説明

被測定者特定装置、被測定者特定方法、被測定者特定プログラム、及び記録媒体

【課題】 被測定者を到底する情報の入力を被測定者に課すことなく、被測定者を特定する。
【解決手段】 生体情報の測定結果を取得する測定結果入力部202と、被測定者情報と被測定者情報に対応する生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積部204と、生体情報の測定項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持する第1パラメータ保持部207と、第1パラメータ保持部207の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積部204が蓄積している測定結果を抽出し、抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて被測定者が特定されていない測定結果の被測定者を特定する被測定者特定部205とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在宅で生体情報測定結果を収集する健康支援サービスを構成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会の到来や、医療費負担率の引き上げなどの社会的背景により、予防医療などへの期待から在宅ヘルスケアへの関心が高まっている。この在宅ヘルスケアを実現するための、生体情報測定結果を収集する健康支援サービスの実現理方法としては、下記のものが知られている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−151211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の方法では、1家庭で複数の人間が使用するために、測定を行なう度に画面を見て、タッチパネルなどの入力部から誰が測定するかの情報を入力することが求められる。入力を強いる事は被測定者に負担を与え、特に高齢者にとっては困難が伴う。しかも、在宅ヘルスケアの場合、目的が予防医療であるため、長期間に渡り、測定を行なう事が基本となる。長期間測定を行なう場合、前記入力作業も繰り返し行なう事となり、入力操作が煩わしいという課題を有していた。
【0004】
本発明の目的は、被測定者を特定する情報の入力を被測定者に課すことなく、被測定者が特定されていない測定結果に対する被測定者を特定する被測定者特定装置、被測定者特定方法、被測定者特定プログラム、及び記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による被測定者特定装置は、生体情報の測定結果を取得する測定結果取得手段と、被測定者情報と前記被測定者情報に対応する生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積手段と、前記生体情報の測定項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持手段と、前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて被測定者が特定されていない測定結果の被測定者を特定する被測定者特定手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、上記構成において、前記パラメータ保持手段は、被測定者を特定する基準となる被測定者基準の項目と、測定結果との差異の範囲を示す抽出時差異の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けしたデータ群の平均値と前記測定結果取得手段により取得された測定結果とを比較する際に差異の範囲を示す削除時差異の項目を保持することが好ましい。
【0007】
また、上記構成において、前記被測定者特定手段は、前記測定結果取得手段により取得された測定結果と、前記測定結果蓄積手段が蓄積している測定結果との前記被測定者基準の項目に応じた測定値の差異を算出し、前記差異が、前記抽出時差異の項目が示す測定値の差異の範囲内である測定結果を抽出し、被測定者を特定するためのデータ群とした後、前記データ群を被測定者毎にグループ分けし、それぞれを測定結果グループとし、前記測定結果グループ毎の測定結果の前記被測定者基準の項目が示す測定値の平均値と、前記測定結果取得手段により取得された前記測定結果の前記被測定者基準の項目が示す測定値との差異を算出し、前記差異が前記削除時差異の項目が示す差異以上となる項目が1つ以上存在する前記測定結果グループを比較対象から除外することが好ましい。
【0008】
また、上記構成において、前記パラメータ保持手段は、更に、測定時期を比較する期間を示す抽出時日数の項目と、測定結果を比較対象から削除する際の削除方法を示すデータ削除区分の項目と、測定結果を比較対象から削除する際の削除する範囲を示すデータ削除閾値の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けした際に比較対象として必要となる件数を示す必要データ数の項目のうち、少なくとも1つを保持することが好ましい。
【0009】
また、上記構成において、前記被測定者特定手段は、前記抽出時日数の項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、被測定者特定のためのデータ群とすることが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、前記被測定者特定手段は、前記測定結果グループの中に含まれる測定結果のうち、前記データ削除区分の項目及び前記データ削除閾値の項目に基づき、比較対象となるデータを前記測定結果グループから除外することが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記被測定者特定手段は、前記測定結果グループの中に含まれる測定結果の件数が前記必要データ数の項目が示す件数より少ない前記測定結果グループを除外することが好ましい。
【0012】
また、上記構成において、前記被測定者特定手段は、前記測定結果グループが1つだけ存在する場合、存在する測定結果グループの被測定者を、前記測定結果取得手段により取得され前記測定結果の被測定者として特定することが好ましい。
【0013】
また、上記構成において、1つ以上の生体情報測定装置から測定結果を受信する測定結果受信手段を更に備えたことが好ましい。
【0014】
また、上記構成において、前記生体情報測定装置は、自己の送信元アドレスと併せて生体情報の測定結果を前記被測定者特定装置に送信し、前記生体情報測定装置の送信元アドレスから被測定者を特定する被測定者識別情報保持手段を更に備えたことが好ましい。
【0015】
また、上記構成において生体情報を測定する測定手段を更に備えることが好ましい。
【0016】
また、上記構成において、被測定者情報の入力、確認を行なうための表示入力手段を備えることが好ましい。
【0017】
また、上記構成において、前記被測定者特定装置は更に、前記測定結果蓄積手段が蓄積する測定結果をサーバへ送信する測定結果送信手段を備えたことが好ましい。
