説明

補機駆動装置

【課題】駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のプーリを利用しつつ、伝動ベルトの誤組付を防止することができる補機駆動装置を提供する。
【解決手段】エンジン2の回転を利用してウォータポンプを駆動する補機駆動装置1は、クランクシャフト3に固定されたクランクプーリ5と、ウォータポンプの入力軸6に固定されたウォータポンププーリ7と、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7の外周面に形成されたベルト巻き掛け面15、17に巻き掛けられるとともに、ベルト幅がベルト巻き掛け面15、17の幅より小さく設定されたVリブドベルトと、ベルト巻き掛け面15、17の幅内におけるVリブドベルトの幅方向の位置を規制する遮蔽板10、11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補機駆動装置に関し、特に、内燃機関の回転をプーリおよびベルトを介して補機に伝達し、補機を駆動する補機駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、補機駆動装置は、内燃機関に設けられ、内燃機関の回転を利用して各補機類を駆動するようになっている。
【0003】
この種の補機駆動装置は、内燃機関の出力軸に取り付けられた駆動プーリと、補機の入力軸に取り付けられた補機プーリと、これら駆動プーリおよび補機プーリに巻き掛けられた伝動ベルトと、伝動ベルトの張力を一定に維持するよう所定の圧力で伝動ベルトに押し付けられるテンションプーリとを備えている。そして、このような構成を有する補機駆動装置は、内燃機関の出力軸の回転に伴い、駆動プーリが回転することによって伝動ベルトが周回駆動するようになっている。また、伝動ベルトの周回駆動に応じて補機プーリが回転することにより、補機が駆動するようになっている。また、一般に、伝動ベルトとしては、一方の面に断面略V字状をなす複数のリブを形成し、他方の面を平らに形成した、いわゆるVリブドベルトが用いられている。
【0004】
ところで、内燃機関に設けられる補機類、すなわち補機駆動装置によって駆動される補機類は、内燃機関が搭載される車両の種類や諸元によって様々であり、その数も一定ではない。例えば、内燃機関の動力のみで走行する従来の車両(以下、従来車という)にあっては、内燃機関に設けられた補機類として、オルタネータやエアコンコンプレッサおよびウォータポンプなど複数の補機を有する。これに対して、内燃機関および電動機の動力で走行するハイブリッド車では、補機駆動装置の駆動対象とされる補機が少ない。例えば、この種のハイブリッド車に適用される補機駆動装置として、内燃機関の回転を利用して駆動される補機をウォータポンプのみとしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
従来、このように、駆動対象とされる補機の数が異なる各補機駆動装置においては、同一仕様のプーリおよびVリブドベルトを使用し、部品の共通化を図っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−231910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載のハイブリッド車の補機駆動装置にあっては、駆動対象とされる補機が従来車の補駆駆動装置に比べて少ないため、かかる負荷が小さいにも関わらず、従来車の補駆駆動装置の仕様に合わせてVリブドベルトのリブ数が必要以上に多く設定されていた。これに伴い、Vリブドベルトの張力もリブ数に応じて必要以上に高く設定されていた。このため、Vリブドベルトのベルト幅も広いことから材料コストが高くなってしまう。さらに、Vリブドベルトの張力が高いため、Vリブドベルトと各プーリ間で生ずるフリクションも悪化してしまう。
【0008】
この場合、材料コスト低減およびフリクション低減を図るため、駆動対象とされる補機の数が異なる各補機駆動装置ごとに、Vリブドベルトのリブ数および各プーリのプーリ幅を設計変更することも考えられる。しかし、この場合にあっても、各補機駆動装置ごとの設計変更によりコストが増大してしまう。
【0009】
そこで、各プーリを共通のプーリのままとし、Vリブドベルトのリブ数のみをハイブリッド車の補機駆動装置の仕様に応じて変更することによる対応が考えられる。
【0010】
しかし、この場合、Vリブドベルトのベルト幅が各プーリのプーリ幅より小さく設定されているため、Vリブドベルトを各プーリに巻き掛ける際、すなわちVリブドベルトの各プーリへの組付時に、誤組付が生じるおそれがあるという問題があった。
【0011】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のプーリを利用しつつ、伝動ベルトの誤組付を防止することができる補機駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る補機駆動装置は、上記目的達成のため、(1)内燃機関の回転を利用することにより補機を駆動する補機駆動装置であって、前記内燃機関の出力軸に固定された駆動プーリと、前記補機の入力軸に固定された補機プーリと、前記駆動プーリおよび前記補機プーリの外周面に形成されたベルト巻き掛け面に巻き掛けられるとともに、ベルト幅が前記駆動プーリおよび前記補機プーリの前記ベルト巻き掛け面の幅より小さく設定された伝動ベルトと、少なくとも前記駆動プーリおよび前記補機プーリの一方の前記ベルト巻き掛け面の幅内における前記伝動ベルトの幅方向の位置を規制する規制部材と、を備えた構成を有する。
