説明

被検査物の温度制御機能を有するX線検査装置

【課題】被検査物の表面と裏面との温度差を無くしリフロー特性に応じた加熱が可能なX線検査装置を提供する。
【解決手段】X線源と観察エリアとの間の微小間隙部側方から観察エリア上の被検査物上部に熱風を噴出して被検査物を上面側から加熱する第1加熱手段と、観察エリアとX線検出器との間に加熱源が配設され、各加熱源から観察エリアに向けて熱を放射して被検査物を下面側から加熱する第2加熱手段と、被検査物の上面側の温度及び下面側の温度を検出する温度検出手段と、温度プロファイルのデータを記憶する記憶手段と、被検査物の上面側と下面側との検出温度差が無くなるように第1及び第2加熱手段による各加熱量を協調制御しながら温度プロファイルに従って被検査物を昇温させる温度制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線を用いて被検査物を透視することで、被検査物の内部および外部の欠陥等を検査するX線検査装置に関し、特に、被検査物を加熱若しくは冷却制御して、被検査物内部の微細構造の変化などを検査することが可能なX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線を利用した検査装置としては、X線顕微鏡,異物検査装置,物質の表面検査装置,蛍光X線分析装置などの各種の産業検査装置や、X線診断装置などの医療用X線装置が知られている。高分解能を有するX線検査装置としては、例えば、電子銃が作る電界に磁界を重畳させる磁界重畳レンズをX線発生手段の構成要素として備え、電子発生部から発生した直後の電子を磁界重畳レンズによって集束させながら電子銃によって加速させることによって、X線発生用ターゲットに当てる電子線の損失電子線量を低減させる構成としたものが公知である(例えば本出願人による特許文献1参照)。この特許文献1に記載のX線顕微検査装置においては、焦点サイズが0.1μmより良い超高分解能(40〜100nm)で被検査物の微細構造を非破壊で検査可能としている。
【0003】
このような超高分解能を有するX線検査装置(X線顕微検査装置)は、例えば高密度集積回路等の半田付けの合否検査等に利用することが可能である。その場合、近年までは、検査装置外部で加熱した被検査物を検査装置内部にセッティングして観察することが多く、充分な温度管理が行えなかったが、近年では、被検査物(観察試料)を加熱する加熱源をX線検査装置本体に内蔵し、試料の加熱による状態変化をX線透過像にて観察できるようにしたものが提案されている(例えば特許文献2、3参照)。
【特許文献1】特開2004−138460号公報
【特許文献2】特開2003−149173号公報
【特許文献3】特願平2−52245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
X線検査装置のオプション機器として、観察試料を加熱しながら熱変化の状態をX線透視像により観察できる装置(以下、加熱装置)が提案されているが、上述した特許文献2や特許文献3に記載されている従来の加熱源では、一方向からの加熱の為、観察試料の熱分布を均一にすることができなかった。また、半田の鉛フリー化に伴い、半田付け温度の上昇速度、及び冷却速度の差異による引け巣やクラックの問題を解決するために、最適な温度の設定が必要とされており、精密な観察試料の温度制御が必要であった。また、冷却方法が自然冷却であったため、リフロー炉の冷却再現ができなかったり、加熱後の観察試料交換に対しては、装置自体が冷えるまでかなりの時間を要していたりした。
【0005】
本発明は上述のような問題に鑑みて成されたものであり、本発明の主要な目的は、被検査物の面上の温度分布のムラを無くすとともに表面と裏面との温度差を無くし、リフロー特性に応じた加熱が可能なX線検査装置を提供することにある。また、被検査物の加熱による検査の後に被検査物を温度プロファイルに従って自動的に冷却することが可能なX線検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、X線源とX線検出器との間の観察エリア上に載置された被検査物を加熱して前記被検査物の熱変化の状態を前記X線検出器で撮像したX線透過像に基づいて検査する機能を有するX線検査装置に関するものであり、本発明の上記目的は、前記X線源と前記観察エリアとの間の微小間隙部側方に熱風噴出口が配置され、前記熱風噴出口から前記観察エリア上の被検査物上部に熱風を噴出して前記被検査物をその上面側から加熱する第1加熱手段と、前記観察エリアと前記X線検出器との間に加熱源が配設され、前記加熱源から前記観察エリアに向けて熱を放射して前記被検査物をその下面側から加熱する第2加熱手段と、前記被検査物の上面側の温度及び下面側の温度を検出する温度検出手段と、温度プロファイルのデータを記憶する記憶手段と、前記被検査物の上面側と下面側との検出温度差が無くなるように前記第1及び第2加熱手段による各加熱量を協調制御しながら前記温度プロファイルに従って前記被検査物を昇温させる温度制御手段と、を備えることによって達成される。
