説明

装甲車

【課題】本発明の課題は、サスペンション装置におけるバンプストッパに対する支持剛性を維持しながらも軽量化することができる装甲車を提供することにある。
【解決手段】サスペンション装置4の第1支持部21は、車輪3を回転可能に支持する。アッパアーム22は、車体2に対して揺動可能に取り付けられる。ロアアーム23は、アッパアーム22の下方に配置され、車体2に対して揺動可能に取り付けられる。リンク部31は、アッパアーム22及びロアアーム23が揺動可能に取り付けられ、アッパアーム22とロアアーム23とを連結する。第2支持部32は、リンク部31に接続され、車輪3を操舵可能なように第1支持部21を回転可能に支持する。バンプストッパ5は、車体2に取り付けられ、リンク部31の上方に配置される。また、リンク部31は、リンク部31が上方へ移動したときにバンプストッパ5に接触する受け部31bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装甲車に関する。
【背景技術】
【0002】
装甲車には、大きな負荷を支えることができると共に、ホイルアライメントの微調整が可能であることから、ダブルウィシュボン型のサスペンション装置が広く採用されている。このサスペンション装置は、ナックルとアッパアームとロアアームとを有している。ナックルは車輪を回転可能に支持する。アッパアームの一端は車体に揺動可能に取り付けられる。アッパアームの他端は、ボールジョイントを介してナックルを支持する。ロアアームの一端は車体に揺動可能に取り付けられる。ロアアームの他端は、ボールジョイントを介してナックルを支持する。ボールジョイントは、車輪を操舵可能なようにナックルを回転可能に支持する機能と、アッパアームとロアアームとを揺動可能に支持する機能との2つの機能を有している。また、アッパアームの上方には、バンプストッパが配置されている。バンプストッパは、アッパアームが可動範囲の上限近くまで移動した時に、アッパアームが車体に直接接触しないように設けられる部材である。バンプストッパは、ゴム或いはウレタンなどの緩衝材を有している。バンプストッパは、アッパアームが上方に移動したときに、アッパアームの上面に接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−312393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装甲車は、トラックあるいはヘリコプタによって輸送されることがあるため、重量の低減が要求される。しかし、上記のような装甲車では、ロアアームは地面からの負荷に耐えるため強度低減はできない。また、アッパアームはバンプストッパを受けるため強度低減できない。すなわち、強度を確保する必要性から、アッパアーム及びロアアームを細くしたり、或いは、アッパアーム及びロアアームの板厚を薄くしたりすることは困難である。
【0005】
本発明の課題は、サスペンション装置におけるバンプストッパに対する支持剛性を維持しながらも軽量化することができる装甲車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る装甲車は、車体と、車輪と、サスペンション装置と、バンプストッパとを備える。サスペンション装置は、第1支持部と、アッパアームと、ロアアームと、リンク部と、第2支持部とを有する。第1支持部は、車輪を回転可能に支持する。アッパアームは、車体に対して揺動可能に取り付けられる。ロアアームは、アッパアームの下方に配置され、車体に対して揺動可能に取り付けられる。リンク部は、アッパアーム及びロアアームが揺動可能に取り付けられ、アッパアームとロアアームとを連結する。第2支持部は、リンク部に接続され、車輪を操舵可能なように第1支持部を回転可能に支持する。バンプストッパは、車体に取り付けられ、リンク部の上方に配置される。また、リンク部は、リンク部が上方へ移動したときにバンプストッパに接触する受け部を有する。
【0007】
本発明の第2の態様に係る装甲車は、第1の態様の装甲車であって、車輪は、円筒状のリム部を有する。第2支持部の下端部及び上端部は、リム部内に配置される。
【0008】
本発明の第3の態様に係る装甲車は、第1又は第2の態様の装甲車であって、第2支持部の上下方向の寸法は、リンク部の上下方向の寸法より小さい。
【0009】
