説明

被塗装対象物を塗装するための塗装システム

本発明の目的は、車体(102)および/または車体部品の形態をなした被塗装対象物を塗装する塗装システム(100)を提供することである。このために、次の構成を具備する塗装システムが提供される:そのような構成は、建物の内部空間(132)を包囲するとともに少なくとも1つの浸漬タンク(140,148)および建物内部空間に対して開放された少なくとも1つの処置領域(188,190,192,304,310)を含む建物筐体(116);被塗装対象物が少なくとも1つの開放された処置領域を通って移送可能になっている第1の移送階(104);第2の移送階(106)であって、第2の移送階(106)から被塗装対象物が少なくとも1つの浸漬タンクに浸漬可能になっている第2の移送階(106);および少なくとも1つの中間格納部(107)であって、塗装システムの移送階(104,106)から被塗装対象物を中間格納部(107)に移送可能であるとともに、その後中間格納部から塗装システムの別の移送階(106,104)に被塗装対象物を移送可能になっている、中間格納部(107)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体および/または車体部品、特にトラックの運転室の形態をなした被塗装対象物を塗装するための塗装施設に関する。
【背景技術】
【0002】
車体を塗装するための塗装施設の建物の寸法は、車体を塗装するために必要な処理デバイス、例えば浸漬プラント、乾燥器、吹付け区画および作業空間によって、また、材料の供給並びに廃水、廃棄物および排出空気の環境管理を含む、必要な移送設備と換気設備とによって決まる。
この場合、塗装施設内における処理デバイスの配置のみが変更可能であり、これらの寸法を変えることはできない。
【0003】
移送設備それ自体は車体の表面処置に使用されず、個々の処理区域間の車体の移送のため、および/または必要な機能を実行するため、例えば車体の色の選別、処理区域を空けるために使用される。
公知の塗装施設において、これらの移送設備は、例外なく塗装施設内の所定のフロア階層に構築されていた。これらのフロア階層は、塗装施設の建物内に形成される必要があるものである。
【0004】
色の選別のため、および処理区域を空けるための一時的な格納領域の位置は、処理手順および塗装施設内において利用可能な自由空間によって定まる。格納領域は複数の階層に配列されており、塗装施設の建物のフロア領域が可能な限り小さく保たれている。
公知の塗装施設において、換気設備は、これらのために特別に形成された鋼製の土台に構築されるか、または塗装施設の建物内部空間の塗装施設に形成された特別のフロア階層(ペントハウス)にさえ構築される。
【0005】
前処置ユニットおよび電気泳動浸漬コーティング(以下、「CDC」と略称する。)用のユニットは、通常2つの階層に構築される。この場合、処理液で満たされた重厚な浸漬タンクは、概してそれぞれ関連する容器の上方に配置されている。重厚な鋼製の土台またはコンクリート製の天井がこのために要求される。
乾燥器およびそれらの加熱ユニットが、放射熱の結果として周囲の領域に絶えず熱を放出している。この望ましくないが不可避である塗装施設の建物内への熱の入力が、作業空間に悪影響を与えるべきではない。したがって、公知の塗装施設においては、乾燥器およびそれらの加熱ユニットは、それぞれ作業空間の上方に位置する土台または建物の階層に構築されている。
【0006】
塗装施設における移送に関連する機能およびプラントに関連する機能を実行可能にするために、公知の塗装施設の建物は、最高で4階層に構築されるとともに、塗装処理のみのために必要であろう領域よりもより概ね大きいフロア領域に構築されている。
塗装施設の建物は、構築のために必要な鋼製またはコンクリート製の階層とともに、そこに移送される車体に加えて、プラント設備および移送設備によって結果的に必要な荷重に従って静的に設計される必要がある。
【0007】
塗装施設内の車体の移送、およびこれらのために必要な移動式移送設備、例えば昇降ステーション、周回式台車、旋回テーブルまたはターンテーブルの結果として、塗装施設内に危険領域が発生する。したがって、対応する法規制を遵守するため、および人々に対する危険を排除するために、大規模な安全設備を提供する必要がある。
【0008】
塗装施設の建物の複雑さ故に、多くの場合において公知の塗装施設からの避難経路の設計について妥協する必要がある。
公知の塗装施設の構築についての日程は、建物の多階層の設計、すなわち困難なプラント設備の組立ておよび割当てによって決まる。
【0009】
特許文献1は、ベース車体仕上げ領域、塗装領域、組立領域からなる処理領域を備え、そして車体物流センターとして異なる仕上げ状態の車体を格納可能な単一の中央車体格納ユニットを備えた、自動車製造用の処理組立場を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第10350846号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の基礎をなす目的は、車体および/または車体部品の形態をなす被塗装対象物を塗装するための塗装施設において、簡易でかつ明確に配列された構造を有し、比較的少ない移送関連の設備を要求するとともに、時間および材料に関して低コストで製造可能な塗装施設を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本発明にしたがって、車体および/または車体部品の形態をなす被塗装対象物を塗装するための次の構成を備える塗装施設によって解決される:
その構成とは、少なくとも1つの浸漬タンクと、建物内部空間に対して開放された少なくとも1つの開放処置領域とが配列された建物内部空間を包囲する建物枠組構造体;
被塗装対象物が少なくとも1つの開放処置領域を通って移送可能になっている第1の移送階;
第2の移送階であって、被塗装対象物が該第2の移送階から少なくとも1つの浸漬タンクに浸漬可能になっている第2の移送階;および
少なくとも1つの中間格納ユニットであって、少なくとも1つの被塗装対象物が、塗装施設の移送階の一方から前記中間格納ユニットに移送可能であり、その後に前記中間格納ユニットから塗装施設の他方の移送階に移送可能である、中間格納ユニットである。
【0013】
この場合、移送階から中間格納ユニットに被塗装対象物が移送される場合のその移送階と、中間格納ユニットから移送階に被塗装対象物が移送される場合のその移送階とは、塗装施設の第1の移送階または第2の移送階と同じであってもよく、或いは必要に応じて、塗装施設の追加の移送階を含んでいてもよい。
【0014】
塗装施設の第1および第2の移送階は、塗装施設の建物枠組構造体のフロアに対して異なる階層に位置している。
第1の移送階は、好ましくは塗装施設の第2の移送階の下方に位置している。
第1の移送階に対する第2の移送階の鉛直方向の空間は、好ましくは被塗装対象物の最大高さよりも大きく形成されている。
第2の移送階と第1の移送階との間の鉛直方向の空間は、好ましくは少なくとも約4mに達している。
第1の移送階が塗装施設の建物枠組構造体の地上フロア階層の高さに位置しているのが特に好ましい。
【0015】
本発明に係る塗装施設において、少なくとも1つの中間格納ユニットが塗装施設の少なくとも2つの処理区域の間に配列されていて、これにより少なくとも1つの処理区域が中間格納ユニットを終点とするとともに、それに続く少なくとも1つの処理区域が中間格納ユニットを始点とするようになっている。
【0016】
好ましくは、以下の移送関連の機能の1つまたは2つ以上が中間格納ユニットにおいて実行されうる:
被塗装対象物は、被塗装対象物を上下動させることによって塗装施設の異なる移送階の間を移送可能になっている;
被塗装対象物は、塗装施設の処置領域を空にする間、格納されるために中間格納ユニットに配置可能になっている;
