説明

製袋機における可変式ヒートシール装置

【課題】成形する袋のシール幅やシール形状が変更となる場合においても、シールバーを交換することなくその変更に対応して能率よく所望のシール幅やシール形状の袋を成形することができる製袋機における可変式ヒートシール装置を提供する。
【解決手段】ヒートシール性フィルム層を有する包装用フィルム1a,1bを2枚以上重ね合わせ、その重ね合わせたフィルムの所要部分に、熱源により加熱されたシールバー55を押し当ててヒートシールを施すヒートシール装置において、シールバー55は、上下に移動可能な複数枚の板材55aが互いに摺動可能に重ね合わされて並ぶ板材群からなる。板材群の各板材55aを個々に上下に駆動することが可能な駆動部56を備え、その駆動部56により所要の板材55aを駆動して他の板材55aに対して突出させ、その突出した板材55aの突出端面をフィルム1a,1bの所要部分に押し当ててヒートシールを施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール性フィルム層を有する包装用フィルムを2枚以上重ね合わせた状態で間欠搬送させ、前記ヒートシール性フィルム層にヒートシールを施して袋状物を成形する製袋機における可変式ヒートシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に各種の生産品を包装する包装袋は、間欠搬送される包装用フィルムの所要部分を順次ヒートシールすることにより成形される(例えば特許文献1)。このような包装袋を成形する製袋機の模式図を図9に示してある。また、図10には、その製袋工程を経て成形される包装用フィルムの平面図を示してある。
【0003】
製袋には、ヒートシール性フィルム層を有する2枚の包装用フィルム1a,1bが用いられ、これら2枚の包装用フィルム1a,1bがローラ21,22により互いに重ね合わされながら一方向に間欠搬送される。重ね合わされた包装用フィルム1a,1bは製袋機の縦シール部A、横シール部B、スリット部C、断裁部Dへ順次間欠的に搬送され、まず縦シール部Aにおいて、包装用フィルム1a,1bの両側に搬送方向と平行な方向の縦ヒートシール15が施され、次に横シール部Bにおいて、搬送方向と直角な方向の横ヒートシール16が施される。そしてスリット部Cにおいて、カッター23により包装用フィルム1a,1bの幅方向中間部が搬送方向と平行な方向のスリットライン26に沿って切断され、最後に断裁部Dにおいて、包装用フィルム1a,1bが搬送方向と直角な方向の断裁ライン27に沿って断裁具24により切断され、これにより図11に示すような所定の大きさの複数の三方袋2が順次成形される。この三方袋2は、下端縁部が前記横ヒートシール16の領域で、両側縁部が前記縦ヒートシール15の領域となっている。そして上端縁の開口17が前記スリット部Cの工程で切断された部分である。
【0004】
縦シール部Aには縦ヒートシール装置11及び縦冷却装置12が設けられ、間欠搬送される包装用フィルム1a,1bの停止のタイミングに合わせて前記縦ヒートシール装置11が昇降動作することで、包装用フィルム1a,1bが加圧及び加熱され、縦ヒートシール15が施される。そしてこの直後に前記縦冷却装置12が昇降動作して縦ヒートシール15による熱が冷却される。一般に縦ヒートシール装置11や縦冷却装置12は、包装用フィルム1a,1bの搬送の1ピッチ長さよりも2〜3倍長くなっており、ヒートシールや冷却が2、3回ずつ繰り返して行なわれる。
【0005】
横シール部Bには、横ヒートシール装置13及び横冷却装置14が設けられ、間欠搬送される包装用フィルム1a,1bの停止のタイミングに合わせて前記横ヒートシール装置13が昇降動作し、包装用フィルム1a,1bが加圧及び加熱され、横ヒートシール16が施される。そしてこの直後に前記横冷却装置14が昇降動作して横ヒートシール16による熱が冷却される。一般に横ヒートシール装置13や横冷却装置14は2〜3台ずつ装着されており、搬送とヒートシールや冷却が2、3回ずつ繰り返して行なわれる。
【0006】
図13には、このような製袋機に用いられる従来のヒートシール装置の構造を示してある。このヒートシール装置は、上部ユニット30と下部ユニット31とを備えている。上部ユニット30は、昇降駆動される昇降アクチュエータ32を有し、この昇降アクチュエータ32の下部に断熱材33を介してヒータブロック34が取り付けられている。ヒータブロック34は熱源(図示せず)を有し、その熱源により所定の温度に加熱される。
【0007】
ヒータブロック34の下面にはシールバー35が設けられ、このシールバー35は、昇降アクチュエータ32、断熱材33及びヒータブロック34を貫通して設けられた締結ボルト36を介してヒータブロック34の下面に密着するようにヒータブロック34に対して脱着可能に締結されている。
【0008】
