説明

被検体病巣用RF波照射素子

【課題】RF波を使っての癌病巣の治療照射素子は、RF波を癌病巣に照射することで壊死せしめる機能を持つ。このRF波照射素子において、安全で確実に病巣部への照射を可能にしたい。
【解決手段】このRF照射素子は、RF発振源1と、RF発振源の出力例に設けた二次側中点接地のトランス2と、この二次例の両端を介した電気経路の先端に設けた照射部からRF波を送出せしめる。照射部は第1照射端11aと、第2照射端11bより成り、この両端の間に病巣を位置せしめる。第1、第2照射端11a、11bは、傘骨状アンテナ11d、11cを持つ。更にプローブ化した照射素子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF(ラジオフリケンシー)波を照射して腫瘍等の病巣治療に使用する被検体の病巣用RF波照射素子に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体の癌腫瘍等の病巣の除去には、X線、電波、超音波等の各種のエネルギー照射法、凍結と解凍とで壊死させる凍結法、等がある。
凍結法を使用した公知文献には以下のものがある。
【非特許文献1】雑誌「医学のあゆみ」(Vol.206No.3,2003.7.19)。川村他著「肺癌の凍結融解壊死療法」(P229〜P231)。
【非特許文献2】雑誌「低温医学」(30巻、2004)。中塚、川村他著「CT透視を用いた肺悪性腫瘍に対する経皮的凍結療法の実際」(P9〜P15)。
【0003】
RFの照射では、数100KHzの高周波を病巣に照射して腫瘍等の壊死をはかる。この時の供給電力は数10Wである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
数10Wの供給電力は人体、例えば肺癌の肺部にとっては極めて大きな電力であり、照射には、充分に安全を確保する必要がある。
然るに雷などによるサージ電流等の外部ノイズが照射経路に混入する恐れもあり、純粋なRF波の照射の確保、照射経路上でのノイズの混入の防止が必要である。更に、外部ノイズとして、インバータ仕様による回生電力中での各種の高周波ノイズがある。こうしたノイズの除去をはかり、安定したRF波の照射が必要である。
本発明の目的は、ノイズの混入を防止し、安全で確実なRF波の照射を可能にするRF波照射素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、RF発信源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端につながる送出電気経路と、
この送出電気経路の出力端であって、被検体病巣部にRF波を照射するための第1、第2の照射端子と、
第1、第2照射端子を除く送出電気経路の周囲を対地シールド化する接地導体部と、この接地導体部の周囲を覆う外周絶縁体部と、
を備えた被検体病巣用RF波照射素子を開示する。
【0006】
更に本発明は、RF発振源と、
RF発信源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子につながり、被検体病巣部位にRF波を照射するための照射部と、
を備え、
照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子からのRF信号を送出する第1、第2の送出電気経路と、この第1、第2の送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、を具え、
穿刺部は、非穿刺部の第1の送出電気経路につながる中空の第1導体と、第2の送出経路につながり上記中空な第1の導体を非接触で貫通し第1の導体先端から突出自在とする第2の導体と、を具え、第1導体と第2導体とのそれぞれの先端側との間でRF波を放射させるものとした被検体病巣用RF波照射素子を開示する。
【0007】
更に本発明は、前記第2の導体は先端に開閉自在なアンテナを持ち、中空な第1の導体内部にあっては閉とし、中空な第1の導体から突出しての外部にあっては開とする被検体病巣用RF波照射素子を開示する。
【0008】
更に本発明は、前記中空な第1の導体の先端に、第2の導体が外部に突出した状態で、開とするアンテナを持つものとする被検体病巣用RF波照射素子を開示する。
【0009】
更に本発明は、前記アンテナは傘骨状アンテナとする被検体病巣用RF波照射素子を開示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、安全で確実にRF波による治療の実現がはかれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のRF波照射素子の回路構成例を図1に示す。RF発振源(出力源)1は、RF波、例えば300KHzの高周波発振源であり、その出力は、例えば50W程度である。6は発振源1の内部インピーダンスである。RF波には現実にラジオ波帯として使っているものもあるため、それらと混信しない周波数を選ぶことが好ましい。
【0012】