中間格納ユニットに一時的に格納されている被塗装対象物は、中間格納ユニットに続く塗装施設の処理区域における処置のために中間格納ユニットから取出し可能になっている;
格納の順番に対して被塗装対象物の取出しの順番を変更することによって、続く塗装のためのカラーブロックが中間格納ユニットによって形成可能になっている;
続いて処理されるべき被塗装対象物が、中間格納ユニットにおいて最適化された順番で格納可能になっている;
被塗装対象物の通過方向において中間格納ユニットの前方または後方に配置された塗装施設の処理区域が、プラント故障の場合に互いに分離可能になっている;
加えて、被塗装対象物の通過方向において中間格納ユニットの前方または後方に配置された塗装施設の処理区域が、異なる処理区域における異なる作業時間の場合に互いに分離可能になっている。
【0017】
中間格納ユニットは、好ましくは選択的に占められる被塗装対象物用の複数の格納室を具備している。この場合、カラーブロックを形成し、かつ/または続いて最適化された順番で処理されるべき被塗装対象物を選別するために、被塗装対象物を回収する順番は、被塗装対象物の格納の順番に対して変更可能になっている。
加えて、中間格納ユニットから次に取り出されるべき被塗装対象物を、可能な限り中間格納ユニットの取出位置に近づけて格納できる。
【0018】
本発明の好ましい構成において、中間格納ユニットがハイベイ格納ユニットとして構成されたものが提供される。
【0019】
第2の移送階に位置する被塗装対象物が塗装施設の少なくとも1つの乾燥器を通って移送可能であるのが特に好ましい。この場合、乾燥器を加熱する加熱ユニットは、第1の移送階に位置する乾燥器の下方に構築可能であり、好ましくは建物枠組構造体の地上フロア階層(高さ0.0m)に構築される。
【0020】
加えて、第2の移送階に位置する被塗装対象物が少なくとも1つの塗料吹付け区画を通って移送可能であるのが好ましい。この場合、それぞれの塗料吹付け区画は鋼製フレームからなる土台に構築可能であり、その土台の階層は、塗料吹付け洗出しユニットに要求される構造上の最低限の高さと一致している。塗料吹付け洗出しユニットは、第1の移送階に位置する塗料吹付け区画の直下に配列可能であり、好ましくは、建物枠組構造体の地上フロア階層(高さ0.0m)に配列される。好ましくは、塗料スラッジ処理ユニットが塗料吹付け区画下方の窪みに配列される。
【0021】
加えて、第1の移送階に位置する被塗装対象物は、少なくとも1つの下塗り付与ユニットを通って移送可能であるのが好ましい。第1の移送階において特に容易に届く作業員用の作業空間は、このような下塗り付与ユニット内に配置されるとともに、好ましくは建物枠組構造体の地上フロア層(高さ0.0m)に形成される。
作業員用の作業空間が第1の移送階に配列される場合、避難経路を特に短く保ってもよい。
【0022】
加えて、塗料吹付け区画の排出空気からオーバースプレー塗料を分離するための少なくとも1つの分離デバイス、および/または塗料スラッジを廃棄するための少なくとも1つの廃棄デバイスが、第1の移送階に配列されるのが好ましい。
この場合、塗料吹付け区画は、塗料吹付け区画の排出空気からオーバースプレー塗料を分離するための分離デバイスの直上に配列可能であり、かつ/または塗装施設の第2の移送階に位置する、塗料スラッジを廃棄するための廃棄デバイスの直上に配列可能である。
【0023】
加えて、少なくとも1つの塗料吹付け区画に対して流入空気を供給するための少なくとも1つの空気供給ユニットが第1の移送階に配列されるのが好ましい。
第1の移送階の配列のおかげで、空気供給ユニットは、保守目的(例えばフィルタ交換)および/または修理のために特に容易にアクセスされる。
【0024】
空気供給ユニットは、好ましくは建物枠組構造体の地上フロア階層(高さ0.0m)に配列される。空気供給ユニットは吹付け区画に接続可能となっており、この吹付け区画には空気流入ダクトを介して空気供給ユニットによって流入空気が供給される。
【0025】
塗装施設が、少なくとも1つの塗料吹付け区画から排出空気を除去するための少なくとも1つの排気ユニットを具備しているものが提供可能である。この場合、排気ユニットは、第1の移送階の高さにおいて建物枠組構造体の外部に配列され、好ましくは建物枠組構造体の地上フロア階層(高さ0.0m)に配列されている。このような排気ユニットは、少なくとも1つの排気ダクトを介して塗料吹付け区画に接続可能であり、この排気ダクトは、好ましくは塗装施設の建物枠組構造体の地上フロア階層の下方に位置している。
排気ユニットは、少なくとも1つの換気装置を含んでいてもよい。
さらに、排気ユニットは、少なくとも1つのさらに別のダクトを介して排気管に接続されていてもよい。
【0026】
塗装施設の好適な構成において、少なくとも1つの乾燥器を加熱するための少なくとも1つの加熱ユニットが第1の移送階に配列されたものが提供される。この結果、作業空間上方の土台または追加の建物階層に加熱ユニットを構築する必要がなくなる。
塗装施設のすべての処理デバイス、すなわち被塗装対象物に処置を施すためのすべてのデバイス(処置デバイス)またはこれらの処置デバイスの作動に必要なすべてのデバイスを第1の移送階から組み立てるのが特に好ましい。
【0027】
本願明細書および添付の特許請求の範囲の意味における処理デバイスにおいて、浸漬タンク、乾燥器、冷却ゾーン、吹付け区画、シール作業空間、下塗り付与ユニット、検査作業空間および仕上げ作業準備作業空間が特に処置デバイスとして考えられ、また、加熱ユニット、空気供給ユニットおよび塗料吹付け洗出しユニットがこれらの処置デバイスの作動のために必要なデバイスとして考えられる。
本願明細書および添付の特許請求の範囲において、移送デバイスは、塗装施設の処理デバイスとは考えられていない。
【0028】
少なくとも1つの浸漬タンクの少なくとも1つの関連する容器が第1の移送階に位置するそれぞれの浸漬タンクの隣に配列されるのが特に好ましい。
製造および洗浄が容易なため、直立した円柱状の容器が用いられるのが好ましい。
塗装施設が、建物枠組構造体の地上フロア階層において、第1の移送階の他に追加の階層を有しないのが特に好ましい。
【0029】
また、塗装施設が少なくとも2つの中間格納ユニットを具備し、この中間格納ユニットにより被塗装対象物が塗装施設の移送階の1つから他の移送可能に移送可能であるのが有利である。
この場合、少なくとも2つの中間格納ユニットを分散された2つのハイベイ格納ユニットとして特に構成できる。
移送関連の機能を中間格納ユニットに移すことによって、中間格納ユニット以外に塗装施設の建物枠組構造体に要求される移送設備の範囲が大幅に減少する。
【0030】
さらに、各処理区域が中間格納ユニットを終点とし、かつ/または中間格納ユニットを始点とするように、塗装施設の処理区域を構成可能である。
塗装施設のすべての処理デバイス、すなわち被塗装対象物に処置を施すためのすべてのデバイス(処置デバイス)またはこれらの処置デバイスの作動に必要なすべてのデバイスを第1の移送階に配列するか、或いは第1の移送階に配列された建物枠組構造体のフロアから上方に延在する土台の上に配列すれば、本発明に係る塗装施設を特に容易に設立できる。この場合、地上フロア階層の他に塗装施設の建物枠組構造体において追加のフロア階層を形成する必要はない。
【0031】
少なくとも1つの中間格納ユニットを建物枠組構造体の壁部に直接隣接して配列すると、塗装施設の処理区域の特に好適な配置が得られる。
複数の中間格納ユニットが形成される場合、これらをすべて建物枠組構造体の同じ外壁部に直接隣接して配列するのが好ましい。
【0032】
塗装施設の好適な構成において、塗装施設のすべての処理デバイス、すなわち被塗装対象物に処置を施すためのすべてのデバイス(処置デバイス)またはこれらの処置デバイスの作動に必要なすべてのデバイスを塗装施設の第1の移送階か、または第2の移送階に配列したものが提供される。この結果として、特に簡易な構造からなる、塗装施設を通る被塗装対象物の移送経路が達成される。
