説明

製剤用のエアゾール発生器

圧力低下がマウスピース(105)内で検出されるときにマウスピース(105)の放出口から吸引する使用者にエアゾールを送出するエアゾール発生器(101)および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、エアゾール発生器に関する。より詳細には、本発明は、使用時に制御された用量の薬物を患者に提供するエアゾール発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
患者による吸入のためのエアゾール投薬用の定量吸入器は、米国特許第5487378号、同第5522378号、同第5622162号、同第5794612号、同第5839430号、同第5894841号、および同第6152130号に開示されている。いくつかの吸入器は、液化クロロフルオロカーボンの混合物などの高圧ガスシステムの推進力を使用する。他の吸入器は、キャリアガス流中の液体を噴霧するための超音波ネブライザまたは気管支に一定量の粉末を流動化して流すための連続吸気を使用する。所有者が共通の米国特許第5743251号および同第6234167号は、液体処方物を蒸発させて吸入エアゾールを形成させるエアゾール発生器を開示している。
【0003】
吸入器からのエアゾールの送達を誘発するために、種々の型の呼吸作動システムが提案されている。米国特許第5622162号によれば、いくつかの呼吸作動システムには、機械的レバーを移動させるための患者の吸気力または設定閾値以上に上昇させるための流量の検出が必要である。このようなシステムの問題は、吸気が患者ごとに異なり、ユニットの始動に十分な流量を得ることができない患者もいるという点である。呼吸作動システムの改良が試みられているにもかかわらず、検出は依然として患者から得られた通気を基本としており、エアゾールが送達される前に一定量の空気を患者が吸入する結果となる。結果として、患者は十分な用量の薬物を吸入できないことがある。
【0004】
他のエアゾール発生技術が公知である。例えば、米国特許第4811731号および同第4627432号は、カプセルをピンで穴をあけて粉末形態の薬物を放出させる、患者に薬物を投与するためのデバイスを開示している。次いで、使用者は、デバイスの開口部を介して放出された薬物を吸入する。
【発明の開示】
【0005】
第1の実施形態によれば、本発明は、エアゾール発生器の使用者にエアゾールを供給する放出口を有するマウスピースと、マウスピース内部に空気を供給する通気路と、マウスピース内部の圧力低下を検出するセンサとを備えたエアゾール発生器を提供する。
【0006】
エアゾール発生器は、ハウジングと、前記ハウジング内に配置した毛細通路と、前記ハウジング内に配置した加熱器と、前記ハウジング内に配置したリザーバと、前記ハウジング内に配置した計量チャンバ(ただし前記計量チャンバは第1の流路によって前記リザーバから流動物を供給され、前記毛細通路は第2の流路によって前記計量チャンバから流動物を供給される)、前記加熱器に電力を供給するように適合させた電源と、前記第1の流路を開閉するように適合させた第1の弁と、前記第2の流路を開閉するように適合させた第2の弁と、前記通気路を開閉するように適合させた第3の弁とを備えることができる。モータおよびカムシャフトによって弁を開閉することができ、カムシャフトは、第1、第2、および第3の弁に動作可能に連結した複数のカムシャフトローブを備え、前記カムシャフトローブはエアゾール送達サイクル時に第1の弁を閉じ、第2および第3の弁を開けるように操作して流動物を毛細通路に供給することができる。充填サイクル時にカムシャフトローブは第1の弁を開き、且つ第2および第3の弁を閉じて流動物を計量チャンバに供給する。ステッパーモータを、カムシャフトに動作可能に連結させることができ、前記ステッパーモータはカムシャフトを回転させて、第1、第2、および第3の弁を開閉する。リザーバはハウジングに着脱可能に取り付けることができ、および/またはリザーバはリザーバ中の流動物を圧縮するように操作可能なピストンを備えることができる。
【0007】
好ましい実施形態によれば、ハウジングは、ハウジングにスライド可能に取り付けたキャップを備えることができ、前記キャップはその一方の末端にマウスピースを備える。さらに、キャップをエアゾール送達位置に移動させた場合に露呈するハウジングの一部に液晶ディスプレイを配置することができる。使用者がマウスピースの放出口から吸入した場合にコントローラにシグナルが送信されるようにセンサを操作することができることが好ましい。センサは、使用者がマウスピースの放出口から吸入した場合にマウスピースの内部の圧力低下を検出する変換器を備えることができる。コントローラを使用して、加熱器のパラメータをモニターし、エアゾール送達サイクル時に加熱器が所望の温度範囲に維持されるように電源装置から加熱器に送電することができる。
【0008】
別の好ましい実施形態では、エアゾール発生器は、手持ち式吸入器であり、マウスピース内部は通気路のみを介して空気が供給され、エアゾール発生器は、使用者が放出口から吸入後の所定の時間内に通気路を開ける弁を備える。
【0009】
第2の実施形態によれば、エアゾール発生器は、エアゾール発生器の使用者にエアゾールが供給される放出口を有するマウスピースと、エアゾールをマウスピース内部に供給するように操作可能なエアゾール発生システムと、マウスピース内部に空気が供給される通気路と、マウスピース内部の圧力低下の検出時にシグナルを出力するように操作可能な圧力センサと、圧力センサによるシグナルの出力に応答してマウスピース内部にエアゾールを送達させるように前記エアゾール発生システムを作動させるように動作可能なコントローラと、通気路を開閉するように操作可能な弁とを備え、前記コントローラは圧力センサによるシグナルの出力に応答して前記弁を開くように操作することができる。エアゾール発生システムは、高圧ガスベースのエアゾール発生器、ネブライザベースのエアゾール発生器、または蒸気ベースのエアゾール発生器を備えることができる。
【0010】
第2の実施形態によれば、エアゾール発生器は、ハウジングおよび前記ハウジングにスライド可能に取り付けたキャップを備えることができ、前記キャップは、その一方の末端にマウスピースを備え、前記キャップはエアゾールのマウスピース内部への送達を防止するオフ位置から使用者が放出口からの吸入によって一定用量のエアゾールを得ることができる呼吸作動モードにエアゾール発生システムがあるエアゾール送達位置までスライドすることができる。好ましくは、エアゾール発生器は、手持ち式吸入器を備え、エアゾール発生システムは毛細通路サイズの流路およびマウスピース内部にエアゾールを発生させるための流路中の液体を揮発させるように配置した加熱器を備える。エアゾール発生器は、さらに、分注部材および計量チャンバを備えることができ、前記計量チャンバは凹部および前記凹部をカバーするゴム状壁を備え、前記分注部材は前記ゴム状壁に関連する第1の位置から前記ゴム状壁が凹部に変形する第2の位置に移動することができ、前記計量チャンバは流動物の供給源と流路との間に流動物を伝達し、前記分注部材は流路中の流動物の流速を実質的に一定にする様式で移動することができる。
【0011】