【0018】
また、上記構成において、前記パラメータ保持手段とは異なる第2のパラメータ保持手段を更に備え、前記被測定者特定手段は、前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定することができなかった場合に、第2パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定することが好ましい。
【0019】
また、上記構成において、前記第2パラメータ保持手段は、被測定者を特定する基準となる第2被測定者基準の項目と、前記第2被測定者基準の項目によって被測定者を特定する際に使用する有効差異の項目を保持することが好ましい。
【0020】
また、上記構成において、前記第2パラメータ保持手段は、更に、前記第2被測定者基準の項目のうちどの項目を優先的に使用するかを示す優先順位の項目と、前記測定結果入力手段が生体情報の測定結果を入力する期間を示す第2抽出時日数の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けした際に比較対象として必要となる件数を示す第2必要データ数の項目のうち、少なくとも1つを保持することが好ましい。
【0021】
本発明にかかる被測定者特定方法は、生体情報の測定結果を取得する測定結果取得ステップと、被測定者情報と前記被測定者情報に対応する前記生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積ステップと、前記生体情報を測定する項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持ステップと、前記パラメータ保持ステップの保持する項目に基づき前記測定結果蓄積ステップが蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定する被測定者特定ステップとを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明にかかる被測定者特定プログラムは、生体情報の測定結果を取得する測定結果取得手段と、被測定者情報と前記被測定者情報に対応する前記生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積手段と、前記生体情報を測定する項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持手段と、前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定する被測定者特定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる記録媒体は、生体情報の測定結果を取得する測定結果取得手段と、被測定者情報と前記被測定者情報に対応する前記生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積手段と、前記生体情報を測定する項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持手段と、前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定する被測定者特定手段としてコンピュータを機能させる被測定者特定プログラムを記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、測定結果蓄積手段は、被測定者情報と被測定者情報に対応する生体情報の測定結果とを蓄積している。また、パラメータ保持手段は、生体情報の測定項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持している。
【0025】
そして、被測定者が特定されていない測定結果が取得され、パラメータ保持手段により保持された項目に基づいて、測定結果蓄積手段から測定結果が抽出され、抽出された測定結果に対応する被測定者情報を用いて被測定者が特定されていない測定結果の被測定者が特定される。
【0026】
従って、被測定者が自己を特定するための情報を入力しなくとも、被測定者を特定することができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、前記パラメータ保持手段は、被測定者を特定する基準となる被測定者基準の項目と、測定結果との差異の範囲を示す抽出時差異の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けしたデータ群の平均値と前記測定結果取得手段により取得された測定結果とを比較する際に差異の範囲を示す削除時差異の項目を保持しているため、被測定者の特定精度を高めることができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、測定結果取得手段により取得された測定結果と、測定結果蓄積手段が蓄積している測定結果との被測定者基準の項目に応じた測定値の差異が算出され、当該差異が、抽出時差異の項目が示す測定値の差異の範囲内である測定結果が抽出され、被測定者を特定するためのデータ群とされた後、当該データ群が被測定者毎にグループ分けされ、それぞれを測定結果グループとされ、前記測定結果グループ毎の測定結果における前記被測定者基準の項目が示す測定値の平均値と、前記測定結果取得手段により取得された前記測定結果の前記被測定者基準の項目が示す測定値との差異が算出され、当該差異が削除時差異の項目が示す差異以上となる項目が1つ以上存在する測定結果グループが比較対象から除外されて、被測定者が特定されているため、被測定者の特定精度を高めることができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、パラメータ保持手段は、更に、測定時期を比較する期間を示す抽出時日数の項目と、測定結果を比較対象から削除する際の削除方法を示すデータ削除区分の項目と、測定結果を比較対象から削除する際の削除する範囲を示すデータ削除閾値の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けした際に比較対象として必要となる件数を示す必要データ数の項目とのうち、少なくとも1つを保持しているため、被測定者の特定精度を高めることができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、測定結果の測定日時に対して測定日時が大きく離れた測定結果を測定結果グループから排除することができ、被測定者の特定精度を高めることができる。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、測定結果グループの中に含まれる測定結果のうち、前記データ削除区分の項目及び前記データ削除閾値の項目に基づき、比較対象となるデータが測定結果グループから除外されるため、被測定者の測定精度をより高めることができる。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、前記測定結果グループの中に含まれる測定結果の件数が前記必要データ数の項目が示す件数より少ない前記測定結果グループが除外されるため、被測定者の特定精度をより高めることができる。