この場合、塗装施設は、第1の移送階に加えて追加の移送階、特に第3の移送階を具備していてもよい。しかしながら、この場合には、塗装施設の移送デバイスのみが第3の移送階に配列され、塗装施設の処理デバイスは第3の移送階に配列されない。
本発明に係る解決策によって、機器コストが低くかつ小空間を要求する「無駄を省いた」塗装施設を構築できる。
【0033】
中間格納ユニットに長時間格納される被塗装対象物を粉塵堆積物から保護して以降の処理工程を簡略化するために、中間格納ユニットをクリーンルームとして構成してもよい。
特に、被塗装対象物用の中間格納ユニットの格納室それぞれに対して、各被塗装対象物の直上に配列されたカバーが提供されてもよい。被塗装対象物は、結果として落下するいかなる汚れからも保護される。
【0034】
カバーは特に保護フィルムからなる。
保護フィルムは、特に適切なプラスチック材料、例えばポリエチレン材料から構成される。
使用されるカバーは、好ましくは適用される防火規制を遵守する。
【0035】
本発明に係る塗装施設は下記の利点を特に有する。
本発明に係る塗装施設の構成によって、塗装施設に要求される建物の容積が塗装処理のみのために必要な寸法にまで低減される。
フロア階層を追加することなく1つの建物枠組構造体のみが要求されるので、塗装施設の建物の構造が簡略化され、結果としてコスト削減が達成される。
【0036】
塗装施設において必要な移送関連の設備の範囲が大幅に減少する。
従来の構造と比較すると、追加の階層とともに、これらに必要な鋼製の構造体、通路、防火設備、照明システムおよび換気システムが、塗装施設において必要ではなくなる。
不要なものを排除して塗装施設の構造を配列する結果として、人間を保護するための保護設備の数および範囲を大幅に低減できる。
【0037】
移送設備用の駆動モータおよびセンサシステムの数を実質的に減らした結果として、そしてまた移送関連設備を中間格納ユニットに集中させた結果として距離が大幅に短くなっているので、保守コストが低減される。
移送設備用の駆動モータおよびセンサシステムの数を大幅に減らしたことで、移送設備の有用性が確実に増している。
【0038】
建物構造およびプラント技術を簡略化した結果として、明確なコスト削減が達成される。
移送設備用の駆動モータの数を少なくした結果として、エネルギ消費が低減される。
建物枠組構造体用の照明および換気のためのコストを低減した結果として、エネルギ消費がさらに低減される。
【0039】
本発明に係る塗装施設において、複数の同一の処理デバイスが第1の移送階の関連する領域において結合されていて、異なるタイプの処理デバイスは配列されていない。
この結果として、塗装施設の内部空間が異なる機能領域ごとに厳格に分割されるようになっている。作業空間のための領域、機械領域および処理領域は、互いに重なり合うことはない。
鋼製の構造体、エネルギ供給部、換気設備および防火設備を含むプラント技術における相互作用とともに、建物技術とプラント技術との間の相互作用は概ね簡略化される。
【0040】
追加の機能を備えることなく1つの建物枠組構造体のみを建築すればよいので、塗装施設の建物の設立が概ね簡略化され、塗装施設の構築を完了するための時間を削減できる。
プラント設備の組立てが明確に簡略化されており、すべてのプラント、特にすべての処理デバイスは、0.0mの高さ(建物枠組構造体の地上フロア階層)から組立可能になっている。
【0041】
塗装施設の個々の処理区域が、少なくとも1つの中間格納ユニットによって分断されていて、塗装施設の他の処理区域から独立して作動するように設定可能なので、プラント設備の割当てもまた簡略化されている。
本発明に係る塗装施設のデザインは特に自動車分野の塗装施設に適している。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】車体を塗装するための塗装施設の第1の移送階の概略平面図である。
【図2】車体を塗装するための塗装施設の第2の移送階の概略平面図である。
【図3】車体を塗装するための塗装施設の第3の移送階の概略平面図である。
【図4】前処置浸漬タンク、CDC浸漬タンクおよび開放されたシール作業空間の領域並びに充填剤、プライマおよびクリアコーティングの吹付け区画の領域において塗装施設を通る、図1〜図3の線4−4に沿って見た概略鉛直断面図である。
【図5】前処置浸漬タンク、CDC浸漬タンク、2つのCDC乾燥器、2つの下塗り付与ユニット、2つの充填剤乾燥器、上塗り乾燥器、開放された仕上げ作業準備作業空間、2つの上塗り準備区画およびさらに別の上塗り乾燥器の領域において塗装施設を通る、図1〜図3の線5−5に沿って見た概略鉛直断面図である。
【0043】
【図6】2つのハイベイ格納ユニットを通る、図1〜図3の線6−6に沿って見た概略鉛直断面図である。
【図7】2つのハイベイ格納ユニットを備えた塗装施設、並びにハイベイ格納ユニットへの進入路とともに加熱ユニットおよび冷却領域を備えた充填剤乾燥器の領域を通る、図1〜図3の線7−7に沿って見た概略鉛直長手断面図である。
【図8】クリアコーティング用の吹付け区画、吹付け区画用の空気供給ユニット、並びに水性塗料および溶剤型塗料用の塗料凝固ユニットを備えた塗装施設の領域を通る、図1〜図3の線8−8に沿って見た概略鉛直長手断面図である。
【図9】進入ロック室を含む進入路と、ハイベイ格納ユニットのハウジング内に超過圧力を生成するための空気循環ユニットとを備えた、塗装施設のハイベイ格納ユニット用の換気設備の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の追加の特徴および利点が、後述する説明および例示的な実施形態を示す図面の主題である。
同一の要素、または機能的に均等な要素には、すべての図面において同じ参照符号が付されている。
【0045】
図1〜図9に示され、全体として符号100が付与された、車体102を塗装するための塗装施設は、車体102の表面処置のための複数の処置領域を具備しており、これらは図1に示される第1の移送階104に配列されるとともに、図2に示される第2の移送階106に配列されていて、処置を施される車体102がこれらを通って順次移送される。
各処置領域は、塗装施設100の処理区域と関連づけられていて、処理区域は、中間格納ユニット107として作用する塗装施設100の3つのハイベイ格納ユニット108,110,112のうちの1つを終点とし、かつ/またはこれらのハイベイ格納ユニット108,110,112のうちの1つを始点としている。
【0046】
3つのハイベイ格納ユニット108,110,112は、図1〜3の左側に示された、全体として符号116が付与される塗装施設100の建物枠組構造体の第1の面114に配列されている。
さらに塗装施設100の建物枠組構造体116は、第1の面114の反対に配置される第2の面118と、2つの面114,118を互いに結ぶ2つの長側部120,122とを有し、水平なフロア124および水平頂壁部126(図4および図5参照)をともに有している。
【0047】
塗装施設100の面114,118は、塗装施設100の水平横断方向128に概ね延びており、一方、面114,118よりも長く構成されている長側部120,122は、横断方向128に直交する塗装施設100の水平長手方向130に概ね延びている。
塗装施設100の建物枠組構造体116の面114,118、長側部120,122、フロア124および頂壁部126は、共同して建物内部空間132を包囲しており、建物内部空間132には、塗装施設100の処置領域およびハイベイ格納ユニット108,110,112が配列されていて、これらを通して車体102が移送経路134に沿って次々と移送される。
塗装施設100を通る車体102の移送経路134は、図2に示される第2の移送階106に配置される進入箇所136を始点としている。車体枠体構築プラントから運ばれる車体102は、この位置から塗装施設100に進入する。
【0048】
