説明

装飾容器

本発明は、容器としての機能を維持しつつ装飾が可能となるものであって、装飾を施しまたは装飾を変更し得る装飾容器を提供するとともに、容器に封入される内容物の有無または状態を判別できる装飾容器を提供することである。すなわち、外側表面の一部を凹状にしてなる凹状部(12)を有する容器本体(1)と、この容器本体に着脱可能に設けられた着脱部(2)と、この着脱部に設けられる装飾部(3)とで構成されたものである。そして、上記装飾部(3)は、着脱部(2)を上記容器本体(1)に装着したとき、上記凹状部(12)の内部に配置されるものである。これにより、容器本体(1)の内側に設けられた凹状部(12)に装飾部(3)を配置させることができ、装飾部(3)の有無に関係なく内容物を確認できる。また、着脱部(2)の着脱により当該装飾部(3)を容易に交換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、飲料容器などのガラス製またはプラスチック製の容器において、これらの容器に装飾部を着脱可能に設けることによって、全体的な装飾を可能とする容器に関するものである。
【背景技術】
一般的に、流通する容器の装飾は、容器の形状に意匠性を有してなる構成としたもの、または、装飾したラベル等を表面に貼付してなるものであり、容器に封入される内容物(製品)を製造するメーカが、当該製品の購買意欲を向上させることを目的として、そのメーカによってのみ装飾されるものであった。この場合、上記容器入りの製品を販売する者が独自の装飾を施して販売し、また、購入した者がこれを装飾品として利用することは予定されていなかった。
そこで、容器を装飾品として利用するものが発案されており、内容物を使用等した後の空容器を装飾するものとしては、実開昭55−656号公報において開示されるものがあった。これは、空き瓶を骨子とし、その瓶首部が上半身となり、かつ瓶胴部が下半身となるように、化粧紙をもってその瓶体形に沿わせて被覆し、瓶口に人形頭部を装着して人形本体を作成するものであった。また、内容物の有無にかかわらず装飾し得るものとしては、実開昭56−104587号公報において開示されるものがあり、これは、人形の上半身体に連続する栓体を設けて、この栓体をボトルの口に差し込んで全体をボトルに立て、衣裳でボトルを被包するなどにより人形を構成するものがあった。
しかしながら、上記従来技術は、いずれも容器全体を人形として装飾するものであり、容器としての機能を消失させるものであって、装飾された容器というものではなかった。また、上記のような装飾には、容器全体を被覆するものであるため、装飾後において、容器に封入される内容物を使用することが予定されておらず、また、内容物の有無および状態を判別することが困難であって、容器としての使用を実用的にする装飾ではなかった。
【発明の開示】
本発明の目的とするところは、容器としての機能を維持しつつ装飾が可能となるものであって、メーカのみならず販売者または購入者においても装飾を施しまたは変更し得る容器を提供するとともに、内容物が封入されている状態において、その内容物の判別が可能な装飾容器を提供することである。
上記目的を達成するために、内容物を封入できる容器本体とは別個の部材として装飾部を構成し、この装飾部を容器本体に装着することによって装飾可能な容器とするものである。その発明の要旨は、外側表面の一部を凹状にしてなる凹状部を有する容器本体と、この容器本体に着脱可能に設けられた着脱部と、該着脱部に設けられ、該着脱部を上記容器本体に装着したとき上記凹状部の内部に配置される装飾部とを備えたことを特徴とする装飾容器である。この発明により、容器本体の凹状部に装飾部を配置させることができ、着脱部の着脱により当該装飾部を交換することができる。また、装飾は、容器本体に設けられる凹状部においてなされるため、容器本体が装飾で覆われることもなく、容器本体の内容物を確認することができる。
上記発明において、容器本体の凹状部は、該容器本体の底面から容器の内側に膨出させ、この凹状部の下端周辺によって上記容器の底部を構成してなり、また、着脱部は、上記容器の底部に着脱可能に構成されてなるようにすることができる。この場合、通常の状態で保存される際の容器本体は、着脱部の上側に載置されることとなり、安定した状態となる。
