説明

被覆材

【課題】意匠性に優れるとともに、有機物の分解性等の光触媒作用において優れた性能を有する被覆材を得る。
【解決手段】波長300〜500nmにおいて反射率が10%以上となる反射領域を有する被膜を形成する合成樹脂(A)、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)、及び平均粒子径0.3μm以下の光触媒金属酸化物(C)を必須成分とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、建築物の内装材として、天然石、自然石をイメージした比較的厚みがあり、様々な凹凸パターンを有する重厚感のある意匠性に優れるものへの人気が高まっている。
従来、このような材料としては、合成樹脂エマルション等の結合材に天然骨材や人工骨材が配合された組成物より形成されたものが多くある。例えば、特開平10−306242号公報(特許文献1)、特開2001−288384号公報(特許文献2)には、乾燥し造膜した時に透明となる合成樹脂成分に骨材等を混合した塗材が記載されている。
【0003】
また、近年、室内環境においてはシックハウス問題等が社会的にクローズアップされている状況であり、各種有害ガスの拡散防止が求められている。このような材料として、特開2004−149686号公報(特許文献3)には、エマルションと光触媒活性を有する無機化合物を含む水性塗料組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−306242号公報
【特許文献2】特開2001−288384号公報
【特許文献3】特開2004−149686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2のような組成物中に光触媒を添加すれば、意匠性と光触媒性を兼ね備えた塗材が得られるものと期待できる。しかしながら、このような組成物を成膜した場合、骨材を多く含む組成物では、効率的に光触媒作用を発揮できないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、意匠性に優れるとともに、有機物の分解性等の光触媒作用において優れた性能を有する被覆材を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、特定の合成樹脂、有色骨材、及び光触媒金属酸化物を必須成分とする被覆材に想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の被覆材は、下記の特徴を有するものである。
【0008】
1.合成樹脂(A)、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)、及び平均粒子径0.3μm以下の光触媒金属酸化物(C)を必須成分とし、固形分重量比率で合成樹脂(A)100重量部に対して、有色骨材(B)を300〜2000重量部、光触媒金属酸化物(C)を0.5〜40重量部含む被覆材であり、
上記合成樹脂(A)は、波長300〜500nmにおいて反射率が10%以上となる反射領域を有する被膜を形成するものであり、
上記光触媒金属酸化物(C)は、当該反射領域において、光触媒作用を示すことを特徴とする被覆材
2.上記合成樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及びシリコーン樹脂を固形分重量比率95:5〜30:70で含むものであることを特徴とする1.に記載の被覆材
3.基材上に、上記1.または2.記載の被覆材により意匠層を積層することを特徴とする積層体の形成方法。
4.上記3.に記載の意匠層の上に上塗材により上塗層を形成することを特徴とする積層体の形成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の被覆材は、特定の合成樹脂、有色骨材、及び光触媒金属酸化物を必須成分とすることにより、有機物の分解性等の光触媒作用において優れた性能を有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0011】
本発明の被覆材は、合成樹脂(A)、有色骨材(B)、及び光触媒金属酸化物(C)を必須成分とするものである。
本発明の合成樹脂(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)としては、波長300〜500nmにおいて反射率が10%以上、好ましくは15%以上50%以下となる反射領域を有する被膜を形成するものである。このような(A)成分を使用することにより、本発明の被覆材によって形成された意匠層(以下、単に「意匠層」ともいう。)に照射された光は、該意匠層内で拡散・反射し、意匠層内部まで行き渡り、該意匠層に分散された光触媒金属酸化物に吸収され、光触媒活性を高めることができる。
なお、上記反射率は、(A)成分を乾燥膜厚0.1mmにフィルム化したものを試料とし、該試料の背後に黒色板を重ね、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)を用いて測定した値である。なお、試料の背後に重ねた黒色板をブランクとし、換算した値とする。具体的には、各波長において、試料の反射率から黒色板の反射率を差し引くことにより求められる。
