説明

被検血液採取器具および被検血液採取方法

【課題】衛生的にセグメントチューブ内の血液を採取できるとともに、環境に優しい廃棄が行える被検血液採取器具および被検血液採取方法を提供する。
【解決手段】セグメントチューブ2を保持する保持部3、および、保持部3のセグメントチューブ2を突き刺して孔を開けるための針4を有する一方片5と、セグメントチューブ2の孔開け箇所を押圧するよう針4に対向した状態で近接するチューブ押さえ部6を有し、一方片5とでセグメントチューブ2を挟み込みながらチューブ押さえ部6によって孔開け箇所の押圧状態を持続させうる他方片7とが合成樹脂材料で一体に成形されてなるチューブ孔開け冶具1よりなり、さらに、このチューブ孔開け冶具1を試験管8内に移し、この試験管8が遠心分離器で操作するときに、セグメントチューブ2内の血液bを試験管8内に取り出すため空気aがセグメントチューブ2内に入り込む空気流通流路iが前記針4に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検血液採取器具および被検血液採取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
輸血用血液製剤(パック)には、周知のように、パック血を詰めたチューブが1個をそれぞれ6〜8cmの長さになるよう6個程度に区切られてなる検査用の「セグメント」と称するセグメントチューブがまとめて備わっている。
このセグメントチューブから血液を取り出すため一般に実施されている血液採取方法は以下のようなものである。すなわち、パックから切り離された1個のセグメントチューブを、遠心分離器に移される空の小試験管にそのまま投入し、セグメントチューブを含む小試験管を1000g/3分程度遠心分離器にかけ、小試験管から血漿と血球との2層に分かれたチューブを取り出し、作業者は両者の境界をはさみで切り分けて血漿成分と血球成分とにそれぞれ分けるとともに、別々の試験管を用意し、さらに作業者は血漿成分の閉じている片方のチューブの端をはさみで切り、一方の試験管に自然落下させて血漿成分を採取する一方、2分した片方の血球成分のチューブも同様にして他方の試験管に取り出すといった血液採取方法が一般的に行われている。
【0003】
この血液採取方法では、作業者は遠心分離後のセグメントチューブを取り出し、これをはさみで切り分けた後、セグメントチューブをはさみで切り、前記各成分を別々の試験管に採取することから、はさみの汚れと、手の汚れが生じて不衛生であるとともに、セグメントチューブをはさみで切ったり、血液が付着したはさみ等を消毒したりする作業が大変面倒である。そのため、この血液採取方法は、輸血の実施に際して行われる輸血検査の主要項目の一つである血液型の確認検査では迅速で有効であるが、他の主要項目である不規則抗体検査、クロスマッチング検査の検体に供するためには十分ではない。
【0004】
このような一般の血液採取方法が有する問題を解決するために、従来、遠心分離前のセグメントチューブから血液を採取するため金属製のカミソリ刃を用いてセグメントチューブを切断するように構成された被検血液採取器具が下記特許文献1に提案されている。この被検血液採取器具では、屈曲部を介して上腕部と下腕部が透明な合成樹脂材料により一体に形成され、上腕部の中腹部に合成樹脂材料の突出部が形成され、この突出部に係合係止可能な孔が形成された金属製のカミソリ刃が突出部に装着され、上腕部と下腕部の両側に透明な合成樹脂材料の側板が形成されている。
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3009603号公報
【0006】
上記の特許文献1で示される被検血液採取器具は、セグメントチューブの先端を上腕部と下腕部の中腹部まで差し込み、カミソリ刃と下腕部の間に置いて上腕部を下に押し下げることにより、セグメントチューブの先端は開口され、セグメントチューブの切れ端は上腕部と下腕部の間に形成される奥のスペースの中に回収されることが可能であり、それによって、カミソリ刃によってセグメントチューブの先端を確実に切断して開口することができ、血液が作業者の手に触れることがなくなり、また、セグメントチューブの切断の様子が外部から観察できて作業が実施し易いといった効果を得ることができるものであり、はさみの汚れと手の汚れが生じたり、消毒等の作業が必要であったり、また、輸血の実施に際して行われる不規則抗体検査、クロスマッチング検査の検体に供するためには十分ではないという上記一般の血液採取方法が有する問題を解決することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1で示される従来提案の被検血液採取器具は、セグメントチューブの先端を切断し易くするため強度を備えた金属製のカミソリ刃を用いており、切断効率は良好である。しかし、特許文献1で示される従来提案の被検血液採取器具は、その外観構造は、透明な合成樹脂材料により一体に形成されてなるものであるが、要所に金属製のカミソリ刃を用いており、被検血液採取器具の使い捨て後の処理は全く勘案されておらず、環境に優しくはないという問題がある。