【0013】
この構成により、本発明に係る補機駆動装置は、少なくとも駆動プーリおよび補機プーリの一方のベルト巻き掛け面の幅内における伝動ベルトの幅方向の位置を規制する規制部材を有するので、例えば、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置の駆動プーリおよび補機プーリを利用しつつ、車両の仕様に応じて、これら各プーリのベルト巻き掛け面の幅より小さく設定された伝動ベルトを各プーリに組み付ける際には、規制部材によって伝動ベルトの幅方向の位置が規制される。したがって、本発明に係る補機駆動装置は、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のプーリを利用しつつ、伝動ベルトの誤組付を防止することができる。
【0014】
また、本発明に係る補機駆動装置は、上記(1)に記載の補機駆動装置において、(2)前記駆動プーリおよび前記補機プーリは、周方向に延在するよう前記ベルト巻き掛け面に形成された複数のリブ溝部を有し、前記伝動ベルトは、前記リブ溝部に嵌合する複数のリブ部を有し、前記リブ溝部の数より前記リブ部の数が少ない構成を有する。
【0015】
この構成により、本発明に係る補機駆動装置は、駆動プーリおよび補機プーリのベルト巻き掛け面に形成されたリブ溝部の数より、伝動ベルトに形成されたリブ部の数が少ないので、通常、伝動ベルトのリブ部の数に応じて設定される伝動ベルトの張力をリブ部の数の減少に合わせて低減することができる。これにより、伝動ベルトの張力を補機駆動装置の仕様に応じて最適化することができる。その結果、伝動ベルトと各プーリ間で生ずるフリクションを低減することができる。
【0016】
また、本発明に係る補機駆動装置は、リブ部の数の減少により伝動ベルトの材料コストの低減を図ることができる。
【0017】
また、本発明に係る補機駆動装置は、上記(1)または(2)に記載の補機駆動装置において、(3)前記規制部材は、前記駆動プーリおよび前記補機プーリのベルト巻き掛け面の幅方向の一部を覆う遮蔽板である構成を有する。
【0018】
この構成により、本発明に係る補機駆動装置は、規制部材が、駆動プーリおよび補機プーリのベルト巻き掛け面の幅方向の一部を覆う遮蔽板であるため、伝動ベルトの幅に合わせて、この伝動ベルトが巻き掛けられる各プーリのベルト巻き掛け面の幅方向の範囲を直接制限することができる。このため、本発明に係る補機駆動装置は、伝動ベルトの誤組付を確実に防止することができる。
【0019】
また、本発明に係る補機駆動装置は、上記(3)に記載の補機駆動装置において、(4)前記遮蔽板には、前記駆動プーリおよび前記補機プーリのベルト巻き掛け面上に位置する端面が形成され、前記端面が、前記リブ溝部の溝方向と平行である構成を有する。
【0020】
この構成により、本発明に係る補機駆動装置は、各プーリのベルト巻き掛け面上に位置する遮蔽板の端面がリブ溝部の溝方向と平行であるので、伝動ベルトの組み付け時、遮蔽板の端面によって伝動ベルトが正確に各プーリに巻き掛けられるよう案内される。したがって、本発明に係る補機駆動装置は、伝動ベルトの誤組付を確実に防止することができる。
【0021】
また、本発明に係る補機駆動装置は、上記(3)または(4)に記載の補機駆動装置において、(5)前記遮蔽板は、前記内燃機関に設けられ、前記内燃機関から前記駆動プーリおよび前記補機プーリに向けて突出するよう形成されているのが好ましい。
【0022】
また、本発明に係る補機駆動装置は、上記(3)または(4)に記載の補機駆動装置において、(6)前記駆動プーリおよび前記補機プーリは、前記内燃機関に対向する面と反対側のプーリ前面に設けられたプーリカバーを有し、前記遮蔽板を、前記プーリカバーの外縁部に形成した構成を有する。
【0023】
この構成により、本発明に係る補機駆動装置は、プーリカバーの外縁部に遮蔽板を形成したので、プーリカバーにより各プーリからの放射音を防止しつつ、伝動ベルトの誤組付を防止することができる。
【0024】
さらに、本発明に係る補機駆動装置は、上記(1)または(2)に記載の補機駆動装置において、(7)前記伝動ベルトの張力を調整するベルトテンショナを、さらに備え、前記規制部材は、前記内燃機関から前記伝動ベルト側に突出するよう形成された突起部であり、前記突起部が、前記駆動プーリと前記補機プーリとの間、前記補機プーリと前記ベルトテンショナとの間および前記ベルトテンショナと前記駆動プーリとの間の前記伝動ベルトの周回軌道上に位置する構成を有する。
【0025】