また、上記発明において、容器本体には、その一部に着脱部の係止を許容する被係止手段が設けられ、他方の着脱部には、上記被係止手段に係止可能な係止手段が設けられる構成とすることができる。この場合、所定の被係止手段に対して、着脱部の係止手段を係止させることによって、着脱部を装着し得ることとなるから、異なる装飾部を有する他の着脱部に交換することが容易となる。
そして、上記の被係止手段としては、前記容器本体の一部表面に設けられた係止用溝部または係止用突起により構成されたものとし、係止手段としては、上記係止用溝部に係入し、または、上記係止用突起の係入を許容してなる構成のものとすることができる。この場合、両者が係止されることで着脱部を容器本体に装着でき、また、その離脱も容易となる。
さらに、着脱部について、容器本体の底部を載置できる基部と、この基部の外周に配置される周壁部とで構成することができ、この着脱部の周壁部が、上記容器本体に係止されてなる構成とすることができる。この場合、周壁部が容器本体を係止しつつ、当該周壁部が基部と一体となって着脱部となるから、上記係止を強固なものとすることができる。このとき、容器本体の被係止手段として、底面外周に設けられた環状突起で構成し、基部および周壁部が上記環状突起を挟持するように構成することにより、基部と周壁部とを一体化すると同時に容器本体との係止を可能にすることができる。そして、周壁部を容器本体の底部に容易に装着させるためには、容器本体の底面が該容器全体のうち最も大きな面積であり、上記の周壁部は、上記容器本体の上端から挿通可能な筒状の周壁部であることが好ましい。このように構成することにより、容器本体を基部上に載置させ、周壁部を容器の上端から挿通させることで、周壁部を容易に基部まで移動させることができ、容器本体の底部において、基部との一体化を容易になし得ることとなる。この一体化において、容器本体の環状突起を挟持させることができるようになるのである。
本発明の変形例としては、底部断面を所定の広さに形成してなる容器本体と、この容器本体の底面から該容器の内側に膨出させてなる凹状部と、この凹状部の下端周辺によって構成された断面環状の容器底部と、この容器底部に着脱可能に設けられた着脱部と、該着脱部に支持されてなる装飾部とを備え、上記容器底部は、その断面環状の外周面または内周面の少なくともいずれか一方に被係止手段が設けられ、上記着脱部は、上記容器底部の外周面または内周面のうち、上記被係止手段が設けられる側に当接する当接部と、この当接部において上記被係止手段を係止する係止手段とを設け、該着脱部を上記容器本体に装着するとき上記凹状部の内部に上記装着部が配置されてなることを特徴とする装飾容器がある。この発明によれば、容器本体の環状断面の底部において、その外周面または内周面に当接する状態で着脱部を係止させることができるから、容器本体の底部に着脱部を一体的に装着し得る。
上記発明においても、着脱部を基部と周壁部とで構成することができ、基部は、容器本体の底面が当接されて該容器本体を載置できるように構成され、周壁部は、この基部の外周に配置されるように構成されることにより、被係止手段は、容器底部の外周面に突設された環状突起で構成することができ、係止手段は、上記基部と周壁部とで環状突起を挟持する構成とすることができる。このように構成することにより、容器本体の底部において着脱部の一体的な装着を強固な状態とすることができる。
また、容器本体の底部外形を円形にするとともに、凹状部の断面形状を円形として、容器底部を断面円環状に形成し、この外周面または内周面の少なくともいずれか一方にネジ溝またはネジ山で構成される被係止手段を設け、前記当接部には、上記ネジ溝またはネジ山に螺合するネジ山またはネジ溝によって係止手段が構成されるようにすることができる。この場合、被係止手段と係止手段はネジの締着およびその解除と同様な方法により、着脱部を容器本体に着脱できることから、その操作が非常に簡便である。
上記各発明においては、着脱部に支持されてなる台部が装飾部に備えられ、この台部に電源および録音・再生装置が内蔵される構成とすることができる。このような構成にすれば、装飾部による装飾効果のほかに、音響効果を得ることができ、装飾の効果的な演出を可能にすることができる。また、上記の装飾部に設けられる台部には、電源および駆動装置が内蔵され、この駆動装置に連結されて回転する装飾体を設置することもかのうである。この場合、装飾体は台部に設置されることから、台部の一部が上記駆動装置で回転するように構成することが好ましい。このような回転する装飾体を設けることで、単なる静的な装飾効果に加えて、動的な装飾効果を得ることができる。さらに、台部には、電源および駆動装置のほかに、録音・再生装置をも同時に内蔵することで、上記動的な装飾効果を音響効果とともに得ることができる。
