説明

複合ラベルの製造方法および製造装置

【課題】複数種類の機能性ラベルのそれぞれの機能を十分に発揮させることができ、物品に貼着したときに良好な外観を有するラベルと、その製造方法および製造装置を得る。
【解決手段】ラベル製造装置50は、剥離紙18に第1の機能性ラベル12,14を並列に仮着するための機能性ラベル仮着装置60,62を含む。剥離紙18上に仮着された第1の機能性ラベル12,14を覆うように、連続したラベル素材68を貼着する。カット装置90でラベル素材68をカットし、ラベル素材68の不要な部分を巻取りローラ84で巻き取ることにより、第1の機能性ラベル12,14上に第2のラベル16を形成する。第1の機能性ラベル12,14と第2のラベル16とで構成される複合ラベル10が仮着された剥離紙18を巻取りローラ58で巻き取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複合ラベルの製造方法と製造装置および複合ラベルに関し、特にたとえば、複数種類の機能を有する複合ラベルを製造するための製造方法と製造装置、および複数種類の機能を有する複合ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来のラベル製造装置の一例を示す図解図である。このラベル製造装置1では、仮着シート2上に仮着された第1のラベル3が剥離され、別の剥離シート4上に再仮着される。ここで、仮着シート2と剥離シート4の移送速度を調整することにより、剥離シート4上に仮着される第1のラベル3の間隔を調整することができる。第1のラベル3が仮着された剥離シート4上に、連続するラベル素材5が貼着され、第1のラベル3がラベル素材5で被覆される。このラベル素材5上に、印刷手段6で必要な事項が印刷される。さらに、ダイロールなどによって、第1のラベル3が覆われるようにして、ラベル素材5に切れ目が形成される。そして、第1のラベル3の上に被覆された部分を残して、ラベル素材5が剥離シート4から剥離され、巻取りローラ7に巻き取られる。
【0003】
このような製造装置1により、図9に示すように、第1のラベル3上に第2のラベル8が積層された多重ラベル9を得ることができる。ここで、第1のラベル3として、たとえばコイル電極とコンデンサ電極とが印刷された共振回路を有する機能性ラベルや、アンテナ用電極が印刷されるとともにICが搭載された機能性ラベルを用いることができる。このような機能性ラベルを用いることにより、盗難防止用ラベルとして用いたり、情報蓄積用ラベルとして用いることができる。さらに、第2のラベル8上には、必要事項が印刷されているため、表示用ラベルとしても用いることができる。このように、機能性ラベルである第1のラベル3と印刷ラベルである第2のラベル8とが積層されていることにより、視覚的に情報を見ることができるとともに、特定の機能を発揮するラベルとして使用することができる。このような多重ラベル9において、図10に示すように、機能性ラベルである第1のラベル3を2枚積層することにより、複数の機能を有する多重ラベル9とすることができる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−53862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の多重ラベルでは、複数種類の機能性ラベルを積層することにより、機能性ラベルに形成された回路が近接して配置されるため、回路相互間で干渉をおこし、それぞれの機能性ラベルの所定の機能を発揮できない場合がある。また、機能性ラベルの積層数が多くなると、多重ラベル全体の厚みが厚くなり、物品に多重ラベルを貼着したときに、盛り上がってしまうため外観が悪くなる。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、複数種類の機能性ラベルのそれぞれの機能を十分に発揮させることができ、物品に貼着したときに良好な外観を有する複合ラベルを提供することである。
また、この発明の目的は、上述のような複合ラベルを製造することができる複合ラベルの製造方法と製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、並列して配置される複数種類の第1の機能性ラベルを1組として、シート状の剥離紙上に複数組の第1の機能性ラベルを仮着する工程と、第1の機能性ラベルを1組ごとに覆うようにして第2のラベルを貼着する工程とを含む、複合ラベルの製造方法である。