【0007】
また、本発明の上記目的は、前記熱風噴出口は、前記X線源のX線光軸に直交する直線に対して互いに位置をずらして対向配置された第1及び第2の噴出口を有し、前記第1加熱手段は、前記第1及び前記第2の噴出口から各々熱風を噴出し前記観察エリア上で攪拌させることで前記被検査物上面の温度分布を均等化する構成とすること、前記微小間隙部側方に冷風噴出口が配置され、前記冷風噴出口から前記観察エリア上の被検査物に向けて冷風を噴出して前記被検査物を冷却する冷却手段を更に備えること、前記冷却手段による冷却と、前記第1及び第2加熱手段による各加熱量の協調制御とによって、前記被検査物の検出温度及び前記温度プロファイルの設定データに基づいて前記被検査物を前記温度プロファイルに従って降温させる降温制御機能を有すること、前記温度プロファイルに従って前記被検査物を加熱又は降温させた後に前記被検査物を所定温度まで急速冷却する急冷制御機能とを有すること、前記第1加熱手段、前記第2加熱手段、及び前記温度検出手段を有する加熱ユニットは、その筐体側面部が耐熱ガラスで形成されていると共に、前記耐熱ガラスを通して前記被検査物の状態変化を撮像するための外観観察用カメラを有すること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0008】
さらに、本発明の上記目的は、前記X線検出器及び前記外観観察用カメラからの各映像信号を入力すると共に前記被検査物の高拡大倍率のX線透過像と前記被検査物の外観画像とを同時に観察可能なモニタ画像として出力する機能を有する画像処理手段を備えること、前記モニタ画像上に、更に検査情報を重ねて表示する機能を有する画像処理機能を備えること、前記モニタ画像を再生可能に記録媒体に記録する機能を有する画像処理手段を備えること、前記X線源となるターゲット面と前記観察エリアとの間に前記ターゲット面を熱的に保護する第1の遮蔽部材を配置すると共に、前記観察エリアと前記X線検出器との間に前記X線検出器を熱的に保護し且つ前記X線検出器への物体の落下を阻止する第2の遮蔽部材を配置して成ること、前記ターゲット面と前記第1の遮蔽部材の間隙部に前記被検査物の加熱により発生する有害ガス及び煙を吸引する吸引手段を更に備えること、前記ターゲット面と前記第1の遮蔽部材の間隙部に空気を噴出することにより前記ターゲット面を冷却する強制空冷機構を備えること、前記X線源と前記観察エリアとの間の最小距離が1.3mm乃至5mm程度であること、或いは前記X線源と前記観察エリアとの間の最小距離が0.8mm乃至3mm程度であること、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検査物の表裏の各面をムラなく均一に加熱することができると共に、被検査物の表裏面の温度差を無くしリフロー特性に応じた加熱が可能となる。また、X線源側からの加熱は、熱風によって加熱する構成としているので、X線源と前記観察エリアとの間の間隙が微小なX線検査顕微装置においても、被検査物の温度コントロールが容易となってその温度特性を高精度で検査することが可能となる。
【0010】
さらに、冷却手段を備えることで、リフロー炉の冷却再現が可能になると共に、加熱後の観察試料の交換時間を短縮化することが可能となる。さらに、第1の遮蔽部材や強制空冷機構を備えることで、加熱装置からのターゲット部材への加熱を熱的に遮断することができる。第2の遮蔽部材を備えることで、加熱装置からのX線検出器への加熱を熱的に遮断することができると共に落下物による損傷を防止することができる。また、外観観察用カメラを備えることで、X線透過像による試料内部の微細構造の変化と外観の変化とを同時に観察することが可能となる。さらに、吸引手段を備えることで、加熱により発生する有害ガス及び煙をX線検査装置外に排気できると共にX線ターゲットの腐食を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。本発明はX線検査装置に適用される加熱装置に係る発明であり、X線検査装置自体の詳細な説明については説明を省略する。なお、本発明に係る加熱装置は、例えば背景技術で説明した超高分解能を有するX線顕微検査装置に好適に適用される。
【0012】
図1は本発明に係るX線検査装置の主要部の構成例を示す模式図である。図1に示されるX線検査装置は、対象観察物である試料1に熱を加え、その熱変化の状態をX線透過像にて観察することができる装置であり、X線源11とX線検出器12との間に加熱ユニット20を備えている。
【0013】
加熱ユニット20は、X線検査装置のオプション装置であり、その用途は、(1)鉛フリー半田等の半田溶融時のボイド、引け巣、クラック発生の解析、(2)LED(Light Emitting Diode)やIC(Integrated Circuit)など電子部品での熱衝撃による熱応力がもたらす不具合原因の解析、(3)半田付けリフローの実験による最適な温度プロファイルの開発などである。
【0014】