【0033】
請求項8記載の発明によれば、測定結果グループが1つだけ存在する場合、存在する測定結果グループの被測定者が、測定結果取得手段により取得され測定結果の被測定者として特定されるため、被測定者の測定精度をより高めることができる。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、複数の生体情報測定装置により測定された測定結果が取得されるため、多くの測定項目を備える測定結果を得ることができる。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、生体情報測定装置から送信された測定結果に付与された送信元アドレスにより被測定者情報が特定されるため、簡便な処理により被測定者を特定することができる。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、被測定者特定装置に別途、生体情報測定装置を接続しなくとも、被測定者特定装置のみで生体情報取得することができる。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、特定された被測定者情報が表示されるため、被測定者は特定された被測定者情報が正しいか否かを確認することができる。
【0038】
請求項13記載の発明によれば、測定結果テーブルをサーバによりバックアップすることができる。
【0039】
請求項14記載の発明によれば、パラメータ保持手段が保持する項目に従って、測定結果に対する被測定者を特定することができなかった場合、第2パラメータ保持手段が保持する項目に従って、被測定者が特定されるため、被測定者が特定される確率を高めることができる。
【0040】
請求項15記載の発明によれば、有効時差異を用いて被測定者が特定されるため、被測定者を特定精度をより高くすることができる。
【0041】
請求項16記載の発明によれば、第2パラメータ保持手段は、前記第2被測定者基準の項目のうちどの項目を優先的に使用するかを示すに優先順位の項目と、前記測定結果入力手段が生体情報の測定結果を入力する期間を示す第2抽出時日数の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けした際に比較対象として必要となる件数を示す第2必要データ数の項目とのうち、少なくとも1つを保持しているため、被測定者の特定精度をより高めることができる。
【0042】
請求項17記載の発明によれば、請求項1記載の発明同様、被測定者が自己を特定するための情報を入力しなくとも、被測定者を特定することができる。
【0043】
請求項18記載の発明によれば、請求項1記載の発明同様、被測定者が自己を特定するための情報を入力しなくとも、被測定者を特定することができる。
【0044】
請求項19記載の発明によれば、請求項1記載の発明同様、被測定者が自己を特定するための情報を入力しなくとも、被測定者を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態による被測定者特定装置の構成図を示している。本実施の形態による被測定者特定装置2は、在宅ヘルスケアシステムに適用されている。
【0046】
図1に示す在宅ヘルスケアシステムは、身長や体重などの生体情報を測定する生体情報測定装置1、家庭内の複数の生体情報測定装置1から受信する生体情報の測定結果を集約、加工する被測定者特定装置2、及び測定結果を蓄積するサーバ3で構成されている。生体情報測定装置1及び被測定者特定装置2は宅内ネットワークを介して接続されている。宅内ネットワークとしては、例えばエコーネット規格に準じた特定小電力無線、IEEE802.11bに代表される無線LAN、有線であるEthernet(登録商標)等が採用される。なお、生体情報測定装置1は複数接続されている事が一般的である。
【0047】
被測定者特定装置2及びサーバ3は宅外ネットワークを介して接続されている。宅外ネットワークの例としてはインターネットが代表的であるが、加入電話回線、携帯電話を用いたネットワークなどを使用することも可能である。
【0048】
生体情報測定装置1は、測定部101及び測定結果送信部102を備えている。測定部101は、身長や体重などの生体情報を測定し、その測定結果を測定結果送信部102に出力する。測定結果送信部102は、測定部101から受信した測定結果に生体情報測定装置のネットワークアドレスを付与し、被測定者特定装置2に送信する。なお、図1では、生体情報測定装置1は1個しか示していないが、2個以上の生体情報測定装置により構成してもよい。具体的には、生体情報測定装置1は、身長計、体重計、血圧計、体温計のいずれか1個の機能を備える装置により構成してもよいし、身長計、体重計、血圧計、体温計のうち少なくともいずれか2個の機能を具備する装置により構成してもよい。
【0049】
被測定者特定装置2は、CPU、ROM、RAM、外部記録装置等を備え、測定結果受信部201、測定結果入力部202、被測定者識別番号保持部203、測定結果蓄積部204、被測定者特定部205、表示入力部206、第1パラメータ保持部207、測定結果送信部208、及び第2パラメータ保持部209を備えている。なお、これらの機能は、CPUが外部記憶装置に格納された被測定者特定プログラムを実行することにより実現される。
【0050】
測定結果受信部201は、生体情報測定装置1からの測定結果を受信し、測定結果入力部202に出力する。測定結果入力部202は、受けた被測定者が未特定の測定結果の入力を受け付ける。被測定者識別番号保持部203は、被測定者識別番号テーブルを保持している。図5は被測定者識別番号テーブルの一例を示した図面である。被測定者識別番号テーブルは、アドレスフィールド600及び被測定者識別番号フィールド601を備える被測定者識別レコードから構成されている。被測定者識別番号フィールド601には、被測定者特定装置2へのアクセスが許可された特定の被測定者の各々に対し、各被測定者固有に割り当てられた数値である被測定者識別番号が格納されている。アドレスフィールド600には、各被測定者により使用される生体情報測定装置1に対して付与されたネットワークアドレスが格納されている。なお、図5の例ではネットワークアドレスはIPアドレスを記述しているが、アドレスフィールド600に格納されるアドレスは宅内ネットワークの種別により変化し、IPアドレス以外のアドレスとなることもある。
【0051】
測定結果蓄積部204は、測定結果入力部202から受信した測定結果を含む測定結果テーブルを記憶する。図7は測定結果テーブルの一例を示す図面である。図7に示すように測定結果テーブルは、被測定者識別番号、測定日時、身長、体重、体温、及び脈拍のフィールドを備える測定結果レコードから構成される。被測定者識別番号のフィールドには、被測定者を識別するための被測定者識別番号が格納されている。測定日時のフィールドには測定結果レコードのデータの更新日時が格納されている。身長のフィールドには、生体情報測定装置1により測定された被測定者の身長が格納されている。体重のフィールドには、生体情報測定装置1により測定された被測定者の体重が格納されている。体温のフィールドには、生体情報測定装置1により測定された被測定者の体温が格納されている。