この構成により、本発明に係る補機駆動装置は、突起部が、駆動プーリと補機プーリとの間、補機プーリとベルトテンショナとの間およびベルトテンショナと駆動プーリとの間の伝動ベルトの周回軌道上に位置するよう内燃機関に形成されている。このため、伝動ベルトが各プーリおよびベルトテンショナに組み付けられる際、突起部により伝動ベルトの幅方向の位置を規制することができる。したがって、本発明に係る補機駆動装置は、伝動ベルトの誤組付を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のプーリを利用しつつ、伝動ベルトの誤組付を防止することができる補機駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置が内燃機関に取り付けられた状態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置のベルトレイアウトと他の構成の補機駆動装置のベルトレイアウトとを比較した模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るクランクプーリを示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置の一部を示す断面図であって、Vリブドベルトがウォータポンププーリに巻き掛けられた状態を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る補機駆動装置に適用されるクランクプーリの断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る補機駆動装置が内燃機関に取り付けられた状態を示す概略構成図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るVリブドベルトおよび突起部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置について説明する。
【0030】
本実施の形態においては、本発明に係る補機駆動装置を、ハイブリッド自動車(以下、単にハイブリッド車という)に搭載されるエンジンの補機駆動用の補機駆動装置1に適用した場合について説明する。
【0031】
図1に示すように、補機駆動装置1は、内燃機関としてのエンジン2に設けられ、エンジン2の回転を利用することにより図示しないウォータポンプを駆動するようになっている。本実施の形態に係るハイブリッド車において、エンジン2の回転を利用して補機駆動装置1により駆動される補機類は、ウォータポンプのみであり、エンジン2の動力のみで走行するいわゆるガソリン車に比べてその数が少なく設定されている。
【0032】
エンジン2としては、ガソリンあるいは軽油等の炭化水素系の燃料と空気との混合気を、図示しないシリンダの燃焼室内において燃焼させることにより動力を出力する公知の動力装置が用いられる。このエンジン2は、燃焼室内で混合気の吸気、圧縮、燃焼および排気の一連の工程を繰り返し行うことにより、シリンダ内のピストンを往復動させて、ピストンと動力伝達可能に連結された出力軸としてのクランクシャフト3を回転させるようになっている。エンジン2は、その側面にチェーンカバー2aを有しており、このチェーンカバー2aの前面側に補機駆動装置1が配置される。チェーンカバー2a内には、タイミングチェーンや各種スプロケットなどからなるチェーン駆動機構が配置されている。
補機駆動装置1の詳細な説明については、後述する。
【0033】
ここで、同一のエンジン2が仕様の異なる車両、例えばガソリン車およびハイブリッド車にそれぞれ搭載される場合、エンジン2における補機駆動装置は、車両の仕様に応じたベルトレイアウトに設定される。
【0034】
以下、図2を参照して、同一のエンジン2が仕様の異なるガソリン車およびハイブリッド車にそれぞれ搭載された場合のベルトレイアウトについて説明する。
【0035】
図2に示すように、エンジン2(図1参照)がガソリン車に搭載された場合、補機駆動装置101により駆動される補機類は、ウォータポンプに加えてオルタネータおよびエアコンコンプレッサとなる。したがって、補機駆動装置101においては、図2中、点線で示すVリブドベルト108が、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7に加えて、オルタネータプーリ102およびエアコンコンプレッサプーリ103に巻き掛けられる構成のベルトレイアウトとなる。
【0036】
また、ガソリン車に対応するベルトレイアウトでは、駆動対象とされる補機類がハイブリッド車に比べて多いため、これら補機類を駆動するために比較的大きな力が必要となる。すなわち、このベルトレイアウトにあっては、Vリブドベルト108にかかる負荷が比較的大きい。したがって、Vリブドベルト108を介してクランクプーリ5の回転を補機類のプーリに伝達するために、各プーリとVリブドベルト108との間に生ずる摩擦力を高める必要がある。このため、このベルトレイアウトで用いられるVリブドベルト108は、そのベルト幅が比較的大きく設定され、形成されるリブ部の数も比較的多い(例えば、7つ程度)。また、リブ部の数に応じて、Vリブドベルト108の張力も比較的高く設定される。
【0037】