下部ユニット31は、台座39を有し、この台座39の上に断熱材40を介してヒータブロック41が取り付けられ、このヒータブロック41の上にラバー台42が設けられ、このラバー台42の上にシリコンラバー43が取り付けられている。ラバー台42は、台座39、断熱材40、ヒータブロック41を貫通して設けられた締結ボルト44を介してヒータブロック41の上に締結されている。ヒータブロック41は熱源(図示せず)を有し、その熱源により所定の温度に加熱される。
【0009】
上部ユニット30のシールバー35は、下部ユニット31のシリコンラバー43と対向するように配置され、これらシールバー35とシリコンラバー43との間に包装用フィルム1a,1bが間欠的に搬送される。そして包装用フィルム1a,1bの搬送の停止時に、昇降アクチュエータ32が駆動されて上部ユニット30が下降し、シールバー35とシリコンラバー43とで包装用フィルム1a,1bが圧着され、さらにヒータブロック34、41を介してその圧着部に熱が加えられることで、シールバー35の形状に応じるヒートシールSが施される。この後、上部ユニット30が上昇し、包装用フィルム1a,1bが次の冷却工程に向けて搬送される。
【0010】
シールバー35は、ヒータブロック34からの熱で加熱され、シリコンラバー43はヒータブロック41からの熱で加熱されるが、一般的にシールバー35は包装用フィルム1a,1bのヒートシール性フィルム層の融点よりも高い温度に加熱され、シリコンラバー43は、ヒートシール性フィルム層の融点よりも低い温度に加熱される。
なお、図13に示す上部ユニット30と下部ユニット31とが上下逆に配置される構造とする場合もある。
【0011】
このようなヒートシール装置においては、ヒートシールの形状がシールバー35の形状によって決まるため、成形する袋のシール幅やシール形状が変更となる場合には、それに応じてシールバー35を交換する必要がある。シールバー35を交換する際には、まず熱源を停止させ、直前の作業で高温となっているシールバー35を自然冷却させ、その後に締結ボルト36を緩めてシールバー35を取り外し、逆の手順でその変更に応じる形状の別のシールバー35を締結ボルト36でヒータブロック34の下に取り付けて交換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平9−150807公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のように、従来のヒートシール装置においては、成形する袋のシール幅やシール形状によってその都度シールバーを交換する必要がある。シールバーの交換作業に当っては、一旦高温に加熱されたシールバーを十分に冷却させなければ火傷の危険性があるから、その自然冷却のための長い待ち時間を要し、またシールバーの周辺は狭いため、シールバーの交換作業自体も面倒となる。
【0014】
さらに、成形する袋のシール幅やシール形状に応じる各種のシールバーを事前に多数準備しておく必要がある。新規にシールバーを製作する場合には、製作費用がかかる上に製作時間が必要となるため、すぐに成形作業に移行することができず、その後の保管スペースも必要となる問題がある。
【0015】
また、近年、包装形態の多様化によって成形する袋の形状も多種多様となってきている。例えば、図12(A)に示すようなスタンディング袋2や図12(B)に示すような異形袋2が近年増加する傾向にあり、成形する袋の形状が多少違うだけで同じシールバーを流用するようなことができず、以前よりもより多種類のシールバーを保有しなければならない。さらにまた、近年、多品種小ロット化も進んでおり、シールバーの交換作業の回数が増加する傾向にあり、それによって成形能率が低下するという問題がある。
【0016】
本発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、成形する袋のシール幅やシール形状が変更となる場合であっても、シールバーを交換することなくその変更に対応して容易に能率よく所望のシール幅やシール形状の袋を成形することができる製袋機における可変式ヒートシール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような目的を達成するために、請求項1の発明は、ヒートシール性フィルム層を有する包装用フィルムを2枚以上重ね合わせ、その重ね合わせたフィルムの所要部分に、熱源により加熱されたシールバーを押し当ててヒートシールを施すヒートシール装置において、前記シールバーは、上下に移動可能な複数枚の板材が互いに摺動可能に重ね合わされて並ぶ板材群からなり、その板材群の各板材を個々に上下に駆動することが可能な駆動手段を備え、その駆動手段により板材群のうちの所要の板材を駆動して他の板材に対して突出させ、その突出した板材の突出側の端面を前記フィルムの所要部分に押し当ててヒートシールを施すことを特徴としている。