【0052】
なお、測定結果レコードが備えるフィールドは図7に限定されず、脈拍、血糖値等、生体情報測定装置1が測定する生体情報に応じて、対応するフィールドを測定結果レコードに具備させればよい。
【0053】
被測定者特定部205は、測定結果蓄積部204が蓄積している測定結果を使用して被測定者を特定する。表示入力部206は、被測定者に対し画面を使って被測定者の入力や確認を促す。第1パラメータ保持部207は、被測定者特定部205が被測定者識別番号を特定する処理を行う上で必要なデータが格納された第1パラメータテーブルを記憶する。
【0054】
図8は第1パラメータテーブルの一例を示した図面である。第1パラメータテーブルは、項目コード、項目名、抽出時日数、抽出時差異、データ削除区分、データ削除閾値、必要データ数、及び削除時差異を格納するフィールドを備える第1パラメータレコードから構成されている。これらの詳細については後述する。測定結果送信部208は、被測定者特定済みの測定結果をサーバ3へ送信する。
【0055】
第2パラメータ保持部209は、第1パラメータテーブルと同様、被特定者識別番号を特定するために必要となるデータが格納された第2パラメータテーブルを記憶する。図18は第2パラメータテーブルの一例を示した図面である。図18に示すように第2パラメータテーブルは、優先順位、項目コード、項目名、抽出時日数、必要データ数、基準有効差異、抽出時差異、データ削除区分、及びデータ削除閾値のフィールドを備える第2パラメータレコードから構成されている。
【0056】
サーバ3は、副測定結果蓄積部301を備える。副測定結果蓄積部301は、被測定者特定装置2から受信した測定結果を保持する。すなわち、副測定結果蓄積部301は、測定結果蓄積部204のバックアップとして機能する。図1では、サーバ3は1台であるが、これに限定されず、2台以上のサーバ3を設け、これらのサーバで、副測定結果蓄積部301が記憶するデータを分散して記憶してもよい。なお、副測定結果蓄積部301をデータ処理上のマスターとし、測定結果蓄積部204をバックアップとして機能させてもよい。
【0057】
次に、図2に示すフローチャートに従って、生体情報測定装置1の動作を説明する。
【0058】
このフローチャートは被測定者の操作、又は、タイマによる起動などをトリガに処理が開始される。まず、測定部101は被測定者を測定し生体情報の測定結果を取得する(S1000)。測定終了後、測定部101は取得した測定結果を測定結果送信部102に出力する(S1001)。測定結果送信部102は受けた測定結果を、被測定者特定装置2に送信するためのパケットを生成する(S1002)。具体的には、測定結果送信部102は、送信元アドレス、送信先アドレスなどを生成するパケットに含ませる。次に、測定結果送信部102はステップS1002で生成したパケットを被測定者特定装置2に送信する(S1003)。
【0059】
図3は、測定結果送信部102が被測定者特定装置2に送信する測定結果のデータ構造の一例を示す図面である。測定結果は送信先アドレス部500、送信元アドレス部501、及びデータ部502を備えている。送信先アドレス部500には、被測定者特定装置2のネットワークアドレスが格納される。送信元アドレス部501には、生体情報測定装置1のネットワークアドレスが格納される。データ部502には、生体情報測定装置1で測定した測定結果が格納される。ここで、送信先アドレス部500及び送信元アドレス部501に格納されるネットワークアドレスは、使用されている宅内ネットワークの規格に基づくアドレス(例えばIPアドレス)である。
【0060】
図4は、測定結果を受信した被測定者特定装置2の動作を示すフローチャートである。
【0061】
まず、測定結果受信部201は生体情報測定装置1から送信された測定結果を受信すると、受信した測定結果を測定結果入力部202へ出力する(S1100)。測定結果入力部202は、測定結果受信部201からの測定結果を受けると(S1101)、測定結果の送信元の生体情報測定装置1が、特定の被測定者のネットワークアドレスであるか否かを判定する(S1102)。具体的には、測定結果入力部202は、図3の例で示される測定結果の送信元アドレス部501に格納されたネットワークアドレスをキーとし、当該ネットワークアドレスと合致するネットワークアドレスを格納する被測定者識別レコードが図5に示す被測定者テーブルに存在するか否かを検出する。
【0062】
ステップS1103において、ネットワークアドレスに合致する被測定者識別レコードが存在する場合(S1103でYES)、測定結果入力部202は、検出したレコードの被測定者識別番号フィールド601に格納された被測定者識別番号を測定結果と対応付けて図7に示す測定結果レコードを生成し(S1104)、生成した測定結果レコードを測定結果蓄積部204に出力する(S1105)。測定結果蓄積部204は測定結果入力部202から出力された測定結果レコードを測定結果テーブルに追加する(S1106)。
【0063】
一方、ステップS1103において、ネットワークアドレスに合致する被測定者識別レコードが存在しない場合(S1103でNO)、測定結果入力部202は、測定結果から測定結果レコードを生成し、測定結果蓄積部204に出力する(S1107)。このとき生成される測定結果レコードの被測定者識別番号のフィールドにはデータが何も格納されていないことを示すNULLが格納される(図7参照)。
【0064】
ステップS1108において、測定結果入力部202は、生成した測定結果レコードの被測定者識別番号のフィールドにNULLが格納されているため、被測定者特定部205に対し、被測定者識別番号を特定する必要があることを通知する。
【0065】
ステップS1109において、測定結果蓄積部204は測定結果入力部202から出力された測定結果レコードを測定結果テーブルに追加する。
【0066】
ステップS1110において、被測定者特定部205は、測定結果入力部202から被測定者識別番号を特定する必要がある旨の通知を受ける。被測定者識別番号を特定する必要のある旨の通知を受けた被測定者特定部205は、定められたロジックに従って被測定者識別番号を特定する(S1111)。
【0067】
被測定者特定部205が行う被測定者識別番号の特定方法の詳細については図6に示すフローチャートで後述する。ステップS1111の処理により被測定者識別番号が特定できた場合(ステップS1112でYES)、表示入力部206は、ステップS1111で特定された被測定者識別番号を表示し、被測定者に間違いがないかの確認を促す(S1113)。この場合、表示入力部206には「あなたの被測定者識別番号は××番でよろしいですか。」というような語句が表示される。
【0068】
ステップS1113の処理は省略する事も可能であるが、誤り防止の観点からは被測定者の負担にならない範囲で少なくとも表示は行う方が好ましい。ステップS1112の分岐で被測定者識別番号を特定することが出来なかった場合(S1112でNO)、表示入力部206は、被測定者に対して被測定者識別番号の入力を促す画面を表示し、被測定者からの被測定者識別番号の入力を受け付ける(S1114)。
【0069】