トランス2は、この発振源1の出力側に設けられ、1次側2Aがつながり、2次側2Bが病巣部への高周波出力側となる。2次側2Bの中点3はアース(E)されている。点線部4が被検体病巣部に穿刺される部分であり、RF波を病巣部に照射するための照射端5を有する。トランス2の2次側から負荷である照射端5の直前(体内に入らない部位の先端)までの電気経路は、その周囲を、対地シールド部7によってシールドされている。このシールド部7は接地線につながり、シールド内の回路部を大地から完全に浮かせた状態にさせる。2次側2Bの2端をK点、M点とすると、負荷である照射端5には、次の2つの経路でRF波が送られる。
(1)E→2B1→K→照射端5
(2)E←2B2←M←照射端5
かかる2つの経路(1)、(2)とは、電気回路的には、アースEからの平衡伝送法による経路である。
【0013】
図1の平衡伝送によるノイズ除去を図2にて説明する。図2は、ノイズ除去説明用等価回路であり、30と31とがトランス2の中点接地の正極側等価電源と負極側等価電源とを示す。電源32は、外部ノイズの等価電源、経路33、34はトランス2の二次側の両端からのK点、M点を通る伝送経路、負荷5は、病巣に対する照射端である。更に、接地経路35は、トランスの二次側中央接地点及びトランス2の二次出力側から負荷直前までの経路の周囲を対地シールドするシールド部7による経路を示す。
【0014】
トランス2の二次側出力電圧をVとすると、正極及び負極側等価電源30、31の電圧V1、V2は、
=+V/2
=−V/2
2つの経路及び負荷5を流れる電流iは、
i=(i/2)+(i/2)
である。但し、(i/2)は、V、Vと負荷5とで定まる電流である。かかる2回線平衡回路に対して、外部ノイズ源32は、トランス中心接地点に直列に接続されていると仮想的に考えてよく、この結果、電源30、31を通して負荷に向かって同一極性且つ同一値のノイズ電流iが流れ、負荷5では、両者は相殺される。この相殺によって、外部ノイズ源32によるノイズ電流は、負荷5に流れず、影響を与えない。
【0015】
図3は、発振部分を含む全体に対地シールドを施した回路例図である。この回路は、RF発振部36とRF帯域通過フィルタ(例えばコンデンサとリアクタンスより成る)38Aと低域フィルタ38B(例えばコンデンサとリアクタンスより成る)と直流電源37と低域フィルタ(例えばコンデンサとリアクタンスより成る)39とより成る発振源1と、トランス2、この出力端からのケーブル化した二次側出力経路40、負荷5より成る。フィルタ38AはRF波のみを通し、フィルタ38B及びフィルタ39は直流のみを通し、これによってそれぞれに関わる経路上のノイズの除去をはかる。二次側出力経路40は、K端からの出力経路40AとM端からの出力経路40Bとの2つの経路より成るが、図では便宜上、1本で表現してある。尚、フィルタ38、39は、種々の回路態様がある。
【0016】
接地シールド部は7、7A、7B、7Cである。7はケーブル化したトランス出力経路と負荷5とをつなぐ経路の対地シールド部(正確には、穿刺部の手前である非穿刺部の先端までのシールド)であり、7Aはトランス2の全体の対地シールド部、7Bはフィルタ38全体の対地シールド部、7Cはフィルタ39全体の対地シールド部である。これらのシールド部は、例えばそれぞれの全体回路を覆う金属導体(環状や箱状化したもの)より成る。尚、この接地シールド部7A、7B、7Cも図7や図11の如く、周囲を絶縁体部で覆う構成も当然にある。
【0017】
図3の構成によれば、発振源から負荷直前に至る全経路が対地シールド化され、外部ノイズの混入を完全に防止できるとの利点を持つ。
【0018】
尚、シールド部7等を、対地シールドとしたが、電磁シールド機能を持たせれば又は機能を付加すれば、外部からの電磁波のシールドを達成できる。
【0019】
参考までに、従来使用されているRF波照射素子の回路構成を図4に示す。この回路は、RF発振源1に直列に内部インピーダンス6を有し、照射端5には、1ループでRF波を提供する。接点Eには、インピーダンス6の一端接地構成である。
かかる図4の回路は、電気回路的には、不平衡伝送法による経路を有することになる。
【0020】
本発明の平衡伝送法を採用する回路によれば、経路(1)(2)には、それぞれ同一電流iが向きを変えてバランスよく流れ、ノイズも乗りにくい(キャンセルできる)。一方、図4の回路での不平衡伝送法では、1ループ構成であり、ノイズが乗りやすく、除去も難しい。本発明の回路ではノイズが乗りにくいため、所期の電力のRF波を設計通り印加できる利点を持つ。一方、図4によればノイズが乗りやすいため設計通りの電力のRF波の照射が困難である。更にノイズによる電力変動も避けられない。
【0021】
次に、本発明のプローブ化した照射素子を説明する。
図5は、プローブ化した照射素子の外観図を示す。素子本体10は、穿刺部11と非穿刺部12とより成り、非穿刺部12が穿刺部11とRF発振源1側のトランス2とをつなぐ部位である。具体的には、トランス2の2次側出力端K、Mにつながるコネクタ部13を、支持部12の端部14に挿入することで電気的結合をはかる。
【0022】
非穿刺部12は、コネクタ13からのK点、M点を通る2つの電気経路k、m及び接地導体部、並びにそれらの外部絶縁体を有するが、図5では省略し、後述の図で詳述する。