前処置浸漬タンク140を備えた前処置ユニット138は、進入箇所136から第1の面114に向かって塗装施設100の長手方向130に延在している。車体102の移送方向144を180度回転する回転領域142は、処置ライン138に接続している。第2の面118に向かって塗装施設100の長手方向130に延在する、少なくとも1つのCDC浸漬タンク148を備えたCDCユニット146(「CDC」は「電気泳動浸漬コーティング」を意味する)は、回転領域142に接続している。
【0049】
前処置浸漬タンク140に関連づけられた、多数の、好ましくは4つの概ね円柱状のコンテナ149が、第1の移送階104において前処置浸漬タンク140の隣に配列されている。
CDC浸漬タンク148に関連づけられた、多数の、好ましくは2つのコンテナ151が、第1の移送階104において回転領域142の隣に配列されている。
車体102の移送方向144を再び180度回転する、さらに別の回転領域150は、CDCユニット146の後に続いて位置している。
【0050】
回転領域150の後に、車体102の移送経路134は、2つのCDC連続フロー乾燥器152に分岐しており、これらは長手方向130において第1の面114に向かって互いに平行に延在しており、それぞれ冷却ゾーン154を終点としている。
各冷却ゾーン154用の給気/排気ユニット155は、各冷却ゾーン154上方に配列されている(図7参照)。
【0051】
第1の移送階104に配置され、建物枠組構造体116のフロア124に存立する複数の加熱ユニット156は、それぞれが各CDC連続フロー乾燥器152の下方に配列されている(図5参照)。
これらの加熱ユニット156は加熱された流入空気を供給し、この流入空気はCDC連続フロー乾燥器152の乾燥路に供給される。
【0052】
図2から分かるように、クロス搬送器158がCDC連続フロー乾燥器152の冷却ゾーン154の後に続いて位置しており、クロス搬送器158は、車体102を2つの冷却ゾーン154から旋回テーブル160まで交互に移送する。旋回テーブル160において、車体102は鉛直軸線回りに90度旋回され、これにより車体102が長手方向130に対して平行ではなく、塗装施設100の横断方向128に対して平行に向くようになる。
車体102は、旋回テーブル160から2つの進入路162の一方を通って、気密のハウジング164によって建物内部空間132から隔離された第1のハイベイ格納ユニット108に移動する。
【0053】
ハイベイ格納ユニット108は、塗装施設100の横断方向128に対して平行に延在するとともに通路168によって互いに離間された、車体102用の2つの格納棚166を具備しており、その中には横断方向128に移動するように2つの格納取出ユニット170が配列されている。
各格納棚166は複数の車体格納室171を具備し、これらは複数の鉛直の段部172に互いに重ねて配列されるとともに複数の水平列174に隣合せに配列されている(図6参照)。
【0054】
第2の移送階106に位置する2つの格納室は、第1のハイベイ格納ユニット108用の格納位置176として作用する。車体102は、進入路162を通ってこれらの位置に移送される。
2つの格納取出ユニット170のうちの一方は、運ばれてきた車体102をこれらの格納位置176のうちの1つからそれぞれ受け取り、中間的な格納のために車体102を空いている車体格納室171に移送する。
【0055】
それぞれの車体102がさらに処理されるべき場合には、車体102が格納取出ユニットによって車体格納室171から取り出されて、塗装施設100の第1の移送階104の階層に配列された2つの取出位置178の一方まで移送される。
また、格納取出ユニット170によって、第1のハイベイ格納ユニット108の格納位置176から取出位置178まで車体102を直接移送することも可能である。
【0056】
第1の移送階104に位置する車体102は、これらの取出位置178から退出路180(図1参照)を通って第1のハイベイ格納ユニット108の外に移送され、旋回テーブル182に移動する。旋回テーブル182において、車体102の向きが鉛直軸線回りに90度回転され、これにより、車体102が塗装施設100の長手方向130に対して再び平行に向くようになる。
前処置ユニット138、CDCユニット146および冷却ゾーン154を備えたCDC連続フロー乾燥器152は、一緒になって塗装施設100の第1の処理区域184を形成している。第1の処理区域184は、第2の移送階106に位置する塗装施設100の進入箇所136を始点とし、第2の移送階106に位置する第1のハイベイ格納ユニット108の進入路162を終点としている。
第1の処理区域184の処置領域は、すべて第2の移送階106に配置されている。
【0057】
車体102の移送経路134は、第1の移送階104に位置する旋回テーブル182から第2の面118に向かって、塗装施設100の長手方向130に対して平行な2つのラインにおいて延在しており、一連の開放された処置領域または作業空間を通って、すなわち各CDC検査領域186、各シームシール領域(Nahtabdicht-Bereich)188、各下塗り付与ユニット190および各微細シール領域192を通って、クロス搬送器193およびホイスト組立体194まで延在している。
下塗り付与ユニット190は、下塗り付与区画191(図5参照)と、建物内部空間132に対して開放された処置領域および作業空間との両方を含んでいる。
ホイスト組立体194は、車体102を図1に示される第1の移送階104から図2に示される第2の移送階106まで移送する。第2の移送階106において、回転領域196はホイスト組立体194に隣接していて、2つの旋回テーブル198を備えている。旋回テーブル198において、車体102の向きはそれぞれ鉛直軸線回りに90度回転され、これにより車体102が回転領域196において合計して180度回転されるようになっている。
【0058】
洗浄区画200および充填剤吹付け区画202は回転領域196に隣接していて、ここで塗装ロボットによって、車体102に充填剤材料のコーティングが付与される。
充填剤吹付け区画202の後、車体102の移送経路134は、2つの充填剤連続フロー乾燥器204に分岐していて、これらは第1の面114に向かって塗装施設100の長手方向130に対して平行に延在し、それぞれ冷却ゾーン206を終点としている。
【0059】
図4から最もよく分かるように、第1の移送階104に配置され、建物枠組構造体116のフロア124に存立する塗料吹付け洗出しユニット208は、充填剤吹付け区画202の下方に配列されている。
同じく図4から分かるように、流入空気プレナムシステム210が充填剤吹付け区画202の上方に配列されている。
流入空気の流れは、流入空気プレナムシステム210によってその下方に配置された充填剤吹付け区画202に供給されて、充填剤吹付け区画202においてオーバースプレー塗料を取り除き、このオーバースプレー塗料は充填剤吹付け区画202の下方に配置された塗料吹付け洗出しユニット208において空気流によって洗い出される。
【0060】
図5から最もよく分かるように、充填剤連続フロー乾燥器204に供給されるべき熱風を生成するために、加熱ユニット212が充填剤連続フロー乾燥器204の下方に形成されている。
加熱ユニット212は、塗装施設100の第1の移送階104に配置されていて、建物枠組構造体116のフロア124に存立している。
【0061】
クロス搬送器214は、車体102の移送経路134において充填剤連続フロー乾燥器204の冷却ゾーン206に隣接しており、このクロス搬送器214によって、冷却ゾーン206を通過した後に車体102をホイスト組立体216まで移送可能になっている。
ホイスト組立体216は、第2の移送階106から図3に示される塗装施設100の第3の移送階218まで車体102を移送する。
第3の移送階218は、第1の移送階104の上方に位置する第2の移送階106の上方に位置している。