そこで、前記録音・再生装置としては、ICメモリを有して構成されてなる録音・再生装置を使用することができる。この場合、音楽的な録音のみならず、メッセージなどをICメモリに容易に記録させることができるので、贈答用としてメッセージカードに代えて音声とともに贈呈することができる。
また、一方では、電源に電磁スイッチを接続し、この電磁スイッチには、電磁スイッチ駆動回路と、外部の音を感知する音センサと、音センサの信号に基づいて上記電磁スイッチ駆動回路に対し信号を出力するコントローラとが接続され、上記音センサが音を感知するとき、前記録音・再生装置または前記駆動装置に電源を供給するように構成することも可能である。この場合、音センサが所定音量以上の音を感知すると、電源供給を開始し、これにより装飾体を回転させたり、再生装置を作動させることも可能となる。
上記いずれの発明においても、容器内に内容物が封入され、特に液体が封入されることにより、光の反射や屈折などにより、凹状部に配置された装飾体が幻想的な装飾効果を発揮することとなる。また、いずれの発明においても、凹状部および被係止手段の存在を除けば、容器本体は、一般的な容器として機能するものであり、これに封入される内容物を販売するための容器として使用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施形態を示す説明図である。第2図は、実施形態の装飾部の構造を示す説明図である。第3図は、実施形態の第1の変形例を示す説明図である。第4図は、実施形態の第2の変形例を示す説明図である。第5図は、実施形態の第3の変形例を示す説明図である。第6図は、実施形態の第3の変形例における装飾部の装着構造を示す説明図である。第7図は、実施形態の第4の変形例を示す説明図である。第8図は、実施形態の第5の変形例を示す説明図である。第9図は、各実施形態に使用できる制御方法を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
第1図に示す本発明の実施形態は、飲料等の透明または半透明の内容物を封入する容器本体1と、この容器本体1に着脱可能な着脱部2と、この着脱部2に設けられた装飾部3とで構成されたものである。容器本体1は、ガラス製またはプラスチック製からなる透明または半透明の容器であり、この本体部分中央に凹状部12が構成されるものである。この凹状部12は、容器本体1の外側表面が内部に入り込んだ形状に、すなわち外側表面が容器本体1の内側に向けて膨れるように張り出した(膨出した)状態で構成されている。また、着脱部2は、容器本体1に対して任意に選択された位置で着脱できるものであるが、上記凹状部12が設けられている部分に装着されるものであり、本実施形態では、専ら容器本体1の底部に着脱するものとして構成している。
本実施形態では、その容器本体1の底部外形が円形となるものであって、この底面11のほぼ中央から容器本体1の内部に向けて大きな凹状を形成する凹状部12が構成されている。また、この凹状部12は略円柱形の中空部として形成されており、結局のところ、容器本体1の底面11は、円環状に形成されることとなるものである。そして、容器本体1の下端周辺部13の外側表面には、ネジ山14が形成されており、このネジ山14をもって被係止手段が構成されている。
一方、着脱部2は、上記容器本体1の底部周辺部13を包囲し得る大きさで、上部を開口してなるキャップ状に形成されており、その内部側面には、上記容器本体1の下部周辺部13のネジ山14に螺合し得るネジ溝21が設けられており、当該ネジ溝21によって係止手段が形成され、ネジ山14およびネジ溝21の螺合によって、着脱部2を容器本体1に装着できる構造となっている。