【0008】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、輸血の実施に際して行われる各種の検査に十分対応することができることは勿論、熟練者でなくても容易な作業で衛生的にセグメントチューブ内の血液を採取できるとともに、使い捨てをするにしても環境に優しい廃棄が行える被検血液採取器具および被検血液採取方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
今般、全世界で地球環境対策が推進されている。医療界も例外ではなく、検査に携わる者は、試薬、検査機器、検査材料など全てに細心の注意と意識を持って対応しなければならないとの使命の基に、本発明者は、この点も充分配慮して鋭意研究を行った。被検血液採取器具の材質の強度等を考えると、セグメントチューブの先端を切断し易くするため強度を備えた金属製のカミソリ刃を用いる特許文献1で示される発明のように、要所に最適の材料を配するのが最高である。しかし一方では、廃棄物の処理等を勘案し、使い捨てをするにしても環境に優しい廃棄が行えるようにする必要がある。このような観点から、本発明者は、セグメントチューブの先端を鋭利なカミソリ刃で切断するのではなく、セグメントチューブを突き刺して孔を開ける環境に優しい合成樹脂材料の針を導入することを発想した。そこで、この合成樹脂材料の針をセグメントチューブに突き刺したまま遠心分離する構成を採用して実験を重ねた。しかし、これらの構成だけでは針を突き刺したままで密閉されているセグメントチューブ内から血液を、カミソリ刃で切断したときのように旨くは取り出すことはできないことが分かった。試行錯誤した後、針を突き刺したままで密閉状態のセグメントチューブ内から血液を取り出すための構成として、本発明者は、遠心力でセグメントチューブ内の血液が強い重力に引かれて下がることによりセグメントチューブ内の上部に形成される小空間に着目し、この小空間に空気を入り込ませる構成を採用することによりセグメントチューブ内の上側から血液を後押しさせながら遠心分離中のセグメントチューブ内から血液を取り出せるようにできる手法、すなわち、セグメントチューブ内において重力により血液が下方に引かれて下がることでセグメントチューブ内の血液の上方に形成される前記小空間への空気流通流路を前記合成樹脂材料の針に形成することでセグメントチューブ内からの血液採取の問題を解決できることを見出した。しかも、針を含む例えばセグメントチューブを保持する保持部等の構成要素を全て合成樹脂材料で成形するようにし、しかも、製造コストのことも勘案して全ての構成要素を合成樹脂材料で一体に成形し、被検血液採取器具であるチューブ孔開け冶具とした。
【0010】
この際、通常用いるセグメントチューブの硬度の測定を行うことによって本発明者は前記針の形状ならびに強度について検討した。測定対象は、半割り形状を含む空のセグメントチューブと血液が充填されているセグメントチューブであり、測定内容は、針がセグメントチューブに刺さった時と刺さった針がセグメントチューブを押し抜けるときのセグメントチューブの縮み(mm)とセグメントチューブにかかる負荷(ニュートン)である。そして、これらの測定結果から、本発明者は空気流通流路が合成樹脂材料で形成される分、針の強度は低減するので、強度の低減をできるだけ抑えることが可能な針の形状を種々勘案した結果、針の先を保持する基部に空気流通流路を設けるわけであるが、この基部の外形形状として例えば円錐形状が好ましいことを見出した。
【0011】
かくして、本願の請求項1に係る発明は、セグメントチューブを保持する保持部、および、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を有する一方片と、
セグメントチューブの孔開け箇所を押圧するよう針に対向した状態で近接するチューブ押さえ部を有し、一方片とでセグメントチューブを挟み込みながらチューブ押さえ部によって孔開け箇所の押圧状態を持続させうる他方片とが合成樹脂材料で一体に成形されてなるチューブ孔開け冶具よりなり、さらに、このチューブ孔開け冶具を試験管内に移し、この試験管が遠心分離器によって操作されるときに、セグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すため空気がセグメントチューブ内に入り込む空気流通流路が前記針に形成されていることを特徴とする被検血液採取器具を提供する。
【0012】
本願の請求項2に係る発明は、セグメントチューブを保持する保持部、および、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を有する合成樹脂製のチューブ孔開け冶具よりなり、さらに、チューブ孔開け冶具は、試験管への挿入動作中にセグメントチューブの孔開け箇所を押圧してこの押圧状態を持続させうる押しリブを有する一方、前記試験管が遠心分離器によって操作されるときに、セグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すため空気がセグメントチューブ内に入り込む空気流通流路が前記針に形成されていることを特徴とする被検血液採取器具を提供する。
【0013】