例えば、第3の移送階218はフロア124の上方に約7.5mの高さに位置しており、第2の移送階106はフロア124の上方に約5.0mの高さに位置しており、第1の移送階104はフロア124の階層に位置している。
【0062】
車体102はホイスト組立体216によって旋回テーブル220に移送され、旋回テーブル220は車体102を鉛直軸線回りに90度回転させるので、これにより車体102が塗装施設100の横断方向128に対して平行に向くようになる。
車体102は、第2のハイベイ格納ユニット110の2つの進入路222のうちの一方にそれぞれこの向きで移送される。
車体102は、進入路222を通って、第3の移送階218の階層に配置される第2のハイベイ格納ユニット110(図6参照)の2つの格納位置224に移動する。
車体102は、第2のハイベイ格納ユニット110の2つの格納取出ユニット170によって、これらの格納位置224からそれぞれの空いている車体格納室171に移送されてそこで降ろされる。
【0063】
車体102の追加の処置のために、車体102は、格納取出ユニット170のうちの1つによって車体格納室171から出されて、塗装施設100の第2の移送階106の階層に配置された第2のハイベイ格納ユニット110の2つの取出位置226のうちの1つに移送される。
車体102は、これらの取出位置226から2つの退出路228(図2参照)のうちの一方を通って、それぞれ第2のハイベイ格納ユニット110から搬出される。
【0064】
CDC検査領域186と、シームシール領域188と、下塗り付与ユニット190と、微細シール領域192と、洗浄区画200と、充填剤吹付け区画202と、冷却ゾーン206を備えた充填剤連続フロー乾燥器204とは、塗装施設100の第2の処理区域230に属している。第2の処理区域230は、第1の移送階104に位置する第1のハイベイ格納ユニット108を始点とし、第3の移送階218に位置する第2のハイベイ格納ユニット110を終点としている。
この場合、CDC検査領域186、シームシール領域188、下塗り付与ユニット190および微細シール領域192は、第1の移送階104に配置されていて、一方、洗浄区画200、充填剤吹付け区画202および冷却ゾーン206を備えた充填剤連続フロー乾燥器204は、第2の移送階106に配置されている。
したがって、第2の処置区域230のすべての処置領域は、塗装施設100の第1の移送階104または第2の移送階106に配置されている。
【0065】
第2のハイベイ格納ユニット110は、第1のハイベイ格納ユニット108および後述する第3のハイベイ格納ユニット112と同様に、クリーンルーム領域として構成されている。
特に、各ハイベイ格納ユニットは気密のハウジング164によって包囲されていて、ハイベイ格納ユニットの内部空間が建物枠組構造体116の建物内部空間132から隔離されている。これにより、汚染物質が建物内部空間132から各ハイベイ格納領域のハウジング164の内部空間に侵入できないようになっている。
ハイベイ格納ユニットのハウジング164の内部は、各進入路162,222を介してのみ、また、各退出路180,228を介してのみアクセス可能になっている。
汚染物質がこれらの通路を通ってハウジング164の内部に侵入することを防ぐために、各ハイベイ格納ユニットの内部は、図9に概略的に示される空気循環ユニット232によって、建物内部空間132の気圧に対して少なくとも約100Pa、好ましくは約50Paの超過圧力の下に置かれている。
【0066】
図9から分かるように、空気循環ユニット232は、ファン236を備えた空気供給デバイス234を具備している。空気供給デバイス234は、建物内部空間132から吸入口238を通じて吸気して、吸気した空気を空気フィルタ240に通して空気流入パイプ242に送っている。
空気流入パイプ242は、ハイベイ格納ユニットの端壁部246に沿って鉛直方向に延在している多数の、例えば3つの空気流入ダクト244に分岐している(図6参照)。
流入空気は、これらの空気流入ダクト244から、鉛直方向に互いに重なるように配列された空気流入ダクト244の流入空気開口248を通って、ハイベイ格納ユニットの内部空間258に放出される。
【0067】
1つまたは2つ以上の排気ダクト250がハイベイ格納ユニットの反対側の面の近傍に形成されており、この排気ダクト250もまた各ハイベイ格納ユニットのハウジング164の境界壁部に沿って鉛直方向に延在している。排気ダクト250には鉛直方向に互いに重なるように配列された排気開口252が形成されていて、これらの排気開口252を通じて空気がハイベイ格納ユニットのハウジング164の内部空間258から吸い出されて、図9に示される排気パイプ254に運ばれる。
排気ダクト250と排気パイプ254との間の接続部は、図6および図9において示されていない。
【0068】
図6に示されるように、2つのハイベイ格納ユニット110は共通のハウジング164内に配列可能であり、これにより空気が第1のハイベイ格納ユニット108から第2のハイベイ格納ユニット110に、またはこの逆の方向に妨げられることなく移動できるようになっている。
或いは、各ハイベイ格納ユニット108,110が、それぞれ他方のハイベイ格納ユニットから気密に隔離されたこれら独自のハウジング164を具備するようにしてもよい。
【0069】
図9から分かるように、ハイベイ格納ユニットの各進入路、例えば第2のハイベイ格納ユニット110の進入路222は、進入ロック室256を付加的に具備しており、流入空気は、超過圧力にさらされてハイベイ格納ユニット、例えば第2のハイベイ格納ユニット110のハウジング164の内部空間258から進入ロック室256に流入する。
この流入する流入空気は、空気が建物内部空間132を出て、進入路222を通ってハウジング164の内部空間258に移動するのを防いでいる。
ロック室の空気は、進入ロック室256から空気フラップ260を通って排気パイプ254に吸い出される。
【0070】
排気パイプ254は、換気装置236の吸気側に位置する空気循環ユニット232の空気供給デバイス234に対して開放しており、これにより空気供給デバイス234からハイベイ格納ユニットのハウジング164の内部空間258を通る、また場合によってはハイベイ格納ユニットの進入ロック室256を通る空気循環路が閉じるようになっている。
第2のハイベイ格納ユニット110の進入路222と同様に、残りのハイベイ格納ユニットの進入路にも進入ロック室256が形成されており、循環空気がこれを通って流れる。
これに類似して、すべてのハイベイ格納ユニットの退出路にも同様に対応して構成された退出ロック室が形成されている。
【0071】
ハイベイ格納ユニットのハウジング164の内部空間258内の超過圧力を所望のレベルに維持するために、ハウジング164に供給される流入空気の一部が、ハウジング164の出口262(図9参照)を通って建物内部空間132に直接放出される。
この結果として空気循環路に失われた空気は、空気供給デバイス234の吸入口238を通じた吸気により置換される。
【0072】
塵が上方から車体格納室171に格納された車体102に落下するのを防ぐために、各車体格納室171には車体102用の各格納空間の上方に配列されたカバー264が形成されている(図6参照)。
このカバー264は、適切なプラスチック材料、例えばポリエチレンからなる保護フィルムとして特に構成可能である。
カバー264として用いられる保護フィルムはそれぞれ適用可能な防火規則を遵守している。
カバー264は、車体格納室171の上方に配列されたさらに別の車体格納室171において車体102が格納されるとき、または取り出されるときに、格納取出ユニット170から、または車体102が配列される車体移送スキッドからの汚染物質が下方の車体格納室171に格納された車体102に落下可能になることを特に防いでいる。
【0073】