第3の実施形態では、エアゾール発生器は、材料の第1の層中の凹部および前記凹部を覆うゴム状の層を含む計量チャンバと、前記ゴム状壁に関連する第1の位置から前記ゴム状壁が凹部に変形する第2の位置に移動することができる分注部材と、計量チャンバに流動物を伝達する流路と、前記流路の放出口に流動物を伝達する内部を有するマウスピースと、前記流路の少なくとも一部に熱を伝達させる加熱器とを備え、前記加熱器は揮発した流動物が前記マウスピース内部でエアゾールを形成するように前記流路中の流動物を揮発するように操作することができる。
【0012】
第3の実施形態によれば、コントローラを使用して動作機構を電気的に操作し、流路を介して所定の体積の流動物の流速が実質的に一定になるように第1の位置から第2の位置に分注部材を移動させることができる。流路は、好ましくは、毛細通路サイズの流路であり、前記材料の第1の層は、放出口と、吸気口と計量チャンバとの間の範囲の第1のチャネルと、放出口および計量チャンバと前記放出口との間の範囲の第2のチャネルと、前記吸気口、前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、および前記放出口をカバーするゴム状の層とを備えることができる。第1および第2のプランジャを使用して、吸気口および放出口を開閉することができ、前記第1のプランジャを、吸気口が開く第1の位置から吸気口を閉じるためにゴム状の層が第1の弁座に押される第2の位置に移動可能であり、前記第2のプランジャを、放出口が開く第1の位置から放出口を閉じるためにゴム状の層が第2の弁座に押される第2の位置に移動可能である。動作機構を使用して、第1のプランジャを第2の位置に移動させながら、第2のプランジャを第1の位置に維持することができる。
【0013】
第4の実施形態では、本発明は、使用者がマウスピースの放出口から吸入した場合にマウスピースの内部の圧力低下を感知する工程と、圧力低下を検出した場合にマウスピース内部にエアゾールを供給する工程と、圧力低下が検出された場合に通気路の開放によってマウスピース内部に空気を供給する工程とを含む、エアゾールを使用者に送達させるマウスピースを有するエアゾール発生器を使用したエアゾール発生方法を提供する。
【0014】
好ましい実施形態では、エアゾール発生器は、スライド可能なキャップを有する手持ち式吸入器を備え、前記方法は、キャップを閉鎖位置から開放位置にスライドさせる工程と、前記開放位置は圧力低下が検出された場合にエアゾール発生器の構成要素を使用者にエアゾールを送達させるように作動させることとをさらに含む。エアゾール発生器は、好ましくは、加熱器および毛細通路を備え、前記加熱器は加熱器中の流動物の揮発に十分なように前記毛細通路を加熱し、揮発した流動物は空気と混合されてエアゾールを形成する。エアゾール発生器は、加熱器のパラメータをモニターし、加熱器を所望の温度範囲に維持しながら流動物が毛細通路を通過し、流動物が揮発してエアゾールを形成するように加熱器への電力の供給を制御するコントローラを備えることができる。
【0015】
好ましい方法では、エアゾール発生器は、ハウジングと、前記ハウジング内に配置した毛細通路であってマウスピース内部に流動物を伝達する放出口を有する毛細通路と、前記ハウジング内に配置した加熱器と、前記ハウジング内に配置したリザーバと、前記ハウジング内に配置した計量チャンバと、前記加熱器に電力を供給するように適合させた電源と、前記第1の流路を開閉するように適合させた第1の弁と、前記第2の流路を開閉するように適合させた第2の弁と、前記通気路を開閉するように適合させた第3の弁とを含み、前記計量チャンバが第1の流路によって前記リザーバから流動物を供給され、前記毛細通路が第2の流路によって計量チャンバから流動物を供給され、前記加熱器への電力の供給、前記第1の弁の閉鎖、前記第2および第3の弁の開放、前記計量チャンバからの流動物の除去、所定の体積の流動物の毛細通路への供給、および前記毛細通路での前記流動物の揮発によって前記エアゾールがマウスピース内部に供給される。モータ駆動カムシャフトを使用して、カムシャフトの第1の位置への回転によって第1、第2、および第3の弁を開閉することができ、前記第1の弁が閉じ、前記第2および第3の弁が開いてエアゾール送達サイクル時に所定の体積の流動物が毛細通路に送達され、前記カムシャフトを第2の位置にさらに回転させて前記第2および第3の弁を閉じ、前記第1の弁が開いて充填サイクル時に流動物がリザーバから計量チャンバに送達される。
【0016】
別の好ましい方法によれば、エアゾール発生器は、少なくとも10用量の薬物混入流動物を含むリザーバを備え、前記方法は、所定の体積の前記薬物混入流動物を計量チャンバに充填する工程と、前記所定の体積の薬物混入流動物を毛細通路に送達させる工程とをさらに含む。前記方法は、押しのけピストンを計量チャンバが流動物で満たされた第1の位置から前記押しのけピストンにより前記計量チャンバのゴム状壁が偏向する第2の位置に移動する工程を含むことができる。制御回路を使用して、加熱器に電力をパルス状に送ることにより流動物が毛細通路を通過するにつれて毛細通路が加熱されることによって毛細通路中の流動物の温度を制御し、流動物を揮発させてマウスピース内でエアゾールが形成することができる。好ましくは、通気路のみを介してマウスピースの内部に空気を供給し、前記通気路を弁によって開閉し、前記弁を圧力低下の感知時に閉じ、前記弁を所定の圧力低下の感知後の所定の時間内に開き、その後エアゾールがマウスピースの内部に供給される。
【0017】
図面の簡単な記述
図1は本発明の実施形態によるエアゾール発生器の概略図である。
図2は本発明の実施形態による図1を参照して示された流動物および空気送達システムの略図である。
図3は流動物および空気送達システムがリザーバ閉鎖操作を行った、図2を参照して示された流動物および空気送達システムの略図である。
図4は本発明の実施形態による流動物および空気送達システムが分注サイクルにある、図3を参照して示された流動物および空気送達システムの略図である。
図5は本発明の好ましい実施形態によるエアゾール発生器の操作の時系列の略図である。
図6は第1の電極および第2の電極を有する毛細通路の概略図を示す本発明の実施形態である。
図7は本発明の実施形態によるプロピレングリコールエアゾールについての粒子サイズに対する毛細通路の直径および質量流量の効果を示すグラフである。
図8は溶質および液体溶媒の蒸気圧が等しい場合の挙動を示す粒子サイズの関数としてのプロピレングリコールおよびトリフェニルメタンの化学的分布を示すグラフである。
図9は溶質および液体溶媒の蒸気圧が異なる場合の挙動を示すMMADに対するオレイルアルコール濃度の効果を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