このような複合ラベルの製造方法において、第1の機能性ラベルを仮着する工程は、剥離紙上に複数種類の第1の機能性ラベルを仮着するための複数の仮着工程を含むものとすることができる。
また、第1の機能性ラベルを貼着する工程は、予め第1の機能性ラベルを貼着した剥離紙を引き出して、剥離紙上に別種類の第1の機能性ラベルを仮着する工程を含むものとしてもよい。
さらに、第2のラベルを貼着する工程は、複数組の第1の機能性ラベル上に連続するラベル素材を貼着する工程と、複数種類の第1の機能性ラベルが1組ごとに覆われるようにラベル素材をカットする工程と、第1の機能性ラベルを覆う部分を残してラベル素材を剥離紙から除去することにより第2のラベルを形成する工程とを含むものとすることができる。
また、第2のラベルを貼着する工程は、複数種類の第1の機能性ラベルを1組ごとに覆うように個別に第2のラベルを貼着する工程を含むものとしてもよい。
さらに、この発明は、シート状の剥離紙を移送するための移送手段と、剥離紙上に複数種類の第1の機能性ラベルを並列に仮着するための機能性ラベル仮着手段と、複数種類の第1の機能性ラベルを1組として、1組ごとに複数種類の第1の機能性ラベルを覆うように第2のラベルを貼着するためのラベル貼着手段とを含む、ラベル製造装置である。
このようなラベル製造装置において、機能性ラベル仮着手段は、複数種類の第1の機能性ラベルを仮着するための複数の機能性ラベル仮着装置を含むものとすることができる。
また、移送手段は、予め第1の機能性ラベルが仮着された剥離紙を巻回する巻回ローラと、巻回ローラから引き出された剥離紙を巻き取るための巻取りローラとを含み、機能性ラベル仮着手段によって、剥離紙に仮着された第1の機能性ラベルに並列に、別種類の第1の機能性ラベルが仮着されてもよい。
さらに、ラベル貼着手段は、複数組の第1の機能性ラベルを覆うように連続したラベル素材を貼着するためのラベル貼着装置と、複数種類の第1の機能性ラベルが1組ごとに覆われるようにラベル素材をカットするためのカット装置と、第1の機能性ラベル上に第2のラベルを形成するために第1の機能性ラベルを覆う部分を残してラベル素材を剥離紙から除去する除去手段とを含むものとすることができる。
また、ラベル貼着手段は、複数種類の第1の機能性ラベルを1組ごとに覆うように個別に第2のラベルを貼着するためのラベル貼着装置を含むものとしてもよい。
さらに、この発明は、並列して配置される複数種類の機能性ラベルと、複数種類の第1のラベルを覆うように複数種類の第1のラベル上に貼着される第2のラベルとを含む、複合ラベルである。
【0008】
複数種類の第1の機能性ラベルを並列に配置することにより、第1の機能性ラベルのそれぞれに形成された回路が近接しない状態で、第2のラベルによって1つの複合ラベルとしてまとめられる。そのため、複数種類の第1の機能性ラベルに形成された回路が相互干渉をおこさず、それぞれの第1の機能性ラベルの機能を十分に発揮させることができる。また、複数種類の第1の機能性ラベルの数が増えても、これらを並列に配置することにより、複合ラベル全体としての厚みが厚くならない。そのため、複合ラベルを物品に貼着しても、複合ラベルが盛り上がったりせず、良好な外観を得ることができる。
このような複合ラベルを得るために、複数種類の第1の機能性ラベルが剥離紙上に仮着されるが、剥離紙上に複数種類の第1の機能性ラベルを仮着してもよいし、予め剥離紙上に第1の機能性ラベルを仮着しておいて、引き出された剥離紙上に別種類の第1の機能性ラベルを仮着してもよい。
また、複数種類の第1の機能性ラベルを覆う第2のラベルは、連続するラベル素材を全ての第1の機能性ラベル上に貼着し、1組の第1の機能性ラベルを覆うようにラベル素材をカットして余分な部分を除去することにより形成してもよいし、1組の第1の機能性ラベル上に個別に第2のラベルを貼着してもよい。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、複数種類の第1の機能性ラベルの機能を十分に発揮することができ、かつ物品に貼着したときに見栄えのよい複合ラベルを得ることができる。
【0010】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の複合ラベルの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す複合ラベルの断面図解図である。
