説明

製袋包装機

【課題】包材を安定してシールすることができる。
【解決手段】製袋包装機100は、プルダウンベルト機構23と、縦シール機構2と、制御部29とを備える。プルダウンベルト機構は、筒状フィルムFmを搬送する。縦シール機構は、プルダウンベルト機構によって搬送されている筒状フィルムに圧力および超音波振動を与えて、筒状フィルムをシールする。制御部は、プルダウンベルト機構によって搬送される筒状フィルムの速度、および、縦シール機構によって筒状フィルムに与えられる超音波振動の振幅を制御する。制御部は、プルダウンベルト機構によって筒状フィルムの搬送が開始される第1時点に移行する直前の時間領域において、筒状フィルムに超音波振動を与える。制御部は、第1時点に移行した後の時間領域において、筒状フィルムの速度に応じた振幅を有する超音波振動をフィルムに与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2001−233309号公報)に開示されているように、フィルム状の包材から袋を成形して、菓子などの被包装物を袋に充填する製袋包装機として、超音波シール装置を備える製袋包装機が用いられている。超音波シール装置は、熱可塑性の包材に微細な超音波振動を与えて包材を溶融させた後、包材を加圧してシールする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、包材のシール時に包材の搬送速度が変化する機構を有する超音波シール装置では、シール時に包材に与えられるエネルギーが適切に制御されない場合に、包材を安定してシールすることができない。
【0004】
本発明の目的は、包材を安定してシールすることができる製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る製袋包装機は、搬送部と、シール部と、制御部とを備える。搬送部は、筒状のフィルムを搬送する。シール部は、搬送部によって搬送されているフィルムに圧力および超音波振動を与えて、フィルムをシールする。制御部は、搬送部によって搬送されるフィルムの速度、および、シール部によってフィルムに与えられる超音波振動の振幅を制御する。制御部は、搬送部によってフィルムの搬送が開始される第1時点に移行する直前の時間領域において、フィルムに超音波振動を与える。制御部は、第1時点に移行した後の時間領域において、フィルムの速度に応じた振幅を有する超音波振動をフィルムに与える。
【0006】
本発明に係る製袋包装機は、包材であるフィルムを搬送しながら圧力および超音波振動を与えて、フィルムをシールする。この製袋包装機は、フィルムの搬送が開始される直前の予備動作の時間帯において、フィルムに超音波振動を与える。フィルムの搬送前にフィルムに超音波振動のエネルギーを予め与えることによって、フィルムをシールする本動作の時間帯において、フィルムをスムーズに溶着することができる。従って、本発明に係る製袋包装機は、包材を安定してシールすることができる。
【0007】
また、本発明に係る製袋包装機は、制御部は、第1時点から、フィルムの速度が一定になる第2時点までの時間領域において、フィルムの速度が増加するに従って、フィルムに与えられる超音波振動の振幅が増加するように、搬送部およびシール部を制御することが好ましい。この態様では、フィルムの搬送が開始される時点から、フィルムの搬送速度が増加して一定になる時点までの時間帯において、フィルムの速度が増加するに従って、フィルムに与えられる超音波振動の振幅が増加する。
【0008】
また、本発明に係る製袋包装機では、制御部は、第2時点以降であって、かつ、フィルムの速度が減少し始める第3時点の直前において、フィルムに与えられる超音波振動の振幅が減少し始めるように、搬送部およびシール部を制御することが好ましい。この態様では、フィルムの搬送速度が減少し始める時点より前に、フィルムに与えられる超音波振動の振幅が減少し始める。これにより、フィルムの搬送速度が減少する時間帯において、フィルムに超音波振動のエネルギーが必要以上に与えられて、フィルムが過度に溶着することを防ぐことができる。
【0009】
また、本発明に係る製袋包装機では、シール部は、ホーンと、アンビルと、ホーンおよびアンビルを介してフィルムに圧力を与える加圧部とを有し、制御部は、第1時点に移行する直前の時間領域において、加圧部によってフィルムに圧力を与えるように、搬送部およびシール部を制御することが好ましい。この態様では、フィルムの搬送が開始される直前の予備動作の時間帯において、ホーンとアンビルとの間に挟持されているフィルムに圧力が加えられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る製袋包装機は、包材を安定してシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る製袋包装機の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る製袋包装機の縦シール機構の外観図である。