本発明の第4の態様に係る装甲車は、第1から第3の態様のいずれかの装甲車であって、リンク部は、第2支持部に隣接して配置される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様に係る装甲車では、従来のサスペンション装置のボールジョイントが有する操舵及び揺動の2つの支持機能を、リンク部と第2支持部とが分担する。リンク部と第2支持部とは、独立して位置設定することが可能であるので、バンプストッパがリンク部の上方に位置するように、リンク部の位置を設定することができる。また、リンク部の受け部が、バンプストッパを受ける。このため、従来のサスペンション装置のように、アッパアームの中間部がバンプストッパを受ける場合よりも、アッパアームにかかる負荷を低減することができる。これにより、アッパアームを軽量化するためにアッパアームを細くしたりアッパアームの板厚を薄くしたりしても、サスペンション装置におけるバンプストッパに対する支持剛性を維持することができる。従って、サスペンション装置におけるバンプストッパに対する支持剛性を維持しながらも装甲車の軽量化が可能である。
【0011】
本発明の第2の態様に係る装甲車では、第2支持部の下端部及び上端部は、リム部内に配置される。従って、車輪を操舵するための第1支持部の回転軸線と車輪との間の距離が小さくなる。これにより、操舵時に第1支持部及び車輪を回転させるためのステアリング構成部品への負荷が小さくなる。このため、装甲車の操作性が向上する。また、操舵時の負荷が小さくなるため、ステアリング構成部品の簡素化が可能となる。これにより、装甲車をさらに軽量化することができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る装甲車では、第2支持部の上下方向の寸法は、リンク部の上下方向の寸法より小さい。このため、設計上における第2支持部の配置の自由度を向上させることができる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る装甲車では、リンク部は、第2支持部に隣接して配置される。すなわち、バンプストッパを受けるリンク部が車輪の近傍に配置される。これにより、車輪に対する下からの突き上げ力によってリンク部及びバンプストッパが受けるモーメントを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る装甲車の斜視図。
【図2】装甲車に備えられるサスペンション装置の一部を示す斜視図。
【図3】サスペンション装置の一部の正面図。
【図4】サスペンション装置の一部の断面図。
【図5】タイヤの可動範囲を模式的に示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る装甲車1を図1に示す。装甲車1は、車体2と複数の車輪3とを備える。また、装甲車1は、図2及び図3に示すように、サスペンション装置4とバンプストッパ5とを備える。
【0016】
車体2は、図示しない車体フレームと鋼板とによって構成されている。車輪3は、サスペンション装置4によって支持されている。本実施形態では、装甲車1は、4対の左右の車輪3を備えており、合計8つの車輪3を有している。図3に示すように、車輪3は、リム部11とハブ部12とタイヤ13とを有する。リム部11は、円筒状の形状を有する。リム部11は、後述する第1支持部21と第2支持部32とが配置される内部空間を有している。リム部11の車幅方向における内方の側面は開口している。なお、本実施形態において、車幅方向における内方とは、車幅方向において車体2の中心に向かう方向を意味する。また、車幅方向における外方とは、車幅方向において車体2の中心から離れる方向を意味する。ハブ部12は、円筒状の形状を有しており、リム部11の内部空間内に配置される。タイヤ13は、ゴムなどの弾性体によって形成されており、リム部11の外周部に取り付けられる。
【0017】
サスペンション装置4は、車輪3を車輪3の軸線C1まわりに回転可能に支持すると共に、車輪3を上下方向に移動可能に支持する。サスペンション装置4は、いわゆるダブルウィッシュボーン型のサスペンションである。サスペンション装置4は、第1支持部21と、アッパアーム22と、ロアアーム23と、支持部材24と、を備える。
【0018】
第1支持部21は、車輪3を車輪3の軸線C1まわりに回転可能に支持する。図4に示すように、第1支持部21は、第1本体部25と、ステアリング回転軸部26と、ステアリングアーム部28とを有する。
【0019】
第1本体部25は、概ね円筒状の形状を有している。第1本体部25は、車輪3と同軸に配置されている。第1本体部25の車幅方向における外方の端部は、車輪3のハブ部12内に配置されており、ハブ部12を回転可能に支持している。
【0020】