概要として、本発明は、手持ち式吸入器などのエアゾール発生器およびマウスピース内で圧力低下が検出された場合にマウスピースの放出口から吸入した使用者にエアゾールを送達する方法を提供する。毛細通路を通過した薬物混入流動物は、流動物が十分に蒸発するように加熱され、空気と混合するにつれて蒸発した流動物が凝縮することによってエアゾールを形成する。圧力低下の検出時に最初に閉じられる通気路を介してマウスピースに空気が供給される。計量チャンバにより、正確な用量の流動物が毛細通路に一貫して送達される。マウスピースに空気が供給される前に圧力低下が検出されると、使用者がマウスピースから吸入しはじめるにつれて使用者にエアゾールを迅速に送達することができる。迅速なエアゾールの送達により使用者の肺活量がより有効に利用される。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によるエアゾール発生器は、ハウジングと、圧力変換器と、制御された量の製剤を使用者に送達することができる流動物および空気の送達システムとを備える。エアゾール発生器の使用時に、使用者によりハウジングのスライディングキャップが移動され、それにより主スイッチが作動してエアゾール発生器が使用状態におかれる。主スイッチの作動後、使用者がエアゾール発生器のマウスピースから吸入した場合、圧力センサがマウスピースの圧力を感知する。圧力変換器がコントローラにシグナルを送り、ステッパーモータが作動して吸気弁、計量チャンバ、分注ピストン、放出弁、および通気路弁に取り付けたカムシャフトを回転させる。カムシャフトが回転するにつれて、流動物は計量チャンバから加熱された毛細通路に移動して流動物が揮発する。揮発した流動物が毛細通路からマウスピース内部に放出された後、揮発された流動物が周囲空気と混合してエアゾールが得られる。
【0020】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるエアゾール発生器101の概略図を示す。エアゾール発生器101は、ハウジング103と、毛細通路102と、流動物および空気の送達システム100と、リザーバ118とを備える。さらに、エアゾール発生器101は、主オン/オフスイッチ142と、圧力変換器138と、バッテリパック140と、制御回路136とを備える。ハウジング103は、エアゾール発生器101の使用時に使用者が方向矢印Aによって示される上方向にキャップ103aを移動させることができるようにエアゾール発生器101に動作可能に取り付けたスライディングキャップ103aを備える。本発明の1つの実施形態では、ハウジング103およびキャップ103aを、プラスチック射出成形を使用して製造することができる。
【0021】
エアゾール発生器101の毛細通路102は、第1の電極106および第2の電極108を介して電流が流れる金属管の一片を含むことができる。しかし、抵抗加熱材料層の形態で加熱器を有するポリマー、ガラス、金属および/またはセラミックラミネート中のチャネルなどの他の配置で流路を得ることができる。通路102の最大幅は0.01〜10mm、好ましくは0.05〜1mm、より好ましくは0.1〜0.5mmであり得る。あるいは、毛細通路を、8×10−5〜80mm、好ましくは2×10−3〜8×10−1mm、より好ましくは8×10−3〜2×10−1mmであり得る通路の横断面領域によって定義することができる。このような配置を使用して、毛細通路102は、エアゾール発生器101の使用時にリザーバ118からの薬物112(図2を参照のこと)を加熱することができる。本発明の実施形態によれば、リザーバ118の5μlの用量を送達するための用量範囲は、好ましくは約10用量〜約500用量(例えば、50〜250用量)の範囲である。しかし、用量範囲は、所望の用量体積に依存し、所望の用量をエアゾール発生器の適用に依存して事前に設定することができる。また、リザーバ118を、エアゾール発生器101の使用時に置換リザーバと交換されるように取り出し可能な部分としてデザインすることができる。したがって、リザーバ118およびその中に配置した薬物112の置換可能性によってエアゾール発生器101の寿命を延長することができる。
【0022】
エアゾール発生器101はまた、通路109を介してマウスピース105とつながっている圧力変換器138を備える。使用者は、マウスピース105の放出口での吸入によってエアゾール発生器101を作動させる。吸入時、吸入による圧力の変化により、圧力変換器138が作動する。圧力変換器138は、通路109を介して圧力の変化を感知し、それにより流動物および空気の送達システム100が作動する。さらに考察されるように、流動物および空気の送達システム100により、薬物112の毛細通路102への移動が促進される。
【0023】
さらに、流動物および空気の送達システム100により、製剤用の毛細通路102からの蒸発した薬物の混合用の凝縮領域107に周囲空気が通過する。エアゾール発生器101は、エアゾール発生器101に周囲空気を通過させる周囲空気通路110aを備える。周囲空気通路110aは、通気路110につながっており、凝縮領域107中の周囲空気と毛細通路102に存在する蒸発した薬剤とを混合する。本発明の別の実施形態では、圧縮空気供給源を使用して空気を希釈し、蒸発した材料と混合することができることに留意すべきである(エアゾール発生器内に物理的に存在する圧縮空気供給源(示さず)、マウスピース内に空気を送るファン/ブロワーなど)。
【0024】
周囲通気路110aに加えて、エアゾール発生器101はまた、制御回路136を備える。図5を参照してさらに考察されるように、制御回路136は、エアゾール発生器101の操作時に毛細通路102の温度を制御する。制御回路136はまた、残存用量を表示するために使用されるLCDをモニターし、エアゾール発生器101の操作時に流動物および空気の送達システムのステッパーモータ134(図2に示す)を制御し、モーターの正確な位置付けを確実にするためにステッパーモータと協働する光センサをモニターし、初期圧力低下をモニターし、バッテリ140の状態をモニターし、加熱した毛細通路102の操作をモニターすることができる。
【0025】
エアゾール発生器101はまた、バッテリパック140を備える。図1に示す実施形態では、バッテリパック140は、5本の電池を使用して6Vのニッケル水素(NiMH)バッテリを再充電することができる。この実施形態では、バッテリパック140は、100用量の体積5μlの薬物を送達する5つのSanyo HF−C1U、600mAh NiMHバッテリを直列で使用することができる。バッテリパック140は、エアゾール発生器101の構成要素(例えば、制御回路136、圧力変換器138など)および主オン/オフスイッチ142に対する電源を提供する。
【0026】
主オン/オフスイッチ142は、操作時のエアゾール発生器101の電源のオンおよび電源のオフを制御する。さらに、主オン/オフスイッチ142は、LCD(示さず)を作動させ、本発明の1つの実施形態では、リザーバ118内の残存用量、加熱の失敗の有無、バッテリパック140の低電圧が検出されたかどうかなどの情報を提供する。
【0027】
エアゾール発生器101の操作時、使用者は、エアゾール発生器の構成要素を作動させるために、キャップ103aを方向Aの開放位置に移動させる。キャップ103aを開放位置にして、使用者は、マウスピース105から吸引する。使用者によるマウスピース105からの吸引により、圧力変換器138によって検出されるマウスピースの内部の圧力が低下する。図2でより明確に示すように、圧力低下が感知された場合、圧力変換器138はシグナルをコントローラに送り、流動物および空気の送達システム100が操作される。
【0028】
図2は、本発明の実施形態による図1を参照して示された流動物および空気送達システム100の概略図を示す。流動物および空気送達システム100は、上記の毛細通路102と、第1および第2の電極106および108と、リザーバ118とを備える。リザーバ118は、圧縮バネ116と、プランジャ114と、薬物112とを備える。圧縮バネ116により、方向矢印Bによって示される方向にプランジャ114が押され、吸気弁120が開いた場合に通路118aを介した液体薬物112の計量チャンバ122への流れが維持される。