【0018】
請求項2の発明は、ヒートシール性フィルム層を有する包装用フィルムを2枚以上重ね合わせ、その重ね合わせたフィルムの所要部分に、熱源により加熱されたシールバーを押し当ててヒートシールを施すヒートシール装置において、前記シールバーは、上下に移動可能な複数本のピン材が互いに摺動可能に束ねられて並ぶピン材群からなり、そのピン材群の各ピン材を個々に上下に駆動することが可能な駆動手段を備え、その駆動手段によりピン材群のうちの所要のピン材を駆動して他のピン材に対して突出させ、その突出したピン材の突出側の端面を前記フィルムの所要部分に押し当ててヒートシールを施すことを特徴としている。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記駆動手段を制御する制御手段を備え、その制御手段は製袋機で成形する各種の袋に対応するヒートシールの幅や形状に関するデータを記憶する記憶機能を有し、そのデータを予め制御手段に入力しておき、そのデータのうちの所要のデータを選択して前記駆動手段を制御することにより前記選択されたデータに基づく所要の幅や形状のヒートシールを施すことが可能なことを特徴としてある。
【発明の効果】
【0020】
本発明のヒートシール装置によれば、成形する袋のシール幅やシール形状が変更となる場合であっても、シールバーを交換することなくその変更に対応して容易に能率よく所望のシール幅やシール形状の袋を成形することができる。
【0021】
そして、成形する袋のシール幅やシール形状によってシールバーを製作する必要がないから、シールバーの製作費用の削減、シールバーの製作完了まで成形作業ができなくなるという制約の解消、シールバーの保管スペースの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るヒートシール装置の断面図。
【図2】そのヒートシール装置における上部ユニットの正面図。
【図3】そのヒートシール装置における上部ユニットの下から見た平面図。
【図4】そのヒートシール装置における制御回路のブロック図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るヒートシール装置の断面図。
【図6】そのヒートシール装置における上部ユニットの正面図。
【図7】そのヒートシール装置における上部ユニットの下から見た平面図。
【図8】そのヒートシール装置におけるシールバーのピン材の配列状態を示す平面図。
【図9】一般的な製袋機を模式的に示す斜視図。
【図10】その製袋機で成形される包装用フィルムの平面図。
【図11】その製袋機で成形される三方袋の正面図。
【図12】製袋機で成形される他の例の袋の形状を示す正面図。
【図13】従来の製袋機におけるヒートシール装置の構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1〜図3には、本発明の第1の実施形態に係るヒートシール装置を示してある。このヒートシール装置は上部ユニット50と下部ユニット51とを備えている。上部ユニット50は、昇降駆動される昇降アクチュエータ52を有し、この昇降アクチュエータ52の下部に断熱材53を介してヒータブロック54が取り付けられている。ヒータブロック54は熱源を備え、その熱源により所定の温度に加熱される。
【0024】
ヒータブロック54の内部にはシールバー55が設けられている。シールバー55は、金属製の複数枚の板材55aを互いに重ね合わせて並列するように並べてなる板材群からなる。各板材55aは互いに摺動可能に重ね合わされているとともに、それぞれ上下動可能に支持されている。各板材55aの下部はヒータブロック54の下面から突出するように支持され、これら板材55aがヒータブロック54から伝わる熱で所定温度に保持される。
【0025】
シールバー55を構成する板材群の上部には駆動手段としての駆動部56が設けられている。駆動部56は、各板材55aに対応する駆動片57を有し、その駆動片57を個々に駆動して各板材55aを上下に移動させることが可能となっている。各板材55aと各駆動片57との間には断熱材58が設けられている。
【0026】
下部ユニット51は、台座60を有し、この台座60の上に断熱材61を介してヒータブロック62が取り付けられ、このヒータブロック62の上にラバー台63が設けられ、このラバー台63の上にシリコンラバー64が取り付けられている。ラバー台63は、台座60、断熱材61、ヒータブロック62を貫通して設けられた締結ボルト65を介してヒータブロック62の上に締結されている。
【0027】
上部ユニット50のシールバー55は、下部ユニット51のシリコンラバー64と対向するように配置され、これらシールバー55とシリコンラバー64との間に包装用フィルム1a,1bが間欠的に搬送される。
【0028】