穿刺部11は、その先端側又は全体が被検体内に穿刺すべき部材であり、微小開口の先端11aが穿刺可能なように針状化し、その先端に至る途中の経路が中空部11bを有する第1導体部11Aと、この導体部11Aの中空内部を貫通する第2導体線11Bと、より成る。導体部11Aは、非穿刺部12の部材内でコネクタ13からのM点に電気的につながり、この中空内を貫通する。第2導体線11Bは、鋭く硬い金属線より成り、非穿刺部12の部材内でコネクタBからのK点につながる。導体部11Aの先端11aは内部中空につながる微小な開口を有し、この開口を通して第2導体線11Bの先端が外部へ突出可能になっている。第1導体部11Aの開口先端11aが第1照射端、第2導体線11Bの先端が第2照射端となる。当然に、第1導体部11Aと第2導体部11Bとは電気的に非接触、例えば絶縁体層で区分されている。
【0023】
図6は、かかる第1導体部11Aから突出した状態の第2導体部11Bの様子を示す。ここで、第2導体部11Bの先端11bはRF波放射面積及び方向性確保のための傘骨状のアンテナ11cを具える。アンテナ11cは第1導体部11Aの内部中空部内にあっては閉じた傘のように束ねられており、その先端開口を突出してから開いて傘骨状となる。この中空部内での第2導体線11Bの先端開口方向への前進移動、開口から内側への戻り退却移動は御者の手動にてのやり方もあれば、マニュプレータによる自動操作のやり方もある。ここで、治療部位は開いた傘骨状アンテナ11cと第1導体部11Bの先端11aとの間に介在する。即ち、穿刺部11の第1照射端11aを前進移動により穿刺させ、治療部位の直前で停止させる。この停止した状態で第2導体線11Bを、第1導体部11Aの中空に沿って前進させ、その先端開口により突出させ治療部位を貫通させる。この貫通したことを確認して傘骨状アンテナ11cを開く。かくして、治療部位を挟んで、開いた傘骨状アンテナ11cと第1照射端11aとが対向したことになり、この状態で、RF波を発振させる。かくして、対向する傘骨状アンテナ11cと第1照射端11aとからRF波が放射され、治療部位の癌組織の壊死等の処置を行う。
【0024】
図7はプローブとしての構成例を示す。プローブは、非穿刺部12と穿刺部11とより成り、非穿刺部12はRF給電端子としてのk、m端14を持ち、その周囲は絶縁体層21であり、一種のケーブル構成をなす。絶縁体層21の周囲は円環状の金属導体層20であり、更に最外周層として、絶縁体層23を持つ。
絶縁体層23の外周には、ワンタッチ操作部25、26を持つ。操作部25は、第2照射端11bの、第1導体部11A内での前進及び後退移動の操作ボタン、操作部26は傘骨状アンテナ11cの開閉操作ボタンである。これらの操作機構は図示していない。尚、給電端子kの差し込み手前側で第2照射端11cの直接移動操作を行うやり方、傘骨状アンテナ11cの開閉用の操作系をこの差し込み手前側に持たせるやり方もありうる。更に、第2導体線11Bを直接に手で押し、引きして前後退させるやり方もある。
【0025】
金属導体管20は、図3での対地シールド部7を形成する接地導体であり、円環状としたことで、広い接地面積を持たせた。金属導体層20は支持部12だけに設けられており、穿刺部11には延設していない。理由は穿刺部11は被検体内に穿刺する部位であり、接地導体と被検体との被接触化をはかるためである。これにより接地導体の設けられている個所では周囲からのノイズの混入を広い面積をもって抑止できる。
穿刺部11と支持部10との境界では、第1照射端11Aと接地導体18の端部とが直接接触しないように、絶縁体層24で両者の分離をはかっている。
【0026】
図8は、第1照射端11aに特徴を持つ構成例である。第2導体線11Bには第2照射端11bの照射面積及び方向性を確保するための傘骨状アンテナ11cを設けたが、図8は第1照射端11aの先端に、第2の傘骨状アンテナ11dを設けた。傘骨状アンテナ11dは、開閉自在であり、第2照射端11aがその先端開口から突出し治療部位50を突きぬけてから、傘が開く。このアンテナ11dの開閉操作のために操作ボタンをもつことは図5と同様である。
傘骨状アンテナ11dがないと、第1照射端の先端放射端面積は小さく、充分な放射エネルギー及び放射広さを確保できないこともありうるが、傘骨状アンテナ11dを設けたことで充分な放射エネルギー及び放射広さを確保できる利点がある。
尚、傘骨アンテナ11c、11dのアンテナ形状や構造は、原理上は照射部位への放射ビームの照射の最大効率をはかれるものであればよいが、照射部位の広がりや状態に対応して他の形状や構造を採用することを否定するものではない。
【0027】
交換可能とした照射素子プローブの具体例を図11に示す。照射素子プローブ30は、K、M端につながるケーブル化したケーブル経路31にワンタッチ挿着可能とするもので、いわゆる使い捨てを可能化したものである。挿着は、ケーブル経路31の端部に設けたコネクタ32に、プローブ30側の端部35を差し込むことで実現し、取りはずしは端部35をコネクタ32から抜くことで実現する。