第2の移送階106に位置する車体102は、第2のハイベイ格納ユニット110の退出路228から各旋回テーブル266に移送される。各旋回テーブル266は、車体102を鉛直軸線回りに90度の角度旋回させ、これにより車体102が塗装施設100の長手方向130に対して平行に向くようになる。
塗装施設100の第2の移送階106に位置する車体102は、車体102を2つの上塗りライン270に分配するクロス搬送器268にこの向きで移送される。
これらの上塗りライン270の各々において、上塗り準備区画272、複数のプライマ吹付け区画274および中間連続フロー乾燥器276がそれぞれ車体102の移送経路134において順に位置しており、これらはすべて第2の面118に向かって塗装施設100の長手方向130に延在している。
【0074】
図4から最もよく分かるように、この場合、第1の移送階104に配置され、建物枠組構造体116のフロア124に存立する塗料吹付け洗出しユニット208が各プライマ吹付け区画274の下方に配列されている。
さらに、流入空気プレナムシステム210がプライマ吹付け区画274の上方にそれぞれ配列されている。
【0075】
エアロックの形態をなすとともに車体102の向きを180度の角度回転する回転領域278は、各上塗りライン270の中間連続フロー乾燥器276にそれぞれ隣接している。
冷却ゾーン280、複数のクリアコーティング吹付け区画282、蒸発ゾーン284、上塗り連続フロー乾燥器286および冷却ゾーン288は、車体102の移送経路134において各上塗りライン270の回転領域278にそれぞれ隣接しているとともに、これらは、建物枠組構造体116の第1の面114に向かって、塗装施設100の長手方向130にそれぞれ延在している。
【0076】
図4から最もよく分かるように、この場合、塗装施設100の第1の移送階104に配置され、建物枠組構造体116のフロア124に存立する塗料吹付け洗出しユニット208は、この場合、クリアコーティング吹付け区画282の下方にそれぞれ配列されている。
流入空気プレナムシステム210は、各クリアコーティング吹付け区画282の上方にそれぞれ配列されている。
【0077】
図5から特によく分かるように、塗装施設100の第1の移送階104に配列され、建物枠組構造体116のフロア124に存立する複数の加熱ユニット290は、上塗り連続フロー乾燥器286の下方にそれぞれ配列されている。
車体102は冷却ゾーン288から各旋回テーブル292に移送される。旋回テーブル292は車体102を鉛直軸線回りに90度の角度旋回させるので、これにより、車体102が塗装施設100の横断方向128に対して平行に向くようになっている。
車体102は、進入ロック室がそれぞれ形成された、第2の移送階106に位置する2つの進入路294のうちの一方を通って、塗装施設100の第3のハイベイ格納ユニット112にこの向きでそれぞれ移送される。
車体102は、第2の移送階106の階層に配置された第3のハイベイ格納ユニット112の格納位置から第3のハイベイ格納ユニット112の車体格納室171まで、格納取出ユニット170によって移送される。
追加の処置のために、車体102は、車体格納室171から塗装施設100の第1の移送階104の階層に位置する第3のハイベイ格納ユニット112の取出位置まで、格納取出ユニット170によって移送される。
【0078】
塗装施設100の長手方向130から見ると、第3のハイベイ格納ユニット112は、建物枠組構造体116の第1の面114において第2のハイベイ格納ユニット110の後方、すなわち第1の面114と第2のハイベイ格納ユニット110との間に配列されている。
車体102は、第3のハイベイ格納ユニット112の取出位置から、塗装施設100の第1の移送階104に位置し、退出ロック室をそれぞれ具備する、第3のハイベイ格納ユニット112(図1参照)の退出路296を通って各クロス搬送器298に移動する。
【0079】
上塗り準備区画272と、プライマ吹付け区画274と、中間連続フロー乾燥器276と、冷却ゾーン280と、クリアコーティング吹付け区画282と、蒸発ゾーン284と、冷却ゾーン288を備えた上塗り連続フロー乾燥器286とを伴う上塗りライン270は、塗装施設100の第3の処理区域300に属している。第3の処理区域300は、塗装施設100の第2の移送階106に位置する第2のハイベイ格納ユニット110の退出路228を始点とし、塗装施設100の第2の移送階106に位置する第3のハイベイ格納ユニット112の進入路294を終点としている。
第3の処理区域300のすべての処置領域、すなわち上塗り準備区画272と、プライマ吹付け区画274と、中間連続フロー乾燥器276と、冷却ゾーン280と、クリアコーティング吹付け区画282と、蒸発ゾーン284と、冷却ゾーン288を備えた上塗り連続フロー乾燥器286とを伴う上塗りライン270は、塗装施設100の第2の移送階106に配置されている。
第3のハイベイ格納ユニット112は、第2のハイベイ格納ユニット110に関連して前述した態様で、建物枠組構造体116の建物内部空間132から隔離されたクリーンルーム領域として構成されている。
【0080】
車体102は、塗装施設100の第1の移送階104に位置するクロス搬送器298から旋回テーブル302に移動する。旋回テーブル302は、車体102を鉛直軸線回りに90度の角度旋回させるので、車体102が塗装施設100の長手方向130に対して再び平行に向くようになる。
塗装施設100の第1の移送階104に位置する車体102は、2つの仕上げ検査領域304のうちの一方を通ってそれぞれこの向きで移送される。
クロス搬送器306は、車体102の移送経路132において仕上げ検査領域304に隣接しており、車体102を塗装施設100の退出箇所308まで移送する。塗装を終えた車体102は、この退出箇所308から最終組立プラントに移動する。
【0081】
車体102について仕上げ作業が必要な場合、車体102がクロス搬送器306によって仕上げ供給搬送器319に移送され、各車体102は、クロス搬送器314によって仕上げ供給搬送器319から仕上げ作業準備領域312に移動する。
仕上げ作業の準備が終了した後、車体102は、クロス搬送器310およびクロス搬送器310に隣接するホイスト組立体317によって、第2の移送階106に位置する上塗り準備区画272のうちの1つの進入口まで移送され、そして再び塗装される。
仕上げ検査領域304は、仕上げ作業準備領域312とともに塗装施設100の第4の処理区域316に属している。第4の処理区域316は、第1の移送階104に位置する第3のハイベイ格納ユニット112の退出路296を始点とし、塗装施設100の第1の移送階104に位置する塗装施設100の退出箇所308を終点としている。
第4の処理区域316のすべての処置領域、すなわち仕上げ検査領域304および仕上げ作業準備領域312は、塗装施設100の第1の移送階104に配置されている。
【0082】
図1から最もよく分かるように、第2の処理区域230の微細シール領域192と建物枠組構造体116の第2の面118との間に配列された色混合室318が、塗装施設100の第1の移送階104に付加的に配置されている。
さらに、第1の移送階104に配置された複数の空気供給ユニット320は、充填剤吹付け区画202、プライマ吹付け区画274またはクリアコーティング吹付け区画282用の流入空気プレナムシステム210を提供するように作用するとともに、これらの吹付け区画の塗料吹付け洗出しユニット208を一方に、建物枠組構造体116の第2の面118を他方にしてこれらの間に配列されている。
空気供給ユニット320は、空気流入ダクトを介して吹付け区画のそれぞれ関連する流入空気プレナムシステム210に接続されている(図8参照)。
【0083】
さらに、塗装施設100の第1の移送階104に位置する同じ領域において、塗料吹付け洗出しユニット208によって区画の排出空気により洗い出されたオーバースプレー塗料をさらに処理するために、塗料スラッジ廃棄領域322が形成されていて、これは、空気供給ユニット320を一方に、塗料吹付け洗出しユニット208を他方にしてこれらの間に配列されている。