図4には製袋機が備える制御回路の構成を示してあり、この制御回路はマイクロコンピュータを内蔵する制御手段としての制御装置68を有し、この制御装置68は成形する各種の袋の生産条件データ、すなわちヒートシールの幅や形状に関するデータ、ヒータブロック54,62の温度に関するデータ、包装用フィルム1a,1bの間欠搬送スピードに関するデータなどを記憶する記憶部69と、この記憶部69に前記データを入力するための入力部70と、その各種の袋ごとのデータを選択するための選択部71とを備えている。そして、この制御装置68により前記データに基づいて包装用フィルム1a,1bの間欠搬送スピード、ヒータブロック54,62の温度、シールバー55の各板材55aを駆動する駆動部56の動作が制御されるようになっている。
【0029】
袋の成形作業を開始するときには、予め制御装置68の選択部71を操作して成形しようとする袋に対応するデータに基づいて製袋機を動作させるための設定を行なう。この設定に応じて、まずシールバー55の板材群のうちの前記データに基づく所要の板材55aが残りの他の板材55aに対して下方に突出移動するように駆動部56が制御装置68により制御される。そしてその下方に突出した板材55aの突出端面が加圧部となる。
【0030】
この状態のもとで、包装用フィルム1a,1bが間欠的に搬送され、その搬送の停止時に、制御装置68による制御で上部ユニット50が下降し、この下降に応じてシールバー55の前記突出した板材55aの突出端面つまり加圧部が包装用フィルム1a,1bに押し当てられ、その板材55aとシリコンラバー43とで包装用フィルム1a,1bが圧着される。そして、ヒータブロック54、62を介してその圧着部に熱が加えられることで、前記加圧部における前記板材55aの並びの幅及び形状に対応する幅及び形状のヒートシールSが施される。この後、上部ユニット50が上昇し、包装用フィルム1a,1bが次の冷却工程に向けて搬送される。
【0031】
一方、成形する袋がシール幅やシール形状が異なる他の仕様の袋となった場合には、制御装置68の選択部71を操作してその仕様に応じる設定を行なう。この設定により、制御装置68が出力する信号により、シールバー55の板材群のうちの前記設定に基づく所要の板材55aが他の板材55aに対して下方に突出移動するように駆動部56を介して制御される。そしてその下方に突出した板材55aの突出端面が前記仕様に応じる幅及び形状の加圧部となる。
【0032】
この状態のもとで、上述の場合と同様に、包装用フィルム1a,1bの搬送の停止時に、制御装置68による制御でシールバー55の前記突出した板材55aの突出端面つまり加圧部が包装用フィルム1a,1bに押し当てられ、その板材55aとシリコンラバー43とで包装用フィルム1a,1bが圧着される。そして、ヒータブロック54、62を介してその圧着部に熱が加えられることで、前記板材55aの並びの幅及び形状に対応する幅及び形状の前記仕様に応じるヒートシールSが施される。
【0033】
このように、制御装置68による制御で、成形しようとする袋の仕様に応じてシールバー55の所要の板材55aを突出させることによりその仕様に応じたヒートシールSを施すことができ、したがってシールバー55を交換することなく各種の仕様の袋を容易に能率よく成形することができる。
【0034】
図5〜図8には本発明の第2の実施形態に係るヒートシール装置を示してある。このヒートシール装置は前記第1の実施形態のヒートシール装置とシールバー55の構成が異なるだけで、他の部分は同じ構成であるから、図に同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0035】
この実施形態におけるシールバー55は、ヒータブロック54に設けられた多数本のピン材55bの集合体であるピン材群からなる。ピン材群の各ピン材55bはそれぞれ上下に移動可能で、互いに摺動可能に接合して縦横に並ぶように束ねられている。各ピン材55bは、例えば図8に示すように断面が六角形の金属製棒材からなり、その側面が互いに接し合って稠密構造に集合する状態にある。各ピン材55bは、駆動部56による駆動で各ピン材55bに対応して設けられた駆動ピン57bを介してそれぞれ個々に駆動されて上下に移動する。
【0036】
袋の成形時には、その成形する袋の仕様に応じて、制御装置68により制御される駆動部56の動作で、各ピン材55bのうちの所要の複数のピン材55bが残りの他のピン材55bに対して下方に突出移動するように駆動される。そしてその下方に突出したピン材55bの突出端面が前記仕様に応じる幅及び形状の加圧部となり、この加圧部が包装用フィルム1a,1bに押し当てられ、前記ピン材55bの並びの幅及び形状に対応する幅及び形状の前記仕様に応じるヒートシールSが施される。
【0037】