本願の請求項3に係る発明は、底部にセグメントチューブを突き刺すための針を有し、有底筒状に成形された合成樹脂製の孔開け冶具よりなり、さらに、この孔開け冶具は、半分に折り曲げたセグメントチューブがその折り曲げ部分から差し込み可能で、かつ、セグメントチューブを半分に折り曲げてなる各セグメントチューブ部分を針によって孔開け可能なように構成されており、さらに、この孔開け冶具を試験管内に移し、この試験管が遠心分離器によって操作されるときに、各セグメントチューブ部分内の血液を試験管内に取り出すため空気が各セグメントチューブ部分内に入り込む空気流通流路が前記針に形成されていることを特徴とする被検血液採取器具を提供する。
【0014】
また、別の観点から、本願の請求項4に係る発明は、セグメントチューブを保持する保持部、および、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を有する一方片と、セグメントチューブの孔開け箇所を押圧するよう針に対向した状態で近接するチューブ押さえ部を有し、一方片とでセグメントチューブを挟み込みながらチューブ押さえ部によって孔開け箇所の押圧状態を持続させうる他方片とからなるチューブ孔開け冶具よりなる被検血液採取器具を、試験管内に挿入保持した後、前記試験管を遠心分離器にセットし、その操作中において、遠心力によりセグメントチューブ内の血液が引かれるとともに、前記針に形成されている空気流通流路を介して空気がセグメントチューブ内に入り込むことによりセグメントチューブ内から取り出された血液を試験管内に溜め、その後、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するようにしたことを特徴とする被検血液採取方法を提供する。
【0015】
本願の請求項5に係る発明は、セグメントチューブを保持する保持部、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針、および、試験管内への挿入動作中にセグメントチューブの孔開け箇所を押圧してこの押圧状態を持続させうる押しリブを有するチューブ孔開け冶具よりなる被検血液採取器具を、前記試験管に保持した状態で、前記試験管を遠心分離器にセットし、
その操作中において、遠心力によりセグメントチューブ内の血液が引かれるとともに、前記針に形成されている空気流通流路を介して空気がセグメントチューブ内に入り込むことによりセグメントチューブ内から取り出された血液を試験管内に溜め、その後、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するようにしたことを特徴とする被検血液採取方法を提供する。
【0016】
本願の請求項6に係る発明は、試験管内に、底部にセグメントチューブを突き刺すための針を有する有底筒状のチューブ孔開け冶具よりなる被検血液採取器具を挿入保持した状態で、半分に折り曲げたセグメントチューブをその折り曲げ部分からチューブ孔開け冶具の底部まで差し込んでセグメントチューブを半分に折り曲げてなる各セグメントチューブ部分の底に孔を形成し、続いて、遠心分離器に前記試験管をセットし、その操作中において、遠心力により前記各セグメントチューブ部分内の血液が引かれるとともに、前記針に形成されている空気流通流路を介して空気が前記各セグメントチューブ部分内に入り込むことにより前記各セグメントチューブ部分内から取り出された血液を試験管内に溜め、その後、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するようにしたことを特徴とする被検血液採取方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本願の請求項1,4に係る発明では、合成樹脂材料で一体に成形されてなるチューブ孔開け冶具を被検血液採取器具とし、チューブ孔開け冶具の一方片の針によって一方片の保持部に保持されるセグメントチューブを突き刺して孔を開けるとともに、一方片とチューブ孔開け冶具の他方片とでセグメントチューブを挟み込むようにして他方片のチューブ押さえ部でセグメントチューブを押さえつけることができる。この状態で、チューブ孔開け冶具を試験管内に挿入保持した後、前記試験管を遠心分離させることにより、セグメントチューブ内の血液は下がるとともにセグメントチューブ内の血液の上方側に小空間が形成され、前記針に形成した空気流通流路を通って前記小空間に空気が入り込み、この空気がセグメントチューブ内の血液を上側から後押しする形でセグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すことができる。そのため、血液が作業者の手に触れることなくセグメントチューブ内から血液を排出できる。
【0018】
本願の請求項2,5に係る発明では、合成樹脂材料で一体に成形されてなるチューブ孔開け冶具を被検血液採取器具とし、チューブ孔開け冶具の針によってチューブ孔開け冶具の保持部に保持されるセグメントチューブを突き刺して孔を開けるとともに、試験管内へのチューブ孔開け冶具の挿入動作中にチューブ孔開け冶具の押しリブによってセグメントチューブの孔開け箇所を押さえつけることができる。この状態で、前記試験管を遠心分離させることにより、セグメントチューブ内の血液は下がるとともにセグメントチューブ内の血液の上方側に小空間が形成され、前記針に形成した空気流通流路を通って前記小空間に空気が入り込み、この空気がセグメントチューブ内の血液を上側から後押しする形でセグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すことができる。そのため、血液が作業者の手に触れることなくセグメントチューブ内から血液を排出できる。