装飾部3は、上記着脱部2のほぼ中央に設けられた台部31と、この台部31の上部に設置された装飾体32とで構成されている。台部31は、容器本体1の凹状部12に遊嵌できるように構成され、上記着脱部2を容器本体1に装着するとき、台部31が凹状部12に挿入されるようになっている。そして、この台部31に装飾体32が設置されるのである。この装飾体32としては、人形を使用することができるほか、他の種類のものを装着することができる。また、この台部31に、電池ボックスおよび駆動装置等を内蔵することによって、駆動装置に装飾体32を接続させることができ、当該装飾体32に所定の動作を与えることができる。なお、上記装飾体32に駆動装置を内蔵させ、この駆動装置に電池ボックスから電源を供給することによって、上記人形等を回転させ、または上下動させるものであってもよく、駆動装置としては、モータのほかにゼンマイなどを使用することも可能である。
上記のような構成から、上記着脱部2を容器本体1に装着するとき、装飾体32が容器本体1の凹状部12の内側に配置されることとなるので、装飾体32は、容器本体1の内容物とは無関係に当該容器本体1の内部に配置され、容器本体1を透過して視認されるものである。従って、容器全体は、装飾体32によって装飾されることとなり、また、内容物が封入された状態においても、当該内容物とともに装飾体32により容器全体が装飾され得るのである。
このように、本実施形態では、装飾体32を備える台部31が着脱部2とともに容器本体1に着脱できるものであるから、この着脱部2を交換することにより、装飾体32の交換が容易となるものである。即ち、容器本体1に封入される内容物により、また、記念品または贈答品などの目的により、これらに最適な装飾体32を選択してこれを装着することができ、また、複数の着脱部2を予め用意することにより、使用者である販売者または購入者において、適宜交換することが可能となるものである。
この変更可能な装飾体32としては、例えば、贈答用として使用する場合には、慶事の中でも結婚や出産など種々の態様が考えられ、結婚の際の贈答品としては、新郎および新婦をイメージした人形を装飾体32とすることなどが可能となる。また、ビジネス用の記念品としては、新製品の開発披露においては、当該新製品のレプリカを装飾体32とすることや、スポーツ選手の記録達成記念等であれば、当該選手をモデルとした人形を装飾体32とすることが可能となる。そして、着脱部2の交換によるため、内容物の種類はこれを問うことがなく、洋酒のほかに清涼飲料を内容物とする飲料容器に使用することができる。さらに、液体化粧品を内容物とする化粧容器に使用することも可能である。
ここで、装飾部3の構造について詳細に説明すれば、第2図に示すように、台部31の内部には、電源としての電池ボックス33と、これに接続されるモータMとが設けられ、モータMの回転力は、ターンテーブル35に伝達される。ターンテーブル35は、台部31の上面ほぼ中央に設けられた丸孔に合わせて配置されており、台部31の一部を構成するようになっている。また、上記電池ボックス33にはスイッチ36が接続され、このスイッチ36は、着脱部2の底面22に設けられており、着脱部2を容器本体1に装着した状態おいて電源供給の入切が操作できるものである。
また、上記電池ボックス33の電源に接続するICレコーダ37を設けることも可能である。この場合、ICレコーダ37に予め所望の音楽等を録音させることにより、上記スイッチ36の操作により電源供給されると、モータMの始動とともに、ICレコーダ37をも作動させることができ、録音された音楽等をスピーカ38から出力させることができるのである。また、このICレコーダにマイクを接続すれば、使用者の任意の音や言葉を録音させることも可能となり、用途が広がることとなるものである。そして、上記ICレコーダ37に代えて、ミニディスク(MD)や磁気カセットテープレコーダ等を設けることにより、以前から使用していた音楽等を再生することも可能であり、また、他の録音装置により録音した音楽等を本実施形態により再生することが可能となるものである。なお、上記以外の録音・再生装置を使用する構成とするものであってもよく、オルゴールを使用するものでもよい。