【0012】
このような(A)成分としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース及びその誘導体等の水分散型、水可溶型、NAD型、溶剤可溶型、無溶剤型等が挙げられ、1液タイプ、2液タイプ等特に限定せず、用いることができる。
【0013】
本発明では、(A)成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂(a1)(以下、「(a1)成分」ともいう。)、及びシリコーン樹脂(a2)(以下、「(a2)成分」ともいう。)を含むものを使用することが好ましい。(A)成分におけるアクリル樹脂とシリコーン樹脂の固形分重量比率は、通常95:5〜30:70、好ましくは93:7〜40:60、さらに好ましくは90:10〜60:40である。このような比率で両成分を含むことにより、光触媒金属酸化物の光触媒作用を高めることができる。このような態様の(A)成分では、波長300〜500nmにおいて適度な反射性を有する被膜が形成でき、また、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の屈折率の差により、被膜内で光拡散効果が高まるため、光触媒金属酸化物の光触媒活性をより向上することができると考えられる。
【0014】
また、本発明では特に、(A)成分として合成樹脂エマルション(水分散型樹脂)を使用することが好ましい。このような(A)成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂エマルション、及びシリコーン樹脂エマルションを混合したものが使用できる。このような合成樹脂エマルションを使用することにより、反射率を高めることができ光触媒金属酸化物の光触媒作用を高めることができる。さらに、骨材本来の質感を活かしつつ、防火性、可とう性に優れた意匠層を得ることが可能となる。
【0015】
本発明では上記(A)成分として、特に(a1)成分、及び(a2)成分がエマルション粒子内に混在するアクリル―シリコーン合成樹脂エマルション(A−1)(以下、「(A−1)成分」ともいう。)を使用することが好適である。(A−1)成分における(a1)成分と(a2)成分の形態は特に限定されず、均一に混ざり合った形態であってもよいが、海島構造等により相互に分離した形態が好ましい。(A−1)成分における(a1)成分と(a2)成分の重量比率は、通常95:5〜30:70、好ましくは93:7〜40:60である。このような比率で両成分が混在することにより、光触媒金属酸化物の光触媒作用を高めることができる。さらに、骨材本来の質感を活かし、防火性、可とう性をさらに高めることができる。また、耐水性、耐候性、耐汚染性等の各物性においても有利な効果を得ることができる。
【0016】
上記アクリル樹脂(a1)は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、必要に応じその他のモノマーを共重合したものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常30重量%以上、好ましくは40〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.5重量%である。
【0017】
本発明では、(メタ)アクリル酸エステルとして、アルキル基の炭素数が6以上の(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含むことが好ましい。その中でも、特に、2−エチルへキシルアクリレートが好適である。本発明では、このようなアルキル基の炭素数が6以上の(メタ)アクリル酸エステルを、(A)成分を構成する全モノマーに対し、10重量%以上、好ましくは15重量%以上50重量%以下含むことが好ましい。この場合、得られた意匠層の防火性を高めることができる。
【0018】
その他のモノマーとしては、例えばカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。これらモノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜50重量%である。
【0019】
このうち、カルボキシル基含有モノマーを共重合して、カルボキシル基含有アクリル樹脂とした場合には、(A)成分の安定性を高めることができ、さらにカルボキシル基と反応可能な化合物を別途添加することにより、意匠層の諸物性向上を図ることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0020】
また、カルボキシル基と反応可能な化合物としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等から選ばれる1種以上の官能基を有する化合物が挙げられる。このうち、本発明では特にエポキシ基を有する反応性化合物が好適である。
【0021】