表示入力部206が被測定者からの被測定者識別番号の入力を受け付けた場合(S1114でYES)、測定結果蓄積部204は、記憶している測定結果レコードのうち、サーバ3に未送信の測定結果レコードを、測定結果送信部208へ出力する(S1115)。測定結果送信部208は、測定結果蓄積部204からサーバ3に未送信の測定結果レコードを受け(S1116)、受けた測定結果レコードを、サーバ3へ送信する(S1117)。表示入力部206が被測定者からの被測定者識別番号の入力を受け付けなかった場合(S1114でNO)処理がステップS1114に戻される。
【0070】
次に、被測定者特定部205で被測定者識別番号を特定する処理(上記図3のS1111)の詳細のフローチャートを図6、図15、及び図16に示す。
【0071】
まず、被測定者特定部205は、測定結果蓄積部204が記憶している測定結果テーブルから、被測定者識別番号を特定する必要のある測定結果レコードを検出する(S1200)。具体的には、図7に示すように被測定者識別番号のフィールドにNULLが格納されている測定結果レコードを測定結果テーブルから検出する。以下、被測定者識別番号の特定対象となる測定結果レコードのことを注目測定結果レコードと呼ぶ。この場合、図7に示す最下行の測定結果レコードの被測定者識別番号のフィールドにNULLが格納されているため、この測定結果レコードが検出される。なお、被測定者識別番号のフィールドにNULLを格納する測定結果レコードが複数存在する場合、これらのうちのいずれか1つを注目測定結果レコードとする。
【0072】
次に、被測定者特定部205は、ステップS1200で検出された測定結果レコードが備えるフィールドのうち、第1パラメータテーブルに格納されたデータに従って、被測定者識別番号の特定に用いられるデータが格納されたフィールドを特定する(S1201)。この場合、1の被測定者において比較的変動の少ないデータが格納されたフィールドが特される。図8に示す第1パラメータテーブルの項目名のフィールドには身長及び体重が格納されているため、図9に示すように、身長及び体重のフィールドが特定される。
【0073】
次に、被測定者特定部205は、図8の第1パラメータテーブルに格納されたデータに従って、注目測定結果レコードが格納するデータに近い測定結果を格納する測定結果レコードを測定結果テーブルから抽出する(S1202)。
【0074】
図8に示すように、第1パラメータテーブルには、抽出時日数として「身長」「体重」とも7が格納され、抽出時差異として「身長」「体重」とも1.0が格納されている。また、図7に示す注目測定結果レコードは、測定日時が3月25日19時15分、身長が166.1、体重が65.1である。そのため、ステップS1202の処理における測定結果レコードの抽出条件は、測定日時が3月18日19時15分〜3月25日19時15分、身長が165.1〜167.1、又は、測定日時が3月18日19時15分〜3月25日19時15分、体重が64.1〜66.1となる。従って、図7に示す測定結果テーブルに対してステップS1202の処理を実行すると図10に示す測定結果レコードが得られる。
【0075】
ここで、7日というように、比較的短い期間に測定されたデータを格納する測定結果レコードを抽出する理由は、長期的に見たときに変動する可能性があるデータの場合に、その変動により被測定者識別番号が誤って特定される確率を低下させるためである。もちろん、この処理を省略して、期間の限定を行わないということも可能である。
【0076】
ステップS1203において、被測定者特定部205は、測定結果レコードが抽出できた場合(S1203でYES)、被測定者識別番号をキーとして、測定結果レコードをグループ分けする(S1204)。この場合、図10に示す測定結果テーブルは、図11に示すように被測定者識別番号を1とするグループA、被測定者識別番号を2とするグループB、及び被測定者識別番号を3とするグループCの3つのグループに分けられる。
【0077】
ステップS1205において、被測定者特定部205は、各グループ内において、他の測定結果レコードに対して著しく差異のあるデータを格納する測定結果レコードを削除する。ここで、図11のグループAを例にとって、ステップS1205の処理の例を説明する。
【0078】
図11のグループAには7件の測定結果レコードが含まれる。一方、図8に示す第1パラメータテーブルには、身長についてデータ削除区分に「1:絶対値」が格納され、データ削除閾値に「−3〜3」が格納されている。これは、グループ毎の「身長」の平均値から絶対値で−3〜+3以外のものを、他の測定結果と著しく差異のあるデータとみなし削除することを意味する。また、「体重」については、データ削除区分に「2:偏差」、データ削除閾値に「−1〜1」が格納されている。これは、グループ毎の「体重」の平均値から標準偏差で−1〜+1以外のものを、他の測定結果と著しく差異のあるデータとみなし削除することを意味する。
【0079】
図11の場合、7件の測定結果レコードの身長の平均値は166.0である。従って、絶対値で−3〜3以外が削除すべきデータとなり、163.0〜169.0以外の身長を格納する測定結果レコードが削除される。図11の例では7件の測定結果レコードの全ての身長がこの範囲に入るため削除される測定結果レコードはない。
【0080】
一方、「体重」については7件の測定結果レコードの平均値が65.6である。図8に示す第1パラメータテーブルにおいて、「体重」については、標準偏差の−1〜1以外が削除すべきデータとなる。図11の体重のデータから標準偏差を求めると、約1.56となる。よって、平均値である65.5に対してプラスマイナス1.56の値である64.0〜67.2以外の体重を格納する測定結果レコードが削除される。図11の例では体重が69.4を格納する測定結果レコードが削除される。その結果、図12に示すような測定結果テーブルが得られる。なお、このステップS1205の処理は省略することも可能である。
【0081】
ステップS1206において、被測定者特定部205は、測定結果レコードの数が規定値未満のグループを削除する。図8に第1パラメータテーブルに示す必要データ数には身長及び体重とも「4」が格納されている。従って、被測定者特定部205は、図13に示すように、グループAは測定結果レコードの数が7個であり、グループBは測定結果レコードの数が4個であり、共に測定結果レコードの数が4個以上であるため、グループA及びグループBは削除しない。一方、グループCは測定結果レコードの数が1個であり、4個未満であるため削除する。
【0082】
なお、図8に示す第1パラメータテーブルでは、著しく差異のあるデータの抽出基準として、絶対値と標準偏差を例としてあげたが、これは一例であり、他の基準を用いてもよい。また、データ削除閾値で示した数値についても同様に一例であり、この数値に限られるわけではない。なお、このステップS1206に示す処理は省略することも可能である。
【0083】
被測定者特定部205はステップS1206までの処理を行った段階で、被測定者特定部205は、グループが存在するかどうかで処理を分岐する(S1207)。グループが存在しない場合(ステップS1207でNO)、被測定者特定部205は、被測定者の特定は不可能であると判断し、処理が図15に示すステップS1212に進められる。グループが存在する場合(ステップS1207でYES)、処理がステップS1208に進められる。