このように、この第2の実施形態のヒートシール装置においても、制御装置68による制御で、成形しようとする袋の仕様に応じてシールバー55の所要のピン材55bを突出させることによりその仕様に応じたヒートシールSを施すことができ、したがってシールバー55を交換することなく各種の仕様の袋を容易に能率よく成形することができる。
【0038】
そして特に、この第2の実施形態のヒートシール装置においては、シールバー55が多数のピン材55bが縦横に稠密構造に並ぶ集合体となっているから、突出させるピン材55bの選択により、例えば波形状やクランク状などの各種の形状のヒートシールを施すことができる。
【0039】
なお、本発明のヒートシール装置の使用形態としては、第1の実施形態のヒートシール装置を図9に示す縦ヒートシール装置11に適用し、第2の実施形態のヒートシール装置を図9に示す横ヒートシール装置13に適用する場合、第1の実施形態のヒートシール装置を図9に示す横ヒートシール装置13に適用し、第2の実施形態のヒートシール装置を図9に示す縦ヒートシール装置11に適用する場合、第1の実施形態のヒートシール装置を図9に示す縦ヒートシール装置11と横ヒートシール装置13とに適用する場合、あるいは第2の実施形態のヒートシール装置を図9に示す縦ヒートシール装置11と横ヒートシール装置13とに使用する場合のいずれであってもよい。
【0040】
以上の述べたように、本発明に係るヒートシール装置によれば、シールバーを交換することなく各種の仕様の袋、例えば図12(A)に示すようなスタンディング袋2や図12(B)に示すような異形袋2をシールバー55を交換することなく、容易に能率よく成形することができる。
【0041】
そして、成形する袋のシール幅やシール形状に応じて個々にシールバーを製作する必要がないから、シールバーの製作費用の削減、シールバーの製作完了まで成形作業ができなくなるという制約の解消、シールバーの保管スペースの削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0042】
A…縦シール部
B…横シール部
C…スリット部
D…断裁部
1a.1b…包装用フィルム
11…縦ヒートシール装置
12…縦冷却装置
13…横ヒートシール装置
14…横冷却装置
23…カッター
24…断裁具
50…上部ユニット
51…下部ユニット
52…昇降アクチュエータ
54…ヒータブロック
55…シールバー
55a…板材
55b…ピン材
56…駆動部
60…台座
62…ヒータブロック
63…ラバー台
64…シリコンラバー
65…締結ボルト
68…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシール性フィルム層を有する包装用フィルムを2枚以上重ね合わせ、その重ね合わせたフィルムの所要部分に、熱源により加熱されたシールバーを押し当ててヒートシールを施すヒートシール装置において、
前記シールバーは、上下に移動可能な複数枚の板材が互いに摺動可能に重ね合わされて並ぶ板材群からなり、その板材群の各板材を個々に上下に駆動することが可能な駆動手段を備え、その駆動手段により板材群のうちの所要の板材を駆動して他の板材に対して突出させ、その突出した板材の突出側の端面を前記フィルムの所要部分に押し当ててヒートシールを施すことを特徴とする製袋機における可変式ヒートシール装置。
【請求項2】
ヒートシール性フィルム層を有する包装用フィルムを2枚以上重ね合わせ、その重ね合わせたフィルムの所要部分に、熱源により加熱されたシールバーを押し当ててヒートシールを施すヒートシール装置において、
前記シールバーは、上下に移動可能な複数本のピン材が互いに摺動可能に束ねられて並ぶピン材群からなり、そのピン材群の各ピン材を個々に上下に駆動することが可能な駆動手段を備え、その駆動手段によりピン材群のうちの所要のピン材を駆動して他のピン材に対して突出させ、その突出したピン材の突出側の端面を前記フィルムの所要部分に押し当ててヒートシールを施すことを特徴とする製袋機における可変式ヒートシール装置。
【請求項3】
前記駆動手段を制御する制御手段を備え、その制御手段は製袋機で成形する各種の袋に対応するヒートシールの幅や形状に関するデータを記憶する記憶機能を有し、そのデータを予め制御手段に入力しておき、そのデータのうちの所要のデータを選択して前記駆動手段を制御することにより前記選択されたデータに基づく所要の幅や形状のヒートシールを施すことが可能な請求項1又は2に記載の製袋機における可変式ヒートシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−73696(P2011−73696A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225112(P2009−225112)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】