定の親用タグT2に記憶された第2タグIDと実質的に同一の情報を記憶した係員用タグTSを係員Sが所持することで、親P2と同等の権限を有する者として、親P2を代理して子供P1を保護管理することができる。また、子供P1単独での通過が禁止される隣接ゾーンの境界についても、係員用タグTSを所持した係員Sが同伴することで通過可能となる。
【0125】
(3)子供が所定のゾーンの境界を単独で通過したら、その子供をカメラにより撮影し報知する場合
すなわち、隣接する上記ゾーンZA〜ZJの境界を子供P1が単独で通過した場合には、その子供P1を監視カメラにより撮影し、その撮影された映像を含む態様で、対応する報知を行うようにしてもよい。
【0126】
図17は、本変形例における被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図であり、前述の図1に対応する図である。図1と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0127】
図17において、本変形例の被保護者管理システム1は、上記子供・親用タグT1,T2を所持する子供・親P1,P2(特に子供用タグT1を所持する子供P1)を撮影するための、複数の監視カメラCAA〜CAJ(撮像手段)を有している。
【0128】
各監視カメラCAA〜CAJは、上記隣接するゾーンZA〜ZJの各境界を単独で(親P2に同伴されることなく)通過する子供P1を撮影できる位置にそれぞれ配置されている。なお、以下適宜、監視カメラCAA〜CAJを総称して単に「監視カメラCA」のように称する。また、図示は省略するが、各監視カメラCAA〜CAJは、それぞれ通信ネットワークNW及び管理サーバ20のネットワーク通信制御部26を介して、管理サーバ20のCPU21に接続されている。
【0129】
上記以外の構成は上記実施形態の被保護者管理システム1と同様であるので、説明を省略する。
【0130】
本変形例においては、リーダR1により、少なくとも1つの子供用タグT1から第1タグIDが取得されたときに、当該リーダR1により、対応する親用タグT2から第2タグIDが取得されなかった場合、特定の監視カメラCA(上記子供用タグT1を所持する子供P1が通過したゾーンZを撮影可能な監視カメラCA。例えば当該ゾーンZに設けられた監視カメラCA)により、当該子供用タグT1を所持する子供P1を含む画像の撮影が行われる。そして、その撮影された映像(ゾーン境界を単独で通過した子供P1の外見を含む映像)を含むような態様で報知が行われるようになっている(例えば、上記映像を添付したメールが親P2等に送信される)。
【0131】
なお、上記(2)の変形例のように係員Sが係員用タグTSを所持している場合には、リーダR1により対応する親用タグT2又は係員用タグTSから第2タグID又はこれと実質的に同一の情報が取得されなかった場合に、特定の監視カメラCAにより、当該子供用タグT1を所持する子供P1を含む画像の撮影を行うようにしてもよい。
【0132】
図18は、子供P1Aが単独でゾーンZHとゾーンZIとの境界を通過する際の状態を表す概念的説明図であり、前述の図7等に対応する図である。
【0133】
図18において、子供P1AがゾーンZH,ZIの境界を単独で(いずれの親P2A,P2Bにも同伴されない状態で)通過している。このとき、子供P1Aのみが、上記ゾーンZHに設けられたリーダR1Hの通信範囲W1H内に位置し、子供P1Aの子供用タグT1Aから第1タグIDが読み取られる。この第1タグIDの取得時に、当該リーダR1Hにより、対応するいずれの親用タグT2A,T2Bからも第2タグIDが取得されない。このため、上記ゾーンZHに設けられた監視カメラCAHにより、当該子供用タグT1Aを所持する子供P1Aの撮影が行われ、その撮影された子供P1Aの外見映像を含むような態様で、上記報知が、この例では親P2Bに対して行われる。
【0134】
図19は、本変形例において、前述の図10のフローと並行して、管理サーバ20のCPU21によって実行される、上記隣接するゾーンZA〜ZJの境界の通過検出、及び、報知に関する制御内容を表すフローチャートであり、前述の図11及び図14に対応する図である。図11と同等の手順には同符号を付し説明を省略する。
【0135】
図19において、前述の図11と異なる点は、ステップS150に代えてステップS150′を設け、ステップS140と上記ステップS150′との間に、ステップS146を新たに設けた点である。
【0136】
すなわち、ステップS100〜ステップS140は、前述の図11と同様であり、ステップS140において、子供用タグT1から第1タグIDを取得したリーダR1を介して、対応する親用タグT2(又は係員用タグTSでもよい)から第2タグID(又はこれと実質的に同一の情報でもよい)が取得されたか否かを判定し、対応する親用タグT2(又は係員用タグTS)から第2タグID(又はこれと実質的に同一の情報)が取得されなかった場合には、ステップS140の判定が満たされず、新たに設けたステップS146に移る。
【0137】
ステップS146では、CPU21は、ネットワーク通信制御部26及び通信ネットワークNWを介して、上記子供用タグT1を所持する子供P1が通過したゾーン境界を撮影可能な(=当該境界に設けられた)監視カメラCAに制御信号を出力し、当該子供P1の撮影を行わせる。そして、CPU21は、上記監視カメラCAによる撮影結果、すなわち、上記子供P1の外見映像を、通信ネットワークNW及びネットワーク通信制御部26を介して取得する。
【0138】
その後、ステップS150に代えて設けたステップS150′で、CPU21は、対応する報知、すなわち、上記ステップS146で取得された子供P1の外見映像含むような態様の報知を行うための報知信号を生成する。そして、CPU21は、予め定められた報知先に、上記生成した報知信号を出力し、上記対応する報知を行わせる。なお、上記対応する報知を行うための報知信号を生成し出力する処理が、所定の情報処理に相当する。また、このステップS150′が、各請求項記載の情報処理手段として機能するとともに、報知信号生成手段として機能する。