【図3】本発明の実施形態に係る縦シール機構のブロック構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るタイムチャートである。
【図5】本発明の変形例Aに係るタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)製袋包装機の構成
本発明の実施形態に係る製袋包装機100の概略構成図を図1に示す。製袋包装機100は、ポテトチップスなどの被包装物を筒状に成形したフィルムで覆い、フィルムを縦方向および横方向にシールして、被包装物が入った袋を製造する機械である。
【0013】
製袋包装機100は、図1に示すように、主として、包材である熱可塑性のフィルムFを供給するフィルム供給部(図示せず)と、フィルム供給部からシート状で送られてくるフィルムFを筒状に成形する成形機構1と、筒状に成形されたフィルムF(以下、「筒状フィルムFm」と呼ぶ。)の重なり部分を縦方向にシールする縦シール機構2と、筒状フィルムFmを横方向にシールする横シール機構3とを有している。
【0014】
(1−1)成形機構
成形機構1は、チューブ11と、フォーマー12とを有している。チューブ11は、円筒形状の部材であり上下端が開口している。チューブ11の上端の開口部には、被包装物であるポテトチップスCが投入される。フォーマー12は、チューブ11を取り囲むように配置されている。フォーマー12は、フィルム供給部から送られたシート状のフィルムFが、フォーマー12とチューブ11との間を通るときに筒状フィルムFmに成形されるような形状を有している。筒状フィルムFmは、フィルムFの水平方向の両端部が互いに重なっている重なり部分を有する。チューブ11およびフォーマー12は、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0015】
また、図1に示されるように、製袋包装機100の正面から見てチューブ11の左側および右側には、プルダウンベルト機構23が設けられている。プルダウンベルト機構23は、チューブ11に巻き付いた筒状フィルムFmを吸着して下方に搬送する。
【0016】
(1−2)縦シール機構
縦シール機構2は、プルダウンベルト機構23によって下方に搬送される筒状フィルムFmの重なり部分に、超音波振動および圧力を与えて縦方向にシールする機構である。縦シール機構2の外観図を図2に示す。縦シール機構2は、ホーン21とアンビル22とを有している。ホーン21は、超音波振動子21aおよびエアシリンダ21bに連結されている。アンビル22は、チューブ11の外周面に取り付けられ、ホーン21の先端面と対向して配置される。ホーン21は、超音波振動子21aが発振した超音波に基づいて、超音波振動を引き起こす。ホーン21は、エアシリンダ21bの内部の空気圧に基づいて、アンビル22に向かって進退する。ホーン21は、アンビル22との間に筒状フィルムFmを挟持した状態で、筒状フィルムFmを超音波振動によって加熱して溶融させ、筒状フィルムFmをアンビル22に向かって押し当てて加圧する。これにより、筒状フィルムFmの重なり部分が溶着してシールされる。
【0017】
縦シール機構2のブロック構成図を図3に示す。超音波振動子21aは超音波発信器24に接続され、エアシリンダ21bは電空レギュレータ25に接続されている。超音波発信器24は、超音波振動子21aによってホーン21が引き起こす超音波振動の振幅を制御する装置である。電空レギュレータ25は、空気源(図示せず)から供給される空気を、電磁弁25aを介してエアシリンダ21bに送り込み、エアシリンダ21bの内部の空気圧を制御する装置である。すなわち、電空レギュレータ25は、ホーン21およびアンビル22によって筒状フィルムFmに与えられる圧力を制御する。制御部29は、プルダウンベルト機構23、超音波発信器24および電空レギュレータ25の動作を制御するコンピュータである。
【0018】
(1−3)横シール機構
横シール機構3は、成形機構1および縦シール機構2の下方に配置されている。横シール機構3は、ヒータを内蔵する一対のシールジョー31を有している。一対のシールジョー31は、それぞれ、製袋包装機100の正面から見て筒状フィルムFmの前側および後側に配置されている。一対のシールジョー31は、それぞれ、前後対称の略D字状の軌跡Tを描くように旋回する。一対のシールジョー31は、旋回の途中で、互いに押しつけ合う状態で筒状フィルムFmを挟持し、袋の上下の端部となる筒状フィルムFmの部分に圧力および熱を加えてシールする。
【0019】
シールジョー31の一方の内部には、カッター(図示せず)が内蔵されている。このカッターは、シールジョー31による横シール部分の高さ方向の中心位置において、袋Bと後続の筒状フィルムFmとを切り離す。
【0020】
(2)製袋包装機の動作