【0029】
吸気弁120は、エアゾール発生器101の流動物および空気送達システム100の一部を形成する。本発明の実施形態では、流動物および空気送達システム100は、カムローブおよび係合ギア132aを有するカムシャフト132によって作動する種々の弁を具備する。
【0030】
係合ギア132aは、ステッパーモータ134の係合ギア134aと連結している。したがって、ステッパーモータ134が回転する場合、係合ギア134aおよび132aを介してカムシャフト132も回転する。カムシャフト132が回転するにつれ、カムシャフトローブ132bから132eも回転する。カムシャフト132の回転時、カムシャフトローブ132bから132eは、弁プランジャ120a、124a、および130aならびにカムシャフトローブを押すためにバネ(示さず)を介して偏らせた分注プランジャ122aと動作可能に連結している。回転時、カムシャフトローブ132bから132eが弁プランジャ120a、124a、130a、および分注プランジャ122aをカムシャフトローブの構成によって決定される所望の順序で作動させる。例えば、カムシャフトローブ132bはプランジャ120aと動作可能に連結し、それによりカムシャフトの回転時に弁120が開閉する。カムシャフトローブ132cは、カムシャフトの回転時に計量チャンバ122を空にするために分注プランジャ122aと動作可能に連結する。好ましくは、分注プランジャにより、実質的に一定の流速で計量チャンバ122から流動物が排出される。カムシャフトローブ132dは、プランジャ124aと動作可能に連結し、それにより弁124が開閉する一方で、カムシャフトローブ132eはプランジャ130aと動作可能に連結し、カムシャフトの回転時に弁130を開閉する。
【0031】
前に考察したように、キャップ103aが開放位置にあり、且つ使用者がマウスピース105から吸引した場合、圧力変換器138によってマウスピース105の圧力低下が感知される。変換器138によって圧力低下が検出された場合、圧力変換器138は制御回路136にシグナルを送り、ステッパーモータ134が作動する。本発明の実施形態では、ステッパーモータ134は、カムシャフト132aを正確な量(例えば、1回転)制御可能に駆動することができる任意のステッパーモータであり得る。この実施形態では、ステッパーモータは、所在地がClearwater,FIのMicroMo Electronics,Inc.から入手することができる型であり得る。
【0032】
計量チャンバ122を、分注プランジャ122aの移動によって空にすることができる。例えば、カムシャフトローブ132cが分注プランジャ122aと係合し、ゴム状壁がチャンバの反対側の壁を押すまで分注プランジャ122aの末端が計量チャンバ122のゴム状壁を押す。結果として、チャンバ中の流動物が通路100bに押し進められながら通路100b中の流動物が毛細通路に押し進められる。プランジャ120a、124aが弁開口部周囲の弁座に対してゴム状壁を押した場合に吸気弁および放出弁を開閉することができるように、ゴム状壁は通路100a、100b、吸入弁120、および放出弁124をシールすることが好ましい。計量チャンバ122により、エアゾール発生器101によって所望の量の薬物112が患者に確実に送達される。本発明のこの実施形態では、計量チャンバは、所定体積(例えば、5μl)を有する。それにもかかわらず、計量チャンバ122をエアゾール発生器101の適用に依存して任意の所望の体積でデザインすることができると理解すべきである。所定体積の薬物の毛細通路102への送達後、ローブ132dのプランジャ124aとの係合によって弁124が閉じられる。
【0033】
カムシャフト132はまた、プランジャ130aと動作可能に連結したカムシャフトローブ132eを備える。カムシャフトローブ132eの回転を介したプランジャ130aの移動の際に空気弁130が開くようにプランジャ130aは空気弁130と動作可能に連結している。空気弁130により、周囲空気通路110aを介して周囲空気がエアゾール発生器101に入る。弁130による開放の際に周囲空気路110aに侵入した周囲空気が通気路110を介して凝縮領域107(図1を参照のこと)内の毛細通路102に存在する蒸発薬物と混合しつづけるように、空気弁130は周囲空気路110aを通気路110に連結させる。空気弁130を使用して、周囲空気よりも圧縮空気を入れることもできる。
【0034】
図2は、計量チャンバが流動物で満たされる充填サイクル時の流動物および空気の送達システム100の条件を示す。充填サイクル時に、カムシャフト132が回転し、カムシャフトローブ132bが弁120を開口し、カムシャフトローブ132dが弁124を閉じる一方で、分注プランジャ122aが薬物112を計量チャンバ122に満たす位置に維持される。
【0035】
図3は、流動物および空気送達システム100がエアゾール送達サイクルの開始時にある流動物および空気送達システム100の概略図である。この操作の際、カムシャフトローブ132dにより弁120が閉じられる。弁120が閉じられた場合、カムシャフトローブ132dおよび132eは弁124および130を閉鎖位置に維持する一方で、カムシャフトローブ132cは分注プランジャ122aを非分注位置に維持する。
【0036】
図4は、流動物および空気送達システム100がエアゾール送達サイクルの終了時にある流動物および空気送達システム100の概略図である。エアゾール送達サイクルの際、カムシャフトローブ132cにより分注プランジャ122aを分注位置に移動し、半球形のプランジャヘッドが反対側の壁に向かって計量チャンバのゴム状壁を押し、それにより半球形計量チャンバ122が空になる。分注プランジャ122aがゴム状壁を押し始めるにつれて、ローブ132dおよび132eは開放位置にプランジャ124aおよび130aを移動させ、弁124および130が開く。
【0037】
薬物112が加熱した毛細通路102に流れて蒸発した流動物として存在する場合、使用者の吸入により周囲空気は周囲空気通路110aから通気路110に移動する。マウスピースにエアゾールが発生するまで空気弁130を閉じたままにすることにより、患者の吸気サイクルの初期にエアゾールを患者に供給し、それにより患者の肺に正確な用量の薬物を送達することができる。
【0038】
図5は、吸気弁、放出弁、ポンプ作動装置(分注プランジャ)、ステッパーモータ、呼吸作動センサ、およびステッパーモータと連結した光センサの時系列を示す。示すように、使用者のマウスピースからの吸入の200ms以内の検出で、吸気弁が閉じ、その後放出弁が開く。同時に、マウスピースの放出口を介した患者の吸引により通気路の弁が開いてマウスピース内に周囲空気が引き込まれる。放出弁が開くと、ポンプ作動装置(分注プランジャ)により、2秒間にわたり加熱された毛細通路に正確な体積の流動物が一定の速度で送達される。周囲空気は加熱された毛細通路によって送達された蒸発流動物と混合してエアゾールを形成し、患者はエアゾールを吸入する。その後、放出弁は閉じられ、次いで吸気弁が開いて計量チャンバに再充填する。エアゾールが患者の呼吸による吸入の開始時に送達されるので、エアゾール中の製剤を効率的に投与することができる。
【0039】