プローブ30は、非穿刺部33と穿刺部34とより成る。非穿刺部33は、円周外部にスライド式の操作部36、37を持ち、穿刺部34は、中空導体部34Aとその中を貫通し先端開口から外部に突出する針状導体部34Bを持つ。操作部36は、中空導体部34Aの先端のアンテナの開閉操作部であり、スライド36Aを矢印の如く移動させることで、この操作部36Aにつながるアンテナが傘骨状に開き、その逆方向に移動させることで、傘骨状のアンテナが閉じる。操作部37は針状導体部34Bの先端のアンテナの開閉操作部であり、スライド37Aを矢印の如く移動させることで、この操作部36Bにつながるアンテナが傘骨状に開き、その逆方向に移動させることで、傘骨状アンテナが閉じる。ここで傘骨状アンテナとは、図8に示す如きものである。
更に、中空導体部34Aは先端開口に向かって徐々に細くなっており、穿刺しやすい構造である。かかる構造は、図5や図6の素子でも適用可能である。
非穿刺部33の内部構造は、図7の事例と似ている。即ち、h、m端につながる2つの導体部がケーブル化しており、その導体部の周囲は絶縁体層とし、更にこの絶縁体層の周囲は接地導体層とし、この接地導体層の周囲は絶縁体層を形成した。
【0028】
図9は、照射装置としての実施例図である。照射装置は、RF波照射素子100と、これにRF電力を供給するRF電力部101、そのRF発生源102、出力制御部103、医師操作台104、処理部105、より成る。
医師操作台104は、穿刺操作を行うための操作部であり、処理部105は、その操作のための各種の処理を行う装置である。出力制御部103は、RF発生源102の発振及び停止の指示、並び発振エネルギの制御、更にRF電力部101での電力制御(例えばAGC)、並びに照射素子100のアンテナの開閉制御、移動制御を行う。これらの制御は、医師操作台104による医師の指令、及び又は処理部105からの治療計画による制御指令に基づく。出力制御部103は、RF発生源102、RF電力部101の状態、照射素子100の状態を、処理部105へ送る。
【0029】
以上の実施例は、1つの平衡伝送回路に、1つのプローブを設けた事例であったが、1つの平衡伝送回路に、2つのプローブを設けることもできる。2つのプローブは、高周波トランスの2次側の2つの出力端子それぞれに設ける。上記実施例は、この2つの出力端子の一方を穿刺針へと接続し、他方をこの穿刺針の周囲の円筒導体部へと接続し、両者をプローブとして組み込む構成であった。
新しい実施例は、高周波トランスの2次側の出力端子それぞれに独立した1つのプローブ(即ち合計2つのプローブ)を設けて、この2つのプローブによって、癌病巣を挟み込み、この2つのプローブ相互間で高周波を流し合い照射せしめることにした。この場合、2つのプローブは、それぞれ先端に1本の穿刺針が存在し、傘骨状アンテナは存在しない。先の実施例の1つは、傘骨状アンテナを開き、電波放射効率の向上をはかったが、この新しい実施例は、傘骨状アンテナを廃して機構を簡単化すると共に、2つのプローブで病巣を挟み込むことで、安全で確実な照射を可能化せしめるねらいを持つ。
【0030】
かかる照射素子の基本構成図を図12に示す。図12の照射素子は、2次側中点接地端50を持つ高周波トランスの2次側の2つの出力経路2a、2bの先端に、非穿刺部53、54を介して、第1、第2の照射端51、52を設けた事例である。中継部としての非穿刺部53、54の外周は接地しない点が、1つの特徴である。図1では高周波トランスの2次側の2つの出力経路を1つの照射端5両端につなぐ構成であった。図12では、2つの出力経路2a、2bに別々の照射端51、52を接続したものである。
2つの照射端51、52は、極性的には、高周波交流波である故に一方が正極性であるとき他方は必ず負極性となる。そこで、照射端51、52の使用法として、図13に示すように病巣部60をこの2つの照射端51、52で挟み込み、高周波信号をこの端子間で照射させる。2つの照射端51、52の極性が異なるため、一方が(+)で他方が(−)とあり、病巣部への効率のよい高周波印加が可能となる。
【0031】
図14は、図12の装置を2組用意して合計4つのプローブを持つ別実施例である。この4つのプローブは、病巣部60の周囲を例えば90°間隔(即ち、0°、90°、180°、270°)で挟み込み、高周波を印加する使用法をとる。この実施例の重要な特徴は一次側の2つの高周波源が完全に同期化している点、及び4つのプローブで、病巣部60へまんべんなく高周波を照射できるようにするべく、スイッチ回路55を持たせた点である。高周波源の周期化とは、位相及び振り幅が時間軸上で両者で完全一致していることであり、スイッチ回路55による切替えによっての電流の流れの円滑化のためである。
【0032】
スイッチ回路55の切替え動作を図15に示す。スイッチ回路55は、3つのモード1、2、3の切替えが時間幅t毎に自動的に行われるものであって、モード1では、端子I−O、端子I−O、端子I−O、端子I−Oが接続され、この結果、51Aと52Aとが電流対、51Bと52Bとがもう1つの電流対とする。これが図16(a)である。モード2では、図16(b)に示したように、51Aと51Bとが1つの電流対、52Aと52Bとがもう1つの電流対となるように、端子I−Iと端子O−Oとの組合せを行う。モード3では、図16(c)に示したように、51Aと52B、52Aと53Bとがそれぞれ電流対となるように端子I−Iと端子O−Oとの組合せを行う。
かくして、ある時刻(0〜t)では、図16(a)の如く、時刻(t−2t)では、図16(b)の如く、時刻(2t−3t)では図16(c)の如く、電流が流れる。こうした3つのモードを複数回繰り返すことで、病巣部60には、全体にまんべんなく高周波照射が行われ、治療効果を発揮する。