【0019】
本願の請求項3,6に係る発明では、合成樹脂材料で有底筒状に一体に成形されてなるチューブ孔開け冶具を被検血液採取器具とし、このチューブ孔開け冶具を、試験管内に保持し、半分に折り曲げたセグメントチューブをその折り曲げ部分からチューブ孔開け冶具の底部まで差し込んで、セグメントチューブを半分に折り曲げてなる各セグメントチューブ部分の底に孔を形成し、この状態で、前記試験管を遠心分離させることにより、前記各セグメントチューブ内の血液は下がるとともに前記各セグメントチューブ内の血液の上方側に小空間が形成され、前記針に形成した空気流通流路を通って前記小空間に空気が入り込み、この空気が前記各セグメントチューブ内の血液を上側から後押しする形で前記各セグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すことができる。そのため、血液が作業者の手に触れることなくセグメントチューブ内から血液を排出できる。
【0020】
このように、本願の請求項1〜6に係る発明では、血液が作業者の手に触れることがなないので、衛生的であるとともに、輸血の実施に際して行われる各種の検査に十分対応することができることは勿論、セグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を設け、孔開けされたセグメントチューブを遠心分離させることにより、密閉されているセグメントチューブ内において遠心力で血液が下がるのと共に、針に設けた空気流通流路を通って外からセグメントチューブ内に空気が入り込み、空気が上から血液を後押しすることにより、セグメントチューブ内の血液を試験管内に確実に取り出すことができる。
さらに、本願の請求項1〜6に係る発明では、被検血液採取器具としてのチューブ孔開け冶具を針を含めて合成樹脂材料で一体に成形したので、コスト安にチューブ孔開け冶具を製造できるとともに、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するにしても、環境に優しい廃棄が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
【0022】
図1〜図11は、1個のセグメントチューブを保持部の溝に合わせてセットし、例えば一方片に親指をあてがい、他方片に人差し指をあてがって親指と人差し指で強く挟みつけるようにして一方片と他方片を押さえつけることにより、針をセグメントチューブに突き刺すように構成されているこの発明の第1の実施の形態を示す。
図1〜図11において、1は、被検血液採取器具(以下、セグメントメイトという)を構成するチューブ孔開け冶具である。このチューブ孔開け冶具1は、セグメントチューブ(以下単にセグメントという)2を保持する保持部3、および、保持部3の溝3a内に保持されたセグメント2を突き刺して孔を開けるための針4を有する一方片(以下、ベースという)5と、セグメント2の孔開け箇所を押圧するよう針4に対向した状態で近接するチューブ押さえ部6を有し、ベース5とでセグメント2を挟み込みながらチューブ押さえ部6によって孔開け箇所の押圧状態を持続させうる他方片(以下、ステッィクという)7とが合成樹脂材料で一体に成形されてなる。
そして、チューブ孔開け冶具1は、ベース5とステッィク7の内側同士を対向させてセグメント2を挟み込むように針4とチューブ押さえ部6を近接させる閉状態(図2参照)と、両者4,6を離間させる開いた状態(図1参照)に位置変更可能とするヒンジ9を有する。この実施の形態では、ベース5とステッィク7がヒンジ9を介して縦開き状態に構成されている。
さらに、このチューブ孔開け冶具1を空の試験管(例えばガラス管)8(図10参照)内に移し、この試験管8が遠心分離器(図示せず)によって操作されるときに、空気aがセグメント2内に入り込み、セグメント2内の血液bを試験管8内に取り出しうる空気流通流路iが前記針4に形成されている。
【0023】
まず、ベース5側について説明する。前記保持部3は、セグメント2が載置可能なように上面11aが形成された平面視長方形の下板11と、下板11の長手方向(両矢印Pで示す方向)に沿って下板11の両側に形成された側板12,12および下板11のP方向における一端に形成された側板13と、下板11のP方向における他端に形成された正面視C型のフランジ14を有する。このフランジ14は、チューブ孔開け冶具1をセグメント2を挟み付けるように押さえ切った状態〔図8(F)、図10参照〕でヒンジ9の側から空の試験管8内に挿入した後にチューブ孔開け冶具1をヒンジ9の側を下に向けて試験管8に保持させるためのもので、フランジ14は試験管8の開口部8aの端面fに支持される。上面11aは図11に示したように、下板11の短手方向(両矢印Qで示す方向)に沿って中央が下向きに湾曲するような形状の下向き湾曲面で形成してもよく、また、この実施の形態のように、上面11aを平坦面に形成してもよい〔図7(C)参照〕。そして、前記溝3aは、下板11と側板12,13によって形成される。11bは下板11の下面で、平坦面に形成されている。