図6は、毛細通路が下流電極である第1の電極106および上流電極である第2の電極108を含む導電性管を備える好ましい加熱器の配置の実施形態である。この実施形態では、毛細通路102は、制御温度プロファイルデザイン(同時係属の本発明の譲受人に譲渡された2001年9月21日提出の米国特許出願第09/957026号(本明細書中で参考として援用される)に開示のものなど)である。制御温度プロファイル毛細通路では、下流電極はデバイスの使用時に電極を十分に加熱する電気抵抗を有するので、毛細管の放出口末端でのヒートロスが最小になる。
【0040】
本発明の1つの態様によれば、毛細通路は、完全にステンレススチールもしくは他の導電性材料から作製された管または白金(Pt)などの導電性材料から形成された加熱器が組み込まれた非導電性もしくは半導電性管から形成される。2つの電極は、加熱部分が2つの電極の間に定義されるように管の長手方向に沿って離間した位置で接続されている。2つの電極の間に印加された電圧により、管または加熱器を構成するステンレススチールまたは他の材料の抵抗率ならびに加熱部分の断面積および長さなどの他のパラメータに基づいて加熱部分が発熱する。流動物が毛細管を介して第1の電極と第2の電極との間の加熱部分に流れた場合、流動物が加熱され、蒸気に変換される。蒸気が毛細管の加熱部分から毛細管の先端を通り、毛細管の放出口末端から排出される。揮発した流動物が毛細管の先端から周囲空気に侵入した場合、揮発した流動物が小滴に凝縮され、それにより好ましくは所望の小滴サイズ(好ましくは、0.5〜2.5μm)のエアゾールが形成される。
【0041】
加熱素子の抵抗の測定または計算に基づいて、毛細流路中の液体の温度を計算することができる。好ましい実施形態では、加熱器は金属管の一部であるか、加熱器は抵抗加熱材料のストリップまたはコイルであり得る。コントローラは、好ましくは、加熱器の抵抗のモニタリングによって流路の温度を制御する。
【0042】
抵抗制御は、以下の単純な原理に基づくことができる:温度が上昇するにつれて加熱器の抵抗が増大する。加熱素子に電力が印加されるにつれて、抵抗加熱のためにその温度は上昇し、加熱器の実際の抵抗も増加する。電力をオフにした場合、加熱器の温度は低下し、それにより抵抗も減少する。したがって、加熱器のパラメータ(例えば、抵抗を計算するための既知の電流を使用した加熱器を介した電圧)のモニタリングおよび電力印加の制御により、コントローラは特定の抵抗目標に相当する温度に加熱器を維持することができる。流路中の液体の加熱に抵抗加熱器を使用しない場合、1つまたは複数の抵抗素子を使用して、加熱した液体の温度をモニターすることもできる。
【0043】
液体が揮発して毛細管の開放端から拡散するように、液体材料への熱移動を誘導するのに十分な温度に対応するように抵抗目標を選択する。コントローラによりスイッチを閉じて加熱を作動させることにより加熱器にエネルギーが持続的に印加され、このような持続時間後および/またはその間に測定デバイスからの入力を使用して加熱器の実時間抵抗を決定する。好ましい実施形態では、加熱器と直列の分路抵抗器(示さず)を通った電圧の測定(それにより加熱器に流れた電流が決定される)および加熱器を通った電圧低下の測定(それにより分路抵抗器を流れた電圧および電流の測定に基づいて抵抗が決定される)によって加熱器の抵抗を計算する。連続的に測定するために、抵抗計算の目的で少量の電流を分路抵抗器および加熱器に継続的に通過させ、より高い電流のパルスを使用して、所望の温度に加熱器を加熱することができる。
【0044】
所望ならば、加熱器の抵抗は加熱器を通過した電流の測定に由来し得るか、他の技術を使用して同一の情報を得ることができる。次いで、コントローラは、加熱器の所望の抵抗目標とコントローラによって決定された実際の抵抗との間の差に基づいてさらなるエネルギーを送るかどうかを決定する。
【0045】
開発モデルでは、加熱器に印加する電力の持続時間を1m秒に設定した。(モニターされた加熱器の抵抗−調整値)が抵抗目標未満である場合、スイッチを閉じた(「オン」)位置にすることによって、別のエネルギーを供給するようにコントローラをプログラムする。調整弁は、作動しなかった場合の加熱器のヒートロス、測定デバイスのエラー、ならびにコントローラおよびスイッチングデバイスのサイクル期間などの要因を考慮する。実質的に、加熱器の抵抗がその温度の関数として変化するので、抵抗制御を使用して温度制御を達成することができる。
【0046】
本発明の実施形態によれば、毛細通路102は12mmの流動物加熱部分を有する32ゲージのSS304管を使用する。さらに、この実施形態では、下流電極106は、長さ3.5mmの29ゲージの管であり、上流電極108は金(Au)めっきした銅(Cu)のピンなどの電極108の抵抗を最小にする任意の幾何学形状を有し得る。
【0047】
制御回路136は、加熱毛細管102の抵抗のモニタリングによって毛細通路102の温度を制御することができる。本発明の実施形態では、毛細通路102の目標温度は、好ましくは約220℃である。この実施形態では、約220℃の目標温度についての加熱毛細管102の測定された電気抵抗は、好ましくは0.4オームである。0.4オームの抵抗を達成するために、制御回路136は第1の電極106に電力をパルス状に送る。本発明の実施形態では、制御回路136は、毛細管102の長さを横切る抵抗を計算するために電圧および電流を測定する。制御回路136により得られた抵抗が目標値未満であると計算された場合、制御回路136は10m秒電源をオンにする。制御回路136は、毛細管102の目標抵抗が達成されるまでこのプロセスを反復しつづける。同様に、制御回路136により毛細通路102の温度に必要な抵抗よりも高い抵抗が測定された場合、制御回路136は、10m秒電源をオフにする。この実施形態では、制御回路136は、アセンブリ言語でプログラミングされたChandlerm,Azに所在するMicrochip Technology Inc.から市販されているマイクロチップPIC16F877などの電極106および108を介して毛細管102の抵抗を制御することができる任意のプロセッサを備えることができる。制御回路136は、ステッパーモータ134ならびに主オン/オフスイッチ142に組み込まれたバッテリパック140とLCDの両方の状態をチェックする光センサおよび圧力センサの両方を制御する機能を備えることも留意すべきである。制御回路136はまた、残存用量の数値を表示するためのプロセッサ、患者の遵守に関する情報、ロックアウト時間、および/または小児用安全ロックを介した機能を備えることができる。毛細通路102内での薬物112の蒸発後、蒸発した薬物は凝縮のための周囲空気との混合のために凝縮領域107に拡散される。
【0048】
エアゾール発生器は、高濃度で約0.5μmと約2.5μmとの間の範囲の粒子サイズの凝縮エアゾールを発生させることができる。エアゾール発生器を、標的とする肺深部への薬物の送達の潜在性が高い手持ち式の携帯装置に小型化することができる。これらのエアゾールは、肺深部への薬物の送達について多数の利点を提供する。例えば、特に呼吸保持(breath hold)と組み合わせた場合、口およびのどへの沈着を最初にする一方で、肺深部への沈着を最大にする。さらに、適切な親水性キャリアを使用した場合、吸湿性の増大によって沈着がさらに増大し得る。
【0049】