【0139】
本変形例によれば、リーダR1により、少なくとも1つの子供用タグT1から第1タグIDが取得されるとともに、対応する親用タグT2(又は係員タグTS)から第2タグID(又は第2タグIDと実質的に同一の情報)が取得されなかった場合に、監視カメラCAで当該子供用タグT1を所持する子供P1を撮影する。これにより、子供用タグT1を所持する子供P1が単独で上記隣接するゾーンZの境界を通過した場合に、その通過した子供P1の外見映像を、上記監視カメラCAを介して取得することができる。この結果、親P2は、自らの保護対象である子供P1がはぐれたことを確実に認識することができる。
【0140】
(4)管理区画を別の場所に設ける場合
以上においては、所定の管理区画が水族館の通路の所定のゾーンZA〜ZJである場合を一例として説明したが、これに限られない。すなわち、その他の建造物や各種施設(ビル、病院、保育園、幼稚園、博物館、美術館、空港、駅、デパート、ショッピングセンター、遊園地)の一部分を構成する部屋・区画等の(一定の面積を備えた)種々の領域を、管理区画とすることができる。また、それら建造物や施設全体を、1つの管理区画とすることもできる。これらの場合も、上記と同様の効果を得る。
【0141】
本発明の第2実施形態を図20〜図30により説明する。この実施形態は、例えば3人以上の集団(以下の例では家族)が、レストランの混雑により2グループに分かれて行動せざるを得ない場合に対応し、グループ分けの着席案内を行う実施形態である。
【0142】
図20は、本実施形態の被保護者管理システムの全体構成を概略的に示す説明図である。
【0143】
図20において、このレストラン40には、複数の(この例では6個の)テーブルTTa〜TTfと、入口のドアDとが設けられている。レストラン40の外(ドアDの近傍)には、案内を待つための所定の待合いスペース41が設けられている。なお、この待合いスペース41をレストラン40内に設けてもよい。
【0144】
各テーブルTTa〜TTfの周りには、複数の(この例では4つの)イスCHがそれぞれ配置されている。したがって、子供・親Pが、このレストラン40にて食事をする際には、各テーブルTTa〜TTfごとに、最大4人の子供・親Pが着席できるようになっている。なお、以下適宜、テーブルTTa〜TTfを総称して単に「テーブルTT」のように称する。
【0145】
なお、この図20では、一例として、上記待合いスペース41に子供用タグT1′(第1無線タグ。図示の例では子供用タグT1′A)を所持する、1人の子供P1Aと、対応する親用タグT2′(第2無線タグ。図示の例では親用タグT2′A,T2′B)を所持する、親P2A,P2Bとを示している。また、レストラン40内に上記子供用タグT1′(図示の例では子供用タグT1′C,T1′D,T1′E)を所持する、複数の子供P1C,P1D,P1Eと、上記親用タグT2′(図示の例では親用タグT2′C,T2′D,T2′E,T2′F,T2′G,T2′H,T2′I,T2′J,T2′K,T2′L,T2′M,T2′N,T2′O)をそれぞれ所持する、複数の親P2C,P2D,P2E,P2F,P2G,P2H,P2I,P2J,P2K,P2L,P2M,P2N,P2Oとを示している。
【0146】
上記レストラン40に適用される本実施形態の被保護者管理システム1′は、上記子供用タグT1′と、上記親用タグT2′と、複数のリーダR2A,R2B,R2C,R2D,R2E,R2F(第1情報読み取り手段、情報読み取り手段)と、リーダR3(第2情報読み取り手段、情報読み取り手段)と、リーダライタRWと、ディスプレイ30と、管理サーバ20′とを有している。なお、以下適宜、子供用タグT1′(後述するように他の子供P1Fに係る子供用タグT1′Fがある場合はこれを含む)及び親用タグT2′を総称して単に「子供・親用タグT′」「タグT′」のように称する。
【0147】
子供P1の所有する子供用タグT1′と、その子供P1の親P2の所有する親用タグT2′とは、例えば子供用タグT1′のタグID(被保護者情報としての第1タグID)と親用タグT2′のタグID(保護者情報としての第2タグID)とが予め対応付けられることにより、互いに関連付けられている。タグIDの対応付けの仕方としては、上記第1実施形態と同様の手法を適用可能である。すなわち、データベースのテーブルの同一の欄に第1タグIDと第2タグIDとを横並びで記載したり、第1タグID及び第2タグIDに共通の親子識別子(フラグ)を別途付記して記載してもよい。あるいは、例えば子供・親Pがレストラン40に入店した際に(例えば図示しない店員から)タグT′を受け取るようにしてもよいし、ディスプレイ30の前で店員がタグT′を配布するようにしてもよい。この場合、第1タグIDと第2タグIDとが管理サーバ20′により互いに対応付けられる。いずれにしても、このようにして実行された対応付けにより、リーダR2A,R2B,R2C,R2D,R2E,R2Fやリーダ3が、いずれかのタグT′からタグ識別情報としてのタグIDを取得した場合、家族が誰であるか、子供の親が誰であるか、親の子供が誰であるか、何人で家族全員であるか、等をサーバ20′が識別できるようになっている。
【0148】
各リーダR2A〜R2Fは、それぞれ上記各テーブルTTa〜TTfに対応して設けられており、当該各テーブルTTa〜TTfに対して設けられた4つのイスCHを含むような所定の通信範囲W2A〜W2Fをそれぞれ形成している。すなわち、子供・親Pが上記各テーブルTTa〜TTfに係るイスCHに着席したときに、その子供・親Pが所持する子供・親用タグT′が、上記各テーブルTTa〜TTfに対応する各リーダR2A〜R2Fの各通信範囲W2A〜W2Fに入るようになっている。これにより、各リーダR2A〜R2Fは、子供・親Pが上記各テーブルTTa〜TTfに係るイスCHに着席したときに、当該子供・親Pの子供・親用タグT′から情報(前述の第1タグIDや第2タグID等)の読み取りを行うことができる。なお、以下適宜、リーダR2A〜R2Fを総称して単に「リーダR2」のように称し、所定の通信範囲W2A〜W2Fを総称して単に「所定の通信範囲W2」のように称する。