【0084】
次に、被測定者特定部205は、ステップS1206までの処理を行った測定結果レコードを構成するフィールドのうち、ステップS1201で特定されたフィールド関してグループ毎に平均値を算出する(S1208)。
【0085】
次に、被測定者特定部205は、第1パラメータテーブルの削除時差異が示す条件を満たすグループを抽出する(S1209)。
【0086】
一例として図14に示す平均値及び注目被測定者決定レコードに対して、図8で示される第1パラメータテーブルを適用してステップS1209の処理の詳細を説明する。図7に示す注目測定結果レコードの身長は166.1、体重は65.1である。図8の第1パラメータテーブルでは削除時差異として身長、体重共に「2.0」が格納されている。
【0087】
従って、身長の平均値が164.1〜168.1、体重の平均値が63.1〜67.1の範囲にある測定結果グループを抽出することとなる。図14に示すように、グループAは身長166.02、体重64.95であるので、いずれも抽出されるべき範囲内である。グループBは身長165.98、体重59.48であるので、体重が抽出される範囲外である。よって、グループAのみがS1209の処理で抽出される。
【0088】
次に、被測定者特定部205は、ステップS1209で抽出されたグループがいくつ存在するかによって処理を分岐する(S1210)。ステップS1209で抽出されたグループが存在しない場合、及び、複数存在する場合(S1210でNO)、現在蓄積されているデータのみでは被測定者の特定が困難であることから、被測定者の特定は不可能であると判断し、処理がステップS1212に進められる。一方、ステップS1209で抽出されたグループが1つだけ存在する場合(ステップS1210でYES)、そのグループの被測定者識別番号を、注目測定結果レコードの被測定者識別番号として特定する(S1211)。
【0089】
図15に示すステップS1212において、被測定者特定部205は、第2パラメータテーブルの優先順位に従って、注目測定結果レコードの被測定者識別番号の特定に用いられるデータが格納されたフィールドを特定する。この場合、被測定者特定部205は、図18に示す第2パラメータテーブルにおいて優先順位が1である体温を特定する。
【0090】
ステップS1212Aにおいて、被測定者特定部205は、ステップS1212でフィールドを特定できた場合(S1212AでYES)、処理がステップS1213に進められ、フィールドが特定できなかった場合(S1212AでNO)、被測定者識別番号を特定することができないとして、処理が終了される。ここで、被測定者特定部205は、第2パラメータテーブルにおいて優先順位が設定された全項目名に対する処理が終了されている場合、フィールドを特定できないと判定する。
【0091】
図17は、図7と同様、測定結果蓄積部204が記憶する測定結果テーブルの一例を示す図面である。なお、図17において、身長及び体重のフィールドは説明の便宜上省略している。また、図17において、最下行の測定結果レコードは、被測定者識別番号のフィールドにNULLが格納されているため、被測定者識別番号の特定対象である注目測定結果レコードとなる。
【0092】
ステップS1213において、被測定者特定部205は、図18に示す第2パラメータテーブルに格納されたデータに従って、注目測定結果レコードが格納するデータに近いデータを格納する測定結果レコードを測定結果テーブルから抽出する。ここで、図18に示す第2パラメータテーブルにおいて、体温における抽出時差異として「2」が格納され、抽出時日数として7が格納されている。また、注目測定結果レコードは、測定日時が3月25日19時15分、体温が36.8度である。そのため、ステップS1213の処理における測定結果レコードの抽出条件は、測定日時が3月18日19時15分〜3月25日19時15分、体温が34.8度〜38.8度となる。従って、図17に示す測定結果テーブルに対してステップS1213の処理を実行すると図19に示す測定結果テーブルが得られる。図17の場合、全ての測定結果レコードが上記条件を満たしているため、図19に示す測定結果テーブルには図17に示す全ての測定結果レコードが含まれている。
【0093】
ステップS1214において、被測定者特定部205は、測定結果レコードが抽出できた場合(S1214でYES)、被測定者識別番号をキーとして、測定結果レコードをグループ分けする(S1215)。この場合、図19に示す測定結果テーブルは、図20に示すように被測定者識別番号を1とするグループA、被測定者識別番号を2とするグループB、及び被測定者識別番号を3とするグループCの3つのグループに分けられる。一方、ステップS1214でNOと判定された場合、処理がステップS1212に戻される。
【0094】
ステップS1216において、被測定者特定部205は、各グループ内において、他の測定結果レコードに対して著しく差異のあるデータを格納する測定結果レコードを削除する。ここで、図20のグループAを例にとって、S1205の処理の例を説明する。
【0095】
図20のグループAには7件の測定結果レコードが含まれる。一方、図18に示す第2パラメータテーブルには、体温については、データ削除区分に「1:絶対値」が格納され、データ削除閾値に「−2〜2」が格納されている。これは、グループ毎の体温の平均値から絶対値で−2〜+2以外のものを、他の測定結果と著しく差異のあるデータとみなし削除することを意味する。
【0096】
図20のグループAの場合、体温については7件の測定結果レコードの平均値は36.5度である。従って、絶対値で−2〜2以外が削除すべきデータとなり、34.5度〜38.5度以外の温度を格納する測定結果レコードが削除される。図20のグループAの例では7件の測定結果レコードの全ての体温がこの範囲に入るため削除される測定結果レコードはない。
【0097】
ステップS1217において、被測定者特定部205は、測定結果レコードの数が規定値未満のグループを削除する。図18に示す第2パラメータテーブルにおいて、体温に対する必要データ数に「4」が格納されている。従って、被測定者特定部205は、図21に示すように、グループAは測定結果レコードの数が7個であり、グループBは測定結果レコードの数が4個であり、共に測定結果レコードの数が4個以上であるため、グループA及びグループBは削除しない。一方、グループCは測定結果レコードの数が1個であり、4個未満であるため削除する。
【0098】
被測定者特定部205は、ステップS1217までの処理を行った段階で、被測定者特定部205は、グループが存在するかどうかで処理を分岐する(S1218)。グループが存在しない場合(ステップS1218でNO)、被測定者特定部205は、被測定者の特定は不可能であると判断し、処理が図15に示すステップS1212に戻される。グループが存在する場合(ステップS1218でYES)、処理がステップS1219に進められる。
【0099】
ステップS1219において、被測定者特定部205は、ステップS1217までの処理を行った測定結果レコードを構成するフィールドのうち、ステップS1212で特定されたフィールド関してグループ毎に平均値を算出する。この場合、図22に示すように、グループAの体温の平均値として36.51度、グループBの体温の平均値として36.25度が算出されていることが分かる。