一方で、エンジン2(図1参照)が本実施の形態に係るハイブリッド車に搭載された場合、上述した通り、補機駆動装置1により駆動される補機類は、ウォータポンプのみとなる。補機駆動装置1においては、図2中、太実線で示すVリブドベルト8が、補機駆動装置101と共通のクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7に巻き掛けられる構成のベルトレイアウトとなる。
【0038】
また、ハイブリッド車に対応するベルトレイアウトでは、駆動対象とされる補機類がウォータポンプのみであり、ガソリン車に比べてその数が少ないため、ウォータポンプを駆動するための力は、ガソリン車に比べて小さな力で足りる。すなわち、このベルトレイアウトにあっては、ガソリン車のベルトレイアウトに比べてVリブドベルト8にかかる負荷が小さい。したがって、各プーリとVリブドベルト8との間に生ずる摩擦力は、ガソリン車程、高める必要がない。
【0039】
しかし、従来、同一のエンジン2が仕様の異なるガソリン車およびハイブリッド車にそれぞれ搭載された場合、部品の共通化を図るため、ハイブリッド車のベルトレイアウトにおいて、かかる負荷が小さいにも関わらず、Vリブドベルト108のベルト幅と同一のベルト幅を有するVリブドベルトを使用していた。このため、必要以上のベルト幅となることから、Vリブドベルトの材料コストが高いという問題が生じていた。
【0040】
また、Vリブドベルト108のベルト幅と同一のベルト幅を有するVリブドベルトを使用するため、そのリブ部の数に応じてVリブドベルトの張力も必要以上に高く設定されていた。このため、各プーリの軸荷重や各プーリおよびVリブドベルト間で生ずるフリクションが悪化するなどの問題も生じていた。また、このような問題に起因して燃費が悪化するおそれがあった。
【0041】
このような問題に鑑み、例えば、ベルト幅の広いVリブドベルトを使用しつつ、その張力を低くするなどの対策が考えられるが、この場合、張力の変更に起因してVリブドベルトに滑りが生じ、補機駆動装置自体の機能や信頼性を損ねてしまうおそれがある。
【0042】
したがって、ハイブリッド車のベルトレイアウトでは、かかる負荷に応じて、Vリブドベルト108のベルト幅より小さいベルト幅を有するVリブドベルト8を用いることにより、上述した不具合を解消することができる。
【0043】
しかしながら、この場合、ベルト幅の大きいVリブドベルト108に対応して設定された各プーリをそのまま使用するため、ベルト幅の小さいVリブドベルト8をこれら各プーリに組み付ける際に幅方向の位置が定まらず、誤組付けが生じるおそれがあるという新たな問題が生ずる。
【0044】
そこで、本実施の形態では、上述した誤組付けの問題を防止すべく、補機駆動装置1を以下に説明するような構成とした。
【0045】
以下、図1および図3を参照して、本実施の形態に係る補機駆動装置1の詳細な説明について説明する。
【0046】
図1に示すように、補機駆動装置1は、クランクシャフト3に固定されたクランクプーリ5と、ウォータポンプの入力軸6に固定されたウォータポンププーリ7と、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7に巻き掛けられるVリブドベルト8と、内蔵されたコイルスプリングの作用によりVリブドベルト8の張力を適正な張力に保持するオートテンショナ9と、Vリブドベルト8の幅方向位置規制用の遮蔽板10、11(図4参照)とを含んで構成されている。
【0047】
本実施の形態におけるクランクプーリ5が、本発明に係る駆動プーリを構成し、ウォータポンププーリ7が、本発明に係る補機プーリを構成する。また、本実施の形態におけるVリブドベルト8が、本発明に係る伝動ベルトを構成し、遮蔽板10、11が、本発明に係る規制部材を構成する。
【0048】
また、本実施の形態に係る補機駆動装置1は、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置101のランクプーリ5およびウォータポンププーリ7を利用するものである。
【0049】
図3に示すように、クランクプーリ5は、軸方向両端に形成されたフランジ部5a、5bを有し、このフランジ部5a、5bを除く外周面にVリブドベルト8が巻き掛けられるベルト巻き掛け面15が形成されている。
【0050】
また、クランクプーリ5は、上述したように、ガソリン車に適用される補機駆動装置101と共通のものを用いているため、補機駆動装置101で用いられるVリブドベルト108のベルト幅に合わせて、ベルト巻き掛け面15の幅が幅W(以下、プーリ幅Wという)に設定されている。すなわち、プーリ幅Wは、クランクプーリ5が用いられる補機駆動装置のうち、最大のベルト幅を有するVリブドベルト、本実施の形態では補機駆動装置101で用いられるVリブドベルト108を巻き掛け可能なサイズとされる。
【0051】
クランクプーリ5のベルト巻き掛け面15には、軸方向すなわち幅方向に順に形成される複数の山部と谷部とによって構成された複数のV型のリブ溝部15aが設けられている。この複数のリブ溝部15aは、ベルト巻き掛け面15の周方向に延在するよう形成されている。複数のリブ溝部15aには、後述するVリブドベルト8のリブ部8aが嵌合するようになっている。
【0052】