【0024】
前記針4は下板11と一体に成形されている。すなわち、前記針4は、下板11の上面11aから上方に向かって突出して形成された中空円錐形状の基部15と、基部先端に形成されP方向中心軸X上に位置する尖端部16とよりなり、図2に示すように、チューブ孔開け冶具1を閉状態にセットしたときにチューブ押さえ部6で覆われるようヒンジ9側寄りの位置に下板11と一体に成形されている。そして、前記基部15の錐面部分には、一対のスリット状の縦長の切欠き17,17、例えば正面視縦長の台形形状の切欠17,17きが、中心軸X上に対向配置されている。例えば図7(C)および図11に示す19は、基部15内の空間部分である。そして、下板11は、基部15の周囲から針4の基部15の直下にわたって下板11を上下に貫通するとともに、空間部分19に連通するよう形成された空気流通開口(血液取出孔)18を有する。そして、空気流通開口18、空間部分19および切欠17,17によってセグメント2内部への空気流通流路iが形成される。前記空気流通開口(血液取出孔)18は、上面11a側に一対の空気流通開口部分18a,18aを有し、これらは下板11内で合流している。この一対の空気流通開口部分18a,18aは中心軸X上に対向配置されている。そして、前記空気流通流路iは、空気流通開口18が血液取出孔を兼用することから、セグメント2内の血液の取り出し流路を兼用する。
さらに、セグメント2内の血液の取り出し流路の血液取出孔が保持部3に複数カ所にわたり形成されている。20は、下板11と側板13間に形成された貫通孔としての血液取出孔である。21は、下板11と側板12,12間に形成された貫通孔としての血液取出孔である。この血液取出孔21には、図7(B)および図8に示すように、側板12の下部内側を薄肉部分21aを残す形で、下板11側に向く段差Fが形成されている。このベース5側に設けた前記段差Fに、ステッィク7側の前記チューブ押さえ部6に設けた係合突起Gが係合して、ステッィク7がベース5にロックされ、ステッィク7が開かないチューブ孔開け冶具1の閉状態が維持される。そして、ロック時には、係合突起Gが段差Fに係合するときに「カチッ」といった音が発生する。すなわち、図8(C)から図8(D)のロック状態になるときに、係合突起Gが段差Fにカチッと入った感触を作業者は認識することができる。図9は、図8(D)と同じセグメント2を収容した状態におけるロック状態を示している。また、図2(A)はセグメント2を収容していないチューブ孔開け冶具納品時点でのステッィク7が開かないようになっている同じロック状態を示している。なお、図2(B)、図2(C)は、図2(A)に示した納品状態のチューブ孔開け冶具1のステッィク7の開き方を説明するための図である。図2(B)に示すように、チューブ孔開け冶具1を使うときは、作業者はベース5の矢印Bで示す箇所を持つようにして、ステッィク7の先端部7aを矢印Cで示す方向に、少し力を入れて上に揚げると、図2(C)に示すように、「プチッ」とステッィク7が開けられる。
【0025】
次に、ステッィク7側について説明する。前記チューブ押さえ部6は、針4を覆うことができるように凹状に形成されており、上述したように、ベース5側の段差Fに係合する係合突起Gを有する。34はその凹みである。
【0026】
而して、チューブ孔開け冶具1を用いてセグメント2内の血液を採取するにあたり、用意した開放状態のチューブ孔開け冶具1〔図8(A)参照〕のベース5にセグメント2をセットし〔図8(B)参照〕、セグメント2を含むベース5にステッィク7を被せる〔図8(C)参照〕。ステッィク7の被せ動作中に「カチッ」と入った感触がすればロック状態になったことを認知できる〔図8(D)参照〕。その後、図8(E)に示すように、ステッィク7を「グーッ」と押さえる。さらに、図8(F)に示すように、ステッィク7を押さえ切る。続いて、遠心分離器で操作される空の試験管(例えばガラス管)8〔図10参照〕内にチューブ孔開け冶具1を挿入保持する〔図8(G)参照〕。その後、前記試験管8を遠心分離器にセットし、その操作中において、遠心力によりセグメント2内の血液が重力に引かれるとともに、針4に形成されている空気流通流路iを介して空気aがセグメント2内に入り込み、空気aによってセグメント2内の血液が上方から後押しされることによりセグメント2内から取り出された血液を試験管8内に溜める。この際、セグメント2内の血液は血液取出孔20,21から取り出される。本発明者は、セグメント2内の血液が、1000G/1分以内に完全に排出されることを確認した。その後、空になったセグメント2と共にチューブ孔開け冶具1を前記試験管8から取り出してセグメント2を付けたままチューブ孔開け冶具1を廃棄する。
【0027】
図12、図13は、遠心分離器にセットされる空の試験管への挿入動作中に試験管の内壁に当たりながら移動する山形形状の押しリブによって、針をセグメントに突き刺すように構成されているこの発明の第2の実施の形態を示す。図12、図13において、図1〜図11に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