被包装物であるポテトチップスCは、製袋包装機100の上方に設けられた計量機(図示せず)によって所定の量だけ計量され、成形機構1のチューブ11の内部に投入される。フィルムFは、フィルム供給部からシート状で送られてきて、成形機構1によって筒状に成形される。成形された筒状フィルムFmは、縦シール機構2によって、プルダウンベルト機構23によって下方に搬送されながら、縦方向にシールされる。
【0021】
縦シール機構2では、超音波振動子21aが発振する超音波振動に基づいて、ホーン21は超音波振動を引き起こす。ホーン21とアンビル22との間に挟持されている筒状フィルムFmの重なり部分は、ホーン21の超音波振動のエネルギーを受けて加熱されて溶融する。溶融した筒状フィルムFmの重なり部分は、ホーン21およびアンビル22に挟持されて加圧される。これにより、筒状フィルムFmの重なり部分は、溶着してシールされる。制御部29は、筒状フィルムFmを縦方向にシールする過程において、プルダウンベルト機構23によって搬送される筒状フィルムFmの速度、超音波振動子21aが発振する超音波振動の振幅、エアシリンダ21bの内部の空気圧を制御する。
【0022】
筒状フィルムFmは、縦シール機構2によって縦方向にシールされた後、横シール機構3によって、袋Bの上下の端部となる部分が横方向にシールされる。最初に、袋Bの下端部となる部分が横シールされ、チューブ11内のポテトチップスCが筒状フィルムFmの内部に投入される。次に、袋Bの上端部となる部分が横シールされ、シールジョー31に内蔵されるカッターによって、この横シール部分の高さ方向の中心位置が切断される。これにより、袋Bが、後続の筒状フィルムFmから切り離される。
【0023】
(3)縦シール機構の制御
本発明の実施形態に係る製袋包装機100において、縦シール機構2が筒状フィルムFmを超音波でシールする際の制御部29の動作について、図4のタイムチャートを参照しながら説明する。図4は、縦シール機構2が、筒状フィルムFmの搬送を開始して、筒状フィルムFmをシールして、筒状フィルムFmの搬送を停止するまでの時刻t0〜t6における、筒状フィルムFmの搬送速度および筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅の時間変化を表す。図4において、「フィルム搬送速度」は、プルダウンベルト機構23によって下方に搬送される筒状フィルムFmの速度を表し、「超音波の振幅」は、超音波発信器24によって筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅を表す。製袋包装機100は、袋Bを連続的に製造する過程において、図4に示される時刻t0〜t6のサイクルを繰り返す。なお、時刻t0〜t6において、筒状フィルムFmには、エアシリンダ21b内部の空気圧に基づく所定の圧力が加えられている。以下、時刻t0〜t6のそれぞれの時点における制御部29の制御について説明する。
【0024】
時刻t0において、筒状フィルムFmは、ホーン21とアンビル22との間に挟持された状態で、搬送されずに静止している。時刻t0において、筒状フィルムFmには、超音波振動が与えられていない。
【0025】
時刻t1において、筒状フィルムFmは、ホーン21とアンビル22との間に挟持された状態で、搬送されずに静止している。時刻t1において、筒状フィルムFmに超音波振動が与えられ始める。時刻t0から時刻t1までの時間帯において、フィルム搬送速度および超音波振幅は、共にゼロである。
【0026】
時刻t2において、筒状フィルムFmの搬送が開始され、かつ、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が増加し始める。時刻t1から時刻t2までの時間帯において、フィルム搬送速度はゼロであり、超音波振幅はa1の一定値を示す。
【0027】
時刻t3において、筒状フィルムFmの速度が一定になり、かつ、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が一定になる。時刻t2から時刻t3までの時間帯において、フィルム搬送速度はゼロからv1まで徐々に増加し、超音波振幅はa1からa2まで徐々に増加する。
【0028】
時刻t4において、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が減少し始める。時刻t3から時刻t4までの時間帯において、フィルム搬送速度はv1の一定値を示し、超音波振幅はa2の一定値を示す。
【0029】
時刻t5において、筒状フィルムFmの搬送速度が減少し始める。時刻t4から時刻t5までの時間帯において、フィルム搬送速度はv1の一定値を示し、超音波振幅はa2からa3まで徐々に減少する。
【0030】
時刻t6において、筒状フィルムFmの搬送速度がゼロになり、かつ、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅がゼロになる。時刻t5から時刻t6までの時間帯において、フィルム搬送速度はv1からゼロに向かって徐々に減少し、超音波振幅はa3からa4に向かって徐々に減少した後にゼロになる。