【0149】
リーダR3は、レストラン40の外に設けられており、上記待合いスペース41に位置する子供・親Pの検出が可能な所定の通信範囲W3を形成している。すなわち、子供・親Pが待合いスペース41に位置する場合には、その子供・親Pが所持する子供・親用タグT′が、上記リーダR3の通信範囲W3に入るようになっている。これにより、リーダR3は、子供・親Pが待合いスペース41に位置するときに、(後述のように上記リーダRに先だって)当該子供・親Pの子供・親用タグT′から情報(前述の第1タグIDや第2タグID等)の読み取りを行うことができる。なお、上記待合いスペース41がレストラン40内に設けられている場合は、このリーダR3もレストラン40内に設けられることになる。
【0150】
ディスプレイ30は、例えば液晶ディスプレイからなり、各種表示を行うことができる。
【0151】
リーダライタRW及び管理サーバ20′は、この例ではレストラン40内のドアD付近に設置されている。
【0152】
図21は、本実施形態の被保護者管理システム1′の機能的構成を表す機能ブロック図であり、前述の図2に対応する図である。図2と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0153】
図21において、本実施形態の被保護者管理システム1′は、前述したように、子供用タグT1′と、親用タグT2′と、複数のリーダR2A〜R2Fと、リーダR3と、リーダライタRWと、ディスプレイ30と、これらリーダR2A〜R2F、リーダR3、リーダライタRW、及びディスプレイ30に適宜の通信ネットワークNWでそれぞれ接続された管理サーバ20′とを有している。
【0154】
子供用タグT1′及び親用タグT2′の機能的構成は、前述の図2に示す子供用タグT1及び親用タグT2と同様である。なお、子供用タグT1′に係るIC回路部150が第1IC回路部に相当し、子供用タグT1′に係るタグアンテナ151が第1タグアンテナに相当する。また、親用タグT2′に係るIC回路部150が第2IC回路部に相当し、親用タグT2′に係るタグアンテナ151が第2タグアンテナに相当する。子供用タグT1′及び親用タグT2′の無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155の記憶内容は、前述の図6(a)及び図6(b)と同様である。
【0155】
各リーダR2A〜R2Fは、アンテナ101B、高周波回路102B、及びネットワーク通信制御部103Bをそれぞれ有している。
【0156】
アンテナ101Bは、上記通信範囲W2内に位置する子供・親用タグT1′,T2′の無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う。高周波回路102B及びネットワーク通信制御部103Bの機能的構成は、前述の図2で示す高周波回路102A及びネットワーク通信制御部103Aと同様である。
【0157】
リーダR3は、アンテナ101C、高周波回路102C、及びネットワーク通信制御部103Cを有している。
【0158】
アンテナ101Cは、上記通信範囲W3内に位置する子供・親用タグT1′,T2′の無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う。高周波回路102C及びネットワーク通信制御部103Cの機能的構成は、前述の図2で示す高周波回路102A及びネットワーク通信制御部103Aと同様である。
【0159】
リーダライタRWの機能的構成は、前述の図2と同様である。
【0160】
管理サーバ20′の機能的構成は、前述の図2で示す管理サーバ20′と同様である。
【0161】
前述の図20に戻り、例えば子供P1及び親P2からなる集団(すなわち家族)がレストラン40内に入店する場合、まずレストラン40の外のドアDの近傍に設けられた上記待合いスペース41に到達する。図20には、前述したように、1人の子供P1A及びその2人の親P2A,P2Bとからなる家族が、上記待合いスペース41に位置する状態を示している。
【0162】
すると、リーダR3により、上記待合いスペース41に位置する、子供P1Aが所持する子供用タグT1′Aから前述の第1タグIDが取得されるとともに、親P2A,P2Bが所持する親用タグT2′A,T2′Bから対応する第2タグIDが取得される。すなわち、子供用タグT1′及び親用タグT2′を含む合計3つの子供・親用タグT1′A,T2′A,T2′Bから、第1タグID及び対応する第2タグIDが取得される。これにより、管理サーバ20′は、子供P1及びその親P2を含む合計3人の家族が上記待合いスペース41にいることを検知することができる。
【0163】
このとき、本実施形態においては、少なくとも1つの子供用タグT1′及び少なくとも1つの親用タグT2′を含む合計3つの子供・親用タグT1′,T2′(以下適宜、省略して「家族タグT1′,T2′」と称する)から、第1タグID及び対応する第2タグIDが取得された場合に、各リーダR2A〜R2Fにより、各テーブルTTa〜TTfに係るイスCHに着席している子供・親Pが所持する子供・親用タグT′から、情報(第1タグID及び第2タグID)の取得が行われるようになっている。そして、それら各リーダR2A〜R2Fの情報取得結果に基づき、各テーブルTTa〜TTfに係るイスCHに着席している子供・親Pの人数、言い換えれば、各テーブルTTa〜TTfに対して設けられた4つのイスCHのうち子供・親Pが着席していないイスCHの数(以下適宜、「空席数」と称する)が検出される。
【0164】
すなわち、図20の例では、テーブルTTaに係る4つのイスCHには、親用タグT2′Cを所持する親P2C、親用タグT2′Dを所持する親P2D、親用タグT2′Eを所持する親P2E、及び親用タグT2′Fを所持する親P2Fの合計4人が着席している(=満席状態)。したがって、テーブルTTaに係る空席数は0席と検出される。
【0165】
テーブルTTbに係る4つのイスCHには、子供用タグT1′Cを所持する子供P1C及び親用タグT2′Gを所持する親P2Gの合計2人が着席している。したがって、テーブルTTbに係る空席数は2席と検出される。