塗料スラッジ廃棄領域322は、建物枠組構造体116のフロア124の下方に配列された、水性塗料用の塗料凝固ユニット323および/または溶剤型塗料用の塗料凝固ユニット325を具備していてもよい。
【0084】
空気供給ユニット320に隣接する排気ユニット324は、吹付け区画から建物枠組構造体116のフロア124の下方に配列された排気ダクト327を通じて排出空気を吸い出して、それを排気管326に放出するものであり、建物枠組構造体116の外部において建物枠組構造体116の第2の面118に配列されている。
空気供給ユニット320は、第1の移送階104の概ね矩形の集合領域328内部にすべて位置しており、ここには塗装施設100の他の処理デバイスは配されていない。
同様に、塗料吹付け洗出しユニット208が、符号330が付された第1の移送階104の概ね矩形の集合領域に位置しており、ここにも塗装施設100の他の処理デバイスは配されていない。
【0085】
CDC連続フロー乾燥器152の加熱ユニット156は、塗装施設100の第1の移送階104の概ね矩形の集合領域331にすべて位置しており、ここには塗装施設100の他の処理デバイスは配されていない。
また、充填剤連続フロー乾燥器204の加熱ユニット212は、塗装施設100の第1の移送階104の概ね矩形の集合領域332にすべて位置しており、ここには塗装施設100の他の処理デバイスは配されていない。
また、上塗り連続フロー乾燥器286の加熱ユニット290は、塗装施設100の第1の移送階104の概ね矩形の集合領域333にすべてがそれぞれ位置しており、ここには塗装施設100の他の処理デバイスは配されていない。
塗装施設100の第1の移送階104と、第1の移送階104の各集合領域328,330,331,332,333に位置するタイプの処理デバイス群との分離が明確になされているため、開放作業空間用の領域、機械領域および処理領域が互いに重なっておらず、そして特に連続フロー乾燥器の加熱ユニット156,212,290からの放射熱が他の処理デバイスおよび作業空間に悪影響を与えない。
【0086】
図4および図5から最もよく分かるように、建物枠組構造体116の頂壁部126は、建物枠組構造体116のフロア124から頂壁部126まで延在する鉛直方向の柱334によって支持されている。
フロア124の下方には、コンクリート製の基盤336がそれぞれ各柱334の場所に形成されている。
【0087】
前述した塗装施設100は、次のように作動する。
枠体組立領域において組み立てられた車体102は、塗装施設100の進入箇所136において塗装施設100の第1の処理区域184内に移送され、この第1の処理区域184において前処置が施され、電気泳動浸漬コーティングが付与される。さらに、付与された浸漬コーティングが第1の処理区域184において乾燥される。
この場合、車体102は、オーバーヘッド搬送器から垂下された前処置浸漬タンク140およびCDC浸漬タンク148を通って移送され、そこで車体102が、オーバーヘッド搬送器トラックを第2の移送階106から降下させることによって前記浸漬タンクに浸漬される。
或いは、車体102が第1の処理区域184を通して回転式キャリア上を移送されてもよく、そこで水平の軸線回りの回転によって、車体102が第2の移送階106から第1の処理区域184の浸漬タンク140,148に浸漬可能であるとともに、この軸線回りの追加の回転によって再びこのタンクから取出し可能であってもよい。
【0088】
車体102は、第1の処理区域184から第1のハイベイ格納ユニット108内に移動する。第2の移送階106に位置する車体102は、この第1のハイベイ格納ユニット108内に移送されるとともに、第1の移送階104において第1のハイベイ格納ユニット108から再び搬出される。
第1のハイベイ格納ユニット108を離れる前に、車体102を一時的に車体格納室171に格納できる。
車体102は、格納の順番とは異なる取出しの順番で第1のハイベイ格納ユニット108から取出し可能になっており、これにより、第1の処理区域184と第2の処理区域230との間で車体102の処置の順番を変更できるようになっている。
この手法において、続いて行われる塗装作業のために塗装ブロックが形成可能であり、かつ/または仕上げ作業用の車体が最適化された順番で格納可能になっている。
第2の移送階106から第1の移送階104への車体102の移送は、第1のハイベイ格納ユニット108内において格納取出ユニット170によって行われる。
【0089】
第1の移送階104に位置する第1のハイベイ格納ユニット108を離れた後、車体102は、塗装施設100の第2の処理区域230においてシールされるとともに車体下の保護部が付与され、そして第1の移送階104から第2の移送階106に持ち上げられて、第2の移送階106において充填剤が車体102に塗布されてから充填剤が乾燥される。
充填剤が乾燥した後、車体102が、塗装施設100の第2の移送階106から第3の移送階218に持上げられ、第2のハイベイ格納ユニット110内に移送される。
【0090】
塗装施設100の移送デバイスのみが塗装施設100の第3の移送階218に配置されており、他の処理デバイスまたは処置領域は配置されていない。
車体102が第2の移送階106に位置する第2のハイベイ格納ユニット110を再び離れる前に、第2のハイベイ格納ユニット110の車体格納室171に車体102を一時的に格納できる。
第1のハイベイ格納ユニット108と同様にして、第2のハイベイ格納ユニット110においても車体102の処置の順番が変更されてもよい。
【0091】
車体102は、格納取出ユニット170によって、第2のハイベイ格納ユニット110内部を塗装施設100の第3の移送階218から第2の移送階106に移送される。
車体102が第2の移送階106に位置する第2のハイベイ格納ユニット110を離れた後に、車体102は、塗装施設100の第3の処理区域300における上塗り塗装工程のための準備、例えばサンダー仕上げがなされてからプライマが付与される。プライマは、車体102にクリアコーティングが塗布されて全体の上塗りが乾燥する前の間に乾燥される。
プライマおよびクリアコーティングの付与は、塗装ロボットまたは手作業によって、或いは一部塗装ロボット、一部手作業によって実行可能である。
【0092】
そして、第2の移送階106に位置する車体102は、第3のハイベイ格納ユニット112に移送される。
第1の移送階104に位置する車体102が第3のハイベイ格納ユニット112から搬出される前に、第3のハイベイ格納ユニット112の車体格納室171に車体102を一時的に格納できる。
この場合、第3のハイベイ格納ユニット112における車体102の処置の順番は、第1のハイベイ格納ユニット108および第2のハイベイ格納ユニット110と同様にして変更可能である。
車体102は、第3のハイベイ格納ユニット112の格納取出ユニット170によって、第3のハイベイ格納ユニット112内部を第2の移送階106から第1の移送階104に移送される。
【0093】
車体102が第1の移送階104に位置する第3のハイベイ格納ユニット112を離れた後、車体102は、塗装施設100の第4の処理区域316において仕上げられるとともに、必要であれば検査、再仕上げがなされてから、塗装施設100の退出箇所308において続く最終組み立てプラントへと移動させられる。
塗装施設100の第1の移送階104に配列されたほとんどの処置領域、特にシームシール領域188、下塗り付与ユニット190用の開放作業空間、微細シール領域192、仕上げ検査領域304および仕上げ作業準備領域312は、開放された処置領域であるとともに開放された作業空間になっており、建物枠組構造体116の建物内部空間132に対して開放していて、隔壁によって建物内部空間132から隔離されてない。
【0094】