図5に示すように、ウォータポンププーリ7については、クランクプーリ5と略同様の構成であるため、その詳細な説明を省略するが、クランクプーリ5と同様、軸方向両端にフランジ部7a、7bを有し、このフランジ部7a、7bを除く外周面にベルト巻き掛け面17が形成されている。また、プーリ幅Wを有するベルト巻き掛け面17には、Vリブドベルト8のリブ部8aが嵌合する複数のリブ溝部17aが形成されている。
【0053】
なお、本実施の形態では、リブ溝部15aおよびリブ溝部17aの数がそれぞれ7つに設定されているが、これに限らず、補機駆動装置1の仕様に応じて任意の数に設定される。
【0054】
図3に示すように、Vリブドベルト8は、無端状のベルトで構成され、その外側面が平面状に形成されている。また、Vリブドベルト8は、その内側面に、Vリブドベルト8の周方向に延在する複数のリブ部8aが形成されている。この複数のリブ部8aは、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7にVリブドベルト8が巻き掛けられた際、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7のそれぞれのリブ溝部15a、17aに嵌合するようになっている。このように、リブ部8aをリブ溝部15a、17aに嵌合することにより、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7に対するVリブドベルト8の接触面積が増加し、これら各プーリとVリブドベルト8との間に生ずる摩擦力を増大させる効果がある。
【0055】
Vリブドベルト8のベルト幅Wは、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7のプーリ幅Wよりも小さく設定されている。また、ベルト幅Wに合わせて、Vリブドベルト8のリブ部8aの数が、リブ溝部15aおよびリブ溝部17aの数よりも少ない3つに設定されている。
【0056】
図4に示すように、遮蔽板10は、クランクプーリ5に対応して、エンジン2のチェーンカバー2aの下方に設けられ、チェーンカバー2aからクランクプーリ5に向けて突出するよう形成されている。
【0057】
この遮蔽板10は、クランクプーリ5のベルト巻き掛け面15の幅方向の一部を覆うようになっている。遮蔽板10は、ベルト巻き掛け面15の幅方向の一部を覆うことにより、ベルト巻き掛け面15の幅内におけるVリブドベルト8の幅方向の位置を規制するようになっている。
【0058】
遮蔽板11は、ウォータポンププーリ7に対応して、チェーンカバー2aの上方に設けられ、チェーンカバー2aからウォータポンププーリ7に向けて突出するよう形成されている。この遮蔽板11は、ウォータポンププーリ7のベルト巻き掛け面17の幅方向の一部を覆うようになっている。遮蔽板11は、ベルト巻き掛け面17の幅方向の一部を覆うことにより、ベルト巻き掛け面17の幅内におけるVリブドベルト8の幅方向の位置を規制するようになっている。
【0059】
なお、遮蔽板10、11は、図示しないボルトなどの締結部材によってチェーンカバー2aに固定される構成であってもよいし、チェーンカバー2aと一体に形成される構成であってもよい。
【0060】
次に、図5を参照して、遮蔽板10、11の詳細について、説明する。
遮蔽板10および遮蔽板11は、同一の構成であるため、以下においては、遮蔽板10を例に説明を行う。
【0061】
図5に示すように、遮蔽板10は、ベルト巻き掛け面17の幅方向の一部、すなわちプーリ幅Wのうち、Vリブドベルト8をウォータポンププーリ7の適正な巻き掛け位置に巻き掛けた際に余分となる領域(W−Wで表される幅方向の領域)を覆うようウォータポンププーリ7の幅方向に延在している。換言すれば、遮蔽板10は、ベルト巻き掛け面17に形成された7つのリブ溝部17aのうち、チェーンカバー2a側に位置する不要な4つのリブ溝部17aを覆うようウォータポンププーリ7の幅方向に延在している。本実施の形態において、Vリブドベルト8の適正な巻き掛け位置とは、ベルト巻き掛け面17において前面側、すなわちチェーンカバー2aから最も離隔した位置を指す。
【0062】
また、遮蔽板10には、端面10aが形成されており、この端面10aは、ベルト巻き掛け面17上に位置するようになっている。また、端面10aは、ウォータポンププーリ7のリブ溝部17aの溝方向と平行であり、Vリブドベルト8をウォータポンププーリ7に巻き掛ける際、Vリブドベルト8の側面に当接してVリブドベルト8のチェーンカバー2a側への移動を規制するようになっている。これにより、Vリブドベルト8は、適正な巻き掛け位置に案内される。
【0063】
本実施の形態において、図示を省略しているが、遮蔽板10は、ウォータポンププーリ7の外周のうち、少なくともVリブドベルト8が巻き掛けられる周方向の所定範囲に亘って延在するよう形成されている。なお、遮蔽板10は、Vリブドベルト8が巻き掛けられるウォータポンププーリ7の周方向の所定範囲に限らず、Vリブドベルト8の幅方向の位置を規制可能であればよく、例えば、上記所定範囲のうち、特定の範囲のみ延在するよう形成してもよいし、ウォータポンププーリ7の外周全てに亘って延在するよう形成してもよい。また、ウォータポンププーリ7の周方向に幅の狭い遮蔽板10を所定の間隔で複数設けてもよい。
【0064】