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを使用することもできる。このような化合物の混合量は、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部である。
【0022】
上記シリコーン樹脂(a2)は、シロキサン化合物を重合して得られるものである。シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン化合物等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、通常10000以上、好ましくは50000以上である。
【0023】
さらに、本発明における(A−1)成分としては、上記の如きアクリル樹脂(a1)とシリコーン樹脂(a2)成分がエマルション粒子内に混在する合成エマルションであって、(a1)及び(a2)が混在する外層と、(a1)成分を含む内層を有する多層構造型合成エマルション(A−2)が好適である。また、多層構造型合成エマルション(A−2)のガラス転移温度は、通常−60〜30℃程度に設定すればよい。特に、外層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度よりも内層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度が低く設定されたものが好適である。Tgが高すぎる場合は、意匠層の可とう性が不十分となり、塗膜に割れが発生しやすくなる。Tgが低すぎる場合は、塗膜表面に汚染物質が付着しやすくなり、実用的でない。また、通常の合成樹脂エマルションを使用する場合に比べ、より少ない樹脂量で同等以上の可とう性、防火性、基材との密着性等の諸物性を具備する意匠層が設計できる。また、骨材の質感向上の点においても有利である。(A−2)成分における外層と内層の重量比率は、通常80:20〜20:80、好ましくは70:30〜30:70である。
【0024】
このような(A−2)成分は、例えば、内層を構成するアクリル樹脂を乳化重合により合成した後、外層を構成するアクリル樹脂及びシリコーン樹脂を乳化重合により合成する方法等によって得ることができる。(A−2)成分においては、内層を構成する樹脂として上述の如きシリコーン樹脂(a2)が含まれていてもよい。内層にシリコーン樹脂が含まれることにより、意匠層の防火性、可とう性、耐汚染性等を高めることができる。
【0025】
本発明では、(A−2)成分にカルボキシル基含有アクリル樹脂が含まれる場合、カルボキシル基と反応可能な化合物を別途配合することにより、膨れ防止性、剥れ防止性等の効果を高めることができる。さらに、意匠層表面の粘着性が軽減され、耐汚染性が高まる。このような化合物としては、(A−1)成分と同様のものが挙げられる。
【0026】
本発明では上述の(A)成分に加え、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)(以下「(B)成分」という)を必須成分とする。この(B)成分は、意匠層表面へ微細な凹凸を付与し、陰影感を有する立体的な意匠を表現することができる。また、粒子径の小さい着色顔料等を使用した場合と異なり、着色した粒子を混合して色調、質感等を変化させることができ、被膜表面に存在する(B)成分の小点が多彩模様として視認され、優れた装飾性を有する。本発明に好適な(B)成分としては、特に限定されず、天然品、人工品のいずれも使用することができる。具体的には、例えば、重質炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、バライト粉、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラスビーズ、ガラス粉砕物、樹脂ビーズ、樹脂粉砕物、金属粒等が挙げられる。これらに着色を施したものも使用することができる。
(B)成分の粒径は、0.01〜5mmであることが望ましい。粒径が0.01mm未満では骨材による自然石調の多彩感が低下し、5mm超では作業性が低下する傾向となる。
【0027】
(B)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常300〜2000重量部、好ましくは500〜1500重量部、さらに好ましくは800〜1300である。上記範囲のように(A)成分に対して(B)成分を多く含むことにより、骨材の質感を活かした優れた意匠性を得ることができ、さらに防火性を向上することができる。(B)成分が300重量部より少ない場合は、骨材による質感が得られず、また意匠層の隠ぺい性が確保できなくなる。2000重量部より多い場合は、耐汚染性、耐水性、可とう性等が低下し、実用的でない。
【0028】
さらに本発明では、光触媒金属酸化物(C)(以下「(C)成分」という)を必須成分とする。(C)成分は、波長300〜500nmのうち(A)成分により形成された被膜の反射率が10%以上となる反射領域(以下、単に「反射領域」ともいう)において、光触媒作用を示すものである。このような(C)成分を含むことにより、効率的に光触媒活性を発揮することができる。なお、本発明の光触媒作用とは、触媒に光(紫外線及び/または可視光)が当たることにより、触媒が光を吸収・励起し、これにより生じた励起電子と正孔の酸化及び還元により水酸ラジカルと活性酸素が発生し、この水酸ラジカルと活性酸素が有機物等を分解する作用である。