本実施形態は、上記のような構成であるので、装飾体32が収容されるスペースは、容器本体1の内部ではなく、底面11から内側に凹状を形成させてなる凹状部12であることから、内容物とは全く無関係に装飾体32を容器の内側に収容させることができるものである。従って、装飾には、容器本体1の内容物の存否にかかわらず、即ち、内容物が封入されていても、装飾体32による装飾が可能となるものである。また、装飾体32は、容器本体1の内側に形成される凹状部12に設けられ、その周辺には容器本体1が存在するものであるから、容器本体1に内容物が存在するか否かは一目瞭然となる。そして、内容物による光の屈折によって、装飾体32が拡大されることがあり、幻想的な装飾効果を得ることができる。また、当該内容物が色彩を有するものである場合、この内容物の色彩が装飾物の色彩と相俟って、装飾体32に異なる色彩を与えることができ、内容物の種類によって、または、内容物の存否によって、異なる装飾効果を与えることができる。
また、着脱部2を容器本体1から分離させた状態において、上記容器本体1の底面11は、円環状の平面を有することとなるので、着脱部2を装着しない状態においては、通常の容器と同様に使用できるものであり、また、着脱部2を交換することによって装飾部3を異なる態様とすることができるのである。しかも、着脱部2の容器本体1との着脱は、容器本体1のネジ山14と着脱部2のネジ溝21との螺合によるものであるので、上記着脱部2の着脱は極めて容易となるものである。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。第1の変形例は、第3図に示すように、容器本体101に設けられる凹状部112の内側周辺部113の下端付近にネジ溝114が設けられ、一方の着脱部102は台部131と一体的に構成されるとともに、台部131の外周部にネジ山121が設けられているものである。この台部131が容器本体101の凹状部111に螺入することによって、着脱部102の全体が容器本体101に装着されるものである。
第3図に示す実施形態では、着脱部102と台部131が一体的に構成されており、台部131の内部は中空に構成されている。そして、この中空部に装飾部103を内設することによって、台部131と装飾部103とを一体化するものである。この場合、装飾部103は、着脱部102の本体部分122の下面123から挿入することによって内設できるものであり、さらに、底面部124によって装飾部103の底面が構成され、この底面部124を着脱部102の本体部分122の下面123に固着することによって、装飾部103を固定するものである。このようにして設けられた装飾部103は、基本的な構成は第1図に示す実施形態と同様であり、台部131を設けるとともに、この台部131の内部には、電池ボックスや駆動装置を備えるものであり、また、種々の態様をとり得るものである。
そこで、第2の変形例として、上記第1の変形例における着脱部102の本体部分122に録音・再生装置を内蔵してなるものがある。この変形例は第4図に示されている。この図に示すように、第2の変形例は、着脱部102の本体部分122を厚肉とするとともに、内部を中空にし、当該中空部分に録音・再生装置104を内蔵したものである。この録音・再生装置104は、ミニディスク(MD)のような記憶媒体141を使用する場合、当該記憶媒体141を抜き差しできる入出部142が設けられ、当該入出部142は、着脱部102が容器本体に装着した状態でも使用できるものである。また、上記の録音・再生装置104は、台部131に内蔵される電池ボックス133に接続されており、この電池ボックス133からの電源供給によって駆動するものである。
なお、上記電池ボックス133からの電源供給については、着脱部102の本体部分122の下面に設けたスイッチ136によって操作することができるものであるが、録音・再生装置104を操作するためのスイッチを個別に設置するものであってもよい。また、上記録音・再生装置104には、スピーカ138が設けられているとともに、上記着脱部102の本体部分122には、スリット部143が設けられ、録音・再生装置104で再生される音楽等を外部に伝達させることができるようになっている。
さらに、第3の変形例について説明すれば、この変形例は、第5図に示すように、係止の形態が異なるものであって、具体的には、容器本体201の底面外周に環状突起215が設けられ、また、前述の実施形態における着脱部が、基部205および周壁部206により構成されたものである。容器本体201に設けられた環状突起215は、その底面の外周全体が外向きに突出するように構成されて、被係止手段として機能するものであり、他方、基部205と周壁部206とによって、上記環状突起215を挟持することにより係止手段として機能するものである。