加熱ユニット20は、図1に示すように、試料1をその上面側(X線源11側)から加熱する第1加熱手段21と、試料1をその下面側(X線検出器12側)から加熱する第2加熱手段22と、試料1の上面側の温度と下面側の温度を検出する温度検出手段24とを備えている。本実施の形態では、第1加熱手段21の加熱源としてはエアヒータ(温風ヒータ)を使用し、第2加熱手段22の加熱源としてはハロゲンランプを使用し、温度検出手段24としては、熱電対を使用している。
【0015】
加熱ユニット20を構成する各手段は、試料1の温度を調節するための温度調節器30を介してX線検査装置の制御コンピュータ40と接続されており、第1加熱手段21と第2加熱手段22による試料1の加熱温度が、温度調節器30を介して制御コンピュータ40によって制御されるようになっている。
【0016】
制御コンピュータ40は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータと制御プログラムから構成され、設定温度41に従って試料1を昇温させる機能を備えている。温度制御に用いる設定温度41は、試料1を観察する温度、温度の保持時間、昇温速度や降温速度を示す温度プロファイルとして、制御コンピュータ40の記憶部に記憶されている。そして、本実施の形態では、制御コンピュータ40は、温度検出手段24の検出データと設定温度41のデータに基づいて、試料1の上面側と下面側との検出温度差が無くなるように温度調節器30を介して第1加熱手段21と第2加熱手段22による各加熱量を協調制御しながら、温度プロファイル41に従って試料1の温度を昇温させるようにしている。
【0017】
以下、本発明に係るX線検査装置の特徴的な構成について機能別に順次説明する。なお、同一構成箇所については同符号を付して説明を省略又は簡略化して説明する。また、ここでは加熱ユニット20の構成について説明し、制御系の構成については後述する。
<加熱手段の構成>
先ず、試料の上下面の温度差を低減するための加熱手段の構成について説明する。
【0018】
本実施の形態では、観察対象の試料に対し上下の熱源で協調して加熱することにより、より高い制御性を実現している。加熱方式は、上面からの加熱は温風ヒータによる熱風とし、下面からの加熱は熱光源(例えばハロゲンランプ)による光の放射として、第1加熱手段と第2加熱手段とを協調制御することにより試料の表面と裏面との温度差を小さくするようにしている。初めに第1加熱手段の構成について説明する。
【0019】
図2は、試料1を上面側(表面側)から加熱する第1加熱手段21の構成の一例を示す構造図であり、図2(A)は加熱ユニット20の正面構造図、図2(B)は、図2(A)の加熱ユニット20を矢印Z方向から見た平面構造図である。図2(A)に示すように、X線源11となるターゲット11aの面と試料1の載置面(観察エリア20aの面)との間の距離は、X線透視像の拡大倍率に反比例して変化し、最大拡大倍率の時に最小となる。その最小距離は、本実施の形態では、1.3mm乃至5mm程度(第1の遮蔽部材28aを備えない場合は、0.8mm乃至3mm程度)である。そのため、加熱源として例えばハロゲンランプ等の熱光源を用いた場合、その微小な間隙部にセットされた試料1に上面から光を照射して試料1を均一に加熱するのは困難である。
【0020】
そこで、本実施の形態においては、第1加熱手段21の加熱源としてはエアヒータを用い、微小な間隙部に熱風を噴出することで試料1を上面側から加熱する構成としている。
【0021】
詳しくは、図2(A)に示すように、X線源11と観察エリア20aとの間の微小間隙部の側方に温風機構21aを配置し、観察エリア20a側に突出させたノズル21bの温風噴出口21cから観察エリア20a上の試料1上部に熱風を噴出することで、試料1をその上面側から加熱する構成としている。
【0022】
また、本実施の形態では、第1加熱手段21は2つのエアヒータを用いており、図2(B)に示すように、X線源11のX線光軸に直交する直線に対して互いに位置をずらして2つの熱風噴出口21cを対向配置し、各々の熱風噴出口21cから熱風を対向噴出して観察エリア20a上で攪拌させることにより、試料1の上面側の温度分布を均等化する構成としている。なお、本例では、第1加熱手段21の加熱源として高温のNガスを用いており、最大10°C/秒の昇温速度で試料1を加熱できるようにしている。
【0023】
次に、第2加熱手段の構成について、説明する。
【0024】
図3は、試料1を下面側(裏面側)から加熱する第2加熱手段22の構成の一例を示す構造図であり、図2(A)の加熱ユニット20を矢印X方向から見た側面構造図である。第2加熱手段22の加熱源は光を使用したものを用いており、例えばハロゲンランプ,赤外ランプ,白熱球等の高熱を発するランプが、上記加熱源(以下、熱光源と言う)として好適に適用される。本例での加熱ユニット20は、図3中に示すように、第2加熱手段22としての2つの熱光源22a,22bを、X線源11のターゲット面11aから出射されるX線ビームによるX線観察範囲(X線の通過領域)に干渉しない位置に対向配置し、2つの熱光源22a,22bからの放射光により観察試料1を下面側から直接加熱する構成としている。また、熱光源22a,22bは、断面が楕円状の反射鏡22cを設けてその焦点位置にそれぞれ配置し、それぞれの反射鏡22cからの反射光を試料1の下面の同一領域に放射(試料下面の全域若しくは所望の領域に局所的に放射)する構成としている。なお、本例では、熱光源22a,22bとして500W程度のハロゲンランプをそれぞれ用いることで、第1加熱手段と同様に、最大10℃/秒の昇温速度で試料1を加熱できるようにしている。