【0029】
このような(C)成分としては、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン等の金属酸化物、またはその複合酸化物等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。(C)成分の平均粒子径は0.3μm以下、好ましくは0.1μm以上0.25μm以下である。上記範囲の光触媒金属酸化物を使用した場合、優れた光触媒作用を有し、さらに意匠層の骨材の質感を活かすことができる。
なお、ここで言う平均粒子径とは、遠心沈降法等による測定から得られるものである。
【0030】
特に、本発明の(C)成分としては、酸化チタンを使用することが好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンのいずれでもよいが、本発明では特に、アナターゼ型酸化チタンを使用することが好ましい。(C)成分として酸化チタンを使用した場合、光触媒作用に優れ、さらには、火災時の総発熱量を抑えることができ、防火性を高めることができる。その作用機構としては、酸化チタンは、輻射熱を遮断し意匠層の温度上昇を抑制することができるためと推察される。さらに、アナターゼ型酸化チタンを使用することで防火性がより向上する。その作用機構は明らかではないが、加熱によるアナターゼ型酸化チタンの触媒作用向上が関与しているものと考えられる。また、アナターゼ型酸化チタンの分解作用により排出ガスの量を低減することもできる。さらに、アナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チタンと比較した場合、塗膜の隠蔽効果が低いため、より骨材の質感を活かすことができる。
【0031】
(C)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常0.5〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、最も好ましくは2〜20重量部である。(C)成分が0.5重量部より少ない場合は、光触媒作用、防火性に劣るおそれがあり、40重量部より多い場合は、意匠層の意匠性を低下させるおそれがある。
【0032】
さらに本発明被覆材においては、化学物質吸着剤(D)を含むことが好ましい。(D)成分を含むことにより、有害ガス(例えば、ホルムアルデヒド、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミン等)の吸着、再放出防止に効果的である。(D)成分としては、例えばアミン化合物、尿素化合物、アミド化合物、イミド化合物、ヒドラジド化合物、アゾール化合物、アジン化合物、層状リン酸化合物、アルミノ珪酸塩等が挙げられる。この中でも、層状リン酸化合物、アルミノ珪酸塩から選ばれる1種以上が好適であり、特にアルミノ珪酸塩が好適である。このような化学物質吸着剤の平均粒子径は、通常0.5〜100μm(好ましくは1〜50μm)程度である。
【0033】
層状リン酸化合物としては、層状リン酸ジルコニウム、層状リン酸亜鉛、層状リン酸チタン、層状リン酸アルミニウム、層状リン酸マグネシウム、層状リン酸セリウム等が挙げられ、これら層状リン酸化合物にアミン化合物がインターカレートされたもの好適である。アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン等が挙げられる。
アルミノ珪酸塩としては、亜鉛、銅、銀、コバルト、ニッケル、鉄、チタン、バリウム、スズ及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属とアルミニウムと珪素の複合酸化物が挙げられる。
【0034】
(D)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは5〜30重量部である。このような範囲である場合、有毒ガスの吸着に効果的である。
本発明では、化学物質吸着剤と(C)成分を併用することによって、有害ガスの吸着・分解において実用的な性能を得ることができる。
【0035】
本発明被覆材においては、意匠層の装飾性等を高める目的で、平均粒子径5mm超の骨材(E)(以下「(E)成分」という)を混合したり、散布することもできる。本発明に好適な(E)成分としては、例えば、天然石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、マイカ、貝殻類、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム類、プラスチック類、植物繊維、植物片等の植物類、アルミナフレーク等の金属類等や、それらの表面を着色コーティングしたもの等が挙げられる。
【0036】