【0031】
(4)製袋包装機の特徴
(4−1)
本実施形態に係る製袋包装機100では、縦シール機構2が筒状フィルムFmをシールする過程において、筒状フィルムFmの搬送が開始される時刻t2の直前の予備動作の時間帯t1〜t2において、振幅a1の超音波振動が筒状フィルムFmに与えられる。すなわち、本実施形態では、筒状フィルムFmを搬送しながら筒状フィルムFmに超音波振動を与えてシールする本動作の時間帯t2〜t6より前に、筒状フィルムFmに超音波振動のエネルギーが与えられる。これにより、本動作の時間帯t2〜t6において、筒状フィルムFmがスムーズに溶着される。従って、本実施形態に係る製袋包装機100は、筒状フィルムFmを安定してシールすることができる。
【0032】
(4−2)
本実施形態に係る製袋包装機100では、縦シール機構2が筒状フィルムFmをシールする過程において、筒状フィルムFmの速度が減少し始める時刻t5より前の時刻t4において、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が減少し始める。ここで、筒状フィルムFmの速度が減少し始める時刻t5と同じ時刻に、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が減少し始める場合(すなわち、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が時刻t5まで減少しない場合)を仮定すると、筒状フィルムFmの速度が減少する時刻t5〜t6の時間帯において、筒状フィルムFmに超音波振動のエネルギーが必要以上に与えられるおそれがある。また、超音波振動のエネルギーに基づくホーン21の温度の上昇によってホーン21の物理的特性が変化することにより、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が増加して、筒状フィルムFmに超音波振動のエネルギーが必要以上に与えられるおそれがある。
【0033】
本実施形態に係る製袋包装機100では、筒状フィルムFmの速度が減少し始める時刻t5において、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅がa2からa3まで低下しているので、超音波振動のエネルギーによって筒状フィルムFmが過度に溶着してしまうことを防ぐことができる。従って、本実施形態に係る製袋包装機100は、筒状フィルムFmを安定してシールすることができる。
【0034】
(4−3)
本実施形態に係る製袋包装機100では、筒状フィルムFmの速度に応じた振幅を有する超音波振動が、筒状フィルムFmに与えられる。すなわち、縦シール機構2が筒状フィルムFmをシールする過程において、制御部29は、筒状フィルムFmに与えられるエネルギーが適切に制御する。従って、本実施形態に係る製袋包装機100は、筒状フィルムFmを安定してシールすることができる。
【0035】
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。次に、本実施形態に対する適用可能な変形例について説明する。
【0036】
(5−1)変形例A
本実施形態に係る製袋包装機100では、図4に示されるように、制御部29は、筒状フィルムFmの速度に応じた振幅を有する超音波振動を筒状フィルムFmに与える制御を行うが、制御部29は、上記制御と共に、図5に示されるように、筒状フィルムFmの速度に応じた圧力を筒状フィルムFmに加える制御を行ってもよい。図5は、縦シール機構2が、筒状フィルムFmの搬送を開始して、筒状フィルムFmをシールして、筒状フィルムFmの搬送を停止するまでの時刻t0〜t6における、筒状フィルムFmの搬送速度および筒状フィルムFmに与えられる圧力の時間変化を表す。図5において、「空気圧」は、電空レギュレータ25によって制御される、エアシリンダ21b内部の空気圧を表す。筒状フィルムFmに与えられる圧力は、エアシリンダ21b内部の空気圧に応じて変化する。
【0037】
本変形例では、図5に示されるように、時刻t0から、筒状フィルムFmの搬送が開始されて筒状フィルムFmの速度が一定になる時刻t3までの時間帯において、空気圧はp1の一定値を示す。その後、時刻t3から、筒状フィルムFmの搬送が停止する時刻t6までの時間帯において、空気圧はp1より低いp2の一定値を示す。すなわち、本変形例では、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が最大となる時刻t3以降において、筒状フィルムFmに与えられる圧力が低下する。これにより、筒状フィルムFmの速度が一定になる時刻t3以降において、エアシリンダ21b内部の空気圧に基づくエネルギーが必要以上に筒状フィルムFmに与えられて、筒状フィルムFmが過度に溶着してしまうことを防ぐことができる。従って、本変形例に係る製袋包装機100は、筒状フィルムFmを安定してシールすることができる。