【0033】
図14の4照射端の事例は、術者1人によって操作することは簡単でない。そこで、4照射端においては、図14の2つの回路を1つの機構ユニットに組み込むと共に、スイッチ回路55の自動切替え、及び4照射端を互いに連動させて動作させる仕組み、例えばプログラムとその連動機構を作っておけばよい。
図17は図12や図14に示す円筒プローブの具体例を示す。このプローブ100は、同軸ケーブル60と、これにつながる把持部61と、非穿刺部としての中継部62と穿刺部63と、より成る。中継部62は、ケーブル60と穿刺部63とをつなぐ部位であり、把持部61は、この中継部62の外周に、術者が把持するための外径部を有する部位である。
把持部61と中継部62とは、いわゆる非穿刺部であり、体内への穿刺部位は、穿刺部63である。穿刺部63の先端63Aは、針状化している。
図18は、図17の円筒状プローブの断面例を示し、(a)図がI−I断面、(b)図がII−II断面、(c)図がI−I断面の他の事例を示す。(a)図では、中心にトランス2の出力端又はスイッチ回路55につながるリード線(芯線)62Aがあり、その周囲に接地線としての導体層62B、更に外周にプラスチック層62Cを有する。(c)図では、導体層62Bに接触してプラスチック層62Cを設けた事例である。(b)図は、穿刺部63の円筒断面であって、金属導体63Cより成る。この円筒形状が先端に行く程に細くなって先端針状化となる。
【0034】
図19は中継部62と穿刺部63との継ぎ目の部位IIIの拡大図である。この継ぎ目では、リード線(芯線)62Aが円筒金属導体層63Cの内部に接続しており、且つプラスチック層62Cが両者の結合をはかっている。
図19の照射素子としてのプローブは、2つ又は4つを対として使用し、術者が把持部61を把持し、病巣部へとその穿刺針を突きさし、癌病巣に対して側方から支持した状態とする。他方の穿刺針も別側へと突きさし、癌病巣部を両側から挟み込み、高周波を照射する。
【0035】
図20は、ガイド針を有するプローブの実施例を示す。ガイド針とは、穿刺する際に、穿刺針に代わって、病巣部までプローブを誘導するものである。従って、この場合、プローブの先端は、図12の如く針状化しておらず、プローブの先端からガイド針が突出して穿刺用となる。このプローブ101は、非穿刺部をなす中継部62の手前側に、差し込み部65を取り付けた。差し込み部65は高周波信号を導く同軸ケーブル60(図17)が結合する結合部65Aと、
ガイド針64を差し込む差し込み口65Bと、を有する。この差し込み口65Bに細長い形状で先端が針状化しているガイド針64を差し込み、穿刺ガイドとして使用する。ガイド針64は、把手64Cとストッパー64Dとガイド針本体64Bとを有し、矢印の如く差し込んで、使用し、不使用時にはそれを引き抜く。
【0036】
図21は、図20の差し込み部65のI−I断面図(a)、中継部62のII−II断面図(b)、穿刺部63のIII−III断面図(c)、穿刺部63の先端のIV−IV断面図(a)を示す。図22は、中継部62と穿刺部63との継ぎ目部の拡大断面図である。
これらの図21、図22からわかるように、ガイド針64は、プローブの中心を通るように構成されており、高周波リード線60Aは、それよりも外側で非接触となるように配置される。穿刺部63の先端は、開孔しており、この開孔端からガイド針64の本体64Bの針状化した先端が突出するようになっている。
かかるガイド針を使用するときの治療事例を図23に示す。病巣部60の周囲二方向(例えば対向関係にある部位)位置にプローブ102、103が達するように、ガイド針70、71でプローブを誘導し、病巣部60に、プローブの先端が到達した時点でガイド針70、71を引き抜き、ケーブル72、73からの高周波印加を行う。
この実施例によれば、ガイド針64をプローブ内に挿入して病巣部まで穿刺してガイドを行い、その後でガイド針を引き抜き(全部又は後退させる)。この後でプローブの先端から高周波照射を行うことで、治療を実現する。
【0037】
図24は、図14の如く4端子を持つ照射装置としての実施例図である。照射装置は、スイッチ回路55、RF波照射素子100−1〜100−4と、これにRF電力を供給するRF電力部101、そのRF発生源102、出力制御部103、医師操作台104、処理部105、4端子位置決め制御部110より成る。この他に穿刺ガイド針の駆動制御部111を持つ例もある。
医師操作台104は、穿刺操作を行うための操作部であり、処理部105は、その操作のための各種の処理を行う装置である。出力制御部103は、スイッチ回路55の切替制御、RF発生源102の発振及び停止の指示、並び発振エネルギの制御、更にRF電力部101での電力制御(例えばAGC)、を行う。これらの制御は、医師操作台104による医師の指令、及び又は処理部105からの治療計画による制御指令に基づく。出力制御部103は、RF発生源102、RF電力部101の状態、照射素子100の状態を、処理部105へ送る。更に操作部104から4端子51A〜52Bの位置決め制御部を制御部110に行わせる。また穿刺ガイド針の前進、後退、穿刺の制御を行うこともできる。