上記係止形態の詳細について説明すれば、着脱部を構成する周壁部206は、全体形状が略筒状に構成されており、筒状周壁部206の内径は、容器本体201の環状突起215と同程度に設けられ、この周壁部206を容器本体201に挿通できるものである。また、筒状周壁部206の一方端縁261には、内部に向けて突出する係止面部262が構成され、この係止面部262の内径は、容器本体201の環状突起215よりも小さく、かつ、容器本体201の外径よりも大きく構成されている。また、筒状周壁部206の他方端縁263には上記係止面部262は構成されていないのである。そこで、筒状周壁部206を容器本体201に挿通させるとき、一方端縁261においてのみ、係止面部262が環状突起215に係止するように構成されているのである。
他方、基部205は、容器本体201の底面に当接する当接面251が設けられ、その大きさは、環状突起215の径と同程度の外径を有して構成されている。この基部205の当接面251には、台部231および装飾体232が設けられ、この基部205に容器本体201の底面を載置させるとき、上記台部231および装飾体232が容器本体201の凹状部212の内側に配置されるようになっている。
そこで、上記のように、基部205の当接面251に容器本体201の底面を載置し、さらに、他方端縁263を下向きにした周壁部206を容器本体201の上端から挿通させることにより、この周壁部206を基部205に到達させることができる。この周壁部206の他方端縁263には係止面部262が設けられていないため、周壁部206の内面は基部205を包囲する状態まで下降させることができ、十分に周壁部206が下降した状態で、当該周壁部206の一方端縁261の係止面部262が容器本体201の環状突起215を係止することとなる。さらに、この状態で、基部205と周壁部206とを一体的に連結することにより、基部205および周壁部206が容器本体201に装着されるのである。この状態は、第6図に示されている。
この第6図に示されているように、容器本体201の底面外周に設けられる環状突起215は、基部205と周壁部206とによって挟持される状態で固定されている。この挟持状態を維持するため、および、基部205と周壁部206との一体化を維持するため、両者を貫通するネジ207,208が使用されている。このネジ207,208の締着によって周壁部206基部205に固定させることができるが、基部205(すなわちこれに設けられる装飾体232)を交換する場合には、このネジを緩めることによって、周壁部206から容易に離脱させることも可能にしているのである。
なお、この変形例の基部205は、周壁部206が重なるような壁面252を有しており、当接面251を容器本体201の底面に当接させるとき、壁面252の内側が中空となるように構成されており、前述の実施形態(図2)におけるスイッチ36を設置できるようになっているのである。
以上は、容器本体1,101の底面形状が円形である場合の装飾装置にかかる実施形態であるが、容器本体の底面形状が略四辺形である場合の変形例もある。この変形例は、第7図および第8図に示している。第7図に示す第4の変形例は、容器本体301の底部付近に線状の係止溝314を設けるとともに、着脱部302には、係止片部325および係入突起321が設けられ、上記容器本体301の係止溝314に上記着脱部302の係入突起321を係入させることによって、着脱部302を容器本体301に装着できるものである。
上記係止片部325は、略四辺形状の対向する二つの短辺部分を上方に折曲して構成されたものであって、プラスチック等の合成樹脂製で構成され、僅かに許容される弾性変形を利用して、係止片部325が幅方向に広がって容器本体301の側面を係入突起321が移動し、容器本体301の係止溝314に係入したとき、係入突起321が係止溝314に係入して、係止片部325の幅を復元するものであり、これにより、係止片部325が容器本体301に係止され、装着されるのである。なお、本実施形態においては、凹状部312の形状も略四角柱形状に形成されるため、これに遊嵌できるように、台部331の形状も略四角柱形状としている。また、台部331に載置する装飾体332は、回転こそできない態様となっているが、容器本体301の内部に設ける凹状部312の内側に配置され、装飾されるものである。