【図3】図1に示す複合ラベルに用いられる第1の機能性ラベルの一例を示す平面図である。
【図4】図1に示す複合ラベルの用いられる第1の機能性ラベルの他の例を示す平面図である。
【図5】この発明のラベル製造装置の一例を示す図解図である。
【図6】図5に示すラベル製造装置によって製造されたラベルを示す図解図である。
【図7】この発明のラベル製造装置の他の例を示す図解図である。
【図8】従来のラベル製造装置の一例を示す図解図である。
【図9】従来の多重ラベルの一例を示す図解図である。
【図10】従来の多重ラベルの他の例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1はこの発明の複合ラベルの一例を示す斜視図であり、図2はその断面図解図である。複合ラベル10は、たとえば2種類の第1の機能性ラベル12,14および第2のラベル16を含む。一方の第1の機能性ラベル12は、たとえば合成樹脂などで形成されたフィルム状の基材12aを含み、その一方面側に粘着層12bが形成される。同様に、他方の第1の機能性ラベル14は、たとえば合成樹脂などで形成されたフィルム状の基材14aを含み、その一方面上に粘着層14bが形成される。これらの粘着層12b,14bによって、第1の機能性ラベル12,14が剥離紙18上に仮着されている。
【0013】
第1の機能性ラベル12,14としては、たとえば情報蓄積用のものや、万引き防止用のものなどを用いることができる。一方の第1の機能性ラベル12として、たとえば図3に示すように、基材12aに導電材料でアンテナコイル20を形成し、IC22を搭載した情報蓄積用の機能性ラベルが例示される。このような第1の機能性ラベル12では、IC22に各種の情報が蓄積される。このような情報としては、たとえば複合ラベル10が貼着される物品の品名、ロット番号、製造年月日などの情報が蓄積されるが、これらの情報に限らず、どのような情報が蓄積されてもよい。IC22に蓄積された情報は、アンテナコイル20を介して電磁波により読み取ることができる。また、IC22を駆動するための電力も、アンテナコイル20を介して、電磁波により供給される。
【0014】
また、他方の第1の機能性ラベル14として、たとえば図4に示すように、基材14aに導電材料でコイルパターン24とコンデンサパターン26とを形成して、LC共振回路とした万引き防止用の機能性ラベルが例示される。このようなLC共振回路は、特定の周波数の電磁波に共振するため、たとえば店舗の出入り口に電磁波を発するゲートを設けておくことにより、LC共振回路を有するラベルがゲートを通ったときに、LC共振回路の共振を検出してブザーを鳴らすことができる。したがって、このようなLC共振回路を有するラベルを貼着した物品を無断で持ち出そうとすれば、ブザーによって物品の持ち出しを知らせることができる。
【0015】
なお、万引き防止用としては、たとえば磁性線材や磁性薄板などを基材に貼り付けたものなどを用いてもよい。これらの第1の機能性ラベルでは、交流磁界による磁性線材の磁化方向の変化を検出したり、磁性薄板の磁歪に基づく振動を検出することにより、ブザーを鳴らすことができる。もちろん、第1の機能性ラベル12,14として、他の機能を有するものを用いてもよい。なお、2つの第1の機能性ラベル12,14としては、それぞれ異なる機能を有するものが用いられる。
【0016】
これらの1組の第1の機能性ラベル12,14を覆うようにして、第2のラベル16が貼着される。第2のラベル16は、たとえば紙、合成樹脂などで形成されたシート状の基材16aを含み、その一方面側に粘着層16bが形成されている。この粘着層16bによって、第2のラベル16が第1の機能性ラベル12,14上に貼着される。第2のラベル16は、第1の機能性ラベル12,14の外側にはみだすような大きさに形成され、第1の機能性ラベル12,14がない部分は、剥離紙18上に仮着される。
【0017】
第2のラベル16上には、印刷層28が形成される。印刷層28においては、たとえば複合ラベル10が貼着される物品の名称やそれに関連する事項について、文字や図面などで表示することができる。もちろん、印刷層28で表示する事項は任意に選択することができる。
【0018】
このような複合ラベル10を製造するために、たとえば図5に示すようなラベル製造装置50が用いられる。ラベル製造装置50は、巻回ローラ52を含み、この巻回ローラ52にシート状の剥離紙18が巻回されている。剥離紙18は、2つのローラ54,56を介して、巻取りローラ58で巻き取られる。これらの巻回ローラ52、ローラ54,56および巻取りローラ58によって、剥離紙18を移送する移送手段が構成される。