遮蔽板11は、遮蔽板10とはチェーンカバー2aに対する取付位置が異なるものの、その構成については遮蔽板10と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0065】
以上のように、本実施の形態に係る補機駆動装置1は、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7のベルト巻き掛け面15、17の幅内におけるVリブドベルト8の幅方向の位置を規制する遮蔽板10、11を有する構成である。このため、例えば、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7を利用しつつ、車両の仕様に応じて、これら各プーリのベルト巻き掛け面15、17のプーリ幅Wよりも小さく設定されたVリブドベルト8を各プーリに組み付ける際には、遮蔽板10、11によってVリブドベルト8の幅方向の位置が規制される。すなわち、遮蔽板10、11により、Vリブドベルト8が巻き掛けられる各プーリのベルト巻き掛け面15、17の幅方向の範囲を直接制限することができる。
【0066】
また、本実施の形態に係る補機駆動装置1は、各プーリのベルト巻き掛け面15、17上に位置する遮蔽板10、11の端面10a、11aがリブ溝部15a、17aの溝方向と平行であるので、Vリブドベルト8の組み付け時、端面10a、11aによってVリブドベルト8を正確に各プーリに巻き掛けられるよう案内することができる。
【0067】
したがって、本実施の形態に係る補機駆動装置1は、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7を利用しつつ、Vリブドベルト8の誤組付を確実に防止することができる。
【0068】
また、本実施の形態に係る補機駆動装置1は、ベルト巻き掛け面15、17に形成されたリブ溝部15a、17aの数より、Vリブドベルト8に形成されたリブ部8aの数が少ないので、通常、Vリブドベルトのリブ部の数に応じて設定されるVリブドベルト8の張力をリブ部8aの数の減少に合わせて低減することができる。これにより、Vリブドベルト8の張力を補機駆動装置1の仕様に応じて最適化することができる。その結果、Vリブドベルト8と各プーリ間で生ずるフリクションを低減することができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る補機駆動装置1は、リブ部8aの数の減少によりVリブドベルト8の材料コストの低減を図ることができる。
【0070】
なお、本実施の形態においては、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7の双方に対応するよう遮蔽板10、11を設けた構成としたが、これに限らず、例えばクランクプーリ5またはウォータポンププーリ7のいずれか一方にのみ対応して遮蔽板を設けた構成であってもよい。
【0071】
(第2の実施の形態)
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る補機駆動装置について説明する。
【0072】
本実施の形態に係る補機駆動装置においては、本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置とはVリブドベルトの幅方向位置規制用の遮蔽板を、クランクプーリおよびウォータポンププーリの各プーリに取り付けられたプーリカバーに形成した点で異なるが、他の構成は略同様に構成されている。したがって、図1から図5に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。本実施の形態においては、プーリカバーを取り付けたクランクプーリおよびウォータポンププーリは、ともに略同一の構成であるため、以下、クランクプーリを例に説明を行う。
【0073】
図6に示すように、本実施の形態に係る補機駆動装置21において、クランクプーリ5は、エンジン2のチェーンカバー2aに対向するクランクプーリ背面と反対側のクランクプーリ前面にプーリカバー25が取り付けられている。
【0074】
具体的には、プーリカバー25は、その外周部にあたる外縁部25aにおいてボルトなどの締結部材により、クランクプーリ5の外周部側面に取り付けられ、クランクプーリ5からの放射音を遮断するようになっている。また、プーリカバー25は、例えば樹脂材料のような比較的軽い材料によって形成されている。本実施の形態におけるクランクプーリ前面は、本発明におけるプーリ前面に相当する。
【0075】
プーリカバー25の外縁部25aには、ベルト巻き掛け面15の幅方向に延在する遮蔽板25bが形成されている。遮蔽板25bの機能は、遮蔽板10の機能と同一であり、ベルト巻き掛け面15の幅方向の一部を覆うことにより、ベルト巻き掛け面15の幅内におけるVリブドベルト8の幅方向の位置を規制するようになっている。
【0076】
本実施の形態においては、クランクプーリ前面側からチェーンカバー2a(図4参照)側に向けて延在するよう形成されているため、Vリブドベルト8(図3参照)の適正な巻き掛け位置は、第1の実施の形態と異なり、ベルト巻き掛け面15においてクランクプーリ背面側、すなわちチェーンカバー2aに最も近接した位置となる。遮蔽板25bにより覆われるベルト巻き掛け面15の領域は、第1の実施の形態と同様、Vリブドベルト8をクランクプーリ5の適正な巻き掛け位置に巻き掛けた際に余分となる領域であり、ベルト巻き掛け面15に形成された7つのリブ溝部15a(図3参照)のうち、クランクプーリ前面側に位置する不要な4つのリブ溝部15aである。