ステアリング回転軸部26は、概ね上下方向に沿って延びており、後述する支持部材24の第2支持部32によって回転可能に支持される。ステアリング回転軸部26の軸線C2(以下、「ステアリング軸線C2」と呼ぶ)は、概ね上下方向に沿って延びているが、上下方向に対して僅かに傾斜している。正面視において、ステアリング軸線C2は、上方側で車幅方向における内方へ向けて傾斜している。より具体的には、ステアリング回転軸部26は、上回転軸部26aと下回転軸部26bとを有している。上回転軸部26aは、円筒状の形状を有しており、第1本体部25から上方へ突出している。下回転軸部26bは、円筒状の形状を有しており、第1本体部25から下方へ突出している。
【0021】
ステアリングアーム部28は、図示しないステアリングリンクが取り付けられる部分である。図2に示すように、ステアリングアーム部28は、第1本体部25から後方へ突出している。ステアリングアーム部28の後端部には、ステアリングリンクを取り付けるための孔28aが形成されている。
【0022】
アッパアーム22は、車体2に対して揺動可能に取り付けられている。アッパアーム22は、車幅方向に延びる細長い形状の部材である。アッパアーム22はロアアーム23よりも細い。具体的には、図3に示すように、アッパアーム22の上下方向の寸法は、ロアアーム23の上下方向の寸法よりも小さい。アッパアーム22の車幅方向における内方の端部、すなわち、アッパアーム22の車体2側の端部には、前後方向に貫通する孔が形成されている。車体2に形成された孔とアッパアーム22の車体2側の端部の孔とには、ピンが挿入される。これにより、アッパアーム22の車体2側の端部が車体2に対して揺動可能に取り付けられる。図4に示すように、アッパアーム22の車幅方向における外方の端部、すなわち、アッパアーム22の車輪3側の端部には、前後方向に貫通する孔22aが形成されている。後述するリンク部31に形成された孔31fとアッパアーム22の車輪3側の端部の孔22aとには、ピン51が挿入される。これにより、アッパアーム22の車輪3側の端部がリンク部31に対して揺動可能に取り付けられる。
【0023】
ロアアーム23は、アッパアーム22の下方に配置される。ロアアーム23は、車体2に対して揺動可能に取り付けられる。ロアアーム23の車体2側の端部は、アッパアーム22よりも幅広の形状を有している。図2に示すように、ロアアーム23の車体2側の端部は2つに分岐した形状を有しており、第1取付部23aと第2取付部23bとが設けられている。第1取付部23aと第2取付部23bとは、前後方向に互いに離れて配置されている。第1取付部23aと第2取付部23bとには、前後方向に貫通する孔がそれぞれ形成されている。第1取付部23aの孔と、車体2に形成された孔とには、ピンが挿入される。また、第2取付部23bの孔と、車体2に形成された孔とには、ピンが挿入される。これにより、ロアアーム23の車体2側の端部が車体2に対して揺動可能に取り付けられる。なお、各ピンには前後方向に貫通する孔が形成されており、トーションバー29が各ピンの孔に挿入される。ロアアーム23の車輪3側の端部は、ロアアーム23の車体2側の端部よりも幅狭の形状を有する。図4に示すように、ロアアーム23の車輪3側の端部には、前後方向に貫通する孔23cが形成されている。後述するリンク部31に形成された孔31gとロアアーム23の車輪3側の端部の孔23cとには、ピン52が挿入される。これにより、ロアアーム23の車輪3側の端部がリンク部31に対して揺動可能に取り付けられる。
【0024】
支持部材24は、第1支持部21とアッパアーム22とロアアーム23とを連結する部材である。支持部材24は、リンク部31と第2支持部32とを有する。
【0025】
リンク部31には、アッパアーム22及びロアアーム23が揺動可能に取り付けられる。リンク部31は、アッパアーム22とロアアーム23とを連結する。リンク部31は、第2支持部32に対して車幅方向における内方に配置されており、第2支持部32に隣接している。リンク部31は、リンク本体部31aと、受け部31bとを有する。
【0026】
リンク本体部31aは、上下方向に延びた形状を有している。リンク本体部31aの上端部には、前後方向に貫通する孔31fが形成されている。また、リンク本体部31aの上端部には、溝部31cが形成されている。上述したアッパアーム22の車輪3側の端部は、この溝部31cに挿入される。そして、アッパアーム22の車輪3側の端部の孔22aとリンク本体部31aの上端部の孔31fとにピン51が挿入される。リンク本体部31aの上端部と同様に、リンク本体部31aの下端部には、前後方向に貫通する孔31gが形成されている。また、リンク本体部31aの下端部には、溝部31dが形成されている。上述したロアアーム23の車輪3側の端部は、この溝部31dに挿入される。そして、ロアアーム23の車輪3側の端部の孔23cとリンク本体部31aの下端部の孔31gとにピン52が挿入される。また、図2に示すように、リンク本体部31aの上下方向における中間部は、前方及び後方へ向けて膨出するように湾曲した形状を有する。また、図2及び図4に示すように、このリンク本体部31aの中間部には、車幅方向に貫通する孔31eが設けられている。