【0025】
ここで、図3を用いて、X線源11と観察エリア20aとの間の距離について説明する。
【0026】
図3において、X線源11(ターゲット面11a)と観察エリア20aとの間の距離Wは、W1+W2+W3となる。但し、W1は、第1の遮蔽部材28aの上面とターゲット面11aとの間の距離(便宜上「第1の距離」と呼ぶ)、W2は、第1の遮蔽部材28aとその支持部材の下面との間の距離(便宜上「第2の距離」と呼ぶ)、W3は、第1の遮蔽部材28aの支持部材の下面と試料1の上面との間の距離(便宜上「第3の距離」と呼ぶ)を示している。X線源11とX線検出器12との間の距離をD(図示せず)とすると、X線画像の拡大倍率MはD÷Wであり、Dが一定のときは、Wが最小値のときに最大倍率をとる。従って、大きな拡大倍率撮像のためには、W1,W2,W3の各々が最小になることが好ましい。第1の距離W1は、ステージ13上の試料1のZ軸方向の移動によって変化し、それに応じてX線画像の拡大倍率が変化するが、最大拡大倍率のときにおいて、最小値約0.3mm〜0.5mmをとることができる。第2の距離W1は、第1の遮蔽部材28aとその支持部材の厚さによって決定されるが、最小値として0.5mm〜2.0mm程度をとることができる。第3の距離W3は、試料1の種類によって異なり、当該試料1の厚さによって決定されるが、最小値として0.5mm〜2.5mm程度である。
【0027】
したがって、X線源11と観察エリア20aとの間の最小距離Wは、1.3mm〜5.0mmとなる。また、第1の遮蔽部材28aを備えない実施の形態では、X線源11と観察エリア20aとの間の最小距離Wは0.8mm〜3mm程度となる。
<冷却手段の構成>
次に、試料の冷却機能を備えた加熱ユニットの構成について説明する。
【0028】
背景技術で説明したように、加熱機能を備えた従来のX線検査装置は、冷却方法が自然冷却であったため、リフロー炉の冷却過程を再現できなかったり、自然放冷では加熱後の観察試料交換に対しては、装置自体が冷えるまでかなりの時間を要していたりした。そこで、本実施の形態では、加熱ユニットに冷却機能を加えて、低温空気による急速冷却、及び温度プロファイル(リフロー)に則した冷却制御を可能としている。
【0029】
図4は、冷却手段を備えた加熱ユニットの構成の一例を図2(B)に対応させて示す平面構造図である。本実施の形態においては、冷却手段23の冷却源としてはエアクーラを用い、微小な間隙部に冷風を噴出することで試料1を冷却する形態としている。なお、エアクーラとは、冷媒や電気を使用することなく、コンプレッサー等からの圧縮空気の供給のみで冷風を発生できる装置であり、例えば東浜商事株式会社の超低温空気発生器ACシリーズが知られている。本例では、エアクーラは電磁弁33dの開度制御であり、制御コンピュータ40は、電磁弁33dを開度にして冷却空気を当てたまま、加熱制御のPIDで冷却速度と冷却温度を制御する形態としている。
【0030】
詳しくは、冷却手段23は、試料を冷却する冷却機構23aとその冷風噴出口23bと冷風ガイド壁23cとを備えている。本例では、図4に示すように、微小間隙部側方に冷風噴出口23bを配置し、冷風噴出口23bから観察エリア20a上の試料に向けて冷風を噴出して試料を冷却する構成としている。冷却手段23は、図1の例では、温度調節器30を介して制御コンピュータ40に接続されており、冷却手段23よる冷却と、第1加熱手段21及び第2加熱手段22による各加熱量の協調制御とによって、試料の検出温度及び温度プロファイルの設定データに基づいて試料を温度プロファイルに従って降温させる降温制御機能と、温度プロファイルに従って試料を加熱又は降温させた後に試料を所定温度(例えば加熱若しくは冷却前の温度)まで急速冷却する急冷制御機能とを備えている。このように冷却機能を追加し、冷却についても制御可能とすることにより、冷却による試料の状態変化についてもリフロー特性に応じた温度特性を得ることが可能となる。
<加熱ユニット内部の観察機能に係る構成>
次に、加熱ユニット内部の観察機能を備えた加熱ユニットの構成について説明する。
【0031】
本実施の形態では、透明な耐熱ガラス窓を通して加熱ユニット内部をカメラで観察できるようにして、熱変化時の試料の状態変化を示す高拡大倍率のX線透過像と外観画像を同時に観察及び記録可能としている。
【0032】