【0077】
以上のように、本実施の形態に係る補機駆動装置21は、プーリカバー25の外縁部25aに遮蔽板25bを形成したので、プーリカバー25によりクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7からの放射音を防止しつつ、Vリブドベルト8の誤組付を防止することができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、プーリカバー25をクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7の双方に取り付ける構成としたが、これに限らず、例えばクランクプーリ5またはウォータポンププーリ7のいずれかに取り付ける構成であってもよい。この場合、プーリカバー25が取り付けられたプーリにのみ、遮蔽板25bが形成される。また、プーリカバー25をクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7の双方に取り付けた場合にあっても、いずれか一方のプーリカバー25にのみ、遮蔽板25bを形成するものであってもよい。
【0079】
また、本実施の形態においては、プーリカバー25の外縁部25aに遮蔽板25bを一体形成した構成としたが、これに限らず、例えばプーリカバー25と別体に構成された遮蔽板25bをプーリカバー25の外縁部25aに締結部材などを介して固定する構成であってもよい。
【0080】
(第3の実施の形態)
次に、図7および図8を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る補機駆動装置について説明する。
【0081】
本実施の形態に係る補機駆動装置においては、本発明の第1の実施の形態に係る補機駆動装置とはVリブドベルトの幅方向位置規制用の遮蔽板に代えてVリブドベルトの幅方向位置規制用の突起部を設けた点で異なるが、他の構成は略同様に構成されている。したがって、図1から図5に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
【0082】
図7に示すように、本実施の形態に係る補機駆動装置31は、クランクプーリ5と、ウォータポンププーリ7と、Vリブドベルト8と、オートテンショナ9と、Vリブドベルト8の幅方向位置規制用の突起部33とを含んで構成されている。本実施の形態におけるオートテンショナ9が、本発明に係るベルトテンショナを構成し、突起部33が、本発明に係る規制部材を構成する。
【0083】
クランクプーリ5、ウォータポンププーリ7、Vリブドベルト8、オートテンショナ9については、第1の実施の形態と同一の構成である。
【0084】
突起部33は、クランクプーリ5とウォータポンププーリ7との間、ウォータポンププーリ7とオートテンショナ9との間およびオートテンショナ9とクランクプーリ5との間のVリブドベルト8の周回軌道上に位置するようチェーンカバー2aに設けられている。
【0085】
具体的には、図8に示すように、突起部33は、図示しないボルトなどの締結部材によってチェーンカバー2aに固定されている。なお、突起部33は、チェーンカバー2aに一体形成される構成であってもよい。
【0086】
突起部33は、チェーンカバー2aから前面側、すなわちVリブドベルト8側に突出するよう形成されている。すなわち、突起部33は、ベルト幅W(図3参照)に設定されたVリブドベルト8の幅方向の位置が適正な位置に規制されるようプーリ幅W(図3参照)に対応する最大のベルト幅を有するVリブドベルト、本実施の形態では補機駆動装置101で用いられるVリブドベルト108の4つのリブ部分(図中、点線で示す部分)だけ、Vリブドベルト8側に突出している。
【0087】
また、突起部33は、Vリブドベルト8側に端面33aが形成されており、この端面33aは、Vリブドベルト8をクランクプーリ5およびウォータポンププーリ7に巻き掛ける際、Vリブドベルト8の側面に当接してVリブドベルト8のチェーンカバー2a側への移動を規制するようになっている。これにより、Vリブドベルト8は、クランクプーリ5およびウォータポンププーリ7の適正な巻き掛け位置に案内される。
【0088】
以上のように、本実施の形態に係る補機駆動装置31は、突起部33が、クランクプーリ5とウォータポンププーリ7との間、ウォータポンププーリ7とオートテンショナ9との間およびオートテンショナ9とクランクプーリ5との間のVリブドベルト8の周回軌道上に位置するようチェーンカバー2aに形成されている。このため、Vリブドベルト8が各プーリおよびオートテンショナ9に組み付けられる際、突起部33によりVリブドベルト8の幅方向の位置を規制することができる。したがって、本実施の形態に係る補機駆動装置31は、Vリブドベルト8の誤組付を確実に防止することができる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、クランクプーリ5とウォータポンププーリ7との間、ウォータポンププーリ7とオートテンショナ9との間およびオートテンショナ9とクランクプーリ5との間に、それぞれ突起部33を設ける構成としたが、これに限らず、例えばVリブドベルト8の組み付け時の基準となるよう突起部33を上記設置位置のうち、1箇所または2箇所に設ける構成であってもよい。