【0019】
剥離紙18の移送過程において、機能性ラベル仮着手段として、2つの機能性ラベル仮着装置60,62が配置される。一方の機能性ラベル仮着装置60は、巻回ローラ60a、巻取りローラ60bおよび剥離器60cを含み、巻回ローラ60aには剥離紙64が巻回されている。剥離紙64には、第1の機能性ラベル12が所定の間隔で仮着されている。そして、第1の機能性ラベル12が仮着された剥離紙64が剥離器60cで反転させられて移送され、巻取りローラ60bで巻き取られる。剥離器60cでは、剥離紙64が反転させられることにより、剥離紙64上に仮着された第1の機能性ラベル12はそのままほぼ直進して剥離され、移送されている剥離紙18の移送方向に沿うように第1の機能性ラベル12が送り出される。送り出された第1の機能性ラベル12は、粘着層12bによって、移送されている剥離紙18上に仮着される。
【0020】
また、他方の機能性ラベル仮着装置62は、巻回ローラ62a、巻取りローラ62bおよび剥離器62cを含み、巻回ローラ62aには剥離紙66が巻回されている。剥離紙66には、第1の機能性ラベル14が所定の間隔で仮着されている。そして、第2の機能性ラベル14が仮着された剥離紙66が剥離器62cで反転させられて移送され、巻取りローラ62bで巻き取られる。剥離器62cでは、剥離紙66が反転させられることにより、剥離紙66上に仮着された第1の機能性ラベル14はそのままほぼ直進して剥離され、移送されている剥離紙18の移送方向に沿うように第1の機能性ラベル14が送り出される。送り出された第1の機能性ラベル14は、粘着層14bによって、移送されている剥離紙18上に仮着される。
【0021】
剥離紙18上に仮着される第1の機能性ラベル12,14は近接して配置され、その間隔が一定となるように制御される。また、近接して配置される第1の機能性ラベル12,14を1組としたとき、隣接する第1の機能性ラベル12,14の組の間の間隔は、一定となるように制御される。このような間隔の制御は、たとえば、機能性ラベル仮着装置60,62において、剥離紙64に仮着される第1の機能性ラベル12の間隔および剥離紙66に仮着される第1の機能性ラベル14の間隔を決めておき、剥離紙18,64,66の移送速度を同期させることにより行うことができる。なお、剥離紙64,66に仮着される第1の機能性ラベル12,14の間隔を調整したり、剥離紙18,64,66の移送速度を調整することにより、第1の機能性ラベル12,14間の間隔や、隣接する第1の機能性ラベル12,14の組の間の間隔を制御することができる。
【0022】
また、一方の機能性ラベル仮着装置60によって一定間隔で第1の機能性ラベル12を剥離紙18上に仮着し、光センサなどで第1の機能性ラベル12を検出して、他方の機能性ラベル仮着装置62によって第1の機能性ラベル14を剥離紙18上に仮着してもよい。このような方法によっても、第1の機能性ラベル12,14間の間隔や、隣接する第1の機能性ラベル12,14の組の間の間隔を制御することができる。
【0023】
剥離紙18上に仮着された第1の機能性ラベル12,14を覆うようにして、連続したラベル素材68が貼着される。ラベル素材68を第1の機能性ラベル12,14上に貼着するために、ラベル貼着手段としてのラベル貼着装置70が用いられる。ラベル貼着装置70は、巻回ローラ72を含み、この巻回ローラ72に剥離紙74が巻回されている。剥離紙74には、ラベル素材68が仮着され、反転ローラ76を介して巻取りローラ78に巻き取られる。そして、反転ローラ76で剥離紙74が反転させられることにより、ラベル素材68が、剥離紙18の移送方向に向かって送り出される。送り出されたラベル素材68は、ローラ80,82を介して、巻取りローラ84に巻き取られる。
【0024】
ラベル素材68は、剥離紙18とほぼ同じ幅に形成される。そして、剥離紙18の移送方向に送り出されたラベル素材68は、粘着層68bによって、第1の機能性ラベル12,14上に貼着される。また、第1の機能性ラベル12,14がない部分においては、粘着層68bによって、ラベル素材68が剥離紙18上に仮着される。このように、第1の機能性ラベル12,14上にラベル素材68を貼着するために、剥離紙18の移送速度とラベル素材68の移送速度が等しくなるように制御される。