塗装施設100の第1の移送階104に位置する下塗り付与区画191および塗装施設100の第2の移送階106に配列された処置領域、特に前処置ユニット138と、CDCユニット146と、冷却ゾーン154を備えたCDC連続フロー乾燥器152と、充填剤吹付け区画202と、冷却ゾーン206を備えた充填剤連続フロー乾燥器204と、上塗り準備区画272と、プライマ吹付け区画274と、中間連続フロー乾燥器276と、冷却ゾーン280と、クリアコーティング吹付け区画282と、蒸発ゾーン284と、冷却ゾーン288を備えた上塗り連続フロー乾燥器286とは、閉じられた処置領域であり、区画壁部または乾燥器壁部によって建物枠組構造体116の建物内部空間132から隔離されている。
前処置ユニット138、CDCユニット146および下塗り付与ユニット190を通る車体102の移送は、オーバーヘッド搬送器によってなされうる。開放された、または閉じられた残りの処置領域を通る車体102の移送、処置領域間の移送並びにハイベイ格納ユニット108,110,112への移送およびこれらからの移送は、回転式搬送器によってなされうる。
【0095】
前述された塗装施設100において、ハイベイ格納ユニット108またはハイベイ格納ユニット110のうちの1つから、それぞれの次のハイベイ格納ユニット110またはハイベイ格納ユニット112への車体102の移送は、これらの間に配置される各処理区域230または処理区域300を介して常になされる。ハイベイ格納ユニットのうちの1つから他のハイベイ格納ユニットに車体102が直接移送されることはなく、移送経路132の流れ方向に対向して車体102が逆向きに移送されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(102)および/または車体部品の形態をなす被塗装対象物を塗装するための塗装施設であって、
少なくとも1つの浸漬タンク(140,148)、および建物内部空間(132)に対して開放された少なくとも1つの開放処置領域(188,190,192,304,312)が配列された前記建物内部空間(132)を包囲する建物枠組構造体(116)と、
前記被塗装対象物が前記少なくとも1つの開放処置領域(188,190,192,304,312)を通って移送可能になっている第1の移送階(104)と、
第2の移送階(106)であって、前記被塗装対象物が該第2の移送階(106)から前記少なくとも1つの浸漬タンク(140,148)に浸漬可能になっている第2の移送階(106)と、
少なくとも1つの中間格納ユニット(107)であって、少なくとも1つの前記被塗装対象物が、前記塗装施設(100)の前記第1および第2の移送階(104,106)のうちの1つから前記中間格納ユニット(107)に移送可能であり、その後に前記中間格納ユニット(107)から前記塗装施設(100)の他の移送階(106,104)に移送可能である、前記中間格納ユニットとを具備する、塗装施設。
【請求項2】
前記中間格納ユニット(107)が前記被塗装対象物用の複数の格納室(171)を具備し、該格納室(171)が選択的に占められうることを特徴とする、請求項1に記載の塗装施設。
【請求項3】
前記中間格納ユニット(107)がハイベイ格納ユニット(108,110,112)として構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の塗装施設。
【請求項4】
前記被塗装対象物が、前記第2の移送階(106)において、少なくとも1つの乾燥器(152,204,276,286)を通って移送可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項5】
前記第2の移送階(106)に位置する前記被塗装対象物が少なくとも1つの塗料吹付け区画(202,274,282)を通って移送可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項6】
前記第1の移送階(104)に位置する前記被塗装対象物が少なくとも1つの下塗り付与ユニット(190)を通って移送可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項7】
オーバースプレー塗料を塗料吹付け区画(202,274,282)の排気から分離する少なくとも1つの分離デバイス(208)および/または塗料スラッジを廃棄する少なくとも1つの廃棄デバイス(322)が、第1の移送階(104)に配列されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項8】
少なくとも1つの塗料吹付け区画(202,274,282)に流入空気を供給する少なくとも1つの空気供給ユニット(320)が前記第1の移送階(104)に配列されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項9】
塗装施設(100)が、少なくとも1つの塗料吹付け区画(202,274,282)から排出空気を放出する少なくとも1つの排気ユニット(324)を具備し、該排気ユニット(324)が前記第1の移送階(104)の高さにおいて建物枠組構造体(116)外部に配列されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項10】
少なくとも1つの乾燥器(152,204,276,286)を加熱する少なくとも1つの加熱ユニット(156,212,290)が前記第1の移送階(104)に配列されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項11】
塗装施設(100)のすべての処理デバイスが前記第1の移送階(104)から組み立てられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項12】
塗装施設(100)が少なくとも2つの中間格納ユニット(107)を具備し、該中間格納ユニット(107)によって、前記被塗装対象物が塗装施設(100)の移送階(104,106,218)の1つから塗装施設(100)の他の移送階(218,106,104)に移送可能であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項13】
塗装施設(100)の各処理デバイスが前記第1の移送階(104)に配列されるか、または前記第1の移送階(104)に配列された前記建物枠組構造(116)のフロア(124)から上方に延在する骨組みに配列されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項14】
前記少なくとも1つの中間格納ユニット(107)が前記建物枠組構造(116)の壁部(114)に直接隣接して配列されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の塗装施設。
【請求項15】
塗装施設(100)のすべての処理デバイスが、塗装施設(100)の前記第1の移送階(104)または前記第2の移送階(106)に配列されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の塗装施設。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−529388(P2011−529388A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520422(P2011−520422)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059104
【国際公開番号】WO2010/012600
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(504389784)デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (54)
【Fターム(参考)】