【0090】
なお、上述の各実施の形態においては、Vリブドベルト8のベルト幅をベルト幅Wとし、リブ部8aの数を3つとしたが、これに限らず、ベルト幅Wおよびリブ部8aの数は、例えば駆動対象とされる補機類の数や種類に応じて適宜最適なベルト幅およびリブ部の数に設定されるのが好ましい。
【0091】
また、上述の各実施の形態においては、伝動ベルトとしてVリブドベルト8を用いた構成としたが、これに限らず、例えばリブ部8aが形成されていない伝動ベルトを用いた構成であってもよいし、リブ部8aの形状を他の形状とした伝動ベルトを用いた構成としてもよい。この場合、クランクプーリ5とウォータポンププーリ7のベルト巻き掛け面15、17は、リブ溝部15a、17aを削除した構成であったり、他の形状とされたリブ部の形状に合わせた形状のリブ溝部を形成した構成とされるのが好ましい。
【0092】
以上説明したように、本発明に係る補機駆動装置は、駆動対象とされる補機の仕様が異なる補機駆動装置のプーリを利用しつつ、伝動ベルトの誤組付を防止することができ、内燃機関の回転をプーリおよびベルトを介して補機に伝達し、補機を駆動する補機駆動装置に有用である。
【符号の説明】
【0093】
1、21、31 補機駆動装置
2 エンジン(内燃機関)
2a チェーンカバー(内燃機関)
3 クランクシャフト(出力軸)
5 クランクプーリ(駆動プーリ)
6 入力軸
7 ウォータポンププーリ(補機プーリ)
8 Vリブドベルト(伝動ベルト)
8a リブ部
9 オートテンショナ(ベルトテンショナ)
10、11、25b 遮蔽板(規制部材)
10a、11a、33a 端面
15、17 ベルト巻き掛け面
15a、17a リブ溝部
25 プーリカバー
25a 外縁部
33 突起部(規制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の回転を利用することにより補機を駆動する補機駆動装置であって、
前記内燃機関の出力軸に固定された駆動プーリと、
前記補機の入力軸に固定された補機プーリと、
前記駆動プーリおよび前記補機プーリの外周面に形成されたベルト巻き掛け面に巻き掛けられるとともに、ベルト幅が前記駆動プーリおよび前記補機プーリの前記ベルト巻き掛け面の幅より小さく設定された伝動ベルトと、
少なくとも前記駆動プーリおよび前記補機プーリのいずれか一方の前記ベルト巻き掛け面の幅内における前記伝動ベルトの幅方向の位置を規制する規制部材と、を備えた補機駆動装置。
【請求項2】
前記駆動プーリおよび前記補機プーリは、周方向に延在するよう前記ベルト巻き掛け面に形成された複数のリブ溝部を有し、
前記伝動ベルトは、前記リブ溝部に嵌合する複数のリブ部を有し、
前記リブ溝部の数より前記リブ部の数が少ないことを特徴とする請求項1に記載の補機駆動装置。
【請求項3】
前記規制部材は、前記駆動プーリおよび前記補機プーリのベルト巻き掛け面の幅方向の一部を覆う遮蔽板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補機駆動装置。
【請求項4】
前記遮蔽板には、前記駆動プーリおよび前記補機プーリのベルト巻き掛け面上に位置する端面が形成され、
前記端面が、前記リブ溝部の溝方向と平行であることを特徴とする請求項3に記載の補機駆動装置。
【請求項5】
前記遮蔽板は、前記内燃機関に設けられ、前記内燃機関から前記駆動プーリおよび前記補機プーリに向けて突出するよう形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の補機駆動装置。
【請求項6】
前記駆動プーリおよび前記補機プーリは、前記内燃機関に対向する面と反対側のプーリ前面に設けられたプーリカバーを有し、
前記遮蔽板を、前記プーリカバーの外縁部に形成したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の補機駆動装置。
【請求項7】
前記伝動ベルトの張力を調整するベルトテンショナを、さらに備え、
前記規制部材は、前記内燃機関から前記伝動ベルト側に突出するよう形成された突起部であり、
前記突起部が、前記駆動プーリと前記補機プーリとの間、前記補機プーリと前記ベルトテンショナとの間および前記ベルトテンショナと前記駆動プーリとの間の前記伝動ベルトの周回軌道上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補機駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−247155(P2011−247155A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120476(P2010−120476)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】