【0166】
テーブルTTcに係る4つのイスCHには、親用タグT2′Hを所持する親P2H及び親用タグT2′Iを所持する親P2Iの合計2人が着席している。したがって、テーブルTTcに係る空席数は2席と検出される。
【0167】
テーブルTTdに係る4つのイスCHには、子供用タグT1′Dを所持する子供P1D、子供用タグT1′Eを所持する子供P1E、親用タグT2′Jを所持する親P2J、及び親用タグT2′Kを所持する親P2Kの合計4人が着席している(=満席状態)。したがって、テーブルTTdに係る空席数は0席と検出される。
【0168】
テーブルTTeに係る4つのイスCHには、親用タグT2′Lを所持する親P2Lの合計1人が着席している。したがって、テーブルTTeに係るイスCHの空席数は3席と検出される。
【0169】
テーブルTTfに係る4つのイスCHには、親用タグT2′Mを所持する親P2M、親用タグT2′Nを所持する親P2N、及び親用タグT2′Oを所持する親P2Oの合計3人が着席している。したがって、テーブルTTfに係る空席数は1席と検出される。
【0170】
そして、各テーブルTTa〜TTfに係る空席数が検出されると、各テーブルTTa〜TTfと、空席数とが対応付けられて、例えばメモリ22に記憶される。
【0171】
図22は、上記のようにして検出された、各テーブルTTa〜TTfと、検出された空席数との対応関係の一例を表す表である。
【0172】
図22に示すように、テーブルTTaに係る空席数は0席と検出され、テーブルTTbに係る空席数は2席と検出され、テーブルTTcに係る空席数は2席と検出され、テーブルTTdに係る空席数は0席と検出され、テーブルTTeに係る空席数は3席と検出され、テーブルTTfに係る空席数は1席と検出されている。
【0173】
図23は、各テーブルTTa〜TTfと、検出された空席数との対応関係の他の例を表す表である。
【0174】
図23に示すように、テーブルTTaに係る空席数は0席と検出され、テーブルTTbに係る空席数は2席と検出され、テーブルTTcに係る空席数は2席と検出され、テーブルTTdに係る空席数は0席と検出され、テーブルTTeに係る空席数は0席と検出され、テーブルTTfに係る空席数は1席と検出されている。
【0175】
ここで、本実施形態では、1つ以上の子供・親用タグT1′,T2′から第1タグID及び対応する第2タグIDが取得された場合の、リーダR3の情報取得結果、及び、各リーダR2A〜R2Fの情報取得結果に応じて、当該家族タグT1′,T2′をグループ分けするガイド表示が行われる。言い換えれば、少なくとも1人の子供P1及び少なくとも1人の親P2を含む合計3人以上の子供・親からなる家族(以下適宜、省略して「3人以上の家族」と称する)が、上記待合いスペース41にいる場合、当該3人以上の家族の構成、及び、上記各テーブルTTa〜TTfに係る空席数に応じて、当該3人以上の家族をグループ分けするガイド表示が行われるのである。以下、上記家族タグT1′,T2′のグループ分け、言い換えれば、上記3人以上の家族のグループ分けについて説明する。
【0176】
(A)3人家族(親2人、子供1人)のグループ分け表示
まず、親2人子供1人の3人家族におけるグループ分けの場合を例にとって説明する。
【0177】
(A−1)3人一緒に同一テーブルに座れる場合
図24は、上記各テーブルTTa〜TTfのうち、空席数が3席以上あるテーブルが存在する場合(例えば図22のテーブルTTe参照)に対応している。図24中矢印の左側に、上記待合いスペース41に位置する家族の構成を示し、図24中矢印の右側に、当該家族のグループ分けの一例を示している。この例では、上記待合いスペース41に位置する上記3人家族の構成が、子供用タグT1′Aを所持する子供P1A、親用タグT2′Aを所持する親P2A、及び親用タグT2′Bを所持する親P2Bである場合を示している。この場合、上記子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族は、1つのグループで、すなわち家族全員で(後述の図26(a)のように2つのグループにグループ分けすることなく)同一のテーブルTTeに係る3つのイスCHにそれぞれ着席することができる。本実施形態では、このような場合には、家族全員で着席可能なテーブルTTの場所を示すガイド表示を行う。
【0178】
図25は、上記ガイド表示時における、ディスプレイ30での表示画面の一例を表す図である。図25において、前述したように、子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族全員で着席可能なテーブルTTの場所(テーブルTTeに相当する「5番テーブル」)を示すガイド表示を含む表示(「5番テーブルで大人2名・子供1名様がご利用頂けます」)が表示画面の上部で行われている。
【0179】
また、表示画面の大部分(この例では表示画面のうち約下4分の3部分)にわたって、前述の図20に示すレストラン40の概略地図が表示されている。そして、その地図上に、現在の家族の位置(「現在地」)と、上記家族全員で着席可能なテーブルTTへの移動ルート(「現在地」からの矢印)及びその移動場所(子供P1を『小さい人物』、親P2を『大きい人物』で表した人物図が位置するテーブルTT)とを示している。
【0180】
(A−2)2人と1人とに分かれて座る場合
図26(a)及び図26(b)は、上記各テーブルTTa〜TTfのうち、空席数が3席以上あるテーブルTTが存在せず、かつ、空席数が2席あるテーブルが存在していた場合(例えば図23のテーブルTTb,TTc参照)に対応している。図24と同様、矢印の左側に家族の構成を示し、矢印の右側に家族のグループ分けの一例を示している。この場合、本実施形態では、上記子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族は、当該家族を2人の子供・親Pからなるグループと、1人の子供・親Pのグループとにグループ分けする。
【0181】