【0025】
ラベル素材68の移送経路において、ラベル素材68をカットするためのカット装置90が設けられる。カット装置90は、たとえばダイロールなどを有し、1組の第1の機能性ラベル12,14を覆う形状に、ラベル素材68がカットされる。このとき、第1の機能性ラベル12,14の外側にはみだすようにして、ラベル素材68がカットされる。なお、ラベル素材68のカット位置を検出するために、たとえば光センサなどによって、第1の機能性ラベル12,14のいずれか一方または両方が検出される。この場合、ラベル素材68としては、有色であっても無色であってもよいが、光を透過する材料で形成される必要がある。なお、剥離紙18が光を透過する材料で形成されていれば、剥離紙18側から光センサによって第1の機能性ラベル12,14のいずれか一方または両方を検出することができる。この場合、ラベル素材68として、光を透過しない材料を使用することができる。
【0026】
このように、ラベル素材68がカットされることにより、巻取りローラ84には、第1の機能性ラベル12,14を覆う部分を残してラベル素材68が巻き取られる。したがって、巻取りローラ84は、ラベル素材68の不要な部分を剥離紙18から除去するための除去手段として用いられる。そして、第1の機能性ラベル12,14上に残ったラベル素材68が、第2のラベル16として用いられる。このようにして、図6に示すように、第1の機能性ラベル12,14と第2のラベル16とで構成される複合ラベル10が形成され、この複合ラベル10が剥離紙18に仮着された状態で、巻取りローラ58に巻き取られる。なお、第2のラベル16上に印刷層28を形成するには、予めラベル素材68上に印刷層28を形成しておいてもよいし、第1の機能性ラベル12,14上にラベル素材68を貼着した後に印刷してもよい。
【0027】
また、第1の機能性ラベル12,14の上に第2のラベル16を貼着するために、図7に示すように、予め所定の大きさにカットされた第2のラベル16を用いてもよい。この例では、ラベル貼着装置70の剥離紙74上に、第1の機能性ラベル12,14を覆う大きさの第2のラベル16が所定の間隔で仮着されている。そして、剥離紙74が剥離器86で反転させられて移送され、巻取りローラ78で巻き取られる。剥離器86では、剥離紙74が反転させられることにより、剥離紙74上に仮着された第2のラベル16はそのままほぼ直進して剥離され、移送されている剥離紙18の移送方向に沿うように第2のラベル16が送り出される。送り出された第2のラベル16は、1組の第1の機能性ラベル12,14の上に個別に貼着される。この場合、たとえば、1組の第1の機能性ラベル12,14のいずれか一方または両方を光センサなどで検出することにより、第2のラベル16の貼着位置を決定することができる。
【0028】
このようにして作製された複合ラベル10では、2種類の第1の機能性ラベル12,14が並列に配置されているため、2つの機能性ラベルが重なり合っている場合のように、それぞれの機能性ラベルに形成された回路が干渉せず、誤動作が発生しない。そのため、第1の機能性ラベル12,14のそれぞれの機能を発揮することができる。なお、3種類以上の第1の機能性ラベルを並列に配置した複合ラベル10を形成してもよい。この場合においても、各機能性ラベルに形成された回路が干渉しないため、第1の機能性ラベルのそれぞれの機能を発揮させることができる。
【0029】
また、複数種類の第1の機能性ラベルを並列に配置することにより、複数種類の第1の機能性ラベルを積層した場合のように、複合ラベル10全体の厚みが厚くならない。そのため、複合ラベル10を物品に貼着したときに、複合ラベル10の貼着部分が盛り上がったりせず、外観上も良好なものにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の複合ラベルの製造方法と製造装置および複合ラベルは、複数種類の機能性ラベルのそれぞれの機能を十分に発揮させることができ、物品に貼着したときに良好な外観を有する複合ラベルを提供することができることから、複数種類の機能を有する複合ラベルを提供する用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0031】
10 複合ラベル
12,14 第1の機能性ラベル
16 第2のラベル
18 剥離紙
50 ラベル製造装置
60,62 機能性ラベル仮着装置
68 ラベル素材
70 ラベル貼着装置