【0038】
図10は、本発明の処理部105の機能原理図である。
処理部105の中心となるものが、並列演算機構114であり、これは、本件出願人の先願である特願2006−34911の処理を行う新しい装置である。
特願2006−34911は、穿刺点(挿入点)と治療対象部位である目標点とを結ぶ、ある所定の角度(例えば90°)より成る2つの断層面の形成と、この2つの断層面上での画素データの取得と、この2つの断層面上の取得した画素データの断層画像としての表示と、を基本とする発明を開示する。所定の角度と異ならしめることで、穿刺点から目標点に至る経路の確認やその経路上の障害物の有無をチェックでき治療計画に供する。障害物があれば経路を変更すべく別角度の2つの断層面の形成、画素データの取得、表示を行って再度確認する。
【0039】
かかる先願は、現実の穿刺動作の段階での穿刺動作、穿刺ルートのリアルタイム確認にも利用できる。現実の穿刺動作のリアルタイム確認は、いわゆるCT監視下で行う。CT監視とは、穿刺を進めながら、その被検体内の進行の様子のCT画像の高速取得を行いこれを三次元的に表示させて、穿刺の様子を監視するものである。
【0040】
かかる図10は、このCT監視下での穿刺動作のリアルタイム監視を行うための機能図でもある。並列演算機構114は、このリアルタイム監視の処理中心であって、以下の4つの機能を果す。
(1)Z方向(体軸方向)の所定ピッチ、例えば0.1mmピッチ被検体ボクセルデータの管理
(2)被検体姿勢変動による座標軸の修正(リアルタイム)、例えば1分以内
(3)穿刺点、目標点を通る所定の角度をなす、2つの平面の形成とその画像の取得
(4)アンテナ11c、11Bの制御と電力制御
【0041】
図10では前記並列演算機構116の他に、CT装置110、断層像データ取り込み機構111、高速レイド構成のディスタ群112、114,表示部115、116、操作制御機構117、穿刺プローブ幾何学的位置取込機構118を持つ。
CT装置110は、CT装置制御部110A、断層像画像表示部110Bを持ち、被検体の体軸方向(Z方向)に沿う。例えば0.1mmピッチの断層像を取得する。この断層像は、取り込み機構111を介して高速レイド構成ディスク群112へと送られ蓄積される。高速レイド構成ディスク群113は、過去のCT断層像を蓄積する。
【0042】
先ず、初期設定を説明する。
初期設定では、過去にCT装置110で撮影した被検体の0.1mmピッチ単位で取得した断層像を表示部110Bで表示させて、穿刺入口(点)と病巣部位である目標点及びそれを結ぶルートを決定する。この決定は、穿刺点と目標点とを通る、例えば直交する2つの平面Q、Qを求め、この2つの平面上での画素データを近接するCT断層面から求めて2平面での断層像R1、R2を得る。断層像R1、R2を表示部115と116とに別々に表示する。更に、この断層像上に穿刺点と目標点とを示すマークを付ける。かくして、2つの断層像R1、R2との両者を観察することで、穿刺点と目標点とを結ぶ経路の確認ができ、仮に障害物があれば別の穿刺点、目標点を選ぶ。そして障害物のない、治療に適切なルートの決定をする。
【0043】
かくして得た初期設定した2つの画像R1、R2を表示させておき、実際の穿刺動作に入る。これは、操作制御機構117を利用する。穿刺動作により照射素子は被検体内に穿刺してゆき、その位置は取込み機構118により取り込まれ並列演算機構114へと送られ、位置確認に利用する。更に、照射素子自体を含むその前後の複数断層面のCT断層像がリアルタイムで撮影され、2つの平面R1、R2上でリアルタイム画像データを得、これを照射素子の進行に合せて平面R1、R2上の画像として表示する。これによって、CT監視下でも穿刺動作を実行する。
【0044】
尚、図10の処理部は一例であって、特願平2006−34911と同様の構成、同様の処理フローによって実現できることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明のRF照射素子の電気回路例を示す図である。
【図2】本発明のノイズ混入防止の説明用等価回路図である。
【図3】本発明の全体シールドの構成例図である。
【図4】他のRF照射素子の電気回路を示す図である。
【図5】本発明のプローブ化したRF照射素子例を示す図である。
【図6】本発明のプローブ化したRF照射素子の第2照射端の構成例を示す図である。
【図7】本発明のプローブ化したRF照射素子の非穿刺部の詳細例図である。
【図8】本発明のプローブ化したRF照射素子の第1照射端の構成例を示す図である。
【図9】本発明のRF照射装置例を示す図である。
【図10】本発明の処理部の機能構成図である。
【図11】本発明のRF波照射素子のプローブの具体例図である。
【図12】本発明の1つの高周波電源にたいする2つの照射端子51、52を持つ回路図である。
【図13】図12の照射端子による病巣部60への配置例図である。
【図14】本発明の4つの照射端子51A〜52Bを持つ回路例図である。
【図15】図14のスイッチ回路55の切替モードを示す図である。
【図16】図14のスイッチ回路55での病巣部60への各種照射例図である。
【図17】本発明穿刺ガイド針を持つ照射素子例を示す図である。