このグループ分けの仕方としては、まず図26(a)に示すように、子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族を、子供P1A及び親P2A(又は親P2B)からなるグループG1、及び、親P2B(又は親P2A)単独のグループG2にグループ分けする場合が考えられる。この場合は、子供P1Aに対して親P2Aが付き添っているので、子供P1Aが単独でテーブルTTに係るイスCHに着席する状態を回避でき、このグループ分けは適切である。
【0182】
一方、図26(b)に示すように、子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族を、子供P1A単独のグループG3と、2人の親P2A,P2BからなるグループG4とにグループ分けする場合も考えられる。この場合は、子供P1Aに対していずれの親P2A,P2Bも付き添ってないので、子供P1Aが単独でテーブルTTに係るイスCHに着席する状態になってしまい、セキュリティーや防犯性の面からも、このグループ分けは不適切である。
【0183】
本実施形態では、上記適切なグループ分けとなるように、図26(a)に示すような手法でグループ分けを行う。リーダR3が家族タグT1′,T2′を検出した場合には、それらを、少なくとも1つの子供用タグT1′及び少なくとも1つの親用タグT2′を含む第1グループと、それ以外の第2グループとに、グループ分けするガイド表示を行う。言い換えれば、上記待合いスペース41に3人以上の家族がいた場合、少なくとも1人の子供P1及び少なくとも1人の親P2を含むグループと、それ以外のグループとに、グループ分けするガイド表示を行うのである。この結果、上記の子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族は、入店後、子供P1A及び親P2A(又は親P2B)からなるグループG1と、親P2B(又は親P2A)のグループG2とに、分かれて着席することができる。
【0184】
図27は、上記図26(a)に示したグループ分けが行われる場合の、ディスプレイ30での表示画面の一例を表す図である。図27において、表示画面の上部には、子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族を、上記グループG1と、それ以外のグループG2とに、グループ分けするガイド表示を行う。このガイド表示では、グループG1の親P2A及び子供P1を「大人1名・子供1名様」で示し、グループG2の親P2Bを「大人1名様」で示している。さらに、この表示画面には、上記グループG1が着席可能なテーブルTTの場所(テーブルTTbに相当する「2番テーブル」)と、上記グループG2が着席可能なテーブルTTの場所(テーブルTTfに相当する「6番テーブル」)とを示すガイド表示が行われている。
【0185】
また、上記図25と同様に、表示画面の大部分にわたって、レストラン40の概略地図が表示されている。そして、その地図上に、現在の家族の位置と、グループG1が着席可能なテーブルTTへの移動ルート(「現在地」からの矢印)及びその移動場所と、グループG2が着席可能なテーブルTTへの移動ルート(「現在地」からの矢印)及びその移動場所とを示している。
【0186】
そして、以上のように、3人以上の家族に対して、グループ分けのガイド表示を含む表示が行われた場合には、その後、上記各リーダR2A〜R2Fにより、上記3人以上の家族がそれぞれ所持する家族タグT1′,T2′から、第1タグID及び第2タグIDの取得が行われる。そして、各リーダR2A〜R2Fの情報取得結果に基づき、家族タグT1′,T2′が上記第1グループとそれ以外の第2グループと別れた態様で上記3人以上の家族が着席したかどうか、が判別される。
【0187】
図28は、上記図27に示すガイド表示に沿い、子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族が、グループ分けのガイド表示に従ってグループ分けし、別々のテーブルTTに着席するときの挙動を表す図である。
【0188】
図28において、上記待合いスペース41に位置していた子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族が、上記図27に示すグループ分けのガイド表示に従い、子供P1A及び親P2AからなるグループG1はテーブルTTbに係るイスCHに着席し、親P2B単独のグループG2はテーブルTTfに係るイスCHに着席している。
【0189】
このとき、上記のように、3人以上の家族に対してグループ分けのガイド表示を含む表示を行った場合には、本実施形態では、その家族が当該ガイド表示に従って、上記第1グループと上記第2グループとに別れて着席したかどうかを判別する。図28の例では、子供用タグT1′Aと親用タグT2′AとがリーダR2Bの通信範囲W2Bに入り、リーダR2BがタグT1′Aから第1タグIDを取得し、タグT2′Aから第2タグIDを取得することで、子供P1A及び親P2AがテーブルTTbに係るイスCHに着席したことが認識される。また、親用タグT2′BがリーダR2Fの通信範囲W2Fに入り、リーダR2FがタグT2′Bから第2タグIDを取得することで、親P2BがテーブルTTfに係るイスに着席したことが認識されるのである。
【0190】
なお、この場合において、リーダR2Bが第1グループ用情報読み取り手段に相当し、リーダRBFが第2グループ用情報読み取り手段に相当する。
【0191】
なお、図示は省略しているが、上記子供P1A、親P2A、親P2Bからなる家族がガイド表示通りに上記グループG1と上記グループG2とに分かれて着席せず、前述の図26(b)に示したように子供P1A単独のグループG3と2人の親P2A,P2BからなるグループG4とに分かれて着席した場合には、例えばレストラン40の店員に対して、その旨が報知されるようにしてもよい(後述の図30のステップS320参照)。
【0192】
(B)4人家族(親2人、子供2人)のグループ分け
上記(A)では3人家族の場合を例にとって説明したが、これに限られず、4人以上の場合に適用してもよい。
【0193】