エアゾールのメジアン粒子サイズを、毛細管サイズの増加および/または毛細通路を通る流動物の流速の減少によって増加させることができる。エアゾール発生器は、好ましくは、95%のエアゾール粒子(エアゾール小滴)が5.6μmより小さく、より好ましくは約0.5μmと約2.5μmとの間の範囲であるエアゾールを発生する。エアゾール発生器は、好ましくは、発生プロセスの制御のためのプロセッサチップが組み込まれている。適切なセンサを備えたプロセッサはまた、吸入時の任意の所望の時間にエアゾール発生を開始させる。プロセッサはまた、患者にフィードバックするための遵守情報を保存および報告することができる。エアゾール発生器の使用時に、エアゾール化されるべき薬物をキャリアに溶解する。親水性キャリアの適切な選択により、このエアゾール発生器は、呼吸器系中で吸湿性の増大を活用することができる。
【0050】
好ましいエアゾール発生器の操作を以下に示す。第1に、流動物キャリアを薬物と共に加熱した毛細通路を介してポンピングする。通路中で流動物が蒸発し、通路の開放端から蒸気ジェットとして排出される。蒸気ジェットは周囲空気を連行し、周囲空気と混合し、冷却し、凝縮させて高濃度の微細なエアゾールが形成される。加熱された通路は、加熱器に覆われたガラス毛細管およびステンレススチールから形成された毛細管の使用を含む種々の形態をとることができる。エアゾール液を蒸発させるための熱の適用は、通常、金属毛細管を介した電流の通過からの抵抗加熱によって達成される。流動物のエアゾールへの変換を最大にするように印加電力を調整する。
【0051】
エアゾール発生器は、毛細管のサイズおよび流動物の蒸発に利用可能な電力に依存する流動物の流速範囲でエアゾールを発生することができる。エアゾールを発生するために使用することができる流動物は、所在地がAtlanta,GaのFisher ScentificからUSPグレード(CAS番号57−55−6)として得られるプロピレングリコール(PG)である。PGの沸点は189℃であり、密度は1.036g/mLである。薬物モデルとして使用した溶質化合物は、所在地がAtlanta,GaのFisher Scentificから利用可能なトリフェニルメタン(CAS番号519−73−3)およびオレイルアルコール(CAS番号143−28−2)であった。
【0052】
エアゾール発生器によって生成されたエアゾールの質量メジアン空気動力学的粒径(MMAD)は、加熱した毛細管サイズの流路の直径と流入流速との関数である。図7は、いくつかの毛細管の直径についてのPG流速の関数としてプロットした実験的MMADを示す。図7に示すデータは、溶質を含まないPGを反映する。流速が増加するにつれて、最初にエアゾールのMMADが減少し、次いで、一定レベルに安定する。毛細管の直径が増加するにつれて、流速範囲全体についての粒子サイズも増加する。本発明の実施形態では、これら2つの効果を使用して、エアゾールのMMADを調整することができる。
【0053】
溶質はPGの核剤として作用することができるので、薬物などの溶質のPGへの添加により凝縮プロセスを変化させることができる。溶質の蒸気圧がPGと類似する場合、溶質はPG凝縮と同時にエアゾールに凝縮する。PG中のトリフェニルメタン(TPM)濃度が0.28%である場合、TPMはPGと同様に挙動し、TPMおよびPGは共にエアゾールを形成し、図8により明確に示すように、TPMは総エアゾールと同一の化学的分布を有する。図8に示すグラフでは、流動物の流量は2.5mg/秒であり、PGのMMADは約1.1μmと1.5μmとの間であった。
【0054】
溶質の揮発性がPG未満である実施形態では、溶質は初期に凝縮プロセスを開始し、その後のPG凝縮の核剤の役目を果たすことができる。この実施形態では、溶質の化学的分布とエアゾール全体の質量分布との間に相違が起こり得る。これ自体が溶質およびPGのMMADの相違を示す。これらは2つの異なるエアゾールではないことに留意すべきである。その代わりに、サイズの関数として種々の化学組成のエアゾールが生成される。図9により明らかに示すように、PGエアゾールの核生成に対する溶質の影響のためにオレイルアルコール(OA)を含むPGのMMADは、溶質濃度の関数であり得る。図9に示す実施形態では、流動物の流量は3.3mg/秒である。PGの核剤として作用する溶質の存在によりエアゾールのMMADが減少することに留意すべきである。この実施形態では、10重量%の溶質を有するOAのカスケードインパクタおよびUSP誘導ポート中の総回収率は、毛細管にポンピングされた量の95.1±1.2%であった。
【0055】
認識することができるように、本発明の好ましい実施形態は、製剤の蒸発および凝縮を制御することができるエアゾール発生器を提供する。さらに、本発明の好ましい実施形態は、所定用量の薬物を有する置換可能なリザーバを提供する。エアゾール発生器の好ましい実施形態は、患者の健康状態によって制限され得る肺活量を浪費しないように患者に直接エアゾールを送達することができる。また、エアゾール発生器の好ましい実施形態は、制御された量の製剤を患者に一貫して送達することができる。したがって、使用者がリザーバおよびバッテリを継続的に交換し、それによりエアゾール発生器の寿命を長くすることができるので、エアゾール発生器の好ましい実施形態に関する総費用が減少する。
【0056】
上記は、本発明実施の形態の例であり、制限されることを意図しない。添付の特許請求の範囲に記載の本発明の精神および範囲を逸脱することなくその修正をなし得ることができることが当業者に明らかである。例えば、好ましいエアゾール発生器として加熱された毛細管が記載されているが、液体または粉末を高圧ガスまたは超音波振動によってエアゾールに形成することができる高圧ガスベースのエアゾール発生器またはネブライザベースのエアゾール発生器などによる他の技術によってエアゾールを発生させることができる。さらに、好ましい加熱された毛細通路として加熱された毛細管が記載されているが、毛細通路を、チャネルに沿って配置した加熱器を有するラミネート中の1つまたは複数のチャネル、複数の毛細管配置、通路内に配置した加熱器を有する通路、流動物が環状チャネルなどを介して流れる同軸配置として提供することができる。さらに、好ましい弁操作機構としてカム使用配置を記載したが、その代わりに各電磁弁または他の弁動作配置を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態によるエアゾール発生器の概略図である。
【図2】本発明の実施形態による図1を参照して示された流動物および空気送達システムの略図である。
【図3】流動物および空気送達システムがリザーバ閉鎖操作を行った、図2を参照して示された流動物および空気送達システムの略図である。
【図4】本発明の実施形態による流動物および空気送達システムが分注サイクルにある、図3を参照して示された流動物および空気送達システムの略図である。
【図5】本発明の好ましい実施形態によるエアゾール発生器の操作の時系列の略図である。
【図6】第1の電極および第2の電極を有する毛細通路の概略図を示す本発明の実施形態である。
【図7】本発明の実施形態によるプロピレングリコールエアゾールについての粒子サイズに対する毛細通路の直径および質量流量の効果を示すグラフである。
【図8】溶質および液体溶媒の蒸気圧が等しい場合の挙動を示す粒子サイズの関数としてのプロピレングリコールおよびトリフェニルメタンの化学的分布を示すグラフである。