図5は、試料の外観観察手段を備えた加熱ユニットの構成の一例を図3に対応させて示す側面構造図である。図5に示すように、加熱ユニット20の筐体側面部は、耐熱ガラス25で形成されており、その耐熱ガラス25を通して試料1の状態変化を撮像するための外観観察用カメラ26(例えばCCDカメラ)を加熱ユニット20の筐体外部に配置した構成としている。本例では、外観観察用カメラ26は、耐熱ガラス25から成る観察用窓に近接して固設した構成としているが、例えば、加熱ユニット20の筐体側面部全域を耐熱ガラス25で形成し、外観観察用カメラ26を傾動及び回動制御可能な構成としても良い。
【0033】
本実施の形態では、外観観察用カメラ26は、画像処理装置50に接続されている。画像処理装置50は、X線検出器12及び外観観察用カメラ26からの各映像信号を入力すると共に、試料1の高拡大倍率のX線透過像と試料1の外観画像と検査条件(検査日時、加熱の経過時間、試料の温度、X線の管電圧値や管電流値など)とを同時に観察可能なモニタ画像として出力する機能と、X線透過像と外観画像とを同一時間軸で再生可能に記録媒体に記録する機能とを有する画像処理手段を備えている。このような画像処理手段を備えることで、試料内部の微細構造の変化と外観の変化とを同時に観察及び記録することが可能となる。
<X線源及びX線検出器の保護に係る構成>
次に、X線源とX線検出器を熱的及び機械的に保護するための加熱ユニットの構成について、図2(A)を参照して説明する。
【0034】
一般にX線源となるターゲット面(ベリリウム材)は、電子ビームによって温度上昇を生ずるので冷却への配慮が重要な部位である。本実施の形態のX線検査装置では、更にターゲットの下側に配置された加熱源21からも加熱を受ける恐れがあるので、熱的に保護する必要がある。
【0035】
そこで、本実施の形態では、図2(A)に示すように、ターゲット11aと第1加熱手段21の加熱源側の熱風の通風路との間に第1の遮蔽部材28aを配置して熱風がターゲット11aに当らないようにすることにより熱的に遮断するようにしている。また、第2加熱手段22の熱光源22a,22bの下側(観察エリアとX線検出器との間)にも同様の素材を使用した第2の遮蔽部材28bを配置して、加熱ユニットからX線検出器20への熱気を遮断すると共に、試料1(観察ワーク)及び半田などが落下してX線検出器に当ることを防止する構成としている。第1の遮蔽部材28a及び第2の遮蔽部材28bとしては、放射線透過性に優れ且つ熱的に安定した素材を使用し、例えば薄板状のアルミ板やカーボン板を用いるのが好ましい。このような遮蔽部材28a、28bを備えることで、ターゲット面を熱的に保護することができると共に、X線検出器を熱的に保護し且つX線検出器への物体の落下を阻止することができる。
<吸煙手段の構成>
次に、吸煙機能を備えた加熱ユニットの構成について説明する。
【0036】
図6(A)及び図6(B)は、各々、吸煙手段及び強制空冷手段を備えた加熱ユニットの構成の一例を図2(A)に対応させて示す側面構造図である。本実施の形態においては、本発明に係る加熱ユニットは、吸煙手段27(吸煙装置)を備え、図6(A)に示すように、吸煙装置27の吸入口を微小間隙部の側方に配置した構成としている。そして、吸煙手段27によりX線源11と加熱ユニットの筐体天面(本例では第1の遮蔽部材28a)との間隙に空気の流れを発生させて、加熱により発生する微小間隙部内の有害なガスや煙等を吸煙する構成としている。こうすることにより、有害なガスや煙等をX線検査装置本体10の外部に排気できると共に、腐食の影響を受けやすいターゲット部材(主にベリリウム)の腐食を防止することができる。更にターゲット面の冷却を促進することもできる。また、図6(B)に示すように、ターゲット11aと第1加熱手段の加熱源との間の僅かな隙間に、強制空冷手段29により空気を吹きつけて乱流を生じせしめることによって、加熱ユニット20側からターゲット面への熱伝達を減少させる構成としている。こうすることにより、ターゲット面の温度上昇を防ぐことができる。
<X線検査装置の全体構成と制御系の構成>
次に、本発明に係るX線検査装置の全体構成について説明する。
【0037】
図7は、X線検査装置の全体構成の一例を示すブロック図である。なお、ここでは、図7中の画像処理装置50や録画装置60を含むX線検査システムをX線検査装置と称して、その制御系の構成を中心に説明する。また、前述の吸煙手段27と強制空冷手段29については図示及び説明を省略する。
【0038】
図7において、X線検査装置の本体10には、前述のように、X線源11とX線検出器12との間に加熱ユニット20が搭載されている。加熱ユニット20は、本例では、X線光軸に対する試料1の傾斜角度及びX線光軸周りの回転角度の調整が可能なユーセントリック調整機構を有するステージ13上に着脱自在に固設され、ステージ13の傾斜及び回動動作と連動して動作するようになっている。詳しくは、加熱ユニット20が搭載されるステージ13は、X,Y,Z方向に制御コンピュータ40を介して駆動でき、Z軸方向の移動により、X線透過像の拡大倍率がリアルタイムに変化し、X線ターゲットと観察エリア間の距離を最小とすることにより、最大拡大倍率が得られるようになっている。また、ステージ13のX軸方向及びY軸方向の移動は、試料1の観察中心点をX線検出画像の中心に捉えたまま、試料1の観察位置を任意の位置に変更できるようにしている。