また、第8図には、第5の変形例として、着脱部を基部305と周壁部306とで構成したものが示されている。この変形例は、上述した第3の変形例の容器本体201が異なる形状の容器本体301となったものであり、容器本体301の形状に合致するように、各部の形状を変更したものである。
次に、その他の変形例について説明する。本発明の実施形態および変形例については上記のとおりであるが、これらの実施形態および変形例に対して、他の構成を付加することが可能であり、本発明に影響のない範囲において、種々の態様をとることができるものである。例えば、上記各実施形態においては、凹状部12,112,212,312は容器本体1,101,201,301の底面11,111,211,311から容器内側に形成してなる構成としたが、底面11,111,211,311ではない側面から容器内側に形成するものであってもよい。この場合、装飾部3,103,203,303は、当該凹状部12,112,212,312が構成される位置に装着可能に設けられることとなる。
また、上記実施形態においてICレコーダ37を使用し、また、第1の変形例において録音・再生装置104を使用し、これにより音楽等を録音および再生できる装置であることを説明したが、上記装置に代えて、他の音楽等の発生装置を使用するものであってもよい。さらに、装飾体32の駆動装置としてモータMを使用し、専ら回転運動のみを駆動させ、これにより装飾体32を回転させる構成についてのみ示したが、装飾体32のそのものに駆動装置を内蔵し、これに台部に内蔵した電池ボックスからの電源を供給することによって、装飾体32を作動させる構成とすることができる。この場合、装飾体32が人形であれば、人形の特徴に応じた動作を実現させるものが予定されるが、上記容器本体1の凹状部12の範囲内で作動できるものであれば、奇抜な動作をさせるものであってもよい。上記のような構成は、変形例においても同様に使用することができる。
さらに、上記実施形態において、電池ボックスからの電源供給は、スイッチ36を手動で操作することとしているが、この電池ボックスに音センサを接続するとともに、他の回路の開閉を操作する電磁スイッチを設け、上記音センサが所定音量の音を感知するとき、電磁スイッチを作動させて他の回路への電源供給を可能にしてなる構成とするものであってもよい。このとき、電磁スイッチの制御は、第9図に示すように、音センサにより感知した信号をコントローラによって判定するとともに、コントローラによる信号により電磁スイッチ駆動回路を作動させ、電磁スイッチを操作する構成とするものである。上記コントローラには、予めタイマー設定が可能であり、これにより、音センサが音を感知したと判別した後、所定時間を経過するまでは感音状態を維持する構成とすることができるのである。上記構成についても、他の変形例に使用することが可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側表面の一部を凹状にしてなる凹状部を有する容器本体と、この容器本体に着脱可能に設けられた着脱部と、該着脱部に設けられ、該着脱部を上記容器本体に装着したとき上記凹状部の内部に配置される装飾部とを備えたことを特徴とする装飾容器。
【請求項2】
前記容器本体の凹状部は、該容器本体の底面から容器の内側に膨出させてなる凹状部であり、この凹状部の下端周辺によって上記容器の底部を構成してなり、前記着脱部は、上記容器の底部に着脱可能に構成されてなる着脱部である請求項1に記載の装飾容器。
【請求項3】
前記容器本体は、その一部に着脱部の係止を許容する被係止手段を有する容器本体であり、前記着脱部は、上記被係止手段に係止可能な係止手段を有する着脱部である請求項1または2のいずれか1項に記載の装飾容器。
【請求項4】
前記被係止手段は、前記容器本体の一部表面に設けられた係止用溝部または係止用突起で構成された被係止手段であり、前記係止手段は、着脱部の一部に設けられ、上記係止用溝部に係入し、または、上記係止用突起の係入を許容してなる係止手段である請求項3に記載の装飾容器。
【請求項5】