【0100】
ステップS1220において、被測定者特定部205は、各グループの平均値の差を算出する。ステップS1221において、被測定者特定部205は、各グループの平均値の差を算出し、平均値の差が第2パラメータテーブルの基準有効差異より大きいか否かを判定する。そして、各グループの平均値の差が基準有効差異より大きいと判定した場合(S1221でYES)、注目測定結果レコードにおいて、ステップS1212により特定されたフィールドに格納されたデータに対して平均値が近いグループの被測定者識別番号が、注目測定結果レコードに対する被測定者識別番号として特定される(S1222)。
【0101】
なお、ステップS1221において、3個以上のグループが存在する場合、3個以上のグループの中から2個のグループを取り出したものを1組のグループとし、全組の平均値の差が基準有効差異より大きい場合、ステップS1221においてYESと判定される。
【0102】
一方、各グループの平均値の差が基準有効差異以下と判定された場合(S1221でNO)、処理がステップS1212に戻される。
【0103】
図22の場合、グループAの体温の平均値は36.51度であり、グループBの体温の平均値は36.25度であり、両グループの体温の平均値の差は0.26度である。一方、図18の第2パラメータテーブルにおいて体温に対する基準有効差異として「2」が格納されている。
【0104】
従って、両グループの体温の平均値の差が基準有効差異以下であり、両グループの体温は近似しているため、体温に従って被測定者識別番号を特定することは行われず、処理がステップS1212に戻される。
【0105】
ステップS1212において、被測定者特定部205は、体温に次いで優先順位の高い脈拍を被測定者識別番号の特定に用いられるデータが格納されたフィールドとして特定する。そして、体温同様、測定結果テーブルの脈拍に格納されたデータに従ってステップS1213〜S1219の処理が実行される。
【0106】
図22の場合、脈拍についてグループAの脈拍の平均値は52.0であり、グループBの脈拍の平均値は60.2であり、両グループの脈拍の平均値の差は8.2である。一方、図18の第2パラメータテーブルにおいて、脈拍に対する基準有効差異として「5」が格納されている。
【0107】
従って、両グループの脈拍の平均値の差が有効時差異より大きく、両グループの脈拍は離れているため、ステップS1221においてYESと判定され、処理がステップS1222に進められ脈拍に従って被測定者識別番号が特定される。
【0108】
図22の場合、注目測定結果レコードの脈拍は61.4であり、グループAの脈拍の平均値よりもグループBの脈拍の平均値の方が近いため、グループBの被測定者識別番号である2が注目測定結果レコードの被測定者識別番号として特定される。
【0109】
以上説明したように、本被測定者特定装置によれば、被測定者により自己の被測定者識別番号が入力されなくとも、未特定測定結果の被測定者を特定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明にかかる被測定者の特定の方法及びそれを実現する装置は、繰り返し測定を行う必要のある在宅ヘルスケアシステムにおける、被測定者の煩雑な入力作業を軽減する機能を有し、生体情報測定結果を収集する健康支援サービスを構成する技術等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態による被測定者特定装置の構成図を示している。
【図2】生体情報測定装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】測定結果送信部が被測定者特定装置に送信する測定結果のデータ構造の一例を示す図面である。
【図4】測定結果を受信した被測定者特定装置2の動作を示すフローチャートである。
【図5】被測定者識別番号テーブルの一例を示した図面である。
【図6】被測定者特定部で被測定者識別番号を特定する処理(上記図3のS1111)の詳細を示すフローチャートである。
【図7】測定結果テーブルの一例を示す図面である。
【図8】第1パラメータテーブルの一例を示した図面である。
【図9】比較的変動しない項目名の一例を示す図面である。
【図10】測定結果テーブルの一例を示す図面である。
【図11】グループ分けされた測定結果テーブルを示す図面である。
【図12】グループ分けされた測定結果テーブルを構成する測定結果レコードが削除される様子を示す図面である。
【図13】グループが削除される様子を示す図面である。
【図14】グループ毎の平均値を示した図面である。
【図15】被測定者特定部で被測定者識別番号を特定する処理(上記図3のS1111)の詳細を示すフローチャートである。
【図16】被測定者特定部で被測定者識別番号を特定する処理(上記図3のS1111)の詳細を示すフローチャートである。
【図17】測定結果テーブルの一例を示す図面である。
【図18】第2パラメータテーブルの一例を示す図面である。
【図19】測定結果テーブルの一例を示す図面である。
【図20】グループ分けされた測定結果テーブルを示す図面である。
【図21】グループが削除される様子を示す図面である。
【図22】平均値が算出された測定結果テーブルを示す図面である。
【符号の説明】
【0112】
1 生体情報測定装置
2 被測定者特定装置
3 サーバ
101 測定部
102 測定結果送信部
201 測定結果受信部
202 測定結果入力部
203 被測定者識別番号保持部
204 測定結果蓄積部
205 被測定者特定部
206 表示入力部
207 第1パラメータ保持部
208 測定結果送信部
209 第2パラメータ保持部
301 副測定結果蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報の測定結果を取得する測定結果取得手段と、
被測定者情報と前記被測定者情報に対応する生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積手段と、
前記生体情報の測定項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持手段と、
前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて被測定者が特定されていない測定結果の被測定者を特定する被測定者特定手段とを備えることを特徴とする被測定者特定装置。
【請求項2】
前記パラメータ保持手段は、被測定者を特定する基準となる被測定者基準の項目と、測定結果との差異の範囲を示す抽出時差異の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けしたデータ群の平均値と前記測定結果取得手段により取得された測定結果とを比較する際に差異の範囲を示す削除時差異の項目を保持することを特徴とする請求項1に記載の被測定者特定装置。
【請求項3】