例えば2名の親P2,P2と2名の子供P1,P1の合計4人家族に対し、本実施形態では、それぞれ2つの空席がある2つのテーブルTTが存在した場合には、図29(a)に示すように、子供P1及び親P2からなるグループG5と、子供P1及び親P2からなるグループG6とにグループ分けする。この場合は、各グループで、子供P1に対して親P2が付き添っており、このグループ分けとして適切である。この場合、図29(b)に示すように、2人の親P2,P2からなるグループG7と、2人の子供P1,P1同士からなるグループG8とへのグループ分けは、いずれの子供P1に対しても親P2が付き添わず不適切であるため、行わない。
【0194】
なお、3つの空席があるテーブルTTと1つの空席があるテーブルTTが存在した場合には、図29(c)に示すように、子供P1,P1及び親P2の合計3名からなるグループG9と、1人の親P2のグループG10とにグループ分けする。この場合、2人の子供P1,P1に対して親P2が付き添っており、グループ分けとして適切である。この場合、図29(d)に示すように、1人の子供P1及び2人の親P2,P2からなるグループG11と1人の子供P1のグループG12とへのグループ分けは、1人の子供P1に対しいずれの親P1も付き添わず不適切であるため、行わない。
【0195】
(C)制御手順
図30は、以上(A)(B)で説明した内容を実行するために、管理サーバ20′のCPU21によって行われる、ガイド表示及び着席確認に関する制御内容を表すフローチャートである。
【0196】
図30において、例えば管理サーバ20′の電源がオンにされることによって、このフローが開始される(「START」位置)。
【0197】
まずステップS200で、CPU21は、リーダR3を介して、その通信範囲W3内に位置する子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toから情報の読み取りを行う。具体的には、CPU21は、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、ネットワーク通信制御部103C、高周波回路102C、及びアンテナ101Cを介し、上記通信範囲W3内に位置する子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toに対して、前述のタグ読み取り信号を送信する。
【0198】
その後、ステップS210で、CPU21は、上記ステップS200で送信したタグ読み取り信号に対応して、子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toから返信された応答信号を、アンテナ101C、高周波回路102C、ネットワーク通信制御部103C、通信ネットワークNW、及びネットワーク通信制御部26を介して受信したか否かを判定する。応答信号を受信しない場合には、判定が満たされず上記ステップS200に戻り、再び上記タグ読み取り信号の送信を繰り返す(リトライ)。応答信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS220に移る。
【0199】
ステップS220では、CPU21は、上記ステップS210で受信した応答信号より、上記通信範囲W3内に位置する、言い換えれば、上記待合いスペース41に位置する子供・親Pが所持する、子供・親用タグT′の無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された情報を抽出して取得する。
【0200】
そして、ステップS230で、CPU21は、上記ステップS220の情報取得結果に基づき、少なくとも1つの子供用タグT1′及び少なくとも1つの親用タグT2′を含む合計3つの子供・親用タグT1′,T2′から第1タグID及び第2タグIDを取得したか否かを判定する。言い換えれば、子供1人親1人を含む3人以上の家族が、上記待合いスペース41に存在しているか否かを判定する。上記3人以上の家族が上記待合いスペース41に存在していなかった場合には、判定が満たされず、このフローを終了する。一方、上記3人以上の家族が上記待合いスペース41に存在していた場合には、判定が満たされてステップS240に移る。
【0201】
ステップS240では、CPU21は、各リーダR2A〜R2Fを介して、上記各通信範囲W2A〜W2F内に位置する、子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toから情報の読み取りを行う。具体的には、CPU21は、ネットワーク通信制御部26、通信ネットワークNW、各ネットワーク通信制御部103B、各高周波回路102B、及び各アンテナ101Bを介し、上記各通信範囲W2A〜W2F内に位置する子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toに対して、前述のタグ読み取り信号を送信する。そして、当該タグ読み取り信号に対応して、子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toから返信された応答信号を、各アンテナ101C、各高周波回路102C、各ネットワーク通信制御部103C、通信ネットワークNW、及びネットワーク通信制御部26を介して受信する。
【0202】
その後、ステップS250で、CPU21は、上記ステップS240で受信した応答信号より、上記各通信範囲W2A〜W2F内に位置する、言い換えれば、各テーブルTTa〜TTfに係るイスCHに着席している子供・親Pが所持する、子供・親用タグT′の無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された情報(第1タグIDや第2タグIDを含む)を抽出して取得する。
【0203】
そして、ステップS260で、CPU21は、上記ステップS250の情報取得結果に基づき、上記各テーブルTTa〜TTfに係る空席数を検出し、各テーブルTTa〜TTfと、上記検出した空席数とを対応させて、例えばメモリ22に記憶させる。
【0204】