【0027】
受け部31bは、リンク本体部31aの上端部に取り付けられている。受け部31bは、板状の形状を有している。受け部31bの上面は平坦な形状を有する。受け部31bは、リンク本体部31aの上端部の溝31c及び溝31c内に配置されたアッパアーム22の車輪3側の端部を上方から覆うように配置されている。受け部31bは、リンク部31が上方へ移動したときに、後述するバンプストッパ5に接触する。
【0028】
第2支持部32は、リンク部31の車幅方向における外方に位置している。第2支持部32は、リンク部31に接続されている。具体的には、第2支持部32は、リンク部31と一体的に形成されている。すなわち、リンク部31と第2支持部32とは、それぞれ1部品に含まれる部分である。第2支持部32は、車輪3を操舵可能なように、第1支持部21をステアリング軸線C2まわりに回転可能に支持する。第2支持部32は、上支持部32aと下支持部32bとを有している。上支持部32aは、リンク部31の上端部から車幅方向における外方へ突出している。上支持部32aは、上下方向に貫通する孔32cを有している。下支持部32bは、リンク部31の下端部から車幅方向における外方へ突出している。下支持部32bは、上下方向に貫通する孔32dを有している。上支持部32aの孔32cと下支持部32bの孔32dとの軸線は、上述したステアリング軸線C2と一致している。上支持部32aと下支持部32bとの間には、上述した第1支持部21のステアリング回転軸部26が配置される。また、上支持部32aの孔32cと、上述した第1支持部21の上回転軸部26aの孔26cとには、ピン53が挿入される。また、下支持部32bの孔32dと、上述した第1支持部21の下回転軸部26bの孔26dとには、ピン54が挿入される。これにより、第1支持部21が第2支持部32によって車輪3のステアリング軸線C2まわりに回転可能に支持される。また、図3に示すように、上支持部32aと下支持部32bとは、車輪3のリム部11内に配置されている。すなわち、第2支持部32の下端部及び上端部は、リム部11内に配置されている。また、上支持部32aは、リンク部31の上端よりも下方に位置している。下支持部32bは、リンク部31の下端よりも上方に位置している。すなわち、図4に示すように、第2支持部32の上下方向の寸法H1は、リンク部31の上下方向の寸法H2より小さい。
【0029】
図3に示すように、バンプストッパ5は、車体2に取り付けられる。バンプストッパ5は、リンク部31の上方に配置される。バンプストッパ5は、接触部33と取付部34とを有する。接触部33は、概ね円筒状の形状を有しており、ゴムなどの弾性体によって形成されている。接触部33は、上述したリンク部31の受け部31bの上方に位置している。接触部33は、アッパアーム22が上方に移動したときに、受け部31bに接触する。接触部33は、取付部34に固定されている。取付部34は、鋼板などによって形成されており、車体2に固定されている。具体的には、取付部34は、車体2のタイヤハウス20の側面に取り付けられている。
【0030】
本実施形態に係る装甲車1は、以下の特徴を有する。
【0031】
装甲車1が備えるサスペンション装置4では、リンク部31と第2支持部32とが、従来のサスペンション装置4のボールジョイントが有する操舵及び揺動の2つの支持機能を分担する。リンク部31と第2支持部32とは、独立して位置設定することが可能であるため、第2支持部32をリム部11内に配置すると共に、リンク部31をリム部11の外に配置することが可能である。これにより、バンプストッパ5がリンク部31の上方に位置するように、リンク部31の位置を設定することができる。
【0032】
リンク部31の受け部31bが、バンプストッパ5を受ける。このため、従来のサスペンション装置4のように、アッパアーム22の上面がバンプストッパ5を受ける場合よりも、アッパアーム22にかかる負荷を低減することができる。これにより、アッパアーム22を細くしたりアッパアーム22の板厚を薄くしたりしても、サスペンション装置4におけるバンプストッパ5に対する支持剛性を維持することができる。すなわち、アッパアーム22を軽量化しても、サスペンション装置4におけるバンプストッパ5に対する支持剛性を維持することができる。従って、サスペンション装置4におけるバンプストッパ5に対する支持剛性を維持しながらも装甲車1の軽量化が可能である。