【図18】図17の各種断面図である。
【図19】図17の継ぎ目の断面図である。
【図20】本発明の穿刺ガイド針を持つ照射素子の具体例図である。
【図21】図20の各種断面図である。
【図22】図20の継ぎ目の断面図である。
【図23】図20の照射素子による病巣部60への配置例を示す図である。
【図24】図14の4端子の照射素子を持つ照射装置の実施例図である。
【符号の説明】
【0046】
1 RF発生源
2 トランス
5 照射端
11 穿刺部
12 非穿刺部
11c、11c 傘骨状アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF発振源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端につながる送出電気経路と、
この送出電気経路の出力端であって、被検体病巣部にRF波を照射するための第1、第2の照射端子と、
第1、第2照射端子を除く送出電気経路の周囲を対地シールド化する接地導体部と、
この接地導体部の周囲を覆う外周絶縁体部と、
を備えた被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項2】
RF発振源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子につながり、被検体病巣部位にRF波を照射するための照射部と、
を備え、
照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子からのRF信号を送出する第1、第2の送出電気経路と、この第1、第2の送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、この接地導体部を覆う外周絶縁体部を具え、
穿刺部は、非穿刺部の第1の送出電気経路につながる中空の第1導体と、第2の送出経路につながり上記中空な第1の導体を非接触で貫通し第1の導体先端から突出自在とする第2の導体と、を具え、第1導体と第2導体とのそれぞれの先端側との間でRF波を放射させるものとした被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項3】
上記第2の導体は先端に開閉自在なアンテナを持ち、中空な第1の導体内部にあっては閉とし、中空な第1の導体から突出しての外部にあっては開とする請求項2の被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項4】
上記中空な第1の導体の先端に、第2の導体が外部に突出した状態で、開とするアンテナを持つものとする請求項3の被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項5】
上記アンテナは傘骨状アンテナとする請求項3又は4の被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項6】
上記トランスの二次側の第1、第2出力端子をケーブル化し、このケーブルの先端にコネクタを設け、上記照射部の第1、第2の送出電気経路の入力端を、このコネクタに着脱自在に取付け可能にした請求項2の被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項7】
RF発振源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子につながり、被検体病巣部位にRF波を照射するための照射部と、
を備え、
照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子からのRF信号を送出する第1、第2の送出電気経路と、この第1、第2の送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、この接地導体部を覆う外周絶縁体部を具え、
穿刺部は、非穿刺部の第1の送出電気経路につながる中空の第1導体と、第2の送出経路につながり上記中空な第1の導体を非接触で貫通し第1の導体先端から突出自在とする第2の導体と、を具え、第1導体と第2導体とのそれぞれの先端側との間でRF波を放射させるものとし、
上記第2の導体は先端に開閉自在なアンテナを持ち、このアンテナは中空な第1の導体内部にあっては閉となり、中空な第1の導体から突出しての外部にあっては開となるものであって、更に、上記中空な第1の導体の先端に、第2の導体が外部に突出した状態で、開となるアンテナを持つものとし、
上記トランスの二次側の第1、第2出力端子をケーブル化し、このケーブルの先端にコネクタを設け、上記照射部の第1、第2の送出電気経路の入力端を、このコネクタに着脱自在に取付け可能にし、
更に上記外周絶縁体部の外周に上記アンテナ開閉用の操作部を設けたことを特徴とする被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項8】
RF発振源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端につながる送出電気経路と、
この送出電気経路の出力端であって、被検体病巣部にRF波を照射するための第1、第2の照射端子と、