その後、ステップS270で、CPU21は、上記ステップS220の情報取得結果(=待合スペース41にいる上記3人以上の家族の人員構成)、及び、上記ステップS260において検出された上記各テーブルTTa〜TTfに係る空席数に応じて、前述した手法により第1グループ及び第2グループにグループ分けするガイド表示を行うための表示信号を生成する。そして、CPU21は、ネットワーク通信制御部26及び通信ネットワークNWを介し、ディスプレイ30に上記生成した表示信号を出力し、上記グループ分けするガイド表示を含む表示(図25及び図27参照)を行わせる。なお、上記グループ分けするガイド表示を行うための表示信号を生成し出力する処理が、被保護者の保護状態を維持するための所定の情報処理に相当する。また、このステップS270が、各請求項記載の表示信号生成手段として機能するとともに、情報処理手段としても機能する。
【0205】
そして、ステップS280で、CPU21は、上記ステップS240と同様に、各リーダR2A〜R2Fを介して、上記各通信範囲W2A〜W2F内に位置する、子供・親用タグT′の無線タグ回路素子Toから情報の読み取りを行う。
【0206】
その後、ステップS290で、CPU21は、上記ステップS250と同様に、上記各通信範囲W2A〜W2F内に位置する子供・親用タグT′の無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された情報を抽出して取得する。
【0207】
そして、ステップS300で、CPU21は、上記ステップS290で取得された情報の中に、上記ステップS220で取得された上記家族タグT1′,T2′に係る第1タグID及び対応する第2タグIDが含まれていたか否かを判定する。言い換えれば、上記待合いスペース41に位置していた上記3人以上の家族が、いずれかのテーブルTTに係るイスCHに着席したか否かを判定する。上記3人以上の家族がまだ着席していない場合には、判定が満たされず、上記ステップS280に移り同様の手順を繰り返す。上記3人以上の家族が既に着席していた場合には、判定が満たされてステップS310に移る。
【0208】
ステップS310では、CPU21は、上記家族タグT1′,T2′が、ステップS270でのガイド表示に対応したリーダR2によりそれぞれ検出されたか、言い換えれば、上記3人以上の家族が上記ガイド表示に沿って正しく着席したかどうかを判定する。正しく着席している場合には判定が満たされて、このフローを終了する。一方、正しく着席していない場合には、判定が満たされずステップS320に移る。
【0209】
ステップS320では、CPU21は、表示部24に表示信号を出力し、上記ガイド表示に沿った形で正しく着席されていない、すなわち、子供P1が着席しているテーブルTTに親P2が1人も着席していない旨を表す表示(例えば「○テーブルのお子様は保護者が付き添っていません。保護者は○テーブルにいます」などのテキスト表示)を表示させ、例えば店員に報知する。そして、このフローを終了する。
【0210】
以上説明したように、本実施形態によれば、リーダR3が通信範囲W3内の上記家族タグT1′,T2′から第1タグID及び第2タグIDを取得することで上記3人以上の家族の存在を検知する。すると、子供P1の所持する子供用タグT1′が存在する第1グループに、必ず親P2の所持する親用タグT2′が含められるような、ガイド表示の表示信号を出力し、ガイド表示を行う(ステップS270参照)。この結果、3人以上の家族に対し、子供P1がいるグループには必ず最低1人の親P2が含まれるようなグループ分けのガイド表示が行われるので、子供P1が親P2なしの単独で行動する状態を回避することができる。この結果、セキュリティーや防犯性を向上することができる。
【0211】
また、本実施形態によれば、上記ガイド表示を行った後、対応するリーダR2が、子供用タグT1′及び親用タグT2′から第1タグID及び第2タグIDを取得し、上記3人以上の家族が上記ガイド表示に従って着席したかどうかを判定する(ステップS310参照)。これにより、子供P1に対し最低1人の親P2が付き添ったグループと、それ以外のグループとに分かれて行動したことを、確実に識別することができる。
【0212】
なお、上記第2実施形態では、本発明を、レストランにおいて保護者及び被保護者からなる集団に対するグループ分けの着席案内を行うような場合に適用したが、これに限られない。すなわち、集団で利用可能な各種施設、例えば休憩所、映画館、図書館、等における、保護者及び被保護者からなる集団に対するグループ分けの着席案内を行うような場合に適用してもよい。この場合も上記第2実施形態と同様の効果を得る。
【0213】
なお、以上において、図3、図4等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0214】
また、図10、図11等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0215】
また、以上既に述べた以外にも、上記第1実施形態、第2実施形態、及び各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0216】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0217】
1 被保護者管理システム
1′ 被保護者管理システム
20 管理サーバ
20′ 管理サーバ
21 CPU
150 IC回路部(第1IC回路部、第2IC回路部、第3IC回路部)
151 タグアンテナ(第1タグアンテナ、第2タグアンテナ、第3タグアンテナ)
CAA〜J 監視カメラ(撮像手段)
P1A〜F 子供(被保護者)
P2A〜O 親(保護者)
R1A〜J 第1リーダ(通過検出用情報読み取り手段、第1情報読み取り手段、情報読み取り手段)
R2A〜R2F 第2リーダ(第1情報読み取り手段、情報読み取り手段)
R3 第3リーダ(第2情報読み取り手段、情報読み取り手段)
RW リーダライタ
S 係員(システム管理者又はその権限を委託された者)
T1A,B 子供用タグ(第1無線タグ)
T1′A〜F 子供用タグ(第1無線タグ)