また、本発明の効果を著しく損なわない限り、必要に応じ、公知の添加剤を混合することもできる。このような添加剤としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、消臭剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、難燃剤、着色顔料、体質顔料、繊維、撥水剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。本発明被覆材は、以上のような成分を常法により均一に混合することで製造することができる。
【0037】
本発明被覆材は、主に建築物の内装仕上げに適用できる。すなわち、建築物内装面の各部位に塗付して内装仕上げを行うことができる。具体的には、住宅、マンション、学校、病院、店舗、事務所、工場、倉庫、食堂等における壁、間仕切り、扉、天井等に適用できる。このような部位を構成する基材としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板等が挙げられる。これら基材は、その表面に既存塗膜を有するものや、既に壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。
【0038】
本発明被覆材を上記基材に塗付し意匠層を形成する方法としては、例えば、スプレー、ローラー、こて、刷毛塗り、レシプロ、コーター、流し込み等の手段を用いた方法を採用することができる。ここで、被覆材の粘度を5〜100Pa・s程度に設定しておけば、目的とする意匠層が容易に得られる。なお、ここに言う粘度は、BH型粘度計による20rpmにおける粘度であり、測定温度は23℃である。また、このときの意匠層の厚みは、1.0mm以上5.0mm以下が好ましい。このような場合、光触媒作用、防火性に優れ、かつ彫りの深い凹凸パターンを形成することもできるため、陰影、重厚感のある優れた意匠性を得ることができる。意匠層を乾燥させる際には、常温で行うこともできるが、本発明では、加熱することもできる。加熱温度としては40℃以上170℃を超えない程度とすることが好ましい。
【0039】
さらに、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内であれば、表面保護性等を高める目的で、上塗層を積層することもできる。上塗層は、通気性を有し透明性を有するものであればよく、この場合、意匠層の色相をそのまま活かすことができ、光触媒作用も発揮できる。また、上塗層は、透明性を有する範囲で各種顔料が添加されたカラークリヤー層であってもよい。このような上塗層としては、公知の水性型あるいは溶剤型上塗材の塗付によって形成することができる。本発明では、コロイダルシリカ及びエマルションを含む上塗材が好ましく、さらにはコロイダルシリカ複合エマルションを含む上塗材を使用することが好ましい。この場合、表面強度、耐汚染性等を高めることができる。さらに、コロイダルシリカを含むことによって、公知の上塗材と比較し防火性向上にも効果的である。これらの塗装は、公知の塗装方法によれば良く、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0041】
(合成樹脂Aの製造)
・合成樹脂1〜4
以下に示すアクリル樹脂とシリコーン樹脂を混合し樹脂1〜4とした。
アクリル樹脂エマルション;(Tg21℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=30:6:24:40)、固形分50重量%。
シリコーン樹脂エマルション(Tg−130℃、ジメチルシロキサン化合物の乳化分散液)、固形分50重量%
・合成樹脂1;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=99:1、
・合成樹脂2;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=93:7、
・合成樹脂3;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=70:30、
・合成樹脂4;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=50:50
【0042】
・合成樹脂5
外層;アクリル樹脂(Tg31℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)
内層;アクリル樹脂(Tg−33℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比46:54、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比80:20、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=19:25:24:32、固形分50重量%、Tg−46℃。
【0043】
・合成樹脂6
外層;アクリル樹脂(Tg49℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
内層;アクリル樹脂(Tg−32℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比53:47、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比80:20、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=27:33:12:28、固形分50重量%、Tg−39℃。