【0033】
第2支持部32の下端部及び上端部は、リム部11内に配置される。従って、ステアリング軸線C2と車輪3との間の距離が小さくなる。これにより、操舵時に第1支持部21及び車輪3を回転させるためのステアリング構成部品への負荷が小さくなる。このため、装甲車1の操作性が向上する。また、操舵時の負荷が小さくなるため、ステアリング構成部品の簡素化が可能となる。これにより、装甲車1の軽量化が可能となる。さらに、図5に示すように、操舵する際のタイヤ13の移動距離が小さくなるため、車体2に設けられるタイヤハウス20を小さくできる。これにより、装甲車1を小型化することができる。或いは、装甲車1の室内幅を大きくすることができる。なお、図5(a)は、本実施形態に係る装甲車1の操舵時のタイヤ13の移動範囲を示している。図5(b)は、比較例に係る装甲車の操舵時のタイヤ92の移動範囲を示している。比較例に係る装甲車では、サスペンション装置は、キングピン91を有しており、キングピン91によってタイヤ92が操舵可能なように取り付けられている。また、キングピン91は、リブ部の外に位置している。
【0034】
第2支持部32の上下方向の寸法H1は、リンク部31の上下方向の寸法H2より小さい。このため、第2支持部32の配置の自由度が高い。従って、設計上、第2支持部32をリム部11の中に配置することが容易となる。また、第2支持部32をリム部11の中に配置するために、リム部11を拡大する必要がない。このため、車輪3が大型化することを抑えることができる。
【0035】
リンク部31は、第2支持部32に隣接して配置される。すなわち、バンプストッパ5を受けるリンク部31が車輪3の近傍に配置される。これにより、車輪3に対する下からの突き上げ力によってリンク部31及びバンプストッパ5が受けるモーメントを低減することができる。これにより、受け部31bの構造を簡素化することができ、装甲車1をさらに軽量化することができる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0037】
車輪3の数は上記のように8つに限らず、4輪以上であればよい。
【0038】
リンク部31と第2支持部32とは別体の部品として形成され、固定手段によって互いに固定されてもよい。
【0039】
バンプストッパ5は、タイヤハウス20の側面に限らず、車体2の他の部分に固定されてもよい。例えば、バンプストッパ5が車体フレームに固定されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、サスペンション装置におけるバンプストッパに対する支持剛性を維持しながらも軽量化することができる効果を有する。従って、本発明は、装甲車として有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 装甲車
2 車体
3 車輪
4 サスペンション装置
5 バンプストッパ
11 リム部
21 第1支持部
22 アッパアーム
23 ロアアーム
31 リンク部
32 第2支持部
31b 受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
車輪と、
前記車輪を回転可能に支持する第1支持部と、前記車体に対して揺動可能に取り付けられるアッパアームと、前記アッパアームの下方に配置され前記車体に対して揺動可能に取り付けられるロアアームと、前記アッパアーム及び前記ロアアームが揺動可能に取り付けられ前記アッパアームと前記ロアアームとを連結するリンク部と、前記リンク部に接続され前記車輪を操舵可能なように前記第1支持部を回転可能に支持する第2支持部と、を有するサスペンション装置と、
前記車体に取り付けられ前記リンク部の上方に配置されるバンプストッパと、
を備え、
前記リンク部は、前記リンク部が上方へ移動したときに前記バンプストッパに接触する受け部を有する、
装甲車。
【請求項2】
前記車輪は、円筒状のリム部を有し、
前記第2支持部の下端部及び上端部は、前記リム部内に配置される、
請求項1に記載の装甲車。
【請求項3】
前記第2支持部の上下方向の寸法は、前記リンク部の上下方向の寸法より小さい、
請求項1又は2に記載の装甲車。
【請求項4】
前記リンク部は、前記第2支持部に隣接して配置される、
請求項1から3のいずれかに記載の装甲車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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