T2A,B 親用タグ(第2無線タグ)
T2′A〜O 親用タグ(第2無線タグ)
To 無線タグ回路素子
TS 係員用タグ(第3無線タグ)
W1A〜J 所定の通信範囲
W2A〜F 所定の通信範囲
W3 所定の通信範囲
ZA〜I ゾーン(所定の管理区画)
ZJ ゾーン(特定の管理区画、所定の管理区画)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保護者情報を記憶した第1IC回路部、及び、情報を送受信する第1タグアンテナを備え、被保護者に所持される少なくとも1つの第1無線タグと、
前記被保護者情報に対し関連付けられた保護者情報を記憶した第2IC回路部、及び、情報を送受信する第2タグアンテナを備え、前記被保護者の保護者に所持される少なくとも1つの第2無線タグと、
所定の通信範囲を形成し、前記通信範囲内に位置する前記第1無線タグ及び前記第2無線タグから、無線通信により前記被保護者情報及び前記保護者情報を取得可能な少なくとも1つの情報読み取り手段と、
特定の第1情報読み取り手段が前記第1無線タグから前記被保護者情報を取得したとき、対応する前記第2無線タグからも前記保護者情報が取得されるような、被保護者の保護状態を維持するための所定の情報処理を行う情報処理手段と
を有することを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の被保護者管理システムにおいて、
前記第1IC回路部に記憶される前記第1無線タグの第1タグ識別情報と、前記第2IC回路部に記憶される前記第2無線タグの第2タグ識別情報とを互いに関連付け、前記第1タグ識別情報を前記被保護者情報とするとともに、前記第2タグ識別情報を前記保護者情報とする関連付け処理手段を有する
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の被保護者管理システムにおいて、
前記情報処理手段は、
前記第1情報読み取り手段により、少なくとも1つの前記第1無線タグから前記被保護者情報が取得されるとともに当該第1無線タグに関連付けられた前記第2無線タグから前記保護者情報が取得されなかった場合に、対応する報知を行うための報知信号を生成し出力する報知信号生成手段である
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の被保護者管理システムにおいて、
前記第1情報読み取り手段は、
所定の管理区画に設けられ、当該管理区画の境界の通過検出が可能な前記通信範囲を形成し、前記第1無線タグ又は前記第2無線タグからの前記被保護者情報又は前記保護者情報の取得を行う、通過検出用情報読み取り手段である
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項5】
請求項4記載の被保護者管理システムにおいて、
特定の前記第2無線タグの前記第2IC回路部に記憶された前記保護者情報と実質的に同一の情報を記憶した第3IC回路部、及び、情報を送受信する第3タグアンテナを備え、システム管理者又はその権限を委託された者に所持される第3無線タグを有する
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項6】
請求項4記載の被保護者管理システムにおいて、
少なくとも1つの前記第1無線タグの前記第1IC回路部は、
特定の前記管理区画の境界の前記通過検出時において、前記第2無線タグの前記第2IC回路部に記憶された前記保護者情報と同等に機能可能な保護者代理情報を記憶している
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項7】
請求項3乃至請求項6のいずれか1項記載の被保護者管理システムにおいて、
前記第1情報読み取り手段により、少なくとも1つの前記第1無線タグから前記被保護者情報が取得されるとともに、当該第1無線タグに関連付けられた前記第2無線タグ又は前記第3無線タグから前記保護者情報又はこれと実質的に同一の情報が取得されなかった場合に、当該第1無線タグを所持する前記被保護者を撮影するための撮像手段を有する
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項8】
請求項1又は請求項2記載の被保護者管理システムにおいて、
前記情報処理手段は、
前記第1情報読み取り手段に先だって情報読み取りを行う第2情報読み取り手段により、少なくとも1つの前記第1無線タグ及び少なくとも1つの前記第2無線タグを含む合計3つ以上の無線タグから、前記被保護者情報及び当該被保護者情報に関連付けられた前記保護者情報が取得された場合に、当該3つ以上の無線タグを、少なくとも1つの前記第1無線タグ及び少なくとも1つの前記第2無線タグを含む第1グループと、それ以外の第2グループとに、グループ分けするガイド表示を行うための表示信号を生成し出力する表示信号生成手段である
ことを特徴とする被保護者管理システム。
【請求項9】
請求項8記載の被保護者管理システムにおいて、
前記第1情報読み取り手段は複数設けられており、
当該複数の第1情報読み取り手段は、
前記第1グループに含まれる前記少なくとも1つの第1無線タグと前記少なくとも1つの第2無線タグとを前記通信範囲内に含み、それら第1無線タグ及び第2無線タグから前記被保護者情報及び前記保護者情報を取得する第1グループ用情報読み取り手段と、
前記第2グループに含まれる少なくとも1つの前記第1無線タグ又は前記第2無線タグを前記通信範囲内に含み、当該第1無線タグ又は第2無線タグから前記被保護者情報又は前記保護者情報を取得する第2グループ用情報読み取り手段と
を含むことを特徴とする被保護者管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−34423(P2011−34423A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181262(P2009−181262)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】