【0039】
加熱ユニット20内の第1加熱手段21(エアヒータ)、第2加熱手段22(ハロゲンランプ)、冷却手段23(エアクーラ)、温度検出手段24(熱電対)は、それぞれ温度調節器30に接続され、その温度調節器30は制御コンピュータ40に接続されている。
【0040】
制御コンピュータ40には、温度調節器30の他に、X線源11、映像分配器50aを介してX線検出器12、ステージ13、画像処理装置50、及び操作用モニタターミナル80が接続されている。操作用モニタターミナル80は、X線制御や加熱温調制御に係る画面(制御パラメータの設定画面や、X線制御や加熱温調制御に関する手動操作用画面など)が表示される。制御コンピュータ40は、ユーセントリック調整機構を有するステージ13を駆動制御する機能、調温制御系31を介して温度検出手段24が検出した試料1の上面側及び下面側の温度に基づく温度制御を行うとともに、温度プロファイルに従って試料1を昇温若しくは降温させる温調制御機能、操作用モニタターミナル80からの指示に応じたX線制御機能、電子部品等を構成する構造体の一部の破壊や半田の凝固に伴って生じるランド剥離などが発生する臨界温度を検出する機能などを備えている。なお、これらの機能を制御コンピュータ40に実現させるためのプログラムは、制御コンピュータ40によって読取可能な所定の記憶媒体に格納されている。
【0041】
画像処理装置50には、制御コンピュータ40、映像分配器50aを介してX線検出器12、外観観察用カメラ26、録画装置60、及び加熱動画モニタ70が接続されている。画像処理装置50は、制御コンピュータ40の制御の下に、X線検出器12からのX線透過像の映像信号を映像分配器50aを介して入力すると共に、外観観察用カメラ26からの加熱ユニット内部の映像信号と検査条件(検査日時、加熱の経過時間、試料の温度、X線の管電圧値や管電流値など)を入力し、試料1の高拡大倍率のX線透過像と試料1の外観画像と検査条件とを同時に観察可能なモニタ画像を生成してその映像信号を加熱動画モニタ70に出力すると共に、X線透過像と外観画像とを同一時間軸で再生可能に録画装置60の記録媒体に記録する。録画装置60の記録情報は、試料1が被製造物の場合、例えば製造時の適正加熱温度、加熱速度や加熱時間の情報として利用可能であり、製造工程において理想の温度で被製造物を加熱したり、温度管理をしたりすることができる。すなわち、製造段階の適正加熱温度、加熱速度や加熱時間を前もって測定することができるので、その情報を製造工程に取込めば、加熱工程に伴う不良品の発生を無くすことが可能となる。
【0042】
加熱動画モニタ70には、図7中の表示例に示すように、例えば、試料1のX線透過像と外観画像とが左右の表示ウィンド内にそれぞれ表示され、その下側に検査情報(例えば、検査日時、加熱の経過時間、試料の温度、X線の管電圧値や管電流値などの検査条件)が表示される。なお、その際、ランド剥離等の欠陥が発生する臨界温度の検出結果(X線透過像のパターンマッチング処理や外観画像のパターンマッチング処理による欠陥の検出結果としての温度情報や画像)を加熱動画モニタ70に表示するようにしても良い。
【0043】
次に、温度調節器30の構成について説明する。
【0044】
図8は、図7中の温度調節器30の構成例を示すブロック図である。なお、図8中の実線は制御信号、一点鎖線はNガス30a、二点鎖線は圧縮空気30bをそれぞれ示している。
【0045】
図8に示される温度調節器30は、調温制御系31としては、試料1を上面側から加熱するエアヒータ21の調温制御を行う第1加熱制御系31aと、試料1を下面側から加熱するハロゲンランプ22の調温制御を行う第2加熱制御系32aと、試料を冷却するエアクーラ23の調温制御を行う冷却制御系33aとを備えている。
【0046】
第1加熱制御系31aには、試料の上面側の温度を検出するための熱電対24と、温風制御電源31bと、その温風制御電源31bに接続されるエアヒータ21に供給するNガス30aのガス圧を調整するレギュレータ31cと、Nガス30aの流量を計測する流量計31dと、Nガス30aの流量を制御するための電磁弁31eとが接続されている。一方、第2加熱制御系32aには、試料の下面側の温度を検出するための熱電対24と、ハロゲン制御電源32bが接続されている。
【0047】
そして、冷却制御系33aには、エアクーラ23に供給する圧縮空気30bの空気圧を調整するレギュレータ33bと、圧縮空気30bの流量を計測する流量計33cと、圧縮空気30bの流量を制御するための電磁弁33dとが接続されている。
【0048】
上述のような温度調節器30の構成において、試料の温度を調節する際の制御方法を説明する。
【0049】