前記着脱部は、前記容器本体の底部を載置できる基部と、この基部の外周に配置される周壁部とで構成されてなる着脱部であり、この着脱部の周壁部が、上記容器本体に係止されてなる請求項1または2のいずれか1項に記載の装飾容器。
【請求項6】
前記容器本体は、その底面外周に設けられた環状突起で構成されてなる被係止手段を有し、前記着脱部は、前記基部と前記周壁部とによって上記環状突起を挟持する構成の係止手段を有してなる請求項5に記載の装飾容器。
【請求項7】
前記容器本体は、その底面が該容器全体のうち最も大きな面積を備え、前記着脱部の周壁部は、上記容器本体の上端から挿通可能な筒状の周壁部である請求項6に記載の装飾容器。
【請求項8】
底部断面を所定の広さに形成してなる容器本体と、この容器本体の底面から該容器の内側に膨出させてなる凹状部と、この凹状部の下端周辺によって構成された断面環状の容器底部と、この容器底部に着脱可能に設けられた着脱部と、該着脱部に支持されてなる装飾部とを備え、上記容器底部は、その断面環状の外周面または内周面の少なくともいずれか一方に被係止手段が設けられ、上記着脱部は、上記容器底部の外周面または内周面のうち、上記被係止手段が設けられる側に当接する当接部と、この当接部において上記被係止手段を係止する係止手段とを設け、該着脱部を上記容器本体に装着するとき上記凹状部の内部に上記装着部が配置されてなることを特徴とする装飾容器。
【請求項9】
前記着脱部は、前記容器本体の底面が当接されて該容器本体を載置できる基部と、この基部の外周に構成される周壁部とで構成されてなる着脱部であり、前記被係止手段は、前記容器底部の外周面に突設された環状突起で構成してなる被係止手段であり、前記係止手段は、上記基部と周壁部とで被係止手段を挟持する構成としてなる係止手段である請求項8に記載の装飾容器。
【請求項10】
前記容器本体の底部外形を円形にするとともに、前記凹状部の断面形状を円形として、前記容器底部を断面円環状に形成し、この外周面または内周面の少なくともいずれか一方にネジ溝またはネジ山で構成される被係止手段を設け、前記当接部には、上記ネジ溝またはネジ山に螺合するネジ山またはネジ溝によって係止手段が構成されてなる請求項8に記載の装飾容器。
【請求項11】
前記装飾部は、前記着脱部に支持されてなる台部を備え、この台部に電源および録音・再生装置が内蔵されている装飾部である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の装飾容器。
【請求項12】
前記装飾部は、前記着脱部に支持されてなる台部を備え、この台部に電源および駆動装置が内蔵されている装飾部であり、上記駆動装置に連結されて回転する装飾体を台部に設置してなる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の装飾容器。
【請求項13】
前記装飾部は、前記着脱部に支持されてなる台部を備え、この台部に電源、録音・再生装置および駆動装置が内蔵されている装飾部であり、上記駆動装置に連結されて回転する装飾体を台部に設置してなる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の装飾容器。
【請求項14】
前記録音・再生装置は、ICメモリを有して構成されてなる録音・再生装置である請求項11または13のいずれか1項に記載の装飾容器。
【請求項15】
前記電源は、電磁スイッチが接続された電源であり、該電磁スイッチには、電磁スイッチ駆動回路と、外部の音を感知する音センサと、音センサの信号に基づいて上記電磁スイッチ駆動回路に対し信号を出力するコントローラとが接続され、上記音センサが音を感知するとき、前記録音・再生装置または前記駆動装置に電源を供給するように構成してなる請求項11ないし14のいずれか1項に記載の装飾容器。

【国際公開番号】WO2004/101371
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504488(P2005−504488)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006850
【国際出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(503173353)有限会社大豊 (1)
【Fターム(参考)】