【図9】溶質および液体溶媒の蒸気圧が異なる場合の挙動を示すMMADに対するオレイルアルコール濃度の効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のものを含むエアゾール発生器:
前記エアゾール発生器の使用者にエアゾールを供給する放出口を有するマウスピース、
前記マウスピース内部に空気を供給する通気路、および
前記マウスピース内部の圧力低下を検出するセンサ。
【請求項2】
下記のものをさらに含む請求項1に記載のエアゾール発生器:
ハウジング、
前記ハウジング内に配置した毛細通路、
前記ハウジング内に配置した加熱器、
前記ハウジング内に配置したリザーバ、
前記ハウジング内に配置した計量チャンバ(ただし前記計量チャンバは第1の流路によって前記リザーバから流動物を供給され、前記毛細通路は第2の流路によって前記計量チャンバから流動物を供給される)、
前記加熱器に電力を供給するように適合させた電源、
前記第1の流路を開閉するように適合させた第1の弁、
前記第2の流路を開閉するように適合させた第2の弁、および
前記通気路を開閉するように適合させた第3の弁。
【請求項3】
モータおよびカムシャフトをさらに備え、
前記カムシャフトは、第1、第2、および第3の弁に動作可能に連結した複数のカムシャフトローブを備え、前記カムシャフトローブはエアゾール送達サイクル時に第1の弁を閉じ、第2および第3の弁を開けるように操作して流動物を毛細通路に供給することができる請求項2に記載のエアゾール発生器。
【請求項4】
カムシャフトローブは充填サイクル時に第1の弁を開き、且つ第2および第3の弁を閉じて流動物を計量チャンバに供給することができる請求項3に記載のエアゾール発生器。
【請求項5】
カムシャフトに動作可能に連結されるステッパーモータをさらに含み、前記ステッパーモータは前記カムシャフトを回転させて、第1、第2、および第3の弁を開閉する請求項3に記載のエアゾール発生器。
【請求項6】
リザーバを、ハウジングに着脱可能に取り付けることができ、前記リザーバは所望により前記リザーバ中の流動物を圧縮するように操作可能なピストンを備える請求項2に記載のエアゾール発生器。
【請求項7】
ハウジングはハウジングにスライド可能に取り付けたキャップを備え、前記キャップはその一方の末端にマウスピースを備え、前記キャップは第1貯蔵位置からエアゾール送達位置にスライド可能であり、そのエアゾール送達位置においてエアゾール発生器が呼吸作動モードになり、そのモードで使用者が放出口から吸入することによってエアゾールの用量を得ることができる請求項2に記載のエアゾール発生器。
【請求項8】
キャップをエアゾール送達位置に移動させる場合に露呈するハウジングの一部に配置された液晶ディスプレイをさらに含む請求項7に記載のエアゾール発生器。
【請求項9】
コントローラをさらに備え、センサは使用者がマウスピースの放出口から吸入した場合にコントローラにシグナルが送信されるように操作することができる請求項1に記載のエアゾール発生器。
【請求項10】
センサは、使用者がマウスピースの放出口から吸入する場合にマウスピースの内部の圧力低下を検出する変換器を備える請求項9に記載のエアゾール発生器。
【請求項11】
エアゾール送達サイクル時に計量チャンバのゴム状壁に係合する分注ピストンをさらに備える請求項2に記載のエアゾール発生器。
【請求項12】
エアゾール送達サイクル時に計量チャンバのゴム状壁に係合する分注ピストンをさらに備え、カムシャフトが分注ピストンを往復運動するように動作可能なカムシャフトローブを含む請求項3に記載のエアゾール発生器。
【請求項13】
加熱器のパラメータをモニターし、エアゾール送達サイクル時に加熱器が所望の温度範囲に維持されるように電源装置から加熱器に送電するように適応されたコントローラをさらに備える請求項2に記載のエアゾール発生器。
【請求項14】
エアゾール発生器は手持ち式吸入器であり、マウスピース内部は通気路のみを介して空気を供給され、エアゾール発生器は、弁と、使用者が放出口から吸入するにつれてセンサがマウスピース内部の圧力低下を検出した後の所定の時間内に弁を開く弁制御機構とを備える請求項1に記載のエアゾール発生器。
【請求項15】
カムシャフトの一回転でプログラムされたサイクルに従って第1、第2および第3弁を開閉するように動作可能なモータ駆動カムシャフトをさらに備え、エアゾール発生器はカムシャフトが一回転を完了すると感知するように動作可能な光センサを備える請求項2に記載のエアゾール発生器。
【請求項16】
エアゾール発生器の使用者にエアゾールが供給される放出口を有するマウスピース、
エアゾールをマウスピース内部に供給するように操作可能なエアゾール発生システム、 マウスピース内部に空気が供給される通気路、
マウスピース内部の圧力低下の検出時にシグナルを出力するように操作可能な圧力センサ、
圧力センサによるシグナルの出力に応答してマウスピース内部にエアゾールを送達させるように前記エアゾール発生システムを作動させるように動作可能なコントローラ、
通気路を開閉するように操作可能な弁、
を含むエアゾール発生器であって、
前記コントローラは圧力センサによるシグナルの出力に応答して前記弁を開くように操作することができるエアゾール発生器。
【請求項17】
エアゾール発生システムは、高圧ガスベースのエアゾール発生器、ネブライザベースのエアゾール発生器、または蒸気ベースのエアゾール発生器を備える請求項16に記載のエアゾール発生器。
【請求項18】
エアゾール発生器はハウジングおよび前記ハウジングにスライド可能に取り付けたキャップを備え、前記キャップはその一方の末端にマウスピースを備え、前記キャップはエアゾールのマウスピース内部への送達を防止するオフ位置から使用者が放出口からの吸入によって一定用量のエアゾールを得ることができる呼吸作動モードにエアゾール発生システムがあるエアゾール送達位置までスライドすることができる請求項16に記載のエアゾール発生器。
【請求項19】
エアゾール発生器は手持ち式吸入器を備え、エアゾール発生システムは毛細通路サイズの流路およびマウスピース内部にエアゾールを発生させるための流路中の液体を揮発させるように配置した加熱器を備える請求項16に記載のエアゾール発生器。
【請求項20】
分注部材および計量チャンバをさらに備え、前記計量チャンバは凹部および前記凹部をカバーするゴム状壁を備え、前記分注部材は前記ゴム状壁に関連する第1の位置から前記ゴム状壁が凹部に変形する第2の位置に移動することができ、前記計量チャンバは流動物の供給源と流路との間に流動物を伝達し、前記分注部材は流路中の流動物の流速を実質的に一定にする様式で移動することができる請求項19に記載のエアゾール発生器。
【請求項21】
下記のものを含むエアゾール発生器:
材料の第1の層中の凹部および前記凹部を覆うゴム状の層を含む計量チャンバ、
前記ゴム状壁に関連する第1の位置から前記ゴム状壁が凹部に変形する第2の位置に移動することができる分注部材、
計量チャンバに流動物を伝達する流路、
前記流路の放出口に流動物を伝達する内部を有するマウスピース、
前記流路の少なくとも一部に熱を伝達させる加熱器であって、揮発した流動物が前記マウスピース内部でエアゾールを形成するように前記流路中の流動物を揮発するように操作することができる加熱器。
【請求項22】