上記RF発振源及び第1、第2照射端子を除く送出電気経路の周囲を対地シールド化する接地導体部と、
少なくとも上記送出電気経路の接地導体部の周囲を覆う外周絶縁体部と、
を備えた被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項9】
上記RF発振源は、RF発振部と、その出力側に設けられRF信号を通過させる帯域通過フィルタと、直流電源と、この出力側に設けた低域通過フィルタと、より成り、帯域通過フィルタの出力側と低域通過フィルタの出力側とが上記トランスの一次側の両端子に接続されているものとした被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項10】
上記接地導体部は、電磁シールド機能を持たせた請求項1、2、8のいずれかの被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項11】
RF発振源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子につながり、被検体病巣部位にRF波を照射するための第1、第2の照射部と、
を備え、
第1の照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の対応する出力端子からのRF信号を送出する送出電気経路と、この送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、この接地導体部を覆う外周絶縁体部を具え、
穿刺部は、非穿刺部の送出電気経路につながる先端が針状の第1の中空導体を備え、
第2の照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の対応する出力端子からのRF信号を送出する送出電気経路と、この送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、この接地導体部を覆う外周絶縁体部を具え、
穿刺部は、非穿刺部の送出電気経路につながる第2の中空導体を備え、
第1の中空導体と第2の中空導体とのそれぞれの先端側との間でRF波を放射させるものとした被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項12】
RF発振源と、
RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されたトランスと、
トランスの二次側の両端である第1、第2出力端子につながり、被検体病巣部位にRF波を照射するための第1、第2の照射部と、
を備え、
第1の照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、先端針状のガイド針と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の対応する出力端子からのRF信号を送出する送出電気経路と、この送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、この接地導体部を覆う外周絶縁体部を具え、
穿刺部は、非穿刺部の送出電気経路につながる先端が開口の第1の中空導体を備え、
ガイド針は、非穿刺部と穿刺部との内部を通り穿刺部の先端開口より突出可能として、穿刺部の病巣部への誘導を行うものとし、
第2の照射部は、
病巣部位に穿刺する穿刺部と、非穿刺部と、先端針状のガイド針と、より成り、
非穿刺部は、トランスの二次側の対応する出力端子からのRF信号を送出する送出電気経路と、この送出電気経路を囲むようにして設けられて対地シールドを行う接地導体部と、この接地導体部を覆う外周絶縁体部を具え、
穿刺部は、非穿刺部の送出電気経路につながる第2の中空導体を備え、
ガイド針は、非穿刺部と穿刺部との内部を通り穿刺部の先端開口より突出可能として、穿刺部の病巣部への誘導を行うものとし、
第1の中空導体と第2の中空導体とのそれぞれの先端側との間でRF波を放射させるものとした被検体病巣用RF波照射素子。
【請求項13】
それぞれ2つの出力端子を持つ第1、第2のRF発振部と、
第1、第2、第3、第4の照射端子と、
上記第1、第2のRF発振部の、それぞれの第1、第2の出力端子と第1、第2、第3、第4の照射端子との間に設けられ、出力端子と照射端子との組合せをサイクリックに変更させるスイッチ手段と、
を備えた被検体病巣用RF波照射装置。
【請求項14】
上記第1、第2のRF発振部のそれぞれは、RF発振源と、RF発振源の出力側に設けられ、その一次側にRF発振信号が印加されると共に、その二次側の中点が接地されて2つの出力端子を持つトランスと、を備えた請求項13の被検体病巣用RF波照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−296318(P2007−296318A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6750(P2007−6750)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(595167292)株式会社デージーエス・コンピュータ (18)
【Fターム(参考)】