【0038】
(5−2)変形例B
本実施形態に係る製袋包装機100では、図4に示されるように、制御部29は、筒状フィルムFmの速度に応じた振幅を有する超音波振動を筒状フィルムFmに与える制御を行うが、制御部29は、フィルム搬送速度が一定になる時間帯t3〜t5において、筒状フィルムFmに与えられる超音波振動のパワーが一定になるような制御を行ってもよい。これにより、筒状フィルムFmの速度が一定になる時間帯t3〜t5において、超音波振動のエネルギーが必要以上に筒状フィルムFmに与えられて、筒状フィルムFmが過度に溶着してしまうことを防ぐことができる。従って、本変形例に係る製袋包装機100は、筒状フィルムFmを安定してシールすることができる。
【0039】
(5−3)変形例C
本実施形態に係る製袋包装機100では、袋Bの連続製造工程において、図4および図5に示される時刻t0〜t6のサイクルが繰り返されるが、2回目以降のサイクルにおいて筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅が、1回目のサイクルにおいて筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅よりも小さくなるように、制御部29が超音波発信器24を制御してもよい。通常、2回目以降のサイクルの開始時点(時刻t0)では、1回目のサイクルにおいて筒状フィルムFmに与えられた超音波振動のエネルギーの一部が、筒状フィルムFmに残留している。すなわち、本変形例では、2回目以降のサイクルにおいて筒状フィルムFmに与えられる超音波振動の振幅(図4におけるa1およびa2)の値を低く設定することによって、2回目以降のサイクルにおいて筒状フィルムFmに超音波振動のエネルギーが必要以上に与えられて、筒状フィルムFmが過度に溶着してしまうことを防ぐことができる。従って、本変形例に係る製袋包装機100は、筒状フィルムFmを安定してシールすることができる。
【符号の説明】
【0040】
2 シール部(縦シール機構)
21 ホーン
22 アンビル
23 搬送部(プルダウンベルト機構)
25 加圧部(電空レギュレータ)
29 制御部
100 製袋包装機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2001−233309号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のフィルムを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されている前記フィルムに圧力および超音波振動を与えて、前記フィルムをシールするシール部と、
前記搬送部によって搬送される前記フィルムの速度、および、前記シール部によって前記フィルムに与えられる超音波振動の振幅を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記搬送部によって前記フィルムの搬送が開始される第1時点に移行する直前の時間領域において、前記フィルムに超音波振動を与え、かつ、前記第1時点に移行した後の時間領域において、前記フィルムの速度に応じた振幅を有する超音波振動を前記フィルムに与える、
製袋包装機。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1時点から、前記フィルムの速度が一定になる第2時点までの時間領域において、前記フィルムの速度が増加するに従って、前記フィルムに与えられる超音波振動の振幅が増加するように、前記搬送部および前記シール部を制御する、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2時点以降であって、かつ、前記フィルムの速度が減少し始める第3時点の直前において、前記フィルムに与えられる超音波振動の振幅が減少し始めるように、前記搬送部および前記シール部を制御する、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記シール部は、ホーンと、アンビルと、前記ホーンおよび前記アンビルを介して前記フィルムに圧力を与える加圧部とを有し、
前記制御部は、前記第1時点に移行する直前の時間領域において、前記加圧部によって前記フィルムに圧力を与えるように、前記搬送部および前記シール部を制御する、
請求項1に記載の製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−236622(P2012−236622A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106076(P2011−106076)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】