この実施の形態の合成樹脂製のチューブ孔開け冶具1では、ベース5とステッィク7がヒンジ9を介して横開き状態に構成されている。そして、ベース内側には、受けリブ40が形成されている。この受けリブ40は、セグメント2を保持部5aにセットするときにセグメント2の一端部2fが当接し、これによって、セグメント2の保持部5aへの侵入長さを規制する。さらに、遠心分離器にセットされる空の試験管8の内壁8bに当接するベース外側には、山形形状の押しリブ41が形成されている。この押しリブ41は、試験管8へのチューブ孔開け冶具1の挿入動作中に針4がセグメント2を突き刺すとともに、この孔開け箇所を押圧してこの押圧状態を持続させうるものである。この押しリブ41は、ベース5の長手方向に沿って形成されており、一方の裾部41aから頂上部41bを経て他方の裾部41cに至る山形形状に形成されるとともに、頂上部41bの真後ろ側には針4を覆うことができるような凹部41dに形成されている。
【0028】
而して、チューブ孔開け冶具1を用いてセグメント2内の血液を採取するにあたり、図12(A)に示すように、用意した開放状態のチューブ孔開け冶具1のベース5にセグメント2をセットし、セグメント2を含むベース5にステッィク7を被せる〔図12(B)参照〕。続いて、押しリブ41を有するチューブ孔開け冶具1〔図13(A)参照〕を、遠心分離器で操作される空の試験管8に挿入する。図12(C)と図13(B)は、ステッィク7の一端7aと押しリブ41の他方の裾部41cが試験管8の開口8aに触れ始める挿入初期の状態を示し、図12(D)と図13(C)はステッィク7とベース5が挿入された後の状態を示す。すなわち、ステッィク7を被せた時点で、図8(C)と同じような針差し込み状態となる。そして、挿入動作の途中で、頂上部41bが試験管8に挿入される前では、図12(C)と図13(B)に示すように、他方の裾部41cによってベース5が針4を有するステッィク7側に押圧されることにより、図8(E)と同じように、針4が突き刺さっているセグメント2が押さえつけられる。さらに頂上部41bが試験管8に挿入された時点で、例えば図8(F)に示したようにセグメント2を押さえ切る状態〔図12(D)、図13(C)参照〕になるような押圧力がベース5側に発生する。続いて、前記試験管8を遠心分離器にかける。この遠心分離操作中において、遠心力によりセグメント2内の血液bが重力に引かれるとともに、針4に形成されている空気流通流路iを介して空気aがセグメント2内に入り込み、空気aによってセグメント2内の血液bが上方から後押しされることによりセグメント2内から取り出された血液bを試験管8内に溜め、その後、空になったセグメント2と共にチューブ孔開け冶具1を前記試験管8から取り出してセグメント2を付けたままチューブ孔開け冶具1を廃棄する。
【0029】
図14は、セグメントチューブを突き刺すための針を底部に有し、有底筒状に成形されているこの発明の第3の実施の形態を示す。図14において、図1〜図13に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
図14(A)に示すように、この実施の形態の合成樹脂製のチューブ孔開け冶具1は、底部51にセグメント2を突き刺すための針4を有し、有底筒状に成形されている。この孔開け冶具1は、図14(B)に示すように、半分に折り曲げたセグメント2がその折り曲げ部分2aから差し込み可能で、かつ、セグメント2を半分に折り曲げてなる各セグメント部分L,Mを針4によって孔開け可能なように構成されている。この孔開け冶具1はセグメント部分L,Mを差し込む前に遠心分離器で操作される空の試験管8内に予めセットされる。なお、針4は1個でも複数個でもよい。
【0030】
而して、図14(C)に示すように、セグメント部分L,Mをチューブ孔開け冶具1にゆっくりとその口元1fまで差し込む。続いて、図14(D)に示すように、セグメント部分L,Mが止まるまで思い切りセグメント部分L,Mをチューブ孔開け冶具1に差し込む。続いて、図14(E)に示すように、セグメント部分L,Mが差し込まれたチューブ孔開け冶具1を有する前記試験管8を、遠心分離器内にセットし、遠心分離器を駆動することにより遠心力により前記セグメント部分L,M内の血液が重力に引かれるとともに、前記針4に形成されている空気流通流路iを介して空気aが、前記セグメント部分L,M内に入り込み、さらに、遠心運動によって前記セグメント部分L,M内の上部に形成される小空間50に至り、この小空間50内の空気aによって前記セグメント部分L,M内の血液bが上方から後押しされることにより前記セグメント部分L,M内から取り出された血液bを試験管8内に溜めることができる。その後、図14(F)に示すように、空になったセグメント2と共にチューブ孔開け冶具1を前記試験管8から取り出してセグメント2を付けたままチューブ孔開け冶具1を廃棄する。
【0031】
ところで、図14(E)に示すように、セグメント部分L,Mは先端部分55,56がチューブ孔開け冶具1の口元1fから外に突出した状態で遠心分離器が駆動されることから、駆動中に先端部分55,56が振れて遠心分離器の部材に当たるおそれがある。