エアゾール発生器はハウジングおよび前記ハウジングにスライド可能に取り付けたキャップを備え、前記キャップはその一方の末端にマウスピースを備え、前記キャップはエアゾールのマウスピース内部への送達を防止するオフ位置から使用者が放出口からの吸入によって一定用量のエアゾールを得ることができる呼吸作動モードにエアゾール発生システムがあるエアゾール送達位置までスライドすることができる請求項21に記載のエアゾール発生器。
【請求項23】
流路を介して所定の体積の流動物の流速が実質的に一定になるように第1の位置から第2の位置に分注部材を移動する動作機構を電気的に操作するコントローラをさらに備える請求項21に記載のエアゾール発生器。
【請求項24】
前記材料の第1の層は、吸気口と、前記吸気口と計量チャンバとの間の範囲の第1のチャネルと、放出口および計量チャンバと前記放出口との間の範囲の第2のチャネルと、前記吸気口、前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、および前記放出口をカバーするゴム状の層とを備える請求項21に記載のエアゾール発生器。
【請求項25】
第1および第2のプランジャをさらに備え、前記第1のプランジャは吸気口が開く第1の位置から吸気口を閉じるためにゴム状の層が第1の弁座に押される第2の位置に移動可能であり、前記第2のプランジャは放出口が開く第1の位置から放出口を閉じるためにゴム状の層が第2の弁座に押される第2の位置に移動可能である請求項24に記載のエアゾール発生器。
【請求項26】
第1のプランジャを第2の位置に移動させながら、第2のプランジャを第1の位置に維持する動作機構をさらに備える請求項25に記載のエアゾール発生器。
【請求項27】
使用者がマウスピースの放出口から吸入した場合にマウスピースの内部の圧力低下を感知する工程と、圧力低下を検出した場合にマウスピース内部にエアゾールを供給する工程と、圧力低下が検出された場合に通気路の開放によってマウスピース内部に空気を供給する工程とを含む、エアゾールを使用者に送達させるマウスピースを有するエアゾール発生器を使用したエアゾール発生方法。
【請求項28】
エアゾール発生器はスライド可能なキャップを有する手持ち式吸入器を備え、前記方法はキャップを閉鎖位置から開放位置にスライドさせる工程をさらに含み、前記開放位置は圧力低下が検出された場合にエアゾール発生器の構成要素を使用者にエアゾールを送達させるように作動させる請求項27に記載のエアゾール発生方法。
【請求項29】
エアゾール発生器は、加熱器および毛細通路を備え、前記加熱器は加熱器中の流動物の揮発に十分なように前記毛細通路を加熱し、揮発した流動物は空気と混合されてエアゾールを形成する請求項27に記載のエアゾール発生方法。
【請求項30】
エアゾール発生器は薬物を含有するリザーバを有する手持ち式吸入器を備え、前記薬物が揮発されマウスピースの内部に供給される請求項27に記載のエアゾール発生方法。
【請求項31】
エアゾール発生器はコントローラ、加熱器および毛細通路を含み、コントローラは加熱器のパラメータをモニターし、加熱器を所望の温度範囲に維持しながら流動物が毛細通路を通過し、流動物が揮発してエアゾールを形成するように加熱器への電力の供給を制御する請求項27に記載のエアゾール発生方法。
【請求項32】
エアゾール発生器は、ハウジングと、前記ハウジング内に配置した毛細通路であってマウスピース内部に流動物を伝達する放出口を有する毛細通路と、前記ハウジング内に配置した加熱器と、前記ハウジング内に配置したリザーバと、前記ハウジング内に配置した計量チャンバと、前記加熱器に電力を供給するように適合させた電源と、前記第1の流路を開閉するように適合させた第1の弁と、前記第2の流路を開閉するように適合させた第2の弁と、前記通気路を開閉するように適合させた第3の弁とを含み、前記計量チャンバが第1の流路によって前記リザーバから流動物を供給され、前記毛細通路が第2の流路によって計量チャンバから流動物を供給され、前記加熱器への電力の供給、前記第1の弁の閉鎖、前記第2および第3の弁の開放、前記計量チャンバからの流動物の除去、所定の体積の流動物の毛細通路への供給、および前記毛細通路での前記流動物の揮発によって前記エアゾールがマウスピース内部に供給される請求項27に記載のエアゾール発生方法。
【請求項33】
エアゾール発生器は、第1、第2、および第3の弁を開閉するように動作可能なモータ駆動カムシャフトを含み、前記方法は、前記カムシャフトを第1の位置に回転させて前記第1の弁が閉じ、前記第2および第3の弁が開いてエアゾール送達サイクル時に所定の体積の流動物が毛細通路に送達される工程と、前記カムシャフトを第2の位置にさらに回転させて前記第2および第3の弁が閉じ、前記第1の弁が開いて充填サイクル時に流動物がリザーバから計量チャンバに送達される工程をさらに含む請求項32に記載のエアゾール発生方法。
【請求項34】
エアゾール発生器は、少なくとも10用量の薬物混入流動物を含むリザーバを備え、前記方法は、所定の体積の薬物混入流動物をリザーバから毛細通路に送達させることによって所定の体積の前記薬物混入流動物を計量チャンバに充填する工程と、毛細通路を加熱して所定の体積の薬物混入流動物を揮発する工程と、マウスピースの内部で空気と揮発した流動物を混合することによってエアゾールを形成する工程をさらに含む請求項27に記載のエアゾール発生方法。
【請求項35】
エアゾール発生器は押しのけピストンを備え、前記方法は、押しのけピストンを計量チャンバが流動物で満たされた第1の位置から前記押しのけピストンにより前記計量チャンバのゴム状壁が偏向する第2の位置に移動する工程を含む請求項34に記載のエアゾール発生方法。
【請求項36】
エアゾール発生器は、加熱器に電力をパルス状に送ることにより流動物が毛細通路を通過するにつれて毛細通路が加熱されることによって毛細通路中の流動物の温度を制御し、流動物を揮発させてマウスピース内でエアゾールが形成する制御回路を含む請求項29に記載のエアゾール発生方法。
【請求項37】
通気路のみを介してマウスピースの内部に空気を供給し、前記通気路を弁によって開閉し、前記弁を圧力低下の感知時に閉じ、前記弁を圧力低下の感知後の所定の時間内に開き、その後エアゾールがマウスピースの内部に供給される請求項27に記載のエアゾール発生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−501871(P2006−501871A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−559573(P2003−559573)
【出願日】平成15年1月15日(2003.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/001048
【国際公開番号】WO2003/059413
【国際公開日】平成15年7月24日(2003.7.24)
【出願人】(501154448)クリサリス テクノロジーズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】CHRYSALIS TECHNOLOGIES INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7801 Whitepine Road, Richmond, VA 23237 United States of America
【Fターム(参考)】