【0044】
・合成樹脂7
外層;アクリル樹脂(Tg58℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
内層;アクリル樹脂(Tg−36℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比45:55、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比80:20、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=25:52:2:21、固形分50重量%、Tg−43℃。
【0045】
・合成樹脂8
外層;アクリル樹脂(Tg39℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,メタクリル酸メチル)
内層;アクリル樹脂(Tg−30℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比45:55、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比90:10、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=29:29:19:23、固形分50重量%、Tg−25℃。
【0046】
・合成樹脂9
外層;アクリル樹脂(Tg55℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、
内層;アクリル樹脂(Tg−50℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、
外層と内層の重量比50:50、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=25:25:24:26、固形分50重量%、Tg−7.3℃。
【0047】
上記合成樹脂1〜9を、離型紙上に塗付、乾燥させ、膜厚0.1mmのフィルムを作製したものを試料とし、フィルムの反射率を測定した。なお、フィルムの反射率は、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)を用いて行った。結果を表1に示す。
その結果、合成樹脂2〜7は、波長領域300nm〜500nmにおいて紫外線反射率が10%以上となる反射領域を有するものであった。また、合成樹脂8は、波長400nm以上の領域において紫外線反射率が10%以下、波長400nm未満の領域において紫外線反射率が10%以上となる領域を有するものであった。一方、合成樹脂1、9は、当該反射領域において、紫外線反射率は10%未満であった。その代表値として、波長380nm、400nm、500nmでの紫外線反射率を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
(被覆材の製造)
(試験例1〜27)
表2、3に示す配合に従い、各原料を常法により混合・攪拌することによって被覆材1〜27を製造した。
なお、原料としては以下のものを使用した。
(B)成分
・骨材1:着色珪砂(淡黄色、平均粒子径80〜120μm)
・骨材2:重質炭酸カルシウム(平均粒子径50〜150μm)
(C)成分
・光触媒酸化物1:紫外線応答性アナターゼ型酸化チタン(励起波長:200〜380nm、平均粒子径0.2μm)
・光触媒酸化物2:可視光応答性アナターゼ型酸化チタン(励起波長:400〜650nm、平均粒子径15nm)
・金属酸化物:アルミナ(平均粒子径1.0μm)
・化学物質吸着剤:アルミノ珪酸亜鉛(平均粒子径3μm)
・添加剤:増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ウレタン会合性増粘剤)、水
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
(試験例1A)
被覆材1に関して、以下の評価を実施した。その結果を表4に示す。
<意匠性評価>
基材として、100mm×100mm×12.5mmの石膏ボードを用い、基材に被覆材を乾燥膜厚が2.5mmとなるように塗付し、23℃、50±10%RH下で、48時間養生し、石膏ボード上に意匠層を積層した。積層した意匠層の骨材による質感と意匠層の隠ぺい性を目視にて評価した。評価基準は、骨材の質感及び隠ぺい性の良好なものを「A」、骨材の質感及隠ぺい性が不十分なものを「D」とする4段階評価(優:A>B>C>D:劣)で行った。
【0053】
<光触媒作用試験>
基材として、100mm×100mm×12.5mmの石膏ボードを用い、基材に被覆材を乾燥膜厚が2.5mmとなるように塗付し、23℃、50±10%RH下で、48時間養生したものを試験体とした。1.0wt%フェノールフタレインのエタノール溶液に、水酸化ナトリウムを2%添加した溶液を上記試験体表面に塗布した後、太陽光(波長領域305〜4045nm)を72時間照射し、その前後の色差を測定した。光触媒の作用によるフェノールフタレインの分解を色差△Eに基づき評価した。なお、色差の測定は、色差計(CM−3700d、ミノルタ株式会社製)を用いて行った。