【0032】
図15は、先端部分55,56が振れて遠心分離器の部材に当たるのを防止するように構成されたこの発明の第4の実施の形態を示す。図15において、図1〜図14に示した符号と同一のものは同一または相当物である。
【0033】
この実施の形態では、合成樹脂製で、底部51にセグメント2を突き刺すための針4を有する有底筒状のチューブ孔開け冶具1を、底部51にセグメント2を突き刺すための針4を有する下部の有底筒状部分54と、先端部分55,56を側面側から支持する一対の板状の支持片57,57と、有底筒状部分54と支持片57,57とをそれぞれ接続するヒンジ58,58とから構成している。したがって、図14(C)に示すように、セグメント部分L,Mを差し込むときは、チューブ孔開け冶具1を図15(C)〜図15(E)のようにして有底筒状部分54にゆっくりとその口元1fまで差し込むようにする。すなわち、支持片57,57を水平状態にセットしておく。そして、この状態でセグメント部分L,Mが止まるまで思い切りセグメント部分L,Mを有底筒状部分54に差し込む。次に、遠心分離器内にセットするときに初めて、水平状態であった支持片57,57を図15(A)、図15(B)のように直立状態にする。この場合、直立状態に支持片57,57をセットした後支持片57,57が傾いたりヒンジ58,58から折れ曲がらないようにストッパ(図示せず)をかけるように構成することにより、遠心運動に持ちこたえることができる。しかる後、遠心分離器を駆動する。駆動中、セグメント部分L,Mの先端部分55,56は側面部分が支持片57,57に支持されているので先端部分55,56が振れて遠心分離器の部材に当たるおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の第1の実施の形態における使用状態を示す構成説明図である。
【図2】(A)は、上記実施の形態においてロックされている状態を示す図である。(B)は、上記実施の形態においてロック解除の手法を説明するための図である。(C)は、上記実施の形態においてロック解除された状態を示す図である。
【図3】(A)は、上記実施の形態で用いるベースの側面図である。(B)は、上記実施の形態における開いた状態を示す上面図である。(C)は、上記実施の形態で用いるステッィクの側面図である。(D)は、図3(B)におけるC’−C’断面図である。(E)は、上記実施の形態で用いるステッィクの正面図である。
【図4】図3(B)におけるA−A断面図である。
【図5】上記実施の形態における開いた状態を示す下面図である。
【図6】(A)は、上記実施の形態における針およびその周辺を示す上面図である。(B)は、図3(B)における針の縦断面図である。(C)は、上記実施の形態における針およびその周辺を示す下面図である。
【図7】(A)は、図3(B)におけるB−B断面図である。(B)は、図3(B)におけるC−C断面図である。(C)は、図3(B)におけるD−D断面図である。(D)は、図3(B)におけるE−E断面図である。(E)は、図3(B)におけるF−F断面図である。(F)は、図3(B)におけるG−G断面図である。(G)は、図3(B)におけるH−H断面図である。
【図8】上記実施の形態における針差し込み手順を説明するための構成説明図である。
【図9】上記実施の形態における図8(D)と対応する断面図である。
【図10】上記実施の形態における図8(F)と対応する断面図である。
【図11】上記実施の形態におけるベースの下面の変形例を示す構成説明図である。
【図12】この発明の第2の実施の形態における使用状態を順をおって示す構成説明図である。
【図13】同じく上記第2の実施の形態における使用状態を順をおって示す断面図である。
【図14】この発明の第3の実施の形態における使用状態を順をおって示す構成説明図である。
【図15】(A)は、この発明の第4の実施の形態において遠心分離器にかけるときの使用形態を示す側面図である。(B)は、上記第4の実施の形態において遠心分離器にかけるときの使用形態を示す正面図である。(C)は、上記第4の実施の形態において遠心分離器にかけるまえの使用形態を示す正面図である。(D)は、上記第4の実施の形態において遠心分離器にかけるまえの内部構成を示す断面図である。(E)は、上記第4の実施の形態において遠心分離器にかけるまえの内部構成を示し、図15(D)とは異なる断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 チューブ孔開け冶具(被検血液採取器具)
2 セグメントチューブ
3 保持部
4 針
5 ベース(一方片)
6 チューブ押さえ部
7 ステッィク(他方片)
8 試験管
a 空気
b 血液
i 空気流通流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメントチューブを保持する保持部、および、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を有する一方片と、
セグメントチューブの孔開け箇所を押圧するよう針に対向した状態で近接するチューブ押さえ部を有し、一方片とでセグメントチューブを挟み込みながらチューブ押さえ部によって孔開け箇所の押圧状態を持続させうる他方片とが