加熱制御の際には、制御コンピュータ40は、第1加熱制御系31aに目標温度信号を送出する。第1加熱制御系31aは、試料の上面側の現在温度,目標温度,及び両者の偏差に応じて制御信号を送出して、エアヒータ21に供給するガスの流量とエアヒータのパワーを調節して試料の上面側の温度が目標温度となるようにPID制御する。また、制御コンピュータ40は、第2加熱制御系32aに目標温度信号を送出し、第2加熱制御系32aは、試料の下面側の現在温度,目標温度,及び両者の偏差に応じて制御信号を送出して、ハロゲン制御電源32bの電圧を制御することによりハロゲンランプの光量を調節して試料の下面側の温度が目標温度となるようにPID制御する。
【0050】
本実施の形態では、制御コンピュータ40は、上記温度調節器30を介して調温制御を行うことにより、試料の上面側と下面側との検出温度差が無くなるように、第1加熱制御系31a及び第2加熱制御系32aを介して協調制御する。さらに、試料の観察温度範囲や昇温速度等を示す温度プロファイルの設定データと熱電対24からの温度検出信号に基づく温度情報に基づいて、試料の温度が所望の温度推移に沿って変化するように制御する。
【0051】
一方、冷却制御の際には、制御コンピュータ40は、温度プロファイルに基づく冷却制御の場合は、試料の観察温度範囲や降温速度等を示す温度プロファイルの設定データと熱電対24からの温度検出信号に基づき、試料の温度が所望の温度推移に沿って変化するように、電磁弁33dの開度を制御すると共に、第1加熱制御系31a及び第2加熱制御系32aを介して加熱量を協調制御することにより、温度プロファイルに基づく試料1の冷却制御を行う。目標の温度まで試料の温度を降温させる場合において、目標温度より低くなったときは、第1加熱制御系31a及び第2加熱制御系32aは加熱する制御を行い、目標温度となった時点で温調制御を終了する。また、前述の加熱制御において、目標の温度まで試料の温度を昇温させて観察が終了した場合は、冷却制御系33aを介して常温となるまで試料の温度を急速に冷却する制御を行い、常温となった時点で温調制御を終了する。なお、温度プロファイルの設定データに基づいて試料の温度を自動的に制御するモードの他に、例えば操作用モニタターミナル80の画面上でユーザによって手動で設定された温度プロファイルの情報(目標温度、昇温速度、降温速度、温度推移を示すグラフ等で示す情報)に従って温度を制御する手動モードで動作させることもできる。
【0052】
なお、上述した実施の形態では、第1及び第2加熱手段の加熱源の数は、2つの場合を例として説明したが、それぞれ2つに限るものではなく、3つ以上としても良い。また、第1加熱手段の温風の流路と噴射範囲、及び、熱光源の光路と照射範囲は、それぞれ固定の場合を例として説明したが、例えば、温風噴出用ノズルの開口量の制御機構や傾動制御機構を設けると共に、レンズ等から成る集光手段や光路の変換手段を設けて、試料の所望の領域を局所的に加熱できる構成としても良い。また、上述した実施の形態においては、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の趣旨および主要な特徴から逸脱することなく、これら具体例に様々な変形や変更を加えた態様で実施することができる。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るX線検査装置の主要部の構成例を示す模式図である。
【図2】本発明に係わる第1加熱手段の構成の一例を示す正面及び平面構造図である。
【図3】本発明に係わる第2加熱手段の構成の一例を示す側面構造図である。
【図4】本発明に係わる冷却手段を備えた加熱ユニットの構成の一例を示す平面構造図である。
【図5】本発明に係わる外観観察手段を備えた加熱ユニットの構成の一例を示す側面構造図である。
【図6】本発明に係わる吸煙手段及び強制空冷手段を備えた加熱ユニットの構成の一例を示す側面構造図である。
【図7】本発明に係わるX線検査装置の全体構成の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明に係わる温度調節器の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1 試料
10 X線検査装置本体
11 X線源
11a ターゲット
12 X線検出器
13 ステージ
20 加熱ユニット
20a 観察エリア
21 第1加熱手段(エアヒータ)
21a 温風機構
21b ノズル
21c 温風噴出口
22 第2加熱手段(ハロゲンランプ)
22a,22b 熱光源
22c 反射鏡
23 冷却手段(エアクーラ)
23a 冷却機構
23b 冷風噴出口
23c 冷風ガイド壁
24 温度検出手段
25 耐熱ガラス
26 外観観察用カメラ
27 吸煙手段(吸煙装置)
28a,28b 遮蔽部材
29 強制空冷手段
30 温度調節器
30a Nガス
30b 圧縮空気
31 調温制御系
31a 第1加熱制御系
31b 温風制御電源
31c レギュレータ
31d 流量計
31e 電磁弁
32a 第2加熱制御系
32b ハロゲン制御電源
33a 冷却制御系
33b レギュレータ
33c 流量計
33d 電磁弁
40 制御コンピュータ
41 設定温度
50 画像処理装置
50a 映像分配器