光触媒作用試験の評価基準は、以下の通りである。
A:6≦△E
B:5<△E<6
C:△E≦5
【0054】
(試験例2A〜27A)
被覆材2〜27に関しても、被覆材1と同様に評価を実施した。その結果を、表4、5に示す。
【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
(試験例1B〜25B)
ついで、被覆材1〜25について、以下の評価を実施した。(被覆材26、27については、意匠性に劣る結果であったので除外した。)
<防火性試験>
基材として、100mm×100mm×12.5mmの石膏ボードを用い、基材に被覆材を乾燥膜厚が2.5mmとなるように塗付し、23℃、50±10%RH下で48時間養生したものを試験体とした。上記試験体を、ISO5660規定のコーンカロリーメーターにより20分後の総発熱量を測定した。なお、コーンカロリーメーターとしては「CONE2A」(アトラス製)を用い、加熱強度は50kW/mとした。
防火性試験の評価基準は、以下の通りである。
A:加熱時間20分での総発熱量が6.0MJ/m2以下
B:加熱時間20分での総発熱量が6.0MJ/m2を超え、8.0MJ/m2以下
C:加熱時間20分での総発熱量が8.0MJ/m2を超え、10.0MJ/m2以下
D:加熱時間20分での総発熱量が10.0MJ/m2を超え、12.0MJ/m2以下
E:加熱時間20分での総発熱量が12.0MJ/m2を超える
【0058】
<耐汚染性試験>
基材として、100mm×100mm×12.5mmの石膏ボードを用い、基材に被覆材を乾燥膜厚が2.5mmとなるように塗付し、23℃、50±10%RH下で48時間養生したものを試験体とした。試験体を水平に置き、その塗膜表面に汚れ成分(黒色硅砂)を散布して2時間放置し、次いで試験板を垂直に立てた後、汚れ成分の残存の程度を確認した。評価基準は、汚れが除去されたものを「A」、汚れが著しく残存したものを「D」とする4段階評価(優:A>B>C>D:劣)で行った。
【0059】
【表6】

【0060】
【表7】

【0061】
さらに、被覆材9の配合に、化学物質吸着剤を10重量部添加し、各原料を常法により混合・攪拌することによって被覆材28を製造した。
【0062】
被覆材9と、被覆材25、及び被覆材28について、有害ガスの吸着・分解性能を評価した。
<有害ガスの吸着・分解性能>
離型剤を塗布した型枠(縦150mm×横70mm×深さ5mm)に、各被覆材を流し込み、23℃、50±10%RH下で240時間養生後脱型したものを試験体とした。
予め裏側面をアルミニウム粘着テープでシールした積層体を試料とした。この試料を3リットルにおい袋に入れ、ホルムアルデヒド(20ppm)を拡散させたwet
air(23℃・90%RH)を、このにおい袋中に充填して密閉した。30分後、検知管を用いて、におい袋中のホルムアルデヒド濃度を測定し、分解率を求めた。
その結果、被覆材9および被覆材28で優れた結果であった。また、被覆材9よりも被覆材28の方が分解率は高く良好であった。一方、被覆材25ではほとんど有害ガスの吸着・分解性能は示さなかった。
【0063】
基材として、100mm×100mm×12.5mmの石膏ボードを用い、基材に被覆材9を乾燥膜厚が2.5mmとなるように塗付し、23℃、50±10%RH下で48時間養生した。ついで、コロイダルシリカ複合エマルションを含む上塗材を塗付し、乾燥させ、試験体9′作製した。
得られた試験体9′において、上記光触媒作用試験および耐汚染性試験を実施した。その結果、上塗材を積層しない場合と比較して、どちらも良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂(A)、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)、及び平均粒子径0.3μm以下の光触媒金属酸化物(C)を必須成分とし、固形分重量比率で合成樹脂(A)100重量部に対して、有色骨材(B)を300〜2000重量部、光触媒金属酸化物(C)を0.5〜40重量部含む被覆材であり、
上記合成樹脂(A)は、波長300〜500nmにおいて反射率が10%以上となる反射領域を有する被膜を形成するものであり、
上記光触媒金属酸化物(C)は、当該反射領域において、光触媒作用を示すことを特徴とする被覆材
【請求項2】
上記合成樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂、及びシリコーン樹脂を固形分重量比率95:5〜30:70で含むものであることを特徴とする請求項1に記載の被覆材





【公開番号】特開2010−168569(P2010−168569A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291285(P2009−291285)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(599071496)ベック株式会社 (98)
【Fターム(参考)】