前記被測定者特定手段は、前記測定結果取得手段により取得された測定結果と、前記測定結果蓄積手段が蓄積している測定結果との前記被測定者基準の項目に応じた測定値の差異を算出し、前記差異が、前記抽出時差異の項目が示す測定値の差異の範囲内である測定結果を抽出し、被測定者を特定するためのデータ群とした後、前記データ群を被測定者毎にグループ分けし、それぞれを測定結果グループとし、前記測定結果グループ毎の測定結果の前記被測定者基準の項目が示す測定値の平均値と、前記測定結果取得手段により取得された前記測定結果の前記被測定者基準の項目が示す測定値との差異を算出し、前記差異が前記削除時差異の項目が示す差異以上となる項目が1つ以上存在する前記測定結果グループを比較対象から除外することを特徴とする請求項2に記載の被測定者特定装置。
【請求項4】
前記パラメータ保持手段は、更に、測定時期を比較する期間を示す抽出時日数の項目と、測定結果を比較対象から削除する際の削除方法を示すデータ削除区分の項目と、測定結果を比較対象から削除する際の削除する範囲を示すデータ削除閾値の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けした際に比較対象として必要となる件数を示す必要データ数の項目とのうち、少なくとも1つを保持することを特徴とする請求項2又は3に記載の被測定者特定装置。
【請求項5】
前記被測定者特定手段は、前記抽出時日数の項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、被測定者特定のためのデータ群とすることを特徴とする請求項4に記載の被測定者特定装置。
【請求項6】
前記被測定者特定手段は、前記測定結果グループの中に含まれる測定結果のうち、前記データ削除区分の項目及び前記データ削除閾値の項目に基づき、比較対象となるデータを前記測定結果グループから除外することを特徴とする請求項4又は5に記載の被測定者特定装置。
【請求項7】
前記被測定者特定手段は、前記測定結果グループの中に含まれる測定結果の件数が前記必要データ数の項目が示す件数より少ない前記測定結果グループを除外することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項8】
前記被測定者特定手段は、前記測定結果グループが1つだけ存在する場合、存在する測定結果グループの被測定者を、前記測定結果取得手段により取得され前記測定結果の被測定者として特定することを特徴とする請求項3から7のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項9】
1つ以上の生体情報測定装置から測定結果を受信する測定結果受信手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項10】
前記生体情報測定装置は、自己の送信元アドレスと併せて生体情報の測定結果を前記被測定者特定装置に送信し、
前記生体情報測定装置の送信元アドレスから被測定者を特定する被測定者識別情報保持手段を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の被測定者特定装置。
【請求項11】
生体情報を測定する測定手段を更に備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項12】
被測定者情報の入力、確認を行なうための表示入力手段を更に備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項13】
前記測定結果蓄積手段が蓄積する測定結果をサーバへ送信する測定結果送信手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項14】
前記パラメータ保持手段とは異なる第2のパラメータ保持手段を更に備え、
前記被測定者特定手段は、前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定することができなかった場合に、前記第2パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の被測定者特定装置。
【請求項15】
前記第2パラメータ保持手段は、被測定者を特定する基準となる第2被測定者基準の項目と、前記第2被測定者基準の項目によって被測定者を特定する際に使用する有効差異の項目を保持することを特徴とする請求項14に記載の被測定者特定装置。
【請求項16】
前記第2パラメータ保持手段は、更に、前記第2被測定者基準の項目のうちどの項目を優先的に使用するかを示すに優先順位の項目と、前記測定結果入力手段が生体情報の測定結果を入力する期間を示す第2抽出時日数の項目と、測定結果を被測定者毎にグループ分けした際に比較対象として必要となる件数を示す第2必要データ数の項目のうち、少なくとも1つを保持することを特徴とする請求項15に記載の被測定者特定装置。
【請求項17】
生体情報の測定結果を取得する測定結果取得ステップと、
被測定者情報と前記被測定者情報に対応する前記生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積ステップと、
前記生体情報を測定する項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持ステップと、
前記パラメータ保持ステップの保持する項目に基づき前記測定結果蓄積ステップが蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定する被測定者特定ステップとを備えたことを特徴とする被測定者特定方法。
【請求項18】
生体情報の測定結果を取得する測定結果取得手段と、
被測定者情報と前記被測定者情報に対応する前記生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積手段と、
前記生体情報を測定する項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持手段と、
前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定する被測定者特定手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする被測定者特定プログラム。
【請求項19】
生体情報の測定結果を取得する測定結果取得手段と、
被測定者情報と前記被測定者情報に対応する前記生体情報の測定結果とを蓄積する測定結果蓄積手段と、
前記生体情報を測定する項目のうち被測定者を特定する基準となる項目を保持するパラメータ保持手段と、
前記パラメータ保持手段の保持する項目に基づき前記測定結果蓄積手段が蓄積している前記測定結果を抽出し、前記抽出した測定結果に対応する被測定者情報を用いて前記測定結果の被測定者を特定する被測定者特定手段としてコンピュータを機能させる被測定者特定プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−43420(P2006−43420A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70026(P2005−70026)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】