60 録画装置
70 加熱動画モニタ
80 操作用モニタターミナル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源とX線検出器との間の観察エリア上に載置された被検査物を加熱して前記被検査物の熱変化の状態を前記X線検出器で撮像したX線透過像に基づいて検査する機能を有するX線検査装置であって、
前記X線源と前記観察エリアとの間の微小間隙部側方に熱風噴出口が配置され、前記熱風噴出口から前記観察エリア上の被検査物上部に熱風を噴出して前記被検査物をその上面側から加熱する第1加熱手段と、前記観察エリアと前記X線検出器との間に加熱源が配設され、前記加熱源から前記観察エリアに向けて熱を放射して前記被検査物をその下面側から加熱する第2加熱手段と、前記被検査物の上面側の温度及び下面側の温度を検出する温度検出手段と、温度プロファイルのデータを記憶する記憶手段と、前記被検査物の上面側と下面側との検出温度差が無くなるように前記第1及び第2加熱手段による各加熱量を協調制御しながら前記温度プロファイルに従って前記被検査物を昇温させる温度制御手段と、を備えたことを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記熱風噴出口は、前記X線源のX線光軸に直交する直線に対して互いに位置をずらして対向配置された第1及び第2の噴出口を有し、前記第1加熱手段は、前記第1及び前記第2の噴出口から各々熱風を噴出し前記観察エリア上で攪拌させることで前記被検査物上面の温度分布を均等化する構成としている請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
前記微小間隙部側方に冷風噴出口が配置され、前記冷風噴出口から前記観察エリア上の被検査物に向けて冷風を噴出して前記被検査物を冷却する冷却手段を更に備えた請求項1又は2に記載のX線検査装置。
【請求項4】
前記冷却手段による冷却と、前記第1及び第2加熱手段による各加熱量の協調制御とによって、前記被検査物の検出温度及び前記温度プロファイルの設定データに基づいて前記被検査物を前記温度プロファイルに従って降温させる降温制御機能を有する請求項3に記載のX線検査装置。
【請求項5】
前記温度プロファイルに従って前記被検査物を加熱又は降温させた後に前記被検査物を所定温度まで急速冷却する急冷制御機能とを有する請求項4に記載のX線検査装置。
【請求項6】
前記第1加熱手段、前記第2加熱手段、及び前記温度検出手段を有する加熱ユニットは、その筐体側面部が耐熱ガラスで形成されていると共に、前記耐熱ガラスを通して前記被検査物の状態変化を撮像するための外観観察用カメラを有する請求項1乃至3のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項7】
前記X線検出器及び前記外観観察用カメラからの各映像信号を入力すると共に前記被検査物の高拡大倍率のX線透過像と前記被検査物の外観画像とを同時に観察可能なモニタ画像として出力する機能を有する画像処理手段を備えた請求項6に記載のX線検査装置。
【請求項8】
前記モニタ画像上に、更に検査情報を重ねて表示する機能を有する画像処理機能を備えた請求項7に記載のX線検査装置。
【請求項9】
前記モニタ画像を再生可能に記録媒体に記録する機能を有する画像処理手段を備えた請求項7又は8に記載のX線検査装置。
【請求項10】
前記X線源となるターゲット面と前記観察エリアとの間に前記ターゲット面を熱的に保護する第1の遮蔽部材を配置すると共に、前記観察エリアと前記X線検出器との間に前記X線検出器を熱的に保護し且つ前記X線検出器への物体の落下を阻止する第2の遮蔽部材を配置して成る請求項1乃至9のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項11】
前記ターゲット面と前記第1の遮蔽部材の間隙部に前記被検査物の加熱により発生する有害ガス及び煙を吸引する吸引手段を更に備えた請求項10に記載のX線検査装置。
【請求項12】
前記ターゲット面と前記第1の遮蔽部材の間隙部に空気を噴出することにより前記ターゲット面を冷却する強制空冷機構を備えた請求項10又は11に記載のX線検査装置。
【請求項13】
前記X線源と前記観察エリアとの間の最小距離が1.3mm乃至5mm程度である請求項1乃至12のいずれかに記載のX線検査装置。
【請求項14】
前記X線源と前記観察エリアとの間の最小距離が0.8mm乃至3mm程度である請求項1乃至9のいずれかに記載のX線検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−156663(P2009−156663A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333627(P2007−333627)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000151601)株式会社東研 (18)
【Fターム(参考)】