90 カット装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列して配置される複数種類の第1の機能性ラベルを1組として、シート状の剥離紙上に複数組の前記第1の機能性ラベルを仮着する工程、および
前記第1の機能性ラベルを1組ごとに覆うようにして第2のラベルを貼着する工程を含む、複合ラベルの製造方法。
【請求項2】
前記第1の機能性ラベルを仮着する工程は、前記剥離紙上に複数種類の前記第1の機能性ラベルを仮着するための複数の仮着工程を含む、請求項1に記載の複合ラベルの製造方法。
【請求項3】
前記第1の機能性ラベルを仮着する工程は、予め前記第1の機能性ラベルを仮着した前記剥離紙を引き出して、前記剥離紙上に別種類の前記第1の機能性ラベルを仮着する工程を含む、請求項1に記載の複合ラベルの製造方法。
【請求項4】
前記第2のラベルを貼着する工程は、複数組の前記第1の機能性ラベル上に連続するラベル素材を貼着する工程と、複数種類の前記第1の機能性ラベルが1組ごとに覆われるように前記ラベル素材をカットする工程と、前記第1の機能性ラベルを覆う部分を残して前記ラベル素材を前記剥離紙から除去することにより前記第2のラベルを形成する工程とを含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の複合ラベルの製造方法。
【請求項5】
前記第2のラベルを貼着する工程は、複数種類の前記第1の機能性ラベルを1組ごとに覆うように個別に前記第2のラベルを貼着する工程を含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の複合ラベルの製造方法。
【請求項6】
シート状の剥離紙を移送するための移送手段、
前記剥離紙上に複数種類の第1の機能性ラベルを並列に仮着するための機能性ラベル仮着手段、および
複数種類の前記第1の機能性ラベルを1組として、1組ごとに複数種類の前記第1の機能性ラベルを覆うように第2のラベルを貼着するためのラベル貼着手段を含む、ラベル製造装置。
【請求項7】
前記機能性ラベル仮着手段は、複数種類の前記第1の機能性ラベルを仮着するための複数の機能性ラベル仮着装置を含む、請求項6に記載のラベル製造装置。
【請求項8】
前記移送手段は、予め前記第1の機能性ラベルが仮着された前記剥離紙を巻回する巻回ローラと、前記巻回ローラから引き出された前記剥離紙を巻き取るための巻取りローラとを含み、
前記機能性ラベル仮着手段によって、前記剥離紙に仮着された前記第1の機能性ラベルに並列に、別種類の前記第1の機能性ラベルが仮着される、請求項6に記載のラベル製造装置。
【請求項9】
前記ラベル貼着手段は、複数組の前記第1の機能性ラベルを覆うように連続したラベル素材を貼着するためのラベル貼着装置と、複数種類の前記第1の機能性ラベルが1組ごとに覆われるように前記ラベル素材をカットするためのカット装置と、前記第1の機能性ラベル上に前記第2のラベルを形成するために前記第1の機能性ラベルを覆う部分を残して前記ラベル素材を前記剥離紙から除去する除去手段とを含む、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のラベル製造装置。
【請求項10】
前記ラベル貼着手段は、複数種類の前記第1の機能性ラベルを1組ごとに覆うように個別に前記第2のラベルを貼着するためのラベル貼着装置を含む、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のラベル製造装置。
【請求項11】
並列して配置される複数種類の機能性ラベルと、前記複数種類の前記第1のラベルを覆うように複数種類の前記第1のラベル上に貼着される第2のラベルとを含む、複合ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−30318(P2010−30318A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258236(P2009−258236)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【分割の表示】特願2003−300309(P2003−300309)の分割
【原出願日】平成15年8月25日(2003.8.25)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【Fターム(参考)】