合成樹脂材料で一体に成形されてなるチューブ孔開け冶具よりなり、
さらに、このチューブ孔開け冶具を試験管内に移し、この試験管が遠心分離器によって操作されるときに、セグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すため空気がセグメントチューブ内に入り込む空気流通流路が前記針に形成されていることを特徴とする被検血液採取器具。
【請求項2】
セグメントチューブを保持する保持部、および、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を有する合成樹脂製のチューブ孔開け冶具よりなり、さらに、チューブ孔開け冶具は、試験管への挿入動作中にセグメントチューブの孔開け箇所を押圧してこの押圧状態を持続させうる押しリブを有する一方、前記試験管が遠心分離器によって操作されるときに、セグメントチューブ内の血液を試験管内に取り出すため空気がセグメントチューブ内に入り込む空気流通流路が前記針に形成されていることを特徴とする被検血液採取器具。
【請求項3】
底部にセグメントチューブを突き刺すための針を有し、有底筒状に成形された合成樹脂製の孔開け冶具よりなり、さらに、この孔開け冶具は、半分に折り曲げたセグメントチューブがその折り曲げ部分から差し込み可能で、かつ、セグメントチューブを半分に折り曲げてなる各セグメントチューブ部分を針によって孔開け可能なように構成されており、さらに、この孔開け冶具を試験管内に移し、この試験管が遠心分離器によって操作されるときに、各セグメントチューブ部分内の血液を試験管内に取り出すため空気が各セグメントチューブ部分内に入り込む空気流通流路が前記針に形成されていることを特徴とする被検血液採取器具。
【請求項4】
セグメントチューブを保持する保持部、および、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針を有する一方片と、セグメントチューブの孔開け箇所を押圧するよう針に対向した状態で近接するチューブ押さえ部を有し、一方片とでセグメントチューブを挟み込みながらチューブ押さえ部によって孔開け箇所の押圧状態を持続させうる他方片とからなるチューブ孔開け冶具よりなる被検血液採取器具を、試験管内に挿入保持した後、前記試験管を遠心分離器にセットし、
その操作中において、遠心力によりセグメントチューブ内の血液が引かれるとともに、前記針に形成されている空気流通流路を介して空気がセグメントチューブ内に入り込むことによりセグメントチューブ内から取り出された血液を試験管内に溜め、その後、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するようにしたことを特徴とする被検血液採取方法。
【請求項5】
セグメントチューブを保持する保持部、保持部のセグメントチューブを突き刺して孔を開けるための針、および、試験管内への挿入動作中にセグメントチューブの孔開け箇所を押圧してこの押圧状態を持続させうる押しリブを有するチューブ孔開け冶具よりなる被検血液採取器具を、前記試験管に保持した状態で、前記試験管を遠心分離器にセットし、
その操作中において、遠心力によりセグメントチューブ内の血液が引かれるとともに、前記針に形成されている空気流通流路を介して空気がセグメントチューブ内に入り込むことによりセグメントチューブ内から取り出された血液を試験管内に溜め、その後、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するようにしたことを特徴とする被検血液採取方法。
【請求項6】
試験管内に、底部にセグメントチューブを突き刺すための針を有する有底筒状のチューブ孔開け冶具よりなる被検血液採取器具を挿入保持した状態で、半分に折り曲げたセグメントチューブをその折り曲げ部分からチューブ孔開け冶具の底部まで差し込んでセグメントチューブを半分に折り曲げてなる各セグメントチューブ部分の底に孔を形成し、続いて、遠心分離器に前記試験管をセットし、その操作中において、遠心力により前記各セグメントチューブ部分内の血液が引かれるとともに、前記針に形成されている空気流通流路を介して空気が前記各セグメントチューブ部分内に入り込むことにより前記各セグメントチューブ部分内から取り出された血液を試験管内に溜め、その後、空になったセグメントチューブと共にチューブ孔開け冶具を前記試験管から取り出してセグメントチューブを付けたままチューブ孔開け冶具を廃棄するようにしたことを特徴とする被検血液採取方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−8757(P2008−8757A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−179503(P2006−179503)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000167842)広陵化学工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】